JP2014224750A - 検体処理装置用トレー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】検体処理装置用トレー10は、生体試料からなる検体の分析に際して、検体の懸濁液を調製する前処理を行うための検体処理装置において用いられるものであって、各々直管状の検体採取容器をその管軸が鉛直方向に延びる姿勢で保持する複数の検体採取容器保持部13が一列に並んで配置されてなる保持部列12と、各検体採取容器保持部に対応する複数の検体懸濁液調製用ウェル16が一列に並んで配置されてなるウェル列15とが、互いに平行に形成されてなる機能領域10a〜10eを具える。
【選択図】図1
Description
しかしながら、便懸濁液を調製する工程は、例えば採便容器に採取された糞便検体について、一検体毎に手作業で行われる場合も少なくなく、相当に手間がかかると共に長時間の時間を要する、という問題がある。
そして、このような作業を行うための種々の構成の自動検体前処理装置が提案されている。
しかしながら、従来のウェルプレートを用いて、複数の糞便検体について便懸濁液を同時に調製する場合には、糞便検体をウェルに移注するに際して、互いに異なる検体間の交差汚染が生ずる可能性がある、という問題がある。
各々直管状の検体採取容器をその管軸が鉛直方向に延びる姿勢で保持する複数の検体採取容器保持部が一列に並んで配置された保持部列と、各検体採取容器保持部に対応する複数の検体懸濁液調製用ウェルが一列に並んで配置されたウェル列とが、互いに平行に形成されてなる機能領域を具えてなることを特徴とする。
前記検体採取容器保持部が、当該検体採取容器の容器本体の一部を受容する円筒状とされた構成とされていることが好ましい。
この例における検体処理装置用トレー(以下、「便懸濁液調製用トレー」という。)10は、例えば糞便中の細菌遺伝子をいわゆるPCR法に基づいて検出するに際して行われる糞便検体の便懸濁液を調製する前処理を、多数本の採便容器について同時に行う自動検体前処理装置において用いられるものである。
この例においては、例えば5つの機能領域10a〜10eが保持部列12およびウェル列15が交互に並ぶよう所定のピッチ(中心間距離)p2で形成されており、一の機能領域における保持部列12およびウェル列15は例えば10箇所の採便容器保持部13および便懸濁液調製用ウェル16により構成されている。
具体的には例えば、保持部列12およびウェル列15における採便容器保持部13および便懸濁液調製用ウェル16の配列方向の位置特定用のアラビア数字(1〜10)よりなる識別記号18aが刻印されていると共に機能領域10a〜10eの配列方向の位置特定用のアルファベット(A〜E)よりなる識別記号18bが刻印されている。
また、便懸濁液調製用トレー10の側面(図1において例えば上面)には、便懸濁液調製用トレー10に個別(固有)の識別手段として例えばバーコード(図示せず)が設けられている。これにより、便懸濁液調製用トレー10および当該便懸濁液調製用トレー10において処理された採便容器の追跡可能性が確保される。
キャップ25は、管軸方向内方に向かって拡径するカップ状のキャップ本体26と、キャップ本体26に一体に設けられた、管軸方向に延びる採便棒27とにより構成されている。キャップ25は、キャップ本体26内に容器本体21の開口端部が圧入されて装着されており、これにより採便容器20の内部空間の密閉状態が確保されている。
ここに、採便棒27により採取された糞便検体は、採便容器20内に収容された便溶解液に浸漬されることにより当該便溶解液内に分散された状態(一次懸濁液)とされている。
図5は、本発明に係る、糞便検体の分析に際しての前処理を行う自動検体前処理装置の一例における構成を示す概略図である。図6は、図5に示す自動検体前処理装置における分注機構を構成する分注ヘッドの構成の概略を、一部を破断した状態で示す側面図である。図7は、図5に示す自動検体前処理装置における便懸濁液調製機構の一構成例を概略的に示す平面図である。図8は、図7に示す便懸濁液調製機構の正面図である。図9は、図7に示す便懸濁液調製機構の側面図である。
この自動検体処理装置(以下、「前処理装置」ともいう。)は、上記の便懸濁液調製用トレー10により保持された例えば50本の採便容器20内に収容された糞便検体(50検体)を1つのグループとして検査するために、当該複数の糞便検体を1つにまとめたプール検体を調製するためのものである。
また、試薬槽46としては、例えば480mリットル以上の試薬または水を貯蔵するに必要な容量を有するものを用いることができる。
例えば、便懸濁液調製用トレー10に対する吸引/吐出動作時には、ノズル52間のピッチp3が例えば20mm、プール検体調製用ウェルプレート41に対する吐出動作および試薬槽46に対する吸引動作時には、ノズル52間のピッチp3が例えば9mmとなるよう、調整される。
この例におけるチップ供給部47には、例えば9つのチップラック48が配置されている。ここに、チップ48aとしては、例えば20〜1000μリットルの容量を有するものを用いることができる。
ここに、第1のクランプ機構60に係る退避位置は、例えば採便容器20におけるキャップ25を把持した状態で、水平方向位置可変機構68によって水平方向に移動されたときに、キャップ25の採便棒27が容器本体21に接触することのない位置に設定することができる。また、クランプ位置は、例えばクランプ部材61a〜61eによって、採便容器20の容器本体21とキャップ25との装着部より管軸方向上方側の箇所が把持される位置に設定することができる。
ここに、第2のクランプ機構70に係る退避位置は、便懸濁液調製用トレー10に保持された採便容器20に接触することのない位置に設定されていればよく、また、クランプ位置は、例えばクランプ部材71a〜71eによって採便容器21の最大外径を有する箇所が把持される位置に設定することができる。
先ず、検査対象であるすべての採便容器20の目視検査を行った後、採便容器20のキャップ25を人の手で外し、当該キャップ25を容器本体21の開口部に載せた状態で、便懸濁液調製用トレー10の各採便容器保持部13に保持させる。そして、便懸濁液調製用トレー10を、前処理装置のトレー投入部30aにおいて、ベルトコンベア31上に配置する。
その後、前処理装置の電源を投入すると共に制御コンピューター80によって動作条件を設定すると、動作指令信号が通信部36を介して制御部35に入力され、これにより、便懸濁液調製用トレー10がベルトコンベア31によって装置内に導入される。
そして、第1のクランプ機構60の各クランプ部材61a〜61eによるキャップ25のクランプが解除された後、第1のクランプ機構60の各クランプ部材61a〜61eが上昇されて退避位置に退避される。その後、第2のクランプ機構70の各クランプ部材71a〜71eによる容器本体21のクランプが解除された後、第2のクランプ機構70の各クランプ部材71a〜71eが上昇されて退避位置に退避される。
すなわち、各便懸濁液調製用ウェル16において調製された便懸濁液が、分注機構のノズル52によって所定量(例えば20μリットル)吸引され、プール検体調製部40において、すべての便懸濁液がプール検体調製用ウェルプレート41における特定のプール検体調製用ウェル内に順次に吐出される。これにより、当該便懸濁液調製用トレー10に保持された多数本(例えば50本)の採便容器20に係るプール検体が調製される。ここに、分注機構による便懸濁液の吸引動作は、例えば8つのノズル52によって1度に8箇所ずつ順次に行われる。また、動作時間短縮のため、1本のノズル52にて便懸濁液を数か所順次吸引してから、プール検体調製用ウェルプレート41における特定のプール検体調製用ウェル内に吐出しても構わない。
一方、便懸濁液調製用トレー10は、ベルトコンベア31によって、トレー排出部30bに搬送されて装置外部に排出される。
しかも、一の便懸濁液調製用トレー10に保持された多数本の採便容器20について一括して便懸濁液調製処理を行うことができるので、高い処理効率を得ることができる。
例えば、便懸濁液調製用トレーにおいて形成される機能領域の数、一の機能領域における保持部および便懸濁液調製用ウェルの数およびその他の具体的構成は、目的に応じて適宜変更することができる。
10a〜10e 機能領域
11 天板部
12 保持部列
13 採便容器保持部
14 有底円筒状部
14a 貫通孔
15 ウェル列
16 便懸濁液調製用ウェル
17 テーパ状部分
18a,18b 識別記号
20 採便容器
21 容器本体
25 キャップ
26 キャップ本体
27 採便棒
C 管軸
30a トレー投入部
30b トレー排出部
31 ベルトコンベア
35 制御部
36 通信部
40 プール検体調製部
41 プール検体調製用ウェルプレート
42 コード読取手段
45 試薬供給部
46 試薬槽
47 チップ供給部
48 チップラック
48a チップ
49 チップ廃棄部
50 分注部
51 分注ヘッド
52 ノズル
53 ポンプ
54 コード読取手段
55 便懸濁液調製部
56 便懸濁液調製機構
57 支柱
60 第1のクランプ機構
61a〜61e クランプ部材
62 固定側クランプアーム
62a 容器把持部
63 可動側クランプアーム
64 可動側クランプアーム駆動機構
65 ボールねじ
66 駆動モーター
67 鉛直方向位置可変機構
68 水平方向位置可変機構
68a 可動ステージ
69 2軸ステージ装置
70 第2のクランプ機構
71a〜71e クランプ部材
72 固定側クランプアーム
72a 容器把持部
73 可動側クランプアーム
74 可動側クランプアーム駆動機構
75 ボールねじ
76 駆動モーター
77 鉛直方向位置可変機構
78 ステージ
79 1軸ステージ装置
80 制御コンピューター(PC)
各々、有底円筒状の容器本体の管軸方向に移動されて当該容器本体の内部に収容されると共に当該容器本体から取り出される検体採取棒を具えた直管状の検体採取容器をその管軸が鉛直方向に延びる姿勢で保持する複数の検体採取容器保持部が一列に並んで配置された保持部列と、各々検体採取棒の先端部が挿入される各検体採取容器保持部に対応する複数の検体懸濁液調製用ウェルが一列に並んで配置されたウェル列とが、互いに平行に形成されてなる機能領域を具えてなり、
前記複数の検体採取容器保持部の各々は、前記検体採取容器の容器本体を嵌入された状態で受容して保持する円筒状であることを特徴とする。
Claims (4)
- 生体試料からなる検体の分析に際して、当該検体の懸濁液を調製する前処理を行うための検体処理装置において用いられるトレーであって、
各々直管状の検体採取容器をその管軸が鉛直方向に延びる姿勢で保持する複数の検体採取容器保持部が一列に並んで配置された保持部列と、各検体採取容器保持部に対応する複数の検体懸濁液調製用ウェルが一列に並んで配置されたウェル列とが、互いに平行に形成されてなる機能領域を具えてなることを特徴とする検体処理装置用トレー。 - 前記検体採取容器は、有底円筒状の容器本体および当該容器本体の開口部に着脱可能に装着されたキャップよりなり、
前記検体採取容器保持部は、当該検体採取容器の容器本体の一部を受容する円筒状とされていることを特徴とする請求項1に記載の検体処理装置用トレー。 - 複数の機能領域が、保持部列およびウェル列が交互に並ぶよう、形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の検体処理装置用トレー。
- 樹脂材料による一体成形品であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の検体処理装置用トレー。
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