JP2014241378A - 半導体レーザ装置の製造方法及び熱アシスト磁気記録ヘッド - Google Patents

半導体レーザ装置の製造方法及び熱アシスト磁気記録ヘッド Download PDF

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Abstract

【課題】歩留り向上及び工数削減を図ることのできる半導体レーザ装置の製造方法を提供する。【解決手段】サブマウント21上に半導体レーザ素子30を実装した半導体レーザ装置20の製造方法において、ウェハ状の半導体基板31上に半導体積層膜32及び電極35を形成する素子部形成工程と、半導体基板31を切断してバー状の素子バー40を形成する素子バー形成工程と、サブマウント21を形成するサブマウント基板22の上面に設けた端子部29に素子バー40の電極35を接合する実装工程と、素子バー40及びサブマウント基板22を分割してチップ状の半導体レーザ装置20に個片化するチップ形成工程とを備えた。【選択図】図13

Description

本発明は、レーザ光を出射する半導体レーザ装置の製造方法及び半導体レーザ装置を備えた熱アシスト磁気記録ヘッドに関する。
HDD装置等に搭載される従来の熱アシスト磁気記録ヘッドは特許文献1に開示される。この熱アシスト磁気記録ヘッドは磁気ディスク上に配置され、ヘッド部及び半導体レーザ装置を備えている。ヘッド部は回転する磁気ディスク上を浮上し、一端に磁気記録を行う磁気記録部が設けられる。磁気記録部の近傍には光導波路が設けられ、光導波路内には近接場光を発生させる素子が配される。
半導体レーザ装置はサブマウント上に半導体レーザ素子が実装され、ヘッド部の背面側(磁気ディスクと反対側)に設けたヒートシンクにサブマウントが接着される。半導体レーザ素子はサブマウントに設けられる端子部にハンダ付けされる電極が設けられ、出射部からレーザ光を出射する。
上記構成の熱アシスト磁気記録ヘッドにおいて、半導体レーザ装置から出射されたレーザ光はヘッド部の光導波路を導波して近接場光を発生する。磁気ディスクは近接場光の熱により局所的に保持力が低下し、磁気記録部によって磁気記録される。これにより、保持力の高い磁気ディスクを用いることができ、磁気ディスクの記録密度を向上することができる。
特開2006−185548号公報(第9頁〜第15頁、第1図)
熱アシスト磁気記録ヘッドは微細領域に精度よく磁気記録を行うために、それぞれのパーツの位置精度が重要となる。ヘッド部に対する半導体レーザ装置の位置精度が低くなると、ヘッド部の光導波路にレーザ光が正確に照射されないため記録領域に十分な熱が供給されず、正確な磁気記録ができなくなる。
半導体レーザ装置はサブマウントを介してヘッド部に接着されるため、サブマウントの接着時の基準面に対する半導体レーザ素子の出射部の位置精度が高精度に求められる。例えば、光ディスク用途の半導体レーザ装置では半導体レーザ素子とサブマウントとの実装位置精度が数十μm程度でよい。これに対して、熱アシスト磁気記録用途の半導体レーザ装置では半導体レーザ素子とサブマウントとの実装位置精度が数μm以下を必要とする。
しかしながら、上記従来の半導体レーザ装置によると、チップ化されたサブマウント上に半導体レーザ素子が接合されるため、実装位置精度を高精度に満たすことが困難である。従って、半導体レーザ装置の歩留り低下や工数増加を招く問題があった。
本発明は、歩留り向上及び工数削減を図ることのできる半導体レーザ装置の製造方法及び半導体レーザ装置を搭載した熱アシスト磁気記録ヘッドを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、サブマウント上に半導体レーザ素子を実装した半導体レーザ装置の製造方法において、ウェハ状の半導体基板上に半導体積層膜及び電極を形成する素子部形成工程と、前記半導体基板を切断してバー状の素子バーを形成する素子バー形成工程と、前記サブマウントを形成するサブマウント基板の上面に設けた端子部に前記素子バーの前記電極を接合する実装工程と、前記素子バー及び前記サブマウント基板を分割してチップ状の半導体レーザ装置に個片化するチップ形成工程とを備えたことを特徴としている。
また本発明は上記構成の半導体レーザ装置の製造方法において、前記実装工程の前に前記サブマウント基板の上面に溝部を形成する溝部形成工程を備え、前記チップ形成工程が前記サブマウント基板の下面を前記溝部が露出するまで研磨して前記サブマウント基板を分割した後、前記素子バーを分割することを特徴としている。
また本発明は上記構成の半導体レーザ装置の製造方法において、前記サブマウント基板がウェハ状に形成されるとともに、前記溝部形成工程で前記溝部が直交する二方向に形成され、前記素子バー形成工程の切断面によりレーザ光の出射面を形成し、前記実装工程により前記サブマウント基板上に複数の前記素子バーを接合するとともに前記溝部の一側壁に対して平行または同一面内に前記切断面を配置したことを特徴としている。
また本発明は上記構成の半導体レーザ装置の製造方法において、前記サブマウント基板がバー状に形成され、前記素子バー形成工程の切断面によりレーザ光の出射面を形成し、前記実装工程により前記サブマウント基板の端面に対して平行または同一面内に前記切断面を配置したことを特徴としている。
また本発明は上記構成の半導体レーザ装置の製造方法において、前記素子バーの前記切断面に端面コート膜を形成する端面コート膜形成工程を設けたことを特徴としている。
また本発明は、上記構成の半導体レーザ装置の製造方法において、前記半導体積層膜がAlGaAs系半導体、AlGaInP系半導体、またはIII−V族窒化物半導体から成ることを特徴としている。
また本発明は上記構成の半導体レーザ装置の製造方法において、前記サブマウント基板が、
窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素のいずれかを主成分としたセラミックス、
シリコンを主成分とした半導体、
銅、タングステン、モリブデン、鉄のいずれかの金属またはいずれかを含む合金、
のいずれかから成ることを特徴としている。
また本発明の熱アシスト磁気記録ヘッドは、上記各構成の半導体レーザ装置の製造方法により形成される半導体レーザ装置と、前記半導体レーザ装置が接着されるとともに前記半導体レーザ装置から出射されるレーザ光の光導波路を有して磁気記録を行うヘッド部とを備えたことを特徴としている。
また本発明は上記構成の熱アシスト磁気記録ヘッドにおいて、前記サブマウントのレーザ光の出射方向に垂直な面を前記ヘッド部に接着したことを特徴としている。
本発明によると、半導体レーザ素子の素子バーをサブマウント基板に実装する実装工程と、素子バー及びサブマウント基板を分割するチップ形成工程とを備える。これにより、サイズの大きい素子バーとサブマウント基板とを接合するため、取り扱いが容易で実装精度を向上することができる。また、複数の半導体レーザ装置に対して実装時のアライメントが一度で行えるため、アライメント時間を長く確保して実装精度をより向上できるとともに工数を削減することができる。
本発明の第1実施形態の製造方法による半導体レーザ装置を備えた熱アシスト磁気記録ヘッドを示す側面断面図 図1の熱アシスト磁気記録ヘッドの半導体レーザ装置を示す正面図 本発明の第1実施形態の半導体レーザ装置の製造方法を示す工程図 本発明の第1実施形態の半導体レーザ装置の製造方法のエピタキシャル成長工程を示す正面図 本発明の第1実施形態の半導体レーザ装置の製造方法のリッジ部形成工程を示す正面図 本発明の第1実施形態の半導体レーザ装置の製造方法の電極形成工程を示す正面図 本発明の第1実施形態の半導体レーザ装置の製造方法の素子バー形成工程を示す上面図 本発明の第1実施形態の半導体レーザ装置の製造方法の溝部形成工程を示す上面図 本発明の第1実施形態の半導体レーザ装置の製造方法の溝部形成工程を示す正面図 本発明の第1実施形態の半導体レーザ装置の製造方法の溝部形成工程を示す側面図 本発明の第1実施形態の半導体レーザ装置の製造方法の端子部形成工程を示す上面図 本発明の第1実施形態の半導体レーザ装置の製造方法の端子部形成工程を示す側面図 本発明の第1実施形態の半導体レーザ装置の製造方法の実装工程を示す上面図 本発明の第1実施形態の半導体レーザ装置の製造方法の実装工程を示す正面図 本発明の第1実施形態の半導体レーザ装置の製造方法の実装工程を示す側面図 本発明の第1実施形態の半導体レーザ装置の製造方法の研磨工程を示す正面図 本発明の第1実施形態の半導体レーザ装置の製造方法の研磨工程を示す側面図 本発明の第1実施形態の半導体レーザ装置の製造方法の素子分割工程を示す正面図 本発明の第2実施形態の半導体レーザ装置の製造方法の溝部形成工程を示す上面図 本発明の第2実施形態の半導体レーザ装置の製造方法の端子部形成工程を示す上面図 本発明の第2実施形態の半導体レーザ装置の製造方法の実装工程を示す上面図 本発明の第2実施形態の半導体レーザ装置の製造方法の実装工程を示す側面図
<第1実施形態>
以下に図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1は第1実施形態の製造方法により得られる半導体レーザ装置を備えた熱アシスト磁気記録ヘッドの側面断面図を示している。熱アシスト磁気記録ヘッド1はHDD装置等に搭載され、サスペンション(不図示)の支持によって磁気ディスクD上に軸方向移動可能に配置される。
熱アシスト磁気記録ヘッド1はヘッド部10と半導体レーザ装置20とを備えている。ヘッド部10は磁気ディスクDに媒体対向面10bを対向し、半導体レーザ装置20はヘッド部10の媒体対向面10bと反対側の設置面10aに接着剤19により接着される。
ヘッド部10は矢印A方向に回転する磁気ディスクD上を浮上するスライダ部11を有し、スライダ部11の媒体退出側の端部に素子部12が設けられる。素子部12は磁気記録を行う磁気記録部13及び磁気ディスクDの磁化を検出して出力する磁気再生部14を有している。
磁気記録部13の近傍には半導体レーザ装置20から出射されるレーザ光を導波する光導波路15が設けられる。また、光導波路15内には近接場光を発生させる素子(不図示)が配される。
半導体レーザ装置20はサブマウント21の設置面21a上に半導体レーザ素子30が実装される。サブマウント21はレーザ光の出射方向に垂直な前面21bをヘッド部10の設置面10aに接着され、設置面21aが前面21bに対して直交する。サブマウント21はリード線(不図示)が接続される端子部29を設置面21a上に設けられる。後述する半導体レーザ素子30のp側電極35(図2参照)がハンダ層を形成する端子部29に接合される。
半導体レーザ素子30は設置面21aに平行な方向に延びる光導波路39を有している。半導体レーザ素子30は共振器として動作し、前面の出射面30a及び後面の対向面30bは共振器端面を形成する。出射面30a上には光導波路39の一端の出射部39aが露出し、光導波路39を導波するレーザ光は出射部39aから出射される。
図2は半導体レーザ素子30の正面断面図を示している。半導体レーザ素子30は半導体基板31上にエピタキシャル成長した半導体積層膜32を有している。半導体積層膜32の上部は出射面30a(図1参照)に垂直な方向に延びるストライプ状のリッジ部33が形成される。リッジ部33によって半導体レーザ素子30の前後方向に延びる光導波路39(図1参照)が形成される。
リッジ部33の上面を除く半導体積層膜32上には埋め込み層34が積層される。埋め込み層34上にはリッジ部33の上面に接したp側電極35が形成され、p側電極35がサブマウント21の端子部29に接合される。半導体基板31の裏面にはn側電極36が形成される。また、半導体レーザ素子30の出射面30a(図1参照)及び対向面30b(図1参照)には端面コート膜(不図示)が形成される。
上記構成の熱アシスト磁気記録ヘッド1は磁気記録部13及び磁気再生部14を磁気ディスクDに対向し、スライダ部11により磁気ディスクD上を浮上する。半導体レーザ素子30の光導波路39を導波するレーザ光は出射面30a上の出射部39aからヘッド部10の光導波路15に向けて出射される。光導波路15に入射したレーザ光は近接場光を発生する。
磁気ディスクDは近接場光の熱により局所的に保持力が低下し、磁気記録部13によって磁気記録される。これにより、保持力の高い磁気ディスクDを用いることができ、磁気ディスクDの記録密度を向上することができる。また、磁気ディスクDの磁化が磁気再生部14により検出され、磁気ディスクDに記録されたデータを読み出すことができる。
次に、図3は半導体レーザ装置20の工程図を示している。半導体レーザ装置20の製造工程は半導体レーザ素子30を形成するために、素子部形成工程、素子バー形成工程、端面コート膜形成工程が順に行われる。素子部形成工程はエピタキシャル成長工程、リッジ部形成工程、電極形成工程を含み、半導体レーザ素子30の半導体積層膜32、リッジ部33及び電極(35、36)を形成する。
また、サブマウント21を形成するために、溝部形成工程、端子部形成工程が順に行われる。次に、半導体レーザ素子30とサブマウント21とを接合する実装工程が行われた後、チップ形成工程が行われる。チップ形成工程は研磨工程、素子分割工程を含み、チップ状の半導体レーザ装置20に個片化する。
図4はエピタキシャル成長工程を示す正面図である。エピタキシャル成長工程ではn型GaAsから成る半導体基板31上に有機金属気相成長法(MOCVD法)や分子線結晶成長法(MBE法)等によりAlGaAs系の半導体積層膜32をエピタキシャル成長させる。
半導体積層膜32は半導体基板31側から順に第1バッファ層32a、第2バッファ層32b、n型クラッド層32c、n側光ガイド層32d、正孔障壁層32e、多重量子井戸活性層32f、p側光ガイド層32g、第1p型クラッド層32h、エッチストップ層32i、第2p型クラッド層32j、中間層32k、キャップ層32mを積層して形成される。
第1バッファ層32aはn型GaAsにより形成される。第2バッファ層32bはn型GaInPにより形成される。n型クラッド層32cはn型AlGaInPにより形成される。n側光ガイド層32dはn型AlGaAsにより形成される。正孔障壁層32eはAlGaAsにより形成される。多重量子井戸活性層32fはInGaAs及びAlGaAsにより形成される。p側光ガイド層32gはp型AlGaAsにより形成される。
第1p型クラッド層32hはp型AlGaInPにより形成される。エッチストップ層32iはp型GaInPにより形成される。第2p型クラッド層32jはp型AlGaInPにより形成される。中間層32kはp型GaInPにより形成される。キャップ層32mはp型GaAsにより形成される。尚、各層の順序や組成は半導体レーザ素子30の設計に最適な内容に適宜変更することが可能である。
図5はリッジ部形成工程を示す正面図である。リッジ部形成工程では半導体積層膜32上の所定領域にフォトリソグラフィ技術によりストライプ状のエッチングマスク(不図示)が形成される。次に、ドライエッチング等によりエッチストップ層32iよりも上層の半導体積層膜32を除去した後、エッチングマスクが除去される。これにより、出射面30a(図1参照)に垂直な方向に延びるメサ形状のリッジ部33が形成される。リッジ部33の幅Wは例えば、2μmに形成される。
図6は電極形成工程を示している。電極形成工程ではリッジ部33を含む半導体積層膜32上にSiO2から成る埋め込み層34が積層される。そして、リッジ部33の上面の埋め込み層34が除去される。次に、リッジ部33を覆うp側電極35が形成される。p側電極35はAuを主体とし、リッジ部33の上面を含む所定領域にフォトリソグラフィ、スパッタ法やEB蒸着法、メッキ法等を組み合わせて適宜設計に応じて形成される。
次に、半導体基板31の裏面が研磨され、半導体基板31を所定の厚みに形成する。そして、半導体基板31の裏面にAuを主体とするn側電極36がp側電極35と同様に形成される。
図7は素子バー形成工程を示す上面図である。素子バー形成工程ではウェハ状の半導体基板31をレーザスクライブ等によってリッジ部33に対して垂直方向に切断し、複数のバー状の素子バー40を形成する。半導体基板31にけがき線を形成した後にけがき線で分割して素子バー40を形成してもよい。素子バー40の切断面40aによって半導体レーザ素子30の共振器端面となる出射面30a及び対向面30b(図1参照)が形成される。
次に、端面コート膜形成工程では素子バー40の切断面40aにAlN薄膜等の端面コート膜(不図示)が形成される。端面コート膜によって半導体レーザ素子30の端面を保護するとともに端面の反射率を調整する。素子バー40の切断面40aが共振器端面となるため、バー状態の素子バー40に端面コート膜を形成した後に素子バー40をサブマウント基板22(図8参照)に実装することができる。
図8、図9、図10は溝部形成工程を示す上面図、正面図及び側面図である。溝部形成工程ではサブマウント21を形成するウェハ状のサブマウント基板22の上面に溝部23、24が形成される。溝部23、24は直交する二方向に延びて格子状に形成される。
サブマウント基板22として、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(A123)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si34)等のいずれかを主成分としたセラミックスや、シリコン(Si)を主成分とした半導体を用いることができる。また、サブマウント基板22として、銅(Cu)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)等の金属や、これらを含む銅−タングステン(Cu−W)等の合金を用いてもよい。
溝部23、24はサブマウント基板22上にフォトリソグラフィによってパターニングされたレジスト層を形成した後にウェットエッチングやドライエッチングを行って形成される。ダイヤモンドカッターを用いたダイシング等により溝部23、24を形成してもよい。ドライエッチングを用いると溝部23、24を高精度に形成できるためより望ましい。
図11、図12は端子部形成工程を示す上面図及び側面図を示している。端子部形成工程ではサブマウント基板22の上面及び溝部23、24の内壁にTi等の密着層、Pt等の拡散防止層及びAu等の電極層(いずれも不図示)がスパッタ等により積層される。次に、メッキ等によって電極層上にAuSnやSnAgCu等の端子部29が形成される。端子部29は半導体レーザ素子30を実装する際のハンダ層を形成する。
図13、図14、図15は実装工程の上面図、正面図及び側面図を示している。実装工程ではサブマウント基板22上の端子部29に素子バー40上のp側電極35(図6参照)を半田付けして接合する。これにより、サブマウント21を形成するサブマウント基板22に半導体レーザ素子30を形成する複数の素子バー40が実装される。この時、リッジ部33は一方の溝部23間に配置され、他方の溝部24の側壁に対して素子バー40の切断面40aが同一面内または溝部24上で平行に配置される。
素子バー40及びサブマウント基板22はそれぞれ複数の半導体レーザ素子30及びサブマウント21を含む。このため、サイズの大きい素子バー40及びサブマウント基板22の取り扱いが容易となるため、両者の実装精度を向上することができる。また、複数の半導体レーザ装置20に対して実装時のアライメントが一度で行えるため、アライメント時間を長く確保して実装精度をより向上できるとともに工数を削減することができる。
また、素子バー40の長手方向に延びる切断面40aと溝部24との平行度及び切断面40aと溝部23との垂直度を容易に高精度に形成することができる。後述するように、溝部23の側壁はヘッド部10の設置面10a(図1参照)に接着される前面21bを形成し、切断面40aは出射面30a(図1参照)を形成する。このため、ヘッド部10の設置面10aと出射面30aとの平行度を向上することができ、出射面30aから出射されるレーザ光を光導波路15(図1参照)に正確に照射することができる。
図16、図17は研磨工程を示す正面図及び側面図である。研磨工程ではサブマウント基板22に実装された素子バー40の上面を粘着保護シート等に貼り付け、サブマウント基板22の下面を溝部23、24が露出するまで研磨する。これにより、サブマウント基板22がチップ状に分割される。サブマウント基板22の研磨は研削盤、サンドブラスト装置、サンドペーパー、砥粒を用いたラッピング装置等によって行うことができる。
図18は素子分割工程を示す正面図である。素子分割工程では素子バー40(図16参照)をレーザスクライブ等によってリッジ部33に対して平行方向に切断し、チップ状の半導体レーザ素子30を形成する。これにより、複数の半導体レーザ装置20がチップ状に個片化され、前述の図1に示す半導体レーザ装置20が得られる。素子バー40の半導体基板31(図2参照)にけがき線を形成した後にけがき線で分割して半導体レーザ装置20を個片化してもよい。
本実施形態によると、半導体レーザ素子30の素子バー40をサブマウント基板22に実装する実装工程と、素子バー40及びサブマウント基板22を分割するチップ形成工程とを備える。これにより、サイズの大きい素子バー40とサブマウント基板22とを接合するため、取り扱いが容易で実装精度を向上することができる。また、複数の半導体レーザ装置20に対して実装時のアライメントが一度で行えるため、アライメント時間を長く確保して実装精度をより向上できるとともに工数を削減することができる。
また、溝部形成工程でサブマウント基板22の上面に溝部23、24を形成し、研磨工程でサブマウント基板22の下面を溝部23、24が露出するまで研磨する。その後、素子分割工程で素子バー40が分割される。これにより、半導体基板31とサブマウント基板22との材質が異なる場合であっても、半導体レーザ装置20を容易に個片化することができる。
また、素子バー形成工程の素子バー40の切断面40aにより出射面30aを形成し、実装工程で溝部24の一側壁に対して平行または同一面内に切断面40aを配置している。これにより、切断面40aと溝部24との平行度及び切断面40aと溝部23との垂直度を容易に高精度に形成することができる。このため、サブマウント21の前面21bが接着されるヘッド部10の設置面10aと出射面30aとの平行度を向上することができ、出射面30aから出射されるレーザ光を光導波路15(図1参照)に正確に照射することができる。
尚、サブマウント21の下面(設置面21aの対向面)がヒートシンク等を介してヘッド部10に接着される場合に、サブマウント21が前面21bや側面を基準面としてヒートシンクに対して位置決めされる。この時、出射面30aの前面21bに対する平行度及び側面(溝部23により形成される)に対する垂直度が高精度に形成されるため、上記と同様に、ヘッド部10の設置面10aと出射面30aとの平行度を向上することができる。
また、素子バー40の切断面40aに端面コート膜を形成する端面コート膜形成工程を設けたので、端面コード膜形成後に素子バー40をサブマウント基板22に実装することができる。従って、半導体レーザ装置20の工数を削減することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の半導体レーザ装置20の製造方法について図面を参照して説明する。以下の説明において、各図面は説明の便宜上、前述の図1〜図18に示す第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付している。本実施形態は、熱アシスト磁気記録ヘッド1に搭載される半導体レーザ装置20の製造工程において、サブマウント基板22がバー状に形成される。その他の部分は第1実施形態と同様である。
図19は溝部形成工程の上面図を示している。尚、溝部形成工程の正面図は前述の図9と同様である。溝部形成工程ではサブマウント21を形成するバー状のサブマウント基板22上に長手方向に並ぶ溝部23が形成される。溝部23はサブマウント基板22上にフォトリソグラフィによってパターニングされたレジスト層を形成した後にウェットエッチングやドライエッチングを行って形成される。ダイヤモンドカッターを用いたダイシング等により溝部23を形成してもよい。
図20は端子部形成工程の上面図を示している。端子部形成工程では第1実施形態と同様に、サブマウント基板22の上面及び溝部23の壁面に密着層、拡散防止層及び電極層(いずれも不図示)が積層される。次に、メッキ等によって電極層上にAuSnやSnAgCu等の端子部29が形成される。
図21、図22は実装工程の上面図及び側面図を示している。尚、実装工程の正面図は前述の図14と同様である。実装工程ではサブマウント基板22上の端子部29に素子バー40上のp側電極35(図6参照)を半田付けして接合する。これにより、サブマウント21を形成するサブマウント基板22に半導体レーザ素子30を形成する素子バー40が実装される。
この時、リッジ部33は溝部23間に配置され、サブマウント基板22の端面22aに対して素子バー40の切断面40aが同一面内または所定距離離れて平行に配置される。これにより、素子バー40の長手方向に延びる切断面40aと端面22aとの平行度及び切断面40aと溝部23との垂直度を容易に高精度に形成することができる。
サブマウント基板22の端面22aはサブマウント21のヘッド部10に接着される前面21bを形成し、切断面40aは半導体レーザ素子30の出射面30aを形成する。従って、ヘッド部10の設置面10aと出射面30aとの平行度を向上することができる。
そして、第1実施形態と同様に研磨工程及び素子分割工程を含むチップ形成工程が行われ、半導体レーザ装置20が個片化される。
本実施形態によると、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、素子バー形成工程の素子バー40の切断面40aにより出射面30aを形成し、実装工程でサブマウント基板22の端面22a平行または同一面内に切断面40aを配置している。これにより、切断面40aと端面22aとの平行度及び切断面40aと溝部23との垂直度を容易に高精度に形成することができる。このため、サブマウント21の前面21bが接着されるヘッド部10の設置面10aと出射面30aとの平行度を向上することができ、出射面30aから出射されるレーザ光を光導波路15(図1参照)に正確に照射することができる。
<第3実施形態>
第1、第2実施形態は半導体レーザ素子30の半導体積層膜32がAlGaAs系半導体により形成されるが、他の半導体により形成してもよい。例えば、AlGaIn系半導体や、窒化ガリウム等のIII−V族窒化物半導体により半導体積層膜32を形成することができる。
また、第1、第2実施形態の製造方法による半導体レーザ装置20は熱アシスト磁気記録ヘッド1に搭載されるが、位置精度を高精度に必要な他の用途に上記各製造方法による半導体レーザ装置20を用いてもよい。
本発明によると、熱アシスト磁気記録ヘッド等に利用することができる。
1 熱アシスト磁気記録ヘッド
10 ヘッド部
11 スライダ部
12 素子部
13 磁気記録部
14 磁気再生部
15 光導波路
19 接着剤
20 半導体レーザ装置
21 サブマウント
22 サブマウント基板
22a 端面
23、24 溝部
29 端子部
30 半導体レーザ素子
30a 出射面
30b 対向面
31 半導体基板
32 半導体積層膜
33 リッジ部
34 埋め込み層
35 p側電極
36 n側電極
39 光導波路
39a 出射部
D 磁気ディスク

Claims (5)

  1. サブマウント上に半導体レーザ素子を実装した半導体レーザ装置の製造方法において、ウェハ状の半導体基板上に半導体積層膜及び電極を形成する素子部形成工程と、前記半導体基板を切断してバー状の素子バーを形成する素子バー形成工程と、前記サブマウントを形成するサブマウント基板の上面に設けた端子部に前記素子バーの前記電極を接合する実装工程と、前記素子バー及び前記サブマウント基板を分割してチップ状の半導体レーザ装置に個片化するチップ形成工程とを備えたことを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法。
  2. 前記実装工程よりも前に前記サブマウント基板の上面に溝部を形成する溝部形成工程を備え、前記チップ形成工程が前記サブマウント基板の下面を前記溝部が露出するまで研磨して前記サブマウント基板を分割した後、前記素子バーを分割することを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置の製造方法。
  3. 前記サブマウント基板がウェハ状に形成されるとともに、前記溝部形成工程で前記溝部が直交する二方向に形成され、前記素子バー形成工程の切断面によりレーザ光の出射面を形成し、前記実装工程により前記サブマウント基板上に複数の前記素子バーを接合するとともに前記溝部の一側壁に対して平行または同一面内に前記切断面を配置したことを特徴とする請求項2に記載の半導体レーザ装置の製造方法。
  4. 前記サブマウント基板がバー状に形成され、前記素子バー形成工程の切断面によりレーザ光の出射面を形成し、前記実装工程により前記サブマウント基板の端面に対して平行または同一面内に前記切断面を配置したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体レーザ装置の製造方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の半導体レーザ装置の製造方法により形成される半導体レーザ装置と、前記半導体レーザ装置が接着されるとともに前記半導体レーザ装置から出射されるレーザ光の光導波路を有して磁気記録を行うヘッド部とを備えたことを特徴とする熱アシスト磁気記録ヘッド。
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