JP2014231182A - 転写層の転写方法およびその転写方法で転写層が転写された管状体 - Google Patents

転写層の転写方法およびその転写方法で転写層が転写された管状体 Download PDF

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Abstract

【課題】 蒸着金属層を有する転写層を転写した転写対象物とオーバーコート層の剥離の問題を解決する方法が求められていた。【解決手段】 基材シートの一方の面上に、少なくとも<1>離型層、<2>保護層および金属薄膜層を含有するアンカー層、ならびに<3>接着層を有する転写箔を用い、対象物に<2>保護層および金属薄膜層を有するアンカー層および<3>接着層からなる転写層を対象物に転写する方法であって、離型層と保護層は隣接して積層されていて、更に保護層と金属薄膜層が隣接して積層されており、接着層が転写箔の一方の最外面に位置し、[1]対象物に転写箔の接着層を接面させて接着し、[2]基材シートを除去し、[3]基材シートを除去した転写層上に残る離型層部分を除去する操作を行い、[4]次いでオーバーコート層を積層することを特徴する転写箔の転写方法。【選択図】 図1

Description

本発明は、転写箔を用いた転写層の転写方法およびその転写方法で転写層が転写された管状体に関するものである。具体的には、ゴルフシャフト(ゴルフクラブシャフト)、釣竿、スキーストック等のスポーツ用品が挙げられ、特にゴルフシャフト(ゴルフクラブシャフト)が好ましい。
従来、高機能を有する物品に装飾を施すことが行われているが、それによって物品自体の性能を低下させることがあった。例えば、釣竿、ゴルフシャフト、マウンテンバイクのフレーム、スキーのストック等のスポーツ用品では、軽量で且つ高機能性を有することが要求されているが、商品としての装飾は欠かすことができない。従来、これらの物品には、模様やブランド名などの装飾が施された後、その表面を透明又は半透明の塗料を塗布することによってオーバーコート層を形成している。
ところで、装飾を施す方法としては、塗装や印刷によって絵柄などを部品本体上に直接又は金属層を介して設ける方法(特許文献1、2)や、裏面に粘着剤層を設けた基材シート上にスクリーン印刷などによって装飾が施されたタイプの粘着シートを、部品本体に貼着する方法(特許文献3)が採用されている。特に装飾用の粘着シートは、その取り扱いが簡便なため、広く使用されるようになっている。
粘着シートによる装飾において、基材シート上に少なくとも接着剤層、装飾層、およびそれら接着剤層と装飾層を覆う形状のアプリケーション層を設けた転写マークシートを用いて、部材本体上に装飾を施すものであって、転写マークシートの基材シートを剥離して、上記接着剤層を介して装飾層を部材本体に貼着し、次いでアプリケーション層を除去して部材本体上に転写マークを形成する方法が採用されている。
粘着シートへ金属薄膜層を用いる場合、対象物へ粘着シートを転写したしたものは対象物と金属薄膜層の密着性が低いという問題があった。
特開平11−98938号公報 特許第3410311号公報 特開2008−23944
本発明は上記のような問題点、即ち金属薄膜層を有する転写層を転写した転写対象物とオーバーコート層の剥離の問題を解決する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、金属薄膜層を有する転写層を転写した転写対象物とオーバーコート層の剥離は、転写層とオーバーコート層の間でおきていることを見出し、また更に金属層を転写して基材シートを除去した後の対象物面上に残った離型層に着目し、当該離型層を除去することにより課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち本発明の要旨は、下記(1)〜(6)に存する。
(1) 基材シートの一方の面上に、少なくとも<1>離型層、<2>保護層および金属薄膜層を含有するアンカー層、ならびに<3>接着層を有する転写箔を用い、対象物に
<2>保護層および金属薄膜層を有するアンカー層および<3>接着層からなる転写層を転写する方法であって、離型層と保護層は隣接して積層されていて、更に保護層と金属薄膜層が隣接して積層されており、接着層が転写箔の基材シートと反対側の最外面に位置し、
[1]対象物に転写箔の接着層を接面させて接着し、
[2]基材シートを除去し、
[3]基材シートを除去した転写層上に残る離型層部分を除去する操作を行い、
[4]次いでオーバーコート層を積層する
ことを特徴する転写箔の転写方法。
(2) 転写層上に残る離型層部分を除去する操作が、JIS R6010のP1200〜P3000である研磨剤で転写層上を拭く操作である上記(1)に記載の転写方法。
(3) 接着層の中および/または表面に、インク層を有していることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の転写方法。
(4) 接着層の表面に存在するインク層が、アンカー層と接していることを特徴とする上記(3)記載の転写方法。
(5) 接着層がインク層を含んでいることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の転写方法。
(6) 上記(1)〜(5)のいずれかの転写方法によって転写箔が転写された管状体。
本発明の転写層の転写方法により、蒸着金属層を有する転写層を転写した転写対象物とオーバーコート層の剥離を抑制することができる。
対象物に転写箔の接着層を接面させて接着することを示す図である。 基材シートを除去することを示す図である。 基材シートを除去した転写層上に残る離型層部分を除去する操作を示す図である。 オーバーコート層を積層することを示す図である。 転写箔の構成を示す図である。 転写箔から基材シートを除去した転写層の構成を示す図である。 対象物に転写箔の接着層を接面させて接着し、基材シートを除去することを示す図である。 転写箔の写真である。 対象物へ転写箔を転写した後、基材シートを除去した際に、転写層表面上に離型層の一部が残っている状態の写真である。 転写層上に残る離型層部分を除去する操作を行った後の転写層表面(対象物表面)の写真である。
本発明の転写層の転写方法は、『「基材シート1」の一方の面上に、少なくとも<1>「離型層2」、<2>保護層3および金属薄膜層4を含有する「アンカー層5」、<3>インク層6を含有する「接着層7」を有する転写箔15』を用い、「対象物13」に『<2>保護層3および金属薄膜層4を含有する「アンカー層5」、<3>インク層6を含有する「接着層7」からなる転写層10』を転写する方法であって、離型層2と保護層3は隣接して積層されていて、保護層3と金属薄膜層4が隣接して積層されており、更にアンカー層5とインク層6が隣接して積層されており、接着層7が転写箔15の基材シート1と反対側の最外面に位置し、
[1]対象物13に転写箔15の接着層7を接面させて接着し、
[2]基材シート1を除去し、
[3]基材シート1を除去した転写層10上に残る離型層部分2’を除去する操作を行い、
[4]次いでオーバーコート層9を積層する
ことを特徴する。
対象物に転写箔を接着した後、基材シートを除去した際には、剥離層の大部分は基材シートとともに除去されるが、離型層部分の一部が転写層上に残ってしまう。本発明では、残っている離型層部分を上記[3]にて除去している。
<基材シート>
基材シートは、接着剤層と剥離可能な公知のシート状物であれば如何なるものでも使用できる。具体的には、市販されている紙、布、箔などの各種の台紙、ポリエチレン、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂などのプラスチックシート、又はそれらの表面をシリコーン樹脂等で離型処理したものなどが挙げられる。中でもポリエステル樹脂製が特に好ましい。
<離型層>
本発明の離型層は、基材シートと保護層およびアンカー層を分離するための層である。シリコーン系、フッ素系、ワックス系、ポリビニルアルコール系、ガラス系、および水系を用いることができる。離型性が優れ、薄膜を形成し易い等の理由でシリコーン系が好ましい。
<保護層>
透明、半透明、又は着色された樹脂保護層を設けてもよい。樹脂保護層は、蒸着金属層と後に形成されるオーバーコート層との密着性を向上させ、あるいは、着色インク層上に金属薄膜層、ホログラム箔層等が形成される場合には、それらを保護する目的で設けられる。
保護層としては、ウレタン系、アクリルウレタン系、アクリル系、およびメラミン系等の樹脂を使用することができる。オーバーコートとの密着性の観点からウレタン系樹脂が好ましい。
<金属薄膜層>
本発明の金属薄膜層は、アルミニウム、クロム、スズ等を用いることができる。中でも鏡面調の高輝度で見栄えが良いという理由でアルミニウムを使うことが好ましい。金属薄膜層は、基材シート上に保護層を形成し、保護層上に金属薄膜層を蒸着し、必要部分をマスク印刷した後に不要部分をアルカリ洗浄することで形成する。
<アンカー層>
アンカー層としてアクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができる。
中でも金属蒸着層や接着層との密着性の良いアクリル層が好ましい。
本発明のアンカー層は、図5に示すように、上記の保護層および金属蒸着層を方面上の一部または全部に有する。
<接着層>
接着剤層としては、熱硬化型接着剤、感圧接着剤、感熱接着剤などが使用できるが、装飾層のバインダーと同種のもの、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂などの熱硬化型樹脂よりなる接着剤が好ましく使用できる。
なお、接着層の中および/または表面に、インク層を有していることを特徴とする。本発明において接着層の中にインク層を有しているとは、例えば図1のインク層6、接着層7のように、インク層6が接着層7に含有されている状態を指す。また、接着層の表面にインク層を有しているとは、例えば図1のインク層6にように、接着層5との界面にインク層6が存在する状態を指す。通常、転写箔を製造する際には、アンカー層5にインク層6をのせて、その上からインク層6を包み込むように接着層7を作成するのが効率的であるため、このような構成になりうる。従って、本発明においては、接着層7の表面に存在するインク層6が、アンカー層5と接していることがより好ましい。
また意匠性の観点から、接着層7は着色料を含んでいることが好ましい。用いる着色料としては、染料、およびアクリルに染料をしみ込ませた顔料が挙げられ、発色性、隠蔽性の観点から顔料が好ましい。
<インク層>
本発明のインク層は、特に限定されるものではないが、1種以上の着色印刷インクによって形成することができ、具体的には、例えば、飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル系樹脂、セルロース樹脂、エポキシ樹脂などをビヒクルとして、着色顔料を配合したインクを用い、印刷法によって形成することができる。印刷法によって形成する場合、装飾層の外周に勾配を形成することができる。また、装飾層には、メタリック模様、金属薄膜層、ホログラム箔層等を含ませてもよく、それにより光輝性を示す外観を得ることができる。これら金属薄膜層などは、インク層の上に設けても、また下に設けてもよい。インク層はシルク印刷方式によって形成される。
<転写箔>
本発明の転写箔は、図5に示すように「基材シート1」、「離型層2」、「保護層3及び金属薄膜層4を含有するアンカー層5」、ならびに「インク層6を含む接着層7」からなる。離型層2と保護層3は隣接して積層されていて、更に保護層3と金属薄膜層4が隣接して積層されており、接着層7が転写箔の基材シート1と反対側の最外面に位置する。
<対象物>
本発明の対象物は、転写箔を用いて転写層を転写される物であり、対象物の素材や形状や用途に特に限定はない。素材としては、例えば、炭素繊維強化樹脂、金属、ゴム、樹脂、ガラス繊維、ケブラー繊維、およびアラミド繊維等が挙げられるが、質量や比強度の観点から、特に炭素繊維強化樹脂が好ましい。対象物としては、例えば、釣り・スポーツ用品として、釣り用品、ゴルフ用品、スキー用品、テニス用品等が挙げられ、具体的には、釣竿、ゴルフシャフト、自転車のフレーム、スキーのストック等の管状部材が挙げられる。後述の実施例においては、ゴルフシャフト(ゴルフクラブシャフト)を例に挙げて説明している。
<転写層>
本発明に転写層は、図2の10で示す通り、「上記保護層3及び金属薄膜層4を含有するアンカー層5」ならびに「インク層6を含有する接着層7」からなる。保護層3は隣接して積層されていて、更に保護層3と金属薄膜層4が隣接して積層されており、接着層7が転写層10の一方の最外面に位置する。保護層3に接合するように金属薄膜層4が形成させており、金属薄膜層4と離型層2に接合するようにアンカー層5が形成されており、アンカー層5に接合するようにインク層6が接合されており、アンカー層5とインク層6に接合するように接着層が形成されている。
<転写層の転写方法>
本発明の転写方法[1]〜[4]を、以下具体的な例を挙げて説明する。
<[1]対象物に転写箔の接着層を接面させて接着>
対象物に転写箔の接着層を接面させる方法は公知の方法を用いればよく、例えば、加熱することにより対象物へ転写箔を接着させる。加熱温度は、接着層の組成にあった温度(接着層が接着能力を発揮する温度)を適宜選択すればよい。一般的な接着層であれば、通常、加熱温度は180〜220℃である。加熱温度が低すぎると転写箔が対象物へ接着しにくく、高すぎると基材シートが溶融したり、転写箔インクが熱劣化することがある。
例えば、図7に示すように、対象物に転写箔の接着層を接面させたものを、5〜50mm/秒の速さで、180〜220℃の温度に過熱したゴムロール上を通過させることによって、対象物13へ転写箔15を接着させる。対象物13に転写箔15の接着層を接面させたものの移動速度が遅すぎると生産性が悪く、また転写箔のインクが熱劣化する場合がある、また早すぎると転写箔が対象物へ接着しにくい。対象物に転写箔の接着層を接面させたものの移動速度は、10〜25mm/秒が好ましく、加熱温度は190〜210℃がより好ましい。
なお接面とは、図7に示すように、対象物13とゴムロール12の間に転写箔15が通過するように配置し、ゴムロール12を対象物13側へ移動させることにより、対象物13と転写箔15を接面させる。
<[2]基材シートの除去>
対象物13に転写箔15の接着層を接面させ、加熱することにより対象物13へ転写箔15を接着させた後、基材シート16を除去して、対象物13に転写層17が転写された状態にする。その際、離型層2の大部分は基材シートと共に除去されるが、離型層の一部(離型層部分2’)が転写層上に残る。なお、基材シート16の除去方法は特に限定されず、公知の方法により行えばよい。
基材シートの除去方法の具体的な一例としては、図7に示した通り、転写箔15はゴムロール12の出口側に設けた巻き取りロール14に基材シート1端を接着し、ガイドロール11から巻き取りロール14までを連動させ、転写箔15を対象物13へ転写した後に基材シート1を巻き取りロール14へ巻き取って除去する。
<[3]基材シートを除去した転写層上に残る離型層部分を除去する操作>
本発明においては、基材シート1が除去された転写層10上に残る離型層部分2’を除去する。この操作により、金属薄膜層4を有する転写層10を転写した転写対象物8とオーバーコート層9の剥離を防止することができる。
転写層10上に残る離型層部分2’を除去方法としては、転写層10上に残る離型層部分2’を除去できる方法であれば特に限定はない。例えば、JIS R6010のP1200〜P3000の研磨剤で基材シートを除去した転写層10上を拭く操作により、転写層10上に残る離型層部分2’を除去することができる。JIS R6010は研磨剤の目の粗さを規定するものであり、この数値が小さいほど目が粗く、大きいほど目が細かい。研磨剤の目が粗すぎると、離型層の下側の保護層や金属薄膜層まで除去されるリスクがある。一方、研磨剤の目が細かすぎると、対象物表層の離型層部分が容易に除去できない。よって、P1200〜P3000の範囲が好ましく、P1200〜P2500がより好ましい。
研磨布で基材シートを除去した転写箔を拭く操作は、使用する研磨剤に応じて、適切な研磨剤の転写箔との接触圧力、拭く回数を選択すればよい。例えば、特定の目の粗さの研磨剤を選択し、当該研磨剤を用いて対象となる転写箔を種々の接触圧力及び回数で拭き、最適な圧力と回数をトライアンドエラーで見出すことができる。具体的には、例えば上記のJIS R6010のP1200〜P3000である研磨剤に相当する研磨布を用い、該研磨布を手で持って対象物を包み込み、一方向へ軽く一回行うことにより、適切に剥離層部分を除去することができる。
<[4]次いでオーバーコート層の積層>
オーバーコート層は、しごき塗装、またはスプレー塗装等、公知の方法によって形成することができる。
具体的には、対象物がゴルフシャフトであれば、しごき塗装ではウレタンゴム等の弾性を有する厚さ1.0〜1.2mmのゴムに4.5〜5.5mmの真円の孔を開け、この部分にオーバーコート層の原料樹脂を供給する。この孔へ対象物を挿入し、対象物を引き、ゴムと対象物の摩擦で余分なオーバーコート層の原料樹脂をしごき、オーバーコート層の原料樹脂にもよるが、例えばその後、85〜95℃℃で60〜120分間加熱することで対象物上へオーバーコート層が形成される。
スプレー塗装であれば、対象物から10〜25cm程度離れた位置からスプレーガンでオーバーコート層の原料樹脂を対象物へ噴霧する。より具体的には、対象物を回転させながら、スプレーガンを一方の端部からもう一方の端部へ移動させながら、オーバーコート層の原料樹脂を対象物へ噴霧する。
オーバーコート層の原料樹脂を対象物へ噴霧した後は、オーバーコート層の原料樹脂にもよるが、例えば85〜95℃℃で15〜45分間加熱することですることで対象物へオーバーコート層を形成させる。
本発明においては、部材本体に形成された転写層を覆うようにオーバーコート層を設けることが好ましい。
<<オーバーコート層>>
オーバーコート層の形成は、転写層の保護を目的に行われる。オーバーコート層として、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、アルキッド樹脂、およびポリエステル樹脂等を用いることができる。中でも、接着性、耐衝撃性、透明性、および研磨性等の優れるウレタン樹脂の使用が特に好ましい。
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明する。
<転写箔>
実施例および比較例で用いた転写箔は、基材シートの一方の面上に、離型層、保護層および金属薄膜層を含有するアンカー層、ならびにインク層を含有する接着層を有する転写箔で、離型層と保護層は隣接して積層されており、保護層と金属薄膜層は隣接して積層されており、金属薄膜層とアンカー層は隣接して積層されており、アンカー層と、インク層を含有する接着層は隣接して積層されており、接着層が転写箔の一方の最外面に位置している。具体的には、図8に実施例及び比較例で用いた転写箔を示す。なお上記の各層は、以下の材料を用いた。
基材層:ポリエステルフィルム
離型層:シリコーン系樹脂
保護層:アクリルエポキシ系とメラミン系の混合樹脂
金属薄膜層:蒸着したアルミニウム
アンカー層:アクリル系樹脂
インク層:アクリル系樹脂
接着層:アクリル系樹脂
<オーバーコート層の接着性テスト>
オーバーコート層の接着性テストについては、JIS K 5600−5−6 付着性(クロスカット法)の方法に準ずる以下の方法で実施した。
1.塗装完了から48時間経過した対象物表面を小型刃カッターにより対象物表面に到達するまでの切り込み深さで2mm間隔50マスの切り込みを入れた。
2.上記1.の切り込み上へ接着テープ(ニチバン製CT405AP−18)を貼り、指先で5回擦った。
3.1分間放置した後にテープを素早く剥がした。
4.2mm四方のマス目全体の剥離が50マスの内、1箇所でもあれば不合格という基準で接着性を評価した。
<対象物:ゴルフシャフト>
実施例で用いたゴルフシャフトはPAN系炭素繊維にエポキシ樹脂を含浸したプリプレグのパターンを心金へ巻き付けて積層した後に硬化して成形した。
(実施例1)
しごき塗装により対象物(ゴルフシャフト)にPPG製エポキシ樹脂系塗料を下塗り塗装し、次いでしごき塗装によりカシュー製ウレタン樹脂系塗料を中塗り塗装した。当該対象物(ゴルフシャフト)に、上記の転写箔を転写した。転写は図7に示す装置で行った。具体的には、転写箔15の基材シートと200℃に加熱したゴムロール12を接面させると同時に、接着層と対象物13を接面させるよう転写箔15を挟み、転写箔15、ゴムロール12、および対象物13を15mm/秒の速度で通過・回転させることにより、対象物に転写層を接着した。基材シート1は巻き取りロール14に巻き取ることにより除去した。
その後、対象物(ゴルフシャフト)を装置から取り外し、対象物表面温度が常温となるよう10分間放置した。その後、JIS R6010のP1500の粒度の研磨布で転写箔全体を一方向へ軽く一回拭いた。離型剤が残っている場合、目視ではっきりわかるため、拭いた後に目視で離型剤の有無を判断した。次いで対象物(ゴルフシャフト)に対して、オーバーコート層用塗料をしごき塗装にて塗装した。すなわち、しごき塗装装置のカップにオーバーコート用塗料(PPG製グロスクリヤー(ウレタン樹脂))を入れ、対象物(ゴルフシャフト)を細径側先端より厚さ約1.0mmのウレタンゴムに約5mmの真円の孔を施した部分に通し、対象物(ゴルフシャフト)をオーバーコート用塗料カップに浸した後、上記ゴムの孔より対象物(ゴルフシャフト)を引き抜くことによりオーバーコート形成用の塗装をした。常温で30分乾燥した後、90℃で90分間乾燥して、保護層の形成を完了した。保護層の厚さは約10μmであった。得られた対象物(ゴルフシャフト:転写層が転写され、オーバーコート層が形成されたゴルフシャフト)を図10に示す。
シャフトを乾燥完了後48時間以上放置した後にオーバーコート層の接着テストを行った。オーバーコート層の接着性テストの結果は、クロスカットの縁はなめらかであり、どの格子も剥がれることはなかった。
(実施例2)
用いる研磨布をJIS R6010のP2500の粒度の研磨布に代えた以外は実施例1と同様にして、転写層が転写され、オーバーコート層が形成されたゴルフシャフトを得た。保護層の厚さは約10μmであった。
シャフトを乾燥完了後48時間以上放置した後にオーバーコート層の接着テストを行った。オーバーコート層の接着性テストの結果は、クロスカットの縁はなめらかであり、どの格子も剥がれることはなかった。
(比較例1)
研磨布で転写箔全体を拭く操作を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、転写層が転写され、オーバーコート層が形成されたゴルフシャフトを得た。保護層の厚さは約10μmであった。
シャフトを乾燥完了後48時間以上放置した後にオーバーコート層の接着テストを行った。オーバーコート層の接着性テストの結果は、クロスカットの格子の一部が完全に剥がれた。
1:基材シート
2:離型層
2’:転写層10上に残った離型層
3:保護層
4:金属薄膜層
5:アンカー層
6:インク層
7:接着層
8:対象物
9:オーバーコート層
10:転写層
11:ガイドロール
12:ゴムロール
13:対象物
14:巻き取りロール
15:転写箔

Claims (6)

  1. 基材シートの一方の面上に、少なくとも<1>離型層、<2>保護層および金属薄膜層を含有するアンカー層、ならびに<3>接着層を有する転写箔を用い、対象物に<2>保護層および金属薄膜層を有するアンカー層および<3>接着層からなる転写層を転写する方法であって、離型層と保護層は隣接して積層されていて、更に保護層と金属薄膜層が隣接して積層されており、接着層が転写箔の基材シートと反対側の最外面に位置し、
    [1]対象物に転写箔の接着層を接面させて接着し、
    [2]基材シートを除去し、
    [3]基材シートを除去した転写層上に残る離型層部分を除去する操作を行い、
    [4]次いでオーバーコート層を積層する
    ことを特徴する転写箔の転写方法。
  2. 転写層上に残る離型層部分を除去する操作が、JIS R6010のP1200〜P3000である研磨剤で転写層上を拭く操作である請求項1に記載の転写方法。
  3. 接着層の中および/または表面に、インク層を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の転写方法。
  4. 接着層の表面に存在するインク層が、アンカー層と接していることを特徴とする請求項3記載の転写方法。
  5. 接着層がインク層を含んでいることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の転写方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかの転写方法によって転写箔が転写された管状体。
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