JP6076008B2 - 暗部の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させる方法 - Google Patents
暗部の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させる方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6076008B2 JP6076008B2 JP2012197519A JP2012197519A JP6076008B2 JP 6076008 B2 JP6076008 B2 JP 6076008B2 JP 2012197519 A JP2012197519 A JP 2012197519A JP 2012197519 A JP2012197519 A JP 2012197519A JP 6076008 B2 JP6076008 B2 JP 6076008B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- active energy
- curable composition
- energy ray
- meth
- component
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Polymerisation Methods In General (AREA)
- Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
Description
−OC(O)C(R1)=CH2 (1)
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わす)
で表される基であることが好ましい。
以下に本発明の活性エネルギー線硬化性組成物について詳述する。
本発明で用いられる芳香環を有する単官能性(メタ)アクリル系モノマー(A)(以下、「単官能性芳香族化合物(A)」と略すことがある。)としては、その構造中に(メタ)アクリロイル基を含有するモノ(メタ)アクリレート系化合物である。
上記、一般式(2)中のXはアルキレン基であり、中でも、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、特には、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基等の炭素数1〜4のアルキレン基が好ましく、殊にはエチレン基が好ましい。
単官能性芳香族化合物(A)の含有量は、(B)成分合計100重量部に対して、5〜200重量部であることが好ましく、更に好ましくは8〜100重量部、特に好ましくは12〜60重量部、殊に好ましくは、15〜45重量部である。単官能性芳香族化合物(A)の含有量が多すぎると、柔軟性が損なわれ、液晶モジュール等への応力伝搬が顕著になり、UV照射が届かないブラック塗装部位と照射が届く部位の境界面に於いて、液晶の表示ムラが生じる傾向があり、少なすぎると屈折率が低くなりすぎることで、活性エネルギー線の当たらないブラック塗装部位にも、散乱光が透過し難くなり硬化性が確保しにくくなる傾向がある。
(B)成分は、(A)成分以外の1分子中に重合性の炭素−炭素二重結合を平均して少なくとも一個有する化合物(B)であり、重合性の炭素−炭素二重結合を平均して少なくとも一個有していれば、低分子量化合物、オリゴマー、重合体の何れであっても構わないが、柔軟性、耐久性、硬化性のバランスの点で、オリゴマー、又は、有機重合体であることが好ましく、有機重合体であることが特に好ましい。
公知であるオルガノクロロシランを加水分解してオルガノポリシロキサンを製造する方法、特許第2599517号公報、特開昭56−151731号公報、特開昭59−66422号公報、特開昭59−68377号公報に記載のアルコキシシランを塩基性触媒あるいは酸触媒の存在下で加水分解する方法等公知の方法で得られる。ポリマーの末端官能基としては、アルコキシシリル基、シラノール基、水酸基等が挙げられる。
ポリエーテル(オキシアルキレン系重合体)の合成方法は、特に限定されないが、例えば開始剤と触媒の存在下、モノエポキシドを開環重合することによって得られる。
(炭化水素系重合体)
前記炭化水素系重合体は、芳香族環以外の炭素−炭素不飽和結合を実質的に含有しない重合体であり、たとえば、1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、水素添加ポリブタジエン、水素添加ポリイソプレンなどがあげられる。
本発明における炭化水素系重合体以外のビニル系重合体は、その主鎖を構成するビニル系モノマーとしては特に限定されず、各種のものを用いることができる。具体的には、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等の(メタ)アクリル酸エステルモノマー;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等の芳香族ビニル系モノマー;パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニル系モノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等が挙げられる。これらは、単独で用いても良いし、複数を共重合させても構わない。ここで、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を表す。
(B)成分の重合性の炭素−炭素二重結合は、特に限定されないが、一般式(1)
−OC(O)C(R1)=CH2 (1)
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わす)
で表される(メタ)アクリロイル基が好ましい。
特に限定はないが、例えば、特許第3193866号公報に記載の末端シラノール停止ポリシロキサンに有機金属等を触媒として、加水分解性シリル基含有ビニル化合物、加水分解性シリル基含有(メタ)アクリロイル化合物を加水分解縮合反応させる方法等が挙げられる。
オキシアルキレン重合体への重合性の炭素−炭素二重結合を導入する方法としては、特に限定がないが、<1>水酸基末端を有するポリオキシアルキレンに一般式(1)の酸クロライド化合物を反応させる方法、<2>水酸基末端を有するポリオキシアルキレンにイソシアナート基を含む一般式(1)の化合物を反応性させる方法、<3>水酸基末端を有するポリオキシアルキレンに多官能性のイソシアナートおよび水酸基を含有するビニルモノマーを反応させる方法、<4>ヒドロシリル化可能な二重結合末端(例えばアリル基末端)ポリオキシアルキレンに多官能タイプのヒドロシリル化合物を反応させ、更にアリル(メタ)アクリレート等のヒドロシリル化可能な化合物を反応させる方法がある。反応の簡便性の点で<2>、<3>および<4>の方法が好ましく、反応の安定性の点で、<2>および<3>の方法がより好ましい。
ビニル系重合体への重合性の炭素−炭素二重結合を導入する方法としては、公知の方法を利用することができる。例えば、特開2004−203932号公報段落[0080]〜[0091]記載の方法が挙げられるが、以下の方法が好ましい。
一般式(3)のビニル系重合体の末端ハロゲン基を、一般式(4)の重合性の炭素−炭素二重結合を有する化合物で置換する方法。
−CR2R3X (3)
(式中、R2、R3は、ビニル系モノマーのエチレン性不飽和基に結合した基。Xは、塩素、臭素、又は、ヨウ素を表す。)
M+-OC(O)C(R1)=CH2 (4)
(式中、R1は水素、または、炭素数1〜20の有機基を表す。M+はアルカリ金属、または4級アンモニウムイオンを表す。)
一般式(3)で表される末端構造を有するビニル系重合体は、上述した有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーを重合する方法、あるいは、ハロゲン化合物を連鎖移動剤としてビニル系モノマーを重合する方法により製造されるが、好ましくは前者である。
末端に水酸基を有するビニル重合体に一般式(5)で示される化合物を反応させる方法。XC(O)C(R1)=CH2 (5)
(式中、R1は水素、または、炭素数1〜20の有機基を表す。Xは塩素、臭素、または水酸基を表す。)
末端に水酸基を有するビニル重合体に、ジイソシアネート化合物を反応させ、残存イソシアネート基と下記一般式(6)で示される化合物とを反応させる方法。
HO−R4−OC(O)C(R1)=CH2 (6)
(式中、R1は水素、または、炭素数1〜20の有機基を表す。R4は炭素数2〜20の2価の有機基を表す。)
これらの方法の中でも、制御が容易である点から、[導入方法1]が最も好ましい。
本発明の硬化性組成物を硬化させる方法には、(A)成分、(B)成分を速く硬化させたり、充分な性状の硬化物を得たりするために光重合開始剤(C)を使用する。
本発明の硬化性組成物を硬化させる方法においては、目的とする物性に応じて、各種の配合剤を添加しても構わない。
本発明の硬化性組成物は、(B)成分の数平均分子量が3000超過である場合、本発明の効果を損なわない範囲で(A)成分以外の、重合性の基を有し、数平均分子量が3000以下であるオリゴマー、及び/又はモノマー(D)を添加することができる。ラジカル重合性の基を有する、モノマー及び/又はオリゴマー、あるいは、アニオン重合性の基を有する、モノマー及び/又はオリゴマーが、硬化性の点から好ましい。
充填材としては、特に限定されないが特開2005−232419号公報段落[0158]記載の充填材が挙げられる。これら充填材のうちでは、結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク等が好ましい。
物性の大きな低下を起こすことなく軽量化、低コスト化を図ることを目的として、微小中空粒子をこれら補強性充填材に併用して添加することができる。このような微小中空粒子(以下において、「バルーン」と称することがある。)には、特に限定はされないが、「機能性フィラーの最新技術」(CMC)に記載されているように、直径が1mm以下、好ましくは500μm以下、更に好ましくは200μm以下の無機質あるいは有機質の材料で構成された中空体(無機系バルーンや有機系バルーン)が挙げられる。特に、真比重が1.0g/cm3以下である微小中空体を用いることが好ましく、更には0.5g/cm3以下である微小中空体を用いることが好ましい。
本発明の硬化性組成物を硬化させる方法には、各種酸化防止剤を必要に応じて用いてもよい。これらの酸化防止剤としては、p−フェニレンジアミン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤や、二次酸化防止剤としてリン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物を硬化させる方法には、樹脂の吸湿による液晶表示ムラが生じない範囲で、必要に応じて可塑剤を配合することができる。
可塑剤としては特に限定されないが、物性の調整、性状の調節等の目的により、例えば、特開2005−232419号公報段落[0173]記載の可塑剤が挙げられる。これらの中では、粘度の低減効果が顕著であり、耐熱性試験時における揮散率が低いという点から、ポリエステル系可塑剤、ビニル系重合体が好ましい。また、数平均分子量500〜15000の重合体である高分子可塑剤が、添加することにより、該硬化性組成物の粘度及び該硬化性組成物を硬化して得られる硬化物の引張り強度、伸び等の機械特性が調整できるとともに、重合体成分を分子中に含まない可塑剤である低分子可塑剤を使用した場合に比較して、初期の物性を長期にわたり維持できるため好適である。なお、限定はされないがこの高分子可塑剤は、官能基を有しても有しなくても構わない。
上記可塑剤以外に、本発明を硬化させる方法においては、次に述べる反応性希釈剤を用いても構わない。反応性希釈剤として、硬化養生中に揮発し得るような低沸点の化合物を用いた場合は、硬化前後で形状変化を起こしたり、揮発物により環境にも悪影響を及ぼしたりすることから、常温での沸点が100℃以上である有機化合物が特に好ましい。
本発明の硬化性組成物を硬化させる方法には、必要に応じて光安定剤を添加しても良い。光安定剤は各種のものが知られており、例えば大成社発行の「酸化防止剤ハンドブック」、シーエムシー化学発行の「高分子材料の劣化と安定化」(235〜242)等に記載された種々のものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
本発明の硬化性組成物を硬化させる方法には、さらに基材接着性を向上させる目的で接着性付与剤を添加することができる、接着性付与剤としては、架橋性シリル基含有化合物、極性基を有するビニル系単量体が好ましく、更にはシランカップリング剤、酸性基含有ビニル系単量体が好ましい。これらを具体的に例示すると、特開2005−232419号公報段落[0184]記載の接着性付与剤が挙げられる。
本発明の硬化性組成物を硬化させる方法には、必要に応じて溶剤を配合することができる。配合できる溶剤としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸セロソルブ等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン系溶剤等が挙げられる。これらの溶剤は重合体の製造時に用いてもよい。
本発明の硬化性組成物を硬化させる方法には、硬化性組成物又はその硬化物の諸物性の調整を目的として、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。このような添加物の例としては、たとえば、難燃剤、老化防止剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤、などがあげられる。これらの各種添加剤は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。このような添加物の具体例は、たとえば、特公平4−69659号公報、特公平7−108928号公報、特開昭63−254149号公報、特開昭64−22904号公報の各明細書などに記載されている。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、活性エネルギー線により速硬化可能で、かつ、活性エネルギー線が当たらない部分を有する基材に塗布した後、活性エネルギー線を照射させると、活性エネルギー線の当たらない部分にも散乱活性エネルギー線が透過し硬化性が確保出来る。
当該硬化性組成物を硬化させる方法としては、特に限定されない。
本発明の硬化性組成物を硬化させる方法をFPD貼り合わせ用充填剤として用いる場合の塗布方法としては、特に限定されず、一般に使用されている各種の塗布方法を用いることができる。例えば、ディスペンサーを用いる方法、コーターを用いる方法、スプレーを用いる方法等があるが、塗布後時のタレ防止性、透明カバーボード(フィルム)との貼り合せ時の混入防止の点でディスペンサーによるものが好ましい。
本活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させる方法をFPD貼り合わせ用充填剤として用いる場合の部位としては、特に限定はないが、タッチパネルや携帯電話の液晶、有機ELもしくは有機TFT画面、コンピューターの液晶、有機ELもしくは有機TFT画面、カーナビの液晶、有機ELもしくは有機TFT画面、液晶、有機ELもしくは有機TFTテレビディスプレイ等が挙げられる。
(製造例1、2)
各原料の使用量を表1に示す。
(1)重合工程
アクリル酸n−ブチルを脱酸素した。攪拌機付ステンレス製反応容器の内部を脱酸素し、臭化第一銅、全アクリル酸n−ブチルの一部(表1では初期仕込みモノマーとして記載)を仕込み、加熱攪拌した。アセトニトリル(表1では重合用アセトニトリルと記載)、開始剤としてジエチル−2,5−ジブロモアジペート(DBAE)または2−ブロモブチル酸エチル(BBE)を添加、混合し、混合液の温度を約80℃に調節した段階でペンタメチルジエチレントリアミン(以下、トリアミンと略す)を添加し、重合反応を開始した。残りのアクリル酸n−ブチル(表1では追加モノマーとして記載)を逐次添加し、重合反応を進めた。重合途中、適宜トリアミンを追加し、重合速度を調整した。重合時に使用したトリアミンの総量を重合用トリアミンとして表1に示す。重合が進行すると重合熱により内温が上昇するので内温を約80℃〜約90℃に調整しながら重合を進行させた。
(2)酸素処理工程
モノマー転化率(重合反応率)が約95%以上の時点で反応容器気相部に酸素−窒素混合ガスを導入した。内温を約80℃〜約90℃に保ちながらしながら反応液を数時間加熱攪拌して反応液中の重合触媒と酸素を接触させた。アセトニトリル及び未反応のモノマーを減圧脱揮して除去し、重合体を含有する濃縮物を得た。濃縮物は著しく着色していた。
(3)第一粗精製
酢酸ブチルを重合体の希釈溶媒として使用した。重合体100kgに対して100〜150kg程度の酢酸ブチルで(2)の濃縮物を希釈し、ろ過助剤(ラジオライトR900、昭和化学工業(株)製)および吸着剤(キョーワード700SEN、キョーワード500SH)を添加した。反応容器気相部に酸素−窒素混合ガスを導入した後、約80℃で数時間加熱攪拌した。不溶な触媒成分をろ過除去した。ろ液は重合触媒残渣によって着色および若干の濁りを有していた。
(4)第二粗精製
ろ液を攪拌機付ステンレス製反応容器に仕込み、吸着剤(キョーワード700SEN、キョーワード500SH)を添加した。気相部に酸素−窒素混合ガスを導入して約100℃で数時間加熱攪拌した後、吸着剤等の不溶成分をろ過除去した。ろ液はほとんど無色透明な清澄液であった。ろ液を濃縮し、ほぼ無色透明の重合体を得た。
(5)(メタ)アクリロイル基導入工程
重合体100kgをN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)約100kgに溶解し、アクリル酸カリウム(末端Br基に対して約2モル当量)、熱安定剤(H−TEMPO:4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−n−オキシル)、吸着剤(キョーワード700SEN)、を添加し、約70℃で数時間加熱攪拌した。DMACを減圧留去し、重合体濃縮物を重合体100kgに対して約100kgのトルエンで希釈し、ろ過助剤を添加して固形分をろ別し、ろ液を濃縮し、末端にアクリロイル基を有する重合体[P1]、[P2]を得た。得られた重合体の1分子あたりに導入されたアクリロイル基数、数平均分子量、分子量分布を併せて表1に示す。
(B)成分として製造例1で得られた重合体[P1]30部、重合体[P1]70部、(C)成分として、DAROCUR1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製))0.8部と、Lucirin TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製))0.1部、(A)成分として、エトキシ化o−フェニルフェニルアクリレート(新中村化学社製、商品名「A−LEN−10」)50部を充分攪拌混合して硬化性組成物を調整した。
評価結果を表2に示す。
実施例1の(A)成分であるエトキシ化o−フェニルフェニルアクリレートの代わりにフェノールEO変性アクリレート(商品名:M101−A、東亜合成株式会社製)50部を加えた以外は、実施例1と同様に硬化性組成物を調整した。
UVの透過しない部位の硬化性(硬化進入深さ)および表示ムラの評価結果を表2に示す。
実施例1の(A)成分であるエトキシ化o−フェニルフェニルアクリレートの代わりにパラクミルフェノールEO変性アクリレート(商品名:M110−S、東亜合成株式会社製)50部を加えた以外は、実施例1と同様に硬化性組成物を調整した。
UVの透過しない部位の硬化性(硬化進入深さ)および表示ムラの評価結果を表2に示す。
実施例1の(A)成分であるエトキシ化o−フェニルフェニルアクリレートの代わりにジシクロペンテニルオキシエチルアクリレ−ト(商品名:FA−512S、日立化成工業株式会社製)50部を加えた以外は、実施例1と同様に硬化性組成物を調整した。
UVの透過しない部位の硬化性(硬化進入深さ)および表示ムラの評価結果を表2に示す。
実施例1の(A)成分であるエトキシ化o−フェニルフェニルアクリレートの代わりにラウリルアクリレート(商品名:ライトアクリレートL−A、共栄社化学株式会社製)50部を加えた以外は、実施例1と同様に硬化性組成物を調整した。
UVの透過しない部位の硬化性(硬化進入深さ)および表示ムラの評価結果を表2に示す。
Claims (17)
- 芳香環を有する単官能性(メタ)アクリル系モノマー(A)、(A)以外の1分子中に重合性の炭素−炭素二重結合を平均して少なくとも一個有する化合物(B)、及び光重合開始剤(C)、を含有する活性エネルギー線硬化性組成物を、活性エネルギー線が直接届かない部分を有する基材に塗布し、活性エネルギー線を照射させることを特徴とする、活性エネルギー線が直接届かない部分の硬化性組成物を硬化させる方法。
- (A)成分が、フェノール誘導体、ジヒドロキシベンゼン誘導体、安息香酸誘導体、フタル酸誘導体、および芳香環とエチレン性不飽和基が直接結合した化合物、から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の活性エネルギー線が直接届かない部分の硬化性組成物を硬化させる方法。
- (A)成分が、エトキシ化o−フェニルフェニルアクリレート、フェノールEO変性アクリレート、パラクミルフェノールEO変性アクリレートから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項2に記載の活性エネルギー線が直接届かない部分の硬化性組成物を硬化させる方法。
- (B)成分が、有機重合体又はオリゴマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の活性エネルギー線が直接届かない部分の硬化性組成物を硬化させる方法。
- (B)成分の有機重合体又はオリゴマーが、ポリシロキサン、ポリエーテル、及び、ビニル系重合体から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項4に記載の活性エネルギー線が直接届かない部分の硬化性組成物を硬化させる方法。
- (B)成分の有機重合体又はオリゴマーが、(メタ)アクリル系重合体であることを特徴とする請求項4または5に記載の活性エネルギー線が直接届かない部分の硬化性組成物を硬化させる方法。
- (B)成分の重合性の炭素−炭素二重結合が、一般式(1)
−OC(O)C(R1)=CH2 (1)
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わす)
で表される基であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の活性エネルギー線が直接届かない部分の硬化性組成物を硬化させる方法。 - (B)成分の数平均分子量が3000超過であることを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載の活性エネルギー線が直接届かない部分の硬化性組成物を硬化させる方法。
- (メタ)アクリロイル基重合性の基を有し、(A)成分以外の数平均分子量が3000以下であるオリゴマー、及び/又はモノマー(D)を更に含有する請求項8に記載の活性エネルギー線が直接届かない部分の硬化性組成物を硬化させる方法。
- (B)成分の有機重合体又はオリゴマーの分子量分布が1.8未満であることを特徴とする請求項4〜9のいずれかに記載の活性エネルギー線が直接届かない部分の硬化性組成物を硬化させる方法。
- (B)成分のビニル系重合体の主鎖がリビングラジカル重合法により製造されたものであることを特徴とする請求項5〜10のいずれかに記載の活性エネルギー線が直接届かない部分の硬化性組成物を硬化させる方法。
- (B)成分のビニル系重合体の主鎖が原子移動ラジカル重合法により製造されたものであ
ることを特徴とする請求項5〜11のいずれかに記載の活性エネルギー線が直接届かない部分の硬化性組成物を硬化させる方法。 - (B)成分の重合性の炭素−炭素二重結合が分子鎖末端にあることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の活性エネルギー線が直接届かない部分の硬化性組成物を硬化させる方法。
- 光重合開始剤(C)の添加量が(B)成分100重量部に対して、0.001〜10重量部、芳香環を有する単官能性(メタ)アクリル系モノマー(A)の添加量が(B)成分の合計100重量部あたり、5〜200重量部であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の活性エネルギー線が直接届かない部分の硬化性組成物を硬化させる方法。
- 基材がFPDを構成する部位であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の活性エネルギー線が直接届かない部分の硬化性組成物を硬化させる方法。
- 請求項1〜15のいずれか一項に記載の活性エネルギー線が直接届かない部分の硬化性組成物を硬化させる方法を用いる方法であって、
基材が、FPDを構成する部位である、FPDの製造方法。 - 請求項16に記載の製造方法によりFPDを製造し、当該FPDを搭載する、電気・電子機器の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012197519A JP6076008B2 (ja) | 2012-09-07 | 2012-09-07 | 暗部の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させる方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012197519A JP6076008B2 (ja) | 2012-09-07 | 2012-09-07 | 暗部の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させる方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014051618A JP2014051618A (ja) | 2014-03-20 |
JP6076008B2 true JP6076008B2 (ja) | 2017-02-08 |
Family
ID=50610397
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012197519A Expired - Fee Related JP6076008B2 (ja) | 2012-09-07 | 2012-09-07 | 暗部の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させる方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6076008B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6577746B2 (ja) * | 2015-05-08 | 2019-09-18 | 積水化学工業株式会社 | 光硬化性樹脂組成物、液晶表示素子用シール剤及びタッチパネル用層間充填剤 |
JP7249119B2 (ja) | 2018-09-27 | 2023-03-30 | 東京応化工業株式会社 | 感光性樹脂組成物、パターニングされた硬化膜の製造方法及び硬化膜 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007077182A (ja) * | 2005-09-09 | 2007-03-29 | Kaneka Corp | 活性エネルギー硬化型組成物およびそれを硬化させて得られる硬化物 |
EP2647653A4 (en) * | 2010-12-02 | 2015-12-02 | Kaneka Corp | ACTIVE ENERGY RAY-CURABLE COMPOSITION FOR OPTICAL MATERIAL, CURED PRODUCT, AND PROCESS FOR PRODUCING THE SAME |
-
2012
- 2012-09-07 JP JP2012197519A patent/JP6076008B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014051618A (ja) | 2014-03-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6010322B2 (ja) | 硬化性組成物およびその用途 | |
JP2013088455A (ja) | 画像表示装置、画像表示装置の製造方法、及び、電気・電子機器 | |
JP5624280B2 (ja) | フラットパネルディスプレイ表示モジュール/透明カバーボード間充填用硬化性組成物およびそれを塗布硬化させて得られるフラットパネルディスプレイを搭載した電気・電子機器 | |
JP2014019737A (ja) | 接着耐久性が改善されたfpd貼合せ用活性エネルギー線硬化性組成物 | |
JP6878290B2 (ja) | 接着剤組成物、硬化体、電子部品及び組立部品 | |
JP5243797B2 (ja) | 光ラジカル硬化/光カチオン硬化併用硬化性組成物 | |
JP2013181121A (ja) | 光/湿分デュアルキュアー用硬化性組成物 | |
JP2012041499A (ja) | 光硬化性組成物およびそれを用いた画像表示装置。 | |
JP6076008B2 (ja) | 暗部の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させる方法 | |
JP2014202916A (ja) | 画像表示装置、およびそれを搭載した電気、電子機器 | |
JP2013035900A (ja) | Fpd貼り合わせ用光/湿分デュアルキュアー系硬化性組成物 | |
JP2014047291A (ja) | 暗部硬化性が改善されたfpd貼合せ用光硬化性組成物 | |
JP2013112733A (ja) | 透明性が改良された硬化性組成物 | |
JP2014221892A (ja) | 表示パネル用接着剤及びそれを用いた表示パネル又は表示パネルの製造方法 | |
JP2012188594A (ja) | 接着性が改善された硬化性組成物 | |
WO2013051552A1 (ja) | Fpdの製造方法、貼り合わせの方法、およびfpd貼り合わせ用光硬化性組成物 | |
JP5996918B2 (ja) | 二液型光硬化性組成物 | |
JP2014221893A (ja) | 表示パネル用接着剤及びそれを用いた表示パネル又は表示パネルの製造方法 | |
JP2012153835A (ja) | Fpd貼り合わせ用光/湿分デュアルキュアー系硬化性組成物 | |
JP2012082341A (ja) | Fpd貼り合わせ用光/湿分デュアルキュアー系硬化性組成物 | |
JP2012172111A (ja) | 視認性が改良されたfpd貼り合わせ用硬化性組成物 | |
JP2013129754A (ja) | 表示装置の製造方法および該表示装置を搭載した電気・電子機器、オートバイ、自動車。 | |
JP2005290269A (ja) | 硬化性組成物、シーリング材及び接着剤 | |
JP2011231149A (ja) | Fpd貼り合わせ用光/湿分デュアルキュアー系硬化性組成物 | |
JP2015031846A (ja) | 画像表示装置の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150721 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160610 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160705 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160825 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20161004 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20161124 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20161227 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170110 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6076008 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |