JP5773275B2 - 通知窓付き表示装置用前面保護板、及び表示装置 - Google Patents

通知窓付き表示装置用前面保護板、及び表示装置 Download PDF

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本発明は、通知窓付き表示装置用前面保護板、及び表示装置に関する。特に、各種情報を光により通知する為の通知窓を備えた通知窓付き表示装置用前面保護板と、これを備えた表示装置に関する。
近年、スマートフォン、タブレットPC(パーソナルコンピュータ)など各種表示装置において、表示パネルと組み合わせて使用される位置入力装置として、タッチパネルが急速に普及してきている。タッチパネルは、以前から、電磁誘導方式、抵抗膜方式など各種方式のものが知られ、各種用途で使用されてきたが、最近その中でも特に注目されてきているのは、マルチタッチ(多点同時入力)が可能な静電容量方式のタッチパネルである。
図15は、典型的にはスマートフォン等のタッチパネル機能を備えた携帯電話としての従来の表示装置200の一例を模式的に示す平面図である。この表示装置200は、通知窓3によって、着信や電池の充電状態などの各種動作状態を、光の点滅、点灯、および色などにより、使用者に通知する機能を有する。通知窓3は、図15のように、表示装置用前面保護板40をはめ込んだケース50の一部に設けられ、この通知窓3の部分のケース内部に設けた通知用の光源、典型的にはLED(発光ダイオード)を動作させることにより、各種動作状況の通知が行われる。
図16は、図15に対して、通知窓3が設けられたケース50の図示は省略して、タッチパネル20を備えた表示装置200の主要な構成部品の一例を模式的に示す図である。図16(a)は分解平面図であり、図16(b)の断面図は図16(a)の分解平面図中で、C−C線で表示装置用前面保護板40を切断したときの表示装置用前面保護板40のみの断面図である。タッチパネル20は、表示パネル30に対して、表示パネル30からの表示光の出光側である表側(紙面で手前側)に配置される。さらに、タッチパネル20の保護の為に、前記表示パネル30からの表示光がタッチパネル20を通過して出光する側であるタッチパネル20の表側に、表示装置用前面保護板40が配置される(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
表示装置用前面保護板40は、通常、図16で例示する様に、その表示用領域A1の外周部が不透明領域A2となっており、不透明領域A2には遮光層2が形成されている。この不透明領域A2によって、表示装置用前面保護板40の裏側に配置されるタッチパネル20が、その外周部に有する配線5やコネクタ等が見えて外観を損ねないようにしている。また、不透明領域A2中には、製品ロゴなどの可視情報9なども適宜設けられ、不透明領域A2は表示装置用前面保護板40の加飾部にもなっている。
表示装置用前面保護板40、タッチパネル20及び表示パネル30の各部材は、界面反射による表示光の損失や外光反射を減らして表示を見易くする等のために、これらの部材の間は空間を設けずに樹脂層で埋めて、密着積層することもある。
また、薄型化、軽量化、部品点数削減などに対する要求に応えるべく、表示装置用前面保護板40とタッチパネル20との一体化、或いはタッチパネル20と表示パネル30との一体化などの各種一体化の形態が、提案され実用化も始まっている(特許文献1、特許文献2)。
特開2009−193587号公報 実用新案登録第3153971号公報 特開2008−266473号公報(〔0009〕、〔0030〕、図2)
ところで、通知窓3は、表示装置200のケース50に設けるのではなく、表示装置用前面保護板40に設けたデザインが望まれることがある。通知窓3を、表示装置用前面保護板40の部分に入れてしまうことで、表示装置用前面保護板40の部分の面積をより広くして、ケース50の外枠部分がより細い、デザインも可能となるからである。
通知窓3を、表示装置用前面保護板40に設けるには、図17の断面図で例示する様に、不透明領域A2内において、通知用の光源Lの観察者V側に位置する部分の遮光層2に非形成部を設けて、この非形成部を通知窓3とすればよい。しかし、解決すべき課題があることが判明した。
それは、図18の平面図で例示するように、通知用の光を点灯又は点滅したとき、通知窓3の周囲で遮光性が不足して光漏れが発生して薄く明るくなり、意匠性を損ねることがあることである。遮光層2の色は、デザイン上、或いは、遮光性に優れるなどの点で、通常、黒色とすることが多いが、こうした遮光性に優れた黒色であっても、タッチパネル用の透明電極なども一体化できるようにすることを考慮して、表示用領域A1と不透明領域A2との境界での遮光層2の段差による断線や気泡発生を防ぐ為に、遮光層2を5μm以下で薄く形成すると光漏れが目立ち易い。
光漏れの現象は、図19に示すように、遮光層2を、着色顔料にカーボンブラックを用いて黒色としても、カーボンブラックは可視光の長波長側である赤色側で遮光性が低下する特性、つまり透過率が大きくなる特性を有するからである。このため、可視光波長域の全体としての透過率は低くできても、長波長域での透過率が不足し、通知用の光が、使用頻度の大きい例えば着信通知など赤色であったときに、光漏れの現象は顕著であった。
本発明の課題は、表示装置用前面保護板に、光により各種情報を通知する為の通知窓を設けたときに、光の点灯又は点滅時に通知窓の周囲も明るくなる光漏れを改善することである。また、こうした通知窓付き表示装置用前面保護板を備えた表示装置を提供することである。
本発明では、次の様な構成の表示装置用前面保護板、及び表示装置とした。
(1)中央の表示用領域と、この表示用領域の外周部に設けられ可視光を遮蔽する不透明領域とを有し、この不透明領域に通知窓を有する、通知窓付き表示装置用前面保護板であって、
透光性基板と、この透光性基板の一方の面上の前記不透明領域に設けられた遮光層と、前記一方の面上の前記不透明領域内であって前記遮光層の非形成部を含む部分として設けられた通知窓と、を有し、
さらに、前記一方の面上の前記不透明領域内であって前記通知窓に重なる部分を開口部として前記通知窓の少なくとも周囲に、前記遮光層に重なるように前記遮光層の面上に設けられ遮光性を呈する裏打ち層を有する、
通知窓付き表示装置用前面保護板。
(2)さらに、前記一方の面上の前記遮光層に重なり前記透光性基板側から目視不能となるように設けられた配線を有し、
前記裏打ち層と前記配線とが、同一材料で形成されている、前記(1)の通知窓付き表示装置用前面保護板。
(3)前記透光性基板の前記一方の面上に、さらに、タッチパネルの位置検知用の透明電極が、前記表示用領域から前記不透明領域の前記遮光層の部分に延びて設けられており、前記遮光層の部分で前記配線に電気的に接続されている、前記(2)の通知窓付き表示装置用前面保護板。
(4)前記(1)または(2)の通知窓付き表示装置用前面保護板と、タッチパネルと、表示パネルとを備え、前記タッチパネルは位置検知用の透明電極の周囲に有する不透明な配線が前記通知窓付き表示装置用前面保護板の前記遮光層に重なり前記通知窓付き表示装置用前面保護板側から目視不能となるように配置された構成であるか、
または、前記(3)のタッチパネル用の透明電極も有する通知窓付き表示装置用前面保護板と、表示パネルとを備えた構成である、
表示装置。
(5)前記表示パネルが、液晶パネルまたは電界発光パネルである、前記(4)の表示装置。
本発明の通知窓付き表示装置用前面保護板によれば、通知用の光の点灯又は点滅時に通知窓の周囲も明るくなる光漏れを改善することができる。
本発明の表示装置によれば、それが備える通知窓付き表示装置用前面保護板が、前記効果を有する。
本発明による通知窓付き表示装置用前面保護板の一実施形態を説明する平面図(a)と、平面図中C−C線での部分拡大断面図(b)と、通知窓の部分を裏側から見た部分拡大平面図(c)。 通知窓の周囲に設ける裏打ち層の寸法を説明する平面図。 通知窓の周囲に設ける裏打ち層における開口部の寸法を説明する断面図。 通知窓に対応する開口部を大きめにした裏打ち層が位置ズレしたときの状況を例示する平面図。 通知窓に対応する開口部が大きすぎた裏打ち層のときの、通知窓の周囲の光漏れ状況を例示する平面図。 本発明による通知窓付き表示装置用前面保護板の別の実施形態(タッチパネル用の配線および透明電極付き)を模式的に説明する部分拡大断面図。 図6の通知窓付き表示装置用前面保護板を表側から見た平面図(a)、透明電極のパターンを説明する部分拡大平面図(b)および(c)。 図6および図7の通知窓付き表示装置用前面保護板における透明電極の交差部分を示す平面図(a)と断面図(b)。 通知窓の部分の別の形態例(半透過通知窓層)を例示する断面図。 通知窓の部分の別の形態例(膜厚が薄い半透過遮光層)を例示する断面図。 通知窓の部分の別の形態例(メッシュ状遮光層による疑似的半透過層)を例示する断面図(a)と平面図(b)。 本発明による表示装置の一実施形態(タッチパネル透明電極一体化)を模式的に説明する断面図。 本発明による表示装置の別の実施形態(タッチパネル透明電極一部一体化)を模式的に説明する断面図。 本発明による表示装置の別の実施形態(タッチパネル別体)を模式的に説明する断面図。 通知窓を有する従来の表示装置の外観の一例を示す平面図。 図15の表示装置の主要な構成部品の一例を模式的に示す分解平面図(a)と、分解平面図中C−C線での表示装置用前面保護板の断面図(b)。 遮光層のみによって形成した通知窓の部分の断面図。 図17の構成で、通知窓の周囲の光漏れを説明する平面図。 着色顔料にカーボンブラックを用いた遮光層では、可視光領域の長波長側で遮光性が低下(透過率が上昇)することを説明する透過率スペクトルを示す図。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面は概念図であり、説明上の都合に応じて適宜、構成要素の縮尺関係、縦横比等は誇張されていることがある。
〔A〕用語の定義:
以下に、本発明において用いる主要な用語について、その定義をここで説明しておく。
「表側」とは、通知窓付き表示装置用前面保護板10或いはその他の構成要素において、通知窓付き表示装置用前面保護板10を表示パネル30と組み合わせて使用したときに、表示パネル30から表示光が出光する側であり、表示パネル30の表示を観察する側を意味する。
「裏側」とは、前記「表側」とは反対側を意味し、通知窓付き表示装置用前面保護板10或いはその他の構成要素において、表示パネル30の表示光が入光する側を意味する。
「一方の面」と、その反対側の面である「他方の面」とは、何れかが前記「表側」となり、何れの面が前記「表側」となるかは本来は任意である。ただし、本明細書においては、遮光層2を必ず有する側の面を「一方の面」と呼ぶことにしており、この一方の面が裏側として使用される面となる。そこで、表側として使用される他方の面に符号S1を付けて「他方の面S1」と呼び、裏側となる一方の面に符号S2を付けて「一方の面S2」とも呼ぶ。
〔B〕通知窓付き表示装置用前面保護板:
本発明による通知窓付き表示装置用前面保護板を、図1に示す一実施形態例を参照して説明する。図1(a)は平面図、図1(b)は部分拡大断面図、図1(c)は部分拡大平面図である。
図1に示す実施形態の通知窓付き表示装置用前面保護板10は、図1(a)の平面図で示すように、中央の表示用領域A1と、この表示用領域A1の外周部に設けられ可視光を遮蔽する不透明領域A2とを有する。図1(b)の断面図は、図1(a)の平面図にて、C−C線で切断したときの断面図である。図1(b)の断面図で示すように、本実施形態における通知窓付き表示装置用前面保護板10は、透光性基板1と、この透光性基板1の他方の面S1とこの他方の面S1とは反対側の一方の面S2との2面のうちの、一方の面S2において、前記不透明領域A2に設けられた遮光層2とを有する。
本実施形態においては、遮光層2は透光性基板1の一方の面S2上に設けられ、この一方の面S2を裏側にして、言い換えると、一方の面S2はタッチパネル20や表示パネル30側に向けて、他方の面S1は表示パネル30の表示の観察者V側に向けて、用いられることを想定した形態である。
前記遮光層2は、着色顔料を感光性樹脂の硬化物からなる樹脂バインダ中に含む層となっている。本実施形態においては、前記着色顔料はカーボンブラックを黒色顔料として含み、黒色を表現した層となっている。遮光層2は、着色顔料と感光性樹脂の未硬化物とを含む着色感光性樹脂組成物を透光性基板1上に塗布し、フォトリソグラフィ法によってパターン形成することで、膜厚1〜2μm程度で形成されている。
通知窓付き表示装置用前面保護板10は、一方の面S2上の不透明領域A2内であって遮光層2の非形成部を含む部分として設けられた通知窓3を有する。本実施形態では、通知窓3は、遮光層2の非形成部そのものとして、円形形状で設けられている。つまり、遮光層2の非形成部は円形形状であり、この円形形状および大きさが、通知窓3の形状および大きさとなっている。このため、通知窓3の部分では透光性基板1を透して、裏側から表側に通知用の光が素通りするようになっている。
通知窓3の全周囲は、図1(c)の裏側から見た平面図で示すように、通知窓3の部分を開口部として遮光層2に重なるように遮光層2の面上に遮光性を呈する裏打ち層4が設けられている。この裏打ち層4によって、通知窓3の周囲の部分は、裏打ち層4が存在しない他の不透明領域A2の遮光層2の部分に比べて遮光性が大きくなっている。
裏打ち層4はフォトリソグラフィ法によってパターン形成されているために、裏打ち層4の開口部は通知窓3に正確に位置合わせして形成されている。このため、スクリーン印刷で裏打ち層4を形成する場合のように、位置合わせ精度を考慮して、裏打ち層4の開口部を通知窓3よりも例えば片側300μm(円形の場合での直径では600μm)などと、大きめにする必要がない。裏打ち層4を設けても、その開口部Aが片側300μmなどと大きめであると、開口部の部分でやはり光漏れが生じる(後述図5参照)。しかし、本実施形態においては、裏打ち層4の開口部の部分も含めて光漏れを改善することができる。
本実施形態においては、裏打ち層4は、遮光層2に比べて遮光性がとりわけ大きい不透明な金属薄膜層として形成されている。具体的には、裏打ち層4は、銀、パラジウム及び銅からなる銀合金(APCとも言う)によって、金属薄膜層として形成されている。
さらに、本実施形態においては、不透明領域A2には、配線5も有する。配線5も、裏打ち層4と同一材料の銀合金で形成されている。つまり、裏打ち層4と配線5まとは、金属組成が全く同一の銀合金で形成されている。しかも、同一材料の裏打ち層4と配線5とは、同時に形成されている。
以上のような構成とすることで、本実施形態における通知窓付き表示装置用前面保護板10では、通知用の光の点灯又は点滅時に通知窓3の周囲に光が漏れて明るくなる光漏れを改善することができる。
しかも、通知窓3の周囲に設けた裏打ち層4は、配線5と同一材料で形成されているので、裏打ち層4は配線5と同一工程で工程数を増やさずに設けることができるため、通知窓3の周囲に光が漏れて明るくなる光漏れを、コストをかけずに、改善することができる。
以下、構成要素毎にさらに詳述する。
〔表示用領域A1と不透明領域A2〕
通知窓付き表示装置用前面保護板10は、図1(a)の平面図で例示したように、中央に表示用領域A1を有し、表示用領域A1の外周部に、可視光を遮蔽する不透明領域A2を有する。表示用領域A1は、図1(b)の断面図において、二点鎖線の想像線で示す表示パネル30に適用したときに、通知窓付き表示装置用前面保護板10を透して、表示パネル30が表示する内容を表示できる領域である。不透明領域A2は、表示パネル30が外周部に有する配線、コネクタなどを隠したり、或いは、図1(b)の断面図において、二点鎖線の想像線で示すタッチパネル20に適用したときに、タッチパネル20がその外周部に有する不透明な配線、コネクタなどを隠したりする為の領域である。また、不透明領域A2は、遮光層2及びそれが表現する色、並びに、ロゴやマークなどの可視情報9によって加飾部にもなる領域である。
〔透光性基板1〕
透光性基板1は、少なくとも可視光線に対して透明で、通知窓付き表示装置用前面保護板10を適用するタッチパネル20や表示パネル30に対して、これらの表面を保護し得る機械強度を有するものであれば、特に制限はなく、代表的にはガラス板を用いることができる。とくに、前記ガラス板として、化学強化ガラスはフロートガラスに比べて機械的強度に優れ、その分薄くできる点で好ましい。化学強化ガラスは、典型的には、ガラスの表面近傍について、ナトリウムをカリウムに代えるなどイオン種を一部交換することで、化学的な方法によって機械的物性を強化したガラスである。
透光性基板1には、樹脂を用いることも可能である。例えば、前記樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂などを用いることができる。透光性基板1に樹脂を用いることで、軽量にできる上、可撓性を持たせることも可能となる。
〔遮光層2〕
図1に例示する実施形態における遮光層2は、透光性基板1のタッチパネル20及び表示パネル30側となる裏側の一方の面S2の不透明領域A2の部分に形成されている。遮光層2は、不透明領域A2中の全領域に設けられている。逆に言えば、この遮光層2によって、不透明領域A2が不透明な領域として形成される。
本実施形態においては、遮光層2は、透光性基板1の他方の面S1と一方の面S2のうちの一方の面S2の、不透明領域A2に形成される。
遮光層2は、タッチパネル20がその中央の位置検知領域に対して、その外周部に有する配線や制御回路、或いは表示パネル30がその中央の表示領域に対して、その外周部に有する配線や制御回路などを隠し、目視不能にして、タッチパネル20や表示パネル30と組み合わされた表示装置において、外観を損なわないようにする機能を有する。
遮光層2は、不要な部品を隠すための遮光性と共に、外観意匠を向上させる機能も有する。つまり、遮光層2は、任意の意匠を表現する加飾層としての機能も有する。
遮光層2の遮光性は、要求仕様、表現色にもよるが、透過率で言えば大きくても3%以下(光学濃度ODにて1.5以上)、より好ましくは透過率で1%以下(光学濃度OD2.0以上)、さらに好ましくは透過率で0.01%以下(光学濃度OD4.0以上)が望ましい。
遮光層2は、着色顔料を硬化性樹脂の硬化物からなる樹脂バインダ中に含む層から形成されている。本実施形態においては、硬化性樹脂として感光性樹脂を用いてある。このため、遮光層2は、着色顔料を感光性樹脂の硬化物からなる樹脂バインダ中に含む層からなる。
(着色顔料)
遮光層2に用いる着色顔料としては、遮光層2で表現する色に応じたものを用いれば良く、特に制限はない。例えば、着色顔料としては、黒色顔料、白色顔料、赤色顔料、黄色顔料、青色顔料、緑色顔料、紫色顔料などを用いることができる。着色顔料は、1種単独で用いても良いし、同種類の色、或いは異なる色の着色顔料を複数種類用いても良い。
前記黒色顔料には、例えば、カーボンブラック、チタンブラック(低次酸化チタン、酸窒化チタンなど)を用いることができる。
遮光層2の着色顔料としては、表現する色にもよるが、遮光性が得易い点で黒色顔料を用いることが好ましい。黒色顔料のなかでも、カーボンブラックはチタンブラックに比べて安価である点で好ましく、しかも、本発明においては、裏打ち層4の存在によって、安価なカーボンブラックが前述したように、可視光の長波長側で遮光性が低下するという欠点を、裏打ち層4によって補うことが可能となる。
前記白色顔料には、酸化チタン、シリカ、タルク、カオリン、クレイ、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、などを用いることができる。
前記赤色顔料には、例えば、ジケトピロロピロール系、アントラキノン系、ペリレン系などの赤色顔料を用いることができ、前記黄色顔料には、例えば、イソインドリン系、アントラキノン系などの黄色顔料を用いることができ、前記青色顔料には、例えば、銅フタロシアニン系、アントラキノン系などの青色顔料を用いることができ、前記緑色顔料には、例えば、フタロシアニン系、イソインドリン系などの緑色顔料を用いることができ、前記紫色顔料には、キナクリドン系、ジオキサジン系などの紫色顔料を用いることができる。
着色顔料の粒子の大きさは、通常、平均粒径で1μm以下であり、好ましくは大よそ0.03〜0.5μmである。
着色顔料の含有量は、遮光層2で表現する色にもよるが、着色顔料及び樹脂バインダを含む遮光層2の全固形分量に対する着色顔料の量の百分率で表した、顔料濃度で、例えば、10〜80%程度である。言い換えると、遮光層2の全固形分100質量部に対して、着色顔料は、10〜80質量部の範囲である。
(硬化性樹脂)
着色顔料を分散保持する樹脂バインダの樹脂成分となる前記硬化性樹脂としては、感光性樹脂、及び、熱硬化性樹脂から選ばれる樹脂を1種以上用いることができる。
前記感光性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリ桂皮酸ビニル系樹脂、環化ゴム、等の反応性ビニル基などの光反応性基を有する感光性樹脂を1種以上を用いることができる。前記アクリル系樹脂では、例えば、アルカリ可溶性樹脂、多官能アクリレート系モノマー、光重合開始剤、その他添加剤などからなる感光性樹脂を樹脂バインダの樹脂成分として用いることができる。
前記アルカリ可溶性樹脂には、ベンジルメタクリレート−メタクリル酸共重合体などのメタクリル酸エステル共重合体、ビスフェノールフルオレン構造を有するエポキシアクリレートなどのカルド樹脂、などを1種以上用いることができる。
前記多官能アクリレート系モノマーには、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、などを1種以上用いることができる。
なお、本発明において、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート、又は、アクリレートのいずれかであることを意味する。
前記光重合開始剤には、アルキルフェノン系、オキシムエステル系、トリアジン系、チタネート系などを1種以上用いることができる。例えば、アルキルフェノン系では、(2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン(イルガキュア(登録商標)907、BASFジャパン株式会社製))、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モノフォリオフェニル)ブタノン−1(イルガキュア(登録商標)369、BASFジャパン株式会社製))、オキシムエステル系では、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−,2−(O−ベンゾイルオキシム)(イルガキュア(登録商標)OXE01、BASFジャパン株式会社製))などを用いることができる。
前記熱硬化性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂等を、1種以上用いることができる。
遮光層2の樹脂バインダとしては、この他、光増感剤、分散剤、界面活性剤、安定剤、レベリング剤などの、公知の各種添加剤を含むことができる。
(遮光層2の形成)
遮光層2の形成法は、本発明においては、特に限定されない。例えば、遮光層2は、前記硬化性樹脂の未硬化物を含む樹脂バインダ中に着色顔料を含有する、着色硬化性樹脂組成物によって、形成することができる。
前記着色硬化性樹脂組成物には、さらに、この樹脂組成物を透光性基板1の面上に塗布する際の塗布適性、或いは印刷する際の印刷適性の調整などの為に、溶剤を含むことができる。
前記溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルセロソルブ、3−メトキシブチルアセテート、等を1種以上用いることができる。
硬化性樹脂として感光性樹脂を用いる場合、前記着色顔料、前記感光性樹脂の未硬化物としては、従来、カラーフィルタ用途として調整された着色レジスト用の材料を用いても良い。
硬化性樹脂として感光性樹脂を用いる場合、着色硬化性樹脂組成物を、透光性基板1の面上に塗布する方法は、例えば、スピンコート法、ロールコート法、ダイコート法、スプレーコート法、ビードコート法などの公知の塗工法によることができる。
着色硬化性樹脂組成物を塗布した後は、フォトリソグラフィー技術を用いて露光、現像、ベークなどの所定の工程を経て、パターニングすることにより、透光性基板1の面上の一部に、所定パターンの遮光層2を形成することができる。
硬化性樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合は、着色硬化性樹脂組成物からなるインクを用いて、印刷法によってパターン状に形成する。印刷法としては、特に制限はなく、例えば、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法等を適宜採用することができる。
以上のように、遮光層2のパターンの形成法は、基本的には特に限定されないが、フォトリソグラフィ法は、スクリーン印刷法に比べて、膜厚を薄くでき、遮光層2の形成部と非形成部との境界に生じる段差を低くできる点で好ましい。段差が大きいと、段差を跨いで透明電極を設けたときの段差部分での断線、オーバーコート層を設けたときの段差部分で気泡発生などが生じることがあるからである。
フォトリソグラフィ法で形成した遮光層2の膜厚は、5μm以下とすることができる。遮光層2の膜厚は、段差の点、および露光が層内部まで行き渡るようにする点では、薄い方が良く、好ましくは3μm以下、より好ましく2μm以下である。但し、薄すぎると、通知窓3の周囲は裏打ち層4で補ったとしても、裏打ち層4が積層されていない他の部分で遮光性が不足することがある。このため、遮光層2の膜厚の下限は0.2μm以上とすることが好ましい。また、フォトリソグラフィ法は、高精度なパターン形成ができる点でも好ましい。
〔通知窓3〕
通知窓3は、不透明領域A2内において遮光層2の非形成部を含む部分として設けられる。遮光層2の前記非形成部の部分で、通知窓付き表示装置用前面保護板10を裏側から表側に、通知用の光を通過させることができる。
前記「非形成部を含む部分」とは、通知窓3の領域内に、遮光層2の形成部があっても良いことを意味する。この点に関しては、後述する変形形態で、さらに説明する。
通知窓3の平面視の形状は、図1(a)に例示の実施形態では、円形であったが、円形以外の形状でよく、任意である。通知窓3の大きさも任意であるが、円形の場合で言えば、通常、直径1〜2mm程度である。
〔裏打ち層4〕
裏打ち層4は、通知窓3に重なる部分を開口部として通知窓3の少なくとも周囲に、遮光層2に重なるように遮光層2の面上に設ける遮光性を呈する層である。裏打ち層4の遮光性は、遮光層2に対して述べた前記遮光性以上であることが好ましい。
図2は、通知窓の周囲に設ける裏打ち層4の寸法を説明する平面図である。裏打ち層4を通知窓3の周囲に通知窓3からどこまで遠い部分まで設ければ良いかは、遮光層2の遮光性の不足具合に応じて決めればよい。同図では、裏打ち層4は、円形の通知窓3に対して片側で寸法Wだけ大きい、つまり半径が寸法Wだけ大きい円形を外径形状としている。寸法Wは、例えば直径1mmの円形の通知窓3に対して、1〜3mmである。
もちろん、裏打ち層4の外径形状は、通知窓3が円形の場合に、相似系の円形とする必要はなく、例えば、長方形であっても良い。
ただ、配線5も設ける場合は、配線5と同一材料で形成するのがコスト的に有利である点を考慮すると、配線5とは重ならない様な形状とするのが好ましい。
(開口部の形状)
裏打ち層4の開口部は、通知窓3に重なる部分として形成するが、裏打ち層4は遮光層2によって通知窓3が形成された後に形成されるため、裏打ち層4の開口部は通知窓3に対して、精度良く位置合わせして形成されたものであることが好ましい。
高精度の位置合わせが可能な点で、裏打ち層4は、スクリーン印刷法よりは、フォトリソグラフィ法によって形成することが好ましい。フォトリソグラフィ法によって形成した裏打ち層4は、通知窓3に対して位置精度を±10μm以下に容易にすることができるからである。
ただ、フォトリソグラフィ法で形成された裏打ち層4であっても、多少の位置合わせの誤差は許容できる開口部の形状及び寸法であることが好ましい。図3の断面図に示す裏打ち層4の開口部は、通知窓3に対して、片側で寸法差dだけ大きめの寸法とした例を示す。
仮に、通知窓3および開口部が共に円形形状で、開口部が通知窓3と完全に同一直径であったときに、位置ズレが10μm生じると、表側から通知窓3を透して最大で10μmの幅の三日月形状の裏打ち層4が見えることになる。この裏打ち層4が遮光層2と同様の着色樹脂材料で形成されているときは目立たないが、配線5と同一材料で形成されているときは、金属反射する裏打ち層4が視認されるおそれがある。
しかし、図3のように、開口部を通知窓3に対して大きめにしておけば、金属反射する裏打ち層4が位置ズレしても、図4の裏側から見たときの平面図で例示する様に、位置ズレが寸法差dの2倍に収まる範囲内であれば、裏打ち層4が見えることはない。
ただ、通知窓3の周囲は、わずかだが裏打ち層4が存在しない部分が生じる。裏打ち層4が存在しない部分が大きいと、図5の様に、通知窓3の周囲の光漏れが目立ちだし、通知用の光を点灯または点滅したときに、通知窓3の輪郭がシャープではなく滲んで見えることがある。
このため、開口部を通知窓3に対して大きくするときの片側での寸法差dは、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下とする。片側10μmの場合、裏打ち層4が通知窓3から見えない範囲内で最大にずれたとき、片側で20μmの裏打ち層4が存在しない部分が通知窓3の周囲一部に生じることになる。
上記寸法差dであれば、通知窓3の極近傍での周囲の光漏れは目立たなくさせることができる。
このように、裏打ち層4を、通知窓3に正確に位置決めして形成するよりは、通知窓3よりも大きめに形成した方が多少の位置ズレを許容できる点で有利である。
一方、裏打ち層4を、フォトリソグラフィ法よりも容易に厚く形成でき遮光性の点で有利であるスクリーン印刷法によって設けられたものとする場合では、位置合わせ精度の低下は避けられず、寸法差dは50〜300μm程度は見込む必要がある。このため、図5の表側から見た平面図で示すように、裏打ち層4が存在しない場合に比べれば、光漏れは改善するが、裏打ち層4が存在しない通知窓3の極近傍での光漏れまでは改善できない。
以上説明したように、本発明において、裏打ち層4が「通知窓3に重なる部分を開口部として通知窓3の少なくとも周囲に設けられる」という表現中、「通知窓3に重なる部分を開口部として」とは、多少の誤差を含めて実質的に重なることを意味する。つまり、本発明においては、通知窓3の外側に向かって一方の面S2の面内360°の全方向において、最大10μm大きくなった形状の開口部までは、「通知窓3に重なる開口部」であるとする。これを、通知窓3に実質的に重なると表現することもできる。
(材料)
裏打ち層4は、本実施形態においては、配線5と同一材料で形成されている。このため、裏打ち層4は導電体層として形成されている。裏打ち層4は配線5と同一材料で形成することが好ましい。
本実施形態のように、配線5も有し、この配線5と裏打ち層4とを同一材料で形成した形態では、裏打ち層4と配線5とを同一工程で形成できるので、工程数を増やさずに裏打ち層4を設けることができる。この結果、コスト増となるのを抑えて、通知用の光の点灯又は点滅時に通知窓3の周囲が明るくなる光漏れを改善することができる。
このような配線5と同一材料で形成される場合の裏打ち層4の形成には、例えば、銀、金、銅、クロム、プラチナ、アルミニウム、パラジウム、モリブデンなどの金属(含むその合金)などを用いることができる。例えば、銀、パラジウム及び銅からなる合金(APCとも言う)の金属層としてスパッタ法により製膜後、フォトリソグラフィ法によりパターン形成したものを用いることができる。
前記金属層は、公知の薄膜形成法によって金属薄膜層として形成することができる。例えば、スパッタ法、蒸着法、イオンプレーティング法等の物理的気相成長法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などの化学的気相成長法、等の気相成長法、或いは塗工法などである。
裏打ち層4の膜厚は、金属薄膜層の場合、例えば0.1〜2μm程度とすることができる。
裏打ち層4の形成法としては、特に制限はなく、フォトリソグラフィ法以外に、インクジェット印刷法などの印刷法によって形成しても良い。
ただ、フォトリソグラフィ法で金属薄膜層として形成することは、高精度な位置合わせができる点、例えば1μm以下と薄くできる点、及び同時形成する配線5を高精細に形成できる点で、好ましい。
裏打ち層4は、本実施形態においては、導電体層として形成されるが、裏打ち層4自体は、導電性を有していても、有していなくても、いずれでも良い。裏打ち層4は、本来は導電性である必要はないが、配線5と同一材料で形成される結果として、導電性を有する導電体層として形成される。ただし、本実施形態においては、この導電性を裏打ち層4は利用することはない。しかし、本発明においては、この導電性を利用する形態を排除しない。
裏打ち層4は、本実施形態においては、配線5と絶縁されて形成されている。具体的には、裏打ち層4と配線5とは、互いに物理的に接続した連続層としてではなく、互いに分離独立した独立層として形成されている。ただ、本発明においては、裏打ち層4と配線5とが、物理的に接続された連続層として形成されている形態を、排除しない。
本発明において、裏打ち層4を、配線5と同一材料で形成しない場合、裏打ち層4は樹脂材料で形成することができる。例えば、裏打ち層4は、着色顔料を硬化性樹脂の硬化物からなる樹脂バインダ中に含む層として形成することもできる。このため、裏打ち層4は、前記した遮光層2を形成する為の材料として述べた着色硬化性樹脂組成物を用いることができる。この場合のパターン形成法は、特に限定されないが、高精度なパターンおよび位置合わせができる点で、フォトリソグラフィ法が好ましい。フォトリソグラフィ法によって形成した裏打ち層4では、膜厚は例えば1〜2μmと、5μm以下とすることができる。
〔配線5〕
配線5は、本実施形態においては、裏打ち層4と同一材料で同時形成されている。配線5は、不透明な導電体層として形成される。配線5は、例えば、タッチパネル用途では、表示用領域A1から不透明領域A2にわたって形成される透明電極を、制御回路に接続するものとすることができる。配線5は、同じタッチパネル用途であっても、透明電極を用いない検知方式、例えば光学方式において、光学センサを制御回路に接続する配線であっても良い。
このように、配線5の用途は、特に限定されるものではない。配線5は、例えば、赤外線センサ、明るさセンサなどのセンサへの配線、グランドパターン、電磁波シールドパターン、静電防止パターン、アンテナ、非接触式充電コイル、などの導電体パターンであっても良い。
配線5には、例えば、銀、金、銅、クロム、プラチナ、アルミニウム、パラジウム、モリブデンなどの金属(含むその合金)などを用いることができる。例えば、銀、パラジウム及び銅からなる合金(APCとも言う)の金属層としてスパッタ法により製膜後、フォトリソグラフィ法によりパターン形成したものを用いることができる。
前記金属層を形成するには、公知の薄膜形成法によることができる。例えば、スパッタ法、蒸着法、イオンプレーティング法等の物理的気相成長法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などの化学的気相成長法、等の気相成長法、或いは塗工法などである。
配線5の膜厚は、金属薄膜層の場合、例えば0.1〜2μm程度とすることができる。
配線5の形成法としては、特に制限はなく、フォトリソグラフィ法以外に、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法などの印刷法によって形成しても良い。
ただ、フォトリソグラフィ法で金属薄膜層として形成することは、例えば1μm以下と薄くできる点、高精細に形成できる点で、好ましい。
また、配線5のパターン形成法としてフォトリソグラフィ法は、前記した様に、配線5と裏打ち層4とを同一材料とし、同一工程で同時形成することまで考慮すると、裏打ち層4を通知窓3に高精度に位置合わせできる点でも、好ましい。
〔可視情報9〕
図1に例示する通知窓付き表示装置用前面保護板10では、遮光層2が形成される不透明領域A2には可視情報9として製品のロゴマークなどが形成されている。
本発明においては、可視情報9は必須ではないが、不透明領域A2に対して、製品ロゴマーク、操作説明用の文字や記号、模様などの任意の目視可能な可視情報9を設けることができる。
可視情報9は、表側から見える様に、不透明領域A2内において、例えば、遮光層2の非形成部に設けることができる。この構成では、可視情報9は、遮光層2の前記非形成部の部分を、表側から見たときの色及び形状によって表現される目視可能な情報である。
可視情報9は、図示は省略するが、遮光層2の前記非形成部の部分に可視情報形成層を設けることで、この可視情報形成層を、表側から見たときの色及び形状によって表現することができる。なお、可視情報形成層は、透光性基板1と遮光層2との間に形成することもできる。
可視情報形成層としては、金属層、着色樹脂層など、遮光層2とは色や表面状態の外観が異なる層を用いることができる。前記金属層としては、銀、アルミニウムなどの金属薄膜を用いることができる。前記着色樹脂層としては着色顔料や金属粉末を含む樹脂組成物層を用いることができる。
《変形形態》
本発明の通知窓付き表示装置用前面保護板10は、上記した形態以外のその他の形態をとり得る。以下、その一部を説明する。
図1で示した実施形態では、通知窓付き表示装置用前面保護板10は、透光性基板1と、遮光層2と、通知窓3と、裏打ち層4と、さらに裏打ち層4と同一材料の配線5と、可視情報9とを有する形態例であった。
しかし、本発明においては、更にその他の構成要素を設けても良い。
〔タッチパネル機能との一体化〕
タッチパネル用の透明電極を設けて、透光性基板1をタッチパネル用基板と兼用しても良い。タッチパネル機能との一体化は、タッチパネルとして必要な機能の一部を一体化する形態でも、その分に応じた部品点数の低減、薄型化の効果は得られるが、タッチパネルとしての必要な機能の全部を一体化するのが、より好ましい。
タッチパネルとして必要な機能の全部を一体化した通知窓付き表示装置用前面保護板10は、タッチパネルと言うこともできる。タッチパネルとして必要な機能の一部を一体化した通知窓付き表示装置用前面保護板10は、タッチパネル用部材と言うこともできる。この点において、前記図1の実施形態にて、前記配線5がタッチパネル用のものである場合は、これだけでも、通知窓付き表示装置用前面保護板10は、タッチパネル用部材と言うこともできる。
タッチパネル機能の一部を一体化する場合、例えば、そのタッチパネル機能として位置検知用の透明電極が必要な方式では、この透明電極を一体化することができる。タッチパネルの位置検知方式は従来から各種知られており、透明電極が2層になる位置検知方式では、このうちの少なくとも1層を、より好ましくは2層を一体化するのが望ましい。
[タッチパネル用の配線5および透明電極8も有する形態]
図6および図7に例示する通知窓付き表示装置用前面保護板10は、タッチパネル機能の一体化の一例である。
図6の断面図で示す通知窓付き表示装置用前面保護板10の実施形態では、遮光層2、及び裏打ち層4が形成される側の一方の面S2の面上に、さらに、タッチパネル用の配線5および透明電極8を形成した構成例である。図7の平面図は、図6の通知窓付き表示装置用前面保護板10を表側から見た図である。ここでのタッチパネル用の透明電極8は、投影型静電容量方式の電極である。
本実施形態は、透光性基板1の遮光層2が形成された後の一方の面S2上に、第1のオーバーコート層6aが全面に形成されている。さらに、第1のオーバーコート層6aの面に、遮光層2が形成された不透明領域A2にそれ自体が不透明な配線5と、この配線5に電気的に接続する様に表示用領域A1から延びるタッチパネルの位置検知用の透明電極8のうちの第2の透明電極8bの一部が形成されている。同じく、第1のオーバーコート層6aの面に、透明電極8のうち第1の透明電極8aが、第2の透明電極8bと互いに電気的に絶縁されて形成されている。
第1の透明電極8a及び第2の透明電極8bは、ともに、中央の表示用領域A1内の位置検知領域から不透明領域A2の遮光層2に重なる部分まで延びて配線5に電気的に接続されている。
配線5は、図面では、第2の透明電極8bに対してのみ模式的に描いてあり、図示はしないが、第2の透明電極8bに接続する配線5も形成されている。
透明電極8の第1の透明電極8aおよび第2の透明電極8bも模式的に描いてある。
本実施形態では、タッチパネルの位置検知用の透明電極8として、第1の透明電極8aと、第2の透明電極8bとを、ともに同一の面上に形成するタッチパネル構造を採用している。すなわち、第1の透明電極8aおよび第2の透明電極8bは、透光性基板1の同一の面である一方の面S2の面上に形成される。
このため、第1の透明電極8aおよび第2の透明電極8bは、第1のオーバーコート層6aの面上において、互いに絶縁されて形成されている。
第1の透明電極8aおよび第2の透明電極8bのパターンは、投影型静電容量方式では各種パターンが知られており、特に限定はない。典型的には、複数の第1の透明電極8aが、第1の方向に延びて、この第1の方向に交差する方向、通常は直交する方向を第2の方向として、第2の透明電極8bが第2の方向に延びたパターンとなっている。また、本実施形態においても、第1の透明電極8aおよび第2の透明電極8bのパターンも、図7および図8の平面図で示すように、同様である。
図7(b)および図7(c)の部分拡大平面図は、透明電極8のパターン形状を模式的に示す。すなわち、第1の方向(図中、上下方向)に延びる複数の第1の透明電極8aと、前記第1の方向と直角に交差する第2の方向(図中、左右方向)に延びる複数の第2の透明電極8bとが、透明電極8として同一面上で互いに絶縁されて形成されている。図7(b)は第1の透明電極8aの部分拡大平面図であり、図7(c)は第2の透明電極8bの部分拡大平面図である。図7(b)の部分拡大平面図で示すように、一つの第1の透明電極8aは、菱形形状の複数の大面積部8aLと、互いに隣接する大面積部8aL同士を接続する接続部8aCと、不図示の、位置検知領域の外周部まで延びて配線5に電気的に接続する為の取出し部と、から構成される。同様に、図7(c)で示すように、一つの第2の透明電極8bも、菱形形状の複数の大面積部8bLと、互いに隣接する大面積部8bL同士を接続する接続部8bCと、不図示の取出し部と、から構成される。
ただし、図7(a)では、各透明電極8a,8bは、その大面積部のみを描いてあり、接続部及び取出し部の図示は省略してある。
図8(a)は、交差部分を示す平面図であり、図8(b)は図8(a)中、C−C線での断面図である。第1の透明電極8aの大面積部8aLと、第2の透明電極8bの大面積部8bLとは、同一平面に形成されている。さらに、第1の透明電極8aでは、接続部8aCも大面積部8aLと同一平面に連続層として形成される。一方、第2の透明電極8bでは、その大面積部8bLと接続部8bCとは同一平面で連続層として形成することは、互いに交差部分で、第1の透明電極8aとの絶縁を確保する為に不可能である。このため、第2の透明電極8bは、第1の透明電極8aとの交差部分(具体的には、第1の透明電極8aの接続部8aCの所)は、図8に示すように、絶縁層7を設けて、この絶縁層7を跨いで、第2の透明電極8bの接続部8bCが形成されることで、絶縁を確保している。
以上のようにして、第1の透明電極8aと第2の透明電極8bとの交差部分は、絶縁層7によって絶縁されている。絶縁層7は、少なくとも前記第1の透明電極8aと第2の透明電極8bとの交差部分に必要となる。前記第1の透明電極8aと第2の透明電極8bとのうち一方の電極のみ、他方の電極との交差部分が欠損したパターンで同一の面に同時に形成した後、交差部分のみ前記絶縁層7を形成し、この後、欠損部分を電気的に接続する接続部とする透明電極が形成されている。
図6の断面図で言えば、前記交差部分は、透光性基板1に近い側の透明電極8が、第1の透明電極8aであるので、第1の透明電極8aが形成された後の交差部分に対して絶縁層7が形成され、交差部分を跨いで接続用の透明電極が形成されて第2の透明電極8bが完成する。
さらに、本実施形態においては、第2の透明電極8bを形成後の、透光性基板1の透明電極8および配線5が形成された側の一方の面S2のほぼ全面に、第2のオーバーコート層6bが形成され、第1の透明電極8a及び第2の透明電極8bの表面を含む、通知窓付き表示装置用前面保護板10としての裏側の表面を、傷付きなどから保護している。ただし、図示は省略するが、この第2のオーバーコート層6bは、配線5がフレキシブルプリント配線基板(FPC)を介して制御回路に接続する部分は形成せず、配線5を露出してある。
本変形形態では、通知用の光の点灯又は点滅時に通知窓の周囲も明るくなる光漏れを改善することができる。さらに、その為に設けた裏打ち層4は、配線5と同一材料で同時形成されているので、工程数を増やさずに設けることができる。この結果、コスト増となるのを抑えて光漏れを改善することができる。しかも、タッチパネル機能も備えており、部品点数の削減、軽量化にも効果的である。
以下、本実施形態で追加された構成要素である、第1のオーバーコート層6a、第2のオーバーコート層6b、絶縁層7、透明電極8について、材料面での説明をする。
(オーバーコート層6)
第1のオーバーコート層6a、および第2のオーバーコート層6bは、互いに異なる材料で形成することもできるが、本実施形態においては、同一材料で形成してある。よって、本明細書において、これらを纏めて言うときは、単に「オーバーコート層6」とも呼ぶ。
オーバーコート層6は、表示に支障を来たさないように、透明な層として形成される。
オーバーコート層6は、特に透光性基板1がガラス製である場合に配線5同士間の絶縁性が経時的に低下するのを抑えたり、段差を軽減したりする必要があるときは、設けることが好ましい。
オーバーコート層6には、透明な樹脂、それも耐熱性の点で硬化性樹脂が好ましく、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂などを用いることができ、具体例を挙げれば、熱硬化性のエポキシ樹脂などを用いることができる。オーバーコート層6は、遮光層2と同様の塗工法で形成することができる。
また、前記硬化性樹脂としては、遮光層2で述べた感光性樹脂などを用いることもできる。感光性樹脂の場合は、部分形成するときにフォトリソグラフィ法を利用することができる。
(絶縁層7)
絶縁層7は、オーバーコート層6と同様の材料、方法で形成することができる。よって、さらなる説明は省略する。
(透明電極8)
透明電極8には、ITO(Indium Tin Oxide;インジウム錫酸化物)、IZO(Indium Zinc Oxide;インジウム亜鉛化物)、AZO(Aluminum Zinc Oxide;アルミニウム亜鉛酸化物)等の透明導電体薄膜をパターン形成したものを用いることができる。
(製造方法)
図6の断面図で例示した実施形態の通知窓付き表示装置用前面保護板10を構成する各層は、例えば、次の様にして形成される。先ず、透光性基板1の一方の面S2に、所定パターンで非形成部を通知窓3の形状とした遮光層2を形成する。
次に、遮光層2が形成された側の面全面に、第1のオーバーコート層6aを形成した後、通知窓3の周囲の部分のオーバーコート層6の面に接して裏打ち層4を、遮光層2で隠れる位置に形成する配線5と、同一材料で同時にパターン形成する。次に、透明電極8として、第1の透明電極8aの全部と、交差部分が分断し欠損した第2の透明電極8bとを、同じ面に同時にパターン形成する。
次に、前記交差部分に絶縁層7をパターン形成し、この絶縁層7を跨いで、前記第2の透明電極8bの残りの欠損部分(接続部8bC)をパターン形成して第2の透明電極8bの全体を完成させる。最後に、第2のオーバーコート層6bを、配線5の一部を残して全面に形成することで、タッチパネル機能を一体化した通知窓付き表示装置用前面保護板10が製造される。
〔通知窓3の半透過構造〕
通知窓3は、その全領域において、図1(a)に例示の実施形態では、遮光層2が全く存在しない、つまり遮光層2の非形成部であった。しかし、通知窓3は、通知用の光の透過に支障を来たさない範囲内であれば、遮光層2の形成部が存在してもよい。図9〜図11に、通知窓3を、透過性とともに或る程度の遮光性も有する、半透過構造とした形態例を例示する。
通知窓3を半透過構造とすることによって、通知窓3の部分の存在を、通知用の光の消灯時に目立たなくさせることができ、遮光層2による不透明領域A2の意匠の一体感を増すことができる。
図9は、通知窓3の部分には、遮光層2よりも遮光性を落として透過性を持たせた半透過通知窓層3Lを、遮光層2を形成した後に、遮光層2とは異なる材料で形成した例である。半透過通知窓層3Lは、遮光層2と同一色とすることが、目立たなくする点で好ましい。半透過通知窓層3Lは、例えば、遮光層2と同種の材料だが着色顔料の含有量を小さくした材料で、遮光層2と同様に形成することができる。
図10は、遮光層2を感光性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィ法によってパターン形成するときに、ハーフトーンマスクを用いて、通知窓3の部分と、通知窓3以外の部分とで、露光量を変えることで、同一材料で通知窓3の部分のみ膜厚を薄くした半透過遮光層2Lとなるように遮光層2を形成した形態である。
図11は、通知窓3の部分に遮光層2の非形成部を点状に散在させた例である。遮光層2は通知窓3の部分では、膜厚は通知窓3の部分と同じだが非形成部が散在したメッシュ状遮光層2Mが、疑似的半透過層となって、光を透過させることができる。
〔D〕表示装置:
本発明による表示装置は、上記した通知窓付き表示装置用前面保護板10と、表示パネルとを備え、タッチパネルは備えないか備えた、表示装置である。
すなわち、本発明による表示装置は、上記した通知窓付き表示装置用前面保護板10と、タッチパネルと、表示パネルとを備え、このタッチパネルは位置検知用の透明電極8の周囲に有する不透明な配線5が前記通知窓付き表示装置用前面保護板10の遮光層2に重なり前記通知窓付き表示装置用前面保護板10側から目視不能となるように配置される構成であるか、
または、タッチパネル用の透明電極8も有する通知窓付き表示装置用前面保護板10と、表示パネルとを備えた構成である。
〔タッチパネル機能を一体化した通知窓付き表示装置用前面保護板を備える形態〕
図12は、本発明による表示装置の実施形態例であり、同図に示す表示装置100は、図面上方の観察者V側の表側から順に、通知窓付き表示装置用前面保護板10、表示パネル30を備えている。
通知窓付き表示装置用前面保護板10は、前述した本発明による通知窓付き表示装置用前面保護板10である。より具体的に、この通知窓付き表示装置用前面保護板10はタッチパネル機能の一部として、さらに裏打ち層4と同一材料の配線5と、透明電極8とを有し、この透明電極8として、図示はしないが、図6で例示した通知窓付き表示装置用前面保護板10のように第1の透明電極8aと第2の透明電極8bとを有する形態のものである。
前記表示パネル30は、液晶表示パネル、電界発光(EL)パネルが代表的であるが、この他、電子ペーパーパネル、ブラウン管によるディスプレイ装置でもよく、公知の各種表示パネルでよい。
以上のような構成とすることで、通知窓3の周囲の光漏れを改善できる上、表示パネル30の表示用領域の外周部に存在する、表示内容それ自体には不要な、配線、コネクタ、制御回路などの各種構成要素を隠して、これらにより外観が損なわれることを防ぐことができる。
しかも、通知窓付き表示装置用前面保護板10は、裏打ち層4と配線5とが同一材料で形成されているので、裏打ち層4と配線5とは同一工程で形成でき、工程数を増やさずに裏打ち層4を設けることができる。この結果、コスト増となるのを抑えて、通知用の光の点灯又は点滅時に通知窓3の周囲が明るくなる光漏れを改善することができる。さらにタッチパネル機能が一体化しているので、部品点数が減り組み立て工数が少なくなり、この点でも、低コストなものとできる。
《表示装置としての変形形態》
本発明の表示装置100は、上記した形態以外のその他の形態をとり得る。以下、その一部を説明する。
〔タッチパネル機能を一体化した通知窓付き表示装置用前面保護板を備える形態〕
図12で例示した実施形態による表示装置100では、通知窓付き表示装置用前面保護板10はタッチパネル機能の一部として、配線5に加えて、透明電極8の第1の透明電極8aと第2の透明電極8bとが一体化している形態であった。
しかし、本発明においては、組み込もうとするタッチパネルが透明電極を備えた方式のものであり、しかもこの透明電極が、例えば抵抗膜方式のものであり、互いに絶縁された第1の透明電極8aと第2の透明電極8bとの2層が、互いに別々の基板上に形成される構造である場合は、図13に例示するように、このうちのいずれか一方の基板を通知窓付き表示装置用前面保護板10の透光性基板1と兼用する形態とすることができる。他方の透明電極が形成された基板は、通知窓付き表示装置用前面保護板10および表示パネル30とは別体のタッチパネル構成部材20aとして組み込んで、表示装置100を構成する。同図では、通知窓付き表示装置用前面保護板10が透明電極8aを備え、タッチパネル構成部材20aが透明電極8bを備える。
このように、タッチパネル用の透明電極も有する形態の通知窓付き表示装置用前面保護板10と、表示パネル30とを備えた構成の表示装置100は、その一形態として、タッチパネルの一部の機能を有するタッチパネル構成部材20aをタッチパネルとして、備える構成も含む。
また、タッチパネル用の透明電極も有する形態の通知窓付き表示装置用前面保護板10は、制御回路、この制御回路と配線5を電気的に接続するコネクタなどのタッチパネル機能の全部が一体化されたものとしても良い。もちろん、この場合、タッチパネルの機能の全部が一体化された通知窓付き表示装置用前面保護板10を用いる場合は、独立したタッチパネル20は備える必要はなく、通知窓付き表示装置用前面保護板10と、表示パネル30とを少なくとも備えた構成の表示装置となる。この形態では、表示パネル30の外周部の配線、コネクタ、制御回路などを隠せることになる。
どのような構成で通知窓付き表示装置用前面保護板10とタッチパネル機能とを一体化するかは、使用し得る製造設備、組立工程などの諸条件に適した、構成を選べば良い。
以上のような構成でも、通知窓3の周囲の光漏れを改善できる上、タッチパネル機能が一体化しているので、部品点数が減り組み立て工数が少なくなり、低コストなものとできる。
〔タッチパネル機能は一体化しない通知窓付き表示装置用前面保護板を備える形態〕
図14に例示するように、通知窓付き表示装置用前面保護板10が配線5も備える構成の場合に、配線5は、例えばセンサ接続用として、タッチパネル20とは一体化しない形態の通知窓付き表示装置用前面保護板10と、タッチパネル20と、表示パネル30とから、表示装置100を構成してもよい。
この際、センサ接続用の配線5を、裏打ち層4と同一材料とすれば、同時に形成できるので、製造工程数の増加を抑えて低コストのものとできる。
前記タッチパネル20は、典型的には、マルチタッチ(多点同時入力)が可能な投影型静電容量方式のタッチパネルであるが、この他、表面型静電容量方式、抵抗膜方式、電磁誘導方式、光学方式、など、透明電極を必要としない位置検知方式も含めた公知の各種位置検知方式のタッチパネルのいずれでも良い。
タッチパネル20は、中央の位置検知領域の外周部に、配線、制御回路、これらを電気的に接続するコネクタなどの何らかの不透明な構成要素を有する。これらの不透明な構成要素は、通知窓付き表示装置用前面保護板10の不透明領域A2の遮光層2に平面視において重なり、隠れる位置となるような、タッチパネル20と通知窓付き表示装置用前面保護板10との位置関係となっている。このため、これら配線などの不透明な構成要素が、表示装置100の外観を損なわない様にすることができる。
以上のような構成でも、通知窓3の周囲の光漏れを改善できる上、配線5と裏打ち層4とを同一材料で形成した形態では、部品点数が減り組み立て工数が少なくなり、低コストなものとできる。
〔粘着シートなどの樹脂層の介在〕
図12で例示した実施形態による表示装置100では、通知窓付き表示装置用前面保護板10と表示パネル30との間は、空隙を有し空気層が存在する構造となっているが、本発明においては、通知窓付き表示装置用前面保護板10と表示パネル30との間など、構成部材の間は、粘着剤層など樹脂層で埋め尽くしても良い。樹脂層によって部材表面での光反射が減ることで、表示をより見易くすることができる。
前記樹脂層には、粘着シート、塗布した樹脂液の固化層などを用いることができる。
前記粘着シートとしては、透明性に優れた光学グレードのものが好ましく、このような粘着シートとしては、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、エポキシ系粘着剤、シリコーン系粘着剤などからなるものを用いることができる。
〔D〕用途:
本発明による通知窓付き表示装置用前面保護板10、及び表示装置100の用途は、特に限定されない。例えば、スマートフォンなどの携帯電話、タブレットPCなどの携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション、デジタルカメラ、電子手帳、ゲーム機器、自動券売機、ATM端末、POS端末、などである。
1 透光性基板
2 遮光層
3 通知窓
4 裏打ち層
5 配線
6 オーバーコート層
6a 第1のオーバーコート層
6b 第2のオーバーコート層
7 絶縁層
8 透明電極
8a 第1の透明電極
8b 第2の透明電極
9 可視情報
10 通知窓付き表示装置用前面保護板
20 タッチパネル
20a タッチパネル構成部材
30 表示パネル
40 従来の表示装置用前面保護板
100 表示装置
200 従来の表示装置
A1 表示用領域
A2 不透明領域
L 通知用の光源
S1 他方の面
S2 一方の面
V 観察者

Claims (6)

  1. 中央の表示用領域と、この表示用領域の外周部に設けられた外周部領域とを有し、この外周部領域に通知窓を有する、通知窓付き表示装置用前面保護板であって、
    透光性基板と、この透光性基板の一方の面上の前記外周部領域に設けられた遮光層と、を有し、前記通知窓は、前記一方の面上の前記外周部領域内であって前記遮光層の非形成部を含む部分として設けられ、
    さらに、前記一方の面上の前記外周部領域内であって前記通知窓に重なる部分を開口部として前記通知窓の少なくとも周囲に、前記遮光層に重なるように前記遮光層の面上の一部分に設けられ遮光性を有した裏打ち層を有し、
    前記透光性基板の前記一方の面上に、タッチパネルの位置検知用の透明電極が設けられ、
    前記透明電極は、第1の方向に延びる複数の第1の透明電極と、前記第1の方向と交差する第2の方向に延びる複数の第2の透明電極と、を含み、
    前記遮光層上に、前記透明電極と接続された不透明な配線が設けられ、
    前記配線は、前記第1の透明電極と接続された配線と、前記第2の透明電極と接続された配線と、を含み、
    前記裏打ち層と前記配線とが、同一材料で形成されている、
    通知窓付き表示装置用前面保護板。
  2. 前記遮光層は、前記裏打ち層と異なる材料で形成されている、請求項に記載の通知窓付き表示装置用前面保護板。
  3. 前記裏打ち層の遮光性は、前記遮光層の遮光性以上である、請求項1または2に記載の通知窓付き表示装置用前面保護板。
  4. 前記裏打ち層の開口部は、前記通知窓よりも大きい、請求項1〜のいずれか一項に記載の通知窓付き表示装置用前面保護板。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の通知窓付き表示装置用前面保護板と、
    表示パネルと、を備える表示装置。
  6. 前記表示パネルが、液晶パネルまたは電界発光パネルである、請求項に記載の表示装置。
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