本発明を実施するための実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下では、携帯電子機器の例として、スマートフォンについて説明する。
(実施形態)
図1から図3を参照しながら、実施形態に係るスマートフォン1の全体的な構成について説明する。図1から図3に示すように、スマートフォン1は、ハウジング20を有する。ハウジング20は、フロントフェイス1Aと、バックフェイス1Bと、サイドフェイス1C1〜1C4とを有する。フロントフェイス1Aは、ハウジング20の正面である。バックフェイス1Bは、ハウジング20の背面である。サイドフェイス1C1〜1C4は、フロントフェイス1Aとバックフェイス1Bとを接続する側面である。以下では、サイドフェイス1C1〜1C4を、どの面であるかを特定することなく、サイドフェイス1Cと総称することがある。
スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2と、ボタン3A〜3Cと、照度センサ4と、近接センサ5と、レシーバ7と、マイク8と、カメラ12とをフロントフェイス1Aに有する。スマートフォン1は、スピーカ11と、カメラ13とをバックフェイス1Bに有する。スマートフォン1は、ボタン3D〜3Fと、コネクタ14とをサイドフェイス1Cに有する。以下では、ボタン3A〜3Fを、どのボタンであるかを特定することなく、ボタン3と総称することがある。
タッチスクリーンディスプレイ2は、ディスプレイ2Aと、タッチスクリーン2Bとを有する。図1の例では、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bはそれぞれ略長方形状であるが、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bの形状はこれに限定されない。ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bは、それぞれが正方形又は円形等のどのような形状もとりうる。図1の例では、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bは重ねて配置されているが、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bの配置はこれに限定されない。ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bは、例えば、並べて配置されてもよいし、離して配置されてもよい。図1の例では、ディスプレイ2Aの長辺はタッチスクリーン2Bの長辺に沿っており、ディスプレイ2Aの短辺はタッチスクリーン2Bの短辺に沿っているが、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bの重ね方はこれに限定されない。ディスプレイ2Aとタッチスクリーン2Bとが重ねて配置される場合、例えば、ディスプレイ2Aの1ないし複数の辺がタッチスクリーン2Bのいずれの辺とも沿っていなくてもよい。
ディスプレイ2Aは、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro−Luminescence Display)、又は無機ELディスプレイ(IELD:Inorganic Electro−Luminescence Display)等の表示デバイスを備える。ディスプレイ2Aは、文字、画像、記号、及び図形等を表示する。
タッチスクリーン2Bは、タッチスクリーン2Bに対する指、ペン、又はスタイラスペン等の接触を検出する。タッチスクリーン2Bは、複数の指、ペン、又はスタイラスペン等がタッチスクリーン2Bに接触した位置を検出することができる。以下の説明では、タッチスクリーン2Bに対して接触する指、ペン、又はスタイラスペン等を、「接触オブジェクト」又は「接触物」と呼ぶことがある。
タッチスクリーン2Bの検出方式は、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式(又は超音波方式)、赤外線方式、電磁誘導方式、及び荷重検出方式等の任意の方式でよい。以下の説明では、説明を簡単にするため、利用者はスマートフォン1を操作するために指を用いてタッチスクリーン2Bに接触するものと想定する。
スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bにより検出された接触、接触が検出された位置、接触が検出された位置の変化、接触が検出された間隔、及び接触が検出された回数の少なくとも1つに基づいてジェスチャの種別を判別する。ジェスチャは、タッチスクリーン2Bに対して行われる操作である。スマートフォン1によって判別されるジェスチャは、例えば、タッチ、ロングタッチ、リリース、スワイプ、タップ、及びダブルタップを含むがこれらに限定されない。
「タッチ」は、タッチスクリーン2Bに指が触れるジェスチャである。スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bに指が接触するジェスチャをタッチとして判別する。「ロングタッチ」は、タッチスクリーン2Bに指が一定時間より長く触れるジェスチャである。スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bに指が一定時間より長く接触するジェスチャをロングタッチとして判別する。
「リリース」は、指がタッチスクリーン2Bから離れるジェスチャである。スマートフォン1は、指がタッチスクリーン2Bから離れるジェスチャをリリースとして判別する。「スワイプ」は、指がタッチスクリーン2Bに接触したままで移動するジェスチャである。スマートフォン1は、指がタッチスクリーン2Bに接触したままで移動するジェスチャをスワイプとして判別する。
「タップ」は、タッチに続いてリリースをするジェスチャである。スマートフォン1は、タッチに続いてリリースをするジェスチャをタップとして判別する。「ダブルタップ」は、タッチに続いてリリースをするジェスチャが2回連続するジェスチャである。スマートフォン1は、タッチに続いてリリースをするジェスチャが2回連続するジェスチャをダブルタップとして判別する。
「ロングタップ」は、ロングタッチに続いてリリースをするジェスチャである。スマートフォン1は、ロングタッチに続いてリリースをするジェスチャをロングタップとして判別する。「ドラッグ」は、移動可能なオブジェクトが表示されている領域を始点としてスワイプをするジェスチャである。スマートフォン1は、移動可能なオブジェクトが表示されている領域を始点としてスワイプをするジェスチャをドラッグとして判別する。
「フリック」は、指が、タッチスクリーン2Bに触れた後移動しながらタッチスクリーン2Bから離れるジェスチャである。すなわち、「フリック」は、タッチに続いて指が移動しながらリリースが行われるジェスチャである。スマートフォン1は、指が、タッチスクリーン2Bに触れた後移動しながらタッチスクリーン2Bから離れるジェスチャをフリックとして判別する。フリックは、指が一方方向へ移動しながら行われることが多い。フリックは、指が画面の上方向へ移動する「上フリック」、指が画面の下方向へ移動する「下フリック」、指が画面の右方向へ移動する「右フリック」、指が画面の左方向へ移動する「左フリック」等を含む。フリックにおける指の移動は、スワイプにおける指の移動よりも素早いことが多い。
「ピンチイン」は、複数の指が互いに近付く方向にスワイプするジェスチャである。スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bにより検出されるある指の位置と他の指の位置との間の距離が短くなるジェスチャをピンチインとして判別する。「ピンチアウト」は、複数の指が互いに遠ざかる方向にスワイプするジェスチャである。スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bにより検出されるある指の位置と他の指の位置との間の距離が長くなるジェスチャをピンチアウトとして判別する。
以下の説明では、1本の指により行われるジェスチャを「シングルタッチジェスチャ」と呼び、2本以上の指により行われるジェスチャを「マルチタッチジェスチャ」と呼ぶことがある。マルチタッチジェスチャは、例えば、ピンチインおよびピンチアウトを含む。タップ、フリックおよびスワイプ等は、1本の指で行われればシングルタッチジェスチャであり、2本以上の指で行われればマルチタッチジェスチャである。
スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bを介して判別するこれらのジェスチャに従って動作を行う。このため、利用者にとって直感的で使いやすい操作性が実現される。判別されるジェスチャに従ってスマートフォン1が行う動作は、ディスプレイ2Aに表示されている画面に応じて異なることがある。以下の説明では、説明を簡単にするために、「タッチスクリーン2Bが接触を検出し、検出された接触に基づいてジェスチャの種別をスマートフォン1がXと判別すること」を、「スマートフォンがXを検出する」、又は「コントローラがXを検出する」と記載することがある。
図4は、スマートフォン1のブロック図である。スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2と、ボタン3と、照度センサ4と、近接センサ5と、通信ユニット6と、レシーバ7と、マイク8と、ストレージ9と、コントローラ10と、スピーカ11と、カメラ12及び13と、コネクタ14と、加速度センサ15と、方位センサ16と、ジャイロスコープ17とを有する。
タッチスクリーンディスプレイ2は、上述したように、ディスプレイ2Aと、タッチスクリーン2Bとを有する。ディスプレイ2Aは、文字、画像、記号、又は図形等を表示する。タッチスクリーン2Bは、接触を検出する。コントローラ10は、スマートフォン1に対するジェスチャを検出する。具体的には、コントローラ10は、タッチスクリーン2Bと協働することによって、タッチスクリーン2B(タッチスクリーンディスプレイ2)に対する操作(ジェスチャ)を検出する。
ボタン3は、利用者によって操作される。ボタン3は、ボタン3A〜ボタン3Fを有する。コントローラ10はボタン3と協働することによってボタン3に対する操作を検出する。ボタン3に対する操作は、例えば、クリック、ダブルクリック、トリプルクリック、プッシュ、及びマルチプッシュを含むが、これらに限定されない。
ボタン3A〜3Cは、例えば、ホームボタン、バックボタンまたはメニューボタンである。ボタン3Dは、例えば、スマートフォン1のパワーオン/オフボタンである。ボタン3Dは、スリープ/スリープ解除ボタンを兼ねてもよい。ボタン3E及び3Fは、例えば、音量ボタンである。
照度センサ4は、スマートフォン1の周囲光の照度を検出する。照度は、光の強さ、明るさ、又は輝度を示す。照度センサ4は、例えば、ディスプレイ2Aの輝度の調整に用いられる。近接センサ5は、近隣の物体の存在を非接触で検出する。近接センサ5は、磁界の変化または超音波の反射波の帰還時間の変化等に基づいて物体の存在を検出する。近接センサ5は、例えば、タッチスクリーンディスプレイ2が顔に近付けられたことを検出する。照度センサ4及び近接センサ5は、一つのセンサとして構成されていてもよい。照度センサ4は、近接センサとして用いられてもよい。
通信ユニット6は、無線により通信する。通信ユニット6によってサポートされる通信方式は、無線通信規格である。無線通信規格として、例えば、2G、3G、4G等のセルラーフォンの通信規格がある。セルラーフォンの通信規格として、例えば、LTE(Long Term Evolution)、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、CDMA2000、PDC(Personal Digital Cellular)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)、PHS(Personal Handy−phone System)等がある。無線通信規格として、さらに、例えば、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、IEEE802.11、Bluetooth(登録商標)、IrDA(Infrared Data Association)、NFC(Near Field Communication)等がある。通信ユニット6は、上述した通信規格の1つ又は複数をサポートしていてもよい。
レシーバ7及びスピーカ11は、音出力部である。レシーバ7及びスピーカ11は、コントローラ10から送信される音信号を音として出力する。レシーバ7は、例えば、通話時に相手の声を出力するために用いられる。スピーカ11は、例えば、着信音及び音楽を出力するために用いられる。レシーバ7及びスピーカ11の一方が、他方の機能を兼ねてもよい。マイク8は、音入力部である。マイク8は、利用者の音声等を音信号へ変換してコントローラ10へ送信する。
ストレージ9は、プログラム及びデータを記憶する。ストレージ9は、コントローラ10の処理結果を一時的に記憶する作業領域としても利用される。ストレージ9は、半導体記憶媒体、及び磁気記憶媒体等の任意の非一過的(non−transitory)な記憶媒体を含んでよい。ストレージ9は、複数の種類の記憶媒体を含んでよい。ストレージ9は、メモリカード、光ディスク、又は光磁気ディスク等の可搬の記憶媒体と、記憶媒体の読み取り装置との組み合わせを含んでよい。ストレージ9は、RAM(Random Access Memory)等の一時的な記憶領域として利用される記憶デバイスを含んでよい。
ストレージ9に記憶されるプログラムには、フォアグランド又はバックグランドで実行されるアプリケーションと、アプリケーションの動作を支援する制御プログラムとが含まれる。アプリケーションは、例えば、ディスプレイ2Aに画面を表示させ、タッチスクリーン2Bを介して検出されるジェスチャに応じた処理をコントローラ10に実行させる。制御プログラムは、例えば、OSである。アプリケーション及び制御プログラムは、通信ユニット6による無線通信又は非一過的な記憶媒体を介してストレージ9にインストールされてもよい。
ストレージ9は、例えば、制御プログラム9A、音質調整プログラム9B、電話アプリケーション9C、コンタクトデータ9Y、及び設定データ9Zを記憶する。音質調整プログラム9Bは、出力する音質を調整するための音質調整機能を提供する。電話アプリケーション9Cは、他の電子機器との間で通話を行うための通話機能を提供する。コンタクトデータ9Yは、スマートフォン1の利用者が他の人物と連絡を取るための情報を含む。設定データ9Zは、スマートフォン1の動作に関する各種の設定に関する情報を含む。
音質調整プログラム9Bは、例えば、通話中に出力される相手の音声の音質を調整するために用いられる。音質調整プログラム9Bが有する音質調整機能には、例えば、話速変換機能、ノイズキャンセル機能、音域調整機能等を含む。話速変換機能は、無音区間を利用して、話速をゆっくりとさせる機能である。話速変換機能は、例えば、通話の相手の音声をバッファリングし、バッファリングされた音声の無声区間以外の部分を、無声区間を埋めるようにピッチを延ばして再生することにより実現される。ノイズキャンセル機能は、相手から送信される音声信号に含まれるノイズを低減する。ノイズキャンセル機能は、例えば、ノイズに相当する周波数の信号をカット又は抑制することにより実現される。音域調整機能は、高音が聞こえにくい、又は低音が聞こえにくいというように特定の周波数を聞き取りにくい利用者向けに、音域(周波数帯)毎に音量を調整する。このような音質調整機能は、特に、聴覚に障害を有する利用者、聴覚が衰えた利用者、及び音声を聞き取りにくい環境にいる利用者に有効である。
コンタクトデータ9Yは、他の人物と連絡を取るための情報を含む。コンタクトデータ9Yは、例えば、人物の電話番号を含む。コンタクトデータ9Yは、家の電話番号、勤務先の電話番号、携帯電話の電話番号というように、同一の種類の通信サービスに関する複数の情報を同一の人物に対応付けて保持してもよい。また、コンタクトデータ9Yは、上記の情報以外に、例えば、メールアドレス、画像データ、住所、勤務先、生年月日等の各種の個人情報を含んでもよい。
制御プログラム9Aは、スマートフォン1を稼働させるための各種制御に関する機能を提供する。制御プログラム9Aは、例えば、通信ユニット6、レシーバ7、及びマイク8等を制御することによって、通話を実現させる。制御プログラム9Aが提供する機能には、タッチスクリーン2Bを介して検出されたジェスチャに応じて、ディスプレイ2Aに表示されている情報を変更する等の各種制御を行う機能が含まれる。制御プログラム9Aが提供する機能は、音質調整プログラム9B及び電話アプリケーション9C等の他のプログラムが提供する機能と組み合わせて利用されることがある。
コントローラ10は、演算処理装置である。演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、SoC(System−on−a−chip)、MCU(Micro Control Unit)、及びFPGA(Field−Programmable Gate Array)を含むが、これらに限定されない。コントローラ10は、スマートフォン1の動作を統括的に制御して各種の機能を実現する。
具体的には、コントローラ10は、ストレージ9に記憶されているデータを必要に応じて参照しつつ、ストレージ9に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行する。そして、コントローラ10は、データ及び命令に応じて機能部を制御し、それによって各種機能を実現する。機能部は、例えば、ディスプレイ2A、通信ユニット6、レシーバ7、及びスピーカ11を含むが、これらに限定されない。コントローラ10は、検出部の検出結果に応じて、制御を変更することがある。検出部は、例えば、タッチスクリーン2B、ボタン3、照度センサ4、近接センサ5、マイク8、カメラ12、カメラ13、加速度センサ15、方位センサ16、及びジャイロスコープ17を含むが、これらに限定されない。
コントローラ10は、例えば、制御プログラム9Aを実行することにより、タッチスクリーン2Bを介して検出されたジェスチャに応じて、ディスプレイ2Aに表示されている情報を変更する等の各種制御を実行する。
カメラ12は、フロントフェイス1Aに面している物体を撮影するインカメラである。カメラ13は、バックフェイス1Bに面している物体を撮影するアウトカメラである。
コネクタ14は、他の装置が接続される端子である。コネクタ14は、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)、ライトピーク(サンダーボルト(登録商標))、イヤホンマイクコネクタのような汎用的な端子であってもよい。コネクタ14は、Dockコネクタのような専用の端子でもよい。コネクタ14に接続される装置は、例えば、外部ストレージ、スピーカ、及び通信装置を含むが、これらに限定されない。
加速度センサ15は、スマートフォン1に働く加速度の方向及び大きさを検出する。方位センサ16は、地磁気の向きを検出する。ジャイロスコープ17は、スマートフォン1の角度及び角速度を検出する。加速度センサ15、方位センサ16及びジャイロスコープ17の検出結果は、スマートフォン1の位置及び姿勢の変化を検出するために、組み合わせて利用される。
図4においてストレージ9が記憶するプログラム及びデータの一部又は全部は、通信ユニット6による無線通信で他の装置からダウンロードされてもよい。図4においてストレージ9が記憶するプログラム及びデータの一部又は全部は、ストレージ9に含まれる読み取り装置が読み取り可能な非一過的な記憶媒体に記憶されていてもよい。図4においてストレージ9が記憶するプログラム及びデータの一部又は全部は、コネクタ14に接続される読み取り装置が読み取り可能な非一過的な記憶媒体に記憶されていてもよい。非一過的な記憶媒体は、例えば、CD(登録商標)、DVD(登録商標)、Blu−ray(登録商標)等の光ディスク、光磁気ディスク、磁気記憶媒体、メモリカード、及びソリッドステート記憶媒体を含むが、これらに限定されない。
図4に示したスマートフォン1の構成は例であり、本発明の要旨を損なわない範囲において適宜変更してよい。例えば、ボタン3の数と種類は図4の例に限定されない。スマートフォン1は、画面に関する操作のためのボタンとして、ボタン3A〜3Cに代えて、テンキー配列又はQWERTY配列等のボタンを備えていてもよい。スマートフォン1は、画面に関する操作のために、ボタンを1つだけ備えてもよいし、ボタンを備えなくてもよい。図4に示した例では、スマートフォン1が2つのカメラを備えるが、スマートフォン1は、1つのカメラのみを備えてもよいし、カメラを備えなくてもよい。図4に示した例では、スマートフォン1が位置及び姿勢を検出するために3種類のセンサを備えるが、スマートフォン1は、このうちいくつかのセンサを備えなくてもよい。あるいは、スマートフォン1は、位置及び姿勢の少なくとも1つを検出するための他の種類のセンサを備えてもよい。
図5を参照しながら、スマートフォン1による通話の着信に係る制御について説明する。図5は、スマートフォンによる通話の着信に係る制御の例を示す図である。以下の説明においては、同様の構成要素に同一の符号を付し、重複する説明は省略することがある。
スマートフォン1は、相手側の電子機器からの着信を検出すると、ステップS11として、着信中を示す着信画面60aをタッチスクリーンディスプレイ2(ディスプレイ2A)に表示する。スマートフォン1は、着信画面60aを表示するとともに、着信音、振動、ランプの点滅等によって、利用者に着信を報知してもよい。
着信画面60aは、ボタン61a、61b、61c、61d及び65と、表示領域62、63及び64とを含む。
ボタン61aは、音質調整機能を設定するためのボタンである。ボタン61bは、音声の出力先をレシーバ7からスピーカ11へ切り替えるためのボタンである。ボタン61cは、少なくとも「0」から「9」の10個の数字に対応したキーオブジェクトを含むダイアル(キーパッド)をディスプレイ2Aに表示させるためのボタンである。ボタン61dは、通話に関する各種の機能を呼び出すためのメニューをディスプレイ2Aに表示させるためのボタンである。ボタン65は、着信に応答するためのボタンである。ボタン65は、着信に応答するためにタップではなく、ドラッグ等の他の操作を受け付けるオブジェクトであってもよい。
着信画面60aにおいて、ボタン61a、61b、61c、61dは、画面の下端部に小さく配置され、ボタン65は、その上方に大きく配置される。このため、利用者は、着信画面60aにおいて最も重要な操作である応答を容易に実行することができる。このことは、相手を待たせることなく、迅速かつ確実に応答することを可能にする。
表示領域62には、音質調整機能に含まれる機能のうち、利用者によって有効化された機能に対応したアイコンが表示される。表示領域63には、着信相手に関する情報が表示される。表示領域64には、着信中であることを示すメッセージが表示される。図5に示す例では、着信相手がコンタクトデータ9Yに登録されている山田太郎さんであるものとする。この場合、スマートフォン1は、ステップS11に示すように、コンタクトデータ9Yに登録されている山田太郎さんの画像データを表示領域63に表示し、コンタクトデータ9Yに登録されている山田太郎さんの名前をメッセージの一部として表示領域64に表示する。
着信画面60aにおいて、表示領域63及び表示領域64は、着信画面60aの領域の大きな部分を占めている。このことは、利用者が、誰から着信があったのかを迅速に把握することを可能にする。
このように、着信画面60aは、利用者が、誰から着信があったのかを迅速に把握し、迅速かつ確実に応答することができるように、シンプルに構成されている。
ステップS11では、着信に気付いた利用者は、着信画面60aのボタン65をタップすることで、オフフック操作を行う。オフフック操作は、着信に応じて通話を開始するための操作である。スマートフォン1は、ボタン65に対するタップを検出すると、ステップS12として、通話処理を開始し、通話中を示す通話画面60bをディスプレイ2Aに表示する。通話処理には、例えば、相手から送信される音声信号をレシーバ7等から出力する処理、利用者の音声を音声信号に変換して相手へ送信する処理、及び通話の終了を検出する処理等が含まれる。
通話画面60bは、ボタン61a、61b、61c、61d及び67と、表示領域62、63及び66とを含む。ボタン67は、通話を切断するためのボタンである。
通話画面60bにおいて、ボタン61a、61b、61c、61dは、画面の下端部に小さく配置され、ボタン67は、その上方に大きく配置される。このため、利用者は、通話画面60bにおいて最も重要な操作である通話の切断を容易に実行することができる。このことは、迅速かつ確実に通話を切断することを可能にする。
表示領域66には、通話中であることを示すメッセージが表示される。ステップS12では、スマートフォン1は、通話中の相手が山田太郎さんであることを示すために、山田太郎さんの画像データを表示領域63に表示し、山田太郎さんの名前をメッセージの一部として表示領域66に表示する。
通話画面60bにおいて、表示領域63及び表示領域66は、通話画面60bの領域の大きな部分を占めている。このことは、利用者が、誰と通話中であるのかを確実に把握することを可能にする。
このように、通話画面60bは、利用者が、誰と通話中であるのかを迅速に把握し、迅速かつ確実に通話を切断することができるように、シンプルに構成されている。
その後、利用者は、レシーバ7から出力される相手の音声を聞くために、通話画面60bを表示しているスマートフォン1を耳に近付ける。スマートフォン1は、近接センサ5によって近接する物体の存在を検出すると、ステップS13として、ディスプレイ2Aの表示が消された状態となる。表示が消された状態において、スマートフォン1は、ディスプレイ2Aの表示を消し、タッチスクリーン2Bを無効化する。これにより、スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bに対する利用者の耳等の接触を画面に対する操作として検出して誤動作する可能性を低減でき、さらに電力消費を小さくすることができる。
通話中にディスプレイ2Aの表示が消された状態は、いわゆるロック状態とは異なる。ロック状態では、使用されていないスマートフォン1の誤動作を低減し、電力消費を低減するために、ディスプレイ2Aの表示が消され、タッチスクリーン2Bが無効化される。このため、スマートフォン1は、ロック状態を解除する際には、利用者がスマートフォン1の使用を開始する意思があるか否かを確認するために、ロック画面を表示する。そして、ロック画面の表示中に所定の操作を検出しなければ、通常の利用状態に復帰しない。一方、通話中にディスプレイ2Aの表示が消された状態では、スマートフォン1は、使用中であることが前提であるので、使用開始の意思を確認するロック画面を表示することなく、通常の利用状態に復帰する。
利用者は、通話相手の音声が聞き難い場合に、音質調整機能を設定する。音質調整機能の設定は、画面操作を通じて行われる。利用者が画面操作のためにスマートフォン1を耳から離すと、スマートフォン1は、近接センサ5を介して近接する物体が存在しなくなったことを検出する。通話中に近接する物体が存在しなくなったことを検出した場合、スマートフォン1は、ステップS14として、ディスプレイ2Aを再び表示し、タッチスクリーン2Bを有効化する。このとき、スマートフォン1は、通話に関連して自機を制御するための画面をディスプレイ2Aに表示する。スマートフォン1は、通話に関連して自機を制御するための画面として、例えば、音質調整画面60cをディスプレイ2Aに表示する。
音質調整画面60cは、相手の音声の音質を制御するための画面である。音質調整画面60cは、ディスプレイ2Aの表示が消された状態となる前に、ディスプレイ2Aが表示していた通話画面60bとは異なる画面である。なお、「異なる画面」とは、ピクト、アイコン、ボタン等の他の画面と共有される要素以外の他の要素において相違がある画面を言う。「他の要素において相違がある画面」には、他の要素が追加された画面、他の要素が削除された画面、及び一部の要素が削除された画面を含む。
音質調整画面60cは、ボタン61a、61b、61c、61d、68a、68b、68c及び69と、表示領域62とを含む。ボタン68aは、話速変換機能を設定するためのボタンである。ボタン68bは、ノイズキャンセル機能を設定するためのボタンである。ボタン68cは、音域調整機能を設定するためのボタンである。ボタン69は、通話を切断するためのボタンである。
音質調整画面60cにおいて、ボタン61a、61b、61c、61dは、画面の下端部に小さく配置され、ボタン69は、その上方に大きく配置される。そして、そのさらに上方の、表示領域63及び64が設けられていた領域には、ボタン68a、68b及び68cが配置される。
このように、スマートフォン1は、通話中にディスプレイ2Aを再び表示する場合に、音質調整機能に対応するボタンを画面上に表示する。このように、音質調整機能に対応するボタンを画面上に表示することにより、利用者は、通話中に音質調整機能を容易に設定することができる。その結果、音質調整機能を容易に活用することが達成される。
音質調整画面60cの表示中にボタン61b、61c、及び61dのいずれかが操作された場合、スマートフォン1は、音質調整機能を一時的に無効化する。ボタン61bが操作された場合、スピーカ11からの音声の出力が停止されるまで、スマートフォン1は、音質調整機能を一時的に無効化する。これにより、レシーバ7からの出力向けに調整された音声がスピーカ11から出力され、利用者に聞き難くなる事態を回避できる。ボタン61cが操作された場合、表示したキーパッドが消去されるまで、スマートフォン1は、音質調整機能を一時的に無効化する。これによって、キーパッドの操作時にスピーカ11等から出力される操作音が聞き難くなる事態を回避できる。ボタン61dが操作された場合、表示したメニューが閉じられるまで、スマートフォン1は、音質調整機能を一時的に無効化する。これによって、メニューから呼び出される機能によってスピーカ11等から出力される音が聞き難くなる事態を回避できる。一時的に無効化された音質調整機能は、スマートフォン1が再びディスプレイ2Aの表示が消された状態に戻った場合、又は近接センサ5によって近接する物体の存在を検出した場合に有効化されてもよい。
スマートフォン1は、ステップS11の状態で、音質調整機能を設定するためのボタンであるボタン61aへの操作を検出すると、着信画面60aを図9に示す着信画面60fへ切り替える。図9は、音質調整の設定が可能に構成された着信画面の例を示す図である。着信画面60fは、音質調整画面60cのボタン69が、着信に応答するためのボタン65に置き換わった画面である。このように、着信中に着信画面60fを表示することにより、利用者は、着信前に音質調整機能を設定することもできる。
しかしながら、着信中に画面を着信画面60fへ切り替えると、画面上に配置されるボタンの数が多くなるために、迅速な応答が難しくなり、相手を待たせる時間が長くなるおそれがある。そもそも、着信前の段階では、相手の音声がどのように聞こえるかが分からないので、音質調整機能をどのように設定すべきかが分からない。さらに、表示領域63及び64がないため、相手が誰であるかを確認することができない。着信画面60fに表示領域63及び64を追加することは可能であるが、その場合、着信画面60fの各要素のサイズを小さくしなければならず、迅速な操作がさらに難しくなる。
スマートフォン1は、図5に示すステップS12の状態で、音質調整機能を設定するためのボタンであるボタン61aへの操作を検出すると、通話画面60bを音質調整画面60cへ切り替える。これにより、利用者は、通話開始前に音質調整機能を設定することもできる。しかしながら、通話開始前の段階では、相手の音声がどのように聞こえるかが分からないので、音質調整機能をどのように設定すべきかが分からない。さらに、表示領域63及び64がないため、通話中の相手が誰であるかを確認することができない。
音質調整機能を有するスマートフォン1を通話中に耳から離すということは、利用者が相手の音声を聞き取りにくく、音質調整機能を利用しようとしている可能性が高い。このような場面で、スマートフォン1は、音質調整画面60cを表示することにより、利用者の意図に合った画面を利用者に提供することができる。この結果、利用者による音質調整機能の有効利用が達成される。
さらに、このような場面では、着信画面60a及び通話画面60bでの表示及び通話中に聞いた音声から相手が誰であるかは十分に把握されていると期待できる。そこで、相手に関する情報を表示する表示領域63及び64を省略して、ボタン68a、68b及び68cを配置することにより、音質調整画面60cをできるだけシンプルに保つことができる。これにより、音質調整機能を設定しようとしたにも関わらず、ボタン69を操作して通話を切断してしまうというような誤操作が生じる可能性を低減できる。
音質調整画面60cのボタン68a、68b及び68cと、表示領域62との間には空き領域がある。この空き領域には、ボタン68a、68b及び68cのいずれかが選択された場合に、選択されたボタンに対応する機能のさらに詳細な機能を設定するためのボタンが表示される。
例えば、利用者が、ボタン68cをタップすると、スマートフォン1は、ステップS15として、音質調整画面60cの空き領域にボタン70a、70b、70c及び70dを表示する。さらに、スマートフォン1は、ボタン68cに関連するボタン70a、70b、70c及び70dの表示中は、それらと関連のないボタン68a及び68bを無効化する。そして、無効化したことを示すために、ボタン68a及び68bの表示態様を変更する。表示態様を変更することには、例えば、明度又は彩度を低くすること、網掛け表示又はグレー表示とすること、透明又は半透明とすること等が含まれる。
ボタン70aは、「甲高い」というラベルを有し、高音域の音量を調整する機能を有効化又は無効化するために用いられる。ボタン70bは、「うるさい」というラベルを有し、中音域の音量を調整する機能を有効化又は無効化するために用いられる。ボタン70cは、「こもっている」というラベルを有し、低音域の音量を調整する機能を有効化又は無効化するために用いられる。ボタン70dは、「オフ」というラベルを有し、音質調整機能全体を有効化又は無効化するために用いられる。
このように特定の機能が選択された後に、その機能のさらに詳細な機能を設定するためのボタンを表示することにより、画面をできるだけシンプルに保ち、誤操作が生じる可能性を低減することができる。さらに、選択された機能以外の機能に対応するボタンを無効化することにより、誤操作が生じる可能性を一層低減することができる。
スマートフォン1は、利用者によって設定された音域調整機能に対応するアイコン62aを表示領域62に表示する。利用者は、音質調整機能の設定を終了すると、再びスマートフォン1を耳に近付ける。スマートフォン1は、近接センサ5によって近接する物体の存在を検出すると、ステップS16として、ディスプレイ2Aの表示が消された状態となる。そして、スマートフォン1は、設定に従って音質を調整した音声をレシーバ7から出力する。
このように、スマートフォン1は、通話中にディスプレイ2Aを再び表示する場合に、消灯前に表示していた画面に代えて、通話に関する各種の機能を設定するための画面を表示する。これにより、スマートフォン1は、利用者が必要とする場面で、通話に関する各種の機能を操作するための画面を利用者に提供することができる。この結果、スマートフォン1は、利用者が、通話に関する各種の機能を容易に活用することを可能にする。さらに、スマートフォン1は、画面をできるだけシンプルに保ち、誤操作が生じる可能性を低減することができる。
次に、図6を参照しながら、スマートフォン1による通話の発信に係る制御について説明する。図6は、スマートフォンによる通話の発信に係る制御の例を示す図である。
スマートフォン1は、通話の発信を指示する操作を検出すると、電話アプリケーション9Cを実行する。スマートフォン1は、電話アプリケーション9Cの実行により、ステップS21として、発信操作のための発信画面60dをタッチスクリーンディスプレイ2(ディスプレイ2A)に表示する。
発信画面60dは、ボタン61a、61b、61c、61d、72、73及び74と、表示領域62と、キーパッド71と、ダイアル表示領域75とを含む。キーパッド71は、少なくとも「0」から「9」の10個の数字に対応したキーオブジェクトを含む。ボタン72は、発信の取り消しを操作するためのボタンである。ボタン73は、発信を実行するためのボタンである。ボタン74は、通話履歴又は電話帳を表示するためのボタンである。ダイアル表示領域75には、キーパッド71を用いて入力された電話番号が表示される。
この例では、音域調整機能が既に有効化されているため、表示領域62に、音域調整機能に対応するアイコン62aが表示されている。発信時又は着信時に、スマートフォン1は、前回の通話中に設定された音域調整機能の状態を再現してもよい。すなわち、スマートフォン1は、通話中に有効化又は無効化された機能を記憶しておき、次の通話時に記憶している情報に基づいて音域調整機能を設定してもよい。スマートフォン1は、通話中に有効化又は無効化された機能を通話の相手と対応付けて記憶しておき、その相手との通話時に、相手と対応付けて記憶している情報に基づいて音域調整機能を設定してもよい。
発信画面60dにおいて、ボタン61a、61b、61c、61dは、画面の下端部の小さな領域に配置され、キーパッド71及びボタン73、74は、その上方の広い領域に配置される。このため、利用者は、発信画面60dにおいて最も重要な操作である番号入力及び発信を容易に実行することができる。
利用者は、電話番号の設定が終了すると、ボタン73をタップする。スマートフォン1は、ボタン73に対するタップを検出すると、ステップS22として、呼び出し中を示す呼出画面60eをディスプレイ2Aに表示し、設定された電話番号に対する発信処理を行う。
呼出画面60eは、ボタン61a、61b、61c、61d及び78と、表示領域62、76、及び77とを含む。ボタン78は、通話を切断するためのボタンである。表示領域76には、発信相手に関する情報が表示される。表示領域77には、呼び出し中であることを示すメッセージが表示される。図6に示す例では、発信相手がコンタクトデータ9Yに登録されている山田太郎さんであるものとする。この場合、スマートフォン1は、ステップS22に示すように、コンタクトデータ9Yに登録されている山田太郎さんの画像データを表示領域76に表示し、コンタクトデータ9Yに登録されている山田太郎さんの名前をメッセージの一部として表示領域77に表示する。
呼出画面60eにおいて、表示領域76及び表示領域77は、呼出画面60eの領域の大きな部分を占めている。このことは、利用者が、誰を呼び出しているのかを迅速に把握することを可能にする。
このように、呼出画面60eは、利用者が、誰を呼び出しているのかを迅速に把握し、迅速かつ確実に通話を切断することができるように、シンプルに構成されている。
その後、利用者は、レシーバ7から出力される相手の音声を聞くために、呼出画面60eを表示しているスマートフォン1を耳に近付ける。スマートフォン1は、近接センサ5によって近接する物体の存在を検出すると、ステップS24として、ディスプレイ2Aの表示が消された状態となる。表示が消された状態中に相手が着信に応答し、通話が確立されると、スマートフォン1は通話処理を開始する。
ディスプレイ2Aの表示が消された状態となる前に相手が着信に応答し、通話が確立された場合、スマートフォン1は、ステップS23として、通話処理を開始し、通話画面60bをディスプレイ2Aに表示する。既に説明したように、通話画面60bは、利用者が、誰と通話中であるのかを迅速に把握し、迅速かつ確実に通話を切断することができるように、シンプルに構成されている。その後、利用者がスマートフォン1を耳に近付けると、スマートフォン1は、近接センサ5によって近接する物体の存在を検出し、ステップS24として、ディスプレイ2Aの表示が消された状態となる。
利用者は、通話相手の音声が聞き難い場合に、音質調整機能の設定を変更する。音質調整機能の設定の変更は、画面操作を通じて行われる。利用者が画面操作のためにスマートフォン1を耳から離すと、スマートフォン1は、近接センサ5を介して近接する物体が存在しなくなったことを検出する。通話中に近接する物体が存在しなくなったことを検出した場合、ステップS25として、ディスプレイ2Aを再び表示し、タッチスクリーン2Bを有効化する。このとき、スマートフォン1は、通話に関連して自機を制御するための画面をディスプレイ2Aに表示する。スマートフォン1は、通話に関連して自機を制御するための画面として、例えば、音質調整画面60cをディスプレイ2Aに表示する。
このように、スマートフォン1は、通話中にディスプレイ2Aを再び表示する場合に、音質調整機能に対応するボタンを有する音質調整画面60cを表示する。このように、音質調整機能に対応するボタンを画面上に表示することにより、利用者は、通話中に音質調整機能を容易に設定することができる。その結果、音質調整機能を容易に活用することが達成される。
例えば、利用者が、ボタン68cをタップすると、スマートフォン1は、ステップS26として、音質調整画面60cの空き領域にボタン70a、70b、70c及び70dを表示する。さらに、スマートフォン1は、ボタン68cに関連するボタン70a、70b、70c及び70dの表示中は、それらと関連のないボタン68a及び68bを無効化する。そして、無効化したことを示すために、ボタン68a及び68bの表示態様を変更する。
利用者は、音質調整機能の設定変更を終了すると、再びスマートフォン1を耳に近付ける。スマートフォン1は、近接センサ5によって近接する物体の存在を検出すると、ステップS27として、ディスプレイ2Aの表示が消された状態となる。そして、スマートフォン1は、設定に従って音質を調整した音声をレシーバ7から出力する。
このように、スマートフォン1は、通話中にディスプレイ2Aを再び表示する場合に、ディスプレイ2Aの表示が消される前に表示していた画面に代えて、通話に関する各種の機能を設定するための画面を表示する。これにより、スマートフォン1は、利用者が必要とする場面で、通話に関する各種の機能を操作するための画面を利用者に提供することができる。この結果、スマートフォン1は、利用者が、通話に関する各種の機能を容易に活用することを可能にする。さらに、スマートフォン1は、画面をできるだけシンプルに保ち、誤操作が生じる可能性を低減することができる。
図7を参照しながら、スマートフォン1による制御の処理手順について説明する。図7は、スマートフォンによる制御の処理手順の例を示すフローチャートである。図7に示す処理手順は、コントローラ10が、制御プログラム9Aを実行することにより実現される。図7に示す処理手順に先立って、コントローラ10は、着信画面60a又は発信画面60dをディスプレイ2Aに表示する。
図7に示すように、スマートフォン1のコントローラ10は、ステップS101として、通話画面60b(又は呼出画面60e)をディスプレイ2Aに表示させる。具体的には、コントローラ10は、着信又は発信による通話中には、通話画面60bをディスプレイ2Aに表示させ、発信による呼出中には、呼出画面60eをディスプレイ2Aに表示させる。
コントローラ10は、ステップS102として、近接する物体を検出したかを判定する。近接する物体を検出した場合(ステップS102,Yes)、コントローラ10は、ステップS103に進む。コントローラ10は、ステップS103として、ディスプレイ2Aの表示を消させ、タッチスクリーン2Bを無効化させる。近接する物体を検出していない場合(ステップS102,No)、コントローラ10は、ステップS103を行わない。
コントローラ10は、ステップS104として、ディスプレイ2Aの表示が再び必要かを判定する。コントローラ10は、例えば、近接センサ5によって近接する物体の存在が検出されていない場合に、ディスプレイ2Aの表示が再び必要であると判定する。ディスプレイ2Aの表示が再び必要である場合(ステップS104,Yes)、コントローラ10は、ステップS105に進む。コントローラ10は、ステップS105として、ディスプレイ2Aを再び表示させ、タッチスクリーン2Bを有効化させる。そして、コントローラ10は、ステップS106として、自機を制御するための画面をディスプレイ2Aに表示させる。ディスプレイ2Aの表示が再び必要でない場合(ステップS104,No)、コントローラ10は、ステップS105及びステップS106を行わない。
コントローラ10は、ステップS107として、操作を検出したかを判定する。コントローラ10は、例えば、タッチスクリーン2Bを介して、音質調整画面60cに対するジェスチャを検出した場合に、操作を検出したと判定する。操作を検出した場合(ステップS107,Yes)、コントローラ10は、ステップS108に進む。コントローラ10は、ステップS108として、検出した操作に応じた処理を実行する。例えば、コントローラ10は、音質調整機能を有効化する操作を検出した場合に、音質調整プログラム9Bの提供する機能により、検出した操作に応じて、レシーバ7から出力する相手の音声の音質を調整する。操作を検出していない場合(ステップS107,No)、コントローラ10は、ステップS108を行わない。
コントローラ10は、ステップS109として、終話かを判定する。具体的には、コントローラ10は、利用者による切断の操作を検出した場合、又は通話が切断された場合に、終話と判定する。終話である場合(ステップS109,Yes)、コントローラ10は、図7に示す処理手順を終了する。終話でない場合(ステップS109,No)、コントローラ10は、ステップS102以降を再実行する。
本出願の開示する実施形態は、発明の要旨及び範囲を逸脱しない範囲で変更することができる。さらに、本出願の開示する実施形態及びその変形例は、適宜組み合わせることができる。例えば、上記の実施形態は、以下のように変形してもよい。
例えば、図4に示した各プログラムは、複数のモジュールに分割されていてもよいし、他のプログラムと結合されていてもよい。
上記の実施形態では、スマートフォン1は、近接する物体が近接センサ5によって検出されなくなった場合に、ディスプレイ2Aを再び表示させる例について説明した。しかしながら、ディスプレイ2Aを再び表示させる条件は、これに限定されない。例えば、スマートフォン1は、ボタン3Aから3Fのいずれかが操作された場合に、ディスプレイ2Aを再び表示させてもよい。スマートフォン1は、姿勢センサ(加速度センサ15、方位センサ16、及びジャイロスコープ17の少なくとも1つ)の検出結果に基づいてスマートフォン1の姿勢の変化を検出した場合に、ディスプレイ2Aを再び表示させてもよい。スマートフォン1は、コネクタ14に接続された音出力機器が抜かれた場合に、ディスプレイ2Aを再び表示させてもよい。スマートフォン1は、Bluetooth(登録商標)等の近距離通信によって接続されていた音出力機器との接続が切断された場合に、ディスプレイ2Aを再び表示させてもよい。音出力機器には、例えば、スピーカ、ヘッドホン、イヤホン、及びヘッドセットが含まれる。
上記の実施形態では、ディスプレイ2Aを再び表示する場合に、自機を制御するための画面として、音質調整画面60cを表示する例について説明した。しかしながら、自機を制御するための画面は、これに限定されない。自機を制御するための画面は、例えば、通話の録音画面等の、音質調整以外の通話に関連する画面であってもよい。自機を制御するための画面は、記憶しているスケジュールを表示する画面等の、通話に関連しない画面であってもよい。
上記の実施形態では、音質調整画面60cにおいて、他の画面と同様のボタン61a、61b、61c、及び61dを表示する例について説明した。しかしながら、スマートフォン1は、音質調整画面60cにおいて、他の画面と異なるボタンを表示してもよい。音質調整画面60cにおいて、他の画面と異なるボタンを表示する例について、図8を参照しながら説明する。
図8は、スマートフォンによる通話の着信に係る制御の他の例を示す図である。図8に示すステップS31からステップS33は、図5に示すステップS11からステップS13と同一であるため、説明は省略する。
スマートフォン1は、ステップS33の状態で、通話中に近接する物体が存在しなくなったことを検出した場合、ステップS34として、ディスプレイ2Aを再び表示し、タッチスクリーン2Bを有効化する。このとき、スマートフォン1は、音質調整画面60cをディスプレイ2Aに表示する。
スマートフォン1は、ステップS34の状態で、ボタン68a、68b、及び68cを含む音質調整画面60cを表示しており、上記のボタン61aを表示する必要がない。このため、音質調整画面60cは、上記のボタン61aの代わりに、ボタン61eを含む構成となっている。ボタン61eは、「戻る」というラベルを有し、音質調整画面60cから通話画面60bに戻るためのボタンである。
スマートフォン1は、ボタン61eに対するタップを検出した場合、ステップS35として、通話画面60bを、ディスプレイ2Aに再び表示する。その後、スマートフォン1は、近接センサ5によって近接する物体の存在を検出すると、ステップS36として、ディスプレイ2Aの表示が消された状態となる。
このように、スマートフォン1は、ディスプレイ2Aを再び表示する場合に、通話画面60bに戻る操作を行うためのボタンを含む画面を表示する。これにより、利用者は、音質調整が不要の場合に、ボタン61eを操作するだけで、音質調整画面60cを通話画面60bに戻すことができる。
図8では、「戻る」に対応したボタン61eを音質調整画面60cに表示する場合について説明したが、音質調整画面60cに表示するボタンは、これに限定されない。例えば、スマートフォン1は、トグルボタンを音質調整画面60cに表示し、操作によって複数の機能を入れ替えるようにしてもよい。
上記の実施形態では、スマートフォン1は、3つのボタン68a、68b、及び68cを音質調整画面60cに表示する場合について説明した。しかし、スマートフォン1は、レシーバ7を介した通話とは異なる他の通話形態の場合に、他の通話形態に対応して操作ボタンの表示数を変化させるように音質調整画面60cを構成してもよい。他の通話形態は、例えば、スピーカフォンによる通話、接続したイヤホンによる通話、近距離無線通信を介したヘッドセットによる通話等の通話形態を含む。そして、スマートフォン1は、通話が他の通話形態であることを検出し、検出した通話形態に対応したボタンを音質調整画面60cに表示する。例えば、スマートフォン1は、他の通話形態がスピーカフォンによる通話である場合、ボタン68aのみ、又はボタン68a及び68cのみを音質調整画面60cに表示する。
上記の実施形態では、スマートフォン1は、音質調整画面60cにボタン68a、68b、及び68cと、ボタン61a、61b、61c、及び61dとを表示する場合について説明した。しかし、スマートフォン1は、音質調整画面60cにボタン70a、70b、70c、及び70dを表示している場合に、ボタン61a、61b、61c、及び61dに対するジェスチャを受け付けないように構成されてもよい。
スマートフォン1は、通話中にディスプレイ2Aを表示した場合に表示するボタン及びアイコン等の種類及び表示位置を、利用者の設定に基づいて変更可能に構成されてもよい。
上記の実施形態では、携帯電子機器の例として、スマートフォンについて説明したが、添付の請求項に係る携帯電子機器は、スマートフォンに限定されない。添付の請求項に係る携帯電子機器は、スマートフォン以外の通話機能を有する携帯電子機器であってもよい。通話機能を有する携帯電子機器は、例えば、モバイルフォン、タブレット、携帯型パソコン、デジタルカメラ、メディアプレイヤ、電子書籍リーダ、ナビゲータ、及びゲーム機を含むが、これらに限定されない。
添付の請求項に係る技術を完全かつ明瞭に開示するために特徴的な実施形態に関し記載してきた。しかし、添付の請求項は、上記実施形態に限定されるべきものでなく、本明細書に示した基礎的事項の範囲内で当該技術分野の当業者が創作しうるすべての変形例及び代替可能な構成を具現化するように構成されるべきである。