JP2014228775A - 感光性樹脂組成物及びそれを用いたカラーフィルタ - Google Patents

感光性樹脂組成物及びそれを用いたカラーフィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】
顔料の凝集に起因する異物による品質低下のない感光性樹脂組成物及びそれを用いたカラーフィルタの提供を目的とする。
【解決手段】
顔料、透明樹脂、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー、光重合開始剤及び溶剤を含有する感光性樹脂組成物であって、前記感光性樹脂組成物に対する含水率が0.40質量%以下であり、また、前記溶剤を成分1、水を成分2としたときのハンセンの溶解度パラメーターHSPが12.0以上であることを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、テレビ受像機、コンピュータ及び携帯電話端末、スマートフォン等に用いられる液晶表示装置のカラー化に必要なカラーフィルタ、ならびにそれを用いた液晶表示装置に関するものであり、液晶表示装置において忠実な色再現を可能にすることを目的としたものである。
液晶表示装置は、2枚の基板の間に液晶を挟み、この液晶に画素ごとに電圧を印加して光の透過と非透過(遮断)とを制御して、この透過部分と遮断部分とで画面表示を行う。そして、2枚の前記基板のうち一方の基板に画素ごとに透明着色膜を設けて、その透過光を着色することにより、カラー表示を可能としている。この透明着色膜を設けた基板は一般にカラーフィルタと呼ばれるが、このカラーフィルタは、例えば、図1の断面説明図に示すような構造を有している。すなわち、カラーフィルタは、透明基板と、この透明基板の表面を多数の画素領域に区画する遮光膜と、前記画素領域に設けられた透明着色膜とを備えて構成されている。透明着色膜は画素領域ごとに異なる色彩を有しており、代表的には、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)の3色の透明着色膜が利用される。
これら3色は光の3原色であり、これら3原色及びその混合によって色彩のほぼ全てを表示することが可能となる。また、遮光膜は、特定の画素領域を透過する光と隣接する画素領域を透過する光との混合を防止するものである。例えば、赤色(R)画素に隣接して緑色(G)画素が存在する場合、この両者を透過する光同士の混合を防ぐことで鮮明なカラー画面の表示が可能となる。
近年、液晶表示装置は高度な画質、すなわち、コントラスト、及び色純度の向上が求められている。コントラスト向上のために、カラーフィルタの形成に用いる透明着色膜に使用する着色剤(有機顔料等)の粒子サイズが、より微小なものが求められている。また、色純度向上のため、有機顔料の含有量としては、より高いものが求められている。このような要求に対して、顔料の粒子径をより微細化した顔料を分散した顔料分散組成物に、更にバインダー樹脂、重合性化合物、光重合開始剤を含有して感光性の着色樹脂組成物とし、これを用いてフォトリソ法などによりカラーフィルタを得ている。
顔料が微細化し、且つ顔料の含有量が高くなると、顔料分散液の保存性が悪くなり、特に空気中の水分を溶解しある一定量以上の水分量を着色樹脂組成物中に含むと顔料の凝集が生じやすく、得られたカラーフィルタは異物が生じたり、コントラストが低下したり、色再現性が低下したり、また輝度低下を起こしたりするので、これらの液晶表示装置用のカラーフィルタの調整において着色感光性樹脂組成物の改良が求められていた。
このような問題を解決するため、特許文献1、2では顔料分散物の調製に用いる分散剤が提案されている。また、特許文献3、4では顔料分散性能を有するバインダー樹脂も提案されている。しかしながら、これらの技術では微細化された顔料粒子が感光性の着色樹脂組成物とした場合に、空気中の水分の溶解を抑制できず、顔料が凝集することを防止することは不十分であった。
特許文献5〜7に感光性樹脂組成物中の水分量を制御する技術が提案されている。しかしながら、これらの技術においても空気中の水分の溶解を抑制する具体的な手段が示されておらず、顔料が凝集することを防止することは不十分であった。
特許第4900346号公報 特許第5018691号公報 特許第4504513号公報 特開2012−172003 国際特開WO2008/129965号 特開2003−295427 特開2011−2712
本発明は、顔料の凝集に起因する異物による品質低下のない感光性樹脂組成物及びそれを用いたカラーフィルタの提供を目的とする。
本発明の請求項1に係る発明は、顔料、透明樹脂、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー、光重合開始剤及び溶剤を含有する感光性樹脂組成物であって、前記感光性樹脂組成物に対する含水率が0.40質量%以下であることを特徴とする感光性樹脂組成物である。
本発明の請求項2に係る発明は、前記溶剤を成分1、水を成分2とした時に、下記式(1)で得られる成分1と成分2とのハンセンの溶解度パラメーターHSPが12.0以上であることを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物である。
HSP={4×(δd1−δd2+(δp1−δp2+(δh1−δh21/2
式(1)
δd1:成分1の分散項、δd2:成分2の分散項、δp1:成分1の極性項、δp2:成分2の極性項、δh1:成分1の水素結合項、δh2:成分2の水素結合項
本発明の請求項3に係る発明は、前記成分1と成分2とのハンセンの溶解度パラメーターHSPが14.8〜15.9であることを特徴とする請求項2に記載の感光性樹脂組成物である。
本発明の請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を使用して製造したことを特徴とするカラーフィルタである。
本発明の請求項1に係る発明によれば、顔料、透明樹脂、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー、光重合開始剤及び溶剤を含有する感光性樹脂組成物であって、前記感光性樹脂組成物中の含水率が0.40質量%以下であることにより、経時での空気中の水分の溶解による顔料の凝集を抑制することができる。すなわち、顔料の凝集による異物の発生を抑制することで、感光性樹脂組成物による高品質の塗布膜を得ることができる。
また、請求項2に係る発明によれば、前記溶剤を成分1、水を成分2とした時に、上記式(1)で得られる成分1と成分2とのハンセンの溶解度パラメーターHSPを12.0以上とすることで、水への溶解が困難となり、経時での空気中の水分の溶解による顔料の凝集を抑制することができる。
また、請求項3に係る発明によれば、前記成分1と成分2とのハンセンの溶解度パラメ
ーターHSPを14.8〜15.9とすることで、水への溶解が極めて困難となり、経時での空気中の水分の溶解による顔料の凝集をさらに抑制することができる。
また、請求項4に係る発明によれば、空気中の水分の溶解を抑制することで顔料の凝集を防ぎ、異物のない良好な特性を有するカラーフィルタを得ることが可能である。
本発明のカラーフィルタの断面形状の説明図である。
本発明の詳細な内容を以下に説明する。
図1は本発明に係る一実施形態であるカラーフィルタの断面形状を示す。図1に示すように、本発明のカラーフィルタは透明基板1の上に、遮光膜2と赤色画素R、緑色画素G、青色画素Bからなる透明着色膜3で構成されている。前記透明着色膜3はそれぞれ感光性樹脂組成物からなり、顔料、透明樹脂、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー、光重合開始剤及び溶剤を含有している。以下、カラーフィルタの形成に用いられる本発明の感光性樹脂組成物について説明する。
本発明の感光性樹脂組成物は、基板上に塗工する直前の含水率が0.40質量%以下であることを特徴とする。含水率が0.40質量%を超える感光性樹脂組成物は、経時で空気中の水分が溶解し、顔料の凝集が起こり、基板に塗工する際に異物が発生する。
感光性樹脂組成物中の含水率は、カールフィッシャー法等の公知の方法により測定することができる。カールフィッシャー法とは、下式(2)のように水と選択的、かつ定量的に反応するカールフィッシャー試薬(ヨウ素、二酸化硫黄、塩基、及びアルコール(ROH)等の溶剤より構成)を用いて含水率を測定する方法である。この方法には、電量滴定法と容量滴定法があるが、電気滴定法によるべきである。
+SO+3塩基+ROH+HO→2塩基・HI+塩基・HSO
式(2)
(顔料)
本発明に係る前記顔料としては、一般に市販されている有機顔料を用いることができ、形成する透明着色膜3の色相に応じて、染料、天然色素、無機顔料を併用することができる。有機顔料としては、発色性が高く、且つ耐熱性、特に耐熱分解性の高いものが好適に用いられる。有機顔料は、1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。また、有機顔料は、ソルトミリング、アシッドペースティング等により微細化したものであっても良い。以下に、本実施形態に係る感光性樹脂組成物に使用可能な有機顔料の具体例を、カラーインデックス(C.I.)番号で示す。
前記透明着色膜を構成する赤色画素を形成する場合には、C.I.Pigment Red 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、122、123、146、149、168、177、178、179、184、185、187、192、200、202、208、210、216、220、223、224、226、240、254、255、264、272等の赤色顔料を用いることができる。赤色感光性樹脂組成物には、黄色顔料、オレンジ色顔料を併用することができる。
前記透明着色膜を構成する緑色画素を形成する場合には、C.I.Pigment Green 7、10、36、37、58等の緑色顔料を用いることができる。緑色感光性
樹脂組成物には黄色顔料を併用することができる。
前記透明着色膜を構成する青色画素を形成する場合には、C.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、64、80等の青色顔料を用いることができる。青色感光性樹脂組成物には紫色顔料を併用することができる。
前記透明着色膜を構成する黄色画素を形成する場合には、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214等の黄色顔料を用いることができる。
前記透明着色膜3を構成する紫色画素を形成する場合には、C.I.Pigment Violet1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の顔料を用いることができる。
前記透明着色膜3を構成するマゼンタ色画素を形成する場合には、C.I.Pigment Red 7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、146、177、178、184、185、187、200、202、208、210、246、254、255、264、270、272等の顔料を用いることができる。マゼンタ色感光性樹脂組成物には黄色顔料を併用することができる。
前記透明着色膜3を構成するシアン色画素を形成する場合には、C.I.Pigment Blue 15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、80等の顔料を用いることができる。
前記透明着色膜3を構成するオレンジ色画素を形成する場合には、C.I.Pigment Orange 36、43、51、55、59、61、71、73等の顔料を用いることができる。
遮光膜2(ブラックマトリックス)を形成する場合には、カーボンブラック、アニリンブラック、アントラキノン系黒色顔料、ペリレン系黒色顔料、具体的にはC.I.ピグメントブラック1、6、7、12、20、31等を用いることができる。黒色感光性樹脂組成物には、赤色顔料、青色顔料、緑色顔料の混合物を用いることもできる。黒色顔料としては、価格、遮光性の大きさからカーボンブラックが好ましく、カーボンブラックは、樹脂などで表面処理されていてもよい。また、色調を調整するため、黒色感光性樹脂組成物には、青色顔料や紫色顔料を併用することができる。
以上説明した感光性樹脂組成物には、彩度と明度のバランスをとりつつ、良好な塗布性、感度、現像性等を確保するために、無機顔料を含有させることができる。無機顔料としては、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、カーボンブラック等が挙げられる。
無機顔料は、1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。無機顔料は、顔料の合計質量を基準(100質量%)として、0.1〜10質量%で用いることができる。
また、本実施形態に係る感光性樹脂組成物には、調色のため、耐熱性を低下させない範囲内で染料を含有させることができる。染料は、顔料の合計質量を基準(100質量%)として、0.1〜10質量%で用いることができる。
(透明樹脂)
本発明に係る前記透明樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上のものを用いることができる。透明樹脂には、非感光性透明樹脂及び感光性透明樹脂が含まれ、これらを単独で用いても、2種以上を混合して用いても良い。
また、透明樹脂の分子量は、20,000〜100,000の範囲であることが望ましい。透明樹脂の分子量が20,000未満では、現像の際にカラーフィルタパターンの直線性が悪化し、膜減り率が増大し、カラーフィルタパターンの断面形状が悪くなる。逆に、100,000以上であれば、現像時間が遅くなり、生産性が低下する。したがって、より好ましくは、20,000〜60,000の範囲が良い。
非感光性透明樹脂は、エチレン性不飽和二重結合を有しない樹脂であり、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂がある。熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。
感光性透明樹脂は、エチレン性不飽和二重結合を有する樹脂であり、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する高分子に、イソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基、カルボキシル基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等のエチレン性不飽和二重結合を有する官能基を前記高分子に導入した樹脂が挙げられる。
具体的には、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体及び他のエチレン性不飽和単量体を共重合した共重合体に、水酸基と反応可能な官能基及びエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を反応させることにより得られるものがある。水酸基と反応可能な官能基としては、イソシアネート基、カルボキシル基等が挙げられるが、特に反応性の点でイソシアネート基が好ましく、イソシアネート基及びエチレン性不飽和二重結合を有する化合物として具体的には、2−アクリロイルエチルイソシアネート、2−メタクリロイルエチルイソシアネート等が挙げられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合体やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体等の酸無水物を含む高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
(エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー)
前記エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーとしては、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル等が代表例として挙げられる。モノマーは、感光性樹脂組成物の感度アップの観点から、エチレン性不飽和二重結合を4〜12個有することが好ましい。3個以下のエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを含む感光性樹脂組成物では、所望の感度を得ることができない。
エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーは、単独でまたは2種類を以上混合して用いることができる。
エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーの含有量は、顔料100質量部に対して、好ましくは10〜300質量部、より好ましくは10〜200質量部で用いることができる。
(光重合開始剤)
本発明に係る前記光重合開始剤の例としては、オキシムエステル系光重合開始剤、α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤が挙げられる。
特に好ましいオキシムエステル系光重合開始剤としては、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、1,2−オクタジオン−1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]が挙げられる。
特に好ましいアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイドが挙げられる。
特に好ましいα―アミノアルキルアセトフェノン系光重合開始剤としては、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルチオフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノンが挙げられる。
特に好ましいカルバゾール系光重合開始剤としては、3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−メチルカルバゾール、3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−ベンゾイルカルバゾール、3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−ブチルカルバゾール、3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−オクチルカルバゾール、3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−ドデシルカルバゾールが挙げられる。
これらの光重合開始剤は、1種を単独、または2種以上を混合して用いることができる。光重合開始剤の含有量は、顔料100質量部に対して5〜200質量部、好ましくは10〜150質量部の量で用いることができる。
(任意成分)
本発明に係る感光性樹脂組成物は、基本的に増感剤は必要としないが、光重合開始剤と併用してもかまわない。これらの増感剤は、1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。増感剤の含有量は、光重合開始剤100質量部に対して0.1〜60
質量部が好ましい。
また本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有させることができる。これらの多官能チオールは、1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。多官能チオールの含有量は、顔料100質量部に対して0.05〜100質量部が好ましく、より好ましくは0.1〜60質量部である。
本発明の感光性樹脂組成物は、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。貯蔵安定剤は、感光性樹脂組成物中の顔料100質量部に対して、0.1〜10質量部の量で用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、顔料を十分に組成物中に分散させ、ガラス基板等の透明基板1上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布して透明着色膜3または遮光膜2を形成することを容易にするために、溶剤を含有させることができる。
溶剤としては、例えば1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、N−メチルピロリドン、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ−ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。
本発明の感光性樹脂組成物を構成する単一または複数の溶剤は、空気中の水分の溶解を抑制するため、水とのハンセンの溶解度パラメーターHSPが12.0以上であることが望ましい。
ハンセンの溶解度パラメーターは、ヒルデブランド(Hildebrand)によって導入された溶解度パラメーターを分散項δd、極性項δp、水素結合項δhの3成分に分割したものである。分散項δdは無極性相互作用による効果、極性項δpは双極子間力による効果、水素結合項δhは水素結合力の効果を示すものである。ハンセンの溶解度パラメーターは、2成分の溶解度パラメーターを下式(3)によりHSPを計算し、溶解度を比較することができる。
HSP={4×(δd1−δd2+(δp1−δp2+(δh1−δh21/2
式(3)
但し、δd1:成分1の分散項、δd2:成分2の分散項、δp1:成分1の極性項、δp2:成分2の極性項、δh1:成分1の水素結合項、δh2:成分2の水素結合項を表す。
本発明では、成分2を水とし、各溶剤のHSPを計算した。HSPは、値が大きいほど水に溶解し難く、逆にHSPが小さいほど水に溶解し易いパラメーターである。
下記表1に溶剤のHSPを示す。メタノール、エタノールのような水に溶解し易いアルコール類は、それぞれ、10.2、10.7と比較的小さな値を示す。一方、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートでは、15.9とアルコール類と比較し大きな値を示す。
Figure 2014228775
エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーや透明樹脂に顔料を分散する際には、適宜、界面活性剤、樹脂型顔料分散剤、色素誘導体等の分散剤が使用できる。分散剤は、顔料の分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、分散剤を用いて顔料を透明樹脂及び有機溶剤中に分散してなる感光性樹脂組成物を用いた場合には、透明性に優れたカラーフィルタが得られる。顔料分散剤は、感光性樹脂組成物中の顔料100質量部に対して、0.1〜40質量部、好ましくは0.1〜30質量部の量で用いることができる。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
樹脂型顔料分散剤は、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーや透明樹脂と相溶性のある部位とを有する樹脂であり、顔料に吸着して顔料のエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーへの分散を安定化する働きをするものである。樹脂型顔料分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩などの油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
色素誘導体は、有機色素に置換基を導入した化合物である。このような有機色素には、一般に色素とは呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。色素誘導体としては、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる
(感光性樹脂組成物の製法)
本発明の感光性樹脂組成物は、顔料を、必要に応じて上記顔料分散剤と共にエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー、必要に応じて透明樹脂及び有機溶剤中に三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散し、光重合開始剤を添加して製造することができる。また、2種以上の色素を含むカラーフィルタ用感光性樹脂組成物は、各色素を別々に、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー等に微細に分散したものを混合して製造することもできる。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子及び混入した塵の除去を行うことが好ましい。
次に、本発明に係る前記感光性樹脂組成物を用いて形成されるカラーフィルタについて説明する。
本発明に係るカラーフィルタは、透明基板1上に、前記感光性樹脂組成物から形成された透明着色膜3、遮光膜2のうち一つ以上を備えるものである。透明着色膜3を構成する着色画素は、赤色、緑色、青色、黄色、紫色、マゼンタ色、シアン色、オレンジ色などから2〜6色の着色画素から選択される。その際に、同色系の色で、濃度の異なる透明着色膜が形成されていてもよい。
液晶用カラーフィルタの場合は、前記透明着色3膜上に、さらに透明導電層、配向膜層を順次積層せしめたものであり、例えば薄膜トランジスタのような電極を形成した対向基板と対置させ、間に液晶を介在させて液晶表示装置を構成する。以下、本明細書では、透明基板1、遮光膜2及び透明着色膜3を合わせてカラーフィルタとする。また、必要に応じて前記カラーフィルタ上に保護層を設けることができる。
次に、本発明の前記感光性樹脂組成物を用いたカラーフィルタの製造方法について説明
する。
(感光性樹脂組成物の塗布工程)
カラーフィルタの透明基板には、硝子基板、石英基板、プラスチック基板等、公知の透明基板材料が使用でき、中でも透明性、強度、耐熱性、耐候性において優れている硝子基板が好ましい。感光性樹脂組成物の塗布工程では、スリットダイコーター、スピンコーター等、公知の塗工装置を用いることができる。その後、溶剤成分を除去するため必要に応じて、減圧乾燥処理やプリベーク処理を施すことができる。
(露光工程)
従来公知の露光方法により透明着色膜または遮光膜を形成できる。露光工程では、透明基板の上面から紫外線、或いは電子線照射してパターンを硬化させる。照射する光或いは放射線としては、感光性樹脂組成物が硬化する吸収波長を有するものであれば特に限定されるものではないが、紫外線或いは電子線が特に好ましい。特に、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等による紫外線照射処理が好ましい。また、不要な波長はそれに対応するフィルタを介してカットすることが望ましい。
(現像工程)
現像工程では、従来公知の現像方法により、前記感光性樹脂組成物の未露光部分を除去してフィルタセグメント、またはブラックマトリックスを形成する。未露光部分の除去に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。
(焼成工程)
本実施形態においては、フィルタセグメント及びブラックマトリックスを形成した後、加熱処理を施して熱硬化させる工程を設けることができる。加熱方法としてはコンベクションオーブン、ホットプレート、ハロゲンヒータ、IRオーブンによる加熱等が利用でき、特に限定されるものではない。ここで、焼成条件は、200〜250℃で10分〜60分間加熱することが好ましい。
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。なお、本発明はその要旨を超えない範囲において、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中、「部」及び「%」は「質量部」及び「質量%」をそれぞれ意味する。
まず、実施例及び比較例で用いたアクリル樹脂溶液及び顔料分散体の調製方法について説明する。樹脂の分子量は、GPS(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
(アクリル樹脂溶液合成例)
反応容器にシクロヘキサノン370部を収容し、この容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度でメタクリル酸20.0部、メチルメタクリレート10.0部、n−ブチルメタクリレート55.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部、及び2,2´−アゾビスイソブチロニトリル4.0部の混合物を1時間かけて滴下し、重合反応を行った。
滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0
部をシクロヘキサノン50部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けて、アクリル樹脂共重合体溶液を得た。
室温まで冷却した後、アクリル樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃で、20分間加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成したアクリル樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにシクロヘキサノンを添加して、アクリル樹脂溶液を調製した。得られたアクリル樹脂の重量平均分子量Mwは40,000であった。
(顔料分散体の調製)
下記表2に示す組成の混合物を均一に攪拌混合し、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、赤色顔料分散体R、緑色顔料分散体G、青色顔料分散体B、及び黒色顔料分散体BMを調製した。
PR254:ジケトピロロピロール系顔料(C.I. Pigment Red 254)
(チバ・ジャパン社製「イルガフォーレッドB−CF」)
PR177:アントラキノン系顔料(C.I. Pigment Red 177)
(チバ・ジャパン社製「クロモフタールレッドA2B」)
PG58:ハロゲン化亜鉛フタロシアニン系顔料(C.I. Pigment Green 58)
(大日本インキ化学工業社製「ファストゲングリーンA10」)
PB15:6:ε型銅フタロシアニン顔料(C.I. Pigment Blue 15:6)
(BASF製「ヘリオゲンブルーL−6700F」)
PY150:ニッケルアゾ錯体系顔料(C.I. Pigment Yellow 150)
(ランクセス社製「E4GN」)
CB:カーボンブラック(C.I. Pigment Black 7)
(三菱化学社製「MA11」)
顔料分散剤:日本ルーブリゾール社製「ソルスパース20000」)
アクリル樹脂溶液:先に調製したアクリル樹脂溶液
溶剤:シクロヘキサノン
Figure 2014228775
(感光性樹脂組成物の調製)
先に調製した顔料分散体R、G、B、BMを含む、下記表3に示す処方の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、各感光性樹脂組成物を得た。
顔料分散体:先に調製した顔料分散体
アクリル樹脂溶液:先に調製したアクリル樹脂溶液
モノマー:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(東亞合成社製「アロニックス M−402」)
有機溶剤1:シクロヘキサノン
有機溶剤2:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
有機溶剤3:プロピレングリコールモノメチルエーテル
有機溶剤4:乳酸エチル
開始剤:オキシムエステル系光重合開始剤エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュアOXE−02」)
多官能チオール:TPMB
(感光性樹脂組成物中の含水率測定)
カールフィッシャ滴定装置(三菱化成製CA−06型 電量滴定式水分測定装置)を用いて水分量(mg)を測定し、下記式(4)により含水率(%)を算出した。
含水率(%)=[水分量(mg)/測定サンプル(mg)]×100 式(4)
下記表3に各感光性樹脂組成物の含水率を示す。HSPが各々14.8、15.9を示す有機溶剤1、2のみを使用したR1、G1、B1、BM1では含水率が0.40%以下で良好な値となった。一方、HSPが各々11.0、11.8を示す有機溶剤を含むR2、G2、G3、G4、B2、BM2は含水率が0.90%以上であった。
Figure 2014228775
(遮光膜のパタ−ン形成)
[実施例1、比較例1〜6]
下記表4に示したBM処方よりなる感光性樹脂組成物を、10cm×10cmのガラス基板上にスピンコーターで約1.5μmの厚さに塗工し、70℃のオーブン内に15分間静置し、余剰の溶剤を除去乾燥させた。
Figure 2014228775
次いで、感光性樹脂組成物の塗膜から150μmの間隔をあけて、20μmのストライプ状のパターンを有するフォトマスクをセットし、露光、その後、現像して未露光部分を取り除いた後、この基板を230℃で30分加熱して、遮光膜を形成した。
(透明着色膜のパタ−ン形成)
[実施例1、比較例1〜6]
前記遮光膜を形成した10cm×10cmのガラス基板上に、表4に示したRED処方よりなる感光性樹脂組成物を、100μmのストライプ状のパターンを有するフォトマスクを用いること以外は、ブラックマトリックスの形成と同様の工程で、赤色の透明着色膜を形成した。
遮光膜及び赤色透明着色膜からなる10cm×10cmのガラス基板上に、表3に示したGreen処方、Blue処方よりなる感光性樹脂組成物を、赤色透明着色膜の形成と同様の工程で、緑色透明着色膜、青色透明着色膜を形成し、実施例1及び比較例1から6に示すカラーフィルタを得た。
<評価>
実施例1及び比較例1〜6で得られたカラーフィルタの異物観察をした。その結果を、上記表4に示す。
[異物観察]
遮光膜のパターン形成後、及び各色の透明着色膜のパターン形成後に顕微鏡観察を行い、膜上に異物の発生有無を観察し、下記の基準で評価した。
×:異物が観察できた。
○:異物が観察できなかった。
<比較評価>
(カラーフィルタの品質)
実施例1は、HSPが15.9、14.8と大きな溶剤のみからなる感光性樹脂組成物
を用いて遮光膜及び各色の透明着色膜を形成したため、各膜形成時に異物が観察できず、良好なカラーフィルタを得ることができた。一方、比較例1から6は、HSPが11.0、あるいは11.8と小さな溶剤を含有する感光性樹脂組成物を用いて遮光膜及び各色の透明着色膜を形成したため、各膜形成時に異物が観察され、良好なカラーフィルタを得ることができなかった。
1・・・透明基板
2・・・遮光膜
3・・・透明着色膜

Claims (4)

  1. 顔料、透明樹脂、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー、光重合開始剤及び溶剤を含有する感光性樹脂組成物であって、前記感光性樹脂組成物の含水率が0.40質量%以下であることを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 前記溶剤を成分1、水を成分2とした時に、下記式(1)で得られる成分1と成分2とのハンセンの溶解度パラメーターHSPが12.0以上であることを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
    HSP={4×(δd1−δd2+(δp1−δp2+(δh1−δh21/2
    式(1)
    δd1:成分1の分散項、δd2:成分2の分散項、δp1:成分1の極性項、δp2:成分2の極性項、δh1:成分1の水素結合項、δh2:成分2の水素結合項
  3. 前記成分1と成分2とのハンセンの溶解度パラメーターHSPが14.8〜15.9であることを特徴とする請求項2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を使用して製造したことを特徴とするカラーフィルタ。
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