本出願に係る通信装置、通信方法、及び通信プログラムを実施するための実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下では、タッチスクリーンを備える通信装置の例として、スマートフォンについて説明する。
(実施形態)
図1から図3を参照しながら、実施形態に係るスマートフォン1の全体的な構成について説明する。図1から図3に示すように、スマートフォン1は、ハウジング20を有する。ハウジング20は、フロントフェイス1Aと、バックフェイス1Bと、サイドフェイス1C1〜1C4とを有する。フロントフェイス1Aは、ハウジング20の正面である。バックフェイス1Bは、ハウジング20の背面である。サイドフェイス1C1〜1C4は、フロントフェイス1Aとバックフェイス1Bとを接続する側面である。以下では、サイドフェイス1C1〜1C4を、どの面であるかを特定することなく、サイドフェイス1Cと総称することがある。
スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2と、ボタン3A〜3Cと、照度センサ4と、近接センサ5と、レシーバ7と、マイク8と、カメラ12とをフロントフェイス1Aに有する。スマートフォン1は、スピーカ11と、カメラ13とをバックフェイス1Bに有する。スマートフォン1は、ボタン3D〜3Fと、コネクタ14とをサイドフェイス1Cに有する。以下では、ボタン3A〜3Fを、どのボタンであるかを特定することなく、ボタン3と総称することがある。
タッチスクリーンディスプレイ2は、ディスプレイ2Aと、タッチスクリーン2Bとを有する。図1の例では、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bはそれぞれ略長方形状であるが、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bの形状はこれに限定されない。ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bは、それぞれが正方形又は円形等のどのような形状もとりうる。図1の例では、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bは重ねて配置されているが、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bの配置はこれに限定されない。ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bは、例えば、並べて配置されてもよいし、離して配置されてもよい。図1の例では、ディスプレイ2Aの長辺はタッチスクリーン2Bの長辺に沿っており、ディスプレイ2Aの短辺はタッチスクリーン2Bの短辺に沿っているが、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bの重ね方はこれに限定されない。ディスプレイ2Aとタッチスクリーン2Bとが重ねて配置される場合、例えば、ディスプレイ2Aの1ないし複数の辺がタッチスクリーン2Bのいずれの辺とも沿っていなくてもよい。
ディスプレイ2Aは、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro−Luminescence Display)、又は無機ELディスプレイ(IELD:Inorganic Electro−Luminescence Display)等の表示デバイスを備える。ディスプレイ2Aは、文字、画像、記号、及び図形等を表示する。
タッチスクリーン2Bは、タッチスクリーン2Bに対する指、ペン、又はスタイラスペン等の接触を検出する。タッチスクリーン2Bは、複数の指、ペン、又はスタイラスペン等がタッチスクリーン2Bに接触した位置を検出することができる。以下の説明では、タッチスクリーン2Bに対して接触する指、ペン、又はスタイラスペン等を、「接触オブジェクト(接触物)」と呼ぶことがある。
タッチスクリーン2Bの検出方式は、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式(又は超音波方式)、赤外線方式、電磁誘導方式、及び荷重検出方式等の任意の方式でよい。以下の説明では、説明を簡単にするため、利用者はスマートフォン1を操作するために指を用いてタッチスクリーン2Bに接触するものと想定する。
スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bにより検出された接触、接触が検出された位置、接触が検出された位置の変化、接触が検出された間隔、及び接触が検出された回数の少なくとも1つに基づいてジェスチャの種別を判別する。ジェスチャは、タッチスクリーン2Bに対して行われる操作である。スマートフォン1によって判別されるジェスチャは、例えば、タッチ、ロングタッチ、リリース、スワイプ、タップ、ダブルタップ、ロングタップ、ドラッグ、フリック、ピンチイン、及びピンチアウトを含むがこれらに限定されない。
「タッチ」は、タッチスクリーン2Bに指が触れるジェスチャである。スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bに指が接触するジェスチャをタッチとして判別する。「ロングタッチ」は、タッチスクリーン2Bに指が一定時間より長く触れるジェスチャである。スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bに指が一定時間より長く接触するジェスチャをロングタッチとして判別する。
「リリース」は、指がタッチスクリーン2Bから離れるジェスチャである。スマートフォン1は、指がタッチスクリーン2Bから離れるジェスチャをリリースとして判別する。「スワイプ」は、指がタッチスクリーン2Bに接触したままで移動するジェスチャである。スマートフォン1は、指がタッチスクリーン2Bに接触したままで移動するジェスチャをスワイプとして判別する。
「タップ」は、タッチに続いてリリースをするジェスチャである。スマートフォン1は、タッチに続いてリリースをするジェスチャをタップとして判別する。「ダブルタップ」は、タッチに続いてリリースをするジェスチャが2回連続するジェスチャである。スマートフォン1は、タッチに続いてリリースをするジェスチャが2回連続するジェスチャをダブルタップとして判別する。
「ロングタップ」は、ロングタッチに続いてリリースをするジェスチャである。スマートフォン1は、ロングタッチに続いてリリースをするジェスチャをロングタップとして判別する。「ドラッグ」は、移動可能なオブジェクトが表示されている領域を始点としてスワイプをするジェスチャである。スマートフォン1は、移動可能なオブジェクトが表示されている領域を始点としてスワイプをするジェスチャをドラッグとして判別する。
「フリック」は、指が、タッチスクリーン2Bに触れた後移動しながらタッチスクリーン2Bから離れるジェスチャである。すなわち、「フリック」は、タッチに続いて指が移動しながらリリースが行われるジェスチャである。スマートフォン1は、指が、タッチスクリーン2Bに触れた後移動しながらタッチスクリーン2Bから離れるジェスチャをフリックとして判別する。フリックは、指が一方方向へ移動しながら行われることが多い。フリックは、指が画面の上方向へ移動する「上フリック」、指が画面の下方向へ移動する「下フリック」、指が画面の右方向へ移動する「右フリック」、指が画面の左方向へ移動する「左フリック」等を含む。フリックにおける指の移動は、スワイプにおける指の移動よりも素早いことが多い。
「ピンチイン」は、複数の指が互いに近付く方向にスワイプするジェスチャである。スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bにより検出されるある指の位置と他の指の位置との間の距離が短くなるジェスチャをピンチインとして判別する。「ピンチアウト」は、複数の指が互いに遠ざかる方向にスワイプするジェスチャである。スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bにより検出されるある指の位置と他の指の位置との間の距離が長くなるジェスチャをピンチアウトとして判別する。
本実施形態では、1本の指により行われるジェスチャを「シングルタッチジェスチャ」と呼ぶことがある。本実施形態では、2本以上の指により行われるジェスチャを「マルチタッチジェスチャ」と呼ぶことがある。ピンチインおよびピンチアウトは、マルチタッチジェスチャである。タップ、フリックおよびスワイプ等は、1本の指で行われればシングルタッチジェスチャであり、2本以上の指で行われればマルチタッチジェスチャである。
スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bを介して判別するこれらのジェスチャに従って動作を行う。このため、利用者にとって直感的で使いやすい操作性が実現される。判別されるジェスチャに従ってスマートフォン1が行う動作は、ディスプレイ2Aに表示されている画面に応じて異なることがある。以下の説明では、説明を簡単にするために、「タッチスクリーン2Bがジェスチャを検出し、検出されたジェスチャの種別をスマートフォン1がXと判別すること」を、「スマートフォン1がXを検出する」、又は「コントローラがXを検出する」と記載することがある。
図4を参照しながら、ディスプレイ2Aに表示される画面の例について説明する。図4は、ホーム画面の例を示している。ホーム画面は、デスクトップ、待受画面、アイドル画面又は標準画面と呼ばれることもある。ホーム画面は、ディスプレイ2Aに表示される。ホーム画面は、スマートフォン1にインストールされているアプリケーションのうち、どのアプリケーションを実行するかを利用者に選択させる画面である。スマートフォン1は、ホーム画面で選択されたアプリケーションをフォアグランドで実行する。フォアグランドで実行されるアプリケーションの画面は、ディスプレイ2Aに表示される。
スマートフォン1は、ホーム画面にアイコンを配置することができる。図4に示すホーム画面40には、複数のアイコン50が配置されている。それぞれのアイコン50は、スマートフォン1にインストールされているアプリケーションと予め対応付けられている。スマートフォン1は、アイコン50に対するジェスチャを検出すると、ジェスチャが検出されたアイコン50に対応付けられているアプリケーションを実行する。例えば、スマートフォン1は、メールアプリケーションに対応付けられたアイコン50に対するタップが検出されると、メールアプリケーションを実行する。
アイコン50は、画像と文字列を含む。アイコン50は、画像に代えて、記号又は図形を含んでもよい。アイコン50は、画像又は文字列のいずれか一方を含まなくてもよい。アイコン50は、配置パターンに基づいて配置される。アイコン50の背後には、壁紙41が表示される。壁紙は、フォトスクリーン、バックスクリーン、アイドル画像又は背景画像と呼ばれることもある。スマートフォン1は、任意の画像を壁紙41として用いることができる。スマートフォン1は、壁紙41として表示する画像を利用者が選択できるように構成されてもよい。
スマートフォン1は、複数のホーム画面を有していてよい。スマートフォン1は、例えば、ホーム画面の数を利用者による設定に従って決定する。スマートフォン1は、ホーム画面の数が複数であっても、選択された1つをディスプレイ2Aに表示する。
スマートフォン1は、ディスプレイ2Aに表示するホーム画面を変更することができる。スマートフォン1は、ホーム画面の1つを表示中にジェスチャが検出されると、ディスプレイ2Aに表示するホーム画面を別のホーム画面に変更する。例えば、スマートフォン1は、右フリックを検出すると、ディスプレイ2Aに表示するホーム画面を1つ左のホーム画面に変更する。例えば、スマートフォン1は、左フリックを検出すると、ディスプレイ2Aに表示するホーム画面を1つ右のホーム画面に変更する。スマートフォン1は、第1のホーム画面をディスプレイ2Aに表示中にジェスチャが検出されると、ディスプレイ2Aに表示される第1のホーム画面の面積が徐々に狭くなり、ディスプレイ2Aに表示される第2のホーム画面の面積が徐々に広くなるようにディスプレイ2Aに表示するホーム画面を第1のホーム画面から第2のホーム画面へ変更する。スマートフォン1は、第1のホーム画面が第2のホーム画面に即座に置き換わるようにホーム画面を切り替えてもよい。
ディスプレイ2Aの上端には、領域42が設けられている。領域42には、電源の残量を示す残量マーク43、PHS通信用の電波の電界強度を示す電波レベルマーク44a、および、3G通信用の電波の電界強度を示す電波レベルマーク44bが表示される。スマートフォン1は、領域42に、時刻、天気、実行中のアプリケーション、通信システムの種別、電話のステータス、装置のモード、装置に生じたイベント等を表示してもよい。このように、領域42は、利用者に対して各種の通知を行うために用いられる。領域42は、ホーム画面40以外の画面でも設けられることがある。領域42が設けられる位置は、ディスプレイ2Aの上端に限定されない。
ディスプレイ2Aに表示される画面の上下方向について説明する。以下の説明では、タッチスクリーンディスプレイ2の長手方向において領域42に近い側が上側であり、領域42から遠い側が下側である。そして、領域42において電波レベルマーク44a,44bが表示されている側が右側であり、領域42において残量マーク43が表示されている側が左側である。
図4に示したホーム画面40は、例であり、各種の要素の形態、各種の要素の配置、ホーム画面40の数、及びホーム画面40での各種の操作の仕方等は上記の説明の通りでなくてもよい。
図5は、スマートフォン1のブロック図である。スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2と、ボタン3と、照度センサ4と、近接センサ5と、第1通信ユニット6A及び第2通信ユニット6Bと、レシーバ7と、マイク8と、ストレージ9と、コントローラ10と、スピーカ11と、カメラ12及び13と、コネクタ14と、加速度センサ15と、方位センサ16と、ジャイロスコープ17と、発光部18と、バイブレータ19とを有する。
タッチスクリーンディスプレイ2は、上述したように、ディスプレイ2Aと、タッチスクリーン2Bとを有する。ディスプレイ2Aは、文字、画像、記号、又は図形等を表示する。タッチスクリーン2Bは、ジェスチャを検出する。
ボタン3は、利用者によって操作される。ボタン3は、ボタン3A〜ボタン3Fを有する。コントローラ10はボタン3と協働することによってボタン3に対する操作を検出する。ボタン3に対する操作は、例えば、クリック、ダブルクリック、トリプルクリック、プッシュ、及びマルチプッシュを含むが、これらに限定されない。
ボタン3A〜3Cは、例えば、ホームボタン、バックボタンまたはメニューボタンである。ボタン3Dは、例えば、スマートフォン1のパワーオン/オフボタンである。ボタン3Dは、スリープ/スリープ解除ボタンを兼ねてもよい。ボタン3E及び3Fは、例えば、音量ボタンである。
照度センサ4は、スマートフォン1の周囲光の照度を検出する。照度は、光の強さ、明るさ、又は輝度を示す。照度センサ4は、例えば、ディスプレイ2Aの輝度の調整に用いられる。近接センサ5は、近隣の物体の存在を非接触で検出する。近接センサ5は、磁界の変化または超音波の反射波の帰還時間の変化等に基づいて物体の存在を検出する。近接センサ5は、例えば、タッチスクリーンディスプレイ2が顔に近付けられたことを検出する。照度センサ4及び近接センサ5は、1つのセンサとして構成されていてもよい。照度センサ4は、近接センサとして用いられてもよい。
第1通信ユニット6A及び第2通信ユニット6Bは、無線により通信する通信部である。第1通信ユニット6A及び第2通信ユニット6Bによってサポートされる通信方式は、無線通信規格である。本実施形態において、第1通信ユニット6Aは、第1の通信方式を用いて通信を行う第1の通信手段であり、第1の通信方式として、少なくとも、PHS(Personal Handy−phone System)でサポートされる。第2通信ユニット6Bは、第2の通信方式を用いて通信を行う第2の通信手段であり、第2の通信方式として、3Gの通信規格でサポートされる。具体的には、第2通信ユニット6Bは、少なくとも、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、CDMA2000、の1つ又は複数をサポートする。なお、無線通信規格として、上記に限定されず、例えば、2G、4G等のセルラーフォンの通信規格がある。セルラーフォンの通信規格として、例えば、LTE(Long Term Evolution)、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、CDMA2000、PDC(Personal Digital Cellular)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)、PHS(Personal Handy−phone System)等がある。無線通信規格として、さらに、例えば、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、IEEE802.11、Bluetooth(登録商標)、IrDA(Infrared Data Association)、NFC(Near Field Communication)等がある。
レシーバ7及びスピーカ11は、音出力部である。レシーバ7及びスピーカ11は、コントローラ10から送信される音信号を音として出力する。レシーバ7は、例えば、通話時に相手の声を出力するために用いられる。スピーカ11は、例えば、着信音及び音楽を出力するために用いられる。レシーバ7及びスピーカ11の一方が、他方の機能を兼ねてもよい。マイク8は、音入力部である。マイク8は、利用者の音声等を音信号へ変換してコントローラ10へ送信する。
ストレージ9は、プログラム及びデータを記憶する。ストレージ9は、コントローラ10の処理結果を一時的に記憶する作業領域としても利用される。ストレージ9は、半導体記憶媒体、及び磁気記憶媒体等の任意の非一過的(non−transitory)な記憶媒体を含んでよい。ストレージ9は、複数の種類の記憶媒体を含んでよい。ストレージ9は、メモリカード、光ディスク、又は光磁気ディスク等の可搬の記憶媒体と、記憶媒体の読み取り装置との組み合わせを含んでよい。ストレージ9は、RAM(Random Access Memory)等の一時的な記憶領域として利用される記憶デバイスを含んでよい。
ストレージ9に記憶されるプログラムには、フォアグランド又はバックグランドで実行されるアプリケーションと、アプリケーションの動作を支援する制御プログラムとが含まれる。アプリケーションは、例えば、ディスプレイ2Aに画面を表示させ、タッチスクリーン2Bによって検出されるジェスチャに応じた処理をコントローラ10に実行させる。制御プログラムは、例えば、OSである。アプリケーション及び制御プログラムは、第1通信ユニット6A及び第2通信ユニット6Bによる無線通信又は非一過的な記憶媒体を介してストレージ9にインストールされてもよい。
ストレージ9は、例えば、制御プログラム9A、メールアプリケーション9B、ブラウザアプリケーション9C、ナビゲートアプリケーション9D、音楽プレイヤーアプリケーション9E、カレンダーアプリケーション9F、計算機アプリケーション9G、及び設定データ9Zを記憶する。メールアプリケーション9Bは、電子メールの作成、送信、受信、及び表示等のための電子メール機能を提供する。ブラウザアプリケーション9Cは、WEBページを表示するためのWEBブラウジング機能を提供する。ナビゲートアプリケーション9Dは、道案内等のためのナビゲーション機能を提供する。音楽プレイヤーアプリケーション9Eは、音楽を再生し、レシーバ7またはスピーカ11から出力するためのプレイヤー機能を提供する。カレンダーアプリケーション9Fは、スケジュール管理等のためのカレンダー機能を提供する。計算機アプリケーション9Gは、例えば四則演算を行うための計算機機能を提供する。
設定データ9Zは、スマートフォン1の動作に関する各種の設定に関する情報を含む。例えば、設定データ9Zは、第1通信ユニット6Aなどを制御することによって第1の通信方式を利用して実現される通話、又は第2通信ユニット6Bなどを制御することによって第2の通信方式を利用して実現される通話のいずれを行うかの設定に関する情報などを含む。以下では、説明の便宜上、第1通信ユニット6Aなどを制御することによって第1の通信方式を利用して実現される発信処理を「PHS発信」と表記し、第1通信ユニット6Aなどを制御することによって第1の通信方式を利用して実現される通話を「PHS方式を利用する通話」と表記する。また、第2通信ユニット6Bなどを制御することによって第2の通信方式を利用して実現される発信処理を「3G発信」と表記し、第2通信ユニット6Bなどを制御することによって第2の通信方式を利用して実現される通話を「3G方式を利用する通話」と表記する。
本実施形態において、設定データ9Zは、第1通信ユニット6AがPHS発信できる緊急通報用電話番号、又は第2通信ユニット6Bが3G発信できる緊急通報用電話番号の設定に関する情報を含む。例えば、PHS発信できる緊急通報用電話番号は、日本国内で利用可能な警察への緊急通報用電話番号である「110」、海上保安庁への緊急通報用電話番号である「118」、救急・消防への緊急通報用電話番号である「119」等が挙げられる。3G発信できる緊急通報用電話番号は、日本国内で利用可能な「110」、「118」、「119」の他、海外諸国で利用可能な警察・救急・消防等の緊急通報番号として「000」、「08」、「112」、「911」、「999」等が挙げられる。設定データ9Zは、第1通信ユニット6AがPHS発信する際に電話番号に付加可能な特別番号、又は第2通信ユニット6Bが3G発信する際に電話番号に付加可能な特別番号の設定に関する情報を含む。例えば、PHS発信における特別番号は、日本国内で利用可能な発信者番号非通知で通信する際に付ける電話番号である「184」、発信者番号通知で通信する際に付ける電話番号である「186」等が挙げられる。3G発信における特別番号は、日本国内で利用可能な「184)」、「186」の他、海外諸国で利用可能な「*31#」、「#31#」等が挙げられる。
制御プログラム9Aは、スマートフォン1を稼働させるための各種制御に関する機能を提供する。制御プログラム9Aは、例えば、第1通信ユニット6A及び第2通信ユニット6B、レシーバ7、及びマイク8等を制御することによって、通話を実現させる。制御プログラム9Aが提供する機能には、タッチスクリーン2Bを介して検出されたジェスチャに応じて、ディスプレイ2Aに表示されている情報を変更する等の各種制御を行う機能が含まれる。制御プログラム9Aが提供する機能は、メールアプリケーション9B等の他のプログラムが提供する機能と組み合わせて利用されることがある。制御プログラム9Aが提供する機能には、第1の通信方式による通話が不能の場合、第2の通信方式による通話発信を通信部に行わせる機能が含まれる。例えば、制御プログラム9Aが提供する機能には、緊急通報時に第1の通信方式による通話が不能の場合、第1の通信方式から第2の通信方式へ切り替えて、第2の通信方式による通話発信を通信部に行わせる機能が含まれる。本実施形態において、通話が不能の場合とは、受信している電波が閾値以下である場合をいう。制御プログラム9Aが提供する機能には、通信方式を切り替える前に、切り替えの可否を問い合わせる画面をディスプレイ2Aに表示させる機能が含まれる。この他、制御プログラム9Aが提供する機能には、PHS方式と3G方式とを切り替える操作を受け付けるユーザーインターフェースを提供する機能が含まれる。制御プログラム9Aが提供する機能には、PHS回線による通話に関する操作を受け付けるためのユーザーインターフェースを提供する機能が含まれる。制御プログラム9Aが提供する機能には、3G回線による通話に関する操作を受け付けるためのユーザーインターフェースを提供する機能が含まれる。
コントローラ10は、演算処理装置である。演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、SoC(System−on−a−chip)、MCU(Micro Control Unit)、及びFPGA(Field−Programmable Gate Array)を含むが、これらに限定されない。コントローラ10は、スマートフォン1の動作を統括的に制御して各種の機能を実現する。
具体的には、コントローラ10は、ストレージ9に記憶されているデータを必要に応じて参照しつつ、ストレージ9に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行する。そして、コントローラ10は、データ及び命令に応じて機能部を制御し、それによって各種機能を実現する。機能部は、例えば、ディスプレイ2A、第1通信ユニット6A及び第2通信ユニット6B、マイク8、及びスピーカ11を含むが、これらに限定されない。コントローラ10は、検出部の検出結果に応じて、制御を変更することがある。検出部は、例えば、タッチスクリーン2B、ボタン3、照度センサ4、近接センサ5、レシーバ7、カメラ12、カメラ13、加速度センサ15、方位センサ16、及びジャイロスコープ17を含むが、これらに限定されない。
コントローラ10は、例えば、制御プログラム9Aを実行することにより、第1の通信方式による通話が不能の場合、第2の通信方式による通話発信を通信部に行わせる等の各種制御を実行する。コントローラ10は、例えば、緊急通報時に第1の通信方式による通話が不能の場合、第1の通信方式から第2の通信方式へ切り替えて、第2の通信方式による通話発信を通信部に行わせる等の各種制御を実行する。
カメラ12は、フロントフェイス1Aに面している物体を撮影するインカメラである。カメラ13は、バックフェイス1Bに面している物体を撮影するアウトカメラである。
コネクタ14は、他の装置が接続される端子である。コネクタ14は、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)、ライトピーク(サンダーボルト(登録商標))、イヤホンマイクコネクタのような汎用的な端子であってもよい。コネクタ14は、Dockコネクタのような専用の端子でもよい。コネクタ14に接続される装置は、例えば、外部ストレージ、スピーカ、及び通信装置を含むが、これらに限定されない。
加速度センサ15は、スマートフォン1に働く加速度の方向及び大きさを検出する。方位センサ16は、地磁気の向きを検出する。ジャイロスコープ17は、スマートフォン1の角度及び角速度を検出する。加速度センサ15、方位センサ16及びジャイロスコープ17の検出結果は、スマートフォン1の位置及び姿勢の変化を検出するために、組み合わせて利用される。発光部18は、例えば、LED(Light Emitting Diode)であり、複数の色で発光する。バイブレータ19は、振動するモーターである。
図5においてストレージ9が記憶するプログラム及びデータの一部又は全部は、第1通信ユニット6A及び第2通信ユニット6Bによる無線通信で他の装置からダウンロードされてもよい。図5においてストレージ9が記憶するプログラム及びデータの一部又は全部は、ストレージ9に含まれる読み取り装置が読み取り可能な非一過的な記憶媒体に記憶されていてもよい。図5においてストレージ9が記憶するプログラム及びデータの一部又は全部は、コネクタ14に接続される読み取り装置が読み取り可能な非一過的な記憶媒体に記憶されていてもよい。非一過的な記憶媒体は、例えば、CD(登録商標)、DVD(登録商標)、Blu−ray(登録商標)等の光ディスク、光磁気ディスク、磁気記憶媒体、メモリカード、及びソリッドステート記憶媒体を含むが、これらに限定されない。
図5に示したスマートフォン1の構成は例であり、本発明の要旨を損なわない範囲において適宜変更してよい。例えば、ボタン3の数と種類は図5の例に限定されない。スマートフォン1は、画面に関する操作のためのボタンとして、ボタン3A〜3Cに代えて、テンキー配列又はQWERTY配列等のボタンを備えていてもよい。スマートフォン1は、画面に関する操作のために、ボタンを1つだけ備えてもよいし、ボタンを備えなくてもよい。図5に示した例では、スマートフォン1が2つのカメラを備えるが、スマートフォン1は、1つのカメラのみを備えてもよいし、カメラを備えなくてもよい。図5に示した例では、スマートフォン1が位置及び姿勢を検出するために3種類のセンサを備えるが、スマートフォン1は、このうちいくつかのセンサを備えなくてもよい。あるいは、スマートフォン1は、位置及び姿勢の少なくとも1つを検出するための他の種類のセンサを備えてもよい。
図6に、ディスプレイ2Aに表示される通話設定インターフェースの一例を示す。図6に示す通話設定インターフェース45をユーザが操作することにより、PHS方式か、3G方式の通信方式が設定される。図6では、通話設定インターフェース45上の通信方式の選択項目のうちPHSと表記された箇所の色が反転した状態となっており、通話に使用する通信方式としてPHS方式が設定されている例を示している。図6に示す通話設定インターフェース45をユーザが操作することにより、設定された通信方式による通信が不能の場合に通信可能な通信方式へ自動で切り替える際に確認通知を表示させるか否かを設定できる。図6では、通話設定インターフェース45上の確認表示の選択項目のうちONと表記された箇所の色が反転した状態となっており、通信方式を切り替える際に確認通知を行うよう設定されている例を示している。通話設定インターフェース45の設定に関する情報は、ストレージ9に記憶されている設定データ9Zに含まれる。
図7に、PHS方式による通話に関する操作を受け付けるためのユーザーインターフェースの一例を示す。図7に示すように、PHS方式による通話に関する操作を受け付けるためのユーザーインターフェース46は、SMS(Short Message Service)、電話帳、キーパッド、発着信履歴などの各種機能に対応する操作部を有する。図7は、ディスプレイ2Aにキーパッドが表示されている例であり、発信操作を行うための操作部46aの画像が「発信(PHS)」となっている。図7に示すユーザーインターフェース46は、通信方式として通話設定インターフェース45上でPHS方式が設定されている場合に、通話機能に対応するアイコンに対する操作に伴ってディスプレイ2Aに表示される。
図8に、3G方式による通話に関する操作を受け付けるためのユーザーインターフェースの一例を示す。図8に示すように、3G方式による通話に関する操作を受け付けるためのユーザーインターフェース47は、SMS、電話帳、キーパッド、発着信履歴などの各種機能に対応する操作部を有する。図8では、ディスプレイ2Aにキーパッドが表示されている例であり、発信操作を行うための操作部47aの画像が「発信(3G)」となっている。図8に示すユーザーインターフェース47は、通信方式として通話設定インターフェース45上で3G方式が設定されている場合に、通話機能に対応するアイコンに対する操作に伴ってディスプレイ2Aに表示される。
図7に示すユーザーインターフェース46と、図8に示すユーザーインターフェース47は、基本的には同様の構成を有しており、発信種別に応じて、キーパッド上の発信ボタンの画像が変更される点だけが異なる。
図9を参照しながら、制御プログラム9Aが提供する機能に基づく制御の例について説明する。図9は、スマートフォン1が、PHS方式の通信回線を使用してPHS方式及び3G方式で使用可能な緊急通報用電話番号(図9において、「119」)へ発信する際、PHS方式の通信回線が圏外である場合に、3G方式の通信回線に切り替えて緊急通報を行う制御の例を示している。以下の図9では、通信方式としてPHS方式が予め設定されている場合の制御について説明する。
図9に示すステップS11は、ディスプレイ2Aに、PHS方式による通話に関する操作を受け付けるためのユーザーインターフェース46がディスプレイ2Aに表示された状態を示している。ステップS11および以下のステップS12〜S15において、ユーザーインターフェース46の領域42上の電波レベルマーク44aは、PHS方式での通信用の電波の電界強度が弱く圏外であることを示している。スマートフォン1は、例えば、通話機能に対応するアイコンに対する操作が行われると、ステップS11に示すように、第1通信ユニット6Aを起動し、ディスプレイ2Aにユーザーインターフェース46を表示させる。
図9に示すステップS12は、ユーザの指F1によりユーザーインターフェース46上のキーパッドに対する操作が行われてPHS方式および3G方式で使用可能な緊急通報用電話番号として「119」が入力された状態を示している。スマートフォン1は、ステップS12に示すように、タッチスクリーン2Bにより、ユーザーインターフェース46上のキーパッドの「1」と表記された箇所、「1」と表記された箇所、「9」と表記された箇所へのタッチがこの順番で検出されると、入力された緊急通報用電話番号「119」をユーザーインターフェース46上に表示させる。
図9に示すステップS13は、ユーザの指F1が、PHS発信操作を行うための操作部46aに対応する「発信(PHS)」と表記された箇所にタッチしている状態を示している。スマートフォン1は、ステップS13に示すように、タッチスクリーン2Bにより、ユーザーインターフェース46上のキーパッドの「発信(PHS)」と表記された箇所へのタッチが検出されると、第1通信ユニット6Aで受信しているPHS方式での通信用の電波が閾値以下であるか否かを確認する。
図9に示すステップS14は、PHS方式による通話が圏外であるため通信可能な3G方式に通信方式を切り替えるかを問い合わせるメッセージ(図9において、「PHSは圏外です。3Gに切り替えますか?」とのメッセージ)が表示されるとともに、通信可能な3G方式の通信方式へ切り替える操作を受け付けるための確認通知46bが表示された、PHS発信操作直後の状態を示している。スマートフォン1は、PHS方式での通信用の電波が閾値以下である場合、第2通信ユニット6Bを起動し、3G方式での通信用の電波が閾値より大きいことを確認した上で、ステップS14に示すように、ユーザーインターフェース46上に確認通知46bを表示させる。
図9に示すステップS15は、ユーザの指F1が、3G方式へ切り替えるための操作部に対応する確認通知46b上の「OK」と表記された箇所にタッチしている状態を示している。スマートフォン1は、ステップS15に示すように、タッチスクリーン2Bにより、確認通知46b上の「OK」と表記されている箇所へのタッチが検出されると、3G方式への切り替えが許可されたものと判定する。これとは反対に、スマートフォン1は、確認通知46b上の「キャンセル」と表記されている箇所への操作が検出されると、3G方式への切り替えが許可されなかったものと判定する。
図9に示すステップS16は、通信可能な3G方式の通信方式へ切り替えて「119」の緊急通報用電話番号へ3G発信中であることを示している3G発信中画面60aがディスプレイ2Aに表示された、通信方式切替操作直後の状態を示している。ステップS16において、3G発信中画面60aの領域42上の電波レベルマーク44bは、3G方式での通信用の電波の電界強度が強く圏内であることを示している。スマートフォン1は、3G方式への切り替えが許可されたものと判定した場合、通信方式をPHS方式から3G方式へと切り替えて、ストレージ9の設定データ9Zに記憶されている通信方式に関する情報を、PHS方式から3G方式に更新する。そして、スマートフォン1は、ステップS16に示すように、第2通信ユニット6Bを制御して、3G方式の通信回線を使用して緊急通報用電話番号「119」へ3G発信し、ディスプレイ2Aに3G発信中画面60aを表示させる。
図10を参照しながら、制御プログラム9Aが提供する機能に基づく制御の例について説明する。図10は、スマートフォン1が、PHS方式の通信回線を使用して3G方式でのみ使用可能な緊急通報用電話番号(図9において、「911」)へ発信する際、PHS方式の通信回線が圏外である場合に、3G方式の通信回線に切り替えて緊急通報を行う制御の例を示している。以下の図10では、通信方式としてPHS方式が予め設定されている場合の制御について説明する。
図10に示す制御の例と、図9に示した制御の例は、基本的に同様の制御を行っており、図10では、PHS方式では使用できず3G方式でのみ使用可能な緊急通報用電話番号「911」が入力される点だけが図9とは異なる。
図10に示すステップS21は、ディスプレイ2Aに、PHS方式による通話に関する操作を受け付けるためのユーザーインターフェース46がディスプレイ2Aに表示された状態を示している。ステップS21および以下のステップS22〜S25において、ユーザーインターフェース46の領域42上の電波レベルマーク44aは、PHS方式での通信用の電波の電界強度が弱く圏外であることを示している。スマートフォン1は、例えば、通話機能に対応するアイコンに対する操作が行われると、ステップS21に示すように、第1通信ユニット6Aを起動し、ディスプレイ2Aにユーザーインターフェース46を表示させる。
図10に示すステップS22は、ユーザの指F1によりユーザーインターフェース46上のキーパッドに対する操作が行われて3G方式でのみ使用可能な緊急通報用電話番号として「911」が入力された状態を示している。スマートフォン1は、ステップS22に示すように、タッチスクリーン2Bにより、ユーザーインターフェース46上のキーパッドの「9」と表記された箇所、「1」と表記された箇所、「1」と表記された箇所へのタッチがこの順番で検出されると、入力された緊急通報用電話番号「911」をユーザーインターフェース46上に表示させる。
図10に示すステップS23は、ユーザの指F1が、PHS発信操作を行うための操作部46aに対応する「発信(PHS)」と表記された箇所にタッチしている状態を示している。スマートフォン1は、ステップS23に示すように、タッチスクリーン2Bにより、ユーザーインターフェース46上のキーパッドの「発信(PHS)」と表記された箇所へのタッチが検出されると、第1通信ユニット6Aで受信しているPHS方式での通信用の電波が閾値以下であるか否かを確認する。
図10に示すステップS24は、PHS方式による通話が圏外であるため通信可能な3G方式に通信方式を切り替えるかを問い合わせるメッセージ(図10において、「PHSは圏外です。3Gに切り替えますか?」とのメッセージ)が表示されるとともに、通信可能な3G方式の通信方式へ切り替える操作を受け付けるための確認通知46bが表示された、PHS発信操作直後の状態を示している。スマートフォン1は、PHS方式での通信用の電波が閾値以下である場合、第2通信ユニット6Bを起動し、3G方式での通信用の電波が閾値より大きいことを確認した上で、ステップS24に示すように、ユーザーインターフェース46上に確認通知46bを表示させる。
図10に示すステップS25は、ユーザの指F1が、3G方式へ切り替えるための操作部に対応する確認通知46b上の「OK」と表記された箇所にタッチしている状態を示している。スマートフォン1は、ステップS25に示すように、タッチスクリーン2Bにより、確認通知46b上の「OK」と表記されている箇所へのタッチが検出されると、3G方式への切り替えが許可されたものと判定する。これとは反対に、スマートフォン1は、確認通知46b上の「キャンセル」と表記されている箇所への操作が検出されると、3G方式への切り替えが許可されなかったものと判定する。
図10に示すステップS26は、通信可能な3G方式の通信方式へ切り替えて「911」の緊急通報用電話番号へ3G発信中であることを示している3G発信中画面60aがディスプレイ2Aに表示された、通信方式切替操作直後の状態を示している。ステップS26において、3G発信中画面60aの領域42上の電波レベルマーク44bは、3G方式での通信用の電波の電界強度が強く圏内であることを示している。スマートフォン1は、3G方式への切り替えが許可されたものと判定した場合、通信方式をPHS方式から3G方式へと切り替えて、ストレージ9の設定データ9Zに記憶されている通信方式に関する情報を、PHS方式から3G方式に更新する。そして、スマートフォン1は、ステップS26に示すように、第2通信ユニット6Bを制御して、3G方式の通信回線を使用して緊急通報用電話番号「911」へ3G発信し、ディスプレイ2Aに3G発信中画面60aを表示させる。
図11を参照しながら、制御プログラム9Aが提供する機能に基づく制御の処理手順の例について説明する。図11は、スマートフォン1において、タッチスクリーン2Bに緊急通報用電話番号へPHS発信するための操作が受け付けられたときに行われる各種処理の手順を示している。図11に示す処理手順は、コントローラ10が、制御プログラム9Aを実行することによって実現される。以下の図11では、通信方式としてPHS方式が予め設定されている場合の処理手順について説明する。
図11に示すように、コントローラ10は、例えば、通話機能に対応するアイコンに対する操作が行われると、ステップS101として、第1通信ユニット6Aを起動する。コントローラ10は、ステップS102として、PHS方式対応のユーザーインターフェース46(図7参照)をディスプレイ2Aに表示させる。
コントローラ10は、ステップS103として、タッチスクリーン2Bにより、PHS発信操作が検出されたか否かを判定する。本実施形態では、コントローラ10は、タッチスクリーン2Bにより、ユーザーインターフェース46上のキーパッドの「発信(PHS)」と表記された箇所へのタッチを、PHS発信操作として検出する。
コントローラ10は、PHS発信操作が検出された場合には(ステップS103,Yes)、ステップS104として、ユーザーインターフェース46に入力済みの電話番号があるか否かを判定する。コントローラ10は、PHS発信操作が検出されなかった場合には(ステップS103,No)、本処理を終了する。例えば、コントローラ10は、PHS発信操作が検出されない時間が所定時間以上経過した場合に、本処理を終了して、省電力モードに移行する。
コントローラ10は、入力済みの電話番号があると判定した場合には(ステップS104,Yes)、ステップS105として、第1通信ユニット6Aで受信しているPHS方式での通信用の電波が閾値以下であるか否かを判定することで、PHS方式の通信回線が圏内であるか否かを判定する。コントローラ10は、入力済みの電話番号がないと判定した場合には(ステップS104,No)、ステップS102の処理へ移行して、ユーザに電話番号を入力させるようPHS方式対応のユーザーインターフェース46をディスプレイ2Aに表示させる。
以下のステップS106〜S109において、コントローラ10がステップS105にてPHS方式の通信回線が圏内であると判定した場合に行われる処理について説明する。
コントローラ10は、第1通信ユニット6Aで受信しているPHS方式での通信用の電波が閾値より大きいと判定して、PHS方式の通信回線が圏内であると判定した場合には(ステップS105,Yes)、ステップS106として、設定データ9Zを参照して、ユーザーインターフェース46に入力済みの電話番号が、PHS方式における緊急通報用電話番号であるか否かを判定する。本実施形態において、PHS方式における緊急通報用電話番号は、ストレージ9に記憶されている設定データ9Zに含まれる。例えば、PHS方式における緊急通報用電話番号は、「110」、「118」、「119」を含む。
コントローラ10は、PHS方式における緊急通報用電話番号であると判定した場合には(ステップS106,Yes)、ステップS107として、第1通信ユニット6Aを制御し、PHS方式の通信回線を使用して緊急通報用電話番号を発信先としてPHS発信することで、緊急通報を実施する。その後、本処理を終了する。コントローラ10は、PHS方式における緊急通報用電話番号ではないと判定した場合には(ステップS106,No)、ステップS108として、設定データ9Zを参照して、ユーザーインターフェース46に入力済みの電話番号が、3G方式における緊急通報用電話番号であるか否かを判定する。本実施形態において、3G方式における緊急通報用電話番号は、ストレージ9に記憶されている設定データ9Zに含まれる。例えば、3G方式における緊急通報用電話番号は、「110」、「118」、「119」、「000」、「08」、「112」、「911」、「999」を含む。
コントローラ10は、3G方式における緊急通報用電話番号ではないと判定した場合には(ステップS108,No)、ステップS109として、ユーザーインターフェース46に入力済みの電話番号に対応する発信先へPHS発信する。その後、本処理を終了する。コントローラ10は、3G方式における緊急通報用電話番号であると判定した場合には(ステップS108,Yes)、ステップS112の処理へ移行して、第2通信ユニット6Bを起動し、3G方式での通信用の電波が閾値より大きいか否かを判定することで、3G方式の通信回線が圏内であるか否かを判定する。例えば、緊急通報用電話番号として「911」が入力されている場合を示した上述の図10の例では、「911」はPHS方式における緊急通報用電話番号に含まれないものの、3G方式における緊急通報用電話番号に含まれるため、ステップS112の処理へ移行する。ステップS112以降の処理については後述する。
以下のステップS110〜S116において、コントローラ10がステップS105にてPHS方式の通信回線が圏外であると判定した場合に行われる処理について説明する。
コントローラ10は、第1通信ユニット6Aで受信しているPHS方式での通信用の電波が閾値以下であると判定して、PHS方式の通信回線が圏外であると判定した場合には(ステップS105,No)、ステップS110として、設定データ9Zを参照して、ユーザーインターフェース46に入力済みの電話番号が、3G方式における緊急通報用電話番号であるか否かを判定する。
コントローラ10は、3G方式における緊急通報用電話番号ではないと判定した場合には(ステップS110,No)、ステップS111として、ディスプレイ2Aに発信が失敗したことを示すエラー画面を表示させる。その後、本処理を終了する。本実施形態において、ステップS111でエラー画面を表示後、ステップS102の処理へ移行してもよい。コントローラ10は、3G方式における緊急通報用電話番号であると判定した場合には(ステップS110,Yes)、ステップS112として、第2通信ユニット6Bを起動し、3G方式での通信用の電波が閾値より大きいか否かを判定することで、3G方式の通信回線が圏内であるか否かを判定する。例えば、緊急通報用電話番号として「119」と「911」が入力されている場合を示した上述の図9および図10の例では、「119」および「911」は両方とも3G方式における緊急通報用電話番号であるため、ステップS112の処理へ移行する。
コントローラ10は、3G方式での通信用の電波が閾値以下であると判定して、3G方式の通信回線が圏外であると判定した場合には(ステップS112,No)、ステップS111に移行して、ディスプレイ2Aに発信が失敗したことを示すエラー画面を表示させる。コントローラ10は、3G方式での通信用の電波が閾値より大きいと判定して、3G方式の通信回線が圏内であると判定した場合には(ステップS112,Yes)、ステップS113として、設定データ9Zを参照して、通信方式を切り替える際に確認通知を行うよう設定されているか否かを判定することで、通信方式の切り替え確認設定の有無を判定する。
コントローラ10は、通信方式の切り替え確認設定が無いと判定した場合には(ステップS113,No)、ステップS114として、第2通信ユニット6Bを制御し、3G方式の通信回線を使用して緊急通報用電話番号を発信先として3G発信することで、緊急通報を実施する。その後、本処理を終了する。コントローラ10は、通信方式の切り替え確認設定が有ると判定した場合には(ステップS113,Yes)、ステップS115として、上述の図9および図10に示すように、3G方式へ通信方式を切り替える確認通知46bをディスプレイ2Aに表示させる。そして、コントローラ10は、ステップS116として、確認通知46b上のOKと表記された箇所へのタッチ、または、キャンセルと表示された箇所へのタッチのうちいずれかを検出したかを判定することで、3G方式への切り替えが許可されたか否かを判定する。
コントローラ10は、確認通知46b上のOKと表記された箇所へのタッチを検出して、3G方式への切り替えが許可されたと判定した場合には(ステップS116,Yes)、ステップS114へ移行して、第2通信ユニット6Bを制御し、3G方式の通信回線を使用して緊急通報用電話番号を発信先として3G発信することで、緊急通報を実施する。その後、本処理を終了する。コントローラ10は、確認通知46b上のキャンセルと表記された箇所へのタッチを検出して、3G方式への切り替えが許可されなかったと判定した場合には(ステップS116,No)、ステップS102の処理へ移行して、PHS方式対応のユーザーインターフェース46をディスプレイ2Aに表示させる。
図12を参照しながら、制御プログラム9Aが提供する機能に基づく制御の例について説明する。図12は、スマートフォン1が、3G方式の通信回線を使用して3G方式及びPHS方式で使用可能な緊急通報用電話番号(図12において、「119」)へ発信する際、3G方式の通信回線が圏外である場合に、PHS方式の通信回線に切り替えて緊急通報を行う制御の例を示している。以下の図12では、通信方式として3G方式が予め設定されている場合の制御について説明する。
図12に示すステップS31は、ディスプレイ2Aに、3G方式による通話に関する操作を受け付けるためのユーザーインターフェース47がディスプレイ2Aに表示された状態を示している。ステップS31および以下のステップS32〜S35において、ユーザーインターフェース47の領域42上の電波レベルマーク44bは、3G方式での通信用の電波の電界強度が弱く圏外であることを示している。スマートフォン1は、例えば、通話機能に対応するアイコンに対する操作が行われると、ステップS31に示すように、第2通信ユニット6Bを起動し、ディスプレイ2Aにユーザーインターフェース47を表示させる。
図12に示すステップS32は、ユーザの指F1によりユーザーインターフェース47上のキーパッドに対する操作が行われて3G方式およびPHS方式で使用可能な緊急通報用電話番号として「119」が入力された状態を示している。スマートフォン1は、ステップS32に示すように、タッチスクリーン2Bにより、ユーザーインターフェース47上のキーパッドの「1」と表記された箇所、「1」と表記された箇所、「9」と表記された箇所へのタッチがこの順番で検出されると、入力された緊急通報用電話番号「119」をユーザーインターフェース47上に表示させる。
図12に示すステップS33は、ユーザの指F1が、3G発信操作を行うための操作部47aに対応する「発信(3G)」と表記された箇所にタッチしている状態を示している。スマートフォン1は、ステップS33に示すように、タッチスクリーン2Bにより、ユーザーインターフェース47上のキーパッドの「発信(3G)」と表記された箇所へのタッチが検出されると、第2通信ユニット6Bで受信している3G方式での通信用の電波が閾値以下であるか否かを確認する。
図12に示すステップS34は、3G方式による通話が圏外であるため通信可能なPHS方式に通信方式を切り替えるかを問い合わせるメッセージ(図12において、「3Gは圏外です。PHSに切り替えますか?」とのメッセージ)が表示されるとともに、通信可能なPHS方式の通信方式へ切り替える操作を受け付けるための確認通知47bが表示された、3G発信操作直後の状態を示している。スマートフォン1は、3G方式での通信用の電波が閾値以下である場合、第1通信ユニット6Aを起動し、PHS方式での通信用の電波が閾値より大きいことを確認した上で、ステップS34に示すように、ユーザーインターフェース47上に確認通知47bを表示させる。
図12に示すステップS35は、ユーザの指F1が、PHS方式へ切り替えるための操作部に対応する確認通知47b上の「OK」と表記された箇所にタッチしている状態を示している。スマートフォン1は、ステップS35に示すように、タッチスクリーン2Bにより、確認通知47b上の「OK」と表記されている箇所へのタッチが検出されると、PHS方式への切り替えが許可されたものと判定する。これとは反対に、スマートフォン1は、確認通知47b上の「キャンセル」と表記されている箇所への操作が検出されると、PHS方式への切り替えが許可されなかったものと判定する。
図12に示すステップS36は、通信可能なPHS方式の通信方式へ切り替えて「119」の緊急通報用電話番号へPHS発信中であることを示しているPHS発信中画面61aがディスプレイ2Aに表示された、通信方式切替操作直後の状態を示している。ステップS36において、PHS発信中画面61aの領域42上の電波レベルマーク44aは、PHS方式での通信用の電波の電界強度が強く圏内であることを示している。スマートフォン1は、PHS方式への切り替えが許可されたものと判定した場合、通信方式を3G方式からPHS方式へと切り替えて、ストレージ9の設定データ9Zに記憶されている通信方式に関する情報を、3G方式からPHS方式に更新する。そして、スマートフォン1は、ステップS36に示すように、第1通信ユニット6Aを制御して、PHS方式の通信回線を使用して緊急通報用電話番号「119」へPHS発信し、ディスプレイ2AにPHS発信中画面61aを表示させる。
本実施形態において、3G方式で使用可能な緊急通報用電話番号は、PHS方式で使用可能な緊急通報用電話番号を含む。そのため、スマートフォン1が、3G方式の通信回線を使用して3G方式でのみ使用可能な緊急通報用電話番号(例えば、「911」)へ発信する際、3G方式の通信回線が圏外である場合は、通信方式の切り替え制御を行わない。これは、スマートフォン1が、PHS方式に切り替えたとしても緊急通報を行うことはできないためである。
図13を参照しながら、制御プログラム9Aが提供する機能に基づく制御の処理手順の例について説明する。図13は、スマートフォン1において、タッチスクリーン2Bに緊急通報用電話番号へ3G発信するための操作が受け付けられたときに行われる各種処理の手順を示している。図13に示す処理手順は、コントローラ10が、制御プログラム9Aを実行することによって実現される。以下の図13では、通信方式として3G方式が予め設定されている場合の処理手順について説明する。
図13に示す処理手順の例と、図11に示した処理手順の例は、基本的に同様の処理手順を行っており、図13では、3G方式の通信回線が圏内であり、入力済みの電話番号が3G方式における緊急通報用電話番号ではない場合(図13においてステップS206,No)、PHS方式における緊急通報用電話番号であるかを判定しない点が、図11とは異なる。これに対しては、図11では、3G方式で使用可能な緊急通報用電話番号は、PHS方式で使用可能な緊急通報用電話番号を含むため、PHS方式の通信回線が圏内であり、入力済みの電話番号がPHS方式における緊急通報用電話番号ではない場合(図11においてステップS106,No)、3G方式における緊急通報用電話番号であるかを判定している。
図13に示すように、コントローラ10は、例えば、通話機能に対応するアイコンに対する操作が行われると、ステップS201として、第2通信ユニット6Bを起動する。コントローラ10は、ステップS202として、3G方式対応のユーザーインターフェース47(図8参照)をディスプレイ2Aに表示させる。
コントローラ10は、ステップS203として、タッチスクリーン2Bにより、3G発信操作が検出されたか否かを判定する。本実施形態では、コントローラ10は、タッチスクリーン2Bにより、ユーザーインターフェース47上のキーパッドの「発信(3G)」と表記された箇所へのタッチを、3G発信操作として検出する。
コントローラ10は、3G発信操作が検出された場合には(ステップS203,Yes)、ステップS204として、ユーザーインターフェース47に入力済みの電話番号があるか否かを判定する。コントローラ10は、3G発信操作が検出されなかった場合には(ステップS203,No)、本処理を終了する。例えば、コントローラ10は、3G発信操作が検出されない時間が所定時間以上経過した場合に、本処理を終了して、省電力モードに移行する。
コントローラ10は、入力済みの電話番号があると判定した場合には(ステップS204,Yes)、ステップS205として、第2通信ユニット6Bで受信している3G方式での通信用の電波が閾値より大きいか否かを判定することで、3G方式の通信回線が圏内であるか否かを判定する。コントローラ10は、入力済みの電話番号がないと判定した場合には(ステップS204,No)、ステップS202の処理へ移行して、ユーザに電話番号を入力させるよう3G方式対応のユーザーインターフェース47をディスプレイ2Aに表示させる。
以下のステップS206〜S208において、コントローラ10がステップS205にて3G方式の通信回線が圏内であると判定した場合に行われる処理について説明する。
コントローラ10は、第2通信ユニット6Bで受信している3G方式での通信用の電波が閾値より大きいと判定して、3G方式の通信回線が圏内であると判定した場合には(ステップS205,Yes)、ステップS206として、設定データ9Zを参照して、ユーザーインターフェース47に入力済みの電話番号が、3G方式における緊急通報用電話番号であるか否かを判定する。
コントローラ10は、3G方式における緊急通報用電話番号であると判定した場合には(ステップS206,Yes)、ステップS207として、第2通信ユニット6Bを制御し、3G方式の通信回線を使用して緊急通報用電話番号を発信先として3G発信することで、緊急通報を実施する。その後、本処理を終了する。コントローラ10は、3G方式における緊急通報用電話番号ではないと判定した場合には(ステップS206,No)、ステップS208として、ユーザーインターフェース47に入力済みの電話番号に対応する発信先へ3G発信する。その後、本処理を終了する。
以下のステップS209〜S215において、コントローラ10がステップS205にて3G方式の通信回線が圏外であると判定した場合に行われる処理について説明する。
コントローラ10は、第2通信ユニット6Bで受信している3G方式での通信用の電波が閾値以下であると判定して、3G方式の通信回線が圏外であると判定した場合には(ステップS205,No)、ステップS209として、設定データ9Zを参照して、ユーザーインターフェース47に入力済みの電話番号が、PHS方式における緊急通報用電話番号であるか否かを判定する。
コントローラ10は、PHS方式における緊急通報用電話番号ではないと判定した場合には(ステップS209,No)、ステップS210として、ディスプレイ2Aに発信が失敗したことを示すエラー画面を表示させる。その後、本処理を終了する。本実施形態において、ステップS210でエラー画面を表示後、ステップS202の処理へ移行してもよい。コントローラ10は、PHS方式における緊急通報用電話番号であると判定した場合には(ステップS209,Yes)、ステップS211として、第1通信ユニット6Aを起動し、PHS方式での通信用の電波が閾値より大きいか否かを判定することで、PHS方式の通信回線が圏内であるか否かを判定する。例えば、緊急通報用電話番号として「119」が入力されている場合を示した上述の図12の例では、「119」は両方ともPHS方式における緊急通報用電話番号であるため、ステップS211の処理へ移行する。
コントローラ10は、PHS方式での通信用の電波が閾値以下であると判定して、PHS方式の通信回線が圏外であると判定した場合には(ステップS211,No)、ステップS210に移行して、ディスプレイ2Aに発信が失敗したことを示すエラー画面を表示させる。コントローラ10は、PHS方式での通信用の電波が閾値より大きいと判定して、PHS方式の通信回線が圏内であると判定した場合には(ステップS211,Yes)、ステップS212として、設定データ9Zを参照して、通信方式を切り替える際に確認通知を行うよう設定されているか否かを判定することで、通信方式の切り替え確認設定の有無を判定する。
コントローラ10は、通信方式の切り替え確認設定が無いと判定した場合には(ステップS212,No)、ステップS213として、第1通信ユニット6Aを制御し、PHS方式の通信回線を使用して緊急通報用電話番号を発信先としてPHS発信することで、緊急通報を実施する。その後、本処理を終了する。コントローラ10は、通信方式の切り替え確認設定が有ると判定した場合には(ステップS212,Yes)、ステップS214として、上述の図12に示すように、PHS方式へ通信方式を切り替える確認通知47bをディスプレイ2Aに表示させる。そして、コントローラ10は、ステップS215として、確認通知47b上のOKと表記された箇所へのタッチ、または、キャンセルと表示された箇所へのタッチのうちいずれかを検出したかを判定することで、PHS方式への切り替えが許可されたか否かを判定する。
コントローラ10は、確認通知47b上のOKと表記された箇所へのタッチを検出して、PHS方式への切り替えが許可されたと判定した場合には(ステップS215,Yes)、ステップS213へ移行して、第1通信ユニット6Aを制御し、PHS方式の通信回線を使用して緊急通報用電話番号を発信先としてPHS発信することで、緊急通報を実施する。その後、本処理を終了する。コントローラ10は、確認通知47b上のキャンセルと表記された箇所へのタッチを検出して、PHS方式への切り替えが許可されなかったと判定した場合には(ステップS215,No)、ステップS202の処理へ移行して、3G方式対応のユーザーインターフェース47をディスプレイ2Aに表示させる。
以上述べたように、本実施形態によれば、緊急通報時に予め設定していた通信方式による通話が不能の場合は通信可能な通信方式へ切り替えて緊急通報を実施するので、複数の通信回線を持つ通信装置において、より確実かつ簡単に緊急通報を行うことができる。また、本実施形態によれば、通信方式を切り替える前に、切り替えの可否を問い合わせる画面をディスプレイ2Aに表示させるので、ユーザの同意を得た上で、設定していた通信方式から通信可能な別の通信方式へ切り替えることができる。
上述した実施形態では、通信方式を切り替える前に、切り替えの可否を問い合わせる画面をディスプレイ2Aに表示させる例について説明したが、本実施形態はこれに限定されない。本実施形態にかかるスマートフォン1は、緊急通報時に予め設定していた通信方式による通話が不能の場合は、切り替えの可否を問い合わせる画面をディスプレイ2Aに表示させずに、自動で通信可能な別の通信方式へ切り替えて緊急通報を実施してもよい。この場合、ユーザが設定していた通信方式を無視することになるが、緊急性を考慮して、緊急通報が成功することを優先させることが可能となる。
上述した実施形態では、PHS方式または3G方式による通話に関する操作を受け付けるためのユーザーインターフェース上で緊急通報用電話番号が入力された場合の例について説明したが、本実施形態はこれに限定されない。本実施形態にかかるスマートフォン1は、ロック画面から呼び出し可能な緊急通報用のユーザーインターフェース上で緊急通報用電話番号が入力された場合も同様の処理を行うことができる。
上述した実施形態では、緊急通報時において行われる通信方式の切り替え制御および処理手順について説明したが、本実施形態はこれに限定されず、以下の図14に示すように、緊急通報時でなくとも使用している通信方式が圏外である場合は通信可能な通信方式へ自動で切り替えることができる。
図14を参照しながら、制御プログラム9Aが提供する機能に基づく制御の処理手順の例について説明する。図14は、スマートフォン1において、タッチスクリーン2BにPHS発信するための操作が受け付けられたときに行われる各種処理の手順を示している。図14に示す処理手順は、コントローラ10が、制御プログラム9Aを実行することによって実現される。以下の図14では、通信方式としてPHS方式が予め設定されている場合の処理手順について説明する。
図14に示す処理手順の例と、図11に示した処理手順の例は、入力済みの電話番号が緊急通報用電話番号であるか判定する処理を行っていない点が、図11とは異なる。
図14に示すように、コントローラ10は、例えば、通話機能に対応するアイコンに対する操作が行われると、ステップS301として、第1通信ユニット6Aを起動する。コントローラ10は、ステップS302として、PHS方式対応のユーザーインターフェース46(図7参照)をディスプレイ2Aに表示させる。
コントローラ10は、ステップS303として、タッチスクリーン2Bにより、PHS発信操作が検出されたか否かを判定する。
コントローラ10は、PHS発信操作が検出された場合には(ステップS303,Yes)、ステップS304として、ユーザーインターフェース46に入力済みの電話番号があるか否かを判定する。コントローラ10は、PHS発信操作が検出されなかった場合には(ステップS303,No)、本処理を終了する。
コントローラ10は、入力済みの電話番号があると判定した場合には(ステップS304,Yes)、ステップS305として、第1通信ユニット6Aで受信しているPHS方式での通信用の電波が閾値より大きいか否かを判定することで、PHS方式の通信回線が圏内であるか否かを判定する。コントローラ10は、入力済みの電話番号がないと判定した場合には(ステップS304,No)、ステップS302の処理へ移行して、ユーザに電話番号を入力させるようPHS方式対応のユーザーインターフェース46をディスプレイ2Aに表示させる。
コントローラ10は、第1通信ユニット6Aで受信しているPHS方式での通信用の電波が閾値より大きいと判定して、PHS方式の通信回線が圏内であると判定した場合には(ステップS305,Yes)、ステップS306として、第1通信ユニット6Aを制御し、PHS方式の通信回線を使用してユーザーインターフェース46に入力済みの電話番号に対応する発信先へPHS発信する。その後、本処理を終了する。
コントローラ10は、第1通信ユニット6Aで受信しているPHS方式での通信用の電波が閾値以下であると判定して、PHS方式の通信回線が圏外であると判定した場合には(ステップS305,No)、ステップS307として、第2通信ユニット6Bを起動し、3G方式での通信用の電波が閾値より大きいか否かを判定することで、3G方式の通信回線が圏内であるか否かを判定する。
コントローラ10は、3G方式での通信用の電波が閾値以下であると判定して、3G方式の通信回線が圏外であると判定した場合には(ステップS307,No)、ステップS308として、ディスプレイ2Aに発信が失敗したことを示すエラー画面を表示させる。その後、本処理を終了する。
コントローラ10は、3G方式での通信用の電波が閾値より大きいと判定して、3G方式の通信回線が圏内であると判定した場合には(ステップS307,Yes)、ステップS309として、設定データ9Zを参照して、通信方式を切り替える際に確認通知を行うよう設定されているか否かを判定することで、通信方式の切り替え確認設定の有無を判定する。
コントローラ10は、通信方式の切り替え確認設定が無いと判定した場合には(ステップS309,No)、ステップS310として、第2通信ユニット6Bを制御し、3G方式の通信回線を使用してユーザーインターフェース46に入力済みの電話番号に対応する発信先へ3G発信する。その後、本処理を終了する。
コントローラ10は、通信方式の切り替え確認設定が有ると判定した場合には(ステップS309,Yes)、ステップS311として、3G方式へ通信方式を切り替える確認通知46bをディスプレイ2Aに表示させる。そして、コントローラ10は、ステップS312として、確認通知46b上のOKと表記された箇所へのタッチ、または、キャンセルと表示された箇所へのタッチのうちいずれかを検出したかを判定することで、3G方式への切り替えが許可されたか否かを判定する。
コントローラ10は、確認通知46b上のOKと表記された箇所へのタッチを検出して、3G方式への切り替えが許可されたと判定した場合には(ステップS312,Yes)、ステップS310へ移行して、第2通信ユニット6Bを制御し、3G方式の通信回線を使用してユーザーインターフェース46に入力済みの電話番号に対応する発信先へ3G発信する。その後、本処理を終了する。
コントローラ10は、確認通知46b上のキャンセルと表記された箇所へのタッチを検出して、3G方式への切り替えが許可されなかったと判定した場合には(ステップS312,No)、ステップS302の処理へ移行して、PHS方式対応のユーザーインターフェース46をディスプレイ2Aに表示させる。
上述した図14の処理手順は、コントローラ10がステップS302にて3G方式対応のユーザインターフェース47を表示した場合についても基本的に同様である。この場合、PHS方式に対して行っていた処理を3G方式に対して行う処理として変更し、3G方式に対して行っていた処理をPHS方式に対して行う処理として変更する点だけが異なる。具体的には、コントローラ10がステップS302にて3G方式対応のユーザインターフェース47を表示した場合、コントローラ10は、図14のステップS305にて3G方式の通信回線が圏内であるか否かを判定し、ステップS306にて3G方式の通信回線で対応する電話番号へ発信する。また、コントローラ10は、ステップS307にてPHS方式での通信回線が圏内であるか否かを判定し、ステップS310にてPHS方式の通信回線で対応する電話番号へ発信する。また、コントローラ10は、ステップS311にてPHS方式へ通信方式を切り替える確認通知47bを表示し、ステップS312にてPHS方式への切り替えが許可されたか否かを判定する。
上述したように、本実施形態によれば、従来の複数の通信回線を持つ通信装置において圏外側の通信回線で音声発信を試みると音声発信に失敗し、利用者が圏内側の通信回線を使用して音声発信を再度やり直す必要があるといった問題を解決することができる。つまり、本実施形態によれば、複数の通信回線のうち一方の通信回線が圏外であるが他方の通信回線が圏内である場合は、スムーズに圏内側の通信回線を使用して通話を実現することができる。このように、本実施形態によれば、ユーザーフレンドリーな通信サービスに対応した処理を行うことができる。
上述した実施形態では、第1の通信方式をPHS方式とし、第2の通信方式を3G方式として例示したが、これに限定されない。上述した実施形態は、例えば、第1の通信方式を3G方式とし、第2の通信方式をPHS方式として場合も同様に適用される。
添付の請求項に係る技術を完全かつ明瞭に開示するために特徴的な実施形態に関し記載してきた。しかし、添付の請求項は、上記実施形態に限定されるべきものでなく、本明細書に示した基礎的事項の範囲内で当該技術分野の当業者が創作しうるすべての変形例及び代替可能な構成により具現化されるべきである。
例えば、図5に示した各プログラムは、複数のモジュールに分割されていてもよい。あるいは、図5に示した各プログラムは、他のプログラムと結合されていてもよい。
上記の実施形態では、タッチスクリーンを備える装置の一例として、スマートフォンについて説明したが、添付の請求項に係る装置は、スマートフォンに限定されない。添付の請求項に係る装置は、スマートフォン以外の携帯電子機器であってもよい。携帯電子機器は、例えば、モバイルフォン、タブレット、携帯型パソコン、デジタルカメラ、メディアプレイヤ、電子書籍リーダ、ナビゲータ、及びゲーム機である。あるいは、添付の請求項に係る装置は、据え置き型の電子機器であってもよい。据え置き型の電子機器は、例えば、デスクトップパソコン、及びテレビ受像器である。