JP2014231182A - 転写層の転写方法およびその転写方法で転写層が転写された管状体 - Google Patents
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<2>保護層および金属薄膜層を有するアンカー層および<3>接着層からなる転写層を転写する方法であって、離型層と保護層は隣接して積層されていて、更に保護層と金属薄膜層が隣接して積層されており、接着層が転写箔の基材シートと反対側の最外面に位置し、
[1]対象物に転写箔の接着層を接面させて接着し、
[2]基材シートを除去し、
[3]基材シートを除去した転写層上に残る離型層部分を除去する操作を行い、
[4]次いでオーバーコート層を積層する
ことを特徴する転写箔の転写方法。
[1]対象物13に転写箔15の接着層7を接面させて接着し、
[2]基材シート1を除去し、
[3]基材シート1を除去した転写層10上に残る離型層部分2’を除去する操作を行い、
[4]次いでオーバーコート層9を積層する
ことを特徴する。
基材シートは、接着剤層と剥離可能な公知のシート状物であれば如何なるものでも使用できる。具体的には、市販されている紙、布、箔などの各種の台紙、ポリエチレン、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂などのプラスチックシート、又はそれらの表面をシリコーン樹脂等で離型処理したものなどが挙げられる。中でもポリエステル樹脂製が特に好ましい。
本発明の離型層は、基材シートと保護層およびアンカー層を分離するための層である。シリコーン系、フッ素系、ワックス系、ポリビニルアルコール系、ガラス系、および水系を用いることができる。離型性が優れ、薄膜を形成し易い等の理由でシリコーン系が好ましい。
透明、半透明、又は着色された樹脂保護層を設けてもよい。樹脂保護層は、蒸着金属層と後に形成されるオーバーコート層との密着性を向上させ、あるいは、着色インク層上に金属薄膜層、ホログラム箔層等が形成される場合には、それらを保護する目的で設けられる。
本発明の金属薄膜層は、アルミニウム、クロム、スズ等を用いることができる。中でも鏡面調の高輝度で見栄えが良いという理由でアルミニウムを使うことが好ましい。金属薄膜層は、基材シート上に保護層を形成し、保護層上に金属薄膜層を蒸着し、必要部分をマスク印刷した後に不要部分をアルカリ洗浄することで形成する。
アンカー層としてアクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができる。
接着剤層としては、熱硬化型接着剤、感圧接着剤、感熱接着剤などが使用できるが、装飾層のバインダーと同種のもの、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂などの熱硬化型樹脂よりなる接着剤が好ましく使用できる。
本発明のインク層は、特に限定されるものではないが、1種以上の着色印刷インクによって形成することができ、具体的には、例えば、飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル系樹脂、セルロース樹脂、エポキシ樹脂などをビヒクルとして、着色顔料を配合したインクを用い、印刷法によって形成することができる。印刷法によって形成する場合、装飾層の外周に勾配を形成することができる。また、装飾層には、メタリック模様、金属薄膜層、ホログラム箔層等を含ませてもよく、それにより光輝性を示す外観を得ることができる。これら金属薄膜層などは、インク層の上に設けても、また下に設けてもよい。インク層はシルク印刷方式によって形成される。
本発明の転写箔は、図5に示すように「基材シート1」、「離型層2」、「保護層3及び金属薄膜層4を含有するアンカー層5」、ならびに「インク層6を含む接着層7」からなる。離型層2と保護層3は隣接して積層されていて、更に保護層3と金属薄膜層4が隣接して積層されており、接着層7が転写箔の基材シート1と反対側の最外面に位置する。
本発明の対象物は、転写箔を用いて転写層を転写される物であり、対象物の素材や形状や用途に特に限定はない。素材としては、例えば、炭素繊維強化樹脂、金属、ゴム、樹脂、ガラス繊維、ケブラー繊維、およびアラミド繊維等が挙げられるが、質量や比強度の観点から、特に炭素繊維強化樹脂が好ましい。対象物としては、例えば、釣り・スポーツ用品として、釣り用品、ゴルフ用品、スキー用品、テニス用品等が挙げられ、具体的には、釣竿、ゴルフシャフト、自転車のフレーム、スキーのストック等の管状部材が挙げられる。後述の実施例においては、ゴルフシャフト(ゴルフクラブシャフト)を例に挙げて説明している。
本発明に転写層は、図2の10で示す通り、「上記保護層3及び金属薄膜層4を含有するアンカー層5」ならびに「インク層6を含有する接着層7」からなる。保護層3は隣接して積層されていて、更に保護層3と金属薄膜層4が隣接して積層されており、接着層7が転写層10の一方の最外面に位置する。保護層3に接合するように金属薄膜層4が形成させており、金属薄膜層4と離型層2に接合するようにアンカー層5が形成されており、アンカー層5に接合するようにインク層6が接合されており、アンカー層5とインク層6に接合するように接着層が形成されている。
本発明の転写方法[1]〜[4]を、以下具体的な例を挙げて説明する。
対象物に転写箔の接着層を接面させる方法は公知の方法を用いればよく、例えば、加熱することにより対象物へ転写箔を接着させる。加熱温度は、接着層の組成にあった温度(接着層が接着能力を発揮する温度)を適宜選択すればよい。一般的な接着層であれば、通常、加熱温度は180〜220℃である。加熱温度が低すぎると転写箔が対象物へ接着しにくく、高すぎると基材シートが溶融したり、転写箔インクが熱劣化することがある。
対象物13に転写箔15の接着層を接面させ、加熱することにより対象物13へ転写箔15を接着させた後、基材シート16を除去して、対象物13に転写層17が転写された状態にする。その際、離型層2の大部分は基材シートと共に除去されるが、離型層の一部(離型層部分2’)が転写層上に残る。なお、基材シート16の除去方法は特に限定されず、公知の方法により行えばよい。
本発明においては、基材シート1が除去された転写層10上に残る離型層部分2’を除去する。この操作により、金属薄膜層4を有する転写層10を転写した転写対象物8とオーバーコート層9の剥離を防止することができる。
オーバーコート層は、しごき塗装、またはスプレー塗装等、公知の方法によって形成することができる。
オーバーコート層の形成は、転写層の保護を目的に行われる。オーバーコート層として、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、アルキッド樹脂、およびポリエステル樹脂等を用いることができる。中でも、接着性、耐衝撃性、透明性、および研磨性等の優れるウレタン樹脂の使用が特に好ましい。
実施例および比較例で用いた転写箔は、基材シートの一方の面上に、離型層、保護層および金属薄膜層を含有するアンカー層、ならびにインク層を含有する接着層を有する転写箔で、離型層と保護層は隣接して積層されており、保護層と金属薄膜層は隣接して積層されており、金属薄膜層とアンカー層は隣接して積層されており、アンカー層と、インク層を含有する接着層は隣接して積層されており、接着層が転写箔の一方の最外面に位置している。具体的には、図8に実施例及び比較例で用いた転写箔を示す。なお上記の各層は、以下の材料を用いた。
離型層:シリコーン系樹脂
保護層:アクリルエポキシ系とメラミン系の混合樹脂
金属薄膜層:蒸着したアルミニウム
アンカー層:アクリル系樹脂
インク層:アクリル系樹脂
接着層:アクリル系樹脂
<オーバーコート層の接着性テスト>
オーバーコート層の接着性テストについては、JIS K 5600−5−6 付着性(クロスカット法)の方法に準ずる以下の方法で実施した。
1.塗装完了から48時間経過した対象物表面を小型刃カッターにより対象物表面に到達するまでの切り込み深さで2mm間隔50マスの切り込みを入れた。
2.上記1.の切り込み上へ接着テープ(ニチバン製CT405AP−18)を貼り、指先で5回擦った。
3.1分間放置した後にテープを素早く剥がした。
4.2mm四方のマス目全体の剥離が50マスの内、1箇所でもあれば不合格という基準で接着性を評価した。
実施例で用いたゴルフシャフトはPAN系炭素繊維にエポキシ樹脂を含浸したプリプレグのパターンを心金へ巻き付けて積層した後に硬化して成形した。
しごき塗装により対象物(ゴルフシャフト)にPPG製エポキシ樹脂系塗料を下塗り塗装し、次いでしごき塗装によりカシュー製ウレタン樹脂系塗料を中塗り塗装した。当該対象物(ゴルフシャフト)に、上記の転写箔を転写した。転写は図7に示す装置で行った。具体的には、転写箔15の基材シートと200℃に加熱したゴムロール12を接面させると同時に、接着層と対象物13を接面させるよう転写箔15を挟み、転写箔15、ゴムロール12、および対象物13を15mm/秒の速度で通過・回転させることにより、対象物に転写層を接着した。基材シート1は巻き取りロール14に巻き取ることにより除去した。
用いる研磨布をJIS R6010のP2500の粒度の研磨布に代えた以外は実施例1と同様にして、転写層が転写され、オーバーコート層が形成されたゴルフシャフトを得た。保護層の厚さは約10μmであった。
研磨布で転写箔全体を拭く操作を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、転写層が転写され、オーバーコート層が形成されたゴルフシャフトを得た。保護層の厚さは約10μmであった。
2:離型層
2’:転写層10上に残った離型層
3:保護層
4:金属薄膜層
5:アンカー層
6:インク層
7:接着層
8:対象物
9:オーバーコート層
10:転写層
11:ガイドロール
12:ゴムロール
13:対象物
14:巻き取りロール
15:転写箔
Claims (6)
- 基材シートの一方の面上に、少なくとも<1>離型層、<2>保護層および金属薄膜層を含有するアンカー層、ならびに<3>接着層を有する転写箔を用い、対象物に<2>保護層および金属薄膜層を有するアンカー層および<3>接着層からなる転写層を転写する方法であって、離型層と保護層は隣接して積層されていて、更に保護層と金属薄膜層が隣接して積層されており、接着層が転写箔の基材シートと反対側の最外面に位置し、
[1]対象物に転写箔の接着層を接面させて接着し、
[2]基材シートを除去し、
[3]基材シートを除去した転写層上に残る離型層部分を除去する操作を行い、
[4]次いでオーバーコート層を積層する
ことを特徴する転写箔の転写方法。 - 転写層上に残る離型層部分を除去する操作が、JIS R6010のP1200〜P3000である研磨剤で転写層上を拭く操作である請求項1に記載の転写方法。
- 接着層の中および/または表面に、インク層を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の転写方法。
- 接着層の表面に存在するインク層が、アンカー層と接していることを特徴とする請求項3記載の転写方法。
- 接着層がインク層を含んでいることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の転写方法。
- 請求項1〜5のいずれかの転写方法によって転写箔が転写された管状体。
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