以下、遊技機の一実施形態を図1〜図10にしたがって説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機10には、遊技盤YBが装備されている。遊技盤YBには、パチンコ遊技機10に装備されている発射ハンドルHの回動操作によって、遊技球が発射される。
遊技盤YBの略中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有し、表示演出を行う表示手段としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11では、複数の列(本実施形態では、3列)の装飾図柄を変動させて行う図柄変動ゲームと、当該図柄変動ゲームに関連する各種の表示演出が実行される。各列には、[1]〜[8]の8種類の数字の装飾図柄が表示される。そして、これら8種類の装飾図柄によって、各列の図柄列が構成されている。図柄変動ゲームは、遊技盤YBに配設されている始動入球装置15へ遊技球が入球することを契機に、実行される。
図柄変動ゲームでは、各列の装飾図柄として表示される装飾図柄の図柄組み合わせ(表示結果)が導出される。そして、大当り抽選に当選する場合、演出表示装置11には、大当りの図柄組み合わせが確定停止表示される。また、大当り抽選に非当選する場合、演出表示装置11には、はずれの図柄組み合わせが確定停止表示される。因みに、本実施形態において、大当りの図柄組み合わせは、全列の装飾図柄が同一の図柄組み合わせ([777]等)である。また、本実施形態において、はずれの図柄組み合わせは、全列の装飾図柄が異なる図柄組み合わせ([426]等)、又は1列の装飾図柄が他の2列の装飾図柄と異なる図柄組み合わせ([323]等)である。
始動入球手段としての始動入球装置15は、演出表示装置11の下方に配設されている。始動入球装置15は、当該始動入球装置15へ遊技球が入球したことを検知可能な始動スイッチSW1(図2に示す)を有している。始動入球装置15へ遊技球が入球すると、大当り抽選が行われる。また、始動入球装置15は、開閉部材を有している。始動入球装置15の開閉部材は、電動役物ソレノイドSOL1(図2に示す)の作動によって開状態と閉状態に変位可能に構成されている。そして、開閉部材が開状態となるとき始動入球装置15の入口が拡大されて遊技球が入球し易い開放状態となる。一方、開閉部材が閉状態となるとき始動入球装置15の入口は拡大されず遊技球が入球し難い閉鎖状態となる。
また、始動入球装置15の下方には、大入賞扉を有する大入賞装置20が配設されている。大入賞装置20は、当該大入賞装置20へ遊技球が入球したことを検知可能なカウントスイッチSW2(図2に示す)を有している。また、大入賞装置20の大入賞扉は、大入賞ソレノイドSOL2(図2に示す)の作動によって開状態と閉状態に変位可能に構成されている。そして、大入賞扉が開状態となるとき大入賞装置20が開放状態となり、大入賞装置20への遊技球の入球が許容される。一方、大入賞扉が閉状態となるとき大入賞装置20が閉鎖状態となり、大入賞装置20への遊技球の入球が許容されない。
パチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選した場合、当該当選の対象となる図柄変動ゲームの終了後に、大入賞装置20が開放状態となる大当り遊技が生起される。大入賞装置20へ遊技球が入球すると、予め決められた個数の遊技球が賞球として払い出される。
また、演出表示装置11の右方には、ゲート23が配設されている。ゲート23は、当該ゲート23へ遊技球が入球したことを検知可能なゲートスイッチSW3(図2に示す)を有している。ゲート23に遊技球が入球すると、普通当りか否かを決めるための普通当り抽選が行われる。また、普通当り抽選に当選すると、始動入球装置15が開放状態となる普通当り遊技が生起される。
また、遊技盤YBには、LED等の発光部材が複数配置された発光部配置部材HSが配設されている。発光部配置部材HSには、特別図柄表示装置25、保留表示装置26及び普通図柄表示装置27が配設されている。各表示装置25,26,27は、複数の発光部材によって構成されている。
特別図柄表示装置25には、当該特別図柄表示装置25を構成する発光部材の点灯及び消灯の組み合わせによる特別図柄が、図柄変動ゲームが終了するタイミングで停止して表示される。大当り抽選に当選した場合、特別図柄表示装置25には、大当り図柄に分類される特別図柄が確定停止表示される。一方、大当り抽選に非当選した場合、特別図柄表示装置25には、はずれ図柄に分類される特別図柄が確定停止表示される。また、図柄変動ゲームの実行中、特別図柄表示装置25には、特別図柄が変動表示される。
また、パチンコ遊技機10は、図柄変動ゲームの実行を保留可能に構成されている。そして、保留表示装置26では、当該保留表示装置26を構成する発光部材の点灯や点滅、消灯によって、実行が保留されている図柄変動ゲームの回数(以下、「保留記憶数」という)が示される。
また、普通図柄表示装置27には、当該普通図柄表示装置27を構成する発光部材の点灯及び消灯の組み合わせによる普通図柄が停止して表示される。普通当り抽選に当選した場合、普通図柄表示装置27には、普通図柄が所定時間変動して表示された後、普通当り図柄に分類される普通図柄が停止して表示される。一方、普通当り抽選に非当選した場合、普通図柄表示装置27には、普通図柄が所定時間変動して表示された後、普通はずれ図柄に分類される普通図柄が停止して表示される。
また、パチンコ遊技機10には、遊技者が操作可能な操作手段としての演出用ボタンBTが配設されている。また、パチンコ遊技機10には、音声演出を行う音声出力手段としてのスピーカSpが配設されている。また、パチンコ遊技機10には、発光演出を行う発光手段としての装飾ランプLaが配設されている。
また、パチンコ遊技機10は、大当り抽選の当選確率が通常よりも高確率となる高確率抽選状態を生起可能に構成されている。高確率抽選状態は、高確率抽選状態の終了条件が成立するまでの間、継続して生起される。本実施形態の「高確率抽選状態の終了条件」は、大当り遊技が生起されることによって成立する。
また、パチンコ遊技機10は、始動入球装置15へ遊技球が入球する確率が通常よりも高確率となる入球率向上状態を生起可能に構成されている。入球率向上状態の生起中、入球率向上状態が生起されていないときと比較して、単位時間あたりに始動入球装置15が開放状態となる機会(回数や時間)を増加させることで、始動入球装置15へ遊技球が入球する確率を高めている。入球率向上状態は、入球率向上状態の終了条件が成立するまでの間、継続して生起される。本実施形態の「入球率向上状態の終了条件」は、大当り遊技が生起されること又は大当り抽選に当選することなく予め定められた入球率向上回数の図柄変動ゲームの実行が終了することによって成立する。
また、パチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選した場合、特定大当り又は非特定大当りに基づく大当り遊技が生起される。特定大当りは、大当り遊技終了後に高確率抽選状態が生起される大当りである。一方、非特定大当りは、大当り遊技終了後に、高確率抽選状態が生起されない大当りである。なお、特定大当りと非特定大当りのうち何れに基づく大当り遊技の終了後でも、入球率向上状態が生起される。
次に、図2に基づき、パチンコ遊技機10の制御構成について説明する。
パチンコ遊技機10の裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御信号を出力する。また、パチンコ遊技機10の裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号に基づき、演出表示装置11の表示態様や、装飾ランプLaの発光態様、スピーカSpの音声出力態様を制御する。
以下、主制御基板30及び演出制御基板31の具体的構成を説明する。
まず、主制御基板30について説明する。
図2に示すように、主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30a、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30b及び必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。
主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW3が接続されている。各種スイッチSW1〜SW3は、各種スイッチが遊技球を検知した際に出力する検知信号を主制御用CPU30aが入力できるように、主制御用CPU30aに接続されている。また、主制御用CPU30aには、特別図柄表示装置25、保留表示装置26及び普通図柄表示装置27が接続されている。また、主制御用CPU30aには、電動役物ソレノイドSOL1及び大入賞ソレノイドSOL2が接続されている。
主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄変動ゲームが開始してから当該図柄変動ゲームが終了するまでの変動時間を特定し得る。また、変動パターンは、演出表示装置11、装飾ランプLa及びスピーカSpにて行われる演出の演出内容を特定し得る。変動パターンには、大当りのときに決定される大当り演出用の変動パターンと、はずれのときに決定されるはずれ演出用の変動パターンと、がある。
また、主制御用ROM30bには、各種の判定値が記憶されている。例えば、主制御用ROM30bには、大当り抽選で用いられる大当り判定値が記憶されている。高確率抽選状態が生起されているときの大当り判定値の個数は、高確率抽選状態が生起されていないときの大当り判定値の個数よりも多くなっている。また、主制御用ROM30bには、普通当り抽選で用いられる普通当り判定値が記憶されている。
主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶される。例えば、主制御用RAM30cには、高確率抽選状態の生起中であるか否かを示す主高確フラグが記憶される。また、主制御用RAM30cには、入球率向上状態の生起中であるか否かを示す主作動フラグが記憶される。
また、主制御基板30内では、大当り判定用乱数や、特別図柄振分用乱数、変動パターン振分用乱数として使用される各種乱数が生成される。因みに、大当り判定用乱数は、大当り抽選に用いる乱数である。特別図柄振分用乱数は、大当りの種類を決定する際に用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを決定する際に用いる乱数である。なお、各種乱数として使用される乱数は、ハードウェア乱数であってもよいし、ソフトウェア乱数であってもよい。
次に、図2に基づき、演出制御基板31について説明する。
演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cが設けられている。
演出制御用CPU31aには、演出表示装置11が接続されている。また、演出制御用CPU31aには、スピーカSpが接続されている。また、演出制御用CPU31aには、装飾ランプLaが接続されている。また、演出制御用CPU31aには、演出用ボタンBTが操作された際に出力される操作信号を入力可能に、演出用ボタンBTが接続されている。
演出制御用ROM31bには、各種画像表示データ(装飾図柄、背景画像、文字等の画像データ)、各種の発光用データ及び各種の音声用データが記憶されている。
演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶される。例えば、演出制御用RAM31cには、高確率抽選状態の生起中であるか否かを示す副高確フラグが記憶される。また、演出制御用RAM31cには、入球率向上状態の生起中であるか否かを示す副作動フラグが記憶される。
以下、主制御基板30及び演出制御基板31が実行する制御内容を説明する。
まず、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期毎に、各種処理を実行する。
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
主制御用CPU30aは、始動スイッチSW1が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が上限数(本実施形態では、「4」)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数を1加算し、保留記憶数を書き換える。更に、主制御用CPU30aは、1加算後の保留記憶数を表すように保留表示装置26の表示内容を制御する。
また、保留判定を肯定判定した主制御用CPU30aは、主制御基板30内で生成されている各種乱数(大当り判定用乱数、特別図柄振分用乱数及び変動パターン振分用乱数)の値を取得し、その値を保留記憶数に対応付けて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶(格納)する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。このように保留記憶数に対応付けて各種乱数の値を主制御用RAM30cに記憶することにより、図柄変動ゲームの実行が保留される。また、保留判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、上限数を超える保留記憶数の書き換えを行わないとともに、前述した各種乱数の値も取得することなく、特別図柄入力処理を終了する。
次に、特別図柄開始処理について説明する。
主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行中又は大当り遊技の生起中か否かの実行条件判定を実行する。実行条件判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、実行条件判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数を読み出し、当該保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否かの保留数判定を実行する。保留数判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、保留数判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数から1減算し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている各種乱数(大当り判定用乱数、特別図柄振分用乱数及び変動パターン振分用乱数)の値を読み出す。更に、主制御用CPU30aは、1減算後の保留記憶数を表すように保留表示装置26の表示内容を変更させる。
また、各種乱数の値を読み出した主制御用CPU30aは、読み出した大当り判定用乱数の値が、大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(大当り抽選)を行う。このとき、主制御用CPU30aは、高確率抽選状態の生起中であるか否かに応じた大当り判定値を用いて大当り抽選を行う。
そして、大当り抽選に当選した場合、主制御用CPU30aは、大当りとなる図柄変動ゲームを実行させるための大当り変動処理を実行する。大当り変動処理において主制御用CPU30aは、読み出した特別図柄振分用乱数の値に基づいて、大当りの種類を決定する。本実施形態では、特定大当りに分類される大当り図柄及び非特定大当りに分類される大当り図柄の中から大当り図柄を決定することにより、特別図柄表示装置25に停止して表示させる大当り図柄と大当りの種類を決定する。また、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、複数種類の大当り演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する。そして、主制御用CPU30aは、大当り変動処理において変動パターンを決定すると、特別図柄開始処理を終了する。
一方、大当り抽選に非当選した場合、主制御用CPU30aは、はずれとなる図柄変動ゲームを実行させるためのはずれ変動処理を実行する。はずれ変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置25にはずれ図柄を停止して表示させることを決定する。また、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、複数種類のはずれ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する。そして、主制御用CPU30aは、はずれ変動処理において変動パターンを決定すると、特別図柄開始処理を終了する。
また、特別図柄開始処理において特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、決定した内容にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで演出制御用CPU31aに出力する。具体的に、主制御用CPU30aは、変動パターンを指定するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。同時に、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理にて決定した特別図柄を指定する特別図柄指定コマンドを演出制御用CPU31aに出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了を指示する全図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力するとともに、決定した特別図柄を停止して表示させるように特別図柄表示装置25の表示内容を制御する。
また、主制御用CPU30aは、大当り抽選に当選した場合、当該大当り抽選の当選対象となる図柄変動ゲームの終了後、大入賞装置20の開放状態及び閉鎖状態を制御し、大当り遊技を生起させる。
また、主制御用CPU30aは、主高確フラグや主作動フラグの管理によって、遊技状態を制御する。具体的に、高確率抽選状態を生起させるとき、主制御用CPU30aは、高確率抽選状態の生起中であることを示す情報を主高確フラグに設定する。また、高確率抽選状態を生起させないとき、主制御用CPU30aは、高確率抽選状態の生起中でないことを示す情報を主高確フラグに設定する。また、入球率向上状態を生起させるとき、主制御用CPU30aは、入球率向上状態の生起中であることを示す情報を主作動フラグに設定する。また、入球率向上状態を生起させないとき、主制御用CPU30aは、入球率向上状態の生起中でないことを示す情報を主作動フラグに設定する。
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが制御プログラムに基づき実行する各種の処理について説明する。
演出制御基板31の演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドを入力すると、当該コマンドの指示内容に応じて演出表示装置11に確定停止表示させる装飾図柄の図柄組み合わせを決定する。具体的に、演出制御用CPU31aは、大当り図柄が指定された場合、大当りの図柄組み合わせの中から確定停止表示させる装飾図柄の図柄組み合わせを決定する。また、演出制御用CPU31aは、はずれ図柄が指定された場合、はずれの図柄組み合わせの中から確定停止表示させる装飾図柄の図柄組み合わせを決定する。
演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、各列の装飾図柄を変動表示させて図柄変動ゲームを開始するように、演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、演出制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、確定停止表示させると決定した装飾図柄の図柄組み合わせを確定停止表示させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。
また、演出制御用CPU31aは、大当り遊技が生起されると、当該大当り遊技が終了するまでの間、所定の大当り中演出を実行するように、演出表示装置11の表示態様、スピーカSpの音声出力態様及び装飾ランプLaの発光態様を制御する。
また、演出制御用CPU31aは、副高確フラグや副作動フラグの管理によって、遊技状態を特定できるように制御する。具体的に、高確率抽選状態が生起されるとき、演出制御用CPU31aは、高確率抽選状態の生起中であることを特定可能な情報を副高確フラグに設定する。また、高確率抽選状態が生起されないとき、演出制御用CPU31aは、高確率抽選状態の生起中でないことを特定可能な情報を副高確フラグに設定する。また、入球率向上状態が生起されるとき、演出制御用CPU31aは、入球率向上状態の生起中であることを特定可能な情報を副作動フラグに設定する。また、入球率向上状態が生起されないとき、演出制御用CPU31aは、入球率向上状態の生起中でないことを特定可能な情報を副作動フラグに設定する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り遊技の生起中における大入賞装置20の開放状態と閉鎖状態の態様や、大当り中演出の演出内容から、特定大当りと非特定大当りのうち何れに基づく大当り遊技が生起されたかについて特定できない。このため、大当り遊技終了後に遊技状態として、高確率抽選状態が生起されているか否かについて特定できない。そして、パチンコ遊技機10では、「大当り遊技終了後から、大当りとなることなく所定回数(本実施形態では、入球率向上回数と同一回数)の図柄変動ゲームの実行が終了するまでの期間」において、演出用ボタンBTの操作態様に応じて遊技状態が特定できるチャンスや、実行中の図柄変動ゲームが大当りとなることを特定できるチャンスが付与される。以下、各チャンスが付与される期間を、チャンス期間という。
図3(a)に示すように、チャンス期間において演出表示装置11には、演出指標として、主人公のキャラクタを模した主人公画像Paが表示される。この主人公画像Paは、当該主人公画像Paで示す主人公(以下、単に「主人公」という場合もある)が走る動作を伴って、所定の位置に表示される。また、チャンス期間において演出表示装置11には、背景画像HGとして「山」をモチーフとした画像が表示される。
そして、図3(b)に示すように、チャンス期間において演出表示装置11に表示される背景画像HGは、時間の経過に伴って演出表示装置11の右側から左側に移動して表示される。これにより、主人公が、左から右へ向かう矢印Yの方向へ走っているかのようにみせる。
また、図4(a)に示すように、チャンス期間において演出用ボタンBTを第1操作態様(長押し操作態様)で操作した場合、スピーカSpにてボイス演出が行われる。ボイス演出では、実行中の図柄変動ゲームが大当りとなることへの大当り期待度が示唆され得る。
また、図4(b)に示すように、チャンス期間において演出用ボタンBTを第2操作態様(非長押し操作態様)で操作した場合、主人公がジャンプルートJRを辿って通過するように、主人公がジャンプする動作を伴って、表示される。この主人公がジャンプする演出によって、高確率抽選状態が生起されていることへの高確期待度が示唆され得る。なお、第1操作態様と第2操作態様は、演出用ボタンBTの操作種別として異なる操作種別に分類される操作態様としている。操作種別とは、演出用ボタンBTを継続して操作した時間や、演出用ボタンBTが単位期間にて操作された回数等によって規定される。
また、演出表示装置11の表示領域には、左右方向に直線上の上ルートTRと下ルートARが規定されている。そして、第2操作態様で演出用ボタンBTが操作されてジャンプルートJRを辿って通過するように主人公が表示される場合、主人公は、下ルートARよりも高い位置であって、上ルートTRの高さに到達するように表示される。なお、第2操作態様で演出用ボタンBTが操作されず、ジャンプルートJRを辿って通過するように主人公が表示されない場合、主人公は、上ルートTRよりも低い位置であって、下ルートARの高さで表示される。
図3(a)に示すように、チャンス期間において演出表示装置11には、メータMが表示される。メータMは、左側から順に、第1メータ領域M1→第2メータ領域M2→第3メータ領域M3→第4メータ領域M4→第5メータ領域M5→最大メータ領域Mmの6つのメータ領域に分割されている。
本実施形態においてチャンス期間中は、主人公がコインを獲得する内容で演出が展開される。主人公が獲得可能なコインの最大数は「100枚」に定めており、主人公が獲得したコインの累積枚数に応じて、メータ領域の色が変化する。なお、図面では、色が変化したメータ領域には斜線を付して示す一方、色が変化していないメータ領域には斜線を付さずに示す。
因みに、本実施形態では、主人公が獲得したコインの累積枚数が「0枚」であれば全てのメータ領域の色は変化しない。また、主人公が獲得したコインの累積枚数が「1〜20枚」であれば第1メータ領域M1のみの色が変化し、主人公が獲得したコインの累積枚数が「21〜40枚」であればメータ領域M1,M2の色が変化する。同様に、主人公が獲得したコインの累積枚数が「41〜60枚」であればメータ領域M1〜M3の色が変化し、主人公が獲得したコインの累積枚数が「61〜80枚」であればメータ領域M1〜M4の色が変化する。また、主人公が獲得したコインの累積枚数が「81〜99枚」であればメータ領域M1〜M5の色が変化し、主人公が獲得したコインの累積枚数が「100枚」に達していれば全てのメータ領域M1〜M5,Mmの色が変化する。このように、チャンス期間中の演出の展開に応じて、第1メータ領域M1→第2メータ領域M2→第3メータ領域M3→第4メータ領域M4→第5メータ領域M5→最大メータ領域Mmの順に、色が変化するメータ領域の数が増えていく。
但し、チャンス期間では、獲得したコインを主人公が喪失する内容で演出が展開される場合もある。この場合、主人公が獲得したコインの枚数が減ることに伴って、色が変化するメータ領域の数が減少する場合もある。つまり、色が変化するメータ領域の数は、増加する場合もあれば、減少する場合もある。
パチンコ遊技機10では、高確率抽選状態の生起中であれば最大メータ領域Mmの色が変化し得る一方、高確率抽選状態の生起中でなければ最大メータ領域Mmの色が変化し得ない。このため、最大メータ領域Mmの色が変化した場合、高確率抽選状態が生起されている遊技状態であることが報知される。
チャンス期間では、主人公が獲得したコインの累積枚数を増加させるための第1のボックス画像Baや、主人公が獲得したコインの累積枚数を減少させるための第2のボックス画像Bbが、演出表示装置11に表示される。
ボックス画像Ba,Bbは、背景画像HGと同様、演出表示装置11の右側から左側へ移動させて表示される。また、ボックス画像Ba,Bbは、主人公が通過可能な経路上に表示される。具体的に、第1のボックス画像Baは、演出表示装置11に規定される上ルートTRに沿って、右側から左側へ移動して表示される。また、第2のボックス画像Bbは、演出表示装置11に規定される下ルートARに沿って、右側から左側へ移動して表示される。そして、主人公とボックス画像Ba,Bbの表示が重なるタイミングで、各ボックス画像に応じた態様で主人公を動作させ、当該主人公と重なったボックス画像の表示が消去されるとともに、現状のコインの累積枚数から増加又は減少するコインの枚数が数的に表示される。
以下、各ボックス画像Ba,Bbの違いについて説明する。なお、本実施形態において、第1のボックス画像Baはコインの累積枚数を増加させることが可能なときに表示され、第2のボックス画像Bbはコインの累積枚数を減少させることが可能なときに表示される。
図5(a),(b)に示すように、第1のボックス画像Baは上ルートTRに沿って移動して表示されるため、当該第1のボックス画像Baと主人公が重なる状況とは、第2操作態様で演出用ボタンBTが操作されてジャンプルートJRを辿って通過するように主人公が表示される状況となる。したがって、第1のボックス画像Baが上ルートTRに沿って移動して表示された際、第2操作態様で演出用ボタンBTが操作されると、当該第1のボックス画像Baと主人公が重なる場合がある。この場合、主人公がコインを獲得する演出が行われるとともに、主人公が獲得するコインの枚数が数的に表示される。これにより、コインの累積枚数が増加することで、色が変化するメータ領域の数が増加し得る。
一方、図5(c),(d)に示すように、第1のボックス画像Baが上ルートTRに沿って移動して表示されても、第2操作態様で演出用ボタンBTが操作されなければ、第1のボックス画像Baと主人公が重なることはない。したがって、第1のボックス画像Baが上ルートTRに沿って移動して表示されても、第2操作態様で演出用ボタンBTが操作されなければ、当該第1のボックス画像Baと主人公が重なることはない。これにより、コインの累積枚数が維持される。
因みに、第1のボックス画像Baが上ルートTRに沿って移動して表示されるときに演出用ボタンBTを第2操作態様で操作しても、当該操作のタイミングが、第1のボックス画像Baと主人公が所定の位置関係となるタイミングでなければ、第1のボックス画像Baと主人公が重なることはない。つまり、第1のボックス画像Baと主人公が所定の位置関係となるタイミングで演出用ボタンBTが第2操作態様で操作されたときに限り、コインの累積枚数が増加することになる。
図6(a),(b)に示すように、第2のボックス画像Bbは下ルートARに沿って移動して表示されるため、第2動作態様で演出用ボタンBTが操作されてジャンプルートJRを辿って通過するように主人公が表示されれば、第2のボックス画像Bbと主人公が重ならない場合がある。このため、第2のボックス画像Bbが下ルートARに沿って移動して表示されても、第2操作態様で演出用ボタンBTが操作されれば、当該第2のボックス画像Bbと主人公が重ならず、コインの累積枚数が維持される。
一方、図6(c),(d)に示すように、第2のボックス画像Bbが下ルートARに沿って移動して表示された際、第2操作態様で演出用ボタンBTが操作されなければ、第2のボックス画像Bbと主人公が重なることになる。そして、第2のボックス画像Bbと主人公が重なると、主人公がコインを喪失する演出が行われるとともに、主人公が喪失するコインの枚数が数的に表示される。これにより、コインの累積枚数が減少することで、色が変化するメータ領域の数が減少し得る。
因みに、第2のボックス画像Bbが下ルートARに沿って移動して表示されるときに演出用ボタンBTを第2操作態様で操作しても、当該操作のタイミングが、第2のボックス画像Bbと主人公が所定の位置関係となるタイミングでなければ、第2のボックス画像Bbと主人公が重なることを回避できない。つまり、第2のボックス画像Bbと主人公が所定の位置関係となるタイミングで演出用ボタンBTが第2操作態様で操作されたときに限り、コインの累積枚数が減少することを回避できる。
なお、第1のボックス画像Baと主人公が重なるときに主人公が獲得し得るコインの枚数は、「1枚」、「2枚」、「5枚」及び「10枚」のうち何れかの枚数としており、当該枚数は抽選によって決定される。また、第2のボックス画像Bbと主人公が重なるときに主人公が喪失し得るコインの枚数は、「3枚」、「5枚」及び「10枚」のうち何れかの枚数としており、当該枚数は抽選によって決定される。
ここで、チャンス期間において、演出制御用CPU31aが行う制御について説明する。
チャンス期間中、演出制御用CPU31aは、背景画像HGを演出表示装置11の右側から左側へ移動して表示させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。また、チャンス期間中、演出制御用CPU31aは、主人公画像Paを表示させるとともに、各種動作を伴わせて主人公画像Paで示す主人公を表示させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。
また、演出制御用CPU31aは、第1のボックス画像Baや第2のボックス画像Bbを表示させるか否かを抽選で決定する。また、演出制御用CPU31aは、第1のボックス画像Baを表示させる際、当該第1のボックス画像Baと主人公が重ねて表示された際に主人公が獲得するコインの枚数を決定する。また、演出制御用CPU31aは、第2のボックス画像Bbを表示させる際、当該第2のボックス画像Bbと主人公が重ねて表示された際に主人公が喪失するコインの枚数を決定する。
演出制御用CPU31aは、高確率抽選状態が生起されていない場合、主人公が獲得するコインが「100枚」に到達しないように、主人公が獲得又は喪失するコインの枚数を決定する。
なお、演出制御用CPU31aは、高確率抽選状態が生起されていない場合であって、コインの累積枚数が「99枚」である場合、第1のボックス画像Baを表示させることを決定しない。また、演出制御用CPU31aは、コインの累積枚数が「0枚」である場合、第2のボックス画像Bbを表示させることを決定しない。また、演出制御用CPU31aは、高確率抽選状態が生起されている場合であって、コインの累積枚数が「100枚」に到達している場合には、各ボックス画像Ba,Bbを表示させることを決定しない。
また、演出制御用CPU31aは、演出用ボタンBTの操作が演出制御を行う上で有効な操作とされる有効期間を設定する。演出制御用CPU31aは、チャンス期間中、図柄変動ゲームの開始から当該図柄変動ゲームの終了直前まで、有効期間を設定する。本実施形態において、有効期間を設定する演出制御用CPU31aが、有効期間設定手段として機能する。
また、演出制御用CPU31aは、有効期間の設定中の演出用ボタンBTの操作に基づき、当該演出用ボタンBTの操作態様を特定する。以下、演出用ボタンBTの操作態様を特定するための制御について説明する。
演出制御用RAM31cには、時間計測に用いられる第1タイマ値及び第2タイマ値が記憶されている。演出制御用RAM31cは、各タイマ値が演出制御用CPU31aによって所定周期毎に更新されることによって、時間計測を行う。以下の説明においては、第1タイマ値が更新されることによって時間計測を行う演出制御用RAM31cを「第1タイマ」といい、第2タイマ値が更新されることによって時間計測を行う演出制御用RAM31cを「第2タイマ」という。
第1タイマ及び第2タイマによる時間計測は、各タイマに規定されたタイマ作動条件の成立に応じて、演出制御用CPU31aが制御する。
演出制御用CPU31aは、第1タイマにおける計測開始条件の成立を契機に、第1タイマによる時間計測を開始させる。そして、演出制御用CPU31aは、第1タイマにおける計測終了条件の成立を契機に、第1タイマによる時間計測を終了させる。
図7に示すように、第1タイマにおける計測開始条件は、第1タイマが時間計測中でないときの演出用ボタンBTの操作開始に基づき成立する。また、第1タイマにおける計測終了条件は、第2タイマによって第2時間の時間計測が行われたことに基づき成立する。
また、演出制御用CPU31aは、第2タイマにおける計測開始条件の成立を契機に、第2タイマによる時間計測を開始させる。そして、演出制御用CPU31aは、第2タイマにおける計測終了条件の成立を契機に、第2タイマによる時間計測を終了させる。
図7に示すように、第2タイマにおける計測開始条件は、演出用ボタンBTの操作が終了したことに基づき成立する。また、第2タイマにおける計測終了条件は、第2タイマによって第2時間の時間計測が行われたこと、又は第2時間の時間計測よりも前に演出用ボタンBTが再操作されたことに基づき成立する。
そして、演出制御用CPU31aは、第1タイマ及び第2タイマによる時間計測に基づき、演出用ボタンBTの操作態様を特定する。
図8に示すように、演出制御用CPU31aは、第2タイマにより第2時間の時間計測が行われるよりも前に、第1タイマにより第1時間の時間計測を行われた場合、演出用ボタンBTが第1操作態様で操作されたことを特定する。そして、第1操作態様で演出用ボタンBTが操作されたことを特定すると、演出制御用CPU31aは、第1操作態様に対応する演出制御を行う。
また、演出制御用CPU31aは、第1タイマにより第1時間の時間計測が行われるよりも前に、第2タイマにより第2時間の時間計測が行われた場合、演出用ボタンBTが第2操作態様で操作されたことを特定する。そして、第2操作態様で演出用ボタンBTが操作されたことを特定すると、演出制御用CPU31aは、第2操作態様に対応する演出制御を行う。
また、演出制御用CPU31aは、演出用ボタンBTが操作されない場合、操作なしに対応する演出制御を行う。なお、操作なしに対応する演出制御が行われた場合、演出表示装置11や、スピーカSp、装飾ランプLaでは演出が行われない。
本実施形態において、第1タイマにおける計測開始条件が第1計測開始条件に相当し、第1タイマにおける計測終了条件が第1計測終了条件に相当する。そして、本実施形態において、第1タイマ値を記憶し、第1タイマにおける計測開始条件が成立してから第1タイマにおける計測終了条件が成立するまでの時間を計測する演出制御用RAM31c(第1タイマ)が、第1計測手段として機能する。また、本実施形態において、第2タイマにおける計測開始条件が第2計測開始条件に相当し、第2タイマにおける計測終了条件が第2計測終了条件に相当する。そして、本実施形態において、第2タイマ値を記憶し、第2タイマにおける計測開始条件が成立してから第2タイマにおける計測終了条件が成立するまでの時間を計測する演出制御用RAM31c(第2タイマ)が、第2計測手段として機能する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1時間として、第2時間よりも長い時間を定めている。また、パチンコ遊技機10では、第1時間として、第2操作態様でなく第1操作態様で遊技者が意図的に演出用ボタンBTを操作していることが判別できる時間を定めている。また、パチンコ遊技機10では、第2時間として、第1操作態様でなく第2操作態様で遊技者が意図的に演出用ボタンBTを操作していることが判別できる時間を定めている。また、パチンコ遊技機10では、第2時間として、一時的に演出用ボタンBTからの操作信号が途切れたとしても演出用ボタンBTの操作を継続していたものと許容する時間を定めている。また、パチンコ遊技機10では、第2時間として、意図的に遊技者が演出用ボタンBTの操作を終了したと判別できる時間よりも短い時間を定めている。
次に、第1操作態様に対応する演出制御について説明する。
第1操作態様に対応する演出制御において演出制御用CPU31aは、ボイス演出の演出内容を決定する。ボイス演出の演出内容には、演出内容BE1〜BE10の計10種類の演出内容がある。
演出制御用CPU31aは、ボイス演出の演出内容を決定する際、実行中の図柄変動ゲームが大当りとなるか否かに応じて、異なる種類の演出内容決定テーブルを用いる。具体的に、演出制御用CPU31aは、大当り演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームの実行中、演出内容決定テーブルET11又は演出内容決定テーブルET21を用いて、ボイス演出の演出内容を決定する。一方、演出制御用CPU31aは、はずれ演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームの実行中、演出内容決定テーブルET12又は演出内容決定テーブルET22を用いて、ボイス演出の演出内容を決定する。
更に、演出制御用CPU31aは、コインの累積枚数に応じて、異なる種類の演出内容決定テーブルを用いてボイス演出の演出内容を決定する。具体的に、大当り演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームの実行中、演出制御用CPU31aは、コインの累積枚数が規定枚数未満であれば演出内容決定テーブルET11を用いてボイス演出の演出内容を決定する。一方、大当り演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームの実行中、演出制御用CPU31aは、コインの累積枚数が規定枚数以上であれば演出内容決定テーブルET21を用いてボイス演出の演出内容を決定する。また、はずれ演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームの実行中、演出制御用CPU31aは、コインの累積枚数が規定枚数未満であれば演出内容決定テーブルET12を用いてボイス演出の演出内容を決定する。一方、はずれ演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームの実行中、演出制御用CPU31aは、コインの累積枚数が規定枚数以上であれば演出内容決定テーブルET22を用いてボイス演出の演出内容を決定する。
図9(a)〜(d)に示すように、各演出内容決定テーブルET11,ET12,ET21,ET22には、ボイス演出の演出内容を決定する際に用いる演出内容決定用乱数の取り得る値が、演出内容毎に振り分けられている。本実施形態において演出内容決定用乱数が取り得る値は「0〜300」としており、これら301個の値が各演出内容決定テーブルET11,ET12,ET21,ET22にて、演出内容毎に振り分けられている。
ここで、各演出内容決定テーブルET11,ET12,ET21,ET22について説明する。
図9(a),(c)に示すように、演出内容決定テーブルET11,ET21では、演出内容BE10が決定され得るように「1個以上」の値が振り分けられている。一方、図9(b),(d)に示すように、演出内容決定テーブルET12,ET22では、演出内容BE10が決定され得ないように「1個以上」の値が振り分けられていない。したがって、ボイス演出が演出内容BE10で行われた際には、実行中の図柄変動ゲームが大当りとなることを特定できる。
また、図9(a)〜(d)に示すように、演出内容BE1〜BE9は、全ての演出内容決定テーブルET11,ET12,ET21,ET22にて決定される可能性のあるボイス演出の演出内容である。演出内容BE1〜BE9の中でも演出内容BE8,BE9は、演出内容決定テーブルET11を用いた方が演出内容決定テーブルET12を用いるよりもボイス演出の演出内容として決定され易く、演出内容決定テーブルET21を用いる方が演出内容決定テーブルET22を用いるよりもボイス演出の演出内容として決定され易くなっている。すなわち、演出内容BE8,BE9は、コインの累積枚数に関係なく、実行中の図柄変動ゲームがはずれとなるときよりも大当りとなるときに実行され易いボイス演出の演出内容となる。したがって、コインの累積枚数が規定枚数以上であるか否かに関係なく、演出内容BE8,BE9の何れかでボイス演出が行われた場合、実行中の図柄変動ゲームが大当りとなることへの期待度(大当り期待度)が高いことを特定できる。
また、図9(a),(b)に示すように、コインの累積枚数が規定枚数未満であるとき、演出内容BE1〜BE7は、演出内容決定テーブルET11,ET12の何れを用いた場合であっても略同一確率で決定されるボイス演出の演出内容となる。したがって、演出内容BE1〜BE7のうち何れかの演出内容でボイス演出が行われた際には、実行中の図柄変動ゲームが大当りとなることへの期待度が高いか否かについて特定できない。
一方、図9(c),(d)に示すように、コインの累積枚数が規定枚数以上であるとき、演出内容BE1〜BE7は、演出内容決定テーブルET22を用いたときの方が、演出内容決定テーブルET21を用いたときよりもボイス演出の演出内容として決定され易い演出内容となる。したがって、主人公が獲得しているコインの累積枚数が規定枚数以上であることを特定できたとき、演出内容BE1〜BE7の何れかの演出内容でボイス演出が行われた際には、実行中の図柄変動ゲームが大当りとなることへの期待度が低いことを特定できる。但し、コインの累積枚数が規定枚数以上であって、実行中の図柄変動ゲームが大当りとなる場合でも、演出内容BE1〜BE7のうち何れかの演出内容が決定される確率の方が、演出内容BE8〜BE10のうち何れかの演出内容が決定される確率よりも高い。このため、コインの累積枚数が規定枚数以上であるときに、演出内容BE1〜BE7のうち何れかの演出内容でボイス演出が実行されたからといって、実行中の図柄変動ゲームが大当りとならないことを断定できない。
また、演出制御用CPU31aは、演出内容決定テーブルを用いてボイス演出の演出内容を決定すると、当該決定した演出内容のボイス演出を実行するようにスピーカSpの音声出力態様を制御し、第1操作態様に対応する演出制御を終了する。
次に、第2操作態様に対応する演出制御について説明する。
第2操作態様に対応する演出制御において演出制御用CPU31aは、主人公がジャンプルートJRを辿って通過するように、主人公がジャンプする演出を行うように演出表示装置11の表示内容を制御する。
このように、第1演出態様で演出用ボタンBTが操作された際に行われるボイス演出と、第2演出態様で演出用ボタンBTが操作された際に行われる主人公がジャンプする演出が、遊技演出に相当する。そして、本実施形態において、上記遊技演出を実行するスピーカSpと演出表示装置11が、演出実行手段として機能する。更に、本実施形態において、上記遊技演出の実行を制御する演出制御用CPU31aが、演出制御手段として機能する。
次に、メータMの表示態様にかかる制御について、説明する。
演出制御用CPU31aは、主人公と第1のボックス画像Baを重ねて表示させた場合、当該第1のボックス画像Baとともに決定した主人公が獲得するコインの枚数を数的に表示させるとともに、当該枚数に基づきコインの累積枚数を増加させる。また、演出制御用CPU31aは、主人公と第2のボックス画像Bbを重ねて表示させた場合、当該第2のボックス画像Bbとともに決定した主人公が喪失するコインの枚数を数的に表示させるとともに、当該枚数に基づきコインの累積枚数を減少させる。
そして、演出制御用CPU31aは、コインの累積枚数に応じて、メータMを構成するメータ領域の色の変化を制御する。例えば、主人公が獲得しているコインの累積枚数が「33枚」であるとき、演出制御用CPU31aは、メータ領域M1,M2の色を変化させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。
また、大当り遊技が生起された場合、演出制御用CPU31aは、当該大当り遊技の生起前までのコインの累積枚数をリセットし、大当り遊技終了後のコインの累積枚数を「0枚」に戻す。
本実施形態において、実行中の図柄変動ゲームが大当り抽選に当選しているか否かを示す情報となる変動パターン指定コマンドが、第1情報に相当する。実行中の図柄変動ゲームが大当り抽選に当選しているか否かを特定することは、遊技者にとって、実行中の図柄変動ゲームがはずれとなることへの不安を解消するための有益な情報となる。また、本実施形態において、高確率抽選状態が生起されているか否かを示す情報となる副高確フラグに設定される情報が、第2情報に相当する。高確率抽選状態が生起されていることを特定することは、遊技者にとって、高確率抽選状態が生起されていないことへの不安を解消するための有益な情報となる。
また、本実施形態において、主人公がボックス画像と重なって表示されることにより、コインを獲得又は喪失する演出が演出要素に相当する。そして、本実施形態において、獲得したコインの累積枚数が累積結果に相当し、当該累積結果を報知する演出表示装置11が、累積報知手段として機能する。また、本実施形態において、主人公がコインを獲得する演出がコインの累積枚数を増加させる増加用の演出要素に相当し、主人公がコインを喪失する演出がコインの累積枚数を減少させる減少用の演出要素に相当する。
ここで、図10(a)〜(c)に基づき、演出用ボタンBTの操作に応じた第1タイマと第2タイマの時間計測について、説明する。なお、図面では、第1タイマや第2タイマが時間計測を行っているときを「作動」と示し、第1タイマや第2タイマが時間計測を行っていないときを「非作動」と示す。
図10(a)では、演出制御用CPU31aが、第2操作態様で演出用ボタンBTが操作されていると特定するまでの第1タイマ及び第2タイマの時間計測を示している。タイミングj11にて演出用ボタンBTの操作が開始されると、第1タイマは、時間計測を開始する。その後、第1時間よりも短い時間T11の経過したタイミングj12にて、演出用ボタンBTの操作が終了したとする。但し、タイミングj12では、第1タイマの計測終了条件は成立しないため、第1タイマの時間計測が継続される。また、タイミングj12において演出用ボタンBTの操作が終了すると、第2タイマは、時間計測を開始する。
そして、第1タイマの時間計測が開始してから第1時間が経過するよりも前に、第2タイマの時間計測が開始してから当該第2タイマにより第2時間(図面では、時間T12)の計測が行われるタイミングj13では、第1タイマ及び第2タイマによる時間計測が終了する。それとともに、タイミングj13にて第2操作態様に対応する演出制御が行われる。因みに、第1タイマの時間計測が開始してから第1時間が経過するよりも前に第2タイマによる第2時間の計測が行われるため、第1タイマの時間計測が開始してから第2タイマによって第2時間が計測されるまでの時間T13は、第1時間未満の時間である。
また、図10(b)では、演出制御用CPU31aが、第1操作態様で演出用ボタンBTが操作されていると特定するまでの第1タイマ及び第2タイマの時間計測を示している。タイミングj21にて演出用ボタンBTの操作が開始されると、第1タイマは、時間計測を開始する。その後、演出用ボタンBTが操作され続けたまま第1時間(図面では、時間T21)が経過するタイミングj22では、第1タイマにより第1時間が計測されるため、第1操作態様に対応する演出制御が行われる。
その後、演出用ボタンBTの操作が開始されてから時間T22が経過するタイミングj23にて演出用ボタンBTの操作が終了すると、第2タイマは、時間計測を開始する。そして、第2タイマの時間計測が開始してから第2時間(図面では、時間T23)が経過するタイミングj24にて、第1タイマ及び第2タイマの時間計測が終了する。このとき、第1タイマによって既に第1時間の計測が行われているため、第2タイマが第2時間を計測しても第1操作態様に対応する演出制御は行われない。
また、図10(c)では、演出制御用CPU31aが、演出用ボタンBTの操作が一時的に途切れた場合であっても、第1操作態様で演出用ボタンBTが操作されていると特定するまでの第1タイマ及び第2タイマの時間計測を示している。タイミングj31にて演出用ボタンBTの操作が開始されると、第1タイマは、時間計測を開始する。その後、第1時間よりも短い時間T31の経過したタイミングj32にて、演出用ボタンBTの操作が終了したとする。但し、タイミングj32では、第1タイマの計測終了条件は成立しないため、第1タイマの時間計測が継続される。また、タイミングj32において演出用ボタンBTの操作が終了すると、第2タイマは、時間計測を開始する。更に、第2タイマが時間計測を開始してから第2時間よりも短いT32が経過するタイミングj33にて再び演出用ボタンBTの操作が開始されると、第2タイマは、時間計測を終了する。
また、タイミングj31から第1タイマによる時間計測が開始されてから第1時間(図面では、時間T33)が経過するタイミングj34では、第1タイマにより第1時間が計測されるため、第1操作態様に対応する演出制御が行われる。
その後、演出用ボタンBTの操作が開始されてから時間T34が経過するタイミングj35にて演出用ボタンBTの操作が終了すると、第2タイマは、時間計測を開始する。そして、第2タイマの時間計測が開始してから第2時間(図面では、時間T35)が経過するタイミングj36にて、第1タイマ及び第2タイマの時間計測が終了する。このとき、第1タイマによって既に第1時間の計測が行われているため、第2タイマが第2時間を計測しても第1操作態様に対応する演出制御は行われない。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)継続的に演出用ボタンBT(操作手段)が第1時間以上操作された場合、第1操作態様に応じた演出制御が行われる。一方、演出用ボタンBTが第2時間よりも長い間隔を空けて操作された場合や、演出用ボタンBTが第1時間未満だけ1回操作された場合、第2操作態様に応じた演出制御が行われる。このように、演出用ボタンBTの操作態様に応じた演出制御が行われることにより、どのように演出用ボタンBTを操作しようか選択する楽しみを与えることができる。それとともに、演出用ボタンBTの操作態様の違いによって異なる演出制御による遊技演出の実行を楽しませることができ、興趣を向上させることもできる。
(2)演出用ボタンBT(操作手段)を同じように継続的に操作している場合であっても、遊技者による操作方法等を要因として、一時的に操作信号(電気信号)が途切れる場合が想定される。この場合、一時的に演出用ボタンBTの操作が終了したかのように判断されてしまう可能性が考えられる。しかし、操作信号が途切れる時間が第2時間未満であれば、第1タイマ(第1計測手段)による時間計測が継続されることにより、演出用ボタンBTが操作されているときと同じように判断されることから、一時的な操作信号の途切れ(欠落)が発生しても、遊技者による演出用ボタンBTの操作態様に応じた演出制御が行われる。したがって、遊技者が実行させようと意図していない演出制御によって主人公がジャンプする演出やボイス演出等の遊技演出が実行され、興趣を低下させてしまうような場面を抑制することができる。
(3)演出用ボタンBT(操作手段)の操作態様によって、主人公がジャンプする演出やボイス演出等の遊技演出にて示唆される情報が異なる。このため、遊技者は、どのような情報を示唆する内容で遊技演出を実行させたいかを考慮して、演出用ボタンBTを操作する。このように、遊技演出の内容を考慮して演出用ボタンBTの操作態様を変化させる楽しみを与えることができる。
(4)主人公がジャンプする演出やボイス演出等の遊技演出にて示唆される情報は、大当り期待度を示す情報及び高確期待度を示す情報のうち何れか一方であって、各遊技演出で示唆される情報を異なる情報とした。これにより、大当り期待度と高確期待度のうち何れを知りたいかによって、演出用ボタンBTの操作態様を変化させる楽しみを与えることができる。
(5)コインを何度も獲得することによって、コインの累積枚数(累積結果)が高確期待度を示す結果に近づく。このため、第2操作態様のように短い時間だけ演出用ボタンBT(操作手段)を操作する場合でも、当該操作を何度も行わせて遊技者を楽しませることができる。
また、コインの累積枚数を増加させるためには、主人公と第1のボックス画像が所定の位置関係となるタイミングで演出用ボタンBTを第2操作態様で操作する必要がある。このため、単に第2操作態様で演出用ボタンBTを操作するだけよりも、遊技者を楽しませることができる。
(6)同じ有効期間における演出用ボタンBT(操作手段)の操作態様の違いによって、実行される遊技演出の内容が異なる。このため、同じ有効期間内に第1操作態様と第2操作態様のうち何れの操作態様で演出用ボタンBTを操作するかについて選択する楽しみを遊技者に与えることができる。
(7)コインの累積枚数は増減するため、演出用ボタンBT(操作手段)を操作することでコインの累積枚数が単純に増加するよりも、面白味があり、遊技者を楽しませることができる。
(8)コインの累積枚数が規定枚数に到達すると、演出用ボタンBT(操作手段)を操作しない可能性が考えられる。しかし、演出用ボタンBTを操作しない場合に主人公が通過する下ルートAR上に、コインを喪失する可能性がある第2のボックス画像Bbが表示されるように構成した。これにより、コインの累積枚数が減少されることを回避するためには、主人公と第2のボックス画像Bbが所定の位置関係となった際に演出用ボタンBTを操作しなければならない。これにより、コインの累積枚数が規定枚数に到達した後も、演出用ボタンBTを操作することへの意欲を高く維持させることができる。
(9)ボイス演出が大当り期待度を特定可能な演出内容で実行される確率は、コインの累積枚数が増加するほど高くなる。このため、演出用ボタンBT(操作手段)を操作することでコインの累積枚数が増加すれば、ボイス演出の演出内容から遊技状態を推測できる可能性が高くなる。これにより、演出用ボタンBTを第1操作態様で操作することに加えて、演出用ボタンBTを第2操作態様で操作することへの意欲も高めることができる。また、コインの累積枚数と、ボイス演出の演出内容の選択率と、が絡み合うことにより、演出用ボタンBTの操作を更に楽しませることができる。
(10)主人公と第1のボックス画像Baが所定の位置関係となる期間中に第2操作態様で演出用ボタンBT(操作手段)が操作された際に行われる演出は、表示演出を実行する表示手段としての演出表示装置11にて行われる。一方、第1操作態様で演出用ボタンBTが操作された際に行われる演出は、音声演出を実行する音声出力手段としてのスピーカSpにて行われる。
複数の遊技機が設置されているような遊技場において、スピーカSpによって行われる演出は、自らが遊技を行っている遊技機から音声出力されたものであるか否かを認識し難い。その一方で、演出表示装置11にて行われる演出は、自らが遊技を行っている遊技機にて行われたものであるか否かを確実に認識できる。つまり、主人公と第1のボックス画像Baが所定の位置関係となる期間中にタイミングよく演出用ボタンBTを第2操作態様で操作した場合には、演出用ボタンBTを第1操作態様で操作した場合よりも認識し易い態様で演出が行われる。このため、主人公がコインを獲得する演出を実行させるための演出用ボタンBTの操作態様の難易度が高くても、意欲的に演出用ボタンBTを操作させることができる。
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態において、主人公がジャンプする演出やボイス演出などの遊技演出は、遊技者にとって有益な情報を示唆する内容で行わなくてもよい。
・上記実施形態において、第1操作態様で演出用ボタンBTが操作された際には、高確率抽選状態が生起されていることへの期待度(高確期待度)を示唆する内容で遊技演出が行われるように構成する。一方、第2操作態様で演出用ボタンBTが操作された際には、実行中の図柄変動ゲームが大当りとなることへの期待度(大当り期待度)を示唆する内容で遊技演出が行われるように構成してもよい。
・上記実施形態において、第1操作態様で演出用ボタンBTが操作された際に実行される遊技演出(上記実施形態では、ボイス演出)と、第2操作態様で演出用ボタンBTが操作された際に実行される遊技演出(上記実施形態では、主人公がジャンプする演出)と、を入れ替えてもよい。
・上記実施形態において、第1時間と第2時間を変更してもよい。例えば、第1時間を有効期間の半分以上の時間とし、第2時間を有効期間の半分未満の時間としてもよい。このように各時間を設定する場合、第1操作態様に対応する演出制御が行われる回数は、1回の有効期間において最大1回となる。一方、第2操作態様に対応する演出制御が行われる回数は、1回の有効期間において2回以上となる。このように、1回の有効期間内において、操作態様に対応する演出制御が行われる回数を操作態様の種類によって異ならせることができる。これにより、操作態様の種類と、1回の有効期間中に各操作態様による演出用ボタンBTの操作を行うことが可能な回数と、に応じた遊技演出の設計を行うことで、遊技者を更に楽しませることができる。
・上記実施形態において、演出用ボタンBTの操作が終了した後の時間を計測しなくてもよい。例えば、演出用ボタンBTが継続して操作された時間(長押し時間)を、操作時間計測手段となるタイマによって計測する。そして、タイマによって計測された時間が規定時間を超えた場合には第1操作態様に応じた演出制御が行われる一方、タイマによって計測された時間が規定時間を超えなかった場合には第2操作態様に応じた演出制御が行われるように構成してもよい。このように構成する場合であっても、演出用ボタンBTの操作態様に応じた演出制御が行われることにより、遊技者に、どのように演出用ボタンBTを操作しようか考える楽しみを与えることができる。それとともに、操作手段の操作態様の違いによって異なる演出制御による遊技演出の実行を楽しませることができ、興趣を向上させることができる。
・上記実施形態において、第1操作態様に応じた演出制御によって実行される遊技演出(ボイス演出)や、第2操作態様に応じた演出制御によって実行される遊技演出(遊技者がジャンプする演出)を変更してもよい。例えば、単一の遊技演出において、第1操作態様と第2操作態様のうち何れで演出用ボタンBTが操作されたかに応じて、前記遊技演出が展開される態様を異ならせるように構成してもよい。例えば、上記単一の遊技演出を、容器に水が蓄積される内容の表示演出とする。このとき、第1操作態様で演出用ボタンBTが操作された際には、水が容器に滑らかに蓄積される態様で展開する。一方で、第2操作態様で演出用ボタンBTが操作される際には、第2操作態様で演出用ボタンBTが操作される毎に、水が容器に段階的に蓄積される態様で展開する。このように、単一の遊技演出であっても、第1操作態様と第2操作態様のうち何れで演出用ボタンBTが操作されたかによって遊技演出が展開される態様を異ならせても、操作手段の操作態様の違いによって異なる演出制御による遊技演出の実行を楽しませることができ、興趣を向上させることができる。
・上記実施形態において、第1操作態様に応じた演出制御が行われた際には、演出表示装置11やスピーカSp、装飾ランプLaにて演出が実行されないように構成してもよい。同様に、第2操作態様に応じた演出制御が行われた際には、演出表示装置11やスピーカSp、装飾ランプLaにて演出が実行されないように構成してもよい。
・上記実施形態において、1回の有効期間中に、第1操作態様に対応する演出制御及び第2操作態様に対応する演出制御のうち何れか一方の演出制御が行われた後は、各種の演出制御を行わないように構成してもよい。このように構成する場合、1回の有効期間中に、第1操作態様に対応する演出制御と第2操作態様に対応する演出制御のうち何れか一方の演出制御のみが行われることになるため、より慎重に吟味して演出用ボタンBTの操作態様を選択させることができる。
・上記実施形態において、規定枚数は「75枚」でなくても、「1枚」や「50枚」、「99枚」であってもよい。
・上記実施形態において、コインの累積枚数に応じて、ボイス演出の演出内容の決定態様を異ならせなくてもよい。
・上記実施形態において、演出用ボタンBTの各操作態様に応じた演出制御の実行に伴い、演出用ボタンBTの操作を有効としない無効期間を設定するように構成してもよい。
・上記実施形態において、コインの累積枚数によって高確率抽選状態が生起されていることを遊技者に報知不可能に構成してもよい。
・上記実施形態において、コインの累積枚数は減少し得ないように構成してもよい。
・上記実施形態において、コインを獲得する際には獲得したコインの枚数を数字で表示しなくても、獲得するコインの枚数だけコインを示す画像を表示させることで獲得するコインの枚数を数的に表示させてもよい。同様に、コインを喪失する際には喪失したコインの枚数を数字で表示しなくても、喪失したコインの枚数だけコインの画像を落とすように表示させることで喪失するコインの枚数を数的に表示させてもよい。
・上記実施形態において、コインの累積枚数を数字で表示してもよい。
・上記実施形態において、高確率抽選状態の終了条件として、図柄変動ゲームの実行回数によって成立する終了条件を追加してもよい。例えば、大当り遊技終了後に高確率抽選状態が生起されるとき、当該大当り遊技終了後から大当り抽選に当選することなく予め決められた確率向上回数の図柄変動ゲームの実行が終了したことを契機に、高確率抽選状態の終了条件が成立するように構成してもよい。確率向上回数は、入球率向上回数と同一回数であってもよいし、入球率向上回数よりも少ない回数又は多い回数であってもよい。
・上記実施形態において、大当りの種類を変更してもよい。例えば、大当り遊技における大入賞装置20の開放状態及び閉鎖状態の態様を異ならせた大当りを複数種類備えてもよい。
・上記実施形態において、演出表示装置11、装飾ランプLa及びスピーカSpをそれぞれ専用のCPUによって制御するように構成してもよい。このとき、各CPUは、単一の制御基板上に設けてもよいし、異なる制御基板上に設けてもよい。また、各CPUを設けることに伴い、各CPUがそれぞれ管理するROMやRAMを設けてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記操作手段の操作が前記演出制御を行う上で有効な操作とされる有効期間を設定する有効期間設定手段を備え、前記演出制御手段は、同一の有効期間中の前記操作手段の操作態様に基づき、前記第1操作態様に応じた演出制御又は前記第2操作態様に応じた演出制御を行うことが可能であることを特徴とする遊技機。
(ロ)前記第1操作態様は、前記操作手段の長押し操作態様であって、前記第2操作態様は、前記操作手段の非長押し操作態様であることを特徴とする遊技機。
(ハ)前記操作手段の操作が前記演出制御を行う上で有効な操作とされる有効期間を設定する有効期間設定手段を備え、前記第1時間は、前記有効期間の半分の時間以上の時間であって、前記第2時間は、前記有効期間の半分の時間未満の時間であることを特徴とする遊技機。
(ニ)前記第1操作態様及び前記第2操作態様は、前記操作手段の操作種別として異なる操作種別に分類される操作態様であることを特徴とする遊技機。
(ホ)前記演出要素は数的に導出され、前記累積報知手段は、数的に導出された演出要素の累計を前記累積結果として報知し、前記演出要素には、前記累積結果を増加させる増加用の演出要素と、前記累積結果を減少させる減少用の演出要素と、が含まれることを特徴とする遊技機。
(ヘ)前記第2操作態様に応じた演出制御が行われない場合には、前記減少用の演出要素が導出されることを特徴とする遊技機。
(ト)前記演出制御手段は、前記累積結果が増加するほど、前記第1操作態様に応じた演出制御によって実行される遊技演出の演出内容を、前記情報を特定可能な演出内容とし易いことを特徴とする遊技機。
(チ)前記演出実行手段には、音声演出を実行する音声出力手段と、表示演出を実行する表示手段と、が含まれ、前記演出制御手段は、前記第1操作態様に応じた演出制御を行う場合には前記音声出力手段に前記遊技演出を実行させ、前記第2操作態様に応じた演出制御を行う場合には前記表示手段に前記遊技演出を実行させることを特徴とする遊技機。