JP2007169253A - 新規チウラム化合物およびそれを用いたゴム用加硫促進剤 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明はゴムの加硫促進剤として用いられる、新規チウラム化合物に関する。
テトラメチルチウラムジスルフィド(以下TMTDと略す)等のチウラム化合物は、ゴム用加硫促進剤およびゴム用加硫剤(硫黄供与体)として市販され、特にTMTDはチウラム化合物の中でも、加硫速度が比較的速く、得られる加硫ゴムの諸物性にすぐれていることから、各種汎用ジエン系ゴム、EPDM、ブチルゴム等に広く用いられている。しかし、これらTMTDを含む既存のチウラム化合物は、ニトロソアミンの発生源となることから、安全衛生上の管理が困難となっており、代替の化合物が求められている。
最近では、これらの代替の要求により、ニトロソアミン問題に対応したテトラベンジルチウラムジスルフィド(以下TBzTDと略す)が開発され、市販されるようになった。(例えば、非特許文献1参照。)。しかし、TBzTDの加硫促進力はTMTDよりも劣り、硫黄を使用しないまたは少量の硫黄の添加に止める、いわゆる有効加硫方式では、加硫ゴムの耐圧縮永久歪性にその差が顕著に表れる。
一方、TMTDに比較的近い加硫促進力を有するチウラム化合物として、ビス(N−メチルピペラジノ)チウラムジスルフィド(以下MPTDと略す)が開発されている(例えば、非特許文献2参照。)。MPTDはTBzTDよりも加硫促進力が高く、一般加硫方式ではTMTDに近い加硫促進力が得られるものの、有効加硫方式ではやや劣る。
A new safe thiuram, TBzTD Rubber World,Vol.202,No.5,August 1990,p.18−21 Studies on Cure System:Effect of Safe Amine Accelerators the Vulcanization of Natural Rubber,Kautschuk + Gummi,Vol.45,November,1992,p.934−938
A new safe thiuram, TBzTD Rubber World,Vol.202,No.5,August 1990,p.18−21 Studies on Cure System:Effect of Safe Amine Accelerators the Vulcanization of Natural Rubber,Kautschuk + Gummi,Vol.45,November,1992,p.934−938
TMTDを含む、既存のチウラム化合物はニトロソアミンの発生源となることから、安全衛生上の管理が困難となっており、代替の化合物が求められている。ニトロソアミン問題に対応した既知のチウラム化合物を用いて、TMTDと同等な加硫性能を得るためには、添加量を増量する必要がある。よって、有効加硫方式においてもTMTDと同等な加硫性能が得られる新規チウラム化合物を提供することを課題とした。
化1で示される新規チウラム化合物は、TMTDに近い加硫性能を示すことより、TMTD代替化合物として有用と考える。
化1で示される新規チウラム化合物の式中x即ち硫黄の結合数は、3〜6の整数であり、何れもxが2以下のチウラム化合物と比較して、加硫促進力に優れるが、xが3のチウラム化合物はxが2のチウラム化合物と比較してその差は大きくない。一方、5または6のチウラム化合物は、合成上単一物質として取り出す事が難しい。よって、加硫促進力と合成の利便性から、xが4のチウラム化合物が本発明の最良の物質である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明が実施例によって何らされないことは勿論である。
実施例1 ビス(N−メチルピペラジノ)チウラムテトラスルフィドの合成
200mlの四ツ口フラスコに、N−メチルピペラジン20.0g(0.20mol)と30%水酸化ナトリウム28.0g(0.21mol)を仕込み、二硫化炭素16.0g(0.21mol)を滴下し、30℃で1時間攪拌した。粉末の硫黄12.8g(0.40mol)と乳化剤としてペレックスOT−P0.2mlを添加した。酸化剤として40%過硫酸アンモニウム水溶液59.1g(0.10mol)を45℃で3時間かけて滴下した後、1時間攪拌し、析出した結晶をろ別した。ろ別した結晶をアセトニトリルで抽出し、未反応の硫黄をろ別した。ろ液を濃縮して27.4gのテトラスルフィドを主成分とするポリスルフィドの混合物を得た。収率66%。
融点 127.4−130.4℃
IR 3438、2961、2935、2844、2797、2774、1416、1372、1335,1299、1246、1230、1159、1146、1044,1000、983、920、817、780、652、538、420cm−1
元素分析 理論値 C:34.75% H:5.35% N:13.51%
実測値 C:35.43% H:5.41% N:13.72%
硫黄分(フラスコ燃焼法) 理論値46.4% 実測値:45.3%
200mlの四ツ口フラスコに、N−メチルピペラジン20.0g(0.20mol)と30%水酸化ナトリウム28.0g(0.21mol)を仕込み、二硫化炭素16.0g(0.21mol)を滴下し、30℃で1時間攪拌した。粉末の硫黄12.8g(0.40mol)と乳化剤としてペレックスOT−P0.2mlを添加した。酸化剤として40%過硫酸アンモニウム水溶液59.1g(0.10mol)を45℃で3時間かけて滴下した後、1時間攪拌し、析出した結晶をろ別した。ろ別した結晶をアセトニトリルで抽出し、未反応の硫黄をろ別した。ろ液を濃縮して27.4gのテトラスルフィドを主成分とするポリスルフィドの混合物を得た。収率66%。
融点 127.4−130.4℃
IR 3438、2961、2935、2844、2797、2774、1416、1372、1335,1299、1246、1230、1159、1146、1044,1000、983、920、817、780、652、538、420cm−1
元素分析 理論値 C:34.75% H:5.35% N:13.51%
実測値 C:35.43% H:5.41% N:13.72%
硫黄分(フラスコ燃焼法) 理論値46.4% 実測値:45.3%
比較例1 ビス(N−メチルピペラジノ)チウラムジスルフィドの合成
200mlの四ツ口フラスコに、N−メチルピペラジン20.0g(0.20mol)と30%水酸化ナトリウム28.0g(0.21mol)を仕込み、二硫化炭素16.0g(0.21mol)を滴下し、30℃で1時間攪拌した。酸化剤として40%過硫酸アンモニウム水溶液59.1g(0.10mol)を45℃で3時間かけて滴下した後、1時間攪拌し、析出した結晶をろ別した。31.5gの目的物を得た。収率90%。
融点 139.1℃(分解)
IR 3433、2961,2935、2844、2797、1435,1416、1372、1335、1299、1288、1246、1229、1159、1145、1044、1000、983,920、817、780、538、419cm−1
元素分析 理論値 C:41.11% H:6.32% N:15.98%
実測値 C:40.94% H:6.25% N:15.86%
硫黄分(フラスコ燃焼法) 理論値36.6% 実測値36.9%
200mlの四ツ口フラスコに、N−メチルピペラジン20.0g(0.20mol)と30%水酸化ナトリウム28.0g(0.21mol)を仕込み、二硫化炭素16.0g(0.21mol)を滴下し、30℃で1時間攪拌した。酸化剤として40%過硫酸アンモニウム水溶液59.1g(0.10mol)を45℃で3時間かけて滴下した後、1時間攪拌し、析出した結晶をろ別した。31.5gの目的物を得た。収率90%。
融点 139.1℃(分解)
IR 3433、2961,2935、2844、2797、1435,1416、1372、1335、1299、1288、1246、1229、1159、1145、1044、1000、983,920、817、780、538、419cm−1
元素分析 理論値 C:41.11% H:6.32% N:15.98%
実測値 C:40.94% H:6.25% N:15.86%
硫黄分(フラスコ燃焼法) 理論値36.6% 実測値36.9%
表1に化1の化合物のゴム試験結果およびゴム配合部数(重量部)を示す。各ゴム配合は、密閉混合機およびオープンロールを用いた通常の方法で混練りした。ムーニースコーチ試験は、JIS K6300に準拠して行った。振動式加硫試験機による加硫試験は、アルファテクノロジーズ社製、M.D.R.2000を用いて測定した。加硫ゴム物性試験はJIS K6251およびJIS K6253、耐熱老化性試験はJIS K6257、耐圧縮永久歪試験は、JIS K6262にそれぞれ準拠して行った。
化1の化合物はMPTDよりもサルファードナーとしての性能が明らかに高い。TMTDと比較しても、0.5phr増量すれば、同等以上の加硫速度と加硫トルクが得られる。加硫ゴム物性についても、TMTD並みのタイトな物性が得られ、最もTMTDに近いチウラム化合物であることを確認できた。特にNBRやEPDMの低硫黄、無硫黄加硫系のサルファードナーとして期待できる。その他、レギュラーブチルゴム用の加硫剤にも展開できる可能性がある。
Claims (2)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005381093A JP2007169253A (ja) | 2005-12-20 | 2005-12-20 | 新規チウラム化合物およびそれを用いたゴム用加硫促進剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005381093A JP2007169253A (ja) | 2005-12-20 | 2005-12-20 | 新規チウラム化合物およびそれを用いたゴム用加硫促進剤 |
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JP2007169253A true JP2007169253A (ja) | 2007-07-05 |
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JP2005381093A Pending JP2007169253A (ja) | 2005-12-20 | 2005-12-20 | 新規チウラム化合物およびそれを用いたゴム用加硫促進剤 |
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JP (1) | JP2007169253A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017214593A (ja) * | 2010-06-25 | 2017-12-07 | アレジアンス、コーポレイション | 減少したアレルゲンのポテンシャルを有する加硫組成物 |
-
2005
- 2005-12-20 JP JP2005381093A patent/JP2007169253A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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