JP2014500289A - アイソフォーム濃縮抗体調製物及びこれを得る方法 - Google Patents

アイソフォーム濃縮抗体調製物及びこれを得る方法 Download PDF

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Abstract

本明細書では、(a)抗体の様々なアイソフォームを含む緩衝液をカチオン交換クロマトグラフィー材に添加するステップと、(b)第1導電率を有する第1溶液をカチオン交換クロマトグラフィー材に添加し、抗体アイソフォームとカチオン交換クロマトグラフィー材との結合が維持されるステップと、(c)第2導電率を有する第2溶液をカチオン交換クロマトグラフィー材に添加して抗体調製物を得るステップ、を有する、抗体調製物を生産する方法が報告され、第2溶液の導電率が第1溶液の導電率を10%以下で上回る。

Description

強カチオン交換クロマトグラフィー材上でのステップ溶出法を有する抗体調製物を得る方法を報告する。
様々な方法が公知であり、タンパク質精製に広く使用され、例えば微生物タンパク質を用いたアフィニティークロマトグラフィー(例えばAタンパク質やGタンパク質アフィニティークロマトグラフィー)、イオン交換クロマトグラフィー(例えばカチオン交換(カルボキシメチル樹脂)、アニオン交換(アミノエチル樹脂)及びミックスモード交換)、チオフィリック吸着(例えばベータ-メルカプトエタノール及び他のSHリガンドを用いる)、疎水性相互作用又は芳香族吸着クロマトグラフィー(例えばフェニルセファロース、アザ-アレノフィリック樹脂又はm-アミノフェニルボロン酸を用いる)、金属キレートアフィニティークロマトグラフィー(例えばNi(II)-及びCu(II)-アフィニティー材を用いる)、分子ふるいクロマトグラフィー及び電気泳動法(ゲル電気泳動、キャピラリー電気泳動など)(Vijayalakshmi, M.A., Appl. Biochem. Biotech. 75 (1998) 93-102)がある。
薬学的抗体の産業的な精製、特にクロマトグラフィープロセスの開発、操作及び実証がBiotechnol Gen. Eng. Rev. 18 (2001) 301-327誌でFahrner, R.L.らによって報告されている。Follman, D.K. and Fahrner, R.L. (J. Chrom. A 1024 (2004) 79-85) は、タンパク質Aなしの3つのクロマトグラフィーのステップを用いる抗体精製プロセスの因子スクリーニングを報告している。高電荷密度をもつイオン交換媒体による細胞培地の上澄み液からのヒトモノクローナル抗体のキャプチャーがNecina, R., ら (Biotechnol. and Bioeng. 60 (1998) 689-698) に報告されている。イオン交換クロマトグラフィーによるタンパク質精製が国際公開第99/057134号に報告されている。国際公開第2004/076485号では、タンパク質Aとイオン交換クロマトグラフィーによる抗体精製が報告されている。米国特許第5,429,746号では抗体精製が報告されている。タンパク質精製が国際公開第2003/066662号に報告されている。
国際公開第2006/125599号では、抗体精製法が報告されている。タンパク質Aとイオン交換クロマトグラフィーによる抗体精製が国際公開第2004/076485号に報告されている。
抗体アイソフォームのクロマトグラフィーによる分離及び/又は濃縮は、カチオン交換クロマトグラフィー材の移動相の導電率が適度に増加することで可能であることが見いだされている。必要とされる導電率の増加は高くて50%、すなわち、第2溶液の導電率は第1溶液の導電率の101%から150%である。
したがって、ここで報告される一態様は、抗体調製物を提供する方法であって、方法は、
(a)抗体の様々なアイソフォームを含む緩衝液をカチオン交換クロマトグラフィー材に添加する工程と、
(b)第1導電率を有する第1溶液をカチオン交換クロマトグラフィー材に添加し、抗体アイソフォームとカチオン交換クロマトグラフィー材との結合が維持される工程と、
(c)第2導電率を有する第2溶液をカチオン交換クロマトグラフィー材に添加し抗体調製物を得る工程
を有し、第2溶液の導電率が第1溶液の導電率を少なくとも1%ただし50%以下で上回る。
一実施態様では、第2溶液の導電率は第1溶液の導電率を少なくとも1%ただし20%以下で上回る。
一実施態様では、第2溶液の導電率は第1溶液の導電率を少なくとも1%ただし15%以下で上回る。
一実施態様では、第2溶液の導電率は第1溶液の導電率を少なくとも1%ただし10%以下で上回る。
一実施態様では、工程(a)の溶液と工程(b)の溶液の導電率は同じである。一実施態様では、抗体の様々なアイソフォームを含む緩衝液は、第1導電率を有し、第1溶液も同じ(第1)導電率を有する。
一実施態様では、カチオン交換クロマトグラフィー材は、膨張性マトリックスを有する。一実施態様では、膨張性マトリックスはアガロースである。
一実施態様では、カチオン交換クロマトグラフィー材は強カチオン交換クロマトグラフィー材である。一実施態様では、強カチオン交換クロマトグラフィー材はスルホプロピル-カチオン交換クロマトグラフィー材である。
一実施態様では、第1溶液は1ステップで第2溶液に変更される。一実施態様では、1ステップは第1溶液100vol%から第2溶液100vol%への変更である。
一実施態様では、第1溶液は第2溶液に直線グラジエントで変更される。一実施態様では、直線グラジエントは約30カラムボリュームである。一実施態様では、直線グラジエントは約20カラムボリュームである。
一実施態様では、第1溶液は20mMのクエン酸ナトリウムを含む。
一実施態様では、第2溶液は20mMのクエン酸ナトリウムと5mMの塩化ナトリウムを含む。
一実施態様では、第1溶液は25mMのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンと10mMの塩化ナトリウムを含む。
一実施態様では、第2溶液は25mMのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンと70mMの塩化ナトリウムを含む。
一実施態様では、第2溶液は25mMのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンと45mMの塩化ナトリウムを含む。
一実施態様では、第1及び第2溶液は水溶液である。
一実施態様では、抗体は抗HER2抗体である。一実施態様では、抗HER2抗体は抗HER2抗体トラスツズマブ又は抗HER2抗体ペルツズマブである。一実施態様では、抗HER2抗体はヒト化抗HER2抗体である。
ここでは別の態様として、ここで報告される方法により得られる抗体調製物が報告される。一実施態様では、抗体は抗HER2抗体である。
ここで報告される別の態様は、抗体調製物を生産する方法であって、
(a)抗体をコードする核酸を有する哺乳動物細胞を培養し、抗体を細胞又は培地から回収する工程と、
(b)少なくとも1つのクロマトグラフィーの工程により抗体を精製する工程を有し、この少なくとも1つのクロマトグラフィーの工程が、
(i)カチオン交換クロマトグラフィー材に抗体の様々なアイソフォームを含む緩衝液を添加する工程と、
(ii)第1導電率を有する第1溶液をカチオン交換クロマトグラフィー材に添加し、抗体アイソフォームとカチオン交換クロマトグラフィー材との結合が維持される工程と、
(iii)第2導電率を有する第2溶液をカチオン交換クロマトグラフィー材に添加し抗体調製物を生産する工程を有し、
第2溶液の導電率が第1溶液の導電率を少なくとも1%ただし10%以下で上回る。
ここに報告される全態様の一実施態様では、第1溶液が4mS/cmから5mS/cmの導電率を有する。
発明の説明
ここでは、(i)抗体の様々なアイソフォームを含む緩衝液をカチオン交換クロマトグラフィー材に添加する工程と、(ii)第1導電率を有する第1溶液をカチオン交換クロマトグラフィー材に添加し、抗体アイソフォームとカチオン交換クロマトグラフィー材との結合が維持される工程と、(iii)第2導電率を有する第2溶液をカチオン交換クロマトグラフィー材に添加して抗体調製物を得る工程を有し、第2溶液の導電率が第1溶液の導電率を50%以下で上回る、抗体調製物を得る方法が報告される。
一般に、組換えにより生産されたモノクローナル抗体(mAb)は、BHK、Sp2/0、CHO又はHEK細胞などの産生細胞の培養上澄み液から回収される。これに付随して、他のタンパク化合物並びに別の抗体アイソフォームも回収される。抗体アイソフォームは、糖鎖付加パターン、重鎖C末端側リジンの不均一性、及びアスパラギン又はグルタミンアミノ酸残基の部分的脱アミノ化といった軽微な構造上の特徴が違うだけである。
一般的なクロマトグラフィー法を使用して、抗体をカチオン交換クロマトグラフィーカラム/材から単一の(対称の)ピークで回収する(例えば実施例6と図5を参照)。
カチオン交換クロマトグラフィー法を用いて抗体アイソフォームを濃縮又は部分的に違いに分離できることが今や知られている。分離/濃縮は、特に微細な勾配を有するグラジエントを用いて、pHグラジエントや塩グラジエントを用いる結合・溶出クロマトグラフィー法で得られる。
抗体調製物中の抗体アイソフォームの濃縮が、移動相の適度な導電率の増加を有するカラムクロマトグラフィーにより可能であることが知られている。
一実施態様では、導電率の増加は50%以下、すなわち導電率は100%から少なくとも101%まで、高くて150%の増加、すなわち始めの第1レベルから第2レベルへと高くなり、抗体を溶出させる。
一実施態様では、導電率の増加は10%以下、すなわち導電率は100%から少なくとも101%まで、高くて110%の増加、すなわち始めの第1レベルから第2レベルへと高くなり、抗体を溶出させる。
カチオン交換クロマトグラフィー材のマトリックスは膨張性マトリックスでなければならないことが知られている。
一実施態様では、マトリックスは架橋結合した糖類である。一実施態様では、糖類は多糖類である。一実施態様では、多糖類はアガロースすなわちグリコシド結合のD-ガラクトースと3,6-無水-L-ガラクトースからなる多糖である。
増加は1ステップの形態でありうる。従って、増加は、溶出溶液の完全な変更、すなわち100%の第1緩衝液から100%の第2(=溶出)緩衝液により行ってよい。
増加は直線グラジエントの形態でありうる。従って、増加は、溶出溶液の直線的変更、すなわち100%の第1緩衝液から50〜100%の第2(=溶出)緩衝液により行ってよい。
一実施態様では、第1溶液は第2溶液に直線グラジエントで変更される。一実施態様では、直線グラジエントは約50カラムボリュームである。一実施態様では、直線グラジエントは約30カラムボリュームである。一実施態様では、直線グラジエントは約20カラムボリュームである。
一般的なクロマトグラフィー法とそれらの用途は当業者には既知である。例えばHeftmann, E., (編), Chromatography, 5版, Part A: Fundamentals and Techniques, Elsevier Science Publishing Company, New York, (1992); Deyl, Z., (編) Advanced Chromatographic and Electromigration Methods in Biosciences, vol. 60, Elsevier Science BV, Amsterdam, The Netherlands, (1998); Poole, C.F., and Poole, S.K., Chromatography Today, Elsevier Science Publishing Company, New York, (1991); Scopes, Protein Purification: Principles and Practice, Springer Verlag, (1982); Sambrook, J.ら, (編), Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2版, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., (1989); 又はAusubel, F.M.ら, (編), Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, Inc., New York, (1998) を参照されたい。
以下の表には、一般的に使用される一部の緩衝液の導電率を参照として記載する。
[表]
Figure 2014500289
Figure 2014500289
Figure 2014500289
「に添加する」という用語は、溶液をクロマトグラフィー材と接触させる部分的工程を意味する。この用語は、(a)溶液を、クロマトグラフィー材が充填されたクロマトグラフィー装置に添加すること、又は(b)クロマトグラフィー材を溶液に加えることのいずれかを意味する。(a)の場合は溶液が装置を通過し、クロマトグラフィー材と溶液中に含有される物質の相互作用を可能にする。例えばpH、導電率、塩濃度、温度及び/又は流量などの条件により、溶液の物質によってはクロマトグラフィー材と結合できるものもあれば、クロマトグラフィー材から回収されるものもある。溶液中に残存するか又はクロマトグラフィー材から回収された物質は、フロースルー中に認められる。「フロースルー」とは、装置通過後に得られる溶液を指し、添加された溶液か、又はカラムの洗浄に使用されるか若しくはクロマトグラフィー材に結合した物質を溶出させる緩衝液のいずれかでよい。一実施態様では、装置はカラム又はカセットである。(b)の場合、クロマトグラフィー材は、例えば固体として溶液(例えば精製を目的とする物質を含有)に添加してクロマトグラフィー材と溶液中の物質の相互作用を可能にしうる。相互作用後、クロマトグラフィー材は例えば濾過により回収され、クロマトグラフィー材に結合した物質も一緒に溶液から回収されるが、クロマトグラフィー材に結合しなかった物質は溶液中に残存する。
「結合・溶出モード」という用語は、クロマトグラフィーの工程の操作モードを意味し、精製を目的とする物質を含有する溶液がクロマトグラフィー材に添加されると、目的とする物質がクロマトグラフィー材に結合する。こうして目的とする物質はクロマトグラフィー材上に留まるが、目的としない物質はフロースルー又は上澄み液と一緒に除去される。目的とする物質は後に第2工程でクロマトグラフィー材から溶出溶液と一緒に回収される。一実施態様では、ここに報告される方法が結合・溶出モードで操作される。
ここに報告される方法で使用される溶液は、未精製か緩衝された溶液である。「緩衝液」は、溶解した緩衝剤により、酸性又は塩基性の物質の添加又は放出によるpHの変化をなくした溶液である。このような特性をもつ任意の緩衝剤が使用されうる。一般に、薬学的に許容可能な緩衝剤が使用される。一実施態様では、緩衝液は、リン酸及び/又はその塩からなるリン酸緩衝液、酢酸とその塩からなる酢酸緩衝液、クエン酸及び/又はその塩からなるクエン酸緩衝液、モルホリン緩衝液、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン緩衝液、ヒスチジン緩衝液、グリシン緩衝液又はトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス(TRIS))緩衝液からなる群より選ばれる。別の実施態様では、緩衝液は、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、又はヒスチジン緩衝液からなる群より選ばれる。緩衝液は、例えば塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、クエン酸ナトリウム又はクエン酸カリウムなどの追加の塩を含みうる。
「グラジエント溶出」及び「グラジエント溶出法」という用語は、本明細書では交換可能に使用され、溶出すなわちクロマトグラフィー材からの結合化合物の回収をもたらす溶液の導電率が連続的に変更すなわち上げ下げされる、すなわち、溶出をもたらす物質の1%又は2%以内の濃度変更の小さなステップの連続で濃度を変更させる方法を意味する。この「連続的溶出」では、例えばpH、イオン強度、塩濃度及びクロマトグラフィーのフローなどの1または複数の条件を直線的、指数的又は漸近的に変更させてよい。一実施態様では、変更は直線的である。
「ステップ溶出」という用語は、例えば溶出すなわちクロマトグラフィー材からの結合化合物の回収をもたらす物質の濃度を一度にすなわちある値/レベルから別の値/レベルに直接上昇または降下させる方法を意味する。この「ステップ溶出」では、例えばpH、イオン強度、塩濃度及びクロマトグラフィーのフローなどの1または複数の条件を、第1の値例えば開始値から第2の値例えば最終値に一度に変えてよい。このように、条件は、直線的変更と比べて増分的すなわちステップ的に変更される。
「イオン交換クロマトグラフィー材」という用語は、非移動性の高分子量のマトリックスであり、イオン交換クロマトグラフィーの固定相として使用される共有結合した電荷を帯びた置換基を有する。全体的に電荷を中性にするため、共有結合していないカウンターイオンはそこに結合される。「イオン交換クロマトグラフィー材」は、その共有結合していないカウンターイオンを周囲の溶液の同様に電荷を帯びたイオンと交換する能力がある。交換可能なイオンの電荷により、「イオン交換樹脂」はカチオン交換樹脂又はアニオン交換樹脂を意味する。電荷を帯びた基(置換基)の性質により、「イオン交換樹脂」は、例えばカチオン交換樹脂の場合は、スルホン酸樹脂(S)、スルホプロピル樹脂(SP)又はカルボキシメチル樹脂(CM)を意味する。
イオン交換材、すなわち固定相の様々な種類が多数の企業から様々な名称で入手可能であり、例えば、カチオン交換材Bio−Rex(登録商標)(例えばタイプ70)、Chelex(登録商標)(例えばタイプ100)、Macro−Prep(登録商標)(例えばタイプCM, High S, 25 S)、AG(登録商標)(例えばタイプ50W, MP)が全てBioRad Laboratories社から入手可能、WCX 2がCiphergen社から入手可能、Dowex(登録商標)MAC−3からDowケミカル社から入手可能、ムスタングC及びムスタングSがPall Corporationから入手可能、セルロースCM(例えばタイプ23, 52)、ハイパーD、パーティスフィアがWhatman plc.社から入手可能、Amberlite(登録商標)IRC(例えばタイプ76, 747, 748)、Amberlite(登録商標)GT 73、Toyopearl(登録商標)(例えばタイプSP, CM, 650M)が全てTosoh Bioscience GmbHより入手可能、CM 1500及びCM 3000がBioChrom Labs社から入手可能、SP−セファロースTM、CM−SepharoseTMがGEヘルスケア社より入手可能、Poros樹脂がPerSeptive Biosystems社より入手可能、Asahipak ES(例えばタイプ502C)、CXpak P、IEC CM(例えばタイプ825, 2825, 5025, LG)、IEC SP(例えばタイプ420N, 825)、IEC QA(例えばタイプLG, 825)がShoko America Inc.より入手可能、50Wカチオン交換樹脂がEichrom Technologies Incより入手可能、などがある。一実施態様では、Macro−Prep(登録商標)High S若しくは25S、MacroCap SP、Toyopearl(登録商標)SP 650M、Source S、SPセファロース、POLYCAT A、Mono S又はHighscreen SPなどのカチオン交換材は強カチオン交換材である。
当業者には、例えばポリペプチドのアミノ酸配列を、このアミノ酸配列をコードする対応の核酸配列に変換する手順及び方法は公知である。従って、核酸は、それぞれヌクレオチドからなる核酸配列と、それによりコードされるポリペプチドのアミノ酸配列により特徴づけられる。
本明細書内で使用される「結合に適した条件下で」という用語及び文法的に同等の用語は、例えば抗体アイソフォームなどの目的とする物質が、固体相、例えばイオン交換材と接触させられるとこれに結合することを示す。これは、目的とする物質が必ずしも100%結合されることは意味しないが、目的とする物質の事実上100%が、すなわち目的とする物質の少なくとも50%が、好ましくは目的とする物質の少なくとも75%が、目的とする物質の85%が、より好ましくは目的とする物質の少なくとも95%が、固定相に結合される。
「治療用抗体」という用語は、ヒト治療用の承認を受けるために臨床試験される抗体であり、疾患治療のために個体に投与されうる。一実施態様では、抗体は治療用抗体である。別の実施態様では、治療用抗体は、モノクローナル抗体である。さらに別の実施態様では、治療用抗体は、ヒト抗体遺伝子座で形質転換された大型類人猿又は動物から得るか、ヒトモノクローナル抗体又はヒト化モノクローナル抗体である。一実施態様では、治療用抗体はヒトモノクローナル抗体である。さらに別の実施態様では、治療用抗体モノクローナルはヒト化抗体である。治療用抗体は、腫瘍性疾患(例えば非ホジキンリンパ腫、乳癌及び結腸直腸癌を含む血液系腫瘍や固形腫瘍)、免疫性疾患、中枢神経疾患、血管性疾患又は感染性疾患などの様々な疾患の治療に広く使用されている。このような抗体は、一実施態様では、ALK、接着関連キナーゼ受容体(例えばAxl)、ERBB受容体(例えばEGFR, ERBB2, ERBB3, ERBB4)、エリスロポエチン産生肝細胞(EPH)受容体(例えばEphA1; EphA2, EphA3, EphA4, EphA5, EphA6, EphA7, EphA8, EphB1, EphB2, EphB3, EphB4, EphB5, EphB6)、繊維芽細胞成長因子(FGF)受容体(例えばFGFR1, FGFR2, FGFR3, FGFR4, FGFR5)、Fgr、IGF1R、インスリン受容体、LTK、M−CSFR、MUSK、血小板由来成長因子(PDGF)受容体(例えばPDGFR-A, PDGFR-B)、RET、ROR1、ROR2、ROS、RYK、血管内皮成長因子(VEGF)受容体(例えばVEGFR1/FLT1, VEGFR2/FLK1, VEGF3)、免疫グロブリン様とEGF様ドメインを有するチロシンキナーゼ(TIE)受容体(例えばTIE-1, TIE-2/TEK)、Tec、TYRO10、インスリン様成長因子(IGF)受容体(例えばINS-R, IGF-IR, IR-R)、ジスコイジンドメイン(DD)受容体(例えばDDR1, DDR2)、c-Metの受容体(MET)、recepteur d'origine nantais (RON、マクロファージ刺激1受容体としても知られる)、Flt3(フィン関連キナーゼ3)、コロニー刺激因子1
(CSF1)受容体、c-kitの受容体(KIT又はSCFR)、インスリン受容体関連(IRR)受容体、CD19、CD20、HLA−DR、CD33、CD52、G250、GD3、PSMA、CD56、CEA、ルイスY抗原又はIL-6受容体に対する。
「抗体」という用語は、全抗体と抗体断片を含む様々な態様の抗体構造を包含する。ここで報告される抗体は、一実施態様ではヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体又はT細胞抗原枯渇抗体である。抗体の遺伝子操作は、例えばMorrison, S.L.ら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81 (1984) 6851-6855; 米国特許第5,202,238号及び米国特許第5,204,244号;Riechmann, L.ら, Nature 332 (1988) 323-327; Neuberger, M.S.ら, Nature 314 (1985) 268-270; Lonberg, N., Nat. Biotechnol. 23 (2005) 1117-1125に記述されている。重鎖定常領域のアミノ酸配列により、抗体は次のクラスに分類される:IgA、IgD、IgE、IgG及びIgM。これらのクラスの一部はさらに以下のサブクラス(アイソタイプ)、すなわちIgGはIgG1、IgG2、IgG3及びIgG4に、又はIgAはIgA1とIgA2に分けられる。抗体が属する免疫グロブリンのクラスによると、重鎖定常領域はそれぞれα(IgA)、δ(IgD)、ε(IgE)、γ(IgG)及びμ(IgM)と呼ばれる。「ヒトIgG1クラスの抗体」という用語は、定常領域のアミノ酸配列がヒトIgG1由来である抗体を指す。この用語はヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体及び抗体コンジュゲートを含む。
非ヒト(例えば齧歯類)抗体の「ヒト化」形態とは、非ヒト抗体及びヒト抗体由来の部分的な配列を有するキメラ抗体である。大部分において、ヒト化抗体はヒト抗体(レシピエント抗体)由来であり、超可変領域の残基が、所望の特異性と親和性を有するマウス、ラット、ウサギ又は非ヒト霊長類などの非ヒト種の超可変領域(ドナー抗体)の残基で置き換えられている。ヒト抗体のフレームワーク領域(FR)残基が対応する非ヒト残基で置き換えられている例もある。また、ヒト化抗体は、さらなる修飾、例えばレシピエント抗体にもドナー抗体にも見られないアミノ酸残基を有しうる。このような修飾により、このようなレシピエント又はドナー抗体の、親配列と相同性はあるものの同一ではないバリアントが生じる。これらの修飾は、抗体の働きをさらに正確にするため行われる。
一般に、ヒト化抗体は少なくとも1つの、典型的には2つの可変ドメインを実質的に含み、超可変ループの全て又は実質的に全てが非ヒトドナー抗体の超可変ループに対応し、FRの全て又は実質的に全てがヒトレシピエント抗体のFRに対応する。ヒト化抗体は、典型的にはヒト抗体の定常領域の少なくとも一部分を含んでよい。
非ヒト抗体のヒト化の方法が当分野で記述されている。一実施態様では、ヒト化抗体は、非ヒト源由来の1または複数のアミノ酸残基が導入されている。これらの非ヒトアミノ酸残基はしばしば「移入」残基と呼ばれ、典型的には「移入」可変ドメインから取られる。ヒト化は、基本的にはウインターらの方法に従い超可変領域の配列を対応する非ヒト抗体の配列で置き換えることでなされ得る。従って、このような「ヒト化」抗体はキメラ抗体であり、インタクトなヒト可変ドメインよりも実質的に少ない部分が対応する非ヒト種の配列で置き換えられている。実際には、ヒト化抗体は典型的にはヒト抗体であり、一部の超可変領域残基とおそらくは一部のフレームワーク領域残基が齧歯類か非ヒト霊長類抗体の類似部位由来の残基で置き換えられている。
「モノクローナル抗体」という用語はここでは実質的に均質な抗体集団から得られた抗体、すなわち少量で存在しうる自然に生じる変異を除き集団を構成する個々の抗体が同一である抗体を意味する。モノクローナル抗体は特異性が高く、1つの抗原部位に対する。さらに、異なる抗原部位(決定基又はエピトープ)に対する別々の抗体を含むポリクローナル抗体調製物と違って、各モノクローナル抗体は抗原の1つの抗原部位に対する。特異性に加えてモノクローナル抗体が有利であるのは、他の抗体に汚染されず合成されうることである。「モノクローナル」という修飾語は、実質的に均質な抗体集団から得られた抗体の特徴を示すのであって、何らかの特別な方法で抗体を生産する必要があると解釈されるものではない。
「キメラ抗体」という用語は通常、組換えDNA手法により調製される、第1の種由来の可変ドメインすなわち結合領域と、別の第2のソース又は種由来の定常領域の少なくとも一部分を有する抗体を意味する。
抗体のアミノ酸配列バリアントは、抗体の鎖をコードする核酸配列に適切な修飾を導入することにより、又はペプチド合成により、調製されうる。このような修飾は、例えば、インターフェロンのアミノ酸配列内の残基の欠失及び/又は挿入及び/又は置換を含む。親抗体と同じく抗原結合特性を有するのであれば、欠失、挿入及び置換を任意組み合わせて最終的なコンストラクトを作ってよい。
一般的なアミノ酸置換を表1の「好ましい置換」の項目に示す。より実質的な変更を以下の表の「例示的置換」の項目に記載し、詳細はアミノ酸側鎖のクラスに関連して後述する。アミノ酸置換は抗体の鎖に導入してもよく、その産物は親抗体の生物学的活性を保持するかスクリーニングされる。
[表]
Figure 2014500289
アミノ酸は側鎖の共通の特性により分類されうる:
(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;
(2)中性親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;
(3)酸性:Asp、Glu;
(4)塩基性:His、Lys、Arg;
(5)鎖の方向に影響を及ぼす残基:Gly、Pro;
(6)芳香性:Trp、Tyr、Phe。
非一般的な置換は、これらのクラスの1のメンバーを別のクラスと交換することを伴いうる。
Hudziak, R.M.ら, Mol. Cell. Biol. 9 (1989) 1165-1172は、ヒト乳癌細胞株SK−BR−3を使用することを特徴とするHER2抗体のパネルの作製について記述している。抗体曝露後のSK−BR−3細胞の類似細胞の増殖は、72時間後単層のクリスタルバイオレット染色により決定された。このアッセイを使用して、細胞増殖を56%阻害した4D5と呼ばれる抗体により最大の阻害が得られた。このアッセイではパネルの他の抗体による細胞増殖の減少の程度はより低かった。抗体4D5はまた、HER-2を過剰発現する乳癌腫瘍細胞株を、TNF-αの細胞毒性効果に対し感作させることが見いだされた(米国特許第5,677,171号も参照のこと)。Hudziak, R.M.らに論じられるHER2抗体はまた、Fendly, B.M.ら, Cancer Research 50 (1990) 1550-1558; Kotts, C.E.ら, In Vitro 26 (1990) 59A; Sarup, J.C.ら, Growth Regulation 1 (1991) 72-82; Shepard, H.M.ら, J. Clin. Immunol. 11 (1991) 117-127; Kumar, R.ら, Mol. Cell. Biol. 11 (1991) 979-986; Lewis, G.D.ら, Cancer Immunol. Immunother. 37 (1993) 255-263; Pietras, R.J.ら, Oncogene 9 (1994) 1829-1838; Vitetta, E.S.ら, Cancer Research 54 (1994) 5301-5309; Sliwkowski, M.X.ら, J. Biol. Chem. 269 (1994) 14661-14665; Scott, G.K.ら, J. Biol. Chem. 266 (1991) 14300-14305; D'souza, B.ら, Proc. Natl. Acad. Sci. 91 (1994) 7202-7206; Lewis, G.D.ら, Cancer Research 56 (1996) 1457-1465; 及びSchaefer, G.ら, Oncogene 15 (1997) 1385-1394でも特徴づけられている。
組換えヒト化バージョンのマウスHER2抗体4D5(huMAb4D5-8, rhuMab HER2, トラスツズマブ又はハーセプチン(登録商標);米国特許第5,821,337号参照)は、広範な抗癌治療を以前に受けている、HER2を過剰発現する転移性乳癌患者において臨床的に活性がある(Baselga, J.ら, J. Clin. Oncol. 14 (1996) 737-744)。トラスツズマブは、HER2タンパク質を過剰発現する腫瘍を有する転移性乳癌患者の治療のために、1998年9月25日食品医薬品局より販売承認を取得した。
米国特許第5,821,337号の表3に記載のhuMAb4D5−1、huMAb4D5−2、huMAb4D5−3、huMAb4D5−4、huMAb4D5−5、huMAb4D5−6、huMAb4D5−7及びhuMAb4D5−8(ハーセプチン(登録商標))を含むヒト化抗ErbB2抗体は本明細書に参照として明白に組み込まれ、ヒト化520C9(国際公開第93/21319号)と国際公開第01/000245号に記載のヒト化2C4抗体は本明細書に参照として明白に組み込まれる。
様々な特性をもつ他のHER2がTagliabue, E.ら, Int. J. Cancer 47 (1991) 933-937; McKenzie, S.J.ら, Oncogene 4 (1989) 543-548; Maier, L.A.ら, Cancer Res. 51 (1991) 5361-5369; Bacus, S.S.ら, Molecular Carcinogenesis 3 (1990) 350-362; Stancovski, I.ら, PNAS USA 88 (1991) 8691-8695; Bacus, S.S.ら, Cancer Research 52 (1992) 2580-2589; Xu, F.ら, Int. J. Cancer 53 (1993) 401-408; 国際公開第94/00136号; Kasprzyk, P.G.ら, Cancer Research 52 (1992) 2771-2776; Hancock, M.C.ら, Cancer Res. 51 (1991) 4575-4580; Shawver, L.K.ら, Cancer Res. 54 (1994) 1367-1373; Arteaga, C.L.ら, Cancer Res. 54 (1994) 3758-3765; Harwerth, I.M.ら, J. Biol. Chem. 267 (1992) 15160-15167; 米国特許第5,783,186号; 及び Klapper, L.N.ら, Oncogene 14 (1997) 2099-2109に記載されている。
ペルツズマブ(例えば国際公開第01/000245号参照)は、HER二量体化阻害剤(HDI)として知られる最初の新クラスの薬剤である。ペルツズマブはHER2の二量体化ドメインに結合してHER2が活性な二量体受容体複合体を形成する能力を阻害するので、最終的に細胞成長と分割をもたらす下流のシグナルカスケードが阻害される(Franklin, M.C., Cancer Cell 5 (2004) 317-328参照)。ペルツズマブは、HER2の細胞外ドメインに対する完全ヒト化組換えモノクローナル抗体である。ペルツズマブがヒト上皮細胞のHER2に結合すると、HER2が他のHERファミリーメンバー(EGFR、HER3、HER4を含む)と結合しての複合体の形成及びおそらくHER2のホモ二量体化も阻害される。複合体の形成を阻害することで、ペルツズマブは、成長刺激効果並びにHER1、HER3及びHER4のリガンド(EGF、TGFα、アンフィレグリン及びヘレグリン)に活性化される細胞生存シグナルを阻止する。ペルツズマブの別名は2C4である。ペルツズマブは、ヒトIgG1(K)フレームワーク配列に基づく完全ヒト化組換えモノクローナル抗体である。ペルツズマブは、2つの重鎖(449残基)と2つの軽鎖(214残基)で構成される。トラスツズマブ(ハーセプチン(登録商標))と比べ、ペルツズマブは軽鎖で12アミノ酸が異なり、IgG1重鎖で29アミノ酸が異なる。
「疎水性」という用語は、主要な又は全ての分子間作用がファンデルワース相互作用により主に特徴づけられる化合物を意味する。この文脈での「主に」という用語は、基本的には、親水性の化合物もまた可能であることを意味し、各分析物の化学的及び/又は物理的性質の一般的な特徴にとってあまり重要ではない。本発明の文脈での「疎水性」の反語は、「親水性」という用語であり、水素結合により特徴づけられる強い極性及び/又はプロトン性の特徴を有する化合物を指す。一実施態様では、イオン交換クロマトグラフィー剤のマトリックスは疎水性マトリックスである。
「プロトン性」という用語は、プロトン(単数又は複数)を有する及び/又は放出する及び/又は水素結合(単数又は複数)を形成する特性を意味し、例えば水、アルコール、アミンなどがある。分子からのプロトン放出は、当業者には解離としても知られる。もっとも単純なプロトン性溶媒は水であり、プロトンとヒドロキシルイオンに単純に解離する。公知のプロトン性溶媒は例えばアルコール類であり、一般にプロトンの放出は、以前のヒドロキシル基の負に帯電した酸素原子から離れるヒドロキシル基で生じるが、これは電気的陰性の酸素原子は結果として生じる負電荷を安定させることができるからである。カルボン酸でも、カルボキシル官能からのプロトンの放出が例えば特定の溶液中で溶解されるような特定の物質との化学的反応をもたらさないのであれば、プロトン性溶媒とみなされうる。プロトン性溶媒の他の群としては、アミノ基中に「プロトン」厳密には水素原子及びフリーな電子対を対応する窒素原子に有して水素結合を形成するアミン類がある。
「移動相」という用語は、クロマトグラフィーカラムから分析物を溶出するのに適した水及び/又は水性バッファー及び有機溶媒の任意の混合物を指す。「溶出」又は「溶出する」という用語は、本発明の文脈では当業者に知られるとおりの意味を有し、流体が浸透した固体又は吸着剤すなわち物質(単数又は複数)が吸着されたカラム剤の吸着物質(単数又は複数)の溶解又は任意で除去を意味する。
「吸着」という用語は、流体すなわち移動相の物質が、流体がある物質とともに形成する境界相に累積することを指し、境界相はその表面に物質を吸着することができる。この吸着により、特定の表面に吸着された物質が累積する。表面に物質を累積させることができる物質は、しばしば吸着剤と呼ばれ、吸着される物質は吸着物と呼ばれる。吸着という用語は、表面への累積後、累積物が吸着固体や累遺体の内部に浸透することも意味する「吸収」という用語と通常は区別して使われる。一般に、吸着は、物質、通常は分子が吸着剤の表面に接着し、各表面に累積する物理的プロセスである。この接着を担う力は、化学的結合よりも物理的力であると考えられているので、吸着は、当分野では、物理的な吸着すなわち物理吸着としても知られているが、必ずしも物質が表面に化学結合することを排除するものではない。物質が表面に吸着するのに必要な物理的力は、多くの場合はファンデルワース力、ロンドン力又は双極子/双極子相互作用であり、例えば水素結合や双極子誘導双極子相互作用などがあり、これらの用語は上述のように使用されるか、吸着の文脈で通常使用されるものである。
(カラム)クロマトグラフィーでは、通常溶媒は溶出液すなわち溶出剤として使用され、溶出される物質(単数又は複数)が少なくとも十分に溶解可能である。
「膨張性マトリックス」は、三次元ネットワークの形成において互いに化学的又は物理的に結合したモノマーを基本とする任意の膨張性ポリマーゲルである。化学的結合性は結合形成により達成されるが、膨張性マトリックスの物理的構造は、ポリマーの各セグメントの単一の領域間の静電的、疎水的及又は双極子/双極子相互作用に基づきうる。「膨張性マトリックス」は、一実施態様では、三次元ネットワークが化学的結合形成を通じて得られるポリマーゲルを意味する。ネットワーク自体は、1または複数の異なる成分からなりうる。適切な溶媒の存在下、ネットワークは、各溶媒が取込み体積の平衡体積が得られるまで三次元ネットワークに同時に取り込まれて膨張する。ネットワークが膨張した状態を表す別の用語としてゲルが知られ、非膨張状態はゲル化剤(gelator)として知られる。本発明の文脈では、膨張性マトリックスは、ゲル化剤という用語の意味も包含する。
「膨張性マトリックス」という用語は、親水性であるが水不溶性の、溶媒としての水の存在下で膨張するポリマーのみを意味する。膨張性マトリックスの水に対する親和性は、ポリマーネットワークの救済(salvation)とエントロピー効果による。水以外にも純粋な親水性有機溶媒、例えばメタノール、エタノール及びジメチルホルムアミド並びに可変量でこれらの有機溶媒をそれぞれ含む水性溶液も、膨張性マトリックスの膨張をもたらし、ここで親水性という用語は上述のとおり理解される。従って、膨張性マトリックスとは、ネットワークに水を取り込んで膨張するゲルに限定されず、親水性の有機溶媒及び/又はその水性溶液及び/又は可変成分の混合物の存在下で膨張するゲルも含む。
膨張性マトリックスを含む文脈において、架橋結合は非常に重要である。なぜなら、架橋結合によって三次元構造がもたらされ、マトリックスが膨張する挙動を可能にする空洞が形成されるからである。さらに、架橋結合の程度は、得られる膨張性マトリックスの孔のサイズを左右する。
したがって、ここで報告される一態様は、抗体調製物中の抗体アイソフォームを濃縮する方法であって、
(a)抗体の様々なアイソフォームを含む緩衝液をカチオン交換クロマトグラフィー材に添加する工程と、
(b)第1導電率を有する第1溶液をカチオン交換クロマトグラフィー材に添加し、抗体アイソフォームとカチオン交換クロマトグラフィー材との結合が維持される工程と、
(c)第2導電率を有する第2溶液をカチオン交換クロマトグラフィー材に添加し、抗体アイソフォームが濃縮された抗体調製物を得る工程
を有し、第2溶液の導電率が第1溶液の導電率を50%以下で上回る。
一実施態様は、抗体調製物中の抗体アイソフォームを濃縮する方法であって、
(a)抗体の様々なアイソフォームを含む緩衝液をカチオン交換クロマトグラフィー材に添加する工程と、
(b)第1導電率を有する第1溶液をカチオン交換クロマトグラフィー材に添加し、抗体アイソフォームとカチオン交換クロマトグラフィー材との結合が維持される工程と、
(c)第2導電率を有する第2溶液をカチオン交換クロマトグラフィー材に添加し、抗体アイソフォームが濃縮された抗体調製物を得る工程
を有し、第2溶液の導電率が第1溶液の導電率を10%以下で上回る。
工程(a)の溶液は、一実施態様では工程(b)の溶液と同じ導電率を有する。
「抗体アイソフォーム」という用語は、同じ抗体の別のアイソフォームに対しわずかに異なる抗体のバージョンを意味する。「同じ抗体」とは、特定のアイソフォームの修飾(単数又は複数)を除いて同じアミノ酸配列を有する抗体である。抗体をコードする配列の転写又は翻訳の途中で抗体の異なる形態が生じることや、細胞からの抗体のプロセシング及び分泌から、生成、形成及び保存中の分解から生じる差異もある。抗体アイソフォームは、アミノ酸配列、多量体化、糖鎖付加及び他の翻訳後の修飾において異なりうる。「グリコフォーム」とは、様々なバージョンのグリコタンパク質に翻訳後修飾により異なる多糖類が結合したアイソフォームである。抗体の重鎖C末端側のリジン残基のプロセシングもまた、抗体構造の多様性の原因となりうる。
抗体調製物中の抗体アイソフォームは、カチオン交換カラムクロマトグラフィー法を用いて濃縮又は部分的分離も可能であることが見いだされている。これは、直線的又はステップの、pH又は塩グラジエントを用いる結合・溶出クロマトグラフィー法を用いてクロマトグラフィー材から抗体を回収することで得られうる。この方法は、わずかな勾配、すなわち開始値の50%以下、特に開始値の10%以下の相対的なpH値の変化又は導電率の増加を有するグラジエントを使用すると特に有効である。異なる抗体アイソフォームは、少なくともセミ分離(semi-detached)ピークとして対応するクロマトグラム中に目視できるので、抗体調製物のアイソフォーム組成は、クロマトグラムの各ピークにまたがる選択され組み合わされた溶出断片に基づき調節可能である。
詳細には、抗体調製物中の抗体アイソフォームの濃縮は、カチオン交換クロマトグラフィー材に添加される移動相の導電率の適切な増加により得られうることがわかっている。
「抗体調製物」という用語は、同じ抗体の異なるアイソフォームを含む混合物を意味する。
図1では、20vol%の溶出バッファーから60vol%の溶出バッファーの直線グラジエントを用いたカラムクロマトグラフィー分離の溶出クロマトグラムを示す(洗浄バッファーは20mMのクエン酸ナトリウムを含み、溶出バッファーは20mMのクエン酸ナトリウムと100mMの塩化ナトリウムを含む)。抗体アイソフォームが単一のピークで回収されていることがわかる。単一のプレピークが見られる。
図2では、24vol%の溶出バッファーのステップグラジエントを用いたカラムクロマトグラフィー分離の溶出クロマトグラムを示す(洗浄バッファーは20mMのクエン酸ナトリウムを含み、溶出バッファーは20mMのクエン酸ナトリウムと100mMの塩化ナトリウムを含む)。抗体アイソフォームがセミ分離ピークで回収されていることがわかる。
図3では、15vol%の溶出バッファーのステップグラジエントを用いたカラムクロマトグラフィー分離の溶出クロマトグラムを示す(洗浄バッファーは20mMのクエン酸ナトリウムを含み、溶出バッファーは20mMのクエン酸ナトリウムと80mMの塩化ナトリウムを含む)。抗体アイソフォームが2つのセミ分離ピークで回収されていることがわかり、最初のピークはプレピークを示している。
図4では、100vol%の溶出バッファーのステップグラジエントを用いたカラムクロマトグラフィー分離の溶出クロマトグラムを示す(洗浄バッファーは20mMのクエン酸ナトリウムを含み、溶出バッファーは20mMのクエン酸ナトリウムと5mMの塩化ナトリウムを含む)。抗体アイソフォームが3つのセミ分離ピークで回収されていることがわかる。
図5は、導電率が100%から159%に増加された、シングルステップの溶出法を用いたカラムクロマトグラフィー分離の溶出クロマトグラム。抗体は単一ピークとして回収されていることがわかる。
図6では、100vol%の第1バッファー溶液から60vol%の第2バッファー溶液の直線グラジエントを用いたカラムクロマトグラフィー分離の溶出クロマトグラムを示す(第1バッファーは25mMのTRISと10mMの塩化ナトリウムを含み、第2バッファーは25mMのTRISと70mMの塩化ナトリウムを含み、いずれのバッファーもpH値は7.4)。抗体アイソフォームが3ピークで回収されていることがわかる。
一実施態様では、導電率は50%以下の増加、すなわち導電率は150%以下まで増加する。従って、第2溶液の導電率は第1溶液の導電率の101%から150%である。増加はシングルステップ又は直線グラジエントの形態でありうる。増加は、溶出溶液の完全な変更、すなわち第1(=洗浄)溶液100%から第2(=溶出)溶液100%への変更により実施されうる。
一実施態様では、導電率は10%以下の増加、すなわち導電率は110%以下まで増加する。従って、第2溶液の導電率は第1溶液の導電率の101%から110%である。増加はシングルステップ又は直線グラジエントの形態でありうる。増加は、溶出溶液の完全な変更、すなわち第1(=洗浄)溶液100%から第2(=溶出)溶液100%への変更により実施されうる。
一実施態様では、直線グラジエントは、それぞれ異なる勾配を有する3つのグラジエントを含む。
一実施態様では、第1直線グラジエントは18から20カラムボリュームであり、第2直線グラジエントは2から4カラムボリュームであり、第3直線グラジエントは6から8カラムボリュームである。一実施態様では、第1直線グラジエント第1溶液の導電率の約115%まで、第2直線グラジエントは第1溶液の導電率の約137%まで、第3直線グラジエントは第1溶液の導電率の約150%までである。
カチオン交換クロマトグラフィー材のマトリックスは、膨張性マトリックスでなければならないこともわかっている。一実施態様では、マトリックスは架橋結合した糖類である。さらに別の実施態様では、糖類は多糖類である。別の実施態様では、多糖類はアガロースすなわちグリコシド結合のD-ガラクトースと3,6-無水-L-ガラクトースからなる多糖である。
したがって、ここで報告される別の態様は、抗体調製物を生産する方法であって、
(a)抗体をコードする核酸を有する哺乳動物細胞を培養し、抗体を細胞又は培地から回収する工程と、
(b)少なくとも1つのクロマトグラフィーの工程により抗体を精製する工程を有し、この少なくとも1つのクロマトグラフィーの工程が、
(i)カチオン交換クロマトグラフィー材に抗体の様々なアイソフォームを含む緩衝液を添加する工程と、
(ii)第1導電率を有する第1溶液をカチオン交換クロマトグラフィー材に添加し、抗体アイソフォームとカチオン交換クロマトグラフィー材との結合が維持される工程と、
(iii)第2導電率を有する第2溶液をカチオン交換クロマトグラフィー材に添加して抗体調製物を生産する工程を有し、
これにより第2溶液の導電率が第1溶液の導電率を10%以下で上回る。
一実施態様では、方法は、大量生産の方法である。別の実施態様では、大量とは1g以上の抗体調製物である。
以下の実施例と図は本発明の理解を助けるために提供され、本発明の真の範囲は請求項に記載される。本発明の精神から逸脱することなく記載の手順に変更を加えうることが理解される。
20vol%の溶出バッファーから60vol%の溶出バッファーの直線グラジエントを用いたカラムクロマトグラフィーによる分離の溶出クロマトグラムを示す(洗浄バッファーは20mMのクエン酸ナトリウムを含み、溶出バッファーは20mMのクエン酸ナトリウムと100mMの塩化ナトリウムを含む)。 24vol%溶出バッファーのステップグラジエントを用いたカラムクロマトグラフィーによる分離の溶出クロマトグラムを示す(洗浄バッファーは20mMのクエン酸ナトリウムを含み、溶出バッファーは20mMのクエン酸ナトリウムと100mMの塩化ナトリウムを含む)。 15vol%溶出バッファーのステップグラジエントを用いたカラムクロマトグラフィーによる分離の溶出クロマトグラムを示す(洗浄バッファーは20mMのクエン酸ナトリウムを含み、溶出バッファーは20mMのクエン酸ナトリウムと80mMの塩化ナトリウムを含む)。 100vol%溶出バッファーのステップグラジエントを用いたカラムクロマトグラフィーによる分離の溶出クロマトグラムを示す(洗浄バッファーは20mMのクエン酸ナトリウムを含み、溶出バッファーは20mMのクエン酸ナトリウムと5mMの塩化ナトリウムを含む)。 強カチオン交換樹脂SP−セファロースからの抗HER-2抗体のシングルステップの溶出;抗体のモノマー形態と凝集形態は分離されず、1つのピークとして溶出される。 60vol%溶出バッファーの直線グラジエントを用いたカラムクロマトグラフィーによる分離の溶出クロマトグラムを示す(洗浄バッファーは25mMのトリスと10mMのクエン酸ナトリウムを含み、溶出バッファーは25トリスと70mMの塩化ナトリウムを含む)。
材料と方法
ここで報告される、方法で使用されうる例示的免疫グロブリンは、国際公開第92/022653号、国際公開第99/057134号、国際公開第97/04801号、米国特許第5,677,171号及び米国特許第5,821,337号(参照により本明細書に組み込まれる)に報告されている抗HER2抗体である。
分析的分子ふるいクロマトグラフィー:
樹脂:TSK 3000(Tosohaas)
カラム:300×7.8mm
流量:0.5ml/min
緩衝液:250mM塩化カリウムを含む200mMリン酸カリウム、pH7.0に調節
波長:220nm
分析的IE−HPLC
樹脂:Dionex ProPacTM WCX−10 分析グレード
カラム:4×250mm
流量:0.8ml/min
バッファーA:10mMリン酸ナトリウム、pH7.5に調節
バッファーB:10mMリン酸ナトリウム、pH7.5に調節及び0.1M塩化ナトリウムを添加
開始条件:85vol%バッファーAと15vol%バッファーB
グラジエント:55vol%バッファーBまで9カラムボリューム
検出波長:214nm
試料の量:50μg
試料とカルボキシペプチダーゼBを試料バッファーを用いて最終濃度1mg/mlまで希釈する。希釈した試料溶液に1%(w/w)の希釈カルボキシペプチダーゼ溶液を加える。
実施例1
60vol%溶出バッファーまでの組合せグラジエント溶出、SP−セファロース上でのクロマトグラフィー
クロマトグラフィー条件:
樹脂:ハイスクリーンSP−セファロース
流量:1.2ml/min
平衡:20mMクエン酸ナトリウム、pH6.2に調節
ローディング:1gタンパク質/lクロマトグラフィー材
洗浄:20mMクエン酸ナトリウム、pH6.2に調節
溶出:20mMクエン酸ナトリウム、pH6.2に調節及び100mM塩化ナトリウムを添加
溶出法:
ステップと直線グラジエントの組合せ
20%溶出バッファーまでステップ、その後は60%溶出バッファーまで直線グラジエント
溶出クロマトグラムを図1に示す。抗体アイソフォームが単一のピークで回収できることがわかる。わずかなプレピークが見られる。
実施例2
24vol%溶出バッファーまでのステップグラジエント溶出、SP−セファロース上のクロマトグラフィー
クロマトグラフィー条件:
樹脂:ハイスクリーンSP−セファロース
流量:1.2ml/min
平衡:20mMクエン酸ナトリウム、pH6.2に調節
ローディング:1gタンパク質/lクロマトグラフィー材
洗浄:20mMクエン酸ナトリウム、pH6.2に調節
溶出:20mMクエン酸ナトリウム、pH6.2に調節及び100mM塩化ナトリウムを添加
溶出法:
シングルステップグラジエント
24%溶出バッファーまでステップ、20カラムボリュームで溶出
溶出クロマトグラムを図2に示す。抗体アイソフォームがセミ分離ピークで回収できることがわかる。
実施例3
15vol%溶出バッファーまでのステップグラジエント溶出、SP−セファロース上のクロマトグラフィー
クロマトグラフィー条件:
樹脂:ハイスクリーン SP−セファロース
流量:1.2ml/min
平衡:20mMクエン酸ナトリウム、pH6.2に調節
ローディング:1gタンパク質/lクロマトグラフィー材
洗浄:20mMクエン酸ナトリウム、pH6.2に調節
溶出:20mMクエン酸ナトリウム、pH6.2に調節及び80mM塩化ナトリウムを添加
溶出法:
シングルステップグラジエント
15%溶出バッファーまでステップ、20カラムボリューム
溶出クロマトグラムを図3に示す。抗体アイソフォームは2つのセミ分離ピークで回収できることがわかり、最初のピークはプレピークを示している。
実施例4
100vol%溶出バッファーまでのステップグラジエント溶出、SP−セファロース上のクロマトグラフィー
クロマトグラフィー条件:
樹脂:ハイスクリーンSP−セファロース
流量:1.2ml/min
平衡:20mMクエン酸ナトリウム、pH6.2に調節
ローディング:1gタンパク質/lクロマトグラフィー材
洗浄:20mMクエン酸ナトリウム、pH6.2に調節
溶出:20mMクエン酸ナトリウム、pH6.2に調節及び5mM塩化ナトリウムを添加
溶出法:
シングルステップ
100%溶出バッファーまでシングルステップ、20カラムボリュームで溶出
溶出クロマトグラムを図4に示す。抗体アイソフォームが3つのセミ分離ピークで回収できることがわかる。
実施例5
100vol%溶出バッファーまでのpHグラジエント溶出、モノS強カチオン交換樹脂上のクロマトグラフィー
クロマトグラフィー条件:
樹脂:モノS
平衡:20mMクエン酸ナトリウム、pH6.2に調節
洗浄:20mMクエン酸ナトリウム、pH6.2に調節
溶出:50mMリン酸ナトリウム、pH7.5に調節
溶出法:
グラジエント溶出
0%から100%溶出バッファー
アイソフォームは3つのセミ分離ピークとして回収できる。
実施例6
比較例−強カチオン交換樹脂(SP−セファロース)を用いての、モノクローナル抗HER-2抗体のクロマトグラフィーによる分離(国際公開第99/57134号)
強カチオン交換樹脂のSP−セファロース上でのカチオン交換クロマトグラフィーを用いたモノクローナル抗HER2抗体(ハーセプチン(登録商標))の精製を行った。標準的条件下、すなわち、例えば塩化ナトリウムを用いたステップ溶出では、抗体のモノマー形態と凝集形態の分離は得られなかった(図5)。
クロマトグラフィー条件:
樹脂:SP−セファロース
流量:160cm/h
平衡:25mM2-モルホリノエタンスルホン酸、50mM塩化ナトリウム、pH5.6に調節
ローディング:最高20gタンパク質/Lゲルマトリックス
洗浄:25mM2-モルホリノエタンスルホン酸、50mM塩化ナトリウム、pH5.6に調節
溶出:25mM2-モルホリノエタンスルホン酸、95mM塩化ナトリウム、pH5.6に調節
モノクローナル抗HER-2抗体を、タンパク質Aアフィニティークロマトグラフィーを用いて第1ステップで精製した。タンパク質Aカラムからの溶出は酸性条件下で行う(10mMクエン酸ナトリウムバッファー、pH値3.0±0.5)。濾過工程の前に、抗体を含む画分のpH値を濃縮トリ-ヒドロキシメチル-アミノ-メタン(トリス)バッファーでpH5.6に調節する。タンパク質A溶出液は、タンパク質濃度5mg/mlから15mg/mlの溶液であり、クエン酸ナトリウムで希釈される。
調整したタンパク質A溶出液を、強カチオン交換樹脂(SP−セファロース)を含むクロマトグラフィーカラムに添加した。流量160cm/hでのローディング工程後、カラムを平衡バッファー(10カラムボリューム)で洗浄した。結合した免疫グロブリンをシングルステップ溶出法を用いて溶出することで、pH値は一定に保たれ、導電率は塩化ナトリウム濃度の(ステップワイズの)増加で変動された。溶液クロマトグラムを図5に示す。
モノマー形態と凝集形態の分離は得られなかった。
実施例7
60vol%溶出バッファーまでのグラジエント溶出を用いるSourceTM15S上でのクロマトグラフィー
クロマトグラフィー条件:
樹脂:SourceTM15S
カラムボリューム:1.14l
流量:100cm/h
平衡:25mMトリス、10mM塩化ナトリウム、pH7.4に調節
ローディング:0.88gタンパク質/1クロマトグラフィー材
洗浄:25mMトリス、10mM塩化ナトリウム、pH7.4に調節
溶出:25mMトリス、70mM塩化ナトリウム、pH7.4に調節
溶出法:
グラジエント
33vol%溶出バッファーまで19カラムボリューム
50vol%溶出バッファーまで3カラムボリューム
60vol%溶出バッファーまで7カラムボリューム
溶出クロマトグラムを図6に示す。抗体アイソフォームが明白なピークで回収できることがわかる。

Claims (16)

  1. 抗体調製物を生産する方法であって、
    (a)抗体の様々なアイソフォームを含む緩衝液をカチオン交換クロマトグラフィー材に添加する工程と、
    (b)第1導電率を有する第1溶液をカチオン交換クロマトグラフィー材に添加し、抗体アイソフォームのカチオン交換クロマトグラフィー材への吸着が維持される工程と、
    (c)第2導電率を有する第2溶液をカチオン交換クロマトグラフィー材に添加して抗体調製物を得る工程、を有し、
    第2溶液の導電率が第1溶液の導電率を50%以下で上回る、方法。
  2. 抗体調製物を生産する方法であって、
    (a)抗体をコードする核酸を含む哺乳動物細胞を培養し、抗体を細胞又は培地から回収する工程と、
    (b)少なくとも1つのカラムクロマトグラフィーの工程により抗体を精製する工程、を有し、該少なくとも1つのクロマトグラフィーの工程が、
    (i)カチオン交換クロマトグラフィー材に抗体の様々なアイソフォームを含む緩衝液を添加する工程と、
    (ii)第1導電率を有する第1溶液をカチオン交換クロマトグラフィー材に添加し、抗体アイソフォームのカチオン交換クロマトグラフィー材との結合が維持される工程と、
    (iii)第2導電率を有する第2溶液をカチオン交換クロマトグラフィー材に添加して抗体調製物を生産する工程、を有し、
    第2溶液の導電率が第1溶液の導電率を50%以下で上回る、方法。
  3. 第2溶液の導電率が第1溶液の導電率を15%以下で上回ることを特徴とする、請求項1又は2のいずれか1項に記載の方法。
  4. 第2溶液の導電率が第1溶液の導電率を10%以下で上回ることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. カチオン交換クロマトグラフィー材が膨張性マトリックスを有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 膨張性マトリックスがアガロースであることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. カチオン交換クロマトグラフィー材が強カチオン交換クロマトグラフィー材であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 強カチオン交換クロマトグラフィー材がスルホプロピル-カチオン交換クロマトグラフィー材であることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  9. 第1溶液が第2溶液にシングルステップ又は直線グラジエントで変更されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. シングルステップが100vol%の第1溶液から100vol%の第2溶液への変更であることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  11. 第1溶液が20mMクエン酸ナトリウム及び10mM塩化ナトリウム、又は25mMトリス及び10mM塩化ナトリウムを含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 第2溶液が20mMクエン酸ナトリウム及び5mM塩化ナトリウム、又は25mMトリス及び70mM塩化ナトリウムを含むことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 抗体が抗HER2抗体であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 抗HER2抗体が抗HER2抗体トラスツズマブ又は抗HER2抗体ペルツズマブであることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
  15. 第1溶液の導電率が4mS/cmから5mS/cmであることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項の方法により得られる抗HER2抗体。
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