JP6371964B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
このようなAT中において、あらかじめ設定した演出の実行予定に沿って、複数ゲームにわたる連続演出を実行するものも知られている。連続演出としては、例えば、AT中に所定の契機役が当選した場合などにATのゲーム数を上乗せするか否か、あるいは何ゲーム上乗せするかの抽選を行うように形成されている場合に、ゲーム数が上乗せされる可能性を遊技者に示唆する演出などがある。また、このような連続演出として、演出の終了時にゲーム数の上乗せがされる演出と、ゲーム数の上乗せがされない演出とを設けることができる。ここで、ATの終了間際で連続演出が発生した場合において、連続演出中に、ATに設定されたゲーム数を消化してしまい、ATが終了してしまう場合がある。このような場合の対処方法として、連続演出を中断して、結果(上乗せの有無)のみ表示させることが考えられるが、遊技者に違和感を与えるものとなり好ましくない。一方、連続演出中は、ATのゲーム数のカウントを中断することも考えられる。
そこで、本発明は、設定されたゲーム数を消化することで終了するAT中に、設定されたゲーム数を加算することに関する複数ゲームにわたる演出が実行される場合において、極力ATのゲーム数をカウントしつつ、複数ゲームにわたる演出の実行中に、ATのゲーム数として設定されたゲーム数を消化してしまう状況が発生することを防止することができる遊技機を提供することを目的とする。
(請求項1)
請求項1記載の発明は、複数の図柄を表示した複数の回転リール(40)と、複数の回転リール(40)の回転を開始させるためのスタートスイッチ(30)と、回転中の回転リール(40)を個々に停止させるための複数のストップスイッチ(50)と、所定の図柄組合せが対応付けられた役について当選か否かの役抽選を行い、前記スタートスイッチ(30)、前記ストップスイッチ(50)の操作に基づいて前記回転リール(40)の回転及び停止を制御するとともに、所定の演出装置(液晶表示装置67、ランプ68、スピーカ69など)の作動を制御して遊技に関する演出を行わせることができる制御装置(20)と、を備え、遊技結果に基づいて、所定の利益を付与するように形成された遊技機に係る。
また、前記制御装置(20)は、前記補助演出状態のゲーム数として設定されたゲーム数を、所定値(設定値又は初期値)に近づけるようにゲームごとに更新(減算又は加算)してカウントするゲーム数カウンタ(ATカウンタ172)と、前記補助演出の実行及び補助演出状態の開始及び終了を制御する手段であって、前記ゲーム数カウンタ(172)のカウント値が前記所定値となった場合に前記補助演出状態を終了させる補助演出制御手段(AT制御手段170)と、前記補助演出状態中において所定条件に該当すること(例えば役抽選の結果、特定の役が当選すること)を契機に、前記特定演出の実行を(例えば特定演出実行抽選により)決定する特定演出実行決定手段(実行決定手段156)と、特定演出実行決定手段(156)の決定に基づいて、前記特定演出を実行させる演出実行制御手段(160)と、前記演出実行制御手段(160)が前記上乗せ確定演出を実行した場合には、前記補助演出状態のゲーム数として設定されているゲーム数に前記上乗せ確定演出に対応する上乗せゲーム数を加算するゲーム数加算手段(180)とを備えている。
更に、前記特定演出が実行される前記所定ゲーム数は、前記上乗せ確定演出の実行により加算される前記上乗せゲーム数の最低値を超えない数値に設定されている。
また、前記特定演出実行決定手段(156)は、前記補助演出状態中に前記所定条件に該当した場合において、前記ゲーム数カウンタ(172)のカウントに基づく前記補助演出状態が終了するまでの残りゲーム数が、あらかじめ定められた特定ゲーム数未満である場合には、前記特定演出設定手段(153)によりあらかじめ設定されている特定演出の内容が前記上乗せなし演出である場合に、前記特定演出の実行を決定しないようにし、前記特定演出設定手段(153)によりあらかじめ設定されている特定演出の内容が前記上乗せ確定演出である場合に、前記残りゲーム数が前記特定演出が行われる所定ゲーム数未満であっても、前記ゲーム数加算手段が前記残りゲーム数に前記上乗せゲーム数を加算することにより、前記特定演出の実行を決定可能としていることを特徴とする。
(作用・効果)
本発明においては、補助演出状態中において行われる特定演出の実行中も、ゲーム数カウンタ(172)がゲーム数のカウントを更新することとしたうえで、補助演出状態の残りゲーム数が特定ゲーム数未満となった場合には、上乗せなし演出を発生させないようにしたものである。特定演出実行決定手段(156)が上乗せなし演出を実行させる決定を行わない場合には、特定演出そのものが行われないようにすることができる。あるいは、上乗せなし演出は行われないが、例えば決定した演出内容を書き換えて、上乗せ確定演出が行われるようにすることもできる。
本発明によれば、補助演出状態の終了間際には、ゲーム数の上乗せが行われない上乗せなし演出は発生しないので、特定演出実行中にゲーム数のカウントを行うことができるとともに、特定演出の実行中にゲーム数カウンタ(172)のカウントが終了することにより補助演出状態が終了してしまうのを極力回避できる。
請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、前記補助演出状態として、前記補助演出状態のゲーム数が必ず加算される複数のゲームにわたる特別演出状態(特別ART状態)を備え、前記上乗せ確定演出には、演出が実行されると前記特別演出状態への移行が確定する特別演出状態移行確定演出(「特別ART移行確定」)が含まれ、前記特定演出実行決定手段(156)は、前記補助演出状態中において前記所定条件に該当した場合において、前記補助演出状態が終了するまでの残りゲーム数が、あらかじめ定められた特定ゲーム数未満である場合には、前記特定演出設定手段(153)によりあらかじめ設定されている特定演出の内容が前記特別演出状態移行確定演出である場合に、前記特定演出の実行を決定するように形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、補助演出状態が終了するまでの残りゲーム数が、あらかじめ定められた特定ゲーム数未満であっても、特定演出の実行開始によって特別演出状態への移行が確定し結果として上乗せが保証されるため、ゲーム数カウンタ(172)のカウントが終了しても補助演出状態を終了させないようにすることが可能となり、特定演出の実行中に補助演出状態が終了してしまうのを回避できる。
すなわち本発明によれば、報知遊技において、極力ゲーム数をカウントしつつ、特定演出中に設定されたゲーム数を消化してしまう状況が発生することを防止することができる遊技機を提供することができる。
(スロットマシン10)
図1に概略を示すように、遊技機としてのスロットマシン10は、正面側が開口する方形箱状の筐体11と、この筐体11の正面開口を開閉自在に設けられた前扉3を有している。前記筐体11の内部において、開口上部には、3個の回転リール40を有するリールユニット60が設置され、開口下部には、ホッパーユニット65と、電源ユニット5が設けられている。また、前記リールユニット60の上方には、スロットマシン10の全体の動作を制御するための制御装置20が配置されている。
各回転リール40は、合成樹脂からなる回転ドラムと、この回転ドラムの周囲に貼付されるテープ状のリールテープとを備えている。このリールテープの表面には、図3に示すように、「赤7」、「青7」、「リプレイ」、「スイカ」、「ベルa」、「ベルb」、「ベルc」、「BAR」、「チェリー」、「ダミー」などの図柄が、1つの回転リール40につき21個ずつ、表示されている。なお、「ダミー」は、役に対応付けられた図柄組合せを構成する図柄に含まれない図柄である。また、図3において左端の数字は、各図柄を特定するための図柄番号を示している。
また、特に図示しないが、各回転リール40には、リールユニット60に設けられたインデックスセンサ60A(図2参照)に検知される検知部としてのスタートインデックスが設けられている。スタートインデックスは、例えば回転ドラムの内側や回転ドラムとステッピングモータをつなぐスポークに設けられた突片とすることができる。
前記ホッパーユニット65は、図1に示すように、筐体11の内部に設けられた払い出し装置であって、遊技の結果に基づいて、遊技者にメダルを払い出すためのものである。前記電源ユニット5は、スロットマシン10の主電源のON/OFFを行うためのものである。
上記制御装置20は、図示しないが、CPUを中心に構成され、ROM、RAM、I/O等を備えている。ここでCPUは、1個に限定されず、二個以上のCPUで制御するようにしてもよい。また、CPU、ROM、RAM及びI/O等は一体化されてワンチップを構成してもよい。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、図2に示すように、メイン制御装置21及びサブ制御装置22を構成する。
ここで、メイン制御装置21の制御に基づくスロットマシン1の作動状態を遊技状態といい、サブ制御装置22の制御に基づくスロットマシン1の作動状態をサブ状態という。
前記メダルセンサ15は、図1に示すように、メダルセレクター4に内蔵された検知センサであって、投入された遊技メダルの通過を検知するものである。
前記ベットスイッチ16は、カウンター状の操作部3Aの上面左側に設けられたボタンスイッチであって、クレジットをメダル投入に代えるためのものである。ここで、クレジットとは、次ゲーム以降に使用するためのメダルをあらかじめ遊技機内部に貯留しておくことであり、スロットマシン10は、メダル投入口14から投入されたメダル、又は入賞により払い出されるメダルを、最大50枚まで、遊技機内部に貯留する扱いができるように形成されている。
前記スタートスイッチ30は、操作部3Aの正面左側に設けられたレバー状のスイッチであって、回転リール40を回転開始させるためのものである。スタートスイッチ30の筐体内部側には、特に図示しないが、レバーの位置移動を検出する接触センサあるいは遮光センサが設けられており、センサの検出信号がスタートスイッチ30の操作信号として扱われるようになっている。
ストップスイッチ50は、操作部3Aの正面中央部に設けられた3個のボタンスイッチであって、回転中の回転リール40を停止させるためのものである。ここで、3個のストップスイッチ50について、個々のストップスイッチ50を特定して説明する場合には、正面視したときに左側に位置するストップスイッチ50を左停止スイッチ51と称し、中央に位置するストップスイッチ50を中停止スイッチ52と称し、右側に位置するストップスイッチ50を右停止スイッチ53と称するものとし、個々のストップスイッチ50を特定しない場合には、単にストップスイッチ50というものとする。3個のストップスイッチ50は、それぞれ、3個の回転リール40に対応して設けられている。具体的には、左リール41には左停止スイッチ51が対応し、中リール42には中停止スイッチ52が対応し、右リール43には右停止スイッチ53が対応している。各ストップスイッチ50の筐体内部側には、特に図示しないが、ボタンの位置移動を検出する接触センサあるいは遮光センサがそれぞれ設けられており、センサの検出信号が各ストップスイッチ50の操作信号として扱われるようになっている。そして、左停止スイッチ51の操作により左リール41を停止させることができ、中停止スイッチ52の操作により中リール42を停止させることができ、右停止スイッチ53の操作により右リール43を停止させることができる。
一方、制御装置20の出力側には、図2に示すように、リールユニット60、ホッパーユニット65、液晶表示装置67、ランプ68、スピーカ69の各パーツが接続されている。液晶表示装置67は、図1に示すように、図柄表示窓13の上側に設けられており、入賞の報知その他の演出画像を表示するためのものである。ランプ68は正面パネル12の周囲に設けられており、発光体の点灯又は点滅により入賞等を報知するためのものである。スピーカ69は、下皿3Bの奥壁に設けられており、BGMや操作音等、所定の音声を出力するためのものである。
メイン制御装置21は、スタートスイッチ30及びストップスイッチ50の操作により、回転リール40の回転及び停止を制御するためのものである。そして、メイン制御装置21は、図2に示すように、役抽選手段70、遊技状態移行制御手段80、リール制御手段90、遊技結果判定手段100、払出制御手段110、信号出力手段120などの各手段として機能する。
(役抽選手段70)
役抽選手段70は、所定の図柄組合せが対応付けられた役について当選か否かの役抽選を行うものであり、図2に示すように、役抽選テーブル71と、判定手段72とを備えている。そして、スタートスイッチ30の操作信号受信のタイミングで、図示しないカウント抽出手段が、図示しないループカウンタの数値を読み取り、判定手段72がこの数値と役抽選テーブル71とを比較して、当選の有無を判定するものである。
ここで、スロットマシン10は、ストップスイッチ50の操作によって所定の当選した役に対応する図柄組合せが有効ライン上に揃って表示される(以下、このことを入賞という)と、役に応じた利益が付与されるようになっている。前記役としては、図4に示すように、入賞により所定枚数のメダルが払い出される小役と、入賞により次ゲームにおいて遊技メダルを新たに投入することなく再度の遊技を行える再遊技役と、入賞により次ゲームからボーナスゲームが開始されるボーナス役とを備えている。ボーナス役が入賞すると、次ゲームからボーナスゲームが開始される。再遊技役が入賞すると、再遊技が作動し、次ゲームにおいて、ベットすることなくスタートスイッチ30が操作可能となる。小役が入賞すると、所定枚数のメダルが払い出される。
前記ボーナス役が入賞すると、次ゲームからボーナスゲームが開始される。すなわち、BBが入賞した場合にはビッグボーナスゲーム(BBゲーム)が開始され、RBが入賞した場合にはレギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)が開始される。BBゲームは、RBゲームが連続して行われる遊技期間である。RBゲームは、他の遊技期間に比べて小役の当選確率が高く設定された遊技期間であり、所定回数の入賞又は所定回数のゲーム消化により終了する。そして、BBゲームに移行すると、RBゲームが無条件で、すなわちRBゲームに移行させるための図柄(RB図柄)を揃えることなく開始され、1回のRBゲームが終了すると、再び無条件で次のRBゲームが開始される。BBゲームは、払い出しメダルの総数があらかじめ定められた一定枚数を超えた場合に終了する。
ここで、役抽選の結果、いずれかの役が当選すると、当選した役に対応する当選フラグが成立する。当選した役がボーナス役の場合にはボーナスフラグ(BBフラグ、RBフラグ)が、当選した役が小役の場合には小役フラグ(ベル1フラグ〜ベル28フラグ、スイカフラグ、チェリーフラグ)が、当選した役が再遊技役の場合にはリプレイフラグ(リプレイ1フラグ、リプレイ2フラグ、リプレイ3フラグ)がそれぞれ成立する。小役フラグ及びリプレイフラグは当該遊技限りでリセットされるが、ボーナスフラグは、当該ボーナス役が入賞するまでリセットされない。すなわち、ボーナス役に当選した場合には、当選の権利が次ゲーム以降に持ち越されるようになっている。また、ボーナスフラグが持ち越されている間(ボーナス内部中)は、ボーナス役の当選判定は行われない。また、本実施の形態では、以下に述べるように、役抽選テーブル71には、複数の役が同時に当選となる重複当選領域が設けられており、カウント抽出手段が抽出したループカウンタのカウントデータが前記した重複当選領域に属する場合には、当該領域に含まれる役の全てについて、それぞれに対応する当選フラグを成立させることになる。
本実施の形態における役抽選テーブル71の概念図を図5に示す。ここで、図5は、複数の役抽選テーブル71に設定されている当選領域の有無を示したものであり、役抽選テーブル71に左欄に示した当選領域が含まれている場合を丸印で表し、その当選領域が含まれていない場合には無印で表している。
役抽選テーブル71としては、図5に示すように、通常状態において用いられる通常テーブルと、RT状態において用いられるRTテーブルと、ボーナス内部中状態において用いられる内部中テーブルと、ボーナス作動中状態において用いられるボーナス中テーブルとが設けられている。
各役抽選テーブル71には、当選の領域と、ハズレの領域とが設定されている。当選の領域としては、一の役に対応付けられた当選領域である単独当選領域の他に、複数種類の役に対応付けられた重複当選領域が設定されている。図5において、「リプレイA」「スイカ」「チェリー」「BB」「RB」の当選領域は、それぞれ、リプレイ1役、スイカ役、チェリー役、BB役、RB役の単独当選領域である。一方、「左ベル1」から「右ベル3」までの9個の当選領域は、それぞれ、複数のベル役の重複当選領域となっている。具体的には、図4に示すベル1役〜ベル27役のうちのいずれかのベル役と、ベル28役が同時に当選する当選領域である。また、「リプレイB」の当選領域は、リプレイ1役、リプレイ2役及びリプレイ3役の重複当選領域であり、「ベル」の当選領域は、ベル役全ての重複当選領域となっている。
さらに、「リプレイB」の当選時には、ストップスイッチ50の押し順により、入賞する再遊技役が変化するようになっているが、この詳細については後述する。
さて、図5では明記していないが、各役抽選テーブル71における小役の、当選領域の全領域に対する割合(以下当選確率という)は、通常テーブル、RTテーブル及び内部中テーブルにおいては、同等に設定されている。ボーナス中テーブルでは、全ての小役の当選確率の合計が他のテーブルに比べて非常に高く、例えば約1/1.1に設定されている。また、「リプレイB」の当選領域は通常テーブルにのみ設けられており、ボーナス中テーブルには再遊技役の当選領域は設けられていない。各役抽選テーブル71における再遊技役の当選確率は、RTテーブルが最も高く、通常テーブル及び内部中テーブルはそれよりも低くなるように設定されている。例えば、RTテーブルでは、再遊技役の当選確率が約1/1.5に設定されており、通常テーブル及び内部中テーブルでは、再遊技役の当選確率が約1/7.3に設定されている。これにより、遊技状態がRT状態である遊技は、新たにメダルを投入することなく遊技を行える再遊技の回数が増えるとともに、小役の当選確率は変化しないので、手持ちのメダルの目減りが少なくなる。
(遊技状態移行制御手段80)
遊技状態移行制御手段80は、複数の遊技状態の間で遊技状態を移行させる制御を行うものであり、図示しないが、移行条件判定手段と、状態記憶手段と、遊技カウンタとを備えている。
移行条件判定手段は、役抽選の結果、後述する遊技結果判定手段100の判定結果、及び以下に述べる遊技カウンタの計測値に基づいて、遊技の状況が、遊技状態を移行させるための所定条件に該当するか否かを判定するためのものである。また、状態記憶手段は、前記移行条件判定手段の判定結果及び役抽選手段70の抽選結果に基づいて、現在の遊技状態を記憶するためのものである。遊技カウンタは、遊技に関する数値を計測するものである。具体的には、ボーナスゲーム中のゲーム回数、入賞回数、払出枚数などのカウントなどを行うものである。
リール制御手段90は、回転リール40の回転及び停止を制御するためのものであり、特に図示しないが、回転制御手段と、停止制御手段とを備えている。
(回転制御手段)
回転制御手段は、スタートスイッチ30の有効な操作信号を受信した場合に、リールユニット60のステッピングモータを駆動させて回転リール40の回転を開始させるものである。具体的には、遊技状態ごとにあらかじめ定められた規定数のメダルがベットされている状態でスタートスイッチ30の操作信号を入力した場合に、所定のウエイト時間(前ゲームのスタートスイッチ30の操作から4.1秒)が経過していることを条件として、各ステッピングモータに駆動信号を出力することにより、全ての回転リール40の回転を一斉に、あるいは所定の順番で開始させる。そして、全ての回転リール40の回転速度が所定の定常回転速度(例えば80rpm)に達すると、この定常回転速度で定速回転を行わせるものとなっている。
停止制御手段は、少なくとも役抽選の結果及びストップスイッチ50が操作された時点における対応する回転リール40の回転位置に基づいて、回転リール40の回転を適位置で停止させるものである。
停止制御手段は、リールユニット60に設けられた回転リール40の回転を検知するためのインデックスセンサ60A(図2参照)の検知信号に基づき、現時点における回転リール40の回転角度を把握し、ストップスイッチ50が操作された時点での回転リール40の回転角度から、所定の有効ライン上に位置している図柄を特定することができるようになっている。そして、特定された図柄を基準として、この基準図柄から回転方向にあらかじめ定められた個数(最大スベリコマ数、本実施の形態では4コマ)移動したときの図柄までの範囲(具体的にはストップスイッチ50が操作されてから190msec以内)で、対応する回転リール40を停止させるように形成されている。換言すれば、停止制御手段は、ストップスイッチ50が操作された時点から対応する回転リール40が停止するまでに、この回転リール40が回転する回転量があらかじめ定められたコマ数の範囲内となるように、ステッピングモータの駆動停止を制御するものである。ここで、「コマ」とは、回転リール40の周囲に付された図柄1個分に相当する範囲を意味するものであり、回転リール40のコマ数は21コマである。
また、停止図柄の情報は所定の記憶部に記憶される。
ここで、「押し順ベル」当選時の停止制御について説明する。
具体的には、当選した「押し順ベル」に対して割り当てられている正解の押し順でストップスイッチ50が操作されると、ストップスイッチ50の操作のタイミングに関わらず、中リール42及び右リール43において、ベル1〜27役に対応する図柄(ベルa図柄、ベルb図柄、ベルc図柄)に優先して、ベル28役に対応するいずれかの図柄(赤7図柄、青7図柄又はチェリー図柄)を有効ライン上に引き込んで、ベル28役を入賞させる。前記したように、この場合には、ベル28役が必ず入賞する。一方、その正解の押し順以外の押し順(不正解の押し順)でストップスイッチ50が操作された場合には、中リール42及び右リール43において、ストップスイッチ50の操作のタイミングが、ベル1〜27役のうちのいずれかのベル役に対応する図柄を有効ライン上に引き込み可能な場合には、当該図柄を有効ライン上に引き込んで、ベル役を入賞させることができる。しかし、ベル1〜27役のうちのベル役に対応する図柄のうちのいずれも有効ライン上に引き込むことができない場合には、ベルブランクを有効ライン上に停止表示させ、この場合には入賞はしない。
さらに、停止制御手段は、「リプレイB」が当選した場合には、ストップスイッチ50の押し順によって、入賞する再遊技役が変化するように停止制御を行う。具体的には、「リプレイB」の当選時において、左第一停止又は中第一停止でストップスイッチ50が操作された場合には、中リール42又は右リール43において、ベル図柄に優先して、リプレイ図柄を有効ライン上に引き込んで、リプレイ1役を入賞させる。また、「リプレイB」の当選時において、右第一停止でストップスイッチ50が操作された場合には、右リール43において、リプレイ図柄に優先して、ベル図柄を有効ライン上に引き込んで、リプレイ2役を入賞させる。後述するが、通常状態中にリプレイ2役が入賞すると、遊技状態がRT状態に移行するようになっている。
遊技結果判定手段100は、ストップスイッチ50の操作によって回転リール40が全て停止したときに、当該遊技の結果を判定するためのものである。
具体的には、停止制御手段の記憶している停止図柄の情報に基づき、有効ライン上に揃った図柄組合せが、所定の役に対応するものか否かを判断し、所定の役に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示されたと判断した場合には、その判定結果情報を、払出制御手段110及び遊技状態移行制御手段80に送信する。また、役に対応する図柄組合せではないが、遊技状態の移行契機となっている図柄組合せが表示されたと判断した場合には、その判定結果情報を、遊技状態移行制御手段80に送信する。判定結果情報を受信した遊技状態移行制御手段80は、ボーナス作動中状態やRT状態への移行処理、あるいは再遊技作動処理を行う。再遊技が作動すると、次ゲーム開始前に、自動的に規定数のメダルが投入された扱い(自動ベット)とされる。具体的には、ベットスイッチ16の操作又はメダル投入によらず、図示しない所定のベット表示部にベット表示(掛け枚数の表示)がされて、その後のスタートスイッチ30の操作が可能となる。さらに、サブ制御装置22に所定の信号出力を行うことにより、液晶表示装置67やランプ68やスピーカ69により、入賞やボーナスゲームの開始に際して所定の演出が行われる。
払出制御手段110は、ホッパーユニット65によるメダルの払い出しを制御するものである。具体的には、遊技結果判定手段100の判定結果及び精算スイッチ17の操作に基づいて、ホッパーユニット65を作動させメダルを払い出させる。すなわち、遊技結果判定手段100が小役の入賞を判定した場合には、当該小役の入賞に応じたメダルを払い出し、クレジットが1以上ある場合に精算スイッチ17が操作されたときには、クレジットとして貯留されているメダルを払い出すようになっている。
(遊技状態の移行)
ここで、上記した遊技状態移行制御手段80の制御に基づく遊技状態の移行について、図6を参照しつつ説明する。本実施の形態では、上述したように、遊技状態として、通常状態、ボーナス内部中状態、ボーナス作動中状態及びRT状態を有している。また、ボーナス作動中状態として、BB状態及びRB状態を有している。
(サブ制御装置22)
サブ制御装置22は、メイン制御装置21からの出力信号に基づいて、液晶表示装置67やランプ68やスピーカ69等の演出装置に演出を実行させるものである。サブ制御装置22は、図2に示すように、サブ状態移行制御手段140、特定演出制御手段150、演出実行制御手段160、AT制御手段170、ATゲーム数加算手段180の各手段として機能する。
(サブ状態移行制御手段140)
サブ状態移行制御手段140は、サブ状態を決定し、複数のサブ状態の間でサブ状態を移行させる制御を行うものであり、特に図示しないが、移行条件判定手段と、サブ状態記憶手段とを備えている。
また、サブ状態記憶手段は、前記移行条件判定手段の判定結果に基づいて、現在のサブ状態を記憶する所定のサブ状態フラグを成立させるためのものである。ここで、サブ状態には、AT(アシストタイム)が実行される状態であるAT状態と、それ以外のサブ状態である非AT状態がある。ATとは、当選した役に関する情報(本実施の形態では押し順)を遊技者に報知する補助演出としての所定のナビが行われる複数ゲームにわたる補助演出状態である。AT状態には、図7に示すように、ART準備状態と、ART状態が設けられている。非AT状態には、サブ通常状態及びボーナス中状態が設けられている。ART状態とは、メイン状態がRT状態中にATが行われる遊技期間(アシストリプレイタイム)である。ボーナス中状態は、メイン状態がボーナス作動中状態である場合のサブ状態である。サブ通常状態は、AT状態にもボーナス中状態も該当しない通常のサブ状態である。
メイン状態がRT状態に移行すると、AT状態はART状態となる。また、ART状態には、通常ART状態と、特別ART状態が設けられている。通常ART状態は、「押し順ベル」の当選時に上述したベルナビが行われる補助演出状態であり、特別ART状態は、ATのゲーム数を高確率で上乗せし得る特別演出状態である。
(サブ状態の移行)
上記構成を有するサブ状態移行制御手段140の制御に基づくサブ状態の移行の具体例を、図7に基づき説明する。
前述したように、スロットマシン10は、初期状態(工場出荷時等)においては、遊技状態は通常状態であり、サブ状態もサブ通常状態となっている。そして、サブ通常状態中に、後述するAT抽選に当選すると、ART準備状態に移行する。すなわち、移行条件判定手段がART準備状態への移行を決定し、サブ状態記憶手段がART準備状態中フラグをセットする(サブ状態移行時において以下同様)。ART準備状態中においては、上述したベルナビ及び移行ナビが行われるようになっている。
メイン状態がRT状態に移行すると、サブ状態は、通常ART状態に移行する。通常ART状態は、1セット40ゲームを基本としてゲーム数が上乗せされた場合には上乗せゲーム数を加えたゲーム数により管理されるものとなっている。そして、通常ART状態においては、原則として、ATのゲーム数のカウント(本実施の形態では減算)が行われ、設定されたゲーム数(40ゲーム+上乗せゲーム数)を消化したときに、サブ状態は、サブ通常状態に移行する。なお、例外として、ATのゲーム数のカウントが行われない場合と、設定されたゲーム数を消化してもAT状態が終了しない場合があるが、これについては後述する。
(特定演出制御手段150)
特定演出制御手段150は、通常ART中において実行される演出である特定演出の実行を制御するものであり、図2に示すように、実行抽選手段151、ストックカウンタ152、演出内容設定手段153、演出内容書換手段154、実行記憶手段155、及び実行決定手段156を備えている。なお、特定演出とは、通常ART中において複数ゲームにわたって行われる演出であって、ARTのゲーム数として設定されるゲーム数の増大の可能性、具体的には、ATのゲーム数の上乗せ、又は上乗せ特化区間である特別ART状態への移行を遊技者に示唆する演出のことであるが、この詳細については後述する。
実行抽選手段151は、前記特定演出を実行するか否かの特定演出実行抽選を行うものである。具体的には、実行抽選手段151は、通常ART中において、スイカ役又はチェリー役などの特定役の当選時に、特定演出を実行するか否かの特定演出実行抽選を行う。特定演出実行抽選で当選すると、後述する実行決定手段155によって、特定演出の実行が決定される。本実施の形態では、特定演出の実行が決定されると、原則として所定の前兆演出を経て特定演出が行われるものとなっている。
(ストックカウンタ152)
ストックカウンタ152は、前記特定演出の実行が決定された回数のうち、実行されていない未実行回数を記憶する特定演出ストック手段である。
演出内容設定手段153は、特定演出で遊技者に報知する報知内容をあらかじめ決定するものである。すなわち、演出内容設定手段153は、ATのゲーム数を上乗せするか否か又は特別ART状態に移行するか否かをあらかじめ決定するものである。特定演出の報知内容、言い換えれば特定演出の結果としては、ATのゲーム数を上乗せする「上乗せ確定」、特別ART状態に移行する「特別ART移行確定」、及びATのゲーム数を上乗せしないとともに特別ART状態に移行しない「ハズレ」、の3つがある。
演出内容設定手段153は、ATの開始時(ART準備状態への移行時、あるいはART状態への移行時)に、所定回数分(本実施の形態では6回分)の特定演出の報知内容を所定の記憶部にセット(上書き又はリセット後にセット)する。具体的には、図8(A)に示すように、所定の記憶部として、6個の記憶領域を有する設定用記憶部が設けられている。設定用記憶部の6個の各記憶領域は、1回目から6回目までの所定ゲーム数にわたる特定演出に対応するものとなっている。そして、演出内容設定手段153は、「上乗せ確定」、「特別ART移行確定」、「ハズレ」、のいずれかを示す情報を、所定の割合(例えば「上乗せ確定」2:「特別ART移行確定」1:「ハズレ」3)で、前記各記憶領域にランダムにセットする。なお、図8(A)では、「上乗せ確定」に対応する情報を「上乗」、「特別ART移行確定」に対応する情報を「移行」、「ハズレ」に対応する情報を「ハズレ」と表している。そして、6回分の特定演出の報知内容をセットしてから、1回目の記憶領域を参照して、当該記憶領域に記憶されている特定演出の報知内容を示す情報を、前記設定用記憶部とは別に設けられた参照用記憶部(図8(A)参照)にセットする。この参照用記憶部にセットされた特定演出の報知内容が、これから実行する特定演出の報知内容を表すものとなり、この情報に基づいて、特定演出が実行される。
演出内容書換手段154は、前記演出内容設定手段153があらかじめ設定した特定演出の報知内容を、所定条件の下で書き換える処理を行うものである。具体的には、演出内容書換手段154は、特定演出実行抽選の当選時に、演出内容設定手段153が前記参照用記憶部にセットした特定演出の報知内容を示す情報を参照し、当該情報が「ハズレ」に係るものである場合が所定回数(例えば4回)連続することになるときには、参照用記憶部にセットされている「ハズレ」の報知内容を書き換え可能に形成されている。すなわち、演出内容設定手段153は、図示しないハズレ回数カウンタを備えており、ハズレ回数カウンタは、参照した(実行した)特定演出の報知内容が「ハズレ」である場合にカウンタを更新(カウンタの初期値が0の場合には加算、初期値が所定値の場合には減算)し、「ハズレ」でない場合にはカウンタをリセット(初期化)することにより、特定演出の報知内容が連続して「ハズレ」となった回数をカウントする。そして、演出内容書換手段154は、ハズレ回数カウンタのカウント値が初期値(0、又は所定値の4)となった場合には、参照用記憶部にセットされている特定演出の報知内容を、「上乗せ確定」に書き換えるようなっている。このようにすることで、「ハズレ」に係る特定演出が、4回以上は連続して発生しないこととなる。これは、特定演出の報知内容を設定する際の抽選結果の偏りによって、ATゲーム数の減算が行われる1回目の特定演出(前回の特定演出に連続して実行されるものではない特定演出)において、ATゲーム数の上乗せの利益が付与されない「ハズレ」が連続して発生し、通常AT中にゲーム数上乗せによる利益を受けられなくなる、又はその利益が少なくなることを防止するためである。なお、特定演出の終了後に連続して実行される特定演出では、ATゲーム数が減算されないことに鑑み、「ハズレ」が連続して発生することを許容している。
なお、「上乗せ確定」への書き換えは、「ハズレ」の累積発生回数に基づいて行うようにしてもよい。また、「ハズレ」の報知内容は、「上乗せ確定」に書き換えるだけでなく、「特別ART移行確定」に書き換える場合もあるように形成してもよい。例えば、書き換えを行う際に、いずれに書き換えるかを抽選により決定するようにしてもよい。また、ATゲーム数が減算されないこととなっている、特定演出(初当たり)の終了後に連続して実行される特定演出、あるいは、連続して実行された特定演出の後に実行が決定されたATゲーム数が減算される特定演出(再度の初当たり)についても、上記した手法を用いて「ハズレ」が連続して発生しないようにしてもよい。
実行記憶手段155は、複数ゲームにわたる特定演出の終了後に、連続して複数ゲームにわたる特定演出が実行されていることを記憶するものである。具体的には、実行記憶手段154は、特定演出の最終回に該当するゲームでストックカウンタ152の記憶値が1以上である場合において、実行決定手段156によって特定演出の実行が決定された場合には、特定演出実行フラグをセット(ON)する。セットされた特定演出実行フラグは、特定演出の終了時にストックカウンタ152の記憶値が1以上でない場合(つまり0の場合)にリセット(OFF)される。そして、特定演出実行フラグがONとなっている間は、ATゲーム数のカウント(ゲーム数減算)が行われないようになっている。
(実行決定手段156)
実行決定手段156は、前記実行抽選手段151の抽選の結果、ストックカウンタ152の記憶値、参照用記憶部にセットされている情報及びATの残りゲーム数に基づいて、特定演出の実行の有無を決定するものである。具体的には、実行決定手段156は、上述した特定演出実行抽選で当選した場合、又はゲーム開始時にストックカウンタが「1」以上である場合おいて、前兆演出又は特定演出の実行中でない場合には、ATの残りゲーム数が10ゲーム以上、具体的には後述するATカウンタ172のカウント値が10以上であることを条件に、次ゲームから実行する演出として、所定の前兆演出及び特定演出の実行を決定する。一方、ATの残りゲーム数が10ゲーム未満、具体的にはATカウンタ172のカウント値が10未満であるときには、参照用記憶部にセットされている、演出内容設定手段153によりあらかじめ決定された、あるいは演出内容書換手段145によって書き換えられた特定演出の報知内容が「ハズレ」でないことを条件に、次ゲームから実行する演出として、前記特定演出のみの実行を決定する。言い換えれば、ATの残りゲーム数が10ゲーム未満である場合において、あらかじめ決定されている特定演出の報知内容が「上乗せ確定」又は「特別ART移行確定」であるときには、前兆演出なしで特定演出が行われ、あらかじめ決定されている特定演出の報知内容が「ハズレ」であるときには、前兆演出も特定演出も実行されない。
演出実行制御手段160は、液晶表示装置67やランプ68やスピーカ69等の演出装置の作動を制御するものである。具体的には、特定演出制御手段150や、図示しない演出決定手段の決定に基づき、ROMに記憶されている演出データをもとに、各演出装置に演出データやコマンドを出力して、演出を実行させる。
前記演出データとしては、液晶表示装置67に所定の動画や静止画を表示させるための画像データ、ランプ68を所定の態様で点灯点滅させるための発光パターンデータ、スピーカ69から所定の音声を出力させるための音声データなどが設けられている。また、これらのデータに基づき実行される演出パターンのデータとして、少なくとも、ベルナビ及び移行ナビを行わせる場合に用いられるナビ演出データと、ナビ演出を行わない場合に用いられる通常演出データと、上述した特定演出の演出データである特定演出データと、上述した所定の前兆演出の演出データである前兆演出データとが設けられている。通常演出データには、例えば所定の役が当選した場合に用いられる演出データや、複数回のゲームにわたり連続して実行される連続演出に係る演出データが含まれる。連続演出は、例えば、所定の役が当選した場合やスタートスイッチ30の操作を契機に行われる演出実行抽選で当選した場合に実行が決定され、抽選により決定された、あるいはあらかじめ定められた所定のゲーム数にわたって、所定の筋書きに沿った連続演出が行われるようになっている。連続演出としては、例えばボーナス役やATの当選ついての期待度が異なる複数のパターンを設け、ボーナス役やATの当選の期待度を示唆するものとすることができる。
前兆演出データは、最大5ゲームにわたり、特定演出の開始を示唆する演出を行わせるための演出データである。本実施の形態では、最大4ゲームにわたって特定演出の開始を遊技者に期待させる内容の演出が行われ、5ゲーム目に特定演出への発展を報知する内容の本前兆データ(図8(B)参照)と、最大4ゲームにわたって特定演出の開始を遊技者に期待させる内容の演出が行われるものの、特定演出に発展せずそのまま終了する内容のフェイク前兆データが設けられている。前兆演出は、前記特定演出制御手段150の実行決定手段155によって特定演出の実行が決定されている場合に実行され得るものであるが、実行決定手段155によって特定演出の実行が決定されていない場合であっても、スタートスイッチ30の操作を契機に行われる演出実行抽選で当選した場合には実行される。特定演出の実行が決定されている場合には、本前兆データ基づく前兆演出が実行され、特定演出の実行が決定されていない場合には、フェイク前兆データ基づく前兆演出が実行される。
ここで、演出実行制御手段160は、1回の前兆演出及び特定演出を実行する際に用いる複数の記憶部を備えている。具体的には、図8(B)に示すように、前兆演出用の記憶部と、特定演出用の記憶部を有しており、各記憶部は、それぞれ5個の記憶領域に分割されている。各記憶領域は、1ゲーム目から5ゲーム目に対応するものとなっている。そして、実行決定手段156が前兆演出及び特定演出の実行を決定した場合には、参照用記憶部に記憶されている特定演出の報知内容を示す情報に基づき、所定の前兆演出データを特定するための情報や、所定の特定演出データを特定するための情報を、対応する記憶部の各記憶領域にセットする。例えば、参照用記憶部に記憶されている情報が、「上乗せ確定」に係るものである場合には、「上乗せ確定」を報知する際に用いられる前兆演出データや特定演出データに関する情報をセットする。そして、前兆演出や特定演出を実行する際には、各記憶領域にセットされた情報を参照しつつ、ゲームごとに、実行させるべき演出を決定するようになっている。各記憶部の記憶領域にセットされた情報は、前兆演出や特定演出の実行終了時、又は次の前兆演出や特定演出の実行が決定されたときにリセットされる。そして、演出実行制御手段160は、上記したようにセットされた前兆演出データを特定するための情報を参照して、特定した前兆演出データに基づき各演出装置を作動させて前兆演出を実行させ、前兆演出の終了後(全ての前兆演出データの実行後)には、引き続き、上記したようにセットされた特定演出データを特定するための情報を参照して、特定した特定演出データに基づき各演出装置を作動させて特定演出を実行させる。
ベルナビは、「押し順ベル」が当選した場合に正解の押し順を報知するものである。前述したように、正解の押し順で停止操作された場合には、ベル役が必ず入賞し、不正解の押し順で停止操作された場合には、ベル役が入賞するか、ベルブランクが表示される。
移行ナビは、「リプレイB」が当選した場合に、リプレイ2役を入賞させるための押し順(右第一停止)を報知するものである。当該ナビに従って停止操作された場合には、リプレイ2役が必ず入賞し、当該ナビに従わなかった場合には、リプレイ2役は入賞せず、リプレイ1役が必ず入賞する。
(AT制御手段170)
AT制御手段170は、ATの開始及び終了を制御するものであり、図2に示すように、AT抽選手段171と、ATカウンタ172とを備えている。
(AT抽選手段171)
AT抽選手段171は、ATの開始及び終了を抽選により決定するものである。本実施の形態では、AT抽選手段は、サブ通常状態中において、ボーナス役、スイカ役又はチェリー役などの特定役の当選時などに、ATを実行するか否かのAT実行抽選を行う。AT実行抽選で当選した場合にはAT実行フラグをセットして抽選結果を記憶し、ATが実行された場合にはAT実行フラグをリセットする。AT実行フラグを有している間は、ATの実行が決定されている状態となる。
さらに、AT抽選手段171は、演出内容設定手段153によりあらかじめ決定されている特定演出の報知内容が「上乗せ確定」である場合に、当該特定演出の最終回(結果表示)が実行される前までに、上乗せするATのゲーム数を決定する上乗せ抽選を行う。この上乗せ抽選では、上乗せするATのゲーム数(上乗せゲーム数)を、例えば10〜300のゲーム数の範囲で決定する。また、特別ART中においては、毎ゲーム、例えばスタートスイッチ30の操作を契機に上乗せ抽選を行う。この上乗せ抽選では、上乗せゲーム数を、5〜20のゲーム数の範囲で決定する。
(ATカウンタ172)
ATカウンタ172は、ATのゲーム数をカウントするゲーム数カウンタである。具体的には、ATカウンタ172は、前記したAT抽選で当選すると、ATの1セットに係るゲーム数(40)を記憶し、メイン状態がRT状態へ移行してサブ状態がART状態(通常ART状態)に移行したことを契機に、ゲーム数のカウント(カウント値の減算)を開始する。具体的には、通常ART中は、原則として、1ゲームが行われるごとに、スタートスイッチ30の操作を契機として、カウント値を1だけ減算する。
(ATゲーム数加算手段180)
ATゲーム数加算手段180は、AT抽選手段171の抽選結果に基づいて、ATカウンタ172のカウント値に所定の数値を加算する処理を行うことにより、ATゲーム数を加算させるものである。具体的には、上乗せ抽選の結果に基づいて、抽選より決定されたゲーム数に係る数値をATカウンタ172のカウント値に加算し、AT実行抽選又は継続抽選の結果当選した場合は、1セット40ゲーム分に係る数値をATカウンタ172のカウント値に加算する。
次に、上記構成を有するスロットマシン10の、メイン制御装置21の制御に基づく遊技作動の概略を、図9のフローに基づき説明する。図9は、1回のゲームの流れを示す。
ステップ100において、規定数のメダルがベットされたか否かが判断される。ベットには、メダルの投入、ベットスイッチ16の操作の他、再遊技作動による自動ベットも含まれる。規定数のメダルがベットされない場合にはステップ100に戻り、規定数のメダルが投入された場合には、次のステップ101に進む。
ステップ101において、スタートスイッチ30が操作されたか否かが判断される。スタートスイッチ30が操作されていない場合には、ステップ101に戻り、スタートスイッチ30が操作された場合には、次のステップ102に進む。
ステップ103において、回転制御手段により回転リール40の回転開始処理が行われる。具体的には、所定のウエイト時間が経過していることを条件に、全ての回転リール40の回転を一斉に、あるいは所定の順番で開始させる。そして、全ての回転リール40の回転速度が所定の定常回転速度に達すると、この定常回転速度で定速回転を行わせる。そして、次のステップ104に進む。
ステップ105において、停止制御手段により、操作されたストップスイッチ50に対応する回転リール40の回転停止処理が行われる。そして、次のステップ106に進む。
ステップ106において、全ての回転リール40が停止したか、すなわち3個の回転リール40に対応するストップスイッチ50の操作が行われたか否かが判定される。全ての回転リール40が停止していない場合にはステップ104に戻り、全ての回転リール40が停止した場合には、次のステップ107に進む。
次に、サブ制御装置22の制御に基づくサブ制御処理のうちの、通常ART中の処理について、図10のフローに基づき説明する。図10は、通常ART状態における1回のゲームにおける処理を示すものである。また、役抽選の結果は、メイン制御装置21から遊技の進行に応じて出力される情報信号の入力に基づき判断される。
ステップ202において、特定演出実行抽選に当選したか否かが判断される。特定演出実行抽選に当選した場合には、次のステップ203において、ストックカウンタ152の記憶値が1加算される。そして、次のステップ204に進む。
前記ステップ200において、特定役が当選していない場合には、ステップ201〜203を飛び越してステップ204に進む。また、前記ステップ202において、特定演出実行抽選に当選しなかった場合は、ステップ203を飛び越してステップ204に進む。
ステップ206において、特定演出実行決定中であるか否かが判断される。ここで、特定演出実行決定中とは、特定演出が実行されている場合、及び特定演出の実行中ではないが特定演出の実行が確定している場合のことである。特定演出の実行が確定している場合とは、特定演出実行前の前兆演出が行われている場合である。特定演出実行中であるか否かは、特定演出を実行する際に参照する記憶部に、所定の特定演出データ(図8(B)の負けバトル又は勝ちバトル)を特定するための情報がすでにセットされていることに基づき判断することができる。同様に、前兆演出実行中であるか否かは、前兆演出を実行する際に参照する記憶部に、所定の前兆演出データを特定するためのデータがすでにセットされていることに基づき判断することができる。なお、特定演出や前兆演出を特定するためのデータは、特定演出や前兆演出の実行の決定時にセットされるものとなっている(図11参照)。特定演出実行決定中でない場合は、ステップ207において、演出決定実行処理が行われ、特定演出実行決定中である場合は、ステップ208において、特定演出決定中の処理が行われる。そして、通常ART中の処理を終了する。
図11のステップ300において、ストックカウンタ152の記憶値が1以上であるか否かが判断される。このステップでストックカウンタ152の記憶値が1以上である場合とは、当該ゲームにおいて特定演出実行抽選で当選した場合(図10のステップ201〜203)と、ATの残りゲーム数が10ゲーム未満で勝ちバトルの実行が決定された場合である。ストックカウンタ152の記憶値が1以上である場合には、次のステップ301に進み、演出内容書換手段154による書き換え判定処理が行われる。書き換え判定処理については後述する。そして、次のステップ302に進む。
ステップ303において、参照した特定演出の報知内容は「ハズレ」であるか否かが判断される。すなわち、図8(A)に示す参照用記憶部を参照して、参照用記憶部にセットされている情報(あらかじめ設定されている特定演出の報知内容)が、「ハズレ」に係るものか否かが判断される。参照した特定演出の報知内容が「ハズレ」でない場合、すなわち、「上乗せ確定」又は「特別ART移行確定」に係るものである場合には、ステップ304に進み、特定演出(勝ちバトル)の実行が決定される。具体的には、最大5ゲームにわたる特定演出の実行予定が設定される(図8(B)参照)。そして、ステップ306に進む。
ステップ306において、ストックカウンタ152の記憶値が1減算される。そして、ステップ308に進む。
なお、上記したフローでは、特定演出実行抽選(図10のステップ201)に当選した当該ゲームで、特定演出又は前兆演出が開始されるようになっているが、特定演出実行抽選に当選した次ゲームから特定演出又は前兆演出が開始されるように形成してもよい。
ここで、上記したステップ303における書き換え判定処理について、図12のフローに基づき説明する。
ステップ402において、ハズレ回数が所定値に達したか否か、すなわちハズレ回数カウンタのカウント値が所定値に達したか否かが判断される。ハズレ回数が所定値に達していない場合には、そのまま書き換え判定処理を終了する。なお、この場合には、図11のステップ303がYesとなり、特定演出が行われないこととなる。一方、ハズレ回数が所定値に達している場合には、ステップ403に進む。
次に、図10のステップ208における特定演出決定中の処理について、図13のフローに基づき説明する。
まず、図13のステップ500において、前兆演出中か否かが判断される。前兆演出中である場合には、次のステップ501において、前兆演出中の処理が行われる。具体的には、前兆演出データに基づき2〜5ゲーム(1ゲーム目は前ゲームで実行済みである)の前兆演出のうちの所定ゲーム目の演出を実行させる処理が行われる。前兆演出中の処理の終了により、特定演出決定中の処理を終了する。一方、前兆演出の実行中でない場合には、ステップ502に進む。
続いて、ステップ502の特定演出中の処理について、図14のフローに基づき説明する。
図14のステップ600において、上乗せ確定演出の実行が決定されているか否かが判断される。すなわち、今回ゲームで上乗せ確定の結果表示(図8(B)勝ちバトルの最終回参照)が行われるか否かが判断される。上乗せ確定演出の実行が決定されていない場合には、次のステップ601に進む。
ステップ602において、所定ゲーム目の特定演出が実行される。具体的には、前兆演出の終了後に行われる特定演出の場合及び特定演出の終了後に連続して行われる特定演出の場合には特定演出の1ゲーム目以降、前兆なしで開始された特定演出の場合には特定演出の2ゲーム目以降のいずれかが実行される。そして、次のステップ603に進む。
前記ステップ601において、特別ART移行確定演出の実行が決定されていると判断された場合には、ステップ607に進み、特別ART移行確定演出が実行される。これにより、特別ART状態への移行が告知される。そして、次のステップ608において、特別ART状態の設定が行われる。特別ART状態の設定とは、特別ART状態のゲーム数を設定し、サブ状態が特別ART状態であることを記憶する処理である。この処理は、特別ART移行確定演出が実行されたゲームの終了後に行われる。そして特定演出実行中の処理を終了する。なお、このゲームの次ゲームから、特別ARTが開始される。
ステップ613において、ストックカウンタ152の記憶値が1以上か否かが判断される。ストックカウンタ152の記憶値が1以上でない場合には、ステップ617に進み、特定演出実行フラグがOFFとされる。なお、すでに特定演出実行フラグがOFFである場合にはOFF状態が維持される。そして、特定演出中の処理を終了する。一方、ストックカウンタ152の記憶値が1以上である場合には、次のステップ614に進む。
次のステップ615において、特定演出実行フラグがONとされる。ここで、すでに特定演出実行フラグがONである場合(特定演出が2回以上連続している場合)には、ON状態が維持される。そして、特定演出中の処理を終了する。
次に、サブ制御装置22の制御に基づくサブ制御処理のうちの、特別ART中の処理について、図15のフローに基づき説明する。図15は、特別ART状態における1回のゲームにおける処理を示すものである。
まず、図15のステップ700において、特定演出実行判定処理が行われる。ここで、特定演出実行判定処理とは、図10のステップ200から203までに行われる処理(図10の※参照)であり、特定役に当選した場合に特定演出実行抽選を行い、当選した場合にはストックカウンタ152の記憶値を加算するものである。すなわち、特別ART中に特定演出実行抽選に当選した場合にも、当該当選がストックされるようになっている。そして、次のステップ701において、上乗せ抽選処理が行われ、抽選結果に基づいて、次のステップ702においてATカウンタ172の加算処理が行われるとともに、次のステップ703において、上乗せゲーム数の報知が行われる。そして、次のステップ704に進む。
ステップ706において、ストックカウンタ152の記憶値が1以上か否かが判断される。ここでストックカウンタ152の記憶値が1以上である場合とは、特別ART中に特定演出実行抽選に当選した場合と、ストックカウンタ152の記憶値が1以上であるときに特定ART状態に移行した場合が該当する。ストックカウンタ152の記憶値が1以上である場合には、次のステップ707において、次回特定演出の設定が行われる。ここで、次回特定演出の設定とは、次回の特定演出の終了までの演出予定を設定することであり、演出内容設定手段153があらかじめ設定した前兆演出及び特定演出の報知内容を参照して、前兆演出のゲーム数や、次回特定演出のゲーム数や報知内容(「ハズレ」か「上乗せ確定」か「特別ART移行確定」か)を決定する。そして、次のステップ708に進む。
ステップ708において、特定演出実行フラグをOFFにする。こうして、特別ART状態の終了後に実行される特定演出中には、ATゲーム数の減算が行われるものとなる。そして特別ART中の処理を終了する。
なお、既述したように、特別ART状態の終了後から、前兆演出を経て特定演出が終了するまでのゲーム数は、特別ART中に上乗せされ得る総ゲーム数の最小値と同等以下に設定するように形成されているので、上乗せゲーム数を獲得できない「ハズレ」に係る特定演出(負けバトル)が実行された場合であっても、特定演出の終了後に、ATカウンタ172が0になっていることはない。
以上説明したように、本実施の形態では、ATの残りゲーム数が10ゲーム未満であった場合には、あらかじめ決定されている特定演出の報知内容がATのゲーム数を上乗せする、及び特別ART状態に移行する、のいずれかであるときのみ、特定演出を実行するようにしている。また、所定ゲームにわたる特定演出の終了後に連続して行われる所定ゲームにわたる特定演出の実行中は、ATのゲーム数の減算を行わないようにしている。これにより、極力ATのゲーム数の減算を行いつつ、特定演出中にAT状態が終了してしまうのを防止することができる。また、ATの終了間際に特定演出実行抽選の契機となる特定役が当選した場合であって、当該当選に基づく特定演出(ただし勝ちバトル)の実行中に、ATカウンタ172のカウント値が0となった場合でも、上乗せを前倒しして特定演出を終了させることなく、特定演出を最後まで実行させる。これにより、遊技者に違和感を与えることなく、特定演出の実行を遂行できる。
また、本実施の形態では、特定演出の終了によりサブ状態が特別ART状態に移行した場合には、ストックカウンタ152の記憶値が1以上であっても特定演出実行フラグをいったんOFFにしているので、サブ状態が特別ART状態から通常ART状態に移行した後(この場合には、ATゲーム数が必ず上乗せされている)に実行される特定演出中においても、ATのゲーム数を減算することができ、ATのゲーム数の減算を極力行うことができる。
また、上記した実施の形態では、所定回数分の特定演出の報知内容をあらかじめ設定しておくように形成されていたが、特定演出の報知内容を、特定演出実行抽選に当選する度に、抽選により決定するようにしてもよい。
上記した実施の形態では、あらかじめ決定されている特定演出の報知内容がATのゲーム数を上乗せするものである場合、特定演出の最終回までの間に、上乗せゲーム数を決定しかつATカウンタ172のカウント値を加算(更新)するように形成されていたが、特定演出が「上乗せ確定」である場合は、特定演出の実行開始時に、上乗せゲーム数を決定しかつATカウンタ172のカウント値を更新するようにしてもよい。具体的には、図14におけるステップ609とステップ610の処理を、図11のステップ304、305の後に行うようしてもよい。このよう形成した場合は、勝ちバトルが開始されるときにATゲーム数の上乗せがされるので(ただし、結果表示は特定演出の最終回)、例えばATの残りゲーム数が10ゲーム以下となったときに特定演出の実行契機となる特定役が当選した場合でも、当該当選を契機とした特定演出(前兆演出を含む)の実行中、ATゲーム数が0となってしまうことがない。
さらに、上記した実施の形態では、連戦バトルは前兆演出なしで行われるようにしてあったが、連戦バトルを行う場合にも、前兆演出を伴うように形成してもよい。すなわち、図14のステップ614で、前兆演出と特定演出の実行を決定するようにしてもよい。
上記した実施の形態及び変形例1では、連戦バトルの実行中は、原則として、ATゲーム数を更新(減算)しないように形成されていたが、原則として、連戦バトルも含む特定演出の実行中はATゲーム数を更新することとし、これに基づく不都合が生じないように種々の対応策を設けるようにしてもよい。この場合の対応策を、以下に説明する。
(1)ATの残りゲーム数が所定ゲーム数以上(例えば11ゲーム以上)ある状態で連戦バトルが開始された場合には、当該特定演出の実行中はATゲーム数を更新し、ATの残りゲーム数が所定ゲーム数以下(例えば10ゲーム以下)である状態で連戦バトルが開始された場合には、当該特定演出の実行中はATゲーム数を更新しない。
(3)ATの残りゲーム数が所定ゲーム数以下である場合に開始される連戦バトルは、勝ちバトルのみ発生可能とする。例えば、所定の特定演出が終了したときの残りゲーム数が所定ゲーム数以下である場合において、ストックカウンタ152の記憶値が1以上ある場合には、連戦バトルが勝ちバトルの場合にはそのまま実行し、負けバトルの場合には勝ちバトルに書き換えて実行する。あるいは、負けバトルを消滅させる処理のみ行うようにしてもよい。
以上、(1)〜(4)のように形成した場合には、より効果的に、特定演出の実行中にAT状態を終了させることなく、極力ATゲーム数を更新することができる。
上記した実施の形態及び変形例1及び2では、特定演出がストックされる仕様となっていたが、かかるストック機能を設けない場合、すなわち特定演出の実行中には、契機役が当選しても特定演出実行抽選を行わないように形成してある場合でも、特定演出の実行中にATカウンタ172がカウントを終了してしまう場合が想定できる。このような場合には、ATの残りゲーム数が所定ゲーム数以下である場合には、負けバトルを発生させないようにすることや、ATの残りゲーム数が所定ゲーム数以下である場合には、負けバトルを勝ちバトルに書き換えることで、特定演出実行中のゲーム数カウントを行いつつ、特定演出の実行中にATが終了してしまうのを防ぐことができる。
また、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形及び改良なども含むものである。また、本発明は、矛盾が生じない範囲で、上述した実施の形態及び変形例を適宜組み合わせる、又は組み替えることもできる。
30 スタートスイッチ 40 回転リール
50 ストップスイッチ 70 役抽選手段
150 特定演出制御手段 151 特定演出抽選手段
152 ストックカウンタ
153 演出内容設定手段 155 実行決定手段(特定演出実行決定手段)
160 演出実行制御手段 170 AT制御手段(補助演出制御手段)
172 ATカウンタ(ゲーム数カウンタ)
180 ATゲーム数加算手段(ゲーム数加算手段)
Claims (2)
- 複数の図柄を表示した複数の回転リールと、
複数の回転リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、
回転中の回転リールを個々に停止させるための複数のストップスイッチと、
所定の図柄組合せが対応付けられた役について当選か否かの役抽選を行い、前記スタートスイッチ、前記ストップスイッチの操作に基づいて前記回転リールの回転及び停止を制御するとともに、所定の演出装置の作動を制御して遊技に関する演出を行わせることができる制御装置と、を備え、
遊技結果に基づいて、所定の利益を付与するように形成された遊技機において、
前記演出として、
複数ゲームにわたる補助演出状態において行われる演出であって、前記役抽選の結果に関する情報を遊技者に報知する補助演出と、
前記補助演出状態中において所定ゲーム数にわたって行われる演出であって、補助演出状態のゲーム数として設定されるゲーム数の増大の可能性を遊技者に示唆する特定演出とを備え、
前記特定演出には、演出が実行されると補助演出状態のゲーム数が加算される上乗せ確定演出と、演出が実行されても補助演出状態のゲーム数が加算されない上乗せなし演出とが含まれ、
前記制御装置は、
前記補助演出状態のゲーム数として設定されたゲーム数を、所定値に近づけるようにゲームごとに更新してカウントするゲーム数カウンタと、
前記補助演出の実行及び補助演出状態の開始及び終了を制御する手段であって、前記ゲーム数カウンタのカウント値が前記所定値となった場合に前記補助演出状態を終了させる補助演出制御手段と、
前記補助演出状態中において所定条件に該当することを契機に、前記特定演出の実行を決定する特定演出実行決定手段と、
特定演出実行決定手段の決定に基づいて、前記特定演出を実行させる演出実行制御手段と、
前記演出実行制御手段が前記上乗せ確定演出を実行した場合には、前記補助演出状態のゲーム数として設定されているゲーム数に前記上乗せ確定演出に対応する上乗せゲーム数を加算するゲーム数加算手段と、
前記特定演出実行決定手段が特定演出の実行を決定した場合に前記演出実行制御手段に実行させる特定演出の内容について、前記上乗せ確定演出とするか、前記上乗せなし演出とするかを、あらかじめ設定可能な特定演出設定手段とを備え、
前記特定演出が実行される前記所定ゲーム数は、前記上乗せ確定演出の実行により加算される前記上乗せゲーム数の最低値を超えない数値に設定され、
特定演出実行決定手段は、前記補助演出状態中に前記所定条件に該当した場合において、前記ゲーム数カウンタのカウントに基づく前記補助演出状態が終了するまでの残りゲーム数が、あらかじめ定められた特定ゲーム数未満である場合には、
前記特定演出設定手段によりあらかじめ設定されている特定演出の内容が前記上乗せなし演出である場合に、前記特定演出の実行を決定しないようにし、
前記特定演出設定手段によりあらかじめ設定されている特定演出の内容が前記上乗せ確定演出である場合に、前記残りゲーム数が前記特定演出が行われる所定ゲーム数未満であっても、前記ゲーム数加算手段が前記残りゲーム数に前記上乗せゲーム数を加算することにより、前記特定演出の実行を決定可能としていることを特徴とする遊技機。 - 前記補助演出状態として、前記補助演出状態のゲーム数が必ず加算される複数のゲームにわたる特別演出状態を備え、
前記上乗せ確定演出には、演出が実行されると前記特別演出状態への移行が確定する特別演出状態移行確定演出が含まれ、
前記特定演出実行決定手段は、前記補助演出状態中において前記所定条件に該当した場合において、前記補助演出状態が終了するまでの残りゲーム数が、あらかじめ定められた特定ゲーム数未満である場合には、前記特定演出設定手段によりあらかじめ設定されている特定演出の内容が前記特別演出状態移行確定演出である場合に、前記特定演出の実行を決定するように形成されていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
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