JP2014227545A - 炭素繊維用ピッチの製造方法 - Google Patents

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【課題】別の触媒がなくても高軟化点を有する炭素繊維用等方性ピッチを高い収率で得ること。【解決手段】本発明は、石油残渣油とC9留分を混合して混合物を形成した後、前記混合物を加熱して熱重合することで炭素繊維用等方性ピッチを製造する。【選択図】図1a

Description

本発明は、高軟化点を有する炭素繊維用等方性ピッチの製造方法に関し、より詳細には、石油残渣油とC9留分を混合して混合物を形成した後、前記混合物を加熱して熱重合することで炭素繊維用等方性ピッチを製造する方法に関する。本発明の製造方法によれば、別の触媒を必要とせず、比較的低い温度でも高い収率で高軟化点を有する炭素繊維用等方性ピッチを製造することができる。
炭素材料は、炭素の含量が95%以上のものであり、炭素が有する多様な性質を応用した様々な用途の素材が開発生産されている。炭素材料の原料としては、原則としてすべての炭素化合物が可能であるが、通常、最終製品の要求物性と製造コストに応じて適した原料が選択される。
このうち、特に、石油系対象原料としてFCC(fluidized catalytic cracker)、DO(decant oil)、およびPFO(Pyrolyzed fuel oil)は芳香族性が高く、硫黄と不溶分の含量が少なくて、高強度の炭素繊維やニードルコークス(needle coke)のような高価値の炭素材料に適した原料として注目されている。
従来、PFOのような重質油試料から異方性ピッチを製造する方法は、軽質留分が除去された前駆体ピッチに400℃付近で14時間以上の長時間の熱処理を施す方法と、ベンゼンやトルエンのような溶媒を使用して適切な範囲に分画した後に熱処理を施す方法と、に大別されてきた。
これに係り、様々な用途の炭素素材の開発努力に伴い触媒炭化反応や減圧熱処理過程などの様々な方法が試みられている。
PFOのような重質留分を改質してピッチを製造する炭化(carbonization)過程とは、留分内で熱分解反応が起こりガス、軽質留分が系外に放出されると同時に、ラジカル生成で活性化された分子が環化(cyclization)、芳香族化(aromatization)、重縮合化(polycondensation)される一連の過程を意味する。
ここで、重縮合反応の進行に伴い生成された縮合多環芳香族群の平面分子は、互いに平行に積層されてメソフェーズという固体と液体の中間性質を有する液晶を形成するが、この際、積層される程度や配列時の配向性に応じて、光学的等方性のピッチと光学的異方性のピッチとに分けられる。
一般的なピッチ系炭素繊維は、前駆体であるピッチの種類に応じて、液晶ピッチ系炭素繊維と等方性ピッチ系炭素繊維とに大別される。前記液晶ピッチ系炭素繊維は、前駆体として光学的異方性の液晶ピッチを使用して製造し、等方性ピッチ系炭素繊維は、前駆体として光学的等方性の等方性ピッチを使用して製造する。製造された炭素繊維の機械的物性は、液晶ピッチ系炭素繊維が一般的に高強度および高弾性を有し、等方性ピッチ系炭素繊維が低強度および低弾性の汎用的な物性を有する。
通常、ピッチ系炭素繊維は、前駆体であるピッチを紡糸機を使用して溶融紡糸して繊維化した後、繊維化したピッチを150〜350℃の温度範囲の酸化性雰囲気で所定時間酸化安定化処理した後、700〜3000℃の温度範囲の不活性雰囲気で用途に応じて所定時間処理する製造方法により製造される。
炭素繊維を製造する際に繊維の製造コストは原料である前駆体ピッチの価額、前駆体ピッチの紡糸性、酸化安定化の速度、炭化処理後の炭化収率などに影響を受け、製造工程別の所要時間においては、長時間の反応が必須な酸化安定化工程が最も長い時間を要すると知られており、酸化安定化性能に優れた前駆体ピッチの開発が重要な技術として知られている。
前記のようにピッチ系炭素繊維用ピッチ前駆体は、液晶ピッチと等方性ピッチとに大別されるが、等方性ピッチ系炭素繊維の原料として使用される軟化点が200℃以上の等方性ピッチの製造方法としては、真空蒸留および溶剤抽出により石炭系ピッチから低分子量成分を除去する方法と、単純熱縮合により原料内の低分子量成分を縮合して高分子成分に変える方法と、前記二つの方法を併行して製造する方法と、が挙げられる。しかし、このような方法は、広い分子量分布を有する原料から比較的狭い範囲の分子量分布を有する等方性ピッチを製造することはできるが、収率が低いだけでなく加熱時に容易に液晶化される成分が残るなど、製造したピッチの均質性および紡糸性などの点において欠点がある。
特許文献1には、原料である石炭系ピッチからキノリン不溶分を除去した後、これを水素化し、その後、酸化性ガスを分取して等方性炭素繊維の前駆体である高軟化点等方性ピッチを製造する方法が開示されている。
また、特許文献2および特許文献3には、等方性ピッチ前駆体の軟化点を上昇させるためにジニトロナフタレンなどをピッチ製造のために熱処理する際に添加する方法が開示されている。
しかし、上述のようにピッチの水素化のためには、高価な水素化触媒を使用して高温で反応させた後に水素化触媒を除去しなければならないため、前駆体ピッチの製造コストを上昇させる原因となり、軟化点を上昇させるために添加する窒素酸化物が高価であり、実際の反応で均一な反応が形成されず、製造したピッチ前駆体の溶融紡糸性を低下させることが欠点として指摘されてきた。
また、ナフサ分解残渣油にBF3‐エーテルの錯体を重合触媒剤として使用して高軟化点のピッチ前駆体を製造する方法が非特許文献1に開示されている。しかし、この場合には触媒として使用するBF3‐エーテルが非常に高価であるため大規模の製造工程に適していないという問題点がある。
最近、特許文献4、特許文献5などには、コールタールピッチおよび石油系減圧残渣油(Vacuum residues)を原料とし、ハロゲンおよびハロゲン化合物を重合添加剤として使用して等方性ピッチを製造する方法が開示されている。
しかし、前記従来の方法では、ナフサ分解残渣油を原料として使用して優れた溶融紡糸性、優れた酸化安定化性および炭化後の高い炭化収率を有する炭素繊維製造用等方性ピッチ前駆体を比較的温和な条件で高収率で製造することに限界がある。
特に、原料としてナフサ分解残渣油、特に熱分解燃料油(Pyrolyzed Fuel Oils、PFO)を使用してハロゲンおよびハロゲン化合物を添加して単純に重合し、低分子物質を除去して前記前駆体ピッチとしての特性に優れた等方性炭素繊維製造用の高軟化点等方性ピッチ前駆体を35重量%以上の高収率で製造することが不可能であるという問題があった。
特許公開公報第1994‐256767号 特許公開公報第1993‐132767号 特許公開公報第1993‐132675号 韓国特許出願第1997‐0036064号 韓国特許出願第1997‐0036065号
韓国繊維工学会論文集,1997,pp.395
本発明は、前記のような問題点を解決し、高軟化点を有する炭素繊維用等方性ピッチの製造方法を提供することを目的とし、より詳細には、石油残渣油とC9留分を混合して混合物を形成した後、前記混合物を加熱して熱重合することで炭素繊維用等方性ピッチを製造する方法を提供する。本発明の製造方法によれば、別の触媒を必要とせず、比較的低い温度でも高い収率で高軟化点を有する炭素繊維用等方性ピッチを製造することができる。
前記目的を達成するための本発明の実施例による炭素繊維用ピッチの製造方法は、石油残渣油とC9留分を混合して混合物を形成する段階と、前記混合物を1次加熱して鎖延長反応を誘導する1次加熱段階と、前記1次加熱終了後に昇温して低沸点物を除去する2次加熱段階と、前記2次加熱終了後に昇温して縮合反応を誘導する3次加熱段階と、を含むことを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、優れた反応性により別の触媒がなくても高軟化点を有する等方性ピッチを高い収率で得ることができる。
本発明の実施例1により製造されたピッチを使用して製造した炭素繊維のSEM写真である(正面図)。 本発明の実施例1により製造されたピッチを使用して製造した炭素繊維のSEM写真である(断面図)。
その他の実施例の具体的な事項は以下の詳細な説明および図面に含まれている。
本発明の利点および/または特徴、それらを達成する方法は、後述する実施例および図面を参照すれば明らかになる。しかし、本発明は、以下に開示する実施例に限定されず、互いに異なる多様な形態に具現される。ただし、本実施例は、本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであって、本発明は請求項の範疇によって定義されるだけである。
以下、本発明に係る炭素繊維用ピッチの製造方法について詳細に説明する。
本発明の実施例による炭素繊維用ピッチの製造方法は、1)石油残渣油とC9留分を混合して混合物を形成する段階と、2)前記混合物を加熱する段階と、を含む。先ず、1)石油残渣油とC9留分を混合して混合物を形成する段階について説明する。
前記石油残渣油とC9留分を反応器に投入して常温で混合する。
ここで、前記石油残渣油は炭素繊維用ピッチの炭素源であり、本発明では、特にナフサ分解残渣油として熱分解燃料油(PFO)を含むものが好ましい。前記熱分解燃料油(PFO)は、ナフサ分解工程(naphtha cracking center;NCC)の塔底部(bottom)で生成されるものであり、方向化度が高く、樹脂の含量が豊富で、本発明の製造方法において好適である。
前記熱分解燃料油(PFO)は、様々な芳香族炭化水素類を含んでおり、ナフタレンとメチルナフタレン誘導体が略25〜35%を占める。前記ナフタレンとメチルナフタレン誘導体の具体例としては、エチルベンゼン(ethylbenzene)、1‐エテニル‐3‐メチルベンゼン(1‐ethenyl‐3‐methyl benzene)、インデン(Indene)、1‐エチル‐3‐メチルベンゼン(1‐ethyl‐3‐methyl benzene)、1‐メチルエチルベンゼン(1‐methylethylbenzene)、2‐エチル‐1,3‐ジメチルベンゼン(2‐ethyl‐1,3‐dimethyl benzene)、プロピルベンゼン(propylbenzene)、1‐メチル‐4‐(2‐プロペニル)‐ベンゼン(1‐methyl‐4‐(2‐propenyl)benzene)、1,1a,6,6a‐テトラヒドロ‐シクロプロパ[a]インデン(1,1a,6,6a‐tetrahydro‐cycloprop[a]indene)、2‐エチル‐1H‐インデン(2‐ethyl‐1H‐indene)、1‐メチル‐1H‐インデン(1‐methyl‐1H‐indene)、4,7‐ジメチル‐1H‐インデン(4,7‐dimethyl‐1H‐indene)、1‐メチル‐9H‐フルオレン(1‐methyl‐9H‐Fluorene)、1,7‐ジメチルナフタレン(1,7‐dimethyl naphthalene)、2‐メチルインデン(2‐methylindene)、4,4´‐ジメチルビフェニル(4,4´‐dimethyl biphenyl)、ナフタレン(naphthalene)、4‐メチル‐1,1´‐ビフェニル(4‐methyl‐1,1´‐biphenyl)、アントラセン(Anthracene)、2‐メチルナフタレン(2‐methylnaphthalene)、1‐メチルナフタレン(1‐methylnaphthalene)などが挙げられる。
本発明において、前記石油残渣油、すなわち炭素源は、低沸点物が除去されたものであってもよい。低沸点物はほとんどが揮発して反応に参加しないためピッチとして収率が極めて低いものであり、C3〜C8範囲の炭化水素がこれに属する。本発明では、このような低沸点物を除去した炭素源を使用する場合、さらに高い収率で高軟化点ピッチを製造することができる。
一方、本発明の前記石油残渣油と混合して反応する前記C9留分は、炭素数9個を主とする留分であり、具体例として、スチレン、ビニルトルエン、インデン、α‐メチルスチレンまたはベンゼン/トルエン/キシレン(BTX)を含むことができる。
本発明の前記C9留分の芳香族性(fa)は40〜60%が好ましい。芳香族性が40%未満の場合には、重合反応に参加可能な原料物質が少なくて生成物のパラフィン化および低い収率の問題があり、60%を超える場合には、熱重合時に急速なコーキングの問題がある。
本発明の石油残渣油とC9留分混合物のうち前記C9留分は前記石油残渣油100重量部に対して10〜50重量部の割合で混合することが好ましい。C9留分の含量が石油残渣油100重量部に対して10重量部未満の場合には、反応に参加するC9が少なくて要求するピッチの製造が困難であるという問題があり、50重量部を超える場合には、余分なC9の自己重合反応により要求していない生成物が生じる問題がある。
以下、2)前記混合物を加熱する段階について説明する。
前記加熱する段階は2段以上の多段加熱によるものであってもよい。
具体的に、前記加熱する段階は、前記混合物を1次加熱する1次加熱段階と、前記1次加熱終了後に昇温する2次加熱段階と、前記2次加熱終了後に昇温する3次加熱段階と、を含むことができる。
1次加熱段階では、石油残渣油とC9留分の混合物を1次加熱して鎖延長反応を誘導する。
前記1次加熱段階では、C9留分の二重結合鎖が解除されてラジカルが形成され、石油残渣油と鎖が延長する鎖延長反応が起こる。芳香族構造を有する化合物がラジカルを介して結合を形成し、長鎖下に多数の芳香族構造を有する形態となる。
ここで、加熱温度は80〜100℃が好ましい。加熱温度が80℃未満の場合には、C9からのラジカル形成が不可能であるという問題があり、100℃を超える場合には、鎖延長反応が終結する問題がある。
また、加熱時間は1〜2時間が好ましい。加熱時間が1時間未満の場合には、十分な反応が不可能であるという問題があり、2時間を超える場合には、反応終結後に鎖構造のクロスリンクによって反応中に固化しうるという問題がある。
2次加熱段階では、前記1次加熱終了後に昇温して低沸点物を除去する。
本発明の熱重合の最終ターゲット温度(360℃付近)ではコーキング(coking)が徐々に起こるため、本発明の前記2次加熱段階で中間温度区間をおくことで、コーキングを低減するとともに低沸点物を除去するようになる。
ここで、1次加熱後に昇温して達する2次加熱温度は250〜300℃が好ましい。加熱温度が250℃未満の場合には、低沸点物の除去が困難であるという問題があり、300℃を超える場合には、低沸点物除去以外にもコーキング反応が起こりうるという問題がある。
また、加熱時間は30分〜2時間が好ましい。加熱時間が30分未満の場合には、低沸点物の十分な除去が不可能であるという問題があり、2時間を超える場合には、コーキングが開始しうるという問題がある。
3次加熱段階では、前記2次加熱終了後に昇温して縮合反応を誘導する。
前記3次加熱段階では、熱重合のターゲット温度に逹し、石油残渣油とC9留分の縮合反応が起こり、これにより最終的に240℃以上、好ましくは240〜300℃の高温の軟化点を有するピッチが合成される。
ここで、2次加熱後に昇温して達する3次加熱温度は320〜360℃が好ましい。加熱温度が320℃未満の場合には、縮合反応および残りの低沸点物の除去が不可能であるという問題があり、360℃を超える場合には、クラッキング反応および急速なコーキング反応による反応物損失およびコーキングの問題がある。
また、加熱時間は3〜8時間が好ましく、さらに好ましくは3〜4時間が好適である。加熱時間が3時間未満の場合には、縮合反応および残りの低沸点物の除去が不可能であるという問題があり、8時間を超える場合には、コーキングおよびクラッキングの問題がある。
以下、本発明の好ましい実施例について記述する。以下の実施例は例を挙げて本発明について説明するためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
実施例
(1)高軟化点ピッチの製造
炭素源として熱分解燃料油(PFO)とC9留分を反応器に投入して均一に混合した後、1次加熱、2次加熱、3次加熱の過程を経て熱重合反応を行った。
熱重合反応終了後に1L/minの流量の窒素ガスを2時間通過させて未反応または低反応の分子を除去し、目的とする高軟化点の光学的等方性ピッチを取得した。
各実施例の反応条件は下記表1に示したとおりである。
(2)取得したピッチの軟化点および収率
前記実施例により製造されたピッチの軟化点および収率を測定して下記表2に示した。
(3)炭素繊維の製造
前記実施例1により合成されたピッチを利用して、通常の方法である紡糸、酸化、炭化の過程を経て炭素繊維を製造した。
前記実施例1により合成されたピッチを利用した炭素繊維のSEM写真は図1a(正面図)および図1b(断面図)に示した。
図1から確認できるように、本発明の最適化した合成条件によって製造したピッチを利用した場合、球状の不溶化成分が形成されず、最終に製造された炭素繊維が等方性を有することになる。
(4)製造した炭素繊維の引張強度および弾性率の実験
前記実施例1により合成されたピッチを利用した炭素繊維a1〜a10の引張強度および弾性率を表3に示した。
表3から確認できるように、本発明の実施例1のように最適化した合成条件を有するピッチを利用した場合、1GPaの平均引張強度、56GPaの弾性率を有する優れた物性の炭素繊維が製造される点を確認することができた。
以上、本発明に係る具体的な実施例について説明したが、本発明の範囲から外れない範囲内では多様な変形が可能であることは言うまでもない。したがって、本発明の範囲は上述した実施例に限定されて定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等なものなどによって定めるべきである。
以上、本発明について限定された実施例により説明したが、本発明は、前記の実施例に限定されず、本発明が属する分野において通常の知識を有する者であればこのような記載から多様な修正および変形が可能である。したがって、本発明の思想は下記の特許請求の範囲のみによって把握されなければならず、その均等または等価的な変形はすべて本発明思想の範疇に属するといえる。

Claims (17)

  1. 石油残渣油とC9留分を混合して混合物を形成する段階と、
    前記混合物を加熱する段階と、を含むことを特徴とする炭素繊維用ピッチの製造方法。
  2. 前記加熱する段階は、2段以上の多段加熱によるものであることを特徴とする、請求項1に記載の炭素繊維用ピッチの製造方法。
  3. 前記加熱する段階は、
    前記混合物を1次加熱する1次加熱段階と、
    前記1次加熱終了後に昇温する2次加熱段階と、
    前記2次加熱終了後に昇温する3次加熱段階と、を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の炭素繊維用ピッチの製造方法。
  4. 前記1次加熱段階における加熱温度は80〜100℃であることを特徴とする、請求項3に記載の炭素繊維用ピッチの製造方法。
  5. 前記1次加熱段階における加熱時間は1〜2時間であることを特徴とする、請求項3または4に記載の炭素繊維用ピッチの製造方法。
  6. 前記1次加熱段階で鎖延長反応が誘導されることを特徴とする、請求項3〜5のいずれか1項に記載の炭素繊維用ピッチの製造方法。
  7. 前記2次加熱段階における加熱温度は250〜300℃であることを特徴とする、請求項3に記載の炭素繊維用ピッチの製造方法。
  8. 前記2次加熱段階における加熱時間は30分〜2時間であることを特徴とする、請求項3または7に記載の炭素繊維用ピッチの製造方法。
  9. 前記2次加熱段階で低沸点物が除去されることを特徴とする、請求項3、7、8のいずれか1項に記載の炭素繊維用ピッチの製造方法。
  10. 前記3次加熱段階における加熱温度は320〜360℃であることを特徴とする、請求項3に記載の炭素繊維用ピッチの製造方法。
  11. 前記3次加熱段階における加熱時間は3〜8時間であることを特徴とする、請求項3または10に記載の炭素繊維用ピッチの製造方法。
  12. 前記3次加熱段階で縮合反応が起こることを特徴とする、請求項3、10、11のいずれか1項に記載の炭素繊維用ピッチの製造方法。
  13. 前記石油残渣油はナフサ分解残渣油を含むことを特徴とする、請求項1に記載の炭素繊維用ピッチの製造方法。
  14. 前記石油残渣油は熱分解燃料油(PFO)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の炭素繊維用ピッチの製造方法。
  15. 前記石油残渣油は低沸点物が除去されたものを含むことを特徴とする、請求項1に記載の炭素繊維用ピッチの製造方法。
  16. 前記C9留分の芳香族性は40〜60%であることを特徴とする、請求項1に記載の炭素繊維用ピッチの製造方法。
  17. 前記混合物のうち前記C9留分は前記石油残渣油100重量部に対して10〜50重量部の割合で混合することを特徴とする、請求項1または16に記載の炭素繊維用ピッチの製造方法。
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