JP2014240852A - Fpdの製造方法、貼り合わせの方法、およびfpd貼り合わせ用光硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】光により速硬化が可能で、かつ暗部においても簡易かつ速やかに硬化するFPD貼り合わせ用光硬化性液状組成物であり、かつ意匠部の外観品質が良好なFPDを提供する。
【解決手段】一分子中に重合性の炭素−炭素二重結合を平均して少なくとも一個有する化合物(A)、光重合開始剤(B)、過酸化物系重合開始剤(C)を含有する硬化性組成物(I)と、還元剤(D)を含有する硬化促進剤(II)からなる二液型FPD貼り合わせ用光硬化性組成物を用いる、透光性保護カバー1と画像表示モジュール2とを貼り合わせるFPDの製造方法であって、硬化促進剤(II)を光の到達しない暗部のみに塗布する。
【選択図】図1
【解決手段】一分子中に重合性の炭素−炭素二重結合を平均して少なくとも一個有する化合物(A)、光重合開始剤(B)、過酸化物系重合開始剤(C)を含有する硬化性組成物(I)と、還元剤(D)を含有する硬化促進剤(II)からなる二液型FPD貼り合わせ用光硬化性組成物を用いる、透光性保護カバー1と画像表示モジュール2とを貼り合わせるFPDの製造方法であって、硬化促進剤(II)を光の到達しない暗部のみに塗布する。
【選択図】図1
Description
硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)からなる二液型光硬化性組成物、該硬化性組成物を用いるFPDの製造方法およびFPDの貼り合わせの方法、並びに該硬化性組成物を塗布硬化させて得られるFPDを搭載した電気・電子機器に関する。
携帯電話、タッチパネル等の画像表示部分である液晶モジュールや有機ELモジュールと最上部の透光性保護カバー(PETフィルム、強化ガラス、アクリル板等)間には、従来エアギャップを設けることで、外からの衝撃で、保護カバーが割れた場合でも、液晶モジュールに影響が出ないような構造(エアギャップ構造)になっている。また、近年、一部では液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの視認性向上と耐衝撃性の実現を目的に、光重合性官能基を有するウレタンアクリレート、エポキシアクリレートをバインダーポリマーとする光、特に紫外線(UV)で硬化可能な光学弾性樹脂硬化性組成物が用いられはじめている。しかし、携帯電話、タッチパネルへの意匠性付与を目的とした最表面の保護カバーのデザインの複雑化により、硬化のためのトリガーであるUV光が透過しない領域が増加し、未反応となる部分ができるという不具合が生じている。不具合箇所の具体例としては、液晶パネル、有機ELパネル等のFPD(フラットパネルディスプレイ)と、保護カバーまたはタッチパネルとの貼り合わせや、保護カバーとタッチパネルとの貼りあわせにおいて、保護カバー周縁に加飾目的で施される黒枠(ブラックプリント)、タッチパネルの電極、FPDに接続されたフレキシブルプリント基板(FPC)等、光を透過しない部位の下(暗部)が該当し、光硬化性液状組成物によるFPD貼り合わせにおいて、暗部に未反応の液状組成物が残留、漏出しFPDの汚染を引き起こすという問題があった。その対策として、例えば、UV硬化用の開始剤に加え、熱重合開始剤を添加することで、UV照射後、加熱雰囲気下で完全硬化させる方法が提案されている。但し、本改善方法は、暗部での硬化性が確保できるものの、最前の保護カバーがPETフィルムやアクリル板等のプラスチック材料の場合、加熱により変形、変色することがあり、適応範囲が限定的であることと共に、硬化のためには長時間にわたる加熱が不可欠であり、生産性の点でも改善が必要となっている。
その他の対策として、UV硬化用の開始剤とレドックス型硬化開始剤を併用するものがある(特許文献1〜4)。レドックス型硬化開始剤には例えば有機過酸化物が用いられ、硬化反応促進剤として遷移金属化合物やアミン等の還元性重合促進剤が系中に添加されることで、常温下でも速やかに反応を開始し、暗部をレドックス硬化させる方法がある。通常は有機化酸化物を含む組成物成分と、硬化反応促進剤を含む組成物成分とを別々に用意し、硬化する直前に両者を混合の上、必要箇所に供給する方法がとられる。本方法の利点は、適当な有機化酸化物と硬化反応促進剤を組み合わせることで硬化時間を任意に調整できることであるが、レドックス硬化で得られる硬化物は強い着色や白化を呈することが多く、FPDの貼り合わせのような外観に高い品質が求められる用途への使用が事実上不可能であるという問題があった。
本発明は、前述の問題を解消することを目的とする。すなわち、UV硬化開始剤とレドックス型硬化開始剤を併用する二液型光硬化性組成物によるFPD貼り合わせの方法を用いる、高い外観品質が得られ、かつ暗部も常温下で速やかに硬化するFPDの製造方法、FPD貼り合わせ用光硬化性組成物、およびそれを塗布硬化させて得られるFPDを搭載した電気・電子機器の提供を目的とする。
上記事情を鑑み、本発明者らが鋭意検討をした結果、前述の二液型光硬化性組成物として、光硬化性組成物を一分子中に重合性の炭素−炭素二重結合を平均して少なくとも一個有する化合物(A)、光重合開始剤(B)、過酸化物系重合開始剤(C)を含有する硬化性組成物(I)と、還元剤(D)を含有する硬化促進剤(II)からなる二液型光硬化性組成物を用いるFPDの製造方法であって、硬化促進剤(II)を、透光性保護カバーおよび/又は画像表示モジュールの、透光性保護カバーと画像表示モジュールを貼り合わせた際に光の到達しない暗部になる部分に塗布する工程を有するFPDの製造方法とすることで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の硬化性組成物(I)は、活性エネルギー線の照射によって硬化反応を開始する光重合開始剤(B)と、還元剤を作用させることで硬化反応を開始する過酸化物系重合開始剤(C)を含有することを特徴とする。さらに、上記の二液型光硬化性組成物によるFPD貼り合わせにおいて、暗部に予め還元剤(D)を含有する硬化促進剤(II)を存在させた状態で硬化性組成物(I)を供給、光照射を行なうことで、光が到達する部位は光重合開始剤による光重合反応で、暗部は、硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)が接触することで、それぞれに含有する過酸化物系重合開始剤と還元剤との間で生じる酸化−還元反応によって同過酸化物系重合開始剤よりラジカル活性種を発生し、硬化反応を開始するレドックス重合反応にて、光が到達する部位のみならず暗部をも簡易かつ速やかに硬化させることが可能となった。
さらには、前述のとおり上記レドックス重合反応では硬化物の着色が生じやすく、着色した硬化物がFPDの表示画面上等の意匠面に存在すると外観不良等の問題を引き起こすため、ロボット塗布機等を用いて非意匠部位である暗部にのみ適当量の硬化促進剤(II)を局所的に精密供給、レドックス重合反応の場所を限定的にすることで、着色した硬化物が意匠部に及ばないようにする方法を提供するに至った。
すなわち、一分子中に重合性の炭素−炭素二重結合を平均して少なくとも一個有する化合物(A)、光重合開始剤(B)、および過酸化物系重合開始剤(C)を含有する硬化性組成物(I)と、還元剤(D)を含有する硬化促進剤(II)、からなる二液型光硬化性組成物を用いる、透光性保護カバーと画像表示モジュールとを貼り合わせるFPDの製造方法であって、
硬化促進剤(II)を、透光性保護カバーおよび/又は画像表示モジュールの、透光性保護カバーと画像表示モジュールを貼り合わせた際に光の到達しない暗部になる部分のみに塗布する工程を有することを特徴とするFPDの製造方法に関する。
硬化促進剤(II)を、透光性保護カバーおよび/又は画像表示モジュールの、透光性保護カバーと画像表示モジュールを貼り合わせた際に光の到達しない暗部になる部分のみに塗布する工程を有することを特徴とするFPDの製造方法に関する。
さらに、硬化性組成物(I)を、透光性保護カバーおよび/又は画像表示モジュールの、硬化促進剤(II)と接触しない部分に塗布する工程を有することが好ましい。
硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)を透光性保護カバーおよび/又は画像表示モジュールに塗布した後、透光性保護カバーと画像表示モジュールを貼り合わせて硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)とを接触させる工程を有することが好ましい。
透光性保護カバーと画像表示モジュールを貼り合わせた後、光照射を行なう工程を有することが好ましい。
透光性保護カバー又は画像表示モジュールの一方にのみ、硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)を塗布することが好ましい。
透光性保護カバー又は画像表示モジュールの一方に硬化性組成物(I)を、他方に硬化促進剤(II)を塗布することが好ましい。
透光性保護カバーおよび画像表示モジュールの両方に硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)をそれぞれ塗布することが好ましい。
一分子中に重合性の炭素−炭素二重結合を平均して少なくとも一個有する化合物(A)が有機重合体であることが好ましい。
有機重合体が(メタ)アクリル系重合体であることが好ましい。
一分子中に重合性の炭素−炭素二重結合を平均して少なくとも一個有する化合物(A)、光重合開始剤(B)、および過酸化物系重合開始剤(C)を含有する硬化性組成物(I)と、還元剤(D)を含有する硬化促進剤(II)、からなる二液型硬化性組成物を介して、透光性保護カバーと画像表示モジュールとを貼り合わせるFPDの貼り合わせの方法であって、硬化促進剤(II)を、透光性保護カバーおよび/又は画像表示モジュールの、透光性保護カバーと画像表示モジュールを貼り合わせた際に光の到達しない暗部になる部分に塗布し、硬化性組成物(I)を透光性保護カバーおよび/又は画像表示モジュールの、硬化促進剤(II)と接触しない部分に塗布し、透光性保護カバーと画像表示モジュールを貼り合わせて硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)とを接触させることを特徴とするFPDの貼り合わせの方法に関する。
一分子中に重合性の炭素−炭素二重結合を平均して少なくとも一個有するアクリル系重合体(A)、光重合開始剤(B)、および過酸化物系重合開始剤(C)を含有する硬化性組成物(I)と、
還元剤(D)を含有する硬化促進剤(II)、
からなることを特徴とする二液型FPD貼り合わせ用光硬化性組成物に関する。
還元剤(D)を含有する硬化促進剤(II)、
からなることを特徴とする二液型FPD貼り合わせ用光硬化性組成物に関する。
(A)成分の重合性の炭素−炭素二重結合が、一般式(1)
−OC(O)C(Ra)=CH2 (1)
(式中、Raは水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わす)
で表される基であることが好ましい。
−OC(O)C(Ra)=CH2 (1)
(式中、Raは水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わす)
で表される基であることが好ましい。
(C)成分の過酸化物系重合開始剤がクメンヒドロキシパーオキサイドであることが好ましい。
(D)成分の還元剤が第4周期の遷移金属化合物および/またはアミン化合物であることが好ましい。
上記に記載のFPD貼り合わせ用光硬化性組成物を塗布、硬化させて得られるフラットパネルディスプレイを搭載した電気・電子機器に関する。
本発明によって、光により速硬化が可能で、かつ暗部においても簡易かつ速やかに硬化するFPD貼り合わせ用光硬化性組成物を得ることができる。さらには、同光硬化性組成物による本発明のFPDの貼り合わせの方法によって、暗部での過酸化物系重合開始剤によるレドックス重合反応で硬化物の着色が生じても、レドックス重合反応の場所を非意匠部である暗部に特定することが可能であり、意匠部の外観品質が良好なFPDを提供することができる。
以下に本発明の二液型光硬化性液状組成物、および該液状組成物を用いたFPDの製造方法について詳述する。
二液型光硬化性組成物
本発明のFPD貼り合わせ用二液型光硬化性組成物は、一分子中に重合性の炭素−炭素二重結合を平均して少なくとも一個有する化合物(A)、光重合開始剤(B)、過酸化物系重合開始剤(C)を含有する硬化性組成物(I)と、還元剤(D)を含有する硬化促進剤(II)からなることを特徴とする。
まず、二液型光硬化性組成物の中の硬化性組成物(I)について詳述する。
本発明のFPD貼り合わせ用二液型光硬化性組成物は、一分子中に重合性の炭素−炭素二重結合を平均して少なくとも一個有する化合物(A)、光重合開始剤(B)、過酸化物系重合開始剤(C)を含有する硬化性組成物(I)と、還元剤(D)を含有する硬化促進剤(II)からなることを特徴とする。
まず、二液型光硬化性組成物の中の硬化性組成物(I)について詳述する。
<<化合物(A)>>
一分子中に重合性の炭素−炭素二重結合を平均して少なくとも一個有する化合物(A)の重合性の炭素−炭素二重結合は、特に限定されないが、一般式(1)
−OC(O)C(Ra)=CH2 (1)
(式中、Raは水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わす)
で表される(メタ)アクリロイル基が好ましい。
一分子中に重合性の炭素−炭素二重結合を平均して少なくとも一個有する化合物(A)の重合性の炭素−炭素二重結合は、特に限定されないが、一般式(1)
−OC(O)C(Ra)=CH2 (1)
(式中、Raは水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わす)
で表される(メタ)アクリロイル基が好ましい。
また、化合物(A)1分子中に存在する(メタ)アクリロイル基の数は、特に限定されないが、1個を超え6個以下が好ましい。(メタ)アクリル系重合体(A)1分子中に存在する(メタ)アクリロイル基が1個以下になると、硬化性組成物の硬化が不充分になる傾向があり、得られる硬化物は、網目構造が不完全なものとなり、良好な成形体が得られない傾向がある。また、(メタ)アクリル系重合体(A)1分子中に存在する(メタ)アクリロイル基が多くなると、得られる硬化物の網目構造があまりに密となるため、成形体は硬く脆くなる傾向がある。特に、6個以上になるとその傾向は顕著となる。
また、(A)成分の重合性の炭素−炭素二重結合は、有機重合体の場合には、主鎖中、分子鎖末端いずれにあっても構わないが、分子鎖末端にあることが好ましい。
化合物(A)は、低分子量化合物、有機重合体の何れであっても構わないが、柔軟性、耐久性、硬化性のバランスの点で、有機重合体であることが好ましい。
有機重合体とは、有機化合物の繰り返し単位を伴う構造で、2〜100の繰り返し単位からなる化合物を指す。低分子量化合物とは、有機重合体以外の構造で基本的に繰り返し単位を伴わない構造の化合物である。
上記有機重合体としては、(飽和)炭化水素系重合体、ポリオキシアルキレン系重合体、液状シリコーン系重合体、液状ウレタン系重合体、(メタ)アクリル系重合体から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、(メタ)アクリル系重合体がより好ましい。
(飽和)炭化水素系重合体としては、(1)エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレンなどのような炭素数2〜6のオレフィン系化合物を主成分として重合させる、(2)ブタジエン、イソプレンなどのようなジエン系化合物を単独重合させたり、上記オレフィン系化合物とジエン系化合物とを共重合させたりする方法や、さらに得られた重合体を水素添加する、などの方法により得ることができるが、末端に官能基を導入しやすい、分子量を制御しやすい、末端官能基の数を多くすることができるなどの点から、イソブチレン系重合体、(水添)ポリブタジエン系重合体あるいは(水添)ポリイソプレン系重合体であるのが好ましい。
飽和炭化水素系重合体の数平均分子量は500〜50,000程度であるのが好ましく、とくに1,000〜20,000程度の液状ないし流動性を有するものが取扱いやすいなどの点から、好ましい。
ポリオキシアルキレン系重合体としては、特に制限はなく、公知のものがあげられる。具体的には、重合体の主鎖骨格が、一般式(2)で示される繰り返し単位を有するものがあげられる。
−R1−O− (2)
(式中、R1は2価のアルキレン基)。
−R1−O− (2)
(式中、R1は2価のアルキレン基)。
一般式(2)中に記載のR1としては、2価のアルキレン基ならば特に限定されず、このなかでも炭素数1〜14のアルキレン基が好ましく、2〜4の、直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基がより好ましい。一般式(5)記載の繰り返し単位としては、特に限定されず、たとえば、−CH2O−、−CH2CH2O−、−CH2CH(CH3)O−、−CH2CH(C2H5)O−、−CH2C(CH3)2O−、−CH2CH2CH2CH2O−等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン系重合体の数平均分子量は特に制限はないが、GPCで測定した場合に、500〜1,000,000であり、1,000〜100,000がより好ましい。
液状シリコーン系重合体としては、特に制限はなく、公知のものがあげられる。
このような液状シリコーン系重合体の分子構造としては、例えば、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなる直鎖状、環状、分岐鎖状、三次元網状重合体が挙げられる。液状シリコーン系重合体の分子構造は通常は直鎖状であるが、環状、分岐鎖状、三次元網状でもよい。
液状シリコーン系重合体の数平均分子量は特に制限はないが、GPCで測定した場合に、500〜1,000,000であり、3,000〜100,000がより好ましい。
液状ポリウレタン系重合体としては、特に制限はなく、公知のものがあげられる。
このような液状ポリウレタン系重合体の分子構造としては、例えば、ポリイソシアネートおよび活性水素含有化合物を構成成分とし、両者が(チオ)ウレタン結合またはウレア結合によって重合体化されたものがあげられる。
ポリイソシアネートとしては、特に制限はなく、例えば脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、芳香族ポリイソシアネートが挙げられる。より具体的には、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソジアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、1,3−若しくは1,4−キシリレンジイソシアネート、ω,ω′−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−若しくは1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−トルイジンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート等、ポリメチレンポリ(フェニルイソシアネート)、または、これらのポリイソシアネートを化学的に変性したもの、これらのイソシアネート化合物とポリオール等の反応物を挙げることができ、これらのポリイソシアネート類を2種以上用いてもよい。
また、活性水素含有化合物としては、特に制限はなく、例えばポリエーテルポリオールもしくはポリエステルポリオール、ポリアミン、ポリチオール等を挙げることができる。より具体的には、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリオキシヘキシレン、ポリオキシテトラメチレン、1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン、1,3−エタンジチオール、(±)−ジチオトレイトール、ジチオエリトリトール、3,4−ジメルカプトトルエンなどを挙げることができ、これら活性水素含有化合物を2種以上用いても良い。
液状ポリウレタン系重合体の分子構造は通常は直鎖状であるが、環状、分岐鎖状、三次元網状でもよい。
液状ポリウレタン系重合体の分子構造は通常は直鎖状であるが、環状、分岐鎖状、三次元網状でもよい。
液状ポリウレタン系重合体の数平均分子量は特に制限はないが、GPCで測定した場合に、500〜1,000,000であり、3,000〜100,000がより好ましい。
(メタ)アクリル系重合体としては、主として(メタ)アクリル酸エステルからなる有機重合体である。ここで「主として」とは、(メタ)アクリル系重合体を構成するモノマー単位のうち、50モル%以上が(メタ)アクリル酸エステル系モノマーであることを意味し、好ましくは70モル%以上である。
(メタ)アクリル系重合体の分子量分布、即ち、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、特に限定されないが、好ましくは1.8未満であり、より好ましくは1.7以下であり、さらに好ましくは1.6以下であり、よりさらに好ましくは1.5以下であり、特に好ましくは1.4以下であり、最も好ましくは1.3以下である。分子量分布が1.8以上であると粘度が増大し、取り扱いが困難になる傾向にある。なお、本発明でのGPC測定は、移動相としてクロロホルムを用い、測定はポリスチレンゲルカラムにて行い、数平均分子量等はポリスチレン換算で求めることができる。
(メタ)アクリル系重合体の数平均分子量は特に制限はないが、GPCで測定した場合に、500〜1,000,000の範囲である、3,000〜200,000がより好ましく、5,000〜160,000がさらに好ましく、8,000〜100,000がなおさら好ましい。分子量が低くなりすぎると、(メタ)アクリル系重合体の本来の特性が発現されにくい傾向があり、一方、高くなりすぎると、取り扱いが困難になる傾向がある。
(メタ)アクリル系重合体は、一種類、または複数種類の(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの(共)重合体であることが好ましいが、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーと共重合が可能な他モノマー成分を共重合してもよい。(メタ)アクリル酸エステル系モノマー成分は特に限定されず各種のものを用いることができる。具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等がある。
特に好ましい(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、アクリル酸アルキルエステルモノマーが挙げられ、具体的には、アクリル酸エチル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−メトキシブチルである。
また、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーと共重合が可能な他モノマー成分は特に限定されず各種のものを用いることができる。具体的には、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等の芳香族ビニル系モノマー;パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニル系モノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等が挙げられる。これらは、単独で用いても良いし、複数を共重合させても構わない。
これらの1分子中に(メタ)アクリロイル基を平均して少なくとも一個有する(メタ)アクリル系重合体は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(メタ)アクリル系重合体(A)は、種々の重合法により得ることができ、特に限定されないが、モノマーの汎用性、制御の容易性等の点からラジカル重合法が好ましく、ラジカル重合の中でも制御ラジカル重合がより好ましい。この制御ラジカル重合法は「連鎖移動剤法」とリビング重合の一種である「リビングラジカル重合法」とに分類することができる。得られるビニル系重合体の分子量、分子量分布の制御が容易であるリビングラジカル重合がさらに好ましく、原料の入手性、重合体末端への官能基導入の容易さから原子移動ラジカル重合が特に好ましい。上記ラジカル重合、制御ラジカル重合、連鎖移動剤法、リビングラジカル重合法、原子移動ラジカル重合は公知の重合法ではあるが、これら各重合法については、たとえば、特開2005−232419号公報や、特開2006−291073号公報などの記載を参照できる。
本発明における好ましい合成法の一つである、原子移動ラジカル重合について以下に簡単に説明する。
原子移動ラジカル重合では、有機ハロゲン化物、特に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物(例えば、α位にハロゲンを有するカルボニル化合物や、ベンジル位にハロゲンを有する化合物)、あるいはハロゲン化スルホニル化合物等が開始剤として用いられることが好ましい。具体的には特開2005−232419号公報段落[0040]〜[0064]記載の化合物が挙げられる。
ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を1分子内に2つ以上有するビニル系重合体を得るためには、2つ以上の開始点を持つ有機ハロゲン化物、又はハロゲン化スルホニル化合物を開始剤として用いるのが好ましい。具体的に例示するならば、
原子移動ラジカル重合において用いられるビニル系モノマーとしては特に制約はなく、上述したビニル系モノマーをすべて好適に用いることができる。
重合触媒として用いられる遷移金属錯体としては特に限定されないが、好ましくは周期律表第7族、8族、9族、10族、又は11族元素を中心金属とする金属錯体でありより好ましくは0価の銅、1価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄又は2価のニッケルを中心金属とする遷移金属錯体、特に好ましくは銅の錯体が挙げられる。銅の錯体を形成するために使用される1価の銅化合物を具体的に例示するならば、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一銅、酸化第一銅、過塩素酸第一銅等である。銅化合物を用いる場合、触媒活性を高めるために2,2’−ビピリジル若しくはその誘導体、1,10−フェナントロリン若しくはその誘導体、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン若しくはヘキサメチルトリス(2−アミノエチル)アミン等のポリアミン等が配位子として添加される。
重合反応は、無溶媒でも可能であるが、各種の溶媒中で行うこともできる。溶媒の種類としては特に限定されず、特開2005−232419号公報段落[0067]記載の溶剤が挙げられる。これらは、単独でもよく、2種以上を併用してもよい。また、エマルジョン系もしくは超臨界流体CO2を媒体とする系においても重合を行うことができる。重合温度は、限定はされないが、0〜200℃の範囲で行うことができ、好ましくは、室温〜150℃の範囲である。
(メタ)アクリル系重合体への重合性の炭素−炭素二重結合を導入する方法としては、公知の方法を利用することができる。例えば、特開2004−203932号公報段落[0080]〜[0091]記載の方法が挙げられるが、以下の方法が好ましい。
(導入方法1)
一般式(3)の(メタ)アクリル系重合体の末端ハロゲン基を、一般式(4)の重合性の炭素−炭素二重結合を有する化合物で置換する方法。
−CR2R3X (3)
(式中、R2、R3は、(メタ)アクリル系モノマーのエチレン性不飽和基に結合した基。Xは、塩素、臭素、又は、ヨウ素を表す。)
M+−OC(O)C(Ra)=CH2 (4)
(式中、Raは水素、または、炭素数1〜20の有機基を表す。M+はアルカリ金属、または4級アンモニウムイオンを表す。)
一般式(3)で表される末端構造を有する(メタ)アクリル系重合体は、上述した有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属錯体を触媒として(メタ)アクリル系モノマーを重合する方法、あるいは、ハロゲン化合物を連鎖移動剤として(メタ)アクリル系モノマーを重合する方法により製造されるが、好ましくは前者である。
一般式(3)の(メタ)アクリル系重合体の末端ハロゲン基を、一般式(4)の重合性の炭素−炭素二重結合を有する化合物で置換する方法。
−CR2R3X (3)
(式中、R2、R3は、(メタ)アクリル系モノマーのエチレン性不飽和基に結合した基。Xは、塩素、臭素、又は、ヨウ素を表す。)
M+−OC(O)C(Ra)=CH2 (4)
(式中、Raは水素、または、炭素数1〜20の有機基を表す。M+はアルカリ金属、または4級アンモニウムイオンを表す。)
一般式(3)で表される末端構造を有する(メタ)アクリル系重合体は、上述した有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属錯体を触媒として(メタ)アクリル系モノマーを重合する方法、あるいは、ハロゲン化合物を連鎖移動剤として(メタ)アクリル系モノマーを重合する方法により製造されるが、好ましくは前者である。
一般式(4)で表される化合物としては特に限定されないが、Raの具体例としては、例えば、−H、−CH3、−CH2CH3、−(CH2)nCH3(nは2〜19の整数を表す)、−C6H5、−CH2OH、−CN、等が挙げられ、好ましくは−H、−CH3である。
M+はオキシアニオンの対カチオンであり、M+の種類としてはアルカリ金属イオン、具体的にはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、および4級アンモニウムイオンが挙げられる。4級アンモニウムイオンとしてはテトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラベンジルアンモニウムイオン、トリメチルドデシルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンおよびジメチルピペリジニウムイオン等が挙げられ、好ましくはナトリウムイオン、カリウムイオンである。一般式(4)のオキシアニオンの使用量は、一般式(3)のハロゲン基に対して、好ましくは1〜5当量、更に好ましくは1.0〜1.2当量である。この反応を実施する溶媒としては特に限定はされないが、求核置換反応であるため極性溶媒が好ましく、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、アセトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、アセトニトリル、等が用いられる。反応を行う温度は限定されないが、一般に0〜150℃で、重合性の末端基を保持するために好ましくは室温〜100℃で行う。
(導入方法2)
末端に水酸基を有する(メタ)アクリル系重合体に一般式(5)で示される化合物を反応させる方法。XC(O)C(Ra)=CH2 (5)
(式中、Raは水素、または、炭素数1〜20の有機基を表す。Xは塩素、臭素、または水酸基を表す。)
末端に水酸基を有する(メタ)アクリル系重合体に一般式(5)で示される化合物を反応させる方法。XC(O)C(Ra)=CH2 (5)
(式中、Raは水素、または、炭素数1〜20の有機基を表す。Xは塩素、臭素、または水酸基を表す。)
(導入方法3)
末端に水酸基を有する(メタ)アクリル系重合体に、ジイソシアネート化合物を反応させ、残存イソシアネート基と下記一般式(6)で示される化合物とを反応させる方法。
HO−Rb−OC(O)C(Ra)=CH2 (6)
(式中、Raは水素、または、炭素数1〜20の有機基を表す。Rbは炭素数2〜20の2価の有機基を表す。)
これらの方法の中でも、制御が容易である点から、(導入方法1)が最も好ましい。
末端に水酸基を有する(メタ)アクリル系重合体に、ジイソシアネート化合物を反応させ、残存イソシアネート基と下記一般式(6)で示される化合物とを反応させる方法。
HO−Rb−OC(O)C(Ra)=CH2 (6)
(式中、Raは水素、または、炭素数1〜20の有機基を表す。Rbは炭素数2〜20の2価の有機基を表す。)
これらの方法の中でも、制御が容易である点から、(導入方法1)が最も好ましい。
<<光重合開始剤(B)>>
本発明の硬化性組成物には、速く硬化させたり、充分な性状の硬化物を得たりするために光重合開始剤(B)を使用する。
本発明の硬化性組成物には、速く硬化させたり、充分な性状の硬化物を得たりするために光重合開始剤(B)を使用する。
光重合開始剤(B)としては、光ラジカル開始剤、光アニオン開始剤、近赤外光重合開始剤等が挙げられ、光ラジカル開始剤、光アニオン開始剤が好ましく、光ラジカル開始剤が特に好ましい。
光ラジカル開始剤としては、例えば、アセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、キサントール、フルオレイン、ベンズアルデヒド、アンスラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−メチルアセトフェノン、3−ペンチルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、4−メトキシアセトフェノン、3−ブロモアセトフェノン、4−アリルアセトフェノン、p−ジアセチルベンゼン、3−メトキシベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−クロロ−4’−ベンジルベンゾフェノン、3−クロロキサントーン、3,9−ジクロロキサントーン、3−クロロ−8−ノニルキサントーン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、ベンジルメトキシケタール、2−クロロチオキサントーン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ジベンゾイル等が挙げられる。
これらのうち、α−ヒドロキシケトン化合物(例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン等)、フェニルケトン誘導体(例えば、アセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、3−メチルアセトフェノン、4−メチルアセトフェノン、3−ペンチルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、4−メトキシアセトフェノン、3−ブロモアセトフェノン、4−アリルアセトフェノン、3−メトキシベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−クロロ−4’−ベンジルベンゾフェノン、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン等)が好ましい。
なお、前記光重合開始剤を使用する場合、必要により、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン、パラターシャリーブチルカテコール等の重合禁止剤類を添加することもできる。
光重合開始剤(B)の添加量は特に制限はないが、硬化性と貯蔵安定性の点から、(A)成分100重量部に対して、0.001〜10重量部が好ましい。
<<過酸化物系重合開始剤(C)>>
本発明の(C)成分の過酸化物系開始剤としては、特に限定されるわけではないが、
公知の過酸化物を任意に用いることができる。これらの過酸化物系開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上併用しても良い。例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の無機化酸化物開始剤や、有機過酸化物開始剤、例えば、t−ブチルハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシデカノエート等のパーオキシエステル類;1,5−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール類;アセト酢酸エチルパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;過酸化ベンゾイル等のジアシルパーオキサイド類が挙げられる。これらのうち、硬化性と貯蔵安定性の点から、有機過酸化物開始剤が好ましく、ハイドロパーオキサイド類がより好ましい、中でもクメンハイドロパーオキサイドが特に好ましい。
(C)成分の配合量としては、硬化性と貯蔵安定性の観点から、 (A)成分100重量部に対して、好ましくは0.01〜20重量部、より好ましくは0.1〜10重量部である。
本発明の(C)成分の過酸化物系開始剤としては、特に限定されるわけではないが、
公知の過酸化物を任意に用いることができる。これらの過酸化物系開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上併用しても良い。例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の無機化酸化物開始剤や、有機過酸化物開始剤、例えば、t−ブチルハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシデカノエート等のパーオキシエステル類;1,5−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール類;アセト酢酸エチルパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;過酸化ベンゾイル等のジアシルパーオキサイド類が挙げられる。これらのうち、硬化性と貯蔵安定性の点から、有機過酸化物開始剤が好ましく、ハイドロパーオキサイド類がより好ましい、中でもクメンハイドロパーオキサイドが特に好ましい。
(C)成分の配合量としては、硬化性と貯蔵安定性の観点から、 (A)成分100重量部に対して、好ましくは0.01〜20重量部、より好ましくは0.1〜10重量部である。
以下に硬化促進剤(II)について詳述する。
<<還元剤(D)>>
本発明の(D)成分の還元剤は、先に記載の(C)成分の過酸化物系開始剤に作用し、両者の間で生じる酸化−還元反応によって同過酸化物系重合開始剤よりラジカル活性種を発生し、硬化反応を開始するレドックス重合反応の反応開始剤として使用する。本発明の(D)成分である還元剤としては、特に、限定されるわけではないが、公知のものを任意に用いることができる。これらの還元剤の具体例は以下に詳述するが、単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても良い。例えば、銅、亜鉛、アルミニウム、チタニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル等、第4周期の遷移金属を含む金属化合物、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、エチレンジエタノールアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルトルイジン、等のアミン化合物、メチルチオ尿素、ジエチルチオ尿素、アセチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、エチレンチオ尿素等のチオ尿素化合物、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)等のチオール化合物、らが挙げられる。これらのうち、硬化性、溶解性、貯蔵安定性の点から、第4周期の遷移金属を含む金属化合物、アミン化合物が好ましい。
本発明の(D)成分の還元剤は、先に記載の(C)成分の過酸化物系開始剤に作用し、両者の間で生じる酸化−還元反応によって同過酸化物系重合開始剤よりラジカル活性種を発生し、硬化反応を開始するレドックス重合反応の反応開始剤として使用する。本発明の(D)成分である還元剤としては、特に、限定されるわけではないが、公知のものを任意に用いることができる。これらの還元剤の具体例は以下に詳述するが、単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても良い。例えば、銅、亜鉛、アルミニウム、チタニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル等、第4周期の遷移金属を含む金属化合物、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、エチレンジエタノールアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルトルイジン、等のアミン化合物、メチルチオ尿素、ジエチルチオ尿素、アセチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、エチレンチオ尿素等のチオ尿素化合物、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)等のチオール化合物、らが挙げられる。これらのうち、硬化性、溶解性、貯蔵安定性の点から、第4周期の遷移金属を含む金属化合物、アミン化合物が好ましい。
また、上記の硬化促進剤(II)には、必要に応じて、成分(A)およびその他配合剤を添加してもかまわない。
<<配合剤>>
本発明の二液型硬化性液状組成物においては、その成分である硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)に目的とする物性に応じて、各種の配合剤を添加しても構わない。
本発明の二液型硬化性液状組成物においては、その成分である硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)に目的とする物性に応じて、各種の配合剤を添加しても構わない。
<<重合性の基を有するオリゴマー及び/又はモノマー>>
本発明の硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)には、本発明の効果を損なわない範囲で重合性の基を有するオリゴマー、及び/又はモノマーを添加しても構わない。ラジカル重合性の基を有する、モノマー及び/又はオリゴマー、あるいは、アニオン重合性の基を有する、モノマー及び/又はオリゴマーが、硬化性の点から好ましい。
本発明の硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)には、本発明の効果を損なわない範囲で重合性の基を有するオリゴマー、及び/又はモノマーを添加しても構わない。ラジカル重合性の基を有する、モノマー及び/又はオリゴマー、あるいは、アニオン重合性の基を有する、モノマー及び/又はオリゴマーが、硬化性の点から好ましい。
前記ラジカル重合性の基としては、(メタ)アクリル基等の(メタ)アクリロイル系基、スチレン基、アクリロニトリル基、ビニルエステル基、N−ビニルピロリドン基、アクリルアミド基、共役ジエン基、ビニルケトン基、塩化ビニル基等が挙げられる。なかでも、本発明に使用するビニル系重合体と類似する(メタ)アクリロイル系基を有するものが好ましい。
前記アニオン重合性の基としては、(メタ)アクリル基等の(メタ)アクリロイル系基、スチレン基、アクリロニトリル基、N−ビニルピロリドン基、アクリルアミド基、共役ジエン基、ビニルケトン基等が挙げられる。なかでも、本発明に使用するビニル系重合体と類似する(メタ)アクリロイル系基を有するものが好ましい。
前記モノマーの具体例としては、特開2006−265488号公報段落[0123]〜[0131]記載のものが挙げられる。
前記オリゴマーとしては、特開2006−265488号公報段落[0132]記載のものが挙げられる。
上記のうち、(メタ)アクリロイル系基を有する、モノマー及び/又はオリゴマーが好ましい。また、(メタ)アクリロイル系基を有するモノマー及び/又はオリゴマーの数平均分子量は、3000以下であるが、さらに、表面硬化性の向上や、作業性向上のための粘度低減のために、モノマーを用いる場合には、分子量が1000以下であることが、相溶性が良好であるという理由からさらに好ましい。
硬化性組成物(I)及び/又は硬化促進剤(II)に用いる重合性のモノマー及び/又はオリゴマーの使用の合計量としては、硬化収縮率の低下の観点から、硬化性組成物(I)及び/又は硬化促進剤(II)に含まれる(A)成分合計100重量部(以下、単に部ともいう)に対して、200部以下が好ましく、100部以下がより好ましい。
<充填材>
本発明の硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)には、充填材を必要に応じて用いてもよい。充填材としては、特に限定されないが特開2005−232419号公報段落[0158]記載の充填材が挙げられる。これら充填材のうちでは、結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク等が好ましい。
本発明の硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)には、充填材を必要に応じて用いてもよい。充填材としては、特に限定されないが特開2005−232419号公報段落[0158]記載の充填材が挙げられる。これら充填材のうちでは、結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク等が好ましい。
上記充填材は、目的や必要に応じて単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。硬化性組成物(I)及び/又は硬化促進剤(II)に充填材を用いる場合の添加量の合計は、硬化性組成物(I)及び/又は硬化促進剤(II)に含まれる(A)成分合計100重量部に対して、充填材を5〜1000重量部の範囲で使用するのが好ましく、20〜500重量部の範囲で使用するのがより好ましく、40〜300重量部の範囲で使用するのが特に好ましい。配合量が5重量部未満の場合には、硬化物の破断強度、破断伸び、接着性と耐候接着性の改善効果が充分でないことがあり、1000重量部を越えると該硬化性組成物の作業性が低下することがある。
<酸化防止剤>
本発明の硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)には、各種酸化防止剤を必要に応じて用いてもよい。これらの酸化防止剤としては、p−フェニレンジアミン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤や、二次酸化防止剤としてリン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)には、各種酸化防止剤を必要に応じて用いてもよい。これらの酸化防止剤としては、p−フェニレンジアミン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤や、二次酸化防止剤としてリン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられる。
硬化性組成物(I)及び/又は硬化促進剤(II)に添加される場合の酸化防止剤の合計量は、特に限定されないが、硬化性組成物(I)及び/又は硬化促進剤(II)に含まれる(A)成分合計100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、更に好ましくは0.5〜5重量部の範囲で使用できる。
<可塑剤>
本発明の硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)には、必要に応じて可塑剤を配合することができる。
可塑剤としては特に限定されないが、物性の調整、性状の調節等の目的により、例えば、特開2005−232419号公報段落[0173]記載の可塑剤が挙げられる。これらの中では、粘度の低減効果が顕著であり、耐熱性試験時における揮散率が低いという点から、ポリエステル系可塑剤、ビニル系重合体が好ましい。また、数平均分子量500〜15000の重合体である高分子可塑剤が、添加することにより、該硬化性組成物の粘度及び該硬化性組成物を硬化して得られる硬化物の引張り強度、伸び等の機械特性が調整できるとともに、重合体成分を分子中に含まない可塑剤である低分子可塑剤を使用した場合に比較して、初期の物性を長期にわたり維持できるため好適である。なお、限定はされないがこの高分子可塑剤は、官能基を有しても有しなくても構わない。
本発明の硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)には、必要に応じて可塑剤を配合することができる。
可塑剤としては特に限定されないが、物性の調整、性状の調節等の目的により、例えば、特開2005−232419号公報段落[0173]記載の可塑剤が挙げられる。これらの中では、粘度の低減効果が顕著であり、耐熱性試験時における揮散率が低いという点から、ポリエステル系可塑剤、ビニル系重合体が好ましい。また、数平均分子量500〜15000の重合体である高分子可塑剤が、添加することにより、該硬化性組成物の粘度及び該硬化性組成物を硬化して得られる硬化物の引張り強度、伸び等の機械特性が調整できるとともに、重合体成分を分子中に含まない可塑剤である低分子可塑剤を使用した場合に比較して、初期の物性を長期にわたり維持できるため好適である。なお、限定はされないがこの高分子可塑剤は、官能基を有しても有しなくても構わない。
上記高分子可塑剤の数平均分子量は、500〜15000と記載したが、好ましくは800〜10000であり、より好ましくは1000〜8000である。分子量が低すぎると熱にさらされたり液体に接した場合に可塑剤が経時的に流出し、初期の物性を長期にわたり維持できないことがある。また、分子量が高すぎると粘度が高くなり、作業性が低下する傾向がある。
これらの高分子可塑剤のうちで、ビニル系重合体と相溶するものが好ましい。中でも相溶性及び耐候性、耐熱老化性の点からビニル系重合体が好ましい。ビニル系重合体の中でも(メタ)アクリル系重合体が好ましく、アクリル系重合体がさらに好ましい。このアクリル系重合体の合成法は、従来からの溶液重合で得られるものや、無溶剤型アクリルポリマー等を挙げることができる。後者のアクリル系可塑剤は溶剤や連鎖移動剤を使用せず高温連続重合法(USP4414370、特開昭59−6207号公報、特公平5−58005号公報、特開平1−313522号公報、USP5010166)にて作製されるため、本発明の目的にはより好ましい。その例としては特に限定されないが、東亞合成品UPシリーズ等が挙げられる(工業材料1999年10月号参照)。勿論、他の合成法としてリビングラジカル重合法をも挙げることができる。この方法によれば、その重合体の分子量分布が狭く、低粘度化が可能なことから好ましく、更には原子移動ラジカル重合法がより好ましいが、これに限定されるものではない。
高分子可塑剤の分子量分布は特に限定されないが、狭いことが好ましく、1.8未満が好ましい。1.7以下がより好ましく、1.6以下がなお好ましく、1.5以下がさらに好ましく、1.4以下が特に好ましく、1.3以下が最も好ましい。
上記高分子可塑剤を含む可塑剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよいが、必ずしも必要とするものではない。また必要によっては高分子可塑剤を用い、物性に悪影響を与えない範囲で低分子可塑剤を更に併用しても良い。なおこれら可塑剤は、重合体製造時に配合することも可能である。
硬化性組成物(I)及び/又は硬化促進剤(II)に可塑剤を用いる場合の合計使用量は、限定されないが、硬化性組成物(I)及び/又は硬化促進剤(II)に含まれる(A)成分合計100重量部に対して、好ましくは1〜100重量部、より好ましくは5〜50重量部である。1重量部未満では可塑剤としての効果が発現しにくい傾向があり、100重量部を越えると硬化物の機械強度が不足する傾向がある。
<反応性希釈剤>
上記可塑剤以外に、本発明においては、次に述べる反応性希釈剤を用いても構わない。反応性希釈剤として、硬化養生中に揮発し得るような低沸点の化合物を用いた場合は、硬化前後で形状変化を起こしたり、揮発物により環境にも悪影響を及ぼしたりすることから、常温での沸点が100℃以上である有機化合物が特に好ましい。
上記可塑剤以外に、本発明においては、次に述べる反応性希釈剤を用いても構わない。反応性希釈剤として、硬化養生中に揮発し得るような低沸点の化合物を用いた場合は、硬化前後で形状変化を起こしたり、揮発物により環境にも悪影響を及ぼしたりすることから、常温での沸点が100℃以上である有機化合物が特に好ましい。
反応性希釈剤の具体例としては、1−オクテン、4−ビニルシクロヘキセン、酢酸アリル、1,1−ジアセトキシ−2−プロペン、1−ウンデセン酸メチル、8−アセトキシ−1,6−オクタジエン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
硬化性組成物(I)及び/又は硬化促進剤(II)に反応性希釈剤を用いる場合の添加量の合計は、硬化性組成物(I)及び/又は硬化促進剤(II)に含まれる(A)成分合計100重量部に対し、好ましくは0.1〜100重量部、より好ましくは0.5〜70重量部、さらに好ましくは1〜50重量部である。
<光安定剤>
本発明の硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)には、必要に応じて光安定剤を添加しても良い。光安定剤は各種のものが知られており、例えば大成社発行の「酸化防止剤ハンドブック」、シーエムシー化学発行の「高分子材料の劣化と安定化」(235〜242)等に記載された種々のものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
本発明の硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)には、必要に応じて光安定剤を添加しても良い。光安定剤は各種のものが知られており、例えば大成社発行の「酸化防止剤ハンドブック」、シーエムシー化学発行の「高分子材料の劣化と安定化」(235〜242)等に記載された種々のものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
特に限定はされないが、光安定剤の中でも、紫外線吸収剤が好ましく、具体的には、チヌビンP、チヌビン234、チヌビン320、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン329、チヌビン213(以上いずれも日本チバガイギー社製)等のようなベンゾトリアゾール系化合物やチヌビン1577等のようなトリアジン系、CHIMASSORB81等のようなベンゾフェノン系、チヌビン120(日本チバガイギー社製)等のようなベンゾエート系化合物等が例示できる。
また、ヒンダードアミン系化合物も好ましく、そのような化合物は具体的には特開2006−274084号公報記載のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。更には紫外線吸収剤とヒンダードアミン系化合物の組み合わせはより効果を発揮することがあるため、特に限定はされないが併用しても良く、併用することが好ましいことがある。
光安定剤は前述した酸化防止剤と併用してもよく、併用することによりその効果を更に発揮し、特に耐候性が向上することがあるため特に好ましい。予め光安定剤と酸化防止剤を混合してあるチヌビンC353、チヌビンB75(以上いずれも日本チバガイギー社製)などを使用しても良い。
硬化性組成物(I)及び/又は硬化促進剤(II)に使用する場合の光安定剤の添加量合計は、硬化性組成物(I)及び/又は硬化促進剤(II)に含まれる(A)成分合計100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲であることが好ましい。0.1重量部未満では耐候性を改善の効果が少なく、10重量部超では効果に大差がなく経済的に不利である。
<接着性付与剤>
本発明の硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)にさらに基材接着性を向上させる目的で接着性付与剤を添加することができる、接着性付与剤としては、架橋性シリル基含有化合物、極性基を有するビニル系単量体が好ましく、更にはシランカップリング剤、酸性基含有ビニル系単量体が好ましい。これらを具体的に例示すると、特開2005−232419号公報段落[0184]記載の接着性付与剤が挙げられる。
本発明の硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)にさらに基材接着性を向上させる目的で接着性付与剤を添加することができる、接着性付与剤としては、架橋性シリル基含有化合物、極性基を有するビニル系単量体が好ましく、更にはシランカップリング剤、酸性基含有ビニル系単量体が好ましい。これらを具体的に例示すると、特開2005−232419号公報段落[0184]記載の接着性付与剤が挙げられる。
シランカップリング剤としては、分子中にエポキシ基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、カルバメート基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基、ハロゲン基、(メタ)アクリル基等の、炭素原子及び水素原子以外の原子を有する有機基と、架橋性シリル基を併せ持つシランカップリング剤を用いることができる。
これらを具体的に例示すると、特開2005−232419号公報段落[0185]記載の炭素原子及び水素原子以外の原子を有する有機基と、架橋性シリル基を併せ持つシランカップリング剤が挙げられる。これらの中でも、硬化性及び接着性の点から、分子中にエポキシ基あるいは(メタ)アクリル基を有するアルコキシシラン類がより好ましい。
極性基を有するビニル系単量体としては、カルボキシル基含有単量体としては(メタ)アクリル酸、アクリロキシプロピオン酸、シトラコン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸またはそのエステル類、無水マレイン酸およびその誘導体等が挙げられる。上記、ガルボキシル基含有単量体のエステル類としては2−(メタ)アクリロイルキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルキシエチルヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。また、スルホン酸基含有単量体としては、ビニルスルホン酸、(メタ)アクリルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン類又はその塩類を挙げることができる。更に、リン酸基含有単量体としては、2−((メタ)アクリロイルシエチルホスフェート)、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロロプロピルフォスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルフォスフェート等が挙げられる。中でもリン酸基含有単量体が好ましい。また、該単量体は2個以上の重合性基を有してしても構わない。
シランカップリング剤、極性基含有ビニル系単量体以外の接着性付与剤の具体例としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、シクロペンタジエン−フェノール樹脂、キシレン樹脂、クマロン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジンエステル樹脂硫黄、アルキルチタネート類、芳香族ポリイソシアネート等が挙げられる。
上記接着性付与剤は、硬化性組成物(I)及び/又は硬化促進剤(II)に含まれる(A)成分合計100重量部に対して、0.01〜20重量部配合するのが好ましい。0.01重量部未満では接着性の改善効果が小さく、20重量部を越えると硬化物の物性が低下し易い傾向がある。好ましくは0.1〜10重量部であり、更に好ましくは0.5〜5重量部である。
上記接着性付与剤は1種類のみで使用しても良いし、2種類以上混合使用しても良い。
<溶剤>
本発明の硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)には、必要に応じて溶剤を配合することができる。配合できる溶剤としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸セロソルブ等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン系溶剤等が挙げられる。これらの溶剤は重合体の製造時に用いてもよい。
本発明の硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)には、必要に応じて溶剤を配合することができる。配合できる溶剤としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸セロソルブ等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン系溶剤等が挙げられる。これらの溶剤は重合体の製造時に用いてもよい。
<その他の添加剤>
本発明の硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)には、硬化性組成物又はその硬化物の諸物性の調整を目的として、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。このような添加物の例としては、たとえば、難燃剤、老化防止剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤、などがあげられる。これらの各種添加剤は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。このような添加物の具体例は、たとえば、特公平4−69659号公報、特公平7−108928号公報、特開昭63−254149号公報、特開昭64−22904号公報の各明細書などに記載されている。
本発明の硬化性組成物(I)および/または硬化促進剤(II)には、硬化性組成物又はその硬化物の諸物性の調整を目的として、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。このような添加物の例としては、たとえば、難燃剤、老化防止剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤、などがあげられる。これらの各種添加剤は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。このような添加物の具体例は、たとえば、特公平4−69659号公報、特公平7−108928号公報、特開昭63−254149号公報、特開昭64−22904号公報の各明細書などに記載されている。
<<硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)の塗布量>>
硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)をそれぞれ貼り合わせ基材(透光性保護カバー、画像表示モジュール等)に塗布する際の、塗布量の比は、対象となる暗部においては、硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)の重量比、すなわち、硬化性組成物(I)/硬化促進剤(II)が0.1〜100が好ましく、より好ましくは1〜50になるように、硬化性組成物成分(I)と硬化促進剤(II)を貼り合わせ基材に塗布するのが好ましい。
硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)をそれぞれ貼り合わせ基材(透光性保護カバー、画像表示モジュール等)に塗布する際の、塗布量の比は、対象となる暗部においては、硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)の重量比、すなわち、硬化性組成物(I)/硬化促進剤(II)が0.1〜100が好ましく、より好ましくは1〜50になるように、硬化性組成物成分(I)と硬化促進剤(II)を貼り合わせ基材に塗布するのが好ましい。
FPDの製造方法
本発明のFPDの製造方法は、硬化促進剤(II)を、透光性保護カバーおよび/又は画像表示モジュールの、透光性保護カバーと画像表示モジュールを貼り合わせた際に光の到達しない暗部になる部分のみに塗布する工程を必ず有するが、具体的には、例えば図1〜4に示すように、貼り合わせ基材(透光性保護カバー、画像表示モジュール等)上への二液型光硬化性組成物の塗布、貼り合わせ基材の重ね合わせ、光およびレドックス重合反応による硬化の工程をふむことが好ましい。
本発明のFPDの製造方法は、硬化促進剤(II)を、透光性保護カバーおよび/又は画像表示モジュールの、透光性保護カバーと画像表示モジュールを貼り合わせた際に光の到達しない暗部になる部分のみに塗布する工程を必ず有するが、具体的には、例えば図1〜4に示すように、貼り合わせ基材(透光性保護カバー、画像表示モジュール等)上への二液型光硬化性組成物の塗布、貼り合わせ基材の重ね合わせ、光およびレドックス重合反応による硬化の工程をふむことが好ましい。
貼り合わせ基材は、透光性保護カバーと画像表示モジュールであるが、透光性保護カバーとは、特に限定されないが、画面表示モジュールの上に配置される、例えばポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂等の樹脂製、またはガラス製のカバーであり、画面表示モジュール表面の傷つきや、落下時の破損から保護する機能を果たすと共に、意匠性を持たせる機能を持つ。透光性保護カバーの形状、構造は特に限定されず、例えば、数種の樹脂からなる多層構造を有しても良いし、単一素材形成される単層構造でも良い。また、必要に応じて保護カバー表面に指紋付着防止、光反射防止、映りこみ・ぎらつき防止のためにコーティングやフィルム貼り付けがされていても良く、また、保護カバーにタッチパネル機能を付与されたもの、保護カバーとタッチパネルが貼り合わせられたものでも良い。画像表示モジュールとは、特に限定されないが、公知の物を広く用いることができ、例えば、液晶モジュール、有機ELモジュール、プラズマディスプレイモジュール等である。また、必要に応じて、画像表示モジュールに、タッチパネルが付与されたもの、画像表示モジュールにタッチパネルが貼り合わされたものでも良い。
<<貼り合わせ基板上への二液型硬化性組成物の塗布>>
本発明の二液型光硬化性組成物をFPD貼り合わせ用充填剤として用いる場合の上記の硬化性組成物(I)および硬化促進剤(II)の塗布方法としては、硬化促進剤(II)を貼り合わせ基材である透光性保護カバーおよび/又は画像表示モジュールの、透光性保護カバーと画像表示モジュールを貼り合わせた際に光の到達しない暗部になる部分に塗布すれば、硬化性組成物(I)は透光性保護カバーおよび/又は画像表示モジュールのいずれの部分に塗布しても構わないが、硬化促進剤(II)と接触しない部分に塗布することが好ましい。
本発明の二液型光硬化性組成物をFPD貼り合わせ用充填剤として用いる場合の上記の硬化性組成物(I)および硬化促進剤(II)の塗布方法としては、硬化促進剤(II)を貼り合わせ基材である透光性保護カバーおよび/又は画像表示モジュールの、透光性保護カバーと画像表示モジュールを貼り合わせた際に光の到達しない暗部になる部分に塗布すれば、硬化性組成物(I)は透光性保護カバーおよび/又は画像表示モジュールのいずれの部分に塗布しても構わないが、硬化促進剤(II)と接触しない部分に塗布することが好ましい。
硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)それぞれを塗布する順序は、特に限定されず、硬化性組成物(I)または硬化促進剤(II)を塗布した後に、他方を塗布しても良いし、両成分を同時に塗布しても良い。
硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)を塗布する基材は特に限定されず、必要に応じて、対象となる2つの基材(透明カバー、および画像表示モジュール)の一方にのみ硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)を塗布しても、2つの基材両方に硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)を分割塗布しても良い。また、どちらか一方の基材に硬化性組成物(I)のみを、他方の基材に硬化促進剤(II)のみを塗布しても良い。
貼り合わせ基材への塗布方法は、特に限定されず、一般に使用されている各種の塗布方法を用いることができる。例えば、ディスペンサーを用いる方法、コーターを用いる方法、スプレーを用いる方法等がある。液状組成物の塗布後時のタレ防止性、暗部等の特定部位に特定量の液状組成物を供給する塗布精度の点でロボット制御型のディスペンサーによるものが好ましい。
<硬化促進剤(II)を塗布する工程>
硬化促進剤(II)は、貼り合わせ基材である透光性保護カバーおよび/又は画像表示モジュールの、透光性保護カバーと画像表示モジュールを貼り合わせた際に光の到達しない暗部になる部分に塗布する。
硬化促進剤(II)は、貼り合わせ基材である透光性保護カバーおよび/又は画像表示モジュールの、透光性保護カバーと画像表示モジュールを貼り合わせた際に光の到達しない暗部になる部分に塗布する。
透光性保護カバーと画像表示モジュールを貼り合わせた際に光の到達しない暗部とは、例えば、透光性保護カバー周縁に加飾目的で施される黒枠(ブラックプリント)、タッチパネルの電極、FPDに接続されたフレキシブルプリント基板(FPC)等によって透光性保護カバーと画像表示モジュールを貼り合わせた際に外部から光を当てた時に陰になる部分である。
具体的には、透光性保護カバーと画像表示モジュールとを重ね合わせた際に、透光性保護カバー上のブラックプリントと画像表示モジュールに挟まれた部分が光の到達しない暗部になる。
上記のブラックプリントによる暗部になる部分への硬化促進剤(II)の塗布方法は、例えば図1に示す方法が挙げられ、透光性保護カバーのブラックプリントの部分に硬化促進剤(II)を塗布する。また、他の方法としては、画像表示モジュールのブラックプリントによって暗部になる部分に塗布しても良く、透光性保護カバー、画像表示モジュールの両方の暗部になる部分に塗布しても良い。
<硬化性組成物(I)を塗布する工程>
硬化性組成物(I)は透光性保護カバーおよび/又は画像表示モジュールのいずれの部分に塗布しても構わないが、硬化促進剤(II)と接触しない部分に塗布することが好ましい。
硬化性組成物(I)は透光性保護カバーおよび/又は画像表示モジュールのいずれの部分に塗布しても構わないが、硬化促進剤(II)と接触しない部分に塗布することが好ましい。
硬化性組成物(I)を硬化促進剤(II)と接触しない部分に塗布する塗布方法は、例えば図1に示す方法が挙げられ、透光性保護カバー上の硬化促進剤(II)を塗布しない部分に塗布する。また、他の方法として、硬化性組成物(I)を画像表示モジュールに塗布することも可能であり、この場合の塗布範囲は限定する必要がなく、透光性保護カバーを重ね合わせた時にブラックプリントの部分と重なる部分を含めたいずれの部分に塗布しても良い。さらに、透光性保護カバーの上の硬化促進剤(II)を塗布しない部分と画像表示モジュールの両方に塗布しても構わない。
一方、硬化促進剤(II)を画像表示モジュールに塗布する場合には、ブラックプリントに関係なく透光性保護カバー全体に塗布して良く、画像表示モジュールの硬化促進剤(II)を塗布しない部分に塗布しても良く、両方に塗布しても構わない。
さらに、硬化促進剤(II)を透光性保護カバーと画像表示モジュールの両方に塗布する場合には、硬化促進剤(II)を塗布する部分を除けば、透光性保護カバーと画像表示モジュールのいずれか一方、または両方に塗布しても構わない。
<<貼り合わせ基材を重ね合わせる工程>>
二液型光硬化性組成物の硬化性組成物(I)、硬化促進剤(II)を貼り合わせ対象である基材の所定部位に適当量塗布した後に、図2に示すように液状組成物が内側に来るように重ね合わせを行う。重ね合わせでは液状組成物層の厚みを制御(Z軸制御)すると共に、重ね合わせの位置を制御(アライメント)するが、その際に上記の組成物中に気泡等の巻き込みがないよう留意する必要がある。重ね合わせの方法は特に限定されず、公知の方法を任意に用いることができる。重ね合わせにおいては、硬化性組成物(I)が所定の部位にまで拡散するために必要な時間、貼り合わせ対象の基材のZ軸制御とアライメント状態を保持した状態で光およびレドックス重合反応による硬化に移る。保持する時間に特に制限はなく、必ずしも硬化性組成物(I)が暗部の硬化促進剤(II)と完全に接触する必要はないが、硬化性組成物(I)が暗部にまで拡散していることが好ましく、さらに硬化性組成物(I)の一部が暗部に存在する硬化促進剤(II)と接触していることがより好ましい。また、光重合反応による硬化方法の詳細は後述するが、重ね合わせの保持の段階で貼り合わせ対象の基材がずれないように、一部分または全面に光を照射することによって基材を仮固定してもよい。
二液型光硬化性組成物の硬化性組成物(I)、硬化促進剤(II)を貼り合わせ対象である基材の所定部位に適当量塗布した後に、図2に示すように液状組成物が内側に来るように重ね合わせを行う。重ね合わせでは液状組成物層の厚みを制御(Z軸制御)すると共に、重ね合わせの位置を制御(アライメント)するが、その際に上記の組成物中に気泡等の巻き込みがないよう留意する必要がある。重ね合わせの方法は特に限定されず、公知の方法を任意に用いることができる。重ね合わせにおいては、硬化性組成物(I)が所定の部位にまで拡散するために必要な時間、貼り合わせ対象の基材のZ軸制御とアライメント状態を保持した状態で光およびレドックス重合反応による硬化に移る。保持する時間に特に制限はなく、必ずしも硬化性組成物(I)が暗部の硬化促進剤(II)と完全に接触する必要はないが、硬化性組成物(I)が暗部にまで拡散していることが好ましく、さらに硬化性組成物(I)の一部が暗部に存在する硬化促進剤(II)と接触していることがより好ましい。また、光重合反応による硬化方法の詳細は後述するが、重ね合わせの保持の段階で貼り合わせ対象の基材がずれないように、一部分または全面に光を照射することによって基材を仮固定してもよい。
<<レドックス重合反応による硬化方法>>
当該二液型光硬化性組成物は光の透過しない暗部に存在する場合は、すでに記載のとおり、硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)が接触することでレドックス重合反応が進行し、硬化させることができる(図3参照)。レドックス重合反応は室温で硬化させることができるが、硬化をより速やかに進行させるためには、加熱等の処理を行っても良い。加熱の際の温度は5〜100℃が好ましく、10〜80℃がより好ましい。
当該二液型光硬化性組成物は光の透過しない暗部に存在する場合は、すでに記載のとおり、硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)が接触することでレドックス重合反応が進行し、硬化させることができる(図3参照)。レドックス重合反応は室温で硬化させることができるが、硬化をより速やかに進行させるためには、加熱等の処理を行っても良い。加熱の際の温度は5〜100℃が好ましく、10〜80℃がより好ましい。
<<光重合反応による硬化方法>>
当該二液型光硬化性組成物は光照射を行なうことで硬化する。光重合反応によって硬化させる方法としては、特に限定されない。当該二液型光硬化性組成物は光重合開始剤(B)を用いることによって、活性エネルギー線源により光又は電子線を照射して、硬化させることができる(図4参照)。活性エネルギー線源としては特に限定はないが、用いる光重合開始剤の性質に応じて、例えば高圧水銀灯、低圧水銀灯、電子線照射装置、ハロゲンランプ、発光ダイオード、半導体レーザー、メタルハライドランプ等が挙げられる。その硬化温度は、0℃〜150℃が好ましく、5℃〜120℃がより好ましい。
当該二液型光硬化性組成物は光照射を行なうことで硬化する。光重合反応によって硬化させる方法としては、特に限定されない。当該二液型光硬化性組成物は光重合開始剤(B)を用いることによって、活性エネルギー線源により光又は電子線を照射して、硬化させることができる(図4参照)。活性エネルギー線源としては特に限定はないが、用いる光重合開始剤の性質に応じて、例えば高圧水銀灯、低圧水銀灯、電子線照射装置、ハロゲンランプ、発光ダイオード、半導体レーザー、メタルハライドランプ等が挙げられる。その硬化温度は、0℃〜150℃が好ましく、5℃〜120℃がより好ましい。
<<用途>>
本FPD貼り合わせ用充填剤が用いられる部位としては、特に限定はないが、タッチパネルや携帯電話の液晶、有機ELもしくは有機TFT画面、コンピューターの液晶、有機ELもしくは有機TFT画面、カーナビの液晶、有機ELもしくは有機TFT画面、液晶、有機ELもしくは有機TFTテレビディスプレイ等が挙げられる。
本FPD貼り合わせ用充填剤が用いられる部位としては、特に限定はないが、タッチパネルや携帯電話の液晶、有機ELもしくは有機TFT画面、コンピューターの液晶、有機ELもしくは有機TFT画面、カーナビの液晶、有機ELもしくは有機TFT画面、液晶、有機ELもしくは有機TFTテレビディスプレイ等が挙げられる。
本発明は、上記FPD貼り合わせ用硬化性組成物を塗布、硬化させて得られるフラットパネルディスプレイを搭載した電気・電子機器を包含する。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
なお、下記実施例及び比較例中の「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を表す。
<数平均分子量、分子量分布の測定方法>
「数平均分子量」及び「分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。GPCカラムとしてはポリスチレン架橋ゲルを充填したもの(shodex GPC K−804およびK−802.5;昭和電工(株)製)、GPC溶媒としてクロロホルムを用いた。
「数平均分子量」及び「分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。GPCカラムとしてはポリスチレン架橋ゲルを充填したもの(shodex GPC K−804およびK−802.5;昭和電工(株)製)、GPC溶媒としてクロロホルムを用いた。
<重合体1分子あたりの官能基数の測定方法>
重合体1分子あたりの官能基数は、1H‐NMRにより官能基濃度を分析することより算出した。
重合体1分子あたりの官能基数は、1H‐NMRにより官能基濃度を分析することより算出した。
<光重合反応による硬化性の判定方法>
硬化性組成物(I)を直径25mmのポリエチレン製容器に液高さが約5mmになるように注入後、UV照射装置(ライトハンマー6、Fusion UV system Japan社製)を用いて365nmでの積算光量が6000mJ/cm2になるようにUV光を照射した後、該硬化性組成物(I)が硬化しているかを確認した。UV光の照射用ランプには無電極ランプバルブ(Hバルブ、Fusion UV system Japan社製)を用いた。
硬化性組成物(I)を直径25mmのポリエチレン製容器に液高さが約5mmになるように注入後、UV照射装置(ライトハンマー6、Fusion UV system Japan社製)を用いて365nmでの積算光量が6000mJ/cm2になるようにUV光を照射した後、該硬化性組成物(I)が硬化しているかを確認した。UV光の照射用ランプには無電極ランプバルブ(Hバルブ、Fusion UV system Japan社製)を用いた。
<レドックス重合反応による硬化性の判定方法>
硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)を任意の比率で直径25mmのポリエチレン容器に注入後、攪拌混合し、硬化までの時間を測定した。
硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)を任意の比率で直径25mmのポリエチレン容器に注入後、攪拌混合し、硬化までの時間を測定した。
<末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリル系重合体の製造>
(製造例1〜2)
各原料の使用量を表1に示す。
(1)重合工程
アクリル酸エステル(予め混合されたアクリル酸エステル)を脱酸素した。攪拌機付ステンレス製反応容器の内部を脱酸素し、臭化第一銅、全アクリル酸エステルの一部(表1では初期仕込みモノマーとして記載)を仕込み、加熱攪拌した。アセトニトリル(表1では重合用アセトニトリルと記載)、開始剤としてジエチル−2,5−ジブロモアジペート(DBAE)またはα−ブロモ酪酸エチル(EBB)を添加、混合し、混合液の温度を約80℃に調節した段階でペンタメチルジエチレントリアミン(以下、トリアミンと略す)を添加し、重合反応を開始した。残りのアクリル酸エステル(表1では追加モノマーとして記載)を逐次添加し、重合反応を進めた。重合途中、適宜トリアミンを追加し、重合速度を調整した。重合時に使用したトリアミンの総量を重合用トリアミンとして表2に示す。重合が進行すると重合熱により内温が上昇するので内温を約80℃〜約90℃に調整しながら重合を進行させた。
(2)酸素処理工程
モノマー転化率(重合反応率)が約95%以上の時点で反応容器気相部に酸素−窒素混合ガスを導入した。内温を約80℃〜約90℃に保ちながらしながら反応液を数時間加熱攪拌して反応液中の重合触媒と酸素を接触させた。アセトニトリル及び未反応のモノマーを減圧脱揮して除去し、重合体を含有する濃縮物を得た。濃縮物は著しく着色していた。
(3)第一粗精製
酢酸ブチルを重合体の希釈溶媒として使用した。重合体100kgに対して100〜150kg程度の酢酸ブチルで(2)の濃縮物を希釈し、ろ過助剤(ラジオライトR900、昭和化学工業(株)製)および/または吸着剤(キョーワード700SEN、キョーワード500SH)を添加した。反応容器気相部に酸素−窒素混合ガスを導入した後、約80℃で数時間加熱攪拌した。不溶な触媒成分をろ過除去した。ろ液は重合触媒残渣によって着色および若干の濁りを有していた。
(4)第二粗精製
ろ液を攪拌機付ステンレス製反応容器に仕込み、吸着剤(キョーワード700SEN、キョーワード500SH)を添加した。気相部に酸素−窒素混合ガスを導入して約100℃で数時間加熱攪拌した後、吸着剤等の不溶成分をろ過除去した。ろ液はほとんど無色透明な清澄液であった。ろ液を濃縮し、ほぼ無色透明の重合体を得た。
(5)(メタ)アクリロイル基導入工程
重合体100kgをN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)約100kgに溶解し、アクリル酸カリウム(末端Br基に対して約2モル当量)、熱安定剤(H−TEMPO:4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−n−オキシル)、吸着剤(キョーワード700SEN)、を添加し、約70℃で数時間加熱攪拌した。DMACを減圧留去し、重合体濃縮物を重合体100kgに対して約100kgのトルエンで希釈し、ろ過助剤を添加して固形分をろ別し、ろ液を濃縮し、末端にアクリロイル基を有する重合体[P1]、[P2]を得た。得られた重合体の1分子あたりに導入されたアクリロイル基数、数平均分子量、分子量分布を併せて表1に示す。
(製造例1〜2)
各原料の使用量を表1に示す。
(1)重合工程
アクリル酸エステル(予め混合されたアクリル酸エステル)を脱酸素した。攪拌機付ステンレス製反応容器の内部を脱酸素し、臭化第一銅、全アクリル酸エステルの一部(表1では初期仕込みモノマーとして記載)を仕込み、加熱攪拌した。アセトニトリル(表1では重合用アセトニトリルと記載)、開始剤としてジエチル−2,5−ジブロモアジペート(DBAE)またはα−ブロモ酪酸エチル(EBB)を添加、混合し、混合液の温度を約80℃に調節した段階でペンタメチルジエチレントリアミン(以下、トリアミンと略す)を添加し、重合反応を開始した。残りのアクリル酸エステル(表1では追加モノマーとして記載)を逐次添加し、重合反応を進めた。重合途中、適宜トリアミンを追加し、重合速度を調整した。重合時に使用したトリアミンの総量を重合用トリアミンとして表2に示す。重合が進行すると重合熱により内温が上昇するので内温を約80℃〜約90℃に調整しながら重合を進行させた。
(2)酸素処理工程
モノマー転化率(重合反応率)が約95%以上の時点で反応容器気相部に酸素−窒素混合ガスを導入した。内温を約80℃〜約90℃に保ちながらしながら反応液を数時間加熱攪拌して反応液中の重合触媒と酸素を接触させた。アセトニトリル及び未反応のモノマーを減圧脱揮して除去し、重合体を含有する濃縮物を得た。濃縮物は著しく着色していた。
(3)第一粗精製
酢酸ブチルを重合体の希釈溶媒として使用した。重合体100kgに対して100〜150kg程度の酢酸ブチルで(2)の濃縮物を希釈し、ろ過助剤(ラジオライトR900、昭和化学工業(株)製)および/または吸着剤(キョーワード700SEN、キョーワード500SH)を添加した。反応容器気相部に酸素−窒素混合ガスを導入した後、約80℃で数時間加熱攪拌した。不溶な触媒成分をろ過除去した。ろ液は重合触媒残渣によって着色および若干の濁りを有していた。
(4)第二粗精製
ろ液を攪拌機付ステンレス製反応容器に仕込み、吸着剤(キョーワード700SEN、キョーワード500SH)を添加した。気相部に酸素−窒素混合ガスを導入して約100℃で数時間加熱攪拌した後、吸着剤等の不溶成分をろ過除去した。ろ液はほとんど無色透明な清澄液であった。ろ液を濃縮し、ほぼ無色透明の重合体を得た。
(5)(メタ)アクリロイル基導入工程
重合体100kgをN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)約100kgに溶解し、アクリル酸カリウム(末端Br基に対して約2モル当量)、熱安定剤(H−TEMPO:4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−n−オキシル)、吸着剤(キョーワード700SEN)、を添加し、約70℃で数時間加熱攪拌した。DMACを減圧留去し、重合体濃縮物を重合体100kgに対して約100kgのトルエンで希釈し、ろ過助剤を添加して固形分をろ別し、ろ液を濃縮し、末端にアクリロイル基を有する重合体[P1]、[P2]を得た。得られた重合体の1分子あたりに導入されたアクリロイル基数、数平均分子量、分子量分布を併せて表1に示す。
<FPD貼り合わせ用二液型光硬化性組成物の製造>
(実施例1)
各原料の使用量を表2に示す。
(実施例1)
各原料の使用量を表2に示す。
(A)成分として製造例1で得られた重合体[P1]50g、製造例2で得られた重合体[P2]50g、(B)成分として、DAROCUR1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製))0.8gと、Lucirin TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製))0.1g、(C)成分として、クメンヒドロキシパーオキサイド(商品名パークミルH、日油株式会社製)0.65g、(A)〜(C)成分の他には、2−ヒドロキシエチルアクリレート(商品名ライトエステルHOA、共栄社化学社製)10g、テトラヒドロフルフリルアクリレート(商品名ライトエステルTHF−A、共栄社化学社製)10g、ジシクロペンタニルメタクリレ−ト(商品名FA−513M、日立化成工業社製)10gを十分攪拌混合して、硬化性組成物(I)を調製した。また、(D)成分として、バナジウムアセチルアセトナート錯体(V(acac)3、シグマ−アルドリッチ社製)1g、トリブチルアミン(TBA、和光純薬工業社製)10g、その他の成分として、ジメチルアクリルアミド(DMAA、興人社製)9g、製造例1で得られた重合体[P1]40g、製造例2で得られた重合体[P2]60g、ライトエステルHOA10g、ライトエステルTHF−A5g、FA−513M5gを充分攪拌混合して硬化促進剤(II)を調整した。
上記の硬化性組成物(I)のみをUV照射したところ問題なく硬化することを確認した。また硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)を重量比10対1で攪拌混合したところ、混合物は約5分で硬化した。得られた硬化物の色調を併せて表2に示す。
(実施例2)
実施例1で得られた硬化促進剤(II)を図1に示すように50mm×70mm×0.7mmのガラス板(周縁部に光を遮断する暗部として幅5mm、厚み約30μmの黒枠塗装をしたもの;ブラックプリント付ガラス板)の黒枠塗装部分(暗部)に0.03g塗布した後、硬化性組成物(I)を黒枠塗装されていない部位に0.7g塗布し、図2に示すように3.5インチ液晶モジュール(型番:LQ035QDG01,シャープ社製)と重ね合わせた。上記のブラックプリント付きガラス板と3.5インチ液晶モジュールを特定の厚みとなるように重ね合わせた後に(図3)10分放置の上、UV照射装置(ライトハンマー6、Fusion UV system Japan社製)を用いて365nmでの積算光量が6000mJ/cm2になるようにUV光を照射した(図4)。UV光照射直後に、ブラックプリント付ガラス板と3.5インチ液晶モジュールを剥離し、光を透過する部分の(透光部)に存在する上記の硬化性組成物(I)が硬化しているかを確認した。なお、UV光の照射用ランプには無電極ランプバルブ(Hバルブ、Fusion UV system Japan社製)を用いた。
実施例1で得られた硬化促進剤(II)を図1に示すように50mm×70mm×0.7mmのガラス板(周縁部に光を遮断する暗部として幅5mm、厚み約30μmの黒枠塗装をしたもの;ブラックプリント付ガラス板)の黒枠塗装部分(暗部)に0.03g塗布した後、硬化性組成物(I)を黒枠塗装されていない部位に0.7g塗布し、図2に示すように3.5インチ液晶モジュール(型番:LQ035QDG01,シャープ社製)と重ね合わせた。上記のブラックプリント付きガラス板と3.5インチ液晶モジュールを特定の厚みとなるように重ね合わせた後に(図3)10分放置の上、UV照射装置(ライトハンマー6、Fusion UV system Japan社製)を用いて365nmでの積算光量が6000mJ/cm2になるようにUV光を照射した(図4)。UV光照射直後に、ブラックプリント付ガラス板と3.5インチ液晶モジュールを剥離し、光を透過する部分の(透光部)に存在する上記の硬化性組成物(I)が硬化しているかを確認した。なお、UV光の照射用ランプには無電極ランプバルブ(Hバルブ、Fusion UV system Japan社製)を用いた。
上記の貼り合わせサンプルは23℃、50%相対湿度で24時間養生後、暗部の硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)が硬化していることを確認の上、各種環境暴露試験を行った。試験には、恒温器(パーファクトオーブン)にて85℃で240時間、または恒温恒湿器(LH30−11P、ナガノ科学機械製作所社製)65℃、90%相対湿度で240時間環境暴露した後に、黒枠塗装されていない部位の外観を目視観察した。
(比較例1)
実施例1で得られた硬化性組成物(I)のみを0.7gブラックプリント付ガラス板に塗布した後、3.5インチ液晶モジュールと重ね合わせ、実施例1と同じ方法で透光部のUV硬化と暗部のレドックス硬化を行った。得られた貼り合わせサンプルは、実施例1と同じく各種環境暴露試験を行い、黒枠塗装されていない部位の外観を目視観察した。
UV光照射後には透光部の硬化性組成物(I)は硬化していたが、暗部下は未硬化であったため、23℃、50%相対湿度で24時間養生している間に未硬化の液状物がガラス板周縁から漏れ出す不良が発生した。
実施例1で得られた硬化性組成物(I)のみを0.7gブラックプリント付ガラス板に塗布した後、3.5インチ液晶モジュールと重ね合わせ、実施例1と同じ方法で透光部のUV硬化と暗部のレドックス硬化を行った。得られた貼り合わせサンプルは、実施例1と同じく各種環境暴露試験を行い、黒枠塗装されていない部位の外観を目視観察した。
UV光照射後には透光部の硬化性組成物(I)は硬化していたが、暗部下は未硬化であったため、23℃、50%相対湿度で24時間養生している間に未硬化の液状物がガラス板周縁から漏れ出す不良が発生した。
(比較例2)
実施例1で得られた硬化性組成物(I)0.63gをブラックプリント付ガラス板に、硬化促進剤(II)0.07gを3.5インチ液晶モジュールにそれぞれ塗布した後、ブラックプリント付きガラスと3.5インチ液晶モジュールを重ね合わせ、実施例1と同じ方法で透光部のUV硬化と暗部のレドックス硬化を行った。
UV光照射後には透光部の硬化性組成物(I)は硬化したが、黄色に着色した。また、暗部下は23℃、50%相対湿度で24時間後に硬化を確認した。240時間の環境暴露試験後には、透光部の硬化物の色は濃黄色に変色した。
実施例1で得られた硬化性組成物(I)0.63gをブラックプリント付ガラス板に、硬化促進剤(II)0.07gを3.5インチ液晶モジュールにそれぞれ塗布した後、ブラックプリント付きガラスと3.5インチ液晶モジュールを重ね合わせ、実施例1と同じ方法で透光部のUV硬化と暗部のレドックス硬化を行った。
UV光照射後には透光部の硬化性組成物(I)は硬化したが、黄色に着色した。また、暗部下は23℃、50%相対湿度で24時間後に硬化を確認した。240時間の環境暴露試験後には、透光部の硬化物の色は濃黄色に変色した。
(比較例3)
実施例1で得られた硬化性組成物(I)0.63gと硬化促進剤(II)0.07gを攪拌混合した後、ブラックプリント付きガラス板に塗布、3.5インチ液晶モジュールと重ね合わせを行い、実施例2と同じ方法でUV硬化と暗部のレドックス硬化を行った。UV光照射後には透光部の硬化性組成物(I)は硬化したが、黄色に着色した。また、暗部下は23℃、50%相対湿度で24時間後に硬化を確認した。240時間の環境暴露試験後には、透光部の硬化物の色は濃黄色に変色した。
実施例1で得られた硬化性組成物(I)0.63gと硬化促進剤(II)0.07gを攪拌混合した後、ブラックプリント付きガラス板に塗布、3.5インチ液晶モジュールと重ね合わせを行い、実施例2と同じ方法でUV硬化と暗部のレドックス硬化を行った。UV光照射後には透光部の硬化性組成物(I)は硬化したが、黄色に着色した。また、暗部下は23℃、50%相対湿度で24時間後に硬化を確認した。240時間の環境暴露試験後には、透光部の硬化物の色は濃黄色に変色した。
実施例、比較例の評価結果を表3に示す。
実施例2と比較例1〜3との比較から、実施例2に記載のとおり、硬化促進剤(II)をあらかじめ暗部に限定的に塗布したのちに、硬化性組成物(I)を硬化促進剤(II)と接触しないように塗布し、硬化性組成物(I)が拡散することで硬化促進剤(II)と接触した後に光照射することで、光照射の有無にかかわりなく速やかに硬化するのみならず、意匠部の着色の問題をも解決するFPD貼り合わせの方法、およびFPD貼り合わせ用二液型光硬化性組成物を提供することができる。
本発明によれば、光により速硬化可能で、かつ光の当たらない暗部についても速やかに硬化する光硬化性組成物であり、暗部の硬化物が着色していたとしても、意匠部の外観に悪影響を与えないFPDの製造方法、FPDの貼り合わせの方法、およびFPD貼り合わせ用の二液型光硬化性組成物、さらには、それを塗布硬化させて得られるFPDを搭載した電気・電子機器を提供することができる。
1.カバーガラス
2.液晶モジュール
3.暗部
4.硬化性組成物(I)
5.硬化促進剤(II)
6.レドックス硬化部
7.光硬化部
2.液晶モジュール
3.暗部
4.硬化性組成物(I)
5.硬化促進剤(II)
6.レドックス硬化部
7.光硬化部
Claims (15)
- 一分子中に重合性の炭素−炭素二重結合を平均して少なくとも一個有する化合物(A)、光重合開始剤(B)、および過酸化物系重合開始剤(C)を含有する硬化性組成物(I)と、還元剤(D)を含有する硬化促進剤(II)、からなる二液型光硬化性組成物を用いる、透光性保護カバーと画像表示モジュールとを貼り合わせるFPDの製造方法であって、
硬化促進剤(II)を、透光性保護カバーおよび/又は画像表示モジュールの、透光性保護カバーと画像表示モジュールを貼り合わせた際に光の到達しない暗部になる部分のみに塗布する工程を有することを特徴とするFPDの製造方法。 - さらに、硬化性組成物(I)を、透光性保護カバーおよび/又は画像表示モジュールの、硬化促進剤(II)と接触しない部分に塗布する工程を有することを特徴とする請求項1に記載のFPDの製造方法。
- 硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)を透光性保護カバーおよび/又は画像表示モジュールに塗布した後、透光性保護カバーと画像表示モジュールを貼り合わせて硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)とを接触させる工程を有することを特徴とする請求項1または2に記載のFPDの製造方法。
- 透光性保護カバーと画像表示モジュールを貼り合わせた後、光照射を行なう工程を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のFPDの製造方法。
- 透光性保護カバー又は画像表示モジュールの一方にのみ、硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)を塗布することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のFPDの製造方法。
- 透光性保護カバー又は画像表示モジュールの一方に硬化性組成物(I)を、他方に硬化促進剤(II)を塗布することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のFPDの製造方法。
- 透光性保護カバーおよび画像表示モジュールの両方に硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)をそれぞれ塗布することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のFPDの製造方法。
- 一分子中に重合性の炭素−炭素二重結合を平均して少なくとも一個有する化合物(A)が有機重合体であることを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載のFPDの製造方法。
- 有機重合体が(メタ)アクリル系重合体であることを特徴とする請求項8に記載のFPDの製造方法。
- 一分子中に重合性の炭素−炭素二重結合を平均して少なくとも一個有する化合物(A)、光重合開始剤(B)、および過酸化物系重合開始剤(C)を含有する硬化性組成物(I)と、還元剤(D)を含有する硬化促進剤(II)、からなる二液型硬化性組成物を介して、透光性保護カバーと、画像表示モジュールとを貼り合わせるFPDの貼り合わせの方法であって、
硬化促進剤(II)を透光性保護カバーおよび/又は画像表示モジュールの、透光性保護カバーと画像表示モジュールを貼り合わせた際に光の到達しない暗部になる部分に塗布し、硬化性組成物(I)を透光性保護カバーおよび/又は画像表示モジュールの、硬化促進剤(II)と接触しない部分に塗布し、透光性保護カバーと画像表示モジュールを貼り合わせて硬化性組成物(I)と硬化促進剤(II)とを接触させることを特徴とするFPDの貼り合わせの方法。 - 一分子中に重合性の炭素−炭素二重結合を平均して少なくとも一個有するアクリル系重合体(A)、光重合開始剤(B)、および過酸化物系重合開始剤(C)を含有する硬化性組成物(I)と、
還元剤(D)を含有する硬化促進剤(II)、
からなることを特徴とする二液型FPD貼り合わせ用光硬化性組成物。 - (A)成分の重合性の炭素−炭素二重結合が、一般式(1)
−OC(O)C(Ra)=CH2 (1)
(式中、Raは水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わす)
で表される基であることを特徴とする請求項11に記載の二液型FPD貼り合わせ用光硬化性組成物。 - (C)成分の過酸化物系重合開始剤がクメンヒドロキシパーオキサイドであることを特徴とする請求項11または12に記載の二液型FPD貼り合わせ用光硬化性組成物。
- (D)成分の還元剤が第4周期の遷移金属化合物および/またはアミン化合物であることを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載の二液型FPD貼り合わせ用光硬化性組成物。
- 請求項11〜14のいずれかに記載の二液型FPD貼り合わせ用光硬化性組成物を塗布、硬化させて得られるフラットパネルディスプレイを搭載した電気・電子機器。
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