JP2014238930A - 透明導電性フィルムの製造方法 - Google Patents

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清茂 児島
Kiyoshige Kojima
清茂 児島
明彦 吉原
Akihiko Yoshihara
明彦 吉原
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Abstract

【課題】傷などの外観異常がなく、透明性及び導電性に優れた透明導電性フィルムを効率よく連続製造することができる透明導電性フィルムの製造方法を提供すること。
【解決手段】長尺の透明フィルム基材を連続的に搬送しつつ、該基材の少なくとも一方の面上に、導電材料を溶媒に分散した分散液を塗布後、該溶媒を蒸発除去して透明導電層を形成する工程(1)、及び少なくとも一方の面上に透明導電層が形成された該基材を、そのまま連続的にロール状に巻き取る工程(2)を有する、透明導電性フィルムの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、透明導電性フィルムの製造方法に関する。
透明導電膜は、可視光透過性と導電性とを兼ね備えた優れた膜である。透明導電膜は、表面抵抗率が低く、可視光に対して高い透過率を有することから、当該膜からなる透明導電層を透明フィルム基材上に形成した透明導電性フィルムは、液晶ディスプレイやエレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイや、タッチパネルの透明電極など、電気、電子分野の用途で広く使用されている。
透明導電膜としては、多くの材料が研究されているが、現在実用化されている大部分の透明導電膜は、酸化インジウム及び酸化スズを主成分とするITO(IndiumTinOxide)薄膜である。しかしながら、ITO薄膜は金属酸化物膜であり、屈折率が2以上と高く、透明フィルム基材上に直接形成した場合、反射率が高くなって透過率が下がり、また、柔軟性に乏しいため、例えば、タッチパネルに用いた場合、割れが発生しやすく、さらに、ITO薄膜を形成した透明導電性フィルムをロール状に巻き取る場合、フィルム裏面との摩擦で該薄膜に傷が発生しやすい、といった問題を有する。
かかるITO薄膜を有する透明導電性フィルムに対し、例えば、特許文献1には、基材、反射防止層、及び絡み合った単層カーボンナノチューブからなる透明導電層を有する、透過率が高く、柔軟性に富む透明電極基材が提案されている。また、ITO薄膜を有する透明導電性フィルムをロールトゥーロールで巻き取る技術として、例えば、特許文献2には、フィルム裏面に易滑層を設け、ロールトゥーロールでスムーズに巻き取る技術が提案されている。
特開2009−283376号公報 特開2004−158320号公報
本発明は、傷などの外観異常がなく、透明性及び導電性に優れた透明導電性フィルムを効率よく連続製造することができる透明導電性フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、透明フィルム基材の表面に導電材料の分散液を塗布して透明導電層を形成すると、フィルム同士の滑り性が高まり、そのままロール状に巻き取っても、透明導電層がフィルム裏面に接触した際に傷がつかないことを見出し、本発明を完成させるに至った。
かくして、本発明によれば、
〔1〕長尺の透明フィルム基材を連続的に搬送しつつ、該基材の少なくとも一方の面上に、導電材料を溶媒に分散した分散液を塗布後、該溶媒を蒸発除去して透明導電層を形成する工程(1)、及び少なくとも一方の面上に透明導電層が形成された該基材を、そのまま連続的にロール状に巻き取る工程(2)を有する、透明導電性フィルムの製造方法、
〔2〕前記透明フィルム基材が、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート又はポリエチレンテレフタレートからなる前記〔1〕記載の製造方法、
〔3〕前記透明フィルム基材が、延伸フィルムからなる前記〔1〕又は〔2〕記載の製造方法、
〔4〕前記導電材料が、カーボンナノチューブ及び/又は金属ナノワイヤーである前記〔1〕〜〔3〕いずれか記載の製造方法、
〔5〕前記透明フィルム基材と前記透明導電層との屈折率差(絶対値)が0.05以下である前記〔1〕〜〔4〕いずれか記載の製造方法、並びに
〔6〕前記〔1〕〜〔5〕いずれかに記載の製造方法により得られる透明導電性フィルム、
が提供される。
本発明の透明導電性フィルムの製造方法によれば、傷などの外観異常がなく、透明性及び導電性に優れた透明導電性フィルムを効率よく連続製造することができる。
本発明の透明導電性フィルムの製造方法は、長尺の透明フィルム基材を連続的に搬送しつつ、該基材の少なくとも一方の面上に、導電材料を溶媒に分散した分散液を塗布後、該溶媒を蒸発除去して透明導電層を形成する工程(1)、及び少なくとも一方の面上に透明導電層が形成された該基材を、そのまま連続的にロール状に巻き取る工程(2)を有する。
本発明に使用する透明フィルム基材は長尺のフィルムであるが、長尺とは、フィルム又はその積層体の幅方向に対し少なくとも5倍の長さを有することをいい、好ましくは少なくとも10倍の長さを有する。前記透明フィルム基材は、通常、ロール状に巻回されて保管又は運搬される程度の長さを有する。
本発明に使用する透明フィルム基材に求められる光学的特性としては、可視光の透過率が高いことが求められ、具体的には全光線透過率が、通常、80%以上、好ましくは90%以上である。その膜厚としては、通常、30〜300μm、好ましくは40〜200μmである。
本発明に使用する透明フィルム基材は、通常、熱可塑性樹脂からなる。当該熱可塑性樹脂としては、例えば、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニルポリメチルメタクリレート、及びポリアリレートなどが挙げられる。光学特性に優れ、適度な柔軟性を有することから、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート又はポリエチレンテレフタレートが好ましく、シクロオレフィンポリマー又はポリカーボネートがより好ましく、さらに低誘電率で低吸水性であることから、シクロオレフィンポリマーが特に好ましい。これらの熱可塑性樹脂は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、
前記シクロオレフィンポリマーとしては、ノルボルネン系樹脂、単環の環状オレフィン系樹脂、環状共役ジエン系樹脂、ビニル脂環式炭化水素系樹脂、及びこれらの水素化物等が挙げられる。中でも、透明性と成形性に優れることから、ノルボルネン系樹脂が好適に用いられる。ノルボルネン系樹脂としては、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体若しくはノルボルネン構造を有する単量体と他の単量体との開環共重合体、又はそれらの水素化物や;ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体若しくはノルボルネン構造を有する単量体と他の単量体との付加共重合体、又はそれらの水素化物;等を挙げることができる。
前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度としては、好ましくは80℃以上、より好ましくは100〜250℃である。また、その光弾性係数の絶対値は、好ましくは10×10−12Pa−1以下、より好ましくは7×10−12Pa−1以下、特に好ましくは4×10−12Pa−1以下である。光弾性係数Cは、複屈折をΔn、応力をσとしたとき、C=Δn/σで表される値である。光弾性係数がこのような範囲にある樹脂を用いると、フィルムの面内方向リターデーション(Re)のバラツキを小さくすることができる。
前記熱可塑性樹脂には、種々の配合剤を配合することができる。配合剤としては、特に限定はないが、層状結晶化合物;無機微粒子;酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤等の安定剤;滑剤、可塑剤等の樹脂改質剤;染料や顔料等の着色剤;帯電防止剤等が挙げられる。これらの配合剤は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択される。
透明フィルム基材は、上記熱可塑性樹脂からなるフィルムより構成されるが、当該熱可塑性樹脂フィルムは、熱可塑性樹脂を、溶剤キャスト法や溶融押出法など、公知の成膜手法により製膜することで得られる。
例えば、市販のシクロオレフィンポリマーとしては、「Topas」(Ticona)、「アートン」(JSR)、「ゼオノア」及び「ゼオネックス」(日本ゼオン)、「アペル」(三井化学)(いずれも登録商標)などがある。このようなシクロオレフィンポリマーを製膜して、透明フィルム基材を得ることができる。また、製膜されたシクロオレフィンポリマーのフィルムも市販されており、例えば、「エスシーナ」、「SCA40」(積水化学工業)、「ゼオノアフィルム」(日本ゼオン)、「アートンフィルム」(JSR)(「SCA40」を除き、いずれも登録商標)などがあり、それらのフィルムは、そのまま透明フィルム基材として利用することができる。
本発明に使用する透明フィルム基材は、光学特性が加えられた延伸フィルムであってもよい。中でも、延伸フィルムとしては斜め延伸フィルムが好ましい。透明フィルム基材が斜め延伸フィルムにより構成される場合、得られた透明導電性フィルムを用いて、タッチパネルのロールトゥーロールでの連続製造が可能になることから好適である。斜め延伸フィルムとは、未延伸の原反フィルムを幅方向に対して斜めの方向に配向処理してなる延伸フィルムをいう。
前記斜め延伸フィルムの配向角は、幅方向に対して、通常、20〜70°であり、好ましくは30〜60°、より好ましくは40〜50°である。このような配向角にすることによって、斜め延伸フィルムの面内のリタデーション(Re)を好適にすることができる。斜め延伸フィルムの波長550nmにおける面内のリタデーション(Re)は、通常、30〜250nm、好ましくは、80〜200nmである。
延伸倍率は、所望の光学特性が発揮されるように適宜選択することができる。斜め延伸フィルムの延伸倍率としては、通常、1.01〜30倍、好ましくは1.01〜10倍、より好ましくは1.01〜5倍である。
延伸フィルムを得るための、原反フィルムの延伸方法は特に制限されない。当該方法としては、ロール側の周速の差を利用して縦方向に一軸延伸する方法;テンター延伸機を用いて横方向に一軸延伸する方法等の一軸延伸法;固定するクリップの間隔を開いての縦方向の延伸と同時に、ガイドレールの広がり角度により横方向に延伸する同時二軸延伸法や、ロール間の周速の差を利用して縦方向に延伸した後、その両端部をクリップ把持してテンター延伸機を用いて横方向に延伸する逐次二軸延伸法などの二軸延伸法;横又は縦方向に左右異なる速度の送り力若しくは引張り力又は引取り力を付加できるようにしたテンター延伸機を用いてフィルムの幅方向に対して任意の角度θの方向に連続的に斜め延伸する方法;などが挙げられる。延伸に用いる装置として、例えば、縦一軸延伸機、テンター延伸機、バブル延伸機、ローラー延伸機などが挙げられる。延伸時の温度は、透明フィルム基材を構成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTgとしたとき、好ましくは(Tg−30℃)と(Tg+60℃)の間、より好ましくは(Tg−10℃)と(Tg+50℃)の間の温度から選択される。
本発明に使用する透明フィルム基材は、熱可塑性樹脂フィルムの上に、通常の透明導電複合材において一般的に使用される樹脂や無機化合物などからなる層を1種以上積層した複合基材であってもよい。かかる層としては、例えば、表面硬度を向上させるためのハードコート層のほか、基材の反射を防ぐためのインデックスマッチング層や低屈折率層などが挙げられる。
本発明に使用する透明フィルム基材は、片面又は両面に、表面改質処理を施したものであってもよい。表面改質処理を行うことにより、透明導電層との密着性を向上させることができる。表面改質処理としては、エネルギー線照射処理や薬品処理などが挙げられる。なお、透明フィルム基材が複合基材である場合、表面改質処理は最外層の表面に行われることになる。
エネルギー線照射処理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、電子線照射処理、紫外線照射処理などが挙げられ、処理効率等の観点から、コロナ放電処理とプラズマ処理、特にコロナ放電処理が好ましい。薬品処理としては、重クロム酸カリウム溶液、濃硫酸などの酸化剤水溶液による処理が挙げられる。
工程(1)においては、上記の通りの、長尺の透明フィルム基材を連続的に搬送しつつ、該基材の少なくとも一方の面上に、導電材料を溶媒に分散した分散液を塗布後、該溶媒を蒸発除去して透明導電層を形成する。本発明の製造方法は公知の成膜装置を用いて実施することができるが、通常、長尺の透明フィルム基材は巻きだしロールに装填され、当該ロールから巻きだされることで連続的に搬送される。
本発明に使用する導電材料としては、所定の溶媒に分散可能であって、可視光領域において透過性を有し、かつ導電性を有する膜を形成可能な材料であれば、特に限定されない。例えば、導電性ポリマー;錫をドープしたインジウム酸化物(ITO) 、アンチモン又はフッ素をドープした錫酸化物(ATO又はFTO) 、アルミニウムをドープした亜鉛酸化物(AZO) 、カドミウム酸化物、カドミウムと錫の酸化物、酸化チタン、酸化亜鉛、及びヨウ化銅などの金属酸化物;金、銀、白金、及びパラジウムなどの金属;金、銀、銅、白金、及びアルミニウムからなる金属ナノワイヤーや、カーボンナノチューブといった無機系及び有機系のナノ材料;等が挙げられる。中でも、透明性及び導電性に優れた透明導電層を形成でき、得られる透明導電性フィルム同士の滑り性が高まることから、導電材料としては、カーボンナノチューブ及び/又は金属ナノワイヤーが好ましく、カーボンナノチューブがより好ましい。これらの導電材料は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記カーボンナノチューブとしては、その平均直径(Av)と直径の標準偏差(σ)が、関係式:0.60>3σ/Av>0.20を満たすカーボンナノチューブ(A)が特に好適である。
なお、本発明において、「カーボンナノチューブ(A)」とは、それを構成する所定のカーボンナノチューブの集合の総称であり、「直径」とは当該所定のカーボンナノチューブの外径を意味する。
本発明においてカーボンナノチューブ(A)の平均直径(Av)及び直径の標準偏差(σ)は、それぞれ標本平均値及び標本標準偏差である。それらは、透過型電子顕微鏡での観察下に、無作為に選択されたカーボンナノチューブ100本の直径を測定した際の平均値及び標準偏差として求められる。前記関係式における3σは得られた標準偏差(σ)に3を乗じたものである。
平均直径(Av)と標準偏差(σ)とが、関係式:0.60>3σ/Av>0.20を満たすカーボンナノチューブ(A)を用いることにより、所望の透明導電性フィルムを効率よく得ることができる。
ここで、3σ/Avは、カーボンナノチューブ(A)の直径分布を表し、この値が大きいほど直径分布が広いことを意味する。本発明において直径分布は正規分布をとるものが好ましい。
カーボンナノチューブ(A)の直径分布は、透過型電子顕微鏡を用いて観察して算出することができる。すなわち、透過型電子顕微鏡での観察下に、無作為に選択された100本のカーボンナノチューブの直径を測定し、その結果を用いて、横軸に直径、縦軸に頻度を取り、得られたデータをプロットし、ガウシアンで近似することで得られる。異なる製法で得られたカーボンナノチューブなどを複数種類組み合わせることでも、3σ/Avの値を大きくすることはできるが、その場合正規分布の直径分布を得ることは難しい。本発明においてカーボンナノチューブ(A)は、単一製法で得られたカーボンナノチューブからなるものであっても、又は当該カーボンナノチューブに、その直径分布に影響しない量の他の製法で得られたカーボンナノチューブを配合してなるものであってもよい。
カーボンナノチューブ(A)の平均直径(Av)は、所望の透明導電性フィルムを得る観点から、0.5nm以上、15nm以下が好ましい。
カーボンナノチューブ(A)の平均長さは、好ましくは0.1μm〜1cmである。カーボンナノチューブ(A)の平均長さが上記範囲内であることで、所望の透明導電性フィルムを形成し易くなる。
カーボンナノチューブ(A)の平均長さは、例えば、透過型電子顕微鏡を用いて、無作為に選択された100本のカーボンナノチューブを測定することで、算出することができる。
カーボンナノチューブ(A)の比表面積は、好ましくは100〜2500m/gである。カーボンナノチューブ(A)の比表面積が上記範囲内であることで、所望の透明導電性フィルムを形成し易くなる。
カーボンナノチューブ(A)の比表面積は、窒素ガス吸着法により求めることができる。
カーボンナノチューブ(A)を構成するカーボンナノチューブは、単層のものであっても、多層のものであってもよい。
カーボンナノチューブ(A)を構成するカーボンナノチューブは、表面にカルボキシル基等の官能基が導入されたものであってもよい。官能基の導入は、過酸化水素や硝酸等を用いる公知の酸化処理法により行うことができる。
カーボンナノチューブ(A)は、公知の方法、例えば、表面にカーボンナノチューブ製造用触媒層(以下、「CNT製造用触媒層」ということがある。)を有する基材上に、原料化合物及びキャリアガスを供給して、化学的気相成長法(CVD法)によりカーボンナノチューブを合成する際に、系内に微量の酸化剤を存在させることで、CNT製造用触媒層の触媒活性を飛躍的に向上させる方法(スーパーグロース法)により、効率よく得ることができる(WO2006/011655号パンフレット)。
導電材料を分散させるための溶媒は、親水性溶媒と疎水性溶媒のいずれをも使用することができ、特に限定されない。導電材料を比較的容易に高分散でき、しかも透明フィルム基材の表面にクラックを生じさせないことから、水系溶媒が好ましい。水系溶媒とは、水、又は水と水以外の親水性溶媒との混合溶媒をいう。水系溶媒中、水は、通常、50重量%以上含まれる。
前記親水性溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライム等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のアミド類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含イオウ系溶媒;等が挙げられる。これらの溶媒は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
導電材料の分散液は、例えば、導電材料と、所望により、界面活性剤や各種高分子材料(水溶性高分子材料等)等の分散剤とを、溶媒中で混合し、導電材料を分散させることで得ることができる。得られる透明導電層において導電材料同士が絶縁物の介在なく直接接触した構造をとると高い導電性が得られることから、分散剤は極力配合しないのが好ましい。
混合処理や分散処理は、公知の方法を利用することができる。例えば、ナノマイザー、アルティマイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー、ダイノミル、スパイクミル、DCPミル、バスケットミル、ペイントコンディショナー、高速攪拌装置等を用いる方法が挙げられる。
導電材料の含有量は、特に限定されないが、分散液中、好ましくは0.001〜10重量%である。導電材料の含有量を上記範囲とすることで、導電材料が高分散された分散液を効率よく調製することができる。そして、この分散液を用いることで、所望の透明導電性フィルムを効率よく製造することができる。
分散液を基材上に塗布する際は、公知の塗布方法を採用できる。塗布方法としては、ディッピング法、ロールコート法、グラビアコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、ロールナイフコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、スプレーコート法、グラビアオフセット法等が挙げられる。
塗膜を乾燥する際は、公知の乾燥方法を採用できる。乾燥方法としては、熱風乾燥法、熱ロール乾燥法、赤外線照射法等が挙げられる。乾燥温度は特に限定されないが、通常、室温〜200℃、乾燥時間は特に限定されないが、通常、0.1〜150分である。次いで、所望により、得られた透明導電層を、分散剤等の添加剤を除去するために液体洗浄等公知の手段でリンスを実施してもよい。
透明導電層はパターン化されていてもよい。パターンとしては、メッシュ状でかつ直線が略直交した直線格子パターン、交差部間の導電部分が少なくとも1つの湾曲部を有する波線格子パターン、ダイヤモンド状のパターン等がある。透明導電層の厚さは、特に限定されないが、通常、10〜150nm、好ましくは15〜70nmである。
透明フィルム基材の両方の面に透明導電層を形成する場合、片面ごとに行ってもよいし、両面同時に行ってもよい。両面に透明導電層を形成する場合の膜厚は相異ならせてもよいが、フィルム基材の反りを防ぐためには同じ厚さであるのが好ましい。
また、得られた透明導電性フィルムにおいて、透明フィルム基材と透明導電層との屈折率差(絶対値)は0.05以下であるのが好ましい。この場合、層間での屈折率差による反射が実質的に消失し、優れた透過率を有する透明導電性フィルムが得られる。
透明フィルム基材の屈折率は、公知の方法に従って適宜調整可能である。例えば、該基材を構成する熱可塑性樹脂に、屈折率の異なる公知のバインダを混合する方法や、屈折率の異なる公知の無機微粒子を分散する方法などが挙げられる。該バインダとしては、公知の透明な有機ポリマーが挙げられる。前記無機微粒子としては、例えば、酸化ジルコニウム、酸化チタン及び中空シリカ等が挙げられる。
また、透明導電層の屈折率も、公知の方法に従って適宜調整可能である。例えば、屈折率の異なる導電材料を混合する方法や、分散液中、導電材料と分散剤との配合比を調整する方法などが挙げられる。
例えば、波長550nmにおいて、シクロオレフィンポリマーからなる透明フィルム基材の屈折率は1.53、ポリカーボネートからなる透明フィルム基材の屈折率は1.57、ポリエチレンテレフタレートからなる透明フィルム基材の屈折率は1.65であり、一方、カーボンナノチューブからなる透明導電層の屈折率はおよそ1.5〜1.6の範囲であることから、これらを組み合わせて透明導電性フィルムを形成することで、透明フィルム基材と透明導電層との屈折率差(絶対値)が0.05以下である透明導電性フィルムを容易に得ることができる。
工程(2)においては、透明フィルム基材の少なくとも一方の面上に透明導電層が形成された透明導電性フィルムを、そのまま連続的にロール状に巻き取る。巻き取りは、通常、成膜装置の巻き取りロールにより行う。透明導電性フィルムの表面には、所望の透明導電層が形成されているため、フィルム同士の滑り性が高まり、そのままロール状に巻き取っても、透明導電層に傷がつかず、また、フィルム同士の癒着が生ずることもなく、実用上問題となるような外観異常が発生しない。本発明の透明導電性フィルムの製造方法では、使用する透明フィルム基材の表面を粗面化したり、透明導電層上に保護フィルムを挿入したり、透明フィルム基材に易滑層を設けて摩擦係数を下げたりする必要がなく、長尺の透明導電性フィルムを効率よく連続製造することができる。
本発明の透明導電性フィルムの製造方法により得られる透明導電性フィルムは、適度な柔軟性を有しており、透明性及び導電性に優れたものである。本発明の透明導電性フィルムの表面抵抗値は、通常100〜5000Ω/□である。また、本発明の透明導電性フィルムの全光線透過率は、通常、70%以上である。本発明の透明導電性フィルムは、例えば、液晶ディスプレイやエレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイや、タッチパネルの透明電極など、電気、電子分野における広範な用途に好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
〔実施例1〕
シクロオレフィンフィルム「ゼオノア(登録商標)ZF16」(日本ゼオン社製)を延伸装置で、延伸倍率2倍、延伸温度190℃、延伸張力700N/mで、配向角が45°になるように斜め延伸を行い、厚さ100μm、Reが100nmの、長尺の斜め延伸フィルムを得る。
また、カーボンナノチューブが0.2重量%、ドデシルスルホン酸ナトリウムが2重量%、及びエタノールが20重量%含まれるように、それらの成分と水とを混合し、得られた混合物に対し、バス型超音波洗浄機〔カイジョー社製、PHENIX II 73103型(26kHz、200W)〕を用いて、室温にて2時間分散処理を行い、カーボンナノチューブの水分散液を得る。
なお、使用するカーボンナノチューブは、以下の特性値を有する:
平均直径(Av):3.3nm、直径の標準偏差(σ):0.64nm、3σ/Av:0.58、平均長さ:100μm、比表面積:800m/g、主に単層。
前記長尺の斜め延伸フィルムを、成膜装置の巻きだしロールに装填し、当該ロールから巻きだして連続的に搬送しつつ、該フィルムの一方の面上に、上記水分散液をバーコーター(テスター産業社製、SA−203、No.10)を用いて、塗布厚み約20μmとなるように塗布する。塗膜を23℃、60%(相対湿度)で2時間乾燥させ、溶媒を蒸発除去し、カーボンナノチューブからなる透明導電層が、斜め延伸されたシクロオレフィンフィルムからなる透明フィルム基材上に形成された、長尺の透明導電性フィルムを得、そのまま巻き取りロールにて連続的にロール状に巻き取る。
得られた透明導電性フィルムには、傷など、実用上問題となるような外観異常は認められず、フラットパネルディスプレイやタッチパネルの透明電極に使用するのに充分な透明性及び導電性を有する。
なお、実施例で得た透明導電性フィルムの測定、評価は、以下の方法に従う。
(1)表面抵抗
JIS K 7194に準拠し、抵抗率計(三菱化学社製、ロレスタ(登録商標)GP
)を用いて四端子四探針法にてシート抵抗を測定する。
(2)全光線透過率
JIS K7361に準拠し、分光光度計(日本分光社製、V−570)を用いて全光
線透過率を測定する。

Claims (6)

  1. 長尺の透明フィルム基材を連続的に搬送しつつ、該基材の少なくとも一方の面上に、導電材料を溶媒に分散した分散液を塗布後、該溶媒を蒸発除去して透明導電層を形成する工程(1)、及び少なくとも一方の面上に透明導電層が形成された該基材を、そのまま連続的にロール状に巻き取る工程(2)を有する、透明導電性フィルムの製造方法。
  2. 前記透明フィルム基材が、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート又はポリエチレンテレフタレートからなる請求項1記載の製造方法。
  3. 前記透明フィルム基材が、延伸フィルムからなる請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 前記導電材料が、カーボンナノチューブ及び/又は金属ナノワイヤーである請求項1〜3いずれか記載の製造方法。
  5. 前記透明フィルム基材と前記透明導電層との屈折率差(絶対値)が0.05以下である請求項1〜4いずれか記載の製造方法。
  6. 請求項1〜5いずれかに記載の製造方法により得られる透明導電性フィルム。
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