JP2011082260A - ドライエッチング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】微細パターンに形成でき、エッチング選択比が高く、かつ高いアスペクト比でパターニングできるドライエッチング方法を提供すること。
【解決手段】このドライエッチング方法は、基板1と、基板1上に積層され、Si、SiO、及びSiからなる群から選ばれた少なくとも1つのエッチング材料を含有するエッチング層2と、エッチング層2上に積層され、Ti、V、Ga、Ge、Nb、Mo、Sb、Te、及びWからなる金属群、並びに該金属群から選ばれた金属の合金からなる群から選ばれた少なくとも1種を含有するレジスト材料を含有するレジスト層3と、を備えた積層体に対するドライエッチング方法であって、CxFy(xは2〜4、yは2x)、及びCHF、CHからなる群より選ばれた少なくとも1種を含有するとともに、エッチングガス全体のFのCに対するモル比F/Cが重量比で3以下であるエッチングガスを用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱反応型レジスト材料を用いた、特にアスペクト比の大きい微細パターンを形成するフロン系ガスなどのエッチングガスを用いたドライエッチング方法に関する。
近年、半導体、光学・磁気記録等の分野において高密度化、高集積化等の要求が高まるにつれ、数百nm〜数十nm程度以下の微細パターン加工技術が必須となっている。そこで、これら微細パターン加工を実現するためにマスク・ステッパー、露光、レジスト材料等の各工程の要素技術が盛んに研究されている。
レジスト材料においても多くの検討が進められている。現在、最も一般的なレジスト材料は、紫外光、電子線、X線などの露光光源に反応する光反応型有機レジスト(以下、フォトレジストともいう。)である(特許文献1、非特許文献1)。
露光に用いられるレーザー光において、通常レンズで絞り込まれたレーザー光の強度は、図5に示すようなガウス分布形状を示す。このときレーザー光のスポット径は1/eで定義される。一般的にフォトレジストの反応は、E=hν(E:エネルギー、h:プランク定数、ν:波長)で表されるエネルギーを吸収することよって開始される。したがって、その反応は、光の強度には強く依存せず、むしろ光の波長に依存する。このため、光の照射された部分(露光部分)は、ほぼ全て反応が生じることになる。したがってフォトレジストを使った場合は、スポット径に対して忠実に露光されることになる。
光反応型有機レジストを用いるパターン形成方法は、数百nm程度の微細なパターンを形成するには非常に有効な方法ではあるが、光反応を利用するフォトレジストを用いるため、さらに微細なパターンを形成するには、原理的に必要とされるパターンより小さなスポットで露光する必要がある。このように、小さなスポットで露光するには、露光光源として波長が短いKrFやArFレーザー等を使用せざるを得ない。しかしながら、これらのKrFやArFレーザーなどの光源装置は、非常に大型でかつ高価なため、製造コスト削減の観点からは不向きである。また、さらに波長が短い電子線、X線等の露光光源を用いる場合は、露光雰囲気を真空状態にする必要があり、真空チェンバーを使用する必要があるため、コストや大型化の観点からかなりの制限がある。
そこで、検討されているのが熱反応型レジスト材料である。熱反応型レジスト材料は、上記の光反応を利用するフォトレジストと異なり、レーザー光を熱源として用いる熱反応を利用するレジスト材料である。以下、その原理について説明する。通常、レーザー光を物体に照射すると、図6に示すように、物体の温度もレーザー光の強度分布と同じガウス分布を示す性質がある。この時、ある温度以上で反応するレジスト、すなわち、熱反応型レジストを使うと、所定温度以上になった部分のみ反応が進むため、レーザー光のスポット径より小さな範囲を熱反応させることが可能となる。すなわち、露光光源を短波長化することなく、スポット径よりも微細なパターンを形成することが可能となるので、熱反応型レジスト材料を使うことにより、露光光源波長の影響を小さくすることができる。
熱反応レジスト材料を利用した微細パターン形成の一例として、光記録の分野においては、WOx、MoOxその他のカルコゲナイドガラス(Ag−As−S系)を熱反応型レジストとして用い、半導体レーザーや476nmレーザーで露光して微細パターンを形成する技術が報告されている(特許文献2、非特許文献2)。しかしながら、これらの熱反応型レジストを用いた微細パターンの形成は、膜面方向にパターンのピッチを狭める要望に対応したもので、膜厚方向へ深く溝を形成することには不向きである。通常、膜厚方向の溝の深さは、熱反応型レジストの膜の厚さがそのまま深さ方向の溝の深さになるため、深い溝を形成するためには、熱反応型レジストを厚くする必要がある。しかしながら、熱反応型レジスト材料の露光による熱反応は等方的であり、膜厚が厚くなることにより、熱反応型レジスト材料のパターンは深さ方向だけでなく、膜面方向のパターン幅も広がってしまうという問題があった。
そこで、膜厚方向へ溝が深い微細パターンを形成方法として、これらの熱反応型レジスト材料膜の下に所望の溝深さ分の厚みの膜(以下、エッチング層ともいう。)を予め成膜しておき、露光・現像しパターン形状を付与された熱反応型レジスト材料をマスクとして、下層の膜にエッチングなどにより深い溝を形成する手法が考えられている。通常、深さ方向に均一にエッチングするためには、ドライエッチングによる加工方法が用いられる。その一例としては、エッチング層の材料としてSiOを使用し、フロン系ガスによりエッチング層をドライエッチングする加工方法が用いられている。
ドライエッチングを用いる場合、熱反応型レジスト材料もフロン系ガスに接触するので、マスクとなる熱反応型レジスト材料には、微細パターン加工ができること以外にフロン系ガスによるドライエッチングへの耐性が求められる。従来、熱反応型レジスト材料としては、WOx、MoOxその他カルコゲナイドガラス(Ag−As−S系)が報告されている。しかしながら、これらの熱反応型レジストは、フロン系ガスでドライエッチングした場合、フロン系ガスに対する耐性が低い問題がある。例えば、比較的フロン系ガスに対する耐性の高いWOxにおいても、エッチング層に対するエッチング選択比は3未満(SiOのエッチング速度をWOxのエッチング速度で除した値)である。このように、従来の熱反応型レジスト材料は、深い溝を形成するためのマスク材料用の熱反応型レジスト材料としては、不十分なものであった(非特許文献3)。
また、熱反応型レジスト材料のエッチング層に対するエッチング選択比が3未満の場合、アスペクト比を高めるためには、エッチング層の厚みに応じて、レジスト層を厚くする必要がある。レジスト層を厚くした場合、レジスト層をパターニングするためのレーザー出力を大きくせざるを得ない。しかしながら、レーザー光強度を上げた場合、上記のように、レーザー光強度分布は、ガウス分布形状となるので、集光スポットの一部を用いた露光だけでは十分な出力を得ることができず、レーザー光の集光スポットの一部のみを熱反応させることが困難となる。このため、熱反応型レジスト材料を用いる長所を生かすことができないのが現状である。
特開2007−144995号公報 特許第4055543号公報
(株)情報機構 発刊 「最新レジスト材料」 P.59−P.76 SPIE Vol.3424 (1998) P.20 The 19th Symposium on Phase Change Optical Information Storage (2007) p77
以上のように、熱反応型レジストを用いて微細パターンを形成する場合、従来のドライエッチング方法では、エッチング層のエッチングと熱反応型レジスト材料のエッチングとが共に進行する問題がある。このため、熱反応型レジスト材料に対するエッチング層のエッチング選択比が高いドライエッチング方法が望まれている。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、微細パターンを形成でき、エッチング選択比が高く、かつ高いアスペクト比でパターニングできるドライエッチング方法を提供することを目的とする。
本発明のドライエッチング方法は、基板と、前記基板上に積層され、Si、SiO、及びSiからなる群から選ばれた少なくとも1種のエッチング材料を含有するエッチング層と、前記エッチング層上に積層され、Ti、V、Ga、Ge、Nb、Mo、Sb、Te、及びWからなる金属群、並びに該金属群から選ばれた金属の合金からなる群から選ばれた少なくとも1種を含有するレジスト材料を含有するレジスト層と、を備えた積層体に対するエッチングガスを用いるドライエッチング方法であって、前記エッチングガスは、CxFy(xは2〜4、yは2x)、CHF、及びCHからなる群より選ばれた少なくとも1種を含有するとともに、前記エッチングガス全体のFのCに対するモル比F/Cが3以下であることを特徴とする。
本発明のドライエッチング方法においては、前記エッチングガスは、FのCに対するモル比F/C比が4以上のガスとFのCに対するモル比F/Cと3以下のガスとを含有するエッチングガスであることが好ましい。
本発明のドライエッチング方法においては、前記エッチングガスは、FのCに対するモル比F/Cが3以下のガスと不活性ガスとを含有するエッチングガスであることが好ましい。
本発明によれば、かかる点に鑑みてなされたものであり、微細パターンに形成でき、エッチング選択比が高く、かつ高いアスペクト比でパターニングできるドライエッチング方法を提供することができる。
(a)〜(c)本発明の一実施の形態に係る積層体を示す模式図である。 本発明に係るドライエッチング方法のCHFガスへのArガス混合量の選択比との関係性を示す図である。 本発明に係るドライエッチング方法のCガスへのArガス混合量の選択比との関係性を示す図である。 本発明に係るドライエッチング方法のCFガスへのCガス混合量の選択比との関係性を示す図である。 一般的なレーザー光の強度分布を示す図である。 一般的な物体の温度分布を示す図である。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討し実験を行った結果、熱反応型レジスト層がフロン系のエッチングに耐えない材料であっても、用いるフロン系のガスを選択、混合することで、熱反応型レジスト層とエッチング層のエッチング選択比を10以上とすることが可能であることを、発見し、本発明を完成するに至った。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態に係るドライエッチング方法を説明する。
先ず、本発明に用いる積層体について図1(a)を参照して説明する。本実施の形態に係るドライエッチング方法は、基板1と、この基板1上に順に積層されたエッチング層2と、このエッチング層2の上に積層されたレジスト層3と、を備える積層体に対するドライエッチング方法である。このドライエッチング方法は、エッチング材料を含有するエッチング層2及び熱反応型レジスト材料を含有するレジスト層3を備える積層体に対し、所定の組成を有するエッチングガスを用いることにより、ドライエッチング工程でのエッチング選択性を向上し、高いアスペクト比を有する微細パターンの形成を実現するものである。
まず、本実施の形態に係る積層体について説明する。基板1の材料としては、後述するエッチング層2及びレジスト層3を積層できる材料であれば、特に限定はなく、ガラス、シリコンウェーハなどの材料を用いることができる。これらの中でもガラスが好ましい。また、基材1の形状としては、板状やフィルム状など、平坦な面を有するものであれば、特に限定されない。
エッチング層2の材料としては、各種ドライエッチングに用いられるエッチング材料を用いることができる。これらのエッチング材料の中でも、エッチングを一方向(異方的)に進行させ、アスペクト比を向上させる観点から、Si、SiOx1(x1は、0<x1<2である。)やSiNx2(x2は、0<x2<0.75である。)などの無機化合物から選ばれる材料を用いる。これらの中でもSiOが好ましい。
レジスト層3の材料としては、各種熱反応型レジスト材料を用いることができる。本実施の形態においては、Ti、V、Ga、Ge、Nb、Mo、Sb、Te、Ta及びWから選ばれた金属又は該金属を少なくとも2種類含む酸化物、並びにそれらの合金から選ばれる材料を用いる。これら中でも、レジスト層3とエッチング層2とのエッチング選択比を向上させる観点から、GeSb、MoNb、GaSbを用いることが好ましい。
次に、再び図1(a)を参照して、本実施の形態に係る積層体の製造方法について説明する。
図1(a)に示すように、まず、例えば、ガラス、またはシリコンウェーハなどを用いて作製した基板1の上に、エッチング層2を所望の膜厚t1で成膜する。次いで、このエッチング層2上にレジスト層3を成膜する。レジスト層3は、エッチング層2の膜厚t1より薄い膜厚t2で形成する。レジスト層3及びエッチング層2は、例えば、スパッタ法により(それぞれ40nm、300nm程度の膜厚で)成膜される。
次に、図1(b)、図1(c)を参照して、上記のようにして得られた積層体に微細パターンを施す方法について説明する。本実施の形態においては、積層体の微細パターンは、積層体のレジスト層3を露光、現像してレジスト開口部4及びレジストパターン5を形成するパターニング工程と、パターニングされたレジスト層3のレジスト開口部4よりエッチング層2をドライエッチングしてエッチングパターン6を形成するエッチング工程と、を順に施して形成する。以下、それぞれの工程について説明する。
まず、パターニング工程について説明する。レジスト層3のパターニング工程では、図1(b)に示すように、レジスト開口部4を形成する領域を露光し、次いで、露光した領域を現像することにより、レジスト層3の露光された領域の一部が除去されてレジスト開口部4が形成される。レジスト層3の残存した部分は、レジストパターン5となる。
レジスト層3の露光は、通常のフォトレジスト及び熱反応レジストの露光に用いられる光源装置であれば、特に限定されずに用いることができる。微細パターンを形成するためには、半導体レーザーにより露光することが好ましい。また、レーザー光による露光は、レジスト層3のレジスト開口部4の領域が熱反応の反応点以上になるように、レーザー光の照射範囲及びレーザー光の強度を制御すればよく、必ずしもレジスト開口部4の領域に応じたスポット径、溝幅に応じたレーザー光を用いなくとも良い。例えば、図1(b)に示す、レジスト層3のレジスト開口部4以外の領域にレーザー光が当たる条件においても、レジスト層3の温度分布をレジスト開口部4のみが熱反応するようにレーザー光を制御することにより、レジスト開口部4のみを露光することができる。尚、本実施の形態においては、露光中に強度を変化させることで、円形、楕円形状など任意の形状のパターンを形成することができる。
次に、露光したレジスト層3の現像について説明する。露光したレジスト層3の現像は、通常のフォトレジスト及び熱反応レジストに用いられる現像条件を用いることができ、例えば、現像液を用いるウェット工程を用いることができる。ウェット工程で用いる現像液としては、酸やアルカリまたそれらに電位調整剤、界面活性剤を加えた現像液などを用いることができる。この現像工程により、レジスト層3の露光部が溶解、除去され、レジスト開口部4及びレジストパターン5が形成される。以上のようにして、図1(b)に示す、パターニングされた積層体が製造される。
次にエッチング層2のエッチング工程について説明する。本実施の形態では、所定のエッチングガス及び所定の組成を有するエッチングガスを用いたドライエッチングにより、積層体の微細パターンのアスペクトを向上させたエッチングパターン6を形成する。以下、本実施の形態に係るドライエッチング方法について詳細に説明する。
本実施の形態に係るドライエッチング方法においては、エッチングガスとして、C(xは2から4、yは、2x)、CHF、CHのいずれか1種を少なくとも含有するとともに、かつエッチングガス全体のFのCに対するモル比F/Cが3以下であるエッチングガスを用いる。これらのエッチングガスの中でもC、C、C、CHF、CHのからなる群より選ばれた少なくとも一種のエッチングガスを含むとともに、エッチングガス全体のFのCに対するモル比F/Cが3以下であるエッチングガスを用いることが好ましい。
上記の特定のエッチングガスを用いた場合、レジスト層3にフロロカーボン(フルオロカーボン)膜が形成される。このフロロカーボン膜は、ドライエッチングに対するレジスト層3の保護層となり、レジスト層3とエッチング層2とのエッチング選択比を向上する。これにより、本実施の形態に係るドライエッチング方法においては、レジスト層3に用いられるレジスト材料のエッチング耐性を向上させることができ、積層体のアスペクト比を向上させることが可能となる。本実施の形態においては、エッチングガスとして、C(xは2から4、yは、2x)、CHF、CHを用いることにより、エッチングガスのモル比F/Cが2に近づくと、フロロカーボン膜が形成され易くなるので、積層体のエッチング選択比、及びアスペクト比を向上させることができる。
また、本実施の形態においては、フロロカーボン膜の堆積量を制御し、ドライエッチングに対するエッチング速度を制御する観点から、エッチングガス全体のFのCに対するモル比F/Cが3以下であるエッチングガスを用いる。例えば、モル比F/C=3以下のエッチングガスを用いることにより、レジスト層3へのフロロカーボン膜の堆積速度が速くなるので、レジスト層3をエッチングガスから効果的に保護することができる。これに対し、モル比F/C=4より大きいエッチングガスを用いる場合、レジスト層3へのフロロカーボン膜の堆積速度が遅くなるので、レジスト層3がエッチングガスにより侵食されやすくなる。また、例えば、モル比F/C=3以下のフロン系ガスとモル比F/C=4のフロン系ガスとを混合する場合、フロロカーボン膜の堆積が発生し易いモル比F/C=2程度のエッチングガスをモル比F/C=4のフロン系ガスに混合することで、フロロカーボン膜の堆積速度を変化させ、熱反応型レジスト層をエッチングから保護することができ、選択比が向上すると考えられる。実際に、CとCFの混合ガスを用いる場合には、CFにCをガス総量の20体積%〜32体積%の割合で混合すると、エッチング選択比が増加するので好ましい。
また、本実施の形態に係るドライエッチング方法においては、上記のエッチングガスの種類及び組成を満たす範囲であれば、異なるガスを含有してもよく、Arなどの不活性ガスを含有することが好ましい。以下、ドライエッチングに用いるガスの例として、モル比F/C=3以下のフロン系ガスとArとを混合する場合と、モル比F/C=3以下のフロン系ガスとモル比F/C=4のフロン系ガスとを混合する場合について具体的な例をあげて説明する。モル比F/C=3以下のフロン系ガスとArとを混合する場合、CHFとArの混合ガス、CとArの混合ガスの組み合わせをあげることができる。
このようなドライエッチングガスを用いると、エッチングの際、プラズマ中のArがフロン系ガスに衝突する事により、フロン系ガスの解離度が変化して、フロロカーボン膜の堆積量やエッチング層2や熱反応型レジスト層3をエッチングするフッ素ラジカルの発生量が変わるため、エッチング層2や熱反応型レジスト層3のエッチングレート(エッチング速度)を増減させることが可能であるため好ましい。
エッチンガスに混合する不活性ガスとしては、上述したArの他、N、He、Ne、Kr、Xeなどを用いることができる。これらの不活性ガスの中でも、エッチング速度の調整の観点から、Ar、Nが好ましい。
実際に、CHFとArの混合ガスを用いる場合には、CHFにArをガス総量の15体積%〜25体積%の割合で混合すると、エッチング選択比が10以上になるので好ましい。また、CとArの混合ガスを用いる場合には、CにArをガス総量の12体積%〜16体積%の割合で混合すると、選択比が増加するので好ましい。
エッチングガスについては、上記以外の組み合わせとして、C+Ar、C+Ar、CH+Ar、C+N、C+N、C+N、CHF+N、CH+N、CF+C、CF+C、CF+CHF、CF+CHが好ましい。
次に、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。なお、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
(選択比の測定方法)
レジスト膜、SiO膜上に部分的にドライエッチングのマスクを形成し、同条件でドライエッチングを行った後に、該マスクを除去し、マスク部と非マスク部で形成される段差を段差計により測定することで、レジストとSiOそれぞれのエッチングレートを求めた。エッチング選択比はSiOのエッチングレート/レジストのエッチングレートで表される数値とした。該ドライエッチングのマスクとしては、フォトレジスト、カプトンテープによるマスクを用いることが可能である。
(製造例1)
基板1上にエッチング層2として、スパッタリング法によりSiOを350nm成膜した。続いて、熱反応型レジスト層3として、GeSbを20nm〜40nm成膜した。MoNb、GaSbを用いた熱反応型レジスト層に関しても同様に成膜できる。以上のように成膜したレジスト層3を以下の条件で露光した。
露光用半導体レーザー波長:405nm
レンズ開口数:0.85
露光レーザーパワー:1mW〜10mW
送りピッチ:150nm〜350nm
露光中にレーザーの強度を変調させることで、さまざまな形状やパターンを作製できるが、本実施例では露光精度を確かめるために、パターンとして連続の溝形状を使用した。形成する形状は目的とする用途によっては孤立した円形、楕円形状等でも構わず、本発明は露光形状によって何ら制限を受けるものではない。
続いて、上記露光機によって露光された熱反応型レジストの現像を行った。現像にはウェット工程による現像を適用した。現像液には酸やアルカリまたそれらに電位調整剤、界面活性剤を加えたものなどを用いることができる。上記の工程を経ることで、図1(b)に示す積層体を作製した。
次に、本発明者らは、以上のように作製したパターニングされた積層体を用いて、種々の条件でドライエッチングを実施して、エッチング選択比を実測した。その結果、エッチングガスにArガスを混合して用いた実施例1においては、Arガスの添加によりエッチング選択比が増大することが分かった。また、エッチングガスとArガスの混合比を変化させた実施例2においては、モル比F/Cが異なるエッチングガスを添加することにより、エッチング選択比が変化することが分かった。また、異なるモル比F/Cのエッチングガスを混合した実施例においては、異なるモル比F/Cのエッチングガスの混合比を変化させることにより、エッチング選択比が変化することを見出した。以下、本発明者らが調べた内容について、詳細に説明する。
(実施例1)
製造例1で製造した積層体のうち、熱反応型レジストがGeSb、MoNbで構成される積層体を用いてドライエッチングを行った。
エッチングガスには、CHFとArの混合ガスを用いた。ドライエッチングの高周波電力を300W、エッチング中の圧力を5Paとした。
混合ガスの総流量を50sccmとして、Arの混合割合を変化させた時の選択比の変化を図2に示す。図2においては、縦軸にエッチング選択比(Selective rate)を示し、横軸にAr流量を示している。図2からArを10sccm添加時に最大の選択比となることがわかる。また、表1に示すように、CHF単体で使用した場合のMoNbの選択比と比較すると、9.8から26.7に選択比が向上することが確認できる。また同様にGeSbの選択比も7.4から16.5に向上することが確認できる。
Figure 2011082260
(実施例2)
製造例1で製造した積層体のうち、熱反応型レジストがGeSb、MoNb、GaSbで構成される積層体を用いてCとArの混合ガスを用いた場合のエッチング選択比の変化を測定した。ドライエッチングの高周波電力を300W、エッチング中の圧力を5Paとした。その結果を図3に示す。図3は、横軸にCの流量変化を示し、縦軸にエッチング選択比を示している。図3に示すように、混合ガスの総流量を50sccmとして、Cの添加割合を変化させていったとき、Cが6sccm添加時に最大のエッチング選択比となることがわかる。C単体で用いた場合、エッチング層をエッチングすることが不可能なため比較は出来ないが、選択比は、それぞれGaSb:17.6、MoNb:12.5であった。
(実施例3)
製造例1で製造した積層体のうち、熱反応型レジストがGeSb、MoNb、GaSbで構成される積層体を用いてCFとCの混合ガスを用いた場合の選択比の変化を測定した。ドライエッチングの高周波電力を300W、エッチング中の圧力を5Paとした。その結果を図4に示す。図4は、横軸にCの流量を示し、縦軸にエッチング選択比を示している。図4に示すように、混合ガスの総流量を50sccmとして、Cの添加割合を変化させていったとき、Cが15または16sccm添加時に最大の選択比となることがわかる。選択比は、それぞれGaSb:12、MoNb:10であった。
以上説明したように、本実施の形態に係るドライエッチング方法によれば、基材上にエッチング層及びレジスト層を備える積層体に対し、所定の成分を含有するとともに、所定の組成を有するエッチングガスを用いることにより、積層体のレジスト層のエッチングガスからの保護と積層体のエッチング層をエッチングとを共に実現することができる。これにより、積層体のレジスト層の露光・現像により形成された微細パターンへのエッチングを抑制した状態で、積層体のレジスト層を選択的にエッチングできるので、高アスペクト比のパターニングが実現できる。
本発明は、エッチングによってパターニング形成する各種レジスト製品に適用可能である。
1 基板
2 エッチング層
3 レジスト層
4 レジスト開口部
5 レジストパターン
6 エッチングパターン

Claims (3)

  1. 基板と、前記基板上に積層され、Si、SiO、及びSiからなる群から選ばれた少なくとも1種のエッチング材料を含有するエッチング層と、前記エッチング層上に積層され、Ti、V、Ga、Ge、Nb、Mo、Sb、Te、及びWからなる金属群、並びに該金属群から選ばれた金属の合金からなる群から選ばれた少なくとも1種を含有するレジスト材料を含有するレジスト層と、を備えた積層体に対するエッチングガスを用いるドライエッチング方法であって、
    前記エッチングガスは、CxFy(xは2〜4、yは2x)、及びCHF、CHからなる群より選ばれた少なくとも1種を含有するとともに、前記エッチングガス全体のFのCに対するモル比F/Cが3以下であることを特徴とするドライエッチング方法。
  2. 前記エッチングガスは、FのCに対するモル比F/C比が4以上のガスとFのCに対するモル比F/Cと3以下のガスとを含有することを特徴とする請求項1記載のドライエッチング方法。
  3. 前記エッチングガスは、FのCに対するモル比F/Cが3以下のガスと不活性ガスとを含有することを特徴とする請求項1または請求項2記載のドライエッチング方法。
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