JPS6028605Y2 - 貼着用シ−ト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は貼着用シートに関する。

例えば、従来から感圧接着性ラベル、ステッカ−、ワッ
ペン等貼着用シートが種々知られているが、これら従来
の貼着用シートは、例えば第１図に示すようにポリエス
テルフィルムのような基材フィルム１上にアルミニウム
蒸着膜又はアルミニウム箔２、感圧接着剤層３及び剥離
紙４をこの順に積層されて形成されており、従って、こ
れを被着体に貼着して基材フィルム側から見るときは、
基材フィルムを通して単一の色彩からなる単調な金属光
沢が透視されるのみで、立体感や深みがない。

そこで、基材フィルムの一面にヘアーライン等の柄模様
加工を施こし、この面上にアルミニウム蒸着膜、感圧接
着剤層及び剥離紙を積層してなる貼着用シートも提案さ
れているが、この貼着用シートにおいても、被着体に貼
着したシートを基材フィルム側から見るときは、基材フ
ィルムを通して単一の色彩からなる単調な柄模様が透視
されるのみで、依然として立体感や深みに乏しい。

更に、このような貼着用シートにおいては、柄模様を刻
設された基材フィルムは表面が凹凸の著しい粗面である
ため、アルミニウム蒸着膜の密着性、平滑性が悪く、基
材フィルムが往々にして蒸着膜から剥離することがあっ
た。

本考案は上記に鑑みてなされたものであって、被着体に
貼着して基材フィルム側から見るとき、多色で変化に富
み、更に立体感、深みに富む柄模様を備えた金属光沢が
透視される貼着用シートを提供することを目的とし、更
に必要に応じて、被着体が透明な合成樹脂やガラスであ
る場合に、被着体側からも金属蒸着膜が透視される貼着
用シートを提供することを目的とする。

本考案の貼着用シートは、透明な基材フィルムの片面に
、少なくとも二層からなり、相互に異なる色に着色され
ている透明な多層着色層、−次保護層、金属蒸着膜、二
次保護層、感圧接着剤層及び剥離紙がこの順に積層され
ており、上記多層着色層がライン加工等によって種々異
なる深さに柄模様を刻設されており、かくして基材フィ
ルム側から多層着色層を介して金属蒸着膜が透視される
ようにしたことを特徴とする。

本考案において、貼着用シートとは装飾、表示、包装等
のために被着体に感圧的に接着されるシート、フィルム
、テープ等を意味し、具体的にはラベル、ステッカ−、
ワッペン、シール材、粘着テープ、壁紙、ふすま紙等を
含む。

以下に図面に基づいて本考案を説明する。

第２図は本考案による貼着用シート１０の一実施例を示
す断面図である。

用いる基材フィルム１１は特に制限されないが、通常、
ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポ
リアミド、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリエチレン
等の可撓性の合成樹脂フィルムやこれらの適宜のラミネ
ートが好適に用いられる。

セロファンやグラシン紙も好適に用いられる。

基材フィルムの片面には多層着色層１２が設けられてい
る。

この多層着色層は少なくとも二層からなり、相互に異な
る色に着色されている透明な樹脂層、好ましくは熱硬化
性樹脂層である。

図示した実施例においては、多層着色層は基材フィルム
側から一次着色層１２ａと二次着色層１２ｂとの二層か
らなる。

着色剤としては染料、顔料、金属粉等の一種又は二種以
上が用いられる。

金属粉としては、例えば特許第６８８９９１号に開示さ
れているように、金属蒸着膜の両面を樹脂被着した後、
これを粉砕して得られる金属粉も使用できる。

着色層が顔料や金属粉を含むときは、その含有量に応じ
て着色層の透明度は異なるが、本発明においては、金属
蒸着膜以外のすべての層において透明とは実質的に透明
であればよく、半透明を含むものとする。

着色層の樹脂材料は特に制限されることなく種々のもの
が用いられるが、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポ
リエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アク
リル樹脂、ウレタン樹脂等の一種又は二種以上の混合物
が好ましく用いられる。

これらの樹脂の着色剤と溶剤に混和して液状となし、基
材フィルム上に順次、塗布し、乾燥して、多層着色層が
形成される。

各着色層の塗布厚は、例えば０．５〜２μ程度である。

本考案においては、この多層着色層にサンドペーパー、
砥石、高圧サンド噴射等により、ヘアーライン、スピン
ライン、チェッカーライン、マット加工等の柄模様１３
が種々の深さに刻設される。

即ち、図示したように、ある箇所では柄模様加工が一次
着色層まで達し、ある箇所では二次着色層だけにとどま
り、かくして多層着色層を基材フィルム側から見た場合
、刻設された柄模様の深さに応じて多層着色層は多色で
立体感に富み、深みのある柄模様を現出する。

上記の柄模様加工は普通、基材フィルムを移送しつつ、
連続的に行なわれる。

例えば、サンドペーパーロールを基材フィルムの進行方
向とは逆方向に回転させつつ、種々異なる接圧力にてロ
ールを多層着色層に接触させることにより、深さが種々
異なるヘアーライン加工を施すことができる。

多層着色層は、この凹凸の柄模様が施こされている面に
一次保護層１４を有する。

この一次保護層は透明な樹脂層であり、樹脂としては、
例えばセルロースアセテート樹脂、セルロースプロピオ
ネート樹脂、セルロースブチレート樹脂等の熱可塑性樹
脂や、前記着色層と同様の熱硬化性樹脂が好ましく用い
られる。

通常、これらの樹脂溶液を多層着色層の柄模様面上に塗
布し、乾燥することによって一次保護層が形成される。

この一次保護層上には金属蒸着膜１５が形成されている
。

即ち、一次保護層形成後の積層体を真空乾燥して、一次
保護層に残存している有機溶剤。

等を十分に除去した後、一次保護層上に金属を数百Ａ１
例えば４００〜５００Ａの厚さに蒸着させる。

真空蒸着法は特に制限されず、高周波誘導加熱法、電気
抵抗加熱法、スパッタリング法、イオンブレーティング
法、電子線加熱法等の任意の方法が採用され、また、蒸
着金属もアルミニウム、銀、金、銅、亜鉛、ニッケル、
クロム等の単体金属のほか、これらの合金や種々の化合
物が適宜に用いられる。

この金属蒸着膜上に透明な二次保護層１６が設けられて
いる。

二次保護層の樹脂としては、一次保護層と同様の樹脂を
用いればよい。

金属蒸着膜上には感圧接着剤１７が設けられている。

上記二次保護層はこの接着剤層や被着体に含まれる可塑
剤等の移行により金属蒸着膜が腐食されるのを防止する
と同時に、金属蒸着膜と接着剤層との密着性を向上させ
る。

感圧接着剤としては従来より知られているものが適宜に
用いられる。

例えば、スチレン−ブタジェンゴム、アクリロニトリル
−スチレンゴム等の溶剤型接着剤やラテックス型ゴム接
着剤が好ましく用いられる。

感圧接着剤を被覆するための剥離紙１８には従来から知
られている任意の剥離紙が用いられる。

通常、上質紙、アート紙、パーチメント紙、グラシン紙
、クラフト紙等にシリコン樹脂、フッ素樹脂、脂肪酸ア
ミド、各種ワックス類又はこれらの混合物が塗布、乾燥
されて形成されている。

本考案の貼着用シートは、以上のように、多層着色層を
有し、この多層着色層にヘアーライン等の柄模様が種々
異なる深さに刻設されているから、剥離紙を剥離し、被
着体に貼着して、これを基材フィルム側から見るときは
、透明な多層着色層が柄模様の深さに応じて多色で且つ
立体的な柄模様を形成し、しかもこの多色透明の柄模様
を通して金属蒸着膜の金属光沢に透視されるから、多色
で立体感、深みに富む金属光沢柄模様が現出し、従来の
単色で平面的な柄模様金属光沢と著しい対照をなす。

また、本考案の貼着用シートにおいては、凹凸の柄模様
加工を施こした樹脂層上に一次保護層が積層され、この
上に金属蒸着膜が形成されているから、金属蒸着膜は密
着性よく形成され、更に、金属蒸着膜は一次及び二次保
護層の間に保護されているから腐食することがなく、長
期にわたって金属光沢を保持する。

更に、本考案においては、第３図に示すように、接着剤
層１７を透明にすると共に、この接着剤層と金属蒸着膜
１５との間に、二次保護層に代えて透明な第二の着色層
１９が設けられていてもよい。

被着体が透明な場合に、被着体裏面側からも着色層を通
して金属蒸着膜が透視できるようにするためである。

この着色層も前記着色層１２と同様に染料、顔料、金属
粉等を混合した樹脂液を金属蒸着膜に塗布乾燥して形成
される。

勿論、所望ならば、第二の着色層も少なくとも二層から
なり、相互に異なる色に着色されている透明な樹脂層で
あって、且つ、接着剤層側に前記したようなヘアーライ
ン等の柄模様加工が施こさレテイテモよい。

この場合には基材フィルム及び被着体の両側から多色の
立体的な柄模様金属光沢が透視される。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の貼着用シールの一例を示す断面図、第２
図は本考案による貼着用シートの一実施例を示す断面図
、第３図は他の実施例を示す断面図である。 １０・・・・・・貼着用シート、１１・・・・・・基材
フィルム、１２・・・・・・多層着色層、１２ａ・・・
・・・一次着色層、１２ｂ・・・・・・二次着色層、１
３・・・・・・柄模様、１４・・・・・・一次保護層、
１５・・・・・・金属蒸着膜、１６・・・・・・二次保
護層、１７・・・・・・感圧接着剤、１８・・曲剥離紙
、１９・・・・・・第二の着色層。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）透明な基材フィルムの片面に、少なくとも二層か
   らなり、相互に異なる色に着色されている透明な多層着
   色層、一次保護層、金属蒸着膜、二次保護層、感圧接着
   剤層及び剥離紙がこの順に積層されており、上記多層着
   色層がライン加工等によって少なくとも部分的に二層以
   上にわたる深さに柄模様を刻設されており、かくして基
   材フィルム側から多層着色層を介して金属蒸着膜が透視
   されるようにしたことを特徴とする貼着用シート。
2. （２） 感圧接着剤層が透明であり、且つ、この接着
   剤層と金属蒸着膜との間に二次保護層に代えて第二の着
   色層が設けられていることを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の貼着用シート。