JP2014237951A - プレキャスト部材セット、プレキャスト部材の圧着方法 - Google Patents

プレキャスト部材セット、プレキャスト部材の圧着方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アンボンドPC鋼材やプレグラウトPC鋼材などの緊張材を用いた圧着接合により好適に構造体の構築が行えるプレキャスト部材セット等を提供する。【解決手段】プレキャスト部材セット1は、鉛直方向断面が略L字状の2つのプレキャスト部材3からなり、梁の構築に用いられる。梁の構築時には、一方のプレキャスト部材3をパネルゾーン部材13の間に配置した後で、パネルゾーン部材13の間にアンボンドPC鋼材あるいはプレグラウトPC鋼材であるPC鋼材19を通し、その後、他方のプレキャスト部材3を上記のプレキャスト部材3と底辺部の端部で連続するように組み合わせ、パネルゾーン部材13の間に配置する。この時2つのプレキャスト部材3の内側の空間にPC鋼材19が配置されており、この空間にコンクリート25を打設し、その硬化後PC鋼材19を緊張し、パネルゾーン部材13とプレキャスト部材3とを圧着接合する。【選択図】図2

Description

本発明は、緊張材に導入した緊張力による圧着接合を行って構造体を構築するためのプレキャスト部材セット、プレキャスト部材の圧着方法に関する。
梁などの構造体を、緊張材に導入した緊張力によりプレキャスト部材を圧着接合して構築する場合がある。この方法としては、シース管を埋設したコンクリート製のプレキャスト部材を両側の部材間に設置し、両側の部材とシース管を通して配置したPC鋼材に緊張力を導入してプレキャスト部材を両側の部材に圧着接合した後、PC鋼材の周囲でグラウト充填作業を行うものが一般的である。
また、特許文献1には、U字型のプレキャスト部材を柱間に張架した後、プレキャスト部材の内側でPC鋼材の配置とコンクリートの打設を行い、コンクリートの硬化後、PC鋼材に緊張力を導入することが記載されている。
実開昭62−115402号公報
しかしながら、シース管を用いる場合、シース管内へのグラウト充填作業があり工程が長くなる。またグラウト不良に伴いPC鋼材の破断等の問題が生じる恐れもある。
これは特許文献1のケースでも同様である。すなわち、通常のPC鋼材を用いてコンクリートの硬化後に緊張力を導入する場合には、PC鋼材とコンクリートとの付着により緊張力の導入が妨げられるのを防ぐため、PC鋼材をシース管に通して配置しておく必要があり、シース管の配置やシース管内のグラウト充填作業が必要になる。
一方、近年では、コンクリートとの付着を防ぎ、上記のようなシース管の設置やグラウト充填作業が不要となるアンボンドPC鋼材やプレグラウトPC鋼材なども存在する。しかしながら、これらのPC鋼材を用いてプレキャスト部材を圧着接合し構造体を好適に構築できる施工法は確立されていなかった。特許文献1の場合でも、プレキャスト部材がU字状であるのでPC鋼材の配置確認が難しく、正確な配置が困難である課題があった。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、アンボンドPC鋼材やプレグラウトPC鋼材などの緊張材を用いた圧着接合によって好適に構造体の構築が行えるプレキャスト部材セット等を提供することである。
前述した目的を達成するための第1の発明は、緊張材に導入した緊張力を用いた圧着接合を行い構造体を構築するための複数のプレキャスト部材によるプレキャスト部材セットであって、前記複数のプレキャスト部材を連続するように組み合わせた際に、少なくとも前記緊張材が配置可能な空間が内側に形成されることを特徴とするプレキャスト部材セットである。
本発明では、複数のプレキャスト部材を組み合わせた際に緊張材を通す空間が内側に形成されるので、一部のプレキャスト部材を先に配置しておき、そこに緊張材を配置した後で、別のプレキャスト部材を配置することができるようになる。従って、プレキャスト部材に対する緊張材の配置確認を容易に行うことでき、適宜その配置を修正して正確な配置ができる。また、複数のプレキャスト部材を用いることにより、1ピース当たりの重量を軽くでき、施工が容易になる。緊張材としてアンボンドPC鋼材やプレグラウトPC鋼材を用いる場合には、こうしてPC鋼材の配置を正確に行った後、緊張力を導入し圧着接合を行うことで構造体の構築が好適に行える。
少なくともいずれかのプレキャスト部材に鉄筋が予め設けられ、前記鉄筋の一部が前記空間に突出することが望ましい。
これにより、前記の空間にコンクリートを打設して合成梁とする場合に、プレキャスト部材とコンクリートの一体性を高めることができる。
また、少なくともいずれかのプレキャスト部材の長手方向に直交する断面が、略L字状または略U字状の形状を有することが望ましい。
このプレキャスト部材を用いると、緊張材の配置確認が好適に行える。例えばプレキャスト部材が略L字状であると、梁を構築する際に側方から緊張材の配置確認ができて好ましい。また、その形状も板状に近く簡単に製造できる利点がある。
また、少なくともいずれかのプレキャスト部材に、前記緊張材の配置を行うためのガイド部が設けられることが望ましい。
これにより、緊張材をガイド部に従って位置決めでき配置が容易になる。特に緊張材を曲線状に配置する際にはその効果が大きい。
第2の発明は、両端の端部部材の間に、一のプレキャスト部材と緊張材を配置する工程と、前記両端の端部部材の間で、他のプレキャスト部材を前記一のプレキャスト部材と連続するように組み合わせ、前記緊張材を、組み合わせた複数のプレキャスト部材の内側に形成された空間に配置させる工程と、前記緊張材に緊張力を導入することにより、前記複数のプレキャスト部材を前記両端の端部部材に圧着接合する工程と、を有することを特徴とするプレキャスト部材の圧着方法である。
また、前記空間にコンクリートが打設されることが望ましい。
さらに、少なくともいずれかのプレキャスト部材に鉄筋が予め設けられ、前記鉄筋の一部が前記空間に突出することが望ましい。
加えて、少なくともいずれかのプレキャスト部材の長手方向に直交する断面が、略L字状または略U字状の形状を有することが望ましい。
また、前記緊張材を、前記一のプレキャスト部材に設けたガイド部を用いて配置することも望ましい。
また、前記緊張材として、アンボンドPC鋼材またはプレグラウトPC鋼材を用いることが望ましい。
本発明によれば、アンボンドPC鋼材やプレグラウトPC鋼材などの緊張材を用いた圧着接合により好適に構造体の構築が行えるプレキャスト部材セット等を提供することができる。
プレキャスト部材セット1を示す図 プレキャスト部材セット1を用いて構築した梁10を示す図 プレキャスト部材3の圧着接合による梁10の構築方法を示す図 プレキャスト部材3の圧着接合による梁10の構築方法を示す図 プレキャスト部材3の圧着接合による梁10の構築方法を示す図 プレキャスト部材3の圧着接合による梁10の構築方法を示す図 プレキャスト部材セット1aを示す図 プレキャスト部材セット1bを示す図 プレキャスト部材セット1bを用いて構築した梁10bを示す図 プレキャスト部材セット1cを示す図 プレキャスト部材セット1cを用いて構築した柱10cを示す図
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。
[第1の実施形態]
(1.プレキャスト部材セット1)
図1は、本発明の実施形態に係るプレキャスト部材セット1を示す図である。図1(a)はプレキャスト部材セット1を構成するプレキャスト部材3の鉛直方向断面を示す図であり、図1(b)は、図1(a)の矢印Aに示す方向から見たプレキャスト部材3の長手方向の側面図である。
このプレキャスト部材セット1は、水平材である梁を構築するためのものであり、図1(a)に示す一対のプレキャスト部材3からなる。
プレキャスト部材3は、長手方向に直交する鉛直方向断面が略L字状の形状を有するコンクリート部材である。プレキャスト部材3では、長手方向に沿って鉄筋27が埋設されるとともに、鉛直方向断面に沿って略L字状の鉄筋7が埋設される。鉄筋7の一端は略L字状のプレキャスト部材3の底辺部から上方に突出し、他端はプレキャスト部材3の側壁部から上方に突出する。なお、鉄筋27はプレキャスト部材3の補強のためであり後述するパネルゾーン部材とは接合されない。また、鉄筋27に代えて、あるいは鉄筋27に加えてPC鋼材を用い、プレキャスト部材自体に緊張力を導入しておいてもよい。
(2.プレキャスト部材セット1を用いて構築した梁)
次に、図2を参照して、プレキャスト部材セット1を用いて構築した構造体である梁10について説明する。図2(a)は梁10の側面を示す図であり、図2(b)は図2(a)の線B−Bによる断面図である。なお、図2(a)では説明のため後述するPC鋼材19やシース15を点線で図示した。
梁10は、両側の柱本体部材11の上に設けたプレキャストのパネルゾーン部材13(端部部材)の間に構築される。梁10の両端部は、緊張材であるPC鋼材19を用いてパネルゾーン部材13に圧着接合される。梁10とパネルゾーン部材13の間には目地4が設けられる。
この梁10では、略L字状の一対のプレキャスト部材3が、底辺部の端部同士で連続するように略U字状に組み合わせられ、長手方向をパネルゾーン部材13間の水平方向に合わせて配置される。この時、プレキャスト部材3の底辺部から突出する鉄筋7の一端は、両プレキャスト部材3の側壁部の内側の空間に突出するようになっている。
この空間にはPC鋼材19が配置され、さらにコンクリート25が打設される。図の例では、コンクリート25が上方の床版部分に続けて一体に打設され、プレキャスト部材3から突出する鉄筋7の両端部により、プレキャスト部材3とコンクリート25が一体化される。また、床版部分等の必要箇所には鉄筋29が配筋される。
PC鋼材19の両端部は、各パネルゾーン部材13に設けたシース管15に挿通される。PC鋼材19は、パネルゾーン部材13の外部から緊張したうえで両端部がパネルゾーン部材13の外面に定着される。
本実施形態において、PC鋼材19はアンボンドPC鋼材あるいはプレグラウトPC鋼材とする。アンボンドPC鋼材は、グリースを塗布した鋼材をポリエチレン等の被覆材で被覆したものである。プレグラウトPC鋼材は、シース内に鋼材を配置するとともに時間経過により硬化する樹脂組成物で充填したものであり、樹脂組成物の硬化前に緊張力を導入する。いずれの場合でも鋼材とコンクリート25との付着が防がれ、コンクリート25の硬化後でも緊張力を導入することができる。アンボンドPC鋼材あるいはプレグラウトPC鋼材としては、例えば、アンボンドPC鋼より線、プレグラウトPC鋼より線、アンボンドPC鋼棒、プレグラウトPC鋼棒等を用いることができる。
(3.プレキャスト部材3の圧着接合による梁の構築方法)
次に、図2に示す梁10をプレキャスト部材3の圧着接合により構築する方法について、図3〜図6を用いて説明する。図3〜図6において、(a)図は図2(a)と同様の側面を示す図であり、(b)図は、図2(b)と同様、(a)図の線B−Bによる断面図である。
本実施形態では、まず図3(a)、(b)に示すように、両側の柱本体部材11の上に設置されたパネルゾーン部材13の間に、一方のプレキャスト部材3を配置する。プレキャスト部材3は、柱本体部材11に取り付けた仮受けブラケット17で支持する。
そして、図4(a)、(b)に示すように、パネルゾーン部材13の間にPC鋼材19を通して配置する。PC鋼材19の両端部は、パネルゾーン部材13に設けたシース管15に挿通される。
その後、図5(a)、(b)に示すように、他方のプレキャスト部材3を一方のプレキャスト部材3と前記したように組み合わせ、仮受けブラケット17で支持してパネルゾーン部材13の間に配置する。この時、プレキャスト部材3の側壁部の内側の空間に、プレキャスト部材3の前記した鉄筋7の一端が突出するとともに、PC鋼材19が配置される。また、プレキャスト部材3とパネルゾーン部材13との間に目地4を設け、必要な鉄筋29の配筋を行う。ここでは、プレキャスト部材3の上方の床版部分の配筋を行う。
その後、図6(a)、(b)に示すようにコンクリート25を床版部分およびプレキャスト部材3の側壁部の内側の空間に打設する。そして、コンクリート25の硬化後、図6(a)の矢印aで示すようにパネルゾーン部材13の外側からPC鋼材19を緊張し、両端部をパネルゾーン部材13に定着する。これにより、プレキャスト部材3とコンクリート25による合成梁が両端のパネルゾーン部材13に圧着接合され、図2に示した梁10が構築される。なお、パネルゾーン部材13のシース管15内には注入孔(不図示)からグラウト材を充填する。また前記した仮受けブラケット17はそのまま残しているが、必要に応じて適当な時点で取り外すことは可能である。
このように、第1の実施形態では、複数のプレキャスト部材3を組み合わせた際にPC鋼材19を通す空間が内側に形成されるので、一方のプレキャスト部材3を先に配置しておき、そこにPC鋼材19を配置した後で、他方のプレキャスト部材3を配置できるようになる。従って、プレキャスト部材3に対するPC鋼材19の配置確認を容易に行うことができ、適宜その配置を修正して正確な配置ができる。また、複数のプレキャスト部材3を用いることにより、1ピース当たりの重量を軽くでき、施工が容易になる。こうしてアンボンドPC鋼材やプレグラウトPC鋼材を正確に配置した後、コンクリート25の打設を行いその硬化後緊張力を導入して圧着接合を行うことで、梁10の構築が好適に行える。アンボンドPC鋼材やプレグラウトPC鋼材を用いることでシース管の設置やグラウト作業が不要になり作業工程が短縮され、グラウト不良によるPC鋼材19の破断などの問題が生じることもない。
また、本実施形態では、プレキャスト部材3に設けた鉄筋7の一端が、上記の空間に突出するので、該空間に打設するコンクリート25とプレキャスト部材3との一体性を高めることができる。
また、各プレキャスト部材3は略L字状の鉛直方向断面を有するので、図3に示すように一方のプレキャスト部材3を配置した後図4に示すようにPC鋼材19を配置する際、PC鋼材19の配置の確認が側方から容易にでき、撮影等して記録することも可能である。また、プレキャスト部材3の形状も板状に近く簡単に製造できる利点がある。
なお、本実施形態ではコンクリート25の硬化後にPC鋼材19を緊張し両端部をパネルゾーン部材13に定着する緊張作業を行ったが、緊張作業を行うタイミングはこれに限らず、各プレキャスト部材3および目地4の設置を行った後であればいつでもよい。
例えば、各プレキャスト部材3および目地4の設置を行った後、コンクリート25の打設前に一部のPC鋼材19について最終的な緊張力にて緊張作業を行い、コンクリート25の硬化後に残りのPC鋼材19について最終的な緊張力にて緊張作業を行ってもよい。あるいは、各プレキャスト部材3および目地4の設置を行った後、コンクリート25の打設前に全てのPC鋼材19について最終的な緊張力より弱い緊張力にて緊張作業を行い、コンクリート25の硬化後に最終的な緊張力にて全てのPC鋼材19の緊張作業を行ってもよい。
さらに、各プレキャスト部材3および目地4の設置を行った後、コンクリート25の打設前に一部のPC鋼材19について最終的な緊張力より弱い緊張力にて緊張作業を行い、残りのPC鋼材19は緊張しないでおいて、コンクリート25の硬化後に全てのPC鋼材19について最終的な緊張力にて緊張作業を行うようにしてもよい。また、各プレキャスト部材3および目地4の設置を行った後、コンクリート25の打設前に一部のPC鋼材19について最終的な緊張力より弱い緊張力にて緊張作業を行うとともに、残りのPC鋼材19は最終的な緊張力にて緊張作業を行い、コンクリート25の硬化後に上記した一部のPC鋼材19について最終的な緊張力にて緊張作業を行うようにしてもよい。あるいは、各プレキャスト部材3および目地4の設置を行った後、コンクリート25の打設前に全てのPC鋼材19について最終的な緊張力にて緊張作業を行うことも可能である。
いずれの場合でも、コンクリート25の打設前に緊張力を導入することによりプレキャスト部材3を支持でき、仮受けブラケット17が省略できるようになる。
また、本実施形態では柱本体部材11の上に設けたプレキャストのパネルゾーン部材13の間に梁10を構築したが、これに限らず、シース管を埋設して現場施工した柱等の部材間に梁を構築することもできる。ただし、柱本体部材11と分けて設けたパネルゾーン部材13間で圧着接合により梁10を構築すると、PC鋼材19の緊張に伴う柱本体部材11の内側への撓みを防止できる利点がある。
さらに、本実施形態では、PC鋼材19をアンボンドPC鋼材やプレグラウトPC鋼材としたが、コンクリートと付着する通常のPC鋼材を用いることも可能である。この場合、コンクリート25を打設する前に緊張するとよい。
また、本実施形態では略L字状の一対のプレキャスト部材3を略U字状に連続するように組み合わせて用いたが、プレキャスト部材セットを構成するプレキャスト部材の数や形状はこれに限らず、プレキャスト部材を連続するように組み合わせた際に、内部に緊張材を配置しコンクリートを打設する空間が形成されるものであればよい。例えば一方のプレキャスト部材を略L字状のものとし、他方のプレキャスト部材を略I字状のものとして、これらを略U字状に組み合わせて用いることも可能である。
あるいは、プレキャスト部材セットを構成する複数のプレキャスト部材としては、これらを連続するように組み合わせた際、緊張材を配置する空間のみ形成されるような形状でもよい。
その例が図7に示すプレキャスト部材セット1aである。図7(a)はプレキャスト部材セット1aを構成するプレキャスト部材3aの鉛直方向断面を示す図であり、図7(b)は、図7(a)の矢印Cに示す方向から見たプレキャスト部材3aの長手方向の側面図である。また、図7(c)はプレキャスト部材3aを組み合わせPC鋼材19を配置した状態を示す図である。
このプレキャスト部材セット1aは、略矩形状の鉛直方向断面を有しPC鋼材19の配置位置に対応する箇所に溝45を設けた一対のプレキャスト部材3aからなる。このプレキャスト部材3aはコンクリート製であり、図では省略しているが、必要に応じて内部に補強筋などが設けられる。
図7(c)に示すように、両プレキャスト部材3aは、溝45を設けた面を重ねて連続するように組み合わせた時に、両部材の溝45の位置が対応する。これにより、プレキャスト部材3aの内側にPC鋼材19を配置するための空間が形成される。
この場合も前記と同様の手順で図2と同様の梁が構築でき、前記と同様の効果が得られる。ただし、この場合では梁部分のコンクリート25の打設が省略され、その代わりに、PC鋼材19の周囲の溝45内部に、グラウト材等が注入孔(不図示)から注入される。また、PC鋼材19はアンボンドPC鋼材あるいはプレグラウトPC鋼材に限らず、通常のPC鋼材でもよい。
[第2の実施形態]
(1.プレキャスト部材セット1b)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図8は、第2の実施形態に係るプレキャスト部材セット1bを示す図であり、プレキャスト部材セット1bを構成するプレキャスト部材3bの鉛直方向断面を示す図である。
このプレキャスト部材セット1bは梁を構築するためのものであり、図8に示す一対のプレキャスト部材3bからなる。このプレキャスト部材3bは第1の実施形態のプレキャスト部材3と略同様であるが、一方のプレキャスト部材3bに側壁部から側方へ向かって突出するガイド部31を設けた点で第1の実施形態と異なる。
(2.プレキャスト部材セット1bを用いて構築した梁)
次に、図9を参照して、プレキャスト部材セット1bを用いて構築した梁10bについて説明する。図9(a)は、梁10bの側面を示す図であり、図9(b)は図9(a)の線D−Dによる断面図である。なお、図9ではガイド部31の位置も点線で示している。
この梁10bは、PC鋼材33を前記のガイド部31に配置して位置決めし、下方に凹となる曲線状に配置する点で第1の実施形態と異なる。この梁10bでは、PC鋼材33を緊張することにより梁上方への力が発生するので大きな上部荷重に耐えることができ好適である。
PC鋼材33については、第1の実施形態と同様、アンボンドPC鋼材あるいはプレグラウトPC鋼材を用い、コンクリート25の硬化後に緊張させる。図の例では全てのPC鋼材33を曲線状に配置したが、PC鋼材の一部を曲線配置とし、残りを直線配置としてもよい。
この第2の実施形態でも、第1の実施形態と同様に梁10bが構築でき、第1の実施形態と同様の効果が得られる。また、ガイド部31によってPC鋼材33の位置決めができるのでPC鋼材33が容易に配置できる。これは、本実施形態のようにPC鋼材33を曲線状に配置する際には特にその効果が大きい。なお、PC鋼材33は通常のPC鋼材でもよいが、この場合には、コンクリート25の打設前にシース管を曲線状に配置し、その内部にPC鋼材33を通すことが必要である。
[第3の実施形態]
(1.プレキャスト部材セット1c)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図10は第3の実施形態に係るプレキャスト部材セット1cを示す図である。図10(a)はプレキャスト部材セット1cを構成するプレキャスト部材3cの水平方向断面を示す図であり、図10(b)は図10(a)の矢印Eに示す方向から見たプレキャスト部材3cの長手方向の側面図である。
このプレキャスト部材セット1cは、鉛直材である柱を構築するためのものであり、図10(a)に示す一対のプレキャスト部材3cからなる。
プレキャスト部材3cは、長手方向に直交する水平方向断面が略U字状の形状を有するコンクリート部材である。プレキャスト部材3cでは、長手方向に沿って鉄筋61が埋設されるとともに、水平方向断面に沿って略U字状の鉄筋57が埋設される。鉄筋57の両端は略U字状のプレキャスト部材3cの両端部から互いの方向に向かって突出する。
(2.プレキャスト部材セット1cを用いて構築した柱)
次に、図11を参照して、プレキャスト部材セット1cを用いて構築した構造体である柱10cについて説明する。図11(a)は柱10cの側面を示す図であり、図11(b)は図11(a)の線F−Fによる断面図である。また、図11(c)は柱10cの構築方法について説明するための図である。なお、図11(a)、(c)では説明のため後述するPC鋼材63やシース管69を点線で図示した。
柱10cは、建物の各階において、上下の梁本体部材70の側方に設けたパネルゾーン部材67(端部部材)の間に構築される。柱10cの両端部は、PC鋼材63を用いてパネルゾーン部材67に圧着接合される。柱10cとパネルゾーン部材67の間には目地65が設けられる。
この柱10cでは、略U字状の一対のプレキャスト部材3cが、その両端部同士で連続するように略ロ字状に組み合せられ、長手方向をパネルゾーン部材67間の鉛直方向に合わせて配置される。この時、前記した鉄筋57の両端部が、両プレキャスト部材3cの内側の空間に突出する。
この空間にはPC鋼材63が配置され、さらにコンクリート62が打設される。プレキャスト部材3dから突出する鉄筋57により、プレキャスト部材3dとコンクリート62が一体化される。
PC鋼材63の上端部は、上部のパネルゾーン部材67に設けたシース管69に挿通される。PC鋼材63は、上部のパネルゾーン部材67の上方から緊張力を導入したうえで上端部がパネルゾーン部材67の上面に定着される。PC鋼材63の下端部は下階のPC鋼材63の上端部と連結材66を用いて連結される。PC鋼材63としては、アンボンドPC鋼材あるいはプレグラウトPC鋼材を用いる。
上記の柱10cをプレキャスト部材3cの圧着接合により構築する手順については、第1の実施形態と同様、上下のパネルゾーン部材67の間に一方のプレキャスト部材3cを配置した後PC鋼材63を上記の通り配置し、その後他方のプレキャスト部材3cを前記したように組み合わせて配置する。そして、注入孔(不図示)からプレキャスト部材3cの内側の空間にコンクリート62を打設し、その硬化後図11(c)の矢印bに示すようにPC鋼材63に上方から緊張力を導入して上端部を上部のパネルゾーン部材67の上面に定着する。本実施形態では、これを繰り返して柱10cを下階から上階へと構築する。なお、最下階のPC鋼材63の下端部は別途建物等に固定される。
この第3の実施形態でも、第1の実施形態と同様の効果が得られる。なお、PC鋼材63としてはコンクリートと付着する通常のPC鋼材を用いることも可能であり、この場合はコンクリート62を打設する前に緊張するとよい。
また、第3の実施形態では、プレキャスト部材セット1cを略U字状の2つのプレキャスト部材3cで構成したが、プレキャスト部材セットの構成はこれに限らない。
例えば断面が略L字状の4つのプレキャスト部材でプレキャスト部材セットを構成してもよい。この場合は4つの部材を略ロ字状に連続するように組み合わせれば、前記と同様の空間が内側に形成できる。このように、プレキャスト部材を連続するように組み合わせた際に、内部に少なくとも緊張材を配置する空間が形成されるものであればよい。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、1a、1b、1c………プレキャスト部材セット
3、3a、3b、3c………プレキャスト部材
7、27、29、57、61………鉄筋
10、10b………梁
10c………柱
13、67………パネルゾーン部材
19、33、63………PC鋼材
25、62………コンクリート
31………ガイド部

Claims (10)

  1. 緊張材に導入した緊張力を用いた圧着接合を行い構造体を構築するための複数のプレキャスト部材によるプレキャスト部材セットであって、
    前記複数のプレキャスト部材を連続するように組み合わせた際に、少なくとも前記緊張材が配置可能な空間が内側に形成されることを特徴とするプレキャスト部材セット。
  2. 少なくともいずれかのプレキャスト部材に鉄筋が予め設けられ、
    前記鉄筋の一部が前記空間に突出することを特徴とする請求項1記載のプレキャスト部材セット。
  3. 少なくともいずれかのプレキャスト部材の長手方向に直交する断面が、略L字状または略U字状の形状を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプレキャスト部材セット。
  4. 少なくともいずれかのプレキャスト部材に、前記緊張材の配置を行うためのガイド部が設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のプレキャスト部材セット。
  5. 両端の端部部材の間に、一のプレキャスト部材と緊張材を配置する工程と、
    前記両端の端部部材の間で、他のプレキャスト部材を前記一のプレキャスト部材と連続するように組み合わせ、前記緊張材を、組み合わせた複数のプレキャスト部材の内側に形成された空間に配置させる工程と、
    前記緊張材に緊張力を導入することにより、前記複数のプレキャスト部材を前記両端の端部部材に圧着接合する工程と、
    を有することを特徴とするプレキャスト部材の圧着方法。
  6. 前記空間にコンクリートが打設されることを特徴とする請求項5に記載のプレキャスト部材の圧着方法。
  7. 少なくともいずれかのプレキャスト部材に鉄筋が予め設けられ、
    前記鉄筋の一部が前記空間に突出することを特徴とする請求項6に記載のプレキャスト部材の圧着方法。
  8. 少なくともいずれかのプレキャスト部材の長手方向に直交する断面が、略L字状または略U字状の形状を有することを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記載のプレキャスト部材の圧着方法。
  9. 前記緊張材を、前記一のプレキャスト部材に設けたガイド部を用いて配置することを特徴とする請求項5乃至請求項8のいずれかに記載のプレキャスト部材の圧着方法。
  10. 前記緊張材として、アンボンドPC鋼材またはプレグラウトPC鋼材を用いることを特徴とする請求項5乃至請求項9のいずれかに記載のプレキャスト部材の圧着方法。
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