JP2014224169A - 環状オレフィン共重合体及び環状オレフィン共重合体フィルム - Google Patents

環状オレフィン共重合体及び環状オレフィン共重合体フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、薄膜化された環状オレフィン共重合体フィルムであって、面内や厚み方向のレタデーションが十分に低く抑えられ、かつ靭性に優れた環状オレフィン共重合体フィルムを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、エチレン単位とノルボルネン単位を含む環状オレフィン共重合体フィルムであって、ノルボルネン単位は2連鎖部位を含み、該2連鎖部位の立体規則性はメソ型およびラセモ型であり、メソ型2連鎖部位/ラセモ型2連鎖部位の比は2.0未満であり、環状オレフィン共重合体フィルムの膜厚は10〜60μmであることを特徴とする環状オレフィン共重合体フィルムに関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、環状オレフィン共重合体及び環状オレフィン共重合体フィルムに関する。具体的には、本発明は、複屈折発現性が小さい環状オレフィン共重合体と、該環状オレフィン共重合体を用いたフィルムに関する。
近年、液晶表示装置、有機EL表示装置、タッチパネル等の用途が拡大している。このようなデバイスでは支持体や保護フィルム等に、各種の樹脂フィルムが用いられている。中でも、環状オレフィン共重合体から形成されるフィルムは、耐熱性が高く、吸水率が低いために、寸法安定性に優れるため好ましく用いられている。また、環状オレフィン共重合体は、低光弾性係数であるために複屈折を低く抑えることができるため、光学特性にも優れた素材である。
表示装置やタッチパネルに対する薄膜化や軽量化の要求はますます高まってきており、特に、樹脂フィルムの薄膜化や軽量化は重要な検討課題となっている。環状オレフィン共重合体は、上記のような利点を有する一方で、靭性に劣るため、薄膜化した際に、その力学的強度が弱化するという問題がある。このため、環状オレフィン共重合体フィルムの靭性を維持しつつ、薄膜化する技術の検討が行われている。
例えば、特許文献1及び2では、環状オレフィン共重合体を延伸することで、薄膜化した環状オレフィン共重合体フィルムを得ている。特許文献1では、環状オレフィン共重合体を二軸延伸することにより、靭性を改良する検討が行われている。また、特許文献2では、環状オレフィン共重合体フィルムを薄くすることに加え、フィルムの位相差発現性を高める検討が行われている。ここでは、樹脂の一次構造を制御し、ノルボルネン単位のメソ型2連鎖部位/ラセモ型2連鎖部位の比を一定値以上とすることが提案されている。
特開2011−93285号公報 特許4493660号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、環状オレフィン共重合体フィルムの靭性は改善されるものの、面内や厚み方向のレタデーションが発現してしまうという問題があった。また、特許文献2の技術では、面内や厚み方向のレタデーションを高くすることを目的としており、面内や厚み方向のレタデーションを小さくすることについては検討が行われていない。すなわち、従来の環状オレフィン共重合体フィルムにおいては、薄膜化と低レタデーション化は両立されていなかった。
このように、面内や厚み方向のレタデーションが十分に低減されていない環状オレフィン共重合体フィルムを表示装置やタッチパネル等に組み込んだ場合、斜め方向から見た際に、フィルムの色味変化が生じるため問題となる。すなわち、従来技術で得られた環状オレフィン共重合体フィルムは、表示装置やタッチパネルの用途には不向きであり、その用途は限定的なものであった。
また、従来の環状オレフィン共重合体フィルムでは、薄膜化の検討がなされているが、その程度は十分ではなく、さらなる薄膜化が求められていた。加えて、力学的強度が不足する場合がありさらなる改良が求められていた。
そこで、本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、薄膜化された環状オレフィン共重合体フィルムであって、面内や厚み方向のレタデーションが十分に低く抑えられ、かつ靭性に優れた環状オレフィン共重合体フィルムを提供することを目的として検討を進めた。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、エチレン単位とノルボルネン単位から構成される環状オレフィン共重合体フィルムにおいて、膜厚を60μm以下とし、かつノルボルネン単位のメソ型2連鎖部位/ラセモ型2連鎖部位の比を一定の値よりも低くすることにより、薄膜化と低レタデーションが実現された環状オレフィン共重合体フィルムを得ることができることを見出した。さらに、本発明者らは、このような環状オレフィン共重合体フィルムにおいては、力学的強度が高く、靭性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[1]エチレン単位とノルボルネン単位を含む環状オレフィン共重合体フィルムであって、前記ノルボルネン単位は2連鎖部位を含み、該2連鎖部位の立体規則性はメソ型およびラセモ型であり、メソ型2連鎖部位/ラセモ型2連鎖部位の比は2.0未満であり、
前記環状オレフィン共重合体フィルムの膜厚は10〜60μmであることを特徴とする環状オレフィン共重合体フィルム。
[2]下記式(1)で規定される、波長550nmにおける面内方向のレタデーション(Re)が0〜10nmであり、かつ、下記式(2)で規定される厚み方向のレタデーション(Rth)が−50〜50nmであることを特徴とする[1]に記載の環状オレフィン共重合体フィルム。
Re = (nx−ny)×d (1)
Rth = {(nx+ny)/2 − nz}×d (2)
(式(1)及び(2)中、nxは環状オレフィン共重合体フィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyは環状オレフィン共重合体フィルム面内の進相軸方向の屈折率であり、nzは環状オレフィン共重合体フィルムの厚み方向の屈折率であり、dは環状オレフィン共重合体フィルムの厚さを表す。)
[3]少なくとも1軸方向に延伸されてなることを特徴とする[1]又は[2]に記載の環状オレフィン共重合体フィルム。
[4]2軸延伸されてなることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の環状オレフィン共重合体フィルム。
[5]破断伸度が6%以上であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の環状オレフィン共重合体フィルム。
[6]ガラス転移温度が110〜210℃であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の環状オレフィン共重合体フィルム。
[7][1]〜[6]のいずれかに記載のフィルムと、偏光子とを有することを特徴とする偏光板。
[8][1]〜[6]のいずれかに記載のフィルムと、導電層を有することを特徴とする透明導電性フィルム。
[9][1]〜[6]のいずれかに記載のフィルムを用いた反射防止フィルム。
[10][1]〜[6]のいずれかに記載のフィルムを用いた表示装置。
本発明によれば、薄膜化された環状オレフィン共重合体フィルムであって、面内や厚み方向のレタデーションが十分に低く抑えられ、かつ靭性に優れた環状オレフィン共重合体フィルムを得ることができる。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
(環状オレフィン共重合体フィルム)
本発明の環状オレフィン共重合体フィルムは、エチレン単位とノルボルネン単位を含む。本発明では、ノルボルネン単位は2連鎖部位を含み、該2連鎖部位の立体規則性はメソ型およびラセモ型であり、メソ型2連鎖部位/ラセモ型2連鎖部位の比は2.0未満である。また、環状オレフィン共重合体フィルムの膜厚は10〜60μmである。
環状オレフィン共重合体フィルムには、ノルボルネン単位の連鎖部位がある程度存在している。ビニル重合タイプのノルボルネン単位の2連鎖部位(以下、NNダイアド)における立体規則性についてはメソ型とのラセモ型の2通りの立体異性体があることが知られている。本発明では、メソ型2連鎖部位とラセモ型2連鎖部位の存在比率は、メソ型2連鎖部位/ラセモ型2連鎖部位の比で2.0未満であり、1.8以下であることが好ましい。
なお、ここでいうNNダイアド立体異性体の存在比率は、環状オレフィン共重合体の立体規則性を解析した報告(前述のMacromol.Rapid Commun.20,279(1999)参照)に基づいて13C−NMRで求めることができる。本発明では重オルトジクロロベンゼン溶媒で測定した13C−NMRにおいて、メソ型2連鎖部位/ラセモ型2連鎖部位の比は、[13C−NMRスペクトルの28.3ppmのピーク面積]/[13C−NMRスペクトルの29.7ppmのピーク面積]の比に等しいとして計算したものである。また13C−NMRによる解析では、全ノルボルネン単位成分量に対するNNダイアドの存在比率(モル分率)、すなわちノルボルネン単位がどのくらい連鎖構造を形成しているかを求めることも出来、本発明ではおよそ0.1〜0.6の範囲にある。ここでいうモル分率は、[13C−NMRスペクトルの28.3ppmのピーク面積+13C−NMRスペクトルの29.7ppmのピーク面積]/[全ノルボルネン成分の炭素原子1個分のピーク面積]で計算されるものである。
本発明の環状オレフィン共重合体フィルムの膜厚は、10〜60μmであり、10〜55μm以下であることが好ましく、10〜50μm以下であることがより好ましく、10〜40μm以下であることがよりさらに好ましい。このように、本発明の環状オレフィン共重合体フィルムにおいては、薄膜化が達成されている。なお、ここで、環状オレフィン共重合体フィルムの膜厚とは、フィルムの平均膜厚を意味している。
本発明では、ノルボルネン単位の2連鎖部位のメソ型2連鎖部位/ラセモ型2連鎖部位の比を2.0未満とし、かつ環状オレフィン共重合体フィルムの膜厚を、10〜60μmとすることにより、薄膜でありながらも面内方向のレタデーション(Re)と厚み方向のレタデーション(Rth)を格段に小さく抑えることができる。これにより、環状オレフィン共重合体フィルムを透明導電性フィルムとして用い、タッチパネル等に組み込んだ場合であっても、斜め方向から見た際に、フィルムに色味変化が生じることを防ぐことができる。
本発明の環状オレフィン共重合体フィルムの面内方向のレタデーション(Re)は、0〜10nmであり、厚み方向のレタデーション(Rth)は、−50〜50nmである。面内方向のレタデーション(Re)は、0〜8nmであることが好ましく、0〜5nmであることがより好ましい。また、厚み方向のレタデーション(Rth)は、−30〜30nmであることが好ましく、−15〜15nmであることがより好ましい。
ここで、環状オレフィン共重合体フィルムの面内方向のレタデーション(Re)は、下記式(1)で規定され、厚み方向のレタデーション(Rth)は、下記式(2)で規定される。
Re=(nx−ny)×d (1)
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d (2)
式(1)及び(2)中、nxは環状オレフィン共重合体フィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyは環状オレフィン共重合体フィルム面内の進相軸方向の屈折率であり、nzは環状オレフィン共重合体フィルムの厚み方向の屈折率であり、dは環状オレフィン共重合体フィルムの厚さを表す。
環状オレフィン共重合体フィルムの面内方向のレタデーション(Re)と厚み方向のレタデーション(Rth)は、王子計測機器(株)製KOBRA 21ADH又はWRを使用し、光線波長550nmで測定することができる。Reは、入射光線がフィルム面に垂直な状態で測定したものである。Rthは、入射光線とフィルム面との角度を少しずつ変えそれぞれの角度での位相差値を測定し、公知の屈折率楕円体の式でカーブフィッティングすることにより三次元屈折率であるnx、ny、nzを求め、Rth={(nx+ny)/2−nz}×dに代入することにより求めた。なおその際、フィルムの平均屈折率が必要となるが、別にアッベ屈折計((株)アタゴ社製商品名「アッベ屈折計2−T」)を用いて測定することができる。
また、本発明では、環状オレフィン共重合体フィルムの膜厚は10〜60μmという薄膜であるにも関わらず、環状オレフィン共重合体フィルムの靭性を高めることができる。通常、環状オレフィン共重合体フィルムの膜厚を薄くすればするほど、フィルムの力学的強度は劣るものと考えられるが、本発明では、上記のような構成とすることにより、靭性を高めることに成功した。
さらに、本発明では、環状オレフィン共重合体フィルムの破断伸度は6%以上であることが好ましく、より好ましくは10%以上、更に好ましくは20%以上である。
環状オレフィン共重合体フィルムのガラス転移温度(Tg)は、110〜210℃であることが好ましく、130〜200℃であることがより好ましく、150〜190℃であることがさらに好ましい。このように、環状オレフィン共重合体フィルムのガラス転移温度(Tg)を上記範囲内とすることにより、フィルムの製膜時や使用時にシワが発生することを抑制することができる。
本発明の環状オレフィン共重合体フィルムは、縦(MD)又は横(TD)の少なくとも1軸方向に延伸されてなることが好ましく、縦(MD)及び横(TD)に2軸延伸されてなることがより好ましい。縦及び横に2軸延伸する場合は、縦→横、横→縦のように逐次で行なってもよく、同時に2方向に延伸しても構わない。さらに、例えば縦→縦→横、縦→横→縦、縦→横→横のように多段で延伸することとしてもよい。
通常、環状オレフィン共重合体を延伸し、フィルムを形成した場合、膜厚を薄くすることができるが、面内方向又は厚み方向のレタデーションが大きくなる傾向となる。しかし、本発明では、ノルボルネン単位の2連鎖部位のメソ型2連鎖部位/ラセモ型2連鎖部位の比を2.0未満とすることにより、薄膜化しつつも、面内方向及び厚み方向のレタデーションを低く抑えることができる。このように、本発明では、フィルムの薄膜化に加えて、低位相差かつ高靭性の両立が可能となっている。
<ノルボルネン単位>
本発明の環状オレフィン共重合体フィルムの原料となるノルボルネン樹脂(ノルボルネン単位)として、以下に記載する飽和ノルボルネン樹脂−Aと飽和ノルボルネン樹脂−Bを好ましい例として挙げることができる。これらの飽和ノルボルネン樹脂は、いずれも後述の溶液製膜法、溶融製膜法により製膜することができるが、飽和ノルボルネン樹脂−Aは溶融製膜法により製膜することがより好ましく、飽和ノルボルネン樹脂−Bは溶液製膜法により製膜することがより好ましい。
(飽和ノルボルネン樹脂−A)
飽和ノルボルネン樹脂−Aとして、(1)ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体に対して、必要に応じてマレイン酸付加、シクロペンタジエン付加のようなポリマー変性を行ない、その後さらに水素添加して得られた樹脂、(2)ノルボルネン系モノマーを付加型重合させて得られた樹脂、(3)ノルボルネン系モノマーとエチレンやα−オレフィンなどのオレフィン系モノマーとを付加型共重合させて得られた樹脂などを挙げることができる。重合方法および水素添加方法は、常法により行なうことができる。
ノルボルネン系モノマーとしては、例えば、ノルボルネン、およびそのアルキルおよび/またはアルキリデン置換体(例えば、5−メチル−2−ノルボルネン、5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等)、これらのハロゲン等の極性基置換体;ジシクロペンタジエン、2,3−ジヒドロジシクロペンタジエン等;ジメタノオクタヒドロナフタレン、そのアルキルおよび/またはアルキリデン置換体、およびハロゲン等の極性基置換体(例えば、6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチリデン−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−クロロ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−シアノ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−ピリジル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−メトキシカルボニル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン等);シクロペンタジエンとテトラヒドロインデン等との付加物;シクロペンタジエンの3〜4量体(例えば、4,9:5,8−ジメタノ−3a,4,4a,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾインデン、4,11:5,10:6,9−トリメタノ−3a,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10a,11,11a−ドデカヒドロ−1H−シクロペンタアントラセン)等が挙げられる。これらのノルボルネン系モノマーは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(飽和ノルボルネン樹脂−B)
飽和ノルボルネン樹脂−Bとして、下記一般式(1)〜(4)で表わされるものを挙げることができる。これらのうち、下記一般式(1)で表されるものが特に好ましい。
Figure 2014224169
一般式(1)〜(4)中、R1〜R12は、各々独立に水素原子または1価の置換基(好ましくは有機基)を示し、これらのうち少なくとも1つは極性基であることが好ましい。これらの飽和ノルボルネン樹脂の質量平均分子量は、通常5,000〜1,000,000が好ましく、より好ましくは8,000〜200,000である。
上記の置換基としては、特許第5009512号公報の段落[0036]に記載されたものを例示することができる。また、上記の極性基としては、特許第5009512号公報の段落[0037]に記載されたものを例示することができる。
本発明で用いることができる飽和ノルボルネン樹脂としては、例えば、特開昭60−168708号公報、特開昭62−252406号公報、特開昭62−252407号公報、特開平2−133413号公報、特開昭63−145324号公報、特開昭63−264626号公報、特開平1−240517号公報、特公昭57−8815号公報などに記載されている樹脂などを挙げることができる。
これらの樹脂の中でも、ノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加して得られる水添重合体が特に好ましい。
本発明では、飽和ノルボルネン樹脂として、下記一般式(5)で表わされる少なくとも1種のテトラシクロドデセン誘導体を単独で、あるいは、当該テトラシクロドデセン誘導体と、これと共重合可能な不飽和環状化合物とをメタセシス重合して得られる重合体を水素添加して得られる水添重合体を用いることもできる。
Figure 2014224169
一般式(5)中、R13〜R16は、各々独立に水素原子または1価の置換基(好ましくは有機基)を示し、これらのうち少なくとも1つは極性基であることが好ましい。ここでいう置換基と極性基の具体例と好ましい範囲については、一般式(1)〜(4)について説明したのと同一である。
上記一般式(5)で表わされるテトラシクロドデセン誘導体において、R13〜R16のうち少なくとも1つが極性基であることにより、他の材料との密着性、耐熱性などに優れた偏光フィルムを得ることができる。さらに、この極性基が−(CH2nCOOR(ここで、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、nは0〜10の整数を示す。)で表わされる基であることが、最終的に得られる水添重合体(偏光フィルムの基材)が高いガラス転移温度を有するものとなるので好ましい。特に、この−(CH2nCOORで表わされる極性置換基は、一般式(5)のテトラシクロドデセン誘導体の1分子あたりに1個含有されることが吸水率を低下させる点から好ましい。上記極性置換基において、Rで示される炭化水素基の炭素数が多くなるほど得られる水添重合体の吸湿性が小さくなる点では好ましいが、得られる水添重合体のガラス転移温度とのバランスの点から、当該炭化水素基は、炭素数1〜4の鎖状アルキル基または炭素数5以上の(多)環状アルキル基であることが好ましく、特にメチル基、エチル基、シクロヘキシル基であることが好ましい。
さらに、−(CH2nCOORで表わされる基が結合した炭素原子に、炭素数1〜10の炭化水素基が置換基として結合されている一般式(5)のテトラシクロドデセン誘導体は、得られる水添重合体の吸湿性が低いものとなるので好ましい。特に、この置換基がメチル基またはエチル基である一般式(5)のテトラシクロドデセン誘導体は、その合成が容易な点で好ましい。具体的には、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ〔4,4,0,12.5,17.10〕ドデカ−3−エンが好ましい。これらのテトラシクロドデセン誘導体、およびこれと共重合可能な不飽和環状化合物の混合物は、例えば特開平4−77520号公報第4頁右上欄12行〜第6頁右下欄第6行に記載された方法によってメタセシス重合、水素添加することができる。
これらのノルボルネン系樹脂は、クロロホルム中、30℃で測定される固有粘度(ηinh)が、0.1〜1.5dl/gであることが好ましく、さらに好ましくは0.4〜1.2dl/gである。また、水添重合体の水素添加率は、60MHz、1H−NMRで測定した値が50%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは98%以上である。水素添加率が高いほど、得られる飽和ノルボルネンフィルムは、熱や光に対する安定性が優れたものとなる。該水添重合体中に含まれるゲル含有量は5質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは1質量%以下である。
(その他の開環重合可能なシクロオレフィン類)
本発明においては、本発明の目的を損なわない範囲内において、開環重合可能な他のシクロオレフィン類を併用することができる。このようなシクロオレフィンの具体例としては、例えば、シクロペンテン、シクロオクテン、5,6−ジヒドロジシクロペンタジエンなどのごとき反応性の二重結合を1個有する化合物が例示される。これらの開環重合可能なシクロオレフィン類の含有量は、上記ノルボルネン系モノマーに対して0モル%〜50モル%であることが好ましく、0.1モル%〜30モル%であることがより好ましく、0.3モル%〜10モル%であることが特に好ましい。
<エチレン単位>
本発明で用いられるエチレン単位は、−CH2CH2−で表される繰り返し単位である。エチレン単位が、上述したノルボルネン単位とビニル重合することによって、環状オレフィン共重合体が得られる。
本発明では、ノルボルネン単位とエチレン単位の共重合モル比率が、80:20〜20:80であることが好ましく、80:20〜50:50であることが好ましく、80:20〜60:40であることがより好ましい。これにより、ノルボルネン単位のメソ型2連鎖部位/ラセモ型2連鎖部位の比及び、ガラス転移温度を所望の範囲とすることができる。
なお、環状オレフィン共重合体は、エチレン単位とノルボルネン単位以外にも本発明の目的を損ねない範囲で他の共重合可能なビニルモノマーからなる繰り返し単位を少量含有していてもよい。他のビニルモノマーとしては、具体的に、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンのような炭素数3〜18のα−オレフィン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3−メチルシクロヘキセン、シクロオクテンのようなシクロオレフィン等を挙げることができる。このようなビニルモノマーは単独であるいは2種類以上組み合わせて用いてもよく、またその繰り返し単位が全体の10モル%以下であることが好ましく、5モル%以下であることがより好ましい。
<その他添加剤>
本発明の環状オレフィン共重合体フィルムには、本発明の目的を損なわない範囲で、他の添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、易滑剤、帯電防止剤を挙げることができる。特に、環状オレフィン共重合体フィルムが各種デバイスの表面に設置される場合には、紫外線吸収剤を含むことが好ましい。紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾル系紫外線吸収剤、アクリルニトリル系紫外線吸収剤などを用いることができる。
(環状オレフィン共重合体フィルムの製造方法)
環状オレフィン共重合体フィルムは溶液製膜法、溶融製膜法いずれの方法でも製膜することができる。これらの製膜法について、以下に詳しく説明する。
(溶融製膜)
(1)溶融
ノルボルネン単位とエチレン単位は溶融製膜に先立ち混合しペレット化するのが好ましい。ペレット化することによって、溶融押し出し機のホッパーでのサージングを抑制し、安定供給が可能となる。好ましいペレットの大きさは断面積が1mm2〜300mm2、長さが1mm〜30mmである。
このノルボルネン単位とエチレン単位のペレットを溶融押出し機に入れ、100℃〜200℃で1分〜10時間脱水した後、混練押出しする。混練は1軸あるいは2軸の押出し機を使用して行うことができる。
押し出し機の種類として、一般的には設備コストの比較的安い単軸押し出し機が用いられることが多く、フルフライト、マドック、ダルメージ等のスクリュータイプがあるが、フルフライトタイプが好ましい。また、スクリューセグメントを変更することにより、途中でベント口を設けて不要な揮発成分を脱揮させながら押出ができる二軸押出機を用いることが可能である。二軸押し出し機には大きく分類して同方向と異方向のタイプがありどちらも用いることが可能であるが、滞留部分が発生し難くセルフクリーニング性能の高い同方向回転のタイプが好ましい。二軸押出機は、混練性が高く、樹脂の供給性能が高いため、低温での押出が可能となるため、本発明の製膜に適している。
(2)濾過
樹脂中の異物濾過のためや異物によるギアポンプ損傷を避けるために、押し出し機出口にフィルター濾材を設けるいわゆるブレーカープレート式の濾過を行うことが好ましい。またさらに精度高く異物濾過をするために、ギアポンプ通過後にいわゆるリーフ型ディスクフィルターを組み込んだ濾過装置を設けることが好ましい。濾過は、濾過部を1カ所設けて行うことができ、また複数カ所設けて行う多段濾過でも良い。フィルター濾材の濾過精度は高い方が好ましいが、濾材の耐圧や濾材の目詰まりによる濾圧上昇から、濾過精度は15μm〜3μmが好ましく、さらに好ましくは10μm〜3μmである。特に最終的に異物濾過を行うリーフ型ディスクフィルター装置を使用する場合では品質の上で濾過精度の高い濾材を使用することが好ましく、耐圧、フィルターライフの適性を確保するために装填枚数にて調整することが可能である。濾材の種類は、高温高圧下で使用される点から鉄鋼材料を用いることが好ましく、鉄鋼材料の中でも特にステンレス鋼、スチールなどを用いることが好ましく、腐食の点から特にステンレス鋼を用いることが望ましい。濾材の構成としては、線材を編んだものの他に、例えば金属長繊維あるいは金属粉末を焼結し形成する焼結濾材が使用でき、濾過精度、フィルターライフの点から焼結濾材が好ましい。
(3)ギアポンプ
厚み精度を向上させるためには、吐出量の変動を減少させることが重要であり、押出機とダイスの間にギアポンプを設けて、ギアポンプから一定量の樹脂を供給することが好ましい。ギアポンプとは、ドライブギアとドリブンギアとからなる一対のギアが互いに噛み合った状態で収容され、ドライブギアを駆動して両ギアを噛み合い回転させることにより、ハウジングに形成された吸引口から溶融状態の樹脂をキャビティ内に吸引し、同じくハウジングに形成された吐出口からその樹脂を一定量吐出するものである。押出機先端部分の樹脂圧力が若干の変動があっても、ギアポンプを用いることにより変動を吸収し、製膜装置下流の樹脂圧力の変動は非常に小さなものとなり、厚み変動が改善される。ギアポンプを用いることにより、ダイ部分の樹脂圧力の変動巾を±1%以内にすることが可能である。
ギアポンプによる定量供給性能を向上させるために、スクリューの回転数を変化させて、ギアポンプ前の圧力を一定に制御する方法も用いることができる。また、ギアポンプのギアの変動を解消した3枚以上のギアを用いた高精度ギアポンプも有効である。
(4)ダイ
上記の如く構成された押出機によって樹脂が溶融され、必要に応じ濾過機、ギアポンプを経由して溶融樹脂がダイに連続的に送られる。ダイはダイス内の溶融樹脂の滞留が少ない設計であれば、一般的に用いられるTダイ、フィッシュテールダイ、ハンガーコートダイの何れのタイプを用いることができる。また、ダイの直前に樹脂温度の均一性アップのためのスタティックミキサーを入れてもよい。ダイ出口部分のクリアランスは一般的にフィルム厚みの1.0〜5.0倍が良く、好ましくは1.2〜3倍、さらに好ましくは1.3〜2倍である。リップクリアランスがフィルム厚みの1.0倍以上であれば、製膜により面状の良好なシートを得やすいため好ましい。また、リップクリアランスがフィルム厚みの5.0倍以下であれば、シートの厚み精度を高くしやすいため好ましい。ダイはフィルムの厚み精度を決定する非常に重要な設備であり、厚み調整が厳密にコントロールできるものが好ましい。また、ダイの温度ムラや巾方向の流速ムラのできるだけ少ない設計が重要である。
(5)キャスト
上記方法にて、ダイよりシート上に押し出された溶融樹脂をキャスティングドラム上で冷却固化し、未延伸フィルムを得る。この時、静電印加法、エアナイフ法、エアーチャンバー法、バキュームノズル法、タッチロール法等の方法を用い、キャスティングドラムと溶融押出ししたシートの密着を上げることが好ましい。このような密着向上法は、溶融押出しシートの全面に実施してもよく、一部に実施しても良い。特にエッジピニングと呼ばれる、フィルムの両端部にのみを密着させる方法が取られることも多いが、これに限定されるものではない。
キャスティングドラムは複数本用いて徐冷することがより好ましい、特に一般的には3本の冷却ロールを用いることが比較的よく行われているが、この限りではない。ロールの直径は50mm〜5000mmが好ましく、複数本あるロールの間隔は、面間で0.3mm〜300mmが好ましい。
キャスティングドラムは、環状オレフィン共重合樹脂のTg−70℃〜Tg+20℃が好ましく、より好ましくはTg−50℃〜Tg+10℃、さらに好ましくはTg−30℃〜Tg+5℃である。
また、いわゆるタッチロール法を用いる場合、タッチロール表面は、ゴム、テフロン(登録商標)等の樹脂でもよく、金属ロールでも良い。さらに、金属ロールの厚みを薄くすることでタッチしたときの圧力によりロール表面が若干くぼみ、圧着面積が広くなりフレキシブルロールと呼ばれる様なロールを用いることも可能である。
タッチロール温度はTg−70℃〜Tg+20℃が好ましく、より好ましくはTg−50℃〜Tg+10℃、さらに好ましくはTg−30℃〜Tg+5℃である。
(6)延伸
上記のようにキャストドラム上に押し出されたキャストフィルム(未延伸原反)は縦(MD)又は横(TD)の少なくとも1軸方向に延伸されることが好ましく、縦(MD)及び横(TD)に2軸延伸されることがより好ましい。縦及び横に2軸延伸する場合は、縦→横、横→縦のように逐次で行なってもよく、同時に2方向に延伸しても構わない。さらに、例えば縦→縦→横、縦→横→縦、縦→横→横のように多段で延伸することも好ましい。
縦延伸は、通常2対以上のニップロールを設置、その間を加熱した原反を通しながら、出口側ニップロールの周速を入口側より速くすることで達成できる。この時、上記のように表裏に温度差を付与することが好ましい。
また、縦延伸の前に原反を予熱することが好ましい。予熱温度は環状オレフィン共重合樹脂のTg−50〜Tg+30℃が好ましく、より好ましくはTg−40〜Tg+15℃、さらに好ましくはTg−30〜Tgである。このような予熱は、加熱ロールと接触させてもよく、放射熱源(IRヒーター、ハロゲンヒーター等)を用いても良く、熱風を吹き込んでも良い。
縦延伸はTg−10〜Tg+50℃で行なうのが好ましく、より好ましくはTg〜Tg+40℃、さらに好ましくはTg〜Tg+30℃で行なうのが好ましい。延伸倍率は1.1〜5.5倍が好ましく、より好ましくは1.3〜3倍である。なお、ここでいう延伸倍率は以下の式によって求めた値である。
延伸倍率=(延伸後の長さ−延伸前の長さ)/(延伸前の長さ)
縦延伸後、冷却するのが好ましく、Tg−50〜Tgが好ましく、より好ましくはTg−45〜Tg−5℃がより好ましくは、さらに好ましくはTg−40〜Tg−10℃である。このような冷却は、冷却ロールに接触させても良く、冷風を吹き付けても良い。
横延伸はテンターを用いて行なうのが好ましい。即ちポリエステルフィルムの両端をクリップで把持しながら熱処理ゾーンを搬送しながら、クリップを幅方向に拡げることで行うことができる。
好ましい延伸温度はTg−10〜Tg+50℃、より好ましくはTg〜Tg+40℃、さらに好ましくはTg〜Tg+30℃である。延伸倍率は1.1〜5.5倍が好ましく、より好ましくは1.3〜3倍である。
延伸工程においては、延伸処理後に、フィルムに熱処理を行なうのが好ましい。
熱処理とは、Tg+10〜Tg+50℃程度(更に好ましくは、Tg+15〜Tg+30℃)で1〜60秒間(更に好ましくは2〜30秒間)の熱処理をフィルムに施すことをいう。熱固定は、横延伸に引き続き、テンター内でチャックに把持した状態で行なうのが好ましく、この際チャック間隔は横延伸終了時の幅で行なっても、さらに拡げても、あるいは幅を縮めて行なっても良い。熱処理を施すことによって、Re、Rthを本発明の範囲内に調整することができる。
(7)巻き取り
このようにして得たシートは両端をトリミングし、巻き取ることが好ましい。トリミングされた部分は、粉砕処理された後、或いは必要に応じて造粒処理や解重合・再重合等の処理を行った後、同じ品種のフィルム用原料として、または異なる品種のフィルム用原料として再利用してもよい。トリミングカッターはロータリーカッター、シャー刃、ナイフ等の何れのタイプの物を用いても構わない。材質についても、炭素鋼、ステンレス鋼何れを用いても構わない。一般的には、超硬刃、セラミック刃を用いると刃物の寿命が長く、また切り粉の発生が抑えられて好ましい。
また、巻き取り前に、少なくとも片面にラミフィルムを付けることも、傷防止の観点から好ましい。好ましい巻き取り張力は1kg/m幅〜50kg/m幅、より好ましくは2kg/m幅〜40kg/m幅、さらに好ましくは3kg/m幅〜20kg/m幅である。巻き取り張力が1kg/m幅以上であれば、フィルムを均一に巻き取りやすいため好ましい。また、巻き取り張力が50kg/m幅以下であれば、フィルムが堅巻きになることがなく、巻き外観が美しく、フィルムのコブの部分がクリープ現象により延びてフィルムの波うちの原因になったり、フィルムの伸びによる残留複屈折が生じるようなこともない。巻き取り張力は、ラインの途中のテンションコントロールにより検知し、一定の巻き取り張力になるようにコントロールされながら巻き取ることが好ましい。製膜ラインの場所により、フィルム温度に差がある場合には熱膨張により、フィルムの長さが僅かに異なる場合があるため、ニップロール間のドロー比率を調整し、ライン途中でフィルムに規定以上の張力がかからない様にすることが必要である。
巻き取り張力はテンションコントロールの制御により、一定張力で巻き取ることもできるが、巻き取った直径に応じてテーパーをつけ、適正な巻取り張力にすることがより好ましい。一般的には巻き径が大きくなるにつれて張力を少しずつ小さくするが、場合によっては、巻き径が大きくなるにしたがって張力を大きくする方が好ましい場合もある。このような巻き取り方法は、下述の溶液製膜法にも同様に適用できる。
(溶液製膜)
(1)製膜
環状オレフィン共重合体フィルムを溶液製膜法により製膜するときには、まずノルボルネン単位とエチレン単位を溶媒に溶解させる。溶媒に溶解させる際の樹脂の合計濃度は3〜50質量%が好ましく、より好ましくは5〜40質量%、さらに好ましくは10〜35質量%である。得られる溶液の室温における粘度は、通常は1〜1,000,000(mPa・s)、好ましくは10〜100,000(mPa・s)、さらに好ましくは100〜50,000(mPa・s)、特に好ましくは1,000〜40,000(mPa・s)である。
使用する溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、1−メトキシ−2−プロパノール等のセロソルブ系溶媒、ジアセトンアルコール、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノン、エチルシクロヘキサノン、1,2−ジメチルシクロヘキサン等のケトン系溶媒、乳酸メチル、乳酸エチル等のエステル系溶媒、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン含有溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、1−ペンタノール、1−ブタノール等のアルコール系溶媒を挙げることができる。
また、上記以外でも、SP値(溶解度パラメーター)が通常10〜30(MPa1/2)の範囲の溶媒を使用するのが好ましい。上記溶媒は単独であるいは2種以上併用して使用することができる。溶媒を2種以上併用する場合には、混合物としてのSP値の範囲を上記範囲内とすることが好ましい。このとき、混合物としてのSP値の値は、その質量比から求めることができ、例えば二種の混合物の場合は、各溶媒の質量分率をW1,W2、また、SP値をSP1,SP2とすると混合溶媒のSP値は下記式により計算した値として求めることができる。
SP値=W1・SP1+W2・SP2
さらに環状オレフィン共重合体フィルムの表面平滑性を向上させるためにレベリング剤を添加してもよい。一般的なレベリング剤であれば何れも使用できるが、例えば、フッ素系ノニオン界面活性剤、特殊アクリル樹脂系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤などを使用することができる。
環状オレフィン共重合体フィルムを溶剤キャスト法により製造する方法としては、上記溶液をダイスやコーターを使用して金属ドラム、スチールベルト、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルフィルム、ポリテトラフルオロエチレン製ベルトなどの基材の上に塗布し、その後溶剤を乾燥・除去して基材よりフィルムを剥離する方法が一般に挙げられる。
また、スプレー、ハケ、ロールスピンコート、ディッピングなどの手段を用いて、樹脂溶液を基材に塗布し、その後溶剤を乾燥・除去して基材よりフィルムを剥離することにより製造することもできる。なお、塗布の繰り返しにより厚みや表面平滑性等を制御してもよい。
また、基材としてポリエステルフィルムを使用する場合には、表面処理されたフィルムを使用してもよい。表面処理の方法としては、一般的に行われている親水化処理方法、例えばアクリル系樹脂やスルホン酸塩基含有樹脂をコーテイングやラミネートにより積層する方法、あるいは、コロナ放電処理等によりフィルム表面の親水性を向上させる方法等が挙げられる。
(2)乾燥
上記溶剤キャスト法の乾燥(溶剤除去)工程については、特に制限はなく一般的に用いられる方法、例えば多数のローラーを介して乾燥炉中を通過させる方法等で実施できるが、乾燥工程において溶媒の蒸発に伴い気泡が発生すると、フィルムの特性を著しく低下させるので、これを避けるために、乾燥工程を2段以上の複数工程とし、各工程での温度あるいは風量を制御することが好ましい。
また、環状オレフィン共重合体フィルム中の残留溶媒量は、通常は10質量%以下である。このように残留溶剤を少なくすることで、より一層粘着跡故障を軽減することができるため、好ましい。
(3)延伸
上述のようにして得られた環状オレフィン共重合体フィルムは、縦(MD)又は横(TD)の少なくとも1軸方向に延伸されることが好ましく、縦(MD)及び横(TD)に2軸延伸されることがより好ましい。延伸方法としては、溶融製膜時の延伸方法を採用することができる。
(偏光板)
本発明の偏光板は、上述した環状オレフィン共重合体フィルムと偏光子を有する。偏光板は、偏光子と、該偏光子の両側に設けられた保護フィルムとを有するものであって、該保護フィルムの少なくとも一方が本発明の環状オレフィン共重合体フィルムである。環状オレフィン共重合体フィルムは、光散乱層や反射防止層を有する側とは反対側の透明支持体の表面、すなわち偏光子と貼り合わせる側の表面の水に対する接触角が10〜50度の範囲にあることが好ましい。例えば、本発明の環状オレフィン共重合体フィルムの片面に粘着層を設けてディスプレイの最表面に配置することができる。
(透明導電性フィルム)
本発明の環状オレフィン共重合体フィルムは、透明導電性フィルムに用いることができる。透明導電性フィルムは、導電層と、透明樹脂フィルムとして環状オレフィン共重合体フィルムを有する。導電層は層状に形成されてもよいが、間欠部を有するように形成されることが好ましい。間欠部とは、導電層が設けられていない部分をいい、間欠部の外周は導電層により囲まれていることが好ましい。本発明では、間欠部を有するように導電層が形成されることを、パターン状やメッシュ状に導電層が形成されるともいう。導電層としては、例えば、特開2013−1009号公報、特開2012−216550号公報、特開2012−151095号公報、特開2012−25158号公報、特開2011−253546号公報、特開2011−197754号公報、特開2011−34806号公報、特開2010−198799号公報、特開2009−277466号公報、特開2012−216550号公報、特開2012−151095号公報、国際公開2010/140275号パンフレット、国際公開2010/114056号パンフレットに記載された導電層を例示することができる。
本発明で用いる導電層は、銀と親水性樹脂を含むことがより好ましい。水溶性樹脂としては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。これらは、官能基のイオン性によって中性、陰イオン性、陽イオン性の性質を有する。これらの中で特に好ましいのが、ゼラチンである。
本発明で用いる導電層には、ハロゲン化銀写真感光材料を用いることが特に好ましい。ハロゲン化銀写真感光材料を用いる場合、導電層の製造方法には、感光材料と現像処理の形態によって、次の3通りの形態が含まれる。
(1) 物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を化学現像又は熱現像して金属銀部を該感光材料上に形成させる態様。
(2) 物理現像核をハロゲン化銀乳剤層中に含む感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を溶解物理現像して金属銀部を該感光材料上に形成させる態様。
(3) 物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料と、物理現像核を含む非感光性層を有する受像シートを重ね合わせて拡散転写現像して金属銀部を非感光性受像シート上に形成させる態様。
上記(1)の態様は、一体型黒白現像タイプであり、感光材料上に光透過性導電膜等の透光性導電性膜が形成される。得られる現像銀は化学現像銀又は熱現像銀であり、高比表面のフィラメントである点で後続するめっき又は物理現像過程で活性が高い。
上記(2)の態様は、露光部では、物理現像核近縁のハロゲン化銀粒子が溶解されて現像核上に沈積することによって感光材料上に光透過性導電性膜等の透光性導電性膜が形成される。これも一体型黒白現像タイプである。現像作用が、物理現像核上への析出であるので高活性であるが、現像銀は比表面の小さい球形である。
上記(3)の態様は、未露光部においてハロゲン化銀粒子が溶解されて拡散して受像シート上の現像核上に沈積することによって受像シート上に光透過性導電性膜等の透光性導電性膜が形成される。いわゆるセパレートタイプであって、受像シートを感光材料から剥離して用いる態様である。
いずれの態様もネガ型現像処理及び反転現像処理のいずれの現像を選択することができる、なお、拡散転写方式の場合は、感光材料としてオートポジ型感光材料を用いることによってネガ型現像処理が可能となる。
ここでいう化学現像、熱現像、溶解物理現像、拡散転写現像は、当業界で通常用いられている用語どおりの意味であり、写真化学の一般教科書、例えば菊地真一著「写真化学」(共立出版社、1955年刊行)、C.E.K.Mees編「The Theory of Photographic Processes, 4th ed.」(Mcmillan社、1977年刊行)に解説されている。本件は液処理に係る発明であるが、その他の現像方式として熱現像方式を適用する技術も参考にすることができる。例えば、特開2004−184693号、同2004−334077号、同2005−010752号の各公報、特願2004−244080号、同2004−085655号公報の各明細書に記載された技術を適用することができる。
本発明において導電層となる銀塩乳剤層は、銀塩とバインダーの他、溶媒や染料等の添加剤を含有してもよい。銀塩としては、ハロゲン化銀等の無機銀塩及び酢酸銀等の有機銀塩が挙げられる。本発明では、光センサーとしての特性に優れるハロゲン化銀を用いることが好ましい。
銀塩乳剤層の形成に用いられる溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、酢酸エチル等のエステル類、エーテル類等)、イオン性液体、及びこれらの混合溶媒を挙げることができる。
銀塩乳剤層の上には、保護層を設けてもよい。本発明において保護層とは、ゼラチンや高分子ポリマーといったバインダーからなる層を意味し、擦り傷防止や力学特性を改良する効果を発現するために感光性を有する銀塩乳剤層上に形成される。その厚みは0.5μm以下が好ましい。保護層の塗布方法及び形成方法は特に限定されず、公知の塗布方法及び形成方法を適宜選択することができる。例えば、保護層に関しては、特開2008−250233号公報等の記載を参照することができる。
さらに、本発明では、下塗り層や帯電防止層といった他の機能層を設けてもよい。下塗り層としては、特開2008−250233号公報の段落[0021]〜[0023]のものを適用できる。また、帯電防止層としては、特開2008−250233号公報の段落[0012]、[0014]〜[0020]のものを適用できる
なお、上述した透明導電性フィルムは、タッチパネル用途に好適であり、例えば、特開2009−176608の段落[0073]〜[0075]の記載に従い、タッチパネルを作成することができる。
(反射防止フィルム)
本発明の環状オレフィン共重合体フィルムは、反射防止フィルムの支持体として用いることができる。液晶表示装置(LCD)のように高精細、高品位化された画像表示装置の場合には、上記の防塵性の他に、表示面での外光の反射によるコントラスト低下や像の映り込みを防止するための透明で帯電防止性能を有する反射防止フィルムを用いることが好ましい。
(表示装置)
本発明の環状オレフィン共重合体フィルムや、上述した本発明の環状オレフィン共重合体フィルムを有する偏光板は、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)等の各種表示装置に用いることができる。本発明の環状オレフィン共重合体フィルム又は偏光板は、画像表示装置の表示画面の視認側に配置されることが好ましい。
<液晶表示装置>
本発明の環状オレフィン共重合体フィルム又は偏光板は、特に液晶表示装置等のディスプレイの最表層に用いることが好ましい。液晶表示装置は、液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光板を有し、液晶セルは、二枚の電極基板の間に液晶を担持している。さらに、光学異方性層が、液晶セルと一方の偏光板との間に一枚配置されるか、あるいは液晶セルと双方の偏光板との間に二枚配置されることもある。
液晶セルは、TNモード、VAモード、OCBモード、IPSモードまたはECBモードであることが好ましい。
TNモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、さらに60〜120゜にねじれ配向している。
TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。
VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of Tech. Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)および(4)SURVAIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。
OCBモードの液晶セルは、棒状液晶性分子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルであり、米国特許第4583825号、同5410422号の各明細書に開示されている。棒状液晶性分子が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有する。そのため、この液晶モードは、OCB(Optically Compensatory Bend)液晶モードと呼ばれる。ベンド配向モードの液晶表示装置は、応答速度が速いとの利点がある。
IPSモードの液晶セルは、ネマチック液晶に横電界をかけてスイッチングする方式であり、詳しくはProc.IDRC(Asia Display ’95),p.577−580及び同p.707−710に記載されている。
ECBモードの液晶セルは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向している。ECBモードは、最も単純な構造を有する液晶表示モードの一つであって、例えば特開平5−203946号公報に詳細が記載されている。
<プラズマディスプレイパネル(PDP)>
プラズマディスプレイパネル(PDP)は、一般に、ガス、ガラス基板、電極、電極リード材料、厚膜印刷材料、蛍光体により構成される。ガラス基板は、前面ガラス基板と後面ガラス基板の二枚である。二枚のガラス基板には電極と絶縁層を形成する。後面ガラス基板には、さらに蛍光体層を形成する。二枚のガラス基板を組み立てて、その間にガスを封入する。
プラズマディスプレイパネル(PDP)は、既に市販されているものを用いることできる。プラズマディスプレイパネルについては、特開平5−205643号、同9−306366号の各公報に記載がある。
前面板をプラズマディスプレイパネルの前面に配置することがある。前面板はプラズマディスプレイパネルを保護するために充分な強度を備えていることが好ましい。前面板は、プラズマディスプレイパネルと隙間を置いて使用することもできるし、プラズマディスプレイ本体に直貼りして使用することもできる。
プラズマディスプレイパネルのような画像表示装置では、光学フィルターをディスプレイ表面に直接貼り付けることができる。また、ディスプレイの前に前面板が設けられている場合は、前面板の表側(外側)または裏側(ディスプレイ側)に光学フィルターを貼り付けることもできる。
(有機EL素子)
本発明の環状オレフィン共重合体フィルムは、有機EL素子等の基板(基材フィルム)や保護フィルムとして用いることができる。本発明のフィルムを有機EL素子等に用いる場合には、特開平11−335661号、特開平11−335368号、特開2001−192651号、特開2001−192652号、特開2001−192653号、特開2001−335776号、特開2001−247859号、特開2001−181616号、特開2001−181617号、特開2002−181816号、特開2002−181617号、特開2002−056976号等の各公報記載の内容を応用することができる。また、特開2001−148291号、特開2001−221916号、特開2001−231443号の各公報記載の内容と併せて用いることが好ましい。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
本発明の樹脂及びフィルムの評価は下記条件で行った。
(1)メソ型2連鎖部位/ラセモ型2連鎖部位の比
日本電子製JNM−α400型のNMR装置を使用した。重オルトジクロロベンゼン溶媒に溶解し、温度100℃で測定した。化学シフトの基準としてテトラメチルシランを用いた。定量のため、150MHz 13C−NMRスペクトルを逆ゲーテッドデカップリングモードで測定した。得られたスペクトルより、メソ型2連鎖部位/ラセモ型2連鎖部位の比は、[13C−NMRスペクトルの28.3ppmのピーク面積]/[13C−NMRスペクトルの29.7ppmのピーク面積]の比に等しいとして計算した。
(2)ガラス転移点温度(Tg)
TAInstruments製 2920型DSCを使用し、昇温速度は10℃/分で測定した。
(3)還元粘度
濃度1.2g/dLのシクロヘキサン溶液での、30℃における還元粘度ηsp/c(dL/g)を測定した。
(4)フィルム厚み
フィルムの厚みは、アンリツ社製の電子マイクロ膜厚計で測定した。
(5)Re、Rth
王子計測機器(株)製KOBRA 21ADH又はWRを使用し、光線波長550nmで測定した。Reは、入射光線がフィルム面に垂直な状態で測定したものである。膜Rthは、入射光線とフィルム面との角度を少しずつ変えそれぞれの角度での位相差値を測定し、公知の屈折率楕円体の式でカーブフィッティングすることにより三次元屈折率であるnx、ny、nzを求め、Rth={(nx+ny)/2−nz}×dに代入することにより求めた。なおその際、フィルムの平均屈折率が必要となるが、別にアッベ屈折計((株)アタゴ社製商品名「アッベ屈折計2−T」)を用いて測定した。
(6)靭性
フィルムを、180度に折り曲げることで、靭性を5段階で評価した。
A: 何度も180度に折り曲げることができた。
B: 数回180度に折り曲げることができた。
C: 1度180度に折り曲げることができた。
D: 180度に1度折り曲げると、ヒビ割れが生じた。
E: 180度に1度折り曲げると、割れてしまった。
(7)色味変化
本願で作成した透明導電性フィルムを、後述したタッチパネルに組み込んで、暗室及び明室にて斜めから見たときの色味変化を5段階で評価した。
A: 暗室でも明室でも色味変化は生じなかった。
B: 暗室で僅かに色味変化は生じたが、明室では生じなかった。
C: 明室でも僅かに色味変化が生じた。
D: 明室でも色味変化が生じた。
E: 色味変化が生じ、表示装置の品質を著しく悪化させた。
(実施例1)
(環状オレフィン共重合体の合成)
重合装置として撹拌翼を備えた容量500Lのステンレス製オートクレーブを使用し、メタロセン触媒として、イソプロピリデン−(シクロペンタジエニル)−(9−フルオレニル)−ジルコニウムジクロリドを用い、以下のようにしてエチレンとノルボルネンとの共重合反応を行った。
オートクレーブ内を窒素ガスで置換した後、容器内にトルエン100L、ノルボルネン32kgを仕込み、スカベンジャーとしてトリイソブチルアルミニウム0.1molを加えた。次に、予め30gのジフェニルメチリデン―シクロペンタジエニルインデニルジルコニウムジクロライドを濃度2MのPMAOトルエン溶液35Lに窒素雰囲気下溶解させ、25℃で10分間撹拌して活性化させておいたメタロセン−PMAO溶液を添加した。続いて温度を40℃に上げた後、容器内に25Paの加圧によりエチレンを9.5kg加えて重合を開始した。重合を開始して2時間後、窒素雰囲気下に戻し、微量のイソプロパノールを添加して反応を終了させた。該反応混合物を塩酸で酸性にした大量のメタノール中に放出して沈殿物を析出させ、濾別、アセトン、メタノールおよび水での洗浄を繰り返し、乾燥して樹脂を得た。
このようにして得られたエチレン−ノルボルネン共重合体は、その分子量が還元粘度ηsp/c=0.77であった。また、メソ型2連鎖部位/ラセモ型2連鎖部位の比及びTgを測定し、表1にまとめた。
(環状オレフィン共重合体フィルムの作成)
上記樹脂を用いて、120℃において2時間以上乾燥し、260℃で溶融し、2軸混練押出し機を用い混練し押出した。このとき押し出し機とダイの間にスクリーンフィルター、ギアポンプ、リーフディスクフィルターをこの順に配置し、これらをメルト配管で連結し、幅450mm、リップギャップ1mmのダイから押出した。
この後、ガラス転移温度Tg、(Tg+5)℃、(Tg−10)℃に設定した3連のキャストロール上にキャストし、最上流側のキャストロールに、特開平11−235747の実施例1に記載の、Tg−5℃に調温したタッチロールを接触させ、未延伸フイルムを製膜した。
固化したメルトをキャストドラムから剥ぎ取り、巻き取り直前に両端(全幅の各5%)をトリミングした後、両端に幅10mm、高さ50μmの厚みだし加工(ナーリング)をつけた後、30m/分で幅2.0m、長さ500mの、厚み100μmの未延伸フィルムを得た。
得られた未延伸フィルムを、表1記載の延伸温度・倍率で、周速の異なる2対のニップロールの間に通し、縦方向行い、テンターにて横延伸を行った。
(実施例2〜4)
実施例1に記載の触媒を、ジフェニルメチリデン―シクロペンタジエニルフルオレニルジルコニウムジクロライドに変更し、メソ型2連鎖部位/ラセモ型2連鎖部位の比が異なる環状オレフィン共重合体樹脂を合成し、実施例1と同じ製膜及び延伸条件にて、実施例4のフィルムを得た。実施例2及び3は、実施例1と実施例4の樹脂を、混合することで、メソ型2連鎖部位/ラセモ型2連鎖部位の比を調整し、実施例1と同じ製膜及び延伸条件にて、実施例2及び3のフィルムを得た。
(実施例5〜7)
実施例2の環状オレフィン共重合体樹脂を用いて、表1記載の延伸条件にて、実施例5〜7のフィルムを得た。
(実施例8、9)
実施例4の環状オレフィン共重合体樹脂を用いて、表1記載の延伸条件にて、実施例8、9のフィルムを得た。
(実施例10〜12)
実施例2〜4の環状オレフィン共重合体樹脂を用いて、表1記載の厚みの未延伸フィルムを作成し、表1記載の延伸条件にて、実施例10〜12のフィルムを得た。
(実施例13〜19)
実施例1〜4のノルボルネンの仕込み量及びエチレンガスの圧力を調整し、メソ型2連鎖部位/ラセモ型2連鎖部位の比、Tgが異なる環状オレフィン共重合体樹脂を合成した以外は、実施例1と同様にして、表1記載の未延伸フィルムを作成し、表1記載の延伸条件にて、実施例13〜19のフィルムを得た。
(実施例20〜22)
実施例2の環状オレフィン共重合体樹脂を用いて、実施例1の製膜条件を用いて、厚みの異なる未延伸の実施例20〜22のフィルムを得た。
(比較例1)
特開2011−93285号公報の実施例1に従い、比較例1のフィルムを作成した。
(比較例2)
特許4493660号公報の比較例2に従い、比較例2のフィルムを作成した。
(比較例3、4)
実施例2の環状オレフィン共重合体樹脂を用いて、実施例1の製膜条件を用いて、厚みの異なる未延伸の比較例3、4のフィルムを得た。
Figure 2014224169
表1からわかるように、実施例1〜22では、10〜60μmの環状オレフィン共重合体フィルムが得られていることがわかる。また、このような薄膜フィルムの靭性は優れており、フィルムの色味変化が少ないこともわかる。特に、フィルムの膜厚が小さい程、靭性が高まっており、力学的強度に優れたフィルムが得られていることがわかる。
一方、比較例1では、メソ型2連鎖部位/ラセモ型2連鎖部位の比が2を超えており、かつ、フィルムの厚みが60μmを超えているため、Rthが大きくなっている。これにより、フィルムに色味変化が見られている。また、比較例2〜4では、フィルムの厚みが60μmを超えているため、靭性が劣っている。
(透明導電性フィルムの作成)
<下塗り層塗布>
上記のように製膜した、実施例及び比較例の環状オレフィン共重合体フィルムの片面に、コロナ処理を行った後、第一下塗り層、第ニ下塗り層を塗設した。第一下塗り層、第ニ下塗り層の組成および塗布方法は、特開2010−256908の段落[0117]〜[0120]に記載の通りとした。
(水溶性樹脂と銀を含む導電層の形成)
上記下塗り層の上に、下記ハロゲン化銀感光材料を塗設し透明導電性フィルムを作成した。
<ハロゲン化銀感光材料>
水媒体中のAg150gに対してゼラチン10.0gを含む、球相当径平均0.1μmの沃臭塩化銀粒子(I=0.2モル%、Br=40モル%)を含有する乳剤を調製した。なお、この乳剤中にはK3Rh2Br9及びK2IrCl6を濃度が10-7(モル/モル銀)になるように添加し、臭化銀粒子にRhイオンとIrイオンをドープした。この乳剤にNa2PdCl4を添加し、さらに塩化金酸とチオ硫酸ナトリウムを用いて金硫黄増感を行った後、ゼラチン硬膜剤と共に、銀の塗布量が10g/m2となるように、透明樹脂フィルムの上記下塗り層上に塗布した。この際、Ag:ゼラチンの体積比は2:1とした。
0.7mの幅で500m分の塗布を行ない、塗布の中央部0.5mを残すように両端を切り落としてロール状のハロゲン化銀感光材料を得た。
<露光>
露光のパターンは、特許4820451号の図1に示すパターンに準じて形成した。小格子18の配列ピッチPsを200μmとし、中格子20a〜hの配列ピッチPmを2×Psとした。また、小格子18の導電部の厚みを2μmとし、幅を10μmとした。露光は上記パターンのフォトマスクを介して高圧水銀ランプを光源とした平行光を用いて露光した。
また、特許4820451の図5に準じても導電パターンを形成したが、下記評価結果は図1の場合と同様の結果が得られた。
<現像処理>
現像液1Lの処方は下記の通りである。
ハイドロキノン 20 g
亜硫酸ナトリウム 50 g
炭酸カリウム 40 g
エチレンジアミン・四酢酸 2 g
臭化カリウム 3 g
ポリエチレングリコール2000 1 g
水酸化カリウム 4 g
pHは10.3に調整した。
定着液1Lの処方は下記の通りである。
チオ硫酸アンモニウム液(75%) 300 ml
亜硫酸アンモニウム・1水塩 25 g
1,3−ジアミノプロパン・四酢酸 8 g
酢酸 5 g
アンモニア水(27%) 1 g
pHは6.2に調整した。
上記処理剤を用いて露光済み感材を、富士フイルム社製自動現像機 FG−710PTSを用いて処理条件:現像35℃、30秒、定着34℃、23秒、水洗、流水(5L/分)の20秒処理で行った。
(タッチパネルの作成)
上述した透明導電性フィルムを用いて特開2009−176608の段落[0073]〜[0075]の記載に従い、タッチパネルを作成した。本発明のフィルムは、靭性に優れ、色味変化が小さい、良好な性能を有することを確認した。
(その他液晶表示素子の作製)
本発明の実施例を用いた偏光板を、特開平10−48420号公報の実施例1に記載の液晶表示装置、特開平9−26572号公報の実施例1に記載のディスコティック液晶分子を含む光学的異方性層、ポリビニルアルコールを塗布した配向膜、特開2000−154261号公報の図2〜9に記載の20インチVA型液晶表示装置、特開2000−154261号公報の図10〜15に記載の20インチOCB型液晶表示装置に用いたところ良好な特性が得られた。
(光学補償フィルムの作成)
(1)表面処理
実施例で得られた環状オレフィン共重合体フィルムに下記条件でコロナ放電処理を行った。
電極:VETAPONE社製 Coron−Plus
ジェネレーター:CP1C
出力:900W
フィルム搬送速度:6m/分
(2)光学異方性層用の配向膜の作製
これらの熱可塑性フィルム上に、下記の組成の塗布液を#16のワイヤーバーコーターで28mL/m2塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。
(2−1)配向膜塗布液組成
下記の変性ポリビニルアルコール 20質量部
水 360質量部
メタノール 120質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 1.0質量部
Figure 2014224169
(2−2)光学異方性層の作製
配向膜上に、下記塗布液を、#3.2のワイヤーバーを1171回転でフィルムの搬送方向と同じ方向に回転させて、30m/分で搬送されている上記ロールフィルムの配向膜面に連続的に塗布した。室温から100℃に連続的に加温する工程で、溶媒を乾燥させ、その後、135℃の乾燥ゾーンで、ディスコティック液晶化合物層にあたる膜面風速がフィルム搬送方向に平行に1.5m/secとなるようにし、約90秒間加熱し、ディスコティック液晶化合物を配向させた。次に、80℃の乾燥ゾーンに搬送させて、フィルムの表面温度が約100℃の状態で、紫外線照射装置(紫外線ランプ:出力160W/cm、発光長1.6m)により、照度600mWの紫外線を4秒間照射し、架橋反応を進行させ、ディスコティック液晶化合物をその配向に固定した。その後、室温まで放冷し、円筒状に巻き取ってロール状の形態にした。光学異方性層の厚みは1.3μmであった。
(2−3)光学異方性層の塗布液組成
下記の組成物を、97質量部のメチルエチルケトンに溶解して塗布液を調製した。
下記のディスコティック液晶性化合物(1) 41.01質量部
エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製 4.06質量部
セルロースアセテートブチレート
(CAB551−0.2、イーストマンケミカル社製) 0.34質量部
セルロースアセテートブチレート
(CAB531−1、イーストマンケミカル社製) 0.11質量部
下記フルオロ脂肪族基含有ポリマー1 0.56質量部
下記フルオロ脂肪族基含有ポリマー2 0.06質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 1.35質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 0.45質量部
ディスコティック液晶性化合物(1)
Figure 2014224169
Figure 2014224169
Figure 2014224169
偏光板をクロスニコル配置とし、得られた光学補償シートのムラを観察したところ、正面、および法線から60度まで傾けた方向から見ても、ムラは検出されなかった。
(3)偏光板の作製
上記光学補償フィルムを、上記偏光板作成方法と同様にして偏光板を作成した。
(4)TN液晶パネルでの評価
TN型液晶パネルを使用した液晶表示装置(MDT−191S、三菱電機(株)製)に設けられている一対の偏光板を剥がし、代わりに上記の作製した偏光板を、光学補償フィルムが液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏光板の透過軸とは、Oモードとなるように配置した。本発明を実施したものは像の歪みのない良好な特性を示した。
(反射防止フィルムの作製)
本発明の実施例を用いて、発明協会公開技報(公技番号2001−1745)の実施例47に従い低反射フィルムを作製したところ、良好な光学性能が得られた。
本発明によれば、薄膜化された環状オレフィン共重合体フィルムであって、面内や厚み方向のレタデーションが十分に低く抑えられ、かつ靭性に優れた環状オレフィン共重合体フィルムを得ることができる。このため、本発明の環状オレフィン共重合体フィルムは、偏光板や、透明導電性フィルム、反射防止フィルム、各種表示装置に用いることができ、産業上の利用可能性が高い。

Claims (10)

  1. エチレン単位とノルボルネン単位を含む環状オレフィン共重合体フィルムであって、
    前記ノルボルネン単位は2連鎖部位を含み、該2連鎖部位の立体規則性はメソ型およびラセモ型であり、メソ型2連鎖部位/ラセモ型2連鎖部位の比は2.0未満であり、
    前記環状オレフィン共重合体フィルムの膜厚は10〜60μmであることを特徴とする環状オレフィン共重合体フィルム。
  2. 下記式(1)で規定される、波長550nmにおける面内方向のレタデーション(Re)が0〜10nmであり、かつ、下記式(2)で規定される厚み方向のレタデーション(Rth)が−50〜50nmであることを特徴とする請求項1に記載の環状オレフィン共重合体フィルム。
    Re = (nx−ny)×d (1)
    Rth = {(nx+ny)/2 − nz}×d (2)
    (式(1)及び(2)中、nxは環状オレフィン共重合体フィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyは環状オレフィン共重合体フィルム面内の進相軸方向の屈折率であり、nzは環状オレフィン共重合体フィルムの厚み方向の屈折率であり、dは環状オレフィン共重合体フィルムの厚さを表す。)
  3. 少なくとも1軸方向に延伸されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の環状オレフィン共重合体フィルム。
  4. 2軸延伸されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の環状オレフィン共重合体フィルム。
  5. 破断伸度が6%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の環状オレフィン共重合体フィルム。
  6. ガラス転移温度が110〜210℃であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の環状オレフィン共重合体フィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のフィルムと、偏光子とを有することを特徴とする偏光板。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のフィルムと、導電層を有することを特徴とする透明導電性フィルム。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のフィルムを用いた反射防止フィルム。
  10. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のフィルムを用いた表示装置。
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