JP2014224335A - 熱寸法安定性に優れた網状構造体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱可塑性エラストマーからなる繊度が100デシテックス以上60000デシテックス以下の連続線状体を曲がりくねらせランダムループを形成し、夫々のループを互いに溶融状態で接触せしめた三次元ランダムループ接合構造体であって、見掛け密度が0.005g/cm3〜0.20g/cm3であり、130℃乾熱収縮率が1.5%以下である網状構造体。
【選択図】なし
Description
発泡−架橋型ウレタンはクッション材としての耐久性は良好だが、透湿透水性や通気性に劣り、蓄熱性があるため蒸れやすいという問題点がある。さらに、熱可塑性では無いためリサイクルが困難であり、そのため焼却される場合に焼却炉の損傷が大きくなったり、焼却時に発生する有毒ガス除去に経費が掛かったりするなどの問題点が指摘されている。そこで埋立処分されることが多くなるが、埋立地の地盤の安定化が困難なため埋立場所が限定され、経費も高くなる問題点もある。また、加工性は優れるが製造中に使用される薬品の公害問題やフォーム後の残留薬品やそれに伴う臭気など種々の問題が指摘されている。
1.熱可塑性エラストマーからなる繊度が100デシテックス以上60000デシテックス以下の連続線状体を曲がりくねらせランダムループを形成し、夫々のループを互いに溶融状態で接触せしめた三次元ランダムループ接合構造体であって、130℃乾熱収縮率が1.5%以下である網状構造体。
2.網状構造体の見掛け密度が0.005g/cm3〜0.20g/cm3であり、厚みが10mm以上120mm以下である上記1に記載の網状構造体。
3.熱可塑性エラストマーが、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーおよびポリアミド系熱可塑性エラストマーからなる群より選ばれた1種以上の熱可塑性エラストマーである上記1または2に記載の網状構造体。
4.上記1〜3のいずれかに記載の網状構造体を用いたクッション。
ラクタム化合物として、γ−ブチロラクタム、ε−カプロラクタム、ω−ヘプタラクタム、ω−ウンデカラクタム、ω−ラウリルラクタムなどの炭素数5〜20の脂肪族ラクタムのうち少なくとも1種以上が挙げられる。
ジカルボン酸として、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、などのジカルボン酸化合物のうち少なくとも1種以上が挙げられる。
ジアミンとして、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカンメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、3−メチルペンタメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン、またはメタキシレンジアミンなどの芳香族ジアミンのうち少なくとも1種以上が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとして、数平均分子量が約300〜5000のポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体からなるグリコ−ル等のポリアルキレンジオ−ルのうち少なくとも1種以上が挙げられる。
ポリカーボネートジオールは、低分子ジオールとカーボネート化合物の反応物であり、数平均分子量が約300〜5000のものが挙げられる。低分子ジオールとして、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチルー1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールなどの脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオールなどの脂環式ジオールのうち少なくとも1種以上の低分子ジオールが挙げられる。カーボネート化合物として、ジアルキルカーボネート、アルキレンカーボネート、ジアリールカーボネートなどのうち少なくとも1種以上が挙げられる。
ポリエステルポリオールとして、数平均分子量が約300〜5000のポリラクトン等のポリエステルジオールのうち少なくとも1種以上が挙げられる。
上記のブロック共重合体を単独または2種類以上混合して用いてもよい。
更には、非エラストマー成分をブレンドしたもの、共重合したもの等も本発明に使用できる。
速度比率(%)=(1−ニップローラー速度/引き取りネット速度)×100
されるものではない。なお、実施例中における特性値の測定及び評価は下記のようにおこなった。
試料を20cm×20cmの大きさに切断し、10か所から線状体を採集する。10か所で採集した線状体の40℃での比重を密度勾配管を用いて測定する。さらに、上記10か所で採集した線状体の断面積を顕微鏡で30倍に拡大した写真より求め、それより線状体の長さ10000m分の体積を求める。得られた比重と体積を乗じた値を繊度(線状体10000m分の重量)とする。(n=10の平均値)
(2)試料厚み及び見掛け密度
試料を30cm×30cmの大きさに切断し、無荷重で24時間放置した後、高分子計器製FD−80N型測厚器にて4か所の高さを測定して平均値を試料厚みとする。試料重さは、上記試料を電子天秤に載せて計測する。また試料厚みから体積を求め、試料の重さを体積で除した値で示す。(それぞれn=4の平均値)
(3)融点
TAインスツルメント社製 示差走査熱量計Q200を使用し、昇温速度20℃/分で測定した吸発熱曲線から吸熱ピーク(融解ピーク)温度を求める。
(4)130℃乾熱収縮率
網状構造体を縦方向30cm、横方向30cm、厚みは網状構造体の厚みに切り出す。縦方向とは網状構造体の引き取り方向を、横方向とは網状構造体の引き取り方向と直交する方向(厚み方向でない方向)とする。切り出したサンプルは、縦方向と横方向において25cmとなるようにそれぞれ2箇所を、乾熱処理によって見えにくくならないペンでマーキングし、熱風循環乾燥炉にて130℃で30分間熱処理する。処理後、乾燥炉よりサンプルを取り出し、30分間22℃の室温で冷却後に処理した網状構造体の各マーキング距離を2箇所計測し、各2箇所の平均値を取り、処理後縦長さ:a(cm)、および処理後横長さ:b(cm)を算出する。全ての長さの測定は、0.01cmまで読み取れる計測器を用いて実施する。得られた長さa、bを用い、下記式にて収縮率を算出する。
縦方向乾熱収縮率(%)=(25−a)/25×100
横方向乾熱収縮率(%)=(25−b)/25×100
上記縦方向乾熱収縮率と横方向乾熱収縮率をそれぞれ3サンプル分測定し、各サンプルの縦方向乾熱収縮率および横方向乾熱収縮率の大きい方の値を選定し、得られた3つの値の平均値を130℃乾熱収縮率の値とする。
(5)沸水収縮率
網状構造体を縦方向25cm、横方向25cm、厚みは網状構造体の厚みに切り出す。縦方向とは網状構造体の引き取り方向を、横方向とは網状構造体の引き取り方向と直交する方向(厚み方向ではない方向)とする。切り出したサンプルは、縦方向と横方向において20cmとなるようにそれぞれ2箇所を、沸水処理によって見えにくくならないペンでマーキングし、沸騰水の中に浸漬させて30分間処理する。処理後、沸騰水の中からサンプルを取り出し、サンプルを乾燥させるため24時間22℃の室温で静置する。静置乾燥後に処理した網状構造体の各マーキング距離を2箇所計測し、各2箇所の平均値を取り、処理後縦長さ:c(cm)、および処理後横長さ:d(cm)を算出する。測定は、0.01cmまで読み取れる計測器を用いて実施する。得られた長さc、dを用い、下記式にて収縮率を算出する。
縦方向沸水収縮率(%)=(20−c)/20×100
横方向沸水収縮率(%)=(20−d)/20×100
上記縦方向沸水収縮率と横方向沸水収縮率をそれぞれ3サンプル分測定し、各サンプルの縦方向沸水収縮率および横方向沸水収縮率の大きい方の値を選定し、得られた3つの値の平均値を130℃乾熱収縮率の値とする。
熱可塑性エラストマーA−1〜A−3として、ジメチルテレフタレート(DMT)と1,4−ブタンジオール(1,4BD)を少量の触媒と仕込み、常法によりエステル交換後、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)を添加して昇温減圧しつつ重縮合せしめポリエーテルエステルブロック共重合エラストマーを生成させ、次いで酸化防止剤2%を添加混合練込み後ペレット化し、50℃48時間真空乾燥して得られた熱可塑性ポリエステル系エラストマー原料の処方を表1に示す。
熱可塑性エラストマーA−4として、4,4’ジフェニルメタンジイソシアネ−ト(MDI)とPTMG及び鎖延長剤として1,4BDを添加して重合し次いで抗酸化剤2%を添加混合練込み後ペレット化し真空乾燥して熱可塑性ポリエーテル系ウレタンエラストマーの処方を表1に示す。
熱可塑性エラストマーA−5として、ω−ラウリルラクタム、アジピン酸を用いて公知の方法でポリアミド化合物を得た後、数平均分子量1000のPTMGを用いて公知の方法で共重合し、次いで抗酸化剤1%を添加混合練込み後ペレット化し、50℃48時間真空乾燥して得られたポリアミド系熱可塑性エラストマー原料の処方を表1に示す。
熱可塑性エラストマーとしてA−1を用い、紡糸温度220℃、単孔吐量を2.4g/min、ノズル面−冷却水距離を30cmにし、引き取り速度を毎分1.25m、ニップローラーで毎分1.2mの速度、すなわち速度比率4.0%で引き取り、乾燥温度を110℃とした以外、実施例1と同様にして得た網状構造体は、断面形状が三角おむすび型の中空断面で中空率が33%、繊度が3100デシテックスの線状体で形成されており、見掛け密度が0.051g/cm3、表面は平坦化されており、厚みが45mm、130℃乾熱収縮率が0.6%、沸水収縮率が0.1%の網状構造体を得た。得られた網状構造体の物性を表2に示す。
熱可塑性エラストマーとしてA−2を用い、紡糸温度210℃、単孔吐量を2.7g/min、ノズル面−冷却水距離を28cmにし、引き取り速度を毎分1.3m、ニップローラーで毎分1.2mの速度、すなわち速度比率7.7%で引き取った以外、実施例1と同様にして得た網状構造体は、断面形状が三角おむすび型の中空断面で中空率が32%、繊度が3400デシテックスの線状体で形成されており、見掛け密度が0.056g/cm3、表面は平坦化されており、厚みが44mm、130℃乾熱収縮率が0.4%、沸水収縮率が0.1%の網状構造体を得た。得られた網状構造体の物性を表2に示す。
熱可塑性エラストマーとしてA−3を用い、紡糸温度210℃、単孔吐量を1.6g/min、ノズル面−冷却水距離を28cmにし、引き取り速度を毎分0.8m、ニップローラーで毎分0.78mの速度、すなわち速度比率2.5%で引き取り、乾燥温度を120℃とした以外、実施例1と同様にして得た網状構造体は、断面形状が三角おむすび型の中空断面で中空率が31%、繊度が3200デシテックスの線状体で形成されており、見掛け密度が0.052g/cm3、表面は平坦化されたおり、厚みが45mm、130℃乾熱収縮率が0.8%、沸水収縮率が0.7%の網状構造体を得た。得られた網状構造体の物性を表2に示す。
熱可塑性エラストマーとしてA−4を用い、紡糸温度210℃、単孔吐量を1.6g/min、ノズル面−冷却水距離を35cmにし、引き取り速度を毎分0.82m、ニップローラーで毎分0.8mの速度、すなわち速度比率2.4%で引き取り、乾燥温度を120℃とした以外、実施例1と同様にして得た網状構造体は、断面形状が三角おむすび型の中空断面で中空率が34%、繊度が2800デシテックスの線状体で形成されており、見掛け密度が0.055g/cm3、表面は平坦化されており、厚みが44mm、130℃乾熱収縮率が0.7%、沸水収縮率が0.7%の網状構造体を得た。得られた網状構造体の物性を表2に示す。
熱可塑性エラストマーとしてA−5を用い、紡糸温度220℃、単孔吐量を1.8g/min、ノズル面−冷却水距離を27cmにし、引き取り速度を毎分1.02m、ニップローラーで毎分1.0mの速度、すなわち速度比率2.0%で引き取り、乾燥温度を110℃とした以外、実施例1と同様にして得た網状構造体は、断面形状が中空断面で中空率が33%、繊度が3600デシテックスの線状体で形成されており、見掛け密度が0.048g/cm3、表面は平坦化されており、厚みが45mm、130℃乾熱収縮率が0.3%、沸水収縮率が0.4%の網状構造体を得た。得られた網状構造体の物性を表2に示す。
熱可塑性エラストマーとしてA−1を用い、単孔吐量を2.4g/min、引き取り速度を毎分1.2m、ニップローラーで毎分1.2mの速度、すなわち速度比率0.0%で引き取り、乾燥温度110℃とした以外、実施例1と同様にして得た網状構造体は、断面形状が三角おむすび型の中空断面で中空率が34%、繊度が3600デシテックスの線状体で形成されており、見掛け密度が0.056g/cm3、表面は平坦化されており、厚みが44mm、130℃乾熱収縮率が1.7%、沸水収縮率が1.7%の網状構造体を得た。得られた網状構造体の物性を表2に示す。
熱可塑性エラストマーとしてA−2を用い、紡糸温度を210℃、ノズル面−冷却水距離を34cmにし、引き取り速度を毎分1.2m、ニップローラーで毎分1.2mの速度、すなわち速度比率0.0%で引き取り、乾燥温度を110℃とした以外、実施例1と同様にして得た網状構造体は、断面形状が三角おむすび型の中空断面で中空率が34%、繊度が3000デシテックスの線状体で形成されており、見掛け密度が0.058g/cm3、表面は平坦化されており、厚みが44mm、130℃乾熱収縮率が1.6%、沸水収縮率が1.9%の網状構造体を得た。得られた網状構造体の物性を表2に示す。
熱可塑性エラストマーとしてA−3を用い、紡糸温度を210℃、単孔吐出量を2.4g/min、ノズル面−冷却水距離を24cmにし、引き取り速度を毎分1.2m、ニップローラーで毎分1.2mの速度、すなわち速度比率0.0%で引き取り、乾燥温度を110℃とした以外、実施例1と同様にして得た網状構造体は、断面形状が三角おむすび型の中空断面で中空率が36%、繊度が4400デシテックスの線状体で形成されており、見掛け密度が0.054g/cm3、表面は平坦化されており、厚みが45mm、130℃乾熱収縮率が1.6%、沸水収縮率が1.9%の網状構造体を得た。得られた網状構造体の物性を表2に示す。
熱可塑性エラストマーとしてA−4を用い、紡糸温度を210℃、単孔吐出量を1.5g/min、ノズル面−冷却水距離を25cmにし、引き取り速度を毎分1.0m、ニップローラーで毎分1.0mの速度、すなわち速度比率0.0%で引き取った以外、実施例1と同様にして得た網状体は、断面形状が三角おむすび型の中空断面で中空率が33%、繊度が3500デシテックスの線状体で形成されており、見掛け密度が0.038g/cm3、表面は平坦化されており、厚みが46mm、130℃乾熱収縮率が1.6%、沸水収縮率が1.6%の網状構造体を得た。得られた網状構造体の物性を表2に示す。
Claims (4)
- 熱可塑性エラストマーからなる繊度が100デシテックス以上60000デシテックス以下の連続線状体を曲がりくねらせランダムループを形成し、夫々のループを互いに溶融状態で接触せしめた三次元ランダムループ接合構造体であって、130℃乾熱収縮率が1.5%以下である網状構造体。
- 網状構造体の見掛け密度が0.005g/cm3〜0.20g/cm3であり、厚みが10mm以上120mm以下である請求項1に記載の網状構造体。
- 熱可塑性エラストマーが、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーおよびポリアミド系熱可塑性エラストマーからなる群より選ばれた1種以上の熱可塑性エラストマーである請求項1または2に記載の網状構造体。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の網状構造体を用いたクッション。
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