JP2014218749A - 蒸着マスクの製造方法および蒸着マスク - Google Patents

蒸着マスクの製造方法および蒸着マスク Download PDF

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Abstract

【課題】蒸着材料を高い利用効率で成膜することができる蒸着マスクを提供する。【解決手段】蒸着マスク20は、複数の貫通孔25が形成された有効領域22と、有効領域の周囲に位置する周囲領域23と、を含む。有効領域において、蒸着マスクの法線方向に沿った一方の側に、当該一方の側へ向けて幅が広くなっていく複数の凹部30が設けられ、且つ、この凹部30が貫通孔25を画成する。少なくとも一つの凹部の壁面31が、その全周に亘って、当該凹部の周囲に位置する他のいずれかの凹部の壁面と合流している。【選択図】図3

Description

本発明は、所望のパターンで蒸着を行うために用いられる蒸着マスクを製造する方法に係り、とりわけ、蒸着材料を優れた利用効率で成膜に利用することができる蒸着マスクの製造方法に関する。また、本発明は、所望のパターンで蒸着を行うために用いられる蒸着マスクに係り、とりわけ、蒸着材料を優れた利用効率で成膜に用いることができる蒸着マスクに関する。
従来、所望のパターンで配列された貫通孔を含む蒸着用マスクを用い、所望のパターンで薄膜を形成する方法が知られている。そして、昨今においては、例えば有機EL表示装置の製造時において有機材料を基板上に蒸着する場合等、極めて高価な材料を成膜する際に蒸着が用いられることがある。なお、蒸着用マスクは、一般的に、フォトリソグラフィー技術を用いたエッチングによって金属板に貫通孔を形成することにより、製造され得る(例えば、特許文献1)。
蒸着マスクを用いて蒸着材料を基板に成膜する場合、蒸着マスクにも蒸着材料が付着する。すなわち、使用された蒸着材料のすべてが基板に付着するわけではない。高価な蒸着材料を用いる場合、利用効率が低いことは大きな問題となる。なお、ここでいう利用効率とは、蒸発した蒸着材料のうちの基板に付着した材料の割合を指している。
特開2004−39319号公報
ところで、蒸着材料の中には、蒸着マスクへの法線方向に対して大きく傾斜した方向に移動して基板に向かうものも存在する。斜めに移動する蒸着材料を有効に利用して蒸着材料の利用効率を高めるためには、壁面が大きく傾斜して先細りする貫通孔を金属板に形成することが好ましい。しかしながら、従来のエッチング方法によって金属板に貫通孔を形成した場合、貫通孔の壁面を十分に大きく傾斜させることはできない。このため、現状の蒸着マスクでは、蒸着材料の利用効率を十分に改善することができていない。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、蒸着材料を高い利用効率で成膜することができる蒸着マスクの製造方法を提供することを目的とする。
本発明による蒸着マスクの製造方法は、
複数の貫通孔が形成された有効領域と、前記有効領域の周囲に位置する周囲領域と、を備える蒸着マスクを製造する方法であって、
互いに対向する第1面および第2面を有する金属板の第1面上に配置されたレジストパターンをマスクとして前記第1面の側から前記金属板をエッチングし、前記有効領域をなすようになる前記金属板の領域内に、前記貫通孔を画成するようになる凹部を第1面の側から形成する工程を備え、前記凹部を形成する工程において、エッチングによる浸食が金属板の板面に沿った方向にも進み、前記レジストパターン下にて隣り合う二つの凹部が合流し、さらに、少なくとも一つの凹部の壁面が、その全周に亘って、当該一つの凹部の周囲に位置する他のいずれかの凹部の壁面と合流する。
本発明による蒸着マスクの製造方法において、前記凹部の壁面が、その全周に亘って当該凹部の周囲に位置する他のいずれかの凹部の壁面と合流する、或いは、その全周のうちの一部分において当該凹部の周囲に位置する他のいずれかの凹部の壁面と合流し且つその全周のうちの他の部分において前記周囲領域をなすようになる領域内に延びて前記金属板の前記第1面と接続するようにしてもよい。
本発明による蒸着マスクの製造方法の前記凹部を形成する工程において、前記レジストパターンが、前記有効領域をなすようになる前記金属板の全領域内で、前記金属板から離間するようにしてもよい。
本発明による蒸着マスクの製造方法の前記凹部を形成する工程において、エッチングによる前記第1面の浸食が、前記有効領域をなすようになる前記金属板の全領域内で、進むようにしてもよい。
本発明による蒸着マスクの製造方法の前記凹部を形成する工程において、前記隣り合う二つの凹部が合流してなる合流部分が前記レジストパターンから離間して、前記レジストパターン下となる当該合流部分において、エッチングによる浸食が金属板の法線方向にも進み、前記合流部分が面取されるようにしてもよい。
本発明による蒸着マスクの製造方法の前記凹部を形成する工程において、前記有効領域をなすようになる領域内における前記金属板の法線方向に沿った最大厚みが、エッチング前における前記金属板の最大厚みの35%以上且つ65%以下となるようにしてもよい。このような本発明による蒸着マスクの製造方法において、前記凹部は、前記金属板の前記第1面上に、格子配列にて形成されるようにしてもよい。
本発明による蒸着マスクの製造方法の前記凹部を形成する工程において、前記有効領域をなすようになる領域内における前記金属板の法線方向に沿った最大厚みが、エッチング前における前記金属板の最大厚みの45%以上且つ65%以下となるようにしてもよい。このような本発明による蒸着マスクの製造方法において、前記凹部は、前記金属板の前記第1面上に、格子配列または千鳥配列にて形成されるようにしてもよい。
本発明による蒸着マスクの製造方法が、前記金属板の前記第2面上に配置されたレジストパターンをマスクとして前記第2面の側から前記金属板をエッチングし、第2凹部を前記第2面の側から形成する工程を、さらに備え、
前記凹部と前記第2凹部が接続して前記貫通孔が形成されるように、前記凹部及び前記第2凹部が形成されるようにしてもよい。
本発明による蒸着マスクの製造方法が、前記金属板を貫通しないように前記第1面の側から形成された各凹部内にレーザー光を照射して、当該凹部の内部から前記金属板の前記第2面まで到達する第2凹部を形成する工程を、さらに備え、
前記凹部と前記第2凹部が接続して前記貫通孔が形成されるように、前記凹部及び前記第2凹部が形成されるようにしてもよい。
本発明による蒸着マスクは、
複数の貫通孔が形成された有効領域と、
前記有効領域の周囲に位置する周囲領域と、を備え、
前記有効領域において、前記蒸着マスクの法線方向に沿った一方の側に、当該一方の側へ向けて幅が広くなっていく複数の凹部が設けられ、且つ、この凹部が貫通孔を画成し、
少なくとも一つの凹部の壁面が、その全周に亘って、当該凹部の周囲に位置する他のいずれかの凹部の壁面と合流している。
本発明による蒸着マスクにおいて、前記凹部の前記壁面が、その全周に亘って当該凹部の周囲に位置する他のいずれかの凹部の壁面と合流している、或いは、その全周のうちの一部分において当該凹部の周囲に位置する他のいずれかの凹部の壁面と合流し且つその全周のうちの他の部分において前記周囲領域内に延びているようにしてもよい。
本発明による蒸着マスクの前記有効領域内の全領域において、前記蒸着マスクの一方の側の面は、凹凸面となっていてもよい。
本発明による蒸着マスクにおいて、前記凹部の前記壁面と前記他の凹部の前記壁面とが合流することによって稜線が形成され、前記蒸着マスクの法線方向に沿った前記稜線の高さは変動するようにしてもよい。
本発明による蒸着マスクにおいて、前記他の凹部の前記壁面に合流する前記凹部の前記壁面の、前記蒸着マスクの法線方向に沿った高さは、当該凹部によって画成される貫通孔の貫通部からの前記蒸着マスクの板面に沿った距離が長くなると、高くなるようにしてもよい。
本発明による蒸着マスクにおいて、前記蒸着マスクの法線方向に沿った断面にて、二つの凹部の壁面が合流する合流部分の外輪郭は、面取された形状となっていてもよい。
本発明による蒸着マスクにおいて、前記蒸着マスクの法線方向に沿った断面にて、二つの凹部の壁面が合流する合流部分の外輪郭は、前記蒸着マスクの法線方向に沿った一方の側へ向けて凸な曲線状であってもよい。
本発明による蒸着マスクにおいて、前記蒸着マスクの法線方向に沿った前記有効領域内の最大厚みは、前記蒸着マスクの法線方向に沿った前記周囲領域内の最大厚みの35%以上且つ65%以下であってもよい。このような本発明による蒸着マスクにおいて、前記凹部は、格子配列にて配列されていてもよい。
本発明による蒸着マスクにおいて、前記蒸着マスクの法線方向に沿った前記有効領域内の最大厚みは、前記蒸着マスクの法線方向に沿った前記周囲領域内の最大厚みの45%以上且つ65%以下であってもよい。このような本発明による蒸着マスクにおいて、前記凹部は、格子配列または千鳥格子にて配列されていてもよい。
本発明による蒸着マスクの前記有効領域において、前記蒸着マスクの法線方向に沿った他方の側に、当該他方の側へ向けて幅が広くなっていく第2凹部が設けられ、前記凹部と前記第2凹部が接続して前記貫通孔が形成されていてもよい。
本発明による蒸着マスクの前記有効領域において、前記蒸着マスクの法線方向に沿った他方の側に、当該他方の側へ向けて幅が狭くなっていく第2凹部が設けられ、前記凹部と前記第2凹部が接続して前記貫通孔が形成されていてもよい。
本発明によれば、蒸着材料を高い利用効率で成膜することができる蒸着マスクが提供される。
図1は、本発明の一実施の形態を説明するための図であって、蒸着マスクを含む蒸着マスク装置の一例を示す概略斜視図である。 図2は、図1に示す蒸着マスク装置を用いて蒸着する方法を説明するための図である。 図3は、図1に示された蒸着マスクを示す部分平面図である。 図4は、図3のIV−IV線に沿った断面図である。 図5は、図3のV−V線に沿った断面図である。 図6は、図3のVI−VI線に沿った断面図である。 図7は、図1に示す蒸着マスクの製造方法の一例を全体的に説明するための模式図である。 図8は、蒸着マスクの製造方法の一例を説明するための図であって、法線方向に沿った断面において長尺金属板を示す図である。 図9は、蒸着マスクの製造方法の一例を説明するための図であって、法線方向に沿った断面において長尺金属板を示す図である。 図10は、蒸着マスクの製造方法の一例を説明するための図であって、法線方向に沿った断面において長尺金属板を示す図である。 図11は、蒸着マスクの製造方法の一例を説明するための図であって、法線方向に沿った断面において長尺金属板を示す図である。 図12は、蒸着マスクの製造方法の一例を説明するための図であって、法線方向に沿った断面において長尺金属板を示す図である。 図13は、蒸着マスクの製造方法の一例を説明するための図であって、法線方向に沿った断面において長尺金属板を示す図である。 図14は、蒸着マスクの製造方法の一例を説明するための図であって、法線方向に沿った断面において長尺金属板を示す図である。 図15は、図9に対応する図であって、貫通孔の形成方法の一変形例を説明するための図である。 図16および図17は、貫通孔の形成方法の他の変形例を説明するための図であって、図16は、第1凹部を形成する方法を示す図である。 図16および図17は、貫通孔の形成方法の他の変形例を説明するための図であって、図17は、第2凹部を形成する方法を示す図である。 図18および図19は、蒸着マスクの製造方法の一変形例を説明するための図であって、図18は、第1凹部を形成する方法を示す図である。 図18および図19は、蒸着マスクの製造方法の一変例を説明するための図であって、図19は、第2凹部を形成する方法を示す図である。 図20は、実際に作製した第1の蒸着マスクの貫通孔のパターンを説明するための上面図である。 図21は、実際に作製した第2の蒸着マスクの貫通孔のパターンを説明するための上面図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1〜図14は本発明による一実施の形態を説明するための図である。以下の実施の形態およびその変形例では、有機ELディスプレイ装置を製造する際に有機発光材料を所望のパターンでガラス基板上にパターニングするために用いられる蒸着マスクの製造方法を例にあげて説明する。ただし、このような適用に限定されることなく、種々の用途に用いられる蒸着マスクおよび蒸着マスクの製造方法に対し、本発明を適用することができる。
なお、本明細書において、「板」、「シート」、「フィルム」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「板」はシートやフィルムと呼ばれ得るような部材も含む概念であり、したがって、例えば「金属板」は、「金属シート」や「金属フィルム」と呼ばれる部材と呼称の違いのみにおいて区別され得ない。
また、「板面(シート面、フィルム面)」とは、対象となる板状(シート状、フィルム状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となる板状部材(シート状部材、フィルム状部材)の平面方向と一致する面のことを指す。また、板状(シート状、フィルム状)の部材に対して用いる法線方向とは、当該部材の板面(シート面、フィルム面)に対する法線方向のことを指す。
さらに、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
まず、製造方法対象となる蒸着マスクを含む蒸着マスク装置の一例について、主に図1〜図6を参照して説明する。ここで、図1は、蒸着マスクを含む蒸着マスク装置の一例を示す斜視図であり、図2は、図1に示す蒸着マスク装置の使用方法を説明するための図である。図3は、蒸着マスクを第1面の側から示す平面図であり、図4〜図6は、図3の各位置における断面図である。
蒸着マスク装置10は、矩形状の金属板21からなる蒸着マスク20と、蒸着マスク20の周縁部に取り付けられたフレーム15と、を備えている。蒸着マスク20には、互いに対向する第1面21aおよび第2面21bを有する金属板21を少なくとも第1面21aからエッチングすることにより形成された貫通孔25が、多数設けられている。この蒸着マスク装置10は、図2に示すように、蒸着マスク20が蒸着対象物である基板、例えばガラス基板92に対面するようにして蒸着装置90内に支持され、基板への蒸着材料の蒸着に使用される。
蒸着装置90内では、不図示の磁石からの磁力によって、蒸着マスク20とガラス基板92とが密着するようになる。蒸着装置90内には、この蒸着マスク装置10を挟んだガラス基板92の下方に、蒸着材料(一例として、有機発光材料)98を収容するるつぼ94と、るつぼ94を加熱するヒータ96とが配置されている。るつぼ94内の蒸着材料98は、ヒータ96からの加熱により、気化または昇華してガラス基板92の表面に付着するようになる。上述したように、蒸着マスク20には多数の貫通孔25が形成されており、蒸着材料98はこの貫通孔25を介してガラス基板92に付着する。この結果、蒸着マスク20の貫通孔25の位置に対応した所望のパターンで、蒸着材料98がガラス基板92の表面に成膜される。
図1に示すように、本実施の形態において、蒸着マスク20は、金属板21からなり、平面視において略四角形形状、さらに正確には平面視において略矩形状の輪郭を有している。蒸着マスク20の金属板21は、規則的な配列で貫通孔25が形成された有効領域22と、有効領域22を取り囲む周囲領域23と、を含んでいる。周囲領域23は、有効領域22を支持するための領域であり、基板へ蒸着されることを意図された蒸着材料が通過する領域ではない。例えば、有機ELディスプレイ装置用の有機発光材料の蒸着に用いられる蒸着マスク20においては、有効領域22は、有機発光材料が蒸着して画素を形成するようになる基板(ガラス基板92)上の区域、すなわち、作製された有機ELディスプレイ装置用基板の表示面をなすようになる基板上の区域に対面する、蒸着マスク20内の領域のことである。ただし、種々の目的から、周囲領域23に貫通孔や凹部が形成されていてもよい。図1に示された例において、各有効領域22は、平面視において略四角形形状、さらに正確には平面視において略矩形状の輪郭を有している。
図示された例において、複数の有効領域22は、蒸着マスク20の一辺と平行な一方向に沿って所定の間隔を空けて配置されるとともに、前記一方向と直交する他方向に沿って所定の間隔を空けて配置されている。図示された例では、一つの有効領域22が一つの有機ELディスプレイ装置に対応するようになっている。すなわち、図1に示された蒸着マスク装置10(蒸着マスク20)によれば、多面付蒸着が可能となっている。ただし、図示された例に限られず、蒸着マスク20が、一方向に沿って一列に配列された複数の有効領域22を含み、且つ、蒸着マスク装置10が、その長手方向(一方向)に直交する方向に配列されてフレーム15に取り付けられた複数の蒸着マスク20を有するようにしてもよい。
図3に示すように、図示された例において、各有効領域22に形成された複数の貫通孔25は、格子配列にて配列されている。すなわち、複数の貫通孔25は、当該有効領域22において、互いに直交する二方向に沿ってそれぞれ所定のピッチで配列されている。この金属板21に形成された貫通孔25の一例について、図3〜図6を主に参照して更に詳述する。
図3は、蒸着マスク20を第1面20a側から示す部分平面図である。また、図4は、図3のIV−IV線に沿った断面図であり、図5は、図3のV−V線に沿った断面図であり、図6は、図3のVI−VI線に沿った断面図である。図4〜図6に示すように、複数の貫通孔25は、蒸着マスク20の法線方向に沿った一方の側となる第1面20aと、蒸着マスク20の法線方向に沿った他方の側となる第2面20bと、の間を延びて、蒸着マスク20を貫通している。図示された例では、のちに詳述するように、蒸着マスクの法線方向における一方の側となる金属板21の第1面21aの側から金属板21に第1凹部30がエッチングによって形成され、金属板21の法線方向における他方の側となる第2面21bの側から金属板21に第2凹部35が形成され、この第1凹部30および第2凹部35によって貫通孔25が形成されている。
図3〜図6に示すように、蒸着マスク20の法線方向における一方の側から他方の側へ向けて、すなわち、蒸着マスク20の第1面20aの側から第2面20bの側へ向けて、蒸着マスク20の法線方向に沿った各位置における蒸着マスク20の板面に沿った断面での各第1凹部30の断面積は、しだいに小さくなっていく。言い換えると、蒸着マスク20の法線方向に沿った断面において、蒸着マスク20の法線方向に沿った各位置における蒸着マスク20の板面に沿った各第1凹部30の幅は、蒸着マスク20の第1面20aの側から第2面20bの側に向けて、しだいに小さくなっていく。とりわけ図示された例では、蒸着マスク20の第1面20aの側から第2面20bの側に向け、各第1凹部30の断面積は、小さくなるように変化し続けている。図3に示すように、第1凹部30の壁面31は、その全領域において蒸着マスク20の法線方向に対して交差する方向に延びており、蒸着マスク20の法線方向に沿った一方の側に向けて露出している。
同様に、蒸着マスク20の法線方向に沿った各位置における蒸着マスク20の板面に沿った断面での各第2凹部35の断面積は、蒸着マスク20の法線方向における他方の側から一方の側へ向けて、すなわち、蒸着マスク20の第2面20bの側から第1面20aの側へ向けて、しだいに小さくなっていく。言い換えると、蒸着マスク20の法線方向に沿った断面において、蒸着マスク20の法線方向に沿った各位置における蒸着マスク20の板面に沿った各第2凹部35の幅は、蒸着マスク20の第2面20bの側から第1面20aの側に向けて、しだいに小さくなっていく。とりわけ図示された例では、蒸着マスク20の第2面20bの側から第1面20aの側に向け、各第2凹部35の断面積は、小さくなるように変化し続けている。第2凹部35の壁面36は、その全領域において蒸着マスク20の法線方向に対して交差する方向に延びており、蒸着マスク20の法線方向に沿った他方の側に向けて露出している。
図4〜図6に示すように、貫通孔25は、蒸着マスク20の第1面20aの側から形成された先細りする第1凹部30と、蒸着マスク20の第2面20bの側から形成された先細りする第2凹部35とが接続することによって、画成されている。図3に示すように、図示された例では、一つの貫通孔25に対して、第1凹部30及び第2凹部35がそれぞれ一つずつ形成されている。したがって、一つの第1凹部30と、当該第1凹部30に対応して設けられた第2凹部35とが接続することにより、各貫通孔25が形成されている。
なお、図4〜図6に示すように、第1凹部30の壁面31と、第2凹部35の壁面36とは、周状の接続部41を介して接続されている。接続部41は、蒸着マスクの法線方向に対して傾斜した第1凹部30の壁面31と、蒸着マスクの法線方向に対して傾斜した第2凹部35の壁面36とが合流する張り出し部の稜線によって、画成されている。そして、接続部41は、蒸着マスク20の平面視において最も貫通孔25の面積が小さくなる貫通部42を画成する。
図4〜図6に示すように、蒸着マスクの法線方向に沿った他方の側の面、すなわち、蒸着マスク20の第2面20b上において、隣り合う二つの貫通孔25は、蒸着マスクの板面に沿って互いから離間している。すなわち、後述する製造方法のように、蒸着マスク20の第2面20bに対応するようになる金属板21の第2面21b側から当該金属板21をエッチングして第2凹部35を作製する場合、隣り合う二つの第2凹部35の間に金属板21の第2面21bが残存するようになる。
一方、図4〜図6に示すように、蒸着マスクの法線方向に沿った他方の側、すなわち、蒸着マスク20の第1面20aの側において、隣り合う二つの第1凹部30が接続されている。すなわち、後述する製造方法のように、蒸着マスク20の第1面20aに対応するようになる金属板21の第1面21a側から当該金属板21をエッチングして第1凹部30を形成する場合、隣り合う二つの第1凹部30の間に、金属板21の第1面21aが残存しないようになる。このような第1凹部30によって形成される蒸着マスク20の第1面20aによれば、図2に示すように蒸着マスク20の第1面20aが蒸着材料98に対面するようにしてこの蒸着マスク20を用いた場合に、蒸着材料98の利用効率を効果的に改善することができる。
図2に示すようにして蒸着マスク装置10が蒸着装置90に収容された場合、図4に二点鎖線で示すように、蒸着マスク20の第1面20aが蒸着材料98を保持したるつぼ94側に位置し、蒸着マスク20の第2面20bがガラス基板92に対面する。したがって、蒸着材料98は、次第に断面積が小さくなっていく第1凹部30を通過してガラス基板92に付着する。図4に示すように、蒸着材料98は、るつぼ94からガラス基板92に向けてガラス基板92の法線方向に沿って移動するだけでなく、ガラス基板92の法線方向に対して大きく傾斜した方向に移動することもある。このとき、第1凹部30の断面形状が図4に点線で示す輪郭を有していたとすると、斜めに移動する蒸着材料98は、蒸着マスク20に付着してガラス基板92まで到達しない。また、ガラス基板92上の貫通孔25に対面する領域内には、蒸着材料98が到達しやすい領域と到達しにくい部分が生じてしまう。具体的には、貫通孔25の中央に対面するガラス基板92上の領域には、蒸着材料98が到達することができるが、貫通孔25の周縁に対面するガラス基板92上の領域には、蒸着材料98が到達しにくくなる。この現象は、シャドウとも呼ばれ、予定した蒸着領域内で蒸着膜の膜厚が大きく変動する、さらには、予定した蒸着領域の周縁部に蒸着材料を付着させることができない、言い換えると所望のパターンでの蒸着を行うことができないといった不具合として現れる。
すなわち、蒸着材料の利用効率(成膜効率:ガラス基板92に付着する割合)を高めて高価な蒸着材料を節約するため、且つ、高価な蒸着材料を用いた成膜を所望の領域内に安定してむらなく実施するため、蒸着マスク20のシート面に直交する図4〜図6の断面において、貫通孔25の最小断面積を持つ部分となる接続部41と、第1凹部30の壁面31の他の任意の位置と、を通過する直線L1が、蒸着マスク20の法線方向に対してなす最小角度θ(図4参照)が、十分に大きくなっていることが有利となる。そして、図示された例によれば、隣り合う二つの第1凹部30の壁面31が合流することにより、他の凹部と合流していない点線で示された壁面(輪郭)を有する凹部と比較して、この角度θを大幅に小さくすることができている。
第1凹部30は、後に詳述するように、金属板21の第1面21aをエッチングすることにより形成される。エッチングによって形成される凹部の壁面は、一般的に、浸食方向に向けて凸となる曲面状となる。したがって、エッチングによって形成された凹部の壁面31は、エッチングの開始側となる領域において切り立ち、エッチングの開始側とは反対側となる領域、すなわち凹部の最も深い側においては、金属板21の法線方向に対して比較的に大きく傾斜するようになる。そして、図示された蒸着マスク20では、隣り合う二つの第1凹部30の壁面31が、エッチングの開始側において、合流しているので、貫通孔25の大部分をなす第1凹部30の壁面31を蒸着マスクの法線方向に対して効果的に傾斜させることができる。また、初めから厚さが薄くなっている金属板をエッチングして形成された凹部と比較しても、図示された第1凹部30の壁面31は、エッチングの開始側となる切り立った部分を含まないようになるので、壁面31の傾斜角度θを十分に大きくすることができる。これにより、ここで説明した蒸着マスク20を用いた場合、蒸着材料98の利用効率を効果的に改善しながら所望のパターンでの蒸着を安定して高精度に実施することができる。
とりわけ、図示された例では、有効領域22のすべての第1凹部30の壁面31の先端縁(上縁、蒸着マスクの法線方向に沿って一方の側に位置する端縁)32が、その全周に亘って当該第1凹部30の周囲に位置する他のいずれかの第1凹部30の壁面31の先端縁32と合流している、或いは、その全周のうちの一部分において当該第1凹部30の周囲に位置する他のいずれかの第1凹部30の壁面31の先端縁32と合流し且つその全周のうちの他の部分において周囲領域23内に延び入っている。図4〜図6に示すように、所定のパターンで配列された貫通孔25のうちの最外方に位置する貫通孔25を画成する第1凹部30について、壁面31の先端縁32の一部分が、他の第1凹部30の壁面31の先端縁32に接続し、且つ、壁面31の先端縁32のその他の部分が、周囲領域23まで延び入って蒸着マスク20の平坦面、後述する製造方法によれば金属板21の第1面21aに接続している。一方、所定のパターンで配列された貫通孔25のうちの最外方以外に位置する貫通孔25を画成する第1凹部30について、壁面31の先端縁32は、その全周に亘って当該第1凹部30の周囲に位置する他のいずれかの第1凹部30の壁面31の先端縁32と合流している。
すなわち、図3〜図6に示された例においては、蒸着マスク20の有効領域22内の全領域において、蒸着マスク20の第1面20aが、蒸着マスクの法線方向における一方の側に向いた第1凹部30の壁面31によって形成されている。この結果、蒸着マスク20の有効領域22内の全領域において、蒸着マスク20の第1面20aが凹凸面をなしている。
このような蒸着マスク20によれば、有効領域22の全域において、第1凹部30の壁面31が蒸着マスクの法線方向に対してなす傾斜角度θを効果的に増大させることができる。これにより、蒸着材料98の利用効率を効果的に改善しながら、所望のパターンでの蒸着を高精度に安定して実施することができる。
また、後述する製造方法のように蒸着マスク20の第1面20aに対応するようになる金属板21の第1面21a側から当該金属板21をエッチングして第1凹部30を作製する場合、蒸着マスク20の有効領域22をなすようになる金属板21の全領域において、当該金属板21の第1面21aがエッチングにより浸食される。すなわち、有効領域22には、金属板21の第1面21aが存在しない。さらに言い換えると、蒸着マスクの法線方向に沿った有効領域22内の最大厚みTaは、蒸着マスクの法線方向に沿った周囲領域23内の最大厚みTbの100%未満となる。このように有効領域22内での厚みが全体的に薄くなることは、蒸着材料の利用効率を向上させる観点から好ましい。その一方で、蒸着マスクの強度の観点から、蒸着マスクの法線方向に沿った有効領域22内の最大厚みTaは、蒸着マスクの法線方向に沿った周囲領域23内の最大厚みTbの一定以上の割合となっていることが好ましい。蒸着マスク20をフレーム15に張設した場合における蒸着マスク20の有効領域22内での変形を効果的に抑制することができ、これにより、所望のパターンでの蒸着を効果的に実施することができるためである。
また、第1凹部30の幅は、蒸着マスクの法線方向に沿った他方の側から一方の側に向けて、広くなっていくことから、第1凹部30の壁面31の先端縁32と他の第1凹部30の壁面31の先端縁32とが合流することにより稜線33が形成されている。図示された例において、貫通孔25は平面視において略矩形状に形成され、且つ、互いに直交する二つの方向のそれぞれに所定のピッチで配列されている。したがって、図3に示すように、有効領域22内の最外方以外に位置する貫通孔25を画成する第1凹部30の壁面31の先端縁32は略矩形状に沿って延び、また、隣り合う二つの第1凹部30の間を延びる稜線33は、貫通孔25の配列方向とそれぞれ平行となる二方向に延びるようになる。
さらに、後述する製造方法のように第1凹部30をエッチングにて形成する場合には、稜線33の高さ、すなわち、蒸着マスクの法線方向における稜線33の位置は、一定ではなく変動する。言い換えると、他の第1凹部30の壁面31の先端縁32に合流する第1凹部30の壁面31の先端縁32の、蒸着マスクの法線方向における、位置は、一定ではなく変動する。後述する第1凹部30の形成方法に起因して、稜線33および先端縁32の高さは、第1凹部30の深さが最も深くなる貫通孔25の貫通部42からの蒸着マスクの板面に沿った距離に応じて変化する。具体的には、他の第1凹部30の壁面31の先端縁32に合流する第1凹部30の壁面31の先端縁32の、蒸着マスクの法線方向に沿った高さは、通常、当該第1凹部30によって画成される貫通孔25の貫通部42から先端縁32までの蒸着マスクの板面に沿った距離が長くなると、高くなる。したがって、図示されているように貫通孔25(第1凹部30)が正方配列されている場合には、二つの配列方向のそれぞれにおいて隣り合う貫通孔25の中間となる位置(図3〜図6における最高部32a)において、先端縁32及び稜線33の高さが最も高くなる。
一般的な傾向として、このような蒸着マスク20では、とりわけ図5からよく理解され得るように、第1凹部30の壁面31の先端縁32の高さは、対象となる先端部32の位置から当該第1凹部30によって画成される貫通孔25のうちの平面視において金属板21を貫通している領域(本例では貫通部42)の中心までの平面視における距離k(図3参照)が短くなると、低くなる。したがって、蒸着マスク20の法線方向に対して壁面31がなす上述の角度θを、効果的に増大することができる。これにより、より効果的に蒸着材料98の利用効率を改善し且つ所望のパターンでの蒸着を高精度且つ安定して実施することができる。
さらに、図示された例においては、後述する製造方法に起因して、蒸着マスクの法線方向に沿った断面での、二つの第1凹部30の壁面31の先端縁32が合流する部分43の外輪郭(断面での部分43の外形を形づくっている線)が、面取された形状となっている。上述したように、一般的に、エッチングで形成される凹部の壁面は、エッチングによる主たる進行方向に向けて凸となる曲面状となる。したがって、エッチングで形成された二つの第1凹部30を単純に部分的に重ね合わせると、図4〜図6に点線で示すように、合流部分43は、エッチングの開始側となる蒸着マスクの法線方向に沿った一方の側へ向けて、尖った形状となる。これに対して図示された蒸着マスク20では、合流部分43における尖った部分が面取されている。図4〜図6から理解されるように、この面取によって、蒸着マスク20の法線方向に対して壁面31がなす上述の角度θを、効果的に増大することができる。これにより、より効果的に蒸着材料98の利用効率を改善し且つ所望のパターンでの蒸着を高精度且つ安定して実施することができる。
上述したように、本実施の形態では、貫通孔25が各有効領域22において所定のパターンで配置されている。一例として、蒸着マスク20(蒸着マスク装置10)が携帯電話やデジタルカメラ等のディスプレイ(2〜5インチ程度)を作製するために用いられる場合、貫通孔25の配列ピッチPは、58μm(440ppi)以上254μm(100ppi)以下程度とすることができる。なお、カラー表示を行いたい場合には、貫通孔25の配列方向(前述の一方向)に沿って蒸着マスク20(蒸着マスク装置10)とガラス基板92とを少しずつ相対移動させ、赤色用の有機発光材料、緑色用の有機発光材料および青色用の有機発光材料を順に蒸着させていってもよい。また、蒸着マスク20(蒸着マスク装置10)が携帯電話のディスプレイを作製するために用いられる場合、各貫通孔25の配列方向(上述の一方向)に沿った幅(スリット幅)Wは、28μm以上84μm以下程度とすることができる。
なお、蒸着マスク装置10のフレーム15は、矩形状の蒸着マスク20の周縁部に取り付けられている。フレーム15は、蒸着マスク20が撓んでしまうことがないように蒸着マスクを張った状態に保持する。蒸着マスク20とフレーム15とは、例えばスポット溶接により互いに対して固定されている。
蒸着マスク装置10は、高温雰囲気となる蒸着装置90の内部に保持される。したがって、蒸着マスク20およびフレーム15は、蒸着フレームの撓みや熱応力の発生を防止するため、熱膨張率が低い同一の材料によって作製されていることが好ましい。このような材料として、例えば、36%Niインバー材を用いることができる。
以上のような蒸着マスク20によれば、少なくとも一つの第1凹部30の壁面31の先端縁32が、その全周に亘って、当該第1凹部30の周囲に位置する他のいずれかの第1凹部30の壁面31と合流している。このため、蒸着材料98の利用効率を効果的に改善しながら、高精細なパターンでの蒸着を所望の厚さで精度良く行うことができる。とりわけ、有機ELディスプレイ装置では、高価な蒸着材料98を高精細なパターンで基板42上にパターニングすることが所望されている。このため、本実施の形態の蒸着マスク20は、有機ELディスプレイ装置を製造するために用いられる蒸着マスクに特に適している。
次に、このような蒸着マスク20の製造方法について、主に図7〜図14を用いて説明する。以下に説明する蒸着マスク20の製造方法では、図7に示すように、帯状に延びる長尺の金属板64が供給され、この長尺金属板64に貫通孔25が形成され、さらに長尺金属板64を断裁することによって枚葉状の金属板21からなる蒸着マスク20が得られる。
より具体的には、蒸着マスク20の製造方法、帯状に延びる長尺の金属板64を供給する工程と、フォトリソグラフィー技術を用いたエッチングを長尺の金属板64に施して、長尺金属板64に第1面64aの側から第1凹部30を形成する工程と、フォトリソグラフィー技術を用いたエッチングを長尺金属板64に施して、長尺金属板64に第2面64bの側から第2凹部35を形成する工程と、を含んでいる。そして、長尺金属板64に形成された第1凹部30と第2凹部35とが互いに通じ合うことによって、長尺金属板64に貫通孔25が作製される。図7に示された例では、第2凹部35の形成工程が、第1凹部30の形成工程の前に実施され、且つ、第2凹部35の形成工程と第1凹部30の形成工程の間に、作製された第2凹部35を封止する工程が、さらに設けられている。以下において、各工程の詳細を説明する。
図7には、蒸着マスク20を作製するための製造装置60が示されている。図7に示すように、まず、長尺金属板64を供給コア61に巻き取った巻き体62が準備される。そして、この供給コア61が回転して巻き体62が巻き戻されることにより、図7に示すように帯状に延びる長尺金属板64が供給される。なお、長尺金属板64は、貫通孔25を形成されて枚葉状の金属板21、さらには蒸着マスク20をなすようになる。したがって、上述したように、長尺金属板64は、例えば36%Niインバー材からなる。ただし、これに限られず、ステンレス、銅、鉄、アルミニウムからなるシートを長尺金属板64として用いることも可能である。また、金属板64の厚みは、一例として、20μm以上80μm以下とすることができる。
供給された長尺金属板64は、搬送ローラ72によって、エッチング装置(エッチング手段)70に搬送される。エッチング手段70によって、図8〜図14に示された各処理が施される。まず、図8に示すように、長尺金属板64の第1面64a上にレジストパターン(単に、レジストとも呼ぶ)65aが形成されるとともに、長尺金属板64の第2面64b上にレジストパターン(単に、レジストとも呼ぶ)65bが形成される。一具体例として、次のようにしてネガ型のレジストパターンが形成される。まず、長尺金属板64の第1面64a上(図8の紙面における下側の面上)および第2面64b上に感光性レジスト材料を塗布し、長尺金属板64上にレジスト膜を形成する。次に、レジスト膜のうちの除去したい領域に光を透過させないようにしたガラス乾板を準備し、ガラス乾板をレジスト膜上に配置する。その後、レジスト膜をガラス乾板越しに露光し、さらにレジスト膜を現像する。以上のようにして、長尺金属板64の第1面64a上にレジストパターン(単に、レジストとも呼ぶ)65aを形成し、長尺金属板64の第2面64b上にレジストパターン(単に、レジストとも呼ぶ)65bを形成することができる。
次に、図9に示すように、長尺金属板64上に形成されたレジストパターン65bをマスクとして、エッチング液(例えば塩化第二鉄溶液)を用いて、長尺金属板64の第2面64b側からエッチングする。例えば、エッチング液が、搬送される長尺金属板64の第2面64bに対面する側に配置されたノズルから、レジストパターン65b越しに長尺金属板64の第2面64bに向けて噴射される。この結果、図9に示すように、長尺金属板64のうちのレジストパターン65bによって覆われていない領域で、エッチング液による浸食が進む。以上のようにして、第2面64bの側から長尺金属板64に多数の第2凹部35が形成される。
その後、図10に示すように、エッチング液に対する耐性を有した樹脂69によって、形成された第2凹部35が被覆される。すなわち、エッチング液に対する耐性を有した樹脂69によって、第2凹部35が封止される。図10に示す例において、樹脂69の膜が、形成された第2凹部35だけでなく、第2面64b(レジストパターン65b)も覆うように形成されている。
次に、図11に示すように、長尺金属板64に対して第2回目のエッチングを行う。第2回目のエッチングにおいて、長尺金属板64は第1面64aの側のみからエッチングされ、第1面64aの側から第1凹部30の形成が進行していく。長尺金属板64の第2面64bの側には、エッチング液に対する耐性を有した樹脂69が被覆されているからである。したがって、第1回目のエッチングにより所望の形状に形成された第2凹部35の形状が損なわれてしまうことはない。
エッチングによる浸食は、長尺金属板64のうちのエッチング液に触れている部分において行われていく。従って、浸食は、長尺金属板64の法線方向(厚み方向)のみに進むのではなく、長尺金属板64の板面に沿った方向にも進んでいく。この結果、図12に示すように、エッチングが長尺金属板64の法線方向に進んで第1凹部30が第2凹部35と接続するだけでなく、レジストパターン65aの隣り合う二つの孔66aに対面する位置にそれぞれ形成された二つの第1凹部30が、二つの孔66aの間に位置するブリッジ部67aの裏側において、合流する。
図13に示すように、長尺金属板64の第1面64aの側からのエッチングがさらに進む。図13に示すように、隣り合う二つの第1凹部30が合流してなる合流部分43がレジストパターン65aから離間して、レジストパターン65a下となる当該合流部分43において、エッチングによる浸食が金属板64の法線方向(厚さ方向)にも進む。これにより、図12に示すように蒸着マスクの法線方向に沿った一方の側へ向けて尖っていた合流部分43が、蒸着マスクの法線方向に沿った一方の側からエッチングされ、図13に示すように面取される。
また、上述したように、エッチングによって形成される凹部の壁面は、一般的に、浸食方向に向けて、本例では、蒸着マスクの法線方向に沿って一方の側から他方の側へ向けて凸となる曲面状となる。このため、長尺金属板64の第1面64aの側において第1凹部30の壁面が切り立つようになる。ただし、隣り合う二つの第1凹部30が、合流することによって、都合よく、この切り立った壁面31が除去されるようになる。これにより、第1凹部30の壁面31が蒸着マスクの法線方向に対してなす傾斜角度θを増大させることができる。
このようにして、少なくとも一つの第1凹部30の壁面31の先端縁32が、その全周に亘って、当該一つの第1凹部30の周囲に位置する他のいずれかの第1凹部30の壁面31と合流するようになる。とりわけ、図示された例では、図3に示すように、第1凹部30の壁面31の先端縁32が、その全周に亘って当該第1凹部30の周囲に位置する他のいずれかの第1凹部30の壁面31と合流し、或いは、その全周のうちの一部分において当該第1凹部30の周囲に位置する他のいずれかの第1凹部30の壁面31と合流し且つその全周のうちの他の部分において周囲領域22をなすようになる領域内に延びて金属板64の第1面64aと接続するようになる。
このようにして、エッチングによる長尺金属板64の第1面64aの浸食が、長尺金属板64の有効領域22をなすようになる全領域内において、進む。これにより、有効領域22をなすようになる領域内における長尺金属板64の法線方向に沿った最大厚みTaが、エッチング前における長尺金属板64の最大厚みTbより薄くなる。ただし、蒸着マスク20のマスクの強度の観点から、有効領域22をなすようになる領域内における長尺金属板64の法線方向に沿った最大厚みTaは、エッチング前における長尺金属板64の最大厚みTbの一定以上の割合となるよう、エッチングによる浸食が制御されることが好ましい。この場合、後述する以後の処理、例えば、金属板64の搬送や切断、樹脂69の除去、フレーム15への取り付けといった処理中に、多数の貫通孔25を形成された有効領域22の変形を効果的に防止することができる。
以上のようにして、長尺金属板64の第1面64aの側からのエッチングが予め設定した量だけ進んで、長尺金属板64に対する第2回目のエッチングが終了する。このとき、第1凹部30は長尺金属板64の厚さ方向に沿って第2凹部35に到達する位置まで延びており、これにより、互いに通じ合っている第1凹部30および第2凹部35によって貫通孔25が長尺金属板64に形成される。
その後、図14に示すように、長尺金属板64から樹脂69が除去される。樹脂膜69は、例えばアルカリ系剥離剤により、除去することができる。
次に、長尺金属板64からレジストパターン65a,65bが除去される。なお、第1凹部30を形成する工程において、エッチングによる第1面64aの浸食が、有効領域22をなすようになる金属板64の全領域内において、進む。したがって、第1面64a上に設けられたレジストパターン65aは、有効領域22をなすようになる金属板64の全領域内において、金属板64から既に離間している。このため、レジストパターン65a除去時に、ブラッシング等の処置を金属板21に施す必要がなく、蒸着マスク20の有効領域22の変形等の損傷を効果的に回避することができ、蒸着マスク20の歩留まりを効果的に改善することができる。
このようにして多数の貫通孔25を形成された長尺金属板64は、当該長尺金属板64を狭持した状態で回転する搬送ローラ72,72により、切断装置(切断手段)73へ搬送される。なお、この搬送ローラ72,72の回転によって長尺金属板64に作用するテンション(引っ張り力)を介し、上述した供給コア61が回転させられ、巻き体62から長尺金属板64が供給されるようになっている。
その後、多数の凹部61が形成された長尺金属板64を切断装置(切断手段)73によって所定の長さに切断することにより、多数の貫通孔25が形成された枚葉状の金属板21が得られる。
なお、貫通孔25は、長尺金属板64を一方の面のみからエッチングすることによっても形成され得る。しかしながら、長尺金属板64を上方側の面のみからエッチング処理した場合、浸食によって形成された先細り孔に、既に浸食に用いられ浸食能力が低くなったエッチング液が残留する。その後、金属板の孔が下方側の面に達した時、それまで孔内に残留していたエッチング液が下方の面から流れ出て、浸食能力の高いフレッシュなエッチング液が形成された孔内に流れ込む。このとき、断面積(開孔面積)が小さくなる孔内の下方側の領域において、孔内の下方側の領域がフレッシュなエッチング液により激しく浸食される。すなわち、孔の形状を十分に制御することができなくなる。一方、レジストパターンを介して金属板を下方側の面のみからエッチングした場合、浸食によって形成された先細り孔が金属板を貫通すると、上側面の孔周囲に、エッチング液が残留することがある。結果として、残留したエッチング液によって金属板の上方側の面からも浸食が進み、やはり孔の形状を十分に制御することができなくなる。これに対して、上述したエッチング方法によれば、貫通孔25の形状を安定させることができる。
以上のようにして、多数の貫通孔25を形成された金属板21からなる蒸着マスク20が得られる。そして、各蒸着マスク20に対してフレーム15を取り付けることにより、蒸着マスク装置10が得られる。なお、フレーム15は、蒸着マスク20の一方の面20aに取り付けられてもよいし、蒸着マスク20の他方の面20bに取り付けられてもよい。
以上のような本実施の形態による蒸着マスク装置の製造方法によれば、金属板21,64に第1凹部30を形成する工程において、エッチングによる浸食が金属板の板面に沿った方向にも進み、レジストパターン65a下にて隣り合う二つの第1凹部30が合流し、さらに、少なくとも一つの第1凹部30の壁面31の先端縁32が、その全周に亘って、当該一つの第1凹部30の周囲に位置する他のいずれかの第1凹部30の壁面31と合流する。このようにして形成されて貫通孔25をなすようになる第1凹部30の壁面31は、蒸着マスク20の法線方向に対して大きく傾斜するようになる。これにより、製造された蒸着マスク20を用いることによって、高い利用効率で蒸着材料98を使用しながら、高精細なパターンでの蒸着を安定して行うことが可能となる。
ところで、上述した製造方法では、蒸着マスク20の第1面20aに対応するようになる金属板21の第1面21a側から当該金属板21をエッチングして第1凹部30を作製する際、蒸着マスク20の有効領域22をなすようになる金属板21の全領域において、当該金属板21の第1面21aがエッチングにより浸食される。すなわち、蒸着マスクの法線方向に沿った有効領域22内の最大厚みTaは、蒸着マスクの法線方向に沿った周囲領域23内の最大厚みTbの100%未満となる。有効領域22内での蒸着マスク20の厚みが全体的に薄くなることは、上述したように、蒸着材料の利用効率を向上させる観点から、並びに、シャドウの発生を抑制する観点から好ましい。
加えて、本件発明者が鋭意研究を重ねたところ、蒸着マスクの法線方向に沿った周囲領域23内の最大厚みTbに対する蒸着マスクの法線方向に沿った有効領域22内の最大厚みTaの割合(以下においてこの割合を、単に「最高部厚み割合」とも呼ぶ)を、65%以下とすることが有効であることが知見された。上述したように、金属板21への第1凹部30の作製時に、有効領域22の全域に亘って金属板21をエッチングした場合、形成すべき第1凹部30の規則的な配列に応じて、厚みが最大となる最高部32aが形成されるようになる。最高部32aでの高さは、最高部厚み割合を決定する因子となる。この最高部32aは、第1凹部30が規則的に配列にされることに応じて、規則的な配列で多数存在することになる。現在のエッチング技術によれば、最高部32aの厚みを平均として制御することは可能である。本件明細書においては、蒸着マスクの法線方向に沿った有効領域22内の最大厚みTaは、この最高部32aにおける厚みの平均値とする。
本件発明者が確認したところ、最高部厚み割合が65%以下となる場合、最高部32aの高さのばらつきを急激に低減することができた。しかもこのような現象は、少なくとも有機EL表示装置の製造時に有機材料を基板に蒸着する際に用いられる一般的な開口率を有する蒸着マスクにおいて、第1凹部30の配列(貫通孔25の配列)によらず、すなわち図3や図20に示された格子配列に限られることなく例えば図21に示された千鳥配列であっても、同様に生じた。すなわち、有機EL表示装置の製造時に有機材料を基板に蒸着する際に用いられる蒸着マスク20において、最高部厚み割合を65%以下とすることにより、最高部32aでの厚みの平均値を高精度に制御するだけでなく、有効領域22内の最高部32aの厚みのばらつきを効果的に低減し、有効領域22内に位置する各最高部32aでの厚みのそれぞれを精度良く制御することが可能となる。この結果、最高部厚み割合を65%以下とすることにより、第1凹部30の配列によらず且つ蒸着マスク20をなす金属板21の板厚にもよらず、シャドウの発生を効果的に防止することができた。このような作用効果は、貫通孔の壁面の傾斜角度のみを考慮していた従来の技術水準から予測される範囲を超えた顕著なものである。
一方、上述したように、蒸着マスクの法線方向に沿った周囲領域23内の最大厚みTbに対する蒸着マスクの法線方向に沿った有効領域22内の最大厚みTaの割合(最高部厚み割合)は、蒸着マスクの強度の観点から、一定以上となっていることが好ましい。蒸着マスク20はフレーム15に張設される。最高部厚み割合が低い蒸着マスクは、張設時に変形してしまう。結果として、最高部厚み割合が低い蒸着マスクでは、所望のパターンでの蒸着を実施できなくなってしまう。具体的には、最高部厚み割合を低くしていくと、蒸着材料を蒸着されるべき基板上において蒸着材料を配置すべき位置(設計位置)から蒸着材料が実際に蒸着した位置までのずれ量の平均値を小さく抑えることはできても、このずれ量のばらつきが大きくなってしまう。この点ついて本件発明者が検討を行ったところ、最高部厚み割合(Ta/Tb)が45%以上になっていれば、少なくとも有機EL表示装置の製造時に有機材料を基板に蒸着する際に用いられる一般的な開口率を有する蒸着マスクの変形を十分に防止することができ、この蒸着マスクにより、市販の表示装置に要求されている精度での蒸着を実施することができた。
さらに、本件発明者は鋭意研究を重ねた結果として、貫通孔25(これにともなって第1凹部30)を格子配列で配列することが、張設時における蒸着マスク20の変形を抑制する観点において、有効であることを知見した。貫通孔25(これにともなって第1凹部30)が格子配列で配列されている蒸着マスク20においては、最高部厚み割合(Ta/Tb)を35%にしても、少なくとも有機EL表示装置の製造時に有機材料を基板に蒸着する際に用いられる一般的な開口率を有する蒸着マスクの変形を十分に防止することができ、この蒸着マスクにより、市販の表示装置に要求されている精度での蒸着を実施することができた。
ここで、本件発明者が行った実験結果の一部を説明する。ここでは、貫通孔が格子配列で配列された第1の蒸着マスクに関する実験結果と、貫通孔が千鳥配列で配列された第2の蒸着マスクに関する実験結果とについて説明する。なお、製造対象となる蒸着マスクの貫通孔の配列は、図20及び図21に示す通りとした。なお、図20に示された格子配列において、貫通孔は、x軸方向に所定ピッチで配列され且つx軸と直交するy軸方向にも所定ピッチで配列されている。図21に示された千鳥配列では、y軸方向に並んだ貫通孔群が、当該貫通孔群とx軸方向に隣り合う他の貫通孔群と、貫通孔のy軸方向への配列ピッチの半分だけずれて配置されている点において、図20に示された格子配列と異なっている。
まず、上述の蒸着マスクの製造方法にて、金属板に第1凹部及び第2凹部を形成して、第1凹部及び第2凹部からなる貫通孔を有する蒸着マスクを製造した。この蒸着マスクにおいて、各第1凹部の壁面が、その全周に亘って当該凹部の周囲に位置する他のいずれかの凹部の壁面と合流する、或いは、その全周のうちの一部分において当該凹部の周囲に位置する他のいずれかの凹部の壁面と合流し且つその全周のうちの他の部分において前記周囲領域をなすようになる領域内に延びて前記金属板の前記第1面と接続するようにした。蒸着マスクの原材料となる金属板は、インバー材とした。インバー材の厚みは、表1〜表8に示すように種々の厚みとした。また、各厚みの金属板において、最高部厚み割合の目標値も、表1〜8に示すように種々変更した。
実際に製造された各蒸着マスクについて、第1凹部の配列に応じて厚みが最大となる最高部における厚みを、300箇所の最高部について測定し、それぞれ、最高部厚み割合を算出した。算出された最高部厚み割合から、平均値および標準偏差σを算出した。最高部における厚みの測定は、オリンパス株式会社製のレーザー測長器(OLS−3000)を用いた。なお、図20に示された格子配列では、四つの貫通孔の間となる位置に最高部32aが形成されていた。一方、図21に示された千鳥配列では、図21に示すように、y軸方向に隣り合う二つの貫通孔の間に位置する線状領域ls内、例えば線状領域lsのx軸方向における中央となる位置や線状領域lsのx軸方向における端となる位置に、最高部32aが形成されていた。
貫通孔が格子配列で配列された各第1の蒸着マスクについての最高部厚み割合の標準偏差σ×3の値を表1に示す。ここで標準正規分布のグラフ確率変数XがN(μ,σ)に従う時、平均μからのずれが±1σ以下の範囲にXが含まれる確率は68.27%、±2σ以下だと95.45%、さらに±3σだと99.73%となる。すなわち、σ×3は、最高部厚み割合のばらつきの範囲を予測するための指標となる。また、各第1の蒸着マスクについての最高部厚み割合の実測平均値の値を表2a及び表2bに示す。最高部厚み割合の実測平均値は、目標値±1.5%以内となっていた。また、表1の結果からは、最高部厚み割合を65%以下にすると、各第1の蒸着マスク内において最高部での厚みが安定することが、理解され得る。なお、格子配列以外の蒸着マスクについても、表1と同様の結果が得られた。
Figure 2014218749
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次に、製造された各蒸着マスクをフレームに張設して蒸着マスク装置を作製した。作製された蒸着マスク装置を用いて、ガラス基板上に蒸着材料としての有機材料を蒸着させて、有機EL表示装置用基板を想定したサンプルを作製した。その後、各サンプルについて、シャドウの発生の有無を確認した。貫通孔が格子配列で配列された各第1の蒸着マスクについてのシャドウの有無の確認結果を表2a及び表2bに示す。表2a及び表2bに示すように、最高部での厚みが安定しなかった最高部厚み割合が70%となっている蒸着マスクを用いた場合、シャドウが発生していた。
また、各サンプルについて、蒸着材料の設計上の配置位置からのずれ量、すなわち、蒸着材料を蒸着されるべきガラス基板上において蒸着材料を配置すべき位置(設計位置)から蒸着材料が実際に蒸着した位置までのずれ量を300箇所測定し、ずれ量の測定値から標準偏差σを算出した。標準偏差σ×3の値を表4〜表8に示す。貫通孔が格子配列で配列された各第1の蒸着マスクについての標準偏差σ×3の値は、表2a及び表2bにも示した。表2a及び表2bにおいては、「標準偏差σ×3」が10.0〔μm〕以下となり且つシャドウが発生しなかったサンプルに対して総合評価の欄に○を付している。「標準偏差σ×3」≦10.0〔μm〕以下との基準は、市販されている有機EL表示装置を作製する際に要求される有機材料の付着精度よりも高精度な基準となっている。
表4〜表8に示すように、貫通孔が格子配列で配列された第1の蒸着マスクは、貫通孔が千鳥配列で配列された第2の蒸着マスクと比較して、蒸着材料の蒸着位置のずれ量のばらつきを抑制することができた。表2a及び表2bに示すように、貫通孔が格子配列で配列された第1の蒸着マスクでは、最高部厚み割合を35%以上とすることで、蒸着材料の蒸着位置のずれのばらつきを抑制すること、すなわち、所望のパターンで蒸着材料を蒸着することができた。表3〜表8に示すように、貫通孔が千鳥配列で配列された第2の蒸着マスクでは、最高部厚み割合を45%以上とすることで、蒸着材料の蒸着位置のずれのばらつきを抑制すること、すなわち、所望のパターンで蒸着材料を蒸着することができた。なお、貫通孔の形状を正方形形状から円形状や長方形形状に変更した蒸着マスクや、さらに貫通孔をなす四角形の向きを変更した蒸着マスクについても、貫通孔の配列が格子配列であれば表2a、表2b、表3〜表8の格子配列と同様の結果が得られ、また、貫通孔の配列が千鳥配列であれば表3〜表8の千鳥配列と同様の結果が得られた。
Figure 2014218749
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なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いており、重複する説明を省略する。
まず、第1の変形例として、長尺の金属板64への貫通孔25の形成方法を変更することができる。上述した実施の形態において、第2凹部35を形成する工程が、第1凹部30を形成する工程の前に実施されるようにしたが、これに限られず、第1凹部30を形成する工程が、第2凹部35を形成する工程の前に実施されるようにしてもよいし、さらには、金属板21,64が第1面21a,64aおよび第2面21b,64bの側から同時にエッチングされ、第1凹部30を形成する工程および第2凹部35を形成する工程が並行して行われるようにしてもよい。また、第1凹部30を形成する際のエッチングによる長尺金属板64の浸食量が、第2凹部35を形成する際のエッチングによる長尺金属板64の浸食量よりも多いことから、図15に示すように、金属板21,64が第1面21a,64aおよび第2面21b,64bの両側から同時にエッチングされ、第1凹部30を形成する工程および第2凹部35を形成する工程が並行して行われ、その後、第1凹部30を形成する工程のみが引き続き行われるようにしてもよい。
また、上述した実施の形態において、長尺金属板64の第1面64a上へのレジストパターン65aの作製と、長尺金属板64の第2面64bへのレジストパターン65bの作製との両方が、第1凹部30及び第2凹部35の形成の前に実施されていたが、これに限られない。例えば、レジストパターン65a,65bの一方を作製して作製されたレジストパターンを利用して一方の凹部を形成し、次に、他方のレジストパターンを作製して作製されたレジストパターンを利用して他方の凹部を形成するようにしてもよい。
次に、第2の変形例を説明する。上述した実施の形態では、第2凹部35がエッチングで形成される例を示したがこれに限られない。図16に示すように、まず、金属板21,64の第1面21a,64aの側からエッチングにより第1凹部30を形成し、次に、図17に示すように、レーザー照射機80を用いて第1凹部30内にレーザー光を照射することにより、第1凹部30の内部から金属板21,64の第2面21b,64bまで到達する第2凹部35を形成するようにしてもよい。
図16に示すように、第1凹部30は、レジストパターン65aを用いて金属板21,64を第1面21a,64aの側からハーフエッチングすることにより作製されている。このとき、上述した実施の形態と同様に、金属板21,64を第1面21a,64aの側からエッチングして、隣り合う二つの第1凹部30が合流し、さらに、少なくとも一つの第1凹部30の壁面31が、その全周に亘って、当該一つの第1凹部30の周囲に位置する他のいずれかの第1凹部30の壁面31と合流するようにすれば、上述した実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
加えて、図17に示すように、レーザー光をハーフエッチングされた第一面(64a)側から照射した場合、一般的にレーザー光の光束のエネルギー密度が中央部が高く外周部が低くなるという性質から、レーザー光の照射によって形成された第2凹部35は、第1凹部30と同様に、蒸着マスク20の法線方向に沿った一方の側から他方の側へ向けて、幅が狭くなっていく、言い換えると断面積が小さくなっていくようにすることができる。このようにして形成された蒸着マスク20によれば、貫通孔25が全体として蒸着マスク20の第1面20aの側から第2面20bの側へ向けて先細りしていくので、蒸着材料98の利用効率を改善しながら、且つ、蒸着膜の周縁をはっきりさせることができる。
次に、第3の変形例を説明する。上述した実施の形態では金属板21,64に貫通孔25を形成することによって蒸着マスク20を作製する例を示したが、これに限られない。図18に示すように、金属板21(64)と金属板21(64)に積層された樹脂層50とを有する積層体51の金属板21(64)側からエッチングすることにより、金属板21(64)を貫通して樹脂層50まで到達する第1凹部30を形成し、次に、レーザー照射機80を用いて第1凹部30内にレーザー光を照射することにより、樹脂層50を貫通する第2凹部35を形成するようにしてもよい。
図18に示すように、第1凹部30は、レジストパターン65aを用いて金属板21,64をエッチングすることにより作製されている。このとき、上述した実施の形態と同様に、金属板21,64をエッチングして、隣り合う二つの第1凹部30が合流し、さらに、少なくとも一つの第1凹部30の壁面31が、その全周に亘って、当該一つの第1凹部30の周囲に位置する他のいずれかの第1凹部30の壁面31と合流するようにすれば、上述した実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
加えて、図19に示すように、レーザー光の照射によって形成された第2凹部35は、第1凹部30と同様に、蒸着マスク20の法線方向に沿った一方の側から他方の側へ向けて、幅が狭くなっていく、言い換えると断面積が小さくなっていくようにすることができる。このようにして形成された蒸着マスク20によれば、貫通孔25が全体として蒸着マスク20の第1面20aの側から第2面20bの側へ向けて先細りしていくので、蒸着材料98の利用効率を改善しながら、且つ、蒸着膜の周縁をはっきりさせることができる。
さらに他の変形例として、上述した実施の形態では、互いに異なる二つの配列方向のそれぞれに沿って配列された複数の貫通孔25を作製する上で、一つの貫通孔25に対して一つの第1凹部30及び一つの第2凹部35を形成する例を示したが、これに限られない。例えば、貫通孔25の一方の配列方向に延びる細長状の第1凹部30を作製し、この細長状の第1凹部30に対面する位置に複数の第2凹部35が形成されるようにしてもよい。このような例においても、隣り合う二つの第1凹部30が合流し、さらに、少なくとも一つの第1凹部30の壁面31が、その全周に亘って、当該一つの第1凹部30の周囲に位置する他のいずれかの第1凹部30の壁面31と合流するようにすれば、上述した実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
さらに他の変形例として、蒸着マスク20に形成される貫通孔25のパターンを変更してもよい。上述の実施の形態で説明した貫通孔25の配列パターンは例示に過ぎず、種々のパターンにて貫通孔25が配列された蒸着マスク20を製造してもよい。
さらに他の変形例として、上述した実施の形態では、長尺の金属板64に貫通孔25を形成した後に、切断装置73によって長尺金属板64を枚葉状の金属板21に切断する例を示したが、これに限られない。例えば上述した変形例のように、レーザー光の照射によって第2凹部35を作製する場合には、まず、長尺の金属板64(長尺の積層体51)に第1凹部30を形成し、次に、切断装置73によって長尺金属板64(長尺積層体51)を枚葉状の金属板21(枚葉状の積層体51)に切断し、その後、枚葉状の金属板21(枚葉状の積層体51)に第2凹部35を形成するようにしてもよい。
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
20 蒸着マスク
20a 蒸着マスクの第1面
20b 蒸着マスクの第2面
21 金属板
21a 金属板の第1面
21b 金属板の第2面
22 有効領域
23 周囲領域
25 貫通孔
30 第1凹部
31 壁面
35 第2凹部
36 壁面
64 長尺金属板
64a 長尺金属板の第1面
64b 長尺金属板の第2面

Claims (16)

  1. 複数の貫通孔が形成された有効領域と、前記有効領域の周囲に位置する周囲領域と、を備える蒸着マスクを製造する方法であって、
    互いに対向する第1面および第2面を有する金属板の第1面上に配置されたレジストパターンをマスクとして前記第1面の側から前記金属板をエッチングし、前記有効領域をなすようになる前記金属板の領域内に、前記貫通孔を画成するようになる凹部を第1面の側から形成する工程を備え、
    前記凹部を形成する工程において、エッチングによる浸食が金属板の板面に沿った方向にも進み、前記レジストパターン下にて隣り合う二つの凹部が合流し、さらに、少なくとも一つの凹部の壁面が、その全周に亘って、当該一つの凹部の周囲に位置する他のいずれかの凹部の壁面と合流する、蒸着マスクの製造方法。
  2. 前記凹部の壁面が、その全周に亘って当該凹部の周囲に位置する他のいずれかの凹部の壁面と合流する、或いは、その全周のうちの一部分において当該凹部の周囲に位置する他のいずれかの凹部の壁面と合流し且つその全周のうちの他の部分において前記周囲領域をなすようになる領域内に延びて前記金属板の前記第1面と接続する、請求項1に記載の蒸着マスクの製造方法。
  3. 前記凹部を形成する工程において、前記レジストパターンが、前記有効領域をなすようになる前記金属板の全領域内で、前記金属板から離間する、請求項1または2に記載の蒸着マスクの製造方法。
  4. 前記凹部を形成する工程において、エッチングによる前記第1面の浸食が、前記有効領域をなすようになる前記金属板の全領域内で、進む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の蒸着マスクの製造方法。
  5. 前記凹部を形成する工程において、前記隣り合う二つの凹部が合流してなる合流部分が前記レジストパターンから離間して、前記レジストパターン下となる当該合流部分において、エッチングによる浸食が金属板の法線方向にも進み、前記合流部分が面取される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の蒸着マスクの製造方法。
  6. 前記金属板の前記第2面上に配置されたレジストパターンをマスクとして前記第2面の側から前記金属板をエッチングし、第2凹部を前記第2面の側から形成する工程を、さらに備え、
    前記凹部と前記第2凹部が接続して前記貫通孔が形成されるように、前記凹部及び前記第2凹部が形成される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の蒸着マスクの製造方法。
  7. 前記金属板を貫通しないように前記第1面の側から形成された各凹部内にレーザー光を照射して、当該凹部の内部から前記金属板の前記第2面まで到達する第2凹部を形成する工程を、さらに備え、
    前記凹部と前記第2凹部が接続して前記貫通孔が形成されるように、前記凹部及び前記第2凹部が形成される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の蒸着マスクの製造方法。
  8. 複数の貫通孔が形成された有効領域と、
    前記有効領域の周囲に位置する周囲領域と、を備え、
    前記有効領域において、前記蒸着マスクの法線方向に沿った一方の側に、当該一方の側へ向けて幅が広くなっていく複数の凹部が設けられ、且つ、この凹部が貫通孔を画成し、
    少なくとも一つの凹部の壁面が、その全周に亘って、当該凹部の周囲に位置する他のいずれかの凹部の壁面と合流している、蒸着マスク。
  9. 前記凹部の前記壁面が、その全周に亘って当該凹部の周囲に位置する他のいずれかの凹部の壁面と合流している、或いは、その全周のうちの一部分において当該凹部の周囲に位置する他のいずれかの凹部の壁面と合流し且つその全周のうちの他の部分において前記周囲領域内に延びている、請求項8に記載の蒸着マスク。
  10. 前記有効領域内の全領域において、前記蒸着マスクの一方の側の面は、凹凸面となっている、請求項8または9に記載の蒸着マスク。
  11. 前記凹部の前記壁面と前記他の凹部の前記壁面とが合流することによって稜線が形成され、前記蒸着マスクの法線方向に沿った前記稜線の高さは変動する、請求項8〜10のいずれか一項に記載の蒸着マスク。
  12. 前記他の凹部の前記壁面に合流する前記凹部の前記壁面の、前記蒸着マスクの法線方向に沿った高さは、当該凹部によって画成される貫通孔の貫通部からの前記蒸着マスクの板面に沿った距離が長くなると、高くなる、請求項8〜11のいずれか一項に記載の蒸着マスク。
  13. 前記蒸着マスクの法線方向に沿った断面において、二つの凹部の壁面が合流する合流部分の外輪郭は、面取された形状となっている、請求項8〜12のいずれか一項に記載の蒸着マスク。
  14. 前記蒸着マスクの法線方向に沿った断面において、二つの凹部の壁面が合流する合流部分の外輪郭は、前記蒸着マスクの法線方向に沿った一方の側へ向けて凸な曲線状である、請求項8〜13のいずれか一項に記載の蒸着マスク。
  15. 前記有効領域において、前記蒸着マスクの法線方向に沿った他方の側に、当該他方の側へ向けて幅が広くなっていく第2凹部が設けられ、前記凹部と前記第2凹部が接続して前記貫通孔が形成されている、請求項8〜14のいずれか一項に記載の蒸着マスク。
  16. 前記有効領域において、前記蒸着マスクの法線方向に沿った他方の側に、当該他方の側へ向けて幅が狭くなっていく第2凹部が設けられ、前記凹部と前記第2凹部が接続して前記貫通孔が形成されている、請求項8〜14のいずれか一項に記載の蒸着マスク。
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