JP2016098563A - プレグラウトpc鋼材を用いたプレキャストコンクリート桁の緊張定着方法 - Google Patents

プレグラウトpc鋼材を用いたプレキャストコンクリート桁の緊張定着方法 Download PDF

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睦彦 大西
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昭二 白濱
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Kiyotaka Hosoi
清剛 細居
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Abstract

【課題】プレグラウトPC鋼材を用いてプレキャストコンクリート桁を容易な作業で緊張定着する。
【解決手段】緊張定着方法は、外層シース管と、内層誘導管と、外層シース管と内層誘導管との間に充填されたプレグラウト樹脂とにより構成されるユニット1100を埋設したプレキャストコンクリート桁1000を工場で製作するステップと、複数のプレキャストコンクリート桁1000を現場に設置するステップと、現場に設置された全てのプレキャストコンクリート桁1000のユニット1100内にプレグラウトPC鋼材1500を挿入するステップと、間詰部に間詰部コンクリート300を打設するステップと、PC鋼材1510をジャッキ1700により緊張して定着する緊張定着ステップと、プレグラウト樹脂が硬化する硬化ステップとを含む。
【選択図】図6

Description

専用工場(以下において単に工場と記載する場合がある)にて製作されて架設現場(以下において単に現場と記載する場合がある)に持ち込まれるプレキャストコンクリート桁を複数本並べて橋軸直角方向にPC鋼材を用いて緊張定着する方法に関し、特に、コンクリート桁間の間詰部にシース管を設置する必要がなく、かつ、緊張定着後にグラウトを充填する必要のない、プレグラウトPC鋼材を用いたプレキャストコンクリート桁の緊張定着方法に関する。なお、本発明において、PC鋼材には、PC鋼線およびPC鋼より線を含む。
プレストレストコンクリート橋梁(PC橋梁と呼ばれることがある)においては、主桁(コンクリート桁)に作用する曲げモーメントに対抗するため、主桁にPC鋼材が挿入され、プレストレスが導入される。プレストレストコンクリート橋梁には、予め工場でコンクリート打設およびプレストレス導入が行われて製作されたプレキャストコンクリート桁を架設現場に持ち込む方式と、架設現場にて全ての製作を行う方式とがある。
前者の方式においては、橋梁の幅方向に複数の主桁(プレキャストコンクリート桁)を並べて各両端を橋脚上に架設し、各プレキャストコンクリート桁間(間詰部)にコンクリートを打設するとともに、桁幅方向に貫通させたPC緊張材(PC鋼材)を緊張定着することによってプレキャストコンクリート桁間を一体化している。
間詰部の施工方法を示す先行技術として、特開2007−291710号公報(特許文献1)がある。この特許文献1は、プレキャストコンクリート桁間の間詰部にコンクリートを現場打ちにより施工する方法について開示している。
特開2007−291710号公報
上述した特許文献1に示すように、専用工場にて製作されて架設現場に持ち込まれる複数のプレキャストコンクリート桁の間の間詰部には、コンクリートが現場打ちにより施工される。この場合、図12に示すように、シース管112が埋設されて専用工場にて製作されたプレキャストコンクリート桁110と、シース管116が埋設されて専用工場にて製作されたプレキャストコンクリート桁114との間の間詰部には、シース管112およびシース管116をそれぞれ間詰部シース管118と連結した後に間詰部コンクリート300が打設される。そして、シース管112、シース管116および間詰部シース管118に挿入されたPC鋼材120が緊張定着されてプレストレスが導入されて、複数のプレキャストコンクリート桁間が一体化される。
なお、間詰部シース管118は、隣り合うプレキャストコンクリート桁110のシース管112どうしまたは隣り合うプレキャストコンクリート桁114のシース管116どおしを連結するものであっても構わない。
しかしながら、このような方法では、
(1)現場における間詰部の間隔が狭いために(150mm〜300mm程度)、シース管を接続する作業(シース管112と間詰部シース管118とを接続する作業およびシース管116と間詰部シース管118とを接続する作業)に時間を必要とする問題点、
(2)間詰部でシース管を接続する箇所ではプレキャストコンクリート桁内のシース管112およびシース管116よりも内径が小さい間詰部シース管118を使用するため、高耐久性が要求される場合に使用されることの多い防錆対策されたプレグラウトPC鋼材(通常のPC鋼材の表面にグラウト材としての未硬化の常温硬化性樹脂を予め塗布してあり通常のPC鋼材よりもプレグラウト層(防錆層)の分だけ外径が大きい)を使用するには
、プレキャストコンクリート桁内のシース管の直径を大きくすることが必要となる問題点、
(3)PC鋼材の緊張定着後に橋脚の幅方向全長にグラウトを注入する現場での作業に時間を必要とする問題点、
がある。
本発明は、従来技術の上述の問題点に鑑みて開発されたものであり、その目的とするところは、専用工場にてプレキャストコンクリート桁を製作する場合に埋設するシース管の直径を大きくすることがなく、現場においてコンクリート桁間の間詰部にシース管を設置する必要なく、かつ、緊張定着後にグラウトを充填する必要がない、プレグラウトPC鋼材を用いて複数のプレキャストコンクリート桁の橋軸直角方向を緊張定着する方法を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明に係るプレグラウトPC鋼材を用いたプレキャストコンクリート桁の緊張定着方法は以下の技術的手段を講じている。
すなわち、本発明に係るプレグラウトPC鋼材を用いたプレキャストコンクリート桁の緊張定着方法は、常温硬化性のプレグラウト樹脂をPC鋼材の表面に未硬化状態で塗布してシース管で覆ったプレグラウトPC鋼材を用いたプレキャストコンクリート桁の緊張定着方法であって、外層シース管と、内層誘導管と、前記外層シース管と前記内層誘導管との間に未硬化状態で充填された常温硬化性のプレグラウト樹脂とにより構成されるユニットを橋軸直角方向に埋設したプレキャストコンクリート桁を工場で製作する製作ステップと、複数のプレキャストコンクリート桁を現場に設置する設置ステップと、前記設置ステップ後、現場に設置された全てのプレキャストコンクリート桁のユニット内に前記プレグラウトPC鋼材を挿入する挿入ステップと、前記挿入ステップ後、前記プレキャストコンクリート桁間の間詰部に間詰部コンクリートを打設する打設ステップと、前記打設ステップ後、前記プレグラウトPC鋼材を緊張して定着する緊張定着ステップと、前記緊張定着ステップ後、前記ユニットにおけるプレグラウト樹脂および前記プレグラウトPC鋼材におけるプレグラウト樹脂が硬化する硬化ステップとを含む。
好ましくは、前記挿入ステップにおいて、前記プレグラウトPC鋼材が前記内層誘導管を前記ユニットから押し出すようにして、前記プレグラウトPC鋼材が前記ユニット内に挿入されるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記プレグラウトPC鋼材の先端には、前記内層誘導管の内径よりも小さい先端部と前記先端部に続く前記内層誘導管の外径と略同じ径の後端部とを備えたキャップが設けられ、前記先端部と前記後端部との段差が前記内層誘導管の端面に当接して、前記プレグラウトPC鋼材が前記内層誘導管を前記ユニットから押し出すように構成することができる。
さらに好ましくは、前記ユニットは、その端部に、前記挿入ステップにおいて前記プレグラウトPC鋼材を前記ユニットに挿入する際に、前記ユニットに充填されたプレグラウト樹脂の漏れを防ぐパッキンをさらに含むように構成することができる。
さらに好ましくは、前記ユニットは、その端部に、前記挿入ステップにおいて前記プレグラウトPC鋼材を前記ユニットに挿入する際に、前記プレグラウトPC鋼材と前記ユニットとを位置決めするためのセンターライザーをさらに含むように構成することができる。
さらに好ましくは、前記シース管の表面が凹凸状に形成されているように構成することができる。
本発明に係る緊張定着方法によれば、専用工場にてプレキャストコンクリート桁を製作する場合に埋設するシース管の直径を大きくすることがなく、現場においてコンクリート桁間の間詰部にシース管を設置する必要なく、かつ、緊張定着後にグラウトを充填する必要がなく、プレグラウトPC鋼材を用いて複数のプレキャストコンクリート桁の橋軸直角方向を緊張定着することができる。
本発明の実施の形態に係る緊張定着方法が実施されるプレキャストコンクリート桁を備えたPC橋梁の構造を示す斜視図である。 図1のPC橋梁が備えるプレキャストコンクリート桁の構造を示す断面図である。 図2に示すプレキャストコンクリート桁の拡大図である。 本発明の実施の形態に係る緊張定着方法の手順を示す図(その1)である。 本発明の実施の形態に係る緊張定着方法の手順を示す図(その2)である。 本発明の実施の形態に係る緊張定着方法の手順を示す図(その3)である。 図4(B)の7−7断面図である。 図4(B)の8−8断面図である。 図4(B)の9−9断面図である。 図5(B)の10−10断面図である。 本発明の実施の形態に係る緊張定着方法に用いられる部材を示す図(図面代用写真)である。 プレキャストコンクリート桁における従来の緊張定着方法を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態に係るプレグラウトPC鋼材を用いたプレキャストコンクリート桁の緊張定着方法(以下、単に緊張定着方法と記載する場合がある)を、図面に基づき詳しく説明する。なお、本発明に係る緊張定着方法におけるPC鋼材は、複数の鋼線から構成されるPC鋼線またはPC鋼より線であればよく、複数の鋼線の1本は、さらに細い複数の鋼線から構成されるより線であっても単一の鋼線であっても構わない。
本実施の形態に係る緊張定着方法は、プレグラウトPC鋼材を用いて、プレキャストコンクリート桁の橋軸直角方向を緊張定着する。プレグラウトPC鋼材は、常温硬化性のプレグラウト樹脂(エポキシ樹脂)をPC鋼材の表面に未硬化状態で塗布してシース管で覆ったPC鋼材であって、一例として、出願人が製造販売するアフターボンド(登録商標)PC鋼材が挙げられる。プレキャストコンクリート桁は、外層シース管と、内層誘導管と、外層シース管と内層誘導管との間に未硬化状態で充填された常温硬化性のプレグラウト樹脂とにより構成される埋設ユニット(以下においては単にユニットと記載する)が橋軸直角方向に埋設されて専用工場において製作される。なお、プレグラウト樹脂は、セメントペーストであっても構わない。
このようにプレグラウトPC鋼材は公知のものであるため、ここでの詳細な説明は繰り返さない。ただし、プレグラウトPC鋼材の先端に取り付けられるキャップについては後述する。
本実施の形態に係る緊張定着方法を説明するに先立って、まず、ユニットが埋設されたプレキャストコンクリート桁について説明する。
[プレキャストコンクリート桁]
図1に本実施の形態に係る緊張定着方法が実施されるプレキャストコンクリート桁1000を備えたPC橋梁100の構造を示す斜視図を、図2にプレキャストコンクリート桁1000の構造を示す断面図を、図3に図2に示すプレキャストコンクリート桁1000の拡大図をそれぞれ示し、これらの図を参照して、プレキャストコンクリート桁1000の構造について説明する。
図1に示すように、たとえば自動車道路用のPC橋梁100は、自動車等の荷重を直接支持する部分(一般的に桁(より詳しくはプレキャストコンクリート桁1000)と称している部分)を上部構造として、この上部構造を支え支持地盤に荷重を伝達する部分(橋脚200および橋台(図示しない))を下部構造として、構成される。そして、図1および図2に示すように、橋梁の幅方向に複数のプレキャストコンクリート桁1000を並べてそれぞれの両端部を橋脚200上に架設し、各プレキャストコンクリート桁1000間(間詰部)に間詰部コンクリート300を打設するとともに、桁幅方向(橋軸直角方向)
に貫通させたプレグラウトPC鋼材の緊張定着作業によってプレキャストコンクリート桁1000間を一体化している。
図3に示すプレキャストコンクリート桁1000の拡大図を用いて、さらにプレキャストコンクリート桁1000について詳しく説明する。なお、図3(B)は図3(A)のB部拡大図である。この図3に示すように、このプレキャストコンクリート桁1000は、外層シース管1130と、内層誘導管1110と、外層シース管1130と内層誘導管1110との間に未硬化状態で充填された常温硬化性のプレグラウト樹脂1120とにより構成されるユニット1100が橋軸直角方向に埋設されている。
外層シース管1130の素材は、たとえば、ポリエチレンであって、内層誘導管1110の素材は、たとえば、塩化ビニルであって、プレグラウトPC鋼材1500(図4等に図示)が呼び名21.8mmのプレグラウトPC鋼より線(シース管1530の外径における凸部が29.0mm(公差省略)であって凹部が24.5mm(公差省略)であって表面が凹凸状に形成)である場合には、外層シース管1130として外径53mm/内径45mmのものが用いられ、内層誘導管1110として外径26mm、厚み2.7mmのものが用いられる。そして、プレグラウト樹脂1120は、後述するプレグラウトPC鋼材1500に塗布されたプレグラウト樹脂1520(図10に図示)と同じまたは類似する湿気硬化型または熱硬化型の硬化特性(いずれも常温硬化性)を備える。
ここで、後述する図9に示すように、このユニット1100においては、外層シース管1130の管軸方向中心線と内層誘導管1110の管軸方向中心線とが略一致するように、所定の量(所定の有効付着強度を発生する量)のプレグラウト樹脂1120が充填されている。このように充填されたプレグラウト樹脂1120は円周方向に略同じの厚みを備えることになる。
なお、ユニット1100の内部のプレグラウト樹脂1120はプレグラウトPC鋼材1500に使用されるものと同様(上述したように同じまたは類似を意味する)のものを予め充填しておくタイプと、プレキャストコンクリート桁1000を現地に出荷する直前に専用工場で注入するタイプとがある。後者は、プレキャストコンクリート桁1000の製作時から長い期間を経た後に現地でのPC鋼材を用いた緊張定着作業が行われる場合に使用される。
さらに、このユニット1100は、その(両)端部に、後述する挿入ステップにおいてプレグラウトPC鋼材1500をユニット1100に挿入する際に、プレグラウトPC鋼材1500とユニット1100との管軸方向の中心位置を位置決めするためのセンターライザー1140をさらに含む。このセンターライザー1140の素材は、たとえば塩化ビニルであって、その内径は、後述するキャップ1600の後端部1620の外径およびプレグラウトPC鋼材1500のシース管1530の外径よりも大きく、その外径は外層シース管1130の内径に嵌合している(後述する図8参照)。
さらに、このユニット1100は、その(両)端部に、後述する挿入ステップにおいてプレグラウトPC鋼材1500をユニット1100に挿入する際に、ユニット1100に充填されたプレグラウト樹脂1120の漏れを防ぐパッキン1150をさらに含む。このパッキン1150の素材は、たとえばスポンジであって、その管軸方向両端はセンターライザー1140により挟持されてユニット1100からパッキン1150が管軸方向に抜けないように支持されている。そして、パッキン1150の内径は、内層誘導管1110の外径およびプレグラウトPC鋼材1500のシース管1530の外径よりも十分に小さく(プレグラウト樹脂1120が漏れないように十分に押圧する程度に小さく)、このユニット1100の(両)端部において、内層誘導管1110の外表面または内層誘導管1110を押し出した後のプレグラウトPC鋼材1500のシース管1530の外表面をスポンジ素材で押さえていることになる。
このようにセンターライザー1140およびパッキン1150を備えるために(さらには外層シース管1130の管軸方向中心線と内層誘導管1110の管軸方向中心線とが略一致していることにより)、後述するキャップ1600を備えたプレグラウトPC鋼材1500をユニット1100に挿入する際に、センターライザー1140によりプレグラウ
トPC鋼材1500とユニット1100との管軸方向の中心位置を位置決めされるとともに、パッキン1150によりユニット1100に充填されたプレグラウト樹脂1120の漏れを防ぐことができる。
なお、上述のセンターライザー1140およびパッキン1150は、本発明において必須の構成ではない。
[緊張定着方法]
以上のような、本実施の形態に係る緊張定着方法に合致させた構造を備えたプレキャストコンクリート桁1000を用いた緊張定着方法について説明する。
まず、この緊張定着方法を説明する前に、図4を参照して、公知のプレグラウトPC鋼材1500の先端に取り付けられるキャップ1600について説明する。なお、図4(B)は図4(A)のB部拡大図である。この図4に示すように、プレグラウトPC鋼材1500のユニット1100の挿入側の先端には、内層誘導管1110の内径dよりも少しだけ小さい外径D1を備えた先端部1610と先端部1610に続く内層誘導管1110の外径(およびプレグラウトPC鋼材1500のシース管1530の外径)と略同じ外径D2を備えた後端部1620とを備えたキャップ1600であって、中空円筒形状のキャップ1600が設けられる。中空部の内径は、プレグラウトPC鋼材1500のPC鋼材1510の外径に略同じである。
このように、キャップ1600の先端部1610の外径D1が、内層誘導管1110の内径dよりも少しだけ小さいために、先端部1610の外径が内層誘導管1110の内径に嵌合して、管軸中心方向の位置を容易に決定することができる。
さらに、この先端部1610と後端部1620との段差1630が内層誘導管1110の端面に当接して、プレグラウトPC鋼材1500が内層誘導管1110をユニット1100から押し出すようにして、挿入ステップにおいてプレグラウトPC鋼材1500がユニット1100内に挿入される。
このキャップ1600の素材は、たとえば金属製であって、図4(B)に示すように、プレグラウトPC鋼材1500のシース管1530による被覆を剥がして(プレグラウト樹脂1520も外されることになる)、プレグラウトPC鋼材1500のPC鋼材1510がキャップ1600の内径に嵌合するように被せられて挿入ステップが行われる。
・(1)製作ステップ
まず、専用工場等において、ユニット1100を橋軸直角方向に埋設した、図3に示すプレキャストコンクリート桁1000を製作する。
・(2)設置ステップ
次に、製作されたプレキャストコンクリート桁1000がPC橋梁の架設現場までトラック等で搬送されて、図2に示すように、複数のプレキャストコンクリート桁1000を現場に設置(架設)する。このとき、プレキャストコンクリート桁1000の間には、間隙としての間詰部が存在する。
・(3)挿入ステップ
次に、図4に示すように、キャップ1600がその先端に設けられたプレグラウトPC鋼材1500が、現場に設置された全てのプレキャストコンクリート桁1000のユニット1100内に挿入される。
このとき、図5(図5(B)は図5(A)のB部拡大図である)に示すように、キャップ1600の先端部1610の外径が内層誘導管1110の内径に嵌合して位置決めしつつ、キャップ1600の先端部1610と後端部1620との段差1630が内層誘導管1110の端面に当接して、プレグラウトPC鋼材1500が内層誘導管1110をユニット1100から押し出すようにして、挿入ステップにおいて、現場に設置された全てのプレキャストコンクリート桁1000のユニット1100内に挿入される。このときの状態を、図6(A)および図6(B)に示す。
ユニット1100から押し出された内層誘導管1110は間詰部にて、切断したり曲げられたりして取り除かれる。この場合において、間詰部の間隔以下に内層誘導管1110を分割しておくと(間詰部の間隔以下に切断された内層誘導管1110をユニット110
0内に埋設しておくと)、ユニット1100から押し出された内層誘導管1110が間詰部において分割された長さ毎に自然に落下して取り除くことができる点で好ましい。
このように、この挿入ステップにおいては、
(1)センターライザー1140によりプレグラウトPC鋼材1500とユニット1100との管軸方向の中心位置が位置決めされ、外層シース管1130の管軸方向中心線と内層誘導管1110の管軸方向中心線とが略一致するようにプレグラウト樹脂1120が充填されており、キャップ1600の先端部1610の外径が内層誘導管1110の内径に嵌合することにより、プレグラウトPC鋼材1500の中心軸をユニット1100の中心軸に略合致させて、
(2)パッキン1150がセンターライザー1140により挟持されて支持されているのでユニット1100からパッキン1150が管軸方向に抜けることなく、ユニット1100に充填されたプレグラウト樹脂1120の漏れを防ぎながら、
(3)プレグラウトPC鋼材1500が内層誘導管1110をユニット1100から押し出すようにして、
プレグラウトPC鋼材1500が、現場に設置された全てのプレキャストコンクリート桁1000のユニット1100内に挿入される。
この挿入ステップ完了後の間詰部の状態は、(従来技術を示す図12の間詰部シース管118は存在しないで)シース管1530に被覆されたプレグラウトPC鋼材1500が露出している。
一方、従来の緊張定着方法における挿入ステップ完了後の間詰部の状態は、図12において間詰部コンクリート300を打設する前の状態であって、専用工場にて製作する際にプレキャストコンクリート桁に埋設されたシース管と、プレキャストコンクリート桁に埋設されたシース管どうしを連結するための間詰部シース管118とに、通常のPC鋼材120が挿入されている。従来の緊張定着方法では、緊張定着ステップ後にプレキャストコンクリート桁に埋設されたシース管と間詰部シース管118とにグラウトを充填する必要がある。
なお、この挿入ステップにおける各部の断面図として、図7に図4(B)の7−7断面図を、図8に図4(B)の8−8断面図を、図9に図4(B)の9−9断面図を、図10に図5(B)の10−10断面図を、それぞれ示す。
また、図11(図面代用写真)に本実施の形態に係る緊張定着方法に用いられる部材を示す。図11(A)にユニット1100を、図11(B)にキャップ1600を被したプレグラウトPC鋼材1500を、図11(C)に挿入ステップにおけるユニット1100およびキャップ1600を被したプレグラウトPC鋼材1500を、それぞれ示す。
・(4)打設ステップ
次に、図6(C)に示すように、現場に設置された全てのプレキャストコンクリート桁1000の間の間詰部に間詰部コンクリート300を打設する。
・(5)緊張定着ステップ
間詰部コンクリート300が所定の強度に達した後に、図6(D)に示すように、ジャッキ1700により、プレグラウト樹脂1520およびシース管1530を取り外したプレグラウトPC鋼材1500を緊張して定着する。
・(6)硬化ステップ
その後、ユニット1100におけるプレグラウト樹脂1120およびプレグラウトPC鋼材1500におけるプレグラウト樹脂1520が硬化する。プレグラウト樹脂1120およびプレグラウト樹脂1520が硬化することにより、所定の有効付着強度を発生して、本実施の形態に係る緊張定着方法によるプレグラウトPC鋼材1500を用いたプレキャストコンクリート桁1000の緊張定着作業が完了する。
本実施の形態に係る緊張定着方法によりプレキャストコンクリート桁1000の内部において、図10に示すように、内層から外層へ向けて、PC鋼材1510→プレグラウト樹脂1520(またはセメントペーストであっても構わない)→シース管1530(ポリエチレン被覆)→プレグラウト樹脂1120(またはセメントペーストであっても構わな
い)→外層シース管1130(ポリエチレン被覆)→(プレキャスト)コンクリートとなり、PC鋼材1510が防錆された状態でコンクリートに付着されることになる。
また、間詰部において、PC鋼材1510→プレグラウト樹脂1520(またはセメントペーストであっても構わない)→シース管1530(ポリエチレン被覆)→間詰部コンクリート300となり、プレグラウトPC鋼材1510が直接コンクリートに埋設されるために、ポストテンション方式と同様の状態となる。
以上のようにして、本実施の形態に係る緊張定着方法によると、
(1)現場における間詰部の間隔が狭い場合に、シース管を接続する作業を必要としないので作業時間の短縮を図ることができ、
(2)プレキャストコンクリート桁内のシース管も内径が小さい間詰部シース管を間詰部で使用することがないため、プレグラウトPC鋼材を使用するとしてもプレキャストコンクリート桁内のシース管の直径を大きくすることが不要となり、
(3)PC鋼材の緊張定着後に橋脚の幅方向全長にグラウトを注入する現場での作業を必要としないので作業時間の短縮を図ることができ、
(4)プレグラウトPC鋼材よりも小さな径の内層誘導管を使用することにより、プレグラウトPC鋼材の表面(凹凸表面)に対して十分な充填量のプレグラウト樹脂を確保することができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
たとえば、コンクリートに埋設された状態で分解する内層誘導管を採用した場合には(内層誘導管を押し出す必要がなくなるために)、プレグラウトPC鋼材1500が内層誘導管をユニット1100から押し出すことのない挿入ステップが行われる。このため、上述のキャップ1600は、本発明において必須の構成ではない。
本発明は、専用工場にて製作されて架設現場に持ち込まれるプレキャストコンクリート桁を複数本並べて橋軸直角方向にPC鋼材を用いて緊張定着する方法に好ましく、コンクリート桁間の間詰部にシース管を設置する必要がなく、かつ、緊張定着後にグラウトを充填する必要がない点で特に好ましい。
1000 プレキャストコンクリート桁
1100 ユニット
1110 内層誘導管
1120 プレグラウト樹脂
1130 外層シース管
1140 センターライザー
1150 パッキン
1500 プレグラウトPC鋼材
1510 PC鋼材
1520 プレグラウト樹脂
1530 シース管
1600 キャップ
1610 先端部
1620 後端部
1630 段差
1700 ジャッキ

Claims (6)

  1. 常温硬化性のプレグラウト樹脂をPC鋼材の表面に未硬化状態で塗布してシース管で覆ったプレグラウトPC鋼材を用いたプレキャストコンクリート桁の緊張定着方法であって、
    外層シース管と、内層誘導管と、前記外層シース管と前記内層誘導管との間に未硬化状態で充填された常温硬化性のプレグラウト樹脂とにより構成されるユニットを橋軸直角方向に埋設したプレキャストコンクリート桁を工場で製作する製作ステップと、
    複数のプレキャストコンクリート桁を現場に設置する設置ステップと、
    前記設置ステップ後、現場に設置された全てのプレキャストコンクリート桁のユニット内に前記プレグラウトPC鋼材を挿入する挿入ステップと、
    前記挿入ステップ後、前記プレキャストコンクリート桁間の間詰部に間詰部コンクリートを打設する打設ステップと、
    前記打設ステップ後、前記プレグラウトPC鋼材を緊張して定着する緊張定着ステップと、
    前記緊張定着ステップ後、前記ユニットにおけるプレグラウト樹脂および前記プレグラウトPC鋼材におけるプレグラウト樹脂が硬化する硬化ステップとを含む、プレキャストコンクリート桁の緊張定着方法。
  2. 前記挿入ステップにおいて、前記プレグラウトPC鋼材が前記内層誘導管を前記ユニットから押し出すようにして、前記プレグラウトPC鋼材が前記ユニット内に挿入される、請求項1に記載のプレキャストコンクリート桁の緊張定着方法。
  3. 前記プレグラウトPC鋼材の先端には、前記内層誘導管の内径よりも小さい先端部と前記先端部に続く前記内層誘導管の外径と略同じ径の後端部とを備えたキャップが設けられ、前記先端部と前記後端部との段差が前記内層誘導管の端面に当接して、前記プレグラウトPC鋼材が前記内層誘導管を前記ユニットから押し出す、請求項2に記載のプレキャストコンクリート桁の緊張定着方法。
  4. 前記ユニットは、その端部に、前記挿入ステップにおいて前記プレグラウトPC鋼材を前記ユニットに挿入する際に、前記ユニットに充填されたプレグラウト樹脂の漏れを防ぐパッキンをさらに含む、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のプレキャストコンクリート桁の緊張定着方法。
  5. 前記ユニットは、その端部に、前記挿入ステップにおいて前記プレグラウトPC鋼材を前記ユニットに挿入する際に、前記プレグラウトPC鋼材と前記ユニットとを位置決めするためのセンターライザーをさらに含む、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のプレキャストコンクリート桁の緊張定着方法。
  6. 前記シース管の表面が凹凸状に形成されている、請求項1〜請求項5のいずれかに記載のプレキャストコンクリート桁の緊張定着方法。
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