以下、本発明の実施の形態に係る遊技機について図1〜15に沿って説明する。なお、以下の説明中における方向は、遊技機と向かい合うようにして着座した際のユーザー(遊技者)から見た方向を基準として説明するものとする。
[スロットマシンの構成]
図1には、遊技機の一例であるスロットマシン1が示してある。スロットマシン1は、スロットマシン1の本体部である筐体2と、該筐体2に取付けられた扉部である前扉15とを有して構成されている。筐体2は、方形箱状に形成されており、筐体2内には、遊技媒体である遊技用メダル(スロットマシン1で遊技を行う際に用いる金属製の小円盤であり、以下、単にメダルという)を貯留すると同時に、遊技(ゲーム)の進行に伴いメダルを払い出すメダルホッパーユニット(以下、単にホッパーユニットという)3が収容されている。ホッパーユニット3は、メダルを溜めておくためのメダルタンク3aを有して構成されており、このメダルタンク3aの下部には、メダルタンク3a内のメダルを払い出すためのメダル払い出し装置3bが設けられている。
また、メダルタンク3aの右隣には、メダルタンク3a内から溢れ出したメダルを溜めておくためのオーバーフロータンク12が収容されている。また、ホッパーユニット3の左隣には、スロットマシン1に電力を供給するための電源装置4が収容されており、該電源装置4の正面側には、スロットマシン1の設定値(1〜6)を変更するための設定変更操作部5が設けられている。
ここで、スロットマシン1における設定値とは、後述する基準出玉率に対応付けられた値である。また、出玉率とは、スロットマシン1に投入したメダルの総枚数に対しての払い出されたメダルの総枚数の割合である。そして、本実施の形態におけるスロットマシン1は、実際の遊技における出玉率(以下、遊技出玉率という)が所定の値となるように基準となる出玉率(以下、基準出玉率という)が設定されている。即ち、遊技の進行に伴って変化する遊技出玉率が設定されたこの基準出玉率の値になる(近似する)ように設定されている。
そして、本実施の形態に係るスロットマシン1にあっては、設定値に対応付けられて、基準出玉率(図6参照)が6段階に設定されている。そして、例えば、設定1にあっては、基準出玉率が96%に設定されており、設定6では、基準出玉率が113%に設定されている。例えば、所定の期間に亘って行われた遊技に伴い投入されたメダルの総枚数が1000枚だった場合に、スロットマシン1が設定1であると、払い出されるメダルの総枚数が960枚程度になるようになっており、同様に、スロットマシン1が設定6に設定されていた場合には、1130枚程度のメダルが払い出されるようになっている。ただし、上述の基準出玉率の数値は、一例であって、種々のn数値の設定が可能であり、上記の数値に限定されるものではない。
設定変更操作部5は、図1に示すように、電源装置4の正面側に設けられた電源を入り切りするための電源スイッチ4a、スロットマシン1について遊技を行う状態である遊技モード及び設定変更を行なう設定変更モードのいずれか一方に切り換える設定キースイッチ、及び、複数の設定値のいずれか1つを選択する設定変更スイッチ4cから構成されている。
ここで、上述の設定変更操作部5に行われるスロットマシン1の設定変更の操作について説明する。まずは、スロットマシン1の電源を切った状態で、図示しない設定キーを設定キースイッチの鍵穴に差し込む。そして、設定キースイッチの鍵穴に差し込んだ設定スイッチをOFF(遊技モード)の位置からON(設定変更モード)の位置まで回した後、電源スイッチ4aをONにしてスロットマシン1の電源を入れた状態にすると、スロットマシン1は、遊技モードから設定変更モードへと変更され、スロットマシン1の設定値を変更し得る状態になる。
そして、設定変更モードに変更されたのに伴い、設定変更スイッチ4cを一回押すと、設定変更モードにモードを切り替えた時点における設定値から1つ上の設定値に変更されるようになっており(例えば、設定値1→設定値2)、また、設定値が6に設定されていた場合にあっては、設定変更スイッチ4cを1回押すと設定値1へと変更されるようになっている(設定値6→設定値1)。設定変更スイッチ4cの操作によって、設定したい値に変更されたのに伴って、スタートレバー25を1回操作(押下)すると、その変更された設定値への変更が確定するようになっている。即ち、変更された設定値に対応する基準出玉率に変更されるようになっている。設定値を変更した後、設定キースイッチ4bをOFFbの位置まで回すと、遊技モードに切り替わり遊技を行える状態に移行するようになっている。
また、筐体2内であって、ホッパーユニット3の上方には、回転自在に設けられた回転リール6や、この回転リール6を回転駆動させるステッピングモータ10(図2参照)などを有して構成されたリールユニット11が収容されており、そのリールユニット11の上方には、後述するスロットマシン1の動作を制御する制御装置13などが収容されている。
また、リールユニット11を構成する回転リール6は、筐体2内であって、正面視でその左側に配置される回転リール(以下、左リールという)7、その左リール7の右隣に配置される回転リール(以下、中リールという)8、及び中リール8の右隣に配置される回転リール(以下、右リールという)9の3つの回転リールで構成されており、左リール7、中リール8、及び右リール9のそれぞれは、合成樹脂からなる回転ドラムと、この回転ドラムに貼付けられるテープ状のリールテープなどから構成されている。
リールテープは、21の区画(以下、コマという)に分けられており、それぞれのコマには、図柄が表示されている。そして、各コマに表示された図柄は、図3に示すように、「赤7」、「青7」、「リプレイ」、「スイカ」、「ベルa」、「ベルb」、「ベルc」、「BAR」、「チェリー」などで構成されている。なお、ここで図3に示す「ダミー」とは、何れの役にも対応図けられていない図柄であり、また、図3における左側に配列された数字は、リールテープに示された各図柄を特定するための図柄番号を示すものである。
また、筐体2の正面側、即ち、遊技者と面する側には、図示はしないが開口面が形成されており、この開口面を塞ぐようにして正面視で矩形状に形成された前扉15が設けられている。該前扉15は、左端部側が図示しないヒンジ装置を介して筐体2に取付けられており、そのヒンジ装置を介して筐体2に取付けられた左端部側を支点として回動可能に設けられている。また、前扉15の右端部側には、図示しない施錠装置が設けられており、前扉15を閉じた際に、その施錠装置によって前扉15が筐体2に固定されるように構成されている。
また、前扉15の遊技者と面する扉面であって、その略中央付近には、図1に示すように、筐体2内に収容された3つの回転リール6に表示された図柄(図3に示す各図柄)を遊技者に見せるための図柄表示窓16が矩形状に設けられており、図柄表示窓上16からは、回転リール6の外周面に表示された21の図柄のうち、上下方向に3つの図柄がそれぞれ視認できるようになっている。また、図柄表示窓16から視認できる各回転リール6に表示された図柄を1つずつ繋いでできる複数の入賞ラインが設定されている。そして、入賞ラインとしては、図1に示すように、図柄表示窓16から視認できる3つの図柄うち、各回転リール6の中段に位置する図柄を繋いでできる入賞ラインとしての中段ラインL1と、図柄表示窓16から視認できる3つの図柄うち、各回転リール6の下段に位置する図柄を繋いでできる入賞ラインとしての下段ラインL2と、図柄表示窓16から視認できる3つの図柄うち、左リール7の上段に位置する図柄、中リール8の中段に位置する図柄、及び右リール9の下段に位置する図柄を繋いでできる右下がりラインL3と、が入賞ラインとして設定されている。そして、本実施の形態にあっては、1回の遊技につき、メダルを3枚ベットすることが可能となっており、3枚のメダルをベットすると、入賞ラインL1,L2,L3が有効入賞ラインになるように構成されている。
なお、ここでベットとは、後述するメダル投入口23からメダルを投入するか、若しくは、後述するクレジット制御手段51によって電子的に貯留(以下、クレジットという)されたメダルを投入することである。
また、図柄表示窓16の上方側には、スロットマシン1における遊技の進行に応じて、動画などの画像を表示して演出を行うための液晶表示装置(例えば、液晶パネルなど)19が設けられており、液晶表示装置19を囲うようにして、遊技に伴って行われる演出などに連動して点滅するランプ20が設けられている。
一方、上述の図柄表示窓16の下方側であって、その右側には、クレジット内のメダル(以下、クレジットメダルという)の枚数を表示するためのクレジット表示部21が設けられており、該クレジット表示部21の左側には、遊技の進行に伴い、払い出されるメダル数を表示する払い出し表示部22が設けられている。これらクレジット表示部21及び払い出し表示部22は、例えば、液晶装置や7セグメントLEDなどで構成されている。そして、クレジット表示部21はクレジット可能な最大枚数である50までカウント可能に形成されており、払い出し表示部22は、例えば、メダルがホッパーユニット3内に無い場合など、スロットマシン1が遊技を進行することができないエラー状態になった際に、そのエラー状態を表示するエラー表示部も兼ねるように構成されている。
また、前扉15の扉面であって、クレジット表示部21及び払い出し表示部22の右側には、遊技を始める際にメダルをスロットマシン1内に投入するためのメダル投入口23が設けられており、該メダル投入口23の反対側には、クレジット内に貯まったメダルを精算(払い出す)するための精算ボタン24が設けられている。また、図柄表示窓16の下方側であって、メダル投入口23と精算ボタン24との間には、クレジットメダルについて3枚ベットを行うMAXBETボタン26が設けられている。さらに、MAXBETボタン26の下方側にあっては、3つの回転リール6について回転を開始させるスタートレバー25が上下方向に揺動自在に設けられており、該スタートレバー25の右側には、回転リール6の回転を停止させるための回転リールストップボタン29が設けられている。
回転リールストップボタン(以下、単にストップボタンという)29は、左側から右側に向かって順に、左リール7の回転を停止させるためのストップボタン(以下、左ストップボタンという)30、中リール8の回転を停止させるためのストップボタン(以下、中ストップボタンという)31、及び右リール9の回転を停止させるためのストップボタン(以下、右ストップボタンという)32が各々並ぶように設けられている。そして、スタートレバー25、ストップボタン29、及びMAXBETボタン26などからスロットマシン1で遊技を行う際に用いられる操作部が構成されている。
さらに右ストップボタン32の右側には、上記施錠装置の鍵穴34が設けられており、この鍵穴34に前扉15の鍵を差し込んだ後、鍵を時計回り方向に回転させると施錠装置による施錠が解除され、前扉15が開放できるようになっている。また、鍵穴34に差し込んだ鍵を前扉15の開閉時とは逆の方向(反時計回り)に回転させると、スロットマシン1のエラー状態を解除(リセット)できるようになっている。
また、ストップボタン29の下方側には、正面視で矩形状に形成されたパネル33が取付けられている。該パネル33には、スロットマシン1の遊技に関連する内容やキャラクタなどが表示されており、遊技者がそのパネル33を見た際に、パネル33に表示された内容などからスロットマシン1の遊技内容を連想させるように構成されている。
パネル33の下方側には、遊技の進行に伴って行われる演出などの効果音を出力するためのスピーカ35が左右両側に各々設けられている。そして、上記液晶表示装置19、ランプ20、及びこのスピーカ35などからスロットマシン1における演出を行う演出装置が構成されている。またスピーカ35の下方側には、ホッパーユニット3から払い出されたメダルを溜めておくためのメダル受け皿36が設けられており、このメダル受け皿36は、前扉15の扉面からスロットマシン1に面して着座する遊技者側に向かって突出するように設けられている。
また、前扉15の裏側であって、メダル投入口23の下方側には、図1に示すように、メダル投入口23からスロットマシン1内に投入されたメダルの判別や投入されたメダルの枚数を識別するためのメダルセレクタ37が設けられており、メダルセレクタ37には、メダルを検知するためのメダルセンサ39が設けられている。メダルセンサ39は、発光素子及び受光素子からなるフォトセンサで構成されており、投入されたメダルが発光素子と受光素子間を通過した際に、メダルの投入が検知されるように構成されている。
[制御装置の構成]
筐体2内に収容される制御装置13は、CPUを中心に構成されており、ROM、RAM、及びI/Oなどを備えて構成されている。なお、CPUは1個に限定されるものではなく2個以上のCPUでスロットマシン1の動作の制御を行ってもよく、さらには、CPU、ROM、RAM、及びI/O等を一体化してワンチップで構成してもよい。そして、制御装置13は、メイン基板とサブ基板を有して構成されており、メイン基板を構成するCPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、主としてスロットマシン1の遊技の進行を制御するメイン制御装置41として機能し、サブ基板を構成するCPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで遊技の進行に応じて行う演出を制御するサブ制御装置42として機能するように構成されている。そして本実施の形態にあっては、このサブ制御装置42が上記演出装置で行う演出動作を制御する制御装置を構成している。
そして、メイン制御装置41の入力段には、図2に示すように、精算ボタン24、スタートレバー25、ベットボタン(MAXBETボタン)26、ストップボタン29、及びメダルセンサ39、などが接続されており、その出力段には、メダル払い出し装置3b及びステッピングモータ10などが接続されている。そして、メイン制御装置41は、精算ボタン24などから入力された信号に基づき、メダル払い出し装置3bなどの各装置に対して信号(コマンド)を出力するように構成されている。
また、サブ制御装置42の出力段には、液晶表示装置19、ランプ20、及びスピーカ35などの演出装置が接続されている。そして、サブ制御装置42は、メイン制御装置41から入力される信号に基づき、スピーカ35などの出力段に接続された各種装置に対して信号を出力するように構成されている。
[メイン制御装置]
メイン制御装置41は、図2に示すように、役抽選手段46、リール制御手段47、入賞判定手段49、ホッパー制御手段50、クレジット制御手段51、及びメイン状態移行制御手段52などとして機能するようになっている。
[役抽選手段]
役抽選手段46は、予め定められた抽選確率に基づいて何れの役に当選したか、外れたかの抽選(役抽選)を行うものであり、図2に示すように、役抽選テーブル54を有している他、図示しないが、所定の範囲内(例えば、10進法で0〜65535)で役抽選用の乱数を発生させる乱数発生手段、所定の条件の成立(例えば、スタートレバー25の操作)を契機に乱数発生手段が発生させた乱数を抽出する乱数抽出手段、及び乱数抽出手段が抽出した乱数のデータ(乱数の値)と役抽選テーブル54のデータとを照合して、抽出した乱数データが役抽選テーブルの何れの領域にあるかを判定する判定手段などを有している。なお、乱数発生手段として、例えば、高速で数値を1ずつ加算していくカウンタを用いて構成することができる。また、役抽選手段は、役抽選の結果をサブ制御装置42に送るようにもなっている。
また、役抽選手段46によって抽選される役には、有効入賞ラインL1,L2,L3上に所定の図柄の組み合わせが停止表示されることで、通常遊技よりも遊技者にとって有利な状態で遊技を行うことができるボーナス役(例えば、BB(ビッグボーナス)役、及びRB(レギュラーボーナス)役)と、有効入賞ラインL1,L2,L3上に所定の図柄の組み合わせが停止表示されることで、メダルが払い出される小役(例えば、チェリー役)と、有効入賞ラインL1,L2,L3上に所定の図柄の組み合わせが停止表示されることで、メダルの払い出しはないがメダルを新たに投入することなく前回の遊技と同じ条件で再度遊技を行うことができる再遊技(リプレイ)役がある。なお、以下、役に対応する図柄の組み合わせが有効入賞ラインL1,L2,L3上に停止表示されることを入賞するという。
そして、本実施の形態にあっては、図4に示すように、「赤7・赤7・赤7」の図柄組合せがBB役に対応付けられており、「BAR・BAR・BAR」の図柄組合せがRB役に対応付けられている。また、再遊技役としての「リプレイ・リプレイ・リプレイ」の図柄組合せが対応付けられたリプレイ1役と、「リプレイ・リプレイ・ベル(ベルa又はベルb又はベルc)」の図柄組合せが対応付けられたリプレイ2役と、「リプレイ・ベル(ベルa又はベルb又はベルc)・リプレイ」の図柄組合せが対応付けられたリプレイ3役と、が設けられている。
また、小役としては、入賞により9枚のメダルが払い出される28個のベル役と、入賞により5枚のメダルが払い出されるスイカ役と、入賞により4枚のメダルが払い出されるチェリー役が設けられている。ベル役は、図4に示すように、ベルa図柄、ベルb図柄、ベルc図柄(以下、ベル図柄と総称する)の3種類の図柄の異なる図柄組合せであって、それら個別の図柄組合せに対応付けられた27個のベル役(ベル1役〜ベル27役)と、3個のベル図柄及び赤7図柄、青7図柄、チェリー図柄の6種類の図柄からなる27通りの異なる図柄君合わせであって、それら全ての図柄組合せに対応付けられたベル28役とからなり、スイカ役には「スイカ・スイカ・スイカ」の図柄組合せが対応付けられており、チェリー役には、「チェリー・ANY・ANY」(ANYは何の図柄でもよい)の図柄組合せが対応付けられている。
[役抽選テーブル]
また、役抽選手段が有する役抽選テーブル54は、上述のように乱数発生手段が発生する乱数の範囲内で何れの役に当選したか、若しくは、ハズレたのかを予め定めたものであり、本実施の形態における役抽選テーブル54の概念図が図5に示してある。但し、図5は、複数の役抽選テーブル54に設定されている当選領域の有無を示したものであり、役抽選テーブル54に左欄に示した当選領域が含まれている場合を丸印で表し、その当選領域が含まれていない場合には無印で表している。
役抽選テーブル54としては、図5に示すように、メイン制御装置41の状態(以下、単に、メイン状態という)が通常状態にある際に用いられる通常テーブルの他、後述するRT状態にある際に用いられるRTテーブルと、ボーナス内部中状態(ボーナス役であるBB役若しくはRB役が当選している状態)にある際に用いられる内部中テーブルと、ボーナス作動中状態(ボーナスゲーム遊技中状態)にある際に用いられるボーナステーブルとが設けられている。また、図5では明記していないが、各役抽選テーブル54における小役の、当選領域の全領域に対する割合(以下当選確率という)は、通常テーブル、RTテーブル及び内部中テーブルにおいては、同等に設定されている。一方でボーナステーブルでは、全ての小役の当選確率の合計が他のテーブルに比べて非常に高く、例えば約1/1.1に設定されている。
ここで、通常状態とは、メイン状態が初期状態(工場出荷時又は設定変更後)にあることである。そして、RT状態とは、再遊技役の当選確率が通常状態とは異なるように設定されている状態であり、いわゆるリプレイタイム(Replay Time)と呼ばれるものである。また、ボーナス内部中状態とは、ボーナスフラグが持ち越されている状態である。ここでフラグとは、例えば、当たり、ハズレ、としてのデータをメイン制御装置41に記憶しとくためのメモリ部分であり、小役当選時に成立する小役当選フラグ(例えば、チェリー役の当選時に成立するチェリーフラグ)や、ボーナス役の当選時に成立するボーナス当選フラグ(例えば、BB役当選時に成立するBBフラグ、RB役当選時に成立するRBフラグ)などがある。そして、ボーナスフラグが持ち越されているとは、役抽選でボーナス役が当選したのに伴ってボーナス当選フラグが成立したが、後述するように、当選したボーナス役に対応する図柄の組み合わせが有効入賞ラインL1,L2,L3上に揃っておらず、当選役が入賞していないためにボーナス当選フラグが消滅していない状態である。即ち、ボーナス当選フラグが成立している状態でボーナスゲーム以外の遊技が行われている状態のことである。また、ボーナス作動中状態とは上述のように、BBゲーム又はRBゲームが行われている状態である。
そして、上述のRTテーブルなどの各役抽選テーブル54には、当選の領域と、ハズレの領域とが設定されている。当選の領域としては、一の役に対応付けられた当選領域である単独当選領域の他に、複数種類の役に対応付けられた重複当選領域が設定されている。図5において、「リプレイA」「スイカ」「チェリー」「BB」「RB」の当選領域は、それぞれ、リプレイ役、スイカ役、チェリー役、BB役、RB役の単独当選領域である。一方、「左ベル1」から「右ベル3」までの9個の当選領域は、それぞれ、複数のベル役の重複当選領域となっている。具体的には、図4に示すベル1役〜ベル27役のうちの一部のベル役と、ベル28役が同時に当選する当選領域である。また、「リプレイB」の当選領域は、リプレイ1役、リプレイ2役及びリプレイ3役の重複当選領域であり、「ベル」の当選領域は、ベル役全ての重複当選領域となっている。
ここで、上記した「左ベル1」〜「右ベル3」の9個の重複当選領域に対しては、ストップボタン29に基づく3通りの操作順序(押し順)のうち、特定の操作順序が正解の押し順として割り当てられている。具体的には、「左ベル1」〜「左ベル3」の各当選領域に対しては、左ストップボタン30を最初に操作する押し順(左第一停止)が正解の押し順として割り当てられており、「中ベル1」〜「中ベル3」の各当選領域に対しては、中ストップボタン31を最初に操作する押し順(中第一停止)が正解の押し順として割り当てられており、「右ベル1」〜「右ベル3」の各当選領域に対しては、右ストップボタン32を最初に操作する押し順(右第一停止)が、正解の押し順としてそれぞれ割り当てられている。
そして、この正解として割り当てられている押し順が、各当選領域の当選に対する正解の押し順となる。以下、「左ベル1」から「右ベル3」までの9個の当選領域に含まれる当選領域を「押し順ベル」と総称するものとする。そして、いずれかの「押し順ベル」が当選した場合、正解の押し順で、ストップボタン29が操作(押された)されたか否かによって、ベル役が入賞し得るか、否かが変化するように構成されている。
なお、押し順の設定は、上記した3通りを設定する場合に限られない。例えば、各当選領域に、ストップボタン29に基づく6通りの押し順(左(左第一停止)→中(中第二停止)→右(右第三停止)、左→右→中、中→左→右、中→右→左、右→中→左、右→左→中)をそれぞれ割り当てることも可能であり、また、「リプレイB」の当選領域は通常テーブルにのみ設けられており、ボーナステーブルには再遊技役の当選領域は設けられていない。各役抽選テーブル54における再遊技役の当選確率は、RTテーブルが最も高く、通常テーブル及び内部中テーブルはそれよりも低くなるように設定されている。例えば、RTテーブルでは、再遊技役の当選確率が約1/1.5に設定されており、通常テーブル及び内部中テーブルでは、再遊技役の当選確率が約1/7.3に設定されている。これにより、メイン制御装置41がRT状態である遊技は、ベットなしで遊技を行える再遊技の回数が増えるとともに、小役の当選確率は変化しないので、手持ちのメダルの目減りが少なくなるようになっている。
[リール制御手段]
リール制御手段47は、回転リール6の動きを制御するものである。即ち、回転リール6の回転開始及び回転停止を制御するものであり、リール制御手段47は、図2に示すように、回転制御手段56と停止制御手段57とを有して構成されている。
[回転制御手段]
回転制御手段56は、停止状態にある回転リール6について回転を開始させるものである。より具体的には、スタートレバー25の操作に伴う操作信号が制御装置(メイン制御装置41)13に入力されたのに伴って、前遊技時の回転リールの開始時から4.1秒以上の経過を条件として、ステッピングモータ10にその駆動を開始させるための信号を送るようになっている。さらに回転制御手段56は、回転リール6を所定の順番で回転を開始させ、あるいは、全ての回転リールについて同時に回転を開始させ、かつ回転リール6が所定の回転速度になるまで加速させると共に、その所定の回転速度で回転リールを定常回転させるようになっている。なお、本実施の形態にあっては、スタートレバー25の操作信号が入力されると、その操作信号がサブ制御装置42に出力されるようになっている。
[停止制御手段]
また、停止制御手段57は、ストップボタン29の操作に伴い、回転状態にある回転リールを停止させるものである。より具体的には、ストップボタン29の操作に伴う操作信号がメイン制御装置41に入力されると、操作されたストップボタン29に対応する回転リール6を回転させているステッピングモータ10に対して駆動を停止させるための停止信号を送るようになっており、停止信号を受信したステッピングモータ10はその駆動を停止し、回転状態にある回転リール6は、ステッピングモータ10の駆動の停止に伴い回転状態から停止状態へと移行するようになっている。
また、停止制御手段57は、リールユニット11に設けられた回転リール6の回転を検知するための図示しないインデックスセンサの検知信号に基づき、現時点における回転リール6の回転角度を把握し、ストップボタン29が操作された時点での回転リール6の回転角度から、有効入賞ラインL1,L2,L3上に位置している図柄を特定することができるようになっている。そして、特定された図柄を基準図柄として、この基準図柄から回転方向にあらかじめ定められた個数(最大スベリコマ数、例えば4コマ)移動したときの図柄までの範囲で、対応する回転リール6を停止させるように形成されている。
言い換えれば、停止制御手段57は、ストップボタン29が操作された時点から対応する回転リール6が停止するまでに、この回転リール6が回転する回転量があらかじめ定められたコマ数の範囲内となるように、ステッピングモータ10の駆動の停止を制御するものである。具体的には、前記基準図柄をその位置に停止させてもよい場合にはそのまま回転リール6を停止させ、その位置に停止させてはいけない場合には、回転リール6が停止するまでの時間(停止信号を出力するまでの時間)を遅らせて、有効入賞ラインL1,L2,L3上からその当選図柄を蹴飛ばして停止させる。また、最大スベリコマ数の範囲内に、当選図柄が含まれている場合には、回転リール6が停止するまでの時間を遅らせて、有効入賞ラインL1,L2,L3上にその当選図柄を引き込んで停止させる。
ここで、停止制御手段57は、複数の当選フラグが同時に成立している場合に、引き込み制御において、当選した複数の役のうちいずれの役を優先して引き込むかをあらかじめ設定している。異種役が同時当選している場合の引き込み優先順位を、例えば、再遊技役>小役>ボーナス役に設定している。具体的には、ボーナス役と小役が同時に当選している場合には小役の図柄を優先して引き込み、ボーナス役と再遊技役が同時に当選している場合には再遊技役の図柄を優先して引き込む。例えば、小役と再遊技役が同時当選可能に形成した場合(役抽選テーブル54に小役と再遊技役の重複当選領域がある場合や、小役の当選フラグが抽選結果に関わらず成立するようなメイン状態において再遊技役が抽選により当選可能である場合)には、小役と再遊技役が同時に当選したときには再遊技役の図柄が優先される。
停止制御手段57は、メイン状態に応じて、「押し順ベル」が当選した場合の引き込み制御を異なるものとすることができるようになっている。以下、「押し順ベル」当選時の停止制御について説明する。ここで、本実施の形態では、図3のリール図柄の配列に示すように、ベル1〜27役に対応する図柄組合せに含まれる図柄は、全ての回転リール6において、最大スベリコマ数の範囲内で有効入賞ラインL1,L2,L3上に引き込み可能となるように配置されているわけではない。よって、ストップボタン29の操作のタイミングにより、それらの図柄組合せに含まれる図柄を有効入賞ラインL1,L2,L3上に引き込める場合や、引き込めない場合がある。一方で、ベル28役に対応付けられている図柄組合せに含まれる図柄の全てが、最大スベリコマ数の範囲内で有効入賞ラインL1,L2,L3上に引き込み可能となるように配置されていないが、ベル28役が当選している場合には、ストップボタン29の操作のタイミングにかかわらず、ベル28役に対応付けられているいずれかの図柄組合せに含まれる図柄を、有効入賞ラインL1,L2,L3上に引き込むことができるようになっている。
停止制御手段57は、役抽選により、いずれかの「押し順ベル」が当選した場合には、ストップボタン29の操作態様に応じて、ベル役に対応する図柄組合せか、あるいは他のいずれの役に対応付けられた図柄組合せにも該当しない特定のハズレの図柄組合せであるブランク(以下、ベルブランクという)を有効入賞ラインL1,L2,L3上に停止表示させるように停止制御を行う。具体的には、当選した「押し順ベル」に対して割り当てられている正解の押し順でストップボタン29が操作されると、ストップボタン29の操作のタイミングにかかわらず、中リール8及び右リール9において、ベル1〜27役に対応する図柄(ベルa図柄、ベルb図柄、ベルc図柄)に優先して、ベル28役に対応するいずれかの図柄(赤7図柄、青7図柄又はチェリー図柄)を有効入賞ラインL1,L2,L3上に引き込んで、ベル28役を入賞させる。
上述したように、この場合には、ベル28役が必ず入賞する一方で、その正解の押し順以外の押し順(不正解の押し順)でストップボタン29が操作された場合には、中リール8及び右リール9において、ストップボタン29の操作のタイミングが、ベル1〜27役のうちのいずれかのベル役に対応する図柄を有効入賞ラインL1,L2,L3上に引き込み可能な場合には、当該図柄を有効入賞ラインL1,L2,L3上に引き込んで、ベル役を入賞させることができる。しかし、ベル1〜27役のうちのベル役に対応する図柄のうちのいずれも有効入賞ラインL1,L2,L3上に引き込むことができない場合には、ベルブランクを有効入賞ラインL1,L2,L3上に停止表示させ、この場合には入賞はしない。
このように、「押し順ベル」が当選した場合において、当該「押し順ベル」に設定された正解の押し順でストップボタン29が操作された場合には、必ずベル28役が入賞し、正解の押し順でストップボタン29が操作されなかった場合には、ベル28役は入賞せず、ベル1〜27役のうちのいずれかが入賞するか、あるいは何の役も入賞しないようになっている。さらに、停止制御手段57は、「リプレイB」が当選した場合には、ストップボタン29の押し順によって、入賞する再遊技役が変化するように停止制御を行う。具体的には、「リプレイB」の当選時において、左第一停止又は右第一停止でストップボタン29が操作された場合には、中リール8又は右リール9におけるリプレイ図柄をベル図柄に優先させて有効入賞ラインL1,L2,L3上に引き込み、リプレイ1役を優先させて入賞させる。また、「リプレイB」の当選時において、中第一停止でストップボタン29が操作された場合には、右リール9におけるベル図柄をリプレイ図柄に優先させて有効入賞ラインL1,L2,L3ライン上に引き込み、リプレイ2役をリプレイ3に優先させて入賞させる。後述するが、通常状態中にリプレイ2役が入賞すると、メイン状態がRT状態に移行するようになっている。
また、停止制御手段57は、上述したような制御を、優先度に基づいて停止位置候補を特定するための優先度判定データと、基準図柄から図柄何コマ分回転させて回転リール6を停止させるかを役抽選の結果及びストップボタン29の操作タイミングに応じて当選図柄ごとにテーブル上に規定した停止テーブル(不図示)とに基づいて行うようになっている。また、停止図柄の情報は停止制御手段57が有する図示しない情報記憶手段によって記憶されるようになっている。
[入賞判定手段]
入賞判定手段49とは、全ての回転リール6の回転を停止させた際に、各有効入賞ラインL1,L2,L3上における図柄の組み合わせから、何れかの役に入賞したか、否かについて判定を行うものである。より具体的には、全ての回転リール6が停止した際に、上述の役抽選によって当選した役に対応する図柄の組み合わせが有効入賞ラインL1,L2,L3に位置している(揃っている)のかどうかの判定を行う。そして、当選した役に対応する組み合わせが有効入賞ラインL1,L2,L3上に揃うと、その当選役が入賞したものとして判定する一方で、対応した組み合わせが有効入賞ラインL1,L2,L3上に揃わなかった場合には、当選役が入賞しなかったものとして判定されることになる。
[ホッパー制御手段]
ホッパー制御手段50は、遊技の進行に伴い、または、精算ボタン24の操作に伴い、ホッパーユニット3(メダル払い出し装置3b)に作動信号を送ることで、ホッパーユニット3を作動させるものである。そして、作動信号を受信したメダル払い出し装置3bは、メダルタンク3a内に貯められたメダルを払い出すように構成されている。つまりは、遊技の進行に伴って、上述の役抽選手段46による役抽選によって当選した役が入賞した場合に、その当選役に応じた枚数のメダルをホッパーユニット3が払い出す他、精算ボタン24が遊技者によって操作された場合にあっては、クレジット内のメダルをホッパーユニット3が払い出すように構成されている。
[クレジット制御手段]
クレジット制御手段51は、スロットマシン1内に投入されたメダルについて、所定の枚数をスロットマシン1内に電子的に貯留させるものであり、より具体的には、スロットマシン1に投入されたメダルについて50枚までを限度に電子的に記憶(貯留)するものである。
[メイン状態移行制御手段]
メイン状態移行制御手段52は、遊技の状態に応じてメイン状態を移行させるものであり、メイン状態移行制御手段の制御に基づくメイン状態の移行について、図7を参照しつつ説明する。本実施の形態では、上述したように、メイン状態として、通常状態、ボーナス内部中状態、ボーナス作動中状態、及びRT状態がある。本実施の形態におけるスロットマシン1は、初期状態(工場出荷時など)のメイン状態が通常状態(以下、メイン通常状態という)となっている。即ち、役抽選手段46は、通常時の役抽選に用いる役抽選テーブル54として通常テーブルを取得している。そして、メイン通常状態中においてBB役などのボーナス役が当選した場合にメイン状態移行制御手段52は、メイン状態をボーナス内部中状態に移行させ、ボーナス内部中状態においてBB役などボーナス役が入賞した場合にメイン状態移行制御手段52は、メイン状態をボーナス作動中状態に移行させるようになっている。そして、払い出しメダル数が所定値を超えてBBゲームなどのボーナスゲームが終了することによりボーナス作動中状態が終了すると、メイン状態移行制御手段52は、メイン状態を通常状態に移行させるようになっている。
一方、メイン通常状態中にリプレイ2役が入賞した場合に、メイン状態移行制御手段52は、メイン状態をRT状態に移行させ、また、RT状態中に、ボーナス役が当選した場合には、メイン状態をボーナス内部中状態に移行させ、さらに、上記ベルブランクが表示された場合にはメイン状態をメイン通常状態に移行させるようになっている。ここで、メイン通常状態中においては、所定条件の下で、後述するAT制御手段59の制御に基づき「リプレイB」が当選した場合に、リプレイ2役を入賞させるためのストップボタン29の押し順(右第一停止)を報知(ナビ)する補助演出としてのナビ演出(移行ナビ)が行われるとともに、RT中においては、「押し順ベル」が当選した場合に正解の押し順をナビするナビ演出(ベルナビ)が行われるようになっている。
[サブ制御装置]
サブ制御装置42は、演出制御手段58、AT制御手段59、演出情報記憶手段60、演出ステージ判定手段61、抽選テーブル変更手段62、及びサブ状態移行制御手段63などとして機能するようになっている。
[演出制御手段]
演出制御手段58は、液晶表示装置19、ランプ20及びスピーカ35などの演出装置を作動させると共に、その作動を制御するものであり、演出データ記憶手段64、演出実行手段65、演出ステージ抽選手段66、及び演出ステージ移行手段67として機能するようになっている。
[演出データ記憶手段]
演出データ記憶手段64は、ゲーム毎に行われる演出データなどを記憶するものである。そして、演出データ記憶手段64に記憶されている演出データは、液晶表示装置19に所定の動画や静止画を表示させるための画像データ、ランプ20を所定の態様で点灯、消灯、及び点滅させるための発光パターンデータ、及びスピーカ35から出力する音声データなどであり、数多くの演出パターンに関する演出データが記憶されている。例えば、通常遊技時の1ゲーム単位で行われる演出(いわゆる単発演出)に関する演出パターンを記憶した演出データや、BBゲームやRBゲーム時に行われる演出パターンを記憶した演出データの他、後述するAT(Assist Time)ゲーム時に行われるナビ演出の演出データなどが記憶されている。また、通常遊技時に実行する演出の演出データには、複数回のゲーム間にわたって連続して実行される連続演出に係る演出データも併せて記憶されている。なお、詳細については後述するが、ここでATとは、当選役に関する情報を遊技者に報知しながら行われる遊技期間であり、本実施の形態のATは、メイン状態がRT状態の時に行われるART(Assist Replay Time)ゲームである。以下、説明するATゲームは、ARTゲームとして説明する。
ここで連続演出は、例えば、所定の役が当選した場合やスタートレバー25の操作を契機に行われる演出の抽選に当選した場合に実行が決定され、抽選により決定された、あるいは、あらかじめ定められた遊技回数(ゲーム数)にわたって、所定の筋書きに沿った連続演出が行われるようになっている。また、連続演出としては、例えばボーナス役やATゲームの当選についての期待度が異なる複数のパターンを設け、ボーナス役やATゲームの当選についての期待度を示唆するものとすることができる。
[演出ステージ]
さらに、演出データ記憶手段64には、上述の演出データの他にも、演出状態としての演出ステージ(以下、単に、ステージという)自体に関するデータが複数記憶されている。ここでステージとは、スロットマシン1で行われる演出の一態様であって、例えば、上述の単発演出や連続演出などが行われる所定の場面や状況が設定された状態である。また、ステージごとで液晶表示装置19の画面に異なる画像を表示し、各ステージでのゲーム毎にステージ特有の単発演出などを行うことができるようになっている。そして、本実施の形態にあっては、上述の演出データ記憶手段64が複数のステージを記憶する演出状態記憶手段を構成している。
また、スロットマシン1において行われるステージには、遊技者が有利な状態で遊技を進行することができる有利遊技時に行われる特別ステージや、有利遊技時以外の通常遊技時に行われる通常ステージなどが設けられている。そして、特別ステージには、ボーナスゲーム中に行われるボーナスステージや、AT(ART)ゲーム中に行われるATステージが設けられている。
なお、上述の各ステージ以外にも、例えば、そのステージに移行することでボーナスゲームが行われることが確定するボーナス確定ステージや、ボーナス確定ステージと同一内容の演出が行われるが、ボーナスゲームが確定していないフェイク演出などが行われる前兆ステージなど様々なステージを設けてもよい。
本実施の形態あっては、特別ステージとして、複数のATステージが設けられており、各ステージでナビ演出が行われる他、後述するようにARTゲームのゲーム数が上乗せされるようになっている。また、ステージごとでそのゲーム数を上乗せする確率が異なるように構成されており、ステージが変わることによって、上乗せ抽選に当選する確率が高い状態なのかを知り得るようになっている。但し、全てのステージで上乗せ抽選に当選する確率が同じになるようにしてもよい。
具体的には、図8に示すように、ステージA、ステージB、及びステージCの3つのステージからATステージが構成されており、演出データ記憶手段64には、個別のステージに関しての演出データが記憶されている。そして、演出データ記憶手段64に記憶されているステージに関する演出データは、各ステージにおける画像データ、発光パターンデータ、及び音声データなどの他、各個別のステージにおいて実行される複数の単発演出や複数の連続演出など(以下、ステージ個別演出という)の演出データを有して構成されている。
例えば、ステージAにあっては、図8に示すように、ステージA自体に関しての演出データの他、ステージAにおいて行うステージ個別演出としてのa1〜a3のデータ群がステージAに関する演出データとして記憶されており、ステージBにあっては、ステージ個別演出としてのb1〜b3のデータ群がステージBに関する演出データとして記憶されており、ステージCにあっては、ステージ個別演出としてのc1〜c3のデータ群がステージCに関するデータとして記憶されている。そして、実行(滞在する)されるステージに応じて、対応する演出データ群な中から毎ゲームごとに行われる抽選により、そのゲームで実行されるステージ個別演出としての演出のパターンが選択、決定されるように構成されている。
また、各ATステージにおいては、例えば、スイカ役など、予め設定された役が上述の役抽選で当選したのを契機として、各ATステージでART(AT)ゲームの上乗せ抽選が行われるようになっており、図8に示すように、ステージAよりもステージB、ステージBよりもステージCというように、ステージAからステージCに行くにつれてステージでのARTゲームの上乗せの期待度が上がるように構成されている。具体的には、ステージA<B<Cの順で後述するAT抽選手段70が使用する上乗せ抽選テーブル72における上乗せの当選確率(ゲーム数が上乗せされる確率)が高くなっており、本実施の形態では、後述するように、チェリー役の当選に伴って、ART(AT)ゲームの上乗せする確率(以下、上乗せ決定確率という)が、ステージAにあっては1/100に、ステージBにあっては1/50に設定(想定)されている。また、ステージCにあっては、特定の演出状態としての上乗せ特化ステージとして設定されている。ここで、上乗せ特化ステージとは、ステージA及びステージBと比してART(AT)ゲームのゲーム数の上乗せされる確率が極めて高く設定されているステージであり、ステージCは、ART(AT)ゲームの上乗せ決定確率が1/10に設定されている。このように、ステージCに滞在することでARTゲーム数が上乗せされることが期待できるようになっている。
さらに本実施の形態にあっては、ステージA〜Cの各ステージにおいて、払い出されるメダルの割合としての各ステージにおける出玉率(以下、ステージ期待出玉率という)が想定されている。このステージ期待出玉率は、例えば、各ステージにおいて予め設定された上乗せ決定確率から想定される上乗せゲーム数などに基づいて設定されている。つまりは、各ステージにおいて、所定ゲーム数の遊技を行った場合に想定される上乗せゲーム数から、各ステージにおいて想定されるメダルの払い出し枚数に基づいて設定されている。そして、例えば、ステージAにおけるステージ期待出玉率は170%に設定されており、ステージBにおけるステージ期待出玉率は200%に設定されおり、ステージCにおけるステージ期待出玉率は250%に設定されている。そして、各ステージにおける、所定ゲーム数に対して実際にゲーム数が上乗せされた回数の割合(以下、上乗せ結果確率という)やステージ期待出玉率が想定された値(想定値)にあるか、否かが後述する演出ステージ判定手段61によって判定されるようになっている。但し、上述の上乗せ決定確率や、ステージ期待出玉率の値は、単なる一例であって、自由に設定、変更することができ、また、上乗せ決定確率や、ステージ期待出玉率に設定方法(算出方法)についても自由に設定することができる。
そして、本実施の形態にあっては、ステージAに滞在している場合に、液晶表示装置19の液晶画面に写し出される演出画像の背景色を緑色とし、ステージBに滞在している場合は背景色を赤色、そしてステージCに滞在している場合には背景色を七色(レインボー)とすることで、その背景色から遊技者は、遊技中のステージが何れのステージに滞在しているのかを知ることができると共に、その期待度も知ることができるように構成されている。
なお、上述のように背景色を異ならせることで滞在中のステージを遊技者に知らせ得るように構成したが、これに限らず、演出画像の背景色などを同一(同じ色)に構成してもよく、例えば、各演出ステージの特有のステージ個別演出(a1〜a3、b1〜b3、c1〜c3、)を実行することで、その演出から遊技者が滞在ステージを認識するようにしてもよい。また、ランプ20の点灯、点滅パターンや、スピーカ35から出力される音声によって、遊技者が滞在ステージを知り得るように構成してもよい。さらに、通常ステージの数は限定されるものでもなく4つ以上若しくは2つ以下のステージで構成してもよく、各ステージで行えるステージ個別演出のパターンの数は限定されない。
[演出実行手段]
演出実行手段65は、演出データ記憶手段64に記憶された演出データに基づいて演出を実行するものである。より具体的に言うと、各演出データに基づき、ランプ20には、発光信号を送ることで、ランプ20を点灯、点滅させ、液晶表示装置19には、画像信号を送ることで、表示画面に画像を表示させ、スピーカ35には、音声信号を送ることでスピーカ35から音を出力させるように構成されている。
[演出ステージ抽選手段]
演出ステージ抽選手段66は、演出実行手段65によって行われるステージを抽選によって選択(決定)するものである。演出ステージ抽選手段66は、図示しない演出ステージ用乱数発生手段、演出ステージ用乱数抽出手段、及び演出ステージ用判定手段などを有している。そして、所定の条件の成立を契機に、演出ステージ用乱数発生手段が発生させている乱数を演出ステージ用乱数抽出手段が抽出し、その抽出した乱数データと演出ステージ抽選テーブルのデータを比較し、抽出した乱数データが演出ステージ抽選テーブルにおける何れの領域に該当するかを演出ステージ用判定手段が判定することでステージの抽選が行われ、その該当する領域に対応した演出ステージが実行されるように構成されている。
そして、本実施の形態におけるATステージにあっては、後述するAT抽選による当選に伴い、ARTゲームが開始されると、まずは、ステージAが演出実行手段65によって実行されるようになっている。即ち、ステージAに滞在するようになっている。そして、抽選契機として予め設定された、例えばチェリー役などの所定の役が上記役抽選で当選したのを契機として、演出ステージ抽選手段66による抽選が行われ、その抽選の結果によって、ステージA→ステージB→ステージCというように、ステージを順次移行するようになっている。さらに、ステージCに滞在中にあっては、演出ステージ抽選手段66によって、ステージAに移行するか否の抽選である、いわゆる転落抽選と称される抽選が行われるようになっており、抽選の結果に基づいてステージAに移行(転落)するか、継続してステージCに滞在するかの抽選が行われるようになっている。そして、ステージAに転落すると、再びステージBへの移行抽選が行われ、ステージBに滞在するとステージCへの移行抽選が行われ、ステージCに滞在すると再び転落抽選が行われるようになっている。言い換えると、演出ステージ抽選手段66の抽選結果に基づいて、ステージA〜ステージCを循環するように順次移行するようになっている。
なお、本実施の形態では、ARTゲームの開始に伴い、ステージAに滞在し、演出ステージ抽選手段66の抽選に基づいて、ステージB、及び、ステージCを順次移行するように構成したが、演出ステージ抽選手段66の抽選結果に基づいて、ランダムで各ステージに移行するように構成してもよい。例えば、抽選結果に基づき、ステージAからステージCに移行するようにしてもよく、ステージBからステージAに移行するようにしてもよく、さらには、ステージBからステージCに移行するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、演出ステージ抽選手段66のステージ抽選の抽選結果に基づいて、ステージCに移行し、ステージCの滞在中に行われるステージ抽選(転落抽選)の抽選結果に基づいて、ステージAに移行するように構成したが、これに限らない。例えば、ステージAあるいはステージB滞在中に、チェリー役や特殊リプレイなど、一般にレア役と称される役が役抽選で当選したのを契機として、上乗せ特化ステージであるステージCに移行するか、否かの移行抽選を行い、移行抽選に当選した場合には、ステージCに移行し、予め設定されたゲーム数(例えば、10ゲーム)を消化後、元のステージに移行するようにしてもよい。即ち、所定の当選役の当選に伴い固定ゲーム数だけステージCに滞在するように構成してもよい。
また、本実施の形態では、演出ステージ抽選手段66によるATステージの抽選を所定の役が役抽選で当選したのを契機としたがこれに限らない。例えば、スタートレバー25の操作や何れかのストップボタン29が操作されたのを契機に演出ステージの抽選を行うようにしてもよい。
[ATステージ抽選テーブル]
演出ステージ抽選テーブルであるATステージ抽選テーブル69は、演出ステージ用乱数発生手段によって発生される乱数の全領域中、各当選項目の当選領域を有するものであり、言い換えると、何れの乱数の領域がステージを移行させるものであるか、否かを定めたものである。そして、図9には、ARTゲームの際に用いられる演出ステージ抽選テーブルである複数のATステージ抽選テーブルの概念図が示してある。なお、図9に示してある各テーブルの横幅は、演出ステージ用乱数発生手段が発生させる乱数の全領域を示したものである。
図9に示すテーブルAは、ステージAに滞在中に用いられるATステージ抽選テーブル69であり、上記役抽選におけるチェリー役の当選時に移行する、移行値としての移行確率が1/5に設定(想定)されている。即ち、チェリー役が役抽選で当選した際にステージAからステージBに移行する想定値として移行確率が1/5に想定されている。また、テーブルBは、ステージBに滞在中に用いられるATステージ抽選テーブル69であり、チェリー役の当選時に、ステージBからステージCに移行する移行確率が1/10に設定されている。また、テーブルCは、ステージCに滞在中に用いられるATステージ抽選テーブル69であり、チェリー役の当選時に、ステージCからステージAに移行する移行確率が1/10に設定されている。言い換えると、上乗せ特化ステージCから転落(ステージAに移行)する確率が1/10に設定されている。そして、ステージA〜Cに滞在すると、それぞれのステージに対応する上述のテーブルA〜Cが用いられるようになっている。
また、テーブルDは、ステージAに滞在中に用いられるATステージ抽選テーブル69であり、ステージAからステージBに移行する確率が1/2に設定されている。テーブルEは、ステージBに滞在中に用いられるATステージ抽選テーブル69であり、ステージBからステージCへの移行確率が1/5に設定されている。そして、テーブルD及びテーブルEにあっては、後述するように、各ステージへの移行確率を高くする際に用いられるテーブルとして設定されている。なお、上述の各テーブルにおいて設定された移行確率は一例であり、自由にその値について変更、設定することができる。
[演出ステージ移行手段]
演出ステージ移行手段67は、上述した演出ステージ抽選手段66による抽選によって選択された各ステージへと移行させるものである。より具体的に言うと、例えば、演出実行手段65によってステージAが実行されている際に、演出ステージ抽選手段66の抽選結果によって、ステージBが選択された場合に、ステージAの実行を終了させる共に、選択されたステージBを演出実行手段65に実行させるように構成されている。また、演出ステージ抽選手段66の抽選によって、抽選直前に滞在していたステージが選択された場合(同じステージが継続される場合)、演出ステージ移行手段67によって同じステージが再セットされるようなっている。そして、本実施の形態では、この演出ステージ移行手段67及び上述の演出ステージ抽選手段66で演出状態移行手段を構成している。なお、抽選によって同じステージが選択された場合は、演出ステージ移行手段67によるステージ移行処理がキャンセル(移行処理が行われない)されるようにしてもよい。
[AT制御手段]
AT制御手段59は、ATゲームに関して制御を行うものであり、AT抽選手段70及び報知実行手段71としても機能するようになっている。ここでATゲームとは、遊技者にとって有利な状態で遊技を進行し得る有利遊技であり、具体的には、ATゲーム中に何れかのベル役の重複当選領域が役抽選で当選した場合に、ベル役(ベル28)を入賞させるために、ストップボタン29の押し順(回転リールを停止させる順)を報知する(ナビゲートする)ナビ演出である、いわゆるベルナビが行われるようになっている。
[AT抽選手段]
AT抽選手段70は、ART(AT)の実行の有無を抽選(AT抽選)により、また、ARTゲーム数の上乗せの有無を抽選(上乗せを抽選)により決定するためのものであり、図示しない、AT用乱数発生手段、AT用乱数抽出手段、AT用判定手段、及びAT用抽選テーブルなど有している。そして、AT抽選を行う契機となる予め設定された、例えば、チェリー役などの所定の役が上述の役抽選手段46の役抽選によって当選したのを契機として、AT用乱数発生手段が発生させる乱数をAT用乱数抽出手段が抽出し、その抽出した乱数データと、AT用抽選テーブルのデータとをAT用判定手段によって比較することによりAT抽選を行うようになっている。そして、AT抽選によってATの実行が決定され、それに伴い、AT抽選によって決定されたゲーム数が後述するATカウンタに記憶されるように構成されており、メイン状態がRT状態に移行したのに伴って、ATカウンタに記憶されたゲーム数の減算が開始されると同時に、ARTゲームが開始されるようになっている。
また、AT抽選手段70は、予め設定された、例えば、所定の役(チェリー役)などの所定の役が上述の役抽選手段46による役抽選によって当選したのを契機として、ARTゲーム中においてARTゲーム(ATゲーム)のゲーム数を追加するか、否かの抽選である上乗せ抽選を、上乗せ抽選テーブル72、及び、上乗せゲーム数抽選テーブル73に基づいて行うようになっている。そして、本実施の形態では、このAT抽選手段70が利益付与決定手段を構成している。なお、図10には、上乗せ抽選テーブル72の概念図が示してあり、図11には、上乗せゲーム数抽選テーブル73の概念図が示してあり、各テーブルの横幅は、抽選の際にAT用乱数発生手段が発生させる乱数の全領域を示したものである。
[上乗せ抽選テーブル]
上乗せ抽選テーブル72は、ARTゲーム中にARTゲームのゲーム数を上乗せするか、否かを規定したものであり、上乗せ行う当選領域(以下、上乗せ領域という)と、上乗せを行わないハズレの領域が設けられている。テーブルFは、ステージAに滞在中に用いられる上乗せ抽選テーブル72であり、ハズレの領域に対して上乗せ領域が極めて狭く設定されている。そして、テーブルFは、ステージAにおけるゲーム数などから、付与値としての後述する上乗せ決定確率が1/100に設定(想定)されている。言い換えると、例えば、ステージAで100ゲーム消化した場合に1回はゲーム数が上乗せされる確率で想定値が設定されている。また、テーブルGは、ステージBに滞在中に用いられる上乗せ抽選テーブル72であり、図10に示すようにテーブルFよりも上乗せ領域が広く、テーブルGは、ゲーム数などからステージBにおける上乗せ決定確率が1/50に設定されている。また、テーブルHは、ステージCに滞在中に用いられる上乗せ抽選テーブル72であり、テーブルGよりも上乗せ領域が広く、テーブルHは、ゲーム数などからステージCにおける上乗せ決定確率が1/10に設定されている。
さらに、テーブルIは、ステージCに滞在中に用いられる上乗せ抽選テーブル72であり、上述の各テーブルF〜Hよりも上乗せ領域が広く、テーブルIは、ゲーム数などからステージCにおける上乗せ決定確率が1/5に設定されている。そして、テーブルIは、後述するように、ステージCにおける後述する上乗せ結果確率を上げる場合に用いられるテーブルとなっている。なお、上述の各テーブルにおいて設定された上乗せ決定確率は一例であり、自由にその確率について変更、設定することができる。
[上乗せゲーム数抽選テーブル]
上乗せゲーム数抽選テーブルは、上乗せ抽選に当選したのに伴い、ゲーム数を上乗せする際のゲーム数を規定したものである。テーブルJは、ステージA〜Cの全てのステージに滞在している場合において用いられる上乗せゲーム数抽選テーブル73であり、1回の上乗せで上乗せされる、利益量としての上乗せゲーム数が10〜100ゲームの間で規定されている。そして、テーブルJは、1回の上乗せにおいて、10ゲームが上乗せされる確率が40%に設定(想定)されており、20ゲームが上乗せされる確率が30%に設定されており、50ゲームが上乗せされる確率が20%に設定されており、さらには、100ゲームが上乗せされる確率が10%に設定されている。
また、テーブルKは、ステージCに滞在中に用いられる上乗せゲーム数抽選テーブル73であり、1回の上乗せにおいて、10ゲームが上乗せされる確率及び20ゲームが上乗せされる確率のそれぞれが30%に設定されており、50ゲームが上乗せされる確率及び100ゲームが上乗せされる確率がそれぞれ20%に設定されている。そして、テーブルKは、ステージCに滞在中において、ARTゲームのゲーム数が上乗せされる際の上乗せゲーム数を多くする際に用いられるテーブルとなっている。なお、上述の各テーブルにおいて設定された上乗せゲーム数及びその確率は一例であり、自由にその値について変更、設定することができる。
[報知実行手段]
報知実行手段71は、演出制御手段58によるナビ演出を実行させるためのものであり、図示しないATカウンタとしても機能する。ATカウンタは、ATのゲーム数をカウントするものである。具体的には、AT抽選でART(AT)ゲームが当選すると、サブ状態がAT状態に移行することが確定した時点で、AT抽選時に決定されたATのゲーム数(例えば50ゲーム)をATカウンタが加算して記憶する。そして、ARTゲームの開始(メイン状態のRT状態への移行)後は、入賞判定手段49によって毎ゲーム行われる入賞判定後に記憶している記憶値を1だけ減算する。即ち、1ゲームを終了する毎に、記憶されているART(AT)ゲームの総ゲーム数から1ゲームを減算するようになっている。また、ATカウンタは、上述の上乗せ抽選でゲーム数の上乗せに当選した場合に、その当選に伴って、記憶している記憶値に上乗せ抽選で当選したゲーム数を加算するようになっている。なお、本実施の形態では、ATカウンタのゲーム数を減算するタイミングについて、ゲームの終了に伴って行うように構成したがこれに限らない。例えば、ゲームの開始(スタートレバーの操作)と共にATゲームを減算するようにしてもよい。
そして、ゲーム数の消化によってATカウンタに記憶されているゲーム数が「0」になるとATが終了するようになっている。ATが終了すると、ベルナビが行われなくなり、ベルブランクが表示されることで、メイン状態はRT状態からメイン通常状態に戻るようになっている。即ち、ARTゲームが終了するようになっている。また、ART(AT)中にベルブランクが表示された場合には、ATのゲーム数を初期化(「0」クリア)する。即ち、ATのゲーム数が残っていてもメイン制御装置41の状態がRT状態からメイン通常状態に転落した場合にはARTゲームが終了するようになっている。
また、ART(AT)中にBB役が当選し、かつ、その当選したBB役が入賞した場合には、ATカウンタはカウント値を初期化しないが、ART(AT)ゲームは終了するようになっている。また、ATカウンタがATゲーム数を有している場合において、BB役が当選した場合には、BB役の当選に基づく上乗せ抽選が行われ、上乗せ抽選に当選した場合には、その抽選結果に基づくゲーム数がATカウンタに加算されるようになっている。さらに、ATカウンタは、AT中でないときにはゲーム数の減算を行わないように構成されている。そして、報知実行手段71は、メイン状態がメイン通常状態であって、AT抽選に当選している場合には、メイン状態をRT状態へ移行させるための移行ナビを行い、ART中には、ベルナビを行うように形成されている。なお、BBゲーム終了後にATカウンタがカウント値を有している場合には、AT抽選に当選しなかった場合でも、メイン状態をメイン通常状態からRT状態へ移行させるための移行ナビを行うようになっている。
また、ベルナビは、上述のように、「押し順ベル」が当選した場合に正解の押し順を報知するものであり、正解の押し順で停止操作された場合には、ベル役が必ず入賞し、不正解の押し順で停止操作された場合には、ベル役が入賞するか、ベルブランクが表示されるようになっている。また、移行ナビは、「リプレイB」が当選した場合に、リプレイ2役を入賞させるための押し順(右第一停止)を報知するものである。そして、ナビに従ってストップボタン29が停止操作された場合には、リプレイ2役が必ず入賞し、ナビに従わなかった場合には、リプレイ2役は入賞せず、リプレイ1役が必ず入賞する。
なお、メイン通常状態であってAT抽選に当選していない場合(ATカウンタ「0」の場合)に、リプレイ2役を入賞させるための押し順でストップボタン29が停止操作された場合や、そのストップボタン29の停止操作でベル役を入賞させた場合には、所定のペナルティが課せられるように形成されており、例えば、所定ゲームの間、AT抽選が行われないようになっている。またATカウンタが「0」の場合(ATゲーム非当選時)には、メイン状態がRT状態に移行してもベルナビは行われないようになっている。このように、ATゲームに当選していない状態で、メイン状態をRT状態に移行させ、リプレイ役の当選確率を高くしても、上述のような、ベルナビが行われることがないため、押し順ベル役が役抽選に当選したとしても正解打順でストップボタン29を操作すること自体難しく、さらには、ペナルティによって所定ゲームの間、AT抽選が行われないようになっていることから、ATゲーム非当選時(サブ通常状態時)は、メイン状態をRT状態にしてゲームを行うよりも、メイン状態が通常状態のままで行う方が遊技者にとって有利である。
[演出情報記憶手段]
演出情報記憶手段60は、遊技の進行に伴いメイン制御装置41から入力された信号(例えば、スタートレバー25の操作信号に基づく遊技開始の信号)などに基づき、各ステージに関する情報(以下、単に、ステージ情報という)について記憶するものである。ここでステージ情報について具体的に言うと、例えば、演出実行手段65によって実行された各ステージの実行回数、それらから算出される各ステージの滞在率、各ステージの滞在時間、ステージから他のステージへの移行した確率、移行した回数、及び上記演出ステージ抽選手段66の抽選によって各ステージが選択された回数などの他、AT抽選によるATゲームの当選回数、そのATゲームの当選割合(各ステージの滞在率、滞在中におけるゲーム数、及び滞在ゲーム数などから算出される当選割合である)、及び、例えば、スイカ役やチェリー役などの特定の役の当選を契機に行われるATゲーム抽選の抽選回数などである。
さらに、演出情報記憶手段60は、遊技回数(ゲーム数)などをカウントするカウンタを有しており、スロットマシン1における総ゲーム数、各ステージの滞在中におけるゲーム数、ATステージ(ステージA〜C)におけるARTゲームのゲーム数が上乗せされた回数、ART中のゲーム数及びART(AT)ゲームの上乗せ回数から算出される、利益値である上乗せ結果確率、利益値である1回の上乗せで上乗せされたゲーム数や上乗せされた総ゲーム数、及び、実際のゲームでの各ステージにおける出玉率(以下、ステージ遊技出玉率という)などを記憶するように構成されている。但し、上述の各情報は、例示であって、ステージに関する情報であればいずれのものであってもよく、これに限定されるものではない。
[演出ステージ判定手段]
演出ステージ判定手段61は、例えば、上記演出情報記憶手段60に記憶された各ステージにおいて実際にゲーム数の上乗せが行われた上乗せ結果確率と、各ステージにおいて想定された上乗せ決定確率とを比較することで、実際の遊技において上乗せが行われた確率が予め想定された確率の範囲内にあるか、否かを判定するものである。また、演出ステージ判定手段61は、実際の遊技において各ステージでのステージ遊技出玉率と、上述のように、各ステージで予め想定されたステージ期待出玉率とを比較することで各ステージにおけるステージ遊技出玉率が予め想定されたステージ期待出玉率の範囲内にあるか、否かを判定するようになっている。
演出ステージ判定手段61は、各ステージのステージ遊技出玉率と、各ステージ期待出玉率と比較する際、各ステージにおいて上乗せされたATゲーム数に基づいて比較するようになっている。つまりは、出玉率を比較する時点において、ステージで上乗せされたART(AT)ゲームがある場合(即ち、未消化分のART(AT)ゲーム)、その未消化分のART(AT)ゲームを全て消化した際に想定される払い出しメダル数(以下、想定メダル数という)を算出し、今までに払い出されたメダル数及びこの想定メダル数に基づいて、各ステージにおけるステージ遊技出玉率と、各ステージのステージ期待出玉率とを比較するようになっている。例えば、ステージAにおけるステージ遊技出玉率と、ステージAにおけるステージ期待出玉率とを比較する時点で、ステージAにおいて50ゲームが消化され、かつ、ステージAで上乗せされた30ゲームの上乗せゲームが未消化であった場合には、50ゲーム消化時点で払い出されたメダル数と、未消化ゲームである30ゲームの想定メダル数とに基づいてステージAにおけるステージ遊技出玉率を算出する。
なお、本実施の形態において演出ステージ判定手段61は、上述のように、実際の各ステージにおけるステージ遊技出玉率とステージ期待出玉率を比較する時点における未消化分の上乗せゲーム数から想定メダル数を算出して出玉率を比較するように構成したがこれに限らない。例えば、各ステージのステージ遊技出玉率とステージ期待出玉率とを比較する際に、未消化分の上乗せゲーム数がある場合、その未消化分の上乗せゲーム数と、既に消化したゲーム数との合計ゲーム数に基づき払い出されることが想定されるメダル数を算出してもよい。例えば、ステージAにおけるステージ遊技出玉率と、ステージAにおけるステージ期待出玉率を比較する時点で、ステージAにおいて50ゲームが消化され、かつステージAでの上乗せゲームが30ゲーム未消化であった場合には、既に消化したゲームである50ゲームと、未消化ゲームである30ゲームとの合計ゲーム数である80ゲームから想定されるメダル数に基づいてステージAにおけるステージ遊技出玉率が算出されるようにしてもよい。
そして、演出ステージ判定手段61は、毎ゲームにおいて各ステージにおける上乗せされた確率、若しくは、各ステージにおけるステージ遊技出玉率が、各ステージで想定された確率、若しくは、その範囲内にあるか、否を判定するようになっている。
[抽選テーブル変更手段]
抽選テーブル変更手段62は、抽選テーブルを変更するものである。具体的には、演出ステージ判定手段61の判定結果に基づき、上述のATステージ抽選テーブル69、上乗せ抽選テーブル72、及び、上乗せゲーム数抽選テーブル73の各抽選テーブルを変更するようになっている。そして、本実施の形態にあっては、この抽選テーブル変更手段62
が付与値変更手段、及び、移行値変更手段を構成すると共に、付与値変更手段、及び、移行値変更手段を備える変更手段を構成している。
[サブ状態移行制御手段]
サブ状態移行制御手段63は、上述のATゲームなどの当選に基づいてサブ制御装置42の状態(以下、単に、サブ状態という)の移行をさせるものであり、サブ状態移行制御手段63の制御に基づくサブ状態の移行について図12を参照しつつ説明する。サブ状態には、大別して通常状態、ART準備状態、AT(ART)状態、高確率状態(AT高確率状態)、及びボーナス状態の5つの状態がある。通常状態(以下、サブ通常状態という)とは、メイン制御装置41と同様に、工場出荷時や設定変更時などの初期状態におけるサブ状態であり、ART準備状態とは、ATゲームに当選したものの、メイン状態が非RT状態(RT状態以外の状態)である状態である。また、ART状態とは、メイン状態がRT状態で行われているATゲーム状態であり、AT高確率状態とは、例えば、AT抽選によるATゲームに当選する確率が高くなっている状態など、遊技者にとって有利な状態である。そして、ボーナス状態とは、BB役などのボーナス役の入賞に伴ってメイン状態がボーナスゲーム状態にある状態である。
そして、サブ状態は、サブ状態移行制御手段63によって、上述の5つの何れかの状態に移行されるようになっている。具体的には、サブ通常状態に滞在している場合において、AT抽選手段70によるAT抽選よってART(AT)ゲームが当選するとサブ状態移行制御手段63は、サブ状態をART準備状態に移行させる。そして、メイン状態がRT状態に移行するのに伴って、サブ状態移行制御手段63は、サブ状態をART準備状態からART状態へと移行させる。但し、サブ状態がサブ通常状態にある時に、例えば、ストップボタン29が変則押しで操作されたのに伴って、メイン状態がRT状態に移行したとしても、サブ状態はサブ通常状態である。
そして、ART(AT)ゲームの全ゲーム数の消化(ATカウンタの値が「0」になる)によってARTゲームが終了し、サブ状態移行制御手段63によって、サブ状態がART状態からサブ通常状態に移行するとAT終了待機状態に移行する。このAT終了待機状態とは、サブ状態がサブ通常状態であるのに対して、メイン状態がRT状態にある状態をいう。即ち、ART(AT)ゲームの終了に伴って、メイン状態がRT状態からメイン通常状態へと移行するのを待っている状態である。そして、ベルブランクなどの表示に伴い、メイン状態がRT状態から非RT状態へ移行するのに伴って、ARTゲームが終了するようになっている。
また、サブ通常状態にある場合に、図示しないAT高確率抽選手段によって、ARTゲームに当選しやすいAT高確率状態に当選した場合、サブ状態移行制御手段63は、サブ状態をAT高確率状態に移行させる。そして、サブ状態がAT高確率状態にある時にART(AT)ゲームの抽選に当選すると、サブ状態移行制御手段63は、サブ状態をART準備状態に移行させる。そして、ARTゲームの終了に伴って、サブ状態移行制御手段63は、サブ状態をART状態からサブ通常状態へと移行させるようになっている。また、サブ状態移行制御手段63は、サブ状態をAT高確率状態に移行させた後、ART(AT)ゲームなどに当選することなく所定のゲーム数を消化した場合に、再び、サブ状態を通常状態に移行させるようになっている。
また、サブ状態が、サブ通常状態、ART準備状態、ART状態、及びAT高確率状態に何れかの状態にある場合に、ボーナス役の入賞によってメイン状態がボーナス作動中状態に移行すると、サブ状態移行制御手段63は、その各状態からボーナス状態へと移行させ、ボーナスゲームの終了に伴い、ボーナス状態に移行する前に滞在していた状態へ再び移行させるようになっている。しかしながら、例えば、サブ状態が通常状態からボーナス状態に移行し、ボーナス当選時にATゲームに当選した場合などには、メイン制御装置41におけるボーナスゲームの終了と共に、サブ状態をART準備状態へと移行させるようになっている。
[作用及び効果]
次いで、上述のように構成されたスロットマシン1で遊技を行う際の動作について図13〜図15を参照しつつ説明する。まずは、メイン制御装置41による遊技中のスロットマシン1の制御動作について図13に沿って説明する。
スロットマシン1で遊技を行う際、スロットマシン1の正面側にスロットマシン1と面するように着座した遊技者は、メダル投入口23からメダルを投入することで遊技を開始するための準備をする。
遊技者によってメダル投入口23から投入されたメダルは、メダルセレクタ37内を通過する。この際、投入されたメダルは、メダルセレクタ37に設けられたメダルセンサ39によって検知される。そして、このメダルセンサ39の検知に伴いスロットマシン1内にメダルが投入されたこと、及び、その投入枚数がメイン制御装置41によって認識される。即ち、スロットマシン1は、ベット(BET)された状態になる(図13のStep100(以下、単にS○○○と示す)のYES)。なお、クレジット内にメダルが貯留されている状態にあっては、MAXBETボタン26を押すことで、最大メダル枚数がベットされた状態となり、再遊技の場合にあっては、メダルをベットすることなく前回の遊技と同枚数のメダルが自動的にベット(自動ベット)される。
そして、一回のゲームを行うのに必要な枚数(例えば、メダル3枚)のメダルがメダル投入口23から投入されるか、MAXBETボタン26が押されるか、若しくはリプレイによって自動ベットされるかで、スロットマシン1は、1回の遊技を開始することが可能な状態になる。なお、メダル投入口23からメダルが投入されるか、MAXBETボタン26が押されるか、若しくは、リプレイによる自動ベットがされない限り、スロットマシン1はベットされた状態なることはなく遊技を開始することができない(S100のNO)。
スロットマシン1が遊技可能な状態になった後に、遊技者がスタートレバー25を操作(レバーON)すると遊技が開始され(S101のYES)、この遊技者によるスタートレバー25の操作を契機として、上述の役抽選手段46によって役抽選処理が行われる(S102)。但し、スタートレバー25が操作されない限り、遊技が開始されることはなく、スロットマシン1は遊技可能な遊技開始待ち状態となる(S101のNO)。
そして、遊技者によるスタートレバー25の操作によって、その操作信号がメイン制御装置41に入力されと、それに伴い、ステッピングモータ10が駆動を開始する。そしてステッピングモータ10の駆動の開始に伴い、回転リール6が回転を開始することで回転リール6の回転開始処理が行われる(S103)。
回転リール6は、回転開始処理に伴って回転を開始した後、所定の回転速度に達するまで加速しながら回転する。そして、回転リールの回転速度が所定の回転速度に達すると、回転リール6は、その所定の回転速度による定常回転に移行し、回転リール6の定常回転の移行に伴い、ストップボタン29の操作が有効化する。
ストップボタン29の有効化に伴い、遊技者がストップボタン29の何れかを操作(ストップボタンON)すると、その操作されたストップボタン29に対応する操作信号がメイン制御装置41に入力される。そして、ストップボタン29の操作信号がメイン制御装置41に入力され、ステッピングモータ10が停止するのに伴い、操作されたストップボタン29に対応する回転リール6の回転が停止する(S104のYES,S105)。但し、ストップボタン29が操作されない場合にあっては、回転リール6は停止することなく、その回転を継続することになる(S104のNO)。
そして、ストップボタン29の操作に伴って、左リール7、中リール8、及び右リール9の全ての回転リール6がその回転を停止すると(S106のYES)、その回転リール6の停止位置から遊技結果判定処理が行われる(S107)。具体的には、入賞判定手段49によって役抽選による当選した役に対応する図柄組み合わせが入賞ラインL1,L2,L3上に揃っているか(停止しているか)どうかが判断される。但し、ストップボタン29の停止操作及び全ての回転リールの回転が停止していない場合には、ストップボタン29の操作待ち(回転リール6の停止待ち)状態になる(S104のNO,S106のNO)
そして、入賞判定手段49による入賞の判定処理によって、当選役が入賞していると判定された場合には、その当選役の入賞に応じた処理が行われる。具体的には、小役が入賞したと判定されると、入賞した小役に応じたメダルが払い出され、ボーナス役が入賞したと判定されると、次ゲームからボーナスゲームに移行し、再遊技役が入賞したと判定されると、再遊技役が入賞した遊技と同じ枚数のメダルが自動ベットされ、次遊技のメダルをベットすることなく遊技を行うことが可能となり1回の遊技が終了する(S108)。また、何れの役が入賞していると判定されなかった場合にあっては、メダルの払い出し、ボーナスゲームの移行、自動ベットなどが行われることなく、スロットマシン1における1回の遊技が終了する。
次いで、サブ制御装置42において行われるステージCでの演出ステージ確率変更制御について図14を参照しつつ説明する。上述のように、スタートレバー25が操作され、遊技が開始されるに伴って、開始されるゲームがARTゲームであるか、否かが判断される(図14のS200)。具体的には、サブ状態がART状態であるか、否かが判断され、サブ状態がART状態以外の状態の場合には演出ステージ確率変更制御が終了する(S200NO)。
そして、ARTゲームである場合には(S200のYES)、ステージCにおけるゲーム数が判断される。具体的には、演出情報記憶手段60によって記憶されている各ステージについてのステージ情報から、ステージCでのゲーム数が20ゲーム以上消化されたか、否かが判断され、ステージCで20ゲーム以上行われていた場合には(S201のYES)、ステージCにおいて、ARTゲームの上乗せ結果確率が1/10未満か否かが判断される。一方で、ステージCでのゲーム数が20ゲーム未満の場合には(S201のNO)、後述するステージCにおける上乗せ結果確率の補正を行うことなく演出ステージ確率変更処理が終了するようになっている。つまり、20ゲーム未満の場合(ゲーム数が少ない場合)、上乗せ結果確率が想定値の範囲内にないことは、いわゆる抽選の波などから生じ得るもので、遊技者にとっても予想される範囲内であり、上乗せされないことについて不満やがっかり感を生じさせるものではないからである。
そして、演出ステージ判定手段61が、演出情報記憶手段60に記憶されたステージ情報に基づき、ステージCおける上乗せ結果確率が予め設定(想定)された設定値(1/10)未満である場合と判定した場合に、詳細については後述するテーブル変更処理(S203)が行われるようになっている(S202のYES)。一方で、演出ステージ判定手段61が、ステージCでの上乗せ結果確率が所定値(想定値としての上乗せ決定確率)(1/10)以上であると判定した場合には演出ステージ確率変更制御が終了するようになっている(S202のNO)。
なお、本実施の形態では、20ゲーム未満の場合に、ステージCにおける上乗せ結果確率についての補正を行わないように構成したがこれに限らず、20ゲーム未満であっても補正を行うようにしてもよい。また、ステージCにおける20ゲームは、ARTゲームが開始してからそのARTゲームが終了するまでにステージCに20ゲーム以上滞在していればよく、継続してステージCに滞在していた場合であっても、累計してステージCに20ゲーム以上滞在していた場合であってもよい。また、上乗せ結果確率の補正を行うか、否かの基準を20ゲームとしたが、単なる一例であり、自由に設定することができる。
また、本実施の形態にあって、S201において、ステージCでの滞在ゲーム数が20ゲーム未満か否かを判定するように構成したがこれに限らず、上述のように、ステージC移行抽選の当選に伴って、ステージCで固定ゲーム数(10ゲーム)が消化されるように構成した場合には、ステージCへの移行回数予め設定された回数未満か(2回未満か)、否かを判定するように構成してもよい。
次いで、演出ステージ確率変更制御に伴って、サブ制御装置において行われるテーブル変更処理制御について説明する。上述のように、ステージCにおける上乗せ結果確率が予め設定された所定値に満たない場合には(S202のYES)、テーブル変更処理が行われる。そして、テーブル変更処理制御の開始に伴い、抽選テーブル変更手段62によって、ステージCで用いられている上乗せ抽選テーブル72の変更処理が行われる。具体的には、ステージC滞在中に用いられる上乗せ抽選テーブル72を、テーブルHからテーブルIに変更するようになっている(図15のS300)。そして、テーブルHからテーブルIに変更されるのに伴って、テーブル変更処理制御が終了する。なお、変更された抽選テーブルは、ART(AT)ゲームの終了に伴い、抽選テーブル変更手段62によって、変更する前の抽選テーブルに変更されるようになっている。即ち、元の抽選テーブルに戻るようになっている。
上述のように、抽選テーブル変更手段62を設け、ARTゲームにおける上乗せ特化ステージCにおいて、ステージCに滞在中の上乗せ結果確率が予め想定された想定値としての上乗せ決定確率に満たない場合に、抽選テーブル変更手段62が、上乗せ抽選テーブル72をテーブルHからテーブルIに変更するので、ステージCでのARTゲームの上乗せされる確率を高くすることが可能となり、ステージCにおいて上乗せ結果確率を予め想定された上乗せ決定確率に近づけるように補正することができる。これにより、ステージCの滞在中にゲーム数が上乗せされなったことによる遊技者のがっかり感を抑えることができると共に、遊技者の上乗せ特化ステージに対する上乗せの期待感を満足させることができる。この結果、遊技性の向上を図ることができると共に、スロットマシン1の稼働率の低下の防止を図ることもできる。
なお、本実施の形態では、上乗せされた確率が上乗せ決定確率である1/10を下回っているか否かで補正をするように構成したがこれに限らず、例えば、上乗せ決定確率から所定の確率だけ低く設定した確率(例えば1/20)を下回っている場合に、上乗せ決定確率に近づけるように補正をするようにしてもよい。
また、本実施の形態では、ステージCにおける上乗せされた確率が想定値でない場合に、抽選テーブル変更手段62で上乗せ抽選テーブル72を変更することで、ステージCでの上乗せ結果確率を想定値に近づけるように補正したがこれに限らず、想定値の程度にするようにしてもよい。例えば、ステージCにおける想定値としての上乗せ決定確率が1/10(10%)に想定されていた場合に抽選テーブルを変更することで、上乗せ結果確率を2/25(8%)〜3/25(12%)以内に近づくように補正する場合や、ステージCにおける想定値として上乗せ回数がステージCの所定ゲーム数あたり5回と想定されていた場合に、抽選テーブルを変更することで3回〜8回の上乗せ回数に近づくように補正するように構成してもよい。即ち、想定値に近づくようにすればよい。
また、本実施の形態では、上乗せされた確率が予め設定された想定値に満たない場合に、抽選テーブル変更手段62で上乗せ抽選テーブル72を変更することで、ステージCにおける上乗せ結果確率が想定値に近づくように、ステージCにおける上乗せされる確率を変更するように構成したがこれに限らず、例えば、想定値として設定された値の下限値未満と演出ステージ判定手段61に判定された場合にステージCの上乗せされる確率を高くするように上乗せ抽選テーブル72を変更するようにしてもよい。具体的には、ステージCにおける上乗せ決定確率が1/10(10%)程度、つまりは、2/25(8%)〜3/25(12%)と想定されており、その下限値が8%と設定されていた場合や、上乗せ回数がステージCでの所定ゲーム数あたり5回程度、つまりは、3回〜8回に想定されおり、その下限値が3回と設定されていた場合において、演出ステージ判定手段61によって下限値未満と判定された場合、即ち、ステージCにおける上乗せ結果確率が7%と判定された場合や、上乗せ回数が2回と判定された場合に上乗せ抽選テーブル72を変更することでステージCでの上乗せされる確率や上乗せされる回数を変更するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、ステージCの上乗せ結果確率が想定値よりも低い場合に、上乗せ抽選テーブル72を変更することで、ステージCにおける上乗せされる確率を高くし、ステージCにおける上乗せ結果確率が想定値に近づくように補正するように構成したがこれに限らない。例えば、ステージCの上乗せ決定確率が1/10(10%)に想定されていた場合において、上乗せ結果確率が1/5(20%)であった場合(想定値を上回っていた場合)に上乗せ結果確率が低い上乗せ抽選テーブル72に変更することによってステージCにおける上乗せ結果確率を想定値にするようにしてもよい。即ち、ステージCにおける上乗せされる確率を下げることによって予め想定された想定値に近づくように補正するように構成してもよい。これにより、ステージCにおいて上乗せされる確率を予め想定した想定値に近づくように補正することができ、出玉をコントロールすることが可能となる。また、この際、想定値に上限値を設け、演出ステージ判定手段61によってステージCにおける上乗せ結果確率が上限値を上回っていた場合に、ステージCにおける上乗せされる確率を下げるようにしてもよい。具体的には、ステージCにおける上乗せ決定確率が1/10(10%)程度、つまりは、想定値が2/25(8%)〜3/25(12%)と想定されており、上限値が3/25(12%)と設定されている場合に、ステージCにおける上乗せ結果確率が3/25(12%)以上の場合にステージCにおける上乗せされる確率を下げるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、上乗せ特化ステージであるステージCの実際の上乗せ結果確率が想定値に満たない場合に上乗せ抽選テーブル72を変更することで、ステージCでの上乗せ結果確率が想定値になるように構成したがこれに限らず、例えば、ステージA、若しくは、ステージBにおける上乗せ結果確率が予め想定された想定値に満たない場合に、ステージA、若しくは、ステージBで用いられる各抽選テーブルを変更することでステージA、若しくは、ステージBにおける上乗せ結果確率が想定値に近づくように補正をするようにしてもよい。
また、本実施の形態では、ATステージであるステージCの上乗せ結果確率について想定値にするように上乗せ抽選テーブル72を変更するように構成したがこれに限らず、例えば、通常ステージにおいて、ART(AT)ゲームに当選した確率が想定値に満たない場合に、AT抽選テーブルを変更することで、その通常ステージにおけるARTゲームの当選確率を想定値に近づくように補正をするようにしてもよい。
また、本実施の形態では、サブ状態がAT高確状態へ移行するか、否かをAT高確率抽選手段による抽選によって決定するように構成したが、サブ状態のAT高確率状態へ移行した確率が想定値に満たない場合に、AT高確率抽選手段によって用いられる抽選テーブルをサブ状態がAT高確率状態に移行する確率の高い抽選テーブルに変更することで、サブ状態のAT高確率状態に移行する確率が想定値に近づくように補正をするようにしてもよい。
さらには、上記通常ステージやATステージ以外にも、ART(AT)ゲーム当選確率(初当たりの確率)を高く設定した初当たり高確ステージを設け、初当たり高確ステージにおけるART(AT)ゲームの初当たりの確率が予め想定された想定値に満たない場合に、初当たり高確ステージ滞在中に用いられる抽選テーブルを変更することで、その初当たり高確ステージにおけるART(AT)ゲームの初当たりの確率が想定値に近づくように補正をするようにしてもよい。なお、ここで、ART(AT)ゲームの初当たりとは、ART(AT)ゲームの開始が抽選によって決定されることである。即ち、AT抽選でART(AT)ゲームが当選することである。
また、例えば、ビックボーナスや、レギュラーボーナスなどのボーナスゲームの当選した回数が予め想定された想定値に満たない場合に、ボーナス役の当選確率が高い役抽選テーブルを抽選テーブル変更手段62で変更することで、ボーナスゲームの当選確率が想定値に近づくように補正をしてもよい。即ち、抽選によって状態などの移行を決定する場合において、その移行確率などが予め想定された想定値の範囲内にない場合に、抽選テーブルなどを変更することによって、その移行確率を想定値に近づくように補正をする。
(変形例1)
次いで、本実施の形態の変形例である変形例1について説明する。上述の実施の形態にあっては、ステージCにおける上乗せ結果確率が予め設定された想定値に満たない場合に、テーブル変更処理制御においてステージCで用いる上乗せ抽選テーブル72を変更するように構成したが、ATステージ抽選テーブル69を変更するようにしてもよい。
具体的には、図16に示すように、テーブル変更処理制御の開始に伴い抽選テーブル変更手段62が、ステージAに滞在中に用いられるATステージ抽選テーブル69をテーブルAからテーブルDに、ステージBに滞在中に用いられるATステージ抽選テーブル69をテーブルBからテーブルEへと変更し(図16のS400)、テーブル変更制御処理が終了するようになっている。
上述のように、ARTゲームにおける上乗せ特化ステージCにおいて、ステージCに滞在中にゲーム数が上乗せされた確率が予め想定された確率に満たない場合に、抽選テーブル変更手段62によって、ATステージ抽選テーブル69をテーブルAからテーブルDに、及び、テーブルBからテーブルEに変更するので、ステージAからステージB移行する確率、及びステージBからステージCへ移行する確率が高くなる。これにより、ステージCに移行する確率が高くなるので、ステージCでのART(AT)ゲームの上乗せされる確率を高くすることができ、ステージCにおける上乗せ結果確率を予め想定された上乗せ決定確率に近づけるように補正することが可能となる。この結果、ステージCの滞在中にゲーム数が上乗せされなったことによる遊技者のがっかり感を抑えることができると共に、遊技者の上乗せ特化ステージに対する上乗せの期待感を満足させることができ、さらには、遊技性の向上を図ることができると共に、スロットマシン1の稼働率の低下の防止を図ることもできる。
なお、本変形例1では、ATステージ抽選テーブル69であるテーブルAをテーブルDに変更し、テーブルBをテーブルEに変更することでステージA及びステージBからステージCに移行する確率を高くすることで、ステージCにおける上乗せ結果確率を高くするように構成したがこれに限らず、ステージCにおいて用いられるテーブルCをステージCが継続される確率が高いATステージ抽選テーブル69に変更するように構成してもよい。即ち、ステージCからステージAに転落する確率が低いテーブルを用いることでステージCにおける上乗せ結果確率を高くするように構成してもよい。
(変形例2)
次いで、本実施の形態の変形例である変形例2について説明する。上述の実施の形態及び変形例においては、ステージCにおける上乗せ結果確率が予め設定された想定値に満たない場合に、テーブル変更処理制御において、上乗せ結果抽選テーブル72、若しくは、ATステージ抽選テーブル69を変更するように構成したが、上乗せ抽選テーブル72及びATステージ抽選テーブル69の両方を変更するようにしてもよい。
具体的には、図17に示すように、テーブル変更処理制御の開始に伴い抽選テーブル変更手段62が、ステージC滞在中に用いられる上乗せ抽選テーブル72をテーブルHからテーブルIに変更する(S300)。そして、上乗せ抽選テーブル72を変更したのに伴って、抽選テーブル変更手段62は、ステージAに滞在中に用いられるATステージ抽選テーブル69をテーブルAからテーブルDに、ステージBに滞在中に用いられるATステージ抽選テーブル69をテーブルBからテーブルEへと変更し(S400)、テーブル変更処理制御が終了するようになっている。
上述のように、ARTゲームにおける上乗せ特化ステージCにおいて、ステージCに滞在中にゲーム数が上乗せされた確率が予め想定された確率に満たない場合に、抽選テーブル変更手段62によって、上乗せ抽選テーブル72をテーブルHからテーブルIに変更すると共に、ATステージ抽選テーブル69をテーブルAからテーブルDに、及び、テーブルBからテーブルEに変更するので、ステージCでのARTゲームの上乗せされる確率を高くすることが可能となると共に、ステージCに移行する確率を高くすることが可能となる。これにより、例えば、上述のように、上乗せ抽選テーブル72のみ変更する場合や、ATステージ抽選テーブル69のみ変更する場合と比して、ステージCでのART(AT)ゲームの上乗せされる確率を高くすることができ、高い精度でステージCにおいての上乗せ結果確率を予め想定された上乗せ決定確率に近づけるように補正をすることが可能となる。この結果、ステージCの滞在中にゲーム数が上乗せされなったことによる遊技者のがっかり感を抑えることができると共に、遊技者の上乗せ特化ステージに対する上乗せの期待感を満足させることができ、さらには、遊技性の向上を図ることができると共に、スロットマシン1の稼働率の低下の防止を図ることもできる。
なお、本変形例2では、上乗せ抽選テーブル72を抽選テーブル変更手段62が変更した後に、ATステージ抽選テーブル69を抽選テーブル変更手段62が変更するように構成したがこれに限らない。例えば、抽選テーブル変更手段62がATステージ抽選テーブル69を変更した後に、抽選テーブル変更手段62が上乗せ抽選テーブル72を変更するようにしてもよく、また、抽選テーブル変更手段62が上乗せ抽選テーブル72及びATステージ抽選テーブル69を同時に変更するようにしてもよい。
また、本変形例2は、上乗せ抽選テーブル72を変更すると、ATステージ抽選テーブル69を変更するように構成したがこれに限らない。例えば、上乗せ抽選テーブル72を変更しても、実際のステージCにおいての上乗せ結果確率が想定値に近づかない場合に、抽選テーブル変更手段62によって、ATステージ抽選テーブル69を追加的に変更するようにしてもよく、また、ステージCにおいての上乗せ結果確率が著しく悪かった場合(例えば、1/10で上乗せ決定確率が設定されていた場合に、実際の上乗せ結果確率が1/50だった場合)に、上乗せ抽選テーブル72及びATステージ抽選テーブル69を変更するようにしてもよい。即ち、自由に設定することができる。
(変形例3)
次いで、本実施の形態の変形例である変形例3について説明する。上述の実施の形態及び変形例においては、ステージCにおける上乗せ結果確率が予め設定された想定値に満たない場合に、テーブル変更処理制御において、上乗せ抽選テーブル72、及び、ATステージ抽選テーブル69が変更されるように構成したが、上乗せゲーム数抽選テーブル73を変更するようにしてもよい。
具体的には、図18に示すように、テーブル変更処理制御の開始に伴い、抽選テーブル変更手段62が、ステージCに滞在中に用いられる上乗せゲーム数抽選テーブル73をテーブルJからテーブルKへと変更し(図18のS500)、テーブル変更制御処理が終了するようになっている。
上述のように、ARTゲームにおける上乗せ特化ステージCにおいて、ステージCに滞在中にゲーム数が上乗せされた確率が予め想定された確率に満たない場合に、抽選テーブル変更手段62によって、上乗せゲーム数抽選テーブル73をテーブルJからテーブルKに変更すると1回で上乗せされるゲーム数を多くすることが可能となるので、ステージCでの上乗せされるゲーム数を多くすることが可能となる。これにより、上乗せされた回数や上乗せされた確率が僅か(想定値以下)であったとしても、1回の上乗せで多くのゲーム数が上乗せされることがあるので、ステージCの滞在中にゲーム数が上乗せされなったことによるがっかり感を抑えることができると共に、遊技者の上乗せ特化ステージに対する上乗せの期待感を満足させることができる。この結果、遊技性の向上を図ることができと共に、スロットマシン1の稼働率の低下の防止を図ることもできる。
なお、本変形例3においては、テーブル変更処理制御の開始に伴って、抽選テーブル変更手段62が上乗せゲーム数抽選テーブル73を変更するように構成したがこれに限らない。例えば、上述の実施の形態や変形例のように、上乗せ抽選テーブル72、若しくは、ATステージ抽選テーブル69が抽選テーブル変更手段62によって変更されるのに伴って変更されるようにしてもよい。これにより、例えば、上乗せ抽選テーブルの変更に伴って、ステージCにおける上乗せされる確率が変更されても、実際に上乗せされた確率が想定値に近づかなかった場合、1回の上乗せで、上乗せされたゲーム数が多かった場合には、遊技者の上乗せ特化ステージにおけるがっかり感を抑えることができると共に、遊技者の上乗せへの期待感を満足させることができる。
(変形例4)
次いで、本実施の形態における変形例である変形例4について説明する。上述の実施の形態や変形例にあっては、ステージCにおいての上乗せ結果確率が、想定された上乗せ決定確率である想定値に満たない場合に上乗せ抽選テーブル72を変更することで、ステージCにおける上乗せ結果確率を想定値に近づけるように補正を行うように構成したがこれに限らず、特定の出玉率である、ステージCにおけるステージ遊技出玉率が予め想定された想定値(ステージ期待出玉率)に満たないと演出ステージ判定手段61に判定された場合に、上述のように、ATステージ抽選テーブル69、上乗せ抽選テーブル72、及び上乗せゲーム数抽選テーブル73を変更することで、ステージCにおけるステージ遊技出玉率が予め想定されたステージ期待出玉率に近づくように補正をするようにしてもよい。
これにより、ステージCでの実際ゲームに基づくステージ遊技出玉率が予め想定されたステージ期待出玉率に近づけるように補正をすることが可能になるので、遊技者は、ステージCにおいて予め想定されたステージ期待出玉率に対応するARTゲームの上乗せを受けることが可能となる。この結果、ステージCの滞在中にゲーム数が上乗せされなったことによるがっかり感を抑えることができると共に、遊技者の上乗せ特化ステージに対する上乗せの期待感を満足させることができ、遊技性の向上を図ることができと共に、スロットマシン1の稼働率の低下の防止を図ることもできる。
なお、上述のように、本実施の形態では、テーブル変更処理制御の開始に伴って、上乗せ抽選テーブル72を変更するようにし、変形例1では、ATステージ抽選テーブル69変更するようにし、変形例2では、上乗せ抽選テーブル72及びATステージ抽選テーブル69を変更するようにし、変形例3では、上乗せゲーム数抽選テーブル73を変更するようたがこれに限らず、ステージCにおいて実際に上乗せされた上乗せ結果確率や、ステージCにおいてのステージ遊技出玉率を想定値に近づけるように補正できるものであれば何れ抽選テーブルを変更するものであってもよい。即ち、ステージCの上乗せ状況に応じて各抽選テーブルを自由に変更するようにしてもよい。
<別の実施の形態>
次いで、上述の実施の形態とは異なる別の実施の形態について説明する。なお、以下、説明する別の実施の形態に係るスロットマシンA(図示せず)については、上述のスロットマシン1との相違点について説明すると共に、スロットマシン1と同一の構成からなる点については、同一の符号を付してその説明を省略するものとする。
スロットマシンAは、ステージCにおける上乗せ結果確率(またはステージ遊技出玉率)が予め想定した想定値にあるか否かについて演出ステージ判定手段61が判定する際、さらに演出ステージ判定手段61がスロットマシンA全体としての出玉率が上記の基準出玉率未満であるか否かを判定する点において上述のスロットマシン1と相違する。
ここで、スロットマシンA全体の出玉率とは、ステージCのみならず、ステージC以外の全てのステージ(ATステージや通常ステージなど全てのステージ)を含めた遊技全体としての出玉率である。即ち、スロットマシンAの電源投入後からの遊技の進行に伴って変化する上記遊技出玉率であって、演出ステージ判定手段61がスロットマシンAの遊技出玉率を判定する時点でのスロットマシンAに投入されたメダルの総枚数に対して、払い出されたメダルの総枚数の割合である(但し、演出ステージ判定手段61がスロットマシンA全体における出玉率を判定するゲームにおいて投入されたメダルの枚数、及び、払い出されたメダルの枚数は、出玉率を算出する際のメダルの総枚数に算入されない)。より具体的には、スロットマシンAの設定値が設定4(基準出玉率が104%)に設定されていた場合であって、演出ステージ判定手段61がステージCの上乗せ結果確率(またはステージ遊技出玉率)が想定値にあるか、否かを判断する時点において、スロットマシンAの遊技出玉率が104%、若しくは、104%程度(例えば101%〜107%)であるか、否かが判定される。そして、ステージCおける上乗せ結果確率が想定値を下回っており、かつ、スロットマシンAの遊技出玉率が基準出玉率である104%を下回っている、若しくは、下限値である101%を下回っていると演出ステージ判定手段61によって判定された場合に、ステージCの上乗せ結果確率(またはステージ遊技出玉率)を上げるように上乗せ抽選テーブル72などの各抽選テーブルを変更するようになっている。
次いで、上述のように構成されたスロットマシンAのサブ制御装置42によるステージCでの演出ステージ確率変更制御について図19を参照しつつ説明する。スロットマシン1と同様に、開始されるゲームがART状態であるか、否かが判断される(S200)。具体的には、サブ状態がART状態であるか、否かが判断され、サブ状態がART状態以外の状態の場合には演出ステージ確率変更制御が終了する(S200NO)。
そして、ARTゲームである場合には(S200のYES)、ステージCにおけるゲーム数が判断される。具体的には、演出情報記憶手段60によって記憶されている各ステージについてのステージ情報から、ステージCでのゲーム数が20ゲーム以上消化されたか、否かが判断され、ステージCで20ゲーム以上行われていた場合には(S201のYES)、ステージCにおいて、ARTゲームの上乗せ結果確率(若しくは、ステージCでのステージ遊技出玉率)が1/10未満か否かが判断される。一方で、ステージCでのゲーム数が20ゲーム未満の場合には(S201のNO)、ステージCにおける上乗せ結果確率の補正を行うことなく演出ステージ確率変更処理が終了するようになっている。
そして、演出ステージ判定手段61が、演出情報記憶手段60に記憶されたステージ情報に基づき、ステージCおける上乗せ結果確率が予め設定(想定)された所定値未満である場合と判定した場合には(S202のYES)、スロットマシンAの遊技出玉率が基準出玉率未満であるか否かが演出ステージ判定手段61によって判定される(図19のS700)。
そして、スロットマシンAの遊技出玉率が基準出玉率未満であると判定されると、即ち、104%未満(あるいは101%未満)であると判定されると、テーブル変更処理(S203)が行われるようになっている。一方で、演出ステージ判定手段61が、ステージCでの上乗せ結果確率が想定値以上であると判定した場合や、スロットマシンAの遊技出玉率が基準出玉率以上であると判定された場合には演出ステージ確率変更制御が終了するようになっている(S202のNO,S700のNO)。
上述のように、スロットマシンAの遊技出玉率が基準出玉率を下回っている場合において、ステージCでの上乗せ結果確率やステージ遊技出玉率が予め想定された上乗せ決定確率やステージ期待出玉率になるようにATステージ抽選テーブル69、上乗せ抽選テーブル72、及び上乗せゲーム数抽選テーブル73を変更するので、ステージCにおいて上乗せ結果確率などを予め想定された上乗せ決定確率などに近づけるように補正することができる。これにより、ステージCの滞在中にゲーム数が上乗せされなったことによる遊技者のがっかり感を抑えることができると共に、遊技者の上乗せ特化ステージに対する上乗せの期待感を満足させることができ、さらには、スロットマシンAの遊技出玉率を基準出玉率に近づくように補正することもできる。この結果、遊技性の向上を図ることができると共に、スロットマシン1の稼働率の低下防止を図ることもできる。
なお、スロットマシンAの遊技出玉率が基準出玉率以上である場合、出玉全体的には多くのメダルが遊技者に払い出されることから、ステージCでの上乗せ結果確率やステージ遊技出玉率が想定値に満たない場合であっても、遊技出玉率が基準出玉率を下回っている場合と比して、遊技者のがっかり感は小さいと考えられる。そのため、ステージCにおける上乗せ結果確率などが想定値に満たない場合であっても、上述のような想定値に近づけるような補正を行わなくてもよいが、遊技出玉率が基準出玉率を上回っている場合においてもステージCでの上乗せ結果確率やステージ遊技出玉率を想定値に近づける補正を行うようにしてもよい。
また、スロットマシンAの遊技出玉率が基準出玉率を下回っている場合に、各抽選テーブルを変更することで、ステージCにおける上乗せ結果確率などを想定値に近づけるように補正を行うように構成したがこれに限らない。例えば、スロットマシンが設定4に設定され、基準出玉率が104%に設定されていた際に、スロットマシンAの遊技出玉率が100%を下回っていた場合には、ステージCの上乗せ結果確率などを想定値に近づける補正を行う一方で、スロットマシンAの遊技出玉率が100%を上回っていた場合には、ステージCの上乗せ結果確率について想定値に近づけるような補正を行わないように構成してもよい。即ち、スロットマシンAの遊技出玉率と比較判断するための出玉率を、基準出玉率と異なる値に設定してもよい。
また、上述の実施の形態では、演出の状態が異なるように形成されたステージに本発明を適用して説明したがこれに限らない。例えば、演出画面上の背景や演出の状態などが変わることなくART(AT)の当選確率、上乗せ結果確率、及び上乗せ回数などが変化するようにしてもよく、例えば、演出などの状態の変化に伴うことなく、特定の区間において上乗せ結果確率や、上乗せ回数が変化するモードと称されるものにおいても本発明を適用することが可能であり、また、モードよりも短い区間において上乗せ結果確率や上乗せ回数が変化する特定に状態であるゾーンと称されるものにおいても本発明を適用することが可能である。
また、本発明についての実施の形態をスロットマシンで説明したが、本発明は、遊技機全般に適用することが可能であり、例えば、遊技機であるパチンコ機などにも適用することが可能である。
さらに、本発明の実施の形態を上述の各実施の形態で説明したが、これに限定されるものではなく、本発明の目的を達成し得る範囲内において、変形、変更、及び各構成要件の組み合わせの変更などを行なうことが可能である。