JP2014216355A - 半導体結晶層形成基板および複合基板の製造方法 - Google Patents

半導体結晶層形成基板および複合基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数回使用することができる大口径の半導体結晶層形成基板を用いた場合に、支持基板上の単結晶層上に半導体結晶層をエピタキシャル成長させる場合の当該半導体結晶層の臨界厚さ(適切に成長可能な厚さの限界)を示す技術を提供する。
【解決手段】支持基板、単結晶層、犠牲層および半導体結晶層を有し、前記支持基板、前記単結晶層、前記犠牲層および前記半導体結晶層が、前記支持基板、前記単結晶層、前記犠牲層、前記半導体結晶層の順に位置する半導体結晶層形成基板であって、前記単結晶層の厚さが、0.28nm以上40μm以下であり、前記半導体結晶層が、前記単結晶層と格子整合または擬格子整合するものであり、前記半導体結晶層の厚さが、所定の数1で示す臨界厚さhc未満である半導体結晶層形成基板を提供する。
【選択図】図3

Description

本発明は、半導体結晶層形成基板および複合基板の製造方法に関する。
GaAs、InGaAs、InP等のIII−V族化合物半導体は、高い電子移動度を有し、Ge、SiGe等のIV族半導体は、高い正孔移動度を有する。よって、III−V族化合物半導体でNチャネル型のMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)(以下単に「nMOSFET」という場合がある。)を構成し、IV族半導体でPチャネル型のMOSFET(以下単に「pMOSFET」という場合がある。)を構成すれば、高い性能を備えたCMOSFET(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)を実現することができる。非特許文献1には、III−V族化合物半導体をチャネルとするNチャネル型MOSFETとGeをチャネルとするPチャネル型MOSFETが単一基板に形成されたCMOSFET構造が開示されている。
単一基板(たとえばシリコン基板)上に、III−V族化合物半導体結晶層およびIV族半導体結晶層というような異種材料を形成する技術として、半導体結晶層形成基板に形成した半導体結晶層を転写先基板に転写する技術が知られている。たとえば非特許文献2には、GaAs基板上に犠牲層としてAlAs層を形成し、当該犠牲層(AlAs層)上に形成したGe層を、シリコン基板に転写する技術が開示されている。
S. Takagi, et al., SSE, vol. 51, pp. 526-536, 2007. Y. Bai and E. A. Fitzgerald, ECS Transactions, 33 (6) 927-932 (2010)
III−V族化合物半導体をチャネルとするNチャネル型MISFET(Metal-Insulator-Semiconductor Field Effect Transistor)(以下単に「nMISFET」という場合がある。)と、IV族半導体をチャネルとするPチャネル型MISFET(以下単に「pMISFET」という場合がある。)とを、一つの基板上に形成するには、nMISFET用のIII−V族化合物半導体結晶層と、pMISFET用のIV族半導体結晶層とを単一基板上に形成する技術が必要になる。また、nMISFETとpMISFETをLSI(Large Scale Integration)として製造することを考慮すれば、既存製造装置および既存工程の活用が可能なシリコン基板上に、nMISFETあるいはpMISFET用の半導体結晶層を形成することが好ましい。非特許文献2の技術を用いることで、III−V族化合物半導体結晶層およびIV族半導体結晶層を単一基板上に形成することができ、これら半導体結晶層を、製造に有利なシリコン基板上に形成することができる。
転写対象の半導体結晶層を形成するための半導体結晶層形成基板には、化合物半導体の単結晶基板(ウェハ)等、高価な材料が用いられる。非特許文献2に記載の犠牲層を用いることで、半導体結晶層形成基板の再利用が可能となり、製造コストの低減に一定の効果が期待できる。しかし、高価な材料を使用し続ける限り、コスト削減効果は限定的なものにならざるを得ない。また、半導体結晶層形成基板として大口径の化合物半導体単結晶ウェハを得ることが、シリコンウェハに比べて難しいため、基板サイズの大口径化による製造コストの低減を図ることができない。
また、半導体結晶層を転写先基板に転写した後の平面形状(パターン)を考慮して半導体結晶層を半導体結晶層形成基板に形成することができれば、プロセスを簡略化することが可能になり、製造コストを削減できる可能性が高くなる。
そこで、本発明者らは、大口径のシリコンウェハ等を支持基板に用い、GaAs等半導体結晶層を形成するための下地になり得る単結晶層を支持基板上に形成して、複数回使用が可能な半導体結晶層形成基板の作製を検討した。そして当該半導体結晶層形成基板を用いて、単結晶層上に半導体結晶層をエピタキシャル成長法により形成し、形成した半導体結晶層を、転写先基板に転写する方法を検討した。本発明は、これら検討の過程で把握された課題に基づく発明である。
すなわち、支持基板上に形成する単結晶層は、エピタキシャル成長させようとする半導体結晶層に適した材料を選択することが可能であり、たとえば半導体結晶層としてGaAs層をエピタキシャル成長させようとする場合、単結晶層としてGaAs層を採用することができる。これによりエピタキシャル成長させる半導体結晶層(GaAs層)が基板である単結晶層(GaAs層)と格子整合し、半導体結晶層を厚くエピタキシャル成長させることが可能と考えられる。しかし、本発明者らは、検討の過程で、半導体結晶層(エピタキシャル成長層)に適した単結晶層を選択したとしても、必ずしも半導体結晶層が厚く形成できるとは限らず、半導体結晶層を適切にエピタキシャル成長させるには一定の厚さ限界が存在することを見出した。
本発明の目的は、複数回使用することができる大口径の半導体結晶層形成基板を用いた場合に、適切な半導体結晶層を形成することが可能な技術、具体的には、支持基板上の単結晶層上に半導体結晶層をエピタキシャル成長させる場合の当該半導体結晶層の臨界厚さ(適切に成長可能な厚さの限界)を示す技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、支持基板、単結晶層、犠牲層および半導体結晶層を有し、前記支持基板、前記単結晶層、前記犠牲層および前記半導体結晶層が、前記支持基板、前記単結晶層、前記犠牲層、前記半導体結晶層の順に位置する半導体結晶層形成基板であって、前記単結晶層の厚さが、0.28nm以上40μm以下であり、前記半導体結晶層が、前記単結晶層と格子整合または擬格子整合するものであり、前記半導体結晶層の厚さが、数1で示す臨界厚さhc未満である半導体結晶層形成基板を提供する。
但し、bは前記半導体結晶層のバーガーズベクトルの大きさ、aは296Kにおける前記半導体結晶層の格子定数、aは296Kにおける前記単結晶層の格子定数、αは前記半導体結晶層の熱膨張係数、αは前記支持基板の熱膨張係数、νは前記半導体結晶層のポアソン比、ΔTは前記半導体結晶層の形成温度(絶対温度)と296Kとの差を示す。
本発明の第2の態様においては、支持基板および単結晶層を有し、前記支持基板および前記単結晶層が、前記支持基板、前記単結晶層の順に位置し、前記単結晶層の厚さが0.28nm以上40μm以下である、半導体結晶層形成基板を用いた複合基板の製造方法であって、(a)前記半導体結晶層形成基板の前記単結晶層の上に、犠牲層と、前記単結晶層に格子整合または擬格子整合する半導体結晶層とを、前記単結晶層、前記犠牲層、前記半導体結晶層の順に形成するステップと、(b)前記半導体結晶層形成基板に形成された層の表面であって転写先基板または前記転写先基板に形成された層に接することとなる第1表面と、前記転写先基板または前記転写先基板に形成された層の表面であって前記第1表面に接することとなる第2表面と、を向かい合わせ、前記半導体結晶層形成基板と前記転写先基板とを貼り合わせるステップと、(c)前記犠牲層をエッチングし、前記転写先基板に前記半導体結晶層を残した状態で前記半導体結晶層形成基板と前記転写先基板とを分離するステップと、を有し、前記(a)ステップにおいて、前記半導体結晶層を、数1で示す臨界厚さh未満の厚さに形成し、前記(c)ステップで分離した前記半導体結晶層形成基板を用いて、前記(a)から前記(c)の各ステップを繰り返す前記転写先基板の上に前記半導体結晶層を有する複合基板の製造方法を提供する。
但し、bは前記半導体結晶層のバーガーズベクトルの大きさ、aは296Kにおける前記半導体結晶層の格子定数、aは296Kにおける前記単結晶層の格子定数、αは前記半導体結晶層の熱膨張係数、αは前記支持基板の熱膨張係数、νは前記半導体結晶層のポアソン比、ΔTは前記半導体結晶層の形成温度(絶対温度)と296Kとの差を示す。
前記(a)ステップの前に、前記半導体結晶層形成基板の前記単結晶層の表面を平滑化するステップをさらに有してもよい。前記(a)ステップの後前記(b)ステップの前に、前記犠牲層の一部が露出するように前記半導体結晶層をエッチングし、前記半導体結晶層を複数の分割体に分割するステップをさらに有してもよい。前記(a)ステップの後前記(b)ステップの前に、前記第1表面および前記第2表面から選択された1以上の表面を活性化するステップをさらに有してもよい。前記(a)ステップの後前記(b)ステップの前に、前記半導体結晶層の上に絶縁層を形成するステップをさらに有してもよい。前記(b)ステップの前に、前記転写先基板の上に絶縁層を形成するステップをさらに有してもよい。
半導体結晶層形成基板100の平面図である。 半導体結晶層形成基板100の断面図である。 臨界厚さを説明するための概念図である。 温度を変えたときの単結晶層と半導体結晶層との格子不整合度を示したグラフである。 温度を変えたときの臨界厚さを示したグラフである。 半導体結晶層形成基板100の製造方法を工程順に示した断面図である。 半導体結晶層形成基板100の製造方法を工程順に示した断面図である。 複合基板の製造方法を工程順に示した断面図である。 複合基板の製造方法を工程順に示した断面図である。 複合基板の製造方法を工程順に示した平面図である。 複合基板の製造方法を工程順に示した断面図である。 複合基板の製造方法を工程順に示した断面図である。 複合基板の製造方法を工程順に示した断面図である。 複合基板の製造方法を工程順に示した断面図である。 複合基板200の平面図である。 目標膜厚の場合(0.1μm)のGaAs層表面を示す。 目標膜厚を超えた場合(2.2μm)のGaAs層表面を示す。 支持基板がGaAsである場合のGaAs層表面を示す。 図16から図18のそれぞれの場合についてGaAs層をXRD2θ−ωスキャンにより評価した結果を示すグラフである。
(実施の形態1)
図1は、半導体結晶層形成基板100の平面図である。図2は、半導体結晶層形成基板100の断面図である。図2は、図1のA−A線における断面を示す。半導体結晶層形成基板100は、支持基板101と、単結晶層102と、犠牲層104と、半導体結晶層106とを有する。単結晶層102は、支持基板101の表面に直接または中間層を介して支持される。半導体結晶層106は、単結晶層102上に犠牲層104を介して形成されている。図2では、単結晶層102が支持基板101に直接接して形成されている例を示す。
支持基板101は、後に説明するエピタキシャル成長において成長温度に耐え得る耐熱性が必要である。支持基板101として、シリコン、SiC、石英、サファイア、AlN,多結晶アルミナ、多結晶AlN、グラッシーカーボン、グラファイト、ダイヤモンドライクカーボン、ゲルマニウムなどを挙げることができ、耐熱性、コスト、半導体プロセスにおける取扱の容易性からシリコンウェハ、ゲルマニウムウェハが好ましい。また、シリコンウェハ、ゲルマニウムウェハの表面に酸化物層を形成したウェハも使用できる。支持基板101は、直径200mmの円またはそれより大きい任意の平面形状とすることができる。大きな支持基板101とすることにより、複合基板の製造における生産性を向上できる。任意の平面形状には、円、長方形、正方形、菱形等が含まれる。
支持基板101に支持される単結晶層102は、一方の面(表面または裏面)の全面を覆ってもよく、一部を覆ってもよい。単結晶層102は、単一または複数の何れでもよい。すなわち、単一の支持基板101に複数の単結晶層102が形成されてもよく、単一の支持基板101に単一の単結晶層102が形成されてもよい。単一の支持基板101に複数の単結晶層102が形成される場合、単結晶層102の大きさをダイサイズ程度の大きさ、たとえば一辺が0.5cm〜3cm程度の正方形または長方形とすることができる。これにより、一つの単結晶層102に対応する半導体結晶層を一つのダイに対応するデバイス形成用基板として取り扱うことができる。単一の支持基板101に単一の単結晶層102が形成される場合、たとえば、支持基板101としてシリコン基板(ウェハ)を適用し、単結晶層102としてゲルマニウム基板を適用できる。すなわち、支持基板101として取り扱いに十分習熟しているシリコン基板を用い、単結晶層102としてゲルマニウムを適用することにより、GaAs等の化合物半導体のエピタキシャル成長を可能にすることができる。支持基板101をシリコンとすることにより、コストを低減することもできる。
単結晶層102は、エピタキシャル成長等の膜成長法により形成された薄膜結晶層(単結晶成長層)であってもよく、バルク成長法により形成されたバルク結晶をウェハ等板状に整形し、当該板状結晶をさらに劈開等により適切な大きさに加工形成されたものであってもよい。単結晶層102に、エピタキシャル成長法により形成された薄膜単結晶層(単結晶成長層)を用いる場合、支持基板101の上に、エピタキシャル結晶成長法を用いて単結晶成長層を形成し、当該単結晶成長層をパターニングすることで支持基板101上に単結晶層102を形成することができる。
単結晶層102は、高品位な半導体結晶層をエピタキシャル成長により形成するためのシード層である。好ましい単結晶層102の材料は、エピタキシャル成長させる半導体結晶層の材料に依存する。一般に、単結晶層102は、形成しようとする半導体結晶層と格子整合または擬格子整合する材料からなることが望ましい。たとえば、半導体結晶層としてInP層をエピタキシャル成長法により形成する場合、単結晶層102は、InP単結晶層が好ましく、InP、サファイア、Ge、SiC等の層を選択することができる。たとえば、半導体結晶層としてGaAs層またはGe層をエピタキシャル成長法により形成する場合、単結晶層102は、GaAs単結晶層が好ましく、InP、サファイア、Ge、SiCの単結晶層が選択可能である。単結晶層102がGaAs単結晶層またはInP単結晶層である場合、半導体結晶層が形成される面方位として(100)面または(111)面が挙げられる。
単結晶層102の厚さは、0.28nm以上40μm以下である。単結晶層102は、剥離しない限りにおいて厚い方が好ましいが、本発明が適用される単結晶層102の厚さ範囲は、40μm以下に限られる。単結晶層102の厚さが40μmより大きいと、単結晶層102は単結晶層102を構成する物質に固有の熱膨張係数で熱伸縮し、本発明を適用する必要がなくなる。一方、単結晶層102が40μm以下であれば、本発明を適用して、適切に半導体結晶層106を形成することができる。単結晶層102は、予め分割して配置することが好ましい。単結晶層102を分割して配置することで、支持基板101および単結晶層102の全体の反りを抑制できる効果が期待できる。
犠牲層104は、単結晶層102と半導体結晶層106とを分離するための層である。犠牲層104がエッチングにより除去されることで、単結晶層102と半導体結晶層106とが分離する。犠牲層104のエッチングに際し、単結晶層102および半導体結晶層106が残る必要があるため、犠牲層104のエッチング速度は、単結晶層102および半導体結晶層106のエッチング速度より大きい、好ましくは数倍以上大きい必要がある。単結晶層102としてGaAs単結晶基板が、半導体結晶層106としてGaAs層が選択される場合、犠牲層104はAlAs層が好ましく、InAlAs層、InGaP層、InAlP層、InGaAlP層、AlSb層が選択できる。犠牲層104の厚さが大きくなると、半導体結晶層106の結晶性が低下する傾向にあるから、犠牲層104の厚さは、犠牲層としての機能が確保できる限り薄いことが好ましい。犠牲層104の厚さは、0.1nm〜10μmの範囲で選択できる。
犠牲層104は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、スパッタ法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法またはALD(Atomic Layer Deposition)法により形成することができる。CVD法として、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法が挙げられる。III−V族化合物半導体のエピタキシャル成長には、MOCVD法が用いられ、IV族半導体のエピタキシャル成長にはCVD法が用いられる。犠牲層104をMOCVD法で形成する場合、ソースガスとして、TMGa(トリメチルガリウム)、TMA(トリメチルアルミニウム)、TMIn(トリメチルインジウム)、AsH(アルシン)、PH(ホスフィン)等を用いることができる。キャリアガスには水素を用いることができる。ソースガスの複数の水素原子基の一部を塩素原子または炭化水素基で置換した化合物を用いることもできる。反応温度は、300℃から900℃の範囲で、好ましくは400〜800℃の範囲内で適宜選択することができる。ソースガス供給量や反応時間を適宜選択することで犠牲層104の厚さを制御することができる。
半導体結晶層106は、後に説明する転写先基板に転写される転写対象層である。半導体結晶層106は、半導体デバイスの活性層等に利用される。半導体結晶層106が単結晶層102上にエピタキシャル成長法等により形成されることで、半導体結晶層106の結晶性が高品位に実現される一方、半導体結晶層106が転写先基板に転写されることで、基板との格子整合等を考慮すること無く、半導体結晶層106を任意の基板上に形成することが可能になる。
半導体結晶層106は、単結晶層102と格子整合または擬格子整合するものであり、数1で示す臨界厚さh未満の厚さで形成される。
但し、bは半導体結晶層106のバーガーズベクトルの大きさ、aは296Kにおける半導体結晶層106の格子定数、aは296Kにおける単結晶層102の格子定数、αは半導体結晶層106の熱膨張係数、αは支持基板101の熱膨張係数、νは半導体結晶層106のポアソン比、ΔTは半導体結晶層106の形成温度(絶対温度)と296Kとの差である。なお、バーガーズベクトルの大きさbは格子定数aから計算可能で、GaAsのような閃亜鉛構造の場合、b=√2/2×aとなる。
数1で示す半導体結晶層の臨界厚さhを求める式において、a(単結晶層の格子定数)×(1+α(支持基板の熱膨張係数)×ΔT)の項が特徴である。半導体結晶層の形成温度を考慮した臨界膜厚の一般的な計算式においては、この項は、非特許文献3に示されるように(単結晶層の格子定数)×(1+(単結晶層の熱膨張係数)×ΔT)となる。すなわち、数1においては、単結晶層の熱膨張係数を用いず、支持基板の熱膨張係数を用いることを特徴とする。
中嶋一雄編「エピタキシャル成長のメカニズム」(共立出版)p15
半導体結晶層106を数1で示す臨界厚さ未満の厚さで形成することにより、半導体結晶層106に剥離などが発生せず、半導体結晶層106を適正に形成できる。図3は、臨界厚さを説明するための概念図である。犠牲層104および半導体結晶層106をエピタキシャル成長により形成する前の支持基板101および単結晶層102は、室温(常温、通常293K)において、各々の物質固有の格子定数を有する。ここで、エピタキシャル成長のために、基板温度を昇温すると、単結晶層102は厚さが40μm以下と薄いため、支持基板101に引きずられ、横方向には単結晶層102を構成する物質固有の熱膨張係数で伸長することができず、支持基板101の伸長と同じだけ伸長すると考えられる。
単結晶層102の昇温による伸長が支持基板101と同じに制限されることにより単結晶層102の格子定数とその上に形成する半導体結晶層106の格子定数とが一致しない場合であっても、半導体結晶層106が薄膜の場合は格子整合から外れることによる影響が小さい。一方、半導体結晶層106が厚膜になると、格子不整合の影響が大きくなり、半導体結晶層106中に格子緩和等が発生し、接着性低下、膜質劣化等の原因となりえる欠陥を発生することとなる。
半導体結晶層106の厚さを、数1で示す臨界厚さ未満とすることで、これらの問題を回避できる。なお、図4は、支持基板101をSi、単結晶層102および半導体結晶層106をGaAsとした場合、温度を変えたときの単結晶層と半導体結晶層との格子定数および両者の間の格子不整合度を示したグラフであり、図5は、温度を変えたときの半導体結晶層106の臨界厚さを示したグラフである。温度の上昇に応じて格子不整合度が大きくなるものの、数1で計算した臨界厚さは、エピタキシャル成長温度(約660℃)で目標とする0.1μmを達成することができる。
半導体結晶層106として、GaAs結晶層、AlGaAs結晶層、Ge結晶層、SiGe結晶層等が挙げられる。半導体結晶層106は、CVD法、スパッタ法、MBE法またはALD法により形成することができる。CVD法として、MOCVD法が挙げられる。半導体結晶層106がIII−V族化合物半導体からなり、MOCVD法で形成する場合、ソースガスとして、TMGa(トリメチルガリウム)、TMA(トリメチルアルミニウム)、TMIn(トリメチルインジウム)、AsH(アルシン)、PH(ホスフィン)等を用いることができる。半導体結晶層106がIV族化合物半導体からなり、CVD法で形成する場合、ソースガスとして、GeH(ゲルマン)、SiH(シラン)またはSi(ジシラン)等を用いることができる。キャリアガスには水素を用いることができる。ソースガスの複数の水素原子基の一部を塩素原子または炭化水素基で置換した化合物を用いることもできる。反応温度は、300℃から900℃の範囲で、好ましくは400〜800℃の範囲内で適宜選択することができる。ソースガス供給量や反応時間を適宜選択することで半導体結晶層106の厚さを制御することができる。
図6および図7は、半導体結晶層形成基板100の製造方法を工程順に示した断面図である。図6に示すように、支持基板101上に単結晶層102を形成し、図7に示すように、単結晶層102の表面を平滑化する。平滑化は、たとえば化学機械研磨(CMP)法による研磨を例示することができる。化学機械研磨法による研磨は、研磨剤および研磨液を混合したスラリを供給しつつ研磨パッド103により単結晶層102の表面を摺動することにより実施できる。平滑化により、単結晶層102の表面を平滑にするとともに、結晶の劈開等により発生したパーティクルを除去することができる。なお、本平滑化のステップは必須ではない。必要に応じて実施すればよい。平滑化に続いて単結晶層102の表面を洗浄してもよい。次に、単結晶層102の上に、犠牲層104および半導体結晶層106を、単結晶層102、犠牲層104、半導体結晶層106の順に形成する。以上のようにして、前記した半導体結晶層形成基板100が製造できる。
(実施の形態2)
図8〜図15は、複合基板200の製造方法を示した断面図または平面図である。実施の形態1で説明した半導体結晶層形成基板100を用いる。図8に示すように、半導体結晶層106の上に絶縁層107を形成する。絶縁層107は、転写先基板への接着層として機能させることができる。絶縁層107として、ALD法による酸化アルミニウム層を例示することができる。絶縁層107として、CVD法によるシリコン酸化物層またはシリコン窒化物層を適用してもよい。なお、絶縁層107は必須ではない、必要に応じて絶縁層107を形成すればよい。
次に、図9に示すように、犠牲層104の一部が露出するように絶縁層107および半導体結晶層106をエッチングし、絶縁層107および半導体結晶層106を複数の分割体108に分割する。分割体108は、直径30mmの円またはそれより小さい任意の平面形状を有する。このエッチングにより分割体108と隣接する分割体108との間に溝110が形成される。ここで、「犠牲層104の一部を露出するように」とは、溝110が形成されるエッチング領域において、犠牲層104が実質的に露出していると言える以下のような場合を含む。すなわち、溝110の底部において犠牲層104が完全にエッチングされ、溝110の底部に単結晶層102が露出され、犠牲層104の断面が溝110の側面の一部として露出されるような場合、溝110が形成される領域において犠牲層104の途中までエッチングされ、溝110の底面に犠牲層104が露出されるような場合、溝110の底部の一部に半導体結晶層106が残存し、溝110の底部において犠牲層104が一部露出しているような場合、あるいは、溝110の底部全体に極薄い半導体結晶層106が残存するものの、残存する半導体結晶層106の厚さはエッチング液が浸透する程度に薄く、実質的に犠牲層104が露出していると言える場合、を含む。
溝110を形成するエッチングには、ドライ方式またはウェット方式の何れのエッチング方式も採用できる。ドライエッチングの場合、エッチングガスには、SF、CH4−x(x=1〜4の整数)等のハロゲンガスが利用できる。ウェットエッチングの場合、エッチング液として、HCl、HF、リン酸、クエン酸、過酸化水素水、アンモニア、水酸化ナトリウムの水溶液が利用できる。エッチングのマスクには、エッチング選択比を有する適当な有機物または無機物が利用でき、マスクをパターニングすることにより、溝110のパターンを任意に形成できる。なお、溝110を形成するエッチングにおいて、単結晶層102をエッチングストッパに利用することが可能であるが、単結晶層102を再利用することを考慮すれば、犠牲層104の表面または途中でエッチングを停止することが望ましい。
溝110を形成することにより、犠牲層104のエッチングにおいて、エッチング液が溝110から供給され、溝110を多く形成することで、犠牲層104のエッチングが必要な距離を短くし、犠牲層104の除去に必要な時間を短縮できる。図10は、半導体結晶層形成基板100を上方から見た平面図であり、支持基板101上の単結晶層102に分割体108が多数形成されている。
次に、図11に示すように、転写先基板120と絶縁層107および半導体結晶層106との接着性を強化する接着性強化処理を転写先基板120の表面および絶縁層107の表面に施す。ここで、単結晶層102上の、溝110以外の部分の絶縁層107の表面は、単結晶層102に形成された層の表面であって転写先基板120または転写先基板120に形成された層に接することとなる「第1表面112」の一例である。また、転写先基板120の表面は、転写先基板120または転写先基板120に形成された層の表面であって第1表面112に接することとなる「第2表面122」の一例である。
接着性強化処理は、転写先基板120の表面(第2表面122)または絶縁層107の表面(第1表面112)の何れか一方にだけ施してもよい。接着性強化処理として、イオンビーム生成器130によるイオンビーム活性化を例示することができる。照射するイオンは、たとえばアルゴンイオンである。接着性強化処理として、プラズマ活性化を施してもよい。プラズマ活性化として、酸素プラズマ処理を例示することができる。接着性強化処理により、転写先基板120と絶縁層107との接着性を強化することができる。なお、接着性強化処理は、必須ではない。接着性強化処理に代えて、転写先基板120上に、接着層を予め形成しておいても良い。
転写先基板120は、半導体結晶層106が転写される先の基板である。転写先基板120は、半導体結晶層106を活性層として利用する電子デバイスが最終的に配置されるターゲット基板であってもよく、半導体結晶層106がターゲット基板に転写されるまでの中間状態における、仮置き基板であってもよい。転写先基板120は、有機物、無機物の何れであってもよい。転写先基板120として、シリコン基板、SOI(Silicon on Insulator)基板、ガラス基板、サファイア基板、SiC基板、AlN基板を例示することができる。他に、セラミックス基板、プラスティック基板等の絶縁体基板、金属等の導電体基板であっても良い。転写先基板120にシリコン基板またはSOI基板を用いる場合、既存のシリコンプロセスで用いられる製造装置が利用でき、既知のシリコンプロセスにおける知見を利用して、研究開発および製造の効率を高めることができる。転写先基板120がシリコン基板等、容易には曲がらない硬い基板である場合、転写する半導体結晶層106が機械的振動等から保護され、半導体結晶層106の結晶品質を高く保つことができる。
なお、転写先基板120に耐熱性の絶縁層を形成してもよい。耐熱性の絶縁層として、ALD法によるAl、CVD法によるSiO、Siを例示することができる。転写先基板120は、直径200mmの円またはそれより大きい任意の平面形状を有することが好ましい。転写先基板120を大きくすることで、生産性を高めることができる。なお、任意の平面形状には、円、長方形、正方形、菱形等が含まれる。
次に、図12に示すように、転写先基板120の表面(第2表面122)と絶縁層107の表面(第1表面112)とを向かい合わせ、転写先基板120と半導体結晶層形成基板100とを貼り合わせる。貼り合わせにおいて、第1表面112である絶縁層107の表面と、第2表面122である転写先基板120の表面とが接合されるように、転写先基板120と半導体結晶層形成基板100とを貼り合わせる。接着性強化処理を行う場合、貼り合わせは室温で行うことができる。貼り合わせにおいて、半導体結晶層形成基板100と転写先基板120を圧着してもよい。この場合の圧力範囲は1MPa〜1GPaが好ましい。圧着により接着強度を向上させることができる。圧着時または圧着後に加熱してもよい。加熱温度として50〜600℃が好ましく、さらに好ましくは100℃〜400℃がよい。
貼り合わせにより、図13に示すように、溝110の内壁と転写先基板120の表面とによって空洞140が形成される。空洞140にエッチング液を供給し、犠牲層104をエッチングする。なお、エッチングはエッチングガスによるドライエッチングでもよい。犠牲層104がAlAs層である場合、エッチング液として、HCl、HF、リン酸、クエン酸、過酸化水素水、アンモニア、水酸化ナトリウムの水溶液または水を例示することができる。エッチング中の温度は、10〜90℃の範囲で制御することが好ましい。エッチング時間は、1分〜200時間の範囲で適宜制御することができる。
犠牲層104がエッチングにより除去されると、図14に示すように、半導体結晶層106を転写先基板120側に残した状態で、転写先基板120と単結晶層102(半導体結晶層形成基板100)とが分離する。これにより、半導体結晶層106が転写先基板120に転写され、転写先基板120上に半導体結晶層106を有する複合基板が製造される。転写先基板120上の半導体結晶層106は、図15に示すように、多数の分割体として形成される。
また、分離された支持基板101および単結晶層102は、再利用され、図7に示す平滑化のステップから前記同様に利用される。支持基板101および単結晶層102は、単結晶層102が消耗されて使えなくなるまで再利用が可能であり、再利用による大幅な製造コストの削減が期待できる。
(実施例)
支持基板101として100mm径のシリコンウェハと、単結晶層102として厚さ1.0μmのGaAs層とを有する半導体結晶層形成用の基板を用いた。当該基板の単結晶層102上に、犠牲層104として厚さ7.0nmのAlAs層および半導体結晶層106として厚さ0.10μmのGaAs層を有する半導体結晶層形成基板を形成した。犠牲層104であるAlAs層と半導体結晶層106であるGaAs層は、いずれもエピタキシャル成長法により形成した。AlAs層のエピタキシャル成長では、原料ガスとしてTMA(トリメチルアルミニウム)、AsH(アルシン)および水素を用い、基板温度を660℃とした。半導体結晶層106であるGaAs層のエピタキシャル成長では、原料ガスとしてTMG(トリメチルガリウム)、AsH(アルシン)および水素を用い、基板温度を660℃とした。室温は23℃である。比較として、半導体結晶層106であるGaAs層の厚さを2.2μmとしたもの(比較例1)、および、半導体結晶層形成用の基板としてGaAsを用い、GaAs層の厚さを2.2μmとしたもの(比較例2)、を作成した。
実施例の場合の半導体結晶層106であるGaAs層の臨界厚さhは、以下のようにして求められる。aおよびaが296KにおけるGaAs層の格子定数であり、νがGaAs層のポアソン比であり、αがGaAs層の熱膨張係数であり、αがシリコンウェハの熱膨張係数であるから、a=a=5.653Å、ν=0.31、α=6.0×10−6/K、α=2.4×10−6/K、b=√2/2×a、ΔT=637Kを数1の式に代入すると、h=213×(ln(h)−0.390)が得られる。この式を数値計算により解くと、h=1.5×10Å=0.15μmが得られる。実施例の場合、半導体結晶層106であるGaAs層の厚さは0.10μmであり臨界厚さh未満である。比較例1の場合、半導体結晶層106であるGaAs層の厚さは2.2μmであり臨界厚さhを超える。
図16は、実施例の半導体結晶層106であるGaAs層の表面を観察した顕微鏡写真およびAFM(Atomic Force Microscope)像である。図において上部に顕微鏡写真を示し、下部左側に2μm×2μm視野におけるAFM像を、下部右側に10μm×10μm視野におけるAFM像を示す(以下、図17および図18において同様である。)。図16の顕微鏡写真から、表面は極めて平坦であることがわかる。図16におけるAFM像からの粗さ測定では、2μm×2μm視野でRMS=0.154nm、10μm×10μm視野でRMS=0.196nmであった。
図17は、比較例1におけるGaAs層の表面を観察した顕微鏡写真およびAFM像である。図16と比較して、クロスハッチやピットが多数観測され、結晶性の悪さが伺える。図17におけるAFM像からの粗さ測定では、2μm×2μm視野でRMS=0.235nm、10μm×10μm視野でRMS=5.93nmと、図16の場合と比較して大きく悪化していることがわかる(逆に、実施例では表面平坦性が比較例1と比較して良好であることがわかる。)。
図18は、比較例2におけるGaAs層の表面を観察した顕微鏡写真およびAFM像である。比較例2では、基板としてGaAsを用いているので、半導体結晶層106であるGaAs層と熱膨張係数が一致し、厚膜を積んでもGaAs層の結晶性は低下しない。図18におけるAFM像からの粗さ測定では、2μm×2μm視野でRMS=0.122nm、10μm×10μm視野でRMS=0.154nmであった。実施例と比較例2を比較すれば、実施例では基板としてGaAs層とは熱膨張係数が異なるシリコンを用いているにも関わらず、GaAs基板上に形成したGaAs層と同等の結晶層が形成されていることがわかる。
図19は、図16から図18のそれぞれの場合についてGaAs層を室温でXRD絶対角2θ−ωスキャンにより評価した結果を示すグラフである。実施例および比較例2の結果より導かれたGaAs層の格子定数はいずれも文献値と同じ5.653Åであり、室温において歪みのない良好な品質のGaAs結晶層が形成されているが、比較例1の結果より導かれたGaAs層の格子定数は5.647Åであり、実施例および比較例2より小さい。成長温度において格子緩和が生じた後、室温まで冷却した際に歪みが生じており、GaAs結晶層の品質が劣化していることがわかる。
100…半導体結晶層形成基板、101…支持基板、102…単結晶層、103…研磨パッド、104…犠牲層、106…半導体結晶層、107…絶縁層、108…分割体、110…溝、112…第1表面、120…転写先基板、122…第2表面、130…イオンビーム生成器、140…空洞、200…複合基板。

Claims (7)

  1. 支持基板、単結晶層、犠牲層および半導体結晶層を有し、
    前記支持基板、前記単結晶層、前記犠牲層および前記半導体結晶層が、前記支持基板、前記単結晶層、前記犠牲層、前記半導体結晶層の順に位置する半導体結晶層形成基板であって、
    前記単結晶層の厚さが、0.28nm以上40μm以下であり、
    前記半導体結晶層が、前記単結晶層と格子整合または擬格子整合するものであり、
    前記半導体結晶層の厚さが、数1で示す臨界厚さhc未満である
    半導体結晶層形成基板。
    (数1)
    但し、bは前記半導体結晶層のバーガーズベクトルの大きさ、aは296Kにおける前記半導体結晶層の格子定数、aは296Kにおける前記単結晶層の格子定数、αは前記半導体結晶層の熱膨張係数、αは前記支持基板の熱膨張係数、νは前記半導体結晶層のポアソン比、ΔTは前記半導体結晶層の形成温度(絶対温度)と296Kとの差を示す。
  2. 支持基板および単結晶層を有し、前記支持基板および前記単結晶層が、前記支持基板、前記単結晶層の順に位置し、前記単結晶層の厚さが0.28nm以上40μm以下である、半導体結晶層形成基板を用いた複合基板の製造方法であって、
    (a)前記半導体結晶層形成基板の前記単結晶層の上に、犠牲層と、前記単結晶層に格子整合または擬格子整合する半導体結晶層とを、前記単結晶層、前記犠牲層、前記半導体結晶層の順に形成するステップと、
    (b)前記半導体結晶層形成基板に形成された層の表面であって転写先基板または前記転写先基板に形成された層に接することとなる第1表面と、前記転写先基板または前記転写先基板に形成された層の表面であって前記第1表面に接することとなる第2表面と、を向かい合わせ、前記半導体結晶層形成基板と前記転写先基板とを貼り合わせるステップと、
    (c)前記犠牲層をエッチングし、前記転写先基板に前記半導体結晶層を残した状態で前記半導体結晶層形成基板と前記転写先基板とを分離するステップと、を有し、
    前記(a)ステップにおいて、前記半導体結晶層を、数1で示す臨界厚さh未満の厚さに形成し、
    前記(c)ステップで分離した前記半導体結晶層形成基板を用いて、前記(a)から前記(c)の各ステップを繰り返す
    前記転写先基板の上に前記半導体結晶層を有する複合基板の製造方法。
    (数1)
    但し、bは前記半導体結晶層のバーガーズベクトルの大きさ、aは296Kにおける前記半導体結晶層の格子定数、aは296Kにおける前記単結晶層の格子定数、αは前記半導体結晶層の熱膨張係数、αは前記支持基板の熱膨張係数、νは前記半導体結晶層のポアソン比、ΔTは前記半導体結晶層の形成温度(絶対温度)と296Kとの差を示す。
  3. 前記(a)ステップの前に、前記半導体結晶層形成基板の前記単結晶層の表面を平滑化するステップをさらに有する
    請求項2に記載の複合基板の製造方法。
  4. 前記(a)ステップの後前記(b)ステップの前に、前記犠牲層の一部が露出するように前記半導体結晶層をエッチングし、前記半導体結晶層を複数の分割体に分割するステップをさらに有する
    請求項2または請求項3に記載の複合基板の製造方法。
  5. 前記(a)ステップの後前記(b)ステップの前に、前記第1表面および前記第2表面から選択された1以上の表面を活性化するステップをさらに有する
    請求項2から請求項4の何れか一項に記載の複合基板の製造方法。
  6. 前記(a)ステップの後前記(b)ステップの前に、前記半導体結晶層の上に絶縁層を形成するステップをさらに有する
    請求項2から請求項5の何れか一項に記載の複合基板の製造方法。
  7. 前記(b)ステップの前に、前記転写先基板の上に絶縁層を形成するステップをさらに有する
    請求項2から請求項6の何れか一項に記載の複合基板の製造方法。
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