JP5532179B1 - 圧縮耐久性に優れた網状構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】繰返し圧縮残留歪みが小さく、繰返し圧縮後の硬度保持率が大きい、繰返し圧縮耐久性に優れた網状構造体を提供すること。
【解決手段】ポリアミド系熱可塑性エラストマーからなる繊度が100デシテックス以上60000デシテックス以下の連続線状体を曲がりくねらせランダムループを形成し、夫々のループを互いに溶融状態で接触せしめた三次元ランダムループ接合構造体であって、見掛け密度が0.005g/cm〜0.20g/cmであり、50%定変位繰返し圧縮残留歪みが15%以下であり、50%定変位繰返し圧縮後の50%圧縮時硬度保持率が85%以上である網状構造体。
【選択図】なし

Description

本発明は、繰返し圧縮耐久性に優れた、オフィスチェア、家具、ソファー、ベッド等寝具、電車・自動車・二輪車・ベビーカー・チャイルドシート等の車両用座席等に用いられるクッション材、フロアーマットや衝突や挟まれ防止部材等の衝撃吸収用のマット等に好適な網状構造体に関するものである。
現在、家具、ベッド等寝具、電車・自動車・二輪車等の車両用座席に用いられるクッション材として、発泡−架橋型ウレタンが広く使われている。
発泡−架橋型ウレタンはクッション材としての耐久性は良好だが、透湿透水性や通気性に劣り、蓄熱性があるため蒸れやすいという問題点がある。さらに、熱可塑性で無いためリサイクルが困難であり、そのため焼却処分される場合は焼却炉の損傷が大きくなり、有毒ガス除去に経費が掛かるなどの問題点が指摘されている。そこで埋め立て処分されることが多いが、地盤の安定化が困難なため埋め立て場所が限定され、経費も高くなる問題点もある。また、加工性は優れるが製造中に使用される薬品の公害問題やフォーム後の残留薬品やそれに伴う臭気など種々の問題が指摘されている。
特許文献1および2には、網状構造体が開示されている。これは、上述した発泡−架橋型ウレタンに由来する諸問題を解決でき、クッション性能にも優れているものである。しかし、繰返し圧縮耐久特性は、2万回繰返し圧縮残留歪みで20%以下と繰返し圧縮残留歪みに関しては性能が優れているものの、繰返し圧縮後の50%圧縮時硬度保持率は83%程度であり、繰返し使用後の硬度が低くなるという問題があった。
従来は繰返し圧縮残留歪みが小さければ耐久性能として十分と認識されていた。しかし、近年では、繰返し圧縮耐久性に対する要求が高まっており、繰返し圧縮使用後のクッション性能を確保する要求が高まりつつあった。しかしながら、従来の網状構造体では、繰返し圧縮残留歪みが小さく、かつ繰返し圧縮後の硬度保持率が大きいという耐久性能を併せ持つ網状構造体を得ることは困難であった。
また、近年の消費者ニーズとして、クッション体の特性として低反発タイプだけでなく高反発タイプが望まれる場合が多くなりつつある。ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いて低反発クッションを製造する方法が特許文献3に開示されている。この製造方法において、良好な低反発特性を有する網状構造体を得ることが可能であるが、高反発特性に優れた網状構造体を製造することは困難であった。
特開平7−68061号公報 特開2004−244740号公報 特開2006−200118号公報
本発明は、上記の従来技術の課題を背景になされたもので、繰返し圧縮残留歪みが小さく、繰返し圧縮後の硬度保持率が大きい、繰返し圧縮耐久性に優れた網状構造体を提供することを課題とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究した結果、遂に本発明を完成するに到った。すなわち、本発明は以下の通りである。
1.ポリアミド系熱可塑性エラストマーからなる繊度が100デシテックス以上60000デシテックス以下の連続線状体を曲がりくねらせランダムループを形成し、夫々のループを互いに溶融状態で接触せしめた三次元ランダムループ接合構造体であって、見掛け密度が0.005g/cm〜0.20g/cmであり、50%定変位繰返し圧縮残留歪みが15%以下であり、50%定変位繰返し圧縮後の50%圧縮時硬度保持率が85%以上である網状構造体。
2.ヒステリシスロスが35%以下である上記1に記載の網状構造体。
3.50%定変位繰返し圧縮後の25%圧縮時硬度保持率が75%以上である上記1または2に記載の網状構造体。
4.網状構造体の厚みが10mm以上300mm以下である上記1〜3のいずれかに記載の網状構造体。
本発明による網状構造体は、繰返し圧縮残留歪みが小さく、しかも繰返し圧縮後の硬度保持率が大きく、繰返し使用しても座り心地、寝心地が変化しにくい、繰返し圧縮耐久性に優れた網状構造体である。さらには高反発性にも優れた網状構造体である。この優れた繰返し圧縮耐久性により、オフィスチェア、家具、ソファー、ベッド等寝具、電車・自動車・二輪車・ベビーカー・チャイルドシート等の車両用座席等に用いられるクッション材、フロアーマットや衝突や挟まれ防止部材等の衝撃吸収用のマット等に好適な網状構造体を提供することが可能となった。
網状構造体のヒステリシスロス測定における圧縮・除圧テストの模式的なグラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の網状構造体は、ポリアミド系熱可塑性エラストマーからなる繊度が100デシテックス以上60000デシテックス以下の連続線状体を曲がりくねらせランダムループを形成し、夫々のループを互いに溶融状態で接触せしめた三次元ランダムループ接合構造体であって、見掛け密度が0.005g/cm〜0.20g/cmであり、50%定変位繰返し圧縮残留歪みが15%以下であり、50%定変位繰返し圧縮後の50%圧縮時硬度保持率が85%以上である網状構造体である。
本発明におけるポリアミド系エラストマーとしては、ポリアミドをハードセグメントとし、ポリオールをソフトセグメントとし、両者を共重合したものなどが挙げられる。ハードセグメントのポリアミド化合物は、ラクタム化合物とジカルボン酸もしくは、ジアミンとジカルボン酸などの反応物から得られたポリアミドオリゴマーのうち少なくとも1種以上が挙げられる。ソフトセグメントは、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどのうち少なくとも1種以上が挙げられる。
ラクタム化合物として、γ−ブチロラクタム、ε−カプロラクタム、ω−ヘプタラクタム、ω−ウンデカラクタム、ω−ラウリルラクタムなどの炭素数5〜20の脂肪族ラクタムのうち少なくとも1種以上が挙げられる。
ジカルボン酸として、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、などのジカルボン酸化合物のうち少なくとも1種以上が挙げられる。
ジアミンとして、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカンメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、3−メチルペンタメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン、またはメタキシレンジアミンなどの芳香族ジアミンのうち少なくとも1種以上が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとして、数平均分子量が約300〜5000のポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体からなるグリコ−ル等のポリアルキレンジオ−ルのうち少なくとも1種以上が挙げられる。
ポリカーボネートジオールは、低分子ジオールとカーボネート化合物の反応物であり、数平均分子量が約300〜5000のものが挙げられる。低分子ジオールとして、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチルー1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールなどの脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオールなどの脂環式ジオールのうち少なくとも1種以上の低分子ジオールが挙げられる。カーボネート化合物として、ジアルキルカーボネート、アルキレンカーボネート、ジアリールカーボネートなどのうち少なくとも1種以上が挙げられる。
ポリエステルポリオールとして、数平均分子量が約300〜5000のポリラクトン等のポリエステルジオールのうち少なくとも1種以上が挙げられる。
上記のブロック共重合体を単独または2種類以上混合して用いてもよい。
更には、非エラストマー成分をブレンドしたもの、共重合したもの等も本発明に使用できる。
なお、本発明の熱可塑性エラストマーの融点は、耐熱耐久性が保持できる120℃以上が好ましく、130℃以上のものを用いると耐熱耐久性が向上するのでより好ましい。なお、必要に応じ、酸化防止剤や耐光剤等を添加して耐久性を向上させることができる。また、耐熱耐久性や耐へたり性を向上させるために、熱可塑性エラストマーの分子量を上げることも効果的である。
また、上記の熱可塑性エラストマーに非エラストマー成分をブレンドしたもの、共重合したもの、ポリオレフィン系成分をソフトセグメントにしたもの等も本発明のポリアミド系熱可塑性エラストマーに包含される。さらに、ポリアミド系熱可塑性エラストマーに各種添加剤等を必要に応じ添加したものも包含される。
本発明の目的である網状構造体のクッション性と耐久性を実現するために、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーのソフトセグメント含有量は好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上であり、さらに好ましくは15重量%以上であり、最も好ましくは20重量%以上であり、硬度確保と耐熱耐へたり性からは好ましくは80重量%以下、より好ましくは70重量%以下である。
本発明の繰返し圧縮耐久性に優れた網状構造体を構成するポリアミド系熱可塑性エラストマーからなる成分は、示差走査型熱量計にて測定した融解曲線において、融点以下に吸熱ピークを有することが好ましい。融点以下に吸熱ピークを有するものは、耐熱耐へたり性が吸熱ピークを有しないものより著しく向上する。例えば、本発明の好ましいポリアミド系熱可塑性エラストマーとして、ハードセグメントにポリアミド6やポリアミド11、ポリアミド12などを90モル%以上含有するもの、より好ましくは95モル%以上、特に好ましくは100モル%、グリコール成分をエステル交換後、必要な重合度まで重合し、次いで、ポリアルキレンジオールとして、好ましくは平均分子量が500以上5000以下、より好ましくは700以上3000以下、さらに好ましくは800以上2000以下のポリテトラメチレングリコールを5重量%以上80重量%以下、より好ましくは10重量%以上70重量%以下、さらに好ましくは15重量%以上70重量%以下、よりさらに好ましくは20重量%以上70重量%以下を共重合量させた場合、ハードセグメントの結晶性が向上し、塑性変形しにくく、かつ、耐熱耐へたり性が向上するが、溶融熱接着後さらに融点より少なくとも10℃以上低い温度でアニーリング処理するとより耐熱耐へたり性が向上する。アニーリング処理は、融点より少なくとも10℃以上低い温度でサンプルを熱処理することができれば良いが、圧縮歪みを付与することでさらに耐熱耐へたり性が向上する。このような処理をしたクッション層を示差走査型熱量計で測定した融解曲線に室温以上融点以下の温度で吸熱ピークをより明確に発現する。なおアニーリングしない場合は融解曲線に室温以上融点以下に吸熱ピークを明確に発現しない。このことから類推すると、アニーリングによってハードセグメントが再配列された準安定中間相を形成し、耐熱耐へたり性が向上しているのではないかと考えられる。本発明における耐熱性向上効果の活用方法としては、ヒーターが用いられる車両用のクッションや床暖房された床の敷きマット等、比較的高温になり得る用途において、耐へたり性が良好となるため有用である。
本発明の網状構造体を構成する連続線状体の繊度は、繊度が小さいとクッション材として使用する際に必要な硬度が保てなくなり、逆に繊度が大きすぎると硬くなり過ぎてしまうため、適正な範囲に設定する必要がある。繊度は100デシテックス以上であり、好ましくは300デシテックス以上である。繊度が100デシテックス未満だと細すぎてしまい、緻密性やソフトな触感は良好となるが網状構造体として必要な硬度を確保することが困難である。また、繊度は60000デシテックス以下であり、好ましくは50000デシテックス以下である。繊度が60000デシテックスを超えると網状構造体の硬度は十分に確保できるが、網状構造が粗くなり、他のクッション性能が劣る場合がある。
本発明の網状構造体の見掛け密度は、0.005g/cm〜0.20g/cmであり、好ましくは0.01g/cm〜0.18g/cm、より好ましくは0.02g/cm〜0.15g/cmの範囲である。見掛け密度が0.005g/cmより小さいとクッション材として使用する際に必要な硬度が保てなくなり、逆に0.20g/cmを越えると硬くなり過ぎてしまいクッション材に不適なものとなる場合がある。
本発明の網状構造体のヒステリシスロスは、35%以下が好ましく、34%以下がより好ましく、33%以下がさらに好ましく、30%以下が最も好ましい。ヒステリシスロスが35%を超えると座った際に高反発性を感じにくい場合があり、高反発性クッションとしての性能が不十分となり好ましくない。ヒステリシスロスの下限値は特に規定しないが、本発明で得られる網状構造体においては、1%以上である。
本発明の網状構造体の厚みは、好ましくは10mm以上であり、より好ましくは20mm以上である。厚みが10mm未満ではクッション材に使用すると薄すぎてしまい底付き感が出てしまう場合がある。厚みの上限は製造装置の関係から、好ましくは300mm以下であり、より好ましくは200mm以下、さらに好ましくは120mm以下である。
本発明の網状構造体の70℃圧縮残留歪は35%以下であることが好ましい。70℃圧縮残留歪が35%を超えるものにあっては、目的とするクッション材に使用する網状構造体としての特性が満たされない。70℃圧縮残留歪の下限値は特に規定しないが、本発明で得られる網状構造体においては1%以上である。
本発明の網状構造体の50%定変位繰返し圧縮残留歪みは、15%以下であり、好ましくは10%以下である。50%定変位繰返し圧縮残留歪みが15%を超えると、長期間使用すると厚みが低下してしまい、クッション材として好ましくない。なお、50%定変位繰返し圧縮残留歪みの下限値は特に規定しないが、本発明で得られる網状構造体においては、1%以上である。
本発明の網状構造体の50%圧縮時硬度は、10N/φ200以上1000N/φ200以下が好ましい。50%圧縮時硬度が10N/φ200未満では底付き感を感じる場合がある。また、1000N/φ200を超えると硬すぎてクッション性を損なう場合がある。
本発明の網状構造体の25%圧縮時硬度は、5N/φ200以上500N/φ200以下が好ましい。25%圧縮時硬度が0.5N/φ200未満では柔らかすぎてクッション性能が不十分となる場合がある。また、500N/φ200を超えると硬すぎてクッション性を損なう場合がある。
本発明の網状構造体の50%定変位繰返し圧縮後の50%圧縮時硬度保持率は、85%以上であり、好ましくは88%以上であり、より好ましくは90%以上である。50%定変位繰返し圧縮後の50%圧縮時硬度保持率が85%未満では、長時間使用により、クッション材の硬さが低下してしまい、底付き感が出る場合がある。50%定変位繰返し圧縮後の50%圧縮時硬度保持率の上限値は特に規定しないが、本発明で得られる網状構造体においては、120%以下が好ましく、115%以下がより好ましく、110%以下がさらに好ましい。50%圧縮時硬度保持率が100%を超える場合があるのは、繰返し圧縮により網状構造体の厚みが低下し、繰返し圧縮後の網状構造体の見掛け密度が上昇することで、網状構造体の硬度が上昇する場合があるためである。繰返し圧縮によって硬度が上昇すると、クッション性が変化するため、120%以下が好ましく、115%以下がより好ましく、110%以下がさらに好ましい。
本発明の網状構造体の50%定変位繰返し圧縮後の25%圧縮時硬度保持率は、75%以上が好ましく、より好ましくは78%以上であり、さらに好ましくは80%以上であり、最も好ましくは85%以上である。50%定変位繰返し圧縮後の25%圧縮時硬度保持率が75%未満では、長時間使用により、クッション材の硬さが低下してしまい、座り心地の変化に繋がる場合がある。50%定変位繰返し圧縮後の25%圧縮時硬度保持率の上限値は特に規定しないが、本発明で得られる網状構造体においては、120%以下が好ましく、115%以下がより好ましく、110%以下がさらに好ましい。25%圧縮時硬度保持率が100%を超える場合があるのは、繰返し圧縮により網状構造体の厚みが低下し、繰返し圧縮後の網状構造体の見掛け密度が上昇することで、網状構造体の硬度が上昇する場合があるためである。繰返し圧縮によって硬度が上昇すると、クッション性が変化するため、120%以下が好ましく、115%以下がより好ましく、110%以下がさらに好ましい。
本発明の網状構造体は、前記50%定変位繰返し圧縮後の50%圧縮時硬度保持率が85%以上、50%定変位繰返し圧縮後の25%圧縮時硬度保持率が75%以上となる特性を有している。硬度保持率を上記範囲にすることで、長期間使用後の網状構造体の硬度変化が小さく、座り心地、寝心地の変化が少ない、長期間の使用が可能な網状構造体がはじめて得られる。これまで知られていた50%定変位繰返し圧縮歪みの小さい網状構造体と本発明の網状構造体との違いは、本発明の網状構造体では、網状構造体を構成する連続線状体同士の融着を強固なものとし、連続線状体同士の接点強度を強くしたことである。網状構造体を構成する連続線状体同士の接点強度を強くすることにより、網状構造体の50%定変位繰返し圧縮後の硬度保持率を向上することができたものである。すなわち、これまで知られていた網状構造体は50%定変位繰返し圧縮により、網状構造体を構成する連続線状体同士の多くの接点が繰返し圧縮により破壊されていたが、本発明の網状構造体は接点の破壊を従来のものに比べ減少することができたためと考えられる。
一方、50%定変位繰返し圧縮歪みにおいては、繰返し圧縮後の網状構造体の接点が破壊されていたとしても、連続線状体を構成するポリアミド系熱可塑性エラストマーの弾性により、厚みが回復していたため、圧縮歪みは小さいものとなっていたと考えられ、本発明の網状構造体と大差のない50%定変位繰返し圧縮歪みとなっていたと考えられる。
本発明の網状構造体は、ヒステリシスロスが35%以下となる特性を有している。ヒステリシスロスを上記範囲にすることで、高反発性の座り心地や寝心地を有する網状構造体がはじめて得られる。本発明の網状構造体では、網状構造体を構成する連続線状体同士の融着を強固なものとし、連続線状体同士の接点強度を強くしたことにより、上記ヒステリシスロスを有するものが始めて得られたものである。接点強度を上げることとヒステリシスロスが小さくなるメカニズムは複雑であり、全てが明らかになっている訳では無いが、下記のように考えられる。網状構造体を構成する連続線状体同士の接点強度を強くすることにより、網状体が圧縮される際に接点破壊が起こりにくくなる。次に、圧縮状態から応力が開放されて変形状態から回復する時に各接点が破壊されずに維持されていることで変形状態からの回復が速くなりヒステリシスロスが小さくなったものと考える。すなわち、これまで知られていた網状構造体は所定の予備圧縮や二回目の圧縮により、網状構造体を構成する連続線状体同士の多くの接点が破壊されていたが、本発明の網状構造体は接点の破壊を従来のものに比べ減少することができ、維持された接点がポリマー本来のゴム弾性をより活かすことができるようになったためと考えられる。
50%定変位繰返し圧縮後の硬度保持率の高い本発明の網状構造体は、例えば次のようにして得られる。網状構造体は特開平7−68061号公報等に記載された公知の方法に基づき得られる。例えば、複数のオリフィスを持つ多列ノズルよりポリアミド系熱可塑性エラストマーをノズルオリフィスに分配し、該ポリアミド系熱可塑性エラストマーの融点より20℃以上150℃未満高い紡糸温度で、該ノズルより下方に向け吐出させ、溶融状態で互いに連続線状体を接触させて融着させ3次元構造を形成しつつ、引取りコンベアネットで挟み込み、冷却槽中の冷却水で冷却せしめた後、引出し、水切り後または乾燥して、両面または片面が平滑化した網状構造体を得る。片面のみを平滑化させる場合は、傾斜を持つ引取ネット上に吐出させて、溶融状態で互いに接触させて融着させ3次元構造を形成しつつ引取ネット面のみ形態を緩和させつつ冷却すると良い。得られた網状構造体をアニーリング処理することもできる。なお、網状構造体の乾燥処理をアニーリング処理としても良い。
本発明の網状構造体を得るためには、得られる網状構造体の連続線状体同士の融着を強固なものとし、連続線状体同士の接点強度を強くすることが必要である。網状構造体を構成する連続線状体同士の接点強度を強くすることにより、結果として、網状構造体の繰返し圧縮耐久性を向上することができる。
接点強度を強くした網状構造体を得る手段の1つとしては、例えばポリアミド系熱可塑性エラストマーを紡出する際に、ノズル下に保温領域を設けることが挙げられる。ポリアミド系熱可塑性エラストマーの紡糸温度を高くすることも考えられるが、ポリマーの熱劣化を防ぐ観点から、ノズル下に保温領域を設ける手段が好ましい。ノズル下の保温領域の長さは、好ましくは20mm以上、より好ましくは35mm以上、さらに好ましくは50mm以上である。保温領域の長さの上限としては、70mm以下が好ましい。保温領域の長さを20mm以上にすると、得られる網状構造体の連続線状体の融着が強固となり、連続線状体同士の接点強度が強くなり、その結果として、網状構造体の繰返し圧縮耐久性を向上することができる。保温領域の長さが20mm未満では繰返し圧縮耐久性が満足できる程度に接点強度が向上しない。また、保温領域の長さが70mmを超えると表面品位が悪くなることがある。
この保温領域はスピンパック周辺やポリマー持込み熱量を利用して保温領域とすることもできるし、ヒーターで該保温領域を加熱してノズル直下の繊維落下領域の温度を制御することもできる。保温領域は、鉄板やアルミ板、セラミック板等を使用し、ノズル下の落下する連続線状体の周りを囲うように保温体を設置すれば良い。保温体は、上記素材で構成し、それらを断熱材で保温することがより好ましい。保温領域の設置位置としては、保温効果を考慮すると、ノズル下から50mm以下の位置から下方に向けて設置することが好ましく、より好ましくは20mm以下、さらに好ましくはノズル直下から設置するのが良い。好ましい実施形態のひとつとしては、ノズル直下の周辺を糸条に接触しないようにアルミ板でノズル直下から下方に20mmの長さで囲うことで保温し、さらにこのアルミ板を保温材で保温することである。
接点強度を強くした網状構造体を得る他の手段としては、引取りコンベアネットの連続線状体の落下位置周辺のネット表面温度を上げる、または、連続線状体の落下位置周辺の冷却槽内の冷却水温度を上げること等が挙げられる。引取りコンベアネットの表面温度は80℃以上とすることが好ましく、100℃以上がより好ましい。連続線状体とコンベアネット間の剥離性を良好に保つ観点から、コンベアネット温度は、ポリマーの融点以下であることが好ましく、融点よりも20℃以上低いことがより好ましい。また、冷却水温度については80℃以上にすることが好ましい。
本発明の網状構造体を構成する連続線状体は、本発明の目的を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂と組み合わせた複合線状としても良い。複合形態としては、線状体自身を複合化した場合として、シース・コア型、サイドバイサイド型、偏芯シース・コア型等の複合線状体が挙げられる。
本発明の網状構造体は、本発明の目的を損なわない範囲で、多層構造化しても良い。多層構造としては、表層と裏層を異なった繊度の線状体で構成することや、表層と裏層で異なった見掛け密度を持つ構造体で構成する等の構造体が挙げられる。多層化方法としては、網状構造体同士を積み重ねて側地等で固定する方法、加熱により溶融固着する方法、接着剤で接着させる方法、縫製やバンド等で拘束する方法等が挙げられる。
本発明の網状構造体を構成する連続線状体の断面形状は特に限定されないが、中空断面や異型断面とすることで好ましい抗圧縮性やタッチを付与することができる。
本発明の網状構造体は、性能を低下させない範囲で樹脂製造過程から成形体に加工し、製品化する任意の段階で防臭抗菌、消臭、防黴、着色、芳香、難燃、吸放湿等の機能付与を薬剤添加等の処理加工ができる。
かくして得られた本発明の網状構造体は、繰返し圧縮残留歪みが小さく、硬度保持率が高い、優れた繰返し圧縮耐久性を有するものである。さらには、高反発性を有するものである。
以下に、実施例を例示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中における特性値の測定及び評価は下記のように行った。
(1)繊度
試料を20cm×20cmの大きさに切断し、10か所から線状体を採集する。10か所で採集した線状体の40℃での比重を密度勾配管を用いて測定する。さらに、上記10か所で採集した線状体の断面積を顕微鏡で30倍に拡大した写真より求め、それより線状体の長さ10000m分の体積を求める。得られた比重と体積を乗じた値を繊度(線状体10000m分の重量)とする。(n=10の平均値)
(2)試料厚み及び見掛け密度
試料を30cm×30cmの大きさに切断し、無荷重で24時間放置した後、高分子計器製FD−80N型測厚器にて4か所の高さを測定して平均値を試料厚みとする。試料重さは、上記試料を電子天秤に載せて計測する。また試料厚みから体積を求め、試料の重さを体積で除した値で示す。(それぞれn=4の平均値)
(3)融点(Tm)
TAインスツルメント社製 示差走査熱量計Q200を使用し、昇温速度20℃/分で測定した吸発熱曲線から吸熱ピーク(融解ピーク)温度を求めた。
(4)70℃圧縮残留歪み
試料を30cm×30cmの大きさに切断し、(2)に記載の方法で処理前の厚み(a)を測定する。厚みを測定したサンプルを50%圧縮状態に保持できる冶具に挟み、70℃に設定した乾燥機に入れ、22時間放置する。その後サンプルを取り出し、冷却して圧縮歪みを除き1日放置後の厚み(b)を求め、処理前の厚み(a)とから、式{(a)−(b)}/(a)×100より算出する:単位%(n=3の平均値)。
(5)25%および50%圧縮時硬度
試料を30cm×30cmの大きさに切断し、20℃±2℃の環境下に無荷重で24時間放置した後、20℃±2℃の環境下にあるオリエンテック社製テンシロンにてφ200mm、厚み3mmの加圧板を用いて、試料の中心部を10mm/minの速度で圧縮を開始し、荷重が5Nになる時の厚みを計測し、硬度計厚みとする。この時の加圧板の位置をゼロ点として、速度100mm/minで硬度計厚みの75%まで圧縮した後、速度100mm/minにて加圧板をゼロ点まで戻す。引き続き速度100mm/minで硬度計厚みの25%ないし50%まで圧縮し、その際の荷重を測定し、各々25%圧縮時硬度、50%圧縮時硬度とした:単位N/φ200(n=3の平均値)。
(6)50%定変位繰返し圧縮残留歪み
試料を30cm×30cmの大きさに切断し、(2)に記載の方法で処理前の厚み(a)を測定する。厚みを測定したサンプルを島津製作所製サーボパルサーにて、20℃±2℃環境下にて50%の厚みまで1Hzのサイクルで圧縮回復を繰り返し、8万回後の試料を1日静置した後に処理後の厚み(b)を求め、処理前の厚み(a)とから、式{(a)−(b)}/(a)×100より算出する:単位%(n=3の平均値)。
(7)50%定変位繰返し圧縮後の50%圧縮時硬度保持率
試料を30cm×30cmの大きさに切断し、(2)に記載の方法で処理前の厚みを測定する。厚みを測定したサンプルを(5)に記載の方法で測定した50%圧縮時硬度を処理前荷重(a)とする。その後、島津製作所サーボパルサーで、20℃±2℃環境下にて処理前厚みの50%の厚みまで1Hzのサイクルで圧縮回復を繰り返し、8万回後の試料を30分静置後、(4)に記載の方法で測定した50%圧縮時硬度を処理後荷重(b)とする。式(b)/(a)×100より50%定変位繰返し圧縮後の50%圧縮時硬度保持率を算出する:単位%(n=3の平均値)。
(8)50%定変位繰返し圧縮後の25%圧縮時硬度保持率
試料を30cm×30cmの大きさに切断し、(2)に記載の方法で処理前の厚みを測定する。厚みを測定したサンプルを(5)に記載の方法で測定した25%圧縮時硬度を処理前荷重(c)とする。その後、島津製作所サーボパルサーで、20℃±2℃環境下にて処理前厚みの50%の厚みまで1Hzのサイクルで圧縮回復を繰り返し、8万回後の試料を30分静置後、(5)に記載の方法で測定した25%圧縮時硬度を処理後荷重(d)とする。式(d)/(c)×100より50%定変位繰返し圧縮後の25%圧縮時硬度保持率を算出する:単位%(n=3の平均値)。
(9)ヒステリシスロス
試料を30cm×30cmの大きさに切断し、20℃±2℃の環境下に無荷重で24時間放置した後、20℃±2℃の環境下にあるオリエンテック社製テンシロンにてφ200mm、厚み3mmの加圧板を用いて、試料の中心部を10mm/minの速度で圧縮を開始し、荷重が5Nになる時の厚みを計測し、硬度計厚みとする。この時の加圧板の位置をゼロ点として、速度100mm/minで硬度計厚みの75%まで圧縮し、ホールドタイム無しで同一速度にて加圧板をゼロ点まで戻す(一回目の応力歪み曲線)。引き続きホールドタイム無しで速度100mm/minで硬度計厚みの75%まで圧縮し、ホールドタイム無しで同一速度にてゼロ点まで戻す(二回目の応力歪み曲線)。
二回目の圧縮時応力曲線の示す圧縮エネルギー(WC)、二回目の除圧時応力曲線の示す圧縮エネルギー(WC‘)とし、下記式に従ってヒステリシスロスを求める。
ヒステリシスロス(%)=(WC−WC‘)/WC×100
WC=∫PdT(0%から75%まで圧縮したときの仕事量)
WC‘=∫PdT(75%から0%まで除圧したときの仕事量)
簡易的には、例えば図1のような応力歪み曲線が得られたら、パソコンによるデータ解析によって算出することができる。また、斜線部分の面積をWCとし、網掛け部分の面積をWC‘として、その面積比を切り抜いた部分の重さから求めることもできる。(n=3の平均値)
ポリアミド系熱可塑性エラストマーは、ω−ラウリルラクタム、アジピン酸を用いて公知の方法でポリアミド化合物を得た後、数平均分子量1000のPTMGを用いて公知の方法で共重合し、次いで抗酸化剤1%を添加混合練込み後ペレット化し、50℃48時間真空乾燥し、PTMG含有率35%の熱可塑性エラストマーA−1を得た。熱可塑性エラストマーA−2は、数平均分子量2000のPTMGを用いて、A−1と同様の方法で重合し、PTMG含有率55%の熱可塑性エラストマーを得た。熱可塑性エラストマーA−1は、PTMG含有量が35重量%、融点が159℃、A−2は、PTMG含有量が55重量%、融点が140℃であった。得られたポリマー組成を表1に示す。
[実施例1]
幅方向1050mm、厚み方向の幅45mmのノズル有効面にオリフィスの形状は外径2mm、内径1.6mmでトリプルブリッジの中空形成性断面としたオリフィスを孔間ピッチ5mmの千鳥配列としたノズルに、得られた熱可塑性エラストマーA−1を紡糸温度220℃にて、単孔吐出量2.4g/minの速度でノズル下方に吐出させ、ノズル直下30mmの保温領域を経て、ノズル面28cm下に30℃の冷却水を配し、幅150cmのステンレス製エンドレスネットを平行に開口幅40mm間隔で一対の引取りコンベアを水面上に一部出るように配して、その水面上のコンベアネットは加熱せずその表面温度は40℃とし、該溶融状態の吐出線状を曲がりくねらせル−プを形成して接触部分を融着させつつ3次元網状構造を形成し、該溶融状態の網状体の両面を引取りコンベア−で挟み込みつつ毎分1.2mの速度で30℃の冷却水中へ引込み固化させ両面をフラット化した後、所定の大きさに切断して110℃熱風にて15分間乾燥熱処理して、網状構造体を得た。得られた網状体は、断面形状が中空断面で中空率が31%、繊度が3600デシテックスの線条で形成しており、見掛け密度は0.038g/cm、表面は平坦化された厚みが40mm、25%圧縮時硬度が233N/φ200mm、50%圧縮時硬度が402N/φ200mm、50%定変位繰返し圧縮残留歪みが9.1%、70℃圧縮残留歪みが12.2%、50%定変位繰返し圧縮後の50%圧縮時硬度保持率が93.4%、50%定変位繰返し圧縮後の25%圧縮時硬度保持率が82.2%、ヒステリシスロスが30.8%であり、繰り返し圧縮耐久性と高反発性に優れた網状構造体であった。得られた網状構造体の特性を表2に示す。得られた網状構造体は、本発明の要件を満たし、繰返し圧縮耐久性と高反発性に優れた網状構造体であった。
[実施例2]
紡糸温度を230℃、ノズル直下の保温領域を40mm、単孔吐出量を2.1g/min、引き取り速度を毎分1.0m、ノズル面−冷却水距離を30cm、コンベアネット表面温度を120℃になるように赤外線ヒーターで加熱し、冷却水温度を80℃となるように加熱した以外、実施例1と同様にして得た網状構造体は、断面形状が中空断面で中空率が29%、繊度が3300デシテックスの線条で形成しており、見掛け密度が0.042g/cm、表面が平坦化された厚みが39mm、25%圧縮時硬度が250N/φ200mm、50%圧縮時硬度が431N/φ200mm、70℃圧縮残留歪みが8.7%、50%定変位繰返し圧縮残留歪みが7.3%、50%定変位繰返し圧縮後の50%圧縮時硬度保持率が98.1%、50%定変位繰返し圧縮後の25%圧縮時硬度保持率が86.3%、ヒステリシスロス27.7%であった。得られた網状構造体の特性を表2に示す。得られた網状構造体は、本発明の要件を満たし、繰返し圧縮耐久性と高反発性に優れた網状構造体であった。
[実施例3]
熱可塑性エラストマーとしてA−2を用い、単孔吐出量を2.5g/min、ノズル面−冷却水距離を30cmとした以外、実施例1と同様にして得た網状構造体は、断面形状が中空断面で中空率が32%、繊度が3400デシテックスの線条で形成しており、見掛け密度が0.040g/cm、表面が平坦化された厚みが40mm、25%圧縮時硬度が65N/φ200mm、50%圧縮時硬度が138N/φ200mm、70℃圧縮残留歪みが15.5%、50%定変位繰返し圧縮残留歪みが8.5%、50%定変位繰返し圧縮後の50%圧縮時硬度保持率が87.4%、50%定変位繰返し圧縮後の25%圧縮時硬度保持率が77.1%、ヒステリシスロス29.3%であった。得られた網状構造体の特性を表2に示す。得られた網状構造体は、本発明の要件を満たし、繰返し圧縮耐久性と高反発性に優れた網状構造体であった。
[実施例4]
熱可塑性エラストマーとしてA−2を用い、紡糸温度を230℃、ノズル直下の保温領域を40mm、単孔吐出量を2.8g/min、引き取り速度を毎分0.9m、ノズル面−冷却水距離を32cm、コンベアネット表面温度を80℃になるように赤外線ヒーターで加熱し、冷却水温度を80℃となるように加熱した以外、実施例1と同様にして得た網状構造体は、断面形状が中空断面で中空率が28%、繊度が3200デシテックスの線条で形成しており、見掛け密度が0.060g/cm、表面が平坦化された厚みが39mm、25%圧縮時硬度が182N/φ200mm、50%圧縮時硬度が344N/φ200mm、70℃圧縮残留歪みが12.0%、50%定変位繰返し圧縮残留歪みが5.5%、50%定変位繰返し圧縮後の50%圧縮時硬度保持率が93.2%、50%定変位繰返し圧縮後の25%圧縮時硬度保持率が80.6%、ヒステリシスロスが22.0%であった。得られた網状構造体の特性を表2に示す。得られた網状構造体は、本発明の要件を満たし、繰返し圧縮耐久性と高反発性に優れた網状構造体であった。
[比較例1]
ノズル直下の保温領域をなくし、単孔吐出量を1.9g/min、引き取り速度を毎分0.8m、ノズル面−冷却水距離を29cm、冷却水温度が80℃となるように加熱した以外、実施例1と同様にして得た網状構造体は、断面形状が中空断面で中空率が34%、繊度が3500デシテックスの線条で形成しており、見掛け密度が0.048g/cm、表面が平坦化された厚みが40mm、25%圧縮時硬度が311N/φ200mm、50%圧縮時硬度が602N/φ200mm、70℃圧縮残留歪みが13.9%、50%定変位繰返し圧縮残留歪みが7.1%、50%定変位繰返し圧縮後の50%圧縮時硬度保持率が82.0%、50%定変位繰返し圧縮後の25%圧縮時硬度保持率が71.2%、ヒステリシスロスが37.0%であった。得られた網状構造体の特性を表2に示す。得られた網状構造体は、本発明の要件を満たさず、繰返し圧縮耐久性と高反発性に劣る網状構造体であった。
[比較例2]
熱可塑性エラストマーとしてA−2を用い、冷却水温度を過熱せず30℃とした以外、比較例1と同様にして得た網状構造体は、断面形状が中空断面で中空率が33%、繊度が3400デシテックスの線条で形成しており、見掛け密度が0.048g/cm、表面が平坦化された厚みが40mm、25%圧縮時硬度が83N/φ200mm、50%圧縮時硬度が192N/φ200mm、70℃圧縮残留歪みが14.0%、50%定変位繰返し圧縮残留歪みが6.6%、50%定変位繰返し圧縮後の50%圧縮時硬度保持率が77.2%、50%定変位繰返し圧縮後の25%圧縮時硬度保持率が68.1%、ヒステリシスロスが38.2%であった。得られた網状構造体の特性を表2に示す。得られた網状構造体は、本発明の要件を満たさず、繰返し圧縮耐久性と高反発性に劣る網状構造体であった。
本発明の網状構造体は、網状構造体が従来から有する快適な座り心地や通気性を損なわずに、従来品の課題であった繰返し圧縮後の耐久性を改良したものであり、長期間使用後の厚み低下が少なく、硬度の低下が少ない、オフィスチェア、家具、ソファー、ベッド等寝具、電車・自動車・二輪車・ベビーカー・チャイルドシート等の車両用座席等に用いられるクッション材、フロアーマットや衝突や挟まれ防止部材等の衝撃吸収用のマット等に好適な網状構造体を提供できるため、産業界に寄与すること大である。

Claims (5)

  1. ポリアミド系熱可塑性エラストマーからなる繊度が100デシテックス以上60000デシテックス以下の連続線状体を曲がりくねらせランダムループを形成し、夫々のループを互いに溶融状態で接触せしめた三次元ランダムループ接合構造体であって、見掛け密度が0.005g/cm 〜0.20g/cm であり、50%定変位繰返し圧縮残留歪みが15%以下であり、50%定変位繰返し圧縮後の50%圧縮時硬度保持率が85%以上である網状構造体。
  2. ヒステリシスロスが35%以下である請求項1に記載の網状構造体。
  3. 50%定変位繰返し圧縮後の25%圧縮時硬度保持率が75%以上である請求項1または2に記載の網状構造体。
  4. 網状構造体の厚みが10mm以上300mm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の網状構造体。
  5. 網状構造体を構成する連続線状体の断面形状が中空断面および/または異型断面である請求項1〜4のいずれかに記載の網状構造体。
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