JP2004002946A - エッチング方法及びエッチング液 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板表面に存在する銀又は銀合金薄膜層をエッチング液によりエッチングする方法であって、銀イオン濃度が0.005〜1重量%のエッチング液を、エッチング槽又はエッチング液供給装置に充填し、該エッチング液を、銀又は銀合金薄膜層を有する基板表面に接触させるエッチング方法。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置等や液晶表示装置、ICカード等の銀又は銀合金配線の微細加工に好適なエッチング方法及びエッチング液に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体及び液晶用表示装置として用いられる電極配線材料にあっては、その加工の微細化精度に対する要求が益々向上している一方で、高光反射率、低抵抗値を有する金属として銀及び銀合金の使用が増大している。
【0003】
銀及び銀合金は、アルミニウム及びアルミニウム合金より反射率が高く、一般的に半導体装置や液晶表示装置、太陽電池の反射電極配線材等として幅広く使用されている。銀又は銀合金からなる電極配線を形成するためには、銀又は銀合金を所定のパターン形状に加工する必要がある。このパターン形成のための加工技術としては、化学薬品を用いるウエットエッチング法や、イオンエッチング、プラズマエッチング等のドライエッチング法がある。
【0004】
ウエットエッチング法は、ドライエッチング法と比較して高価な装置を必要とせず、安価な薬品を用いて行うことができることから経済的に有利である。また、ウエットエッチング法は、エッチングの対象となる金属材料の表面形状に左右されにくいという特徴があるため、3次元構造を有するものにも適する。更に、ウエットエッチング法は、エッチング廃液から銀又は銀合金化合物を容易に回収できるという利点もあることから、広く用いられている。
【0005】
従来、銀又は銀合金用のエッチング液としては、一般に、硝酸鉄水溶液、ヨウ素とヨウ素化合物を含む溶液、過酸化水素とアンモニアを含む溶液、そして硝酸を含む溶液等が知られている。これらのエッチング液のうち、硝酸を含む溶液は、銀又は銀合金と良く反応し、エッチング速度が速く、また取り扱い性に優れているため、好ましく用いられている。
【0006】
また、これらのエッチング液は、フォトリソグラフィー技術により形成された半導体装置や液晶表示装置用の銀又は銀合金からなる微細電極配線のパターンをエッチングするためにも用いられている。
【0007】
この際、エッチング液で溶解し難い銀又は銀合金残渣を除去して、基板への再付着を防止するために、エッチング液に塩酸、界面活性剤を含有させることが提案されている(特開平9−208267号公報等)。
【0008】
従来、液晶表示基板等は、一般に、次のような工程で製造されている。即ち、まず、ガラス基板表面にスパッタリング法等により所定の膜厚の銀又は銀合金薄膜層を形成し、次いで、微細な電極パターンや配線を形成するためのレジスト樹脂層をフォトリソグラフィー技術により形成する。その後、これら電極パターンや配線間の銀又は銀合金薄膜層をウエットエッチング等により除去した後、レジスト層を除去する。
【0009】
このフォトリソグラフィー技術によって形成された微細パターンの銀又は銀合金薄膜層を除去するエッチング工程においては、通常、エッチングすべき銀又は銀合金の露出部にエッチング残渣(エッチングむら)が生じないように均一にエッチングを行うと共に、レジスト樹脂層に覆われた銀又は銀合金層の側面部のエッチング(サイドエッチング)が過剰に行われないように制御することが求められている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしがなら、従来のウエットエッチングの技術では、特にエッチングされるべき縦横のラインが交差するような箇所、即ち、銀又は銀合金とレジスト樹脂層に囲まれたような狭い箇所において、銀又は銀合金のエッチング残渣が生じやすいという問題があった。そして、従来においては、この問題を解決するために、この残渣が無くなるまでエッチングを行っていたが、この方法では、銀又は銀合金の配線幅に合わせた所望のエッチング量となるに必要なエッチング時間を超えてエッチングを行う(即ち、オーバーエッチングする)ことになる。この場合には、このオーバーエッチングによって残渣の発生を防止することができる反面、当然、銀又は銀合金薄膜層のサイドエッチングが進行し、エッチングが不均一となる(即ち、サイドエッチング量が増加する)という回避不可能な問題があった。
【0011】
本発明は上記従来の問題点を解決し、銀又は銀合金薄膜層のウエットエッチングに当たり、銀又は銀合金のエッチング残渣の発生を抑制すると共に、オーバーエッチングによるサイドエッチングの発生を抑制し、均一なエッチングを安定して行うことができるエッチング方法及びエッチング液を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のエッチング方法は、基板表面に存在する銀又は銀合金薄膜層をエッチング液によりエッチングする方法であって、銀イオン濃度が0.005〜1重量%のエッチング液を、エッチング槽又はエッチング液供給装置に充填し、該エッチング液を、銀又は銀合金薄膜層を有する基板表面に接触させることを特徴とする。好ましくは、エッチング液中の銀イオン濃度を常に0.005〜1重量%となるよう制御することを特徴とする。
【0013】
本発明のエッチング液は、銀イオン濃度が0.005〜1重量%であることを特徴とする。好ましくは、少なくとも燐酸、硝酸、酢酸及び銀イオンを含有することを特徴とし、特に、酢酸濃度が1重量%以上であることを特徴とする。
【0014】
一般的に、エッチング液中にエッチング対象となる金属イオンが存在すると、エッチング液中の溶解酸成分(例えば燐酸、酢酸等)や酸化剤成分(例えば硝酸等)が消費され、エッチング速度が減少するなどの現象が生じることはよく知られたことである。従って、従来においては、エッチング開始時に用いるエッチング液(エッチング新液)中には当然、エッチング対象となる金属イオン等を存在させるようなことはしていなかった。また、使用済みエッチング液は、金属イオンの除去が困難であることから、通常は廃棄していた。
【0015】
本発明者らは、前述した銀又は銀合金のエッチング方法及びこれに用いるエッチング液における課題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、銀又は銀合金のエッチングにおいては、予め銀イオンを一定量、具体的には0.005〜1重量%存在させたエッチング新液を、エッチング槽又はエッチング液供給装置に充填し、該エッチング液を、銀又は銀合金薄膜層を有する基板表面に接触させることによって、好ましくはエッチング液中の銀イオン濃度を常に0.005〜1重量%としてエッチングを行うことによって、エッチング部の銀又は銀合金の残渣の発生を抑制し、これによりオーバーエッチングによる過剰なサイドエッチングの発生を防止し、均一なエッチングを安定して行うことができることを見出し、本発明を完成させた。
【0016】
本発明のエッチング方法は、特に、半導体装置、液晶表示装置、太陽電池等の反射電極配線を形成するためのエッチングにおいて効果を発揮する。即ち、基板表面の大部分がレジスト樹脂層等で覆われ、表面に露出する微細領域の銀又は銀合金部分をエッチングするようなエッチングにおいて効果を発揮し、必要以上のオーバーエッチングを行うことなく、微細領域の部分に残渣を残さず、サイドエッチングを抑えて均一なエッチングを行うことができる。
【0017】
なお、本発明において、エッチング液中の銀イオン濃度を常に0.005〜1重量%にするということは、具体的に銀イオン濃度が0.005〜1重量%のエッチング新液を、エッチング槽又はエッチング液供給装置に充填し、エッチング開始時に、該エッチング液を銀又は銀合金薄膜層を有する基板表面に接触させることに加え、例えば、基板をエッチング液中に浸漬している間中、当該エッチング液の浸漬液の銀濃度を0.005〜1重量%に維持するなどして、エッチングする銀又は銀合金薄膜層に常に銀イオン濃度0.005〜1重量%のエッチング液を接触させることを指す。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のエッチング方法及びエッチング液の実施の形態を詳細に説明する。
【0019】
本発明のエッチング方法で用いるエッチング液は、好ましくは常に銀イオン濃度が0.005(50重量ppm)〜1重量%であることを特徴とする。エッチング液中の銀イオン濃度は、好ましくは0.02重量%(200重量ppm)以上であり、その上限は、好ましくは0.5重量%(5000重量ppm)以下である。
【0020】
エッチング液中の銀イオン濃度が低すぎるとエッチング部にエッチング残渣が生じる恐れがある。逆に、銀イオン濃度が高すぎると、サイドエッチング量が増加する恐れがあり、また高価な銀を大量に使用することとなり、経済的でない。
【0021】
上記銀イオン濃度のエッチング液は、例えば通常使用されている銀又は銀合金用のエッチング液に、所定量の銀又は銀化合物を添加することによって調製することができる。銀又は銀化合物を添加する方法としては、銀又は銀化合物をエッチング液に直接添加して溶解させる方法や、銀又は銀化合物をエッチング液を構成する酸に溶解させた銀溶液、又は銀化合物を水に溶解させた銀水溶液をエッチング液に添加する方法等が挙げられる。
【0022】
この銀イオン源として用いられる銀としては、純銀が挙げられる。また、銀化合物としては、例えば無機化合物であれば、硝酸銀、亜硝酸銀、燐酸銀、ヘキサフルオロ燐酸銀、テトラフルオロ硼酸銀、硫酸銀、塩素酸銀、過塩素酸銀、沃素酸銀等の無機酸の銀塩類や、臭化銀、塩化銀、酸化銀、硫化銀等が挙げられる。また、有機化合物としては、例えば、酢酸銀、安息香酸銀、チオシアン酸銀、p−トルエンスルホン酸銀、トリフルオロ酢酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀等の有機酸の銀塩類や、シアン化銀等が挙げられる。
【0023】
これらの銀又は銀化合物はエッチング液中に均一に溶解させて銀イオンとしてエッチング液中に存在させることが好ましい。このため、銀イオン源として何を用いるかは、エッチング液に対する溶解度などにより適宜選択すれば良い。なお、銀イオン源は1種を単独で用いても良く、また、2種以上を併用しても良い。銀イオン源としては特に、純度99%以上の純銀粉末や、銀砂が好ましい。
【0024】
本発明のエッチング方法で用いるエッチング液は、銀又は銀合金をエッチングできるものであって、上述の銀イオン濃度を満たしているものであれば良く、その他の組成は適宜選択すれば良い。中でも硝酸を含むエッチング液、更には硝酸及び酢酸を含むエッチング液、特に燐酸、硝酸及び酢酸を含むエッチング液であることが好ましい。
【0025】
この場合、エッチング液中の硝酸濃度は、通常0.1重量%以上、好ましくは0.25重量%以上であり、通常15重量%以下、好ましくは10重量%以下である。硝酸濃度が高すぎると例えばレジスト樹脂層にダメージを与える恐れがある。逆に、硝酸濃度が低すぎると、エッチング速度が低くなる恐れがある。
【0026】
エッチング液中の燐酸濃度は、通常10重量%以上、好ましくは20重量%以上であり、通常80重量%以下、好ましくは70重量%以下である。燐酸濃度が高すぎると液の粘性が上昇するので、例えばこのようなエッチング液を枚葉式エッチング装置に用いた際、エッチング液を充填したエッチング液供給装置からエッチング対象の基板へエッチング液をスプレー吐出する際に支障をきたす恐れがある。逆に、燐酸濃度が低すぎると、エッチング速度の著しい低下を引き起こす。
【0027】
エッチング液中の酢酸濃度は通常1重量%以上、中でも5重量%以上、更には10重量%以上、特に15重量%以上であることが好ましく、通常50重量%以下、中でも40重量%以下、特に35重量%以下であることが好ましい。酢酸濃度が高すぎると酢酸の蒸発による組成変化が顕著となり、液ライフが短くなる。また、酢酸濃度が低すぎるとレジスト樹脂層への濡れ性が低下しエッチング不良を引き起こしやすくなる。
【0028】
本発明のエッチング方法において、特に、基板表面の大部分にレジスト樹脂層等が設けられ、表面に露出する微細領域の線状銀又は銀合金部分をエッチングする際には、エッチング液中の酢酸濃度を常に1重量%以上としておくことが好ましい。これによって、レジスト樹脂層への濡れ性を向上させ、微細な配線構造の細部にまでエッチング液を容易に浸透させることができ、必要以上にオーバーエッチングせずとも微細領域部分に銀又は銀合金の残渣を残さず、従って、サイドエッチングを抑えて均一なエッチングを行うことができる。
【0029】
燐酸、硝酸、酢酸及び銀イオンを含む本発明のエッチング液は、通常、水を含む。この水濃度は通常5重量%以上、好ましくは7.5重量%以上であり、通常50重量%以下、好ましくは40重量%以下である。
【0030】
エッチング液の成分割合は、必要とされるエッチング速度及びエッチング面積比(エッチングする銀又は銀合金とレジスト樹脂層によってマスクされている面積との比)等によって適宜決定される。
【0031】
本発明に係るエッチング液には、界面活性剤などの液性を改善する添加剤を配合しても良い。この場合、界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤を用いることができ、エッチング液中の界面活性剤濃度は、通常0.001〜1重量%、好ましくは0.005〜0.1重量%であることが好ましい。
【0032】
ところでエッチング液中に存在する微粒子は、パターンサイズが微細化するに伴い均一なエッチングを阻害する恐れがあるため、エッチング液中の、粒子径が0.5μm以上の微粒子は1000個/ml以下となるように、予め除去しておくことが好ましい。エッチング液中の微粒子の除去は、エッチング液を、精密フィルターを用いて濾過することによって行うことができる。濾過の方式はワンパス式でも良いが、微粒子の除去効率の点から循環式がより好ましい。
【0033】
微粒子の除去に用いる精密フィルターの孔径は、0.2μm以下であることが好ましい。また、フィルターの素材は、高密度ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂系素材等を使用することができる。
【0034】
本発明のエッチング方法及びエッチング液は、液晶表示装置基板等の、基板表面上に銀又は銀合金薄膜層を有する液晶表示装置基板等の製造に好適であり、本発明によれば、これらの基板の微細電極配線等のパターンを精度良く均一にエッチングすることができる。
【0035】
なお、本発明において、銀又は銀合金薄膜層とは、通常1μm以下、好ましくは0.5μm以下程度の厚さの層をいう。銀又は銀合金薄膜層の厚さは通常0.1μm以上である。
【0036】
本発明のエッチング方法においては、銀イオン濃度が0.005〜1重量%のエッチング新液を、エッチング槽又はエッチング液供給装置に充填し、エッチング開始時に、該エッチング液を、銀又は銀合金薄膜層を有する基板表面に接触させる。基板表面とエッチング液とを接触させる方法は任意である。例えば、エッチング液供給装置に充填されたエッチング新液を、スプレーノズル等を介し、基板の表面に対して鉛直方向から噴射させる方法(スプレー法)や、エッチング新液をエッチング槽に充填し、エッチング液の中に基板を浸漬させる方法(浸漬法)等の一般的な方法を用いることができ、その操作条件にも特に制限はない。
【0037】
例えば、スプレー法の場合、エッチング液の液性(特に粘性)に基いて、エッチングする基板とスプレーノズルとの距離及び噴霧圧を調整して、基板表面にかかるエッチング液の液量、基板への打圧を決定すれば良い。一般的に、基板表面とスプレーノズルとの距離は50〜150mm、エッチング液の噴霧圧力は0.01〜0.5MPaであり、好ましくは0.05〜0.2MPaである。
【0038】
本発明のエッチング方法、及び本発明のエッチング液を用いてエッチングを行う際のエッチング液の温度は、一般的なエッチング温度範囲、即ち、20〜50℃より、適宜選択すれば良い。中でも本発明においては、一般的なエッチング温度範囲の低温領域で行うことが好ましく、20〜40℃、中でも25〜35℃、特に25〜30℃で行うことが好ましい。
【0039】
本発明のエッチング方法において、使用するエッチング液の銀イオン濃度は0.005〜1重量%である。しかし銀又は銀合金層をエッチングすることにより、エッチング液中の銀イオン濃度は上昇するため、エッチング液を繰り返して用いる場合には、エッチング液中の銀イオン濃度が上昇し過ぎることがある。よって、このような場合には、例えばエッチング液中の銀イオン濃度を測定し、該銀イオン濃度が本発明の適正範囲より高くならないように、必要に応じて、エッチング液の一部を抜き出し、新たな(銀イオンの入っていない)エッチング液を加えるなどして、銀イオン濃度を調整すれば良い。また、この際、他の成分(燐酸、硝酸、酢酸等)濃度も考慮して、これらを添加して濃度調整を行うことがより好ましい。
【0040】
本発明では、このようにエッチング液中の銀イオン濃度やその他の成分の濃度を調節することにより、使用済のエッチング液をリサイクルして使用することができる。そして、必要以上のオーバーエッチングを行うことなくエッチング残渣の発生と過剰なサイドエッチングを抑制し、均一かつ安定したエッチングを行うことができる。
【0041】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
【0042】
実施例1〜10、比較例1〜3
ガラス基板の上に金属薄膜層として銀層(厚さ0.2μm)をスパッタリング法によって形成し、更にその上にポジ型フォトレジスト層(厚さ1.2μm)をスピンコーテングした。このものを、フォトリソグラフィー技術により、縦方向に70μmごとに幅5μmのフォトレジストのラインを除去すると共に、横方向には200μmごとに幅5μmのフォトレジストのラインを除去した。
【0043】
この基板を幅約10mm、長さ約50mmに切断したものをエッチングテスト用試料として使用した。
【0044】
燐酸(85重量%)、硝酸(70重量%)、酢酸(氷酢酸)、銀(99%銀粉末)、純水を用い、表1の組成となるように混合してエッチング液を調製した。200ccのビーカーに各エッチング液を200g入れ、30℃に調温した。これに上記のエッチングテスト用試料を浸漬し、試料を上下左右に動かしながら、オーバーエッチングとなることのない60秒間のエッチング時間でエッチングを行った。次いで、試料を取り出し、超純水(日本ミリポア社製:ミリQSP)で1分間洗浄した後、クリーン空気を用いて風乾した。
【0045】
エッチング後の基板表面の状態観察は、レーザ顕微鏡(キーエンス社製:VK−8500)を用い、銀がエッチングされるべき5μm幅のエッチング部を、約1000倍で観察することにより行った。観察は無作為に選んだ200ヶ所について行い、エッチング部に銀残渣がない箇所を合格とし、その合格の割合(合格率)で評価を行い、結果を表1に示した。
【0046】
なお、エッチング終了後のエッチング液中の銀イオン濃度の増加は極微量であり、いずれの実施例、比較例でも約2wtppmの増加であった。
【0047】
【表1】
【0048】
表1から次のことが明らかである。即ち、比較例の従来の技術ではオーバーエッチングをしないようにエッチングを行うと、残渣発生の箇所が増加してしまうのに対し、実施例の本発明のエッチング液及びエッチング方法によれば、必要以上のオーバーエッチングとならないエッチング時間でも、充分に残渣の発生を抑制することができ、サイドエッチングによるエッチングの不均一が生じないという効果に優れる。
【0049】
特に、実施例1及び実施例5の結果から、エッチング液における酢酸濃度を15〜35重量%の範囲内(表1においては25.4重量%)とすることにより、エッチング液中の銀イオンが少量であっても、優れた効果を奏することが判る。
【0050】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明のエッチング方法及びエッチング液によれば、必要以上のエッチング(オーバーエッチング)を行うことなく、銀又は銀合金残渣の発生を抑制することができ、このため、サイドエッチングによる不均一エッチングを防止することができる。従って、本発明によれば、高精度な銀又は銀合金薄膜の微細加工を短時間に、寸法精度良く、均一且つ安定して行うことが可能となる。
Claims (11)
- 基板表面に存在する銀又は銀合金薄膜層をエッチング液によりエッチングする方法であって、銀イオン濃度が0.005〜1重量%のエッチング液を、エッチング槽又はエッチング液供給装置に充填し、該エッチング液を、銀又は銀合金薄膜層を有する基板表面に接触させることを特徴とするエッチング方法。
- エッチング液中の銀イオン濃度が常に0.005〜1重量%となるよう制御することを特徴とする請求項1に記載のエッチング方法。
- エッチング液が、燐酸、硝酸及び酢酸を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のエッチング方法。
- 酢酸濃度が1重量%以上であることを特徴とする請求項3に記載のエッチング方法。
- エッチング液における燐酸濃度が10〜80重量%、且つ硝酸濃度が0.1〜15重量%であることを特徴とする請求項3又は4に記載のエッチング方法。
- エッチング液温度が35℃以下であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のエッチング方法。
- 銀イオン濃度が0.005〜1重量%であることを特徴とするエッチング液。
- 燐酸及び硝酸を含むことを特徴とする請求項7に記載のエッチング液。
- 更に酢酸を含むことを特徴とする請求項8に記載のエッチング液。
- 酢酸濃度が1重量%以上であることを特徴とする請求項9に記載のエッチング液。
- 燐酸濃度が10〜80重量%、且つ硝酸濃度が0.1〜15重量%であることを特徴とする請求項8ないし10のいずれか1項に記載のエッチング液。
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