JP2012180698A - PCa梁の接合構造および接合方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
PCa梁3どうしを軸方向に接合するに際し、双方のPCa梁の端部に接合鉄骨4を配置可能な凹溝5を予め形成しておき、一部の梁主筋6(上端筋6a、下端筋6b)の先端部を凹溝の近傍位置に定着しておく。双方のPCa梁の先端面どうしを突き合わせて双方の凹溝内に接合鉄骨を上方から落とし込んで双方のPCa梁の間に跨るように配置し、接合鉄骨の周囲にせん断補強筋8を後配筋して凹溝内にコンクリートを打設充填することにより、双方のPCa梁どうしを接合鉄骨およびコンクリートを介して一体に接合する。あるいは、接合鉄骨を一方のPCa梁に予め埋設しておき、他方のPCa梁には接合鉄骨を落とし込むための凹溝を形成しておく。
【選択図】図2
Description
特に、従来においてはPCa梁どうしを接合する際に双方のPCa梁の梁主筋どうしを直接的に溶接して接合するか、あるいは特許文献1にも示されているようにネジ式やスリーブ式等の機械式継手により接合することが通常であるが、溶接によることでは養生や試験も含めて施工性の点で難があるし、機械式継手による場合には施工品質の確保のために高精度かつ慎重な作業が必要であり、いずれも手間のかかる煩雑な作業とならざるを得ない。
図1に示すPCa工法は、2層分の高さに相当するPCa柱2に対して2層分のPCa梁3を一体に組み付けた大規模なPCa部材1を予め工場製作し、それを現場にて順次組み立てていくことで建物の躯体を構成することを基本とするものである。
そして、本第1実施形態は、隣接配置した双方のPCa部材1における双方のPCa梁3の先端どうしをスパン中央位置において突き合わせて接合することによって各階の大梁を構成するものであり、特にそれらPCa梁3どうしを接合鉄骨4を介して接合することを主眼とする。なお、図1におけるIII部はPCa梁3どうしの接合部を示し、その詳細を図3に示している。
また、図3(a)に示すように、上端筋6aの一部(図示例では全6本のうち中心側の2本)は凹溝5の手前側で下方に折り曲げられているとともに、下端筋6bの一部(同)は凹溝5の手前側で上方に折り曲げられていて、それらの上端筋6aと下端筋6bどうしがU状に連結されてアンカー部20が形成されてそれら上端筋6aおよび下端筋6bはその位置で定着されている。
なお、凹溝5の深さが浅いような場合において凹溝5の底面と梁底面との間に下端筋6bを支障なく配筋し得るような十分な寸法と被りが確保できる場合には、全ての下端筋6bをそのまま梁端部まで配筋してしまっても良く、その場合は上端筋6aのみを凹溝5の手前で下方に折り曲げてそこに定着すれば良い。
これにより、双方のPCa梁3どうしが接合鉄骨5およびコンクリート9を介して構造的に応力伝達可能な状態で接合されて確実堅固に一体化される。
この場合、双方のPCa梁3の梁主筋6どうしは従来のように接合されることはなく、また凹溝5の位置では梁主筋6の一部が省略されることにはなるが、そこでは実質的に鉄骨コンクリート造となって接合鉄骨4が梁主筋6の機能も発揮するので、構造的に何ら支障はない。
勿論、必要であればPCa梁3を接合した後にスラブ11の施工を別途行うことでも良いし、スラブ11をフルPCa床版により形成する場合にはPCa梁3との接合部を除いて床配筋やスラブコンクリートの打設は省略可能である。
そして、図3(a)に示すように双方のPCa梁3の先端面どうしを突き合わせる際に接合縁部15間にシール材17を介装し、その内側に双方の段部16により漏斗状の断面形状のコンクリート充填空間18が形成されるようにしておくと良い。
これにより、凹溝5内へのコンクリート9の打設充填時にコンクリートの漏れ出しをシール材17によって防止できるからそこへの型枠工事を一切不要とできるし、その内側に確保したコンクリート充填空間18に十分な量のコンクリート9が充填されるので、接合部の接合強度および耐火性能を支障なく確保することができる。
そこで、上記のように接合端面の外周部に接合縁部15を突出させてその内側にコンクリート充填空間18を確保するための段部16を形成しておくことにより、そのような不具合を確実に回避することができる。
たとえば、上記のように上端筋6aと下端筋6bとをU状に連結することに代えて、図4に示すように各梁主筋6の先端部にそれぞれL状(あるいはU状)のアンカー部20を形成しても良い。
また、図5に示すように各梁主筋6を凹溝の手前位置で切り止めてそこに適宜の定着プレート21を装着することも考えられるし、定着プレート21を装着することに代えて梁主筋6自体を外周側に膨出させて断面を拡大することにより定着頭部を形成することでも良い。
勿論、せん断補強筋7についても、接合鉄骨4との干渉を回避し得るように適宜配筋すれば良く、PCa梁3の断面形状によって補助せん断補強筋7bが不要な場合には省略しても差し支えない。
また、そのような割裂補強筋22は上記のせん断補強筋8とは別に配筋すれば良いが、可能であればせん断補強筋8と割裂補強筋22を兼用するような配筋としても良い。
本第2実施形態は、上記第1実施形態においてはハーフPCa梁としていた双方のPCa梁3をいずれもフルPCa梁に変更し、かついずれか一方のフルPCa梁3に対して予め接合鉄骨4を埋設しておくこと以外は基本的に第1実施形態と同様であるので、第1実施形態と共通の要素については同一符号を付してそれ以上の説明は省略する。
この場合、一方のPCa梁3AはPCa工場において製作する際にその端部に接合鉄骨4を埋設すれば良いので、通常のフルPCa梁と同様の手法により支障なく製造することができ、その配筋も接合鉄骨4を埋設し得る限りは図10(a)に示すように通常の配筋を行うことで十分である。
2 PCa柱
3(3A、3B) PCa梁
4 接合鉄骨
5 凹溝
6 梁主筋
6a 上端筋
6b 下端筋
7 せん断補強筋
7a 主せん断補強筋
7b 補助せん断補強筋
8 せん断補強筋
9 コンクリート
10 床型枠
11 スラブ
12 外壁
15 接合縁部
16 段部
17 シール材
18 コンクリート充填空間
20 アンカー部
21 定着プレート
22(22a、22b) 割裂補強筋
Claims (4)
- PCa梁どうしを軸方向に接合するための接合構造であって、
双方のPCa梁の端部にそれぞれ接合鉄骨が配置可能な凹溝が各PCa梁の先端面に開口しかつ上方が開放された状態で予め形成されているとともに、一部の梁主筋の先端部が前記凹溝の近傍位置で該PCa梁内に定着され、
双方のPCa梁の先端面どうしが突き合わせられて双方の凹溝内に前記接合鉄骨が上方から落とし込まれて双方のPCa梁の間に跨るように配置されているとともに、該接合鉄骨の周囲にせん断補強筋が配筋されて前記凹溝内にコンクリートが打設充填されることにより、双方のPCa梁どうしが前記接合鉄骨および前記コンクリートを介して一体に接合されてなることを特徴とするPCa梁の接合構造。 - PCa梁どうしを軸方向に接合するための接合方法であって、
双方のPCa梁の端部にそれぞれ接合鉄骨を配置可能な凹溝を各PCa梁の先端面に開口させかつ上方を開放した状態で予め形成しておくとともに、一部の梁主筋の先端部を前記凹溝の近傍位置で該PCa梁内に定着しておき、
双方のPCa梁の先端面どうしを突き合わせて双方の凹溝内に前記接合鉄骨を上方から落とし込んで双方のPCa梁の間に跨るように配置するとともに、該接合鉄骨の周囲にせん断補強筋を配筋して前記凹溝内にコンクリートを打設充填することにより、双方のPCa梁どうしを前記接合鉄骨および前記コンクリートを介して一体に接合することを特徴とするPCa梁の接合方法。 - PCa梁どうしを軸方向に接合するための接合構造であって、
一方のPCa梁の端部に接合鉄骨が端面から突出して設けられ、
他方のPCa梁の端部には前記接合鉄骨を配置可能な凹溝が該PCa梁の先端面に開口しかつ上方が開放された状態で予め形成されているとともに、一部の梁主筋の先端部が前記凹溝の近傍位置で該PCa梁内に定着され、
前記凹溝内に前記接合鉄骨が上方から落とし込まれて該接合鉄骨が双方のPCa梁の間に跨るように配置されているとともに双方のPCa梁の端部どうしが突き合わせられ、
前記接合鉄骨の周囲にせん断補強筋が配筋されて前記凹溝内にコンクリートが打設充填されることにより、双方のPCa梁どうしが前記接合鉄骨および前記コンクリートを介して一体に接合されてなることを特徴とするPCa梁の接合構造。 - PCa梁どうしを軸方向に接合するための接合方法であって、
一方のPCa梁の端部に接合鉄骨を端面から突出させて設けておき、
他方のPCa梁の端部には前記接合鉄骨を配置可能な凹溝を該PCa梁の先端面に開口させかつ上方を開放した状態で予め形成しておくとともに、一部の梁主筋の先端部を前記凹溝の近傍位置で該PCa梁内に定着しておき、
前記凹溝内に前記接合鉄骨を上方から落とし込んで該接合鉄骨を双方のPCa梁の間に跨るように配置するとともに双方のPCa梁の端部どうしを突き合わせ、
前記接合鉄骨の周囲にせん断補強筋を配筋して前記凹溝内にコンクリートを打設充填することにより、双方のPCa梁どうしを前記接合鉄骨および前記コンクリートを介して一体に接合することを特徴とするPCa梁の接合方法。
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