JP2014219379A - クロマトグラフ用データ処理装置及びデータ処理方法 - Google Patents

クロマトグラフ用データ処理装置及びデータ処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】1回の分析で、かつ1台の検出器を用いて、広い吸光度範囲で、目的成分の濃度(比)を求めることのできるクロマトグラフ用データ処理装置及びデータ処理方法を提供する。
【解決手段】本発明では、3次元クロマトグラフにより得られた時間、波長及び強度の3次元データに基づき、定量目的成分のピークのピークトップ強度が所定の上限値を超えているか否かを判定し、上限値を超えている場合に、前記ピークトップを通過するスペクトルにおいて、ピークトップ波長λ1と、前記ピークに属し、強度が所定の範囲内にある波長λ2を設定し、各時間のスペクトルにおいて、波長λ1における強度と波長λ2における強度の比を算出する算出し、各時間の強度比から1つの値を補正値として選択し、補正値と波長λ2におけるクロマトグラムでの定量値に基づき、前記定量目的成分の定量値を決定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体クロマトグラフ、ガスクロマトグラフなどのクロマトグラフ装置用のデータ処理装置及びデータ処理方法に関する。
クロマトグラフ装置では、試料を分析することによって横軸に時間、縦軸に信号強度(出力電圧など)をとったクロマトグラムを表すデータ(以下、クロマトグラムデータという)を取得する。クロマトグラフ用データ処理装置では、このようなクロマトグラムに出現しているピークを検出し、予め設定された同定テーブルを参照してピーク位置(保持時間)からそのピークに対応する物質(成分)を同定し、さらにピークの高さや面積からその物質(成分)の濃度や量を算出する。
こうしたデータ処理装置では、一般に、A/D変換器を含む信号処理回路のハードウエア上での制約から処理可能な信号の大きさに限界があり、上限以上の大きさ又は下限以下の大きさの信号が入力されても正確な演算処理を実行することができない。
また、こうした信号処理上での限界とは別に、クロマトグラフ装置の検出器はその信号のレベルによって検出結果の信頼度が相違する。例えば液体クロマトグラフの検出器として使用される紫外可視分光光度計、フォトダイオードアレイ検出器などでは、一般に、図9に示すように試料中の成分濃度が高くなるに従い非直線性が顕著になり定量精度が悪化する。一方、信号には様々なノイズが重畳するのを避けることができない。したがって、試料中の各成分の濃度が所定の範囲(ダイナミックレンジ)内となるように該試料を希釈してから分析を行うことが望ましい。
第十六改正日本薬局方,[online],2011年3月24日,厚生労働省,[平成25年1月29日検索],インターネット<URL: http://jpdb.nihs.go.jp/jp16/>
液体クロマトグラフの利用方法の1つに、主成分に対する不純物の割合を分析する不純物分析がある。例えば医薬品などでこの不純物分析がよく行われる。
試料中に含まれる複数の成分を分析する場合、これら目的成分の濃度が大きく異ならなければ、全目的成分がダイナミックレンジに収まるように試料の希釈率や検出器の感度等を設定することができる。しかし、複数の目的成分の濃度差が大きい場合、最小濃度の成分を正しく検出できるような設定を行うと最大濃度の成分(主成分)の信号が歪み又は飽和してしまい、最大濃度の成分を正しく検出できるような設定を行うと最小濃度の成分(不純物)がノイズに埋もれてしまう。つまり、どのような設定を行っても、全成分を正しく検出することができない。
例えば、第十六改正日本薬局方(非特許文献1)の「アセチルシステイン 純度試験(6)類縁物質」(pp. 311-312)では、測定波長を220nmとした紫外吸光光度計を用いた液体クロマトグラフで試験を行い、各成分の面積を面積百分率法により求めたとき、アセチルシステイン以外の複数の成分(不純物)のピークの面積がそれぞれ0.3%以下、これら成分のピークの合計面積が0.6%以下となることが記載されている。このような大きな濃度差のある成分の濃度比を正しく測定しようとする場合、従来は、希釈率の低い試料と高い試料を用意し、複数回の分析で得た測定結果に希釈率の補正を行って各目的成分の濃度(又はそれらの濃度比)を求めたり、或いは、光路長の異なるセルを2台の検出器に設置し、光路長補正を行うことで、1回の分析で各目的成分の濃度(又はそれらの濃度比)を求めていた。
また、1つの成分のみを分析する場合でも、予めその濃度が分かっていない場合、検出強度がダイナミックレンジを超えることがある。その場合、試料の希釈率や検出器の感度等を調整して、再度測定を行う必要があった。
本発明が解決しようとする課題は、1回の分析で、かつ1台の検出器を用いて、広い吸光度範囲で、目的成分の濃度(比)を求めることができるクロマトグラフ用データ処理装置及びデータ処理方法を提供することである。
上記課題を解決するために成された第1発明に係るクロマトグラフ用データ処理装置は、3次元クロマトグラフにより得られた時間、波長及び強度の3次元データを処理する装置であって、
a) 前記3次元データに基づき、定量目的成分のピークのピークトップを通過するスペクトルにおいて、該ピークトップの波長λ1と、該ピークに属する、前記ピークトップ波長λ1とは別の波長λ2を設定する設定手段と、
b) 前記ピークに属する各時間のスペクトルにおいて、前記ピークトップ波長λ1における強度と前記波長λ2における強度の比を算出する算出手段と、
c) 前記算出手段により算出された各時間の強度比のうち、1つの値を補正値として選択する補正値自動選択手段と、
d) 前記補正値と、前記波長λ2におけるクロマトグラムでの前記ピークの定量値に基づき、前記定量目的成分の定量値を決定する成分定量手段と
を備えることを特徴とする。
また、上記課題を解決するために成された第2発明に係るクロマトグラフ用データ処理装置は、3次元クロマトグラフにより得られた時間、波長及び強度の3次元データを処理する装置であって、
a) 前記3次元データに基づき、定量目的成分のピークのピークトップを通過するスペクトルにおいて、該ピークトップの波長λ1と、該ピークに属する、前記ピークトップ波長λ1とは別の波長λ2を設定する設定手段と、
b) 前記ピークに属する各時間のスペクトルにおいて、前記ピークトップ波長λ1における強度と前記波長λ2における強度の比を算出する算出手段と、
c) 前記強度比と該強度比を求めたスペクトルの時間との関係を図に示す図示手段と、
d) 前記図に示される強度比のうち1つの値を補正値としてユーザに選択させる補正値選択手段と、
e) 前記補正値と、前記波長λ2のクロマトグラムにおける前記ピークの定量値に基づき、前記定量目的成分の定量値を算出する成分定量手段と
を備えることを特徴とする。
第1発明及び第2発明においては、定量目的成分のピークのピークトップ強度が所定の上限値を超えているか否かを判定する判定手段をさらに備え、
前記設定手段が、前記ピークトップ強度が前記上限値を超えている場合に、波長λ1と波長λ2を設定するようにすると良い。
この場合、前記設定手段は、強度が所定の上限値以下で且つ所定の下限値以上である波長を波長λ2として設定するとよい。
前記判定手段で用いる「所定の上限値」と前記設定手段で用いる「所定の上限値」は、通常はダイナミックレンジの上限値とするが、それよりも低い安全な値をとってもよいし、それよりもやや高い、実用上許容できる値をとってもよい。
また、前記設定手段で用いる「所定の下限値」は、通常、ダイナミックレンジの下限値とするが、それよりもやや高い値をとってもよい。
前記判定手段で用いる「所定の上限値」と前記設定手段で用いる「所定の上限値」は同じであってもよいし、別であっても良い。
「ピークトップ波長」は、通常は、定量目的成分のピークのピークトップに対応する波長であるが、その近傍の波長であっても良い。
「定量値」は、クロマトグラムピークのピーク高さ又はピーク面積である。
また、第2発明において、前記補正値選択手段で選択された補正値は、前記図に表示するようにしても良い。
或る成分のスペクトルは、本来、成分固有の形状をしており、その濃度の大小によってその形状が変化するものではない。このスペクトル形状の相似性により、同じピークに属する各波長のクロマトグラムピークの定量値は、互いに一定の関係を有することになる。従って、この関係を用いれば、ピークトップ波長λ1のクロマトグラムピークから算出する定量目的成分の定量値を、同じピークに属する別の波長λ2のクロマトグラムピークの定量値から算出することができる。しかし、ピークトップ波長λ1における強度や、波長λ2における強度がダイナミックレンジから外れている場合等、ピークトップ波長λ1における強度又は波長λ2における強度に誤差が大きく含まれると、その時間のスペクトルの形状は本来のものから崩れたものとなり、その時間で算出される両者の関係も前記一定の関係から外れたものとなる。そこで、予め所定の基準を設けて、誤差が小さい時間領域での関係を用いる。
第1発明に係るクロマトグラフ用データ処理装置では、まず、3次元データ上の定量目的成分のピークのピークトップを通過するスペクトルにおいて、ピークトップ波長λ1と、定量目的成分のピークに属する、前記ピークトップ波長λ1とは別の波長λ2を設定する。なお、定量目的成分のピークのピークトップ強度がダイナミックレンジの上限値を超えているときのみ、前記ピークトップ波長λ1及び前記波長λ2を設定し、後述するようにして補正値を算出し、ピークトップ強度が該上限値を超えていない場合には、ピークトップ波長λ1のクロマトグラムピークから、通常の方法にて定量目的成分の定量値を算出するようにしても良い。
そして、そのピークトップを通過するスペクトルにおいて、ピークトップ波長λ1と、定量目的成分のピークに属する波長λ2を設定する。この波長λ2は、前記のようにその強度がダイナミックレンジの範囲内にある波長とする。従って、波長λ2のクロマトグラムにおける定量目的成分のピークの定量値を高い精度で算出することができる。
次に、定量目的成分のピークに属する各時間のスペクトルにおいて、ピークトップ波長λ1における強度と波長λ2における強度の比を算出する。そして、所定の選択基準により、λ1における強度又はλ2における強度の誤差が小さい時間領域での強度比の値を補正値として選択する。
このように選択された補正値と波長λ2のクロマトグラムにおける定量目的成分のピークの定量値は高い精度で得られるため、これらの値を用いることにより、波長λ1のクロマトグラムにおける前記ピークの定量値(定量目的成分の定量値)も高い精度で算出することができる。
以上のようにして、第1発明に係るクロマトグラフ用データ処理装置では、実質的にダイナミックレンジが拡張される。そのため、3次元データを取得可能なクロマトグラフ装置を用いることにより、高濃度成分と低濃度成分が混在した試料を分析する際、その両方を1回の分析で、1台の検出器で測定することが可能となる。また、濃度が未知の1つの成分を分析する場合でも、ダイナミックレンジを拡張することにより、1回の分析で、1台の検出器で測定することが可能となる。
前記補正値自動選択手段は、ピークトップ波長λ1における強度と波長λ2における強度の両方がダイナミックレンジの範囲内にあるときの1つの強度比を補正値として選択することが望ましく、更にダイナミックレンジの範囲内にあるときの最大の強度比を補正値として選択することが望ましい。前記強度比は、ピークトップ波長λ1での強度と波長λ2での強度の両方がダイナミックレンジの範囲内にある時間領域において、増加しながら一定値に近づく。そのため、この時間領域の中で強度比が最大となるときの値がスペクトルの相似性を最も精度良く示すものとなる。従って、強度比の最大値を補正値として用いることにより、定量目的成分の定量値を高い精度で算出することができる。
また、第2発明に係るクロマトグラフ用データ処理装置では、時間と強度比の関係を示すグラフをモニタ等に表示し、その中の1つの強度比の値を補正値としてユーザに選択させる。この際、ユーザが、強度比が一定の値を取る時間領域の中から1つの値を選択するようにすれば、第1発明に係るクロマトグラフ用データ処理装置と同様に、定量目的成分の定量値を高い精度で算出することが可能となる。
第3発明及び第4発明に係るクロマトグラフ用データ処理方法は、上述した第1及び第2発明と同じ技術思想による方法の発明である。具体的には、第3発明に係るクロマトグラフ用データ処理方法は、
a) 3次元クロマトグラフにより得られた時間、波長及び強度の3次元データに基づき、定量目的成分のピークのピークトップを通過するスペクトルにおいて、該ピークトップの波長λ1と、該ピークに属する、前記波長λ1とは別の波長λ2を設定する設定ステップと、
b) 前記ピークに属する各時間のスペクトルにおいて、前記ピークトップ波長λ1における強度と前記波長λ2における強度の比を算出する算出ステップと、
c) 前記算出ステップにより算出された各時間の強度比のうち、1つの値を補正値として選択する補正値自動選択ステップと、
d) 前記補正値と、前記波長λ2におけるクロマトグラムでの前記ピークの定量値に基づき、前記定量目的成分の定量値を決定する成分定量ステップと
を備えることを特徴とする。
また、第4発明に係るクロマトグラフ用データ処理方法は、
3次元クロマトグラフにより得られた時間、波長及び強度の3次元データに基づき、
a) 定量目的成分のピークのピークトップを通過するスペクトルにおいて、該ピークトップの波長λ1と、該ピークに属する、前記ピークトップ波長λ1とは別の波長λ2を設定する設定ステップと、
b) 前記ピークに属する各時間のスペクトルにおいて、前記ピークトップ波長λ1における強度と前記波長λ2における強度の比を算出する算出ステップと、
c) 時間と前記強度比の関係を図に示す図示ステップと、
d) 前記図に示される強度比のうち1つの値を補正値としてユーザに選択させる補正値選択ステップと、
e) 前記補正値と、前記波長λ2のクロマトグラムにおける前記ピークの定量値に基づき、前記定量目的成分の定量値を算出する成分定量ステップと
を備えることを特徴とする。
本発明に係るクロマトグラフ用データ処理装置及びクロマトグラフ用データ処理方法によれば、1回の分析で、かつ1台の検出器を用いて、広い吸光度範囲で、目的成分の濃度(比)を求めることが可能である。よって、短時間で分析が終了するという効果が得られることに加え、装置構成が簡単である故にコストを削減することができる。
本発明の一実施例であるクロマトグラフ用データ処理装置を含む分析システムの概略構成図。 本実施例のクロマトグラフ用データ処理装置におけるデータ処理の概略フローチャート。 本実施例のクロマトグラフ用データ処理装置が取得する3次元データを示す等高線図。 前記3次元データから得られる、時間T1に沿ったスペクトル。 前記3次元データから得られる、補正用波長λ2に沿ったクロマトグラム。 強度比を算出するときの処理概念を示す時間−波長−強度の3次元グラフ。 目的ピークに属する、或る時間tにおけるスペクトル。 時間と強度比の関係を示すグラフ、及び、ピークトップ波長λ1と補正用波長λ2におけるクロマトグラム。 検出器におけるダイナミックレンジの説明図。
本発明に係るクロマトグラフ用データ処理装置の一実施形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1は、本実施形態に係るクロマトグラフ用データ処理装置を含む分析システムの概略構成図である。この分析システムは、液体試料中の含有成分を時間的に分離する液体クロマトグラフ(LC)1と、分離された各成分の所定の波長範囲のスペクトルを検出するフォトダイオードアレイ検出器(PDA)2と、PDA2から出力されるデータを処理するデータ処理装置3と、を備える。データ処理装置3の実体はCPU(中央演算装置)やメモリ、ハードディスクやSSDなどの記憶装置等から構成される一般的なコンピュータである。このコンピュータには専用のデータ処理ソフトウエアがインストールされており、このソフトウエアを実行することにより、図示した強度判定部31、波長設定部32、補正用定量値算出部33、強度比算出部34、図示部35、補正値選択部36、成分定量部37などの機能が実現される。
さらに、データ処理装置3には、キーボードやマウス等のポインティングデバイスである操作部4と表示部5が接続されている。
次に、図2に示すフローチャートを参照しつつ、定量目的成分の定量値を算出する処理について説明する。まず、分析目的試料をLC1に導入し、分析目的試料に含まれる各成分をLC1において時間的に分離し、PDA2により検出する。この検出データ(スペクトルデータ)は逐次、データ処理装置3に送られ、図3に示すような時間−波長−強度の3次元データが得られる(ステップS1)。データ処理装置3の強度判定部31は、この3次元データ中の定量目的成分のピーク(以下、「目的ピーク」とする)について、そのピークトップ強度が所定の上限値Paを超えているか否かを判定する(ステップS2)。この上限値Paは、PDA2やA/D変換器(図示せず)等のダイナミックレンジを考慮して予めデータ処理装置3に設定されている値であり、通常はダイナミックレンジの上限値が用いられるが、それよりも低い安全な値を用いても良いし、それよりもやや高い、実用上許容できる値を用いても良い。
ステップS2において、目的ピークのピークトップ強度が上限値Paを超えていない場合、データ処理装置3は、目的ピークのピークトップ波長λ1に沿ったクロマトグラムから、通常の方法にて定量目的成分の定量値(ピーク面積又はピーク高さ)を算出し、終了する。
一方、目的ピークのピークトップ強度が上限値Paを超えた場合、目的ピークのピークトップ波長λ1に沿ったクロマトグラムから定量目的成分の定量値を算出しても、それは正確な値とならない。そのため、以下のプロセスにより、定量目的成分の定量値の補正を行う。
ステップS3では、目的ピークのピークトップを通過するスペクトル(図3の時間T1に沿ったスペクトル)の、目的ピークに属する波長範囲において、ピークトップ波長λ1と、強度が所定の上限値Pb以下且つ所定の下限値Pc以上である波長(以下、「補正用波長」とする)λ2を設定する(図4)。この上限値Pbも、前記のPaと同じく、PDA2等のダイナミックレンジの上限値に基づいて予めデータ処理装置3に設定されている値である。ステップS2で用いられる上限値Paと、ステップS3で用いられる上限値Pbは同じであっても異なっていても良い。本実施例ではPa=Pbとする。
また、下限値Pcは、ダイナミックレンジの下限値に基づいて予めデータ処理装置3に設定されている値であり、通常はダイナミックレンジの下限値とするが、それよりもやや高い値を用いても良い。
補正用定量値算出部33は、前記3次元データより、補正用波長λ2におけるクロマトグラム(補正用クロマトグラム)を作成する(図5)。そして、この補正用クロマトグラムにおいて、目的ピークに対応するクロマトグラムピークの定量値(ピーク高さ又はピーク面積)A2を補正用定量値として算出する(ステップS4)。このクロマトグラムピークは、最大値がダイナミックレンジの上限値以下であるため、正しくその定量値を算出することができる。
強度比算出部34は、目的ピークに属する時間範囲[Ta, Tb]内(図5及び6)の各時間tにおいて、波長λ1の強度I1(t)と補正用波長λ2の強度I2(t)を取得し(図7)、その比から強度比R(t)を次式に示すように算出する(ステップS5)。
[強度比R(t)]=[波長λ1での強度I1(t)]/[補正用波長λ2での強度I2(t)]
図示部35は、この強度比R(t)のグラフを作成し、表示部5に表示する。強度比R(t)は、図8に示すように、強度I1(t)と強度I2(t)の少なくとも一方がダイナミックレンジの範囲外にあるとき、スペクトル形状の相似性が崩れ、一定値からずれたものとなる。一方、強度I1(t)と強度I2(t)の両方がダイナミックレンジの範囲内にあるとき、強度比R(t)はほぼ一定の値になる。そのため、強度I1(t)及び強度I2(t)の両方がダイナミックレンジの範囲内にあるときが最もスペクトル間の相似性が確保されている、すなわち信頼性の高いものとなる。本実施例では、補正値選択部36は、強度I1(t)と強度I2(t)の両方がダイナミックレンジの範囲内にあるときの強度比R(t)の中央値を補正値Rsとして自動的に設定する。
成分定量部37は、このように設定された補正値Rsを用いて、目的ピークの定量値A1を求める。具体的には、下記の式に示すように、ステップS4で補正用波長λ2のクロマトグラムから得られた定量値A2に補正値Rsを乗じた値を定量値A1として算出する(ステップS7)。
[目的ピークの定量値A1]=[補正用定量値A2]×[補正値Rs]
以上の処理により、目的ピークの正確な定量値A1を、PDA2のダイナミックレンジの範囲内で求めた定量値A2及び補正値Rsを用いて算出することができる。
なお、補正値選択部36は補正値Rsを自動的に設定するのではなく、表示部5に表示された強度比R(t)のグラフから、1つの強度比をユーザに選ばせるものであっても良い。
また、補正用波長λ2は、3次元データに基づいて波長設定部32が自動的に決定してもよい。補正用波長λ2を自動的に設定する方法は次の通りである。
・目的ピークの保持時間T1でのスペクトルを取得する。
・このスペクトルについて、ピークトップ波長λ1の+側(長波長側)または−側(短波長側)で、強度値が、予めユーザにより設定された「補正用波長強度」となる波長を補正用波長λ2とする(図4)。+又は−の探索方向は、予めユーザに指定させておいてもよいし、システムで定めておいてもよい(図4では−側に探索)。
さらに、上記の実施例では、目的成分のピークのピークトップ強度が上限値Paを超えているか否かを判定し、超えた場合にのみステップS3〜S7の処理を実行するようにしたが、常時、実行するようにしても良い。
1…液体クロマトグラフ(LC)
2…フォトダイオードアレイ検出器(PDA)
3…データ処理装置
31…強度判定部
32…波長設定部
33…補正用定量値算出部
34…強度比算出部
35…図示部
36…補正値選択部
37…成分定量部
4…操作部
5…表示部

Claims (6)

  1. 3次元クロマトグラフにより得られた時間、波長及び強度の3次元データを処理するクロマトグラフ用データ処理装置において、
    a) 前記3次元データに基づき、定量目的成分のピークのピークトップを通過するスペクトルにおいて、該ピークトップの波長λ1と、該ピークに属する、前記ピークトップ波長λ1とは別の波長λ2を設定する設定手段と、
    b) 前記ピークに属する各時間のスペクトルにおいて、前記ピークトップ波長λ1における強度と前記波長λ2における強度の比を算出する算出手段と、
    c) 前記算出手段により算出された各時間の強度比のうち、1つの値を補正値として選択する補正値自動選択手段と、
    d) 前記補正値と、前記波長λ2におけるクロマトグラムでの前記ピークの定量値に基づき、前記定量目的成分の定量値を決定する成分定量手段と
    を備えることを特徴とするクロマトグラフ用データ処理装置。
  2. 3次元クロマトグラフにより得られた時間、波長及び強度の3次元データを処理するクロマトグラフ用データ処理装置において、
    a) 前記3次元データに基づき、定量目的成分のピークのピークトップを通過するスペクトルにおいて、該ピークトップの波長λ1と、該ピークに属する、前記ピークトップ波長λ1とは別の波長λ2を設定する設定手段と、
    b) 前記ピークに属する各時間のスペクトルにおいて、前記ピークトップ波長λ1における強度と前記波長λ2における強度の比を算出する算出手段と、
    c) 前記強度比と該強度比を求めたスペクトルの時間との関係を図に示す図示手段と、
    d) 前記図に示される強度比のうち1つの値を補正値としてユーザに選択させる補正値選択手段と、
    e) 前記補正値と、前記波長λ2のクロマトグラムにおける前記ピークの定量値に基づき、前記定量目的成分の定量値を算出する成分定量手段と
    を備えることを特徴とするクロマトグラフ用データ処理装置。
  3. 請求項1又は2に記載のクロマトグラフ用データ処理装置において、
    前記定量目的成分のピークのピークトップ強度が所定の上限値を超えているか否かを判定する判定手段をさらに備え、
    前記設定手段が、前記ピークトップ強度が前記上限値を超えている場合に、該ピークトップの波長λ1と、強度が所定の上限値以下で且つ所定の下限値以上である波長を波長λ2として設定することを特徴とするクロマトグラフ用データ処理装置。
  4. a)3次元クロマトグラフにより得られた時間、波長及び強度の3次元データに基づき、定量目的成分のピークのピークトップを通過するスペクトルにおいて、該ピークトップの波長λ1と、該ピークに属する、前記ピークトップ波長λ1とは別の波長λ2を設定する設定ステップと、
    b) 前記ピークに属する各時間のスペクトルにおいて、前記ピークトップ波長λ1における強度と前記波長λ2における強度の比を算出する算出ステップと、
    c) 前記算出ステップにより算出された各時間の強度比のうち、1つの値を補正値として選択する補正値自動選択ステップと、
    d) 前記補正値と、前記波長λ2におけるクロマトグラムでの前記ピークの定量値に基づき、前記定量目的成分の定量値を決定する成分定量ステップと
    を備えることを特徴とするクロマトグラフ用データ処理方法。
  5. a) 3次元クロマトグラフにより得られた時間、波長及び強度の3次元データに基づき、定量目的成分のピークのピークトップを通過するスペクトルにおいて、該ピークトップの波長λ1と、該ピークに属する、前記ピークトップ波長λ1とは別の波長λ2を設定する設定ステップと、
    b) 前記ピークに属する各時間のスペクトルにおいて、前記ピークトップ波長λ1における強度と前記波長λ2における強度の比を算出する算出ステップと、
    c) 前記強度比と該強度比を求めたスペクトルの時間との関係を図に示す図示ステップと、
    d) 前記図に示される強度比のうち1つの値を補正値としてユーザに選択させる補正値選択ステップと、
    e) 前記補正値と、前記波長λ2のクロマトグラムにおける前記ピークの定量値に基づき、前記定量目的成分の定量値を算出する成分定量ステップと
    を備えることを特徴とするクロマトグラフ用データ処理方法。
  6. 定量目的成分のピークのピークトップ強度が所定の上限値を超えているか否かを判定する判定ステップを備え、
    前記設定ステップが、前記ピークトップ強度が前記上限値を超えている場合に、該ピークトップの波長λ1を設定すると共に、強度が前記上限値以下で且つ所定の下限値以上である波長を波長λ2として設定することを特徴とする請求項4又は5に記載のクロマトグラフ用データ処理方法。
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