以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。包装装置1は、台紙等の台座2上に載置された物品3の上側をフィルム24で覆い、物品3を台座2に固定することによって、物品3を包装する。以下、このようにして物品3を包装することを、「台座2及び物品3を包装する」という。包装装置1は、図1の右斜め下側から左斜め上側に向けて、物品3が載置された台座2を搬送し、台座2及び物品3を包装する。図1の上側、下側、左斜め下側、及び右斜め上側を、夫々、包装装置1の上側、下側、右側、及び左側という。図1の右斜め下側及び左斜め上側を、夫々、搬送方向の上流側及び下流側という。
図1から図3に示すように、包装装置1は筐体800を備える。筐体800の形状は、上下方向を長手方向とする略直方体である。筐体800は、上筐体801及び下筐体803を備える。下筐体803の形状は、左右方向を長手方向とする略直方体である。上筐体801は、2つの立設部802A及び架設部802Bを備える。2つの立設部802Aは、夫々、下筐体803の左右両端部から上方に延びる。架設部802Bは、2つの立設部802Aの夫々の上端部の間に架設される。2つの立設部802Aの夫々は、側板部11(図4、図5参照、後述)を左右方向の外側から覆う。架設部802Bは、フィルムカセット21(図4、図5参照、後述)を上側から覆う。
筐体800の内部には、下筐体803、2つの立設部802A、及び架設部802Bで囲まれた台座通過部805が形成される。台座通過部805は、搬送機構50(図6参照、後述)によって搬送される搬送部60(図6参照、後述)に取り付けられている台座2が通過可能な、筐体800の内部領域である。
(1)受け台12、13
図1及び図2に示すように、下筐体803の上流側の側面の上端部から上流側に向けて、受け台12が水平方向に延びる。下筐体803の下流側の側面の上端部分から下流側に向けて、受け台13が水平方向に延びる。受け台12、13の形状は、搬送方向を長手方向とする平面視略長方形の箱状である。脚部121は受け台12の下側に設けられ、受け台12を下方から支持する。脚部131は受け台13の下側に設けられ、受け台13を下方から支持する。受け台12は、台座通過部805に向けて搬送される台座2を上面で受ける。受け台13は、包装が完了した台座2及び物品3を上面で受ける。以下、受け台12の上面を「受け面12A」といい、受け台13の上面を「受け面13A」という。受け台12、13が水平方向に延びた状態で、受け面12A、13Aの夫々は水平となる。
受け台12は下流側を支点として揺動可能であり、受け台13は上流側を支点として揺動可能である。図3は、受け台12、13が垂直方向に延びた状態を示している。この状態では、受け面12A、13Aは、受け台12、13を支持する側板部11(図4、図5参照)に近接し、垂直となる。受け台12のうち受け面12Aと反対側の面である裏面12Bに、把手169が設けられる。受け台13のうち受け面13Aと反対側の面である裏面13Bに、把手179が設けられる。
図2に示すように、ユーザは、把手169、179の夫々を掴んで受け台12、13を手動で揺動させ、受け面12A、13Aの夫々が水平となるように切り替える。これによって、包装装置1は、台座2及び物品3の包装が可能な状態になる。受け面12A、13Aは同一平面を形成するので、台座2をスムーズに搬送できる。以下、受け面12A、13Aによって形成される平面であって、搬送される台座2の経路部分を、「搬送経路103」(図13参照)という。図3に示すように、ユーザは、受け台12、13を手動で揺動させ、受け面12A、13Aの夫々が垂直となるように切り替えることもできる。受け台12、13は、台座通過部805を塞ぐ。これによって、包装装置1は、設置スペースが小さくなり、且つ持ち運び容易な状態になる。
図4及び図5に示すように、包装装置1は、底部10及び側板部111、112を備える。底部10の形状は、平面視矩形状である。側板部111は、底部10の右端部から上方垂直方向に延びる。側板部112は、底部10の左端部から上方垂直方向に延びる。以下、側板部111、112を総称し、「側板部11」という。側板部11の形状は、上下方向を長手方向とする略長方形の板状である。側板部111、112の各内面は対向する。受け台12のうち側板部11に近接する部分を、揺動軸129(図6参照)が左右方向に貫通する。揺動軸129の左右方向両端は、側板部11によって支持される。受け台12は、揺動軸129を中心に揺動する。受け台13のうち側板部11に近接する部分を、揺動軸139(図6参照)が左右方向に貫通する。揺動軸139の左右方向両端は、側板部11によって支持される。受け台13は、揺動軸139を中心に揺動する。
(2)搬送機構50
図6に示すように、受け台12、13の右端部及び左端部に、夫々、ベルト511、512が設けられる。以下、ベルト511、512を総称して、「ベルト51」ともいう。ベルト51は無端状であり、内側面に歯を有する。ベルト511は、左右方向を中心に回転可能な複数のプーリ521、523、524、525、527に架設される。ベルト512は、左右方向を中心に回転可能な複数のプーリ531、533、534、535、537に架設される。以下、説明を容易とする為、受け面12A、13Aが水平となった状態を例に挙げて説明する。
図4、図5に示すように、ベルト51のうち受け台12の左右端部に配置する部分の夫々は、一対のカバー122の夫々によって外側から覆われる。ベルト51のうち受け台13の左右端部に配置する部分の夫々は、一対のカバー132の夫々によって外側から覆われる。カバー122、132の夫々は、受け面12A、13A側を覆わない為、ベルト51は受け面12A、13A側に露出する。図6では、ベルト51を覆うカバー122、132は省略されている。
図6に示すように、プーリ521は、受け台13の右側面の下流側に回転可能に設けられる。プーリ527は、受け台12の右側面の上流側に回転可能に設けられる。プーリ521、527は、ベルト511の内側に接触し、ベルト511を回転可能に支持する。プーリ523、525は、夫々、側板部111(図4参照)の左側面の下流側及び上流側に配置される。プーリ523、525は、ベルト511の外側に接触し、ベルト511を回転可能に支持する。プーリ524は側板部111(図4、図5参照)の左側面の搬送方向略中央に配置される。プーリ524は、ベルト511の内側に接触する。プーリ524は、外側面に歯を有し、ベルト511の内側の歯と係合する。
なお、受け台12、13の左側に設けられたプーリ531、533、534、535、537の形状及び配置は、上記したプーリ521、523、524、525、527の夫々の形状及び配置と同一である。
プーリ524、534は、左右方向に延びる軸59によって連結される。プーリ524の右側面から、軸581が右方に延びる。軸581の先端に平歯車58が設けられる。受け台13の上流側部分の下側に、第二モータ222が設けられる。第二モータ222の回転軸は右方に延びる。第二モータ222の回転軸の先端に平歯車56が設けられる。平歯車56、58間に、複数の平歯車によって構成された伝達部57が設けられる。伝達部57は、平歯車56の回転駆動力を平歯車58に伝達する。
平歯車56、58、及び伝達部57は、第二モータ222の回転駆動力をプーリ524に伝達することによって、プーリ524を回転させる。プーリ524、534は軸59によって連結されている為、プーリ524の回転に伴ってプーリ534が回転する。プーリ524、534は、夫々、ベルト511、512を回転させる。ベルト51は、右側面視にて反時計回りの方向に回転することによって、外側面に設けられた搬送部60を上流側及び下流側に搬送する。以下、ベルト51、搬送部60、第二モータ222、及び伝達部57を総称し、「搬送機構50」という。
搬送部60を説明する。図6に示すように、ベルト511、512の夫々の外側面に、台座2を着脱可能な搬送部60が設けられる。搬送部60は、第一搬送部61、及び第二搬送部62を備える。第一搬送部61及び第二搬送部62は、ベルト51の延びる方向、即ち搬送方向に離間している。
図7及び図8に示すように、第一搬送部61は、第一突出部611、第一延設部612、及び爪部613を備える。第一突出部611は、ベルト51の外側面に対して垂直方向且つ外方向に突出する。第一延設部612は、第一突出部611の上端部から上流側に向けて、ベルト51と平行に延びる。ベルト51と第一延設部612とで挟まれる部分に空間が形成される。第一搬送部61は、上流側の側面のうちベルト51に近接する部分が、下流側に凹んだ形状になる。第一突出部611のうちベルト51と接触する側の部分に爪部613が設けられる。爪部613はベルト51を挟むことによって、第一搬送部61をベルト51に固定する。
第二搬送部62は、第二突出部621、第二延設部622、及び爪部623を備える。第二突出部621は、ベルト51の外側面に対して垂直方向且つ外方向に突出する。第二延設部622は、第二突出部621の上端部から下流側に向けて、ベルト51と平行に延びる。ベルト51と第二延設部622とで挟まれる部分に空間が形成される。第二搬送部62は、下流側の側面のうちベルト51に近接する部分が、上流側に凹んだ形状になる。第二突出部621のうちベルト51と接触する部分に爪部623が設けられる。爪部623はベルト51を挟むことによって、第二搬送部62をベルト51に固定する。
搬送経路103を説明する。搬送部60はベルト51の回転に伴って、搬送経路103に沿って移動する。このとき、搬送部60に取り付けられている台座2も、搬送経路103に沿って移動する。したがって、搬送経路103は、台座2の経路部分のみならず、搬送部60の経路部分とも同義である。搬送経路103は、搬送部60の位置として、第一〜第五位置を含む。
図7及び後述の図32は、搬送部60が第一位置にある状態を示す。第一位置は、フィルム24によって包装される前の台座2が搬送部60に取り付けられる、搬送部60の位置である。第一位置は、搬送部60が受け台12の受け面12Aから上方に突出し、且つ、ユーザが受け面12Aに台座2を取り付け可能な、搬送部60の原点位置である。第一位置の搬送部60は、台座通過部805の上流側、且つ、受け台12の搬送方向中央部よりも若干下流側に配置される。第一位置の搬送部60に取り付けられている台座2の位置を、開始位置という。開始位置は、フィルム24によって包装される前の台座2が配置される、台座2の位置である。開始位置の台座2は、台座通過部805から上流側に離間した状態で、受け面12A上に配置される。
図8及び後述の図41は、搬送部60が第二位置にある状態を示す。第二位置は、フィルム24によって包装された後の台座2が搬送部60から取り外される、搬送部60の位置である。搬送部60が第二位置にある場合、搬送部60が受け面13Aから上方に突出し、且つ、ユーザが受け面13Aから台座2を取り外し可能である。第二位置の搬送部60は、台座通過部805の下流側、且つ、受け台13の下流側端部の近傍に配置される。第二位置の搬送部60に取り付けられている台座2の位置を、終了位置という。終了位置は、フィルム24によって包装された後の台座2が配置される、台座2の位置である。終了位置の台座2は、台座通過部805から下流側に離間した状態で、受け面13A上に配置される。
後述の図33、図34は、搬送部60が第三位置にある状態を示す。第三位置は、後述の加熱部86(図15参照)が台座2の下流側端部である第一台座端部928(図18参照)にフィルム24を接着可能な、搬送部60の位置である。第三位置の搬送部60は、台座通過部805の内部、且つ、台座通過部805の搬送方向略中央より若干上流側に配置される。第三位置の搬送部60に取り付けられている台座2の位置を、前端接着位置という。前端接着位置は、加熱部86が第一台座端部928にフィルム24を接着可能な、台座2の位置である。台座2が前端接着位置にある場合、台座2の下流側部分が台座通過部805の内部に配置される。
後述の図37〜図40は、搬送部60が第四位置にある状態を示す。第四位置は、後述の加熱部86(図15参照)が台座2の上流側端部である第二台座端部929(図18参照)にフィルム24を接着可能な、搬送部60の位置である。第四位置の搬送部60は、台座通過部805の内部、且つ、台座通過部805の搬送方向略中央に配置される。第四位置の搬送部60に取り付けられている台座2の位置を、後端接着位置という。後端接着位置は、加熱部86が第二台座端部929にフィルム24を接着可能な、台座2の位置である。台座2が後端接着位置にある場合、台座2の搬送方向の中央部分が台座通過部805の内部に配置される。
後述の図35、図36は、搬送部60が第五位置にある状態を示す。第五位置は、後述の支持部34(図13参照)の昇降動作に干渉しない、搬送部60の位置である。第五位置の搬送部60は、受け台13の受け面13Aから上方に突出し、且つ、搬送部60が台座通過部805の下流側端部に隣接する。第五位置の搬送部60に取り付けられている台座2の位置を、回避位置という。回避位置は、台座2の全体が後述の移動経路104(図13参照)よりも下流側に配置される、台座2の位置である。台座2が回避位置にある場合、台座2の上流側部分が台座通過部805の内部に配置される。
第一〜第五位置の位置関係(言い換えると、開始位置、終了位置、前端接着位置、後端接着位置、回避位置の位置関係)は、以下のように定義できる。搬送方向の下流側は、第一位置(開始位置)から第二位置(終了位置)に向かう方向である。搬送方向の上流側は、第二位置(終了位置)から第一位置(開始位置)に向かう方向である。第一〜第三位置(前端接着位置、後端接着位置及び回避位置)は、第一位置(開始位置)と第二位置(終了位置)との間に設けられる。第五位置(回避位置)は、第四位置(後端接着位置)よりも下流側に設けられる。第三位置(前端接着位置)は、第四位置(後端接着位置)よりも上流側に設けられる。本実施形態では、第一位置と第二位置との距離は、640.0mmである。なお、搬送部60に取り付けられた台座2が開始位置から前端接着位置に搬送される場合に、台座2は台座通過部805に進入可能である。
(3)フィルムカセット21
図9に示すように、側板部111、112の夫々の上端部の間に、板状の架設板117が架設される。架設板117の上側、且つ、側板部112の右側面に、後述のトルク調節機構40が設けられる。トルク調節機構40は、側板部112と平行に延びる支持板19の左側に支持される。トルク調節機構40の上流側、下流側、及び右側を覆う壁板18のうち、トルク調節機構40の右側を覆う部分の上端に、下方に凹んだ凹部18Aが設けられる。
図10に示すように、フィルムカセット21の形状は略円筒状である。フィルムカセット21は、フィルム24が軸に巻回されたフィルムロール22(図11参照)を内部に収容する。フィルムカセット21は、フィルムロール22に巻回されたフィルム24の幅方向に延びる排出口(図示外)を下側に備える。フィルムロール22から繰り出されるフィルム24は、排出口から下方に排出される。
フィルムカセット21の軸線方向と直交する2つの側壁のうち、フィルムカセット21が包装装置1に装着された状態で左側に配置される側壁に、左側に突出する突出部25が設けられている。突出部25の形状は角柱状である。突出部25は、フィルムカセット21の軸線に沿って延びる。突出部25の周壁の後側に穴(図示外)が設けられる。突出部25が壁板18の凹部18A(図9参照)に嵌るように、フィルムカセット21は架設板117の上側に装着される。
図11に示すように、フィルムロール22の軸の両端の夫々にフランジ27が設けられる。2つのフランジ27のうち、フィルムカセット21が包装装置1に装着された状態で左側に配置されるフランジ27に、左側に突出するフィルムギヤ26が設けられる。フィルムギヤ26は、フィルムロール22の軸の軸線に沿って延びる。フィルムギヤ26は、フィルムカセット21の突出部25(図10参照)の内部に配置される。フィルムギヤ26の一部は、突出部25の周壁に設けられた穴から露出する。フィルムギヤ26は、フィルムロール22からフィルム24が繰り出されることに伴い回転する。
(4)トルク調節機構40
図10、図11に示すように、トルク調節機構40は、第一ギヤ41、第二ギヤ42、第三ギヤ43、第四ギヤ44、第一負荷431、第二負荷441、レバー47等を備える。第一ギヤ41〜第四ギヤ44は平歯車である。第一負荷431及び第二負荷441はクラッチばねである。
レバー4は、支持板19の左側に配置される。支持板19から左右方向両側に水平に延びる揺動軸476が、レバー4に挿通する。板状の固定部48は、支持板19の左側に支持される。レバー47が挿通する貫通穴481が、固定部48に設けられる。レバー47は、揺動軸476を中心として、貫通穴481の内側で揺動可能である。レバー47は、貫通穴481に含まれる三つの丸穴482、483、484のいずれかに位置決めされることで、三つの異なる傾斜角度に変位可能である。
第一ギヤ41は支持板19の右側に配置する。揺動軸476に第一ギヤ41が回転可能に支持される。第一ギヤ41及びレバー47は、支持板19を挟んで対向する。第一ギヤ41は、レバー47が揺動軸476を中心として揺動した場合でも揺動しない。第二ギヤ42は支持板19の右側に配置する。レバー47の下端部から、揺動軸476と平行に回転軸477が延びている。回転軸477は、揺動軸476よりも下側で、第二ギヤ42を回転可能に支持する。回転軸477は、支持板19に設けられた長穴191を貫通して右側に突出し、第二ギヤ42に連結する。第二ギヤ42及びレバー47は、支持板19を挟んで対向する。第二ギヤ42は、レバー47が揺動軸476を中心として揺動することに伴って揺動する。第二ギヤ42の径は、第一ギヤ41の径と略同一である。
第一ギヤ41及び第二ギヤ42は噛合する。揺動軸476と回転軸477との間の距離は、レバー47が揺動しても一定である為、第一ギヤ41及び第二ギヤ42は、常に噛合した状態になる。なお、第一ギヤ41は、フィルムカセット21が包装装置1に装着された状態で、突出部25の周壁に設けられた穴から露出するフィルムギヤ26に嵌合する。第一ギヤ41は、フィルムロール22からフィルム24が繰り出されることに伴いフィルムギヤ26が回転した場合、回転する。第二ギヤ42は、第一ギヤ41の回転に伴い回転する。
第一ギヤ41の下流側に第三ギヤ43が設けられる。フィルムカセット21が包装装置1に装着された場合のフィルムギヤ26の下側に、第四ギヤ44が設けられる。第三ギヤ43及び第四ギヤは、夫々、支持板19の右側に配置される。第三ギヤ43及び第四ギヤの径は、第一ギヤ41及び第二ギヤ42の径と略同一である。第三ギヤ43の回転軸は、支持板19に設けられた穴を貫通して左方に水平に延び、第一負荷431に接続する。第四ギヤ44の回転軸は、支持板19に設けられた穴を貫通して左方に水平に延び、第二負荷441に接続する。第一負荷431及び第二負荷441は、夫々、第三ギヤ43及び第四ギヤ44の夫々にトルクを加える。第二負荷441が第四ギヤ44に加えるトルクの強さは、第一負荷431が第三ギヤ43に加えるトルクの強さよりも大きい。
図10に示すように、レバー47が丸穴483に位置決めされている状態を、第一状態という。レバー47が第一状態にある場合、第二ギヤ42は、第三ギヤ43及び第四ギヤ44の何れとも噛合しない。第一負荷431が第三ギヤ43に加えるトルク、及び、第二負荷441が第四ギヤ44に加えるトルクは、フィルムギヤ26に伝わらない。従って、フィルムロール22から繰り出されたフィルム24に作用する張力は最も小さくなる。一例として、レバー47が第一状態にある場合、フィルム24に作用する張力は「1.0」(単位は重力キログラム)である。
図10の状態からレバー47が上流側に揺動すると、レバー47は丸穴482に位置決めされる。レバー47が丸穴482に位置決めされている状態を、第二状態という。レバー47が第二状態にある場合、第二ギヤ42は第三ギヤ43に噛合する。第四ギヤ44は第二ギヤ42に噛合しない。第一負荷431が第三ギヤ43に加えるトルクは、第二ギヤ42を介して第一ギヤ41に伝わる。従って、第一ギヤ41を介してフィルムギヤ26に小さなトルクが加えられることによって、フィルムロール22から繰り出されたフィルム24に作用する張力は、第一状態の場合よりも大きくなる。一例として、レバー47が第二状態にある場合、フィルム24に作用する張力は「3.5」(単位は重力キログラム)である。
図10の状態からレバー47が下流側に揺動すると、レバー47は丸穴484に位置決めされる。レバー47が丸穴484に位置決めされている状態を、第三状態という。レバー47が第三状態にある場合、第二ギヤ42は第四ギヤ44に噛合する。第三ギヤ43は第二ギヤ42に噛合しない。第二負荷441が第四ギヤ44に加えるトルクは、第二ギヤ42を介して第一ギヤ41に伝わる。従って、第一ギヤ41を介してフィルムギヤ26に大きなトルクが加えられることによって、フィルムロール22から繰り出されたフィルム24に作用する張力は、第二状態の場合よりも大きくなる。一例として、レバー47が第三状態にある場合、フィルム24に作用する張力は「5.0」(単位は重力キログラム)である。
(5)可動ローラ30
図4及び図5に示すように、側板部111の右側面に、上下方向に延びる箱状の突出部113が設けられる。側板部112の左側面に、上下方向に延びる箱状の突出部114が設けられる。突出部113、114の内部に、第一モータ221(図20参照)の回転によって駆動するキャリッジ(図示外)が設けられる。突出部113の内部のキャリッジは、突出部113の上流側の部分で支持板部351と接続する。支持板部351の左側に支持部341が接続する。突出部114の内部のキャリッジは、突出部114の上流側の部分で支持板部352と接続する。支持板部351、352の形状は板状である。支持板部352の右側に支持部342が接続する。
以下、支持部341、342を総称して「支持部34」という。支持部34は、誘導ローラ31、第一補助ローラ32、及び第二補助ローラ33(図12参照)を支持する。以下、誘導ローラ31、第一補助ローラ32、及び第二補助ローラ33を総称して「可動ローラ30」という。第一モータ221は、キャリッジを介して、支持板部351、352の夫々に接続する支持部34を上下方向に移動させることが可能である。
図12に示すように、可動ローラ30の形状は円柱形である。可動ローラ30は左右方向に延びる。可動ローラ30の左右方向の長さは、受け台12、13(図4、図5参照)の左右方向の長さと略同一である。支持部341、342は、可動ローラ30を軸心回りに回転自在に支持する。支持部34は、右側面視略逆L字状の板状部材である。誘導ローラ31は、支持部341、342の夫々のうち、搬送方向に延びる部分の下流側の端部で支持される。第一補助ローラ32は、支持部341、342の夫々のうち、誘導ローラ31が支持される部分の上流側の近傍で支持される。第二補助ローラ33は、支持部341、342の夫々のうち、搬送方向に延びる部分と上下方向に延びる部分との交差部分で支持される。
図13及び図14に示すように、誘導ローラ31、第一補助ローラ32、及び第二補助ローラ33は、下流側から上流側に順番に並ぶ。図4に示すように、支持部341の穴に螺子が締められることによって、支持部341は支持板部351に固定される。支持部342の穴に螺子が締められることによって、支持部342は支持板部352に固定される。支持板部351、352が上下方向に移動することに伴い、支持部34は上下方向に移動する。
支持部34は、支持部34の可動範囲の上端部である原点位置(図13参照)と、支持部34の可動範囲の下端部である下降位置(図14参照)との間を移動可能である。図13に示すように、支持部34が原点位置に変位した場合、支持部341、342の夫々のうち上下方向に延びる部分は、フィルムロール22を収容するフィルムカセット21(図4参照)の上流側の近傍に配置される。支持部341、342の夫々のうち搬送方向に延びる部分は、フィルムカセット21の下方に配置される。可動ローラ30はフィルムカセット21の下方に配置される。図14に示すように、支持部34が下降位置に変位した場合、支持部341、342の夫々のうち搬送方向に延びる部分は、搬送経路103の下側に配置される。
以下、支持部34の移動によって上下方向に移動する誘導ローラ31の経路を、「移動経路104」という。誘導ローラ31は、移動経路104に沿って、上誘導位置と下誘導位置との間を移動可能である。本実施形態では、上誘導位置と下誘導位置との距離は、161.5mmである。支持部34が原点位置にある場合、誘導ローラ31は上誘導位置にある。誘導ローラ31が上誘導位置に変位した場合、誘導ローラ31は搬送経路103を基準として加熱部86と異なる側(本実施形態では、搬送経路103の上側)に配置される。支持部34が下降位置にある場合、誘導ローラ31は下誘導位置にある。誘導ローラ31が下誘導位置に変位した場合、誘導ローラ31は搬送経路103を基準として加熱部86と同じ側(つまり、搬送経路103の下側)に配置される。搬送経路103と移動経路104とは交差する。搬送経路103と移動経路104とが交差する位置を、「交差位置105」という。
(6)切断部77
図15に示すように、側板部111(図4参照)の右側面に、右方に突出する突出部115が設けられる。側板部112(図4参照)の左側面に、左方に突出した突出部116が設けられる。突出部115、116間にガイドレール74が延びる。ガイドレール74に切断部77が設けられる。切断部77は、上面から上方に向けて突出する刃部771を備える。刃部771は左右方向に延びる。切断部77は、ガイドレール74に沿って左右方向に移動可能である。
ガイドレール74の下流側にキャリッジ(図示外)が配置される。キャリッジは切断部77に接続する。キャリッジは、突出部115内に設けられた第五モータ225(図20参照)によって駆動する。第五モータ225が駆動することによって、切断部77はガイドレール74に沿って左右方向に移動する。切断部77の可動範囲の左端部は、切断部77の原点位置である。切断部77が原点位置にある場合、刃部771がフィルムカセット21に収容されたフィルム24の左端部よりも左側に配置される。
図14に示すように、支持部34が下降位置に変位した場合、誘導ローラ31は下誘導位置に変位して、ガイドレール74の上方に配置される。誘導ローラ31と第一補助ローラ32との間に、切断部77から上方に延びる刃部771が配置される。この状態で、切断部77がガイドレール74に沿って原点位置から右方向に移動すると、刃部771はフィルム24を幅方向に切断できる。本実施形態では、切断部77の原点位置から可動範囲の右端部までの距離は、244.5mmである。
(7)台座ガイドローラ71、保持ローラ72
図15に示すように、側板部111、112(図4、図5参照)で挟まれる部分の上流側であって搬送経路103(図14参照)の下側に、台座ガイドローラ71が設けられる。台座ガイドローラ71は、軸部711及び複数のローラ部712を備える。軸部711は左右方向に延びる。複数のローラ部712は、軸部711の軸方向に等間隔に設けられる。複数のローラ部712は、搬送経路103に下側から接する。台座ガイドローラ71は、搬送経路103に沿って上流側から下流側に搬送される台座2を、受け台12、13間で下方から支持し、受け台12から受け台13に誘導する。図14に示すように、支持部34が下降位置に変位した場合、第二補助ローラ33は台座ガイドローラ71の上方近傍に配置される。
台座ガイドローラ71の下流側に、保持ローラ72が設けられる。保持ローラ72の形状は円柱形である。保持ローラ72は左右方向に延びる。保持ローラ72の右端部は、保持部781によって回転可能に支持される。保持ローラ72の左端部は、保持部782によって回転可能に支持される。以下、保持部781、782を総称し、「保持部78」という。保持部78は揺動可能である。保持部78は、第六モータ226(図20参照)によって揺動する。
図13及び図14に示すように、保持部78が揺動することによって、台座ガイドローラ71の下流側に保持ローラ72が近接配置される圧着位置(図13参照)と、台座ガイドローラ71に対して保持ローラ72が下方に離間した原点位置(図14参照)との間を移動する。本実施形態では、原点位置と圧着位置との間を保持ローラ72が移動する距離は、38.0mmである。図13に示すように、保持部78が圧着位置に変位した場合、保持ローラ72は搬送経路103に下側から接する。保持ローラ72は、台座ガイドローラ71の下流側に近接配置した状態で、フィルムカセット21(図3、図4参照)から排出されたフィルム24を、台座ガイドローラ71との間に挟み支持できる。
(8)加熱部86
図15及び図16に示すように、保持ローラ72の下流側の近傍に、加熱部86が設けられる。加熱部86は、3つの加熱ユニット87、保持部88、及び台座部89を備える。加熱ユニット87は上面にヒータ871を備える。ヒータ871は金属板によって構成された、抵抗加熱方式のヒータである。ヒータ871は、フィルム24に接触してフィルム24を加熱する。保持部88は、側面視略U字状に曲折した板状部材であり、3つの加熱ユニット87を内部に保持する。
台座部89は、保持部88を下方から支持する。台座部89の下流側の側面の左右両端に、上下方向に延びるラックギヤ891が設けられる。第三モータ223(図20参照)の回転軸には、ピニオンギヤが設けられる。ピニオンギヤは、ラックギヤ891に嵌合する。第三モータ223が回転することで、台座部89は上下方向に移動する。これによって、台座部89の上方に設けられた保持部88、及び、保持部88によって保持された3つの加熱ユニット87も、上下方向に移動する。
加熱部86は、加熱部86の可動範囲の上端部である加熱位置(図15参照)と、加熱部86の可動範囲の下端位置である原点位置(図13、図14参照)との間を移動可能である。図15に示すように、加熱部86が加熱位置に変位した場合、3つの加熱ユニット87の夫々の上面は搬送経路103に近接する。図13、図14に示すように、加熱部86が原点位置に変位した場合、3つの加熱ユニット87の夫々の上面は、搬送経路103から離間する。
本実施形態では、加熱部86の原点位置と加熱位置との距離は、59.2mmである。加熱部86の原点位置と加熱位置との間には、予備位置が設けられている。予備位置は、加熱部86の原点位置と加熱位置との中間位置よりも若干上側にある、加熱部86の位置である。加熱部86の原点位置と予備位置との距離は43.7mmである。予備位置と加熱位置との距離は15.5mmである。
(9)回転制御部80
図15及び図16に示すように、加熱部86の下流側に回転制御部80が設けられる。回転制御部80は、上板89で上側を覆われる。回転制御部80は台座部85を備える。台座部85は、底部10(図4参照)の上方、且つ、側板部111、112(図4参照)間に挟まれた部分に固定される。台座部85の上面に、支持部84及び2つの軸支持部83が設けられる。
支持部84は左右方向に延びる箱体である。支持部84の左右中央部分は、下流側に凹む。凹んだ部分の上流側に板体841が架け渡される。板体841の左右中央部分から、円筒状の突出部842が上方に突出する。支持部84の左右両端部分の夫々に、搬送方向に貫通する穴が設けられる。支持部84の上流側の側面から上流側に向けて、2つの支持棒82が延びる。2つの支持棒82の上流側の端部に、ストッパ81が設けられる。ストッパ81の形状は、断面形状が四角形の棒状である。ストッパ81は左右方向に延びる。ストッパ81は、上流側の側面にゴム811を備える。
2つの軸支持部83は、夫々、台座部85の左右両端部分に設けられる。2つの軸支持部83の夫々は、搬送方向に延びる軸831を支持する。軸831は、支持部84に設けられた穴に挿通する。支持部84は、2つの軸831に沿って搬送方向に移動可能である。軸支持部83と支持部84との間にばね(図示外)が介在する。ばねは、支持部84を上流側に付勢する。
台座部85にカム851が設けられる。カム851は、台座部85の下方に設けられた第四モータ224(図20参照)から上方に向けて延びる回転軸に接続する。カム851は、支持部84のうち下流側に凹んだ部分且つ板体841の上流側に配置される。カム851の円周部の下流側は、突出部842に接触する。第四モータ224が駆動することによってカム851が回転した場合、支持部84は搬送方向に移動する。支持部84の移動に伴い、支持部84に接続したストッパ81も搬送方向に移動する。
ストッパ81は、ストッパ81の可動範囲の上流側端部である規制位置(図16参照)と、ストッパ81の可動範囲の下流側端部である原点位置(図17参照)との間を移動可能である。本実施形態では、カム851が所定の基準角度にある場合、ストッパ81は原点位置に保持され、カム851が所定の基準角度から55度回転すると、ストッパ81は規制位置に変位する。
図16は、支持部34が下降位置にあり、保持部78が圧着位置にあり、加熱部86が加熱位置にあり、ストッパ81が規制位置にある状態を示す。この場合、加熱部86の加熱ユニット87は、第一補助ローラ32と保持ローラ72との間を通って上方に突出する。ストッパ81のゴム811は、誘導ローラ31に接触可能な位置に配置され、誘導ローラ31側に押し付けられる。ゴム811と誘導ローラ31との間の摩擦力によって誘導ローラ31の回転は禁止される。つまりストッパ81の規制位置は、下誘導位置の誘導ローラ31に近接して、誘導ローラ31の回転を規制するストッパ81の位置である。
図16に示す状態でストッパ81が規制位置から原点位置に変位すると、ストッパ81は誘導ローラ31から離間するため、誘導ローラ31は回転可能になる。つまり、ストッパ81の原点位置は、下誘導位置の誘導ローラ31から離間して、誘導ローラ31の回転を許可するストッパ81の位置である。図17は、支持部34が原点位置にあり、保持部78が圧着位置にあり、加熱部86が原点位置にあり、ストッパ81が原点位置にある状態を示す(図13参照)。原点位置の加熱部86の3つの加熱ユニット87の上面は、蓋部86Aによって覆われる。
(10)台座2
図18及び図19を参照し、包装装置1によって包装される物品3が載置される台座2について説明する。台座2は、略長方形状の板体である板状部90を、曲折部911、912で折り曲げることによって作製される。台座2の一例として、ダンボール台紙が挙げられる。図18は、板状部90が曲折部911、912によって鋭角が90度となるように同一方向に折り曲げられた状態の台座2を示している。
図18に示すように、板状部90は、対向する二つの辺901、902及び辺903、904を備える。辺901、902は長手方向に延びる辺であり、辺903、904は短手方向に延びる辺である。曲折部911は、板状部90の長手方向を略四等分する三つの四等分線のうち、辺903に近接する等分線の位置に配置する。曲折部912は、三つの四等分線のうち、辺904に近接する等分線の位置に配置する。
以下、板状部90の短手方向を搬送方向といい、長手方向を左右方向という。辺901側を下流側、辺902側を上流側、辺903側を左側、辺904側を右側という。板状部90のうち曲折部911、912間に挟まれた部分を、第一板状部905といい、曲折部911と辺903との間に挟まれた部分、及び、曲折部912と辺904との間に挟まれた部分を、夫々、第二板状部906、907という。
第一板状部905と第二板状部906、907は、夫々、曲折部911、912で直交する。以下、第一板状部905に直交する方向を上下方向という。辺903、904が配置する側を上側といい、反対側を下側という。第一板状部905の下面のうちで辺901に沿って左右方向に延びる部分が、第一台座端部928である。第一板状部905の下面のうちで辺902に沿って左右方向に延びる部分が、第二台座端部929である。
第二板状部906、907の搬送方向中心における下端部には、夫々、第二板状部906、907を左右方向に貫通する穴937が形成されている。第一板状部905の左端部には、二つの穴927が形成されている。第一板状部905の左端部に形成された二つの穴927は、第二板状部906の穴937を挟んだ上流側及び下流側に形成されている。図示しないが、第一板状部905の右端部にも、二つの穴927が形成されている。第一板状部905の右端部に形成された二つの穴927は、第二板状部907の穴937を挟んだ上流側及び下流側に形成されている。
図7及び図19に示すように、台座2は、第一位置に配置された搬送部60に取り付けられて、受け台12に載置される。図7では、台座2を仮想線で示している。ユーザは、第一搬送部61のうち、第一延設部612とベルト51との間に挟まれた空間、上流側から下流側に向けて斜め下方向に台座2を移動させる。台座2の辺901は、上流側から下流側に向けて斜め下方向に移動し、第一延設部612とベルト51との間に挟まれた空間に進入して嵌まる。
第一延設部612は、台座2の辺901を上方から覆った状態になる。第一搬送部61は、受け台13の左右両側面に配置するベルト51に設けられている為、台座2の辺901は、左右両側部分で、第一延設部612とベルト51との間の空間に挟まれた状態になる。第二突出部621は、穴927に嵌る。下流側の穴927の開口縁は、第二延設部622とベルト51との間に挟まれた空間に進入して嵌まる。第二延設部622は、下流側の穴927の開口縁を上方から覆った状態になる。
(11)包装装置1の電気的構成
図20を参照し、包装装置1の電気的構成を説明する。包装装置1は、包装装置1全体の制御を司るCPU201を備える。CPU201は、ROM202、RAM203、張力検出センサ204、入力部205、ヒータ411、駆動部211〜216、及び後述の各種センサと電気的に接続する。駆動部211〜216は、夫々、第一モータ221〜第六モータ226と電気的に接続する。駆動部211〜216は、各々に接続された第一モータ221〜第六モータ226を駆動可能なコントローラである。CPU201は、駆動部211〜216を制御することで、第一モータ221〜第六モータ226を駆動する。
ROM202には、CPU201が実行する各種処理のプログラム及び後述の各種テーブルが記憶される。RAM203には、一時的なデータが記憶される。張力検出センサ204は、レバー47の下端部近傍に設けられ、レバー47が第一〜第三状態のいずれであるかを検出する(図10参照)。CPU201は、張力検出センサ204により検出された状態に基づいて、現在の張力が「1.0」、「3.5」、「5.0」(単位は重力キログラム)のいずれであるかを特定できる。
搬送原点センサ980は、側板部111の内側に設けられ、ベルト51の外側面に設けられた反射板(図示外)を検出する。搬送部60が原点位置(つまり、第一位置)にある場合、搬送原点センサ980はベルト51の反射板を検出してONとなる。
エリアセンサ990は、台座通過部805の上流側端部において、上下方向に並んで設けられたラインセンサである(図4参照)。エリアセンサ990は、搬送部60のやや上方から台座通過部805の上端部近傍までの上下方向範囲に亘って、台座通過部805の上流側端部を通過する物体を検出する。エリアセンサ990は、搬送部60よりも上方に設けられているため、搬送部60が台座通過部805に進入しても搬送部60を検出しない。つまり、エリアセンサ990は、台座通過部805に進入する物体のうち、搬送部60とは異なる物体(例えば、台座2又は異物)を検出する。エリアセンサ990は、台座通過部805に搬送部60とは異なる物体が進入した場合、物体を検出してONになる。
台座取付センサ991は、受け台12の受け面12Aの直下、且つ、搬送部60の第一位置よりも若干上流側に設けられる(図4参照)。台座取付センサ991は、台座取付センサ991の上方に配置された物体を検出可能である。したがって、台座取付センサ991は、第一位置の搬送部60に台座2が取り付けられている場合(つまり、台座2が開始位置にある場合)、台座2を検出してONとなる。
台座中央センサ992は、台座通過部805の搬送方向略中央に設けられ、移動経路104上に存在する物体を検出する(図4参照)。台座中央センサ992は、搬送部60よりも上方に設けられているため、搬送部60が交差位置105に存在しても搬送部60を検出しない。つまり、台座中央センサ992は、台座通過部805の内部を通過する物体のうち、搬送部60とは異なる物体(つまり、搬送部60に取り付けられた台座2)を検出する。台座中央センサ992は、台座2が台座通過部805を通過した場合、台座2を検出してONになる。また、台座中央センサ992は、第四位置の搬送部60に台座2が取り付けられている場合(つまり、台座2が後端接着位置にある場合)、交差位置105に配置される台座2を検出してONとなる。
台座排出センサ993は、受け台13の受け面13Aの直下、且つ、搬送部60の第二位置よりも若干上流側に設けられる(図5参照)。台座排出センサ993は、台座排出センサ993の上方に配置された物体を検出可能である。したがって、台座排出センサ993は、第二位置の搬送部60に台座2が取り付けられている場合(つまり、台座2が終了位置にある場合)、台座2を検出してONとなる。
加熱部原点センサ994は、加熱部86の可動範囲の下端部近傍に設けられ、加熱部86に設けられた反射板(図示外)を検出する。加熱部86が原点位置にある場合、加熱部原点センサ994は加熱部86の反射板を検出してONとなる。保持部原点センサ995は、保持部78の可動範囲の下端部近傍に設けられ、保持部78に設けられた反射板(図示外)を検出する。保持部78が原点位置にある場合、保持部原点センサ995は保持部78の反射板を検出してONとなる。保持部圧着センサ996は、保持部78の可動範囲の上端部近傍に設けられ、保持部78の反射板を検出する。保持部78が圧着位置にある場合、保持部圧着センサ996は保持部78の反射板を検出してONとなる。
支持部原点センサ997は、支持部34の可動範囲の上端部近傍に設けられ、支持部34に設けられた反射板(図示外)を検出する。支持部34が原点位置にある場合、支持部原点センサ997は支持部34の反射板を検出してONとなる。ストッパ原点センサ998は、ストッパ81の可動範囲の下流側端部近傍に設けられ、ストッパ81に設けられた反射板(図示外)を検出する。ストッパ81が原点位置にある場合、ストッパ原点センサ998はストッパ81の反射板を検出してONとなる。切断部原点センサ999は、切断部77の可動範囲の左端部近傍に設けられ、切断部77に設けられた反射板(図示外)を検出する。切断部77が原点位置にある場合、切断部原点センサ999は切断部77の反射板を検出してONとなる。
ROM202に記憶されているテーブルを説明する。ROM202には、第一動作制御テーブル1001(図21参照)、第二動作制御テーブル1002(図22参照)、張力調整テーブル1003(図23参照)が記憶されている。図21〜図23では、各動作の速度を秒速(mm/s)で示し、各動作の移動距離をミリメートル(mm)で示している。ただし、ストッパ81に関する動作の速度及び移動距離は、夫々、ストッパ81を移動させるカム851の回毎秒及び回転角度(言い換えると、第四モータ224の回毎秒及び回転角度)で示している。
図21に示すように、第一動作制御テーブル1001には、後述の初期化処理(図24参照)及び強制排出処理(図30参照)において、包装装置1で実行される各動作の速度が定義されている。CPU201は、初期化処理及び強制排出処理の実行時に、第一動作制御テーブル1001に定義されている速度で、各動作を実行する。初期化処理及び強制排出処理の開始時には、CPU201は各部材の位置を把握できない。そこでCPU201は、初期化処理及び強制排出処理の実行時に、各動作によって移動する部材を先述の各種センサ(図20参照)に基づいて位置決めする。
図22に示すように、第二動作制御テーブル1002には、後述の包装処理(図26、図27参照)において、包装装置1で実行される各動作の速度及び移動距離が定義されている。CPU201は、包装処理の実行時に、第二動作制御テーブル1002に定義されている速度及び移動距離で各動作を実行する。後述するように包装処理の開始時には、包装装置1は初期化されているため、CPU201は各部材の位置を把握できる。そこでCPU201は、包装処理の実行時に、各動作によって移動する部材を第二動作制御テーブル1002に定義されている移動距離に基づいて位置決めする。ただし、CPU201は、後述の第一〜第四搬送の移動距離は、以下の張力調整テーブル1003に基づいて決定する。
図23に示すように、張力調整テーブル1003には、張力検出センサ204に基づいて検出されるフィルム24の張力に応じて、搬送部60の移動距離及びフィルム24の溶着時間が定義されている。CPU201は、包装処理の実行時に、張力調整テーブル1003に定義されている移動距離で後述の第一〜第三搬送を実行し、張力調整テーブル1003に定義されている溶着時間で後述の前端溶着及び後端溶着を実行する。なお、第二搬送及び第四搬送の各移動距離は、台座2の搬送方向長さによって変化する。本実施形態では、理解を容易にするために、中サイズ(例えば、搬送方向長さ400mm)の台座2を使用する場合を例示している。
(12)包装装置1の各種処理
図24〜図41を参照し、CPU201によって実行される各種処理を説明する。以下の説明では、包装装置1の状態を初期化する初期化処理と、台座2と台座2上の物品3とをフィルム24で覆う包装処理と、包装処理を強制的に中断する強制排出処理とを説明する。
ユーザは、包装装置1を用いて台座2及び物品3をフィルム24によって包装する作業を行う前に、第一受け台12及び第二受け台13を揺動させることで、受け面12A、13Aを水平にして搬送経路103を形成する(図1参照)。ユーザが包装装置1の電源スイッチをONにした場合、CPU201はROM202に記憶されたプログラムに基づいて、初期化処理を開始する。
図24のフローチャート及び図25のタイミングチャートを参照して、初期化処理を説明する。CPU201は、エリアセンサ990による常時監視を開始する(S1)。ステップS1で常時監視が開始されると、エリアセンサ990は初期化処理が終了するまで、台座通過部805に上流側から進入する物体を検出し続ける。ステップS1の実行後にエリアセンサ990がONになった場合、搬送部60に台座2が取り付けられているか、又は台座通過部805に異物(例えば、台座2やユーザの手)が進入した可能性がある。この場合、包装装置1を適正に初期化できないおそれがあるため、CPU201は初期化処理を中断してエラー制御を実行する。エラー制御は、包装装置1に関する各種動作(例えば、搬送機構50による搬送部60の移動動作、加熱部86によるフィルム24の溶着動作、支持部34の昇降動作など)を強制停止する制御である。
CPU201は、台座中央センサ992による常時監視を開始する(S3)。ステップS3で常時監視が開始されると、台座中央センサ992は初期化処理が終了するまで、台座通過部805を通過する台座2を検出し続ける。ステップS3の実行後に台座中央センサ992がONになった場合、搬送部60に台座2が取り付けられている可能性がある。この場合、CPU201は初期化処理を中断して、上記と同様にエラー制御を実行する。
CPU201はニップ圧着を実行する(S5)。ニップ圧着は、保持ローラ72を台座ガイドローラ71に近接させる制御である。ステップS5では、保持部78が可動範囲の上端部に向けて、秒速71mmで揺動される(図21参照)。保持部圧着センサ996がONになると、保持部78の揺動が停止される。これにより、保持部78は圧着位置に変位する。
CPU201は、加熱部86を所定量上昇してから下降させる(S7)。ステップS7では、加熱部86が現在位置から所定量(例えば、50mm)、秒速48mmで上昇される。続いて、加熱部86が秒速48mmで下降される(図21参照)。加熱部原点センサ994がONになると、加熱部86の下降が停止される。これにより、加熱部86は原点位置に変位する。なお、ステップS7の開始時に加熱部86が原点位置にある場合、ステップS7の実行時に加熱部86は所定量上昇してから原点位置に復帰する。
CPU201は、ニップ解除を実行する(S9)。ニップ解除は、保持ローラ72を台座ガイドローラ71から離間させる制御である。ステップS9では、保持部78が可動範囲の下端部に向けて、保持部78が秒速71mmで揺動される(図21参照)。保持部原点センサ995がONになると、保持部78の揺動が停止される。これにより、保持部78は原点位置に変位する。
CPU201は、ストッパ81を解除させる(S11)。ストッパ81の解除は、ストッパ81によって誘導ローラ31の回転を許可する制御である。ステップS11では、毎秒1.25回の回転速度でカム851を回転させることで、ストッパ81が下流側に移動される(図21参照)。ストッパ原点センサ998がONになると、ストッパ81の移動が停止される。これにより、ストッパ81は原点位置に変位する。
次いで、CPU201は、可動ローラ30を所定量下降してから上昇させる(S13)。ステップS13では、可動ローラ30を支持する支持部34が、現在位置から所定量(例えば、50mm)、秒速30mmで下降される。続いて、支持部34が秒速30mmで上昇される(図21参照)。支持部原点センサ997がONになると、支持部34の上昇が停止される。これにより、支持部34は原点位置に変位し、誘導ローラ31は上誘導位置に変位する。なお、ステップS13の開始時に支持部34が原点位置にある場合、ステップS13の実行時に支持部34は所定量下降してから原点位置に復帰する。
次いで、CPU201は、切断部77を作動してから初期位置に戻す(S15)。ステップS15では、切断部77の可動範囲の右端部まで、切断部77が秒速160mmで右方向に移動される。続いて、切断部77は秒速160mmで左方向に移動される(図21参照)。切断部原点センサ999がONになると、切断部77の移動が停止される。これにより、切断部77は原点位置に変位する。
最後に、CPU201は、搬送部60を所定量移動してから原点位置(つまり、第一位置)に戻す(S17)。ステップS17では、搬送部60が現在位置から所定量(例えば、50mm)、秒速220mmで下流側に搬送される。続いて、搬送部60は秒速220mmで上流側に移動される(図21参照)。搬送原点センサ980がONになると、搬送部60の移動が停止される。これにより、搬送部60は第一位置に変位する。
以上の初期化処理によって、包装装置1が初期化される。その後、ユーザはフィルムカセット21から排出されたフィルム24を、第二補助ローラ33の上流側を通して下方に手動で引き出す。フィルム24は、第二補助ローラ33の上流側に接触することで、僅かに上流側に誘導される。ユーザは、下方に引き出したフィルム24の先端を、搬送経路103の下側まで引っ張り、台座ガイドローラ71の下流側に配置する(図32参照)。
ユーザは、フィルム24の準備ができたことを包装装置1に通知するための入力操作(準備完了指示)を、入力部205を介して行う。準備完了指示が入力されると、CPU201はステップS5と同様にニップ圧着を実行する。これにより、図32に示すように、フィルムカセット21から引き出されたフィルム24の先端は、台座ガイドローラ71及び保持ローラ72によって搬送方向両側から挟まれる。フィルム24と搬送経路103とは、フィルム24の先端近傍で交差する。
ユーザは包装する物品3の種類に応じて、レバー47(図10参照)を第一〜第三状態の何れかに変位させて、フィルム24の張力を設定する。例えば物品3に強い力を与えることができない場合、ユーザはレバー47を第一状態に変位させることで、フィルム24に作用する張力を最も小さくする。トルク調節機構40がフィルムロール22に加えるトルクによって、レバー47の状態に応じた張力がフィルム24に作用する。フィルム24は、第二補助ローラ33の上流側と、台座ガイドローラ71及び保持ローラ72によって挟まれた部分との間を、上下方向に真っ直ぐに延びる。
ユーザは、第一位置に配置された搬送部60に台座2を取り付けて、受け台12上に台座2を載置する。このとき、台座2の辺901は下流側に配置され、辺902は上流側に配置される。ユーザは、受け台12上に載置した台座2の第一板状部905上に、物品3を載置する。一方、CPU201は、ROM202に記憶されたプログラムに基づいて、包装処理を開始する。
図26、図27のフローチャート及び図28、図29のタイミングチャートを参照して、包装処理を説明する。以下の説明では、図32〜図41に示す状態遷移図を、適宜参照して説明する。図32〜図41は、包装装置1の左右方向略中央から左側を見た図であり、且つ、各動作状態の説明に必要な構成をのみを図示している。
CPU201は、台座取付センサ991がONであるか否かを判断する(S21)。上記のようにユーザが台座2を搬送部60に取り付けた場合、台座取付センサ991は開始位置の台座2を検出してONになる。台座取付センサ991がONである場合(S21:YES)、CPU201は図示外のスタートボタンを点灯する(S23)。台座取付センサ991がOFFである場合(S21:NO)、CPU201はステップS21を繰り返し実行することで、台座2が搬送部60に取り付けられるのを待ち受ける。
ステップS23の実行後、CPU201はスタートボタンがONであるか否かを判断する(S25)。ユーザがスタートボタンを押した場合、スタートボタンはONになる。スタートボタンがOFFである場合(S25:NO)、CPU201はステップS25を繰り返し実行することで、スタートボタンが押されるのを待ち受ける。スタートボタンがONである場合(S25:YES)、CPU201にスタートコマンドが入力される。スタートコマンドが入力されたCPU201は、第一搬送及び加熱部予備上昇を並行して実行する(S27)。本実施形態では、第一搬送及び加熱部予備上昇が同時に開始されるが、各動作の実行期間の少なくとも一部が互いに重複するのであれば、第一搬送及び加熱部予備上昇のいずれが先に実行されてもよい。
第一搬送は、誘導ローラ31が上誘導位置にあり、且つ、誘導ローラ31から加熱部86に誘導されるフィルム24が搬送経路103を交差する状態で、台座2を開始位置から前端接着位置まで下流側に搬送する制御である。ステップS27では、搬送部60は秒速220mmで第一位置から下流側に移動される(図22参照)。第二モータ222の回転数に基づいて、搬送部60が張力調整テーブル1003(図23参照)に定められた移動距離だけ移動されると、搬送部60の移動が停止される。本実施形態では、第一搬送の移動距離は、フィルム24の張力に関係なく179.0mmである。これにより第一搬送が終了されて、搬送部60は第三位置まで移動し、台座2は開始位置から前端接着位置に変位する。
第一搬送の実行時に、包装装置1の状態が以下のように変化する。図33に示すように、搬送経路103を交差して延びるフィルム24に対して、台座2の下流側の端部(辺901)は徐々に近づく。下流側に移動する台座2は、台座通過部805に進入する。台座2の辺901は、フィルム24に接触し、その後、保持ローラ72上を通過する。台座2の辺901は、フィルム24を下流側に押しながら、交差位置105に近づく。台座2は更に下流側に移動し、台座2の辺901は加熱部86の上方を通過する。このとき、台座ガイドローラ71及び保持ローラ72によって保持されているフィルム24の先端が、台座2の第一板状部905の下面に回り込む。
加熱部予備上昇は、加熱部86を初期位置から予備位置まで上昇させる制御である。ステップS27では、加熱部86は秒速400mmで原点位置から上昇される。第三モータ223の回転数に基づいて、加熱部86が43.7mm移動されると、加熱部86の上昇が停止される(図22参照)。これにより、図33に示すように、加熱部86は、原点位置から予備位置に変位して、搬送経路103への距離が小さくなる。加熱部予備上昇の実行時間は第一搬送の実行時間よりも短いため、第一搬送が完了する前に加熱部予備上昇が完了する。
ステップS27の実行後、CPU201は、エリアセンサ990がONであるか否かを判断する(S29)。図33に示すように、第一搬送によって台座2が前端接着位置まで搬送された場合、エリアセンサ990は台座2を検出してONになる(S29:YES)。この場合、台座2が台座通過部805の内部に搬送されたため、CPU201は加熱部86を更に上昇する(S31)。ステップS31では、加熱部86は秒速400mmで予備位置から上昇される。第三モータ223の回転数に基づいて、加熱部86が15.5mm移動されると、加熱部86の上昇が停止される(図22参照)。これにより、図34に示すように、加熱部86は、予備位置から加熱位置に変位する。加熱部86の加熱ユニット87(図16参照)の上面は、台座2の第一台座端部928(図18参照)との間にフィルム24を挟んだ状態になる。
CPU201は、加熱部86のヒータ871を加熱して前端溶着を実行する(S33)。前端溶着は、ヒータ871で加熱溶融したフィルム24の先端を、第一台座端部928に接着する制御である。CPU201は、ヒータ871の加熱を開始してから、張力調整テーブル1003(図23参照)に定められた溶着時間が経過した後、ヒータ871の加熱を停止する(S35)。溶着時間は、ヒータ871によってフィルム24の温度を融点まで加熱させるために必要な時間である。本実施形態では、前端溶着の溶着時間は、フィルム24の張力に関係なく1.5秒である。
CPU201は、加熱部86を下降させる(S37)。ステップS37では、加熱部86は秒速400mmで加熱位置から下降される。第三モータ223の回転数に基づいて、加熱部86が59.2mm移動されると、加熱部86の下降が停止される(図22参照)。これにより、図35に示すように、加熱部86は、加熱位置から原点位置に変位する。
CPU201は、ニップ解除及び第二搬送を並行して実行する(S39)。本実施形態では、ニップ解除及び第二搬送が同時に開始されるが、各動作の実行期間の少なくとも一部が互いに重複するのであれば、ニップ解除が第二搬送よりも先に実行されてもよい。ステップS39では、保持部78は秒速201mmで圧着位置から下側に向けて揺動される。第六モータ226の回転数に基づいて、保持部78が38.0mm移動されると、保持部78の揺動が停止される(図22参照)。これにより、図35に示すように、保持部78は、圧着位置から原点位置に変位する。台座ガイドローラ71及び保持ローラ72は、挟んだ状態のフィルム24の先端を解放する。
第二搬送は、台座2を前端接着位置から回避位置まで下流側に搬送する制御である。ステップS39では、搬送部60は秒速440mmで第三位置から下流側に搬送される(図22参照)。第二搬送の実行時に、包装装置1の状態が以下のように変化する。図35に示すように、台座2は前端接着位置から台座通過部805の内部を搬送される。このとき、フィルム24の先端が第一台座端部928に接着された状態で、台座2は下流側に移動する。台座2の辺901は交差位置105を経由して下流側に移動する。
トルク調節機構40からフィルムロール22に加えられるトルクによって、フィルム24に張力が作用している。従ってフィルム24は、台座2の辺901及び物品3の下流側端部に押し当てられて、辺901及び物品3との接触部分で曲折する。台座2の移動に伴って、フィルムロール22からフィルム24が少しずつ繰り出される。フィルム24は、第一板状部905及び物品3の下流側を覆う位置で、台座2及び物品3に密着する。
台座2が継続して下流側に搬送されるのに伴って、台座2の上流側端部(辺902)が台座ガイドローラ71上を通過する。台座2の辺902は、交差位置105を通過して下流側に移動する。フィルムロール22から延びるフィルム24は、第二補助ローラ33、第一補助ローラ32を経由して下流側に延び、台座2の辺901及び物品3の下流側に至る。誘導ローラ31は、第一補助ローラ32と台座2及び物品3との間に延びるフィルム24の上方に配置した状態になる。
CPU201は、台座中央センサ992がONであるか否かを判断する(S41)。台座2が搬送部60に取り付けられている場合、台座2が前端接着位置から回避位置に搬送される過程で、台座中央センサ992は台座2を検出してONになる(S41:YES)。一方、台座中央センサ992が台座2を検出しない場合(S41:NO)、CPU201はステップS39が開始されてから一定時間経過したか否かを判断する(S43)。ステップS39が開始されてから一定時間経過していない場合(S43:NO)、CPU201はステップS41、43を繰り返し実行することで、台座中央センサ992が台座2を一定時間内に検出するのを待ち受ける。
ステップS39が開始されてから一定時間経過した場合(S43:YES)、搬送部60に台座2が取り付けられていないか、あるいは台座2が台座通過部805の内部で適切に搬送されなかったため、CPU201はエラー制御を実行する(S45)。なお、ステップS29においてエリアセンサ990が台座2を検出していない場合(S29:YES)、台座2が台座通過部805の内部に適切に搬入されなかったため、CPU201はエラー制御を実行する(S45)。ステップS45の実行後、包装処理が終了される。
台座中央センサ992がONである場合(S41:YES)、台座2が回避位置まで達していないため、CPU201は第二搬送を継続する(S47)。さらにCPU201は、台座中央センサ992がONであるか否かが判断する(S49)。台座中央センサ992がONである場合(S49:YES)、台座中央センサ992によって台座2が検出されなくなるまで、CPU201はステップS47、S49を繰り返す。一方、台座2の全体が交差位置105よりも下流側に移動すると、台座中央センサ992がOFFとなる(S49:NO)。この場合、ステップS1と同様に、CPU201はエリアセンサ990による常時監視を開始する(S51)。
ステップS51で常時監視が開始されると、エリアセンサ990は包装処理が終了するまで、台座通過部805に上流側から進入する物体を検出し続ける。ステップS51の実行後、エリアセンサ990がONになった場合、台座通過部805に異物(例えば、ユーザの手)が進入した可能性がある。この場合、CPU201は包装処理を中断して、エラー制御を実行する。
CPU201は、フィルム24の張力に応じて、搬送部60を所定量下流側に搬送させる(S53)。ステップS53では、台座中央センサ992がOFFとなった後も継続して、搬送部60が秒速440mmで下流側に搬送される。台座中央センサ992がOFFとなった時点(S49:NO)から、張力調整テーブル1003(図23参照)に定められた移動距離だけ移動されると、搬送部60の移動が停止される。これにより第二搬送が終了されて、搬送部60は第五位置まで移動し、台座2は前端接着位置から回避位置に変位する。
フィルム24の張力が大きいほど、第二搬送によって台座2及び物品3がフィルム24に押し付けられる強度が大きくなる。そのため、フィルム24の張力が大きいほど、第二モータ222を所定量回転した場合の台座2の移動距離が、予定されていた移動距離よりも小さくなる。本実施形態では、ユーザが設定したフィルム24の張力が大きいほど、第二搬送の移動距離が大きい(図23参照)。具体的には、フィルム24の張力が2.0kgf又は3.5kgfである場合、第二搬送の移動距離は15.0mmであるのに対し、フィルム24の張力が5.0kgfである場合、第二搬送の移動距離は16.0mmである。これにより、フィルム24の張力に関わらず、第二搬送時における台座2の移動距離は一定となる。
CPU201は、可動ローラ30を下降させる(S55)。ステップS55では、可動ローラ30を支持する支持部34が、秒速240mmで上誘導位置から下降される。第一モータ221の回転数に基づいて、支持部34が161.5mm移動されると、支持部34の下降が停止される(図22参照)。これにより、図36に示すように、支持部34は原点位置から下降位置に変位する。このとき、誘導ローラ31は移動経路104に沿って下降し、上誘導位置から下誘導位置に変位する。
誘導ローラ31は、搬送経路103に対して下側から接した状態となる。フィルム24は、台座2及び物品3の上流側を覆う位置に配置される。フィルム24は、台座2の辺902から誘導ローラ31に向けて延び、誘導ローラ31を介して第一補助ローラ32に向けて延び、さらに第一補助ローラ32及び第二補助ローラ33を介してフィルムロール22に至る。フィルム24のうちで誘導ローラ31と第一補助ローラ32との間を延びる部分は、略水平方向に延び、且つ、刃部771の上端よりも下方に配置される。このとき、切断部77は原点位置に移動しているため、フィルム24と刃部771とは接触していない。
CPU201は、第三搬送を実行する(S57)。第三搬送は、誘導ローラ31から物品3に向けて延びるフィルム24が搬送経路103を交差する状態で、台座2を回避位置から後端接着位置まで上流側に搬送する制御である。ステップS57では、搬送部60は秒速440mmで第五位置から上流側に移動される(図22参照)。第二モータ222の回転数に基づいて、搬送部60が張力調整テーブル1003(図23参照)に定められた移動距離だけ移動されると、搬送部60の移動が停止される。これにより第三搬送が終了されて、搬送部60は第四位置まで移動し、台座2は回避位置から後端接着位置に変位する。
第三搬送の実行時に、包装装置1の状態が以下のように変化する。図37に示すように、台座2の辺902は交差位置105を経由して加熱部86の上方を通過する。このとき、誘導ローラ31は、台座2の第一板状部905の下面に下側から接した状態で、辺902から下流側に向けて相対的に移動する。第一板状部905と誘導ローラ31との間には、フィルム24が挟まれた状態になる。フィルム24は、第一板状部905の下面に沿って辺902から誘導ローラ31に向けて延び、誘導ローラ31を介して第一補助ローラ32に向けて延び、さらに第一補助ローラ32及び第二補助ローラ33を介してフィルムロール22に至る。第一補助ローラ32及び第二補助ローラ33は、誘導ローラ31からフィルムロール22に延びるフィルム24を、台座2に接触しないように支持する。
つまり、フィルム24が物品3を上方から覆うように、台座2の下流側端部から上流側端部にまで引き回されている。この状態では、第三搬送の実行時に、台座2はフィルム24の張力に抗って上流側に搬送される。フィルム24の張力が大きいほど、第三搬送によって台座2及び物品3が押し付けられたフィルム24の反発力が大きくなる。そのため、フィルム24の張力が大きいほど、第二モータ222を所定量回転した場合の台座2の移動距離が、予定されていた移動距離よりも小さくなる。
本実施形態では、ユーザが設定したフィルム24の張力が大きいほど、第三搬送の移動距離が大きい(図23参照)。具体的には、フィルム24の張力が2.0kgfである場合、第三搬送の移動距離は67.5mmである。フィルム24の張力が3.5kgfである場合、第三搬送の移動距離は74.0mmである。フィルム24の張力が5.0kgfである場合、第三搬送の移動距離は79.0mmである。これにより、フィルム24の張力に関わらず、第三搬送時における台座2の移動距離は一定となる。
CPU201は、ストッパ81の作動及び切断部77の作動を並行して実行する(S59)。ステップS59では、ストッパ81が原点位置から規制位置に変位するまでの間に切断部77の移動が開始され、且つ、ストッパ81が規制位置に変位した後に切断部77によってフィルム24が切り離されるタイミングで、以下のようにストッパ81及び切断部77が制御される。
ストッパ81の作動は、ストッパ81によって誘導ローラ31の回転を規制する制御である。ステップS59では、毎秒3.75回の回転速度でカム851を回転させることで、ストッパ81は原点位置から上流側に移動される。第四モータ224の回転数に基づいて、カム851が55度回転されると、ストッパ81の移動が停止される(図22参照)。これにより、図38に示すように、ストッパ81は原点位置から規制位置に変位する。誘導ローラ31の回転は禁止され、且つ、誘導ローラ31とストッパ81のゴム811との間にフィルム24が挟まれる。
ステップS59では、切断部77が原点位置から秒速400mmで右方向に移動される。第五モータ225の回転数に基づいて、切断部77が244.5mm移動されると、切断部77の移動が停止される(図22参照)。これにより、切断部77は原点位置から可動範囲の右端部まで移動する。誘導ローラ31とストッパ81とで保持されるフィルム24は、誘導ローラ31及び第一補助ローラ32の間に延びる部分で刃部771によって切断される。切断部77は、フィルム24のうち台座2の第一板状部905及び物品3を覆った部分を、フィルムロール22に巻回された部分から切り離す。図38に示すように、フィルム24の切断後、フィルムロール22から延びるフィルム24のうち切断された端部は、台座ガイドローラ71の下方側に垂れ下がる。
CPU201は、ニップ圧着及び加熱部86の上昇を並行して実行する(S61)。本実施形態では、ニップ圧着及び加熱部86の上昇が同時に開始されるが、各動作の実行期間の少なくとも一部が互いに重複するのであれば、ニップ圧着が加熱部86の上昇よりも先に実行されてもよい。ステップS61では、保持部78が原点位置から可動範囲の上端部に向けて、秒速201mmで揺動される。第六モータ226の回転数に基づいて、保持部78が38.0mm移動されると、保持部78の揺動が停止される(図22参照)。これにより、図39に示すように、保持部78は原点位置から圧着位置に変位する。フィルム24のうち切断部77によって切断された端部は、台座ガイドローラ71及び保持ローラ72によって挟持される。
ステップS61では、加熱部86は秒速400mmで初期位置から上昇される。第三モータ223の回転数に基づいて、加熱部86が59.2mm移動されると、加熱部86の上昇が停止される(図22参照)。これにより、図39に示すように、加熱部86は初期位置から加熱位置に変位する。加熱部86の加熱ユニット87(図36参照)の上面は、台座2の第二台座端部929(図18参照)との間にフィルム24を挟んだ状態になる。
CPU201は、加熱部86のヒータ871を加熱して後端溶着を実行する(S63)。後端溶着は、ヒータ871で加熱溶融したフィルム24の先端を、第二台座端部929に接着する制御である。CPU201は、ヒータ871の加熱を開始してから、張力調整テーブル1003(図23参照)に定められた溶着時間が経過した後、ヒータ871の加熱を停止する(S65)。これにより、図39に示すように、フィルムロール22から切り取られたフィルム24は、台座2及び物品3を覆った状態になる。
本実施形態では、ユーザが設定したフィルム24の張力が大きいほど、後端溶着の溶着時間が小さい(図23参照)。具体的には、フィルム24の張力が2.0kgfである場合、後端溶着の溶着時間は1.2秒であるのに対し、フィルム24の張力が3.5kgf又は5.0kgfである場合、後端溶着の溶着時間は1.0秒である。フィルム24の張力が大きい場合、台座2及び物品3を包むフィルム24が第二台座端部929に強く接するため、相対的に短い溶着時間で十分に溶着できる。したがって、フィルム24の張力に応じて溶着時間を変化させることで、台座2にフィルム24を一定の強度で溶着できる。フィルム24の張力が大きい場合には、台座2にフィルム24を短時間で溶着できる。
CPU201は、加熱部86の下降及びストッパ81の解除を並行して実行する(S67)。本実施形態では、加熱部86の下降及びストッパ81の解除が同時に開始されるが、各動作の実行期間の少なくとも一部が互いに重複するのであれば、加熱部86の下降及びストッパ81の解除のいずれが先に実行されてもよい。
ステップS67では、加熱部86は秒速400mmで加熱位置から下降される。第三モータ223の回転数に基づいて、加熱部86が59.2mm移動されると、加熱部86の下降が停止される(図22参照)。これにより、図40に示すように、加熱部86は、加熱位置から原点位置に変位する。一方、毎秒3.75回の回転速度でカム851を回転させることで、ストッパ81は規制位置から下流側に移動される。第四モータ224の回転数に基づいて、カム851が305度回転されると、ストッパ81の移動が停止される。これにより、図40に示すように、ストッパ81は規制位置から原点位置に変位して、誘導ローラ31の回転は許可される。
CPU201は、第四搬送を実行する(S69)。第四搬送は、台座2を後端接着位置から終了位置まで下流側に搬送する制御である。ステップS69では、搬送部60は秒速440mmで第四位置から下流側に搬送される(図22参照)。CPU201は、台座排出センサ993がONであるか否かを判断する(S71)。包装が完了した台座2が終了位置まで搬送された場合、台座排出センサ993は終了位置の台座2を検出してONになる(S71:YES)。この場合、CPU201は、第四搬送を停止する(S73)。これにより、図41に示すように、搬送部60は第二位置まで移動し、台座2は後端接着位置から終了位置に変位する。包装が完了した台座2及び物品3は、台座通過部805から下流側に搬送されて、受け面13Aに配置される。
台座排出センサ993がOFFである場合(S71:NO)、CPU201は第四搬送を継続して(S75)、ステップS69が開始されてから一定時間経過したか否かを判断する(S77)。一定時間経過していない場合(S77:NO)、処理はステップS71に戻り、台座排出センサ993が台座2を一定時間内に検出するのを待ち受ける。一定時間経過した場合(S77:YES)、CPU201はエラー制御を実行して(S45)、包装処理を終了する。
ステップS73の実行後、CPU201は台座排出センサ993がOFFであるか否かを判断する(S79)。ユーザが包装の完了した台座2及び物品3を搬送部60から取り外すと、台座排出センサ993はOFFになる(S79:YES)。台座排出センサ993がONである場合(S79:NO)、処理はステップS79に戻り、台座排出センサ993がOFFになるのを待ち受ける。
台座排出センサ993がOFFである場合(S79:YES)、CPU201は、搬送部60の戻し、可動ローラ30の上昇、及び切断部77の戻しを並行して実行する(S81)。本実施形態では、搬送部60の戻し、可動ローラ30の上昇、及び切断部77の戻しが同時に開始されるが、各動作の実行期間の少なくとも一部が互いに重複し、且つ、各動作が互いに干渉しないのであれば、搬送部60の戻し、可動ローラ30の上昇、及び切断部77の戻しがいずれの順序で開始されてもよい。
ステップS81では、搬送部60は秒速220mmで第二位置から上流側に移動される。第二モータ222の回転数に基づいて、搬送部60が640mm移動されると、搬送部60の移動が停止される(図22参照)。可動ローラ30を支持する支持部34が秒速80mmで下降位置から上昇される。第一モータ221の回転数に基づいて、支持部34が161.5mm移動されると、支持部34の上昇が停止される(図22参照)。切断部77が可動範囲の右端部から秒速400mmで左方向に移動される。第五モータ225の回転数に基づいて、切断部77が244.5mm移動されると、切断部77の移動が停止される(図22参照)。
これにより、搬送部60は第一位置まで移動し、台座2は終了位置から開始位置に変位する。支持部34は下降位置から原点位置に変位し、誘導ローラ31は下誘導位置から上誘導位置に変位する。切断部77は、可動範囲の右端部から原点位置から移動する。つまり、包装装置1は初期化された状態に戻る。CPU201は、ステップS81の実行後、包装処理を終了する。その後、ユーザは新たな台座2を搬送部60に取り付けて、新たな物品3を台座2上に載置する。ユーザはスタートボタン(図示外)を押すことで、新たな台座2及び物品3の包装を再び実行できる。
包装処理の実行中の包装装置1は、適正に包装処理を実行できないエラー状態が生じる場合がある。例えばエラー状態として、フィルム24が台座通過部805の内部で絡んだり、台座2又は搬送3が台座通過部805の内部で詰まったりすることがある。このような場合、ユーザが図示外の強制排出ボタンを押すと、CPU201に強制排出コマンドが入力される。強制排出コマンドが入力されたCPU201は、ROM202に記憶されたプログラムに基づいて、強制排出処理を開始する。
図30のフローチャート及び図31のタイミングチャートを参照して、強制排出処理を説明する。CPU201は、搬送部60の移動を開始する(S101)。ステップS101では、搬送部60が現在位置から秒速44mmで下流側に移動される(図21参照)。台座排出センサ993がONになると、搬送部60の移動が停止される。これにより、搬送部60は第二位置に変位する。搬送部60に台座2が取り付けられている場合、台座2は終了位置に変位する。
ステップS101で搬送部60の移動が開始されると、CPU201は、ステップS5〜S15と同様の処理を実行する(S103〜S113)。これにより、保持部78、加熱部86、ストッパ81、支持部34、切断部77は、各々の原点位置に変位する。誘導ローラ31は、上誘導位置に変位する。最後に、CPU201は、搬送部60を原点位置(つまり、第一位置)に戻す(S115)。ステップS115では、搬送部60が第二位置から秒速44mmで上流側に移動される(図21参照)。搬送原点センサ980がONになると、搬送部60の移動が停止される。これにより、搬送部60は第一位置に変位する。搬送部60に台座2が取り付けられている場合、台座2は開始位置に変位する。ユーザは、エラー状態の包装装置1から、台座2及び物品3を回収できる。
(13)包装装置1の技術的特徴
上記実施形態に係る包装装置1の主な技術的特徴を、以下に例示する。包装装置1では、上誘導位置の誘導ローラ31から加熱部86に誘導されるフィルム24が搬送経路103を交差する状態で、搬送部60が第一位置から第三位置まで移動されて、台座2が開始位置から前端接着位置まで搬送される(S27)。加熱部86によって第一台座端部928にフィルム24が接着される(S33)。搬送部60が第三位置から第五位置まで移動されて、台座2が前端接着位置から回避位置まで搬送される(S39)。誘導ローラ31が上誘導位置から下誘導位置に移動されて(S55)、台座2上に載置された物品3がフィルム24で被覆される。誘導ローラ31から物品3に向けて延びるフィルム24が搬送経路103を交差する状態で、搬送部60が第五位置から第四位置まで移動されて、台座2が回避位置から後端接着位置まで搬送される(S57)。加熱部86によって第二台座端部929にフィルム24が接着される(S63)。搬送部60が第四位置から第二位置まで移動されて、台座2が後端接着位置から終了位置まで搬送される(S69)。
これによれば、台座2を搬送経路103に沿って移動させる過程で、誘導ローラ31を移動経路104に沿って移動させることによって、台座2及び物品3がフィルム24によって包装される。誘導ローラ31は、台座2及び物品3の周囲全域に亙って移動しないので、誘導ローラ31の移動経路104は小さくなり、包装装置1は小型化する。このため包装装置1は、小型であっても、大きな物品3の周囲をフィルム24によって覆うことで台座2上の物品3を包装することが可能となる。
図26〜図29に示す包装処理では、第一搬送(S27)は、第二搬送(S39)、第三搬送(S57)、及び第四搬送(S69)よりも、搬送部60の移動速度が遅い(図22参照)。つまり、台座2及び物品3をフィルム24で包装する包装動作の過程において、台座2が搬送される速度のうちで、搬送部60に取り付けられた台座2が最初に搬送されるときの速度が最も遅い。したがって、フィルム24が接着される前に、台座2が位置ずれを生じるおそれを抑制でき、且つ、フィルム24の接着が行われる位置まで台座2を安全に搬送できる。
図24、図25に示す初期化処理、及び図30、図31に示す強制排出処理では、図26〜図29に示す包装処理よりも各処理の動作速度(具体的には、搬送部60、保持部78、加熱部86、ストッパ81、可動ローラ30、切断部77の各移動速度)が遅い(図21参照)。そのため、初期化処理では、包装装置1を安全に初期化できる。強制排出処理では、エラー状態の包装装置1から、ユーザが台座2及び物品3を安全に回収できる。
初期化処理及び強制排出処理における搬送部60の移動速度は、包装処理における搬送部60の移動速度よりも遅い(図21、図22参照)。強制排出処理における搬送部60の移動速度は、初期化処理における搬送部60の移動速度よりも遅い(図21参照)。エラー状態の包装装置1は安全性に問題が生じる可能性があるため、強制排出処理時に台座2の搬送速度を最も遅くすることで、台座2及び物品3の回収時にユーザが怪我をすることを防止できる。
初期化処理及び包装処理では、複数のセンサ(例えば、エリアセンサ990、台座中央センサ992、台座排出センサ993)の検出結果に応じて、エラー制御が実行される(S1、S3、S29、S41〜S45、S51、S71、S75、S77)。これにより、包装装置1で異常が発生したときに包装動作を非常停止できるので、包装動作の安全性を向上できる。
包装処理では、複数の動作が重複して実行される(S27、S39、S59、S61、S67、S81)。これにより、各動作をシーケンスに実行する場合と比べて、台座2及び物品3をフィルム24で包装する包装動作の実行時間を短縮できる。例えば、台座2が搬送されるのと同時に、加熱部86が原点位置から予備位置まで移動される(S27)。加熱部86が予備位置から加熱位置まで移動されて、加熱部86によって第一台座端部928にフィルム24が接着される(S31、S33)。このように、台座2が開始位置から前端接着位置まで搬送される間に、加熱位置までの距離が小さくなるように加熱部86を移動させることで、台座2が前端接着位置まで搬送された後に加熱部86を加熱位置まで移動させる動作時間が短くなる。
包装処理では、トルク調節機構40によって設定されたフィルム24の張力に応じて、第二搬送及び第三搬送の少なくとも一方の搬送量が変化され、前端溶着(S33)及び後端溶着(S63)の少なくとも一方の溶着時間が変化される。これにより、フィルム24の張力に関わらず、台座2上の物品3をフィルム24によって正確に包装できる。
上記実施形態において、搬送機構50が本発明の「搬送手段」に相当する。加熱部86が、本発明の「接着手段」に相当する。誘導ローラ31が、本発明の「誘導手段」に相当する。CPU201が、本発明の「制御手段」に相当する。前端接着位置及び後端接着位置が夫々、本発明の「第一接着位置」及び「第二接着位置」に相当する。下流側及び上流側が夫々、本発明の「第一方向」及び「第二方向」に相当する。上誘導位置及び下誘導位置が夫々、本発明の「第一誘導位置」及び「第二誘導位置」に相当する。ステップS27を実行するCPU201が、本発明の「第一搬送制御手段」に相当する。ステップS33を実行するCPU201が、本発明の「第一接着制御手段」に相当する。ステップS39を実行するCPU201が、本発明の「第二搬送制御手段」に相当する。ステップS55を実行するCPU201が、本発明の「誘導制御手段」に相当する。ステップS57を実行するCPU201が、本発明の「第三搬送制御手段」に相当する。ステップS61を実行するCPU201が、本発明の「第二接着制御手段」に相当する。ステップS69を実行するCPU201が、本発明の「第四搬送制御手段」に相当する。加熱部86の原点位置及び加熱位置が夫々、本発明の「離間位置」及び「溶着位置」に相当する。ステップS27を実行するCPU201が、本発明の「予備移動手段」に相当する。
保持部78が、本発明の「保持手段」に相当する。ステップS39を実行するCPU201が、本発明の「第一保持制御手段」に相当する。ストッパ81の原点位置及び規制位置が夫々、本発明の「許可位置」及び「規制位置」に相当する。切断部77が、本発明の「切断手段」に相当する。ステップS59を実行するCPU201が、本発明の「第一ストッパ制御手段」及び「切断制御手段」に相当する。ステップS61を実行するCPU201が、本発明の「第二保持制御手段」に相当する。ステップS67を実行するCPU201が、本発明の「溶着解除手段」及び「第二ストッパ制御手段」に相当する。