JP2014010378A - 偏光板 - Google Patents

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知大 岡田
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Abstract

【課題】偏光フィルムの一方の面に保護フィルムとしてポリプロピレン系樹脂フィルムが貼合され、他方の面に透明樹脂フィルムが貼合された偏光板を製造する際、偏光フィルムに貼合するためにロール状に巻かれているポリプロピレン系樹脂フィルムにおけるフィルム間の接触面積を小さくすることでフィルムの変形を少なくし、これを偏光フィルムに貼ることによって外観の良好な偏光板を提供する。
【解決手段】エチレンユニットの含有量が1重量%以下であるポリプロピレン系樹脂からなり、外部ヘーズが10〜30%の範囲にある保護フィルム11、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルム12、及び全ヘーズが1%以下である透明樹脂フィルム13がこの順に積層されてなる偏光板10が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光板に関するものであり、特に、ポリプロピレン系樹脂フィルムを保護フィルムとして用いた偏光板に関するものである。この偏光板は、液晶表示パネルの構成部品として、好適に用いることができる。
液晶表示パネルを表示素子とする液晶表示装置は、液晶テレビ、液晶モニタ、パーソナルコンピュータなど、薄型の表示装置として用途が急拡大している。特に液晶テレビの市場拡大は著しく、それに伴って低コスト化の要求も強い。これらの液晶表示装置は、液晶セルと偏光板を構成部材とする液晶表示パネルに、バックライトをはじめとする各種部材を組み込んで構成されている。
偏光板は通常、二色性色素が吸着配向しているポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムの片面又は両面に接着剤層を介して、透明保護フィルム、例えば、トリアセチルセルロースに代表される酢酸セルロース系樹脂からなる保護フィルムを貼合した構成となっている。この偏光板を、必要により他の光学フィルムを介して液晶セルに粘着剤で貼り合わせ、液晶表示装置の構成部品とされる。
しかし、酢酸セルロース系樹脂のような親水性の樹脂からなる保護フィルムを偏光板の両面に使用すると、高温高湿の条件下では、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムの水分量に影響を与え、偏光板としての性能が多少なりとも変化してしまうことがある。そのため、親水性樹脂からなる保護フィルムの代わりに、ポリプロピレン系樹脂のような疎水性の樹脂からなる保護フィルムを使用し、環境による影響を極力抑制できる構成の偏光板が検討されるようになった。例えば、特開 2007-334295号公報(特許文献1)には、偏光フィルムの少なくとも一方の表面にポリプロピレン系樹脂からなる保護フィルムを貼合して偏光板とすることが開示されており、また特開 2009-258588号公報(特許文献2)には、偏光板の保護フィルムとなるポリプロピレン系樹脂フィルムを、20℃におけるキシレン可溶分が1重量%以下のもので構成し、高温環境下に曝された場合でも光学特性、特に透過率の劣化が生じず、高温環境下での耐久性に優れる偏光板とすることが開示されている。
ポリプロピレン系樹脂フィルムを偏光板の保護フィルムとする場合、薄膜化を図ることができるものの、その剛性の低さが指摘されている。このような剛性の低い樹脂フィルムに伸びや破断を生じさせることなく、それを偏光板に適用する検討も行われている。例えば、特開 2011-197642号公報(特許文献3)には、ポリプロピレン系樹脂フィルムのような剛性の低い樹脂フィルムを液晶セル側の保護フィルムとすることを前提として、その表面に粘着剤層とセパレートフィルムとがこの順で形成された粘着剤層付き樹脂フィルムを予め作製し、その樹脂フィルム表面に表面活性化処理を施してから、接着剤層を介して偏光フィルムを貼合し、偏光板を製造する方法が開示されている。
一方、液晶表示装置の中でも車載用途などにおいては、使用環境が高温になることがあり、またテレビやモニタなどにおいても、バックライトからの熱により、構成部材である偏光板が高温状態となることがある。そのような過酷な状態でも安定的な性能を発揮するには、特許文献1〜3に示されるポリプロピレン系樹脂からなる保護フィルムを使用した偏光板をさらに高性能とすることが望まれている。
ポリプロピレン系樹脂フィルムを偏光フィルムの一方の面に配置した偏光板は、使用環境による偏光フィルムへの影響が少ないものである。しかし、ポリプロピレン系樹脂フィルムは、摩擦係数が大きく滑りにくい素材であることから、フィルム表面の凹凸が小さいと、ロール状に巻いたときにフィルム間の接触面積が大きくなるため、シワが入りやすかった。また、フィルム間の空気が抜け切れず、凹みが生じることもあった。このようなシワや凹みが生じたポリプロピレン系樹脂フィルムを偏光板に適用した場合、得られる偏光板においても、ポリプロピレン系樹脂フィルムに生じたシワや凹み等の変形がそのまま見えるという課題を有していた。
特開2007−334295号公報 特開2009−258588号公報 特開2011−197642号公報
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、偏光フィルムの一方の面に保護フィルムとしてポリプロピレン系樹脂フィルムが貼合され、他方の面に透明樹脂フィルムが貼合された偏光板を製造する際、偏光フィルムに貼合するためにロール状に巻かれているポリプロピレン系樹脂フィルムにおけるフィルム間の接触面積を小さくすることでフィルムの変形を少なくし、これを偏光フィルムに貼ることによって、良好な外観の偏光板を提供することにある。
本発明者らは、かかる課題のもとで研究を行った結果、ポリプロピレン系樹脂フィルムのエチレンユニットの含有量及び外部ヘーズを調整することで、これを備えた偏光板の外観が良好となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明によれば、エチレンユニットの含有量が1重量%以下のポリプロピレン系樹脂からなり、外部ヘーズが10〜30%の範囲にある保護フィルム、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルム、及び全ヘーズが1%以下である透明樹脂フィルムがこの順に積層されている偏光板が提供される。
本発明の偏光板は、シワ等の線欠陥や凹み等の点欠陥が少ないポリプロピレン系樹脂フィルムを偏光フィルムの片面に貼合する保護フィルムとして用いることで、外観を良好なものとすることができる。
偏光板の層構成を模式的に示す断面図である。 偏光板を備える液晶表示パネル及び液晶表示装置の層構成例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す部材や配置などによって限定されず、これらの部材や配置などは本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
図1を参照して、偏光板10は、保護フィルム11、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルム12及び全ヘーズが1%以下である透明樹脂フィルム13をこの順に積層して構成される。以下、偏光板10を構成する各部材について説明する。
[保護フィルム]
保護フィルム11は、上述のとおりエチレンユニットの含有量が1重量%以下のポリプロピレン系樹脂で構成し、外部ヘーズが10〜30%の範囲にあるものとする。また、その算術平均表面粗さRaは、110nm以上であることが好ましい。
原料のポリプロピレン系樹脂は、フィルムの剛性の観点から、エチレンユニットの含有量が1重量%以下のものとし、実質的にプロピレンの単独重合体であるものが好ましい。エチレンユニットの含有量が1重量%を上回ると、樹脂のガラス転移温度(Tg)が低くなるため、得られるフィルムの剛性が低下しやすくなる傾向にある。エチレンユニットの含有量は、例えば、「高分子分析ハンドブック」(1995年、紀伊国屋書店発行)の第616頁に記載されている方法により赤外線(IR)スペクトル測定を行い、求めることができる。
ポリプロピレン系樹脂の立体規則性は、アイソタクチック、シンジオタクチック、又はアタクチックのいずれであってもよいが、耐熱性や剛性、透明性の観点からは、アイソタクチックであるものが好ましい。このポリプロピレン系樹脂は、 JIS K 7210:1999「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」に準拠して、温度230℃、荷重 21.18Nで測定されるメルトマスフローレイト(MFR)が、 0.1〜200g/10分の範囲内にあることが好ましい。MFRがこの範囲内にあるポリプロピレン系樹脂を用いれば、押出機に大きな負荷をかけることなく、均一なフィルムを得ることができる。
このポリプロピレン系樹脂は、公知の重合用触媒を用いて、プロピレンを単独重合する方法や、プロピレンとエチレンとを共重合する方法によって製造することができる。公知の重合用触媒として、例えば、マグネシウム、チタン及びハロゲンを必須成分とする固体触媒成分からなるTi−Mg系触媒、マグネシウム、チタン及びハロゲンを必須成分とする固体触媒成分に、有機アルミニウム化合物と、必要に応じて電子供与性化合物等の第三成分とを組み合わせた触媒系を用いることができる。
ポリプロピレン系樹脂には、公知の添加物が配合されていてもよい。配合されうる添加物の例を挙げると、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、造核剤、防曇剤、アンチブロッキング剤などがある。造核剤としては、例えば、ポリビニルシクロアルカンのような高分子系造核剤、ソルビトール系造核剤、有機リン酸塩系造核剤、カルボン酸塩系造核剤などが挙げられる。アンチブロッキング剤としては、無機系、有機系を問わず、球状あるいはそれに近い形状の微粒子を使用することができる。これらの添加物は、複数種が併用されてもよい。
(保護フィルムの製造方法)
保護フィルム11は、ポリプロピレン系樹脂の溶融押出により製造することができる。溶融押出法は、生産性に優れ、コスト面で優れた方法である。この溶融押出法は、パウダー形状又はペレット形状のポリプロピレン系樹脂原料を、180〜300℃程度に加熱された押出機に供給し、押出機のスクリューにより溶融混練し、Tダイのスリットからシート状に溶融押出した後、種々の手段によって冷却ロールに接触させ、冷却することでフィルムを製造する方法である。さらにポリプロピレン系樹脂中にある異物を取り除くため、リーフディスクフィルターを取り付けることが好ましい。
Tダイから押出された溶融シート状のポリプロピレン系樹脂は、引き続き金属製の冷却ロールに接触し、冷却ロールに密着することで冷却される。このとき、溶融シート状のポリプロピレン系樹脂を冷却ロールに密着させるには、エアチャンバーから吹き出されるエアによって冷却ロールに押し付ける方法などの公知の方法を採用することができる。冷却ロールの表面温度は、例えば、15〜120℃の範囲で調整される。また、得られたフィルムを引き取る速度は、10〜100m/分の範囲で調整される。
(保護フィルムの物性)
本発明では、先に述べたとおり、偏光フィルム12の一方の面に貼合される保護フィルム11を、エチレンユニットの含有量が1重量%以下のポリプロピレン系樹脂からなり、外部ヘーズが10〜30%の範囲にあるもので構成する。また、フィルムの算術平均表面粗さRaは、110nm以上であることが好ましい。
まず、保護フィルム11のヘーズについて説明する。ヘーズとは、 JIS K 7136:2000 「プラスチック−透明材料のヘーズの求め方」に規定されるとおり、フィルムに可視光を入射したときの全光線透過率に対する拡散光線透過率の割合であり、ヘーズが小さいほどそのフィルムは透明性に優れることを意味する。ヘーズには、フィルムの表面形状による光拡散に起因する外部ヘーズと、フィルム内部に存在する光拡散要因(光拡散剤や結晶粒界など)による光拡散に起因する内部ヘーズとがあり、両者の和として測定される1枚のフィルムに対する値は全ヘーズとも呼ばれる。外部ヘーズは、全ヘーズから内部ヘーズを差し引いた値となる。
ヘーズは、市販のヘーズメータを用いて測定することができる。後述する実施例では、(株)村上色彩技術研究所製から販売されている“HM-150”という商品名のヘーズメータを用いた。上述のとおり、1枚のフィルム自体について測定される値が全ヘーズとなる。一方で、例えば、そのフィルムとほぼ等しい屈折率を有する液体の中にフィルムを入れてその片面から可視光を入射してやれば、表面形状による光拡散が無視できる状態となるので、その状態で測定される値が内部ヘーズとなる。後述の実施例では、ポリプロピレン系樹脂と屈折率の近い液体であるフタル酸ジメチル中にフィルムを浸漬し、ヘーズメータにより内部ヘーズを求めた。
保護フィルム11の外部ヘーズが30%を超えると、フィルムを透過する光が散乱するので、液晶セルに貼着して液晶表示パネル又は液晶表示装置としたときに表示特性が低下してしまう可能性がある。外部ヘーズが10%未満であると、表面凹凸が小さいため、ロール状にしたときにフィルム間の密着部分が多くなり、シワ等の線欠陥や凹み等の点欠陥が生じてフィルムの外観を損ねてしまう可能性がある。また、全ヘーズは50%以下であることが好ましい。全ヘーズが50%を越えると、テレビに適用したときに正面輝度が落ち、表示性能を損ねてしまう可能性がある。
次に、保護フィルム11の表面粗さについて説明する。 JIS B 0601:2001「製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語、定義及び表面性状パラメータ」に規定されるとおり、表面粗さにはいくつかのパラメータがあるが、本明細書では、「輪郭曲線の算術平均高さRa」を採用し、これを「算術平均表面粗さRa」と呼ぶ。算術平均表面粗さRaは、フィルム表面の凹凸状態を表すパラメータの一つであり、その値が大きいほど表面の凹凸が大きいことを意味する。具体的には、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さ(l)だけを抜き取り、この抜き取り部分の平均線の方向にX軸を、縦倍率の方向にY軸を取り、粗さ曲線をy=f(x)で表したときに、下式(1)によって求められる値である。換言すれば、平均線から測定曲線までの偏差の絶対値を合計し、それを平均した値が、算術平均表面粗さRaとなる。算術平均表面粗さRaは通常、マイクロメートル(μm )単位又はナノメートル(nm)単位で表される。
Figure 2014010378
算術平均表面粗さRaは、市販の表面粗さ計又は表面形状測定器を用いて測定することができる。後述の実施例では、Sensofar社から販売されている“PLμ2300”という商品名のイメージングプロファイラー(形状測定器)を用いて算術平均表面粗さRaを求めた。
保護フィルム11は、算術平均表面粗さRaの値が大きいほど、表面の凹凸が大きくなり、ロール状に巻いたときにフィルム間の接触面積が減るため、スジ等の線状欠陥や凹み等の点欠陥の発生を減らすことができる。一方、その算術平均表面粗さRaが110nm未満であると、ロール状に巻いたときにフィルム間の密着部分が多くなり、シワ等の線欠陥や空気を噛みこむことによる点欠陥が生じて、フィルムの外観を損ねてしまう可能性がある。
保護フィルム11の外部ヘーズを10〜30%の範囲とし、表面凹凸を大きくするためには、例えば、造核剤又はアンチブロッキング剤が配合されたポリプロピレン系樹脂からフィルムを製膜し、これらの種類又は配合量を適宜調整する方法、フィルム製膜時の冷却条件や引き取り速度を調整する方法などを採用することができる。
上記の造核剤としては、カルボン酸金属塩系造核剤を用いるのが好ましく、その具体例として、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸カルシウムを挙げることができる。造核剤の添加量は、好ましくは3,000ppm 以下、さらに好ましくは500ppm以下である。その添加量が3,000ppmを超えると、結晶化速度が大きくなるため、溶融フィルムの幅方向の結晶化が不均一になりやすい。また、アンチブロッキング剤としては、品質の安定している無機系で球状のシリカが好ましい。シリカは、ポリプロピレン系樹脂との屈折率差が小さいため、それが配合されたフィルムの透過率の低下を抑えることができる。アンチブロッキング剤の添加量は、3,000ppm 以下であることが好ましく、 2,000ppm以下であることがさらに好ましい。その添加量が 3,000ppm を超えると、フィルムのヘーズが大きくなりすぎて、テレビに適用したときに正面輝度が落ち、表示性能を損ねる可能性がある。先述したエチレンユニット含有量の制御に加え、ここで述べた造核剤又はアンチブロッキング剤を適当量配合とすることで、表面凹凸の大きいフィルムを作製することができる。
ポリプロピレン系樹脂フィルム製膜時の条件を調整することも、表面凹凸の大きいフィルムを作製するうえで有効である。この場合、冷却ロールの表面温度を、例えば、40〜80℃の範囲にするのが好ましく、45〜60℃の範囲にするのがさらに好ましい。またフィルムの引き取り速度は、15〜70m/分に調整するのが好ましく、20〜60m/分に調整するのがさらに好ましい。上記の冷却ロールの温度又は引き取り速度にすることで、表面凹凸の大きいフィルムを作製することができる。
冷却ロールの表面温度が低いと、Tダイから押出された溶融シート状の樹脂が急冷されることになるので、得られるフィルムは表面凹凸の小さいものとなる。一方、冷却ロールの表面温度が高いと、Tダイから押出された溶融シート状の樹脂が徐冷されることになるので、得られるフィルムは表面凹凸の大きいものとなるが、その温度が高すぎて冷却速度が小さくなりすぎると、得られるフィルムのヘーズが大きくなりすぎる。また、フィルムの引き取り速度を大きくすることは、結果的に冷却速度を大きくすることと等しくなるので、この場合に得られるフィルムは表面凹凸の小さいものとなる。一方、フィルムの引き取り速度を小さくすることは、結果的に冷却速度を小さくすることと等しくなるので、この場合に得られるフィルムは表面凹凸の大きいものとなるが、引き取り速度(冷却速度)が小さすぎると、やはり得られるフィルムのヘーズが大きくなりすぎる。そこで、適度な徐冷条件となるように、冷却ロールの温度及び/又はフィルムの引き取り速度を選択してやるのが好ましい。
以上説明した保護フィルム11は、透明で実質的に面内位相差のないものが好ましい。また、その厚みは、5〜200μm であることが好ましく、より好ましくは10〜100μm である。
[偏光フィルム]
偏光フィルム12は、自然光を直線偏光に変換する機能を有するフィルムである。偏光フィルム12は、ポリビニルアルコール系樹脂からなり、そこに二色性色素を吸着配向させたもので構成される。ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより得られる。ポリ酢酸ビニル系樹脂は、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体であることができる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体として、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類などが挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85〜100モル%程度であり、好ましくは98モル%以上である。ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタールなども使用できる。ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常1,000〜10,000程度であり、好ましくは1,500〜5,000程度である。
このようなポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、偏光フィルム12の原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は、特に限定されるものでなく、公知の方法で製膜することができる。ポリビニルアルコール系原反フィルムの厚さは、例えば3〜150μm 程度であることができる。
偏光フィルム12は通常、このようなポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する延伸工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより二色性色素を吸着させる染色工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理するホウ酸処理工程、及びホウ酸処理後に水で洗浄する水洗工程を経て製造される。二色性色素としては、ヨウ素や二色性有機染料が用いられる。こうして得られる偏光フィルムは、その厚さを例えば2〜40μm 程度とすることができる。
[透明樹脂フィルム]
図1を参照して、偏光フィルム12の一方の面に、先述した保護フィルム11が貼合され、偏光フィルム12のもう一方の面には、透明樹脂フィルム13が貼合されて、偏光板10となる。
透明樹脂フィルム13には、全ヘーズが1%以下であるものを採用する。全ヘーズが1%を超えると、偏光解消を起こすため、偏光板としたときの透過率が低下する可能性がある。全ヘーズは、前述したポリプロピレン系樹脂からなる保護フィルム11と同様に測定することができる。
偏光板を液晶セルに貼合して液晶表示パネルないし液晶表示装置とする場合、偏光フィルムと液晶セルの間には、光学補償のための位相差フィルムを配置することが多い。透明樹脂フィルム13は、保護フィルムの機能とともに、このような位相差フィルムの機能を兼ね備えることが好ましい。この場合の位相差フィルムは、液晶セルに採用されているモードを考慮して、適当な位相差が付与されたものが選択される。
例えば、垂直配向(Vertical Alignment:VA)モードの液晶セルに対しては、二軸延伸された位相差フィルムが、透明樹脂フィルム13として好適に用いられる。その面内の位相差Reは、30〜300nmの範囲、とりわけ50〜260nmの範囲にあることが好ましく、またNz係数は、1.1〜7の範囲、とりわけ1.4〜5の範囲にあることが好ましい。透明樹脂フィルム13の遅相軸は、偏光フィルム12の吸収軸とのなす角度をその用途に応じて適宜選択すればよいが、典型的には0°又は90°とされる。
ここで、面内の位相差Reは、フィルムの面内遅相軸方向の屈折率をnx 、面内進相軸方向(遅相軸と面内で直交する方向)の屈折率をny 、また厚みをdとして、下式(2)で定義される。位相差にはこのほか、厚み方向の位相差Rthがあり、これは、さらにフィルムの厚み方向の屈折率をnz として、下式(3)で定義される。Nz係数は、フィルムの二軸性の指標となるパラメータであり、上記のnx、ny及びnz をもとに、下式(4)で定義される。
Re=(nx−ny)×d ・・・(2)
Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×d ・・・(3)
Nz=(nx−nz)/(nx−ny) ・・・(4)
透明樹脂フィルム13として二軸延伸された位相差フィルムを用いるとき、その面内の位相差Reは、30〜300nmの範囲、とりわけ、50〜260nmの範囲にあることが好ましい。またNz係数は、1.1 〜7の範囲、とりわけ1.4 〜5の範囲にあることが好ましい。透明樹脂フィルム13の遅相軸は、偏光フィルム12の吸収軸とのなす角度をその用途に応じて適宜選択すればよい。実質的には0°又は90°とされる。
透明樹脂フィルム13となりうる樹脂の例を挙げると、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂、環状オレフィン系樹脂やポリプロピレン系樹脂を包含するポリオレフィン系樹脂、トリアセチルセルロースを包含する酢酸セルロース系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂などがある。これらの透明樹脂からなるフィルムは、延伸されていないものであることもできるし、一軸又は二軸に延伸されたものであることもできる。透明樹脂フィルム13の膜厚は、通常、10〜200μm 程度であり、好ましくは20〜120μmである。
[偏光板]
図1を参照して、偏光フィルム12の一方の面にポリプロピレン系樹脂からなる保護フィルム11を、他方の面に透明樹脂フィルム13を貼り合わせて偏光板10とする。偏光フィルム12への保護フィルム11と透明樹脂フィルム13の貼合には通常、接着剤が用いられる。偏光フィルム12と保護フィルム11とを貼合するための接着剤、及び偏光フィルム12と透明樹脂フィルム13とを貼合するための接着剤は、同種であっても異種であってもよいが、適度な接着力が得られるなら同種のものとするほうが、生産性の観点からは有利である。
接着剤としては、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、シアノアクリレート系樹脂、アクリルアミド系樹脂などを接着剤成分とするものを用いることができる。好ましく用いられる接着剤の一つは、無溶剤型の接着剤である。無溶剤型の接着剤は、有意量の溶剤を含まず、加熱や活性エネルギー線(例えば、紫外線、可視光、電子線、X線など)の照射により反応硬化する硬化性成分(モノマー又はオリゴマー)を含み、その硬化性成分の硬化により接着剤層を形成するものであり、典型的には、加熱や活性エネルギー線の照射により硬化する硬化性成分と、重合開始剤とを含む。
とりわけ、エポキシ化合物を硬化性成分とする無溶剤型のエポキシ系接着剤は、保護フィルム11と偏光フィルム12との間の接着性はもとより、透明樹脂フィルム13の種類によらず、それと偏光フィルム12との間の接着性にも優れるので好ましく用いられる。
無溶剤型のエポキシ系接着剤において、硬化性成分となるエポキシ化合物は、一般にカチオン重合によって硬化する。特に、耐候性や屈折率などの観点から、分子内に芳香環を有しないエポキシ化合物が好ましく用いられる。
未硬化のエポキシ系接着剤を介して、偏光フィルム12に保護フィルム11及び透明樹脂フィルム13を貼合した後、加熱又は活性エネルギー線の照射により接着剤を硬化させて、偏光フィルム12上に保護フィルム11及び透明樹脂フィルム13を固着させる。活性エネルギー線の照射により硬化させる場合、好ましくは紫外線が用いられる。具体的な紫外線光源の例を挙げると、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、ブラックライトランプ、メタルハライドランプなどがある。
活性エネルギー線、例えば紫外線の照射強度や照射量は、カチオン重合開始剤を十分に活性化させ、かつ硬化後の接着剤層や偏光フィルム12などのフィルムに悪影響を与えないように適宜選択される。また、加熱により硬化させる場合は、一般的に知られた方法で加熱すればよく、そのときの温度や時間も、カチオン重合開始剤を十分に活性化させ、かつ硬化後の接着剤層や偏光フィルム12などのフィルムに悪影響を与えないように適宜選択される。
エポキシ系接着剤を用いた場合、活性エネルギー線の照射又は加熱による硬化後の接着剤層は、一般にその厚さを20μm 以下とすることができ、好ましくは10μm 以下、さらに好ましくは5μm 以下とすることができる。
いずれの接着剤を用いる場合も、偏光フィルム12及び/又はそれに貼合される保護フィルム11と透明樹脂フィルム13の接着表面には、接着性を向上させるため、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、フレーム(火炎)処理、ケン化処理等の表面処理を適宜施してもよい。
[粘着剤層及びセパレートフィルム]
かくして得られる偏光板10は通例、その一方の面、具体的には液晶表示パネルとするとき液晶セルに貼合される面に、粘着剤層が設けられる。粘着剤層は、アクリル樹脂を粘着剤成分とし、これに架橋剤が配合され、好ましくはさらにシランカップリング剤が配合された、いわゆるアクリル系粘着剤から形成するのが一般的である。粘着剤層の表面にはセパレートフィルムが設けられる。セパレートフィルムは、離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートなどの透明樹脂フィルムで構成するのが一般的であり、液晶セルに貼着する直前に剥離除去される。
[液晶表示パネル及び液晶表示装置]
図1に示す層構成を有する本発明の偏光板10は、液晶表示パネルの構成部材として使用することができる。図2は、液晶セル20に本発明の偏光板10を適用した液晶表示パネル30、並びにそれを備える液晶表示装置40の基本的な層構成の例を示す断面模式図である。図2に示すように、偏光板10は、粘着剤層15を介して液晶セルに貼着されて液晶表示パネル30となる。液晶表示パネル30は、液晶セル20、その背面側に貼着剤層15を介して貼着された背面側偏光板10、及び液晶セル20の視認側に粘着剤層16を介して貼着された前面側偏光板17により構成されている。図示の例では、背面側偏光板10が、図1に示した本発明の偏光板10となる。
前面側偏光板17も偏光フィルムの両面に透明樹脂からなる保護フィルムが設けられるのが一般的であり、粘着剤層16を介して液晶セル20に貼着される。前面側偏光板17の液晶セル20から遠い側となる透明保護フィルムの表面には、ハードコート層、反射防止層、防眩層などの表面処理層を設けることが多い。
液晶表示装置40は、液晶表示パネル30とバックライト35とで構成されている。図2からわかるように、液晶表示パネル30又は液晶表示装置40において、背面側とは、液晶表示パネル30を液晶表示装置40に搭載したときのバックライト35側を意味し、視認側とは、液晶表示パネル30を液晶表示装置40に搭載したときのバックライト35とは反対側を意味し、こちら側で表示を見ることになる。
バックライト35は、液晶表示パネル30に表示用の光を供給するための装置であり、エッジライト型や直下型を含む、この分野において公知のもので構成することができる。エッジライト型のバックライトは、導光板とその側面に配置された冷陰極管やLEDなどからなる光源とで構成され、光源から発せられる光が導光板を通じて液晶表示パネル30に供給されるようになっている。導光板は、アクリル樹脂やポリスチレンなど、透明な樹脂で構成される。一方、直下型のバックライトは、液晶表示パネル30の真下に、冷陰極管などが複数本配置された光源と、その上(液晶セル側)に配置され、光源からの光を拡散させて均一化させるための光拡散板とで構成され、均一に分散された光が液晶表示パネル30に供給されるようになっている。光拡散板は、例えば、熱可塑性樹脂に光拡散剤である粒子を分散させて光拡散性を付与したもの、熱可塑性樹脂シートの表面に凹凸を形成して光拡散性を付与したもの、熱可塑性樹脂シートの表面に粒子が分散された樹脂組成物の塗布層を設けて光拡散性を付与したものなどで構成することができる。その厚さは、通常 0.1〜5mm程度である。
図示は省略するが、バックライト35と液晶表示パネル30の間には、光拡散シート、プリズムシート、輝度向上シート(反射型偏光フィルムとも呼ばれ、3M社から販売されている商品名“DBEF”がこれに該当する)など、他の光学機能性を示すシート又はフィルムが配置されることが多い。他の光学機能性を示すシート又はフィルムは、必要に応じて複数種類配置されてもよい。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%及びppm は、特記ない限り重量基準である。
以下の例において、ポリプロピレン系樹脂のメルトマスフローレイト(MFR)及び融点は、以下の方法によって測定した値である。
〈ポリプロピレン系樹脂のMFR〉
JIS K 7210:1999 「プラスチック − 熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」に準拠して、温度230℃、荷重 21.18Nで測定した。
〈ポリプロピレン系樹脂の融点〉
ポリプロピレン系樹脂をプレスしてフィルムを作製し、その10mgを示差走査型熱量計(DSC)に入れ、窒素雰囲気下、温度230℃で5分間加熱処理した後、降温速度10℃/分で30℃まで冷却して同温度で5分間保温した。その後、30℃から230℃まで昇温速度10℃/分で加熱し、そのとき得られる融解吸熱曲線において、ピークの高さが最大である融解ピークの温度を融点とした。
またフィルムのヘーズ測定、ポリプロピレン系樹脂フィルムの算術平均表面粗さ測定、及びフィルムの外観評価は次のように行った。
〈ヘーズ測定〉
(株)村上色彩技術研究所製のヘーズメータ“HM-150”を用いて、フィルムの全ヘーズを測定した。ポリプロピレン系樹脂フィルムの内部ヘーズは、液体セルの中にポリプロピレン系樹脂と屈折率の近い液体であるフタル酸ジメチルを入れ、その中にポリプロピレン系樹脂フィルムを浸漬して、上と同じヘーズメータで測定した。ポリプロピレン系樹脂フィルムの外部ヘーズは、全ヘーズから内部ヘーズを差し引いて求めた。
〈ポリプロピレン系樹脂フィルムの算術平均表面粗さRaの測定〉
Sensofar社製のイメージングプロファイラー(形状測定器)“PLμ2300”で測定した。
〈フィルムの外観評価〉
ロールに巻き取られたポリプロピレン系樹脂フィルム及び偏光板のそれぞれについて、外観を目視観察し、以下の基準で評価した。
〈フィルムの外観評価基準〉
◎:酷いスジはなく、凹みが見られても1mm未満である、
○:酷いスジはなく、1mm以上2mm未満の凹みが見られる、
×:酷いスジ又は2mm以上の凹みが見られる。
[実施例1]
(a)ポリプロピレン系樹脂フィルムの作製
エチレンユニットの含有量が 0.4%、MFRが9g/10分及び融点が162℃であるプロピレン/エチレンランダム共重合体をポリプロピレン系樹脂として用い、そこに造核剤としてシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸カルシウム(米国のMILIKEN CHEMICAL社から入手)を330ppm 添加したものを、温度275℃に加熱した50mmφの押出機で溶融混練した。その後、600mm幅のTダイから溶融状態で押し出し、47℃に温度調節した冷却ロールで冷却し、引き取り速度20m/分でロールに巻き取り、厚さ75μm のポリプロピレン系樹脂フィルムを作製した。得られたフィルムの全ヘーズ、内部ヘーズ、外部ヘーズ及び算術平均表面粗さの測定、並びに外観評価を行った結果を表1に示した。
(b)偏光フィルムの作製
重合度2,400、ケン化度99.9モル%、厚さ60μm、幅3,300mmの長尺のポリビニルアルコールフィルム〔(株)クラレ製の商品名“クラレビニロン VF-PE#6000 ”〕を原反フィルムとし、以下のように操作して偏光フィルムを作製した。延伸は、処理槽前後の駆動ニップロールに周速差をつけて行った。
まず、原反フィルムが弛まないように機械方向(流れ方向)に緊張状態を保ったまま、37℃の純水が入った膨潤槽に60秒間浸漬し、フィルムを十分に膨潤させた。膨潤に伴う膨潤槽の入口と出口のロール速度比は1.2 であった。膨潤槽出口に設けたニップロールで水切りした後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水が重量比で0.04/1.5/100の水溶液が入った染色槽に、温度30℃で130秒間浸漬しつつ、延伸倍率約1.6倍 で一軸延伸を行った。次に、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水が重量比で12/3.6/100 の水溶液が入ったホウ酸槽に、温度56.5℃ で58秒間浸漬してホウ酸処理を施しつつ、原反からの積算延伸倍率が5.3倍 になるまで一軸延伸を行った。引き続き、10℃の純水が入った水洗槽に約1秒間浸漬して洗浄した後、約60℃の乾燥炉、次に約85℃の乾燥炉を順次通過させ、それら乾燥炉での滞留時間を合計160秒間として乾燥を行った。こうして、ヨウ素が吸着配向している厚さ23μm の偏光フィルムを得た。
(c)偏光板の作製
(a)で作製したポリプロピレン系樹脂フィルムの片面にコロナ処理を施した後、そのコロナ処理面に光硬化性エポキシ樹脂と光カチオン重合開始剤とを含む光硬化性接着剤を4μm の厚さで塗工した。一方、ノルボルネン系樹脂からなり、全ヘーズが0.2% の二軸延伸された厚さ50μm のフィルム(面内の位相差Re=55nm、厚み方向の位相差Rth=124nm、Nz=2.8 )の片面にコロナ処理を施した後、そのコロナ処理面に上と同じ光硬化性接着剤を4μm の厚さで塗工した。次いで、上記(b)で作製した偏光フィルムの一方の面に、上記接着剤が塗工されたポリプロピレン系樹脂フィルムの接着剤塗工面を重ねるとともに他方の面に上記接着剤が塗工されたノルボルネン系樹脂フィルムの接着剤塗工面を重ね、100mmφの一対のニップロールで挟圧した。その後、ノルボルネン系樹脂フィルム側から紫外線を照射し、両方の接着剤を硬化させて偏光板を得た。
[実施例2]
造核剤の配合量を100ppm に、そして冷却ロールの温度を55℃にそれぞれ変更し、その他は実施例1の(a)と同様にしてポリプロピレン系樹脂フィルムを作製し、測定及び外観評価を行った。このポリプロピレン系樹脂フィルムを用い、実施例1の(c)と同様にして偏光板を作製し、外観評価を行った。結果を表1に示した。
[実施例3]
造核剤の配合量を100ppm に変更し、アンチブロッキング剤(表では「ABA」と記す)として粒径2.7μmの球状シリカをポリプロピレン系樹脂に1,500ppm添加し、そして冷却ロールの温度を55℃に変更し、その他は実施例1の(a)と同様にしてポリプロピレン系樹脂フィルムを作製し、測定及び外観評価を行った。このポリプロピレン系樹脂フィルムを用い、実施例1の(c)と同様にして偏光板を作製し、外観評価を行った。結果を表1に示した。
[実施例4]
造核剤の配合量を100ppm に、冷却ロールの温度を50℃に、そして引き取り速度を50m/分にそれぞれ変更し、その他は実施例1の(a)と同様にしてポリプロピレン系樹脂フィルムを作製し、測定及び外観評価を行った。このポリプロピレン系樹脂フィルムを用い、実施例1の(c)と同様にして偏光板を作製し、外観評価を行った。結果を表1に示した。
[実施例5]
造核剤を配合せず、冷却ロールの温度を50℃に、そして引き取り速度を50m/分にそれぞれ変更し、その他は実施例1の(a)と同様にしてポリプロピレン系樹脂フィルムを作製し、測定及び外観評価を行った。このポリプロピレン系樹脂フィルムを用い、実施例1の(c)と同様にして偏光板を作製し、外観評価を行った。結果を表1に示した。
[比較例1]
造核剤の配合量を100ppm に、そして冷却ロールの温度を20℃にそれぞれ変更し、その他は実施例1の(a)と同様にしてポリプロピレン系樹脂フィルムを作製し、測定及び外観評価を行った。このポリプロピレン系樹脂フィルムを用い、実施例1の(c)と同様にして偏光板を作製し、外観評価を行った。結果を表1に示した。
[比較例2]
造核剤の配合量を1,000ppmに、そして冷却ロールの温度を20℃にそれぞれ変更しその他は実施例1の(a)と同様にしてポリプロピレン系樹脂フィルムを作製し、測定及び外観評価を行った。このポリプロピレン系樹脂フィルムを用い、実施例1の(c)と同様にして偏光板を作製し、外観評価を行った。結果を表1に示した。
[比較例3]
造核剤の配合量を100ppm に、そして冷却ロールの温度を35℃にそれぞれ変更し、その他は実施例1の(a)と同様にしてポリプロピレン系樹脂フィルムを作製し、測定及び外観評価を行った。このポリプロピレン系樹脂フィルムを用い、実施例1の(c)と同様にして偏光板を作製し、外観評価を行った。結果を表1に示した。
[比較例4]
造核剤を配合せず、冷却ロールの温度を20℃に変更し、その他は実施例1の(a)と同様にしてポリプロピレン系樹脂フィルムを作製し、測定及び外観評価を行った。このポリプロピレン系樹脂フィルムを用い、実施例1の(c)と同様にして偏光板を作製し、外観評価を行った。結果を表1に示した。
Figure 2014010378
表1に示すように、ポリプロピレン系樹脂フィルムの外部ヘーズを10〜30%にした実施例1〜5では、ポリプロピレン系樹脂フィルムの外観及び偏光板の外観とも良好であった。これに対し、ポリプロピレン系樹脂フィルムの外部ヘーズが10%未満となった比較例1〜4では、ポリプロピレン系樹脂フィルム及び偏光板の両方に外観不良が生じた。
10……偏光板、
11……ポリプロピレン系樹脂からなる保護フィルム、
12……偏光フィルム、
13……全ヘーズが1%以下の透明樹脂フィルム、
15,16……粘着剤層、
17……前面側偏光板、
20……液晶セル、
30……液晶表示パネル、
35……バックライト、
40……液晶表示装置。

Claims (2)

  1. エチレンユニットの含有量が1重量%以下のポリプロピレン系樹脂からなり、外部ヘーズが10〜30%の範囲にある保護フィルム、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルム、及び全ヘーズが1%以下である透明樹脂フィルムがこの順に積層されていることを特徴とする偏光板。
  2. 前記保護フィルムは、110nm以上の算術平均表面粗さRaを有する請求項1に記載の偏光板。
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