JP2012180698A - PCa梁の接合構造および接合方法 - Google Patents

PCa梁の接合構造および接合方法 Download PDF

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Abstract

【課題】PCa梁どうしを軸方向に接合するための合理的な構造と方法を提供する。
【解決手段】
PCa梁3どうしを軸方向に接合するに際し、双方のPCa梁の端部に接合鉄骨4を配置可能な凹溝5を予め形成しておき、一部の梁主筋6(上端筋6a、下端筋6b)の先端部を凹溝の近傍位置に定着しておく。双方のPCa梁の先端面どうしを突き合わせて双方の凹溝内に接合鉄骨を上方から落とし込んで双方のPCa梁の間に跨るように配置し、接合鉄骨の周囲にせん断補強筋8を後配筋して凹溝内にコンクリートを打設充填することにより、双方のPCa梁どうしを接合鉄骨およびコンクリートを介して一体に接合する。あるいは、接合鉄骨を一方のPCa梁に予め埋設しておき、他方のPCa梁には接合鉄骨を落とし込むための凹溝を形成しておく。
【選択図】図2

Description

本発明は建物の構造に関連し、特にPCa梁(プレキャストコンクリート梁)の接合構造および接合方法に関する。
周知のように、PCa工法(プレキャストコンクリート工法)は、たとえば特許文献1に示されるように、予め工場製作したPCa梁やPCa柱、PCa床版や壁用のPCaパネル等のPCa部材どうしを現場にて順次接合することで躯体を工業的手法により構築するものであり、在来のRC造(鉄筋コンクリート造)による場合に比較して現場での配筋作業やコンクリート打設作業およびそれらに関連する仮設工事を大幅に軽減し得て効率的な施工が可能であることから広く普及している。
PCa工法において用いるPCa部材としては各種の構造、形態のものが用いられるが、特にPCa梁としては、全断面をPCa化したフルPCa梁の他、後段において床版が一体化される梁上部の部分はPCa化せずに残しておいてそこに梁主筋(上端筋)およびせん断補強筋(スターラップ)の上部を露出させておくハーフPCa梁も広く用いられている。
特開2002−322734号公報
ところで、従来一般のPCa工法においてはPCa部材どうしを構造的に確実堅固に接合する必要があることはもとより、その接合作業を可及的に簡易に行い得ることが望まれるが、現時点ではそのための有効適切な接合手法は必ずしも確立されていない。
特に、従来においてはPCa梁どうしを接合する際に双方のPCa梁の梁主筋どうしを直接的に溶接して接合するか、あるいは特許文献1にも示されているようにネジ式やスリーブ式等の機械式継手により接合することが通常であるが、溶接によることでは養生や試験も含めて施工性の点で難があるし、機械式継手による場合には施工品質の確保のために高精度かつ慎重な作業が必要であり、いずれも手間のかかる煩雑な作業とならざるを得ない。
そのため、従来一般のPCa工法においてはPCa梁どうしの接合作業を必ずしも効率的に行えるものではなく、それを改善し得る有効適切な手法の開発が望まれているのが実情である。
上記事情に鑑み、本発明はPCa梁どうしをより合理的に接合することが可能な有効適切な接合構造および接合方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、PCa梁どうしを軸方向に接合するための接合構造であって、双方のPCa梁の端部にそれぞれ接合鉄骨が配置可能な凹溝が各PCa梁の先端面に開口しかつ上方が開放された状態で予め形成されているとともに、一部の梁主筋の先端部が前記凹溝の近傍位置で該PCa梁内に定着され、双方のPCa梁の先端面どうしが突き合わせられて双方の凹溝内に前記接合鉄骨が上方から落とし込まれて双方のPCa梁の間に跨るように配置されているとともに、該接合鉄骨の周囲にせん断補強筋が配筋されて前記凹溝内にコンクリートが打設充填されることにより、双方のPCa梁どうしが前記接合鉄骨および前記コンクリートを介して一体に接合されてなることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構造によりPCa梁どうしを軸方向に接合するための接合方法であって、双方のPCa梁の端部にそれぞれ接合鉄骨を配置可能な凹溝を各PCa梁の先端面に開口させかつ上方を開放した状態で予め形成しておくとともに、一部の梁主筋の先端部を前記凹溝の近傍位置で該PCa梁内に定着しておき、双方のPCa梁の先端面どうしを突き合わせて双方の凹溝内に前記接合鉄骨を上方から落とし込んで双方のPCa梁の間に跨るように配置するとともに、該接合鉄骨の周囲にせん断補強筋を配筋して前記凹溝内にコンクリートを打設充填することにより、双方のPCa梁どうしを前記接合鉄骨および前記コンクリートを介して一体に接合することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、PCa梁どうしを軸方向に接合するための接合構造であって、一方のPCa梁の端部に接合鉄骨が端面から突出して設けられ、他方のPCa梁の端部には前記接合鉄骨を配置可能な凹溝が該PCa梁の先端面に開口しかつ上方が開放された状態で予め形成されているとともに、一部の梁主筋の先端部が前記凹溝の近傍位置で該PCa梁内に定着され、前記凹溝内に前記接合鉄骨が上方から落とし込まれて該接合鉄骨が双方のPCa梁の間に跨るように配置されているとともに双方のPCa梁の端部どうしが突き合わせられ、前記接合鉄骨の周囲にせん断補強筋が配筋されて前記凹溝内にコンクリートが打設充填されることにより、双方のPCa梁どうしが前記接合鉄骨および前記コンクリートを介して一体に接合されてなることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の構造によりPCa梁どうしを軸方向に接合するための接合方法であって、一方のPCa梁の端部に接合鉄骨を端面から突出させて設けておき、他方のPCa梁の端部には前記接合鉄骨を配置可能な凹溝を該PCa梁の先端面に開口させかつ上方を開放した状態で予め形成しておくとともに、一部の梁主筋の先端部を前記凹溝の近傍位置で該PCa梁内に定着しておき、前記凹溝内に前記接合鉄骨を上方から落とし込んで該接合鉄骨を双方のPCa梁の間に跨るように配置するとともに双方のPCa梁の端部どうしを突き合わせ、前記接合鉄骨の周囲にせん断補強筋を配筋して前記凹溝内にコンクリートを打設充填することにより、双方のPCa梁どうしを前記接合鉄骨および前記コンクリートを介して一体に接合することを特徴とする。
本発明のPCa梁の接合構造および接合方法によれば、PCa梁に予め凹溝を形成しておき、その凹溝内に接合鉄骨を落とし込み、せん断補強筋を後配筋してコンクリートを打設充填することのみで、梁主筋どうしを接合せずともPCa梁どうしを確実堅固に接合し得ることはもとより、そのために何ら面倒な作業や繁雑な作業を一切必要とせず、したがってPCa梁どうしを極めて合理的に接合することが可能であり、PCa工法による建物の施工に際して工期短縮および工費削減に大きく寄与し得る。
本発明を適用するPCa工法の概要図である。 本発明の接合構造および接合方法の第1実施形態を示す概要図である。 同、接合後の状態を示す図である。 同、変形例を示す図である。 同、変形例を示す図である。 同、変形例を示す図である。 同、変形例を示す図である。 同、変形例を示す図である。 本発明の接合構造および接合方法の第2実施形態を示す概要図である。 同、接合後の状態を示す図である。
以下、図1に示すPCa工法に本発明を適用する場合の第1実施形態を図2〜図3を参照して説明する。
図1に示すPCa工法は、2層分の高さに相当するPCa柱2に対して2層分のPCa梁3を一体に組み付けた大規模なPCa部材1を予め工場製作し、それを現場にて順次組み立てていくことで建物の躯体を構成することを基本とするものである。
そして、本第1実施形態は、隣接配置した双方のPCa部材1における双方のPCa梁3の先端どうしをスパン中央位置において突き合わせて接合することによって各階の大梁を構成するものであり、特にそれらPCa梁3どうしを接合鉄骨4を介して接合することを主眼とする。なお、図1におけるIII部はPCa梁3どうしの接合部を示し、その詳細を図3に示している。
本第1実施形態では、図2に示すように接合するべき双方のPCa梁3がいずれもハーフPCa梁(後段でスラブが一体化される部分はPCa化されていない)とされ、かつ、双方のPCa梁3の端部にはそれぞれ上記の接合鉄骨4(図示例ではH形鋼)が配置可能な凹溝5が各PCa梁3の先端面に開口しかつ上方が開放された状態で予め形成されている。
本実施形態におけるPCa梁3は、基本的には通常のPCa梁と同様に梁主筋6(上端筋6aおよび下端筋6b)およびせん断補強筋7(スターラップ)が配筋されているものであるが、図示例のPCa梁3はやや偏平断面とされていることから上端筋6aと下端筋6bとが各6本ずつ配筋されて、それらの全体を取り囲むように主せん断補強筋7aが配筋されていることに加えて、さらに両側部の梁主筋6を取り囲むような補助せん断補強筋7bも配筋されている。
そして、本実施形態のPCa梁3はハーフPCa梁であることから通常のハーフPCa梁と同様に上端筋6aおよびせん断補強筋7の上部は露出状態で配筋されており、またPCa梁3の端部には凹溝5が形成されていることからその内部には補助せん断補強筋7bが露出状態で配筋されているが、凹溝5の位置では上端筋6aおよび主せん断補強筋7aの上部の配筋が省略されている。
すなわち、通常のハーフPCa梁のように梁端部までせん断補強筋7や上端筋6aをそのまま配筋してしまうと凹溝5の上部がそれらにより塞がれてしまい、したがって後段での凹溝5内への接合鉄骨4の落とし込み作業の際の障害になってしまうことから、図2に示すように凹溝5の上部に対しては主せん断補強筋7aの配筋を省略している。
また、図3(a)に示すように、上端筋6aの一部(図示例では全6本のうち中心側の2本)は凹溝5の手前側で下方に折り曲げられているとともに、下端筋6bの一部(同)は凹溝5の手前側で上方に折り曲げられていて、それらの上端筋6aと下端筋6bどうしがU状に連結されてアンカー部20が形成されてそれら上端筋6aおよび下端筋6bはその位置で定着されている。
なお、凹溝5の深さが浅いような場合において凹溝5の底面と梁底面との間に下端筋6bを支障なく配筋し得るような十分な寸法と被りが確保できる場合には、全ての下端筋6bをそのまま梁端部まで配筋してしまっても良く、その場合は上端筋6aのみを凹溝5の手前で下方に折り曲げてそこに定着すれば良い。
上記のようにPCa梁3の端部に凹溝5を形成し、かつその上部へのせん断補強筋7および上端筋6aの配筋を省略して凹溝5の上部を開放していることにより、凹溝5への接合鉄骨4の落とし込み作業を支障なく行い得るようになっており、それにより本実施形態ではPCa梁3どうしの接合作業を極めて容易に行い得るものである。
すなわち、上記のPCa梁3どうしを接合する際には、双方のPCa梁3の先端面どうしを突き合わせた後、双方の凹溝5内に接合鉄骨4を上方から落とし込んで双方のPCa梁3の間に跨るように配置し、その接合鉄骨4の周囲にコ状のせん断補強筋8を下向きとして後配筋して上端筋6aおよび補助せん断補強筋7bに対して結束し、しかる後に凹溝5内にコンクリート9を打設充填するだけで良い。
これにより、双方のPCa梁3どうしが接合鉄骨5およびコンクリート9を介して構造的に応力伝達可能な状態で接合されて確実堅固に一体化される。
この場合、双方のPCa梁3の梁主筋6どうしは従来のように接合されることはなく、また凹溝5の位置では梁主筋6の一部が省略されることにはなるが、そこでは実質的に鉄骨コンクリート造となって接合鉄骨4が梁主筋6の機能も発揮するので、構造的に何ら支障はない。
なお、上記のようにしてPCa梁3どうしを接合する際に、図2、図3(a)、(b)に示しているようにPCa梁3の側部に床型枠10(ハーフPCa床版やデッキプレート)を支持して設置して床配筋を行い、凹溝5へのコンクリート9の打設充填と同時に床型枠10上にもコンクリートを打設してスラブ11を一体に形成すれば良い。
勿論、必要であればPCa梁3を接合した後にスラブ11の施工を別途行うことでも良いし、スラブ11をフルPCa床版により形成する場合にはPCa梁3との接合部を除いて床配筋やスラブコンクリートの打設は省略可能である。
また、図2〜図3に示すように、双方のPCa梁3の先端面(接合端面)の最外周部をやや突出させて接合縁部15とし、その内側に傾斜面を介して後方に後退している段部16を形成しておくことが好ましい。
そして、図3(a)に示すように双方のPCa梁3の先端面どうしを突き合わせる際に接合縁部15間にシール材17を介装し、その内側に双方の段部16により漏斗状の断面形状のコンクリート充填空間18が形成されるようにしておくと良い。
これにより、凹溝5内へのコンクリート9の打設充填時にコンクリートの漏れ出しをシール材17によって防止できるからそこへの型枠工事を一切不要とできるし、その内側に確保したコンクリート充填空間18に十分な量のコンクリート9が充填されるので、接合部の接合強度および耐火性能を支障なく確保することができる。
換言すると、上記のような接合縁部15や段部16を設けることなく先端面を単なる平坦面として双方の先端面どうしを単に全面的に突き合わせる場合には、凹溝5内にコンクリート9が充填されるのみで双方の接合端面間にはコンクリート9が回り込む余地が殆どなく、したがってそこではコンクリート9による付着力を期待できないので構造的な一体化強度の点では好ましくないばかりか、接合端面間に僅かな隙間が残る懸念もあるので接合鉄骨4に対する耐火被覆が必要となる場合もある。
そこで、上記のように接合端面の外周部に接合縁部15を突出させてその内側にコンクリート充填空間18を確保するための段部16を形成しておくことにより、そのような不具合を確実に回避することができる。
以上のように本実施形態のPCa梁の接合構造および接合方法によれば、PCa梁3に予め凹溝5を形成しておき、その凹溝5内に接合鉄骨4を落とし込み、せん断補強筋8を後配筋してコンクリート9を打設充填することのみで、それ以上の配筋作業や型枠作業等の面倒かつ繁雑な作業を一切必要とせず、PCa梁3どうしを極めて容易にしかも構造的に確実堅固に接合し得るものであり、したがってPCa工法による建物の施工に際して工期短縮および工費削減に大きく寄与し得る。
以上で本発明の基本的な第1実施形態について説明したが、上記実施形態はあくまで好適な一例であって本発明は様々なPCa工法に広く適用できるものであり、当然にPCa梁3の断面形状や配筋その他の仕様については本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々に変更可能であることは言うまでもなく、たとえば以下に列挙するような設計的変形や応用が考えられる。
上記実施形態では上端筋6aと下端筋6bの双方を凹溝5の近傍位置に対して定着するために、図3(a)に示したように上端筋6aの先端部を下方に折り曲げるとともに下端筋6bの先端部を上方に折り曲げてそれらをU状に連結したアンカー部20を形成するようにしたが、要は接合鉄骨4と干渉する梁主筋6を凹溝5の近傍位置に定着してしまえば良いのであって、そのためには所望の梁主筋6の先端部を所望の定着長さを確保した状態で適宜のアンカー手段により定着すれば良い。
たとえば、上記のように上端筋6aと下端筋6bとをU状に連結することに代えて、図4に示すように各梁主筋6の先端部にそれぞれL状(あるいはU状)のアンカー部20を形成しても良い。
また、図5に示すように各梁主筋6を凹溝の手前位置で切り止めてそこに適宜の定着プレート21を装着することも考えられるし、定着プレート21を装着することに代えて梁主筋6自体を外周側に膨出させて断面を拡大することにより定着頭部を形成することでも良い。
勿論、せん断補強筋7についても、接合鉄骨4との干渉を回避し得るように適宜配筋すれば良く、PCa梁3の断面形状によって補助せん断補強筋7bが不要な場合には省略しても差し支えない。
上記実施形態のPCa梁3は建物の内部に設置されてその両側にスラブ11が設けられる場合のものとしたが、PCa梁3が外周梁とされる場合には、図6に示すようにPCa梁3の外壁12と取り合う側部を梁天端まで延ばしておけば良い。
PCa梁3どうしの接合部において割裂が生じる懸念があるような場合には、図7に示すように想定される割裂面(鎖線で示す)に対して交差するように割裂補強筋22を配筋すれば良い。その場合、図示例のように割裂補強筋22を上下の割裂補強筋22a、22bにより構成して、上側の割裂補強筋22aは接合鉄骨4を配置した後に配筋すれば良いが、下側の割裂補強筋22bは予め凹溝5内の底部に固着しておけば良い。
また、そのような割裂補強筋22は上記のせん断補強筋8とは別に配筋すれば良いが、可能であればせん断補強筋8と割裂補強筋22を兼用するような配筋としても良い。
上記第1実施形態およびその変形例においては、双方のPCa梁3をいずれもハーフPCa梁としたものであるが、図8に示すように双方のPCa梁3を全断面をPCa化したフルPCa梁として、補助せん断補強筋7bおよび上端筋6aの一部のみを凹溝5内に露出状態で配筋する構成とすることもできる。
以上で説明した第1実施形態およびその変形例は、双方のPCa梁3に凹溝5を予め形成しておいて、双方のPCa梁3どうしを突き合わせた後に凹溝5内に接合鉄骨4を落とし込むようにしたが、接合鉄骨4をいずれか一方のPCa梁3に対して予め埋設しておくことも可能であり、その場合の第2実施形態について図9〜図10を参照して説明する。
本第2実施形態は、上記第1実施形態においてはハーフPCa梁としていた双方のPCa梁3をいずれもフルPCa梁に変更し、かついずれか一方のフルPCa梁3に対して予め接合鉄骨4を埋設しておくこと以外は基本的に第1実施形態と同様であるので、第1実施形態と共通の要素については同一符号を付してそれ以上の説明は省略する。
本第2実施形態では、図9に示すように一方(図示右側のもの)のPCa梁3Aの端部に接合鉄骨4を予め埋設しておいてその接合鉄骨4の先端部をこのPCa梁3Aの先端面(接合端面)に所定長さだけ突出させておき、他方のPCa梁3Bはその接合鉄骨4の先端部を落とし込むための凹溝5を形成しておく。
この場合、一方のPCa梁3AはPCa工場において製作する際にその端部に接合鉄骨4を埋設すれば良いので、通常のフルPCa梁と同様の手法により支障なく製造することができ、その配筋も接合鉄骨4を埋設し得る限りは図10(a)に示すように通常の配筋を行うことで十分である。
それに対し、他方のPCa梁3Bは図8に示した第1実施形態の変形例の場合と同様に、現場において凹溝5の上部から接合鉄骨4を落とし込むために凹溝5の上方を開放しておく必要があるから、その場合と全く同様に凹溝5の上部に対しては主せん断補強筋7aを省略しておいて接合鉄骨4を落とし込んだ後にせん断補強筋8を後配筋するようにし、また図10(a)、(b)に示すように凹溝5の上部への上端筋6aの配筋を省略し、その先端部をアンカー部20とするか定着プレート21を装着して凹溝5の近傍位置に定着しておけば良い。
本第2実施形態においては、接合鉄骨4を凹溝5内に落とし込んだ状態で双方のPCa梁3A、3Bの先端面どうしを突き合わせ、接合鉄骨4の周囲にせん断補強筋8を後配筋した後、凹溝5内にコンクリート9を打設充填することのみで、双方のPCa梁3A,3Bどうしを接合鉄骨4およびコンクリート9を介して構造的に確実堅固に一体化できることはもとより、接合鉄骨4を予め一方のPCa梁3Aに対して埋設しておくので第1実施形態の場合よりもさらなる工業化を実現することができる。
1 PCa部材
2 PCa柱
3(3A、3B) PCa梁
4 接合鉄骨
5 凹溝
6 梁主筋
6a 上端筋
6b 下端筋
7 せん断補強筋
7a 主せん断補強筋
7b 補助せん断補強筋
8 せん断補強筋
9 コンクリート
10 床型枠
11 スラブ
12 外壁
15 接合縁部
16 段部
17 シール材
18 コンクリート充填空間
20 アンカー部
21 定着プレート
22(22a、22b) 割裂補強筋

Claims (4)

  1. PCa梁どうしを軸方向に接合するための接合構造であって、
    双方のPCa梁の端部にそれぞれ接合鉄骨が配置可能な凹溝が各PCa梁の先端面に開口しかつ上方が開放された状態で予め形成されているとともに、一部の梁主筋の先端部が前記凹溝の近傍位置で該PCa梁内に定着され、
    双方のPCa梁の先端面どうしが突き合わせられて双方の凹溝内に前記接合鉄骨が上方から落とし込まれて双方のPCa梁の間に跨るように配置されているとともに、該接合鉄骨の周囲にせん断補強筋が配筋されて前記凹溝内にコンクリートが打設充填されることにより、双方のPCa梁どうしが前記接合鉄骨および前記コンクリートを介して一体に接合されてなることを特徴とするPCa梁の接合構造。
  2. PCa梁どうしを軸方向に接合するための接合方法であって、
    双方のPCa梁の端部にそれぞれ接合鉄骨を配置可能な凹溝を各PCa梁の先端面に開口させかつ上方を開放した状態で予め形成しておくとともに、一部の梁主筋の先端部を前記凹溝の近傍位置で該PCa梁内に定着しておき、
    双方のPCa梁の先端面どうしを突き合わせて双方の凹溝内に前記接合鉄骨を上方から落とし込んで双方のPCa梁の間に跨るように配置するとともに、該接合鉄骨の周囲にせん断補強筋を配筋して前記凹溝内にコンクリートを打設充填することにより、双方のPCa梁どうしを前記接合鉄骨および前記コンクリートを介して一体に接合することを特徴とするPCa梁の接合方法。
  3. PCa梁どうしを軸方向に接合するための接合構造であって、
    一方のPCa梁の端部に接合鉄骨が端面から突出して設けられ、
    他方のPCa梁の端部には前記接合鉄骨を配置可能な凹溝が該PCa梁の先端面に開口しかつ上方が開放された状態で予め形成されているとともに、一部の梁主筋の先端部が前記凹溝の近傍位置で該PCa梁内に定着され、
    前記凹溝内に前記接合鉄骨が上方から落とし込まれて該接合鉄骨が双方のPCa梁の間に跨るように配置されているとともに双方のPCa梁の端部どうしが突き合わせられ、
    前記接合鉄骨の周囲にせん断補強筋が配筋されて前記凹溝内にコンクリートが打設充填されることにより、双方のPCa梁どうしが前記接合鉄骨および前記コンクリートを介して一体に接合されてなることを特徴とするPCa梁の接合構造。
  4. PCa梁どうしを軸方向に接合するための接合方法であって、
    一方のPCa梁の端部に接合鉄骨を端面から突出させて設けておき、
    他方のPCa梁の端部には前記接合鉄骨を配置可能な凹溝を該PCa梁の先端面に開口させかつ上方を開放した状態で予め形成しておくとともに、一部の梁主筋の先端部を前記凹溝の近傍位置で該PCa梁内に定着しておき、
    前記凹溝内に前記接合鉄骨を上方から落とし込んで該接合鉄骨を双方のPCa梁の間に跨るように配置するとともに双方のPCa梁の端部どうしを突き合わせ、
    前記接合鉄骨の周囲にせん断補強筋を配筋して前記凹溝内にコンクリートを打設充填することにより、双方のPCa梁どうしを前記接合鉄骨および前記コンクリートを介して一体に接合することを特徴とするPCa梁の接合方法。
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