JP2008247733A - リン酸リッチストリームの精製 - Google Patents

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Abstract

【課題】懸濁ベースの結晶化によるオルトリン酸リッチストリームの精製又は再生の方法を提供する。
【解決手段】オルトリン酸は、半水化物の形態として結晶化され、洗浄カラム内でのかかる結晶の引き続いての分離は、水以外の大部分の金属や不純物が除かれる高純度の酸/水溶液を生産し、オルトリン酸リッチフィード液を超純粋オルトリン酸半水化物とフィード中にオリジナルに存在したほとんどすべての不純物を含む母液とに分離する。オルトリン酸リッチフィード液は、通常15質量%以下の水と1質量%以下の他の不純物を含む。精製されたオルトリン酸製品の個々の金属イオンの組成は、各金属イオンについて100〜1000ppbの範囲である。結果として得られた精製製品の金属イオン組成は、一般に通常の分析装置の検出限界未満である。
【選択図】なし

Description

本発明は、オルトリン酸リッチストリームの精製又は再生の方法に関する。水中のオルトリン酸が、リン酸とラベル付けされている溶液の大部分の通常型である。以下の説明では、いずれの用語も同じ意味で用いてよい。本発明による方法によって精製されたリン酸は、半導体工業(semiconductor industry)、及び平面パネルディスプレイ工業(LCDスクリーン)、及び、例えばエッチャントとして、他のエレクトロニクス工業において用いるために特に適切である。かかる用途においては、微量の金属イオンの存在は、生産されるチップや回路基板の質に顕著な影響を及ぼしうるものとされている。
超高純度のリン酸は、他の様々な用途においても要求されている。酸化、還元及び蒸発に耐性がある特有の能力は、高純度の工業工程及び製造工程のために特に有用である。既に述べたように、重要な用途は、エレクトロニクス工業であり、リン酸はあらかじめ紫外線に曝露したウエハーの感光性表面部分などをエッチングする(etch away)ために用いられる。
エッチング工程の間、相当量の不純物が酸性エッチャント溶液に溶解される。かかる用途における使用済みのエッチャントは、リン酸の他にも硝酸、酢酸、及び周期表における様々な金属や他の不純物を通常含んでおり、例えば、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Ag、As、Sr、Mo、Cd、Sn、Sb、Au、Pb、Biなどを挙げることができる。これらはすべて純粋でない(impure)酸に存在しうる典型的な要素である。エッチャントとしての本発明の用途におけるリン酸と半導体製品の金属部分との望ましい反応のために、これらの不純物が許容できないレベルにまで蓄積することを防ぐために、相当量の酸をかかる工程から排出させ、新鮮な酸と交換しなければならなかった。容認できるレベルは著しく低いので、かかる使用済みの酸を再生することは、経済的にも環境的にもそれゆえ魅力的なことである。
多数の異なる精製工程が、当該技術分野において公知である。本発明の目的は、エレクトロニクス工業以外の用途で許容できるオルトリン酸の純度レベルを高めることである。工業、食品又は医薬用途において用いられる、リン酸のより高いグレードのための公知の精製工程としては、溶剤抽出、化学沈殿、吸収法(absorption)、イオン交換法を数ある中でも挙げることができる。これらの公知の工程は、複雑(complex)になるという不都合を有し、特定の不純物又は不純物のタイプに通常制限され、すべての不純物を除去するには複数の工程を順次遂行しなければならないということを意味する。これらの工程は、別々に処理されなければならない廃棄物の流れをも別途作り出し(generate)、結果として極めて費用がかかるものとなる。
米国特許第3991165号明細書は、他の不純物をラフィネートに留めたまま、優先的にリン酸を除去する抽出工程について説明する。最終製品は、電子グレード用途には適切ではなく、工程は比較的複雑で、複数の溶剤や複雑な作業を必要とする。
化学沈殿は、文献に見い出されるもう一つの精製法である。これらの工程は、一般的に、単一不純物に制限され、反応剤の追加を必要とし、さらに処理されなければならない廃棄物の流れを作り出し、工程を複雑なものとし、実施に費用がかかる。
吸収法もまた、文献で説明されているが、化学沈殿と同様の制限を受ける。
K.J. Kim及びS.Y. Kim は、Purification of phosphoric acid from waste acid mixtures, Kwang-JooKim, Su-Yeon Kim, Proceeding from the ISIC 2006.において、使用済みのリン酸エッチャントの精製のための蒸留と不連続層結晶化工程を組み合わせたハイブリッドな工程を提案している。かかる不連続な静止層(static layer)と動態層(dynamic layer)の結晶化工程は、他の化学用途の従来技術において公知であり、例えば、アクリル酸、DMT、パラ−及びメタ−キシレンを数ある中でも挙げることができる。かかる溶融結晶化工程(layer melt crystallization processes)は、10−5m/sから10−6m/sという比較的高い結晶成長速度により特徴づけられ、純粋でない結晶製品がもたらされる。結晶格子は、依然として純粋なままであるが、表面は、樹枝状構造(dendrite like structure)に成長し、すべての不純物を含む母液は、多面的(multifaceted)構造に捕捉される。かかる動的な不純物を含むことの影響は、粘度が増大するため顕著になる。例えば、上述の著者は、粗リン酸の純度を、77.93質量%から89.73質量%に徐々に増加させるために、4層溶融結晶化ステップが必要となると説明している。単一層溶融結晶化工程の分離は、表面発汗(sweating)及び洗浄(washing)のような精製法の追加により促進することができるが、これらの方法は、製品収率を犠牲にして精製効率の増加を提供するものである。
懸濁ベースの結晶化(suspension based crystallization)は、参照により本明細書に含まれる欧州特許第0209920号明細書により明らかとなっている精製工程として提案されている。
懸濁ベースの結晶化は、欧州特許第0209919号明細書において必要とされる安定な種供給を可能にする継続作業のシステムを提供する。大きな結晶塊は、膨大な成長表面を提供し、非常に遅く、理想に近い成長速度を可能にする。懸濁ベースの結晶化における成長表面では、システム容積1mあたりの結晶成長表面は5,000mを通常超え、システム容積1mあたりの結晶成長表面が最大20,000mになってもよい。これは、システム容積1mあたりの結晶成長表面が100m未満に通常制限されている層タイプシステムにおいて利用可能な成長表面を、はるかに超えるものである。懸濁ベースの結晶化における膨大な成長表面は、より早い成長速度において結晶格子に組み込まれうる不純物の存在下においてさえ、極度に純粋な結晶の生産を可能にする。この用途における懸濁結晶化の一番の問題は、純粋でない液体から個々の結晶の分離を妨げることになる、文献に報告されているような高粘度である。
かかる高粘度のため、これらの工程は、必要とされる純度を通常獲得することはなく、超高純度を得るためには、層システムのように複数のステップを必要とする。洗浄ステップも含まれるが、これは、貴重な製品を用い、全体の精製ステップの効率を減少させ、超純粋な製品を最終的に獲得することはできない。例えば、国際公開第00/59827号パンフレットは、食品グレード製品を獲得するのみを標的としている。最終的な純度の製品としての酸におけるppmの範囲の個々の金属の含有量としては、電子グレードの製品を得ることはできなかった。
米国特許第3991165号明細書 欧州特許第0209920号明細書 欧州特許第0209919号明細書 国際公開第00/59827号パンフレット Purification of phosphoric acid from waste acid mixtures, Kwang-Joo Kim, Su-YeonKim, Proceeding from the ISIC 2006
(本発明の概要)
一般的にいうと、本発明は、従来技術がもたらす不都合な点を軽減し、克服するということに基礎を置く。
特に、本発明は、できるだけ、経済的に魅力的で作業が簡単であるリン酸リッチストリームの精製又は再生の方法を利用可能にし、エレクトロニクス工業などの様々な用途に必要とされる高純度製品を提供するものである。
蒸留などの他の熱分離工程と比較して、結晶化の一番の有利な点は、必要とされるエネルギーが実質的により少ないということである。さらに、本質的にはバッチ式の作業工程である層結晶化と比較して、製品は、通常一回のみ結晶化され、また必要とされるエネルギー量を有意に減少させるものである。
また、本発明により解決される問題の一つは、複数のバッチ式の作業ステップの頻繁な繰返しを必要としない、リン酸リッチストリームの精製又は再生の方法を利用可能にするということである。
さらに、本発明は、許容できない製品の損失をなくした効率的な分離性能(separation performance)を提供しつつ、できるだけ連続的で、中断(interruption)のない作業を可能にし、大規模な工業用途のために非常に適切な洗浄液(wash solution)を精製する方法を利用可能にするものである。
前述の問題は、好ましくは20質量%〜50質量%、より好ましくは25質量%〜35質量%のオルトリン酸半水化物(hemihydrate)からなるスラリーを生産するための効率的な懸濁ベースの溶融結晶化工程を適用することでまず解決される。
懸濁ベースの溶融結晶化は、液体フィード融液から、かかる融液をその凝固点未満の温度に冷却することにより、結晶物質(crystalline material)を得る工程である。冷却に必要とされる熱交換器壁は、壁の結晶層において結晶の蓄積を防止するために通常かき取られる(scrape)。しかしながら、通常、かき取りは必要とされないことを見い出したことは驚くべきことであり、適切な装置(apparatus)が欧州特許第0209919号明細書で報告されている。かき取りは必要とされないにしろ、削取りは、欧州特許第0209919号明細書で提案されているように、種晶(seed crystal)の追加を防止するための効率的な手段である。発明者らは、他の多数の結晶化工程と同様、シーディング(seeding)は、融液の大規模な過冷却と自然核形成を防止し、粘着性のある分離不能な塊を最終的にもたらす旨を報告した。晶析装置(crystallizer)の壁における冷却とかき取りを組み合わせた作用は、種晶のかかる追加を防止するために、十分に細かい粒子(sufficient fines)を生産する。結晶成長のための利用可能な表面面積の合計は、晶析装置の容積1mあたり、約5,000〜20,000m程度である。
得られた結晶物質は、例えば、混合により懸濁液に維持され、結晶の成長のための大きな表面積を提供し、実質的に遅い結晶成長速度をもたらし、それゆえ純粋な結晶をもたらす。混合の強度は、重要となりうるし、懸濁液に結晶を維持し、液体の母液と完全に接触するために十分でなければならない。
他の懸濁ベースのシステムは、本発明と組み合わせることが適切であろう。懸濁ベースの溶融結晶化工程は、例えば欧州特許第1398064号に明らかとなっている、純粋でない融液から超純粋な有機化学品(organic chemicals)を生産するためにオルトリン酸に適用されている。
本発明は、文献に詳細に説明されているようなかかる他の結晶化システムと共に適用してもよいし、様々な商業的供給源から容易に利用可能である。設備(equipment)としては、例えば、成長タンクが内蔵された容器(vessel)晶析装置や、成長タンクが分離した交換(exchanger)晶析装置が含まれ、表面かきとり交換器(scrape surface exchanger)や、均質な結晶スラリーを提供するために熱除去の制御が通常可能な別のデザインを含むことができる。極度に遅い結晶成長速度により特徴づけられる、懸濁ベースの結晶化の有利な適用によって、結晶固体(crystalline solid)は、基本的に純粋なオルトリン酸と水である。スラリーの液状部分又は母液は、それゆえ、オルトリン酸と、水と、残存不純物とを含む。
本章の始めに述べた問題は、生産された結晶を分離するデバイスとしての洗浄カラムと、懸濁溶融結晶化工程とを組み合わせる(combing)で特に解決される。驚くべきことに、この用途において存在する高い粘度にもかかわらず、(i)洗浄カラムにおいて処理可能な結晶製品を得ることができ、(ii)かかる洗浄カラムデバイスにより高純度比率を達成することができる。
さらに、前述の金属不純物は、結晶構造から効率的に排除され、固体物質(solid material)は、高純度製品となる。母液がオルトリン酸半水化物結晶の表面から完全に除去されて、もたらされる製品は、上述した要件を十分満たす。本発明は、このような分離に効果を及ぼし、欧州特許第0920894号明細書に詳細に説明されている洗浄装置、いわゆる洗浄カラムの使用に関する。
本発明の適用の結果は、下記の実施例により詳細に説明されている。本発明の適用の範囲は、こうした特定の実施形態に限定されるべきではなく、特許請求の範囲に記載される本発明の変更及び変形が可能である。
懸濁ベースの溶融結晶化及び洗浄カラム分離の専用のパイロットブラントに、純粋でないリン酸融液が単一ステップで処理された。純粋でない融液組成物は、表1に示される。精製されたリン酸(PPA)組成物も表1に示され、1000ppb未満という、金属イオン含有量の純粋製品スペックを満足するものである。
Figure 2008247733

(発明の概要)
懸濁ベースの溶融結晶化システムは、純粋でない融液から有用な構成要素を連続的に結晶化することに必要な設備からなる。工程は、4つの主な構成要素からなる:すなわち(a)母液中で結晶を懸濁させるための混合容器;(b)母液中で結晶を生産するための表面かきとり晶析装置(scraped surface crystallizer);(c)任意で、混晶流(mixed crystal flow)を最適化するための追加の混合容器;及び(d)母液から結晶を効率的に除去するための洗浄カラム;である。構成要素(a)と(b)は、結晶化工程に何ら悪影響を及ぼすことなく、単一の装置に組み込むこともできる。
オルトリン酸の原材料(feedstock)を、80質量%〜90質量%のオルトリン酸のリン酸リッチストリームを得るために、純水と混合した。残部は水と1%未満の他の不純物である。この粗原材料(A)は、冷却剤が外側のジャケット(2)中を循環している、表面かきとり晶析装置に供給され、循環している。表面かきとり晶析装置には、冷却された壁表面から結晶を継続的に除去するための回転スクレーパー機構(rotating scraper assembly)を含む、ジャケットのある容器が含まれる。表面かきとり晶析装置は、外側のジャケット内で、水、ブライン(brine)、エチレングリコール溶液、又はアンモニア若しくはフレオン(登録商標)等の気化冷媒(evaporating refrigerant)などの二次熱媒液により冷却される。正確な配置は重要ではなく、適切なシステムは、工業において容易に利用可能である。プロセス加熱(process heat)は、工業において一般的な二次熱媒液又は冷却システムの場合は、空気冷却器のような冷却システムによって、システムから除去される。表面かきとり晶析装置内の工程平衡温度は、通常−10℃〜+25℃の範囲であり、好ましくは+5℃〜+20℃の範囲である。混合容器(1)は、母液中に通常20質量%〜50質量%の半水化物結晶、好ましくは25〜35質量%の結晶の結晶スラリーを懸濁するために用いられる。驚くべきことに、混合の強度は重要ではなく、40〜100rpmの、又は容器の底に結晶塊が沈むことを防ぐに十分な、非常に遅い回転スピードで維持することもできる。繰返しになるが、混合容器の特定のデザインは、本発明の意図するところではなく、適切な装置は、工業において容易に利用可能である。かかる結晶の量は、結晶の成長のために大規模な表面積を提供する。高成長表面積は、非常に遅い成長速度しか必要としなくなる。懸濁ベースの結晶化により提供される非常に遅い成長速度は、急速に成長する結晶表面に通常含まれる不純物が、今度は排除され、母液にとどまり、オルトリン酸の半水化物の形態で十分に純粋な製品をもたらす。容器内の結晶容積は、30分〜最大6時間の範囲、好ましくは1〜2時間の平均結晶滞留時間を提供するために十分なものでなければならない。なぜなら、過剰に長い滞留時間は、複雑性(complexity)を増加させ、必要とする設備のコストを増加させる。混合容器からは、純粋でない母液に懸濁している純粋な結晶が、1又は複数の洗浄カラム(3)に供給される。洗浄カラムは、質量当たり60〜90%、好ましくは質量当たり70〜75%のコンパクトな結晶ベッドの形態の濃厚なスラリーを生産するために、スラリーを圧搾し、母液の大部分がフィルターを通過することによって、結晶を分離する。母液は、実質的に全ての不純物を含む。コンパクト結晶ベッドは、水力又は他の機械力で機械的に強制してカラムを通す。結晶ベッドは、分解し、当初のスラリーの進入地点とは反対の地点で再スラリー化し、溶融炉(melter)ループ(4)内でポンピングする新しいスラリーを形成する。
コンパクトベッドは、何十億の個々の結晶から構成され、それゆえ洗浄カラムシリンダー内に多孔質の結晶ケーキ塊を形成する。融液ループ(melt loop)における圧力は、ストリーム(B)で排出される製品の量によりコントロールされる。融液ループ(4)における圧力は、それゆえ、混合容器(1)におけるよりもより高い値にコントロールされる。固体の半水化物結晶間の空間は、最初純粋でない母液で満たされる。かかる圧力差により、溶融製品は、結晶流への向流となることを余儀なくされる。
結晶は、通常−10℃〜+27℃、好ましくは+5℃〜+20℃、最も好ましくは+15〜+20℃の範囲の、結晶スラリーと同一の温度にて洗浄カラムに進入する。精製した半水化物製品は、溶融温度が+29.3℃である。精製した製品は、多孔質の結晶ベッドを貫流するので、より冷たい結晶に接触し、精製した製品は、より冷たい製品の表面で再結晶化するものである。この再結晶化は、新規の半水化物結晶性製品形態である洗液(wash liquid)を生産する。これら新規の結晶は、オリジナルの結晶塊を用いて産生され、それゆえ貴重な純粋製品の工程における損失を防止する。不純物は、表面から効率的に洗浄され、すべてが母液にとどまる。洗浄カラムは、精製した製品(B)を排出する前に、熱交換器(4)において結晶を溶解するために低圧蒸気を通常用いる。
層結晶化と比較して、結晶の成長は比較的遅いので、液体に存在する不純物は、大部分は結晶格子に組み込まれることなく、母液中にとどまる。単一の結晶化工程であっても、望ましい化合物の高純度の結晶が一般的に得られる。
本発明の好ましい実施態様では、「人工的な(artificial)」不純物として、フィードへの水の添加が、洗浄カラムの性能を改善するということが、たまたま発見された。オルトリン酸結晶は、オルトリン酸2に対して、水1の一定の比率で、オルトリン酸(HPO)が、水と共結晶する半水化物として形成され、HPO・1/2HOと一般に記載される。純粋な半水化物は、それゆえ、91.6質量%のHPOと8.4質量%の水分から構成される。水分は、不純物として平衡温度に影響を及ぼすが、製品の実際の一部であり、結晶化工程において消滅する。他の消耗品と同様、原材料又は別個のストリームを添加することで工程中に置き換えられなければならない。水分含有量の影響は、あまり理解が進んでいないが、以下のように説明できる。
(1)大部分の他の不純物とは異なり、システムへの水分の添加は、液体の母液の粘度を低下させる。リン酸溶液は比較的粘性である。水分の添加が、オルトリン酸液の粘度を減少させることはよく知られている。オルトリン酸が85%〜91.6%の範囲であるような高純度のオルトリンの粘度は、室温で15〜70cStの範囲となる。かかる液体の粘度は、晶析装置におけるより低い作業温度ではさらに高くなる。溶融結晶化工程のためには、高粘度は、2つの明らかな不都合がある。まず、高粘度は、拡散を妨げ、それゆえ通常結晶成長速度を顕著に遅くする。同時に、核形成速度が、混合の減少により促進される。両方の効果が、より大きな結晶よりも残余の母液から分離することがより難しいことが知られている、より小さな結晶の生産をもたらす。次に、より高い母液の粘度は、粘性の液体は、希釈された液体の分離に比較して、結晶のコンパクトベッドからの分離が通常より難しいので問題となる。すべての他の結晶−液体分離デバイスと同様、母液の粘度を増加させることで、洗浄効率と洗浄能力という点で洗浄カラムの性能もまた、低下していくことになる。
(2)また、水分の添加により、母液の平衡温度は減少し、洗浄カラム中の純粋製品の再結晶化において上述の結晶ベッド洗浄ステップを強化し、引き続いて洗浄カラムの安定性と精製効率を亢進する。
(3)溶液の平衡温度は、水分含有量に強く依存し、水分含有量がより高いとより低い平衡温度をもたらす。液体の粘度は、水分含有量に強く依存し、水分含有量がより高いとより低い粘度をもたらす。粘度は、温度に強く依存し、温度がより低いとより低い粘度をもたらす。もたらされる平衡における粘度は、非常に一定であり、水分含有量は多様である。母液の粘度に悪影響を及ぼすことなく、晶析装置と洗浄カラム実績の至適温度を獲得し、水分を適宜添加しうるということは驚くべき結果である。電子グレードのリン酸の上述の使用においては、水分は不純物とはみなされていないということは、留意すべき重要な点でもある。
特定の工程が、参照とともに説明されている。 組成物(a)と(b)が組み合わされている等しく有利な配置(configuration)を図解している。特定の結晶化装置は、本発明の意図するところではなく、両システムとも工業上容易に利用可能なものである。 (c)で記載されている追加の混合容器での工程を図解している。

Claims (9)

  1. 結晶化溶媒の非存在下で、オルトリン酸リッチフィードストリームを再生又は超精製する方法であって、複数の不連続層溶融結晶化ステップを回避する、以下のa)〜h)のステップを含む方法:
    a)半水化物結晶を形成するために、オルトリン酸リッチストリームを凝固点未満に冷却し、母液と懸濁結晶の混合相スラリーを形成させるステップ;
    b)結晶成長のために利用可能な表面が晶析装置の容積1mあたり5000m以上であることを特徴とする、半水化物結晶の質量の15%〜50%の結晶含有量の容積を創出するために、スラリーを冷却するステップ;
    c)好ましくは15分〜4時間、より好ましくは30分〜2時間、最も好ましくは30分〜1時間の結晶滞留時間を創出するために、混合タンクにスラリーを保持するステップ;
    d)洗浄カラム内で母液から結晶を分離するステップ;
    e)半水化物結晶が基本的にすべて溶解されて、精製された酸と水との液体を形成するまで半水化物結晶の一部を加熱するステップ;
    f)洗浄カラム内で半水化物結晶を洗浄するステップであって、結晶を精製融液と接触させて向流で洗浄し、洗浄液は損失されず、過冷却した結晶上で再結晶化されるステップ;
    g)溶融した半水化物結晶を精製されたオルトリン酸溶液及び水溶液として排出するステップ;並びに
    h)分離した母液内で基本的に他のすべての不純物を排出するステップ。
  2. 結晶化溶媒の非存在下でオルトリン酸リッチフィードストリームの超精製の方法であって、複数の不連続な層溶融結晶化ステップを回避し、以下のa)〜b)のステップを含む方法:
    a)オルトリン酸含有量が好ましくは酸の質量の80%〜90%、より好ましくは酸の質量の85%〜90%であって、オルトリン酸と水分以外の不純物総含有量が1%未満であるオルトリン酸リッチストリームを生産するように水分を添加するステップ;及び
    b)請求項1記載の方法を行うステップ。
  3. 請求項1のステップb)が、少なくとも1つの結晶生産ステップと、少なくとも1つの結晶調整ステップとのために、別個の装置を含むことを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
  4. 請求項1のステップb)が、少なくとも1つの結晶生産ステップと結晶調整ステップのために、単一の装置を含むことを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
  5. 母液から結晶を効率的に除去するために洗浄カラムへの混合結晶流を最適化するために追加の混合容器を用いることを特徴とする、請求項3記載の方法。
  6. 母液から結晶を効率的に除去するために洗浄カラムへの混合結晶流を最適化するために追加の混合容器を用いることを特徴とする、請求項4記載の方法。
  7. 請求項1〜6いずれか記載の方法により得られたリン酸。
  8. 半導体産業及びフラットスクリーン産業などにおける、電子部品の製作中に生産されるリン酸リッチ廃棄エッチャントを再生するための、本発明の請求項1〜6いずれか記載の方法の使用。
  9. 半導体産業及びフラットスクリーン産業などにおける、本発明の請求項1〜6いずれか記載の方法により生産されるリン酸リッチストリームの、エッチャントとしての使用。
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