JP6032532B2 - タッチパネル一体型表示装置用前面保護板、及び表示装置 - Google Patents

タッチパネル一体型表示装置用前面保護板、及び表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、タッチパネル一体型表示装置用前面保護板、及び表示装置に関する。特に、製造工程数を減らし得る構成のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板と、これを備えた表示装置に関する。
近年、スマートフォン、タブレットPC(パーソナルコンピュータ)など各種表示装置において、表示パネルと組み合わせて使用される位置入力装置として、タッチパネルが急速に普及してきている。タッチパネルは、以前から、電磁誘導方式、抵抗膜方式など各種方式のものが知られ、各種用途で使用されてきたが、最近その中でも特に注目されてきているのは、マルチタッチ(多点同時入力)が可能な静電容量方式のタッチパネルである。
表示装置において、タッチパネルは、表示パネルの表示を観察する観察者側に配置され、さらにタッチパネルの観察者側には、タッチパネルを外力などから保護するカバーガラスなどの表示装置用前面保護板が配置される。
表示装置用前面保護板とタッチパネルとは、それぞれ独立した部品として配置されることもあるが、最近は、薄型化、軽量化、部品点数削減などの要求に応えるべく、表示装置用前面保護板とタッチパネルとを一体化した、タッチパネル一体型表示装置用前面保護板が注目されている(特許文献1)。
図16の平面図は、従来のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板20の一例を示す。図16(a)は、従来のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板20を、裏側から見た全体図である。図16(b)及び図16(c)の部分拡大平面図は、静電容量方式のタッチパネルにおける電極のパターン形状の一例を模式的に示す図である。
タッチパネル一体型表示装置用前面保護板20は、中央の表示用領域A1の外周部が不透明領域A2となっており、この不透明領域A2が加飾部2となっている。加飾部2は、ガラス板などの透光性基板の面上に遮光層3等が形成されていることで、不透明領域A2としての遮光性が確保されている。不透明領域A2によって、表示用領域A1の外周部に配置される配線4やコネクタ等を隠して、これらが見えて外観を損ねないようになっている。同図では、配線4が不透明領域A2である加飾部2の裏側に設けられている。また、加飾部2には、製品ロゴなどの可視情報9、赤外透過窓3aなども適宜設けられる。一方、表示用領域A1中には、タッチパネルの位置検知用の電極5が配置されている。電極5は、通常、ITO(Indium Tin Oxide;インジウム錫酸化物)などの透明導電体薄膜でパターン形成され、中央の表示用領域A1内の位置検知領域から不透明領域A2の加飾部2に重なる部分まで延びて配線4に電気的に接続されている。
一般に静電容量式タッチパネルでは、図16(a)〜図16(c)に例示するように、図面で左右方向であるX方向に延在する複数の第1電極5aと、X方向とは直交し図面で上下方向であるY方向に延在する複数の第2電極5bとを有する。ここでは、X方向に延在する電極を第1電極5aと呼び、Y方向に延在する電極を第2電極5bと呼ぶことにする。
静電容量式タッチパネル自体としては、第1電極5a及び第2電極5bは、それぞれが別の透光性基板に形成される形態もあるが、同一基板、それも、同一基板の同一面上に形成される形態とすることで、互いの相対的位置精度を向上できる利点がある。
同図に例示した従来のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板20も、第1電極5a及び第2電極5bを、一つの透光性基板の同一面上に形成した形態である。
第1電極5a及び第2電極5bのパターンとしては、投影型静電容量方式では各種パターンが知られているが、同図に例示するパターンでは、一つの第1電極5aは、図16(b)に示すように、菱形形状の複数の第1透明電極要素5aEと、互いに隣接する第1透明電極要素5aE同士を接続し第1透明電極要素5aEに比べて面積が小さい第1接続部5aCと、不図示の、位置検知領域の外周部の不透明領域A2まで延びて配線4に第1透明電極要素5aEを電気的に接続する為の取出し部と、から構成される。同様に、一つの第2電極5bも、図16(c)に示すように、菱形形状の複数の第2透明電極要素5bEと、互いに隣接する第2透明電極要素5bE同士を接続し第1透明電極要素5aEに比べて面積が小さい第2接続部5bCと、第2透明電極要素5bEを配線4に電気的に接続する不図示の取出し部と、から構成される。
ただし、図16(a)では、第1電極5aは第1透明電極要素5aEのみを描いてあり、第2電極5bも第2透明電極要素5bEのみを描いてあり、第1接続部5aC、第2接続部5bC、及び取出し部の図示は省略してある。
図17は、第1接続部5aCと第2接続部5bCとが交差する交差部5Cに注目して、一つの交差部5Cと、不透明領域A2の加飾部2及び加飾部2上の配線4に注目して、その一部と、配線4に接続する電極に注目して、その一部の第1電極5aと、を模式的に示した図であり、図17(a)が部分拡大平面図であり、図17(b)は、平面図中C−C線での部分拡大断面図である。
延在方向が互いに交差する第1電極5a及び第2電極5bは、互いに電気的に絶縁されて形成される必要があるから、透光性基板1の同一面(同図では第1面S1の面)上にこれらを形成する構成では、第1電極5a及び第2電極5bのいずれか一方、例えば、第1電極5aを形成した後、全面に透明な絶縁層を形成し、この絶縁層の面上に、第2電極5bを形成することもできる。しかし、これでは、第1電極5aと第2電極5bのパターン形成は別工程となり、アライメント精度が関係してくるために、互いの相対的位置精度は向上しない。そこで、同図の構成では、第1接続部5aCを除く第1電極5a、及び、第2電極5bは、同一面に同時パターン形成されている。
すなわち、同図に示す従来のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板20は、例えば、図18A及び図18Bの平面図で例示する工程によって、製造することができる。ここでは、ブリッジ部5aBを後形成する工程例を説明するが、先形成する工程も可能である。
先ず、図18A(A)のように、透光性基板1の不透明領域A2とする部分に、加飾部2となる遮光層3が形成される。
次に、図18A(B)のように、第1電極5aのうちの第1透明電極要素5aE及び取出し部5aF、並びに第2電極5bの全て(第2透明電極要素5bE、第2接続部5bC及び取出し部)が同時にパターン形成される。第1電極5aのうちの第1接続部5aCは、この段階では形成されない。
次に、図18A(C)のように、第2接続部5bCの部分に絶縁層6が形成される。
次に、図18B(D)のように、絶縁層6を跨いで隣接する第1透明電極要素5aEを接続するブリッジ部5aBを、第1接続部5aCとして形成する。この結果、第1接続部5aCと第2接続部5bCとは絶縁層6によって互いに絶縁された立体構造となる。
例えば、絶縁層6を透明樹脂などの透明材料でパターン形成し、第1接続部5aCもITOなどの透明導電性材料でパターン形成すると、表示用領域A1は全面に亘って透明な領域として形成される。
次に、図18B(E)のように、加飾部2の遮光層3の面上に、前記取出し部5aFと電気的に接続されるように、配線4が形成れる。
以上のように、図16及び図17に例示した構成の、従来のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板20を製造するには、5工程が必要であった。
そして、加飾部2に形成された配線4には、コネクタを介して制御用回路が接続されるなどされれば、タッチパネル一体型表示装置用前面保護板20はタッチパネルとしての全機能が付与されたものとなる。
特開2009−301767号公報
ところで、以上説明したような構成の、従来のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板20では、確かに、タッチパネルと表示装置用前面保護板とが一体化され、それぞれを別部品として組み付ける必要がなく、透光性基板1の共通化によるコストダウンも可能となり、薄型化、軽量化、部品点数削減などの要求に応えたものではある。
しかし、製造する為の工程は、表示装置用前面保護板として必要な工程と、タッチパネルとして必要な工程との、それぞれの工程が必要であり、工程数及び構成においても、透光性基板1の共通化の点以外では、コストダウンが図れるものではなかった。
本発明の課題は、表示装置用前面保護板にタッチパネルの配線及び電極を一体化した、タッチパネル一体型表示装置用前面保護板として、工程数を減らすことができ、コストダウンに繋がり得る構成のものを提供することである。また、こうしたタッチパネル一体型表示装置用前面保護板を備えた表示装置を提供することである。
本発明では、次の様な構成のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板、及び表示装置とした。
(1)中央の表示用領域と、この表示用領域の外周部に設けられ可視光を遮蔽する不透明領域とを有し、この不透明領域が加飾部を構成し、前記表示用領域にはタッチパネル用の電極を有し、前記不透明領域にはタッチパネル用の配線を有する、タッチパネル一体型表示装置用前面保護板であって、
透光性基板と、
この透光性基板の一方の面上の前記不透明領域に設けられ、前記加飾部を構成する遮光層と、
前記遮光層上に設けられた前記配線と、
前記透光性基板の前記一方の面上の前記表示用領域に設けられ、第1方向に延在する複数の第1電極と、前記第1方向と交差する第2方向に延在する複数の第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との交差部において、両電極間に介在し両電極を互いに絶縁する絶縁層と、
を有し、
前記絶縁層は、前記加飾部の構成層のうちの絶縁性を示す少なくとも1層以上の層と、同一材料で形成され、かつ、この層と同時形成可能な面に接して形成されている、
タッチパネル一体型表示装置用前面保護板。
(2)前記交差部において、前記絶縁層上に形成される前記第1電極及び前記第2電極のいずれか一方の電極は、前記絶縁層の上を跨ぐブリッジ部となっており、他方の電極は前記絶縁層の下をくぐり抜け、
前記ブリッジ部が反射性導電性層を含み、
前記絶縁層の可視光反射率が前記ブリッジ部の可視光反射率よりも小さい、前記(1)のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板。
(3)前記絶縁層と同一材料で同時形成可能な面に接して形成される前記加飾部の構成層が、前記加飾部に設けられた赤外透過窓を構成する赤外透過層である、前記(2)のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板。
(4)前記第1電極及び前記第2電極は、層自体が不透明な導電性層から形成されており、
前記第1電極は、第1透明電極要素と、隣接する前記第1透明電極要素同士を接続する第1接続部とを含み、
前記第2電極は、第2透明電極要素と、隣接する前記第2透明電極要素同士を接続する第2接続部とを含み、
前記第1接続部及び前記第2接続部は、前記交差部において互いに交差し、
前記第1透明電極要素及び前記第2透明電極要素は、前記導電性層がメッシュ状に形成されたメッシュ電極から構成されている、前記(1)〜(3)のいずれかのタッチパネル一体型表示装置用前面保護板。
(5)表示パネルと、この表示パネルの観察者側に配置された前記(1)〜(4)のいずれかのタッチパネル一体型表示装置用前面保護板と、を含む、表示装置。
本発明のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板によれば、工程数を減らすことができ、コストダウンに繋がり得る構成を提供することができる。
本発明の表示装置によれば、それが備えるタッチパネル一体型表示装置用前面保護板が、前記効果を有する。
本発明によるタッチパネル一体型表示装置用前面保護板の一実施形態(メタルブリッジ、低反射の絶縁層)を模式的に説明する部分拡大平面図(a)と、平面図中C−C線での部分拡大断面図(b)と、平面図中D−D線での部分拡大断面図(c)。 図1のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板の製造工程の一例を示す平面図。 「同時形成可能な面」の意味について、図1の構成を基準に、同一材料で形成される絶縁層と遮光層などとが、同時形成可能な構成と、そうでない構成との相違を説明する断面図。 本発明によるタッチパネル一体型表示装置用前面保護板の別の実施形態(透明ブリッジ、低反射の絶縁層)を模式的に説明する部分拡大平面図(a)と、平面図中C−C線での部分拡大断面図(b)。 本発明によるタッチパネル一体型表示装置用前面保護板の別の実施形態(透明ブリッジ、低反射の絶縁層;変形形態=ブリッジ逆構造)を模式的に説明する部分拡大平面図(a)と、平面図中C−C線での部分拡大断面図(b)。 本発明によるタッチパネル一体型表示装置用前面保護板の別の実施形態(メタルブリッジ、低反射の絶縁層、メッシュ電極)を模式的に説明する部分拡大平面図(a)と、平面図中C−C線での部分拡大断面図(b)。 本発明によるタッチパネル一体型表示装置用前面保護板の別の実施形態(メタルブリッジ、低反射及び透明の2層の絶縁層)を模式的に説明する部分拡大平面図(a)と、平面図中C−C線での部分拡大断面図(b)。 本発明によるタッチパネル一体型表示装置用前面保護板の別の実施形態(透明ブリッジ,透明な絶縁層)を模式的に説明する部分拡大平面図(a)と、平面図中C−C線での部分拡大断面図(b)。 本発明によるタッチパネル一体型表示装置用前面保護板の別の実施形態(透明ブリッジ、低反射及び透明の2層の絶縁層)を模式的に説明する部分拡大平面図(a)と、平面図中C−C線での部分拡大断面図(b)。 本発明によるタッチパネル一体型表示装置用前面保護板の別の実施形態(メタルブリッジ、低反射の絶縁層=赤外透過層)を模式的に説明する部分拡大平 加飾部の赤外透過窓における赤外透過層3aLの形態例を説明する部分拡大断面図。 本発明によるタッチパネル一体型表示装置用前面保護板の別の実施形態(全面のオーバーコート層)を模式的に説明する部分拡大平面図(a)と、平面図中C−C線での部分拡大断面図(b)。 加飾部の遮光層が裏打ち層も備える形態例を示す部分拡大断面図。 本発明によるタッチパネル一体型表示装置用前面保護板の別の実施形態(メタルブリッジ,透明な絶縁層、低反射層)を模式的に説明する部分拡大平面図(a)と、平面図中C−C線での部分拡大断面図(b)。 本発明による表示装置の一実施形態を模式的に説明する断面図。 従来の或いは本発明による、タッチパネル一体型表示装置用前面保護板を裏側から見た平面図(a)、透明電極のパターンを説明する部分拡大平面図(b)および(c)。 図16のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板における透明電極の交差部分を示す平面図(a)と、平面図中C−C線での断面図(b)。 図17のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板の製造工程の一例の前半を示す平面図。 図17のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板の製造工程の一例の後半を示す平面図。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面は概念図であり、説明上の都合に応じて適宜、構成要素の縮尺関係、縦横比等は誇張されていることがある。
〔A〕用語の定義:
本発明において用いる主要な用語について、その定義をここで説明しておく。
「表側」とは、タッチパネル一体型表示装置用前面保護板10或いはその他の構成要素において、タッチパネル一体型表示装置用前面保護板10を表示パネル30と組み合わせて使用したときに、表示パネル30から表示光が出光する側であり、表示パネル30の表示を観察する観察者の側を意味する。
「裏側」とは、前記「表側」とは反対側を意味し、タッチパネル一体型表示装置用前面保護板10或いはその他の構成要素において、表示パネル30の表示光が入光する側を意味する。
透光性基板1の面に対して、「一方の面」は、第1電極5a及び第2電極5b、並びに配線4を必ず有する側の面である。「一方の面」とは「裏側」の面を意味し、「他方の面」とは「表側」の面を意味する。「一方の面」乃至は「裏側」の面を「第1面S1」とも呼び、「他方の面」乃至は「表側」の面を「第2面S2」とも呼ぶ。
〔B〕タッチパネル一体型表示装置用前面保護板:
本発明によるタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10を、実施形態ごとに説明する。
《第1の実施形態:メタルブリッジ、低反射の絶縁層》
本実施形態は、ブリッジ部5aBに金属材料を用い、絶縁層6に加飾部2の遮光層3と同一材料で、黒色などブリッジ部5aBよりも可視光反射率が低い低反射性を示す材料を用いて、絶縁層6と遮光層3とを同時形成した形態である。
図1(a)は、本実施形態のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板を模式的に説明する裏側から見た部分拡大平面図であり、図1(b)は、平面図中C−C線での部分拡大断面図であり、図1(c)は、平面図中D−D線での部分拡大断面図である。
タッチパネル一体型表示装置用前面保護板10の全体は、従来例としても例示した図16(a)の平面図と同様である。
図1は、第1接続部5aCと第2接続部5bCとが交差する交差部5Cに注目して、一つの交差部5Cと、不透明領域A2の加飾部2及び加飾部2上の配線4に注目して、その一部と、配線4に接続する電極に注目して、その一部の第1電極5aと、を模式的に示した図であり、図1(a)が部分拡大平面図であり、図1(b)は、平面図中C−C線での部分拡大断面図である。
ただし、図1(a)の模式的な平面図は、表示用領域A1内で、第1方向として図面で左右方向であるX方向に延在する複数の第1電極5a、及び、第2方向としてX方向とは直交し図面で上下方向であるY方向に延在する複数の第2電極5bの全てを描いてはいない。絶縁層6を介して両電極が交差する交差部5Cの立体構造に注目し、一つのブリッジ部5aBとその周辺のみを代表して描いてある。
また、表示用領域A1の外周部の全周囲に形成され加飾部2を構成する遮光層3と、遮光層3の面上に形成された配線4も、第1電極5aに接続するもの1本のみを模式的に描いてあり、第2電極5bに接続する配線4の図示は省略してある。
図1(a)では、層の上下関係を判り易くする観点から、透明である第1透明電極要素5aE及び第2透明電極要素5bEなども、ハッチングを入れてある。
以上の図面表記に関することは、本発明による他の実施形態における図面についても同様である。
本実施形態におけるタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10は、中央の表示用領域A1と、表示用領域A1の外周部に設けられ可視光を遮蔽する不透明領域A2とを有し、この不透明領域A2が加飾部2を構成し、表示用領域A1にはタッチパネル用の電極として複数の第1電極5a及び複数の第2電極5bを有し、不透明領域A2にはタッチパネル用の配線4を有する。
このタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10は、透光性基板1と、
透光性基板1の一方の面とする第1面S1の面上の不透明領域A2に設けられ、加飾部2を構成する遮光層3と、
遮光層3の面上に設けられた配線4と、
透光性基板1の一方の面である第1面S1上の表示用領域A1から不透明領域A2に亘って設けられ、第1方向としてX方向に延在する複数の第1電極5aと、第1方向と交差する第2方向としてX方向と直交するY方向に延在する複数の第2電極5bと、
第1電極5aと第2電極5bとの交差部5Cを、両電極間に介在し両電極を互いに絶縁する絶縁層6と、を有する。
本実施形態においては、第1電極5a及び第2電極5bのパターンは、投影型静電容量方式に対応したパターンとなっている。一つの第1電極5aは、図16(b)でも示すように、菱形形状の複数の第1透明電極要素5aEと、互いに隣接する第1透明電極要素5aE同士を接続し第1透明電極要素5aEに比べて面積が小さい第1接続部5aCと、図16(b)では不図示であるが、第1透明電極要素5aEから位置検知領域の外周部の不透明領域A2まで延びて配線4に第1透明電極要素5aEを電気的に接続する為の取出し部5aFと、から構成される。同様に、一つの第2電極5b、図16(c)でも示すように、菱形形状の複数の第2透明電極要素5bEと、互いに隣接する第2透明電極要素5bE同士を接続し第1透明電極要素5aEに比べて面積が小さい第2接続部5bCと、第2透明電極要素5bEを配線4に電気的に接続する不図示の取出し部と、から構成される。
ただし、図16(a)では、第1電極5aは第1透明電極要素5aEのみを描いてあり、第2電極5bも第2透明電極要素5bEのみを描いてあり、第1接続部5aC、第2接続部5bC、及び各取出し部の図示は省略してある。
しかも、絶縁層6は、加飾部2の構成層のうちの絶縁性を示す少なくとも1層として遮光層3と、同一材料で形成され、かつ、遮光層3と同時形成可能な面に接して同時に形成されている。
さらに、本実施形態においては、交差部5Cで絶縁層6上に形成される第1電極5a及び第2電極5bのいずれか一方の電極として第1電極5aが、絶縁層6の上を跨ぐブリッジ部5aBとなっており、他方の電極となる第2電極5bは、絶縁層6の下をくぐり抜ける構造となっている。
本実施形態においては、透光性基板1にはガラス板が用いられており、加飾部2の遮光層3には着色顔料で黒色とした感光性樹脂が用いられており、配線4には、パラジウム及び銅からなる銀合金(APCとも言う)の金属材料が用いられている。
第1接続部5aCとなるブリッジ部5aBを除く第1電極5a、及び第2電極5bには、ITOが用いられており、ブリッジ部5aBには配線4と同一材料が用いられている結果、反射性導電性層から形成されており、絶縁層6には遮光層3と同一材料が用いられている結果、可視光反射率がブリッジ部5aBに比べて小さくなっている。
ブリッジ部5aBは、配線4と、同一材料で同時形成可能な面に接して同時形成されており、金属特有の反射性を呈し、また、不透明である。
絶縁層6は加飾部2の遮光層3と、同一材料の黒色を呈する感光性樹脂によって同時形成されているため、絶縁層6は、ブリッジ部5aBに比べて、可視光反射率を低くすることができ、金属性反射を呈するブリッジ部5aBを目立たなくさせることができる。絶縁層6が電気的に絶縁性である関係上、本実施形態における遮光層3も、電気的に絶縁性である。
なお、透光性基板1上のそれぞれの層は全て、フォトリソグラフィ法によってパターン形成されている。
なお、図1(b)のように、破線で図示するオーバーコート層7を、さらに、コネクタとの接続部を除く全面に形成しても良い。より信頼性を求められる場合に、オーバーコート層7によって、信頼性を向上させることができる。
なお、本発明においては、「絶縁」、或いは「接続」とは、全て電気的な意味での用語として使用されている。
本実施形態においては、ブリッジ部5aBは第1電極5aについてであったが、本発明においては、第2電極5b側がブリッジ部となる構成もあり得る。
本実施形態においては、X方向を第1電極5aとし、Y方向を第2電極5bとしたが、本発明においては、この逆でも良い。
本発明においては、第1電極5aと第2電極5bとの交差は直交以外でも良い。
本発明においては、第1透明電極要素5aE及び第2透明電極要素5bEの形状は、図1のような菱形形状に限定されない。
本発明においては、第1電極5a及び第2電極5bは、投影型静電容量方式など静電容量方式に限定されず、両電極が互いに交差する交差部5Cを有する方式であれば良い。
〔製造方法〕
以上のようなタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10は、次のようにして製造することができる。
1)先ず、図2(A)のように、(透光性基板1の一方の面である第1面S1に)第2電極5bの全てと、第1電極5aのうち第1接続部5aCを除く全てを、同一材料で同時形成する。
2)次に、図2(B)のように、絶縁層6と、加飾部2を構成する遮光層3とを、同一材料で同時形成する。
3)次に、図2(C)のように、配線4と、第1接続部5aCとなるブリッジ部5aBとを、同一材料で同時形成する。
本実施形態においては、以上の3工程で製造することができる。
〔同時形成可能な面とは〕
本実施形態においては、絶縁層6は、加飾部2の構成層のうちの絶縁性を示す少なくとも1層以上の層として遮光層3と、同一材料で形成されている以外に、さらに、この同一材料で形成されている層同士が「同時形成可能な面」に接して形成されている。
ここで、「同時形成可能な面」について、この条件に該当しない「同時形成不可能な面」と対比させつつ、更に説明する。
ただ、「同時形成可能な面」に接して、同一材料で形成されている絶縁層6と加飾部2の構成層とが形成されていたからと言って、両層は別々に形成された物とすることもできる。しかし、「同時形成可能な面」に接して形成された構成においては、わざわざ、工程数を増やしてコスト高となるのを容認してまで、両層を同時に形成せずに、分けて形成する必要もないし、その必然性もない。両層を同時に形成することで、工程数を増やさずに形成できる物とすることができ、その分、コストダウンが図れる物にできるからである。
「同時形成可能な面」の説明において、「面」とは、絶縁層6或いは加飾部2の遮光層3などの構成層が、接する相手側の層において、「表面」と「界面」とを含み、また「側面」も含む。ただし、絶縁層6或いは加飾部2の遮光層3などの構成層を形成する面は、絶縁層6或いは加飾部2の遮光層3などの構成層に対して透光性基板1側となる層の面であるので、絶縁層6或いは加飾部2の遮光層3などの構成層に対して透光性基板1側とは反対側の層の面は除く。前記透光性基板1側とは反対側の面とは、例えば、以下の説明で参照する図3(a)〜図3(d)の絶縁層6に対するブリッジ部5aBの透光性基板1側の面である。
側面は形成面乃至は透光性基板1の第1面S1に、垂直であると見做す。これは、後述する「折り返すことなく」の定義において、斜めの側面に沿って「折り返し」が生じたとしても、これは無視して良いからである。
先ず、図3(a)は、本実施形態に該当する構成における「同時形成可能な面」の例であり、絶縁層6は透光性基板1、第1透明電極要素5aE及び第2接続部5bCの面に接して形成され、加飾部2の構成層としての遮光層3は透光性基板1、及び第1透明電極要素5aEと連続層として同時形成されている取出し部5aFの面に接して形成されている。このため、絶縁層6及び遮光層3は共に、透光性基板1の面に接した部分を有するとともに、絶縁層6は第1透明電極要素5aEの面に接した部分を有し、遮光層3は第1透明電極要素5aEと連続層として同時形成されている取出し部5aFの面に接した部分を有する。つまり、「同時形成可能な面」に接して形成されている。
同図に描かれた太い矢印の意味は、これらか詳述するので、ここでは簡単に説明しておく。同図で絶縁層6が第1透明電極要素5aEに接する面の部分から、遮光層3が第1透明電極要素5aEと連続層として同時形成されている取出し部5aFの面に接する部分まで、左向きの矢印は、逆向きになることなく一直線に延びており、両層がそれぞれ接して形成された面は、折り返すことなく接続されていることを示す。
また、矢印は示さないが、絶縁層6が接する面が透光性基板1である場合も同様に、絶縁層6が透光性基板1に接する面の部分から、遮光層3が透光性基板1の面に接する部分まで、左向きの矢印を、逆向きになることなく一直線で描くことができる。
図3(b)は、「同時形成不可能な面」の例である。同図の絶縁層6は透光性基板1、第1透明電極要素5aE及び第2接続部5bCの面に接して形成されている点は、上述した図3(a)と同様である。一方、加飾部2の構成層としての遮光層3は透光性基板1の面に接して形成されている点までは図3(a)と同様であるが、この遮光層3は、第1透明電極要素5aEと連続層として同時形成されている取出し部5aFの面に接して形成されてはいない。こうした構成は、遮光層3の部分の層上下関係から判るように、遮光層3を先に形成してから第1透明電極要素5aE及び取出し部5aF並びに第2接続部5bCなどを形成することで、形成される構成である。
つまり、これらの層の形成順序は、ブリッジ部5aBとして形成する第2接続部5bCは除いた、第1電極5a及び第2電極5bを同一材料で同時形成することを前提にすると、
1)遮光層3を形成し、この次に、
2)第1透明電極要素5aE及び取出し部5aF、並びに第2電極5b(第2透明電極要素5bE、第2接続部5bC及び第2電極5bの取出し部)を形成し、この次に、
3)絶縁層6を遮光層3と同一材料で形成しないと実現しない構成である。
したがって、明らかに、絶縁層6及び遮光層3について、両層は互いに「同時形成不可能な面」に接して形成されている。
同図で絶縁層6が第1透明電極要素5aEに接する面の部分から、遮光層3が接する唯一の面である透光性基板1の面に接する部分まで、左向きでスタートした矢印は、取出し部5aFの左端の側面に沿って折り返すことで、遮光層3が透光性基板1の面に接する部分まで延ばすことができ、両層がそれぞれ接して形成された面は、折り返すことなく接続されているとは、言えない。
ただし、こうした「同時形成不可能な面」に接して形成された構成であっても、この場合では形成面として透光性基板1に注目すると、図示はしないが、絶縁層6が透光性基板1に接する面の部分から、遮光層3が透光性基板1の面に接する部分まで、左向きでスタートする矢印を、透光性基板1の面に沿って折り返すことなく延ばすことができる。この点では、透光性基板1に対しては一見すると、「同時形成可能な面」に接して形成されているようにも見える。しかし、前記したように、絶縁層6が接しているもう一つの面である第1透明電極要素5aEの面で見ると、「同時形成不可能な面」に接して形成されている構造が存在する。
つまり、「同時形成可能な面」に接して形成されているとは、対象とする層同士について、一部の面でも、「同時形成不可能な面」に接して形成されている部分が存在している場合は、同時形成することが出来ないのであり、「同時形成可能な面」に接して形成されているとは言えない。
図3(c)及び図3(d)は、絶縁層6と、同一材料で形成され且つ「同時形成可能な面」に接して形成されている、加飾部2の構成層のうちの絶縁性を示す少なくとも1層以上の層として、遮光層3に属する赤外透過層3aLの場合の2例を示したものである。赤外透過層3aLは赤外透過窓3aの部分とする遮光層3の非形成部に形成される。赤外透過層3aLは、可視光に対する遮光性と赤外光に対する透光性を共に示す層である。赤外透過窓3a及び赤外透過層3aLについての詳細は、後述する。
図3(c)及び図3(d)のどちらの構成でも、絶縁層6が接する面から赤外透過層3aLが接する層まで、矢印は折り返すことなく到達し、両層がそれぞれ接して形成された面は、折り返すことなく接続されていることを示す。
図3(c)においては、絶縁層6が接する第1透明電極要素5aEの面と、赤外透過層3aLが接する透光性基板1の面とは、接続した面となっている。
図3(d)においては、絶縁層6が接する第1透明電極要素5aEの面と、赤外透過層3aLが接する遮光層3の面とは、接続した面となっている。
(接続した面とは)
「接続した面」とは、図3(c)或いは図3(d)で折れ線の矢印で示すとおり、絶縁層6が接して形成されている第1透明電極要素5aEから、赤外透過層3aLが接して形成されている透光性基板1或いは遮光層3の面にまで、層の側面も場合により経由して折り返すことなく、たどることができることを意味する。このように、両層の形成されている面が、互いに折り返すことなく「接続した面」であるときは、「同時形成可能な面」となる。
図3(b)は、「同時形成不可能な面」の例であった。これを上記「接続した面」の観点から再度考察すると、絶縁層6が接して形成されている第1透明電極要素5aEの面と、遮光層3が接して形成されている透光性基板1の面とは、互いに接続した面ではない。これをより厳密に表現すると、両層がそれぞれ接して形成されている前記面同士は、互いに折り返すことなく接続した面ではない。言い換えると、折り返して接続した面に接して形成されている。
(折り返すとは)
「折り返す」とは、図3(b)で折れ線の矢印で示す様に、矢印の折れ線が延びる方向が、断面図において、元の方向に戻ることを意味する。
前記矢印が、折り返すか否かを判断する断面図は、平面視において、同一材料で形成されている絶縁層6と加飾部2の構成層とを、最短距離で結ぶことができる直線を含む断面における断面図とすることができる。つまり、「折り返す」を判断するための矢印としては、絶縁層6と同図の場合で言えば遮光層3とを最短距離で結ぶことができる直線を含む断面に於ける矢印を採用できる。
以上説明したように、「同時形成可能な面」とは、図3(d)で例示した場合のように、絶縁層6が接して形成される面と、これと同一材料で、且つ「同時形成可能な面」に接して形成される、つまり同時形成される層が赤外透過層3aLである場合で言えば、赤外透過層3aLが接して形成される面が、異なる層の面であっても良い。同図では、絶縁層6は第1透明電極要素5aEに接して形成され、赤外透過層3aLは遮光層3の面に接して形成されている。
ただ、両層がそれぞれ形成される面が異なる層の面であっても、図3(c)のように、「同時形成不可能な面」のこともある。この違いは、両層の形成される面が異なる層の面であっても、折り返すことなく接続した面であるか否かによって、「同時形成可能な面」であるか否かを判別できる。
(接する面同士の組み合わせ)
これまでの説明で判る様に、対象とする層について、或る一つの層が接して形成される面が2種類以上存在する構成がある。例えば、図3(a)及び図3(b)では、絶縁層6には、(A1)透光性基板1、(A2)第1透明電極要素5aE、及び、(A3)第2接続部5bC、の3種類の面が存在し、遮光層3には、(B1)透光性基板1の1種類の面が存在する。
図3(d)では、絶縁層6には、(A1)透光性基板1、(A2)第1透明電極要素5aE、及び、(A3)第2接続部5bC、の3種類の面が存在し、赤外透過層3aLには、(B1)透光性基板1、及び、(B2)遮光層3の2種類の面が存在する。
このように、複数の面が存在するときは、絶縁層6が接して形成される面の全て(A1)〜(An)と、これと同一材料で形成される層が接して形成される面の全て(B1)〜(Bn)との、全ての組み合わせにおいて、折り返すことなく接続されている矢印(経路と言っても良い)を描ければ、「同時形成可能な面」である。
例えば、上記図3(d)の場合で言えば、(A1)と(B1)、(A1)と(B2)、(A2)と(B1)、(A2)と(B2)、(A3)と(B1)、(A3)と(B2)、の全6組の組み合わせが対象となる。
ただし、或る面(Ai)から或る面(Bi)に至る矢印(経路)が複数存在するときは、そのなかの一つの経路でも折り返すことなく接続されていれば良く、他の矢印(経路)に折り返して接続されている矢印(経路)が存在しても良い。
なお、前記n及びiは1以上の整数である。
以上のように、「同時形成可能な面」とは、絶縁層6が接して形成される面と、これと同一材料で形成される加飾部2を構成し絶縁性を示す層が接して形成される面とが、「互いに折り返すことなく接続された面」である、と言うこともできる。
以下、構成要素毎にさらに詳述する。
〔表示用領域A1と不透明領域A2〕
タッチパネル一体型表示装置用前面保護板10は、図16の平面図で例示したように、中央に表示用領域A1を有し、表示用領域A1の外周部に、可視光を遮蔽する不透明領域A2を有する。
表示用領域A1は、タッチパネル一体型表示装置用前面保護板10を表示パネルに適用したときに、タッチパネル一体型表示装置用前面保護板10を透して、表示パネルが表示する内容を表示できる領域である。また、タッチパネルの位置検知領域を含む領域でもある。
不透明領域A2は、表示パネルが外周部に有する配線、コネクタなどを隠したり、或いは、不透明な配線4、コネクタなどを隠したりする為の領域である。また、不透明領域A2は、遮光層3及びそれが表現する色、並びに、適宜設けるロゴやマークなどの可視情報9によって加飾部2を構成する領域である。
〔透光性基板1〕
透光性基板1は、少なくとも可視光線に対して透明で、タッチパネル一体型表示装置用前面保護板10の裏側のタッチパネル用の電極や表示パネルを保護し得る機械強度を有するものであれば、特に制限はなく、公知の基板を用いることができ、代表的にはガラス板を用いることができる。特に、前記ガラス板として、化学強化ガラスはフロートガラスに比べて機械的強度に優れ、その分薄くできる点で好ましい。
透光性基板1には、樹脂を用いることも可能である。例えば、前記樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂などを用いることができる。透光性基板1に樹脂を用いることで、軽量にできる上、可撓性を持たせることも可能となる。
〔加飾部2〕
加飾部2は、表示用領域A1の外周部に存在する不透明領域A2において、任意の意匠表現により、タッチパネル一体型表示装置用前面保護板10を加飾する部分である。
加飾部2は、通常、不透明領域A2の全領域となる。加飾部2は、不透明領域A2を可視光に対して不透明とする為に、少なくとも遮光層3を有する。不透明領域A2の加飾部2の内部には、図16で例示するように、人感センサなどのための赤外透過窓3a、ロゴやマークなどの可視情報9を、設けることができる。
[遮光層3]
遮光層3は、透光性基板1の裏側の一方の面である第1面S1の不透明領域A2の部分に形成される。遮光層3によって、不透明領域A2が不透明な領域として形成され、不透明領域A2における加飾部2を構成する。遮光層3は、不要な部品を隠すための遮光性と共に、外観意匠を向上させる機能も有する。
遮光層3の遮光性は、要求仕様、表現色にもよるが、透過率で言えば大きくても3%以下(光学濃度ODにて1.5以上)、より好ましくは透過率で1%以下(光学濃度OD2.0以上)、さらに好ましくは透過率で0.01%以下(光学濃度OD4.0以上)が望ましい。透過率が上記値を超えると、隠すべき部品などが見えてしまうことがあるからである。
遮光層3は、公知の材料及び形成法で形成することができる。例えば、遮光層3は、着色顔料を硬化性樹脂の硬化物からなる樹脂バインダ中に含む層から形成することができる。硬化性樹脂としては紫外線硬化型アクリル系樹脂などの感光性樹脂を用いることができる。
本実施形態においては、遮光層3は、着色顔料を硬化性樹脂の硬化物からなる樹脂バインダ中に含む層から形成されている。上記硬化性樹脂として感光性樹脂を用いてある。
(着色顔料)
上記着色顔料としては、遮光層3で表現する色に応じたものを用いれば良く、特に制限はない。例えば、着色顔料としては、黒色顔料、白色顔料、赤色顔料、黄色顔料、青色顔料、緑色顔料、紫色顔料などを用いることができる。着色顔料は、1種単独で用いても良いし、同種類の色、或いは異なる色の着色顔料を複数種類用いても良い。
前記黒色顔料には、例えば、カーボンブラック、チタンブラック(低次酸化チタン、酸窒化チタンなど)を用いることができる。
着色顔料としては、表現する色にもよるが、遮光性が得易い点では黒色顔料が好ましい。黒色顔料のなかでも、安価である点ではカーボンブラックはチタンブラックに比べて好ましく、より高い絶縁性を得易い点では、チタンブラックはカーボンブラックに比べて好ましい。
遮光層3で黒色など暗色を表現する場合、カーボンブラックなどの黒色顔料を用いずに、有彩色の着色顔料を複数種類混合して、黒色を表現しても良い。とくに、絶縁層6を遮光層3と同一材料で形成する場合に、着色顔料を含む樹脂層は絶縁性ではあるが、より高い絶縁性を求める場合は、カーボンブラックのような導電性に寄与し得る黒色顔料を用いないで、黒色など暗色を表現できる利点がある。
(硬化性樹脂)
前記硬化性樹脂としては、感光性樹脂、及び、熱硬化性樹脂から選ばれる公知の樹脂を1種以上用いることができる。
前記感光性樹脂或いは熱硬化性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂等を、1種以上用いることができる。
(遮光層3の形成)
遮光層3の形成法は、本発明においては、特に限定されない。例えば、遮光層3は、前記硬化性樹脂の未硬化物を含む樹脂バインダ中に着色顔料を含有する、着色硬化性樹脂組成物によって、形成することができる。前記着色硬化性樹脂組成物には、さらに、この樹脂組成物を透光性基板1の面上に塗布する際の塗布適性、或いは印刷する際の印刷適性の調整などの為に、溶剤を含むことができる。
硬化性樹脂として感光性樹脂を用いる場合、前記着色顔料、前記感光性樹脂の未硬化物としては、従来、カラーフィルタ用途として調整された着色レジスト用の材料を用いても良い。
硬化性樹脂として感光性樹脂を用いる場合、着色硬化性樹脂組成物を、透光性基板1の面上に塗布する方法は、例えば、スピンコート法、ロールコート法、ダイコート法、スプレーコート法、ビードコート法などの公知の塗工法によることができる。
着色硬化性樹脂組成物を塗布した後は、フォトリソグラフィー技術を用いて露光、現像、ベークなどの所定の工程を経て、パターニングすることにより、透光性基板1の面上の一部に、所定パターンの遮光層3を形成することができる。
硬化性樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合は、着色硬化性樹脂組成物からなるインクを用いて、印刷法によってパターン状に形成する。印刷法としては、特に制限はなく、例えば、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法等を適宜採用することができる。
[加飾部2の構成層のうち絶縁性を示す層]
加飾部2の構成層のうち絶縁性を示す層としては、本実施形態においては、遮光層3である。
本発明においては、加飾部2の構成層のうち絶縁性を示す層としては、遮光層3以外に、後述実施形態で説明するオーバーコート層7、赤外透過層3aLなどがあり得る。また、これら以外の層であっても、絶縁性を示す層であれば、絶縁層6として使用することができる。絶縁性を示さない層としては、例えば、後述する、金属光沢を有する金属材料で形成された裏打ち層3bがある。この裏打ち層3bには配線4と同一材料のものが用いられ得る。
上記絶縁性とは、交差部5Cにおいて交差する第1電極5aと第2電極5bとの絶縁に要求される程度の絶縁性を意味する。この絶縁性は、交差部5Cにおいて交差する両電極の重なり合う面積、タッチパネルとしての位置検知精度及び制御回路などに依存する。
本発明においては、加飾部2は2層以上の層を重ねても良い。例えば、後述するように、遮光層3とオーバーコート層7との2層からなる加飾部2である。
〔配線4〕
配線4には、公知の材料及び形成法を採用することができる。例えば、配線4には、銀、金、銅、クロム、プラチナ、アルミニウム、パラジウム、モリブデンなどの金属(含むその合金)などを用いることができる。配線4は、例えば、銀、パラジウム及び銅からなる銀合金(APCとも言う)の金属層としてスパッタ法により製膜後、フォトリソグラフィ法によりパターン形成することができる。
配線4には、モリブデン(Mo)/アルミニウム(Al)/モリブデン(Mo)と3層積層構造の導電性層(MAMと呼ばれている)を用いることもできる。
本実施形態においては、配線4は、銀、パラジウム及び銅からなる銀合金(APCとも言う)によって、金属層として形成されている。
配線4の形成法としては、特に制限はなく、フォトリソグラフィ法以外に、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法などの印刷法によって形成しても良い。
また、本実施形態においては、配線4は、ブリッジ部5aBとなる反射性導電性層と同一材料で同時形成可能な面に同時形成されている。
〔第1電極5a及び第2電極5b〕
第1電極5a及び第2電極5bには、公知の材料及び形成法を適宜採用することができる。例えば、第1電極5a及び第2電極5bには、ITO(Indium Tin Oxide;インジウム錫酸化物)、IZO(登録商標;出光興産株式会社)(Indium Zinc Oxide;インジウム亜鉛化物)、AZO(Aluminum Zinc Oxide;アルミニウム亜鉛酸化物)、IGZO(Indium Gallium Zinc Oxide、インジウムガリウム亜鉛酸化物)、等の透明導電体薄膜をパターン形成したものを用いることができる。
[ブリッジ部]
ブリッジ部5aB或いは第2電極5bにおけるブリッジ部(以下、これらを纏めて単にブリッジ部とも言う)については、透明導電体薄膜以外の前記配線4で述べたような不透明な金属層を用いることもできる。ブリッジ部には反射性導電性層を用いることもできる。ブリッジ部は、配線4と同一材料とすることもでき、さらに配線4と同時形成可能な面に接して同時形成することもできる。
ブリッジ部5aBは、反射性導電性層を含む場合、この反射性導電性層に前記透明導電体薄膜などの他の層が、積層されていても良い。
ブリッジ部の外形形状の寸法は、例えば、図1に示す本実施形態においては、幅5〜20μm、長さ100〜400μmの長方形である。前記幅とは、図1のブリッジ部5aBにおいて、第2方向(図面Y方向)の寸法であり、前記長さとは、第1方向(図面X方向)の寸法である。
(反射性導電性層)
反射性導電性層には、前記配線4で述べた金属材料など用いることができる。例えば、反射性導電性層には、銀、金、銅、クロム、プラチナ、アルミニウム、パラジウム、モリブデンなどの金属(含むその合金)などを用いることができる。反射性導電性層は、例えば、銀、パラジウム及び銅からなる 銀合金(APCとも言う)の金属層としてスパッタ法により製膜後、フォトリソグラフィ法によりパターン形成することができる。
反射性導電性層は、モリブデン(Mo)/アルミニウム(Al)/モリブデン(Mo)と3層積層構造の導電性層(MAMと呼ばれている)を用いることもできる。
本実施形態においては、反射性導電性層は、銀、パラジウム及び銅からなる銀合金(APCとも言う)によって、フォトリソグラフィ法によりパターン形成された金属層として形成されている。
これらの金属材料で形成した反射性導電性層は、金属特有の反射性を呈し、また、通常は不透明である。例えば、前記銀合金APCからなる反射性導電性層は銀色の金属反射性を呈している。
ブリッジ部の形成法としては、特に制限はなく、フォトリソグラフィ法以外に、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法などの印刷法によって形成しても良い。
反射性導電性層は、金属材料に限らず、例えば、反射性を示すなら導電性高分子でも良い。
本実施形態においては、反射性導電性層と配線4とは同一材料で同時形成可能な面に接して同時形成されている。
反射性導電性層の反射性とは、反射率が可視光域(380〜780nm)の平均で50%以上示すこととする。例えば、一般に、銀は90%以上、アルミニウムは80%以上、金は短波長域で50%近くまで低下するが、平均では50%以上を示す。
〔絶縁層6〕
絶縁層6は、加飾部2の構成層のうちの絶縁性を示す少なくとも1層以上の層と、同一材料で形成され、かつ、この層と同時形成可能な面に接して形成される。本実施形態においては、絶縁層6は遮光層3と同一材料で同時形成可能な面、具体的には、第1電極5aの面を含む面に接して形成されている。
絶縁層6には、絶縁性を有するものとして公知の材料及び形成法を適宜採用することができる。絶縁層6は、例えば、樹脂層として、紫外線硬化型アクリル系樹脂を用いてフォトリソグラフィ法によりパターン形成することができる。
絶縁層6は、透明、不透明いずれでも良いが、ブリッジ部5aBが反射性導電性層の場合には、透明でも良いが、反射を減らし反射性導電性層を用いたブリッジ部5aBを目立たなくさせる意味で、不透明であることが好ましい。
絶縁層6は、加飾部2の構成層のうちの絶縁性を示す少なくとも1層以上の層と同時形成するが、その形成法としては、特に制限はなく、フォトリソグラフィ法以外に、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法などの印刷法によって形成しても良い。
(可視光反射率)
ブリッジ部が反射性導電性層を含む場合、絶縁層6を、ブリッジ部の可視光反射率よりも小さい層とすることが好ましい。ブリッジ部からの光反射を目立たなくさせることができる。前記可視光反射率は、可視光域(380〜780nm)の平均値とすることができる。或いは、より人間の目の感度に近い、国際照明委員会CIEによる、標準光源Cを用いたYxy表色系でY値を用いることもできる。本実施形態においては、後者のY値を採用している。
絶縁層6を、反射性導電性層を含むブリッジ部の可視光反射率よりも小さい可視光反射率の層とするには、例えば、黒色、灰色などに着色した絶縁層6とすると良い。また、加飾部2を構成する遮光層3の色に応じて、青色、茶色などの有彩色、或いは白でも光が散乱して、反射性導電性層5よりも低反射とすることができる。
低反射とした絶縁層6は、同時に遮光性(不透明性)も示す。したがって、低反射とした絶縁層6は、低反射性及び遮光性を示しブリッジ部5aBを隠蔽する「隠蔽層」ということもできる。
本実施形態においては、絶縁層6の可視光反射率を反射性導電性層を含むブリッジ部5aBの可視光反射率よりも小さくしてあるので、ブリッジ部5aBを目立たなくさせることはできるが、図1(b)で示すように、ブリッジ部5aBが絶縁層6によって隠しきれずに視認される視認部分Vsが存在する。これは、隣接する第1透明電極要素5aEをブリッジ部5aBによって電気的に接続する際に、ブリッジ部5aBと接触させる部分は絶縁層6で被覆せずに残しておくためである。同様に電気的な接続を確保する意味から、配線4と取出し部5aFの接続部分にも視認部分Vsが存在する。しかし、これでも、絶縁層6を透明層として形成する場合に比べれば、面積50%以上のかなりの部分の反射性導電性層を隠すことができるので、コストをかけずに目立ち難くすることができる。
〔本実施形態における効果〕
以上のような構成とすることで、本実施形態におけるタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10では、絶縁層6と、加飾部2の遮光層3は、同一材料で同時形成可能な面に同時形成されているために、絶縁層6は工程数を増やさずに設けることができる。さらに、配線4とブリッジ部5aBも同一材料で同時形成可能な面に同時形成されているために、ブリッジ部5aBも工程数を増やさずに設けることができる。
このため、図17、図18A及び図18Bで例示した、従来のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板20が製造に5工程を要したのに対して、本実施形態においては、2工程少ない、3工程のみで製造可能な構成となり、コストダウンが可能となる。
これは、逆に言えば、加飾部2が存在しない、つまり表示装置用前面保護板と一体化させないタッチパネルだけのタッチパネル基板と比較すれば、追加の工程無しに加飾部2を付与することで表示装置用前面保護板としての機能も追加して、タッチパネル一体型表示装置用前面保護板10を製造できることを意味する。
しかも、ブリッジ部5aBを、配線4と同一材料としても、絶縁層6はブリッジ部5aBに比べて可視光反射率が小さいので、ブリッジ部5aBをコストをかけずに目立ち難くすることもできる。
《第2の実施形態:透明ブリッジ、低反射の絶縁層》
図4に示す本実施形態は、交差部5Cにおいて、ブリッジ部5aBに透明導電性材料を用い、絶縁層6に加飾部2の遮光層3と同一材料で、前記第1の実施形態でブリッジ部5aBと同一材料とした配線4の材料よりも可視光反射率が低い材料を用いた形態である。
図4(a)は、本実施形態のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10を模式的に説明する裏側から見た部分拡大平面図であり、図4(b)は、平面図中C−C線での部分拡大断面図である。
本実施形態は、図1に示した前記第1の実施形態に対して、次の点が異なる以外は、同じである。よって、同じ部分の説明は省略する。
a)ブリッジ部5aBが、配線4と同一材料で同時形成されるのではなく、透明導電性材料としてITOなどの透明導電体薄膜で形成される点。
〔ブリッジ部5aB〕
第1電極5aのブリッジ部5aBは、ITOなど透明導電体薄膜で形成されていれば、第2透明電極要素5bEなどと同一材料でも良く、同一材料でなくても良い。
〔製造方法〕
以上のようなタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10は、次のようにして製造することができる。
1)先ず、第2電極5bの全てと、第1電極5aのうち第1接続部5aCを除く全てを、同一材料で同時形成する。
2)次に、絶縁層6と、加飾部2を構成する遮光層3とを、同一材料で同時形成する。
3)次に、配線4を形成する。
4)次に、第1接続部5aCとなるブリッジ部5aBを形成する。
上記3)及び4)は順序が逆でも良い。
本実施形態においては、以上の4工程で製造することができる。
〔本実施形態における効果〕
以上のような構成とすることで、本実施形態におけるタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10では、絶縁層6と、加飾部2の遮光層3は、同一材料で同時形成可能な面に同時形成されているために、絶縁層6は工程数を増やさずに設けることができる。
このため、図17、図18A及び図18Bで例示した、従来のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板20が製造に5工程を要したのに対して、本実施形態においては、1工程少ない、4工程のみで製造可能な構成となり、コストダウンが可能となる。
これは、逆に言えば、加飾部2が存在しない、つまり表示装置用前面保護板と一体化させないタッチパネルだけのタッチパネル基板と比較すれば、追加の工程無しに加飾部2を付与することで表示装置用前面保護板としての機能も追加して、タッチパネル一体型表示装置用前面保護板10を製造できることを意味する。
ブリッジ部5aBが透明であるのに対して、絶縁層6は遮光層3と同一材料で形成した為に遮光性となるので、絶縁層6の部分は透明にはできないが、絶縁層6は面積的に小さいために格別目障りになる程でもない。工程数を減らせることによるコストダウンの利点との兼ね合いで、こうした構成の仕様の採否は決めればよい。
《第2の実施形態の変形形態(ブリッジ逆構造):透明ブリッジ、低反射の絶縁層》
次に、第2の実施形態の変形形態として、交差部の立体構造が逆となっている、ブリッジ逆構造について説明する。
〔ブリッジ逆構造〕
本発明においては、本実施形態のように、絶縁層6の上のブリッジ部5aBとなる第1接続部5aCと、絶縁層6の下のブリッジ下側部となる第2接続部5bCとが、同一材料で形成される形態では、交差部5Cでの絶縁層6に対する層上下関係の立体構造は、逆構造にできる。なお、絶縁層6の上とは、絶縁層6よりも透光性基板1から遠い方を意味し、絶縁層6の下とは、絶縁層6よりも透光性基板1に近い方を意味する。
すなわち、上記実施形態では、絶縁層6の上には、互いに離間し隣接した第1透明電極要素5aE同士を接続するブリッジ部5aBを有し、絶縁層6の下には、第2透明電極要素5bE同士を連続層として接続する第2接続部5bCとしての(ブリッジ下側部5bU)を有する立体構造であった。
しかし、次に説明する変形形態のように、逆の立体構造とすることができる。以下、第1電極5aと第2電極5bとを入れ替えた構成で説明する。
図5(a)は、本実施形態に対する変形形態のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10を模式的に説明する裏側から見た部分拡大平面図であり、図4X(b)は、平面図中C−C線での部分拡大断面図である。
すなわち、絶縁層6の下には、互いに離間し隣接した第2透明電極要素5bE同士を接続する第2接続部5bCとしてブリッジ下側部5bUを有し、絶縁層6の上には、第1透明電極要素5aE同士を連続層として接続する第1接続部5aCとしてのブリッジ部5aBを有する、逆の立体構造である。
上記の逆立体構造の部分は、以下の3工程で製造することができる。
1)先ず、第2接続部5bCとなるブリッジ下側部5bUを形成する。
2)次に、絶縁層6と、加飾部2を構成する遮光層3とを、同一材料で同時形成する。
3)次に、第2電極5bのうちブリッジ下側部5bUを除く全てと、ブリッジ部5aBを含む第1電極5aの全てを、同一材料で同時形成する。
さらに、配線4も含めた工程とすると、
4)次に、配線4を形成する。
上記3)及び4)は順序が逆でも良い。
以上、配線4も含めると、4工程で製造することができる。
本発明においては、絶縁層6の上のブリッジ部5aBとなる第1接続部5aCと、絶縁層6の下のブリッジ下側部5bUによる第2接続部5bCとが、同一材料で形成される形態では、交差部5Cの立体構造は逆構造にできるが、上記「同一材料」とは、同じ透明導電性材料だが異なる材料であっても良い。
《第3の実施形態:メタルブリッジ、低反射の絶縁層、メッシュ電極》
図6に示す本実施形態は、交差部5Cにおいて、ブリッジ部5aBに金属材料を用い、絶縁層6に加飾部2の遮光層3と同一材料でブリッジ部5aBよりも可視光反射率が低い材料を用いた形態である。
また、第1透明電極要素5aE及び第2透明電極要素5bEに、それ自体が不透明な導電性材料をメッシュ状にパターン形成することで、見かけ上透明にしたメッシュ電極を用いた形態でもある。
図6(a)は、本実施形態のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10を模式的に説明する裏側から見た部分拡大平面図であり、図6(b)は、平面図中C−C線での部分拡大断面図である。
本実施形態は、図1に示した前記第1の実施形態に対して、次の点が異なる以外は、同じである。よって、同じ部分の説明は省略する。
a)第1電極5a及び第2電極5bは、層自体が不透明な導電性層から形成されており、第1透明電極要素5aE及び第2透明電極要素5bEが、前記導電性層がメッシュ状に形成されたメッシュ電極から形成されている点。
〔層自体が不透明な導電性層〕
層自体が不透明な導電性層としては、前記配線4で述べた材料及び形成法を採用することができる。つまり、この導電性層には、公知の材料及び形成法を採用することができる。例えば、上記導電性層には、銀、金、銅、クロム、プラチナ、アルミニウム、パラジウム、モリブデンなどの金属(含むその合金)などを用いることができる。上記導電性層は、例えば、銀、パラジウム及び銅からなる銀合金(APCとも言う)の金属層としてスパッタ法により製膜後、フォトリソグラフィ法によりパターン形成することができる。
上記導電性層は、モリブデン(Mo)/アルミニウム(Al)/モリブデン(Mo)と3層積層構造の導電性層(MAMと呼ばれている)を用いることもできる。
本実施形態においては、上記導電性層は、銀、パラジウム及び銅からなる銀合金(APCとも言う)によって、金属層として形成されている。
従って、本実施形態においては、上記導電性層には、配線4と同一材料を用いてある。
上記導電性層の形成法としては、特に制限はなく、フォトリソグラフィ法以外に、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法などの印刷法によって形成しても良い。
[メッシュ電極]
メッシュ電極は、層自体が不透明な導電性層が、メッシュ状に形成された電極である。この結果、メッシュ電極は見かけ上、換言するとメッシュ電極を全体的に見ると、透明に見える電極である。
メッシュ電極のメッシュパターンの形状としては、特に制限はなく、公知のパターンを適宜採用することができる。例えば、正方格子形状など、直線形状の開口部が多数2方向に配列したパターン形状を採用することができる。開口部の形状は、正方形以外に三角形、四角形、五角形、六角形などの多角形でも良く、また開口部の形状は多角形のように直線のみからなる形状以外に、曲線のみからなる形状でもよい。
メッシュ電極は、開口部の部分で透光性が確保されて、見かけ上透明な、換言すると擬似的な透明電極とすることができる。
適用するタッチパネルの面積が広くなると、透明電極にはより小さい面積抵抗率が求められる。ITOなどの透明導電体薄膜では面積抵抗率を低くすると透明性が低下する問題を、メッシュ電極によって解決できる。
メッシュ電極の線幅及び開口部の寸法は、要求される面積抵抗率及び透明性に応じて、適宜な寸法とすれば良い。例えば、線幅は5〜30μm、好ましくは5〜20μm、開口部Aの寸法は300〜1500μmとすることができる。線幅が前記範囲を超えるとメッシュの線が目立ち易くなり、線幅が前記範囲未満となると面積抵抗率が大きくなるすぎることがある。開口部の寸法が、前記範囲を超えると面積抵抗率が大きくなるすぎることがあり、前記範囲未満となると透明性が低下しすぎるとこがある。
メッシュ電極は、第1接続部5aC及び第2接続部5bC、並びに第1電極5a及び第2電極5bの各取出し部については、必須ではない。これらの部分は幅が第1透明電極要素5aE及び第2透明電極要素5bEに比べて細く、例えば、メッシュ電極の部分のメッシュの線幅と同程度であれば、メッシュにしなくてもよい。
〔製造方法〕
以上のようなタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10は、次のようにして製造することができる。
1)先ず、第2電極5bの全てと、第1電極5aのうち第1接続部5aCを除く全てを、同一材料で同時形成する。
2)次に、絶縁層6と、加飾部2を構成する遮光層3とを、同一材料で同時形成する。

3)次に、配線4と、第1接続部5aCとなるブリッジ部5aBとを、同一材料で同時形成する。
本実施形態においては、以上の3工程で製造することができる。
〔本実施形態における効果〕
以上のような構成とすることで、本実施形態におけるタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10では、絶縁層6と、加飾部2の遮光層3は、同一材料で同時形成可能な面に同時形成されているために、絶縁層6は工程数を増やさずに設けることができる。さらに、配線4とブリッジ部5aBも同一材料で同時形成可能な面に同時形成されているために、ブリッジ部5aBも工程数を増やさずに設けることができる。
このため、図17、図18A及び図18Bで例示した、従来のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板20が製造に5工程を要したのに対して、本実施形態においては、2工程少ない、3工程のみで製造可能な構成となり、コストダウンが可能となる。
これは、逆に言えば、加飾部2が存在しない、つまり表示装置用前面保護板と一体化させないタッチパネルだけのタッチパネル基板と比較すれば、追加の工程無しに加飾部2を付与することで表示装置用前面保護板としての機能も追加して、タッチパネル一体型表示装置用前面保護板10を製造できることを意味する。
しかも、ブリッジ部5aBを、配線4と同一材料としても、絶縁層6はブリッジ部5aBに比べて可視光反射率が小さいので、ブリッジ部5aBをコストをかけずに目立ち難くすることもできる。
さらに、第1透明電極要素5aE及び第2透明電極要素5bEは、メッシュ電極で形成してあるので、大面積のタッチパネル用途でも、透明性を確保しつつ面積抵抗率も確保でき、透明性と面積抵抗率との両性能を両立できる。
《第4の実施形態:メタルブリッジ、低反射及び透明の2層の絶縁層》
図7に示す本実施形態は、交差部5Cにおいて、ブリッジ部5aBに金属材料を用い、絶縁層6を2層構成として、透明基材1側の絶縁層6aに、ブリッジ部5aBよりも可視光反射率が低い材料として、加飾部2の遮光層3と同一材料を用い、ブリッジ部5aB側の絶縁層6bに、加飾部2の透明なオーバーコート層7と同一材料を用いた形態である。
図7(a)は、本実施形態のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10を模式的に説明する裏側から見た部分拡大平面図であり、図7(b)は、平面図中C−C線での部分拡大断面図である。
本実施形態は、図1に示した前記第1の実施形態に対して、次の点が異なる以外は、同じである。よって、同じ部分の説明は省略する。
a)加飾部2が構成層として、遮光層3以外に、遮光層3上に透明なオーバーコート層7も有し、配線4は遮光層3の面にではなくオーバーコート層7の面に形成されている点。
b)絶縁層6が2層構成であり、加飾部2の遮光層3と同一材料で形成した透光性基板1側の絶縁層6aの上に、さらに、加飾部2のオーバーコート層7と同一材料で形成した絶縁層6bが形成されている点。
〔オーバーコート層7〕
図7の形態においては、加飾部2を構成する遮光層3の面上に形成されるオーバーコート層7は、僅かに遮光層3の表示用領域A1側にはみ出して形成される。この結果、マイグレーションなどに対して、配線4が着色顔料を含み得る遮光層3にその側面も含めて接触せず、信頼性を向上させることができる。このため、図7(a)では、遮光層3は全面がオーバーコート層7で覆われているが、あえて、遮光層3は見えるようにハッチングを薄くして描いてある。他の同様の実施形態でも同じである。
オーバーコート層7は、絶縁性を示す層でもあり、公知の材料及び形成方法を採用することができる。オーバーコート層7には、遮光層3で述べた感光性樹脂などの硬化性樹脂、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂などを用いることができ、具体例を挙げれば、熱硬化性のエポキシ樹脂などを用いることができる。
オーバーコート層7は、フォトリソグラフィ法など、遮光層3や絶縁層6と同様の公知の形成法で形成することができる。
オーバーコート層7は、通常、着色顔料は含まない透明な層として形成される。しかし、本実施形態のように、表示用領域A1内における、交差部5Cでのブリッジ部5aBを形成する反射性導電性層、及び表示用領域A1と不透明領域A2との境界部分の取出し部で僅かに視認され得る配線4を隠す意味からは、不透明であっても良い。オーバーコート層7を不透明とするには、前記遮光層3と同様に着色顔料を含有させると良い。
〔製造方法〕
以上のようなタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10は、次のようにして製造することができる。
1)先ず、第2電極5bの全てと、第1電極5aのうち第1接続部5aCを除く全てを、同一材料で同時形成する。
2)次に、絶縁層6のうちの絶縁層6aと、加飾部2を構成する遮光層3とを、同一材料で同時形成する。
3)次に、絶縁層6のうちの絶縁層6bと、加飾部2を構成するオーバーコート層7とを、同一材料で同時形成する。
4)次に、配線4と、第1接続部5aCとなるブリッジ部5aBとを、同一材料で同時形成する。
本実施形態においては、以上の4工程で製造することができる。
〔本実施形態における効果〕
以上のような構成とすることで、本実施形態におけるタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10では、2層構成とした絶縁層6と、加飾部2の遮光層3及びオーバーコート層7は、同一材料で同時形成可能な面に同時形成されているために、絶縁層6は工程数を増やさずに設けることができる。さらに、配線4とブリッジ部5aBも同一材料で同時形成可能な面に同時形成されているために、ブリッジ部5aBも工程数を増やさずに設けることができる。
このため、図17、図18A及び図18Bで例示した、従来のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板20が製造に5工程を要し、さらにオーバーコート層7を設ければ6工程を要したのに対して、本実施形態においては、2工程少ない、4工程のみで製造可能な構成となり、コストダウンが可能となる。
これは、逆に言えば、加飾部2が存在しない、つまり表示装置用前面保護板と一体化させないタッチパネルだけのタッチパネル基板と比較すれば、追加の工程無しに加飾部2を付与することで表示装置用前面保護板としての機能も追加して、タッチパネル一体型表示装置用前面保護板10を製造できることを意味する。
しかも、ブリッジ部5aBを、配線4と同一材料としても、絶縁層6はブリッジ部5aBに比べて可視光反射率が小さいので、ブリッジ部5aBをコストをかけずに目立ち難くすることもできる。
さらに、オーバーコート層7によって、交差部5Cも含めて信頼性を向上できる。
《第5の実施形態:透明ブリッジ,透明な絶縁層》
図8に示す本実施形態は、交差部5Cにおいて、ブリッジ部5aBに透明導電性材料を用い、加飾部2が構成層として遮光層3と遮光層3上のオーバーコート層7とを有し、絶縁層6に加飾部2のオーバーコート層7と同一材料を用いた形態である。
図8(a)は、本実施形態のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10を模式的に説明する裏側から見た部分拡大平面図であり、図7(b)は、平面図中C−C線での部分拡大断面図である。
本実施形態は、図1に示した前記第1の実施形態に対して、次の点が異なる以外は、同じである。よって、同じ部分の説明は省略する。
a)加飾部2が遮光層3以外に、この遮光層3上にオーバーコート層7も有し、配線4は遮光層3の面にではなくオーバーコート層7の面に形成されている点。
b)絶縁層6が加飾部2のオーバーコート層7と同一材料で同時形成されている点。
c)ブリッジ部5aBが、配線4と同一材料で同時形成されるのではなく、透明導電性材料としてITOなどの透明導電体薄膜で形成される点。
d)ブリッジ逆構造である点。
〔オーバーコート層7〕
オーバーコート層7は、通常、透明な層として形成される。しかも、本実施形態のように、表示用領域A1内における、交差部5Cでのブリッジ部5aBが透明導電性材料で形成されている為に、これを活かす意味で、オーバーコート層7は透明であることが好ましい。
〔製造方法〕
以上のようなタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10は、次のようにして製造することができる。
1)先ず、第2接続部5bCとなるブリッジ下側部5bUを形成する。
2)次に、加飾部2の遮光層3を形成する。
3)次に、絶縁層6と、加飾部2を構成するオーバーコート層7とを、同一材料で同時形成する。
4)次に、第2電極5bのうちブリッジ下側部5bUを除く全てと、ブリッジ部5aBを含む第1電極5aの全てを、同一材料で同時形成する。
5)次に、配線4を形成する。
上記4)及び5)は順序が逆でも良い。
本実施形態においては、以上の5工程で製造することができる。
〔本実施形態における効果〕
以上のような構成とすることで、本実施形態におけるタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10では、絶縁層6と、加飾部2のオーバーコート層7とは、同一材料で同時形成可能な面に同時形成されているために、絶縁層6は工程数を増やさずに設けることができる。
このため、図17、図18A及び図18Bで例示した、従来のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板20が製造に5工程を要し、さらにオーバーコート層7を設ければ6工程を要したのに対して、本実施形態においては、1工程少ない、5工程のみで製造可能な構成となり、コストダウンが可能となる。
しかも、ブリッジ部5aBが透明で、絶縁層6も透明であるので、交差部5Cを透明にできる。
さらに、オーバーコート層7によって、交差部5Cも含めて信頼性を向上できる。
《第6の実施形態:透明ブリッジ、低反射及び透明の2層の絶縁層》
図9に示す本実施形態は、交差部5Cにおいて、ブリッジ部5aBに透明導電性材料を用い、絶縁層6を2層構成として、透明基材1側の絶縁層6aに、ブリッジ部5aBよりも可視光反射率が低い材料として、加飾部2の遮光層3と同一材料を用い、ブリッジ部5aB側の絶縁層6bに、加飾部2の透明なオーバーコート層7と同一材料を用いた形態である。
図9(a)は、本実施形態のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10を模式的に説明する裏側から見た部分拡大平面図であり、図7(b)は、平面図中C−C線での部分拡大断面図である。
本実施形態は、図1に示した前記第1の実施形態に対して、次の点が異なる以外は、同じである。よって、同じ部分の説明は省略する。
a)ブリッジ部5aBが、配線4と同一材料で同時形成されるのではなく、透明導電性材料としてITOなどの透明導電体薄膜で形成される点。
b)加飾部2が構成層として、遮光層3以外に、遮光層3上に透明なオーバーコート層7も有し、配線4は遮光層3の面にではなくオーバーコート層7の面に形成されている点。
c)絶縁層6が2層構成であり、加飾部2の遮光層3と同一材料で形成した透光性基板1側の絶縁層6aの上に、さらに、加飾部2のオーバーコート層7と同一材料で形成した絶縁層6bが形成されている点。
d)ブリッジ逆構造である点。
〔製造方法〕
以上のようなタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10は、次のようにして製造することができる。
1)先ず、第2接続部5bCとなるブリッジ下側部5bUを形成する。
2)次に、絶縁層6のうちの絶縁層6aと、加飾部2を構成する遮光層3とを、同一材料で同時形成する。
3)次に、絶縁層6のうちの絶縁層6bと、加飾部2を構成するオーバーコート層7とを、同一材料で同時形成する。
4)次に、第2電極5bのうちブリッジ下側部5bUを除く全てと、ブリッジ部5aBを含む第1電極5aの全てを、同一材料で同時形成する。
5)次に、配線4を形成する。
上記4)及び5)は順序が逆でも良い。
本実施形態においては、以上の5工程で製造することができる。
〔本実施形態における効果〕
以上のような構成とすることで、本実施形態におけるタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10では、2層構成とした絶縁層6と、加飾部2の遮光層3及びオーバーコート層7は、同一材料で同時形成可能な面に同時形成されているために、絶縁層6は工程数を増やさずに設けることができる。さらに、配線4とブリッジ部5aBも同一材料で同時形成可能な面に同時形成されているために、ブリッジ部5aBも工程数を増やさずに設けることができる。
このため、図17、図18A及び図18Bで例示した、従来のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板20が製造に5工程を要し、さらにオーバーコート層7を設ければ6工程を要したのに対して、本実施形態においては、1工程少ない、5工程のみで製造可能な構成となり、コストダウンが可能となる。
ブリッジ部5aBが透明であるのに対して、絶縁層6aは遮光層3と同一材料で形成した為に遮光性となるので、絶縁層6aの部分は透明にはできないが、絶縁層6aは面積的に小さいために格別目障りになる程でもない。工程数を減らせることによるコストダウンの利点との兼ね合いで、こうした構成の仕様の採否は決めればよい。
さらに、オーバーコート層7によって、交差部5Cも含めて信頼性を向上できる。
《第7の実施形態:メタルブリッジ、低反射の絶縁層=赤外透過層》
図10に示す本実施形態は、交差部5Cにおいて、ブリッジ部5aBに金属材料を用い、絶縁層6に加飾部2の赤外透過窓3aの赤外透過層3aLと同一材料でブリッジ部5aBよりも可視光反射率が低い材料を用いた形態である。
図10(a)は、本実施形態のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10を模式的に説明する裏側から見た部分拡大平面図であり、図10(b)は、平面図中C−C線での部分拡大断面図である。
図16のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10の全体図で、赤外透過窓3aの位置の例を示す。
本実施形態は、図1に示した前記第1の実施形態に対して、次の点が異なる以外は、同じである。よって、同じ部分の説明は省略する。
a)加飾部2が遮光層3以外に、遮光層3の非形成部に赤外透過窓3aを有し、赤外透過窓3aに赤外透過層3aLが形成されている点。
b)絶縁層6が加飾部2の赤外透過層3aLと同一材料で同時形成されている点。
〔赤外透過窓3a〕
赤外透過窓3aは、例えば、通話時に携帯電話を耳にあてがったときに、タッチパネルの誤作動を防ぐ必要から、また、表示パネルの表示を消して電池寿命を長くする観点などから、人肌の接近を感知する人感センサとして設ける赤外線センサの部分に設けられる。
赤外透過窓3aは、不透明領域A2内において遮光層3の非形成部として設けられ、可視光に対しては遮光性を示すと共に赤外光に対しては透過性を示す部分として形成される。赤外透過窓3aの上記光学性能は、上記光学性能を有する赤外透過層3aLを、赤外透過窓3aの部分に形成することで実現できる。赤外透過層3aLを用いるのは、遮光層3が例えば黒色の場合、黒色顔料としてカーボンブラックを用いると、可視光のみならず赤外光に対しても遮光性となってしまうために、遮光層3とは材料が異なる層として赤外透過層3aLが必要になることがあるからである。
赤外透過窓3aの赤外光に対する透過性は、要求仕様、表現色、赤外透過窓3aに適用する赤外線センサなどの赤外利用部品にもよるが、一例を示せば、赤外領域での透過率70%以上にする。前記透過率70%以上とする赤外領域は、必ずしも780nm以上の領域でなくてもよく、例えば850nm以上の領域であれば、充分に対応可能である。なお、透過率70%以上とする赤外領域の上限は、近赤外域、それも通常、1300nmまでを満たせば、対応できる。
赤外透過窓3aの可視光に対する遮光性は、要求仕様、表現色にもよるが、赤外透過窓3aの部分は、通常、スポット的に小さいため、必ずしも、遮光層3の遮光性のレベルに合わせる必要はない。このため、赤外透過窓3aの可視光に対する遮光性は、一例を示せば、透過率で言えば大きくても50%以下(光学濃度ODにて0.2以上)、より好ましくは透過率で25%以下(光学濃度OD0.6以上)、さらに好ましくは透過率で10%以下(光学濃度OD1.0以上)が望ましい。
こうして、赤外透過窓3aは、例えば、赤外光領域に対しては、波長850nm以上1300nm以下で70%以上、可視光領域に対しては10%以下で設ける。なお、この透過率とは、平均値ではなく、各波長毎の値である。
(赤外透過層3aL)
赤外透過層3aLは、赤外透過窓3aの存在を目立たなくさせるために、通常、遮光層3と類似色で形成される。そして、赤外透過層3aLは、可視光に対しては遮光性を示すと共に赤外光に対しては透過性を示す。
赤外透過層3aLは、カーボンブラックのような黒色顔料は含有させずに、互いに色が異なる有彩色の着色顔料の複数種類、例えば、赤色、黄色、青色を含有させることで、黒色など暗色を表現した層として形成することができる。
赤外透過層3aLと遮光層3との関係は、図11(a)のように遮光層3よりも先に形成する構成、図11(b)のように遮光層3よりも後に形成する構成などがある。本実施形態においては、図11(b)の赤外透過層3aLを後から形成する構成である。
どちらの構成においても、絶縁層6と同時形成することが可能な構成がある。絶縁層6と同時形成する対象として、赤外透過層3aLが遮光層3に比べて有利な点は、「同時形成可能な面」としての制約が少ない点である。つまり、同時形成し易い点である。
これは、図3における「同時形成可能な面」の説明に戻って、図3(b)の絶縁層6と遮光層3の関係では、第1透明電極要素5aEの形成との前後関係において、同時形成不可能であったが、同じ構造の第1透明電極要素5aEを有する場合でも、図3(e)に示すような、絶縁層6と赤外透過層3aLとの関係では「同時形成可能」となる。ただし、赤外透過層3aLが遮光層3よりも先に形成される図3(f)の構成は、「同時形成不可能」なままで、「同時形成可能」にはできない。赤外透過層3aLを遮光層3よりも先に形成する構成のためである。
〔製造方法〕
以上のようなタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10は、次のようにして製造することができる。
1)先ず、第2電極5bの全てと、第1電極5aのうち第1接続部5aCを除く全てを、同一材料で同時形成する。
2)次に、加飾部2の遮光層3を形成する。
3)次に、絶縁層6と、加飾部2を構成する赤外透過層3aLとを、同一材料で同時形成する。
4)次に、配線4と、第1接続部5aCとなるブリッジ部5aBとを、同一材料で同時形成する。
本実施形態においては、以上の4工程で製造することができる。
〔本実施形態における効果〕
以上のような構成とすることで、本実施形態におけるタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10では、絶縁層6と、加飾部2の赤外透過窓3aの部分の赤外透過層3aLは、同一材料で同時形成可能な面に同時形成されているために、絶縁層6は工程数を増やさずに設けることができる。さらに、配線4とブリッジ部5aBも同一材料で同時形成可能な面に同時形成されているために、ブリッジ部5aBも工程数を増やさずに設けることができる。
このため、図17、図18A及び図18Bで例示した、従来のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板20が製造に5工程を要し、さらに赤外透過窓3a部分の赤外透過層3aLを設ければ6工程を要したのに対して、本実施形態においては、2工程少ない、4工程のみで製造可能な構成となり、コストダウンが可能となる。
これは、逆に言えば、加飾部2が存在しない、つまり表示装置用前面保護板と一体化させないタッチパネルだけのタッチパネル基板と比較すれば、追加の工程無しに加飾部2を付与することで表示装置用前面保護板としての機能も追加して、タッチパネル一体型表示装置用前面保護板10を製造できることを意味する。
しかも、ブリッジ部5aBを、配線4と同一材料としても、絶縁層6はブリッジ部5aBに比べて可視光反射率が小さいので、ブリッジ部5aBをコストをかけずに目立ち難くすることもできる。
《第7の実施形態の変形形態:メタルブリッジ、低反射の絶縁層》
図示はしないが、本実施形態においては、赤外透過層3aLの形成と、第2電極5bの全てと、第1電極5aのうち第1接続部5aCを除く全ての形成の順序を逆にする変形形態もある。
〔製造方法〕
以上のようなタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10は、次のようにして製造することができる。
1)先ず、加飾部2の遮光層3を形成する。
2)次に、第2電極5bの全てと、第1電極5aのうち第1接続部5aCを除く全てを、同一材料で同時形成する。
3)次に、絶縁層6と、加飾部2を構成する赤外透過層3aLとを、同一材料で同時形成する。
4)次に、配線4と、第1接続部5aCとなるブリッジ部5aBとを、同一材料で同時形成する。
本変形形態においては、以上の4工程で製造することができる。
〔本実施形態に対する変形形態の効果〕
前記製造方法の1)と2)の順序を逆にして、上記のようにするときは、さらに次の効果が得られる。
取出し部5aFは遮光層3上に形成でき、配線4と遮光層3上で接続できるため、図10(b)で示した表示用領域A1と不透明領域A2との境界付近での配線4の視認部分Vsを無くすことができる。
《第8の実施形態:オーバーコート層》
図12に示す本実施形態は、交差部5Cにおいては、第1の実施形態と同じである。第1の実施形態の構成に対して、最後にオーバーコート層7を形成した形態である。
図12(a)は、本実施形態のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10を模式的に説明する裏側から見た部分拡大平面図であり、図12(b)は、平面図中C−C線での部分拡大断面図である。
本実施形態は、図1に示した前記第1の実施形態に対して、次の点が異なる以外は、同じである。よって、同じ部分の説明は省略する。
a)最裏面に透明なオーバーコート層7が形成されている点。
〔オーバーコート層7〕
オーバーコート層7としては、前記第4の実施形態で述べたオーバーコート層7と同様に、公知の材料及び方法を採用することができる。
を用いることができる。
本実施形態においては、オーバーコート層7は、配線4、第1電極5a及び第2電極5bが形成された後の面の全面に形成されている。ただし、図示は省略するが、このオーバーコート層7は、配線4がフレキシブルプリント配線基板(FPC)を介して制御回路に接続する部分は形成せず、配線4を露出してある。
オーバーコート層7によって、タッチパネル一体型表示装置用前面保護板10としての裏側の表面が、傷付きなどから保護されている。
本実施形態においては、オーバーコート層7は、配線4、第1電極5a及び第2電極5bが形成された後の面の全面に形成される形態を説明したが、オーバーコート層7の位置は、これ以外の位置に設けることもできる。
例えば、次の1)、2)のいずれか、又は両方があり得る。
1)第1電極5a及び第2電極5bを形成する前の、透光性基板1の面の全面。
2)遮光層3を形成後、第1電極5a及び第2電極5bを形成する前の、透光性基板1の面上の全面。この場合は、絶縁層6と同一材料で同時形成する加飾部2の構成層としては、前記オーバーコート層7とは別のオーバーコート層7、赤外透過層3aL、裏打ち層などとなる。
これらのオーバーコート層7によって、a)信頼性向上、b)層の輪郭部で層形成部と層非形成部に生じる段差の軽減などを図ることができる。
このようなオーバーコート層7は、他の実施形態においても、適宜採用することができる。
〔製造方法〕
以上のようなタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10は、次のようにして製造することができる。
1)先ず、第2電極5bの全てと、第1電極5aのうち第1接続部5aCを除く全てを、同一材料で同時形成する。
2)次に、絶縁層6と、加飾部2を構成する遮光層3とを、同一材料で同時形成する。

3)次に、配線4と、第1接続部5aCとなるブリッジ部5aBとを、同一材料で同時形成する。
4)次に、オーバーコート層7を形成する。
本実施形態においては、以上の4工程で製造することができる。
〔本実施形態における効果〕
以上のような構成とすることで、本実施形態におけるタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10では、絶縁層6と、加飾部2の遮光層3は、同一材料で同時形成可能な面に同時形成されているために、絶縁層6は工程数を増やさずに設けることができる。さらに、配線4とブリッジ部5aBも同一材料で同時形成可能な面に同時形成されているために、ブリッジ部5aBも工程数を増やさずに設けることができる。
このため、図17、図18A及び図18Bで例示した、従来のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板20が製造に5工程を要し、さらにオーバーコート層7を設ければ6工程を要したのに対して、本実施形態においては、2工程少ない、4工程のみで製造可能な構成となり、コストダウンが可能となる。
これは、逆に言えば、加飾部2が存在しない、つまり表示装置用前面保護板と一体化させないタッチパネルだけのタッチパネル基板と比較すれば、追加の工程無しに加飾部2を付与することで表示装置用前面保護板としての機能も追加して、タッチパネル一体型表示装置用前面保護板10を製造できることを意味する。
しかも、ブリッジ部5aBを、配線4と同一材料としても、絶縁層6はブリッジ部5aBに比べて可視光反射率が小さいので、ブリッジ部5aBをコストをかけずに目立ち難くすることもできる。
さらに、オーバーコート層7によって、信頼性を向上できる。
《第9の実施形態:メタルブリッジ,透明な絶縁層、低反射層》
図14に示す本実施形態は、交差部5Cにおいては、ブリッジ部5aBに金属材料を用い、加飾部2が構成層として遮光層3と遮光層3上のオーバーコート層7とを有し、絶縁層6に加飾部2のオーバーコート層7と同一材料を用いた形態である。
さらに、ブリッジ部5aBを表側から見えないように、低反射層8を形成した形態である。
図14(a)は、本実施形態のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10を模式的に説明する裏側から見た部分拡大平面図であり、図14(b)は、平面図中C−C線での部分拡大断面図である。
本実施形態は、図1に示した前記第1の実施形態に対して、次の点が異なる以外は、同じである。よって、同じ部分の説明は省略する。
a)加飾部2が遮光層3以外に、この遮光層3上にオーバーコート層7も有し、配線4は遮光層3の面にではなくオーバーコート層7の面に形成されている点。
b)絶縁層6が加飾部2のオーバーコート層7と同一材料で同時形成されている点。
c)絶縁層6よりも表側に低反射層8が形成されている点。
〔低反射層8〕
本発明においては、ブリッジ部5aBが反射性導電性層を含み且つ絶縁層6にブリッジ部5aBよりも低反射性の材料を採用しないとき、或いは採用したときも含めて、ブリッジ部5aBを目立たなくさせるために、絶縁層6とは別に低反射層8をブリッジ部5aBを隠すように設けても良い。本実施形態がこの一例に該当する。
低反射層8は、前記絶縁層6を低反射とする場合と同様に、ブリッジ部5aBの可視光反射率よりも小さい層である。なお、測定は、もちろん、低反射層8の層面2面のうちブリッジ部5aBから遠い方の面が観察される側から行う。低反射層8は、同時に遮光性(不透明性)も示す。これは、ブリッジ部5aBからの反射光を減らすことができるからである。したがって、低反射層8は、低反射性及び遮光性を示しブリッジ部5aBを隠蔽する「隠蔽層」ということもできる。低反射層8は、ブリッジ部5aBを目立たなくさせる。
前記遮光性は、ブリッジ部5aBを目立たなくさせる観点から、透過率で言えば大きくても10%以下(光学濃度ODにて1以上)、より好ましくは透過率で1%以下(光学濃度OD2.0以上)、さらに好ましくは透過率で0.01%以下(光学濃度OD4.0以上)が望ましい。
低反射層8は、カーボンブラックなどの黒色顔料を硬化性樹脂の硬化物からなる樹脂バインダ中に含む黒色など暗色を呈する層として、フォトリソグラフィ法によりパターン形成することができる。硬化性樹脂には紫外線硬化型アクリル系樹脂などの感光性樹脂を用いることができる。本実施形態においては、低反射層8、カーボンブラックを含む紫外線硬化型アクリル系樹脂を用いてフォトリソグラフィ法によりパターン形成されている。
低反射層8を、黒色など暗色とするには、カーボンブラック以外の、赤、黄、青、緑などの有彩色顔料を複数種類用い黒色を呈する層としても良い。例えば、赤、黄、青の3色の着色顔料を用いて黒色としても良い。暗色とは、黒色以外に、紺色、深緑色などの有彩色で明度が低く、前記Yが10%以下を示す色のことを意味する。
したがって、低反射層8に用いる着色顔料としては、黒色顔料、白色顔料、赤色顔料、黄色顔料、青色顔料、緑色顔料、紫色顔料など1種又は2種以上用いることができる。
低反射層8は、酸窒化クロムなどのそれ自体が暗色を示す無機材料で形成しても良い。
例えば、低反射層8は、カラーフィルタのブラックマトリクス等として使用される得る、
具体的には、透光性基板1側から、1)クロムの原子百分率が30〜50%の酸化クロムからなる第1反射防止膜、2)クロムの原子百分率が第1反射防止膜より大きく45〜60%の窒化クロムからなる第2反射防止膜、3)クロム100%で厚み80nmのクロム膜、からなる3層構造の酸窒化クロム系膜を用いることができる。各反射防止膜によって、透光性基板1とクロム膜との屈折率差を段階的に変化させることができ、可視光反射率を減らすことができる。単に、クロム膜単独でも黒色で低反射とすることができるが、上記反射防止膜により、さらに低反射とすることができる。大よそ反射率10%を5%に半減できる。
なお、各反射防止膜は、クロムの原子百分率が透光性基板1から遠くなるほど大きくなれば、酸化物、窒化物以外に、酸窒化物、炭化物など、酸素、窒素、炭素のいずれか1以上の組みとの化合物で良い。
低反射層8は、絶縁性であることが好ましい。本実施形態においては、低反射層8は絶縁性の層となっている。低反射層8が導電性であると、層構成及びパターン形状の組み合わせによっては、絶縁性が必要となる部分の絶縁性が確保できないことが生じるからである。本実施形態においては、第2接続部5bCと透光性単位光学要素1との絶縁性を、ブリッジ部5aBを隠しつつ確保する必要がある。
このため、上記3層構造の酸窒化クロム系膜は、3層のうちクロム膜が導電性であることから、このクロム膜側の表面にも、前記第1反射防止層と第2反射防止層のいずれか1以上を積層した複層構造として、クロム膜側も絶縁性にするとよい。
低反射層8の寸法及び形状は、表側からブリッジ部5aBの全域が見えない寸法及び形状が好ましい。ただし、大きすぎると表示品質に悪影響することがあるので、ブリッジ部5aBの外輪郭形状からはみ出しても50μm以下、好ましく10μm以下が好ましい。
〔製造方法〕
以上のようなタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10は、次のようにして製造することができる。
1)先ず、低反射層8を形成する。
2)次に、第2電極5bの全てと、第1電極5aのうち第1接続部5aCを除く全てを、同一材料で同時形成する。
3)次に、加飾部2の遮光層3を形成する。
4)次に、絶縁層6と、加飾部2を構成するオーバーコート層7とを、同一材料で同時形成する。
5)次に、配線4と、第1接続部5aCとなるブリッジ部5aBとを、同一材料で同時形成する。
本実施形態においては、以上の5工程で製造することができる。
〔本実施形態における効果)
以上のような構成とすることで、本実施形態におけるタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10では、絶縁層6と、加飾部2のオーバーコート層7とは、同一材料で同時形成可能な面に同時形成されているために、絶縁層6は工程数を増やさずに設けることができる。さらに、配線4とブリッジ部5aBも同一材料で同時形成可能な面に同時形成されているために、ブリッジ部5aBも工程数を増やさずに設けることができる。
このため、図17、図18A及び図18Bで例示した、従来のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板20が製造に5工程を要し、さらにオーバーコート層7を設ければ6工程を要したのに対して、本実施形態においては、1工程少ない、5工程のみで製造可能な構成となり、コストダウンが可能となる。
しかも、ブリッジ部5aBを、配線4と同一材料とし、絶縁層6が透明であっても、低反射層8によって、ブリッジ部5aBをコストをかけずに目立ち難くすることもできる。
《変形形態》
本発明のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10は、上記した構成要素以外を有しても良く、上記した形態以外のその他の形態をとり得る。以下、その一部を説明する。
〔遮光層3に属する裏打ち層3b〕
遮光層3は単層でも良いが、2層以上積層した構成とすることができる。例えば、図13で例示する遮光層3のように、遮光層3Aに裏打ち層3bを伴った層とすることができる。裏打ち層3bは、遮光層3の遮光性を向上させたり、遮光層3Aと、この遮光層3Aを透して見える裏打ち層3bとによって、加飾部2の外観意匠を演出することもできる。
例えば、裏打ち層3bとして、配線4と同様な金属材料を用いることができる。裏打ち層3bは配線4と同一材料で形成しても良い。但し、この場合、裏打ち層3b上に配線4を形成すると、配線4同士の絶縁性が確保できないので、裏打ち層3bの上にはオーバーコート層7などの絶縁性の層を形成した上で、配線4を形成する(同図で破線で例示)。
裏打ち層3bを金属光沢を有する金属材料で形成し、遮光層3Aに若干の透光性を持たせた場合、遮光層3でメタリック調の外観色を表現することもできる。また、白色など白色系の加飾部2とするときに、遮光層3単独で白色層としたときに、この遮光層3の遮光性が不足する場合に、裏打ち層3bで遮光性を補うことができる。
〔可視情報9〕
図16に例示するタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10では、遮光層3が形成される不透明領域A2には可視情報9として製品のロゴマークなどが形成されている。
本発明においては、可視情報9は必須ではないが、不透明領域A2に対して、製品ロゴマーク、操作説明用の文字や記号、模様などの任意の目視可能な可視情報9を設けることができる。
可視情報9は、表側から見える様に、不透明領域A2内において、例えば、遮光層3の非形成部に設けることができる。この構成では、可視情報9は、遮光層3の前記非形成部の部分を、表側から見たときの色及び形状によって表現される目視可能な情報である。
可視情報9は、図示は省略するが、遮光層3の前記非形成部の部分に可視情報形成層を設けることで、この可視情報形成層を、表側から見たときの色及び形状によって表現することができる。なお、可視情報形成層は、透光性基板1と遮光層3との間に形成することもできる。
可視情報形成層としては、金属層、着色樹脂層など、遮光層3とは色や表面状態の外観が異なる層を用いることができる。前記金属層としては、銀、アルミニウム、銅などの金属薄膜を用いることができる。前記着色樹脂層としては着色顔料や金属粉末を含む樹脂組成物層を用いることができる。
〔タッチパネルの全機能の一体化〕
タッチパネル一体型表示装置用前面保護板10は、制御回路、この制御回路と配線4を電気的に接続するコネクタなどのタッチパネル機能の全部が一体化されたものとしても良い。
タッチパネルの一体化は、タッチパネルとして必要な機能の一部を一体化する形態でも、その分に応じた部品点数の低減、薄型化の効果は得られるが、タッチパネルとしての必要な機能の全部を一体化するのが、より好ましい。
タッチパネルとして必要な機能の全部を一体化したタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10は、タッチパネルと言うこともできる。タッチパネルとして必要な機能の一部を一体化したタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10は、タッチパネル用部材と言うこともできる。
〔D〕表示装置:
本発明による表示装置は、上記したタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10と、表示パネルとを、少なくとも含む構成の表示装置である。
図15は、本発明による表示装置の実施形態例であり、同図に示す表示装置100は、図面上方の観察者V側の表側から順に、タッチパネル一体型表示装置用前面保護板10、表示パネル30を備えている。
タッチパネル一体型表示装置用前面保護板10は、前述した本発明によるタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10である。タッチパネル一体型表示装置用前面保護板10は、表側である第2面S2を観察者V側に向けて、裏側である第1面S1を表示パネル30側に向けて、配置される。
前記表示パネル30は、液晶表示パネル、電界発光(EL)パネルが代表的であるが、この他、電子ペーパーパネル、ブラウン管によるディスプレイ装置でもよく、公知の各種表示パネルで良い。
このような構成とすることで、従来のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板20を用いた場合に比べて、そのタッチパネル一体型表示装置用前面保護板が工程数を減らすことができ、コストダウンが可能な構成である為に、表示装置としてもコストダウンが可能な構成とすることができる。
《表示装置としての変形形態》
本発明の表示装置100は、上記した形態以外のその他の形態をとり得る。以下、その一部を説明する。
〔タッチパネル機能の一部又は全部の一体化〕
タッチパネル一体型表示装置用前面保護板10は、図1などで明示的に示したように、タッチパネル機能の一部として、配線4、第1電極5a及び第2電極5bが一体化している形態のものでも良いし、図示はしないが、さらに、制御回路、この制御回路と配線4を電気的に接続するコネクタなどのタッチパネル機能の全部が一体化している形態のものでも良い。
表示装置100としては、タッチパネル一体型表示装置用前面保護板10が前者の形態の場合には、制御回路、この制御回路と配線4を電気的に接続するコネクタなどのタッチパネル機能の残りの部分を含むものとなる。
いずれの構成においても、従来のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板を用いた場合に比べて、そのタッチパネル一体型表示装置用前面保護板が工程数を減らすことができ、コストダウンが可能な構成である為に、表示装置としてもコストダウンが可能な構成とすることができる。
〔粘着シートなどの樹脂層の介在〕
図15で例示した実施形態による表示装置100では、タッチパネル一体型表示装置用前面保護板10と表示パネル30との間は、空隙を有し空気層が存在する構造となっているが、本発明においては、タッチパネル一体型表示装置用前面保護板10と表示パネル30との間など、構成部材の間は、アクリル系樹脂などによる粘着剤層など公知の樹脂層で埋め尽くしても良い。樹脂層によって部材表面での光反射が減ることで、表示をより見易くすることができる。前記樹脂層には、粘着シート、塗布した樹脂液の固化層などを用いることができる。
〔D〕用途:
本発明によるタッチパネル一体型表示装置用前面保護板10、及び表示装置100の用途は、特に限定されない。例えば、スマートフォンなどの携帯電話、タブレットPCなどの携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション、デジタルカメラ、電子手帳、ゲーム機器、自動券売機、ATM端末、POS端末、などである。
1 透光性基板
2 加飾部
3 遮光層
3A 遮光層(裏打ち層を除く)
3a 赤外透過窓
3aL 赤外透過層
3b 裏打ち層
4 配線
5 電極
5a 第1電極
5b 第2電極
5aB (第1電極の)ブリッジ部
5aC 第1接続部
5aE 第1透明電極要素
5aF (第1電極の)取出し部
5bC 第2接続部
5bE 第2透明電極要素
5bU ブリッジ下側部
5C 交差部
6 絶縁層
6a,6b 絶縁層
7 オーバーコート層
8 低反射層
9 可視情報
10 タッチパネル一体型表示装置用前面保護板
20 従来のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板
30 表示パネル
100 表示装置
A1 表示用領域
A2 不透明領域
S1 第1面(一方の面)
S2 第2面(他方の面)
V 観察者
Vs 視認部分

Claims (7)

  1. 中央の表示用領域と、この表示用領域の外周部に設けられ可視光を遮蔽する不透明領域とを有し、この不透明領域が加飾部を構成し、前記表示用領域にはタッチパネル用の電極を有し、前記不透明領域にはタッチパネル用の配線を有する、タッチパネル一体型表示装置用前面保護板であって、
    透光性基板と、
    この透光性基板の一方の面上の前記不透明領域に設けられ、前記加飾部を構成する遮光層と、
    前記遮光層上に設けられた透明なオーバーコート層と、
    前記オーバーコート層上に設けられた前記配線と、
    前記透光性基板の前記一方の面上の前記表示用領域に設けられ、第1方向に延在する複数の第1電極と、前記第1方向と交差する第2方向に延在する複数の第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との交差部において、両電極間に介在し両電極を互いに絶縁する絶縁層と、
    を有し、
    前記絶縁層は、前記加飾部の構成層のうちの前記オーバーコート層と、同一材料で形成され、かつ、前記オーバーコート層と同時形成可能な面に接して形成されている層を有する
    タッチパネル一体型表示装置用前面保護板。
  2. 前記交差部において、前記絶縁層上に形成される前記第1電極及び前記第2電極のいずれか一方の電極は、前記絶縁層の上を跨ぐブリッジ部となっており、他方の電極は前記絶縁層の下をくぐり抜け、
    前記ブリッジ部が反射性導電性層を含み、
    前記絶縁層の可視光反射率が前記ブリッジ部の可視光反射率よりも小さい、請求項1に記載のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板。
  3. 前記ブリッジ部が透明導電体薄膜で形成されている、請求項2に記載のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板。
  4. 前記絶縁層の前記透光性基板側に低反射層が形成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板。
  5. 前記絶縁層と同一材料で同時形成可能な面に接して形成される前記加飾部の構成層が、前記加飾部に設けられた赤外透過窓を構成する赤外透過層である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板。
  6. 前記第1電極及び前記第2電極は、層自体が不透明な導電性層から形成されており、
    前記第1電極は、第1透明電極要素と、隣接する前記第1透明電極要素同士を接続する第1接続部とを含み、
    前記第2電極は、第2透明電極要素と、隣接する前記第2透明電極要素同士を接続する第2接続部とを含み、
    前記第1接続部及び前記第2接続部は、前記交差部において互いに交差し、
    前記第1透明電極要素及び前記第2透明電極要素は、前記導電性層がメッシュ状に形成されたメッシュ電極から構成されている、請求項1〜のいずれかに記載のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板。
  7. 表示パネルと、この表示パネルの観察者側に配置された請求項1〜のいずれかに記載のタッチパネル一体型表示装置用前面保護板と、を含む、表示装置。
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