JP6139225B2 - パターン付き基材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、微細凹凸構造のパターン付き基材及びその製造方法に関する。
近年、半導体、光学・磁気記録等の分野において高密度化、高集積化等の要求が高まるにつれ、数百nm〜数十nm、あるいはそれ以下の微細パターン加工技術が必須となっている。そこで、これら微細パターン加工を実現するためにマスク・ステッパー、露光、レジスト材料等の各工程の要素技術が盛んに研究されている。
レジスト材料の検討は多数行われているが、現在、最も一般的なレジスト材料は、紫外光、電子線、X線などの露光光源に反応する光反応型有機レジスト(以下、フォトレジストともいう。)である(特許文献1、非特許文献1参照)。
露光に用いられるレーザー光において、通常、レンズで絞り込まれたレーザー光の強度は、図1に示すようなガウス分布形状を示す。このときスポット径は1/eで定義される。一般的にフォトレジストの反応は、E=hν(E:エネルギー、h:プランク定数、ν:波長)で表されるエネルギーを吸収することよって反応が開始される。したがって、その反応は、光の強度には強く依存せず、むしろ光の波長に依存するため、光の照射された部分(露光部分)は、ほぼ全て反応が生じることになる。このため、フォトレジストを使った場合は、スポット径に対して忠実に露光されることになる。
光反応型有機レジストを用いる方法は、数百nm程度の微細なパターンを形成するには非常に有効な方法ではあるが、光反応を用いたフォトレジストを用いるため、さらに微細なパターンを形成するには、原理的に必要とされるパターンより小さなスポットで露光する必要がある。したがって、露光光源として波長が短いKrFやArFレーザー等を使用せざるを得ない。しかしながら、これらの光源装置は非常に大型でかつ高価なため、製造コスト削減の観点からは不向きである。さらに、電子線、X線等の露光光源を用いる場合は、露光雰囲気を真空状態にする必要があるため、真空チェンバーを使用することとなり、コストや大型化の観点からかなりの制限がある。
一方、図1で示すような分布を持つレーザー光を物体に照射すると、物体の温度もレーザー光の強度分布と同じガウス分布を示す。このときある温度以上で反応するレジスト、すなわち、熱反応型レジストを使うと、図2に示すように所定温度以上になった部分のみ反応が進むため、スポット径より小さな範囲を露光することが可能となる。すなわち、露光光源を短波長化することなく、スポット径よりも微細なパターンを形成することが可能となるので、熱反応型レジストを使うことで、露光光源波長の影響を小さくすることができる。
これまでに、金属酸化物を熱反応型レジストとして用い、半導体レーザー等による露光や熱・光反応によって微細パターンを形成する技術が報告されている(以下、特許文献2〜4、非特許文献2参照)。このような金属酸化物は、露光による加熱で酸化度を変化させることができ、酸化度の違いで現像液に対する溶解度の差を作り、現像することで微細パターンが形成可能である。
特開2007−144995号公報 特許第4055543号公報 特許第4986137号公報 特許第4986138号公報
(株)情報機構 発刊 「最新レジスト材料」 P.59―P.76 The 19th Symposium on Phase Change Optical Information Storage 2007 予稿集 P.77―P.80
一方、基材上にレジスト層を形成し、そのレジスト層をパターニングした後に、基材上に残存したレジスト層をマスクとして基材をエッチングすることにより基材に微細パターンを形成する技術がある。このようにして作製された基材は、微細パターンを形成した面に樹脂層を設けることにより、その樹脂層に微細パターンを転写する転写用基材として使用される。
光反応型レジスト、熱反応型レジストのいずれかを用いて、上記のように基材に微細パターンを形成しても、この基材を転写用基材として使用する場合に、樹脂層に対する十分な密着力が得られずに樹脂等が剥離してしまうという問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、基材の微細パターンに樹脂層を設けた際に樹脂類に対する十分な密着性を発揮できるパターン付き基材及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明のパターン付き基材は、基材と、前記基材上に設けられており、熱反応型レジスト材料で構成され、凸部及び凹部を含むパターンを有する熱反応型レジスト層と、を具備し、前記熱反応型レジスト層は、少なくとも前記熱反応型レジスト材料を含む粒状物を前記凹部に有し、前記粒状物の平均粒径が1nm以上1000nm以下であることを特徴とする。
本発明のパターン付き基材においては、前記粒状物は、前記熱反応型レジスト層に熱を与えた際に前記熱反応型レジスト材料が変質することにより得られることが好ましい。
本発明のパターン付き基材においては、前記パターンにおける前記凹部の底部から前記凸部の頂部までの高さの差が5nm以上10000nm以下であることが好ましい。
本発明のパターン付き基材においては、前記粒状物が少なくとも金属元素を含むことが好ましい。
本発明のパターン付き基材においては、前記パターンが平面視において略格子状又は略ドット状であることが好ましい。
本発明の転写用基材は、上記パターン付き基材における前記パターンをマスクとして前記基材をエッチングしてなることを特徴とする。
本発明のパターン付き基材の製造方法は、基材上に、熱反応型レジスト材料で構成された熱反応型レジスト層を形成する工程と、前記熱反応型レジスト層に部分的に熱を与えて前記熱反応型レジスト材料を変質させる工程と、変質させた前記熱反応型レジスト層を少なくとも一部除去して、凸部及び少なくとも前記熱反応型レジスト材料を含み、平均粒径が1nm以上1000nm以下である粒状物を有する凹部を含むパターンを形成する工程と、を具備することを特徴とする。
本発明のパターン付き基材の製造方法においては、レーザーを用いた露光により、前記熱反応型レジスト層に部分的に熱を与えて前記熱反応型レジスト材料を変質させることが好ましい。
本発明のパターン付き基材の製造方法においては、前記熱反応型レジスト材料は、前記熱反応型レジスト材料100体積%に対してケイ素、アルミニウム、チタン、ガリウム、タンタル、コバルト、又はそれらの酸化物若しくは窒化物を80体積%以下で含むことが好ましい。
本発明の転写用基材の製造方法は、上記パターン付き基材の製造方法により得られたパターン付き基材における前記パターンをマスクとして前記基材をエッチングすることを特徴とする。
本発明によれば、パターンの凹部に存在する粒状物のために凹部の表面積が増大する。これにより、基材の微細パターンに樹脂層を設けた際に樹脂類に対する十分な密着性を発揮することができる。
レーザー光の強度分布を示した図である。 レーザー光を照射された部分の温度分布を示した図である。 本発明のパターン付き基材の一例を模式的に示す図である。 本発明のパターン付き基材の製造方法の一例を示す図である。
以下、本発明の一実施の形態(以下、「実施の形態」と略記する。)について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
図3Aは、本発明のパターン付き基材の一例を模式的に示す図である。
図3Aに示すように、パターン付き基材は、基材11と、この基材上に設けられており、熱反応型レジスト材料で構成された熱反応型レジスト層12とから主に構成されている。この熱反応型レジスト層12は、凸部12b及び凹部12cを含むパターンを有する。この熱反応型レジスト層12は、少なくとも熱反応型レジスト材料を含む粒状物13を凹部12cに有する。
基材11を構成する材料としては、表面平滑性、加工性に優れる材質であることが好ましく、ガラス、シリコン、二酸化ケイ素、アルミニウム、チタニウム、銅、銀、金等を挙げることができ、この中でもガラス、シリコン、二酸化ケイ素、アルミニウム、チタニウム、銅が特に好ましい。
基材11としては、平板状基材、 円筒状基材(スリーブ基材、ロール基材、ドラム基材)、又はレンズ状基材等を用いることができる。これらの基材を用いることにより、基材の形状をそのままモールドの 形状として使用できる。基材の形状は、作製するモールドの形状に応じて適時選択することができる。
熱反応型レジスト層12を構成する熱反応型レジスト材料としては、モリブデン、タングステン、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ジルコニウム、ニオブ、ロジウム、銀、ハフニウム、タンタル、金、白金、アルミニウム、亜鉛、ガリウム、インジウム、スズ、アンチモン、鉛、ビスマス等の酸化物を挙げることができる。この中で、ウェットエッチング時の選択性が高いという観点において、モリブデン、タングステン、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、銀、タンタル、白金、鉛等の酸化物が好ましく、この中でも結晶粒径のサイズが制御しやすいという観点において、モリブデン、タングステン、クロム、銅等の酸化物がさらに好ましい。
凸部12b及び凹部12cを含むパターンにおいて、凹部12cの底部から凸部12bの頂部までの高さの差(深さH)は5nm以上10000nm以下であることが好ましい。また、パターンは、図3Bに示すように平面視において略格子状であっても良く、図3Cに示すように略ドット状であっても良い。略ドット形状のパターンにおいては、凹部12cが略ドット状に形成されていても良い。
パターンにおける凹部12cは、熱反応型レジスト層12を貫通して基材11が露出した状態でも良く、熱反応型レジスト層12を貫通していない状態でも良い。したがって、凹部12cの底面は、熱反応型レジスト材料で構成されていても良く、基材11の材料で構成されていても良く、熱反応型レジスト材料及び基材11の材料で構成されていても良い。したがって、凹部12cの底面に粒状物13が残存している状態とは、基材11上に粒状物13が存在する状態と、熱反応型レジスト層12上に粒状物13が存在している状態と、これらの状態が混在した状態とが有り得る。
熱反応型レジスト層12に設けられた、パターンの凹部12cには、少なくとも熱反応型レジスト材料を含む粒状物13が残存する。この粒状物13は、凹部12cの底面及び/又は側面に残存する。ここで、粒状物13の形状は、真球形状だけでなく、水滴形状のように真球が歪んだ形状や、棘型形状のように頂部を有する形状も含む。
粒状物13は、熱反応型レジスト層12に熱を与えた際に熱反応型レジスト材料が変質することにより得られる。上記熱反応型レジスト材料は、一定温度以上に加熱されると変質して酸化度が変化する。この際、一定範囲内の温度で加熱することにより、一部が粒状の結晶となる。粒状の結晶となった部分は、加熱で酸化度の変化した他の変質箇所に比べてエッチング液に対する溶解性が低下する。すなわち、粒状の結晶だけを残して他の変質箇所を選択的に溶解除去することが可能である。このようにして熱反応型レジスト層12に凸部12b及び凹部12cを有するパターンを形成すると、凹部12cの側面及び/又は底面に粒状物(粒状突起)が残存する。これが上記粒状物13である。したがって、粒状物13は、少なくとも金属元素を含むものである。
粒状物13の粒径としては、凹凸パターン形状を著しく変形させない限りにおいて任意の値とすることができるが、1nm以上1000nm以下であることが好ましい。粒状物13の粒径は、熱反応型レジスト材料で形成される凹凸パターン形状のサイズを考慮すると、平均粒径1000nm以下が望ましく、200nm以下がより望ましく、100nm以下がさらに望ましく、50nm以下が最も好ましい。また、粒状物13の粒径は、本パターン付き基材の熱反応型レジスト層12をドライエッチングのマスクとして用いる場合のレジスト性能を考慮すると、一定サイズ以上であることが望ましく、具体的には、1nm以上が望ましく、5nm以上がより望ましく、10nm以上がさらに望ましい。これらの粒径の上限と下限は任意に組み合わせることができる。なお、粒径は、各粒状物が包含される最小の真球の直径をいう。
粒状物13の粒径を制御するためには、金属酸化物に添加剤を加えることが有効である。このような添加剤としては、ケイ素、アルミニウム、チタン、ガリウム、タンタル、コバルト、及びそれらの酸化物、窒化物等が挙げられ、中でもケイ素及びアルミニウムは効果が高いために望ましい。これらの添加剤を用いると、熱反応型レジスト材料である金属酸化物の結晶化を抑制できるため、結晶粒径の制御に有用である。このような添加物の添加量は、結晶化を抑制したい程度によって任意に設定することができるが、熱反応型レジストとしての材料性能を維持するため、主成分である金属酸化物100体積%に対して80体積%以下が望ましく、50体積%以下がさらに好ましく、20体積%以下が特に好ましく、10体積%以下が最も好ましい。
このような構成のパターン付き基材は、従来のものに比べて粒状物の存在により表面積が増大しているので、パターンに充填した樹脂類の密着性を向上させることができる。
また、このようなパターン付き基材は、このパターンをマスクとして基材をエッチングして転写用基材とすることができる。このようにして得られた転写用基材についても、熱反応型レジストパターンに残存した粒状物により基材に形成されたパターンがいびつになり、パターンの表面積が増大し、パターンに充填した樹脂類の密着性を向上させることができる。
本発明のパターン付き基材の製造方法は、基材上に、熱反応型レジスト材料で構成された熱反応型レジスト層を形成する工程(1)と、熱反応型レジスト層に部分的に熱を与えて熱反応型レジスト材料を変質させる工程(2)と、変質させた前記熱反応型レジスト層を少なくとも一部除去して、凸部及び少なくとも熱反応型レジスト材料を含む粒状物を有する凹部を含むパターンを形成する工程(3)とを含むことを特徴とする。
図4は、本発明のパターン付き基材の製造方法の一例を示す図である。本発明のパターン付き基材の製造方法における工程(1)では、図4Aに示す基材11上に、熱反応型レジスト材料で構成された熱反応型レジスト層を形成する(図4B)。熱反応型レジスト層12は、スパッタリング法、蒸着法、又はCVD法を用いて形成することができる。これらの層は、数十nmレベルの微細パターン加工が可能であるため、微細パターンサイズによっては、成膜時の熱反応型レジストの膜厚分布、表面の凹凸が非常に大きく影響することが考えられる。そこで、これらの影響をできる限り少なくするために、膜厚の均一性等の制御がやや困難な塗布法やスプレー法などによる成膜方法より、スパッタリング法や蒸着法やCVD法等の成膜法で熱反応型レジスト層を形成することが好ましい。中でも組成の調整、膜厚の均一性、成膜レートの観点等からスパッタリング法が特に好ましい。
工程(2)では、熱反応型レジスト層12に部分的に熱を与えて熱反応型レジスト材料を変質させる。これにより、図4Cに示すように、変質部12aと未変質部とが生じる。例えば、レーザーを用いた露光により、熱反応型レジスト層12に部分的に熱を与えて熱反応型レジスト材料を変質させる。このように、熱反応型レジスト層12を露光すると、露光部(変質部に対応)と未露光部が生じる。
工程(2)においては、熱反応型レジスト材料が加熱により変質した際にその一部が粒状の結晶となり、粒状物13として変質部12aに現れる。この粒状物13は、加熱で酸化度の変化した他の変質箇所(アモルファス領域)に比べてエッチング液に対する溶解性が低下する。
熱反応型レジスト材料を加熱する手法は任意であるが、サブミクロンオーダーの微細パターンを形成する場合は、レーザーを用いるのが一般的である。レーザーの種類は、所望のパターンサイズ等に応じて決定すればよいが、装置導入の簡便性やコストを考えると、半導体レーザーが好ましい。また、より微細なパターンを形成する場合は、よりレーザーを照射した際の熱分布が急峻なレーザーを選択するのが好ましい。
粒状物13の密度(粒状物の存在数)を制御するためには、熱反応型レジスト材料を加熱する際の温度を制御することが有効である。具体的な温度条件は、用いる金属酸化物や基材の種類によって適宜設定する。一般的には、熱反応型レジスト材料が変質する臨界温度近辺で粒状物が最も多く生成され、臨界温度を超えて温度が高くなると粒状物の生成が少なくなる。したがって、粒状物13を所望の密度となるように熱反応型レジスト材料の加熱温度を適宜設定することが好ましい。なお、熱反応型レジスト材料が変質する臨界温度は次のような方法で見積もることが可能である。熱反応型レジスト材料として用いる金属酸化物の示差熱重量分析(TG−DTA)を行うと、特定温度で分解が進行することにより、重量の急峻な減少が観測される。この特定温度が臨界温度である。例えば、金属酸化物が酸化銅の場合、臨界温度は1100℃であり、この臨界温度より+500℃の間では粒状物が観測される。
工程(3)においては、変質させた熱反応型レジスト層12を少なくとも一部除去して、凸部12b及び少なくとも熱反応型レジスト材料を含む粒状物13を有する凹部12cを含むパターンを形成する。凸部12bと、少なくとも熱反応型レジスト材料を含む粒状物13を有する凹部12cとを含むパターン(凹凸パターン)を熱反応型レジスト層12に形成する方法としては、次のような方法が考えられる。
第1の方法として、公知の方法において熱反応型レジスト層12を設け、その熱反応型レジスト層に凹凸パターンを形成した後に、凹凸パターンの凹部12cに粒状物13を充填し、加熱等で熱反応型レジスト層12と粒状物13とを溶解/再凝固させるなどして固着させる方法がある。この方法において、用途によって凹部12c以外の領域に粒状物13が不要な場合には、粒状物を充填した後に表面を払拭やエアブローする等して粒状物を除去しても良い。この方法では、熱反応型レジスト層12を構成する成分と、粒状物13を構成する成分が大きく異なっていても良いが、粒状物13を固着させる必要があるため工程が煩雑になることに加えて、使用できる材料が制限される。
第2の方法として、ポジ型の熱反応型レジスト材料として使用可能な金属酸化物を用い、粒状物13が生成する条件で凹凸パターンを形成する方法がある。この方法は、熱反応型レジスト層12に粒状物13があらかじめ固着されているので、第1の方法に比べて工程が簡便であり、溶解/再固着が不要な分だけ使用できる材料が制限されないため、より好ましい。
変質させた熱反応型レジスト層を除去する場合、ウェットエッチング液を用いて変質させた熱反応型レジスト層を溶解させる(図4D)。これにより、熱反応型レジスト層12の凹部12cに、少なくとも熱反応型レジスト材料を含む粒状物13を有する(底面及び側面)。
使用するウェットエッチング液は、熱で変質した熱反応型レジストのうち粒状物13でない部分(変質部12aの粒状物13以外の部分)の溶解性が、熱の影響を受けていない熱反応型レジスト(未変質部)及び粒状物13に比べて高いものであれば、すなわち、熱で変質した熱反応型レジストのうち粒状物13でない部分を選択的に溶解させられるものであれば任意に用いることができる。有効なウェットエッチング液の成分、濃度、温度条件は、使用する材料により適宜設定することができる。一般的には、ウェットエッチング液としては、酸、アルカリ、キレート剤が用いられ、これらを単一成分で用いても良く、混合して用いても良い。また、これらに、電位調整剤、界面活性剤等を必要に応じて添加しても良い。
ウェットエッチング液に使用可能な酸としては、具体的には、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、リン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、フッ酸等を挙げることができる。また、ウェットエッチング液に使用可能なアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、水酸化テトラメチルアンモニウム等を挙げることができる。また、ウェットエッチング液に使用可能なキレート剤としては、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、オルニチン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、プロリン、シュウ酸、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸、1,3−プロパンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、エチレンジアミン二コハク酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン一コハク酸、1,3−プロパンジアミン二コハク酸、トリエチレンテトラミン三コハク酸、1,2−ジアミノプロパン二コハク酸、エチレンジアミン四プロピオン酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三プロピオン酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二プロピオン酸、1,3−プロパンジアミン四プロピオン酸、ジエチレントリアミン五プロピオン酸、トリエチレンテトラミン六プロピオン酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、クエン酸、イソクエン酸、フマル酸、アジピン酸、コハク酸、グルタミン酸、リンゴ酸、酒石酸、バソクプロインスルホン酸及びこれらの酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、ポリアルキルアンモニウム塩、ポリアリールアンモニウム塩を挙げることができる。塩としては、分子中に複数のカルボン酸、スルホン酸等が含まれる場合、全てのカルボン酸、スルホン酸等が塩になっていても良く、一部のカルボン酸、スルホン酸等のみが塩になっていても良い。
これらのウェットエッチング液に必要に応じて添加する電位調整剤としては、過酸化水素、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸アンモニウム、過マンガン酸カルシウム、過マンガン酸マグネシウム、過マンガン酸銀、過マンガン酸バリウム、塩素酸リチウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム、塩素酸アンモニウム、臭素酸リチウム、臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウム、臭素酸アンモニウム、ヨウ素酸リチウム、ヨウ素酸ナトリウム、ヨウ素酸カリウム、ヨウ素酸アンモニウム、過塩素酸、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸カルシウム、過塩素酸銀、過臭素酸、過臭素酸リチウム、過臭素酸ナトリウム、過臭素酸カリウム、過臭素酸アンモニウム、過臭素酸カルシウム、過臭素酸銀、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸リチウム、過ヨウ素酸ナトリウム、過ヨウ素酸カリウム、過ヨウ素酸アンモニウム、過ヨウ素酸カルシウム、過ヨウ素酸銀、二クロム酸、二クロム酸リチウム、二クロム酸ナトリウム、二クロム酸カリウム、二クロム酸カルシウム、二クロム酸マグネシウム、四酸化オスミウム、メタクロロ過安息香酸、過硫酸リチウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、塩化鉄等を挙げることができる。
また、これらのウェットエッチング液に必要に応じて添加する界面活性剤としては、オレフィンスルホン酸、アルキルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、アルキル硫酸エステル、アルキルエーテル硫酸エステル、アルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸、モノアルキルリン酸、ポリ(オキシエチレン)アルキルエーテル、ポリ(オキシエチレン)脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、アセチレンジオール、アセチレングリコール等が挙げられる。
なお、上記酸、アルカリ、キレート剤は単一で用いても良く、複数を組み合わせて用いても良い。また、電位調整剤や界面活性剤等の添加剤も、単一成分で用いても良く、混合成分で用いても良い。
このようにして得られたパターン付き基材は、このパターンをマスクとして基材11をエッチングすることにより、凸部11a及び凹部11bの転写パターンを持つ転写用基材とすることができる(図4E)。基材11のエッチングには、ドライエッチングを用いる。
ドライエッチング処理する際に用いられる装置としては、真空中でフロン系ガスが導入でき、プラズマが形成でき、エッチング処理ができるものであれば特に制限はなく、例えば、市販のドライエッチング装置、RIE装置、ICP装置等を用いることができる。ドライエッチング処理を行うガス種、時間、電力等は、熱反応型レジストの種類、第1熱伝導層(エッチング層)の種類、厚み、エッチングレート等によって適宜決定し得る。なお、基材のドライエッチングに用いるガスとしては、一般的なドライエッチングに用いられるエッチング用ガスを用いても良い。エッチング用ガスとしては、CF、SF等のフッ素系ガス等が挙げられ、これらは単独で用いても、複数のガスを混合して用いても構わない。さらには、上述したフッ素系ガスとO、H、Ar、N、CO、HBr、NF、HCl、HI、BBr、BCl、Cl、SiCl等のガスとを混合した混合ガスもフッ素系ガスの範囲内とする。
以下、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明するが、本発明はこの実施例によりなんら制限されるものではない。
(実施例1)
50mmφのガラス基板上にSiを添加した酸化銅(II)をスパッタリングにより成膜して厚さ20nmの熱反応型レジスト層を形成した。なお、成膜は以下の条件で行った。
ターゲット:Si添加酸化銅(3インチφ、CuO:Si=85原子%:15原子%)
電力(W):RF100
ガス種類:アルゴンと酸素の混合ガス(比率90:10)
圧力(Pa):0.5
次いで、熱反応型レジスト層を以下の条件で露光した。
露光用半導体レーザー波長:405nm
レンズ開口数:0.85
露光レーザーパワー:7.7mW
送りピッチ:300nm
なお、露光中にレーザーの強度を変調させることで、さまざまな形状やパターンを形成できるが、本実施例では、粒状物の状態を分かりやすくするために、パターンとして孤立した円形パターンとした。形成するパターン形状としては、所望の用途によって楕円形状、ライン形状等でも良い。
次いで、グリシン9.0g、ノニオン性界面活性剤アデカトールSO−135(アデカ社製、商品名)0.30g、水300gで調製したウェットエッチング液を用いて熱反応型レジスト層を部分的に溶解させた(ウェットエッチング(現像処理))。ウェットエッチングは、23℃において4分間、ウェットエッチング液に熱反応型レジスト層付き基材を浸漬させることにより行った。このようにして実施例1のパターン付き基材を作製した。
次いで、実施例1のパターン付き基材の熱反応型レジスト層をSEM(走査電子顕微鏡)により測定した。その結果、略円形状の主たるパターン内に、平均粒径10nmの粒状物が凹部の底面及び側面に存在していたことを確認した。
次に、パターン面側に光硬化性樹脂PAK−01(東洋合成工業株式会社製、商品名)を塗布し、さらにその上にポリプロピレンフィルムを貼り付けてからメタルハライドランプを照射し、PAK−01を硬化させた。硬化が終了した後にポリプロピレンフィルムの一端をばねばかりに固定してフィルムを基材から剥がす際に必要な力を求めたところ13Nであった。
次いで、実施例1のパターン付き基材の熱反応型レジスト層をエッチングマスクとして使用して、ガラス基板を以下の条件でドライエッチングした。
エッチングガス種 :SF
エッチングパワー :300W
エッチングガス圧 :1Pa
エッチングガス流量:50sccm
エッチング時間 :15分
その後、ガラス基板から熱反応型レジスト層を1%硫酸により除去して転写用基材を作製した。得られた転写用基材の割断面のSEM像を45°の角度から測定した。その結果、側面がジグザグ状であるパターンが得られていたことが分かり、滑らかな側面よりも表面積の増大していたことが確認された。
次に、パターン面側に光硬化性樹脂PAK−01(東洋合成工業株式会社製、商品名)を塗布し、さらにその上にポリプロピレンフィルムを貼り付けてからメタルハライドランプを照射し、PAK−01を硬化させた。硬化が終了した後にポリプロピレンフィルムの一端をばねばかりに固定してフィルムを基材から剥がす際に必要な力を求めたところ23Nであった。
(実施例2)
50mmφのガラス基板上に酸化クロムをスパッタリングにより成膜して厚さ20nmの熱反応型レジスト層を形成した。なお、成膜は以下の条件で行った。
ターゲット:クロム(3インチφ)
電力(W):RF100
ガス種類:アルゴンと酸素の混合ガス(比率90:10)
圧力(Pa):0.5
次いで、熱反応型レジスト層を以下の条件で露光した。
露光用半導体レーザー波長:405nm
レンズ開口数:0.85
露光レーザーパワー:9.0mW
送りピッチ:400nm
なお、露光中にレーザーの強度を変調させることで、さまざまな形状やパターンを形成できるが、本実施例では、粒状物の状態を分かりやすくするために、パターンとして孤立した円形パターンとした。
次いで、硝酸二アンモニウムセリウム45g、硝酸15g、水240gで調製したウェットエッチング液を用いて熱反応型レジスト層を部分的に溶解させた(ウェットエッチング(現像処理))。ウェットエッチングは、23℃において1分間、ウェットエッチング液に熱反応型レジスト層付き基材を浸漬させることにより行った。このようにして実施例2のパターン付き基材を作製した。
次いで、実施例2のパターン付き基材の熱反応型レジスト層をSEMにより測定した。その結果、略円形状の主たるパターン内に、平均粒径50nmの粒状物が凹部の底面及び側面に存在していたことを確認した。
次に、パターン面側に光硬化性樹脂PAK−01(東洋合成工業株式会社製、商品名)を塗布し、さらにその上にポリプロピレンフィルムを貼り付けてからメタルハライドランプを照射し、PAK−01を硬化させた。硬化が終了した後にポリプロピレンフィルムの一端をばねばかりに固定してフィルムを基材から剥がす際に必要な力を求めたところ11Nであった。
次いで、実施例2のパターン付き基材の熱反応型レジスト層をエッチングマスクとして使用して、ガラス基板を以下の条件でドライエッチングした。
エッチングガス種 :CF
エッチングパワー :400W
エッチングガス圧 :5Pa
エッチングガス流量:50sccm
エッチング時間 :15分
その後、ガラス基板から熱反応型レジスト層を5%硝酸により除去して転写用基材を作製した。得られた転写用基材の割断面のSEM像を45°の角度から測定した。その結果、側面がジグザグ状であるパターンが得られていたことが分かり、滑らかな側面よりも表面積の増大していたことが確認された。
次に、パターン面側に光硬化性樹脂PAK−01(東洋合成工業株式会社製、商品名)を塗布し、さらにその上にポリプロピレンフィルムを貼り付けてからメタルハライドランプを照射し、PAK−01を硬化させた。硬化が終了した後にポリプロピレンフィルムの一端をばねばかりに固定してフィルムを基材から剥がす際に必要な力を求めたところ19Nであった。
(実施例3)
50mmφのガラス基板上に酸化タングステンをスパッタリングにより成膜して厚さ50nmの熱反応型レジスト層を形成した。なお、成膜は以下の条件で行った。
ターゲット:タングステン(3インチφ)
電力(W):RF100
ガス種類:アルゴンと酸素の混合ガス(比率90:10)
圧力(Pa):0.5
次いで、熱反応型レジスト層を以下の条件で露光した。
露光用半導体レーザー波長:405nm
レンズ開口数:0.85
露光レーザーパワー:8.0mW
送りピッチ:500nm
なお、露光中にレーザーの強度を変調させることで、さまざまな形状やパターンを形成できるが、本実施例では、粒状物の状態を分かりやすくするために、パターンとして孤立した円形パターンとした。
次いで、2.4%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液300gで調製したウェットエッチング液を用いて熱反応型レジスト層を部分的に溶解させた(ウェットエッチング(現像処理))。ウェットエッチングは、23℃において2分間、ウェットエッチング液に熱反応型レジスト層付き基材を浸漬させることにより行った。このようにして実施例3のパターン付き基材を作製した。
次いで、実施例3のパターン付き基材の熱反応型レジスト層をSEMにより測定した。その結果、略円形状の主たるパターン内に、平均粒径40nmの粒状物が凹部の底面及び側面に存在していたことを確認した。
次に、パターン面側に光硬化性樹脂PAK−01(東洋合成工業株式会社製、商品名)を塗布し、さらにその上にポリプロピレンフィルムを貼り付けてからメタルハライドランプを照射し、PAK−01を硬化させた。硬化が終了した後にポリプロピレンフィルムの一端をばねばかりに固定してフィルムを基材から剥がす際に必要な力を求めたところ11Nであった。
次いで、実施例3のパターン付き基材の熱反応型レジスト層をエッチングマスクとして使用して、ガラス基板を以下の条件でドライエッチングした。
エッチングガス種 :CF
エッチングパワー :400W
エッチングガス圧 :5Pa
エッチングガス流量:50sccm
エッチング時間 :15分
その後、ガラス基板から熱反応型レジスト層を1%硫酸により除去して転写用基材を作製した。得られた転写用基材の割断面のSEM像を45°の角度から測定した。その結果、側面がジグザグ状であるパターンが得られていたことが分かり、滑らかな側面よりも表面積の増大していたことが確認された。
次に、パターン面側に光硬化性樹脂PAK−01(東洋合成工業株式会社製、商品名)を塗布し、さらにその上にポリプロピレンフィルムを貼り付けてからメタルハライドランプを照射し、PAK−01を硬化させた。硬化が終了した後にポリプロピレンフィルムの一端をばねばかりに固定してフィルムを基材から剥がす際に必要な力を求めたところ20Nであった。
(実施例4)
50mmφのガラス基板上に酸化スズをスパッタリングにより成膜して厚さ25nmの熱反応型レジスト層を形成した。なお、成膜は以下の条件で行った。
ターゲット:スズ(3インチφ)
電力(W):RF100
ガス種類:アルゴンと酸素の混合ガス(比率85:15)
圧力(Pa):0.5
次いで、熱反応型レジスト層を以下の条件で露光した。
露光用半導体レーザー波長:405nm
レンズ開口数:0.85
露光レーザーパワー:6.0mW
送りピッチ:500nm
なお、露光中にレーザーの強度を変調させることで、さまざまな形状やパターンを形成できるが、本実施例では、粒状物の状態を分かりやすくするために、パターンとして孤立した円形パターンとした。
次いで、1%硝酸水溶液300gで調製したウェットエッチング液を用いて熱反応型レジスト層を部分的に溶解させた(ウェットエッチング(現像処理))。ウェットエッチングは、23℃において2分間、ウェットエッチング液に熱反応型レジスト層付き基材を浸漬させることにより行った。このようにして実施例4のパターン付き基材を作製した。
次いで、実施例4のパターン付き基材の熱反応型レジスト層をSEMにより測定した。その結果、略円形状の主たるパターン内に、平均粒径150nmの粒状物が凹部の底面及び側面に存在していたことを確認した。
次に、パターン面側に光硬化性樹脂PAK−01(東洋合成工業株式会社製、商品名)を塗布し、さらにその上にポリプロピレンフィルムを貼り付けてからメタルハライドランプを照射し、PAK−01を硬化させた。硬化が終了した後にポリプロピレンフィルムの一端をばねばかりに固定してフィルムを基材から剥がす際に必要な力を求めたところ14Nであった。
次いで、実施例4のパターン付き基材の熱反応型レジスト層をエッチングマスクとして使用して、ガラス基板を以下の条件でドライエッチングした。
エッチングガス種 :CF
エッチングパワー :400W
エッチングガス圧 :5Pa
エッチングガス流量:50sccm
エッチング時間 :15分
その後、ガラス基板から熱反応型レジスト層を1%硫酸により除去して転写用基材を作製した。得られた転写用基材の割断面のSEM像を45°の角度から測定した。その結果、側面がジグザグ状であるパターンが得られていたことが分かり、滑らかな側面よりも表面積の増大していたことが確認された。
次に、パターン面側に光硬化性樹脂PAK−01(東洋合成工業株式会社製、商品名)を塗布し、さらにその上にポリプロピレンフィルムを貼り付けてからメタルハライドランプを照射し、PAK−01を硬化させた。硬化が終了した後にポリプロピレンフィルムの一端をばねばかりに固定してフィルムを基材から剥がす際に必要な力を求めたところ25Nであった。
(比較例1)
実施例3と同じ条件で50mmφのガラス基板上に酸化タングステンの熱反応型レジスト層を形成した。
次いで、熱反応型レジスト層を以下の条件で露光した。
露光用半導体レーザー波長:405nm
レンズ開口数:0.85
露光レーザーパワー:9.2mW
送りピッチ:500nm
なお、露光中にレーザーの強度を変調させることで、さまざまな形状やパターンを形成できるが、本比較例では、粒状物の状態を分かりやすくするために、パターンとして孤立した円形パターンとした。
次いで、2.4%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液300gで調製したウェットエッチング液を用いて熱反応型レジスト層を部分的に溶解させた(ウェットエッチング(現像処理))。ウェットエッチングは、23℃において2分間、ウェットエッチング液に熱反応型レジスト層付き基材を浸漬させることにより行った。このようにして比較例1のパターン付き基材を作製した。
次いで、比較例1のパターン付き基材の熱反応型レジスト層をSEMにより測定した。その結果、略円形状の主たるパターン内には凹部の底面にも側面にも粒状物は確認されなかった。
次に、パターン面側に光硬化性樹脂PAK−01(東洋合成工業株式会社製、商品名)を塗布し、さらにその上にポリプロピレンフィルムを貼り付けてからメタルハライドランプを照射し、PAK−01を硬化させた。硬化が終了した後にポリプロピレンフィルムの一端をばねばかりに固定してフィルムを基材から剥がす際に必要な力を求めたところ6Nであり、実施例3のパターン付き基材の半分程度の力で剥がれてしまった。
次いで、比較例1のパターン付き基材の熱反応型レジスト層をエッチングマスクとして使用して、ガラス基板を以下の条件でドライエッチングした。
エッチングガス種 :CF
エッチングパワー :400W
エッチングガス圧 :5Pa
エッチングガス流量:50sccm
エッチング時間 :15分
その後、ガラス基板から熱反応型レジスト層を1%硫酸により除去して転写用基材を作製した。得られた転写用基材の割断面のSEM像を45°の角度から測定した。その結果、側面はジグザグのない滑らかなパターンが得られていたことが確認された。
次に、パターン面側に光硬化性樹脂PAK−01(東洋合成工業株式会社製、商品名)を塗布し、さらにその上にポリプロピレンフィルムを貼り付けてからメタルハライドランプを照射し、PAK−01を硬化させた。硬化が終了した後にポリプロピレンフィルムの一端をばねばかりに固定してフィルムを基材から剥がす際に必要な力を求めたところ6Nであり、実施例3のパターン付き基材の半分程度の力で剥がれてしまった。このように、略円形状の主たるパターン内には凹部の底面にも側面にも粒状物のない状態では密着力が低下していた。
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態における部材の材質、配置、形状等は例示的なものであり、適宜変更して実施することが可能である。その他、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
本発明に係るパターン付き基材は、表面積の増大したパターンとしてそのまま用いてもよく、エッチングのマスクパターンとしても用いることができ、いずれの場合でも高い密着性等を要求される用途への展開が可能である。
11 基材
11a,12b 凸部
11b,12c 凹部
12 熱反応型レジスト層
12a 変質部
13 粒状物

Claims (10)

  1. 基材と、前記基材上に設けられており、熱反応型レジスト材料で構成され、凸部及び凹部を含むパターンを有する熱反応型レジスト層と、を具備し、前記熱反応型レジスト層は、少なくとも前記熱反応型レジスト材料を含む粒状物を前記凹部に有し、前記粒状物の平均粒径が1nm以上1000nm以下であることを特徴とするパターン付き基材。
  2. 前記粒状物は、前記熱反応型レジスト層に熱を与えた際に前記熱反応型レジスト材料が変質することにより得られることを特徴とする請求項1記載のパターン付き基材。
  3. 前記パターンにおける前記凹部の底部から前記凸部の頂部までの高さの差が5nm以上10000nm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項記載のパターン付き基材。
  4. 前記粒状物が少なくとも金属元素を含むことを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載のパターン付き基材。
  5. 前記パターンが平面視において略格子状又は略ドット状であることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載のパターン付き基材。
  6. 請求項1から請求項のいずれかに記載のパターン付き基材における前記パターンをマスクとして前記基材をエッチングしてなることを特徴とする転写用基材。
  7. 基材上に、熱反応型レジスト材料で構成された熱反応型レジスト層を形成する工程と、前記熱反応型レジスト層に部分的に熱を与えて前記熱反応型レジスト材料を変質させる工程と、変質させた前記熱反応型レジスト層を少なくとも一部除去して、凸部及び少なくとも前記熱反応型レジスト材料を含み、平均粒径が1nm以上1000nm以下である粒状物を有する凹部を含むパターンを形成する工程と、を具備することを特徴とするパターン付き基材の製造方法。
  8. レーザーを用いた露光により、前記熱反応型レジスト層に部分的に熱を与えて前記熱反応型レジスト材料を変質させることを特徴とする請求項記載のパターン付き基材の製造方法。
  9. 前記熱反応型レジスト材料は、前記熱反応型レジスト材料100体積%に対してケイ素、アルミニウム、チタン、ガリウム、タンタル、コバルト、又はそれらの酸化物若しくは窒化物を80体積%以下で含むことを特徴とする請求項又は請求項記載のパターン付き基材の製造方法。
  10. 請求項から請求項のいずれかに記載のパターン付き基材の製造方法により得られたパターン付き基材における前記パターンをマスクとして前記基材をエッチングすることを特徴とする転写用基材の製造方法。
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