JP2014240948A - レジスト剥離液及びレジスト剥離方法 - Google Patents

レジスト剥離液及びレジスト剥離方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基材等に使用可能な材質の種類を確保しつつ、酸化銅を主成分とした熱反応型レジストを残留膜なく剥離させることができるレジスト剥離液及びレジスト剥離方法の提供。【解決手段】酸化銅を主成分とした熱反応型レジスト用のレジスト剥離液であって、pHが0以上であり、かつ、熱反応型レジストで構成されたレジスト膜の溶解速度が5nm/分以上であるレジスト剥離液。熱反応型レジストで構成され、レジスト剥離液で剥離されるレジスト膜には、微細パターンが付与されている。【選択図】なし

Description

本発明はレジスト剥離液及びレジスト剥離方法に関し、特に、熱反応型レジスト用のレジスト剥離液及びレジスト剥離方法に関する。
近年、半導体、光学・磁気記録等の分野において高密度化、高集積化等の要求が高まるにつれ、数百nm〜数十nm、あるいはそれ以下の微細パターン加工技術が必須となっている。そこで、これら微細パターン加工を実現するためにマスク・ステッパー、露光、レジスト材料等の各工程の要素技術が盛んに研究されている。
レジスト材料の検討は多数行われているが、現在、最も一般的なレジスト材料は、紫外光、電子線、X線等の露光光源に反応する光反応型有機レジスト(以下、フォトレジストともいう。)である(特許文献1、非特許文献1参照)。
露光に用いられるレーザー光において、通常、レンズで絞り込まれたレーザー光の強度は、図1に示すようなガウス分布形状を示す。このときスポット径は1/eで定義される。一般的にフォトレジストの反応は、E=hν(E:エネルギー、h:プランク定数、ν:波長)で表されるエネルギーを吸収することよって反応が開始される。したがって、その反応は、光の強度には強く依存せず、むしろ光の波長に依存するため、光の照射された部分(露光部分)は、ほぼ全て反応が生じることになる。このため、フォトレジストを使った場合は、スポット径に対して忠実に露光されることになる。
光反応型有機レジストを用いる方法は、数百nm程度の微細なパターンを形成するには非常に有効な方法ではあるが、光反応を用いたフォトレジストを用いるため、さらに微細なパターンを形成するには、原理的に必要とされるパターンより小さなスポットで露光する必要がある。したがって、露光光源として波長が短いKrFやArFレーザー等を使用せざるを得ない。しかしながら、これらの光源装置は非常に大型でかつ高価なため、製造コスト削減の観点からは不向きである。さらに電子線、X線等の露光光源を用いる場合は、露光雰囲気を真空状態にする必要があるため、真空チェンバーを使用することとなり、コストや大型化の観点からかなりの制限がある。
一方、図1で示すような分布を持つレーザー光を物体に照射すると、物体の温度もレーザー光の強度分布と同じガウス分布を示す。このときある温度以上で反応するレジスト、すなわち、熱反応型レジストを使うと、図2に示すように所定温度以上になった部分のみ反応が進むため、スポット径より小さな範囲を露光することが可能となる。すなわち、露光光源を短波長化することなく、スポット径よりも微細なパターンを形成することが可能となるので、熱反応型レジストを使うことで、露光光源波長の影響を小さくすることができる。
これまでに、金属酸化物を熱反応型レジストとして用い、半導体レーザー等による露光や熱・光反応によって微細パターンを形成する技術が報告されている(以下、特許文献2〜4、非特許文献2参照)。このような金属酸化物は、露光による加熱で酸化度を変化させて、酸化度の違いでエッチング液に対する溶解度の差を作ることができるので、このような金属酸化物で選択的にエッチングして微細パターンを形成することができる。本願発明者らは、上記熱反応型レジストのエッチング液として、例えば酸化銅を主成分とした熱反応性レジストのエッチング液を発明してきた(以下、特許文献5〜7参照)。
特開2007−144995号公報 特許第4055543号公報 特許第4986137号公報 特許第4986138号公報 国際公開第2011/105129号パンフレット 特開2011−144377号公報 特開2012−1757号公報
(株)情報機構 発刊 「最新レジスト材料」 P.59―P.76 The 19th Symposium on Phase Change Optical Information Storage 2007 予稿集 P.77―P.80
しかしながら、上記熱反応型レジストに対するレジスト剥離液であって、パターン作成後に不要となった該レジストを効果的に剥離するレジスト剥離液は現状存在していない。この理由としては、一般にレジスト剥離液として開発されているものが、有機レジストへの使用を目的としていることが挙げられる。すなわち、有機レジストの剥離には有機溶剤、アルカリ、マイルドな芳香族有機酸等が有効に用いられるが、これら有機レジスト用の剥離液では、無機物である酸化銅を主成分とした熱反応型レジストを効果的に剥離することは困難である。さらに、酸化銅を主成分とした熱反応型レジストは、加熱された際に結晶化が進行するので、特に基材との界面においては基材と結晶化したレジストが強固に密着してしまい、界面近傍に1nm以下のごく薄い、溶解性の低い膜が生成される。したがって、大半のレジストを剥離液で除去してもこれらの薄いレジスト膜が残留してしまう。このため、このような基材界面近傍に残留する薄いレジスト膜をも除去できる熱反応型レジスト用のレジスト剥離液が望まれている。
一方、熱反応型レジストの主成分である酸化銅は、強力な酸を使用すれば溶解させることは可能であるが、酸が強力になるほど、ダメージを与えてはならない箇所、例えば基材等の材質が限定されてしまう。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、基材等に使用可能な材質の種類を確保しつつ、酸化銅を主成分とした熱反応型レジストを残留膜なく剥離させることができるレジスト剥離液及びレジスト剥離方法を提供することを目的とする。
本発明のレジスト剥離液は、酸化銅を主成分とした熱反応型レジスト用のレジスト剥離液であって、pHが0以上であり、かつ、前記熱反応型レジストで構成されたレジスト膜の溶解速度が5nm/分以上であることを特徴とする。
本発明のレジスト剥離液においては、フッ化物イオンを含まないことが好ましい。
本発明のレジスト剥離液においては、硫酸、塩酸、硝酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、マロン酸、コハク酸及びこれらの酸の塩からなる群より選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明のレジスト剥離液においては、前記レジスト膜に微細パターンが付与され、かつ、少なくとも1種の界面活性剤が添加されていることが好ましい。
本発明のレジスト剥離液においては、硫酸、塩酸、硝酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、マロン酸、コハク酸及びこれらの酸の塩からなる群より選ばれた少なくとも1種を含み、かつ、前記界面活性剤が、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群より選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明のレジスト剥離液においては、前記硫酸及び前記ノニオン系界面活性剤を少なくとも含むことが好ましい。
本発明のレジスト剥離液においては、前記pHが0以上2以下であることが好ましい。
本発明のレジスト剥離液においては、前記レジスト剥離液で剥離する前記熱反応型レジストに酸化シリコンが添加されていることが好ましい。
本発明のレジスト剥離方法は、基材上に形成され、酸化銅を主成分とした熱反応型レジストで構成されたレジスト膜に対して、pHが0以上であり、かつ、前記レジスト膜の溶解速度が5nm/分以上であるレジスト剥離液を用いて前記レジスト膜を剥離することを特徴とする。
本発明のレジスト剥離方法においては、前記レジスト剥離液が、フッ化物イオンを含まないことが好ましい。
本発明のレジスト剥離方法においては、前記レジスト剥離液が、硫酸、塩酸、硝酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、マロン酸、コハク酸及びこれらの酸の塩からなる群より選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明のレジスト剥離方法においては、前記レジスト膜に微細パターンが付与され、かつ、前記レジスト剥離液に、少なくとも1種の界面活性剤が添加されていることが好ましい。
本発明のレジスト剥離方法においては、前記レジスト剥離液が、硫酸、塩酸、硝酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、マロン酸、コハク酸及びこれらの酸の塩からなる群より選ばれた少なくとも1種を含み、かつ、前記界面活性剤が、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群より選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明のレジスト剥離方法においては、前記レジスト剥離液が、前記硫酸及び前記ノニオン系界面活性剤を少なくとも含むことが好ましい。
本発明のレジスト剥離方法においては、前記レジスト剥離液の前記pHが0以上2以下であることが好ましい。
本発明のレジスト剥離方法においては、前記レジスト剥離液で剥離する前記熱反応型レジストに酸化シリコンが添加されていることが好ましい。
本発明によれば、酸化銅を主成分とした熱反応型レジストで構成されたレジスト膜を残留させずに剥離することができ、かつ、基材等に使用可能な材質の種類を確保できる。
レーザー光の強度分布を示した図である。 レーザー光を照射された部分の温度分布を示した図である。 本実施の形態に係るレジスト膜に付与された微細パターンの凹凸構造を示す断面模式図である。 本実施の形態に係るレジスト膜に付与された微細パターンの凹凸構造の他の例を示す断面模式図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本実施の形態に係るレジスト剥離液において、熱反応型レジストで構成されたレジスト膜を、上述した基材界面近傍の残留膜と併せて除去するためには、レジスト剥離液とレジスト膜の反応性が高い必要がある。具体的には、酸化銅を主成分とした熱反応型レジストで構成されたレジスト膜の溶解速度が5nm/分以上が必要である。このような溶解速度を達成するには、酸又は銅と錯形成する化合物を用いることが効果的である。好ましくは溶解速度が10nm/分以上であり、より好ましくは溶解速度が50nm/分以上であり、さらに好ましくは溶解速度が100nm/分以上であり、最も好ましくは溶解速度が200nm/分である。
本実施の形態に係るレジスト剥離液においては、レジスト膜に微細パターンが付与されている場合には、微細パターンの凹凸の中にレジスト剥離液が浸透することが望ましい。このため、レジスト剥離液に界面活性剤が添加されていることが好ましい。
熱反応型レジストとしては、酸化銅を主成分したものを用いる。例えば、酸化銅や、酸化銅に添加物を添加してなるものを用いることができる。添加物としては、Si,Al,Ni,Fe,Mo,Ti,Zr,In,Mn,Bi,Ta,Ga,Co,Pb又はそれらの酸化物等を挙げることができる。また、添加物の添加量としては、1原子%〜40原子%であることが好ましい。
中でも、熱反応型レジストに、酸化シリコンが添加されていることが、レジストの微細パターン性能の向上及び現像の残渣抑制性能の向上の観点で好ましい。
本実施の形態においてレジスト膜の溶解速度は次の方法によって求められる。まず、基材上に酸化銅を主成分とした熱反応型レジストでレジスト膜を形成し、その一部をレジスト剥離液で溶解しない素材でマスクする。次に、このレジスト膜にレジスト剥離液を作用させ、マスクされていない部分が完全に剥離される前にリンスして反応を停止する。最後にマスクを除去して、レジスト剥離液で剥離されたところの膜厚(t1)と、マスクされていて剥離されなかったところの膜厚(t2)を測定し、剥離された膜厚(t2−t1)を求め、この膜厚を剥離時間(レジスト膜にレジスト剥離液を作用させてからレジスト膜をリンス液に浸漬する等の方法で反応が停止するまでの時間)で割ることで単位時間当たりの溶解速度を算出する。なお、膜厚を測定する方法は、段差計のように直接膜厚を検出する方法や、蛍光X線を用いて元素のカウント数より算出する方法等が挙げられる。また、膜厚測定については、複数点を測定することにより、データ精度を上げても良い。
本実施の形態に係るレジスト剥離液については、レジスト膜を除去することのみならず、レジスト膜を形成した基材にダメージを与えないことが重要となる。例えば、レジスト膜を形成する基材に金属を用いることは大型化や高い表面平滑性を得られるという点で有用である。しかしながら、強力な酸を用いると大半の金属はダメージを受けるために基材として用いることができなくなる。レジスト剥離液により実質的にダメージを受けない基材、すなわち用いることのできる基材の材質の選択幅をより広くできるという点においては、レジスト剥離液の成分やpHを調整することが好ましい。以上の観点より、基材にある程度の耐酸性のある金属を用いることができるという点において、本実施の形態に係るレジスト剥離液のpHの下限は0以上であり、好ましくは1以上であり、さらに好ましくは2以上である。また、基材にガラス系材料を用いる場合、ガラスへの影響を考慮すると、強アルカリは避けることが好ましく、そのような観点より、本実施の形態に係るレジスト剥離液のpHの上限は13以下であり、好ましくは12以下であり、より好ましくは11以下であり、さらに好ましくは7以下であり、さらにいっそう好ましくは5以下である。そして、本実施の形態に係るレジスト剥離液のpHの最も好ましい範囲は、0以上2以下の範囲である。また、基材にガラス系の材料を用いる場合には、レジスト剥離液がフッ化物イオンを含まないことが好ましい。
以上のような理由より、レジスト剥離液の成分としては、硝酸、硫酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、過塩素酸、過マンガン酸、クロム酸、フッ化水素酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、マロン酸、コハク酸及びこれらの酸の塩からなる群のうち少なくとも1種を含むことが好ましい。このうち、耐酸性のある金属材料あるいはガラス系材料の基材を用いることができるという点を考慮すると、硫酸、塩酸、硝酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、マロン酸、コハク酸及びこれらの酸の塩のうち少なくとも1種を含むことがより好ましい。加えて、乾燥後に剥離液成分が残渣として残留し難いという点を考慮すると、硝酸、硫酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、過塩素酸、過マンガン酸、クロム酸、フッ化水素酸、酢酸及びこれらの塩からなる群のうち少なくとも1種を含むことがさらに好ましい。これらは、単独で上記pH条件を満たすように調整しても良く、複数種類を混合して上記pH条件を満たすように調整しても良い。また、これらのレジスト剥離液には、pHを調整するために別途酸やアルカリを添加しても良い。この場合、添加する酸としては上述のようなものを挙げることができ、アルカリとしては、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウムを挙げることができる。
また、複数の種類の酸やアルカリを混合することにより、例えば高い溶解性を発揮する機能と基材へのダメージを抑えることのできる機能を別々の成分で発揮させることも好ましい。これにより、例えば溶解性が高いが基材へのダメージも大きいという、単独では使用することが困難な成分も好適に利用できる等の利点がある。
また、レジスト剥離液の成分としては、上記以外に、酸化剤又は基材にダメージを与えない範囲でその他の添加剤を適宜添加しても良い。
酸化剤としては、一般的に用いられる酸化剤であれば特に制限はなく、例えば、過酸化水素、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸アンモニウム、過マンガン酸カルシウム、過マンガン酸マグネシウム、過マンガン酸銀、過マンガン酸バリウム、塩素酸リチウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム、塩素酸アンモニウム、臭素酸リチウム、臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウム、臭素酸アンモニウム、ヨウ素酸リチウム、ヨウ素酸ナトリウム、ヨウ素酸カリウム、ヨウ素酸アンモニウム、過塩素酸、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸カルシウム、過塩素酸銀、過臭素酸、過臭素酸リチウム、過臭素酸ナトリウム、過臭素酸カリウム、過臭素酸アンモニウム、過臭素酸カルシウム、過臭素酸銀、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸リチウム、過ヨウ素酸ナトリウム、過ヨウ素酸カリウム、過ヨウ素酸アンモニウム、過ヨウ素酸カルシウム、過ヨウ素酸銀、二クロム酸、二クロム酸リチウム、二クロム酸ナトリウム、二クロム酸カリウム、二クロム酸カルシウム、二クロム酸マグネシウム、四酸化オスミウム、メタクロロ過安息香酸、過硫酸リチウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、塩化鉄を挙げることができる。これらの酸化剤の中でも、入手の容易さ、安全性、環境負荷の面から、過酸化水素、過マンガン酸カリウム、過硫酸リチウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、塩化鉄が好ましく、過酸化水素、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、塩化鉄が最も好ましい。これらの酸化剤は、単独で用いても2種以上を混合して用いても良い。
また、上記のように、本実施の形態に係るレジスト剥離液に界面活性剤が添加されている場合、界面活性剤としては、濡れ性、浸透性を向上させるものであれば特に制限はなく、市販のものをそのまま用いても良く、合成しても良い。界面活性剤は、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、両性の四種が挙げられるが、このうちアニオン系、ノニオン系、両性のものが好ましく、さらにアニオン系、ノニオン系が特に好ましい。これらの界面活性剤は単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。中でも、消泡性が低い観点から、ノニオン系界面活性剤が好ましい。
アニオン系界面活性剤としては、カルボン酸型、スルホン酸型、硫酸エステル型、リン酸エステル型等を挙げることができる。また、ノニオン系界面活性剤としては、ポリエチレングリコール型、ポリアルキレングリコール型、多価アルコール型、アセチレン型等を挙げることができる。具体的には、アニオン系界面活性剤として、オレフィンスルホン酸、アルキルスルホン酸、芳香族スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、アルキル硫酸エステル、アルキルエーテル硫酸エステル、アルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸及びこれらの塩等が挙げられ、ノニオン系界面活性剤として、ポリ(オキシエチレン)アルキルエーテル、ポリ(オキシエチレン)脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、アセチレンジオール、アセチレングリコール等が挙げられる。
本実施の形態に係るレジスト剥離液を作用させるレジスト膜を形成する基材としては、形状について特に制限を受けず、平板状でも良く、ロール状でも良い。基材の材質としては、レジスト剥離液により実質的にダメージを受けないものが好ましい。そのような材質としては、フッ素樹脂、ガラス、シリコン、二酸化ケイ素、チタン、ニッケル、クロム、アルミニウム、SUS、銀、金等を挙げることができる。この中でも特に酸に耐性が高いという観点からは、フッ素樹脂、ガラス、シリコン、二酸化ケイ素、金等が好ましい。また、レジスト剥離液がフッ化物イオンを含んでいてもダメージを受けないという観点からは、フッ素樹脂、チタン、ニッケル、クロム、SUS、銀、金等が好ましい。また、基材として、下地部材上に上記金属のめっき層を形成したものを用いることもできる。
本実施の形態に係るレジスト剥離液で剥離される、熱反応型レジストで構成されたレジスト膜で微細パターンを形成する上で表面平滑性に優れる基材(研磨加工しやすい基材)という観点からは、ガラス、シリコン、ニッケル、クロムが好ましく、微細パターン形成後、レジスト膜をマスクとして基材をドライエッチング処理するという観点からは、ガラス、シリコン、二酸化ケイ素が好ましい。平面平滑性に優れ、かつ、ドライエッチング処理するという観点からは、ガラス、シリコンが好ましい。コストや入手性(大面積の基材やロール状基材)という観点を加えて考慮すると、ガラスが好ましく、特に石英ガラスが最も好ましい。
本実施の形態に係るレジスト剥離方法においては、基材上に形成され、酸化銅を主成分とした熱反応型レジストで構成されたレジスト膜に対して、pHが0以上であり、かつ、前記レジスト膜の溶解速度が5nm/分以上であるレジスト剥離液を用いて前記レジスト膜を剥離する。
ここで、レジスト膜に微細パターンを付与する場合には、上述の通り、レジスト液に界面活性剤が添加されていることが好ましい。
レジスト剥離液をレジスト膜に作用させる方法は特に限定されず、レジスト剥離液にレジスト膜を浸漬させても良く、レジスト剥離液をレジスト膜に噴射しても良い。レジスト剥離液にレジスト膜を浸漬させる際に、レジスト膜を形成した基材をレジスト剥離液に浸漬した状態でレジスト剥離液を循環させたり、あるいはレジスト膜を形成した基材をレジスト剥離液に浸漬した状態で基材をレジスト剥離液中で動かしたり、することも有効である。
レジスト剥離液をレジスト膜に噴射させる場合は、レジスト剥離液を噴射するノズルを移動させる、レジスト膜を形成した基材を回転させる等の手法を単独で採用、あるいは併用すると、レジスト膜の剥離が均一に進行するため好ましい。レジスト剥離液を噴射するノズルとしては、任意のものが使用可能であり、例えば、ラインスリットノズル、フルコーンノズル、ホローコーンノズル、フラットノズル、均一フラットノズル、ソリッドノズル等を挙げることができ、レジスト膜や基材の形状に合わせて選択できる。また、レジスト剥離液をレジスト膜に噴射させる場合、複数のノズルを並べて用いても良く、一流体ノズルを用いても二流体ノズルを用いても良い。
レジスト剥離液をレジスト膜に作用させる際の温度を制御することで剥離速度やレジスト膜と基材の溶解選択性を変化させることが可能である。温度は、レジスト剥離液が凍結、沸騰、極端に濃度変化する速度での揮発、あるいはレジスト剥離液中の成分や熱反応型レジストの分解を引き起こす範囲を避ければ任意に設定することが可能である。上記の理由から、温度範囲は0℃以上80℃以下が好ましく、さらに好ましくは温度範囲が10℃以上60℃以下であり、最も好ましくは温度範囲が10℃以上40℃以下である。
加えて、レジスト剥離液成分が揮発しにくい、かつ、変質(分解、酸化・還元等)しにくい、すなわち、実施する温度や雰囲気条件に剥離液が影響されにくいという観点を考慮すると、硫酸、クロム酸、シュウ酸、クエン酸、マロン酸、コハク酸及びこれらの酸の塩からなる群のうち少なくとも1種を含むことが好ましい。
また安全性の観点では、硝酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、過マンガン酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、マロン酸、コハク酸及びこれらの酸の塩からなる群のうち少なくとも1種を含むことが好ましい。
以上、前述の観点を全て考慮すると、レジスト剥離液は、硫酸及びノニオン系界面活性剤を少なくとも含むことが最も好ましい。
本実施の形態に係るレジスト剥離液に用いる硫酸及びノニオン系界面活性剤について詳細に説明する。レジスト剥離液に硫酸を用いた場合、使用する濃度と温度によって性質が大きく異なる。硫酸は、濃度が高くなる、すなわちpHが低くなるにつれ、吸湿性が高くなる。従って、実施する湿度や温度にレジスト剥離液の濃度が影響され、再現性の高い剥離が困難になる。加えて、硫酸の濃度が高くなるに従い粘度が高くなる。粘度が高くなると、微細パターンが付与されたレジスト膜の凹凸の中にレジスト剥離液が浸透及び拡散し難くなり、効率よくレジスト膜を剥離することが困難になる。以上のことから、レジスト膜を剥離する際の最適な硫酸の濃度が存在する。濃度はpHとして表すことができ、好ましい範囲はpH0以上である。
一方、硫酸の濃度が低くすぎる(pHが高すぎる)場合は、レジスト膜の溶解速度が5nm/分以上を確保できないため、本実施の形態に係るレジスト剥離液に用いる硫酸は、最適な濃度が存在し、好ましい範囲はpH5以下であり、さらに好ましくはpH2以下である。
通常、レジスト剥離液として硫酸を用いる場合、その剥離性を高くするために高い濃度の硫酸を用いる。pH0未満の硫酸の場合(濃硫酸は除く)、非常に強い酸性を示すため剥離性は非常に高くなると考えられる。しかしながら、前述の通り、硫酸の濃度が高くなるにつれ吸湿性が高くなり再現性の高い剥離が困難になる。従って、再現性の高い剥離を実施するために硫酸の濃度を下げる、すなわち強酸性を犠牲にしたpH0以上の範囲を、本発明のレジスト剥離液の最適値としている。一方、濃度の薄い硫酸もレジスト剥離液として一般的に用いられることが多い。これは、硫酸の濃度を一定に保ち、剥離性能を一定に保つためである。硫酸は、それ自身が不揮発性であるため、水分の蒸発により、濃度(pH)が徐々に高くなる。従って、濃度が薄い硫酸の方が、水分の蒸発による影響を受けにくくなる。本実施の形態に係るレジスト剥離液に硫酸を用いる場合には、硫酸のpH(濃度)は、水の蒸発による濃度の変化を受け難い値であり、かつ、レジスト膜の溶解速度を確保できる値であり、pH5以下が好ましく、さらに好ましくはpH2以下である。なお、ここで、硫酸を用いる場合を例に挙げて説明したが、硫酸以外の多くのレジスト剥離液で同様の結果を生じるため、上記のpHの値は、好ましい範囲として適用可能である。
加えて、前述の通り、微細パターンが付与されたレジスト膜は、凹凸の中へのレジスト剥離液の浸透性が低い場合、均一な剥離が困難になる。その際、浸透性(濡れ性)を向上させるために界面活性剤の付与が好ましい。硫酸に加える界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群のうち少なくとも1つを用いることができるが、中でも、ノニオン系界面活性剤は発泡性が低いため、エア等の噛み込みがなく、微細パターンへの浸透性が高く最も好ましい。特にポリ(オキシエチレン)脂肪酸エステルが最も好ましい。なお、ここで、硫酸を用いる場合を例に挙げて説明したが、硫酸以外の多くのレジスト剥離液で同様の結果を生じるため、上記の界面活性剤についての説明は、好ましい界面活性剤として適用可能である。
レジスト剥離液をレジスト膜に作用させる際に、不溶性の微粉末等の不純物がレジスト剥離液中に存在すると、特にレジスト膜に微細パターンを付与した際にパターン欠損の原因となる恐れがあるので、レジスト剥離液を事前にろ過しておくことが好ましい。ろ過に用いるフィルターの材質はレジスト剥離液と反応しないものなら任意に選択でき、例えばPFA、PTFE等を挙げることができる。フィルターの目の粗さはパターンの微細度合いに応じて選択すれば良く、一般には0.2μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。また、溶出した成分の析出、再付着を防ぐためには、レジスト剥離液にレジスト膜を浸漬させるよりレジスト剥離液をレジスト膜に噴射することが好ましく、さらに、レジスト剥離液をレジスト膜に噴射する場合はレジスト剥離液を循環させず、使い捨てにするほうがより好ましい。
本実施の形態に係るレジスト剥離液の処理対象であるレジスト膜に微細パターンが付与されている場合において、微細パターンとは、図3に示すように、基材11上に設けられたレジスト膜12に形成された凹凸構造のピッチ、すなわち、隣接する凸部12a間のピッチPが、1nm以上5μm未満の微細パターンをいう。なお、ここでのピッチとは、必ずしも凹凸構造の隣接する凸部12a間のピッチでなくともよく、隣接する凹部12b間のピッチであってもよい。また、凹凸構造の形状としては、特に限定はないが、ラインアンドスペース形状、ドット形状、長穴形状、さらにこれらの混合形状等が挙げられる。また、凹凸構造の断面構造としては、矩形形状、三角形状、ドーム形状、レンズ形状等が挙げられる。微細パターンの範囲は、好ましくは1nm以上3μm未満の微細パターン、より好ましくは、1nm以上1μm未満、最も好ましくは、10nm以上800nm未満である。
また、レジスト膜に微細パターンが付与されるとは、例えば、基材上に形成されたレジスト膜の一部を除去し、レジスト膜に微細な凹凸構造を形成することをいう。より具体的には、例えば、酸化銅を主成分とする熱反応型レジスト材料を基材の主面上に成膜し、次に、露光により該熱反応型レジスト材料の一部を熱で変質させ、続いて、現像により該変質部分と未変質部分のいずれかを除去して、基板上に微細パターンを形成することをいう。なお、成膜は均一性の観点からスパッタ成膜が好ましく、露光は装置コストの観点から半導体レーザーを用いることが好ましい。
また、図3では、レジスト膜12に凸部12a及び凹部12bを形成した場合を例に挙げて説明したが、本実施の形態に係るレジスト膜に付与された微細パターンの凹凸構造には、図4Aに示すように、レジスト膜12をパターニングし、基材11の一部を露出させる開口部12cを形成し、基材11の表面及びその上に残されたレジスト膜12により凹凸構造が構成されている場合も含まれる。
また、図4Bに示すように、さらに、パターニングされたレジスト膜12をマスクとして、開口部12c内に露出する基材11の一部をエッチングして凹部11aを形成し、基材11の凹部11a及び基材11の上に残されたレジスト膜12により凹凸構造が構成されている場合も含まれる。
微細パターンが付与されたレジスト膜12の凹凸構造は、図3及び図4を参照して説明した場合に特に限定されず、凹凸構造を構成する凸部又は凹部の少なくとも一方にレジスト膜が含まれていれば足りることは言うまでもない。
本実施の形態に係るレジスト剥離液において、レジスト膜を構成する熱反応型レジスト材料とレジスト剥離液との好ましい組み合わせとしては、微細パターンをより微細に形成し、かつ、微細パターンが付与されたレジスト膜を均一に剥離できる観点から、酸化銅を主成分とし、酸化シリコンを添加した熱反応型レジスト材料と、pH0以上pH5以下であり、かつ、硫酸及び界面活性剤を含むレジスト剥離液と、の組み合わせである。より好ましくは、酸化銅を主成分とし、酸化シリコンを添加した熱反応型レジスト材料と、pH0以上pH2以下であり、かつ、硫酸及びノニオン系界面活性剤を含むレジスト剥離液と、の組み合わせである。最も好ましくは、酸化銅を主成分とし、酸化シリコンを添加した熱反応型レジスト材料と、pH0以上pH2以下であり、かつ、硫酸及びポリ(オキシエチレン)脂肪酸エステルを含むレジスト剥離液と、の組み合わせである。
以下、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。以下の実施例及び比較例については下記表1にまとめて併記した。
(実施例1)
基材である50mmφのガラス製基板上に、熱反応型レジストとしてSiを添加した酸化銅をスパッタリング法により厚さ20nmで成膜してレジスト膜を形成した。スパッタリングは、基材を2枚準備して、2枚を下記条件で行った。
ターゲット:Si添加した酸化銅(II)(3インチφ、酸化銅:Si=85原子%:15原子%)
電力(W):RF100
ガス種類:アルゴンと酸素の混合ガス(比率90:10)
圧力(Pa):0.5
次に、下記条件にてレジスト膜の一部を露光し、熱で変質した部分と熱の影響を受けていない部分が混在した状態にした。
露光用半導体レーザー波長:405nm
レンズ開口数:0.85
露光レーザーパワー:8.0mW
送りピッチ:500nm
次に、硫酸3.0g、及び水300gと、硫酸3.0g、ポリエチレングリコール0.3g及び水300gと、で調製したレジスト剥離液を2種類用いてレジスト膜をそれぞれ剥離した。剥離は23℃において3分間、レジスト剥離液にレジスト膜を有する基材を浸漬させることで行った。なお、このレジスト剥離液による熱反応型レジストの溶解速度は上記算出方法でそれぞれ400nm/分、450nm/分であり、レジスト剥離液のpHはそれぞれ、0.69、0.69であった。
レジスト剥離後の基材について蛍光X線で測定したところ、剥離液の異なるそれぞれの基材上の露光した部分と露光しなかった部分のいずれにも銅元素が残留していなかったことが確認された。また、界面活性剤としてポリエチレングリコールを添加した剥離液は、界面活性剤を添加していない剥離液に比べ、初期の段階で剥離が基板表面においてより均一に進行していた。今回は、基板サイズにおいては、界面活性剤添加の有無に関わらず銅元素の残留はなかったが、基板サイズのスケールUPを考慮すると、界面活性剤の添加がある方が好ましい。
(実施例2)
基材である50mmφのテフロン(登録商標)製基板上に、熱反応型レジストとして酸化銅をスパッタリング法により厚さ40nmで成膜してレジスト膜を形成した。スパッタリングは、下記条件で行った。
ターゲット:酸化銅(II)(3インチφ、酸化銅100%)
電力(W):RF100
ガス種類:アルゴンと酸素の混合ガス(比率90:10)
圧力(Pa):0.5
次に、下記条件にてレジスト膜の一部を露光し、熱で変質した部分と熱の影響を受けていない部分が混在した状態にした。
露光用半導体レーザー波長:405nm
レンズ開口数:0.85
露光レーザーパワー:8.0mW
送りピッチ:500nm
次に、60%硝酸3.0g、ポリエチレングリコール0.3g、47%フッ化水素酸3.0g及び水300gで調製したレジスト剥離液を用いてレジスト膜を剥離した。剥離は13℃において3分間、レジスト剥離液にレジスト膜を有する基材を浸漬させることで行った。なお、このレジスト剥離液の熱反応型レジストの溶解速度は上記算出方法で50nm/分であり、レジスト剥離液のpHは1.0であった。
レジスト剥離後の基材について蛍光X線で測定したところ、基材上の露光した部分と露光しなかった部分のいずれにも銅元素が残留していなかったことが確認された。
(実施例3)
基材である50mmφのチタン製基板上に、熱反応型レジストとして酸化銅をスパッタリング法により厚さ20nmで成膜してレジスト膜を形成した。スパッタリングは、下記条件で行った。
ターゲット:酸化銅(II)(3インチφ、酸化銅100%)
電力(W):RF100
ガス種類:アルゴンと酸素の混合ガス(比率90:10)
圧力(Pa):0.5
次に、下記条件にてレジスト膜の一部を露光し、熱で変質した部分と熱の影響を受けていない部分が混在した状態にした。
露光用半導体レーザー波長:405nm
レンズ開口数:0.85
露光レーザーパワー:8.0mW
送りピッチ:500nm
次に、クエン酸1.4g、30%過酸化水素水1.9g、アデカトールSO−135(ADEKA社製、ノニオン性界面活性剤)0.40g及び水300gで調製したレジスト剥離液を用いてレジスト膜を剥離した。剥離は33℃において3分間、レジスト剥離液にレジスト膜を有する基材を浸漬させることで行った。なお、このレジスト剥離液の熱反応型レジストの溶解速度は上記算出方法で10nm/分であり、レジスト剥離液のpHは2.5であった。
レジスト剥離後の基材について蛍光X線で測定したところ、基材上の露光した部分と露光しなかった部分のいずれにも銅元素が残留していなかったことが確認された。
(実施例4)
基材である長さ100mm、120mmφのアルミニウム製ロール上に、熱反応型レジストとしてSiを添加した酸化銅をスパッタリング法により厚さ20nmで成膜してレジスト膜を形成した。スパッタリングは、下記条件で行った。
ターゲット:Si添加した酸化銅(II)(3インチφ、酸化銅:Si=85原子%:15原子%)
電力(W):RF100
ガス種類:アルゴンと酸素の混合ガス(比率90:10)
圧力(Pa):0.5
次に、下記条件にてレジスト膜の一部を露光し、熱で変質した部分と熱の影響を受けていない部分が混在した状態にした。
露光用半導体レーザー波長:405nm
レンズ開口数:0.85
露光レーザーパワー:8.0mW
送りピッチ:500nm
次に、シュウ酸ナトリウム1.0g、キシレンスルフォン酸ナトリウム0.3g及び水300gで調製したレジスト剥離液を用いてレジスト膜を剥離した。剥離は43℃において10分間、レジスト剥離液をレジスト膜に噴霧することで行った。なお、このレジスト剥離液の熱反応型レジストの溶解速度は上記算出方法で5nm/分であり、レジスト剥離液のpHは6.2であった。
レジスト剥離後の基材について電子顕微鏡を用いて観察したところ、基材上の露光した部分と露光しなかった部分のいずれにも銅元素が残留していなかったことが確認された。
(比較例1)
基材である50mmφのガラス製基板上に、熱反応型レジストとしてSiを添加した酸化銅をスパッタリング法により厚さ20nmで成膜してレジスト膜を形成した。スパッタリングは、下記条件で行った。
ターゲット:Si添加した酸化銅(II)(3インチφ、酸化銅:Si=85原子%:15原子%)
電力(W):RF100
ガス種類:アルゴンと酸素の混合ガス(比率90:10)
圧力(Pa):0.5
次に、下記条件にてレジスト膜の一部を露光し、熱で変質した部分と熱の影響を受けていない部分が混在した状態にした。
露光用半導体レーザー波長:405nm
レンズ開口数:0.85
露光レーザーパワー:8.0mW
送りピッチ:500nm
次に、シュウ酸アンモニウム0.1g及び水300gで調製したレジスト剥離液を用いてレジスト膜を剥離した。剥離は23℃において10分間、レジスト剥離液にレジスト膜を有する基材を浸漬させることで行った。なお、このレジスト剥離液の熱反応型レジストの溶解速度は上記算出方法で2nm/分であり、レジスト剥離液のpHは6.4であった。
レジスト剥離後の基材について電子顕微鏡を用いて観察したところ、酸化銅由来の色が確認された。また、レジスト剥離後の基材について蛍光X線で測定したところ、銅元素が残留していることが確認された。
さらに、レジスト剥離液に基材を浸漬して20分間剥離処理を延長したところ、目視では酸化銅由来の色が消失したが、基材の蛍光X線を測定したところ、基材上の露光した部分に銅元素が残留していることが確認され、剥離が完結していないことがわかった。
(実施例5)
基材である50mmφの石英製基板上に、熱反応型レジストとして、Siを添加した酸化銅をスパッタリング法により厚さ20nmで成膜してレジスト膜を形成した。スパッタリングは、下記条件で行った。
ターゲット:Siを添加した酸化銅(II)(3インチφ、酸化銅:Si=85原子%:15原子%)
電力(W):RF100
ガス種類:アルゴンと酸素の混合ガス(比率90:10)
圧力(Pa):0.5
次に、下記条件にてレジスト膜の一部を露光し、熱で変質した部分と熱の影響を受けていない部分が混在した状態にした。
露光用半導体レーザー波長:405nm
レンズ開口数:0.85
露光レーザーパワー:8.0mW
送りピッチ:500nm
次に、硫酸3.0gとポリ(オキシエチレン)脂肪酸エステル0.5gとを所定量の水と混合して、pH2.0、pH3.0及びpH5.0のレジスト剥離液を調整し、レジスト膜を剥離した。剥離は23℃において3分間、レジスト剥離液にレジスト膜を有する基材を浸漬させることで行った。なお、このレジスト剥離液の熱反応型レジストの溶解速度は上記算出方法でそれぞれ、200nm/分、100nm/分及び50nm/分であった。
レジスト剥離後のそれぞれの基材について蛍光X線で測定したところ、基材上の露光した部分と露光しなかった部分のいずれにも銅元素が残留していなかったことが確認された。
(比較例2)
硫酸のpHを−1に調整してレジスト剥離液として使用した以外は、実施例5と同じ条件でレジスト剥離液にレジスト膜を有する基材を浸漬させることで行った。この実験を5日に分けて5回実施した所、溶解速度がばらつき剥離性能として再現性に乏しい結果となった。これは硫酸の濃度が高いことで、実験環境下に影響を受けた吸湿が生じ、硫酸の濃度が変化したためだと考えられる。
(比較例3)
硫酸のpHを6に調整してレジスト剥離液として使用した以外は、実施例5と同じ条件でレジスト剥離液にレジスト膜を有する基材を浸漬させることで行った。その結果、このレジスト剥離液の熱反応型レジストの溶解速度は上記算出方法で3nm/分であった。レジスト剥離後の基材について蛍光X線で測定したところ、基材上の銅元素が残留していて、熱反応型レジストの剥離ができていなかった。
(実施例6)
塩酸のpHを1に調整してレジスト剥離液として使用した以外は、実施例5と同じ条件でレジスト剥離液にレジスト膜を有する基材を浸漬させることで行った。その結果、このレジスト剥離液の熱反応型レジストの溶解速度は上記算出方法でそれぞれ、100nm/分であった。
レジスト剥離後のそれぞれの基材について蛍光X線で測定したところ、基材上の露光した部分と露光しなかった部分のいずれにも銅元素が残留していなかったことが確認された。
(比較例4)
塩酸のpHを1に調整して、剥離の温度を80℃にした以外は、実施例6と同じ条件でレジスト剥離液にレジスト膜を有する基材を浸漬させることで行った。レジスト剥離液の揮発が生じ、安定したレジスト剥離を実施できなかった。
Figure 2014240948
このように、実施例1から実施例6においては、pHが0以上であり、かつ、レジスト膜の溶解速度が5nm/分以上であるレジスト剥離液を用いているので、酸化銅を主成分とした熱反応型レジストを残留膜なく剥離させることができたが、比較例1及び比較例3においては、レジスト膜の溶解速度が5nm/分未満であるレジスト剥離液を用いたので、酸化銅を主成分とした熱反応型レジストを残留膜なく剥離させることができなかった。また、比較例2及び比較例4においては、レジスト剥離液の安定性が低いため、酸化銅を主成分とした熱反応型レジストに対し、安定した剥離を実施できなかった。
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態における部材の材料、形状等は例示的なものであり、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更して実施することが可能である。その他、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
本発明に係るレジスト剥離液は、酸化銅を主成分とした熱反応性レジストで構成されたレジスト膜を剥離するのに有効であり、該レジストを使用したパターン形成用途への展開が可能である。
11 基材
11a 凹部
12 レジスト膜
12a 凸部
12b 凹部
12c 開口部

Claims (16)

  1. 酸化銅を主成分とした熱反応型レジスト用のレジスト剥離液であって、pHが0以上であり、かつ、前記熱反応型レジストで構成されたレジスト膜の溶解速度が5nm/分以上であることを特徴とするレジスト剥離液。
  2. フッ化物イオンを含まないことを特徴とする請求項1記載のレジスト剥離液。
  3. 硫酸、塩酸、硝酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、マロン酸、コハク酸及びこれらの酸の塩からなる群より選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のレジスト剥離液。
  4. 前記レジスト膜に微細パターンが付与され、かつ、少なくとも1種の界面活性剤が添加されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のレジスト剥離液。
  5. 硫酸、塩酸、硝酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、マロン酸、コハク酸及びこれらの酸の塩からなる群より選ばれた少なくとも1種を含み、かつ、前記界面活性剤が、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群より選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項4記載のレジスト剥離液。
  6. 前記硫酸及び前記ノニオン系界面活性剤を少なくとも含むことを特徴とする請求項5記載のレジスト剥離液。
  7. 前記pHが0以上2以下であることを特徴とする請求項6記載のレジスト剥離液。
  8. 前記レジスト剥離液で剥離する前記熱反応型レジストに酸化シリコンが添加されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のレジスト剥離液。
  9. 基材上に形成され、酸化銅を主成分とした熱反応型レジストで構成されたレジスト膜に対して、pHが0以上であり、かつ、前記レジスト膜の溶解速度が5nm/分以上であるレジスト剥離液を用いて前記レジスト膜を剥離することを特徴とするレジスト剥離方法。
  10. 前記レジスト剥離液が、フッ化物イオンを含まないことを特徴とする請求項9記載のレジスト剥離方法。
  11. 前記レジスト剥離液が、硫酸、塩酸、硝酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、マロン酸、コハク酸及びこれらの酸の塩からなる群より選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項9又は請求項10記載のレジスト剥離方法。
  12. 前記レジスト膜に微細パターンが付与され、かつ、前記レジスト剥離液に、少なくとも1種の界面活性剤が添加されていることを特徴とする請求項9から請求項11のいずれかに記載のレジスト剥離方法。
  13. 前記レジスト剥離液が、硫酸、塩酸、硝酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、マロン酸、コハク酸及びこれらの酸の塩からなる群より選ばれた少なくとも1種を含み、かつ、前記界面活性剤が、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群より選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項12記載のレジスト剥離方法。
  14. 前記レジスト剥離液が、前記硫酸及び前記ノニオン系界面活性剤を少なくとも含むことを特徴とする請求項13記載のレジスト剥離方法。
  15. 前記レジスト剥離液の前記pHが0以上2以下であることを特徴とする請求項14記載のレジスト剥離方法。
  16. 前記レジスト剥離液で剥離する前記熱反応型レジストに酸化シリコンが添加されていることを特徴とする請求項9から請求項15のいずれかに記載のレジスト剥離方法。
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