JP2014228615A - 保護板用基板、電極付き表示装置用前面保護板、及び表示装置 - Google Patents

保護板用基板、電極付き表示装置用前面保護板、及び表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】化学強化ガラスを用いた透光性化学強化ガラス基板による強度を改善でき、透明電極を設けたときはこれによる強度低下を改善でき、より強化することもできる保護板用基板及び電極付き表示装置用前面保護板と、これを備えた表示装置を提供する。【解決手段】保護板用基板10Bは、透光性化学強化ガラス基板1の一方の面である第2面S2に樹脂層2を設ける。樹脂層は厚み1〜5μmで透明で電気絶縁性で圧縮応力を有するのが好ましい。透明電極4は透光性化学強化ガラス基板に接触しないように、この樹脂層上に形成する。電極付き表示装置用前面保護板は、その透明電極が透光性化学強化ガラス基板に接触しないように樹脂層を介して設けたものとする。表示装置は表示パネルとともに、その表側に電極付き表示装置用前面保護板を配置して構成する。【選択図】図1

Description

本発明は、保護板用基板、電極付き表示装置用前面保護板、及び表示装置に関する。
近年、スマートフォン、タブレットPC(パーソナルコンピュータ)など各種表示装置において、表示パネルと組み合わせて使用されるタッチパネルが急速に普及してきている。
図12は、タッチパネル20を備えた表示装置200の一例を模式的に示す図である。図12(a)は分解平面図であり、図12(b)の断面図は図12(a)の分解平面図中にて、C−C線で表示装置用前面保護板40を切断したときの表示装置用前面保護板40のみの断面図である。タッチパネル20は、表示パネル30に対して、表示パネル30からの表示光の出光側である表側(紙面で手前側)に配置される。さらに、タッチパネル20の保護の為に、前記表示パネル30からの表示光がタッチパネル20を通過して出光する側であるタッチパネル20の表側に、表示装置用前面保護板40が配置される(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
表示装置用前面保護板40は、通常、図12で例示する様に、その表示用領域A1の外周部が不透明領域A2となっており、不透明領域A2では透光性ガラス基板41に対して遮光層42が形成されている。この不透明領域A2によって、表示装置用前面保護板40の裏側に配置されるタッチパネル20が、その外周部に有する配線6やコネクタ等が見えて外観を損ねないようにしている。また、不透明領域A2中には、製品ロゴなどの可視情報8、赤外透過窓や装置の状態を示す通知窓などの窓も適宜設けられ、不透明領域A2は表示装置用前面保護板40の加飾部にもなっている。
また、薄型化、軽量化、部品点数削減などに対する要求に応えるべく、表示装置用前面保護板40とタッチパネル20との一体化、或いはタッチパネル20と表示パネル30との一体化などの各種一体化の形態が提案され、市場に出回り始めている(特許文献1、特許文献2)。
図13は、表示装置用前面保護板40とタッチパネル20との一体化の例として、図12(b)で例示の透光性ガラス基板41に遮光層42を設けた表示装置用前面保護板40に対して、さらにタッチパネル用の透明電極4及び配線6を設けた電極付き表示装置用前面保護板50の構成例である。
なお、同図に示す電極付き表示装置用前面保護板50の例では、さらに信頼性向上のために、透明電極4及び配線6を被覆するオーバーコート層7も有する。
また、透光性ガラス基板41には、表示装置の最表面に配置されることから、安全性などの面から割れにくくするために、強度を高めた化学強化ガラスを用いることが増えてきている(特許文献4)。
特開2009−193587号公報 実用新案登録第3153971号公報 特開2008−266473号公報(図2) 特開2004−83378号公報
しかしながら、化学強化ガラスを用いた透光性ガラス基板41の面に、ITO(Indium Tin Oxide;インジウム錫酸化物)の透明電極4が直接形成されていると、化学強化ガラス本来の強度が大幅に低下することが判明した。
そこで、本発明の課題は、化学強化ガラスを用いた透光性化学強化ガラス基板による強度を改善できる保護板用基板及び電極付き表示装置用前面保護板と、この電極付き表示装置用前面保護板を備えた表示装置を提供することである。
本発明では、次の様な構成の、保護板用基板、電極付き表示装置用前面保護板及び表示装置とした。
(1)透光性化学強化ガラス基板と、
前記透光性化学強化ガラス基板の第1面と当該第1面とは反対側の第2面とのうちの、いずれか一方の面上に設けられた樹脂層と、
を有する、表示装置用の保護板用基板。
(2)前記樹脂層が圧縮応力を有する、前記(1)の保護板用基板。
(3)中央の表示用領域と、この表示用領域の外周部に設けられ可視光を遮蔽する不透明領域とを有し、少なくとも前記表示用領域に透明電極を有する、電極付き表示装置用前面保護板であって、
透光性化学強化ガラス基板と、
前記透光性化学強化ガラス基板の第1面と当該第1面とは反対側の第2面とのうちの、いずれか一方の面上において前記不透明領域に設けられた遮光層と、
前記透光性化学強化ガラス基板の一方の面上であって、少なくとも前記表示用領域に設けられた樹脂層と、
前記透光性化学強化ガラス基板の一方の面上であって、少なくとも前記表示用領域においては前記樹脂層の面上に設けられた前記透明電極と、
を有する、電極付き表示装置用前面保護板。
(4)前記樹脂層が圧縮応力を有する、前記(3)の電極付き表示装置用前面保護板。
(5)表示パネルと、
前記表示パネルの表示光が出光する表側に配置された前記(3)又は(4)の電極付き表示装置用前面保護板と、
を少なくとも備える、表示装置。
本発明によれば、透光性化学強化ガラス基板による強度を改善できる保護板用基板及び電極付き表示装置用前面保護板と、この電極付き表示装置用前面保護板を備えた表示装置を提供することができる。
本発明による保護板用基板の一実施形態を説明する断面図。 樹脂層の圧縮応力により強度が改善される作用を説明する図。 強度の評価方法として落球試験を説明する説明図。 落球試験結果の一例を示すグラフ。 本発明による電極付き表示装置用前面保護板の一実施形態を説明する平面図(a)と、平面図中C−C線での断面図(b)。 透明電極のパターンの一例をその交差部分を主体に説明する平面図(a)と断面図(b)。 本発明による電極付き表示装置用前面保護板の変形形態(表示用領域主体の樹脂層)を例示する断面図。 本発明による電極付き表示装置用前面保護板の変形形態(遮光層と形成順が逆の樹脂層)を例示する断面図。 本発明による電極付き表示装置用前面保護板の変形形態(オーバーコート層付き)を例示する断面図。 本発明による表示装置の一実施形態(タッチパネル用透明電極の全部一体化)を模式的に説明する断面図。 本発明による表示装置の別の実施形態(タッチパネル用透明電極の一部一体化)を模式的に説明する断面図。 従来の表示装置用前面保護板と表示装置の一例を示す分解平面図(a)と、分解平面図中C−C線での表示装置用前面保護板の断面図(b)。 従来の電極付き表示装置用前面保護板の一例を示す断面図。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面は概念図であり、説明上の都合に応じて適宜、構成要素の縮尺関係、縦横比等は誇張されていることがある。
〔A〕用語の定義:
以下に、本発明において用いる主要な用語について、その定義をここで説明しておく。
「表側」とは、保護板用基板に対して透明電極を設けた電極付き表示装置用前面保護板、或いはその他の構成要素において、電極付き表示装置用前面保護板を表示パネルと組み合わせて使用したときに、表示パネルからの表示光が出光する側であり、表示パネルの表示を観察する側を意味する。
「裏側」とは、前記「表側」とは反対側を意味し、電極付き表示装置用前面保護板或いはその他の構成要素において、表示パネルの表示光が入光する側を意味する。
「第1面」と「第2面」とは、何れかが前記「表側」となり、何れの面が前記「表側」となるかは任意である。
「一方の面」と、その反対側の面である「他方の面」とは、何れかが前記「表側」となり、何れの面が前記「表側」となるかは、本来は任意である。本発明においては、透光性化学強化ガラス基板に対して透明電極形成時の強度低下を改善可能な樹脂層を必ず有する側の面を「一方の面」と呼ぶことにしており、この一方の面が裏側として使用される面となる。「一方の面」乃至は「裏側」の面を「第2面」とも呼び、「他方の面」乃至は「表側」の面を「第1面」とも呼ぶ。
〔B〕保護板用基板:
先ず、本発明による保護板用基板について説明する。
図1の断面図は、本発明による保護板用基板の一実施形態を示す。
図1に示す実施形態の保護板用基板10Bは、透光性化学強化ガラス基板1と、透光性化学強化ガラス基板1の第1面S1と当該第1面S1とは反対側の第2面S2とのうちの、いずれか一方の面として第2面S2の面上に設けられた樹脂層2とを有する構成の基板であり、後述する電極付き表示装置用前面保護板用に好適な基板である。同図では、図面上方の面が第1面S1であり、図面下方の面が第2面S2である。第1面S1が、透明電極4が形成されて表示装置用前面保護板となったときに表側となり、表示パネルの表示を観察する観察者V側となる面である。
本実施形態においては、樹脂層2は、保護板用基板10Bが電極付き表示装置用前面保護板となったときに裏側となる第2面S2の面に接して、その全面に形成されている。また、本実施形態においては、樹脂層2は硬化性樹脂の硬化物層として架橋構造を有し圧縮応力を有する層として形成されている。
このような構成とすることで、透光性化学強化ガラス基板による強度を改善することができる。具体的には、保護板用基板10Bに、図面で点線で示す透明電極4を設けて、それを例えばタッチパネルの位置検知用としてタッチパネル機能を一体化した電極付き表示装置用前面保護板とするときは、樹脂層2の面上に設けることで、透明電極4を透光性化学強化ガラス基板1の面に直接設ける場合に生じる透光性化学強化ガラス基板1が本来有する強度の強度低下を改善すること可能となる。しかも、透光性化学強化ガラス基板1が本来有する強度を、より強くすることも可能となる。また、透明電極4を設けないときは、透光性化学強化ガラス基板1自体の強度をより強くすることができる。
以下、構成要素毎にさらに詳述する。
〔透光性化学強化ガラス基板1〕
透光性化学強化ガラス基板1は、少なくとも可視光線に対して透明な化学強化ガラスからなるガラス基板である。化学強化ガラスとしては、特に制限はなく、ソーダ石灰ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラスなどの公知の無機ガラスを用いることができる。化学強化ガラスは、典型的には、ガラスの表面近傍について、ナトリウムをイオン半径がより大きいカリウムに代えるなどイオン種を一部交換する化学的な方法によって、機械的強度を強化したガラスである。この結果、化学強化ガラスは表面近傍に圧縮応力を持つ圧縮応力層を有するために、外力に対して割れにくくなり、その分、厚みを薄くできる利点を有する。
透光性化学強化ガラス基板1の厚みは、用途及び要求仕様に応じた厚みとすればよく、
例えば0.1〜2.0mm、通常0.5〜1.0mm、代表的には0.7mmである。
なお、透光性化学強化ガラス基板1が表面近傍に圧縮応力を持つ圧縮応力層を有することは、市販の表面応力測定器、例えば、株式会社折原製作所製のFSM−6000などによって、確認することができる。
〔樹脂層2〕
樹脂層2は、樹脂により形成された層であり、少なくとも可視光線に対して透明な層である。樹脂層2によって、透光性化学強化ガラス基板1に、図1にて点線で示す透明電極4が設けられるときに樹脂層2の面上に設けることで、透明電極4が透光性化学強化ガラス基板1の面に直接接触しないようにすることができる。この結果、透光性化学強化ガラス基板1に透明電極4が設けられたときの強度低下を改善することが可能となる。また、透明電極4が設けられない場合では、透光性化学強化ガラス基板1の強度をより強くすることもできる。
樹脂層2は絶縁性であることが好ましい。本発明においては、通常、樹脂層2は絶縁性の層として形成される。本実施形態においても、樹脂層2は絶縁性の層として形成されている。
なぜならば、本実施形態においては、図1に示すように、樹脂層2の面に接して透明電極4が形成されることを想定している。このため、互いに電気的に絶縁されるべき透明電極4同士が樹脂層2によって導通しないように、樹脂層2には絶縁性が求められるからである。
樹脂層2は圧縮応力を有することが好ましい。本実施形態においては、樹脂層2は硬化性樹脂の硬化物層として形成されており、硬化時の硬化収縮、溶剤を含む樹脂組成物で形成されるときは更に溶剤乾燥時の乾燥収縮などによって、圧縮応力を有する。
樹脂層2が圧縮応力を有することによって、保護板用基板10Bにさらに透明電極4を設けて電極付き表示装置用前面保護板などとするときに、この透明電極4を樹脂層2の面上に設けることで、樹脂層2が形成されていない側の第1面S1に第1面S1を押すように加わる外力に対して、保護板用基板10B乃至は電極付き表示装置用前面保護板を割れにくくすることができる。また、透明電極4が設けられない場合には、透光性化学強化ガラス基板1自体の強度をより強くすることができる。
樹脂層2は架橋構造を有することが好ましい。本実施形態においては、樹脂層2は架橋構造を有する。架橋構造は、樹脂層2を硬化性樹脂の硬化物層として形成する際に、硬化反応として架橋硬化反応を利用することによって形成することができる。架橋構造を有する樹脂層2とすることで、架橋硬化反応による硬化収縮によって、樹脂層2に対してより確実に圧縮応力を付与することができる。
また、架橋構造を樹脂層2が有することで、樹脂層2の面上に透明電極4が形成されるときの加熱に耐え得る耐熱性を、樹脂層2に付与し易くなる利点も有する。
樹脂層2は非粘着性であることが好ましい。本実施形態においては、樹脂層2は非粘着性である。携帯電話の表面ガラス(表示装置用前面保護板)に貼り付けて、その表面を保護する表面保護粘着フィルムの粘着層のように、樹脂層2が粘着性であると、樹脂層2の面に接して透明電極4を形成することが難しくなるからである。
また、表面保護粘着フィルムの粘着層は、耐衝撃性などの点で厚みが通常20μm以上であるが、本発明による樹脂層2は厚みが2μm程度、最大でも5μm程度であり、厚みが薄い点でも異なる。
(強度改善作用)
図2は、樹脂層2が有する圧縮応力が、透光性化学強化ガラス基板1による強度を改善する作用を説明する図である。
図2(a)は、水平状態にある通常のガラス板43の図面上側の第1面S1に剛球Mが落ちて外力が加わったときの状態を示す。外力により、ガラス板43は、図面下方にたわみ、図面下側の第2面S2には、第2面S2の面方向に沿って引っ張り応力が発生する。ガラス板は一般に引っ張り応力に弱く、引っ張り応力が生じると割れが生じることになる。
図2(b)は、樹脂層2が形成されていない透光性化学強化ガラス基板1だけのときの断面形状であり、第1面S1の側、及び第2面S2の側のどちらの面にも反っていない状態として描いてある。
透光性化学強化ガラス基板1では、表面近傍の圧縮応力層の圧縮応力が、外力によって生じ得る引っ張り応力を打ち消す作用を有する結果、機械的強度が強くなり割れにくくなっている。
図2(c)は、透光性ガラス基板1に対して、圧縮応力を有する樹脂層2が第2面S2に形成されている構成の保護板用基板10Bの形状を示す。図2(c)のように、保護板用基板10Bは、図2(b)に示す樹脂層2が形成されていない透光性化学強化ガラス基板1のみの形状に対して、樹脂層2が形成されている側の第2面S2の面側が縮んで凹面となるように反った形状となる。
仮にもしも、樹脂層2が逆の引っ張り応力を有する場合は、保護板用基板10Bは図2(d)のように、図2(b)に示す透光性化学強化ガラス基板1のみの形状に対して、第2面S2の面側が伸びて凸面となるように反った形状となる。
このように、保護板用基板10Bは、樹脂層2が有する応力によって、元の透光性化学強化ガラス基板1に対して形状が変形する。樹脂層2が圧縮応力を有するか否かは、樹脂層2を形成前後の形状を比較することで確認することができる。既に樹脂層2が形成されている保護板用基板10Bについて、その樹脂層2が圧縮応力を有するか否かは、当該樹脂層2を有する保護板用基板10Bと、当該樹脂層2を除去した後の形状とを比較することで確認することができる。
なお、樹脂層2の除去は、アルカリ水溶液などによって樹脂層2の樹脂を分解することで100℃以下の温度で除去することができるが、この他の方法によってもよい。
保護板用基板10Bにさらに透明電極4や配線6などが設けられ、後述する電極付き表示装置用前面保護板10(図5(b)など参照)となっている状態では、樹脂層2の面上に設けられている透明電極4や配線6は除去した状態の形状と、さらに樹脂層2も除去した状態の形状とを比較することで、樹脂層2が圧縮応力を有するか否かを確認することができる。
樹脂層2の有無による透光性化学強化ガラス基板1乃至は保護板用基板10Bの変形は、肉眼で観察できるほどではなく極僅かであるが、これらの表面の平坦性の変化を測定することで、樹脂層2が圧縮応力を有するか、或いは引っ張り応力を有するかを測定し確認することができる。この測定には、市販の平坦度測定機、例えば、株式会社ニデック製、フラットネステスターFT−900を用いることができる。測定は、表面に斜めに光を入射し、生じる干渉縞の変異量から計測する。
図2では、説明を単純化するために、樹脂層2が存在しないときの透光性化学強化ガラス基板1の面が完全に平面形状である場合で説明したが、樹脂層2が存在しないときの透光性化学強化ガラス基板1が僅かに反っていても、樹脂層2の応力は測定できる。樹脂層2が存在するときの形状と存在しないときの形状との形状差により測定するからである。
樹脂層2によって強度が改善される理由は、透明電極4が引っ張り応力を有し、この引っ張り応力が透光性化学強化ガラス基板1の圧縮応力を打ち消すように作用する結果、透光性化学強化ガラス基板1による強度が低下し、これに対して圧縮応力を有する樹脂層2を介在させることで、透明電極4による引っ張り応力による強度低下を緩和させているとも考えられる。
また、圧縮応力を有する樹脂層2が、透明電極4が形成されたときの強度低下を改善するならば、樹脂層2は、透明電極4が形成された後に形成されていてもよいとも考えられる。換言すると、樹脂層2は、従来例として図13で説明したオーバーコート層7のように透明電極4の上に形成されていてもよいとも考えられる。透明電極4が形成される第2面S2の側に、樹脂層2という圧縮応力層がさらに付加される点では同じだからである。
しかし、図13のように透明電極4が形成された後に樹脂層2が形成されている構成では、透明電極4が形成されたときの強度低下を改善することができないことが判明している(後述図4で説明する)。その理由は、樹脂層2の圧縮応力が、外力で生じ得る引っ張り応力を低減するように作用するのは確かだとしても、透明電極4が透光性化学強化ガラス基板1に直接接触しないような位置に樹脂層2を設けた構成とすることが、強度低下に対する改善効果の点で極めて重要な因子として作用しているためと考えられる。ただ、なぜこうなるのか、現時点では定かではないが、透明電極4と透光性化学強化ガラス基板1とが直接接触する場合と、透明電極4が透光性化学強化ガラス基板1に直接接触せずに樹脂層2に直接接触する場合とでは、透明電極4と隣接層との相互作用によって透明電極4の膜質が変化しているのではとも考えられる。
(樹脂層2の形成領域)
保護板用基板10Bの用途として、後述する図5などで示す電極付き表示装置用前面保護板10を想定した場合、樹脂層2が、透明電極4と透光性化学強化ガラス基板1とが直接接触しないように機能する位置に形成される点では、透明電極4は不透明領域A2においては、不透明な配線6に電気的に接続させるために通常は必然的に遮光層3の面上に形成されることから、不透明領域A2となる領域においては、樹脂層2は必須ではない。例えば、電極付き表示装置用前面保護板10の変形形態で例示する図7及び図9のように、樹脂層2は表示用領域A1となる領域主体に形成されていてもよい。
このように、本発明の保護板用基板10Bにおいては、樹脂層2は透光性化学強化ガラス基板1の全面に形成されていなくてもよい。
ただし、本実施形態の保護板用基板10Bのように、樹脂層2を表示用領域A1とともに不透明領域A2となる領域も含めて、透明電極4が形成される面側であるところの透光性化学強化ガラス基板1の一方の面である第2面S2の全面に形成することで、保護板用基板10Bとして、どの部分に透明電極4が形成されるか未確定の状態でも透明電極4のいかなるパターンにも対応でき、且つ、樹脂層2のパターン形成を不要にして塗工法などで形成することも可能となる利点が得られる。
(材料及び形成法)
樹脂層2には、耐熱性の点で硬化性樹脂が好ましく、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂などを用いることができ、具体例を挙げれば、熱硬化性のエポキシ樹脂、紫外線硬化型のアクリル系感光性樹脂などを用いることができる。
本実施形態においては、樹脂層2はアクリル系感光性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィ法によって形成されている。
樹脂層2の形成は、公知の方法によればよく、例えば、樹脂層2は、上記のような樹脂系の感光性樹脂を用いることで、フォトリソグラフィ法によって形成することができる。
樹脂層2の厚みは、例えば、0.5〜5μm、好ましくは1〜2μmである。樹脂層2の厚みが前記範囲よりも薄いと、透光性化学強化ガラス基板1によってもたらされる強度に対する樹脂層2による強度改善効果が充分に得られないことがあり、樹脂層2の厚みが前記範囲よりも厚いと、コスト増につながり得る上に、樹脂層2を部分的にパターン形成するときに、樹脂層2の段差が大きくなり、段差部分(とりわけ不透明領域A2にて生成され得る)で段差による透明電極4の断線が生じることがある。
(強度改善効果の測定法とその結果一例)
透光性化学強化ガラス基板1による強度に対する改善効果は、例えば、落球試験によって評価することができる。図3は、落球試験を実施可能な落球試験装置の一例を説明する図である。
同図の落球試験装置では、上面中央部に直径40mmの円柱形状のくり抜き部61を有する鉄製の土台62に対して、その中央部に試験片Tpを載置する。試験片Tpは縦横10cmの正方形形状である。試験片Tpは地面に近い側の図面下側の面を透明電極4が設けられた側の面とし、上側の面には、測定時の安全性を考慮してガラス破損時の飛散を防ぐために、飛散防止フィルム63を貼り付けておく。
飛散防止フィルム63は、試験片Tpの試験中において、一回の落球毎に取り替える必要はなく、試験片Tp毎に新しいものを用いればよい。飛散防止フィルム63には、例えば厚み75μmのポリエチレンテレフタレート製粘着フィルムを用いることができる。飛散防止フィルム63は、粘着フィルムの粘着面で試験片Tpに貼り付けておく。
試験片Tpは、飛散防止フィルム63とともに、直径40mmの円形状の孔部64を中央部に有する正方形形状で鉄製の押さえ板65によって、土台62に固定する。試験片Tpの固定は、試験片Tpを土台62との間に挟んだ押さえ板65を、その四辺中央部の4箇所でボルト66及びナット67で土台62に固定することで行う。
そして、所定の高さHから、金属球68を試験片Tpの中央部めがけて垂直に落下させる。金属球68には、質量50gで直径20mmのステンレス製の球体を用いる。
落球試験の評価法は、特に制限はない。本発明においては、次のようにして評価した。
金属球68を落下させる高さHを10cmから落球試験を開始し、試験片Tpが割れなかったときは、20cm、30cm、40cm、・・・・・と、高さHを10cmずつ高くして、最大160cmの高さHまで試験を繰り返す。同じ高さHでの試験数nは10とする。
図4に落球試験結果の一例を示す。同図のグラフは、横軸が落球の位置エネルギー〔J〕であり、縦軸は破壊率〔%〕である。位置エネルギー〔J〕は、金属球68の質量m〔kg〕と、高さH〔m〕とから、位置エネルギー〔J〕=質量m〔kg〕×重力加速度g9.81〔m/s2〕×高さH〔m〕として求められる。破壊率〔%〕は、試験数n10に対して、破損した試験片Tpの数の百分率である。例えば、10回の落球に対して、6回破損したときは、破壊率は60%となる。同図中、位置エネルギー0.78〔J〕は、高さHが1.6〔m〕に相当する。
同図に示すグラフ中の標記は次のとおりである。なお、試験片Tpは、厚み0.7mmの透光性化学強化ガラス基板1の片面に、樹脂層2として紫外線硬化型のアクリル系感光性樹脂の架橋構造を有する硬化物層を所定の厚みで全面に形成し、透明電極4は厚み140nmのITOをスパッタ法で全面に形成した後、200℃で30min加熱処理したものである。
Glass:透光性化学強化ガラス基板1のみ。
Glass/ITO:透光性化学強化ガラス基板1に接して透明電極4を形成。
Glass/RL1.0μm/ITO:透光性化学強化ガラス基板1に厚み1.0μmの樹脂層2を介して透明電極4を形成。(RL:Resin Layer)
Glass/RL1.5μm/ITO:透光性化学強化ガラス基板1に厚み1.5μmの樹脂層2を介して透明電極4を形成。
Glass/RL2.0μm/ITO:透光性化学強化ガラス基板1に厚み2.0μmの樹脂層2を介して透明電極4を形成。
Glass/ITO/RL1.5μm:透光性化学強化ガラス基板1に接して透明電極4を形成してから、厚み1.5μmの樹脂層2を形成。
Glass/RL1.5μm:透光性化学強化ガラス基板1に接して厚み1.5μmの樹脂層2を形成。
このうち、本実施形態は、「Glass/RL1.0μm/ITO」、「Glass/RL1.5μm/ITO」、「Glass/RL2.0μm/ITO」、及び、「Glass/RL1.5μm」である。
なお、透明電極4は電極形状にパターン形成していないもので評価しているが、全面に形成されていないことで、透明電極4が透光性ガラス基板1の強度を低下させる作用は、パターン形成されたものに比べてより強くなり、より厳しい評価となっていると考えられる。
同図に示すように、透光性化学強化ガラス基板1に直接に透明電極4を形成したものは強度が大幅に低下するが、本実施形態に属する透光性化学強化ガラス基板1に樹脂層2を介して透明電極4を形成したものは、いずれも、強度が元の透光性化学強化ガラス基板1の強度よりも強くなることが判る。しかし、透光性化学強化ガラス基板1に直接に透明電極4を形成してから樹脂層2を形成したものは、透光性化学強化ガラス基板1に直接に透明電極4を形成したものと、強度は殆ど変わらず、強度が大幅に落ちたままである。また、透光性化学強化ガラス基板1に樹脂層2のみを形成したものの強度をみると、これに更に透明電極4を形成したものの強度は、殆ど同じである。このため、樹脂層2を形成しておけば、樹脂層2が形成された状態の強度が殆ど維持されていると言える。
同図に示すように、本実施形態においては、透明電極4形成時の強度低下に対する改善効果が、透明電極4を形成したことによる強度低下を元の透光性化学強化ガラス基板1の強度に近付ける効果をこえて、さらに元の透光性化学強化ガラス基板1自体の強度よりも高い強度になっている。
このように、本発明において、「透明電極4形成時の強度低下に対する改善効果」とは、透光性化学強化ガラス基板1自体の強度よりも高い強度となることも含む。
ただ、本発明においては、「透明電極4形成時の強度低下に対する改善効果」とは、元の透光性化学強化ガラス基板1自体の強度よりも高くする効果まではないが、強度低下を元の透光性化学強化ガラス基板1の強度に近付ける効果も含む。
さらに驚くべき事実は、樹脂層2の厚みが例えば1μmと透光性化学強化ガラス基板1の厚み700μm(0.7mm)に対して1/700でも、透光性化学強化ガラス基板1自体の強度をより強くする効果が得られることである。しかも、化学強化ガラス板の圧縮応力層の厚みが10μm以上、通常20μm程度の厚みとすると(特許文献4参照)、表示装置用前面保護板としての化学強化ガラス板の一般的な厚み700μmに対する圧縮応力層の厚みの比率20/700μmに比べて、本発明においては驚くべきことに、その1/20でも、しかもガラスではなく樹脂の層でもって充分な強度改善効果が得られている。
《変形形態》
本発明の保護板用基板10Bは、上記した形態以外のその他の形態をとり得る。以下、その一部を説明する。
〔その他の層〕
上記実施形態では、保護板用基板10Bは、透光性化学強化ガラス基板1と、この片面に設けられた樹脂層2の2層構成であった。しかし、本発明においては、保護板用基板10Bは、さらにその他の層を有していてもよい。
(反射防止層)
例えば、樹脂層2が設けられていない側の面、つまり使用時に表側となる面に、反射防止層があってもよい。反射防止層は通常全面に設けられる。反射防止層は、公知の材料及び形成法によるものでよい。反射防止層としては、無機材料からなる無機層、或いは樹脂材料からなる有機層があるが、後者の場合、樹脂層2の一種であると言える。この場合、樹脂層2は透光性化学強化ガラス基板1の両面に設けた構成とも言える。
(遮光層)
従来技術として説明した図12のように、透光性化学強化ガラス基板1の外周部に遮光層42を設けて、透明電極4を有さない表示装置用前面保護板としてもよい。遮光層42については、後述する電極付き表示装置用前面保護板で説明する遮光層3を用いることができる。
〔C〕電極付き表示装置用前面保護板:
次に、本発明による電極付き表示装置用前面保護板について説明する。
図5を参照して、本発明による電極付き表示装置用前面保護板の一実施形態を説明する。図5(a)は裏側から見た平面図、図5(b)は断面図である。
図5に示す実施形態の電極付き表示装置用前面保護板10は、図5(a)の平面図で示すように、中央の表示用領域A1と、この表示用領域A1の外周部に設けられ可視光を遮蔽する不透明領域A2とを有する。図5(b)の断面図は、図5(a)の平面図にて、C−C線で切断したときの断面図である。図5(b)の断面図で示すように、本実施形態における電極付き表示装置用前面保護板10は、透光性化学強化ガラス基板1と、この透光性化学強化ガラス基板1の第1面S1とこの第1面S1とは反対側の第2面S2との2面のうちの一方の面として、第2面S2の全面に第2面S2に接して設けられた樹脂層2と、第2面S2の面上であって不透明領域A2にて樹脂層2の面上に樹脂層2に接して設けられた遮光層3を有する。
さらに、前記一方の面である第2面S2の面上であって表示用領域A1から不透明領域A2にわたって設けられた透明電極4と、同じく前記一方の面である第2面S2の面上であって不透明領域A2の遮光層3の面上に設けられ、透明電極4に電気的に接続された不透明な配線6とを有する。
なお、図面は、概念図でもあるので、平面図と断面図中の透明電極4の個数、配線6の本数などは、対応していない。
本実施形態における透光性化学強化ガラス基板1と樹脂層2との上記層的位置関係の構成では、透光性化学強化ガラス基板1と樹脂層2には、前述した保護板用基板10Bを用いることができる。本実施形態においては、透光性化学強化ガラス基板1と樹脂層2とは、前述した保護板用基板10Bを用いている。
遮光層3は、外観意匠上不要な配線6や制御回路などの部品を隠す機能以外に、電極付き表示装置用前面保護板10を加飾する加飾層となっている。
本実施形態においては、透明電極4はスパッタ法によるITOで形成され、配線6はAPC(銀、パラジウム及び銅からなる銀合金)によって形成されている。
本実施形態においては、遮光層3は透光性化学強化ガラス基板1の第2面S2上に設けられ、この第2面S2を裏側にして、言い換えると、第2面S2は表示パネル30側に向けて、第1面S1は表示パネル30の表示の観察者V側に向けて、用いられることを想定した形態である。
以上のような構成とすることで、本実施形態における電極付き表示装置用前面保護板10では、透光性化学強化ガラス基板1によってもたらされる強度を改善でき、透光性化学強化ガラス基板1に透明電極4を設けたときの強度低下を改善できる。しかも、その改善効果は、透光性化学強化ガラス基板1自体の強度よりも高くできる。
以下、構成要素毎にさらに詳述する。
〔表示用領域A1と不透明領域A2〕
電極付き表示装置用前面保護板10は、図5(a)の平面図で例示したように、中央に表示用領域A1を有し、表示用領域A1の外周部に、可視光を遮蔽する不透明領域A2を有する。表示用領域A1は、図5(b)の断面図において、二点鎖線の想像線で示す表示パネル30に適用したときに、電極付き表示装置用前面保護板10を透して、表示パネル30が表示する内容を表示できる領域である。不透明領域A2は、電極付き表示装置用前面保護板10が外周部に有する配線6を隠したり、或いは、図5(b)の断面図において、二点鎖線の想像線で示す表示パネル30に適用したときに、表示パネル30がその外周部に有する不透明な配線、コネクタなどを隠したりする為の領域である。また、不透明領域A2は、それが表現する色、適宜設けられるロゴやマークなどの可視情報8によって加飾部にもなる領域である。
〔透光性化学強化ガラス基板1〕
透光性化学強化ガラス基板1としては、前記保護板用基板10Bにて説明したものを用いることができる。よって、ここでは、さらなる説明は省略する。
〔樹脂層2〕
樹脂層2としては、前記保護板用基板10Bにて説明したものを用いることができる。よって、ここでは、さらなる説明は省略する。
なお、本実施形態においては、樹脂層2は、前記保護板用基板10Bの実施形態と同様のものとして形成されている。
〔保護板用基板10B〕
透光性化学強化ガラス基板1及び樹脂層2としては、樹脂層2と特に遮光層3との位置関係によっては、例えば、樹脂層2が遮光層3よりも透光性化学強化ガラス基板1側に形成される位置関係では、前記保護板用基板10Bとなったものを用いることもできる。保護板用基板10Bについては、既に説明したので、ここでは、さらなる説明は省略する。
本実施形態においては、樹脂層2は遮光層3よりも透光性化学強化ガラス基板1側となる構成で、樹脂層2が透光性化学強化ガラス基板1の面に接して全面に形成されている構成であるため、透光性化学強化ガラス基板1及び樹脂層2として保護板用基板10Bを用いてもよいし、透光性化学強化ガラス基板1に遮光層3、透明電極4、配線6などを形成するときに樹脂層2を形成してもよい。前者の保護板用基板10Bを用いれば、樹脂層2は汎用仕様で形成しておいたものを用いることができ、後者の場合は、用途に合わせた仕様の樹脂層2をその都度形成することができる。
〔遮光層3〕
遮光層3は、公知の材料及び形成法で形成することができる。例えば、遮光層3は、着色顔料を硬化性樹脂の硬化物からなる樹脂バインダ中に含む着色樹脂層として形成することができる。硬化性樹脂としては紫外線硬化型アクリル系樹脂などの感光性樹脂を用いることができる。
本実施形態においては、遮光層3は着色顔料を樹脂バインダ中に含む着色樹脂層として、着色顔料を含む感光性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィ法によって形成されている。
本実施形態においては、遮光層3は例えば黒色の色意匠を表現している。
遮光層3に用いる着色顔料としては、遮光層3で表現する色に応じたものを用いれば良く、特に制限はない。例えば、着色顔料としては、黒色顔料、白色顔料、赤色顔料、黄色顔料、青色顔料、緑色顔料、紫色顔料などを用いることができる。着色顔料は、1種単独で用いても良いし、同種類の色、或いは異なる色の着色顔料を複数種類用いても良い。
遮光層3の遮光性は、要求仕様、表現色にもよるが、配線6などを隠蔽しきれずに外観意匠を損なうことがないようにするには、透過率で言えば大きくても1%以下(光学濃度OD2.0以上)、好ましくは透過率で0.1%以下(光学濃度OD3.0以上)、より好ましくは透過率で0.01%以下(光学濃度OD4.0以上)が望ましい。
〔透明電極4〕
透明電極4は、本実施形態においては、中央の表示用領域A1内の位置検知領域から不透明領域A2の遮光層3に重なる部分まで延びて遮光層3の面上で配線6に電気的に接続されている。
図6は透明電極4のパターンに注目した図であり、図6(a)は平面図、図6(b)は断面図である。
本実施形態では、タッチパネル機能の一体化の例として、透明電極4が静電容量方式に適用可能な形態例である。
透明電極4は、本実施形態においては、互いに絶縁されて形成される第1透明電極4a及び第2透明電極4bから構成される。
第1透明電極4a、第2透明電極4bは、本実施形態においては同じ材料で形成してある。よって、本明細書において、これらを纏めて言うときは、単に「透明電極4」とも呼ぶ。
本実施形態では、タッチパネルの位置検知用の透明電極4として、第1透明電極4aと、第2透明電極4bとを、ともに同一の面上に形成するタッチパネル構造を採用している。すなわち、第1透明電極4a及び第2透明電極4bは、透光性化学強化ガラス基板1の同一の面である第2面S2の面上に形成される。
第1透明電極4a及び第2透明電極4bのパターンは、投影型静電容量方式では各種パターンが知られており、特に限定はない。典型的には、複数の第1透明電極4aが、第1の方向に延びて、この第1の方向に交差する方向、通常は直交する方向を第2の方向として、複数の第2透明電極4bが第2の方向に延びたパターンとなっている(図5(a)参照)。また、本実施形態においても、同様である。
図6(a)は、第1透明電極4aと第2透明電極4bとの交差部分を示す平面図であり、図6(b)は図6(a)中、C−C線での断面図である。
第1透明電極4aと第2透明電極4bとの交差部分は、互いに層間絶縁層5によって絶縁されている。層間絶縁層5は、少なくとも第1透明電極4aと第2透明電極4bとの交差部分に必要となる。
第1透明電極4aと第2透明電極4bとのうち一方の電極のみ、同図の場合は具体的には第1透明電極4aのみ、他方の電極との交差部分が欠損したパターンで同一の面に同時に形成した後、交差部分のみ層間絶縁層5を形成し、この後、層間絶縁層5を跨いで、欠損部分を電気的に接続する接続部4aCが第1透明電極4aの一部として形成されている。
透明電極4には、公知の材料及び形成法を採用することができる。例えば、透明電極4には、層自体が透明である透明導電体膜を用いることができる。透明導電体膜からなる透明電極4としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide;インジウム錫酸化物)、InZnO(Indium Zinc Oxide;インジウム亜鉛酸化物)、AlZnO(Aluminum Zinc Oxide;アルミニウム亜鉛酸化物)、InGaZnO(Indium Garium Zinc Oxide;インジウムガリウム亜鉛酸化物)等の透明導電体膜をパターン形成したものを用いることができる。
これらの透明導電体膜は、スパッタ法などによって製膜後、フォトリソグラフィ法及びエッチング法により透明電極4としてパターン形成することができる。
本実施形態においては、具体的には、透明電極4はITOの透明導電体膜としてスパッタ法で膜形成されている。
〔層間絶縁層5〕
層間絶縁層5には、公知の材料及び形成法を採用することができる。例えば、層間絶縁層5に樹脂を用いる場合には、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂などを用いることができ、具体例を挙げれば、例えば、これらの樹脂系の感光性樹脂などを用いることができる。感光性樹脂の場合は、フォトリソグラフィ法を利用して形成することができる。また、層間絶縁層5には、酸化ケイ素などの無機材料を用いることもできる。
本実施形態においては、層間絶縁層5はアクリル系の感光性樹脂でパターン形成されている。
〔配線6〕
配線6には、公知の材料及び形成法を採用することができる。例えば、配線6には、銀、金、銅、クロム、プラチナ、アルミニウム、パラジウム、モリブデンなどの金属(含むその合金)などを用いることができる。配線6は、例えば、銀、パラジウム及び銅からなる銀合金(APCとも言う)の金属層としてスパッタ法により製膜後、フォトリソグラフィ法及びエッチング法によりパターン形成することができる。
配線6には、モリブデン(Mo)/アルミニウム(Al)/モリブデン(Mo)と3層積層構造の導電性層(MAMと呼ばれている)を用いることもできる。
本実施形態においては、配線6は、銀、パラジウム及び銅からなる銀合金(APCとも言う)によって、金属層としてフォトリソグラフィ法及びエッチング法を利用して形成されている。
本発明においては、配線6の形成法としては、特に制限はなく、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法などの印刷法によって形成してもよい。
〔製造方法〕
本実施形態の電極付き表示装置用前面保護板10を構成する各層は、例えば、次の様にして形成される。先ず、透光性化学強化ガラス基板1の一方の面として第2面S2の全面に樹脂層2を形成する。次に、透光性化学強化ガラス基板1の第2面S2の不透明領域A2とする領域に遮光層3をパターン形成する。次に、遮光層3の面上に、配線6をパターン形成する。次に、表示用領域A1から不透明領域A2にかけて、表示用領域A1での樹脂層2の面上から不透明領域A2での遮光層3の面上にまで、透明電極4をパターン形成する。このとき、透明電極4は、遮光層3の面上に形成された配線6上に接して形成されるようにパターン形成する。
次に、透明電極4の交差部分には層間絶縁層5をパターン形成し、この層間絶縁層5を跨いで、透明電極4の欠損部分をパターン形成して接続部4aCを形成して透明電極4の全体を完成させる。こうして、タッチパネル機能を一体化した電極付き表示装置用前面保護板10が製造される。
〔本実施形態における効果〕
以上のような構成の電極付き表示装置用前面保護板10とすることで、前述保護板用基板10Bでの落球試験結果と同様に、化学強化ガラスを用いた透光性化学強化ガラス基板1に透明電極4を設けたときの強度低下を改善できる。しかも、その改善効果は、透光性化学強化ガラス基板1自体の強度よりも強くできる。
さらにタッチパネル機能が一体化しているので、部品点数が減り組み立て工数が少なくなり、低コストなものとできる。
《変形形態》
本発明の電極付き表示装置用前面保護板10は、上記した形態以外のその他の形態をとり得る。以下、その一部を説明する。
〔部分形成の樹脂層2:保護板用基板10Bを用いない形態〕
上記実施形態では、樹脂層2は表示用領域A1のみならず不透明領域A2も含めて、透光性化学強化ガラス基板1の透明電極4が形成される側の第2面S2の面上の全面に形成されている形態例であった。
しかし、本発明においては、樹脂層2は、透明電極4が透光性化学強化ガラス基板1に接触しないように、少なくとも表示用領域A1に形成されていればよい。
例えば、図7に例示する変形形態の電極付き表示装置用前面保護板10は、図5(b)の構成に対して、樹脂層2が表示用領域A1に形成されるとともに、表示用領域A1と不透明領域A2との境界部分での遮光層3の側面を被覆するように遮光層3の表示用領域A1側の一部の遮光層3の面上及び側面に形成されている例である。
また、図7のように、一部ではあるが樹脂層2が遮光層3の面上に形成される形態では、既に樹脂層2が透光性化学強化ガラス基板1の面上に形成されている保護板用基板10Bは用いることができない。本変形形態は、このような形態でもある。
このような構成とすることで、樹脂層2は、保護板用基板10Bとして予め用意しておく場合に比べて、電極付き表示装置用前面保護板10の仕様に合わせて、樹脂層2の層的位置関係、並びに樹脂層2の材料及び厚みの設定の自由度を高めることができる。
〔全面形成の樹脂層2:保護板用基板10Bを用いない形態〕
本発明においては、樹脂層2が透光性化学強化ガラス基板1の面上の全面に形成される場合でも、保護板用基板10Bを用いない形態とすることができる。
例えば、図8に例示する変形形態の電極付き表示装置用前面保護板10は、図5(b)の構成に対して、透光性化学強化ガラス基板1に遮光層3が形成された後に、遮光層3の面上も含めて、透光性化学強化ガラス基板1の面上の全面に形成されている形態例である。
このような構成とすることで、樹脂層2は、保護板用基板10Bとして予め用意しておく場合に比べて、電極付き表示装置用前面保護板10の仕様に合わせて、樹脂層2の材料及び厚みを設定しやすくすることができる。
〔オーバーコート層7〕
本発明においては、例えば、図9に例示する変形形態の電極付き表示装置用前面保護板10のように、透明電極4の面上などにオーバーコート層7が形成されていてもよい。同図に例示する変形形態の電極付き表示装置用前面保護板10は、図5(b)の構成に対して、オーバーコート層7が、透光性化学強化ガラス基板1の第2面S2の面上の最表層として、表示用領域A1及び不透明領域A2の全面に形成されている例である。
透明電極4或いは配線6に接して形成されるオーバーコート層7は絶縁性とする。配線6上に形成されるオーバーコート層7は、配線6がフレキシブルプリント配線基板(FPC)を介して制御回路に接続する部分は形成せず、配線6を露出させておく。
オーバーコート層7によって、絶縁性、耐傷付き性などを向上させることができる。
オーバーコート層7には、公知の材料及び形成法を採用することができる。オーバーコート層7には、透明な樹脂、それも耐熱性の点で硬化性樹脂が好ましく、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂などを用いることができ、具体例を挙げれば、熱硬化性のエポキシ樹脂などを用いることができる。また、硬化性樹脂としては、紫外線などで硬化する感光性樹脂などを用いることもできる。感光性樹脂の場合は、部分形成するときにフォトリソグラフィ法を利用することができる。部分形成しないときは、オーバーコート層7は、塗工法で形成することができる。
本発明においては、オーバーコート層7は、要求仕様などに応じて、不透明領域A2及び表示用領域A1を含む透光性化学強化ガラス基板1の全面に設けられていてもよいし、全面に設けられていなくてもよい。
〔透明電極4:導電性メッシュ〕
上記実施形態では、透明電極4は層自体が透明な透明導電体膜によって形成されていた。
しかし、本発明においては、透明電極4は層自体が不透明な導体が、メッシュ状に形成されることで、見かけ上あたかも透明であるようにした導電性メッシュによって形成されていてもよい。導電性メッシュのメッシュパターンを構成する線の線幅は、不可視性の観点から好ましくは30μm以下、より好ましくは10μm以下である。線幅の下限は、断線回避などの点で、1μm以上、より好ましくは2μm以上である。
導電性メッシュのメッシュパターン形状は、特に制限はない。例えば、メッシュパターン形状は、正方格子形状、三角格子形状、六角格子形状(ハニカム形状)、レンガ積み形状などである。
不透明な導体には、例えば、前記配線6で列記した材料を用いることができる。不透明な導体には、例えば、銀、金、銅、クロム、プラチナ、アルミニウム、パラジウム、モリブデンなどの金属(含むその合金)などを用いることができる。例えば、銀、パラジウム及び銅からなる合金(APCとも言う)の金属層としてスパッタ法により製膜後、フォトリソグラフィ及びエッチング法によりパターン形成したものを用いることができる。
不透明な導体には、モリブデン(Mo)/アルミニウム(Al)/モリブデン(Mo)と3層積層構造の導電性層(MAMと呼ばれている)を用いることもできる。
導電性メッシュを構成する不透明な導体として、配線6と同じ材料を用いることができることを活かして、透明電極4に導電性メッシュを用いるとき、この透明電極4と配線6とを同一材料で形成してもよい。もちろん、透明電極4と配線6とを異なる材料で形成してもよい。
透明電極4と配線6とを同一材料で形成することで、同時形成することも可能となる。
例えば、導電性メッシュによる透明電極4と配線6とを、銀、パラジウム及び銅からなる合金(APCとも言う)の金属層によって形成することができる。
透明電極4と配線6とを同一材料で同時形成することで、工程数を減らして低コストなものとすることができる。
〔透明電極4及び配線6の用途〕
上記実施形態においては、透明電極4及び配線6の用途はタッチパネルであった。
透明電極4をタッチパネル用とする形態においては、タッチパネルの位置検知方式として、透明電極4が互いに異なる面に2層になる位置検知方式では、このうちの少なくとも1層を設ける形態もあり得る。
透明電極4がタッチパネル用のときその位置検知方式は、抵抗膜方式など、投影型静電容量方式以外の方式のものであってもよい。
本発明においては、電極付き表示装置用前面保護板10は、タッチパネル機能として、前記透明電極4及び配線6以外に、さらにその他の、例えば、コネクタ、制御回路なとのタッチパネル機能の一部、さらには全部が一体化されたものであっても良い。
タッチパネルとして必要な機能の全部を一体化した電極付き表示装置用前面保護板10は、タッチパネルと言うこともできる。タッチパネルとして必要な機能の一部を一体化した電極付き表示装置用前面保護板10は、タッチパネル用部材と言うこともできる。
〔不透明領域A2:可視情報8〕
本発明においては、図5(a)にて点線で示すように、不透明領域A2の部分に、可視情報8が形成されていてもよい。可視情報8は、不透明領域A2の領域内において、製品ロゴマーク、操作説明用の文字や記号、模様などの任意の目視可能な情報である。可視情報8には、公知の材料及び形成法を採用することができる。
例えば、図示はしないが、可視情報8は、着色顔料を含む感光性樹脂の硬化物層として着色樹脂層をフォトリソグラフィ法などによってパターン形成することができる。
〔不透明領域A2:窓〕
本発明においては、図示はしないが、不透明領域A2の部分に、通知窓、赤外透過窓などが形成されていてもよい。
通知窓は、例えば、配線付き電極付き表示装置用前面保護板10を適用する表示装置が携帯電話の場合で言えば、着信や電池の充電状態などの各種動作状態を、光の点滅、点灯、及び色などにより、使用者に通知する部分である。通知窓には、公知の構成、材料及び形成法を採用することができる。
通知窓は、例えば、遮光層3の非形成部として設けることができる。
赤外透過窓は、例えば、配線付き電極付き表示装置用前面保護板10を適用する表示装置が携帯電話の場合で言えば、通話時に携帯電話を耳にあてがったときに、タッチパネルの誤作動を防ぐ必要から、また、表示パネルの表示を消して電池寿命を長くする観点などから、人肌の接近を感知する人感センサとして設ける赤外線センサの前方の部分に設けられる。赤外透過窓は、可視光に対しては遮光性を示すと共に赤外光に対しては透過性を示す。赤外透過窓には、公知の構成、材料及び形成法を採用することができる。
赤外透過窓は、例えば、遮光層3に対してその遮光性を強化する裏打ち層の非形成部として設けることができる。
〔D〕表示装置:
本発明による表示装置は、表示パネルと、この表示パネルから表示光が出光する側である表側に配置された上記電極付き表示装置用前面保護板10と、を少なくとも備えた表示装置である。
電極付き表示装置用前面保護板10がタッチパネル機能の一部又は全部を備えたものとして構成されるときは、本表示装置はタッチパネル機能を有するものとできる。
電極付き表示装置用前面保護板10がタッチパネル機能の一部を備えたものとして構成されるときは、不足するタッチパネル機能を別構成部品として備えた構成とすることで、本表示装置はタッチパネル機能を有するものとする。
電極付き表示装置用前面保護板10がタッチパネル機能は備えていないが、別の構成部品としてタッチパネルを備えた構成とするときは、本表示装置はタッチパネル機能を有するものとできる。
以下、本発明による表示装置をその一実施形態でさらに説明する。
図10は、本発明による表示装置の実施形態例であり、同図に示す表示装置100は、タッチパネル機能を一体化した形態であり、図面上方の観察者V側の表側から順に、電極付き表示装置用前面保護板10、表示パネル30を備えている。
〔電極付き表示装置用前面保護板10〕
本実施形態での電極付き表示装置用前面保護板10は、タッチパネル機能を一体化した構成のものが用いられる。
電極付き表示装置用前面保護板10は、前述した本発明による電極付き表示装置用前面保護板10である。より具体的に、この電極付き表示装置用前面保護板10はタッチパネル機能として、配線6と、透明電極4とを有し、この透明電極4として、図示はしないが、図6で例示したように、第1透明電極4aと第2透明電極4bとを有する形態のものである。
本実施形態においては、さらに、タッチパネルとして機能するための制御回路など、その他の構成要素を備えることができる。
したがって、電極付き表示装置用前面保護板10は、タッチパネル用の透明電極4及び配線6以外に、さらに制御回路、この制御回路と配線6を電気的に接続するコネクタなどのタッチパネル機能の全部が一体化されたものとしてもよい。もちろん、この場合、タッチパネルの機能の全部が一体化された電極付き表示装置用前面保護板10を用いる場合は、独立したタッチパネル20は備える必要はなく、電極付き表示装置用前面保護板10は
タッチパネル20と言うこともでき、電極付き表示装置用前面保護板10と、表示パネル30とを少なくとも備えた構成の表示装置となる。この形態では、表示パネル30の外周部の配線、コネクタ、制御回路などを隠せることになる。
〔表示パネル30〕
表示パネル30は、液晶表示パネル、電界発光(EL)パネルが代表的であるが、この他、電子ペーパーパネル、ブラウン管でもよく、公知の各種表示パネルでよい。
〔本実施形態における効果〕
以上のような構成の表示装置100とすることで、その電極付き表示装置用前面保護板10において、透光性化学強化ガラス基板1に透明電極4を設けたときの強度低下を改善できる。しかも、その改善効果は、透光性化学強化ガラス基板1自体の強度よりも高くできる。
さらにタッチパネル機能が一体化しているので、部品点数が減り組み立て工数が少なくなり、低コストなものとできる。
《表示装置としての変形形態》
本発明の表示装置100は、上記した形態以外のその他の形態をとり得る。以下、その一部を説明する。
〔透明電極4の一部一体化〕
図10で例示した実施形態の表示装置100では、電極付き表示装置用前面保護板10はタッチパネル機能の一部として、配線6と、透明電極4の第1透明電極4a及び第2透明電極4bの両方を備えることで、タッチパネル機能が一体化している形態であった。
しかし、本発明においては、例えば図11の表示装置100のように、透明電極4の第1透明電極4a及び第2透明電極4bのうち片方を電極付き表示装置用前面保護板10が備え、他方は別体(タッチパネル構成部材20a)の基板が備える形態でもよい。
図11に示す変形形態の表示装置100は、図面上方の観察者V側の表側から順に、電極付き表示装置用前面保護板10、タッチパネル構成部材20a、表示パネル30を備えている形態である。
どのような構成で電極付き表示装置用前面保護板10とタッチパネル機能とを一体化するかは、使用し得る製造設備、組立工程などの諸条件に適した、構成を選べばよい。
以上のような構成の表示装置100でも、その電極付き表示装置用前面保護板10において、透光性化学強化ガラス基板1に透明電極4を設けたときの強度低下を改善できる。しかも、その改善効果は、透光性化学強化ガラス基板1自体の強度よりも高くできる。
さらにタッチパネル機能が一体化しているので、部品点数が減り組み立て工数が少なくなり、低コストなものとできる。
〔接合層の介在〕
図10及び図11で例示した形態の表示装置100では、電極付き表示装置用前面保護板10と表示パネル30との間など構成部材の間は、空隙を有し空気層が存在する構造となっているが、本発明においては、電極付き表示装置用前面保護板10と表示パネル30との間など、構成部材の間は、粘着剤層など接合層で埋め尽くしても良い。接合層によって部材表面での光反射が減ることで、表示をより見易くすることができる。
接合層には、粘着シート、塗布した樹脂液の固化層などを用いることができる。粘着シートとしては、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、エポキシ系粘着剤、シリコーン系粘着剤などからなるものを用いることができる。樹脂液としては、アクリル系光硬化性樹脂などを用いることができる。
〔E〕用途:
本発明による保護板用基板10B、電極付き表示装置用前面保護板10、及び表示装置100の用途は、特に限定されない。例えば、スマートフォンなどの携帯電話、タブレットPCなどの携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置、デジタルカメラ、電子書籍端末、電子手帳、ゲーム機器、自動券売機、ATM端末、POS端末、自販機などである。
また、保護板用基板10Bの用途は、電極付き表示装置用前面保護板10が好適な用途ではあるが、透明電極4を形成前でも、樹脂層2によって透光性化学強化ガラス基板1自体の強度を強くできることから、例えば、単なる表示装置用前面保護板など、透明電極4が形成されない表示装置用の保護板用途でもよい。
1 透光性化学強化ガラス基板
2 樹脂層
3 遮光層
4 透明電極
4a 第1透明電極
4aC 接続部
4b 第2透明電極
5 層間絶縁層
6 配線
7 オーバーコート層
8 可視情報
10 電極付き表示装置用前面保護板
10 B 保護板用基板
20 タッチパネル
20a タッチパネル構成部材
30 表示パネル
40 (従来の)表示装置用前面保護板
41 透光性ガラス基板
42 遮光層
43 ガラス板
50 (従来の)電極付き表示装置用前面保護板
61 くり抜き部
62 土台
63 飛散防止フィルム
64 孔部
65 押さえ板
66 ボルト
67 ナット
68 金属球
100 表示装置
200 (従来の)表示装置
A1 表示用領域
A2 不透明領域
M 剛球
S1 第1面
S2 第2面
Tp 試験片
V 観察者

Claims (5)

  1. 透光性化学強化ガラス基板と、
    前記透光性化学強化ガラス基板の第1面と当該第1面とは反対側の第2面とのうちの、いずれか一方の面上に設けられた樹脂層と、
    を有する、表示装置用の保護板用基板。
  2. 前記樹脂層が圧縮応力を有する、請求項1に記載の保護板用基板。
  3. 中央の表示用領域と、この表示用領域の外周部に設けられ可視光を遮蔽する不透明領域とを有し、少なくとも前記表示用領域に透明電極を有する、電極付き表示装置用前面保護板であって、
    透光性化学強化ガラス基板と、
    前記透光性化学強化ガラス基板の第1面と当該第1面とは反対側の第2面とのうちの、いずれか一方の面上において前記不透明領域に設けられた遮光層と、
    前記透光性化学強化ガラス基板の一方の面上であって、少なくとも前記表示用領域に設けられた樹脂層と、
    前記透光性化学強化ガラス基板の一方の面上であって、少なくとも前記表示用領域においては前記樹脂層の面上に設けられた前記透明電極と、
    を有する、電極付き表示装置用前面保護板。
  4. 前記樹脂層が圧縮応力を有する、請求項3に記載の電極付き表示装置用前面保護板。
  5. 表示パネルと、
    前記表示パネルの表示光が出光する表側に配置された請求項3又は4に記載の電極付き表示装置用前面保護板と、
    を少なくとも備える、表示装置。
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