JP5773275B2 - 通知窓付き表示装置用前面保護板、及び表示装置 - Google Patents
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また、薄型化、軽量化、部品点数削減などに対する要求に応えるべく、表示装置用前面保護板40とタッチパネル20との一体化、或いはタッチパネル20と表示パネル30との一体化などの各種一体化の形態が、提案され実用化も始まっている(特許文献1、特許文献2)。
それは、図18の平面図で例示するように、通知用の光を点灯又は点滅したとき、通知窓3の周囲で遮光性が不足して光漏れが発生して薄く明るくなり、意匠性を損ねることがあることである。遮光層2の色は、デザイン上、或いは、遮光性に優れるなどの点で、通常、黒色とすることが多いが、こうした遮光性に優れた黒色であっても、タッチパネル用の透明電極なども一体化できるようにすることを考慮して、表示用領域A1と不透明領域A2との境界での遮光層2の段差による断線や気泡発生を防ぐ為に、遮光層2を5μm以下で薄く形成すると光漏れが目立ち易い。
(1)中央の表示用領域と、この表示用領域の外周部に設けられ可視光を遮蔽する不透明領域とを有し、この不透明領域に通知窓を有する、通知窓付き表示装置用前面保護板であって、
透光性基板と、この透光性基板の一方の面上の前記不透明領域に設けられた遮光層と、前記一方の面上の前記不透明領域内であって前記遮光層の非形成部を含む部分として設けられた通知窓と、を有し、
さらに、前記一方の面上の前記不透明領域内であって前記通知窓に重なる部分を開口部として前記通知窓の少なくとも周囲に、前記遮光層に重なるように前記遮光層の面上に設けられ遮光性を呈する裏打ち層を有する、
通知窓付き表示装置用前面保護板。
(2)さらに、前記一方の面上の前記遮光層に重なり前記透光性基板側から目視不能となるように設けられた配線を有し、
前記裏打ち層と前記配線とが、同一材料で形成されている、前記(1)の通知窓付き表示装置用前面保護板。
(3)前記透光性基板の前記一方の面上に、さらに、タッチパネルの位置検知用の透明電極が、前記表示用領域から前記不透明領域の前記遮光層の部分に延びて設けられており、前記遮光層の部分で前記配線に電気的に接続されている、前記(2)の通知窓付き表示装置用前面保護板。
(4)前記(1)または(2)の通知窓付き表示装置用前面保護板と、タッチパネルと、表示パネルとを備え、前記タッチパネルは位置検知用の透明電極の周囲に有する不透明な配線が前記通知窓付き表示装置用前面保護板の前記遮光層に重なり前記通知窓付き表示装置用前面保護板側から目視不能となるように配置された構成であるか、
または、前記(3)のタッチパネル用の透明電極も有する通知窓付き表示装置用前面保護板と、表示パネルとを備えた構成である、
表示装置。
(5)前記表示パネルが、液晶パネルまたは電界発光パネルである、前記(4)の表示装置。
本発明の表示装置によれば、それが備える通知窓付き表示装置用前面保護板が、前記効果を有する。
以下に、本発明において用いる主要な用語について、その定義をここで説明しておく。
「裏側」とは、前記「表側」とは反対側を意味し、通知窓付き表示装置用前面保護板10或いはその他の構成要素において、表示パネル30の表示光が入光する側を意味する。
「一方の面」と、その反対側の面である「他方の面」とは、何れかが前記「表側」となり、何れの面が前記「表側」となるかは本来は任意である。ただし、本明細書においては、遮光層2を必ず有する側の面を「一方の面」と呼ぶことにしており、この一方の面が裏側として使用される面となる。そこで、表側として使用される他方の面に符号S1を付けて「他方の面S1」と呼び、裏側となる一方の面に符号S2を付けて「一方の面S2」とも呼ぶ。
本発明による通知窓付き表示装置用前面保護板を、図1に示す一実施形態例を参照して説明する。図1(a)は平面図、図1(b)は部分拡大断面図、図1(c)は部分拡大平面図である。
しかも、通知窓3の周囲に設けた裏打ち層4は、配線5と同一材料で形成されているので、裏打ち層4は配線5と同一工程で工程数を増やさずに設けることができるため、通知窓3の周囲に光が漏れて明るくなる光漏れを、コストをかけずに、改善することができる。
通知窓付き表示装置用前面保護板10は、図1(a)の平面図で例示したように、中央に表示用領域A1を有し、表示用領域A1の外周部に、可視光を遮蔽する不透明領域A2を有する。表示用領域A1は、図1(b)の断面図において、二点鎖線の想像線で示す表示パネル30に適用したときに、通知窓付き表示装置用前面保護板10を透して、表示パネル30が表示する内容を表示できる領域である。不透明領域A2は、表示パネル30が外周部に有する配線、コネクタなどを隠したり、或いは、図1(b)の断面図において、二点鎖線の想像線で示すタッチパネル20に適用したときに、タッチパネル20がその外周部に有する不透明な配線、コネクタなどを隠したりする為の領域である。また、不透明領域A2は、遮光層2及びそれが表現する色、並びに、ロゴやマークなどの可視情報9によって加飾部にもなる領域である。
透光性基板1は、少なくとも可視光線に対して透明で、通知窓付き表示装置用前面保護板10を適用するタッチパネル20や表示パネル30に対して、これらの表面を保護し得る機械強度を有するものであれば、特に制限はなく、代表的にはガラス板を用いることができる。とくに、前記ガラス板として、化学強化ガラスはフロートガラスに比べて機械的強度に優れ、その分薄くできる点で好ましい。化学強化ガラスは、典型的には、ガラスの表面近傍について、ナトリウムをカリウムに代えるなどイオン種を一部交換することで、化学的な方法によって機械的物性を強化したガラスである。
透光性基板1には、樹脂を用いることも可能である。例えば、前記樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂などを用いることができる。透光性基板1に樹脂を用いることで、軽量にできる上、可撓性を持たせることも可能となる。
図1に例示する実施形態における遮光層2は、透光性基板1のタッチパネル20及び表示パネル30側となる裏側の一方の面S2の不透明領域A2の部分に形成されている。遮光層2は、不透明領域A2中の全領域に設けられている。逆に言えば、この遮光層2によって、不透明領域A2が不透明な領域として形成される。
本実施形態においては、遮光層2は、透光性基板1の他方の面S1と一方の面S2のうちの一方の面S2の、不透明領域A2に形成される。
遮光層2は、タッチパネル20がその中央の位置検知領域に対して、その外周部に有する配線や制御回路、或いは表示パネル30がその中央の表示領域に対して、その外周部に有する配線や制御回路などを隠し、目視不能にして、タッチパネル20や表示パネル30と組み合わされた表示装置において、外観を損なわないようにする機能を有する。
遮光層2に用いる着色顔料としては、遮光層2で表現する色に応じたものを用いれば良く、特に制限はない。例えば、着色顔料としては、黒色顔料、白色顔料、赤色顔料、黄色顔料、青色顔料、緑色顔料、紫色顔料などを用いることができる。着色顔料は、1種単独で用いても良いし、同種類の色、或いは異なる色の着色顔料を複数種類用いても良い。
遮光層2の着色顔料としては、表現する色にもよるが、遮光性が得易い点で黒色顔料を用いることが好ましい。黒色顔料のなかでも、カーボンブラックはチタンブラックに比べて安価である点で好ましく、しかも、本発明においては、裏打ち層4の存在によって、安価なカーボンブラックが前述したように、可視光の長波長側で遮光性が低下するという欠点を、裏打ち層4によって補うことが可能となる。
着色顔料を分散保持する樹脂バインダの樹脂成分となる前記硬化性樹脂としては、感光性樹脂、及び、熱硬化性樹脂から選ばれる樹脂を1種以上用いることができる。
前記多官能アクリレート系モノマーには、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、などを1種以上用いることができる。
なお、本発明において、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート、又は、アクリレートのいずれかであることを意味する。
遮光層2の形成法は、本発明においては、特に限定されない。例えば、遮光層2は、前記硬化性樹脂の未硬化物を含む樹脂バインダ中に着色顔料を含有する、着色硬化性樹脂組成物によって、形成することができる。
前記着色硬化性樹脂組成物には、さらに、この樹脂組成物を透光性基板1の面上に塗布する際の塗布適性、或いは印刷する際の印刷適性の調整などの為に、溶剤を含むことができる。
前記溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルセロソルブ、3−メトキシブチルアセテート、等を1種以上用いることができる。
着色硬化性樹脂組成物を塗布した後は、フォトリソグラフィー技術を用いて露光、現像、ベークなどの所定の工程を経て、パターニングすることにより、透光性基板1の面上の一部に、所定パターンの遮光層2を形成することができる。
フォトリソグラフィ法で形成した遮光層2の膜厚は、5μm以下とすることができる。遮光層2の膜厚は、段差の点、および露光が層内部まで行き渡るようにする点では、薄い方が良く、好ましくは3μm以下、より好ましく2μm以下である。但し、薄すぎると、通知窓3の周囲は裏打ち層4で補ったとしても、裏打ち層4が積層されていない他の部分で遮光性が不足することがある。このため、遮光層2の膜厚の下限は0.2μm以上とすることが好ましい。また、フォトリソグラフィ法は、高精度なパターン形成ができる点でも好ましい。
通知窓3は、不透明領域A2内において遮光層2の非形成部を含む部分として設けられる。遮光層2の前記非形成部の部分で、通知窓付き表示装置用前面保護板10を裏側から表側に、通知用の光を通過させることができる。
前記「非形成部を含む部分」とは、通知窓3の領域内に、遮光層2の形成部があっても良いことを意味する。この点に関しては、後述する変形形態で、さらに説明する。
通知窓3の平面視の形状は、図1(a)に例示の実施形態では、円形であったが、円形以外の形状でよく、任意である。通知窓3の大きさも任意であるが、円形の場合で言えば、通常、直径1〜2mm程度である。
裏打ち層4は、通知窓3に重なる部分を開口部として通知窓3の少なくとも周囲に、遮光層2に重なるように遮光層2の面上に設ける遮光性を呈する層である。裏打ち層4の遮光性は、遮光層2に対して述べた前記遮光性以上であることが好ましい。
もちろん、裏打ち層4の外径形状は、通知窓3が円形の場合に、相似系の円形とする必要はなく、例えば、長方形であっても良い。
ただ、配線5も設ける場合は、配線5と同一材料で形成するのがコスト的に有利である点を考慮すると、配線5とは重ならない様な形状とするのが好ましい。
裏打ち層4の開口部は、通知窓3に重なる部分として形成するが、裏打ち層4は遮光層2によって通知窓3が形成された後に形成されるため、裏打ち層4の開口部は通知窓3に対して、精度良く位置合わせして形成されたものであることが好ましい。
高精度の位置合わせが可能な点で、裏打ち層4は、スクリーン印刷法よりは、フォトリソグラフィ法によって形成することが好ましい。フォトリソグラフィ法によって形成した裏打ち層4は、通知窓3に対して位置精度を±10μm以下に容易にすることができるからである。
仮に、通知窓3および開口部が共に円形形状で、開口部が通知窓3と完全に同一直径であったときに、位置ズレが10μm生じると、表側から通知窓3を透して最大で10μmの幅の三日月形状の裏打ち層4が見えることになる。この裏打ち層4が遮光層2と同様の着色樹脂材料で形成されているときは目立たないが、配線5と同一材料で形成されているときは、金属反射する裏打ち層4が視認されるおそれがある。
しかし、図3のように、開口部を通知窓3に対して大きめにしておけば、金属反射する裏打ち層4が位置ズレしても、図4の裏側から見たときの平面図で例示する様に、位置ズレが寸法差dの2倍に収まる範囲内であれば、裏打ち層4が見えることはない。
ただ、通知窓3の周囲は、わずかだが裏打ち層4が存在しない部分が生じる。裏打ち層4が存在しない部分が大きいと、図5の様に、通知窓3の周囲の光漏れが目立ちだし、通知用の光を点灯または点滅したときに、通知窓3の輪郭がシャープではなく滲んで見えることがある。
このため、開口部を通知窓3に対して大きくするときの片側での寸法差dは、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下とする。片側10μmの場合、裏打ち層4が通知窓3から見えない範囲内で最大にずれたとき、片側で20μmの裏打ち層4が存在しない部分が通知窓3の周囲一部に生じることになる。
上記寸法差dであれば、通知窓3の極近傍での周囲の光漏れは目立たなくさせることができる。
裏打ち層4は、本実施形態においては、配線5と同一材料で形成されている。このため、裏打ち層4は導電体層として形成されている。裏打ち層4は配線5と同一材料で形成することが好ましい。
本実施形態のように、配線5も有し、この配線5と裏打ち層4とを同一材料で形成した形態では、裏打ち層4と配線5とを同一工程で形成できるので、工程数を増やさずに裏打ち層4を設けることができる。この結果、コスト増となるのを抑えて、通知用の光の点灯又は点滅時に通知窓3の周囲が明るくなる光漏れを改善することができる。
前記金属層は、公知の薄膜形成法によって金属薄膜層として形成することができる。例えば、スパッタ法、蒸着法、イオンプレーティング法等の物理的気相成長法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などの化学的気相成長法、等の気相成長法、或いは塗工法などである。
裏打ち層4の膜厚は、金属薄膜層の場合、例えば0.1〜2μm程度とすることができる。
ただ、フォトリソグラフィ法で金属薄膜層として形成することは、高精度な位置合わせができる点、例えば1μm以下と薄くできる点、及び同時形成する配線5を高精細に形成できる点で、好ましい。
配線5は、本実施形態においては、裏打ち層4と同一材料で同時形成されている。配線5は、不透明な導電体層として形成される。配線5は、例えば、タッチパネル用途では、表示用領域A1から不透明領域A2にわたって形成される透明電極を、制御回路に接続するものとすることができる。配線5は、同じタッチパネル用途であっても、透明電極を用いない検知方式、例えば光学方式において、光学センサを制御回路に接続する配線であっても良い。
前記金属層を形成するには、公知の薄膜形成法によることができる。例えば、スパッタ法、蒸着法、イオンプレーティング法等の物理的気相成長法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などの化学的気相成長法、等の気相成長法、或いは塗工法などである。
配線5の膜厚は、金属薄膜層の場合、例えば0.1〜2μm程度とすることができる。
ただ、フォトリソグラフィ法で金属薄膜層として形成することは、例えば1μm以下と薄くできる点、高精細に形成できる点で、好ましい。
また、配線5のパターン形成法としてフォトリソグラフィ法は、前記した様に、配線5と裏打ち層4とを同一材料とし、同一工程で同時形成することまで考慮すると、裏打ち層4を通知窓3に高精度に位置合わせできる点でも、好ましい。
図1に例示する通知窓付き表示装置用前面保護板10では、遮光層2が形成される不透明領域A2には可視情報9として製品のロゴマークなどが形成されている。
本発明においては、可視情報9は必須ではないが、不透明領域A2に対して、製品ロゴマーク、操作説明用の文字や記号、模様などの任意の目視可能な可視情報9を設けることができる。
可視情報9は、図示は省略するが、遮光層2の前記非形成部の部分に可視情報形成層を設けることで、この可視情報形成層を、表側から見たときの色及び形状によって表現することができる。なお、可視情報形成層は、透光性基板1と遮光層2との間に形成することもできる。
可視情報形成層としては、金属層、着色樹脂層など、遮光層2とは色や表面状態の外観が異なる層を用いることができる。前記金属層としては、銀、アルミニウムなどの金属薄膜を用いることができる。前記着色樹脂層としては着色顔料や金属粉末を含む樹脂組成物層を用いることができる。
本発明の通知窓付き表示装置用前面保護板10は、上記した形態以外のその他の形態をとり得る。以下、その一部を説明する。
しかし、本発明においては、更にその他の構成要素を設けても良い。
タッチパネル用の透明電極を設けて、透光性基板1をタッチパネル用基板と兼用しても良い。タッチパネル機能との一体化は、タッチパネルとして必要な機能の一部を一体化する形態でも、その分に応じた部品点数の低減、薄型化の効果は得られるが、タッチパネルとしての必要な機能の全部を一体化するのが、より好ましい。
タッチパネル機能の一部を一体化する場合、例えば、そのタッチパネル機能として位置検知用の透明電極が必要な方式では、この透明電極を一体化することができる。タッチパネルの位置検知方式は従来から各種知られており、透明電極が2層になる位置検知方式では、このうちの少なくとも1層を、より好ましくは2層を一体化するのが望ましい。
図6および図7に例示する通知窓付き表示装置用前面保護板10は、タッチパネル機能の一体化の一例である。
図6の断面図で示す通知窓付き表示装置用前面保護板10の実施形態では、遮光層2、及び裏打ち層4が形成される側の一方の面S2の面上に、さらに、タッチパネル用の配線5および透明電極8を形成した構成例である。図7の平面図は、図6の通知窓付き表示装置用前面保護板10を表側から見た図である。ここでのタッチパネル用の透明電極8は、投影型静電容量方式の電極である。
本実施形態は、透光性基板1の遮光層2が形成された後の一方の面S2上に、第1のオーバーコート層6aが全面に形成されている。さらに、第1のオーバーコート層6aの面に、遮光層2が形成された不透明領域A2にそれ自体が不透明な配線5と、この配線5に電気的に接続する様に表示用領域A1から延びるタッチパネルの位置検知用の透明電極8のうちの第2の透明電極8bの一部が形成されている。同じく、第1のオーバーコート層6aの面に、透明電極8のうち第1の透明電極8aが、第2の透明電極8bと互いに電気的に絶縁されて形成されている。
第1の透明電極8a及び第2の透明電極8bは、ともに、中央の表示用領域A1内の位置検知領域から不透明領域A2の遮光層2に重なる部分まで延びて配線5に電気的に接続されている。
配線5は、図面では、第2の透明電極8bに対してのみ模式的に描いてあり、図示はしないが、第2の透明電極8bに接続する配線5も形成されている。
透明電極8の第1の透明電極8aおよび第2の透明電極8bも模式的に描いてある。
このため、第1の透明電極8aおよび第2の透明電極8bは、第1のオーバーコート層6aの面上において、互いに絶縁されて形成されている。
第1の透明電極8aおよび第2の透明電極8bのパターンは、投影型静電容量方式では各種パターンが知られており、特に限定はない。典型的には、複数の第1の透明電極8aが、第1の方向に延びて、この第1の方向に交差する方向、通常は直交する方向を第2の方向として、第2の透明電極8bが第2の方向に延びたパターンとなっている。また、本実施形態においても、第1の透明電極8aおよび第2の透明電極8bのパターンも、図7および図8の平面図で示すように、同様である。
ただし、図7(a)では、各透明電極8a,8bは、その大面積部のみを描いてあり、接続部及び取出し部の図示は省略してある。
第1のオーバーコート層6a、および第2のオーバーコート層6bは、互いに異なる材料で形成することもできるが、本実施形態においては、同一材料で形成してある。よって、本明細書において、これらを纏めて言うときは、単に「オーバーコート層6」とも呼ぶ。
オーバーコート層6は、表示に支障を来たさないように、透明な層として形成される。
オーバーコート層6は、特に透光性基板1がガラス製である場合に配線5同士間の絶縁性が経時的に低下するのを抑えたり、段差を軽減したりする必要があるときは、設けることが好ましい。
また、前記硬化性樹脂としては、遮光層2で述べた感光性樹脂などを用いることもできる。感光性樹脂の場合は、部分形成するときにフォトリソグラフィ法を利用することができる。
絶縁層7は、オーバーコート層6と同様の材料、方法で形成することができる。よって、さらなる説明は省略する。
透明電極8には、ITO(Indium Tin Oxide;インジウム錫酸化物)、IZO(Indium Zinc Oxide;インジウム亜鉛化物)、AZO(Aluminum Zinc Oxide;アルミニウム亜鉛酸化物)等の透明導電体薄膜をパターン形成したものを用いることができる。
図6の断面図で例示した実施形態の通知窓付き表示装置用前面保護板10を構成する各層は、例えば、次の様にして形成される。先ず、透光性基板1の一方の面S2に、所定パターンで非形成部を通知窓3の形状とした遮光層2を形成する。
次に、遮光層2が形成された側の面全面に、第1のオーバーコート層6aを形成した後、通知窓3の周囲の部分のオーバーコート層6の面に接して裏打ち層4を、遮光層2で隠れる位置に形成する配線5と、同一材料で同時にパターン形成する。次に、透明電極8として、第1の透明電極8aの全部と、交差部分が分断し欠損した第2の透明電極8bとを、同じ面に同時にパターン形成する。
次に、前記交差部分に絶縁層7をパターン形成し、この絶縁層7を跨いで、前記第2の透明電極8bの残りの欠損部分(接続部8bC)をパターン形成して第2の透明電極8bの全体を完成させる。最後に、第2のオーバーコート層6bを、配線5の一部を残して全面に形成することで、タッチパネル機能を一体化した通知窓付き表示装置用前面保護板10が製造される。
通知窓3は、その全領域において、図1(a)に例示の実施形態では、遮光層2が全く存在しない、つまり遮光層2の非形成部であった。しかし、通知窓3は、通知用の光の透過に支障を来たさない範囲内であれば、遮光層2の形成部が存在してもよい。図9〜図11に、通知窓3を、透過性とともに或る程度の遮光性も有する、半透過構造とした形態例を例示する。
通知窓3を半透過構造とすることによって、通知窓3の部分の存在を、通知用の光の消灯時に目立たなくさせることができ、遮光層2による不透明領域A2の意匠の一体感を増すことができる。
本発明による表示装置は、上記した通知窓付き表示装置用前面保護板10と、表示パネルとを備え、タッチパネルは備えないか備えた、表示装置である。
すなわち、本発明による表示装置は、上記した通知窓付き表示装置用前面保護板10と、タッチパネルと、表示パネルとを備え、このタッチパネルは位置検知用の透明電極8の周囲に有する不透明な配線5が前記通知窓付き表示装置用前面保護板10の遮光層2に重なり前記通知窓付き表示装置用前面保護板10側から目視不能となるように配置される構成であるか、
または、タッチパネル用の透明電極8も有する通知窓付き表示装置用前面保護板10と、表示パネルとを備えた構成である。
図12は、本発明による表示装置の実施形態例であり、同図に示す表示装置100は、図面上方の観察者V側の表側から順に、通知窓付き表示装置用前面保護板10、表示パネル30を備えている。
通知窓付き表示装置用前面保護板10は、前述した本発明による通知窓付き表示装置用前面保護板10である。より具体的に、この通知窓付き表示装置用前面保護板10はタッチパネル機能の一部として、さらに裏打ち層4と同一材料の配線5と、透明電極8とを有し、この透明電極8として、図示はしないが、図6で例示した通知窓付き表示装置用前面保護板10のように第1の透明電極8aと第2の透明電極8bとを有する形態のものである。
しかも、通知窓付き表示装置用前面保護板10は、裏打ち層4と配線5とが同一材料で形成されているので、裏打ち層4と配線5とは同一工程で形成でき、工程数を増やさずに裏打ち層4を設けることができる。この結果、コスト増となるのを抑えて、通知用の光の点灯又は点滅時に通知窓3の周囲が明るくなる光漏れを改善することができる。さらにタッチパネル機能が一体化しているので、部品点数が減り組み立て工数が少なくなり、この点でも、低コストなものとできる。
本発明の表示装置100は、上記した形態以外のその他の形態をとり得る。以下、その一部を説明する。
図12で例示した実施形態による表示装置100では、通知窓付き表示装置用前面保護板10はタッチパネル機能の一部として、配線5に加えて、透明電極8の第1の透明電極8aと第2の透明電極8bとが一体化している形態であった。
しかし、本発明においては、組み込もうとするタッチパネルが透明電極を備えた方式のものであり、しかもこの透明電極が、例えば抵抗膜方式のものであり、互いに絶縁された第1の透明電極8aと第2の透明電極8bとの2層が、互いに別々の基板上に形成される構造である場合は、図13に例示するように、このうちのいずれか一方の基板を通知窓付き表示装置用前面保護板10の透光性基板1と兼用する形態とすることができる。他方の透明電極が形成された基板は、通知窓付き表示装置用前面保護板10および表示パネル30とは別体のタッチパネル構成部材20aとして組み込んで、表示装置100を構成する。同図では、通知窓付き表示装置用前面保護板10が透明電極8aを備え、タッチパネル構成部材20aが透明電極8bを備える。
図14に例示するように、通知窓付き表示装置用前面保護板10が配線5も備える構成の場合に、配線5は、例えばセンサ接続用として、タッチパネル20とは一体化しない形態の通知窓付き表示装置用前面保護板10と、タッチパネル20と、表示パネル30とから、表示装置100を構成してもよい。
この際、センサ接続用の配線5を、裏打ち層4と同一材料とすれば、同時に形成できるので、製造工程数の増加を抑えて低コストのものとできる。
タッチパネル20は、中央の位置検知領域の外周部に、配線、制御回路、これらを電気的に接続するコネクタなどの何らかの不透明な構成要素を有する。これらの不透明な構成要素は、通知窓付き表示装置用前面保護板10の不透明領域A2の遮光層2に平面視において重なり、隠れる位置となるような、タッチパネル20と通知窓付き表示装置用前面保護板10との位置関係となっている。このため、これら配線などの不透明な構成要素が、表示装置100の外観を損なわない様にすることができる。
図12で例示した実施形態による表示装置100では、通知窓付き表示装置用前面保護板10と表示パネル30との間は、空隙を有し空気層が存在する構造となっているが、本発明においては、通知窓付き表示装置用前面保護板10と表示パネル30との間など、構成部材の間は、粘着剤層など樹脂層で埋め尽くしても良い。樹脂層によって部材表面での光反射が減ることで、表示をより見易くすることができる。
前記樹脂層には、粘着シート、塗布した樹脂液の固化層などを用いることができる。
前記粘着シートとしては、透明性に優れた光学グレードのものが好ましく、このような粘着シートとしては、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、エポキシ系粘着剤、シリコーン系粘着剤などからなるものを用いることができる。
本発明による通知窓付き表示装置用前面保護板10、及び表示装置100の用途は、特に限定されない。例えば、スマートフォンなどの携帯電話、タブレットPCなどの携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション、デジタルカメラ、電子手帳、ゲーム機器、自動券売機、ATM端末、POS端末、などである。
2 遮光層
3 通知窓
4 裏打ち層
5 配線
6 オーバーコート層
6a 第1のオーバーコート層
6b 第2のオーバーコート層
7 絶縁層
8 透明電極
8a 第1の透明電極
8b 第2の透明電極
9 可視情報
10 通知窓付き表示装置用前面保護板
20 タッチパネル
20a タッチパネル構成部材
30 表示パネル
40 従来の表示装置用前面保護板
100 表示装置
200 従来の表示装置
A1 表示用領域
A2 不透明領域
L 通知用の光源
S1 他方の面
S2 一方の面
V 観察者
Claims (6)
- 中央の表示用領域と、この表示用領域の外周部に設けられた外周部領域とを有し、この外周部領域に通知窓を有する、通知窓付き表示装置用前面保護板であって、
透光性基板と、この透光性基板の一方の面上の前記外周部領域に設けられた遮光層と、を有し、前記通知窓は、前記一方の面上の前記外周部領域内であって前記遮光層の非形成部を含む部分として設けられ、
さらに、前記一方の面上の前記外周部領域内であって前記通知窓に重なる部分を開口部として前記通知窓の少なくとも周囲に、前記遮光層に重なるように前記遮光層の面上の一部分に設けられ遮光性を有した裏打ち層を有し、
前記透光性基板の前記一方の面上に、タッチパネルの位置検知用の透明電極が設けられ、
前記透明電極は、第1の方向に延びる複数の第1の透明電極と、前記第1の方向と交差する第2の方向に延びる複数の第2の透明電極と、を含み、
前記遮光層上に、前記透明電極と接続された不透明な配線が設けられ、
前記配線は、前記第1の透明電極と接続された配線と、前記第2の透明電極と接続された配線と、を含み、
前記裏打ち層と前記配線とが、同一材料で形成されている、
通知窓付き表示装置用前面保護板。 - 前記遮光層は、前記裏打ち層と異なる材料で形成されている、請求項1に記載の通知窓付き表示装置用前面保護板。
- 前記裏打ち層の遮光性は、前記遮光層の遮光性以上である、請求項1または2に記載の通知窓付き表示装置用前面保護板。
- 前記裏打ち層の開口部は、前記通知窓よりも大きい、請求項1〜3のいずれか一項に記載の通知窓付き表示装置用前面保護板。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の通知窓付き表示装置用前面保護板と、
表示パネルと、を備える表示装置。 - 前記表示パネルが、液晶パネルまたは電界発光パネルである、請求項5に記載の表示装置。
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