JP6113683B2 - 透明フィルム及びその製造方法、積層フィルム、透明導電フィルム、ハードコートフィルム、タッチパネル、偏光板ならびに表示装置 - Google Patents

透明フィルム及びその製造方法、積層フィルム、透明導電フィルム、ハードコートフィルム、タッチパネル、偏光板ならびに表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、透明フィルム及びその製造方法、積層フィルム、透明導電フィルム、ハードコートフィルム、タッチパネル、偏光板ならびに表示装置に関する。
近年、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置(有機EL表示装置)、タッチパネル等の用途が拡大している。このようなデバイスでは支持体や保護フィルム等に各種の樹脂フィルムが用いられている。中でも、環状オレフィンから形成されるフィルムは、耐熱性が高く、吸水率が低く、寸法安定性に優れるため好ましく用いられている。また、環状オレフィンは、低光弾性係数であるために複屈折を低く抑えることができるため、光学特性にも優れた素材である。
例えば、特許文献1には、環状オレフィン系樹脂を溶融押出して製膜された光学フィルムであって、製膜されたフィルムが溶液状態で孔径3μmのPTFEフィルターを用いて濾過した際に濾別されるゲルの大きさが10μm以下、かつゲル分率が300ppm以下である光学フィルムが記載されている。
また、特許文献2には、所定のエチレン単位と所定の環状オレフィン単位からなる共重合体であり、ガラス転移温度が100〜180℃である非晶性ポリオレフィンからなる光学フィルムであって、厚みが1〜60μmであり、厚みムラが5%未満であり、光学フィルム内に存在する長径が100μm以上の気泡が1個/m以下である光学フィルムが記載されている。
また特許文献3には、ゲル発生による光学特性の低下の抑制とハンドリング適性を付与することを目的とした、特定の形状のゲルを特定の個数含むシクロオレフィン系樹脂フィルムが記載されている。
特開2007−144707号公報 特開2010−76128号公報 特開2009−227932号公報
環状オレフィン系樹脂は、溶融成膜による成形時に固形粒状物(ゲルともいう)が発生しやすい。特許文献1及び2に記載のフィルムは、固形粒状物に起因する光学欠陥を抑制するために固形粒状物が少ないものであるが、フィルムに対して塗布層を形成した場合、フィルムと塗布層との密着力が低いという問題がある。特許文献3に記載のフィルムに塗布層を形成した場合、フィルム表面のゲルの存在により塗布層との密着性が若干向上するが、その密着性は十分なものではない。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、塗布層との密着力に優れ透明フィルム及びその製造方法、積層フィルム、透明導電フィルム、ハードコートフィルム、タッチパネル、偏光板ならびに表示装置を提供することを解決すべき課題とする。
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、所定のガラス転移温度を有する環状オレフィン系樹脂を含むフィルムの少なくとも一方の表面に特定の大きさの固形粒状物を所定数存在させることによって、塗布層との密着性を向上できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
<1> 環状オレフィン系樹脂を含む透明フィルムであって、透明フィルムの少なくとも一方の表面に、直径が5〜150μmである固形粒状物を透明フィルム5mm中に平均1〜100個有し、固形粒状物の平均表面突出高さが0.1〜0.48μmであり、環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度が140℃以上である、透明フィルム。
<2> 環状オレフィン系樹脂を含む透明フィルムの少なくとも一方の表面の接触角が35〜70°であり、接触角の面内分布が0.5〜25%である、<1>に記載の透明フィルム。
<3> <1>又は<2>に記載の透明フィルムの少なくとも一方の表面上に樹脂層を有する積層フィルムであって、樹脂層の厚みが10〜400nmであり、樹脂層の透明フィルムとは反対側の面の表面粗さ(Ra)が0.5〜30nmである、積層フィルム。
<4> <1>又は<2>に記載の透明フィルムの表面上に導電層を有する、透明導電フィルム。
<5> <3>に記載の積層フィルムと導電層とを有し、導電層は樹脂層の表面上に設けられている、透明導電フィルム。
<6> 導電層が、幅0.1〜50μmの細線で形成されている、<4>又は<5>に記載の透明導電フィルム。
<7> 細線がAgを含む、<6>に記載の透明導電フィルム。
<8> Agを含む細線がハロゲン化銀を現像することで形成されている、<7>に記載の透明導電フィルム。
<9> <1>又は<2>に記載の透明フィルムの表面上にハードコート層を有するハードコートフィルム。
<10> <3>に記載の積層フィルムとハードコート層とを有し、ハードコート層は、樹脂層の表面上に設けられている、ハードコートフィルム。
<11> 環状オレフィン系樹脂を乾燥し、スクリューとバレルを有する押出機にて樹脂を溶解し、ギアポンプでダイ入口に樹脂を導き、ダイにより樹脂をフィルムに成形し、ダイリップからロールにフィルムを供給し、ロールで冷却してフィルムを巻き取る工程を含む、環状オレフィン系樹脂を含む透明フィルムの製造方法であって、
ギアポンプの吐出圧変動を0.1〜10%とし;かつ
ダイの入口とダイのリップ部分に1〜20℃の温度差を設ける、および/またはメルトフィルムをチルロールとタッチロールで挟圧を行う:
ことを特徴とする方法。
<12> さらに、環状オレフィン系樹脂を含む透明フィルムの少なくとも一方の表面上に樹脂層を塗布により形成する工程を含み、樹脂層と雰囲気温度に1〜100℃の温度差を設けて乾燥させる、<11>に記載の方法。
<13> 中空ロール上に透明フィルムを通し、中空ロールの内部に熱媒を循環させ、さらに、中空ロールの内部に邪魔板を付け熱媒の流れを乱すことで面内に0.5℃〜10℃の温度分布を設け、表面処理を行う、<11>又は<12>に記載の方法。
<14> <1>若しくは<2>に記載の透明フィルム、<3>に記載の積層フィルム、又は<4>〜<8>のいずれかに記載の透明導電フィルムを有するタッチパネル。
<15> <1>若しくは<2>に記載の透明フィルム、又は<3>に記載の積層フィルムを有する偏光板。
<16> <1>若しくは<2>に記載の透明フィルム、<3>に記載の積層フィルム、又は<15>に記載の偏光板を有する表示装置。
本発明によれば、塗布層との密着力に優れる透明フィルム及びその製造方法、積層フィルム、透明導電フィルム、ハードコートフィルム、タッチパネル、偏光板ならびに表示装置を提供することができる。
固形粒状物の破壊の様子を示した積層フィルムの模式断面図である。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
<透明フィルム>
本発明の透明フィルムは、環状オレフィン系樹脂を含む透明フィルムであって、上記フィルムの少なくとも一方の表面に、直径が5〜150μmである固形粒状物を上記透明フィルム5mm中に平均1〜100個有し、上記固形粒状物の平均表面突出高さが0.1〜0.48μmであり、上記環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度が140℃以上であることを特徴とする。
固形粒状物を有する透明フィルムは、搬送性の改良を目的としている特許文献3に記載されており、これを透明導電フィルムに適用したところ、固形粒状物がない、もしくは固形粒状物が多数存在する環状オレフィン系樹脂を使用する場合よりも若干密着が向上するが、その密着性は不十分であった。本発明者らは、さらなる密着性向上について鋭意検討した結果、驚くべきことに、環状オレフィン系樹脂を含む透明フィルムにおいて直径が5〜150μmである固形粒状物を透明フィルム5mm中に平均1〜100個有し、かつ上記固形粒状物の平均表面突出高さが0.1〜0.48μmである場合において、さらに環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度が140℃以上である場合に、密着性が大きく向上することを見出した。上記した効果は引用文献3からは想起しえない効果であり、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
本発明の透明フィルムは、環状オレフィン系樹脂を含むフィルムの表面に所定の大きさの固形粒状物が所定数で存在することで、密着させる層との間の表面積が増え密着が向上する。
固形粒状物とは、溶融成膜における熱やスクリューによる剪断によって、ポリマーの架橋、酸化が起こったもののうち、形成された熱やフィルムが可溶な溶媒に対して溶解しない不溶解物のことをいう。
本発明においては直径が5〜150μmである固形粒状物が透明フィルム5mm(例えば2.5mm×2mm)中に平均1〜100個存在し、平均2〜70個存在することが好ましく、平均3〜40個存在することがより好ましい。固形粒状物が1個未満であると、表面積が低下し密着性が低下し、100個を超えると、固形粒状物による表面凹凸の箇所が応力集中点となり密着性が低下し、ヘイズが上昇し透明性が低下してしまうことがある。固形粒状物が透明フィルム5mm(例えば2.5mm×2mm)中に平均1〜100個存在するとは、透明フィルム上の5mmの領域を複数個所(2箇所以上の任意の数であればよく、例えば、2〜20箇所)選択した場合は各領域に存在する固形粒状物の個数の平均が、1〜100個であることを意味する。なお、5mmの領域を1箇所選択した場合には、選択した5mmの領域における固形粒状物の個数が1〜100個であればよい。
固形粒状物の個数は、光学顕微鏡を用いて、環状オレフィン系樹脂を含むフィルム5mm(例えば2.5mm×2mm)中の固形粒状物の平均個数を測定することで求めることができる。
固形粒状物の直径とは、固形粒状物を球に近似させ、その近似した球の最大直径をいう。固形粒状物の直径は、光学干渉計を用いて測定することができる。
本発明における固形粒状物は、直径に比べて平均表面突出高さを低くすることで密着性を向上でき、さらに、後述する透明導電フィルムにおいては、密着性と、導電層の配線の視認性を両立することができる。
固形粒状物の平均表面突出高さは、0.1〜0.48μmであり、0.12〜0.48μmが好ましく、0.12〜0.46μmがより好ましい。平均表面突出高さが0.1μm未満であると、光の散乱効果が小さすぎ、本発明の透明フィルムを後述する透明導電フィルムとして用いる場合には、導電層の配線の視認性を低下させることができないことがあり、0.48μmを超えると、光散乱が強すぎ、ヘイズが増加して透明性が低下することがある。
固形粒状物の表面突出高さとは、環状オレフィン系樹脂を含むフィルムの表面(フィルム表面に凹凸がある場合はその平均値)から固形粒状物の最も高い地点までの高さの差をいう。
固形粒状物の平均表面突出高さは、光学干渉計を用いて所定の数の固形物状物の表面突出高さを測定し、その平均値を平均表面突出高さとすることができる。
<透明フィルムの物性>
本発明では、環状オレフィン系樹脂を含むフィルムの少なくとも一方の表面の接触角が35〜70°であり、接触角の面内分布が0.5〜25%であることが好ましい。接触角を35〜70°とし、接触角の面内分布を0.5〜25%とすることで、密着性を向上させることができる。
接触角は、35〜70°が好ましく、40〜70°がより好ましく、40〜60°がさらに好ましい。接触角を35°以上とすることで表面処理強度が弱まり、フィルム表面の分子が切断(分子量が低下)することがなくなり、フィルム強度の低下に伴うフィルム内の凝集破壊の発生が抑制され、密着性が向上する。一方、接触角が70°以下であると、塗布液との親和性が上昇し、密着性が向上する。
接触角は、接触角測定器を用いて水の接触角を10点測定し、その平均値を平均接触角とした。
接触角の面内分布は、0.5〜25%が好ましく、0.5〜20%がより好ましく、0.5〜5%がさらに好ましい。接触角の面内分布を0.5〜25%とすることで、固形粒状物の相乗効果により、密着力をより向上させることができる。
接触角分布とは、塗布を行う面の接触角を任意に10点測定し、その最大値と最小値の差を10点の平均値で割り百分率で示した値である。
本発明の透明フィルムは、全光透過率(全光線透過率、全光透過性)が好ましくは85%以上、より好ましくは91%以上、さらに好ましくは92%以上である。
全光透過率は、ヘイズメーターを用いて測定することができる。
本発明の透明フィルムの厚みは、10〜100μmが好ましく、15〜80μmがより好ましく、20〜70μmがさらに好ましい。ここでいう厚みとは、延伸せずに使用する場合は製膜後(未延伸)での厚み、延伸して使用する場合は延伸後の厚みを表す。
<透明フィルムの原料>
本発明の透明フィルムは、ガラス転移温度が140℃以上の環状オレフィン系樹脂を含む。
環状オレフィン系樹脂は、非晶性であり高い透明性を有する上、耐熱性も高く使用可能温度範囲が広い。さらに吸湿性が低いため、吸水膨張が小さく、吸湿による寸法変化による導電層の破壊、剥離が小さい特徴を有する。本発明で用いる環状オレフィン系樹脂は、開環重合体(COP)又は付加重合体(COC)の何れでもよい。
本発明における環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)は140℃以上であり、好ましくは140〜200℃、より好ましくは150〜200℃、さらに好ましくは150〜190℃である。上記の通り、ガラス転移温度(Tg)の上限については特に制限はないが、好ましくは200℃である。
環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度が140℃未満であると、密着性が低下する。この機構は以下によるものと推定している。
ガラス転移温度が低い樹脂は分子の運動性が大きく、長期保管中に自由体積が緩和しやすく脆化しやすくなる(フィジカルエージング)。
本発明は、透明フィルムの表面に所定の固形粒状物を有することでより密着性を改良しているが、後述する実施例で行っているような密着性の評価において、剥離応力で固形粒状物が破壊することがある。図1に一例を示すように、本発明の積層フィルムは環状オレフィン系樹脂を含む透明フィルム1と、樹脂層2を有し、固形粒状物10は透明フィルム1の表面上に有する。本発明における固形粒状物10は、厚みの薄いレンズ状(楕円状)であり、固形粒状物における凸部101に応力が集中し易く、より破壊が発生し易い(図1中の符号102は破壊の様子を示している)。
この結果、上記密着性の評価の際に破壊した固形粒状物の箇所を引き金にし、密着性が低下し易くなると推定される。即ち、固形粒状物が存在してもガラス転移温度の効果が大きく、ガラス転移温度が140℃以上であると、固形粒状物の破壊による影響が大きく減少し、固形粒状物による密着性の低下の効果を発現し難くなると推定される。
また、ガラス転移温度の上限は特に限定されないが、200℃を超えると密着が低下する場合がある。これは以下の機構によると推定する。
ガラス転移温度を増加させるには、環状オレフィン系樹脂中の嵩高い環状オレフィン成分の含有率を増加させる必要があるが、環状オレフィンは歪んだ立体構造を有し、外部応力で切断、破壊し易く、ガラス転移温度の上昇に伴い固形粒状物が破壊し易くなる。
上記密着性の評価の際、剥離応力は、環状オレフィン系樹脂中の異物である固形粒状物に集中し易く、特に本発明のように、図1に示したような固形粒状物では凸部101に応力が集中し易く、より破壊が発生し易い。
したがって、ガラス転移温度を所定の範囲内であることで、固形粒状物の破壊による影響が発現しなくなると推定している。
このようなガラス転移温度を達成するには、COCの場合、共重合する非環状オレフィン系樹脂(エチレン等)の含有率を調整することにより達成できる。すなわちエチレン含有率を増加させることでガラス転移温度を低下でき、エチレン含有率を低下することでガラス転移温度を増加できる。
COPの場合、嵩高いノルボルネンモノマー(例えばノルボルネン環が2つ以上連結した構造)の含有率を高くすることでガラス転移温度を上昇でき、この含有率を下げることでガラス転移温度を低下できる。
また、ガラス転移温度の高い樹脂と低い樹脂を混合して使用することで、ガラス転移温度を調整することもできる。
環状オレフィン系樹脂の原料となるとなるノルボルネン樹脂(ノルボルネン単位)として、以下に記載する飽和ノルボルネン樹脂−Aと飽和ノルボルネン樹脂−Bを好ましい例として挙げることができる。これらの飽和ノルボルネン樹脂は、いずれも後述の溶液製膜法、溶融製膜法により製膜することができるが、飽和ノルボルネン樹脂−Aは溶融製膜法により製膜することがより好ましく、飽和ノルボルネン樹脂−Bは溶液製膜法により製膜することがより好ましい。
[飽和ノルボルネン樹脂−A]
飽和ノルボルネン樹脂−Aとして、(1)ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体に対して、必要に応じてマレイン酸付加、シクロペンタジエン付加のようなポリマー変性を行ない、その後さらに水素添加して得られた樹脂、(2)ノルボルネン系モノマーを付加型重合させて得られた樹脂、(3)ノルボルネン系モノマーとエチレンやα−オレフィンなどのオレフィン系モノマーとを付加型共重合させて得られた樹脂などを挙げることができる。重合方法および水素添加方法は、常法により行なうことができる。
ノルボルネン系モノマーとしては、例えば、ノルボルネン、およびそのアルキルおよび/またはアルキリデン置換体(例えば、5−メチル−2−ノルボルネン、5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等)、これらのハロゲン等の極性基置換体;ジシクロペンタジエン、2,3−ジヒドロジシクロペンタジエン等;ジメタノオクタヒドロナフタレン、そのアルキルおよび/またはアルキリデン置換体、およびハロゲン等の極性基置換体(例えば、6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチリデン−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−クロロ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−シアノ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−ピリジル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−メトキシカルボニル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン等);シクロペンタジエンとテトラヒドロインデン等との付加物;シクロペンタジエンの3〜4量体(例えば、4,9:5,8−ジメタノ−3a,4,4a,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾインデン、4,11:5,10:6,9−トリメタノ−3a,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10a,11,11a−ドデカヒドロ−1H−シクロペンタアントラセン)等が挙げられる。これらのノルボルネン系モノマーは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[飽和ノルボルネン樹脂−B]
飽和ノルボルネン樹脂−Bとして、下記一般式(1)〜(4)で表わされるものを挙げることができる。これらのうち、下記一般式(1)で表されるものが特に好ましい。
Figure 0006113683
一般式(1)〜(4)中、R〜R12は、各々独立に水素原子または1価の置換基(好ましくは有機基)を示し、これらのうち少なくとも1つは極性基であることが好ましい。これらの飽和ノルボルネン樹脂の質量平均分子量は、通常5,000〜1,000,000が好ましく、より好ましくは8,000〜200,000である。
上記の置換基としては、特許第5009512号公報の段落[0036]に記載されたものを例示することができる。また、上記の極性基としては、特許第5009512号公報の段落[0037]に記載されたものを例示することができる。
本発明で用いることができる飽和ノルボルネン樹脂としては、例えば、特開昭60−168708号公報、特開昭62−252406号公報、特開昭62−252407号公報、特開平2−133413号公報、特開昭63−145324号公報、特開昭63−264626号公報、特開平1−240517号公報、特公昭57−8815号公報などに記載されている樹脂などを挙げることができる。
これらの樹脂の中でも、ノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加して得られる水添重合体が特に好ましい。
本発明では、飽和ノルボルネン樹脂として、下記一般式(5)で表わされる少なくとも1種のテトラシクロドデセン誘導体を単独で、あるいは、当該テトラシクロドデセン誘導体と、これと共重合可能な不飽和環状化合物とをメタセシス重合して得られる重合体を水素添加して得られる水添重合体を用いることもできる。
Figure 0006113683
一般式(5)中、R13〜R16は、各々独立に水素原子または1価の置換基(好ましくは有機基)を示し、これらのうち少なくとも1つは極性基であることが好ましい。ここでいう置換基と極性基の具体例と好ましい範囲については、一般式(1)〜(4)について説明したのと同一である。
上記一般式(5)で表わされるテトラシクロドデセン誘導体において、R13〜R16のうち少なくとも1つが極性基であることにより、他の材料との密着性、耐熱性などに優れた偏光フィルムを得ることができる。さらに、この極性基が−(CHCOOR(ここで、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、nは0〜10の整数を示す。)で表わされる基であることが、最終的に得られる水添重合体(偏光フィルムの基材)が高いガラス転移温度Tg(好ましくは130〜180℃)を有するものとなるので好ましい。特に、この−(CHCOORで表わされる極性置換基は、一般式(5)のテトラシクロドデセン誘導体の1分子あたりに1個含有されることが吸水率を低下させる点から好ましい。上記極性置換基において、Rで示される炭化水素基の炭素数が多くなるほど得られる水添重合体の吸湿性が小さくなる点では好ましいが、得られる水添重合体のガラス転移温度とのバランスの点から、当該炭化水素基は、炭素数1〜4の鎖状アルキル基または炭素数5以上の(多)環状アルキル基であることが好ましく、特にメチル基、エチル基、シクロヘキシル基であることが好ましい。
さらに、−(CHCOORで表わされる基が結合した炭素原子に、炭素数1〜10の炭化水素基が置換基として結合されている一般式(5)のテトラシクロドデセン誘導体は、得られる水添重合体の吸湿性が低いものとなるので好ましい。特に、この置換基がメチル基またはエチル基である一般式(5)のテトラシクロドデセン誘導体は、その合成が容易な点で好ましい。具体的には、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ〔4,4,0,12.5,17.10〕ドデカ−3−エンが好ましい。これらのテトラシクロドデセン誘導体、およびこれと共重合可能な不飽和環状化合物の混合物は、例えば特開平4−77520号公報第4頁右上欄12行〜第6頁右下欄第6行に記載された方法によってメタセシス重合、水素添加することができる。
これらのノルボルネン系樹脂は、クロロホルム中、30℃で測定される固有粘度(ηinh)が、0.1〜1.5dl/gであることが好ましく、さらに好ましくは0.4〜1.2dl/gである。また、水添重合体の水素添加率は、60MHz、H−NMRで測定した値が50%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは98%以上である。水素添加率が高いほど、得られる飽和ノルボルネンフィルムは、熱や光に対する安定性が優れたものとなる。該水添重合体中に含まれるゲル含有量は5質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは1質量%以下である。
[その他の開環重合可能なシクロオレフィン類]
本発明においては、開環重合可能な他のシクロオレフィン類を併用することができる。このようなシクロオレフィンの具体例としては、例えば、シクロペンテン、シクロオクテン、5,6−ジヒドロジシクロペンタジエンなどのごとき反応性の二重結合を1個有する化合物が例示される。これらの開環重合可能なシクロオレフィン類の含有量は、上記ノルボルネン系モノマーに対して0モル%〜50モル%であることが好ましく、0.1モル%〜30モル%であることがより好ましく、0.3モル%〜10モル%であることが特に好ましい。
環状オレフィン系樹脂は、エチレン単位とノルボルネン単位を含む環状オレフィン共重合体であってもよい。エチレン単位は、−CHCH−で表される繰り返し単位である。エチレン単位が、上述したノルボルネン単位とビニル重合することによって、環状オレフィン共重合体が得られる。ノルボルネン単位とエチレン単位の共重合モル比率が、80:20〜20:80であることが好ましく、80:20〜50:50であることが好ましく、80:20〜60:40であることがより好ましい。
なお、環状オレフィン共重合体は、エチレン単位とノルボルネン単位以外にも他の共重合可能なビニルモノマーからなる繰り返し単位を少量含有していてもよい。他のビニルモノマーとしては、具体的に、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンのような炭素数3〜18のα−オレフィン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3−メチルシクロヘキセン、シクロオクテンのようなシクロオレフィン等を挙げることができる。このようなビニルモノマーは単独であるいは2種類以上組み合わせて用いてもよく、またその繰り返し単位が全体の10モル%以下であることが好ましく、5モル%以下であることがより好ましい。
また、環状オレフィン系樹脂には付加重合型と開環重合型があり、いずれを用いてもよい。開環重合型の環状オレフィン系樹脂としては、例えば、WO2009/041377号、WO2008/108199号、WO2007/001020号、WO2006/112304号、特開2008−037932、WO2007/043573号、WO2007/010830号、特願2007−525979号(特許5233280号)、WO2007/001020号、特開2007−063356号公報、特開2009−210756号公報、特開2008−158088号公報、特開2001−356213号公報、特開2004−212848号公報、特開2003−014901号公報、特開2000−219752号公報、特開2005−008698号公報、WO2007/135887号、特開2012−056322号公報、特開平7−197623号公報、特開2006−215333号公報、特開2006−235085号公報、特開2005−173072号公報、特願2003−578978号(特許4292993号)、特開2004−258188号公報、特開2003−136635号公報、特開2003−236915号公報、特開平10−130402号公報、特開平9−263627号公報、特開平4−361230号公報、特開平4−363312号公報、特開平4−170425号公報、特開平3−223328号公報等に記載の開環重合型の環状オレフィン系樹脂が挙げられる。
また、付加重合型の環状オレフィン系樹脂としては、例えば、WO2009/139293号、WO2006/030797号、特願2006−535159号(特許4493660号)、特開2007−232874号公報、特開2007−009010号公報、WO2013/179781号、WO2012/114608号、WO2008/078812号、特開平11−142645号公報、特開平10−287713号公報、特願2008−548162号(特許5220616号)、特開平11−142645号公報、特開平10−258025号公報、特開2001−026682号公報、特開平5−025337号公報、特開平3−273043号公報等に記載の付加重合型の環状オレフィン系樹脂が挙げられる。
本発明では、市販品の環状オレフィン系樹脂を用いることができ、例えば、Topas−6015、Topas−6017(全てポリプラスチック社製)を用いることができる。
[その他添加剤]
環状オレフィン系樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で、他の添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤を挙げることができる。特に、環状オレフィン系樹脂が各種デバイスの表面に設置される場合には、紫外線吸収剤を含むことが好ましい。紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾル系紫外線吸収剤、アクリルニトリル系紫外線吸収剤などを用いることができる。
[[滑剤]]
本発明においては、製膜時のフィルムの走行性が向上し、製膜機のロール上で発生する擦り傷が低減されることから、環状オレフィン系樹脂に滑剤を添加してもよい。
滑剤としては、例えば特開2009−227932号公報(特許文献3)の段落0032等に記載されている滑剤を用いることができ、この記載は本明細書に組み込まれる。具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、モンタン酸等の脂肪酸や、ステアリルステアレート、ベヘニルベヘネート、ペンタエリスルトールトリステアレート、ペンタエリスルトールテトラステアレート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノベヘネート等の脂肪酸エステル;ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレイルアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド等の脂肪酸アミドやステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等の金属石けん、モンタンロウ等の天然ワックス等を使用することができる。滑剤の添加量は、環状オレフィン系樹脂の質量に対して、0.05質量%未満が好ましく、0.03質量%未満がより好ましく、0.01質量%未満がさらに好ましい。添加量を0.05質量%未満とすることで、製膜後にフィルム表面に滑剤が析出することを低減でき、表面に薄い滑剤の層が形成されにくくなり、上層との密着性の低下を抑制できる。
<透明フィルムの製造方法>
本発明の透明フィルムの製造方法は、環状オレフィン系樹脂を乾燥し、スクリューとバレルを有する押出機にて上記樹脂を溶解し、ギアポンプでダイ入口に樹脂を導き、ダイにより上記樹脂をフィルムに成形し、ダイリップからロールに上記フィルムを供給し、ロールで冷却して上記フィルムを巻き取る工程を含む、環状オレフィン系樹脂を含む透明フィルムの製造方法であって、ギアポンプの吐出圧変動を0.1〜10%とし;かつダイの入口とダイのリップ部分に1〜20℃の温度差を設ける、および/またはメルトフィルムをチルロールとタッチロールで挟圧を行うことを特徴とする。
本発明の透明フィルムの製膜方法は、溶融製膜法が好ましい。
溶融製膜法では、製膜に先立ち、必要に応じて添加剤(紫外線級収剤、マット剤、安定剤、帯電防止剤等)を添加し、樹脂を乾燥する。好ましい乾燥条件は80℃以上樹脂のガラス転移温度(Tg)以下であり、より好ましくは100℃以上Tg−5℃以下である。好ましい乾燥時間は0.5時間以上24時間以下、より好ましくは1時間以上10時間以下である。
(1)押出し
押出し機の種類として、一般的には設備コストの比較的安い単軸押し出し機が用いられることが多く、フルフライト、マドック、ダルメージ等のスクリュータイプがあるが、フルフライトタイプが好ましい。また、スクリューセグメントを変更することにより、途中でベント口を設けて不要な揮発成分を脱揮させながら押出ができる二軸押出機を用いることが可能である。二軸押出機には大きく分類して同方向と異方向のタイプがありどちらも用いることが可能であるが、滞留部分が発生し難くセルフクリーニング性能の高い同方向回転のタイプが好ましい。
(2)濾過
樹脂中の異物濾過のためや異物によるギアポンプ損傷を避けるために、押出機出口にフィルター濾材を設けるいわゆるブレーカープレート式の濾過を行うことが好ましい。また、さらに異物濾過をするために、ギアポンプ通過後にいわゆるリーフ型ディスクフィルターを組み込んだ濾過装置を設けてもよい。濾過は、濾過部を1カ所設けて行うことができ、また複数カ所設けて行う多段濾過でも良い。フィルター濾材の濾過精度は15μm〜3μmが用いられる。耐圧、フィルターライフの適性を確保するために装填枚数にて調整することが可能である。濾材の種類は、高温高圧下で使用される点から鉄鋼材料を用いることが好ましく、鉄鋼材料の中でも特にステンレス鋼、スチールなどを用いることが好ましく、腐食の点から特にステンレス鋼を用いることが望ましい。濾材の構成としては、線材を編んだものの他に、例えば金属長繊維あるいは金属粉末を焼結し形成する焼結濾材が使用でき、濾過精度、フィルターライフの点から焼結濾材が好ましい。
本発明においては、固形粒状物の量を調節する手段の一つとして、フィルターを用いてもよい。固形粒状物は軟らかく、変形可能なため、固形粒状物の直径よりも小さいフィルター濾過精度のものを使用してもある一定量通り抜ける。そのため一般的に用いられる濾過精度15〜3μmのものを用いることができる。
(3)ギアポンプ
押出機とダイスの間にギアポンプを設けて、ギアポンプから一定量の樹脂を供給することが好ましい。この回転数に変動を与えることで、上記吐出圧変動を付与できる。ギアポンプとは、ドライブギアとドリブンギアとからなる一対のギアが互いに噛み合った状態で収容され、ドライブギアを駆動して両ギアを噛み合い回転させることにより、ハウジングに形成された吸引口から溶融状態の樹脂をキャビティ内に吸引し、同じくハウジングに形成された吐出口からその樹脂を一定量吐出するものである。
吐出圧変動を0.1〜10%とすることで、固形粒状物の個数を、環状オレフィ系樹脂ンを含むフィルム5mm中に1〜100個とすることができる。吐出圧変動としては、0.1〜10%であり、0.2〜9%が好ましく、0.3〜8%がより好ましい。吐出圧変動を0.1〜10%とすることで、押出機のバレル中に樹脂の非充満部(空気層)を形成することができ、この非充満部中の溶融樹脂が反応(酸化)し固形粒状物を形成することができる。
吐出圧変動が0.1%未満であると、固形粒状物の個数が環状オレフィン系樹脂を含むフィルム5mm中に1個未満となることがあり、吐出圧変動が10%を超えると、固形粒状物の個数が環状オレフィン系樹脂を含むフィルム5mm中に100個を超えることがある。
(4)ダイ
上記の通り構成された押出機によって樹脂が溶融され、必要に応じ濾過機、ギアポンプを経由して溶融樹脂がダイに連続的に送られる。ダイは、一般的に用いられるTダイ、フィッシュテールダイ、ハンガーコートダイの何れのタイプを用いることができる。また、ダイの直前に樹脂温度の均一性アップのためのスタティックミキサーを入れてもよい。
固形粒状物の平均表面突出高さを0.1〜0.48μmとするための手段の一つとしては、溶融樹脂を押出機からダイを通して押出す際に、メルト内部を外部より高温にすることが挙げられる。
具体的には、ダイの入口とダイのリップ部分に1〜20℃の温度差を設けることで、固形粒状物の平均表面突出高さを0.1〜0.48μmとすることができる。ダイリップから樹脂が押出される際、ダイ内の圧力が開放され、メルトがダイリップで膨張する。この時、膨張に伴うフィルム法線方向の力で固形粒状物は表面に押出されようとするが、表面の温度が低く樹脂の粘性が高いと表面に出にくくなる。すなわち、メルトの法線方向の温度差を調整することで、固形粒状物の平均表面突出高さを調整することができる。
ダイの入口とダイのリップ部分の温度差としては、1〜20℃であり、1.5〜18℃が好ましく、2〜16℃がより好ましい。温度差を1℃未満とすると、固形粒状物の平均表面突出高さが0.1μm未満となり、温度差が20℃を超えると、固形粒状物の平均表面突出高さが0.48μmを超える。
上記温度差の付与方法としては、特に限定されないが、例えば、ダイの入口部と出口部にヒーターを設置し、出口部の温度を入口より低くする方法が挙げられる。出口部のヒーターによる熱は、表面だけに熱を付与しメルトの内部に達しないので、メルト表面の温度を下げることができる。
(5)キャスト
上記方法にて、ダイよりシート上に押し出された溶融樹脂をキャスティングドラム上で冷却固化し、未延伸フィルムを得る。この時、静電印加法、エアナイフ法、エアーチャンバー法、バキュームノズル法、タッチロール法等の方法を用い、キャスティングドラムと溶融押出ししたシートの密着を上げることが好ましい。このような密着向上法は、溶融押出しシートの全面に実施してもよく、一部に実施しても良い。特にエッジピニングと呼ばれる、フィルムの両端部にのみを密着させる方法が取られることも多いが、これに限定されるものではない。
キャスティングドラムは複数本用いて徐冷することがより好ましい。特に一般的には3本の冷却ロールを用いることが比較的よく行われているが、この限りではない。ロールの直径は50mm〜5000mmが好ましく、複数本あるロールの間隔は、面間で0.3mm〜300mmが好ましい。
キャスティングドラムは、樹脂のTg−70℃〜Tg+20℃が好ましく、より好ましくはTg−50℃〜Tg+10℃、さらに好ましくはTg−30℃〜Tg+5℃である。
また、いわゆるタッチロール法を用いる場合、タッチロール表面は、ゴム、テフロン(登録商標)等の樹脂でもよく、金属ロールでも良い。さらに、金属ロールの厚みを薄くすることでタッチしたときの圧力によりロール表面が若干くぼみ、圧着面積が広くなりフレキシブルロールと呼ばれる様なロールを用いることも可能である。
通過する溶融物にかける圧力が20〜500MPaであることが好ましく、30〜400MPaであることがより好ましく、さらに好ましくは、40〜300MPaであり、特に好ましくは50〜200MPaである。ここで規定する圧力とは、挟圧面を押し付けている力を熱可塑性フィルムと挟圧面間の接触面積で割った値である。ロール間の圧力は、圧力測定フィルム(富士フィルム社製 中圧用プレスケール等)を常温で5m/分の速度で、2つのロールに通すことで測定することが出来る。
タッチロール温度はTg−70℃〜Tg+20℃が好ましく、より好ましくはTg−50℃〜Tg+10℃、さらに好ましくはTg−30℃〜Tg+5℃である。
固形粒状物の平均表面突出高さを調整するための手段としては、上記したダイの入口とダイのリップ部分に1〜20℃の温度差を設ける方法以外に、タッチロールにより、ダイから押し出されたメルトフィルムを挟圧する方法を挙げることができる。挟圧する方法として、タッチロールおよびチルロールにより、ダイから押し出されたメルトフィルムを挟圧する方法が挙げられ、挟圧方法としてはタッチベルト方式でもよい。
ダイから吐出されるメルトフィルムは、タッチロールとチルロールで0.1〜5MPaの面圧で挟圧することが好ましく、0.2〜3MPaがより好ましく、0.3〜2MPaがさらに好ましい。
ここでいう面圧とはタッチロールを押し付けている力を環状オレフィン系樹脂フィルムとタッチロールの接触面積で割った値である。
本発明においては、固形粒状物の平均表面突出高さを調整するために、ダイの入口とダイのリップ部分に1〜20℃の温度差を設ける方法、およびメルトフィルムをチルロールとタッチロールで挟圧を行う方法の両方を行うことが好ましい。
(6)表面処理
本発明の透明フィルムの製造方法においては、透明フィルムの接触角を35〜70°とし、接触角の面内分布を0.5〜25%とするために、コロナ放電処理、紫外線処理、グロー放電処理、大気圧プラズマ処理、火炎処理等(以下、処理等という)の表面処理を行ってもよい。
コロナ放電処理の放電周波数は50Hz〜5000kHzが好ましく、5kHz〜数100kHzがより好ましい。被処理物の処理強度に関しては、通常のポリエステル、ポリオレフィン等のプラスチックフィルムの濡れ性改良の為には、0.001KV・A・分/m〜5KV・A・分/m、好ましくは0.01KV・A・分/m〜1KV・A・分/mが適当である。電極と誘電体ロールのギャップクリアランスは0.5〜2.5mm、好ましくは1.0〜2.0mmが適当である。
紫外線処理としては、従来知られている方法、例えば、特願昭39−14534号、同39−16094号、特公昭45−3828号公報、特願平4−251845号、同4−253545号等に記載された方法を用いることができる。
その他の処理等の詳細は、特許第3123872号、特許第4958824号に記載された方法を用いることができる。
処理等の表面処理が強いと、フィルム表面の酸化が進み接触角が低下し、樹脂層との親和性が上昇するが、フィルム表面の分子切断による強度低下から密着力が低下する。しかし、接触角の面内分布を0.5〜25%とすることで表面処理の弱いところが共存すると、フィルムの親和性が上昇しながら、フィルムの破壊を抑制でき、密着力が向上する。
本発明のように、固形粒状物が存在すると、固形粒状物の影になった箇所の表面処理強度が弱まり、接触角の面内分布が形成される。即ち固形粒状物により接触角の面内分布が形成される。
接触角の面内分布は、処理前のフィルムに温度差を与えることで付与することができる。高温の箇所ではフィルム中の分子が活性化することで処理等を受け易く接触角が低下し易くなる。具体的には、例えば、中空ロール上にフィルムを通し、中空ロールの内部に熱媒を循環させ、さらに、中空ロールの内部に邪魔板を付け熱媒の流れを乱すことで面内に温度分布を形成することができる。
上記温度差としては、0.5℃〜10℃が好ましく、1〜9℃がより好ましく、1.5〜8℃がさらに好ましい。
(7)塗布
製造されたフィルムの表面を塗布しても良く、これにより易接着層、樹脂層、導電層、ハードコート層、帯電防止層等の機能層を付与できる。
(8)延伸処理
本発明では、必要に応じて延伸処理を行ってもよく、具体的には、キャストドラム上に押し出されたキャストフィルム(未延伸原反)は縦(MD)または横(TD)の少なくとも1軸方向に延伸しても良い。縦(MD)及び横(TD)に2軸延伸されることがより好ましい。縦及び横に2軸延伸する場合は、縦→横、横→縦のように逐次で行なってもよく、同時に2方向に延伸しても構わない。さらに、例えば縦→縦→横、縦→横→縦、縦→横→横のように多段で延伸することも好ましい。
縦延伸は、通常2対以上のニップロールを設置、その間を加熱した原反を通しながら、出口側ニップロールの周速を入口側より速くすることで達成できる。この時、上記のように表裏に温度差を付与することが好ましい。
また、縦延伸の前に原反を予熱することが好ましい。予熱温度は環状オレフィン系樹脂のTg−50〜Tg+30℃が好ましく、より好ましくはTg−40〜Tg+15℃、さらに好ましくはTg−30〜Tgである。このような予熱は、加熱ロールと接触させてもよく、放射熱源(IRヒーター、ハロゲンヒーター等)を用いても良く、熱風を吹き込んでも良い。
縦延伸はTg−10〜Tg+50℃で行なうのが好ましく、より好ましくはTg〜Tg+40℃、さらに好ましくはTg〜Tg+30℃で行なうのが好ましい。延伸倍率は1.1〜5.5倍が好ましく、より好ましくは1.3〜3倍である。なお、ここでいう延伸倍率は以下の式によって求めた値である。
延伸倍率=(延伸後の長さ−延伸前の長さ)/(延伸前の長さ)
縦延伸後、冷却するのが好ましく、Tg−50〜Tgが好ましく、より好ましくはTg−45〜Tg−5℃がより好ましくは、さらに好ましくはTg−40〜Tg−10℃である。このような冷却は、冷却ロールに接触させても良く、冷風を吹き付けても良い。
横延伸はテンターを用いて行なうのが好ましい。即ち環状オレフィン系樹脂の両端をクリップで把持しながら熱処理ゾーンを搬送しながら、クリップを幅方向に拡げることで行うことができる。
好ましい延伸温度はTg−10〜Tg+50℃、より好ましくはTg〜Tg+40℃、さらに好ましくはTg〜Tg+30℃である。延伸倍率は1.1〜5.5倍が好ましく、より好ましくは1.3〜3倍である。
延伸工程においては、延伸処理後に、フィルムに熱処理を行なうのが好ましい。
熱処理とは、Tg+10〜Tg+50℃程度(更に好ましくは、Tg+15〜Tg+30℃)で1〜60秒間(更に好ましくは2〜30秒間)の熱処理をフィルムに施すことをいう。熱固定は、横延伸に引き続き、テンター内でチャックに把持した状態で行なうのが好ましく、この際チャック間隔は横延伸終了時の幅で行なっても、さらに拡げても、あるいは幅を縮めて行なっても良い。熱処理を施すことによって、Re、Rthを本発明の範囲内に調整することができる。
(9)巻き取り
製膜後、延伸後に両端をトリミングし、巻き取ることが好ましい。トリミングされた部分は、粉砕処理された後、或いは必要に応じて造粒処理等を行った後、同じ品種のフィルム用原料として、または異なる品種のフィルム用原料として再利用してもよい。トリミングカッターはロータリーカッター、シャー刃、ナイフ等の何れのタイプの物を用いても構わない。材質についても、炭素鋼、ステンレス鋼何れを用いても構わない。一般的には、超硬刃、セラミック刃を用いると刃物の寿命が長く、好ましい。
また、巻き取り前に、少なくとも片面にラミフィルムを付けることも、傷防止の観点から好ましい。好ましい巻き取り張力は1kg/m幅〜50kg/m幅、より好ましくは2kg/m幅〜40kg/m幅、さらに好ましくは3kg/m幅〜20kg/m幅である。巻き取り張力が1kg/m幅以上であれば、フィルムを均一に巻き取りやすいため好ましい。また、巻き取り張力が50kg/m幅以下であれば、フィルムが堅巻きになることがなく、巻き外観が美しく保つことができる。
<積層フィルム>
本発明の透明フィルムの少なくとも一方の表面上に樹脂層を設けて積層フィルムを製造することができる。導電層を有する場合には、樹脂層を有することで固形粒状物の凹凸による導電性の低下を抑制できるうえ、導電層との密着性を向上させることができる。
樹脂層の厚みは、10〜400nmであり、10〜200nmが好ましく、10〜100nmがより好ましく、20〜100nmがさらに好ましい。厚みを10nm以上とすることで剥離応力を吸収できるようになり、密着力を向上させることができ、また、衝撃を吸収可能となることで導電層の破壊を抑制し、抵抗率の上昇を抑制することができる。一方、厚みを400nm以下とすることで樹脂層内での凝集が抑制され、密着力を向上させることができ、また、樹脂層が柔らかくなり導電層の変形を抑制し、抵抗率の上昇を抑制することができる。
樹脂層の透明フィルムとは反対側の面の表面粗さ(Ra)は、0.5〜30nmであり、0.5〜25nmが好ましく、1〜25nmがより好ましく、10〜20nmがさらに好ましい。表面粗さ(Ra)が0.5nm以上であると、接触面積が上昇し、密着性を向上させることができる。また、密着性が不良個所での導電層の断線を抑制でき、抵抗率の上昇を抑制することができる。一方、表面粗さ(Ra)が30nm以下であると、樹脂層の凹凸により剥離応力が集中することがなくなり密着不良が起こりにくくなり、凹凸に導電層が追随することができるようになり、導電層の欠損が抑制され抵抗率の上昇を抑制することができる。
表面粗さ(Ra)は、例えばレーザー顕微鏡を用いて測定することができる。
樹脂層の原料としては、フェノール系、アルキド系、メラミン系、ユリア系、ビニル系、エポキシ系、ポリエステル系、ポリウレタン系、アクリル系などの合成樹脂が挙げられる。合成樹脂以外の他の樹脂としては、ゼラチンなどを挙げることができる。これらは市販品を用いることもでき、例えば、AS−563A(ダイセルファインケム(株)製)等が挙げられる。
また、樹脂成分の他に、必要に応じて架橋剤、造膜助剤(例えばジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート)、マット剤、滑り剤、界面活性剤、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤、帯電防止剤、架橋剤の触媒等を含んでいてもよい。架橋剤としては、カルボジライトV−02−L2(日清紡(株)製)、架橋剤の触媒としては、エラストロン用触媒(第一工業製薬社製:商品名Cat64)、マット剤としては、スノーテックスXL(日産化学(株)製)、滑り剤としては、セロゾール524(中京油脂(株)製)、界面活性剤としては、ナロアクティーCL95(三洋化成工業(株)製)、ラピゾールA−90(日油(株)製)などを挙げることができる。
(樹脂層の形成方法)
樹脂層は、塗布法、共押出法のいずれにより形成してもよく、素材選定範囲の広さ、溶融段階で耐熱性を考慮しなくてもよいという観点から塗布法が好ましい。
まず、樹脂層を構成する樹脂を含む溶液、もしくはラテックス水溶液を混合し調製した塗布液を塗設する。塗設後、塗布乾燥する際に、塗布膜(樹脂層)と雰囲気温度に1〜100℃の温度差を付けることが好ましく、3〜80℃がより好ましく、5〜60℃がさらに好ましい。このような温度差を付与することで、溶媒の乾燥により塗布層内部で対流が発生し、塗膜に凹凸が形成される。雰囲気温度とは、樹脂層を形成する際(塗布表面から30cm)の外気の温度をいう。
塗布後、必要に応じて、塗布面に凹凸を有する基材を押し当て凹凸を転写し、所定の表面粗さ(Ra)を樹脂層に発現させることができる。
<ハードコートフィルム>
本発明の透明フィルムは、ハードコートフィルムに用いることができる。本発明のハードコートフィルムは、本発明の透明フィルムと、ハードコート層とを少なくとも有する。ハードコート層は、環状オレフィン系樹脂を含む透明フィルムの表面上、または上記した樹脂層の表面上に設けることができる。
ハードコート層は、ウェット塗布法、ドライ塗布法(真空成膜)のいずれで形成されてもよいが、生産性に優れるウェット塗布法により形成されることが好ましい。
ハードコート層としては、例えば、特開2013−45045号公報、特開2013−43352号公報、特開2012−232459号公報、特開2012−128157号公報、特開2011−131409号公報、特開2011−131404号公報、特開2011−126162号公報、特開2011−75705号公報、特開2009−286981号公報、特開2009−263567号公報、特開2009−75248号公報、特開2007−164206号公報、特開2006−96811号公報、特開2004−75970号公報、特開2002−156505号公報、特開2001−272503号公報、WO12/018087、WO12/098967、WO12/086659、WO11/105594に記載のものを使用できる。
<透明導電フィルム>
本発明の透明導電フィルムは、本発明の透明フィルムの表面上に導電層を有することを特徴とする。本発明の透明導電フィルムは、密着性に優れ、かつ導電層の視認性を低下させることが可能となる。また、電気抵抗の上昇を抑制することも可能となる。
導電層は、環状オレフィン系樹脂を含む透明フィルムの表面上、または上記した樹脂層の表面上に設けることができる。導電層は層状に形成されてもよいが、間欠部を有するように形成されることが好ましい。間欠部とは、導電層が設けられていない部分をいい、間欠部の外周は導電層により囲まれていることが好ましい。本発明では、間欠部を有するように導電層が形成されることを、パターン状やメッシュ状に導電層が形成されるともいう。導電層としては、例えば、特開2013−1009号公報、特開2012−216550号公報、特開2012−151095号公報、特開2012−25158号公報、特開2011−253546号公報、特開2011−197754号公報、特開2011−34806号公報、特開2010−198799号公報、特開2009−277466号公報、特開2012−216550号公報、特開2012−151095号公報、国際公開2010/140275号パンフレット、国際公開2010/114056号パンフレットに記載された導電層を例示することができる。
本発明で用いる導電層は、銀と親水性樹脂を含むことがより好ましい。水溶性樹脂としては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。これらは、官能基のイオン性によって中性、陰イオン性、陽イオン性の性質を有する。これらの中で特に好ましいのが、ゼラチンである。
また、本発明で用いる導電層は、有機性(例えばポリチオール等の導電性樹脂)、無機性(例えばITO等の半導体、金、銀、銅等の金属)の導電層を用いてもよく、これらの中でも、導電性の高い無機性が好ましく、さらに好ましくは金属がより好ましい。ITOなどの半導体を用いた導電層の場合は、導電層材料が透明であるため、導電層を透明フィルムの全面に付与してもよいし、細線等にパターニングしてもよい。銀ファイバーを用いた導電層の場合は、銀ファイバーがナノオーダーの微細なファイバーであり導電層材料として透明であるため、導電層を透明フィルムの全面に付与してもよいし、細線等にパターニングしてもよい。一方、ハロゲン化銀を還元した銀を用いた導電層の場合は、導電層材料が銀のバルク(塊)であり不透明であることから、透明導電層とするためには、細線にパターニングすることが必要である。
これらの中でも、ハロゲン化銀を露光によりパターニングし、現像し、形成した銀配線を用いた導電層が、光透過性、導電性に優れ、特に好ましい。
導電層の幅は0.1〜50μmの細線で形成されていることが好ましく、0.3〜30μmがより好ましく、0.5〜15μmがさらに好ましい。幅が0.1μm以上とすることで、細線の破断を抑制することができ、50μm以下とすることで導電層の視認性を低下させることができる。
本発明で用いる導電層には、ハロゲン化銀写真感光材料を用いることが特に好ましい。ハロゲン化銀写真感光材料を用いる場合、導電層の製造方法には、感光材料と現像処理の形態によって、次の3通りの形態が含まれる。
(1) 物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を化学現像又は熱現像して金属銀部を上記感光材料上に形成させる態様。
(2) 物理現像核をハロゲン化銀乳剤層中に含む感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を溶解物理現像して金属銀部を上記感光材料上に形成させる態様。
(3) 物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料と、物理現像核を含む非感光性層を有する受像シートを重ね合わせて拡散転写現像して金属銀部を非感光性受像シート上に形成させる態様。
上記(1)の態様は、一体型黒白現像タイプであり、感光材料上に光透過性導電膜等の透光性導電性膜が形成される。得られる現像銀は化学現像銀又は熱現像銀であり、高比表面のフィラメントである点で後続するめっき又は物理現像過程で活性が高い。
上記(2)の態様は、露光部では、物理現像核近縁のハロゲン化銀粒子が溶解されて現像核上に沈積することによって感光材料上に光透過性導電性膜等の透光性導電性膜が形成される。これも一体型黒白現像タイプである。現像作用が、物理現像核上への析出であるので高活性であるが、現像銀は比表面の小さい球形である。
上記(3)の態様は、未露光部においてハロゲン化銀粒子が溶解されて拡散して受像シート上の現像核上に沈積することによって受像シート上に光透過性導電性膜等の透光性導電性膜が形成される。いわゆるセパレートタイプであって、受像シートを感光材料から剥離して用いる態様である。
いずれの態様もネガ型現像処理及び反転現像処理のいずれの現像を選択することができる、なお、拡散転写方式の場合は、感光材料としてオートポジ型感光材料を用いることによってネガ型現像処理が可能となる。
ここでいう化学現像、熱現像、溶解物理現像、拡散転写現像は、当業界で通常用いられている用語どおりの意味であり、写真化学の一般教科書、例えば菊地真一著「写真化学」(共立出版社、1955年刊行)、C.E.K.Mees編「The Theory of Photographic Processes, 4th ed.」(Mcmillan社、1977年刊行)に解説されている。本件は液処理に係る発明であるが、その他の現像方式として熱現像方式を適用する技術も参考にすることができる。例えば、特開2004−184693号、同2004−334077号、同2005−010752号の各公報、特願2004−244080号、同2004−085655号公報の各明細書に記載された技術を適用することができる。
本発明において導電層となる銀塩乳剤層は、銀塩とバインダーの他、溶媒や染料等の添加剤を含有してもよい。銀塩としては、ハロゲン化銀等の無機銀塩及び酢酸銀等の有機銀塩が挙げられる。本発明では、光センサーとしての特性に優れるハロゲン化銀を用いることが好ましい。
銀塩乳剤層の形成に用いられる溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、酢酸エチル等のエステル類、エーテル類等)、イオン性液体、及びこれらの混合溶媒を挙げることができる。
銀塩乳剤層の上には、保護層を設けてもよい。本発明において保護層とは、ゼラチンや高分子ポリマーといったバインダーからなる層を意味し、擦り傷防止や力学特性を改良する効果を発現するために感光性を有する銀塩乳剤層上に形成される。その厚みは0.5μm以下が好ましい。保護層の塗布方法及び形成方法は特に限定されず、公知の塗布方法及び形成方法を適宜選択することができる。例えば、保護層に関しては、特開2008−250233号公報等の記載を参照することができる。
さらに、本発明では、下塗り層、アンチハレーション(AH)層や帯電防止層といった他の機能層を設けてもよい。下塗り層としては、特開2008−250233号公報の段落[0021]〜[0023]のものを適用できる。また、帯電防止層としては、特開2008−250233号公報の段落[0012]、[0014]〜[0020]のものを適用できる。アンチハレーション(AH)層としては、特開2012−6377号公報の段落[0064]〜[0068]のものを適用でき、中でも、以下の固体分散染料Aが好ましい。
Figure 0006113683
<タッチパネル>
本発明の透明フィルム、積層フィルム及び透明導電フィルムは、タッチパネルにおいて用いることができる。
本発明のフィルムを有するタッチパネルは特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、表面型静電容量方式タッチパネル、投影型静電容量方式タッチパネル、抵抗膜式タッチパネルなどが挙げられる。なお、タッチパネルとは、いわゆるタッチセンサ及びタッチパッドを含むものとする。タッチパネルにおけるタッチパネルセンサー電極部の層構成が、2枚の透明電極を貼合する貼合方式、1枚の基板の両面に透明電極を具備する方式、片面ジャンパーあるいはスルーホール方式あるいは片面積層方式のいずれでもよい。また投影型静電容量式タッチパネルは、DC駆動よりAC駆動が好ましく、電極への電圧印加時間が少ない駆動方式がより好ましい。
<反射防止フィルム>
本発明の透明フィルム又は積層フィルムは、反射防止フィルムの支持体として用いることができる。液晶表示装置(LCD)のように高精細、高品位化された画像表示装置の場合には、上記の防塵性の他に、表示面での外光の反射によるコントラスト低下や像の映り込みを防止するための透明で帯電防止性能を有する反射防止フィルムを用いることが好ましい。
<偏光板>
本発明の透明フィルム又は積層フィルムは、偏光板において用いることができる。本発明の偏光板は、偏光子と、上記偏光子の両側に設けられた保護フィルムとを有するものであって、上記保護フィルムの少なくとも一方として本発明の透明フィルムを用いることができる。透明フィルムは、光散乱層や反射防止層を有する側とは反対側の透明支持体の表面、すなわち偏光子と貼り合わせる側の表面の水に対する接触角が35〜50°の範囲にあることが好ましい。例えば、本発明の透明フィルムの片面に粘着層を設けてディスプレイの最表面に配置することができる。
<表示装置>
本発明の透明フィルム、積層フィルム又は偏光板は、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)等の各種表示装置に用いることができる。本発明の透明フィルム又は偏光板は、画像表示装置の表示画面の視認側に配置されることが好ましい。
<<液晶表示装置>>
本発明の透明フィルム、積層フィルム又は偏光板は、特に液晶表示装置等のディスプレイの最表層に用いることが好ましい。液晶表示装置は、液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光板を有し、液晶セルは、二枚の電極基板の間に液晶を担持している。さらに、光学異方性層が、液晶セルと一方の偏光板との間に一枚配置されるか、あるいは液晶セルと双方の偏光板との間に二枚配置されることもある。
液晶セルは、TNモード、VAモード、OCBモード、IPSモードまたはECBモードであることが好ましい。
TNモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、さらに60〜120゜にねじれ配向している。
TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。
VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of Tech. Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)および(4)SURVAIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。
OCBモードの液晶セルは、棒状液晶性分子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルであり、米国特許第4583825号、同5410422号の各明細書に開示されている。棒状液晶性分子が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有する。そのため、この液晶モードは、OCB(Optically Compensatory Bend)液晶モードと呼ばれる。ベンド配向モードの液晶表示装置は、応答速度が速いとの利点がある。
IPSモードの液晶セルは、ネマチック液晶に横電界をかけてスイッチングする方式であり、詳しくはProc.IDRC(Asia Display ’95),p.577−580及び同p.707−710に記載されている。
ECBモードの液晶セルは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向している。ECBモードは、最も単純な構造を有する液晶表示モードの一つであって、例えば特開平5−203946号公報に詳細が記載されている。
<<プラズマディスプレイパネル(PDP)>>
プラズマディスプレイパネル(PDP)は、一般に、ガス、ガラス基板、電極、電極リード材料、厚膜印刷材料、蛍光体により構成される。ガラス基板は、前面ガラス基板と後面ガラス基板の二枚である。二枚のガラス基板には電極と絶縁層を形成する。後面ガラス基板には、さらに蛍光体層を形成する。二枚のガラス基板を組み立てて、その間にガスを封入する。
プラズマディスプレイパネル(PDP)は、既に市販されているものを用いることできる。プラズマディスプレイパネルについては、特開平5−205643号、同9−306366号の各公報に記載がある。
前面板をプラズマディスプレイパネルの前面に配置することがある。前面板はプラズマディスプレイパネルを保護するために充分な強度を備えていることが好ましい。前面板は、プラズマディスプレイパネルと隙間を置いて使用することもできるし、プラズマディスプレイ本体に直貼りして使用することもできる。
プラズマディスプレイパネルのような画像表示装置では、光学フィルターをディスプレイ表面に直接貼り付けることができる。また、ディスプレイの前に前面板が設けられている場合は、前面板の表側(外側)または裏側(ディスプレイ側)に光学フィルターを貼り付けることもできる。
<<有機EL素子>>
本発明の透明フィルム又は積層フィルムは、有機EL素子等の基板(基材フィルム)や保護フィルムとして用いることができる。本発明のフィルムを有機EL素子等に用いる場合には、特開平11−335661号、特開平11−335368号、特開2001−192651号、特開2001−192652号、特開2001−192653号、特開2001−335776号、特開2001−247859号、特開2001−181616号、特開2001−181617号、特開2002−181816号、特開2002−181617号、特開2002−056976号等の各公報記載の内容を応用することができる。また、特開2001−148291号、特開2001−221916号、特開2001−231443号の各公報記載の内容と併せて用いることが好ましい。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[測定方法]
(1)固形粒状物の形状
固形粒状物の形状は、光学干渉計(Zygo(株)製:NewView5020)を用いて、フィルムの1.07mm×1.42mmの範囲を測定した。
NewView5020のデータ解析ソフト(MetroPro8.1.3)を用いて、固形粒状物の直径及び表面突出高さを計測し、平均値を求めて平均表面突出高さとした。
(2)固形粒状物の個数
光学顕微鏡(Nikon(株)製:Eclipse LV100DA−U)を用いて、下記測定条件で、2.5mm×2mmのサンプルフィルムから直径が5〜150μmである固形粒状物の個数をカウントし、サンプルフィルム10個の平均から固形粒状物の個数を求めた。
測定条件
・測定モード:微分干渉
・対物レンズ倍率:×5
(3)全光透過性
ヘイズメーター(日本電色工業(株)製:NDH 2000)を用いて測定した。
(4)接触角、接触角分布
接触角測定器(協和界面化学(株)製:DM701)を用いて、水の接触角を10点測定し、その平均値を求めた。
接触角分布は、塗布を行う面の接触角を任意に10点測定し、その最大値と最小値の差を10点の平均値で割り百分率で表記した。
(5)表面粗さ(Ra)
レーザー顕微鏡(キーエンス(株)製:VK−X100)を用いて、対物レンズ倍率を5倍にして測定を行った。
(6)樹脂層の厚み
樹脂層の厚みは、フィルムを裁断し、ミクロトームで断面を整形することでフィルム断面サンプルを作成し、SEM((株)日立ハイテクノロジーズ製:S4800)、TEM((株)日立ハイテクノロジーズ製:HF3000)を用いて、任意の樹脂層厚み3点の平均値で表記した。
[透明フィルムの製造]
(1)樹脂
以下の樹脂を使用した。
Topas−6013(ポリプラスチック社製、環状オレフィン系樹脂、Tg135℃)
Topas−6015(ポリプラスチック社製、環状オレフィン系樹脂、Tg154℃)
Topas−6017(ポリプラスチック社製、環状オレフィン系樹脂、Tg173℃)
Topas−6013+Topas−6015(6/4重量比)の混合物、Tg142℃
Tgはガラス転移温度を示す。
(2)製膜
(乾燥)
各実施例および各比較例で用いる上記樹脂を110℃で3時間乾燥させた。
(溶融押出し)
上記樹脂の溶融粘度を予めコーンプレート粘度計で測定し、10sec−1の剪断速度における粘度が1000Pa・secとなる温度を求め、これをMTとした。
各樹脂毎にバレル温度をMTに設定した単軸押出し機を用い混練した。これをスクリーンメッシュで粗濾過したあと、ギアポンプ、濾過器(孔径3μm)、スタチックミキサーを通してTダイに導いた。
押出し機の回転数に変動を付与し、下記表に記載した通りの吐出圧変動を付与した。
(キャスト)
Tダイから樹脂を、各樹脂のTg−10℃に温調したキャストロール上に吐出、固化しフィルムを形成した。
ダイの入口とダイのリップ部分に、下記表に記載の通りの温度差を設けた。
実施例44〜48、136〜140については、タッチロールとキャストロールの間で下記条件によりダイから吐出したメルトを挟圧した。
タッチロール温度:Tg−10℃、キャストロール:Tg−10℃、タッチ圧:0.5MPa、タッチロールサイズ直径300mm、ロール肉厚3mm。
キャストロールの後に、Tg−15℃(第2ロール)、Tg−20℃(第3ロール)、Tg−40℃(第4ロール)に設定したロールを設置し、この上にフィルムを搬送させた。
巻き取る前に左右50mmずつトリミングし、両端から1cmの箇所にナーリングを付与し、片面に20μmのラミフィルムをつけ、幅1.5m長、長さ1500m巻き取った。このようにして、各実施例および各比較例の透明フィルムを製造した。
製造した各実施例および各比較例の透明フィルムに対し、固形粒状物の平均表面突出高さ、直径、個数、および全光透過性を上記方法で測定し下記表に記載した。
[積層フィルムの製造]
(1)表面処理
上記で製造した各実施例および各比較例の透明フィルムをロール上で搬送し、この直上にコロナ放電機を設置し、コロナ放電機の出力を変えることで、下記表に記載したように接触角を付与した。
また、コロナ放電機の直下のロールに下記表に記載したように温度分布を付与し、これにより、下記表に記載の接触各分布を達成した。
(2)樹脂層の形成
下記の素材を混合し、塗布液を調液した。
<樹脂層用塗布液>
・バインダー:3.5質量部
(AS−563A、ダイセルファインケム(株)製、固形分:28質量%)
・架橋剤:1.8質量部
(カルボジライトV−02−L2、日清紡(株)製、固形分:10質量%)
・造膜助剤:0.01質量部
(ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート)
・マット剤:0.2質量部
(スノーテックスXL、日産化学(株)製、固形分:10質量%水希釈)
・滑り剤:1.5質量部
(セロゾール524、中京油脂(株)製、固形分:3質量%水希釈)
・界面活性剤A:1.5質量部
(ナロアクティーCL95、三洋化成工業(株)製、固形分:1質量%水溶液)
・界面活性剤B:2.3質量部
(ラピゾールA−90、日油(株)製、固形分:1質量%水溶液)
・純水:89.6質量部
バー塗布にて、乾燥後の厚みが下記表に記載した厚みになるようにバーの番手を選択し、各実施例および各比較例の透明フィルム上に樹脂層用塗布液を塗布した。塗布後の乾燥において、乾燥させる樹脂層と雰囲気温度とが下記表に記載の温度差となるようにして5分間乾燥し、下記表に記載の表面粗さ(Ra)を樹脂層に設けた。
樹脂層を形成した透明フィルムに対し、厚み及び表面粗さ(Ra)を上記方法で測定し、下記表に記載した。
[透明導電フィルムの製造(実施例1〜41、44〜53、比較例1〜10)]
各実施例および各比較例の透明フィルム上に、以下のようにハロゲン化銀を用いた銀線導電層(表中、AgXと記載)を形成させた。
(1)AH層および乳剤層の積層
(アンチハレーション(AH)層)
ゼラチン100gに対して、下記固体分散染料Aを84g含む塗布液を調製した。
固体分散染料A
Figure 0006113683
(ハロゲン化銀感光材料)
水媒体中のAg 150gに対してゼラチン10.0gを含む、球相当径平均0.1μmの沃臭塩化銀粒子(I=0.2モル%、Br=40モル%)を含有する(透明)導電層用の感光材料用の乳剤を調製した。また、この乳剤中にはKRhBr及びKIrClを濃度が10−7(モル/モル銀)になるように添加し、臭化銀粒子にRhイオンとIrイオンをドープした。この乳剤にNaPdClを添加し、さらに塩化金酸とチオ硫酸ナトリウムを用いて金硫黄増感を行った。
(導電層用の感光材料付きフィルム)
ゼラチン硬膜剤と共に、ハロゲン化銀感光材料中の銀の塗布量(塗布銀量)を銀で換算して7g/mとなるように、また、AH層の膜厚が1μmとなるように、作製した透明フィルム上に、樹脂層/AH層/導電層用の感光材料(ハロゲン化銀感光材料)の順になるよう同時重層塗布を行った。この際、導電層用の感光材料中のAg/ゼラチン体積比は2/1とした。幅30cmの透明フィルムに25cmの幅で20m分塗布を行ない、塗布の中央部24cmを残すように両端を3cmずつ切り落としてロール状の導電層用の感光材料付きフィルムを得た。
(2)露光
露光のパターンは、特許4820451号の図1に示すパターンに準じて形成した。小格子18の配列ピッチPsを200μmとし、中格子20a〜hの配列ピッチPmを2×Psとした。また、小格子18の導電部の厚みを2μmとした。線幅は表に記載になるようマスクを調整した。露光は上記パターンのフォトマスクを介して高圧水銀ランプを光源とした平行光を用いて露光した。
また、特許4820451の図5に準じても導電パターンを形成したが、同様の結果が得られた。
(3)現像処理
現像液1Lの処方は下記の通りである。
ハイドロキノン 20g
亜硫酸ナトリウム 50g
炭酸カリウム 40g
エチレンジアミン・四酢酸 2g
臭化カリウム 3g
ポリエチレングリコール2000 1g
水酸化カリウム 4g
pHは10.3に調整した。
定着液1Lの処方は下記の通りである。
チオ硫酸アンモニウム液(75%) 300ml
亜硫酸アンモニウム・1水塩 25g
1,3−ジアミノプロパン・四酢酸 8g
酢酸 5g
アンモニア水(27%) 1g
pHは6.2に調整した。
上記処理剤を用いて露光済み感材を、富士フイルム社製自動現像機 FG−710PTSを用いて処理条件:現像35℃、30秒、定着34℃、23秒、水洗、流水(5L/分)の20秒処理で行った。
[透明導電フィルムの製造(実施例42)]
実施例42の透明フィルム上に、上記樹脂層を形成し、以下のようにITOを用いた導電層(表中、ITOと記載)を形成させた。
透明フィルムおよびITO導電層を含むITO基板のITO導電層上に、エッチングマスク材をネガ型フォトレジスト方式で形成し、ITOを溶解するエッチング液に浸漬することで検出電極を備える導電性フィルムを形成した。以下に各工程の手順を示す。
(1)レジストパターニング(エッチングマスク材付与)工程
ITO導電層表面上に、後述する感光性組成物(1)を乾燥膜厚5μmとなるようバー塗布し、150℃のオーブンで5分間乾燥した。この基板に露光ガラスマスク上から、高圧水銀灯i線(365nm)を400mJ/cm2(照度50mW/cm2)露光を行った。
露光後の基板を、1%水酸化ナトリウム水溶液(35℃)でシャワー現像60秒間を行った。シャワー圧は0.08MPa、ストライプパターンが出現するまでの時間は30秒であった。純水のシャワーでリンスした後、50℃で1分間乾燥し、レジストパターン付導電性部材を作製した。
なお、露光ガラスマスクは、静電容量式タッチパネルセンサーの検出電極が形成可能なマスクを用いた。なお、パターニングした導電配線の線幅は表に記載した。
(2)エッチング工程
レジストパターン付導電性部材を、ITO用エッチング液に浸漬した。35℃に調整したエッチング液に2分間浸漬させてエッチング処理を行い、純水のシャワーでリンスした後、エアーナイフでサンプル表面の水を吹き飛ばし、60℃で5分間乾燥し、レジストパターン付パターン状導電性部材を作製した。
(3)レジスト剥離工程
エッチング後のレジストパターン付パターン状導電性部材を、35℃に保温した2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液でシャワー現像75秒間を行った。シャワー圧は3.0MPaであった。純水のシャワーでリンスした後、エアーナイフでサンプル表面の水を吹き飛ばし、60℃で5分間乾燥し、導電性フィルムを作製した。
(4)感光性組成物(1)の調製
共重合体を構成するモノマー成分として、MAA(メタクリル酸;7.79g)、BzMA(ベンジルメタクリレート;37.21g)を使用し、ラジカル重合開始剤としてAIBN(2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル);0.5g)を使用し、これらを溶剤PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート;55.00g)中において重合反応させることにより下記式で表されるバインダー(A−1)のPGMEA溶液(固形分濃度:45質量%)を得た。なお、重合温度は、温度60℃乃至100℃に調整した。
分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィ法(GPC)を用いて測定した結果、ポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)は30,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.21であった。
Figure 0006113683
バインダー(A−1)3.80質量部(固形分40.0質量%、PGMEA溶液)、感光性化合物としてのKAYARAD DPHA(日本化薬株式会社製)1.59質量部、光重合開始剤としてのIRGACURE379(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)0.159質量部、架橋剤としてのEHPE−3150(ダイセル化学株式会社製)0.150質量部、メガファックF781F(DIC株式会社製)0.002質量部、およびPGMEA19.3質量部を加え、攪拌し、感光性組成物(1)を調製した。
(5)周辺配線形成
上記パターニングにより形成された、導電性フィルム中の検出電極に接続された引き出し配線(周辺配線)は、以下の様に作製した。すなわち、銀ペースト(ドータイトFA−401CA、藤倉化成製)をスクリーン印刷機で印刷した後、130℃、30分アニール処理することにより硬化し、周辺配線を形成した。
なお、スクリーン印刷版は静電容量式タッチパネル用周辺配線が形成可能な印刷版を用いた。
[透明導電フィルムの製造(実施例43)]
実施例43の透明フィルム上に、上記樹脂層を形成し、以下のように導電層(表中、Agファイバーと記載)を形成させた。
WO2013/141275号の実施例中の透明導電積層体1に従って調製した。但し導電膜の配線の幅は下記表に記載の値になるように調整した。
[評価]
上記で作製した透明導電フィルムの密着性、導電層の電気抵抗の上昇(抵抗率)、および配線視認性を下記のように評価した。評価の結果を下記表に記載する。
<密着性>
パターニング、現像を行った透明導電フィルムを、3ヶ月常温で保存した後(フィジカルエージングを進行させ(より脆くし、厳しい条件で密着を評価)、23℃、相対湿度50%の条件で1時間保持した後、この乳剤層の上に、ポリイミドテープ(No.541、住友3M社製)を貼り、手で剥離角度180度の剥離を行った。
Nikon(株)製光学顕微鏡Eclipse LV100DA−Uを使用し、下記測定条件で、導電率を測定した10点で観察し、1視野(5mm)に含まれる剥離箇所を求めた。
測定条件
・測定モード:微分干渉
・対物レンズ倍率:×5
<導電層の電気抵抗の上昇>
導電層の初期電気抵抗を下記の方法で測定し(Ω1)、上記剥離試験実施後、電気抵抗を測定し(Ω2)、抵抗増加率を下記式から求めた。
抵抗増加率(%)=100×(Ω2−Ω1)/Ω1
電気抵抗は、三菱アナリティック社製ロレスター(直列4探針プローブを使用)を用い、導電層の任意の10点を測定し、その平均値を求めた。
<導電配線の視認性>
後述するタッチパネルを作製した後、導電層の配線を目視観察し、0〜2の3段階評価を行った。
0:全く視認されない
1:僅かに視認
2:明瞭に視認される
(タッチパネルの作製)
上述した透明導電性フィルムを用いて特開2009−176608の段落[0073]〜[0075]の記載に従い、タッチパネルを作製した。
<ハードコートフィルムの作製(実施例101〜145、比較例101〜110)>
実施例の透明フィルム上に、特開2012−128157号公報の段落0076〜0077の記載に従い、ハードコート層用塗布液を調製、塗布により、厚みが1.5μmのアクリレート系ハードコート層を作製した。
具体的には、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートから主になるアクリルポリマーに、(ポリ)アルキレングリコール成分として、上記アクリルポリマーの質量に対して2.9質量%の繰り返しエチレングリコール単位が共重合された放射線硬化型樹脂(商品名:ビームセット1460、荒川化学工業製、固形分濃度90質量%、溶媒:メチルエチルケトン(MEK)/キシレン、光重合開始剤を含有する。)を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)で希釈し、固形分濃度40質量%のハードコート層を形成するための塗液を得た。ロールコーターを用いて、透明フィルムの一方の表面に、乾燥・硬化後の膜厚みが1.5μmとなるように、上記の塗液を均一に塗布し、70℃で2分間の条件で乾燥した。次いで、紫外線照射装置を用いて、光量200mJ/cmの条件で紫外線を照射しハードコートフィルムを得た。
<評価>
作製したハードコートフィルムの密着性を下記のように評価した。
1mm間隔で縦横10マスのカットを行い、ポリイミドテープ(No.541、住友3M社製)を貼り、手で、剥離角度180度の剥離を行った。100マス中、剥離したマスの数を剥離箇所としてカウントした。
Figure 0006113683
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上記表1〜4から、本発明の透明フィルムを用いた透明導電フィルムは、密着力に優れることから、導電層の剥離による電気抵抗の上昇を抑制し、かつ導電層の視認性を低下可能であることが分かる。一方、比較例の透明導電フィルムは、密着性が悪く、導電層の剥離による電気抵抗の上昇、および導電層の視認性のいずれかが実施例よりも劣っていることが分かる。固形粒状物は少ないほど良いといわれていたが、本発明のように所定の大きさの固形粒状物を所定数有することで、電気抵抗を上昇させることなく、密着力にも優れ、かつ導電層の視認性を低下可能であることがわかった。また、ガラス転移温度が140℃未満の環状オレフィン系樹脂を用いた比較例1と、実施例1〜53を比較すると、実施例1〜53は密着性が相乗的に向上していることが分かる。
また、上記表5〜6から、本発明の透明フィルムを用いたハードコートフィルムは、密着力に優れることが分かる。一方、比較例のハードコートフィルムは、密着性が実施例よりも劣っていることが分かる。固形粒状物は少ないほど良いといわれていたが、本発明のように所定の固形粒状物を所定数有することで、密着力が向上することがわかった。また、ガラス転移温度が140℃未満の環状オレフィン系樹脂を用いた比較例101と、実施例101〜145を比較すると、実施例101〜145は密着性が相乗的に向上していることが分かる。
(液晶表示装置の作製)
本発明の透明フィルムを用いた偏光板を、特開平10−48420号公報の実施例1に記載の液晶表示装置、特開平9−26572号公報の実施例1に記載のディスコティック液晶分子を含む光学的異方性層、ポリビニルアルコールを塗布した配向膜、特開2000−154261号公報の図2〜9に記載の20インチVA型液晶表示装置、特開2000−154261号公報の図10〜15に記載の20インチOCB型液晶表示装置に用いたところ良好な特性が得られた。
1 透明フィルム
2 樹脂層
10 固形粒状物
101 凸部
102 固形粒状物が破壊している様子

Claims (16)

  1. 環状オレフィン系樹脂を含む透明フィルムであって、前記透明フィルムの少なくとも一方の表面に、直径が5〜150μmである固形粒状物を前記透明フィルム5mm2中に平均1〜100個有し、前記固形粒状物の平均表面突出高さが0.1〜0.48μmであり、前記環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度が140℃以上である、透明フィルム。
  2. 前記環状オレフィン系樹脂を含む透明フィルムの少なくとも一方の表面の接触角が35〜70°であり、前記接触角の面内分布が0.5〜25%である、請求項1に記載の透明フィルム。
  3. 請求項1又は2に記載の透明フィルムの少なくとも一方の表面上に樹脂層を有する積層フィルムであって、前記樹脂層の厚みが10〜400nmであり、前記樹脂層の透明フィルムとは反対側の面の表面粗さ(Ra)が0.5〜30nmである、積層フィルム。
  4. 請求項1又は2に記載の透明フィルムの表面上に導電層を有する、透明導電フィルム。
  5. 請求項3に記載の積層フィルムと導電層とを有し、前記導電層は前記樹脂層の表面上に設けられている、透明導電フィルム。
  6. 前記導電層が、幅0.1〜50μmの細線で形成されている、請求項4又は5に記載の透明導電フィルム。
  7. 前記細線がAgを含む、請求項6に記載の透明導電フィルム。
  8. 前記Agを含む細線がハロゲン化銀を現像することで形成されている、請求項7に記載の透明導電フィルム。
  9. 請求項1又は2に記載の透明フィルムの表面上にハードコート層を有するハードコートフィルム。
  10. 請求項3に記載の積層フィルムとハードコート層とを有し、前記ハードコート層は、前記樹脂層の表面上に設けられている、ハードコートフィルム。
  11. ガラス転移温度が140℃以上である環状オレフィン系樹脂を乾燥し、スクリューとバレルを有する押出機にて前記樹脂を溶解し、ギアポンプでダイ入口に樹脂を導き、ダイにより前記樹脂をフィルムに成形し、ダイリップからロールに前記フィルムを供給し、ロールで冷却して前記フィルムを巻き取る工程を含む、環状オレフィン系樹脂を含む透明フィルムの製造方法であって、
    ギアポンプの吐出圧変動を0.1〜10%とし;かつ
    ダイの入口とダイのリップ部分に1〜20℃の温度差を設ける、および/またはメルトフィルムをチルロールとタッチロールで挟圧を行う:
    ことを特徴とする方法。
  12. さらに、前記環状オレフィン系樹脂を含む透明フィルムの少なくとも一方の表面上に樹脂層を塗布により形成する工程を含み、前記樹脂層と雰囲気温度に1〜100℃の温度差を設けて乾燥させる、請求項11に記載の方法。
  13. 中空ロール上に透明フィルムを通し、前記中空ロールの内部に熱媒を循環させ、さらに、前記中空ロールの内部に邪魔板を付け熱媒の流れを乱すことで面内に0.5℃〜10℃の温度分布を設け、表面処理を行う、請求項11又は12に記載の方法。
  14. 請求項1若しくは2に記載の透明フィルム、請求項3に記載の積層フィルム、又は請求項4〜8のいずれか1項に記載の透明導電フィルムを有するタッチパネル。
  15. 請求項1若しくは2に記載の透明フィルム、又は請求項3に記載の積層フィルムを有する偏光板。
  16. 請求項1若しくは2に記載の透明フィルム、請求項3に記載の積層フィルム、又は請求項15に記載の偏光板を有する表示装置。
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