本発明を実施するための実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下では、タッチスクリーンを備える装置の例として、スマートフォンについて説明する。
(実施形態)
図1から図3を参照しながら、実施形態に係るスマートフォン1の全体的な構成について説明する。図1から図3に示すように、スマートフォン1は、ハウジング20を有する。ハウジング20は、フロントフェイス1Aと、バックフェイス1Bと、サイドフェイス1C1〜1C4とを有する。フロントフェイス1Aは、ハウジング20の正面である。バックフェイス1Bは、ハウジング20の背面である。サイドフェイス1C1〜1C4は、フロントフェイス1Aとバックフェイス1Bとを接続する側面である。以下では、サイドフェイス1C1〜1C4を、どの面であるかを特定することなく、サイドフェイス1Cと総称することがある。
スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2と、ボタン3A〜3Cと、照度センサ4と、近接センサ5と、レシーバ7と、マイク8と、カメラ12とをフロントフェイス1Aに有する。スマートフォン1は、スピーカ11と、カメラ13とをバックフェイス1Bに有する。スマートフォン1は、ボタン3D〜3Fと、コネクタ14とをサイドフェイス1Cに有する。以下では、ボタン3A〜3Fを、どのボタンであるかを特定することなく、ボタン3と総称することがある。
タッチスクリーンディスプレイ2は、ディスプレイ2Aと、タッチスクリーン2Bとを有する。図1の例では、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bはそれぞれ略長方形状であるが、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bの形状はこれに限定されない。ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bは、それぞれが正方形又は円形等のどのような形状もとりうる。図1の例では、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bは重ねて配置されているが、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bの配置はこれに限定されない。ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bは、例えば、並べて配置されてもよいし、離して配置されてもよい。図1の例では、ディスプレイ2Aの長辺はタッチスクリーン2Bの長辺に沿っており、ディスプレイ2Aの短辺はタッチスクリーン2Bの短辺に沿っているが、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bの重ね方はこれに限定されない。ディスプレイ2Aとタッチスクリーン2Bとが重ねて配置される場合、例えば、ディスプレイ2Aの1ないし複数の辺がタッチスクリーン2Bのいずれの辺とも沿っていなくてもよい。
ディスプレイ2Aは、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro−Luminescence Display)、又は無機ELディスプレイ(IELD:Inorganic Electro−Luminescence Display)等の表示デバイスを備える。ディスプレイ2Aは、文字、画像、記号、及び図形等を表示する。
タッチスクリーン2Bは、タッチスクリーン2Bに対する指、ペン、又はスタイラスペン等の接触を検出する。タッチスクリーン2Bは、複数の指、ペン、又はスタイラスペン等がタッチスクリーン2Bに接触した位置を検出することができる。以下の説明では、タッチスクリーン2Bに対して接触する指、ペン、又はスタイラスペン等を、「接触オブジェクト」又は「接触物」と呼ぶことがある。
タッチスクリーン2Bの検出方式は、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式(又は超音波方式)、赤外線方式、電磁誘導方式、及び荷重検出方式等の任意の方式でよい。以下の説明では、説明を簡単にするため、利用者はスマートフォン1を操作するために指を用いてタッチスクリーン2Bに接触するものと想定する。
スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bにより検出された接触、接触が検出された位置、接触が検出された位置の変化、接触が検出された間隔、及び接触が検出された回数の少なくとも1つに基づいてジェスチャの種別を判別する。ジェスチャは、タッチスクリーン2Bに対して行われる操作である。スマートフォン1によって判別されるジェスチャは、例えば、タッチ、ロングタッチ、リリース、スワイプ、タップ、ダブルタップ、ロングタップ、ドラッグ、フリック、ピンチイン、及びピンチアウトを含むがこれらに限定されない。
「タッチ」は、タッチスクリーン2Bに指が触れるジェスチャである。スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bに指が接触するジェスチャをタッチとして判別する。「ロングタッチ」は、タッチスクリーン2Bに指が一定時間より長く触れるジェスチャである。スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bに指が一定時間より長く接触するジェスチャをロングタッチとして判別する。
「リリース」は、指がタッチスクリーン2Bから離れるジェスチャである。スマートフォン1は、指がタッチスクリーン2Bから離れるジェスチャをリリースとして判別する。「スワイプ」は、指がタッチスクリーン2Bに接触したままで移動するジェスチャである。スマートフォン1は、指がタッチスクリーン2Bに接触したままで移動するジェスチャをスワイプとして判別する。
「タップ」は、タッチに続いてリリースをするジェスチャである。スマートフォン1は、タッチに続いてリリースをするジェスチャをタップとして判別する。「ダブルタップ」は、タッチに続いてリリースをするジェスチャが2回連続するジェスチャである。スマートフォン1は、タッチに続いてリリースをするジェスチャが2回連続するジェスチャをダブルタップとして判別する。
「ロングタップ」は、ロングタッチに続いてリリースをするジェスチャである。スマートフォン1は、ロングタッチに続いてリリースをするジェスチャをロングタップとして判別する。「ドラッグ」は、移動可能なオブジェクトが表示されている領域を始点としてスワイプをするジェスチャである。スマートフォン1は、移動可能なオブジェクトが表示されている領域を始点としてスワイプをするジェスチャをドラッグとして判別する。
「フリック」は、指が、タッチスクリーン2Bに触れた後移動しながらタッチスクリーン2Bから離れるジェスチャである。すなわち、「フリック」は、タッチに続いて指が移動しながらリリースが行われるジェスチャである。スマートフォン1は、指が、タッチスクリーン2Bに触れた後移動しながらタッチスクリーン2Bから離れるジェスチャをフリックとして判別する。フリックは、指が一方方向へ移動しながら行われることが多い。フリックは、指が画面の上方向へ移動する「上フリック」、指が画面の下方向へ移動する「下フリック」、指が画面の右方向へ移動する「右フリック」、指が画面の左方向へ移動する「左フリック」等を含む。フリックにおける指の移動は、スワイプにおける指の移動よりも素早いことが多い。
「ピンチイン」は、複数の指が互いに近付く方向にスワイプするジェスチャである。スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bにより検出されるある指の位置と他の指の位置との間の距離が短くなるジェスチャをピンチインとして判別する。「ピンチアウト」は、複数の指が互いに遠ざかる方向にスワイプするジェスチャである。スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bにより検出されるある指の位置と他の指の位置との間の距離が長くなるジェスチャをピンチアウトとして判別する。
以下の説明では、1本の指により行われるジェスチャを「シングルタッチジェスチャ」と呼び、2本以上の指により行われるジェスチャを「マルチタッチジェスチャ」と呼ぶことがある。マルチタッチジェスチャは、例えば、ピンチインおよびピンチアウトを含む。タップ、フリックおよびスワイプ等は、1本の指で行われればシングルタッチジェスチャであり、2本以上の指で行われればマルチタッチジェスチャである。
スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bを介して判別するこれらのジェスチャに従って動作を行う。このため、利用者にとって直感的で使いやすい操作性が実現される。判別されるジェスチャに従ってスマートフォン1が行う動作は、ディスプレイ2Aに表示されている画面に応じて異なることがある。以下の説明では、説明を簡単にするために、「タッチスクリーン2Bが接触を検出し、検出された接触に基づいてジェスチャの種別をスマートフォン1がXと判別すること」を、「スマートフォンがXを検出する」、又は「コントローラがXを検出する」と記載することがある。
図4は、スマートフォン1のブロック図である。スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2と、ボタン3と、照度センサ4と、近接センサ5と、通信ユニット6と、レシーバ7と、マイク8と、ストレージ9と、コントローラ10と、スピーカ11と、カメラ12及び13と、コネクタ14と、加速度センサ15と、方位センサ16と、ジャイロスコープ17とを有する。
タッチスクリーンディスプレイ2は、上述したように、ディスプレイ2Aと、タッチスクリーン2Bとを有する。ディスプレイ2Aは、文字、画像、記号、又は図形等を表示する。タッチスクリーン2Bは、接触を検出する。コントローラ10は、スマートフォン1に対するジェスチャを検出する。具体的には、コントローラ10は、タッチスクリーン2Bと協働することによって、タッチスクリーン2B(タッチスクリーンディスプレイ2)に対する操作(ジェスチャ)を検出する。
ボタン3は、利用者によって操作される。ボタン3は、ボタン3A〜ボタン3Fを有する。コントローラ10はボタン3と協働することによってボタン3に対する操作を検出する。ボタン3に対する操作は、例えば、クリック、ダブルクリック、トリプルクリック、プッシュ、及びマルチプッシュを含むが、これらに限定されない。
ボタン3Aは、電話ボタンである。ボタン3Aは電話アプリケーションと対応付けられている。スマートフォン1への電話着信があった場合、コントローラ10は、ボタン3Aを発光させる。コントローラ10は、例えば、ハウジング20内に設けた発光ダイオードを点灯又は点滅させて、ボタン3Aを発光させる。ボタン3Aを発光させる代わりにボタン3Aの周囲を発光させてもよい。
ボタン3Bは、メールボタンである。ボタン3Bはメールアプリケーションと対応付けられている。スマートフォン1へのメール着信があった場合、コントローラ10は、ボタン3Bを発光させる。コントローラ10は、例えば、ハウジング20内に設けた発光ダイオードを点灯又は点滅させて、ボタン3Bを発光させる。ボタン3Bを発光させる代わりにボタン3Bの周囲を発光させてもよい。
ボタン3Cはホームボタンである。ボタン3Dは、例えば、スマートフォン1のパワーオン/オフボタンである。ボタン3Dは、スリープ/スリープ解除ボタンを兼ねてもよい。ボタン3E及び3Fは、例えば、音量ボタンである。
照度センサ4は、スマートフォン1の周囲光の照度を検出する。照度は、光の強さ、明るさ、又は輝度を示す。照度センサ4は、例えば、ディスプレイ2Aの輝度の調整に用いられる。近接センサ5は、近隣の物体の存在を非接触で検出する。近接センサ5は、磁界の変化または超音波の反射波の帰還時間の変化等に基づいて物体の存在を検出する。近接センサ5は、例えば、タッチスクリーンディスプレイ2が顔に近付けられたことを検出する。照度センサ4及び近接センサ5は、一つのセンサとして構成されていてもよい。照度センサ4は、近接センサとして用いられてもよい。
通信ユニット6は、無線により通信する。通信ユニット6によってサポートされる通信方式は、無線通信規格である。無線通信規格として、例えば、2G、3G、4G等のセルラーフォンの通信規格がある。セルラーフォンの通信規格として、例えば、LTE(Long Term Evolution)、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、CDMA2000、PDC(Personal Digital Cellular)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)、PHS(Personal Handy−phone System)等がある。無線通信規格として、さらに、例えば、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、IEEE802.11、Bluetooth(登録商標)、IrDA(Infrared Data Association)、NFC(Near Field Communication)等がある。通信ユニット6は、上述した通信規格の1つ又は複数をサポートしていてもよい。通信ユニット6は、有線による通信をサポートしてもよい。有線による通信は、例えば、イーサネット(登録商標)、ファイバーチャネル等を含む。
レシーバ7及びスピーカ11は、音出力部である。レシーバ7及びスピーカ11は、コントローラ10から送信される音信号を音として出力する。レシーバ7は、例えば、通話時に相手の声を出力するために用いられる。スピーカ11は、例えば、着信音及び音楽を出力するために用いられる。レシーバ7及びスピーカ11の一方が、他方の機能を兼ねてもよい。マイク8は、音入力部である。マイク8は、利用者の音声等を音信号へ変換してコントローラ10へ送信する。
ストレージ9は、プログラム及びデータを記憶する。ストレージ9は、コントローラ10の処理結果を一時的に記憶する作業領域としても利用される。ストレージ9は、半導体記憶媒体、及び磁気記憶媒体等の任意の非一過的(non−transitory)な記憶媒体を含んでよい。ストレージ9は、複数の種類の記憶媒体を含んでよい。ストレージ9は、メモリカード、光ディスク、又は光磁気ディスク等の可搬の記憶媒体と、記憶媒体の読み取り装置との組み合わせを含んでよい。ストレージ9は、RAM(Random Access Memory)等の一時的な記憶領域として利用される記憶デバイスを含んでよい。
ストレージ9に記憶されるプログラムには、フォアグランド又はバックグランドで実行されるアプリケーションと、アプリケーションの動作を支援する制御プログラムとが含まれる。アプリケーションは、例えば、ディスプレイ2Aに画面を表示させ、タッチスクリーン2Bを介して検出されるジェスチャに応じた処理をコントローラ10に実行させる。制御プログラムは、例えば、OSである。アプリケーション及び制御プログラムは、通信ユニット6による通信又は非一過的な記憶媒体を介してストレージ9にインストールされてもよい。
ストレージ9は、例えば、制御プログラム9A、電話アプリケーション9B、メールアプリケーション9C、コンタクトデータ9D、及び設定データ9Zを記憶する。電話アプリケーション9Bは、電話の発信、着信等のための電話機能を提供する。メールアプリケーション9Cは、電子メールの作成、送信、受信、及び表示等のための電子メール機能を提供する。コンタクトデータ9Dは、電話機能及び電子メール機能による通信の相手に関する情報を含む。設定データ9Zは、スマートフォン1の動作に関する各種の設定に関する情報を含む。
制御プログラム9Aは、スマートフォン1を稼働させるための各種制御に関する機能を提供する。制御プログラム9Aは、例えば、通信ユニット6、レシーバ7、及びマイク8等を制御することによって、通話を実現させる。制御プログラム9Aが提供する機能には、タッチスクリーン2Bを介して検出されたジェスチャに応じて、ディスプレイ2Aに表示されている情報を変更する等の各種制御を行う機能が含まれる。制御プログラム9Aが提供する機能は、電話アプリケーション9B及びメールアプリケーション9C等の他のプログラムが提供する機能と組み合わせて利用されることがある。制御プログラム9Aが提供する機能には、ボタン3が操作された場合に、アイコン等のオブジェクトを表示する機能、及び表示したオブジェクトが操作された場合に操作されたボタン3に対応する処理を実行する機能が含まれる。
コントローラ10は、演算処理装置である。演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、SoC(System−on−a−chip)、MCU(Micro Control Unit)、及びFPGA(Field−Programmable Gate Array)を含むが、これらに限定されない。コントローラ10は、スマートフォン1の動作を統括的に制御して各種の機能を実現する。
具体的には、コントローラ10は、ストレージ9に記憶されているデータを必要に応じて参照しつつ、ストレージ9に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行する。そして、コントローラ10は、データ及び命令に応じて機能部を制御し、それによって各種機能を実現する。機能部は、例えば、ディスプレイ2A、通信ユニット6、レシーバ7、及びスピーカ11を含むが、これらに限定されない。コントローラ10は、検出部の検出結果に応じて、制御を変更することがある。検出部は、例えば、タッチスクリーン2B、ボタン3、照度センサ4、近接センサ5、マイク8、カメラ12、カメラ13、加速度センサ15、方位センサ16、及びジャイロスコープ17を含むが、これらに限定されない。
コントローラ10は、例えば、制御プログラム9Aを実行することにより、タッチスクリーン2Bを介して検出されたジェスチャに応じて、ディスプレイ2Aに表示されている情報を変更する等の各種制御を実行する。
カメラ12は、フロントフェイス1Aに面している物体を撮影するインカメラである。カメラ13は、バックフェイス1Bに面している物体を撮影するアウトカメラである。
コネクタ14は、他の装置が接続される端子である。コネクタ14は、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)、ライトピーク(サンダーボルト(登録商標))、イヤホンマイクコネクタのような汎用的な端子であってもよい。コネクタ14は、Dockコネクタのような専用の端子でもよい。コネクタ14に接続される装置は、例えば、外部ストレージ、スピーカ、及び通信装置を含むが、これらに限定されない。
加速度センサ15は、スマートフォン1に働く加速度の方向及び大きさを検出する。方位センサ16は、地磁気の向きを検出する。ジャイロスコープ17は、スマートフォン1の角度及び角速度を検出する。加速度センサ15、方位センサ16及びジャイロスコープ17の検出結果は、スマートフォン1の位置及び姿勢の変化を検出するために、組み合わせて利用される。
図4においてストレージ9が記憶するプログラム及びデータの一部又は全部は、通信ユニット6による通信で他の装置からダウンロードされてもよい。図4においてストレージ9が記憶するプログラム及びデータの一部又は全部は、ストレージ9に含まれる読み取り装置が読み取り可能な非一過的な記憶媒体に記憶されていてもよい。図4においてストレージ9が記憶するプログラム及びデータの一部又は全部は、コネクタ14に接続される読み取り装置が読み取り可能な非一過的な記憶媒体に記憶されていてもよい。非一過的な記憶媒体は、例えば、CD(登録商標)、DVD(登録商標)、Blu−ray(登録商標)等の光ディスク、光磁気ディスク、磁気記憶媒体、メモリカード、及びソリッドステート記憶媒体を含むが、これらに限定されない。
図4に示したスマートフォン1の構成は例であり、本発明の要旨を損なわない範囲において適宜変更してよい。例えば、ボタン3の数と種類は図4の例に限定されない。スマートフォン1は、画面に関する操作のためのボタンとして、ボタン3A〜3Cに代えて、テンキー配列又はQWERTY配列等のボタンを備えていてもよい。スマートフォン1は、画面に関する操作のために、ボタンを1つだけ備えてもよいし、ボタンを備えなくてもよい。図4に示した例では、スマートフォン1が2つのカメラを備えるが、スマートフォン1は、1つのカメラのみを備えてもよいし、カメラを備えなくてもよい。図4に示した例では、スマートフォン1が位置及び姿勢を検出するために3種類のセンサを備えるが、スマートフォン1は、このうちいくつかのセンサを備えなくてもよい。あるいは、スマートフォン1は、位置及び姿勢の少なくとも1つを検出するための他の種類のセンサを備えてもよい。
図5を参照しながら、コンタクトデータ9Dの一例について説明する。図5に示すコンタクトデータ9Dは、通信の相手に関する、名前、電話番号、メールアドレス、顔画像、登録アイコン等の項目を有する。
名前の項目は、人物を識別する情報を保持する。名前の項目は、例えば、人物の姓、人物の名、姓名又はニックネーム等を保持する。
電話番号の項目は、対応する人物の電話番号を保持する。移動電話の電話番号に限らず、固定電話の電話番号を保持してもよい。
メールアドレスの項目は、対応する人物のメールアドレスを保持する。移動機器のメールアドレスに限らず、パーソナルコンピュータ等の固定機器のメールアドレスを保持してもよい。本例のように電話番号及びメールアドレスの両方を保持しておく場合に限らず、電話番号及びメールアドレスのいずれか一方を保持してもよい。
顔画像の項目は、対応する人物の顔画像を特定するための情報を保持する。人物の顔画像は、例えば、カメラ13でその人物を撮影した写真である。人物の顔画像は、他の装置から取得した画像であってもよい。人物の顔画像は、似顔絵等のイラストであってもよい。人物の顔画像は、対応する人物の画像が登録されていないことを示す所定の画像であってもよい。
登録アイコンの項目は、対応する人物が通信の相手を示すどのアイコンと対応付けられているかを示す値を保持する。対応する人物が通信の相手を示すどのアイコンと対応付けられていない場合、登録アイコンの項目は、空欄となる。図5に示す例は、名前が「吉田」、「鈴木」及び「山田」の人物は、それぞれ、「第1アイコン」、「第2アイコン」、及び「第3アイコン」と対応付けられており、他の人物は、アイコンと対応付けられていないことを示している。スマートフォン1は、どの人物をどのアイコンと対応付けるかを利用者の指定等に応じて設定する。
図6から図11を参照しながら、スマートフォン1の動作の例について説明する。以下の例で示す動作は、コントローラ10が制御プログラム9Aを実行することによって実現される。以下の例で示す動作は、コントローラ10がさらに電話アプリケーション9B又はメールアプリケーション9Cを実行することによって実現されることもある。以下の説明において、同様の部分には同じ符号を付すこととし、重複する説明は省略することがある。
図6は、ホーム画面を表示する場合のスマートフォン1の動作の例を示す図である。ステップS11において、スマートフォン1は、スリープ状態にある。スリープ状態とは、タッチスクリーンディスプレイ2を停止した状態、すなわち、ディスプレイ2Aを消灯し、タッチスクリーン2Bの検出を停止した状態である。スマートフォン1は、スリープ状態において、ボタン3A〜3Cのいずれかに対する操作を検出すると、ディスプレイ2A(タッチスクリーンディスプレイ2)にロック画面を表示する。ロック画面とは、ロック状態を解除する操作を受け付けるために、ディスプレイ2Aに表示される画面である。ロック状態とは、所定の操作を除いて、利用者の操作を受け付けない状態である。すなわち、ロック状態とは、利用者がスマートフォン1の全ての機能を利用することができない状態である。スリープ状態は、ロック状態の態様の一つである。
ステップS11では、利用者の指F1が、ボタン3Cを操作している。スマートフォン1は、スリープ状態において、ボタン3Cの操作を検出すると、ステップS12に示すように、ディスプレイ2Aにロック画面60aを表示する。ロック画面60aは、ロック状態を解除する操作に加えて、予め選択された人物と通信によって連絡をとるための操作を受け付けるための画面である。ロック画面60aは、アイコン61a〜61c(第1〜第3アイコン)及びソフトボタン62a等のオブジェクトを含む。ロック画面60aは、現在時刻を示す時計オブジェクト、日付及び曜日を示すカレンダオブジェクト、及び背景画像オブジェクト等の他のオブジェクトを含んでもよい。
アイコン61a〜61cは、通信の相手を選択するためのオブジェクトである。アイコン61a〜61cは、それぞれ、コンタクトデータ9Dに登録されている人物と対応付けられている。具体的には、アイコン61a、61b、及び61cは、それぞれ、登録アイコンの項目に、「第1アイコン」、「第2アイコン」、及び「第3アイコン」と対応付けられていることを示す値が設定されている人物と対応付けられている。アイコン61a〜61cは、対応付けられている人物の顔画像の項目に設定されている画像を含む。さらに、アイコン61a〜61cは、対応付けられている人物の名前の項目に設定されている文字列を含む、又は付加される。アイコン61a〜61cは、画像及び文字列の一方が省略されてもよい。
ソフトボタン62aは、ロック状態を解除するためのオブジェクトである。
ステップS13では、利用者の指F1が、ソフトボタン62aを操作している。スマートフォン1は、ソフトボタン62aに対するジェスチャを検出すると、ロック状態を解除し、ステップS14に示すように、ホーム画面70をディスプレイ2Aに表示する。ホーム画面70は、デスクトップ、待受画面、アイドル画面又は標準画面と呼ばれることもある。ホーム画面70は、スマートフォン1にインストールされているアプリケーションのうち、どのアプリケーションを実行するかを利用者に選択させる画面である。スマートフォン1は、ホーム画面70にアイコン71を配置することができる。それぞれのアイコン71は、スマートフォン1にインストールされているアプリケーションと予め対応付けられている。スマートフォン1は、アイコン71に対するジェスチャを検出すると、ジェスチャが検出されたアイコン71に対応付けられているアプリケーションを実行する。スマートフォン1は、指F1による、ソフトボタン62aに対するジェスチャを検出すると、ホーム画面70ではなく、ロック状態に遷移する前に表示させていた画面をディスプレイ2Aに表示してもよい。
ホーム画面70が表示された後、利用者は、電話アプリケーション9Bに対応付けられたアイコン71を操作することによって、任意の相手に電話を発信することができる。電話の発信は、例えば、コンタクトデータ9Dに登録されている人物の一覧又は通話履歴から相手を選択し、発信ボタンを操作する、もしくは、相手の電話番号を入力し、発信ボタンを操作するという手順で実現される。ホーム画面70が表示された後、利用者は、メールアプリケーション9Cに対応付けられたアイコン71を操作することによって、任意の相手にメールを送信することもできる。メールの発信は、例えば、メール作成用の画面を表示させ、コンタクトデータ9Dに登録されている人物の一覧からの選択等により送信先メールアドレスを指定し、件名及び本文等を入力し、送信ボタンを操作するという手順で実現される。
図7は、電話発信時のスマートフォンの動作の例を示す図である。ステップS21において、スマートフォン1は、スリープ状態にある。ステップS21では、利用者の指F1が、ボタン3Cを操作している。スマートフォン1は、スリープ状態において、ボタン3Cの操作を検出すると、図6の例と同様に、ステップS22として、ディスプレイ2Aにロック画面60aを表示する。
ステップS23では、利用者が、通信の相手を選択するために、指F1でアイコン61aを操作している。スマートフォン1は、アイコン61aに対するジェスチャを検出すると、ステップS24に示すように、選択画面63をディスプレイ2Aに表示する。選択画面63は、選択された人物と連絡を取る手段を選択するための画面である。選択画面63は、ソフトボタン63aと、ソフトボタン63bとを含む。ソフトボタン63aは、選択された人物と電話で連絡を取るためのオブジェクトである。ソフトボタン63bは、選択された人物とメールで連絡を取るためのオブジェクトである。
ステップS25では、利用者が、電話で連絡を取ることを指示するために、指F1でソフトボタン63aを操作している。スマートフォン1は、ソフトボタン63aに対するジェスチャを検出すると、ロック状態を解除し、ステップS26に示すように、電話アプリケーション9Bの電話機能に基づいて、発信画面80aをディスプレイ2Aに表示する。発信画面80aは、選択された人物に電話を発信してよいかを確認するための画面である。発信画面80aは、ソフトボタン81a及び81bを含む。ソフトボタン81aは、電話の発信の実行を指示するためのオブジェクトである。ソフトボタン81bは、電話の発信の中止を指示するためのオブジェクトである。発信画面80aは、通信の相手を特定するための顔画像及び名前等の情報を含んでもよい。通信の顔画像及び名前等の情報は、例えば、コンタクトデータ9Dから取得される。
ステップS27では、利用者が、電話の発信を指示するために、指F1でソフトボタン81aを操作している。スマートフォン1は、ソフトボタン81aに対するジェスチャを検出すると、電話アプリケーション9Bの電話機能に基づいて、電話の発信処理を実行する。発信処理は、例えば、相手が呼び出しに応じるのを待機する処理、相手との音声のやりとりを実現する処理、通話の切断を検出する処理、及び通話の終了を指示する操作を検出する処理等を含む。スマートフォン1は、発信処理の実行中、ステップS28に示すように、電話アプリケーション9Bの電話機能に基づいて、通話画面80bをディスプレイ2Aに表示する。通話画面80bは、ソフトボタン82を含む。ソフトボタン82は、通話の終了を指示するためのオブジェクトである。通話画面80bは、通信の相手を特定する情報、及び通話の状態を示す情報等を含んでもよい。
図7では、電話の発信の例について説明したが、メールの送信も同様の手順で実行される。具体的には、スマートフォン1は、ステップS24として、ソフトボタン63aではなくソフトボタン63bに対する操作を検出すると、選択された人物にメールを送信するための処理を実行する。
このように、スマートフォン1は、ロック画面上に、通信の相手と対応付けられたアイコンを表示し、アイコンが選択されると、選択されたアイコンに対応付けられた人物と通信するための処理を実行する。これにより、ロック状態を解除した後にホーム画面を表示する場合と比較して、少ない手順で所望の相手との所望の手段での通信を実現することができる。具体的には、利用者は、所望の手段での通信を行うためのアプリケーションを実行するために、ホーム画面上のアイコンを操作しなくてもよい。さらに、利用者は、通信の相手を指定するために、コンタクトデータ9Dに登録されている人物の一覧を表示させ、一覧をスクロールさせながら通信の相手を探し、特定するといった面倒な操作を行わなくてよい。
図8は、電話発信時のスマートフォンの動作の他の例を示す図である。ステップS31において、スマートフォン1は、スリープ状態にある。ステップS31では、利用者の指F1が、ボタン3Aを操作している。
スマートフォン1は、スリープ状態において、ボタン3Aの操作を検出すると、ステップS32として、ディスプレイ2Aにロック画面60bを表示する。ロック画面60bは、ロック状態を解除する操作に加えて、ボタン3Aと対応付けられた電話アプリケーション9Bに関連する操作を受け付けるための画面である。ロック画面60bは、アイコン61a〜61c、及びソフトボタン62a〜62b等のオブジェクトを含む。ロック画面60bは、現在時刻を示す時計オブジェクト、日付及び曜日を示すカレンダオブジェクト、及び背景画像オブジェクト等の他のオブジェクトを含んでもよい。
アイコン61a〜61cは、通信の相手を選択するためのオブジェクトである。ソフトボタン62aは、ロック状態を解除するためのオブジェクトである。ソフトボタン62bは、任意の相手に電話を発信するためのオブジェクトである。
ステップS33では、利用者が、通信の相手を選択するために、指F1でアイコン61aを操作している。スマートフォン1は、アイコン61aに対するジェスチャを検出すると、ロック状態を解除し、ステップS34に示すように、電話アプリケーション9Bの電話機能に基づいて、発信画面80aをディスプレイ2Aに表示する。
ステップS35では、利用者が、電話の発信を指示するために、指F1でソフトボタン81aを操作している。スマートフォン1は、ソフトボタン81aに対するジェスチャを検出すると、電話の発信処理を行う。スマートフォン1は、発信処理の実行中、ステップS36に示すように、電話アプリケーション9Bの電話機能に基づいて、通話画面80bをディスプレイ2Aに表示する。
このように、スマートフォン1は、電話アプリケーション9Bと対応付けられたボタン3Aの操作に応じて表示したアイコンが操作されると、電話アプリケーション9Bに関する処理として、アイコンに対応付けられた人物と電話で通信するための処理を実行する。これにより、選択画面63上で電話とメールのどちらで連絡を取るかを選択することなく、より少ない手順で所望の相手との所望の手段での通信を実現することができる。
さらに、ボタン3Aは、ソフトキーではなく物理キーであるため、利用者にとって、ボタンの領域の識別、及び操作したか否かの識別が容易である。このため、一連の操作の一部として、ボタン3Aの操作を含めることにより、操作性の向上、操作の迅速性の向上、及び誤操作の可能性の低減等を実現することができる。
スマートフォン1は、利用者がボタン3Aを操作した後にアイコンと対応付けられていない人物に電話を発信することも可能にする。具体的には、ステップS37に示すように、ロック画面60bの表示中にソフトボタン62bに対するジェスチャを検出すると、スマートフォン1は、ロック状態を解除し、ステップS38に示すように、電話アプリケーション9Bの電話機能に基づいて、ダイヤル画面80cを表示する。ダイヤル画面80cは、電話番号の入力又は選択、及び発信の指示等の操作を受け付けるための画面である。
この場合でも、選択画面63上で電話とメールのどちらで連絡を取るかを選択することなく、より少ない手順で所望の相手との所望の手段での通信を実現することができる。さらに、一連の操作の一部として、物理キーであるボタン3Aの操作を含めることにより、操作性の向上、操作の迅速性の向上、及び誤操作の可能性の低減等を実現することができる。
図8では、ロック画面60b上のアイコン61a〜61cのいずれかに対する操作を検出した場合に、スマートフォン1が発信画面80aをディスプレイ2Aに表示する例について説明した。しかしながら、スマートフォン1は、ロック画面60b上のアイコン61a〜61cのいずれかに対する操作を検出した場合に、発信画面80aを表示することなく通話処理を開始してもよい。すなわち、スマートフォン1は、電話アプリケーション9Bと対応付けられたボタン3Aの操作に応じて表示したアイコンが操作されると、電話を発信してよいかを確認することなく、操作されたアイコンに対応する人物への電話の発信を実行してもよい。これにより、さらに少ない手順で、所望の相手との所望の手段での通信を実現することができる。
図9は、メール送信時のスマートフォンの動作の例を示す図である。ステップS41において、スマートフォン1は、スリープ状態にある。ステップS41では、利用者の指F1が、ボタン3Bを操作している。
スマートフォン1は、スリープ状態において、ボタン3Bの操作を検出すると、ステップS42として、ディスプレイ2Aにロック画面60cを表示する。ロック画面60cは、ロック状態を解除する操作に加えて、ボタン3Bと対応付けられたメールアプリケーション9Cに関連する操作を受け付けるための画面である。アイコン61a〜61c、ソフトボタン62a、及びソフトボタン62c等のオブジェクトを含む。ロック画面60cは、現在時刻を示す時計オブジェクト、日付及び曜日を示すカレンダオブジェクト、及び背景画像オブジェクト等の他のオブジェクトを含んでもよい。
アイコン61a〜61cは、通信の相手を選択するためのオブジェクトである。ソフトボタン62aは、ロック状態を解除するためのオブジェクトである。ソフトボタン62cは、作成、送信、及び閲覧等のメールに関する各種の処理を実行するためのオブジェクトである。
ステップS43では、利用者が、通信の相手を選択するために、指F1でアイコン61aを操作している。スマートフォン1は、アイコン61aに対するジェスチャを検出すると、ロック状態を解除し、ステップS44に示すように、メールアプリケーション9Cの電子メール機能に基づいて、個別履歴画面90aをディスプレイ2Aに表示する。個別履歴画面90aは、特定の人物と利用者との間で送受信されたメールが一覧表示される画面である。この場合、スマートフォン1は、ステップS43で選択されたアイコン61aに対応する人物と利用者の間で送受信されたメールを個別履歴画面90a上に一覧表示する。このように、選択された人物と利用者との間で送受信されたメールを一覧表示することにより、利用者は、その人物との間でどのような情報を交換したかを、少ない手順で確認することができる。
個別履歴画面90aは、ソフトボタン92を含む。ソフトボタン92は、特定の人物へ送信する新たなメールを作成するためのオブジェクトである。図9では、送受信されたメールの内容が吹き出し91a〜91dとして表示される例を示したが、表示の態様はこれに限定されない。メールの内容は、例えば、隙間なく一列に配列された矩形の領域内に表示されてもよい。個別履歴画面90aは、顔写真、名前、メールアドレスのような特定の人物を特定する情報等を含んでもよい。
ステップS45では、利用者が、選択した人物へ送信するメールを作成するために、指F1でソフトボタン92を操作している。スマートフォン1は、ソフトボタン92に対するジェスチャを検出すると、ステップS46に示すように、メールアプリケーション9Cの電子メール機能に基づいて、メール作成画面90bをディスプレイ2Aに表示する。メール作成画面90bは、メールの件名、及び本文等を入力してメールを作成するための画面である。画面が個別履歴画面90aからメール作成画面90bへ遷移した場合、作成されるメールの送信先は、個別履歴画面90aにおいて一覧表示されていたメールの相手に予め設定される。
メール作成画面90bは、ソフトボタン93を含む。ソフトボタン93は、作成したメールの送信を指示するためのオブジェクトである。メール作成画面90bは、メールの件名、及び本文等を入力するための入力項目オブジェクトを含む。メール作成画面90bは、通信の相手を特定する情報を含んでもよい。
このようにスマートフォン1は、メールアプリケーション9Cと対応付けられたボタン3Bの操作に応じて表示したアイコンが操作されると、メールアプリケーション9Cに関する処理として、アイコンに対応付けられた人物に送信するメールを作成するための処理を実行する。これにより、選択画面63上で電話とメールのどちらで連絡を取るかを選択することなく、より少ない手順で所望の相手との所望の手段での通信を実現することができる。
さらに、一連の操作の一部として、物理キーであるボタン3Bの操作を含めることにより、操作性の向上、操作の迅速性の向上、及び誤操作の可能性の低減等を実現することができる。
スマートフォン1は、利用者がボタン3Bを操作した後にアイコンと対応付けられていない人物にメールを送信することも可能にする。具体的には、ステップS47に示すように、ロック画面60cの表示中にソフトボタン62cに対するジェスチャを検出すると、スマートフォン1は、ロック状態を解除し、ステップS48に示すように、メールアプリケーション9Cの電子メール機能に基づいて、メール機能一覧画面90cを表示する。メール機能一覧画面90cは、使用する電子メール機能を選択するための画面である。スマートフォン1は、メール機能一覧画面90cに対する所定のジェスチャを検出すると、任意の人物宛のメールを作成することができる画面をディスプレイ2Aに表示する。
この場合でも、選択画面63上で電話とメールのどちらで連絡を取るかを選択することなく、より少ない手順で所望の相手との所望の手段での通信を実現することができる。さらに、一連の操作の一部として、物理キーであるボタン3Bの操作を含めることにより、操作性の向上、操作の迅速性の向上、及び誤操作の可能性の低減等を実現することができる。
図9では、ロック画面60c上のアイコン61a〜61cのいずれかに対する操作を検出した場合に、スマートフォン1が個別履歴画面90aをディスプレイ2Aに表示する例を示した。しかしながら、スマートフォン1は、ロック画面60c上のアイコン61a〜61cのいずれかに対する操作を検出した場合に、個別履歴画面90aではなく、操作されたアイコンに対応する人物のメールアドレスが送信先として設定されたメール作成画面90bをディスプレイ2Aに表示してもよい。すなわち、スマートフォン1は、メールアプリケーション9Cと対応付けられたボタン3Bの操作に応じて表示したアイコンが操作されると、メールの一覧を表示することなく、操作されたアイコンに対応する人物へのメールを作成する処理を開始してもよい。これにより、さらに少ない手順で、所望の相手との所望の手段での通信を実現することができる。
図9では、ロック画面60c上のソフトボタン62cに対する操作を検出した場合に、スマートフォン1がメール機能一覧画面90cをディスプレイ2Aに表示する例を示した。しかしながら、スマートフォン1は、この場合に、メール機能一覧画面90cではなく、任意の人物宛のメールを作成することができる画面をディスプレイ2Aに表示してもよい。これにより、さらに少ない手順で、任意の相手との所望の手段での通信を実現することができる。
ところで、スマートフォン1は、図8のステップS32のロック画面60bをディスプレイ2Aに表示しているロック状態において、ボタン3Bに対する操作を検出すると、ロック画面60bに代えて、図9のステップS42のロック画面60cをディスプレイ2Aに表示してもよい。その後、スマートフォン1は、図9を参照して説明した処理を実行する。スマートフォン1は、図9のステップS42のロック画面60cをディスプレイ2Aに表示しているロック状態において、ボタン3Aに対する操作を検出すると、ロック画面60cに代えて、図8のステップS32のロック画面60bをディスプレイ2Aに表示してもよい。その後、スマートフォン1は、図8を参照して説明した処理を実行する。このように構成することにより、スリープ状態において利用者が所望のボタンとは異なるボタンを操作した場合でも、スリープ状態に戻ることなく、スリープ状態において利用者が所望のボタンを操作した場合と同じ画面を表示することができる。
図10は、電話着信時のスマートフォンの動作の例を示す図である。ステップS51に示すように、スマートフォン1は、スリープ状態において電話の着信があると、電話着信報知処理を行う。電話着信報知処理には、着信音の出力及び電話アプリケーション9Bと対応付けられているボタン3Aの発光等により電話の着信を利用者に報知する処理、電話の着信に応答する操作の検出を所定の時間が経過するまで待機する処理等が含まれる。
ステップS52では、利用者が、指F1でボタン3Aを操作している。このときのスマートフォン1は、スリープ状態にある。スマートフォン1は、スリープ状態にあり、かつ、電話着信報知処理中である場合にボタン3Aの操作を検出すると、ロック状態を解除して、ステップS53に示すように、電話アプリケーション9Bの電話機能に基づいて、電話着信画面80dをディスプレイ2Aに表示する。電話着信画面80dは、電話の着信に応答するか電話の着信を拒否するかを選択するための画面である。電話着信画面80dは、ソフトボタン81cと、ソフトボタン81dとを含む。ソフトボタン81cは、電話の着信に応答するためのオブジェクトである。ソフトボタン81dは、電話の着信を拒否するためのオブジェクトである。電話着信画面80dは、通信の相手を特定するための顔画像及び名前等の情報を含んでもよい。
ステップS54では、利用者が、電話の着信に応答するために、指F1でソフトボタン81cを操作している。スマートフォン1は、ソフトボタン81cに対するジェスチャを検出すると、電話アプリケーション9Bの電話機能に基づいて、通話処理を実行する。スマートフォン1は、通話処理の実行中、ステップS55に示すように、電話アプリケーション9Bの電話機能に基づいて、通話画面80bをディスプレイ2Aに表示する。
スマートフォン1は、所定の時間が経過しても電話の着信に応答する操作を検出しない場合、電話着信報知処理を中止する。そして、スマートフォン1は、ステップS56として、不在着信があることを利用者に報知する。スマートフォン1は、例えば、電話アプリケーション9Bと対応付けられているボタン3Aを発光させることにより、不在着信があることを利用者に報知する。不在着信があることを報知するためのボタン3Aの発光のさせ方は、電話着信報知処理中のボタン3Aの発光のさせ方と異なってもよい。
ステップS57では、報知に気付いた利用者が、不在着信を確認するために、指F1でボタン3Aを操作している。このときのスマートフォン1は、スリープ状態にある。スマートフォン1は、スリープ状態にあり、かつ、不在着信がある場合にボタン3Aの操作を検出すると、ステップS58として、ディスプレイ2Aにロック画面60dを表示する。
ロック画面60dは、ソフトボタン63aをさらに含む点を除いて、図8に示したロック画面60bと同じ画面である。ソフトボタン63aは、不在着信があることを利用者に知らせるためのオブジェクトである。スマートフォン1は、ソフトボタン63aに対するジェスチャを検出した場合に、不在着信に関する詳細な情報をディスプレイ2Aに表示してもよい。スマートフォン1は、ソフトボタン63aに対するジェスチャを検出した場合に、不在着信の発信元への電話を発信するための処理を実行してもよい。
このように、電話アプリケーション9Bと対応付けられたボタン3Aが操作された場合に表示する画面に電話と関連する情報をさらに表示することにより、利用者は、電話と関連する情報を少ない手順で取得することができる。
図10では、ボタン3Aが操作された場合に表示するロック画面60d上に不在着信に関する情報を付加的に表示する例について説明した。しかしながら、ボタン3Aが操作された場合に表示するロック画面60d上に付加的に表示する情報は、ボタン3Aと対応付けられた電話アプリケーション9Bに関連する他の情報でもよい。例えば、スマートフォン1は、ボタン3Aが操作された場合に表示するロック画面60d上に、着信及び発信の少なくとも一方の履歴を表示してもよい。
図10では、電話着信報知処理中において、ボタン3A等の操作を検出するまでスマートフォン1がスリープ状態を維持する例について説明した。しかしながら、スマートフォン1は電話着信報知処理を開始したときに、スリープ状態を解除して、電話の発信元に関する情報をディスプレイ2Aに表示してもよい。
図10では、電話着信報知処理中にボタン3Aの操作を検出した場合に、スマートフォン1が電話着信画面80dをディスプレイ2Aに表示する例について説明した。しかしながら、スマートフォン1は、電話着信報知処理中にボタン3Aの操作を検出した場合に、電話着信画面80dを表示することなく通話処理を開始してもよい。すなわち、スマートフォン1は、ソフトボタン81cの操作でなく、電話着信報知処理中のボタン3Aの操作を、電話の着信に応答する操作として検出してもよい。これにより、少ない手順で、相手との通信を開始することができる。
図11は、メール着信時のスマートフォンの動作の例を示す図である。ステップS61に示すように、スマートフォン1は、メールの着信があると、着信音の出力及びメールアプリケーション9Cと対応付けられているボタン3Bの発光等により未読メールがあることを利用者に報知する。スマートフォン1は、着信音の出力は一定時間が経過した後に停止するが、ボタン3Bの発光は継続する。未読メールがあるということは、メールが着信し、その内容を利用者が確認していないことを意味する。
ステップS62では、報知に気付いた利用者が、未読メールを確認するために、指F1でボタン3Bを操作している。このときのスマートフォン1は、スリープ状態にある。スマートフォン1は、スリープ状態にあり、かつ、未読メールがある場合にボタン3Bの操作を検出すると、ステップS63として、ディスプレイ2Aにロック画面60eを表示する。
ロック画面60eは、ソフトボタン63bをさらに含む点を除いて、図9に示したロック画面60cと同じ画面である。ソフトボタン63bは、未読メールがあることを利用者に知らせるためのオブジェクトである。スマートフォン1は、ソフトボタン63bに対するジェスチャを検出した場合に、未読メールの内容又は未読メールに関する詳細な情報をディスプレイ2Aに表示してもよい。
このように、メールアプリケーション9Cと対応付けられたボタン3Bが操作された場合に表示する画面にメールと関連する情報をさらに表示することにより、利用者は、メールと関連する情報を少ない手順で取得することができる。
図11では、ボタン3Bが操作された場合に表示するロック画面60e上に未読メールに関する情報を付加的に表示する例について説明した。しかしながら、ボタン3Bが操作された場合に表示するロック画面60e上に付加的に表示する情報は、ボタン3Bと対応付けられたメールアプリケーション9Cに関連する他の情報でもよい。例えば、スマートフォン1は、ボタン3Bが操作された場合に表示するロック画面60e上に、受信メール及び送信メールの少なくとも一方の一覧を表示してもよい。
図12を参照しながら、スマートフォン1が実行する処理手順の例について説明する。図12は、スマートフォンが実行する処理手順の例を示すフローチャートである。図12に示す処理手順は、コントローラ10が制御プログラム9Aを実行することによって実現される。
コントローラ10は、所定の条件が満たされると、ステップS101として、ロック状態へ遷移する。所定の条件とは、例えば、ロック状態への移行を指示する操作を検出すること、又は操作を検出しない期間が一定時間より長く継続することである。コントローラ10は、ステップS102として、ボタン3A〜3Cのいずれかへの操作を検出したかを判定する。ボタン3A〜3Cのいずれへの操作も検出していない場合(ステップS102,No)、コントローラ10は、ステップS101に戻る。ボタン3A〜3Cのいずれかへの操作を検出した場合(ステップS102,Yes)、コントローラ10は、ステップS103に進む。
コントローラ10は、ステップS103として、ロック画面をディスプレイ2Aに表示する。さらに、コントローラ10は、ステップS104として、ロック画面上にアイコン61a〜61cを表示し、ステップS105として、操作されたボタンに応じたソフトボタンをロック画面上に表示する。
コントローラ10は、ステップS106として、最後に何らかの操作を検出してから所定時間が経過したか判定する。所定時間が経過している場合(ステップS106,Yes)、コントローラ10は、ステップS101に戻る。所定時間が経過していない場合(ステップS106,No)、コントローラ10は、ステップS107へ進む。
コントローラ10は、ステップS107として、アイコン61a〜61cのいずれかに対する操作を検出したか判定する。アイコン61a〜61cに対する操作を検出した場合(ステップS107,Yes)、コントローラ10は、ステップS102で検出した操作がどのボタンに対する操作であるかを判定する。
操作されたボタンがボタン3A(第1のボタン)である場合(ステップS108,Yes)、コントローラ10は、ステップS109へ進む。コントローラ10は、ステップS109として、操作されたアイコンに対応する相手について、操作された第1のボタンに対応する第1のアプリケーション(例えば、電話アプリケーション9B)に関する処理を実行する。このとき、コントローラ10は、ロック状態を解除してもよい。
操作されたボタンがボタン3B(第2のボタン)である場合(ステップS108,No、かつ、ステップS110,Yes)、コントローラ10は、ステップS111へ進む。コントローラ10は、ステップS111として、操作されたアイコンに対応する相手について、操作された第2のボタンに対応する第2のアプリケーション(例えば、メールアプリケーション9C)に関する処理を実行する。このとき、コントローラ10は、ロック状態を解除してもよい。
操作されたボタンがボタン3Cである場合(ステップS110,No)、コントローラ10は、ステップS112へ進む。コントローラ10は、ステップS112として、選択画面等を通じて、第1のアプリケーション又は第2のアプリケーションを利用者に選択させる。そして、コントローラ10は、ステップS113として、操作されたアイコンに対応する相手について、選択されたアプリケーションに関する処理を実行する。このとき、コントローラ10は、ロック状態を解除してもよい。
ステップS107でアイコン61a〜61cのいずれに対する操作も検出していない場合(ステップS107,No)、コントローラ10は、ステップS114へ進む。コントローラ10は、ステップS114として、ロック画面上のソフトボタンに対する操作を検出したかを判定する。ソフトボタンに対する操作を検出していない場合(ステップS114,No)、コントローラ10は、ステップS106へ戻る。
ソフトボタンに対する操作を検出した場合(ステップS114,Yes)、コントローラ10は、ステップS115へ進む。コントローラ10は、ステップS115として、操作されたソフトボタン応じた処理を実行する。このとき、コントローラ10は、ロック状態を解除してもよい。
本出願の開示する実施形態は、発明の要旨及び範囲を逸脱しない範囲で変更することができる。さらに、本出願の開示する実施形態及びその変形例は、適宜組み合わせることができる。例えば、上記の実施形態は、以下のように変形してもよい。
例えば、図4に示した各プログラムは、複数のモジュールに分割されていてもよいし、他のプログラムと結合されていてもよい。
上記の実施形態では、タッチスクリーンを備える装置の例として、スマートフォンについて説明したが、添付の請求項に係る装置は、スマートフォンに限定されない。添付の請求項に係る装置は、スマートフォン以外の携帯電子機器であってもよい。携帯電子機器は、例えば、モバイルフォン、タブレット、携帯型パソコン、デジタルカメラ、メディアプレイヤ、電子書籍リーダ、ナビゲータ、及びゲーム機を含むが、これらに限定されない。添付の請求項に係る装置は、据え置き型の電子機器であってもよい。据え置き型の電子機器は、例えば、デスクトップパソコン、自動預入支払機(ATM)、及びテレビ受像器を含むが、これらに限定されない。
上記の実施形態では、スマートフォン1が、通信の相手に対応する3つのアイコンを表示する例について説明した。しかしながら、表示するアイコンの数、及びアイコンと対応付けられる情報の種類はこれに限定されない。例えば、アイコンの数は、1つ、2つ、又は4つ以上であってもよい。例えば、アイコンと対応付けられる情報は、静止画、動画、文書等のデータであり、アイコンを表示するきっかけとなった操作の対象のボタンに応じた処理が、選択されたアイコンに対応するデータに適用されてもよい。
上記の実施形態では、スマートフォン1が、通信のためのアプリケーションと対応付けられている2つのボタンを備える例について説明した。しかしながら、アプリケーションと対応付けられているボタンの数、及びボタンと対応付けられるアプリケーションの種類はこれに限定されない。例えば、アプリケーションと対応付けられているボタンの数は、1つ、又は3つ以上でもよい。ボタンと対応付けられるアプリケーションの種類は、例えば、データ閲覧のためのアプリケーション、又はデータ編集のためのアプリケーションであってもよい。
上記の実施形態では、スマートフォン1が、電話アプリケーション及びメールアプリケーションに対応するボタンを備えている場合について説明したが、ボタンとアプリケーションとの対応付けを利用者が設定できるようにしてもよい。例えばボタンとアプリケーションとの対応付けを行うためのアプリケーションを用意しておき、対応付けに関するデータを例えばストレージ9に記憶してもよい。
添付の請求項に係る技術を完全かつ明瞭に開示するために特徴的な実施形態に関し記載してきた。しかし、添付の請求項は、上記実施形態に限定されるべきものでなく、本明細書に示した基礎的事項の範囲内で当該技術分野の当業者が創作しうるすべての変形例及び代替可能な構成を具現化するように構成されるべきである。