JP2014228728A - 反射防止膜付基材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂基材、および該基材上に形成された反射防止膜からなり、
該反射防止膜の水との接触角が130〜180°の範囲にあり、反射率(Rf)が2%以下であり、ヘーズが10%以下であるこ反射防止膜付基材。前記反射防止膜が、表面処理無機酸化物微粒子を含む無機酸化物微粒子層を含んでなり、反射防止膜表面が凹凸構造を有し、該凸部の平均高さ(TF)が30〜500nmの範囲にあり、平均凸部間距離(ピッチ幅)(WF)が50〜1000nmの範囲にある。
【選択図】図1
Description
該反射防止膜の水との接触角が130〜180°、反射率(Rf)が2%以下、ヘーズが10%以下であることを特徴とする。
前記反射防止膜が、無機酸化物微粒子層上にオーバーコート層を有する。
前記凹凸構造の凸部の表面がさらに微細凹凸を有し、該微細凸部の平均高さ(TFF)が3〜50nmの範囲にあり、平均凸部間距離(WFF)が、前記凸部の平均凸部間距離(WF)よりも小さく、3〜50nmの範囲にある。
Rn-SiX4-n (1)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10のフッ素置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:1〜3の整数)
Rn-SiX4-n (2)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の(メタ)アクリロイル基、アミノ基、メルカプト基で置換されていてもよい炭化水素基(フッ素置換を除く)であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:0〜3の整数)
前記無機酸化物微粒子層が結合材を含んでなる。
本発明に係る反射防止膜付基材は、樹脂基材、および該基材上に形成された反射防止膜からなり、該反射防止膜の水との接触角が130〜180°の範囲にあることを特徴としている。
本発明に用いる樹脂基材としては、従来公知のものを特に制限なく使用することが可能であり、、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、シクロポリオレフィン、ノルボルネン等のプラスチックシート、プラスチックフィルム等、プラスチックパネル等があげられる。
反射防止膜は表面処理無機酸化物微粒子を含む無機酸化物微粒子層を含んで構成されている。
(i)無機酸化物微粒子層
本発明に用いる無機酸化物微粒子としては、その形状が板状、繊維状、鎖状であることが好ましい。
板状アルミナ水和物微粒子の場合、多くは、擬ベーマイトアルミナ水和物微粒子(Al2O3・nH2O、n=0.5〜2.5)が用いられ、これは結晶性アルミナ水和物微粒子の一種であり、通常一次粒子が板状に配列して二次粒子を形成している。
また、板状アルミナ微粒子の平均厚み(TP)は1〜60nm、さらには3〜50nmの範囲にあることが好ましい。平均厚み(TP)が薄すぎるものは得ることが困難であり、得られたとしても所望の凹凸を形成できないために最終的に得られる反射防止膜の撥水性が不十分となる場合があり、併せて反射防止膜の屈折率が下部から上部になるに従って徐々に低下しする屈折率の低下が不充分となり、反射防止性能、防眩性能が不充分となる場合がある。
平均粒子幅(WF)が小さいと、粒子を安定的に再現性良く調製することが困難であり、得られたとしても前記した繊維状とならず、凹凸を形成できないために最終的に得られる撥水性被膜の撥水性が不十分となる場合があり、また、反射防止膜の屈折率が下部から上部になるに従って徐々に低下する屈折率の低下が不充分となり、反射防止性能、防眩性能が不充分となる場合がある。平均粒子幅(WF)が大きすぎると、繊維状とならず、凹凸を形成できないために最終的に得られる撥水性被膜の撥水性が不十分となり、強度、基材との密着性、反射防止性能、防眩性能が不充分となる場合がある。
平均長さ(LC)が短い場合は、鎖状無機酸化物微粒子が交絡した粒子群が小さく、所望の凹凸を形成できないために最終的に得られる反射防止膜の撥水性が不十分となる場合があり、また、反射防止膜の屈折率が下部から上部になるに従って徐々に低下する屈折率の低下が不充分となり、反射防止性能、防眩性能が不充分となる場合がある。
平均長さ(LC)と平均一次粒子径(DC)との比(LC)/(DC)が前記範囲にあると、所定の鎖状形状となるため、所望の凹凸を形成することができ、最終的に撥水性、強度、基材との密着性、反射防止性能、防眩性能等に優れた反射防止膜を得ることができる。
Rn-SiX4-n (1)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10のフッ素置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:1〜3の整数)
Rn-SiX4-n (2)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の(メタ)アクリロイル基、アミノ基、メルカプト基で置換されていてもよい炭化水素基(フッ素置換を除く)であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:0〜3の整数)
表面処理無機酸化物微粒子層には結合材が含まれていることが好ましい。
反射防止膜は、前記表面処理無機酸化物微粒子を結合し、基材との密着性、強度、硬度を向上させる目的で、結合材を含んでいることが好ましい。
なかでも、下記式(3)で表される加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物であるシリカ結合材が好ましい。
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:0〜1の整数)
前記無期酸化物微粒子層上にはオーバーコート層が形成されている。
特に、前記した無機酸化物微粒子の表面処理に式(2)で表される加水分解性有機ケイ素化合物を用いてない場合は、オーバーコート層の形成が必須である。
このようなオーバーコート層としては、無機酸化物微粒子層と結合し、撥水性を向上できれば特に制限はないが、本発明では、下記式(4)で表される加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物であるフッ素含有シリカ系層が好ましい。
(但し、式中、Rは炭素数1〜10のフッ素置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:1〜3の整数)
前記フッ素含有シリカ系層が、さらに下記式(5)で表される加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物を含んでいてもよい。
(但し、式中、X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素)
ここで、加水分解重縮合物とは、後述する製造工程で、加水分解性有機ケイ素化合物、これらの部分加水分解物、加水分解物であったものが加熱処理によって重縮合したものであることを意味している。
式(5)で表される加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物が混合して含まれている場合、式(4)で表される加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物のRn-SiO(4-n)/2の100重量部に対して、式(5)で表される加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物をSiO2として200重量部以下、さらには1〜100重量部の範囲で含んでいることが望ましい。式(5)で表される加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物の含有量が前記範囲にあると、反射防止膜の撥水性を低下することなく強度、硬度等に優れた反射防止膜付基材を得ることができる。
本発明では、前記した基材と無機酸化物微粒子層との間にハードコート層を有することが望ましい。これによって、無機酸化物微粒子層の密着性をより高めることが可能となるとともに、硬度、耐擦傷性に優れた反射防止膜付基材を得ることができる。
ハードコート層が薄いと前記ハードコート性を向上させる効果が不充分となる場合がある。ハードコート層が厚すぎても、さらにハードコート性が向上することもなく、クラックが発生して硬度が低下したり、不十分となる場合がある。
本発明では、前記した基材または基材上のハードコート層と無機酸化物微粒子層との間に高屈折率微粒子および/または導電性微粒子を含む中間膜を有することが望ましい。これによって、反射防止膜の反射防止性能をより高めたり、帯電防止性能を付与することができる。
また、導電性微粒子としては上記Sb2O5、ZnO2、SnO2、In2O3等の他アンチモンドープ酸化錫(ATO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、Fドープ酸化錫(FTO)、リンドープ酸化錫(PTO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)等の高屈折率の導電性微粒子が挙げられる。
また、中間膜の厚さは概ね、10〜300nm、さらには30〜200nmの範囲にあることが好ましい。
本発明に係る反射防止膜付基材は、表面が凹凸構造を有する。
該凹凸構造は、凸部の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(ピッチ幅)、水との接触角で定義される。
また、平均凸部間距離(ピッチ幅ということがある)(WF)は50〜1000nm、さらには70〜800nmの範囲にあることが好ましい。平均凸部間距離(WF)が短いと、反射防止膜の撥水性が不十分となる場合がある。平均凸部間距離(WF)が大きすぎても、反射防止膜の撥水性が不十分となる場合がある。
(TF)/(WF)が大きすぎると無機酸化物微粒子を配列することが困難で、例え無機酸化物微粒子が配列できたとしても、反射防止膜の強度、硬度が不十分となる場合がある。
これを図1にモデル図で示す。
微細凹凸の凸部の平均高さ(TFF)は3〜50nm、さらには3〜45nmの範囲にあることが好ましい。
微細凹凸の凸部の平均高さ(TFF)が前記範囲にあると、より撥水性に優れるとともに、反射防止膜の屈折率が下部から上部になるに従って徐々に低下し、かつ、表層がより屈折率が低下し、反射防止性能、防眩性能に優れた反射防止膜付基材が得られる。
微細凹凸の凸部の平均凸部間距離(WFF)が前記範囲にあると、前記平均高さ(TFF)が所定範囲にある場合と同様に、より撥水性および反射防止性能に優れた反射防止膜付基材が得られる。
反射防止膜の水との接触角が前記範囲にあれば、水滴が反射防止膜上に付着することなく水を弾くような撥水性反射防止膜を得ることができる。
つぎに、本発明に係る反射防止膜付基材の製造方法について説明する。
以上の本発明の反射防止膜付基材は、樹脂基材表面に、前記無機酸化物微粒子を含む分散液を、塗布乾燥して反射防止膜を形成することで製造される。
ハードコート層形成用塗布液としては、無機酸化物微粒子層、さらには反射防止膜の密着性、ハードコート性(硬度、耐擦傷性)を向上できれば特に制限はなく、前記したハードコート層を形成しうる成分を含む塗布液を用いることができる。
中間膜は中間膜形成用塗布液を塗布し、乾燥して中間膜を形成する。
こうして、必要に応じて、ハードコート層、中間膜が形成された基板上にに、無機酸化物微粒子層を形成する。
本発明に用いる無機酸化物微粒子としては、前記した板状、繊維状、鎖状の無機酸化物微粒子が用いられ、さらには、前記式(1)ないし(2)の有機ケイ素化合物で表面処理されたものが好ましく用いられる。
本発明で用いる板状、繊維状、鎖状の無機酸化物微粒子において、好適に用いられる繊維状、板状のアルミナ水和物微粒子の製造方法を例示する。
本発明に用いるアルミナ水和物微粒子の製造方法としては、前記したアルミナ水和物微粒子が得られれば特に制限はないが、以下の方法が例示される。
(1)アルミニウム塩水溶液にアルカリ水溶液を加えて中和してアルミニウムヒドロゲルスラリーを調製し、必要に応じて熟成する方法、
(2)上記熟成後にアルカリ水溶液を加え、必要に応じて熟成し、ついで、アルミニウム塩水溶液を加え、必要に応じて熟成する方法、
(3)上記(2)を繰り返し行う方法。
(4)アルミン酸ソーダ水溶液に酸水溶液を加えて中和してアルミニウムヒドロゲルスラリーを調製し、必要に応じて熟成する方法、
(5)上記熟成後に酸水溶液を加え、必要に応じて熟成し、ついで、アルミン酸ソーダ水溶液を加え、必要に応じて熟成する方法、
(6)上記(5)を繰り返し行う方法。
(7)アルミニウム塩水溶液とアルミン酸ソーダ水溶液とを混合してアルミニウムヒドロゲルスラリーを調製し、必要に応じて熟成する方法。この場合
(8)前記(2)あるいは(5)を行い、必要に応じてこれを繰り返す方法、を行っても良い。
洗浄方法としては、濾過して、掛け水する方法、限外濾過法、さらには陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂、両イオン交換樹脂等でカチオン、アニオンを除去する方法、これらを併用する方法、繰り返し行う方法が挙げられる。
第1の例は、繊維状アルミナ水和物微粒子を調製した場合と同様にアルミナヒドロゲルスラリーを調製するが、このとき、酸性のアルミナヒドロゲルスラリーを調製し、ついで、必要に応じて加温下で塩基性化合物を加えてアルカリ性にし、ついで、必要に応じて加温下で酸性化合物を加えて酸性にし、ついで、必要に応じて加温下で塩基性化合物を加えてアルカリ性のアルミナヒドロゲルスラリーを調製する。
これとは別の第2の例は、アルミン酸ナトリウム水溶液に、必要に応じて加温下で、酸性化合物を加えてアルカリ性領域のアルミナヒドロゲルスラリーを調製し、加温下で熟成することによって一次粒子がほぼ正方形の板状のアルミナ水和物微粒子を調製することができる。ついで、従来公知の方法で充分に洗浄した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAOH)等の有機塩基を加え、オートクレーブ等を用いて高温下、水熱処理し、ついで、洗浄して有機塩基を除去することによって、本発明に好適に用いることのできる板状アルミナ水和物微粒子を調製することができる。
表面処理無機酸化物微粒子分散液の分散媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2-プロパノール(IPA)、ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール等のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、酢酸イソペンチル、酢酸ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸シクロヘキシル、エチレングリコールモノアセテート等のエステル類、エチレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プルピレングリコールモノプロピルエーテル等のエーテル類を含む親水性溶媒、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、酢酸イソペンチル、酢酸ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸シクロヘキシル、エチレングリコールモノアセタート等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ブチルメチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ジプロピルケトン、メチルペンチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類;トルエン等極性溶媒が挙げられる。さらに、N−メチルピロリドン等の極性溶媒を用いることもでき、これらは単独で使用してもよく、また2種以上混合して使用してもよい。
表面処理剤が、前記したように式(2)の有機ケイ素化合物を使用した場合、結合材用塗布液を塗布して結合材を無機酸化物微粒子層に含有させる。
結合材としては、前記したとおりであり、結合材が分散した塗布液が使用される。
結合材用塗布液の分散媒は、表面処理無機酸化物微粒子分散液の分散媒と同様の分散媒を用いることができる。
結合材用塗布液の濃度は酸化物またはRn-SiO(4-n)/2として0.05〜20重量%、さらには0.1〜10重量%の範囲にあることが好ましい。
結合材用塗布液の塗布量が多すぎても、表面凹凸、表面粗さが小さくなり、最終的に得られる反射防止膜の撥水性、反射防止性能が不充分となる場合がある。
無機酸化物微粒子層上に、必要に応じてオーバーコート層形成用塗布液を塗布してオーバーコート層を形成する。
塗布液には無機酸化物微粒子層と結合し、撥水性を向上できれば特に制限はないが、本発明では、前記のように式(4)で表されるフッ素含有加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解物を用いることが好ましい。
SiX4 (5)
(但し、式中、X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素)
オーバーコート層形成用塗布液中の有機ケイ素化合物および/または加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解物をRn-SiO(4-n)/2として100重量部に対し、SiO2として0〜100重量部、さらには0〜50重量部の範囲にあることが好ましい。
オーバーコート層形成用塗布液の濃度は、シリカ換算[Rn-SiO(4-n)/2+SiO2]として0.05〜20重量%、さらには0.1〜10重量%の範囲にあることが好ましい。
なお、前記オーバーコート層形成後、80〜120℃で乾燥した場合は、加熱処理はしなくともよい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
表面処理アルミナ水和物微粒子(1)分散液の調製
スチームジャケット加温式のチタン製100Lタンクへ 純水 55.987kgを張り込み、これに塩化アルミニウム六水和物(関東化学(株)製: 鹿特級、AlCl3・6H2O濃度98重量%)3.532kgを溶解する。この溶液へ水酸化ナトリウム(関東化学(株)製:鹿特級、NaOH濃度48重量%)2.710kgを添加混合する。これを撹拌下、80℃ へ昇温し、1時間保持してpH4.0 のアルミナヒドロゲルスラリー(1-1)を62.229kg得た。
ついで陽イオン交換樹脂を分離した後、陰イオン交換樹脂(三菱化学(製):SANUPC)33gを添加し、1時間攪拌して脱アニオン処理した。ついで、再び陽イオン交換樹脂(三菱化学(製):SK−1BH)33gを添加し、1時間攪拌して脱アルカリ処理してAl2O3としての濃度が4.8重量%のアルミナ水和物微粒子(1)分散液を調製した。
アルミナ水和物微粒子(1)メタノール分散液の一部を乾燥し、走査型電子顕微鏡写真(SEM)を撮影し、図2に示した。
ついで、固形分濃度8重量%のアルミナ水和物微粒子(1)メタノール分散液100gにテトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製:正珪酸エチル‐A、SiO2濃度28.8重量%)1.88gを混合し、ついで、超純水を3.1g添加し、50℃で6時間攪拌して固形分濃度8重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(1)メタノール分散液を調製した。
混合アルコール(日本アルコール販売(株)製:ソルミックスA−11、メタノールとエタノールとイソプロピルアルコールの混合アルコール)72.5gに水10.0gと濃度61重量%の硝酸0.1gを添加し、25℃で10分撹拌した。ついで、テトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製:正珪酸エチル‐A、SiO2濃度28.8重量%)17.4gを添加し、30℃で30分撹拌してテトラエトキシシラン加水分解物(固形分濃度5.0重量%、分子量:1000)を得た。ついで、ジアセトンアルコール(DAA)333.3gとエチレングリコールモノイソプロピルエーテル(I−PG)666.6gと混合アルコール(日本アルコール販売(株)製:ソルミックスA−11、メタノールとエタノールとイソプロピルアルコールの混合アルコール)566.67gを添加して25℃で30分撹拌し、固形分濃度0.3重量%のシリカからなる結合材用塗布液(1)を調製した。
混合アルコール(日本アルコール販売(株)製:ソルミックスA−11、メタノールとエタノールとイソプロピルアルコールの混合アルコール)2252.5gに水159.0gと濃度61重量%の硝酸3.3gを添加し、25℃で5分撹拌した。ついで、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン(MOMENTIVE製:TSL8257、固形分濃度98%)46.4gを添加し、25℃で5分間撹拌し、ついで、オートクレーブにて、100℃で3時間処理した。その後、PGM356.39gとDAA213.91gを添加し、25℃で30分処理して固形分濃度1.50重量%のフッ素含有シリカ系層形成用塗布液を調製した。
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイド SI−30、平均粒子径12nm、SiO2濃度40.5重量%、分散媒:イソプロパノ−ル、粒子屈折率1.46)100gにγ-メタアクリロオキシプロピルトリメトキシシラン1.88g(信越シリコ−ン株製:KBM−503、SiO2成分81.2%)を混合し超純水を3.1g添加し50℃で20時間攪拌して表面処理した12nmのシリカゾル分散液を得た(固形分濃度40.5重量%)。
ついで、固形分濃度40.5重量%のシリカゾルのプロピレングリコールモノプロピルエーテル分散液51.85gと、ジヘキサエリスリトールトリアセテート(共栄社化学(株)製:DPE−6A)18.90g、と1.6−ヘキサンジオールジアクリレート(共栄社化学(株)製;ライトアクリレートSR−238F)2.10gとシリコーン系レベリング剤(楠本化成(株)製;ディスパロン1610)0.01gと光重合開始剤(チバジャパン(株))製:イルガキュア184、PGMEで固形分濃度10重量%に溶解)12.60gとPGME14.54gとを充分に混合して固形分濃度42.0重量%のハードコート膜形成用塗布液(1)を調製した。
固形分濃度42.0重量%のハードコート膜形成用塗布液(1)を、TACフィルム(パナック(株)製:FT−PB80UL−M、厚さ:80μm、屈折率:1.51)にバーコーター法(#16)で塗布し、80℃で2分間乾燥後、300mJ/cm2の紫外線を照射して硬化させてハードコート膜付基材を形成した。
得られた透明被膜付基材(1)の全光線透過率、ヘ−ズ、波長550nmの光線の反射率を測定し、結果を表に示す。また、防眩性、鉛筆硬度、耐擦傷性、撥水性、密着性を以下の方法および評価基準で評価し、結果を表に示した。
ハードコート機能付き反射防止膜付基材(1)の防眩性を基材の裏面を黒スプレーで均一に塗り、30Wの蛍光灯から2mはなれ蛍光灯の映り込みを目視に確認し防眩性を評価した。結果を表に示す。
蛍光灯が全く見えない :◎
蛍光灯がわずかに見える :○
蛍光灯は見えるが輪郭がぼける :△
蛍光灯がはっきり見える :×
JIS−K−5600に準じて鉛筆硬度試験器により測定した。
評価基準:
2H以上 :◎
H〜2H :○
B〜H :△
B以下 :×
#0000スチールウールを用い、荷重200g/cm2で10回摺動し、膜の表面を
目視観察し、以下の基準で評価し、結果を表1に示す。
評価基準:
筋条の傷が認められない :◎
筋条に傷が僅かに認められる:○
筋条に傷が多数認められる :△
面が全体的に削られている :×
全自動接触角計(協和界面科学(株)製:DM 700)で水との接触角を測定した。
密着性
撥水性透明被膜付基材(1)の表面にナイフで縦横1mmの間隔で11本の平行な傷を付けて100個の升目を作り、これにセロファンテープを接着、剥離したときの被膜が剥離せず残存している升目の数を、以下の3段階に分類することによって密着性を評価した。
残存升目の数100個 :◎
残存升目の数95〜99個 :○
残存升目の数90〜94個 :△
残存升目の数89個以下 :×
表面処理アルミナ水和物微粒子(2)分散液の調製
スチームジャケット付100Lタンクへ純水38.743kgを張り込み、これに濃度48重量%の水酸化ナトリウム溶液(関東化学(株)社製:特級)0.815kgを撹拌しながら加えた。ついで、この溶液に、アルミン酸ナトリウム(関東化学(株)社製:鹿1級、アルミナ換算39重量%)2.740kgを撹拌しながら溶解した。
固形分濃度2重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(2)分散液を、実施例1と同様の方法で作成したハードコート膜付基材にバーコーター法(#3)で塗布し、80℃で30秒間乾燥した。
表面処理アルミナ水和物微粒子(3)分散液の調製
実施例2の工程(d)で、110℃で加温した以外は同様にしてアルミナ水和物微粒子(3)分散液を調製した。
ついで、固形分濃度8重量%のアルミナ水和物微粒子(3)メタノール分散液100gにテトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製:正珪酸エチル‐A、SiO2濃度28.8重量%)1.88gを混合し、ついで、超純水を3.1g添加し、50℃で6時間攪拌して固形分濃度8重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(3)メタノール分散液を調製した。
固形分濃度2重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(3)分散液を、実施例1と同様の方法で作成したハードコート膜付基材にバーコーター法(#3)で表の層厚となるように、塗布し、80℃で30秒間乾燥した。実施例1と同様にして、固形分濃度0.3重量%の結合材用塗布液(1)を、バーコーター法(#3)で塗布し、80℃で10分間加熱して硬化させた。
表面処理アルミナ水和物微粒子(4)分散液の調製
実施例2の工程(d)で、180℃で加温した以外は同様にしてアルミナ水和物微粒子(4)分散液を調製した。
得られたアルミナ水和物微粒子(4)の平均粒子径(DP)、平均粒子厚み(TP)を測定し、結果を表に示す。
固形分濃度2重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(4)分散液を、実施例1と同様の方法で作成したハードコート膜付基材にバーコーター法(#3)で塗布し、80℃で30秒間乾燥した。実施例1と同様にして固形分濃度0.3重量%の結合材用塗布液(1)を、スピンコーターで塗布し、80℃で10分間加熱して硬化させた。
オーバーコート層形成用塗布液(2)の調製
混合アルコール(日本アルコール販売(株)製:ソルミックスA−11、メタノールとエタノールとイソプロピルアルコールの混合アルコール)5126gに水159.0gと濃度61重量%の硝酸3.3gを添加し、25℃で5分撹拌した。ついで、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン(MOMENTIVE製:TSL8257、固形分濃度98%)46.4g、テトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製:正珪酸エチル‐A、SiO2濃度28.8重量%)157.9gとを添加し、25℃で5分間撹拌し、ついで、オートクレーブにて、100℃で3時間処理した。その後、PGM356.39gとDAA213.91gを添加し、25℃で30分処理して固形分濃度1.50重量%のオーバーコート層形成用塗布液を調製した。
実施例2と同様にして固形分濃度2重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(2)分散液を、実施例1と同様の方法で作成したハードコート膜付基材にバーコーター法(#3)で塗布し、80℃で30秒間乾燥した。実施例1と同様にして固形分濃度0.3重量%の結合材用塗布液(1)を、バーコーター法(#3)で塗布し、80℃で10分間加熱して硬化させた。
オーバーコート層形成用塗布液(3)の調製
混合アルコール(日本アルコール販売(株)製:ソルミックスA−11、メタノールとエタノールとイソプロピルアルコールの混合アルコール)1771.0gに水159.0gと濃度61重量%の硝酸3.3gを添加し、25℃で5分撹拌した。ついで、3,3,3,3トリフロロプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業製:KBM−7103、濃度100重量%)47.3gを添加し、25℃で5分間撹拌し、ついで、オートクレーブにて、100℃で3時間処理した。その後、PGM356.39gとDAA213.91gを添加し、25℃で30分処理して固形分濃度1.50重量%のオーバーコート層形成用塗布液を調製した。
実施例2と同様にして調製した固形分濃度2重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(2)分散液を、実施例1と同様の方法で作成したハードコート膜付基材にバーコーター法(#3)で塗布し、80℃で30秒間乾燥した。ついで、実施例1と同様にして調製した固形分濃度0.3重量%のシリカ結合材用塗布液(1)を、バーコーター法(#3)で塗布し、80℃で10分間加熱して硬化させた。
反射防止膜付基材(6)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、全光線透過率、ヘ−ズ、反射率、防眩性、鉛筆硬度、耐擦傷性、撥水性、密着性を評価し、結果を表に示す。
反射防止膜付基材(7)の製造
実施例1と同様にして固形分濃度42.0重量%のハードコート膜形成用塗布液(1)を、PETフィルム(東洋紡社製:A4300、厚さ:188μm)にバーコーター法(#3)にバーコーター法(#16)で塗布し、80℃で2分間乾燥後、300mJ/cm2の紫外線を照射して硬化させてハードコート膜付基材を形成した。
ついで、実施例2と同様にして固形分濃度2重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(2)分散液を、ハードコート膜付基材上に表の層厚となるように塗布し、80℃で30秒間乾燥した。
実施例1と同様にしてオーバーコート層形成用塗布液(1)をバーコーター法(#4)で塗布し、80℃で10分間乾燥・硬化して反射防止膜付基材(7)を製造した。
表面処理鎖状シリカ微粒子(5)分散液の調製
SiO2濃度が24重量%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2Oモル比が3.1)334gを純水1266gで希釈して、SiO2濃度が5重量%の珪酸ナトリウム水溶液(pH11)を1600g調製した。この珪酸ナトリウム水溶液を陽イオン交換樹脂(三菱化学(製):SK−1BH)320gを添加し、1時間攪拌した後、イオン交換樹脂を分離し、脱アルカリ処理したpH4.0、固形分濃度5%の珪酸液1500gを調製した。ついで純水を3500g加え、固形分濃度1.9%に希釈した。この液をセパラブルフラスコに入れ、40℃に昇温した後、10%酢酸アンモニウム水溶液100g加え、酢酸でpHを4.1に調製した後、2時間加熱した。ついで、5%アンモニア水溶液でPH10.5に調製した。その後、95℃に昇温し、90℃で2時間加熱した。40℃まで冷却した後、シリカゾルを得た。
得られた鎖状シリカ微粒子(5)の平均一次粒子径(DC)は12nm、連結数は10個、平均長さ(LC)は120nmであった。
実施例2と同様にして調製した固形分濃度2重量%の表面処理鎖状シリカ微粒子(5)分散液を、実施例1と同様の方法で作成したハードコート膜付基材にバーコーター法(#3)で塗布し、80℃で10分間乾燥した。なお、結合材は含有させていない。
反射防止膜付基材(9)の製造
実施例2と同様にして固形分濃度2重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(2)分散液を、実施例1と同様の方法で作成したハードコート膜付基材にバーコーター法(#3)で塗布し、80℃で10分間乾燥した。なお、結合材は含有させていない。
表面処理アルミナ水和物微粒子(10)分散液の調製
実施例1と同様にして調製した固形分濃度8重量%のアルミナ水和物微粒子(1)メタノール分散液100gにトリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン(MOMENTIVE製:TSL8257、固形分濃度55重量%)5.66gを添加し、25℃で30分間撹拌した。ついで、水3.80gと濃度10重量%の酢酸0.20gを添加して20℃で10分撹拌し、ついで、オートクレーブにて、100℃で3時間処理し、固形分濃度8.0重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(10)メタノール分散液を調製した。
実施例2と同様にして固形分濃度2重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(10)分散液を、実施例1と同様の方法で作成したハードコート膜付基材にバーコーター法(#3)で塗布し、80℃で10分間乾燥・硬化して反射防止膜付基材(10)を製造した。なお、結合材は含有させていない。また、オーバーコート層も形成していない。
表面処理アルミナ水和物微粒子(11)分散液の調製
実施例1と同様にして、固形分濃度8重量%のアルミナ水和物微粒子(1)メタノール分散液を得た。
実施例2と同様にして固形分濃度2重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(11)分散液を、実施例1と同様の方法で作成したハードコート膜付基材にバーコーター法(#3)で塗布し、80℃で10分間乾燥・硬化して反射防止膜付基材(11)を製造した。なお、結合材は含有させていない。また、オーバーコート層も形成していない。
反射防止膜付基材(12)の製造
実施例2と同様にして調製した固形分濃度2重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(2)分散液を、TACフィルム(パナック(株)製:FT−PB80UL−M、厚さ:80μm、屈折率:1.51)にバーコーター法(#3)で表の乾燥層厚となるように塗布し、80℃で30秒間乾燥した。
中間膜形成用塗布液(1)の調製
ATOゾル分散液(日揮触媒化成(株)製:ELCOM V−3560、平均粒子径8nm、ATO濃度20.5重量%、分散媒:メタノールとエタノールとイソプロピルアルコールの混合アルコール(日本アルコール販売(株)製:ソルミックスAP−11)、粒子屈折率1.75)58.5gに、メタノールとエタノールとイソプロピルアルコールの混合アルコール(日本アルコール販売(株)製:ソルミックスAP−11)16.82g、PGME8.64g、ペンタエリスリトールトリアクリレート(共栄社化学(株)製:ライトアクリレートPE−3A、樹脂濃度100重量%)8.0gに光開始剤(チバスペシャリティ(株)製:イルガキュア184)8.0gを添加して充分に混合して固形分濃度3.0重量%の中間膜形成用塗布液(1)を調製した。
実施例12と同様にしてハードコート層を形成した後、バーコーター法(#4)で、固形分濃度3.0重量%の中間膜形成用塗布液(1)を表の乾燥層厚となるように塗布し、80℃で2分間乾燥後、300mJ/cm2の紫外線を照射して硬化させて中間膜を形成した。
反射防止膜付基材(R1)の製造
実施例2と同様にして固形分濃度2重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(2)分散液を、実施例1と同様の方法で作成したハードコート膜付基材にバーコーター法(#3)で塗布し、80℃で30秒間乾燥した。
表面処理アルミナ水和物微粒子(R2)分散液の調製
実施例1の工程(d)で、150℃で加温した以外は同様にしてアルミナ水和物微粒子(R2)分散液を調製した。得られたアルミナ水和物微粒子(R2)の平均長さ(LF)、平均粒子幅(WPF)を測定し、結果を表に示す。
実施例1において、固形分濃度2重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(R2)分散液を用いて、表の層厚となるようにした以外は同様にして反射防止膜付基材(R2)を製造した。
表面処理アルミナ水和物微粒子(R3)分散液の調製
実施例2の工程(d)で、250℃で加温した以外は同様にしてアルミナ水和物微粒子(R3)分散液を調製した。
この分散液を、限外濾過膜を用いてメタノールにて溶媒置換して、固形分濃度8重量%のアルミナ水和物微粒子(R3)メタノール分散液を得た。ついで、固形分濃度8重量%のアルミナ水和物微粒子(R3)メタノール分散液100gにテトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製:正珪酸エチル‐A、SiO2濃度28.8重量%)1.88gを混合し、ついで、超純水を3.1g添加し、50℃で6時間攪拌して固形分濃度8重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(R3)メタノール分散液を調製した。
実施例1において、固形分濃度2重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(R3)分散液を用いた以外は同様にして反射防止膜付基材(R3)を製造した。
反射防止膜付基材(R4)の製造
実施例2と同様にして固形分濃度2重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(2)分散液を、実施例1と同様の方法で作成したハードコート膜付基材にバーコーター法(#3)で塗布し、80℃で30秒間乾燥した。
固形分濃度を0.05重量%とした以外は実施例1と同様にして調製したオーバーコート層形成用塗布液(4)をバーコーター法(#3)で、表の含有量となるように塗布し、80℃で10分間乾燥・硬化して反射防止膜付基材(R4)を製造した。
反射防止膜付基材(R5)の製造
実施例2と同様にして固形分濃度2重量%の表面処理アルミナ水和物微粒子(2)分散液を、実施例1と同様の方法で作成したハードコート膜付基材にバーコーター法(#3)で塗布し、80℃で30秒間乾燥した。ついで、実施例1と同様にして固形分濃度0.3重量%の結合材用塗布液(1)を、バーコーター法(#3)で塗布し、80℃で10分間加熱して硬化させた。
Claims (28)
- 樹脂基材、および該基材上に形成された反射防止膜からなり、
該反射防止膜の水との接触角が130〜180°の範囲にあり、反射率(Rf)が2%以下であり、ヘーズが10%以下であることを特徴とする反射防止膜付基材。 - 前記反射防止膜が、表面処理無機酸化物微粒子を含む無機酸化物微粒子層を含んでなり、反射防止膜表面が凹凸構造を有し、該凸部の平均高さ(TF)が30〜500nmの範囲にあり、平均凸部間距離(ピッチ幅)(WF)が50〜1000nmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の反射防止膜付基材。
- 前記反射防止膜が、無機酸化物微粒子層上にオーバーコート層を有することを特徴とする請求項1または2記載の反射防止膜付基材。
- 前記平均高さ(TF)と前記平均凸部間距離(WF)との比(TF)/(WF)が0.1〜10の範囲にあることを特徴とする請求項2または3に記載の反射防止膜付基材。
- 前記凹凸構造の凸部の表面がさらに微細凹凸を有し、該微細凸部の平均高さ(TFF)が3〜50nmの範囲にあり、平均凸部間距離(WFF)が、前記凸部の平均凸部間距離(WF)よりも小さく、3〜50nmの範囲にあることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の反射防止膜付基材。
- 前記表面処理無機酸化物微粒子が下記式(1)および/または(2)で表される加水分解性有機ケイ素化合物またはその加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解物で表面処理されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の反射防止膜付基材。
Rn-SiX4-n (1)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10のフッ素置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:1〜3の整数)
Rn-SiX4-n (2)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の(メタ)アクリロイル基、アミノ基、メルカプト基で置換されていてもよい炭化水素基(フッ素置換を除く)であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:0〜3の整数) - 前記表面処理無機酸化物微粒子の表面処理量が、無機酸化物微粒子(酸化物換算)100重量部に対し、式(1)で表される加水分解性有機ケイ素化合物をRn-SiO(4-n)/2として1〜200重量部の範囲にあることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の反射防止膜付基材。
- 前記無機酸化物微粒子層が結合材を含んでなることを特徴とする請求項2に記載の反射防止膜付基材。
- 前記結合材の含有量が前記無機酸化物微粒子層中の無機酸化物微粒子を酸化物(1)として100重量部に対し結合材を酸化物(2)として1〜200重量部の範囲にあることを特徴とする請求項8に記載の反射防止膜付基材。
- 前記基材と前記無機酸化物微粒子層との間にハードコート層を有することを特徴とする請求項2に記載の反射防止膜付基材。
- 前記基材またはハードコート層と前記無機酸化物微粒子層との間に中間膜を有することを特徴とする請求項10に記載の反射防止膜付基材。
- 前記無機酸化物微粒子の形状が板状、繊維状、鎖状のいずれかであることを特徴とする請求項2に記載の反射防止膜付基材。
- 前記板状無機酸化物微粒子の平均粒子径(DP)が10〜300nmの範囲にあり、平均厚み(TP)が1〜60nmの範囲にあり、平均粒子径(DP)と平均厚み(TP)との比(DP)/(TP)が1.5〜50の範囲にあり、
前記繊維状無機酸化物微粒子の平均長さ(LF)が10〜500nmの範囲にあり、平均粒子幅(WPF)が1〜100nmの範囲にあり、平均長さ(LF)と平均粒子幅(WPF)との比(LF)/(WPF)が1.5〜50の範囲にあり、
前記鎖状無機酸化物微粒子が、平均粒子径(DC)が5〜50nmの範囲にある一次微粒子が鎖状に2〜100個連結した微粒子であり、平均長さ(LC)が20〜500nmの範囲にあり、平均長さ(LC)と平均粒子径(DC)との比(LC)/(DC)が2〜50の範囲にあることを特徴とする請求項12に記載の反射防止膜付基材。 - 前記無機酸化物微粒子が板状アルミナ微粒子または板状シリカ・アルミナ微粒子、繊維状アルミナ微粒子または繊維状シリカ・アルミナ微粒子、鎖状シリカ微粒子であることを特徴とする請求項12に記載の反射防止膜付基材。
- 前記結合材がシリカであり、かつ下記式(3)で表される加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物であることを特徴とする請求項8または9に記載の反射防止膜付基材。
Rn-SiX4-n (3)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:0〜1の整数) - 前記オーバーコート層の含有量が、前記無機酸化物微粒子層中の無機酸化物微粒子を酸化物換算して、100重量部に対し酸化物(固形分)として1〜100重量部の範囲にあることを特徴とする請求項3に記載の反射防止膜付基材。
- 前記オーバーコート層がフッ素含有シリカ系層であり、該フッ素含有シリカ系層が下記式(4)で表される加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物であることを特徴とする請求項3または16に記載の反射防止膜付基材。
Rn-SiX4-n (4)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10のフッ素置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:1〜3の整数) - 前記フッ素含有シリカ系層が、さらに下記式(5)で表される加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物を含むことを特徴とする請求項17に記載の反射防止膜付基材。
SiX4 (5)
(但し、式中、X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素) - 樹脂基材が、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、シクロポリオレフィン、ノルボルネンから選ばれるシート、フィルムないしパネル状基材であることを特徴とする請求項1または2に記載の反射防止膜付基材。
- 樹脂基材表面に、無機酸化物微粒子を含む分散液を、塗布乾燥して反射防止膜を形成することを特徴とする請求項1に記載の反射防止膜付基材の製造方法。
- 形成された無機酸化物微粒子層表面に、オーバーコート層形成用塗布液を塗布乾燥してオーバーコート層を形成することを特徴とする請求項20に記載の反射防止膜付基材の製造方法。
- 無機酸化物微粒子が式(1)および/または(2)で表される加水分解性有機ケイ素化合物またはその加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解物で表面処理されていることを特徴とする請求項20に記載の反射防止膜付基材の製造方法。
- 無機酸化物微粒子層に、結合材用塗布液を塗布して結合材を含有させることを特徴とする、請求項20に記載の反射防止膜付基材の製造方法。
- 樹脂基板表面にあらかじめハードコート層形成用塗布液を塗布し、乾燥してハードコート層を形成することを特徴とする請求項20に記載の反射防止膜付基材の製造方法。
- 基材表面(ハードコート膜が形成された場合、ハードコート膜表面)に、中間膜形成用塗布液をを塗布し、乾燥して中間膜を形成することを特徴とする請求項20または24に記載の反射防止膜付基材の製造方法。
- 濃度が固形分(無機酸化物)として0.1〜10重量%の範囲にある分散液を使用することを特徴とする請求項20に記載の反射防止膜付基材の製造方法。
- 結合材の含有量が、無機酸化物微粒子層中の無機酸化物微粒子100重量部に対して、酸化物換算で1〜200重量部の範囲となるように結合材用塗布液を塗布することを特徴とする請求項23に記載の反射防止膜付基材の製造方法。
- 無機酸化物微粒子層中の無機酸化物微粒子100重量部に対して、固形分(酸化物)として、1〜100重量部となるようにオーバーコート層形成用塗布液を塗布することを特徴とする請求項21に記載の反射防止膜付基材の製造方法。
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