JP2014225359A - リチウムイオン二次電池用正極活物質 - Google Patents

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Abstract

【課題】2価のニッケルイオンの生成を抑制する手段を提供する。
【解決手段】比表面積が0.4〜0.6m/gであるリチウムニッケル複合酸化物の表面にリチウムマンガン複合酸化物が添着している添着粒子を含む、リチウムイオン二次電池用正極活物質。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用正極活物質に関する。
近年、地球温暖化に対処するため、二酸化炭素量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池などの電気デバイスの開発が盛んに行われている。
モータ駆動用二次電池としては、全ての電池の中で最も高い理論エネルギーを有するリチウムイオン二次電池が注目を集めており、現在急速に開発が進められている。リチウムイオン二次電池は、一般に、活物質等がバインダとともに集電体に塗布されてなる活物質層を有する正極および負極が、電解質層を介して接続され、電池ケースに収納される構成を有している。
上述したような自動車等のモータ駆動用電源として用いられる非水電解質二次電池には、携帯電話やノートパソコン等に使用される民生用非水電解質二次電池と比較して極めて高い出力特性を有することが求められている。このような要求に応えるべく、鋭意研究開発が進められているのが現状である。
特許文献1には、ニッケル複合酸化物を炭素質物質で被覆した正極活物質を含む電池用正極が開示されている。
特開平10−188955号公報
しかしながら、特許文献1に記載の電池用正極においては、電気化学的に不活性な2価のニッケルイオン(Ni2+)が生成するため、該電池用正極を含むリチウムイオン二次電池のサイクル特性が低下するという問題があった。
そこで、本発明は、2価のニッケルイオンの生成を抑制する手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を積み重ねた。その結果、特定の範囲の比表面積を有するリチウムニッケル複合酸化物の表面にリチウムマンガン複合酸化物を添着させた添着粒子を含む正極活物質により、上記課題が解決することを見出した。
リチウムニッケル複合酸化物の表面に添着したリチウムマンガン複合酸化物が、電解液によるニッケルの還元を抑制し、2価のニッケルイオン(Ni2+)の生成を抑制する。
リチウムイオン二次電池の一実施形態である、扁平型(積層型)の双極型でない非水電解質リチウムイオン二次電池の基本構成を示す断面概略図である。 リチウムイオン二次電池の他の実施形態である、双極型リチウムイオン二次電池の基本構成を示す断面概略図である。 リチウムイオン二次電池のさらに他の一実施形態である扁平なリチウムイオン二次電池の外観を表した斜視図である。 正極活物質としてニッケル酸リチウムのみを用いた試験用セルの容量維持率に対する実施例2−1〜2−2および比較例2−1〜2−5の試験用セルの容量維持率の比を示すグラフである。 正極活物質としてニッケル酸リチウムのみを用いた試験用セルと実施例1−2の試験用セルとについて、X線吸収分光法により測定されたスペクトルを示す図である。
まず、リチウムイオン二次電池の好ましい実施形態として、非水電解質リチウムイオン二次電池について説明するが、以下の実施形態のみには制限されない。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
リチウムイオン二次電池の電解質の形態で区別した場合に、特に制限はない。例えば、非水電解液をセパレータに含浸させた液体電解質型電池、ポリマー電池とも称される高分子ゲル電解質型電池および固体高分子電解質(全固体電解質)型電池のいずれにも適用されうる。高分子ゲル電解質および固体高分子電解質に関しては、これらを単独で使用することもできるし、これら高分子ゲル電解質や固体高分子電解質をセパレータに含浸させて使用することもできる。
図1は、扁平型(積層型)の双極型ではない非水電解質リチウムイオン二次電池(以下、単に「積層型電池」ともいう)の基本構成を模式的に表した断面概略図である。図1に示すように、本実施形態の積層型電池10aは、実際に充放電反応が進行する略矩形の発電要素21が、外装体である電池外装材29の内部に封止された構造を有する。ここで、発電要素21は、正極と、電解質層17と、負極とを積層した構成を有している。正極は、正極集電体11の両面に正極活物質層13が配置された構造を有する。負極は、負極集電体12の両面に負極活物質層15が配置された構造を有する。具体的には、1つの正極活物質層13とこれに隣接する負極活物質層15とが、電解質層17を介して対向するようにして、負極、電解質層および正極がこの順に積層されている。これにより、隣接する正極、電解質層および負極は、1つの単電池層19を構成する。したがって、図1に示す積層型電池10aは、単電池層19が複数積層されることで、電気的に並列接続されてなる構成を有するともいえる。
なお、発電要素21の両最外層に位置する最外層正極集電体には、いずれも片面のみに正極活物質層13が配置されているが、両面に活物質層が設けられてもよい。すなわち、片面にのみ活物質層を設けた最外層専用の集電体とするのではなく、両面に活物質層がある集電体をそのまま最外層の集電体として用いてもよい。また、図1とは正極および負極の配置を逆にすることで、発電要素21の両最外層に最外層負極集電体が位置するようにし、該最外層負極集電体の片面または両面に負極活物質層が配置されているようにしてもよい。
正極集電体11および負極集電体12は、各電極(正極および負極)と導通される正極集電板25および負極集電板27がそれぞれ取り付けられ、電池外装材29の端部に挟まれるようにして電池外装材29の外部に導出される構造を有している。正極集電板25および負極集電板27はそれぞれ、必要に応じて正極リードおよび負極リード(図示せず)を介して、各電極の正極集電体11および負極集電体12に超音波溶接や抵抗溶接等により取り付けられていてもよい。
図2は、双極型非水電解質リチウムイオン二次電池(以下、単に「双極型電池」ともいう)10bの基本構成を模式的に表した断面概略図である。図2に示す双極型電池10bは、実際に充放電反応が進行する略矩形の発電要素21が、電池外装材であるラミネートフィルム29の内部に封止された構造を有する。
図2に示すように、双極型電池10bの発電要素21は、集電体11の一方の面に電気的に結合した正極活物質層13が形成され、集電体11の反対側の面に電気的に結合した負極活物質層15が形成された複数の双極型電極23を有する。各双極型電極23は、電解質層17を介して積層されて発電要素21を形成する。なお、電解質層17は、基材としてのセパレータの面方向中央部に電解質が保持されてなる構成を有する。この際、一の双極型電極23の正極活物質層13と前記一の双極型電極23に隣接する他の双極型電極23の負極活物質層15とが電解質層17を介して向き合うように、各双極型電極23および電解質層17が交互に積層されている。すなわち、一の双極型電極23の正極活物質層13と前記一の双極型電極23に隣接する他の双極型電極23の負極活物質層15との間に電解質層17が挟まれて配置されている。
隣接する正極活物質層13、電解質層17、および負極活物質層15は、一つの単電池層19を構成する。したがって、双極型電池10bは、単電池層19が積層されてなる構成を有するともいえる。また、電解質層17からの電解液の漏れによる液絡を防止する目的で、単電池層19の外周部にはシール部(絶縁層)31が配置されている。なお、発電要素21の最外層に位置する正極側の最外層集電体11aには、片面のみに正極活物質層13が形成されている。また、発電要素21の最外層に位置する負極側の最外層集電体11bには、片面のみに負極活物質層15が形成されている。ただし、正極側の最外層集電体11aの両面に正極活物質層13が形成されてもよい。同様に、負極側の最外層集電体11bの両面に負極活物質層15が形成されてもよい。
さらに、図2に示す双極型電池10bでは、正極側の最外層集電体11aに隣接するように正極集電板25が配置され、これが延長されて電池外装材であるラミネートフィルム29から導出している。一方、負極側の最外層集電体11bに隣接するように負極集電板27が配置され、同様にこれが延長されて電池の外装であるラミネートフィルム29から導出している。
図2に示す双極型電池10bにおいては、通常、各単電池層19の周囲にシール部31が設けられる。このシール部31は、電池内で隣り合う集電体11どうしが接触したり、発電要素21における単電池層19の端部の僅かな不揃いなどに起因する短絡が起こったりするのを防止する目的で設けられる。かようなシール部31の設置により、長期間の信頼性および安全性が確保され、高品質の双極型電池10bが提供されうる。
なお、単電池層19の積層回数は、所望する電圧に応じて調節する。また、双極型電池10bでは、電池の厚みを極力薄くしても十分な出力が確保できれば、単電池層19の積層回数を少なくしてもよい。双極型電池10bでも、使用する際の外部からの衝撃、環境劣化を防止する必要がある。よって、発電要素21を電池外装材であるラミネートフィルム29に減圧封入し、正極集電板25および負極集電板27をラミネートフィルム29の外部に取り出した構造とするのがよい。
なお、本明細書中、「集電体」と記載する場合、正極集電体、負極集電体、双極型電池用集電体のすべてを指す場合もあるし、一つのみを指す場合もある。同様に、「活物質層」と記載する場合、正極活物質層,負極活物質層の両方を指す場合もあるし、片方のみを指す場合もある。同様に、「活物質」と記載する場合、正極活物質、負極活物質の両方を指す場合もあるし、片方のみを指す場合もある。
特許文献1には、ニッケル複合酸化物を炭素質物質で被覆した正極活物質を含む電池用正極が開示されている。しかしながら、このような電池用正極においては、電気化学的に不活性な2価のニッケルイオン(Ni2+)が生成するため、該電池用正極を含むリチウムイオン二次電池のサイクル特性が低下するという問題があった。
これに対し、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極活物質は、比表面積が0.4〜0.6m/gの範囲であるリチウムニッケル複合酸化物の表面にリチウムマンガン複合酸化物を添着させた添着粒子を含む。このような構成の添着粒子においては、リチウムニッケル複合酸化物の表面に添着したリチウムマンガン複合酸化物が、電解液によるニッケルの還元を抑制し、2価のニッケルイオン(Ni2+)の生成を抑制する。かような正極活物質を有するリチウムイオン二次電池は、サイクル特性が向上する。
以下、上記リチウムイオン二次電池に用いられる活物質層について、さらに詳細に説明する。
[活物質層]
正極活物質層または負極活物質層は活物質を含み、必要に応じて、導電助剤、バインダ、電解質(ポリマーマトリックス、イオン伝導性ポリマー、電解液など)、イオン伝導性を高めるためのリチウム塩などのその他の添加剤をさらに含む。
(正極活物質)
正極活物質層は、正極活物質として比表面積が0.4〜0.6m/gであるリチウムニッケル複合酸化物の表面にリチウムマンガン複合酸化物が添着している添着粒子を含む。
上記リチウムニッケル複合酸化物としては、具体的には、例えば、LiNiO、LiNi0.5Mn0.5、LiNi0.9Co0.1、LiNi0.8Co0.2、LiNi0.8Co0.18Mn0.02、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNi0.8Co0.15Al0.05、LiNi0.6Co0.1Mn0.25Al0.05などが例示される。これらリチウムニッケル複合酸化物は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。これらの中でも、ニッケル酸リチウム(LiNiO)が好ましい。
リチウムニッケル複合酸化物の比表面積は、0.4〜0.6m/gである。比表面積がこの範囲を外れる場合、リチウムイオン二次電池のサイクル特性が低下する。該比表面積は、好ましくは0.45〜0.55m/gである。なお、比表面積は、窒素ガス吸着法の方法により測定した値を採用する。
比表面積以外のリチウムニッケル複合酸化物の形状やサイズについては、特に制限はなく、当該分野で使用されうるあらゆる形状やサイズのリチウムニッケル複合酸化物が好適に用いられる。
上記リチウムマンガン複合酸化物としては、具体的には、例えば、マンガン酸リチウムが挙げられる。また、リチウムマンガン複合酸化物のマンガン原子の一部を他の金属原子で置換した複合酸化物、例えばマンガン原子をアルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、リチウム、鉄、コバルト、銅、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ジルコニウム、ニオブ等の金属原子で置換した複合酸化物が挙げられる。これらの中でも、マンガン酸リチウムが好ましい。マンガン酸リチウムは、リチウム、マンガンおよび酸素からなる複合酸化物であり、具体的には、例えば、LiMn等のスピネル構造のマンガン酸リチウム、LiMnOおよびLiMnO等を挙げることができる。これらリチウムマンガン複合酸化物は、単独でもまたは2種以上組み合わせて用いてもよい。
上記添着粒子におけるリチウムマンガン複合酸化物の添着量は、特に制限されない。しかしながら、添着粒子中のマンガンの量として、5〜20at%となるような量であることが好ましく、10〜20at%であることがより好ましく、15〜18at%であることがさらに好ましい。この範囲であれば、2価のニッケルイオン(Ni2+)の生成がより抑制される。よって、リチウムイオン二次電池のサイクル特性がより向上する。なお、該添着量は、オージェ電子分光法(AES)による元素定性分析により測定することができる。
リチウムマンガン複合酸化物の形状やサイズについては、特に制限はなく、当該分野で使用されうるあらゆる形状やサイズのリチウムマンガン複合酸化物が好適に用いられる。
なお、リチウムニッケル複合酸化物に対して添着する成分として、上記のリチウムマンガン複合酸化物以外にも、LiCoO等のリチウムコバルト複合酸化物を用いることができる。また、リチウムコバルト複合酸化物のコバルトの一部を他の元素により置換したものも用いることができる。これらの複合酸化物を用いても、電解液によるニッケルの還元を抑制し、2価のニッケルイオン(Ni2+)の生成を抑制することができる。
さらに、上記正極活物質は、上記添着粒子以外の他の正極活物質材料を含んでもよい。他の正極活物質材料としては、例えば、LiFePO等の遷移金属とリチウムのリン酸化合物や硫酸化合物;LiCoOなどのコバルト酸リチウムやLiFeOなどのリチウム鉄酸化物;V、MnO、TiS、MoS、MoO等の遷移金属酸化物や硫化物;PbO、AgO、NiOOH等が使用可能である。これらの他の正極活物質材料も、単独で使用されてもよいし2種以上が組み合わされて使用されてもよい。
上記の添着粒子以外の正極活物質材料を使用する場合の使用量は正極活物質全体を100重量%として、好ましくは50〜90重量%であり、より好ましくは60〜80重量%である。
リチウムニッケル複合酸化物表面へリチウムマンガン複合酸化物を添着させる方法としては、特に制限されるべきものではなく、従来公知の添着(被覆、点在化)技術を適用することができる。具体的には、添着させる方法としては、湿式方法および乾式方法のいずれをも適用することができる。このうち、湿式方法としては、例えば、リチウムニッケル複合酸化物を共沈法により作製する際に、共沈前の原材料(正極活物質であるリチウムニッケル複合酸化物の原材料)にリチウムマンガン複合酸化物を混入させ、共沈させる。その後、熱分解させ、焼成することにより、リチウムニッケル複合酸化物表面にリチウムマンガン複合酸化物が添着した添着粒子を得ることができる。また、正極活物質層の作製に用いられる正極スラリーの調製の際に、リチウムニッケル複合酸化物とリチウムマンガン複合酸化物とを混合することによっても、添着粒子を得ることができる。
一方、乾式方法としては、例えば、リチウムマンガン複合酸化物を混入させることなく上記湿式方法によって作製したリチウムニッケル複合酸化物に、リチウムマンガン複合酸化物を混入させ、乾式混合する。混合方法としては、例えば、ハイブリダイゼーションシステム(株式会社奈良機械製作所製)、コスモス(川崎重工業株式会社製)、メカノフュージョン(ホソカワミクロン株式会社製)、サーフュージングシステム(日本ニューマチック工業株式会社製)、メカノミル・スピードニーダー・スピードミル・スピラコーター(岡田精工製)などの公知の方法や装置を適宜応用して行うことができる。必要であれば、その後加熱する。これにより、リチウムニッケル複合酸化物表面にリチウムマンガン複合酸化物が添着した添着粒子を得ることができる。
(負極活物質)
負極活物質層は、負極活物質を含む。負極活物質としては、例えば、グラファイト(黒鉛)、ソフトカーボン、ハードカーボン等の炭素材料、リチウムチタン複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物、金属材料、リチウム合金系負極材料などが挙げられる。
負極活物質層に含まれる負極活物質の平均粒子径は特に制限されないが、高出力化の観点からは、好ましくは1〜100μm、より好ましくは1〜20μmである。
なお、上記の負極活物質の「粒子径」とは、粒子の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離Lを意味する。負極活物質の「平均粒子径」の値としては、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)などの観察手段を用い、数〜数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用するものとする。
正極活物質層および負極活物質層は、バインダを含みうる。
活物質層に用いられるバインダとしては、特に限定されないが、例えば、以下の材料が挙げられる。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物などの熱可塑性高分子、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴム、エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、スチレン・ブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミドであることがより好ましい。これらの好適なバインダは、耐熱性に優れ、さらに電位窓が非常に広く正極電位、負極電位双方に安定であり活物質層に使用が可能となる。これらのバインダは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
活物質層に含まれうるその他の添加剤としては、例えば、導電助剤、電解質、イオン伝導性ポリマー等が挙げられる。
導電助剤とは、正極活物質層または負極活物質層の導電性を向上させるために配合される添加物をいう。導電助剤としては、アセチレンブラック等のカーボンブラック、グラファイト、炭素繊維などの炭素材料が挙げられる。活物質層が導電助剤を含むと、活物質層の内部における電子ネットワークが効果的に形成され、電池の出力特性の向上に寄与しうる。
電解質塩(リチウム塩)としては、Li(CSON、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO等が挙げられる。
イオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)系およびポリプロピレンオキシド(PPO)系のポリマーが挙げられる。
正極活物質層および負極活物質層中に含まれる成分の配合比は、特に限定されない。配合比は、非水溶媒二次電池についての公知の知見を適宜参照することにより、調整されうる。各活物質層の厚さについても特に制限はなく、電池についての従来公知の知見が適宜参照されうる。一例を挙げると、各活物質層の厚さは、2〜100μm程度である。
以上説明したリチウムイオン二次電池は、以下の効果を有する。
上記のリチウムイオン二次電池は、正極活物質として、比表面積が特定の範囲であるリチウムニッケル複合酸化物の表面にリチウムマンガン複合酸化物が添着している添着粒子を含む。かような構成を有する添着粒子においては、リチウムニッケル複合酸化物の表面に添着したリチウムマンガン複合酸化物が、電解液によるニッケルの還元を抑制し、電気化学的に不活性な2価のニッケルイオン(Ni2+)の生成を抑制する。よって、このような添着粒子を含む正極活物質を含むリチウムイオン二次電池は、サイクル特性が向上する。
上記で説明したリチウムイオン二次電池は、正極活物質に特徴を有する。以下、その他の主要な構成部材について説明する。
[集電体]
集電体を構成する材料に特に制限はないが、好適には金属が用いられる。
具体的には、金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス、チタン、銅、その他合金等などが挙げられる。これらのほか、ニッケルとアルミニウムとのクラッド材、銅とアルミニウムとのクラッド材、またはこれらの金属の組み合わせのめっき材などが好ましく用いられうる。また、金属表面にアルミニウムが被覆されてなる箔であってもよい。なかでも、電子伝導性や電池作動電位の観点からは、アルミニウム、ステンレス、銅が好ましく、アルミニウムがより好ましい。
集電体の大きさは、電池の使用用途に応じて決定される。例えば、高エネルギー密度が要求される大型の電池に用いられるのであれば、面積の大きな集電体が用いられる。集電体の厚さについても特に制限はない。集電体の厚さは、通常は1〜100μm程度である。
[電解質層]
電解質層を構成する電解質は、リチウムイオンのキャリヤーとしての機能を有する。電解質としては、かような機能を発揮できるものであれば特に制限されないが、液体電解質またはポリマー電解質が用いられる。
液体電解質は、可塑剤である有機溶媒に支持塩であるリチウム塩が溶解した形態を有する。用いられる有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等のカーボネート類が例示される。また、リチウム塩としては、Li(CFSON、Li(CSON、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiCFSO等の電極の活物質層に添加されうる化合物が同様に採用されうる。
一方、ポリマー電解質は、電解液を含むゲルポリマー電解質(ゲル電解質)と、電解液を含まない真性ポリマー電解質とに分類される。
ゲルポリマー電解質は、イオン伝導性ポリマーからなるマトリックスポリマー(ホストポリマー)に、上記の液体電解質が注入されてなる構成を有する。電解質としてゲルポリマー電解質を用いることで電解質の流動性がなくなり、各層間のイオン伝導性を遮断することで容易になる点で優れている。マトリックスポリマー(ホストポリマー)として用いられるイオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、およびこれらの共重合体等が挙げられる。かようなポリアルキレンオキシド系ポリマーには、リチウム塩などの電解質塩がよく溶解しうる。
真性ポリマー電解質は、上記のマトリックスポリマーにリチウム塩が溶解してなる構成を有し、有機溶媒を含まない。したがって、電解質として真性ポリマー電解質を用いることで電池からの液漏れの心配がなく、電池の信頼性が向上し得る。
ゲル電解質や真性ポリマー電解質のマトリックスポリマーは、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発現しうる。架橋構造を形成させるには、適当な重合開始剤を用いて、高分子電解質形成用の重合性ポリマー(例えば、PEOやPPO)に対して熱重合、紫外線重合、放射線重合、電子線重合等の重合処理を施せばよい。
これらの電解質は、1種単独であってもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
なお、電解質層が液体電解質やゲル電解質から構成される場合には、電解質層にセパレータを用いてもよい。セパレータの具体的な形態としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンといったポリオレフィンやポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HFP)等の炭化水素、ガラス繊維などからなる微多孔膜が挙げられる。
[シール部]
シール部31は、図2に示す双極型電池10bに特有の部材であり、電解質層17の漏れを防止する目的で単電池層19の外周部に配置されている。このほかにも、電池内で隣り合う集電体同士が接触したり、積層電極の端部の僅かな不ぞろいなどによる短絡が起こったりするのを防止することもできる。図2に示す形態において、シール部31は、隣接する2つの単電池層19を構成するそれぞれの集電体11で挟持され、電解質層17の基材であるセパレータの外周縁部を貫通するように、単電池層19の外周部に配置されている。シール部31の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ゴム、ポリイミドなどが挙げられる。なかでも、耐蝕性、耐薬品性、製膜性、経済性などの観点からは、ポリオレフィン樹脂が好ましい。
[正極集電板および負極集電板]
集電板(25、27)を構成する材料は、特に制限されず、リチウムイオン二次電池用の集電板として従来用いられている公知の高導電性材料が用いられうる。集電板の構成材料としては、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等の金属材料が好ましい。軽量、耐食性、高導電性の観点から、より好ましくはアルミニウム、銅であり、特に好ましくはアルミニウムである。なお、正極集電板25と負極集電板27とでは、同一の材料が用いられてもよいし、異なる材料が用いられてもよい。また、図2に示すように最外層集電体(11a、11b)を延長することにより集電板としてもよいし、別途準備したタブを最外層集電体に接続してもよい。
[正極リードおよび負極リード]
また、図示は省略するが、集電体11と集電板(25、27)との間を正極リードや負極リードを介して電気的に接続してもよい。正極および負極リードの構成材料としては、公知のリチウムイオン二次電池において用いられる材料が同様に採用されうる。なお、外装から取り出された部分は、周辺機器や配線などに接触して漏電したりして製品(例えば、自動車部品、特に電子機器等)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆することが好ましい。
[電池外装材]
電池外装材29としては、公知の金属缶ケースを用いることができるほか、発電要素を覆うことができる、アルミニウムを含むラミネートフィルムを用いた袋状のケースが用いられうる。該ラミネートフィルムには、例えば、PP、アルミニウム、ナイロンをこの順に積層してなる3層構造のラミネートフィルム等を用いることができるが、これらに何ら制限されるものではない。高出力化や冷却性能に優れ、EV、HEV用の大型機器用電池に好適に利用することができるという観点から、ラミネートフィルムが望ましい。
なお、上記のリチウムイオン二次電池は、従来公知の製造方法により製造することができる。
[リチウムイオン二次電池の外観構成]
図3は、二次電池の代表的な実施形態である扁平なリチウムイオン二次電池の外観を表した斜視図である。
図3に示すように、扁平なリチウムイオン二次電池50では、長方形状の扁平な形状を有しており、その両側部からは電力を取り出すための正極タブ58、負極タブ59が引き出されている。発電要素57は、リチウムイオン二次電池50の電池外装材52によって包まれ、その周囲は熱融着されており、発電要素57は、正極タブ58および負極タブ59を外部に引き出した状態で密封されている。ここで、発電要素57は、先に説明した図1および図2に示すリチウムイオン二次電池10の発電要素21に相当するものである。発電要素57は、正極(正極活物質層)13、電解質層17および負極(負極活物質層)15で構成される単電池層(単セル)19が複数積層されたものである。
なお、上記リチウムイオン二次電池は、積層型の扁平な形状のものに制限されるものではない。巻回型のリチウムイオン二次電池では、円筒型形状のものであってもよいし、こうした円筒型形状のものを変形させて、長方形状の扁平な形状にしたようなものであってもよいなど、特に制限されるものではない。上記円筒型の形状のものでは、その外装材に、ラミネートフィルムを用いてもよいし、従来の円筒缶(金属缶)を用いてもよいなど、特に制限されるものではない。好ましくは、発電要素がアルミニウムラミネートフィルムで外装される。当該形態により、軽量化が達成されうる。
また、図3に示すタブ58、59の取り出しに関しても、特に制限されるものではない。正極タブ58と負極タブ59とを同じ辺から引き出すようにしてもよいし、正極タブ58と負極タブ59とをそれぞれ複数に分けて、各辺から取り出しようにしてもよいなど、図3に示すものに制限されるものではない。また、巻回型のリチウムイオン電池では、タブに変えて、例えば、円筒缶(金属缶)を利用して端子を形成すればよい。
上記リチウムイオン二次電池は、電気自動車やハイブリッド電気自動車や燃料電池車やハイブリッド燃料電池自動車などの大容量電源として、高体積エネルギー密度、高体積出力密度が求められる車両駆動用電源や補助電源に好適に利用することができる。
上記リチウムイオン二次電池用正極活物質を、以下の実施例および比較例を用いてさらに詳細に説明するが、以下の実施例のみに限定されるわけではない。なお、ニッケル酸リチウムの比表面積は、窒素ガス吸着法により測定した。また、ニッケル酸リチウムに対するマンガン酸リチウムの添着量は、オージェ電子分光法(AES)による元素定性分析により、添着粒子中のマンガンの量として測定した。
(実施例1)
・正極の作製
正極活物質となる添着粒子の原料として、比表面積が0.48m/gであるニッケル酸リチウムと、マンガン酸リチウムとを、ニッケル酸リチウム:マンガン酸リチウム=10:90(重量比)の量で準備した。この添着粒子の原料と、バインダとしてPVdF(ポリフッ化ビニリデン)と、導電助剤としてカーボン粉末とをそれぞれ93:3:4(重量比)となるようにNMP(N−メチル−2−ピロリドン)に分散させ混合し、粘度を調整して正極スラリーを作製した。アルミニウム箔に前記正極スラリーを、ダイコーターを用いて塗布し乾燥し、その後ロールプレス機にて所望の膜厚になるようにプレスし、正極を得た。なお、ニッケル酸リチウムに対するマンガン酸リチウムの添着量は、添着粒子中のマンガンの量で18at%であった。
・負極の作製
負極活物質として天然黒鉛、バインダとしてPVdF(ポリフッ化ビニリデン)、および導電助剤としてアセチレンブラックをそれぞれ93:6:1(重量比)でNMPに分散させて、粘度を調整して負極スラリーを作製した。銅箔に前記負極スラリーを、ダイコーターを用いて塗布し乾燥し、その後ロールプレス機にて所望の膜厚になるようにプレスし、負極を得た。
・電池の作製
セパレータとして、ポリプロピレン製微多孔質膜(厚さ25μm)を準備した。また、電解液として、1M LiPF/(EC:DEC)(EC:DEC=1:1 体積比)を準備した。
上記で作製した正極、負極、およびセパレータをそれぞれ1枚ずつ用意し、負極/セパレータ/正極の順に積層して、発電要素を作製した。
得られた発電要素を外装であるアルミラミネートシート製のバッグ中に載置し、上記で準備した電解液を注液した。真空条件下において、両電極に接続された電流取り出しタブが導出するようにアルミラミネートシート製バッグの開口部を封止し、試験用セルを作製した。
(実施例1−2)
ニッケル酸リチウムとマンガン酸リチウムとの比を20:80(重量比)としたこと以外は、実施例1−1と同様の方法で試験用セルを作製した。なお、ニッケル酸リチウムに対するマンガン酸リチウムの添着量は、添着粒子中のマンガンの量で、16at%であった。
(実施例1−3)
ニッケル酸リチウムとマンガン酸リチウムとの比を30:70(重量比)としたこと以外は、実施例1−1と同様の方法で試験用セルを作製した。なお、ニッケル酸リチウムに対するマンガン酸リチウムの添着量は、添着粒子中のマンガンの量で、14at%であった。
(実施例1−4)
ニッケル酸リチウムとマンガン酸リチウムとの比を40:60(重量比)としたこと以外は、実施例1−1と同様の方法で試験用セルを作製した。なお、ニッケル酸リチウムに対するマンガン酸リチウムの添着量は、添着粒子中のマンガンの量で、12at%であった。
〔サイクル特性〕
上記実施例1−1〜1−4の試験用セルを用いて、サイクル特性の試験を行った。サイクル特性は、25℃で0.2C/4.2V、CC/CV充電を7時間行い、次いで、10分間の休止後、0.2C CC放電で2.5Vまで放電を行った。その後、55℃で1C/4.2V CC/CV充電(0.015Cカット)、1C CC放電(2.5V電圧カット)のサイクルを繰り返し、1サイクル目の放電容量に対する300サイクル目における放電容量の値を容量維持率として算出した。結果を下記表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1−1〜1−4の試験用セルは、高い容量維持率を示した。特に、マンガン酸リチウムの添着量が、添着粒子中のマンガンの量で好ましくは5〜20at%、より好ましくは10〜20at%、さらに好ましくは15〜18at%の範囲であると、より高い容量維持率を示すことが分かった。
(実施例2−1)
実施例1−2と同様にして、試験用セルを作製した(セルNo.A)。なお、ニッケル酸リチウムに対するマンガン酸リチウムの添着量は、添着粒子中のマンガンの量で、18at%であった。
(比較例2−1)
比表面積が0.66m/gであるニッケル酸リチウムを用いたこと以外は、実施例2−1と同様の方法で試験用セルを作製した(セルNo.B)。なお、ニッケル酸リチウムに対するマンガン酸リチウムの添着量は、添着粒子中のマンガンの量で、11at%であった。
(実施例2−2)
比表面積が0.52m/gであるニッケル酸リチウムを用いたこと以外は、実施例2−1と同様の方法で試験用セルを作製した(セルNo.C)。なお、ニッケル酸リチウムに対するマンガン酸リチウムの添着量は、添着粒子中のマンガンの量で、14at%であった。
(比較例2−2)
比表面積が0.26m/gであるニッケル酸リチウムを用いたこと以外は、実施例2−1と同様の方法で試験用セルを作製した(セルNo.D)。なお、ニッケル酸リチウムに対するマンガン酸リチウムの添着量は、添着粒子中のマンガンの量で、29at%であった。
(比較例2−3)
比表面積が0.23m/gであるニッケル酸リチウムを用いたこと以外は、実施例2−1と同様の方法で試験用セルを作製した(セルNo.E)。なお、ニッケル酸リチウムに対するマンガン酸リチウムの添着量は、添着粒子中のマンガンの量で、33at%であった。
(比較例2−4)
比表面積が0.38m/gであるニッケル酸リチウムを用いたこと以外は、実施例2−1と同様の方法で試験用セルを作製した(セルNo.F)。なお、ニッケル酸リチウムに対するマンガン酸リチウムの添着量は、添着粒子中のマンガンの量で、20at%であった。
(比較例2−5)
比表面積が0.24m/gであるニッケル酸リチウムを用いたこと以外は、実施例2−1と同様の方法で試験用セルを作製した(セルNo.G)。なお、ニッケル酸リチウムに対するマンガン酸リチウムの添着量は、添着粒子中のマンガンの量で、26at%であった。
実施例2−1〜2−2および比較例2−1〜2−5の試験用セルを用い、上記〔サイクル特性の評価〕に記載の方法と同様にして、サイクル特性(容量維持率)を測定した。別途、ニッケル酸リチウムのみを正極活物質として用いた試験用セル(以下、単に試験用セル(単独)とも表記する)について、同様に容量維持率を測定した。試験用セル(単独)の容量維持率に対する実施例2−1〜2−2および比較例2−1〜2−5の試験用セルの容量維持率の比をそれぞれ求め、図4に示した。
図4から明らかなように、比表面積が0.4〜0.6m/gの表面積を有するニッケル酸リチウムを用いた試験用セルは、高い容量維持率を有する。
(実施例3)
実施例1−2のサイクル特性評価後の試験用セルを解体し、オージェ電子分光分析によりニッケル酸リチウムの表面を分析した。その結果、ニッケル酸リチウムの表面上にマンガン酸リチウムが添着されていることを確認した。また、マンガン酸リチウムの表面上には、ニッケル酸リチウムは検出されなかった。
(実施例4)
試験用セル(単独)および実施例1−2の試験用セルにおいて、サイクル特性評価前後のセルをそれぞれ解体し、X線吸収分光法によりニッケル酸リチウムの価数変化を調べた。得られたスペクトルを図5に示す。
実施例1−2の試験用セルは、サイクル特性評価前後で充電状態のエネルギー差が小さい。したがって、電気化学的に不活性なNi2+の生成が抑制されていることがわかる。一方、試験用セル(単独)は、サイクル特性評価前後で充電状態のエネルギー差が大きい。したがって、電気化学的に不活性なNi2+の生成が起こっていることがわかる。
10a、10b、50 リチウムイオン二次電池、
11 正極集電体、
12 負極集電体、
13 正極活物質層、
15 負極活物質層、
17 電解質層、
19 単電池層、
21、57 発電要素、
25 正極集電板、
27 負極集電板、
29、52 電池外装材、
31 シール部、
58 正極タブ、
59 負極タブ。

Claims (3)

  1. 比表面積が0.4〜0.6m/gであるリチウムニッケル複合酸化物の表面にリチウムマンガン複合酸化物が添着している添着粒子を含む、リチウムイオン二次電池用正極活物質。
  2. 前記添着粒子は、前記リチウムニッケル複合酸化物と前記リチウムマンガン複合酸化物とを混合することにより形成される、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
  3. 請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質を含む、リチウムイオン二次電池。
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