JP2014237797A - 高速架橋可能で溶剤抽出性の低い新規ゴム用架橋剤 - Google Patents

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麻紀 酢谷
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【課題】高速架橋が可能であり、かつ溶剤抽出性の低いゴム用架橋剤及びそれを用いたゴム組成物の提供。【解決手段】6−[ビス(2−エチルヘキシル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオールをゴム用架橋剤として用いることで、高速架橋ができ、かつ溶媒抽出性が低いゴム組成物が得られる。【選択図】なし

Description

本発明はハロゲン化ブチルゴムの架橋剤に関し、更に詳しくはトリアジンジチオール誘導体である架橋剤に関する。
s−トリアジンチオール誘導体は様々な工業分野で使用されている。その中でゴム工業分野においては、含ハロゲンゴム、特に臭素化ブチルゴムや塩素化ブチルゴム等のハロゲン化ブチルゴムの架橋剤として使用されている。s−トリアジンチオール誘導体は、架橋密度が高く、且つ架橋構造がタイトであることから永久歪が小さく、耐熱性に優れる特徴を有することが知られている。
またs−トリアジン−2,4,6−トリチオールのチオール基が1つアミノ基で置換したトリアジンジチオール類は、s−トリアジン−2,4,6−トリチオールよりも架橋反応が早いことが知られており、例えば、6−(ジブチルアミノ)−1,3,5,−トリアジン−2,4−ジチオール等が架橋剤として上市されている。
一方、化1で表わされる6−[ビス(2−エチルヘキシル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオールは既知の物質であるが、ゴム用架橋剤としての用途を見出した文献は見当たらない(特許文献1)。
ところで近年省エネや製造の効率化のため、市販されているs−トリアジンジチオール類よりも高速架橋が可能な架橋剤の需要が存在する。
特開昭49−41543号公報
Figure 2014237797
高速架橋が可能であり、かつ溶剤抽出性の低いゴム用架橋剤及びそれを用いたゴム組成物を提供することを課題とした。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。即ち化1で表わされる化合物をゴム用架橋剤として用いることで、高速架橋ができ、かつ溶剤抽出性が低いゴム組成物が得られる。具体的には従来の6−(ジブチルアミノ)−1,3,5,−トリアジン−2,4−ジチオール等のトリアジン系架橋剤を化1で表わされる化合物で代替することで課題を解決する。
本発明に従えば、ハロゲン化ブチルゴム100重量部に対して化1で表わされる化合物を0.01〜10重量部配合することで、高速架橋が可能で、かつ溶剤抽出性の低いハロゲン化ブチルゴム組成物を提供することができる。
化1で表わされる化合物を用い、混練り温度を変化させて作製したゴム組成物の架橋曲線を示す。
以下、本発明の具体的な実施形態について説明する。
本発明におけるベースとなるゴム成分とは、トリアジン架橋が可能なハロゲン化ブチルゴム、具体的には塩素化ブチルゴム(CIIR)、臭素化ブチルゴム(BIIR)等を指す。
架橋可能なハロゲン化ブチルゴム組成物を得るためには、少なくとも架橋剤(A)および架橋速度や架橋ゴムの物性を向上させる架橋助剤(B)が添加される。その他架橋ゴム物性を向上させるためカーボンブラックや無機補強剤、無機充填剤等、架橋ゴム硬度を調整する軟化剤や樹脂類等、一般的なゴム用副資材は任意に添加しても構わない。
本発明における架橋剤(A)は、化1で表わされる化合物を指し、次の知見により決定された。
高速架橋の重要なファクタとしては、ゴム中への架橋剤の分散性が挙げられる。架橋剤のゴム中への分散性が良好であるためには、ゴムと架橋剤の相溶性が良好でなければならない。この相溶性を示す指標の一つとして、ハンセンの溶解度パラメータ(以下HSPと記す)がある。本発明においてはこのHSPを利用した。
HSPとは、ヒルデブランドの溶解度パラメータと異なり、3次元のベクトル、即ち分散項(δD)、極性項(δP)、水素結合項(δH)で示される。HSPのベクトル間距離が近い化合物同士であれば、相溶しやすい傾向があるという特徴をもつパラメータであり、例として臭素化ブチルゴムと市販されている、または他のs−トリアジンチオール類のHSPを、HSP計算ソフト・HSPiPで算出した結果を表1に示す。
Figure 2014237797
表1における臭素化ブチルゴムとのベクトル間距離が小さいほど、ゴムと相溶しやすく、ゴム中への分散性が良好であることとなる。従って本発明者らは市販されている、または他のs−トリアジンチオール類よりもベクトル間距離が小さい化1で表わされるトリアジン化合物を選択した。
化1で表わされるトリアジン化合物は、単独もしくはその他架橋剤と併用しても構わない。また化1で表わされるトリアジン化合物は、含ハロゲンゴム100重量部対し0.01〜10重量部配合されるが、好ましくは0.5〜5.0重量部配合される。
化1で表わされるトリアジン化合物は、架橋反応を起こさない任意な温度でゴムへ配合できるが、ゴムへの相溶面より60℃〜100℃の範囲で配合されることが好ましい。
架橋助剤(B)は主に金属酸化物を指し、具体的には酸化亜鉛、酸化マグネシウムおよびハイドロタルサイト類などを示し、単独もしくは併用しても構わない。
以下、実施例を挙げて更に具体的に説明するが、本発明が実施例によって何ら限定されないことは勿論である。
まず、化1で表わされる化合物の合成例を示す。
6−[ビス(2−エチルヘキシル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオールの合成例
塩化シアヌル9.22g(50mmol)とトルエン16gをフラスコへ入れ、10℃以下に冷却、撹拌した。そこに43wt%ジ−2−エチルヘキシルアミントルエン溶液28.07g(50mmol)を10℃で滴下し、30分間撹拌した。撹拌終了後、水11mL添加し、30wt%水酸化ナトリウム水溶液でpH4程度まで中和し、有機相を分液、濃縮し、中間体19.47g(収率100%)を得た。この中間体19.47g(50mmol)と2−プロパノール33.5gをフラスコに加え、50℃まで昇温した。31.2%水硫化ナトリウム水溶液31.05g(160mmol)を滴下し、1時間撹拌した。その後、30wt%硫酸を滴下し、分液を行った。有機相に水200mLを添加、冷却し、結晶を析出させた。得られた結晶はろ過、洗浄を行い、50℃で一晩乾燥させた。目的物である白色結晶14.61g(収率76.0%,融点109−120℃)を得た。
次に、ゴム試験結果について示す。
本発明における各配合は密閉型混合機およびオープンロールミルによる一般的な混練り方法に従って作製し、詳しくはバンバリーミキサーにおいてゴム、充てん剤など配合表のA工程までの薬品を投入し、混練りを行い、その後にオープンロールにて配合表のB工程の薬品を80℃で添加し、各ゴム組成物を得た。
得られた各組成物の未架橋ゴム物性はJIS K6300未加硫ゴム試験方法に記載されているムーニースコーチ試験及び振動式加硫試験機による架橋試験を行った。
表2に実施例1〜4及び比較例1の配合を示す。実施例1〜4は本発明における化1で表わされる化合物を含む架橋系であり、比較例1は従来の架橋剤を含む架橋系である。
Figure 2014237797
表3には化1で表わされる化合物を含む架橋系を、異なる温度(140℃〜170℃)で架橋した場合(実施例1〜4)及び従来の架橋剤を含む架橋系を、通常の架橋温度(170℃)で架橋した結果を示す。
Figure 2014237797
通常の架橋温度で架橋を行った実施例4は比較例1と比べて架橋が早く、高速架橋ができることが示された。また実施例1のように架橋温度を30℃程度下げても比較例1と同等以上の架橋速度となり、化1で表わされる化合物は架橋反応の活性に富むことが明らかとなった。従って短時間かつ低温でゴムの架橋が可能であることより省エネや製造の効率化に寄与することができる。
表4に実施例5〜6及び比較例2の配合内容を示す。実施例5及び6は本発明における化1で表わされる化合物が含まれた架橋系である。一方比較例2は従来の架橋剤が含まれた架橋系である。また、実施例5は比較例2と同量添加であり、実施例6は比較例2と同モル添加である。
Figure 2014237797
表5に実施例5〜6及び比較例2の架橋試験結果を示す。
Figure 2014237797
表5を見てわかるように、実施例5及び実施例6は比較例2と比較して架橋が早いことが分かる。また、同モル添加である実施例6と比較例2において、弾性トルク(MH)がほぼ同等となり、同程度の硬さおよび物性の架橋ゴムが得られることがわかる。
耐水溶出性は厚さ2mmの架橋ゴムシートを直径4.5cmの円形に打ち抜き、このサンプルを60℃の純水60mLで1時間抽出した後、ただちにサンプルを取り出した。これを検水とし、CODを測定し、耐水溶出性の指標とした。
耐水溶出性において、実施例5及び6は比較例2と比較してCODが低く、耐水溶出性の低い架橋ゴムが得られることが確認された。
化1で表わされる化合物は、ゴムへ相溶させることが好ましく、配合温度(B工程)による架橋挙動の違いを観察することで相溶性を確認した(図1)。即ちゴム中への相溶が良好であれば架橋活性が高い傾向が見られる。図1を見ると60℃以上で配合されることが好ましいことが示された。

Claims (2)

  1. ゴム100重量部に対して、化1で表わされる化合物を0.01〜10重量部配合することを特徴とするゴム組成物。
    Figure 2014237797
  2. ハロゲン化ブチルゴム100重量部に対して、請求項1に記載の化1で表わされる化合物を0.01〜10重量部配合することを特徴とするゴム組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024009959A1 (ja) * 2022-07-08 2024-01-11 川口化学工業株式会社 塩素化ブチルゴム用架橋剤

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