JP2014503460A - リン酸の精製方法 - Google Patents

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Abstract

リン酸と第1の量の不純物とを含む流れの精製方法であって、水母液中のリン酸結晶のスラリーが形成され;少なくとも1つの濾材(4)を含む洗浄塔中で濾過されることによって、リン酸結晶が母液から分離され、一方、スラリーから得られた結晶の充填層が前記濾材(4)付近に形成され;層中の結晶から洗浄先端まで向流となる洗浄液によって、分離されたリン酸結晶が洗浄塔中で洗浄され、洗浄先端で洗浄液は再結晶し、層は前記洗浄先端(6b)の方向に移動し;洗浄された結晶の少なくとも一部が溶融することによって、リン酸と減少した量の不純物とを含む精製流が形成され;洗浄塔の生成物出口を介して洗浄塔から精製流が抜き取られ、前記洗浄塔(1)中の洗浄先端(6b)と生成物出口との間、および/または溶融回路(8、10、11、21)中に水が導入されることで、少なくとも一部の洗浄液が形成され、前記水の導入によって、溶融回路(8、10、11、21)の内容物の平衡温度が低下することを特徴とする方法。

Description

本出願は、2011年1月4日に出願された欧州特許出願第11150103.7号明細書の優先権を主張し、この出願内容全体が、あらゆる目的で本明細書に参照により援用される。
本発明は、リン酸の精製に関する。
リン酸は、広く使用されている工業用化学製品である。大量の超高純度リン酸が電子産業において消費されており(「電子グレード」)、そのため多量のホスフェート含有廃液が生じている。特に、LCD産業では、毎年100kTを超えるリン酸含有溶液がアルミニウムエッチャントとして使用されている。リン酸は、典型的には以下の基本的性質を有する。
国際公開第2005/120675号パンフレットには、リン酸、酢酸、および硝酸を含有するエッチング廃液の処理方法が記載されている。しかしこの方法は、利用が困難であり費用がかかると思われる。
リン酸を精製するための液圧式洗浄塔が知られている。欧州特許出願公開第A−1 970 349号明細書には、イオン性不純物が濃縮された母液から比較的純粋なリン酸半水和物結晶を分離するための従来の強制輸送洗浄塔の使用が開示されている。
この周知の方法は、高純度のリン酸を生成することができるが、生産能力が比較的低い。逆に、生産能力を高めると、リン酸の純度が大きく低下すると思われた。
本発明の目的は、生成物の純度を低下させることなく、より高い生産能力に到達可能なリン酸の精製方法を提供することである。
したがって、本発明は、リン酸と第1の量の不純物とを含む流れの精製方法であって、
・水母液中のリン酸結晶のスラリーが形成され;
・少なくとも1つの濾材(4)を含む洗浄塔中で濾過されることによって、リン酸結晶が母液から分離され、一方、スラリーから得られた結晶の充填層が前記濾材(4)付近に形成され;
・層中の結晶から洗浄先端まで向流となる洗浄液によって、分離されたリン酸結晶が洗浄塔中で洗浄され、洗浄先端で洗浄液は再結晶し、層は前記洗浄先端(6b)の方向に移動し;
・洗浄された結晶の少なくとも一部が溶融することによって、リン酸と減少した量の不純物とを含む精製流が形成され;
・洗浄塔の生成物出口を介して洗浄塔から精製流が抜き取られ、
前記洗浄塔(1)中の洗浄先端(6b)と生成物出口との間、および/または溶融回路(8、10、11、21)中に水が導入されることで、少なくとも一部の洗浄液が形成され、前記水の導入によって、溶融回路(8、10、11、21)の内容物の平衡温度が低下することを特徴とする方法に関する。
以下では、本発明をより十分に理解できるようにするため、洗浄塔の運転の基本的な原理をまとめている。
洗浄塔は効率的な固液分離装置であり、比較的低コストおよび低エネルギー消費でありながら、高純度の生成物を得るために、溶融物から懸濁結晶化の生成物流を分離するための使用に特に好適である。いくつかの種類の強制輸送洗浄塔が周知である。強制輸送洗浄塔の最も重要な使用は、懸濁系の溶融結晶化法における高度な固液分離装置としての使用である。このような懸濁系溶融結晶化法においては、上流晶析装置が懸濁液の生成に関与する。次に、形成された結晶を残存する母液から分離するために洗浄塔が使用される。典型的には、懸濁液は、不純な供給材料をその平衡結晶化温度よりも低温まで冷却することによって得られる。結晶化すべき混合物の凝固点降下は、不純物濃度の増加とともに増大する。したがって、不純なあらゆる供給材料について、晶析装置の運転温度は、純粋結晶化化合物の溶融温度よりも低くされる。
用語「強制輸送」は、結晶を含有する多孔質層の輸送が強制されることを意味し、これは、重量によって生じるのではない、または少なくとも重力のみによって生じるのではないことを意味する。層の輸送を向上させるための周知の力は、ピストンまたはスクリューコンベヤなどの機械的装置、または液圧力である。結晶層が重力のみによって輸送される重力洗浄塔は、別の周知の種類の洗浄塔を構成している。この種の洗浄塔は、比較的低い特定の生産能力および比較的大きな結晶を必要とすることなど、強制輸送洗浄塔と比較して明確な欠点を有する。このため、本発明の構造においては、重力洗浄塔よりも強制輸送洗浄塔が好ましい。強制輸送洗浄塔の動作原理について、次の段落で説明する。
洗浄塔の役割は、プロセスの精製効率を最大化するために、不純な母液から可能なかぎり純粋結晶を分離することである。強制輸送洗浄塔では、精製は、濾過による固液分離と、向流洗浄との2つの分離原理の組み合わせに基づいている。洗浄塔の供給側では、晶析装置において得られた懸濁液が洗浄塔に入る。動作原理は塔の垂直配置とは無関係なので、この供給は、洗浄塔の上部または底部に配置することができる。これは、強制輸送洗浄塔の運転に関して、重力の重要性が存在しないか限定された重要性を有することも示している。洗浄塔の供給側において、1つ以上のフィルターによって母液が除去されることで、結晶の多孔質層が形成される。このように形成された層中、比較的純粋な結晶が、濾過によって除去できなかった不純な母液の一部と依然として接触する。層の形成後、供給位置とは反対側の洗浄塔の生成物側までの層の強制輸送を開始することができる。強制輸送洗浄塔においては、層の輸送は、ピストンまたはスクリューコンベヤなどの機械的装置によって、あるいは液圧力、すなわち液体の圧力によって強制的に行われる。生成物側において、多孔質結晶層は、回転スクレーパーナイフなどの機械的装置によって、または循環液体流の衝撃によって分解される。後者の塔の一例が、国際公開第A−03/063997号パンフレットに記載されている。特許文献における洗浄塔の別の例は、米国特許第A4 309 878号明細書;国際公開第A−84/00117号パンフレット;国際公開第A−84/00118号パンフレット;欧州特許出願公開第A−0 398 437号明細書;国際公開第A−98/25889号パンフレット;国際公開第A−98/27240号パンフレット;欧州特許出願公開第A−0 948 984号明細書;および国際公開第A−00/24491号パンフレットであり、これら文献のすべてが参照により本明細書に援用される。
層から放出された結晶は、洗浄塔のいわゆるリスラリー室に入り、これは、層の分解が起こる場所の近傍/隣接して存在する。層が下方に移動する洗浄塔においては、通常はリスラリー室は塔の底部に存在する。層が上方に移動する塔においては、通常は塔の上部に存在する。
図1は、洗浄塔装置の従来技術の一例の概略断面を表している。これは、容器(1)を含み、この例によると、上流晶析装置からスラリーを供給するために使用される供給パイプ(2)およびポンプ(3)を含む懸濁液供給手段が設けられている。この装置は、少なくとも1つの濾材(4)と、濾材を通過する液体を排出する手段(5)とをさらに含み、それによって固体粒子の充填多孔質層を濾材の周囲に形成することができる。図1によると、多孔質層の上部側は線(6a)上に位置する。後に説明する洗浄先端は線(6b)上に位置し、充填多孔質層の底部側は線(6c)上に位置する。さらに、充填層を分解または破壊するための手段(7)が存在することができ、これは、たとえば、国際公開第A−03/063997号パンフレットに詳細に記載されており、層の少なくとも一部を交流電磁界に曝露し、それによって層中に電流が誘導されて、渦、特に小渦巻(小規模の渦)を発生させることによる誘導加熱を含む。洗浄塔は、充填層を分解するための従来手段、たとえば回転スクレーパーナイフを用いることによって運転することもできる。図1の例においては、これらの分解手段は、液体が循環する回路を含む。この例では、この液体は、(a)分解した層から得られた固体のヒーター(「溶融装置」)(9)への輸送;(b)(6b)と(6c)との間の洗浄ゾーン中での結晶の洗浄;および(c)循環する液体の衝撃を使用することによる層の分解の3つの重要な機能を有する。この最後の機能は任意であり、たとえば回転スクレーパーナイフなどの層を分解するための機械的手段を代わりに使用することができる。循環する液体は、いわゆるリスラリー室(21)にライン(11)を介して供給され、分解した層から得られる固体を取り込んだ後で、場所(8)においてリスラリー室(21)から排出される。この回路中、循環する液体は、熱交換器(9)(「溶融装置」)によって加熱され、それによって結晶/固体のすべてまたは少なくとも大部分が溶融し、層を分解するために必要な液体の衝撃は、溶融物循環ポンプ(10)によって得られる。
図1の例によると、懸濁液は、供給ライン(2)から洗浄塔中に連続的に圧送される。起動中、結晶の多孔質層は、(6a)および(6c)の間の濾材(4)の周囲に形成される。したがって、母液スラリーからの固体粒子の充填層は、濾材(4)付近で形成される。これは、以下の様に理解することができる。起動中、結晶は濾材によって保持されながら、液体は通過することができる。これによって結晶の多孔質の栓の形成が開始し、徐々に成長して結晶の多孔質充填層となる。充填層の閉鎖は、洗浄塔の供給側と生成物側との間に圧力差が生じることから検出できる。閉鎖した充填層の供給側の位置(6a)は、図1に示されるような層の下方への移動の開始後に、典型的には濾材の1〜50cm上である。定常状態の運転中、供給側層の位置(6a)は、典型的には濾材の5〜30cm上である。層が上方に移動する構成の場合、距離は同じままであるが、この場合は、(6a)が濾材の下に位置する。母液はフィルターを通過することができ、フィルターパイプ(5)を介して塔を離れる(図1の実施形態では、上向きの矢印によって示されるように、上向きの方向)。図1の例では、洗浄塔(1)の上部区画中の位置(6a)の上で液圧が増加する。生成物弁(20)が開くとすぐに、液圧によって層が下方に輸送され、このことが層中の下向きの矢印によって示されている。移動する層は、洗浄先端(6b)を通過し、塔の底部側(6cの下)においてリスラリー室(21)で分解される。濾材(4)は、フィルター管延長部(19)を有する底部側で延長される。このフィルター管延長部は、たとえば固体PTFE管であってよいが、他の材料も可能である。フィルター管延長部の主な機能は、層の構造/充填を変化させずに記載の方向に充填層を案内すること、およびフィルター管/フィルター管延長部の表面の温度が下がり、それによって洗浄ゾーン中に存在する比較的純粋な洗浄液がフィルター管/フィルター管延長部の低温表面上で結晶化するのを防止することである。通常条件下では、層が液圧輸送される洗浄塔は:洗浄ゾーン(12);濃縮ゾーン(13)、および懸濁ゾーン(14)の3つのゾーンに区別することができる。洗浄ゾーン(12)は洗浄塔中の(6b)および(6c)の間に形成され、濃縮ゾーン(13)は(6a)および(6b)の間に形成される。(14)に、懸濁ゾーンが配置され、このゾーン中、粒子の濃度は、最大で供給される懸濁液の濃度に等しく、懸濁液は、希望するなら、パイプ(16)およびポンプ(17)によって濾液の一部を再循環させることによってこのゾーン中で希釈される。ライン(16)は必ずしも洗浄塔に直接向かう必要はなく、供給ポンプ(3)と洗浄塔(1)との間の供給ライン(2)中に出ることもできる。ステアリングフロー(steering flow)とも呼ばれる、この場合による濾液の再循環によって、洗浄塔内の圧力、したがって層に作用する輸送力は、所望の値に設定することができる。母液の残り、すなわち濾液は、排出パイプ(15)から排出される。分解した層から得られる溶融純粋結晶から完全にまたは主としてなる清浄塔の生成物は、ライン(18)から排出される。洗浄ゾーン(12)中の向流洗浄に使用される洗浄液は、生成物と同じ組成を有する。制御弁(20)は、洗浄先端の下で洗浄に必要な適切な圧力を設定するために使用され、排液流(18)の大きさを決定する。
いわゆる溶融回路は、排出ライン(8)およびフィードバックライン(11)と、溶融装置(9)と、溶融物循環ポンプ(10)と、リスラリー室(21)、すなわち塔(1)の中の層の分解が起こる空間、すなわち図1中に(6c)で概略的に示されている位置のPTFEフィルター管延長部(19)によって通常は形成されている管の底部の下の空間とのループによって形成されている。
より一般的には、溶融回路は、典型的には、リスラリー室、溶融装置、循環ポンプ、生成物制御弁、およびこれらの構成要素を接続する管材料を含む。溶融回路中を循環する液体流は、結晶をリスラリー室から溶融装置に輸送する。溶融に必要な熱は、たとえば電気的加熱要素によって、または熱処理に有用な蒸気、水、または油などを使用する熱交換器型溶融装置中に結晶懸濁液を接触させることによって供給することができる。溶融装置中で生じた溶融物の大部分は、いわゆる生成物制御弁によって生成物として取り出される。溶融装置で得られた溶融生成物のごく一部は、洗浄塔の末端における前述のリスラリー室に再循環される。定常状態であり混和性成分が添加されておらず純粋結晶とほぼ同じ組成を有するこの循環溶融物は、前述のような3つの重要な機能を有する。第1の機能は、分解された層から得られた結晶の次の部分を溶融装置に輸送することである。実施例で使用される記載の液圧洗浄塔において、再循環する液体の第2の機能は、層の分解に関与する衝撃を供給することであった。層を分解するために回転スクレーパーナイフなどの機械的手段を使用する強制輸送洗浄塔でも本発明を実施可能であるという意味で、この第2の機能は任意である。循環する溶融物の第3の機能は、多くの場合で洗浄液と呼ばれるこの溶融物の一部を、向流洗浄を実現するために結晶層に強制的に送り込むことである。洗浄液を結晶層に送り込むための力は、溶融回路中の過圧力であり、この圧力は生成物制御弁によって得ることができ制御することができる。用語「向流洗浄」は、結晶(の充填層)と洗浄液とが反対方向に移動することを意味する。そのため、結晶層が下に移動する場合、洗浄液は上に移動し、その逆も同様になる。向流洗浄作用によって、付着する母液中に存在する不純物が純粋生成物に到達するのが回避される。この母液の除去によって、非常に高い精製効率が得られる。典型的には、洗浄先端の存在下の洗浄塔の生成物は、結晶が成長下母液の100分の1〜1000分の1の不純物を含有する。固液分離および向流洗浄の組み合わせによって実現できるこの高い効率は、種々の有機薬品、氷(水)、金属などの種々の用途ですでに実証されている。強制輸送洗浄塔における顕著な向流洗浄プロセスについては、本明細書において以下により詳細に説明する。
洗浄塔中、特に強制輸送洗浄塔中の向流洗浄の特有で特殊な現象は、比較的純粋な洗浄液は、洗浄塔中のどこかで、洗浄液と反対方向に移動する低温の結晶層上で再結晶することである。再結晶が起こる場所で、いわゆる洗浄先端が形成され、この洗浄先端は、濃度、温度、および層の多孔度の急勾配が特徴である。結晶層が下方に移動する洗浄塔では、洗浄先端の上の温度は、洗浄先端の下の温度よりも低い。これは、洗浄先端よりも上の結晶は、依然として晶析装置の運転温度を有するが、洗浄液は(より高い)純粋結晶の溶融温度を有するためである。純粋な洗浄液による不純な母液の置換によって、洗浄先端の上の不純物濃度が、洗浄先端の下の不純物濃度よりも高くなる。層が上方に移動する洗浄層では、勾配および現象は同じであるが、順序が逆になる。そのため、この場合では、温度は洗浄先端よりも上でより高くなり、洗浄先端よりも上の不純物濃度はより低くなる。
しかし、従来の洗浄塔の高い精製効率は、制限された動作範囲のみで得ることができる。この動作範囲を制限する主要要因の1つは、洗浄先端の両側での最大温度差、すなわち供給懸濁液および溶融生成物との間の最大温度差が存在することである。この最大温度差を超えると、洗浄先端において非常に多くの洗浄液の再結晶が生じる。結果として、洗浄される結晶層中の細孔容積が小さくなり、そのため技術的および/または経済的に許容できる条件下で向流洗浄プロセスをもはや維持できなくなる。これによって、洗浄塔の自由度、動作範囲、およびそれらの生産能力が制限される。洗浄先端が存在しない洗浄塔を運転することは原理的に可能であるが、これによって、洗浄先端の存在下での運転と比較して精製効率が顕著に低下する。
洗浄先端と生成物出口との間、および/または本発明による溶融回路に水を導入することで、本発明者らは、驚くべきことに、洗浄塔の動作範囲が顕著に拡大され、個別の生産能力が増加することを確認した。
本発明による水の導入の明らかな欠点は、洗浄液の完全な再結晶は洗浄プロセス中に起こらないであろうことであるが、驚くべきことに本発明者らは、この導入の利点が、生じうる欠点よりはるかに重要であることが分かった。
洗浄塔の動作範囲は、特に、洗浄先端における最大温度差、すなわち洗浄塔の供給側および生成物側の間の温度差によって決定される。洗浄先端におけるこの最大温度差は、用途に依存し、すなわち、特に結晶の大きさおよび形状によって決定される場合の生成物、供給側層の出発多孔度、ならびに生成物の結晶化熱に依存する。
Scholzら(R.Scholz and R.Ruemekorf,Proceedings of BIWIC 2007,14th International Workshop on Industrial Crystallization,A.E.Lewis and C.Olsen(Eds.) September 9−11,2007,Cape Town,South Africa,pp.119−125)は、強制輸送洗浄塔中の洗浄先端の最大温度差は、リン酸半水和物の場合に約10℃であることを報告している。
周知の方法では、洗浄された純粋な結晶から得られる洗浄液を用いて洗浄が行われ、この洗浄液は洗浄先端において完全に結晶化する。このような洗浄方法は公知であり、たとえば国際公開第A−98/25889号パンフレット、欧州特許出願公開第A−1 970 349号明細書、および欧州特許出願公開第A−1 272 453号明細書に記載されている。このような洗浄方法では、洗浄液の温度は、純粋生成物の融点に近く、リン酸半水和物の場合で29.3℃である。
したがって、洗浄液の温度が固定され、洗浄先端において所与の最大温度差を有する場合、一段階法での晶析装置の最低運転温度は、状態図から求めることができる。この晶析装置の最低運転温度は、一段階法において母液中に不純物が蓄積されうる最大量と対応しており、これと供給組成物とともに、一段階法の最大歩留まりが決定される。
本発明による方法においては、精製流は、一般に半水和リン酸を含む。
たとえば、典型的な食品グレードのリン酸を、半導体製造またはLCD(液晶ディスプレイ)の製造、またはその他の用途に使用できる高純度グレードまで品質を高められることが望ましい場合がある。典型的な食品グレードの供給材料は、約85重量%のリン酸および14〜15重量%の水を含有する。この供給材料中の最も重要な不純物は、Na、Fe、Sb、およびSOなどのイオンであり、これらは、典型的には1ppmから数百ppm(重量基準;他の記載がない限り、本明細書において表現されるすべての量は重量を基準としている)の量で存在する。生成物はリン酸半水和物であり、これは、91.6重量%のリン酸、(場合により大幅に)濃度が低下したイオン性不純物(低ppm、またはさらにはppbレベル、すなわち1ppm未満まで減少する)、および水を含有する。図2の状態図から分かるように、精製したリン酸半水和物の融点は29.3℃である。これは、生成物が約20〜25℃の常温で固体であることを意味する。
本発明におる方法においては、減少した量の不純物は、通常、第1の量の不純物の重量の10%未満、一般に5%未満である。
特に、減少した量の不純物中のナトリウム量は、多くの場合、第1の量の不純物中のナトリウムの重量の2%未満である。
他方、減少した量の不純物中のサルフェート量は、多くの場合、第1の量の不純物中のサルフェートの重量の5%未満である。
高純度リン酸半水和物を製造するための一段階法が、Scholzらによって報告される洗浄先端における最大10℃の温度差で行われる場合、洗浄塔の供給懸濁液は29.3℃−10℃=19.3℃の温度を有する。図2の状態図から、母液の対応する濃度が84.3重量%のリン酸となる。この状況での母液中の水およびイオン性不純物の濃度は、典型的な食品グレードのリン酸供給材料のそれぞれ約1.05倍および1.1倍高い。この一段階分離のリン酸の収率はわずか9.8%である。原理上は、この方法の収率は、水の少ない供給材料を使用することによって増加させることができる。これは、たとえば、晶析装置の前に水の一部を除去する蒸発などの予備濃縮ステップを行うことによって、食品グレードのリン酸から調製することができる。この手順の欠点は、プロセスの投資コストおよび運転コストが増加することである。
したがって、本発明は、洗浄塔、好ましくは強制輸送洗浄塔の動作範囲を拡大することができる。本発明は、洗浄塔の洗浄先端および生成物出口の間、および/または溶融回路に水を導入することに基づいており、水は生成物の品質に悪影響を与えないが、洗浄液の組成および溶融/固化温度に影響を与える。
特殊な方法で洗浄塔プロセスに水を添加する可能性は、欧州特許出願公開第A−1 970 349号明細書に記載されている。しかし、この従来技術の文献と本発明との間には根本的な違いが存在する。欧州特許出願公開第A−1 970 349号明細書においては、イオン性不純物が濃縮されている母液から比較的純粋なリン酸半水和物結晶を精製するために、従来の強制輸送洗浄塔が使用されている。本発明とは異なり、欧州特許出願公開第A−1 970 349号明細書には、洗浄塔中の洗浄先端と生成物出口との間および/または溶融回路中に水を導入する手段は開示されておらず、むしろ晶析装置の供給上流に水を添加する可能性を言及している。洗浄先端と生成物出口との間、および/または溶融回路中に水を導入することで、リン酸半水和物懸濁液の懸濁液に水を添加することによって得られる反応の発熱を、加熱後に洗浄した結晶を溶融させるための熱源として使用することができる。さらに、洗浄先端と生成物出口との間、および/または溶融回路中への水の添加によって、洗浄先端における温度差が減少し、一方、欧州特許出願公開第A−1 970 349号明細書のように晶析装置の供給上流に水を添加すると、洗浄先端における温度差が増加する。温度差の減少は、洗浄塔のプロセス歩留まりおよび/または生産能力を増加させ、驚くべきことに分離レベルをも上げるために使用することができる。本発明の別の重要で区別される特徴は、過冷却された結晶上の洗浄先端における再結晶中に分離した溶融物の一部が失われることである。したがって、この特徴は、晶析装置への再循環流が増加するので悪影響であると見なすことができる。しかし、本発明による利点は、記載の悪影響を容易に上回る。
図3は、本発明による方法の実施に使用できる懸濁系の溶融結晶化プロセスの典型的な設定を示している。図3に示される設定は、後述の実施例の実施にも使用した。この設備は、大型の600リットルの供給材料貯蔵タンクと、たとえば10〜20重量%の結晶を含む懸濁液を送出可能な70リットルの連続晶析装置と、たとえば2.5〜4l/hの生成物流、および15〜40l/hの濾液を送出可能な層を輸送するための手段として1つのフィルター管および液圧を有する直径8cmの強制輸送洗浄塔とを含む。
晶析装置の選択は、本発明の場合には重要ではなく、文献に記載の種々の晶析装置および市販の晶析装置から選択することができる。好適な懸濁晶析装置の説明的で非限定的な一連の例は、かき取り式ドラム晶析装置、かき取り式冷却ディスク晶析装置、外部のかき取り式熱交換器と併用される成長容器、非かき取り式ジャケット付き容器、または蒸発冷却晶析装置である。この最後の種類においては、必要な冷却の一部またはすべてが、供給材料中に存在する溶媒または不純物の選択的蒸発によって得られる。ほとんどの不純物は異なる大きさおよび/または形状のために規則的な結晶格子に適合しないため、結晶化中に比較的純粋な結晶が形成される。したがって、不純物は結晶から排除されて、母液中に優先的に蓄積される。プロセスの目的が高い生成物純度である場合、純粋結晶および不純な母液からなる懸濁液は、強制輸送洗浄塔中で優先的に分離され、その理由はこの装置は、フィルターまたは遠心分離などの従来の固液分離装置で実現可能な精製よりもはるかに良好な精製が行われるからである。
本発明による方法は、本発明による水の導入に適合させた、国際公開第A−03/063997号パンフレット、およびそれに記載の従来技術に記載される種類の従来の洗浄塔に基づくことができる。本発明の好ましい一実施形態においては、図1に示される本明細書で前述したような強制輸送洗浄塔が使用される。洗浄塔は、溶融回路および/または洗浄ゾーンに水を加えるための計量システム、たとえばポンプ、配管、および少なくとも1つの弁を含む、水を加えるための手段をさらに含む。
図4は、本発明による方法に使用される洗浄塔装置の一例の概略断面を示している。図4の洗浄塔装置は、図1に示される洗浄塔と類似している。しかし、図4に示される例では、水(22)が、洗浄塔(1)の洗浄先端(6b)と生成物出口(18)との間および/または溶融回路中に導入され、この水は、少なくとも部分的には前記精製された生成物流中に残存する。図4中、水は、熱交換器/溶融装置(9)のすぐ上流の場所でポンプ(23)によって導入されるが、水は、洗浄先端と生成物出口との間および/または溶融回路中にあらゆる他の場所に、さらにポンプではなく液体の計量に適したあらゆる他の手段によって導入することができる。たとえば、水(22)は、洗浄塔(1)中の洗浄先端(6b)と生成物出口との間、たとえば洗浄ゾーン中、または洗浄ゾーンと生成物出口との間のリスラリー室に導入することができる。水(22)が洗浄塔に直接導入される場合、洗浄塔の側壁の1つ以上の入口から注入することができるが、リスラリー室が洗浄塔の底部または上部のいずれに配置されるかにより、それぞれ洗浄塔の底部または上部の1つ以上の入口によって注入することもできる。それらのあらゆる組み合わせも可能である。さらに、フィルター管延長部および/またはフィルター管自体を介して、洗浄先端と生成物出口との間(洗浄ゾーン中など)にチャネルおよび入口を形成することによって、水を導入することができる。これは、洗浄塔の全表面積にわたって水(22)が十分に分散するという利点を有する。あるいは(またはこれに加えて)、熱交換器(9)の上流、熱交換器(9)の下流、溶融物循環ポンプ(10)の上流、溶融物循環ポンプ(10)の下流などの溶融回路中のあらゆる位置で水(22)を導入することができる。この場合も、水(22)は、溶融回路の1つ以上の場所で導入することができる。溶融回路中への水(22)の導入は、実際的な観点から好ましい。
図5は、本発明による水を導入するための種々の可能性を示している。これらの図は単に説明として機能し、本発明の限定を意図したものではない。たとえば、複数の注入箇所を有するあらゆる種類の複合溶液も本発明の要求を満たす。
水が導入される場所に関する柔軟性は、溶融回路を通過する流量(時間当たりの質量で定義される)が、溶融回路の容積よりも比較的大きいことに起因する。このことは、小規模設備では溶融回路中の液体は、1時間当たりに溶融回路を50〜100回循環できるという例によってさらに示される。洗浄ゾーン(12)中に水を導入するための選択は、実際にはわずかに複雑であるが、本発明に記載の効果が変化するものではない。
導入される水の流量は、変動することができ、使用される洗浄塔の大きさ、および個別の用途に大きく依存しうる。しかし、原則として、導入される水の流量は、洗浄ゾーンおよび/または溶融回路に入る結晶の流量よりも一般に少ない。より好ましくは、導入される水の流量は、洗浄ゾーンおよび/または溶融回路に入る結晶の流量の25%未満であり、さらにより好ましくは結晶の質量の10%未満である。これらの数値において、洗浄塔を離れる生成物の濃度は、>50重量%、好ましくは>80重量%、さらにより好ましくは>90.9重量%である。
本発明では、加圧液体または懸濁液が充填された装置に制御された方法で液体を加えるための周知の方法および装置を利用できる。本発明に適した周知の方法および装置の非限定的で説明的な例としては、ポンプ、シリンジ、ピストン、ガスが充填されたヘッドを有する密閉容器/タンクが挙げられる。典型的には、これらの装置は、少なくとも1つの弁を有する少なくとも1つの供給ラインによって洗浄塔に連結される。したがって、洗浄塔に水を導入するための手段は、好ましくは1つ以上の入口を含む。一実施形態においては、この手段は出口を含まない。
好ましくは、導入される水の流量は、洗浄塔中または洗浄塔の下流のインラインまたはオンライン測定によって制御される。生成物の流量測定に適した種々のセンサーまたは装置を、導入された水の流量の測定および制御に使用することができる。例は、導電性、密度、pH、屈折率、粘度などの組成物に関連する性質を測定するためのフロートランスミッター、化学分析、およびセンサーである。
本発明の方法によると、水の導入によって、溶融回路の内容物の平衡温度が低下する。この平衡温度の低下は、用途に依存して変化させることができ、2℃以上、たとえば2〜25℃の範囲内、または5〜10℃の範囲内の低下であってよい。
懸濁結晶化および洗浄塔技術による母液スラリーからのリン酸結晶を分離する従来方法において、洗浄塔の生成物は、比較的純粋なリン酸半水和物結晶の溶融物からなる。前述したように、このような溶融物は約91.6重量%のリン酸および約8.4重量%の水を含有する。純粋なリン酸半水和物結晶の融点は、約29.3℃である(たとえば、欧州特許出願公開第A−1 970 349号明細書およびScholzらの刊行物を参照されたい)。典型的には、LCD/半導体グレードのリン酸は、最大リン酸含有率85〜87重量%および13〜15重量%の水で販売されている。これは、輸送および保管中の生成物の部分的固化を防止するために行われている。したがって、従来方法で販売できる生成物を得るためには、追加の水が洗浄塔生成物に加えられ、すなわち洗浄塔の外側/下流に加えられる。本発明によると,追加の水は、洗浄塔中の洗浄先端と生成物出口との間、および/または洗浄塔の溶融回路中にすでに導入することができる。追加の水は、溶融回路および洗浄ゾーン中のリン酸−水混合物の平衡凝固点/融点に大きな影響を与えることが分かった。たとえば、85重量%および86重量%のリン酸を有する混合物の平衡温度は、それぞれ21.0℃および23.3℃である。これは、純粋なリン酸半水和物(91.6重量%のリン酸を含有)の融点よりも6.0℃および8.3℃低い。追加の水を添加することの利点の非限定的な例として、以下のものが挙げられる:
・洗浄先端と生成物出口との間、および/または溶融回路中に水を添加することで、典型的には91.6重量%のリン酸を含有する洗浄塔生成物を高純度リン酸の85〜87重量%リン酸規格まで希釈するための追加の単位操作が回避される。
・供給組成物および歩留まりが、水を添加しない方法と同じに維持される場合に、水の添加によって、洗浄先端における温度差がはるかに小さくなる。洗浄先端における温度差がより小さくなる結果、洗浄先端において再結晶する洗浄液量が少なくなるため、洗浄塔の個別の生産能力が増加する。
・あるいは、これも追加の水が洗浄塔中の洗浄先端との間生成物出口および/または溶融回路に導入される方法において、Scholzらによって報告される約10℃の最大温度差において洗浄塔を再び運転可能になる。しかし、洗浄液の平衡温度は、追加の水を導入しない従来方法よりも大きく低下し、これは、本発明による方法で晶析装置をより低温で運転できることを意味する。利点は、プロセスの歩留まりが増加すること、および/またはより高い水濃度を有する供給材料で、水を導入しないプロセスと同じ歩留まりを達成できることである。
・リン酸中への水の溶解は発熱反応であり、これは、溶融装置への外部の入熱を減少させることが可能なことを意味する。
洗浄塔の洗浄先端と生成物出口との間、および/または溶融回路中に追加の水を導入することの欠点がわずかに存在し、85〜87重量%のリン酸を有する洗浄液は、洗浄先端において完全には結晶化せず、従来方法で91.6重量%のリン酸を有する洗浄液は完全に再結晶する。この結果、洗浄液の再結晶しなかった部分は、洗浄先端の上で母液と混合され、洗浄塔中のフィルターを介して洗浄塔を離れる。これは、洗浄塔から晶析装置への母液の再循環が増加することを意味する。したがって、所与の生産能力の場合、洗浄先端と生成物出口との間、および/または溶融回路中に水が導入される本発明の方法の晶析装置は、従来方法の場合よりも幾分大きくなるが、同時に洗浄塔は小さくなり、91.6重量%のリン酸を85〜87重量%のリン酸に希釈するための追加の単位操作が不要となる。したがって、上記利点は、上記欠点を容易に上回ることが分かった。
導入される水の量は、用途に応じて変動させることができる。一般に、導入される量は1〜20重量%の間である(結晶の重量を基準とする)。
参照により本明細書に援用されるいずれかの特許、特許出願、および刊行物の開示が、用語が不明瞭となり得る程度で本出願の説明と矛盾するのであれば、本出願の説明が優先されるものとする。
本発明による方法を、以下の非限定的な例によってさらに説明し、これらの例は、そのような装置を用いて実施できる方法の実験室規模の実現可能性の検討(実施例1)、および工業用パイロット設備における試験(実施例2)である。
実施例1
図3に概略的に示される晶析装置および洗浄塔の構成を使用した。洗浄塔には、水のためのHPLC型ピストン計量ポンプを取り付け、溶融回路に弁によって加えることができた。この実験は、従来の精製で開始し、すなわち洗浄塔の溶融回路中に追加の水を導入せずに開始した。洗浄塔を、この構成で約5.5時間運転した。5.5時間の運転後、溶融回路中への水の導入を開始した。この実験での供給材料は、FMC Foretより入手した食品グレードのリン酸(Food grade Phosphoric Acid)であった。この供給材料は、約84.5重量%のリン酸、および15.5重量%の水を含有し、最も重要なイオン性不純物としてNa、SO、Ca、Fe、およびZnをさらに含有する。
表1は、従来方法、および本発明による新規の方法の多数の重要なプロセスパラメーターの値を比較している。後者は、水添加の開始後2時間15分に集めたデータを特徴とし、前者は、水を添加しない最初の5.5時間洗浄塔の運転後に妥当なデータを特徴とする。
表1:従来の強制輸送洗浄塔および本発明による強制輸送洗浄塔を使用したリン酸半水和物の精製の運転条件。従来方法を使用して、すなわち溶融回路/洗浄ゾーン中に水を加えずに、5.5時間後のデータを収集し、一方、本発明の装置を使用して、すなわち溶融回路/洗浄ゾーン中に水を導入する手段を使用して、7時間45分後のデータを収集した。水の導入は5.5時間後に開始し、これは、2時間15分の間、溶融回路中に水を導入して本発明により蒸留塔を運転したことを意味する。表は、実験的に求めたパラメーターを示しており、温度に関しては括弧内に理論値も示している。
表1は、本発明による方法を実施すると、生産能力の増加が25%を超えるという驚くべき効果を示している。表1は、5.5時間後に溶融回路中に水を導入した結果、洗浄先端における温度差および圧力差の両方が減少することも示している。温度差の減少は、溶融リン酸半水和物結晶と導入した水との86重量%リン酸含有混合物の融点が低下することによって生じる。供給懸濁液/母液の温度は、水導入後に変化しなかった。データは、洗浄先端において実験的に測定した温度差を、水の導入によって4.8℃だけ減少させることが可能なことを示している。図1に示される母液および生成物の洗浄先端における理論温度差は、6.0℃である。生成物のリン酸含有量が85重量%までさらに低下することで、洗浄先端における温度差がさらに2.3℃だけ減少する。このため、リン酸半水和物の精製の特殊な場合に、洗浄先端における温度差は、生成物が91.6重量%から85重量%のリン酸になることで8.3℃だけ減少させることができる。Scholzらは、従来の強制輸送洗浄塔でリン酸を精製する場合の洗浄先端における最大温度差が10℃に限定されると報告しているので、この値は非常に重要である。
供給圧力と洗浄圧力との間の差もわずかに減少した。この測定において、2つの効果がある役割を果たす。第1に、本発明により運転される方法における溶融回路および洗浄ゾーンのより低いリン酸濃度、ならびに洗浄先端におけるより小さな温度差によって、洗浄液の再結晶が減少する。したがって、洗浄された層の多孔度の比較的小さな減少が存在し、これは洗浄圧力を抑制する効果がある。第2の効果は、前述のように水の導入後の生産能力の増加が25%を超えることである。供給圧力が変化しないことは、このより多くの生成物を洗浄塔に輸送するためにより大きい推進力を必要としないことを示している。しかし、溶融回路においては、おそらくは水の導入およびより多い量の溶融結晶によって、洗浄圧力が増加する。表1中のデータは、水の導入後に測定洗浄圧力がわずかに増加するので、第1の効果よりも第2の効果の方が大きいと思われることを示している。結果として、供給圧力から洗浄圧力を引いた値として本明細書で定義される層における有効圧力差が減少し、したがって、はるかに高い生産能力にもかかわらず層の輸送が比較的容易であることを示している。
本発明の重要な態様の1つは、生成物流で得ることができる高純度である。表2は、選択された供給材料中に存在する最も重要なイオン性不純物(Na、SO、Ca、Fe、およびZn)に関して、生成物の純度が、本発明による方法への変換にいかに応答したかを示している。供給材料中のこれらの不純物の濃度は:622ppmのNa、115ppmのSO、29ppmのCa、15ppmのFe、および55ppmのZnであった。典型的には、母液中のこれらの不純物の濃度は、供給材料中よりも5〜10%高い。表1に関して、5.5時間後および7時間45分後の値は、それぞれ従来方法(水の添加なし)および本発明による方法(水の添加あり)を表している。表2は、7時間45分後の実験3−3における生成物は、同じ実験の5.5時間後の場合よりもはるかに低い濃度の不純物を含有したことを示している。純度の改善は顕著であり、すなわち希釈のみに基づいて説明できるよりもはるかに改善されている。91.0重量%から86.0重量%のリン酸への生成物の希釈は、86.0/91.0であるので0.945倍の減少となる。不純物の濃度の測定された減少は、この希釈倍率よりもはるかに大きい。したがって、本発明によって、生成物の純度が予想よりもはるかに高いという驚くべき効果が得られる。
表2:選択された供給材料中に存在する最も重要なイオン性不純物(Na、SO、Ca、FeおよびZn)に関する、従来方法(5.5時間後)から本発明による方法(7時間45分後)への変換に対する実験3−3の生成物純度の応答。さらに、完全に従来方法で行った実験3−1における生成物純度も示している。
本発明による方法で得られた生成物純度の増加が、単に洗浄塔の長い運転時間の効果ではないことを実証するために、表2は、完全に従来方法(水の添加なし)で行った実験3−1の終了時の生成物純度も示している。実験3−3において7時間45分後に回収した生成物の洗浄塔と、実験3−1において8時間後に回収した生成物とに関する洗浄塔の運転時間は同等であった。実験3−3および3−1で回収した最終生成物サンプルの間の比較から、本発明による装置の運転で、生成物純度に関して顕著で驚くべき効果が得られたことが確認される。
したがって、この実施例では、本発明による洗浄塔の運転によって、洗浄塔の生産能力に対して顕著に好ましい効果が得られることが明らかとなった。
実施例2
この実施例では、1mの懸濁液晶析装置と、16のフィルター管を有する直径30cmのTNO液圧洗浄塔(TNO Hydraulic Wash Column)とからなる工業用パイロット設備を使用した。脱塩処理水(すべてのイオンが1ppb未満)を含む加圧システムから制御弁を介して、洗浄塔と溶融物循環ポンプとの間の洗浄塔の溶融回路に水を加えた。この実験の供給材料は、Prayonより入手した食品グレードのリン酸であり、これは、約85重量%のリン酸、15重量%の水を含有し、Na、SO、B、およびZnなどの多くの微量のイオン性化合物をさらに含有する。
最初の22時間の間、洗浄塔は従来通りに運転し、すなわち洗浄塔の溶融回路中に追加の水を導入しなかった。この時間の間、生産能力を増加させようと試みた。水添加の前後で生産能力の比較を可能にするために、すべての生産能力を1時間当たりの85重量%HPOのkg数として計算した。図6は、能力の増加が可能であったことを示しているが、増加した生産能力における分配係数の増加から分かるように、同じレベルでの分離を維持することは不可能であったことが分かる。分配係数は、生成物中の特定の微量化合物の濃度と、洗浄塔の濾液である結晶が成長した液体中の同じ微量化合物の濃度との間の比として定義される。分配係数が低いほど、生成物が母液スラリーからより十分に精製される。水を加えない場合のB、Na、Zn、およびSOの分解係数の最低値は開始から7〜9時間後に達成され、0.02〜0.04の間の値となり、これは、濾液/母液の25分の1〜50分の1の濃度の微量化合物を生成物が含有することを意味する。
図7は、開始直後に洗浄先端がすでに低かったことを示している。フィルター管の底部端から1インチ上に配置した熱電対Aの温度は、晶析装置中の温度、すなわち洗浄塔の供給材料の温度にむしろ近い温度を示しており、純粋リン酸半水和物の平衡溶融温度よりもわずかに高い溶融回路中の純粋溶融物の温度よりはるかに低い。洗浄先端が十分に形成されると、この溶融物は洗浄塔中のより高くに押し上げられ、熱電対Aは、溶融回路中の温度に近いまたは等しい温度になる。上記の観察は、能力の増加によって、洗浄先端がゆっくりであるが洗浄ゾーンから着実に押し上げられることを示している。
22時間後、溶融回路中への水の導入を開始した。生成物の密度をインラインで測定し、26.1℃の平衡溶融温度を有する約87.5重量%リン酸の濃度に生成物がなるように制御弁を制御した。図6および7は、この作用の応答が急速で顕著であることを示している。図6は、分配係数が0.005〜0.02程度の値に減少することを示しており、この値は水を加えない場合よりもはるかに低く、水の添加による希釈効果に基づいて予想されるよりもこの減少ははるかに大きく、希釈効果では生成物中の微量化合物の濃度が6.2%減少する。図6は、開始から24〜40時間後の間の期間に、水を加えない運転期間中に達成される値と同様またはわずかに良好な生産速度で、はるかに高レベルの分離を実現できることも示している。開始から22〜23.5時間後の間の比較的低い生産能力は、水の添加により、運転に必要な新しいプロセス条件に系を調節する必要があるために生じた。
図7は、水の添加によって、溶融回路中の温度が低下したことを示している、これは、87.5重量%リン酸の融点が、91.6重量%リン酸の融点よりも低いことに対応している。次に、熱電対Aは、今度は溶融回路の温度に近い温度を測定しており、晶析装置の温度よりもはるかに高い。これにより、熱電対Aの位置またはその上に洗浄先端が形成されることが分かる。これは、洗浄先端に関する温度差が減少することで、洗浄が促進され、これとともに分離効率の顕著で大きな効果が得られることを示している。
洗浄塔装置の従来技術の一例の概略断面を示している。 精製されたリン酸半水和物の平衡温度を示す状態図を示している。 本発明による方法の実施に使用できる懸濁系の溶融結晶化プロセスの典型的な設定を示している。 本発明による方法に使用できる洗浄塔装置の一例の概略断面を示している。 本発明による水の導入の種々の可能性を示している。 本発明の実施例2の経時による分配係数および生成物流を示している。 本発明の実施例2の経時による温度を示している。

Claims (15)

  1. リン酸と第1の量の不純物とを含む流れの精製方法であって、
    ・水母液中のリン酸結晶のスラリーが形成され;
    ・少なくとも1つの濾材(4)を含む洗浄塔中で濾過されることによって、リン酸結晶が母液から分離され、一方、スラリーから得られた結晶の充填層が前記濾材(4)付近に形成され;
    ・前記層中の前記結晶から洗浄先端まで向流となる洗浄液によって、前記分離されたリン酸結晶が前記洗浄塔中で洗浄され、前記洗浄先端で前記洗浄液は再結晶し、層は前記洗浄先端(6b)の方向に移動し;
    ・前記洗浄された結晶の少なくとも一部が溶融することによって、リン酸と減少した量の不純物とを含む精製流が形成され;
    ・前記洗浄塔の生成物出口を介して前記洗浄塔から前記精製流が抜き取られ、
    前記洗浄塔(1)中の前記洗浄先端(6b)と前記生成物出口との間、および/または溶融回路(8、10、11、21)中に水が導入されることで、少なくとも一部の洗浄液が形成され、前記水の導入によって、前記溶融回路(8、10、11、21)の内容物の平衡温度が低下することを特徴とする方法。
  2. 前記洗浄塔が強制輸送洗浄塔である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記減少した量の不純物が、前記第1の量の不純物の10重量%未満である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記減少した量の不純物が、前記第1の量の不純物の重量の5%未満である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記減少した量の不純物中のナトリウムの量が、前記第1の量の不純物中のナトリウムの重量の2%未満である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記減少した量の不純物中のサルフェートの量が、前記第1の量の不純物中のサルフェートの重量の5%未満である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記洗浄塔が、懸濁液を供給するための手段(2、3)が設けられた容器(1)と、前記濾材を通過する液体を排出するための手段(5)と、場合により、前記充填層を分解または破壊するための手段(7)と、ライン(8)を加熱するための熱交換器(9)と、前記生成物の少なくとも一部を容器(1)の底部まで再循環させるためのポンプ(10)とを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記溶融回路中に出る手段(22、23)によって前記洗浄塔中に、洗浄ゾーンの1つ以上の場所、たとえば前記洗浄ゾーン中に配置されたリスラリー室中に、またはその両方に前記水が導入される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記洗浄塔に水を導入するための前記手段(22、23)が、ポンプ、好ましくはピストンポンプまたはプランジャーポンプを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記洗浄塔に水を導入するための前記手段(22、23)が加熱手段を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記洗浄塔に水を導入するための前記手段(22、23)が、前記洗浄塔の側壁中の1つ以上の入口、および/または前記洗浄塔の底部または上部の1つ以上の入口を含む、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 水が前記溶融回路中に導入される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 水が、前記溶融回路中の前記洗浄塔、熱交換器の上流、熱交換器の下流、溶融物循環ポンプの上流、および/または溶融物循環ポンプの下流に導入される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記洗浄塔中に水が導入される時の流量が、前記洗浄ゾーンおよび/または前記溶融回路に入る前記結晶の流量よりも少なく、好ましくは前記洗浄ゾーンおよび/または前記溶融回路に入る前記結晶の流量よりも10%少なく、より好ましくは25%少ない、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記洗浄塔および/または前記洗浄塔の下流におけるインライン測定またはインライン測定の手段によって前記流量が制御される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
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