JP2014216241A - 電極材料及び電極並びにリチウムイオン電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の電極材料1は、電極活物質粒子2の表面に、イオン伝導性物質3を含有する炭素質被膜4が形成され、イオン伝導性物質3の表面の少なくとも一部が炭素質被膜4に被覆されずに露出しているか、もしくはイオン伝導性物質3が炭素質被膜4に包含されている。
【選択図】図1
Description
リチウムイオン電池の負極材料としては、負極活物質として、一般に炭素系材料またはチタン酸リチウム(Li4Ti5O12)等の、リチウムイオンを可逆的に脱挿入可能な性質を有するLi含有金属酸化物が用いられている。
一方、リチウムイオン電池の正極材料としては、正極活物質として、鉄リン酸リチウム(LiFePO4)等の、リチウムイオンを可逆的に脱挿入可能な性質を有するLi含有金属酸化物や、バインダー等を含む電極材料合剤が用いられている。そして、この電極材料合剤を集電体と称される金属箔の表面に塗布することにより、リチウムイオン電池の正極が形成されている。
また、近年、リチウムイオン電池は、プラグインハイブリッド自動車、ハイブリッド自動車、電動工具等の高出力電源としても検討されている。これらの高出力電源として用いられる電池には、高速の充放電特性が求められている。
しかしながら、この炭素質被膜はリチウムイオンが酸化還元反応する際の障壁になるとともに、リチウムイオンの拡散障壁にもなることから、炭素質被膜の被覆率が高い程、また、炭素質被膜の膜厚が厚い程、リチウムイオンの伝導性が損なわれる。その結果、電子伝導性向上とリチウムイオン伝導性向上とがトレードオフの関係となる。例えば、炭素質被膜が担持された電極活物質においては、電子伝導性が向上する反面、リチウムイオン伝導性が損なわれることによって電池内部抵抗の総和が上昇し、特に高速の充放電を行った際に電圧が著しく低下することとなる。
イオン伝導性物質の表面の少なくとも一部が炭素質被膜に被覆されずに露出している場合、電子伝導性が十分に高く、かつイオン伝導性の高いイオン伝導性物質を選択することにより、そのイオン伝導性物質の作用により、炭素質被膜がリチウムイオンの酸化還元反応の障壁になる効果と、リチウムイオンの拡散を阻害する効果と、が解消され、電極材料のイオン伝導性の改善が可能となる。一方、イオン伝導性物質が炭素質被膜に包含されている場合、電子伝導性が十分であり、かつ炭素質被膜に比してイオン伝導性の高いイオン伝導性物質を選択することにより、電極材料のイオン伝導性を改善することが可能である。
その理由は、イオン伝導性物質の質量割合が0.1質量%未満であると、リチウムイオン伝導性の改善効果が十分ではなく、また、30質量%を超えると、電極活物質の質量割合が少なくなり、電池容量が低下するために好ましくないからである。イオン伝導性物質の質量割合は、より好ましくは1質量%以上、20質量%以下である。
その理由は、炭素質被膜の被覆率が50%未満であると、電極活物質への電子伝導性の付与が不十分であるため、好ましくないからである。
また、前記電極活物質粒子と前記イオン伝導性物質とが接触しており、前記イオン伝導性物質の少なくとも一部の成分が、前記電極活物質粒子の中に固溶していることが好ましい。
イオン伝導性物質は、リチウムイオン伝導性を有する化合物であれば良く、イオン伝導性物質が結晶質であっても非晶質であっても構わない。
具体的には、例えば、リン酸リチウム、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、チタン酸リチウム、酸化マンガン、及びLixAyDzPO4(ただし、AはCo、Mn、Ni、Feの群から選択される1種または2種以上、DはMg、Ca、S、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sc、Y、希土類元素の群から選択される1種または2種以上、0<x<2、0<y<1.5、0≦z<1.5)の群から選択される1種を主成分とすることができる。
前記電極活物質粒子は、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、チタン酸リチウム、およびLixAyDzPO4(ただし、AはCo、Mn、Ni、Fe、Cu、Crの群から選択される1種または2種以上、DはMg、Ca、S、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sc、Y、希土類元素の群から選択される1種または2種以上、0<x<2、0<y<1.5、0≦z<1.5)の群から選択される1種であることが好ましい。
なお、以下の各図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
本形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
図1〜図3に示すように、本実施形態の電極材料1,11,21は、電極活物質粒子2の表面に、イオン伝導性物質3を含有する炭素質被膜4が形成されている点を特徴としている。詳しくは後述するが、このような電極材料1,11,21は、電極活物質粒子2、イオン伝導性物質3および炭素質被膜前駆体を混合して得られた混合物を加熱することにより形成できる。炭素質被膜4中でのイオン伝導性物質3の含有形態は、各原料の種類や製造条件等により様々である。例えば、イオン伝導性物質3の種類によって炭素質被膜4との親和性が異なり、その親和性や炭素質被膜4の膜厚に応じて図1〜図3のような3つの形態を取り得る。
具体的な形態について、以下説明する。
イオン伝導性物質3は、Li、Fe、Mn、Co、Ni、Si、Oからなる元素群の内の一つ以上の元素を構成元素とするリチウム化合物もしくはマンガン化合物である。具体的には、リン酸リチウム、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、チタン酸リチウム、酸化マンガン、及びLixAyDzPO4(ただし、AはCo、Mn、Ni、Feの群から選択される1種または2種以上、DはMg、Ca、S、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sc、Y、希土類元素の群から選択される1種または2種以上、0<x<2、0<y<1.5、0≦z<1.5)の群から選択される1種を主成分とすることができる。
内部抵抗の評価方法としては、例えば、電流休止法等が用いられる。電流休止法では、内部抵抗は、配線抵抗、接触抵抗、電子の移動抵抗、リチウムイオン移動抵抗、正負電極におけるリチウム反応抵抗、正負極間距離によって定まる極間抵抗、リチウムイオンの溶媒和、脱溶媒和に関わる抵抗およびリチウムイオンのSEI(Solid Electrolyte Interface)移動抵抗の総和として測定される。
ここで、中実な凝集体とは、空隙が全く存在しない凝集体のことであり、この中実な凝集体の密度は電極活物質の理論密度に等しいものとする。
ここで、希土類元素とは、ランタン系列であるLa、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luの15元素のことである。
ここで、内部抵抗を20Ω以下と限定した理由は、内部抵抗が20Ωを超えると、電極膜厚を薄くすることにより電池としての内部抵抗を低減する必要が生じ、よって、電極一枚当たりの電池容量が減少し、その結果、電池における所望の電池容量を実現するために電極枚数を増やさなければならなくなるからである。
電極枚数を増やすことは、電池活性の無い集電体、セパレーター、等の電極部材が電極枚数に応じて増えてしまい、結果として電池容量の減少につながるので、好ましくない。
本実施形態の電極材料の製造方法は、特に限定されないが、電極活物質またはその前駆体と、イオン伝導性物質と有機化合物と、水とを含み、かつ、この電極活物質またはその前駆体の粒度分布における累積体積百分率が90%のときの粒子径(D90)の累積体積百分率が10%のときの粒子径(D10)に対する比(D90/D10)が、5以上かつ30以下のスラリーを乾燥し、次いで、得られた乾燥物を500℃以上かつ1000℃以下の非酸化性雰囲気下にて焼成することにより、電極活物質粒子の表面に、イオン伝導性物質を含有する炭素質被膜が形成され、前記イオン伝導性物質の表面の少なくとも一部が前記炭素質被膜に被覆されずに露出しているか、もしくは前記イオン伝導性物質が前記炭素質被膜に包含されている電極材料を得る方法である。
ここで、希土類元素とは、ランタン系列であるLa、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luの15元素のことである。
化合物(LixAyDzPO4粉体)としては、例えば、酢酸リチウム(LiCH3COO)、塩化リチウム(LiCl)等のリチウム塩、あるいは水酸化リチウム(LiOH)からなる群から選択されたLi源と、塩化鉄(II)(FeCl2)、酢酸鉄(II)(Fe(CH3COO)2)、硫酸鉄(II)(FeSO4)等の2価の鉄塩と、リン酸(H3PO4)、リン酸二水素アンモニウム(NH4H2PO4)、リン酸水素二アンモニウム((NH4)2HPO4)等のリン酸化合物と、水とを混合して得られるスラリー状の混合物を、耐圧密閉容器を用いて水熱合成し、得られた沈殿物を水洗してケーキ状の前駆体物質を生成し、このケーキ状の前駆体物質を焼成して得られた化合物(LixAyDzPO4粒子)を好適に用いることができる。
ここで、電極活物質の1次粒子の平均粒径を上記の範囲に限定した理由は、1次粒子の平均粒径が0.01μm未満では、1次粒子の表面を薄膜状の炭素で充分に被覆することが困難となり、高速充放電レートにおける放電容量が低くなり、充分な充放電レート性能を実現することが困難となるので、好ましくなく、一方、1次粒子の平均粒径が20μmを超えると、1次粒子の内部抵抗が大きくなり、したがって、高速充放電レートにおける放電容量が不充分となるので、好ましくないからである。
ここで、電極活物質の形状が球状であることが好ましい理由は、電極活物質と、バインダー樹脂(結着剤)と、溶媒とを混合して正電極用ペーストを調製する際の溶媒量を低減させることができるとともに、正電極用ペーストの集電体への塗工も容易となるからである。
さらに、電極活物質の形状が球状であれば、電極活物質が最密充填し易いので、単位体積あたりの正極材料の充填量が多くなり、よって、電極密度を高くすることができる。その結果、リチウムイオン電池の高容量化を図ることができるので、好ましい。
ここで、有機化合物の炭素量換算の配合比が0.6質量部未満では、電池を形成した場合に高速充放電レートにおける放電容量が低くなり、充分な充放電レート性能を実現することが困難となる。一方、有機化合物の炭素量換算の配合比が4.0質量部を超えると、リチウムイオンが炭素質被膜中を拡散する際に立体障害によってリチウムイオン移動抵抗が高くなり、その結果、電池を形成した場合に電池の内部抵抗が上昇し、高速充放電レートにおける電圧低下が無視できなくなる。
次いで、この乾燥物を、非酸化性雰囲気下、500℃以上かつ1000℃以下、好ましくは600℃以上かつ900℃以下の範囲内の温度にて、0.1時間以上かつ40時間以下、焼成する。
以上により、乾燥物中の有機化合物が熱分解して生成した炭素により電極活物質の1次粒子の表面が被覆され、かつイオン伝導性物質が前記炭素に包含される。その結果として、電極活物質の1次粒子表面にイオン伝導性物質が偏在し、かつ電極活物質表面およびイオン伝導性物質の少なくとも一部が炭素によって被覆された、電極活物質の1次粒子の間に炭素が介在した凝集体が得られる。
本実施形態の電極は、本実施形態の電極材料を含有してなる電極である。
本実施形態の電極を作製するには、上記の電極材料と、バインダー樹脂からなる結着剤と、溶媒とを混合して、電極形成用塗料または電極形成用ペーストを調整する。この際、必要に応じてカーボンブラック等の導電助剤を添加してもよい。
上記の結着剤、すなわちバインダー樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)樹脂、フッ素ゴム等が好適に用いられる。
上記の電極材料とバインダー樹脂との配合比は、特に限定されないが、例えば、電極材料100質量部に対してバインダー樹脂を1質量部以上かつ30質量部以下、好ましくは3質量部以上かつ20質量部以下とする。
次いで、塗膜を加圧圧着し、乾燥して、金属箔の一方の面に電極材料層を有する集電体(電極)を作製する。
このようにして、本実施形態のリチウムイオン伝導性を損なうことなく、電子伝導性を向上させることができる電極を作製することができる。
本実施形態のリチウムイオン電池は、本実施形態の電極からなる正極を備えている。
このリチウムイオン電池は、本実施形態の電極材料を用いて電極を作製することにより、電極の内部抵抗を小さくすることができる。したがって、電池の内部抵抗を低く抑えることができ、その結果、電圧が著しく低下する虞もなく、高速の充放電を行うことができるリチウムイオン電池を提供することができる。
本実施形態のリチウムイオン電池では、負極、電解液、セパレーター等は特に限定されない。例えば、負極としては、金属Li、炭素材料、Li合金、Li4Ti5O12等の負極材料を用いることができる。また、電解液とセパレーターの代わりに、固体電解質を用いても良い。
例えば、本実施例では、電極材料自体の挙動をデータに反映させるために負極に金属Liを用いたが、炭素材料、Li合金、Li4Ti5O12等の負極材料を用いてもかまわない。また、電解液とセパレーターの代わりに固体電解質を用いても良い。
(電極材料の作製)
水2L(リットル)に、4molの酢酸リチウム(LiCH3COO)、2molの硫酸鉄(II)(FeSO4)、2molのリン酸(H3PO4)を、全体量が4Lになるように混合し、均一なスラリー状の混合物を調製した。
次いで、この混合物を容量8Lの耐圧密閉容器に収容し、200℃にて1時間、水熱合成を行った。
次いで、得られた沈殿物を水洗し、ケーキ状の電極活物質の前駆体を得た。
次いで、この分散処理を行ったスラリーを180℃の大気雰囲気中に噴霧し、乾燥して、平均粒子径が6μmの乾燥物を得た。
次いで、得られた乾燥物を700℃の窒素雰囲気下にて1時間、焼成し、平均粒子径が6μmである実施例1の電極材料を得た。
この電極材料の電極活物質の炭素量、炭素質被膜の被覆率それぞれの評価を行った。
評価方法は下記の通りである。
炭素分析計を用いて電極活物質の炭素量を測定した。
(2) 炭素質被膜の被覆率
電極活物質を構成している凝集体の炭素質被膜を透過型電子顕微鏡(TEM)、エネルギー分散型X線分光器(EDX)を用いて観察し、凝集体の表面のうち炭素質被膜が覆っている部分の割合を算出し、被覆率とした。
上記の電極材料と、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)と、導電助剤としてアセチレンブラック(AB)とを、質量比が90:5:5となるように混合し、さらに溶媒としてN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)を加えて流動性を付与し、スラリーを作製した。
次いで、このスラリーを厚み15μmのアルミニウム(Al)箔上に塗布し、乾燥した。その後、600kgf/cm2の圧力にて加圧し、実施例1のリチウムイオン電池の正極を作製した。
一方、炭酸エチレンと炭酸ジエチルとを1:1(質量比)にて混合し、さらに1MのLiPF6溶液を加えて、リチウムイオン伝導性を有する電解質溶液を作製した。
次いで、上記の電池用部材を上記の電解質溶液に浸漬し、実施例1のリチウムイオン電池を作製した。
このリチウムイオン電池の内部抵抗の評価を行った。評価方法は下記の通りである。
電極面積が2平方cm、電極密度が2.0g/ccの正極と、リチウム金属からなる負極とを、多孔質ポリプロピレンからなる25μmのセパレーターを介して対向させ、直径2cm、厚み3.2mmのコインセル容器内に配置し、放電深度50%、1C放電時に電流休止法により測定される電圧上昇と、1C放電電流とから、内部抵抗を算出した。内部抵抗を表1に示す。
イオン伝導性物質としてリン酸鉄リチウム(LiFePO4)7.5gを混合した他は、実施例1と同様にして実施例2の電極材料及びリチウムイオン電池を作製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
イオン伝導性物質としてリン酸マンガンリチウム(LiMnPO4)15.0gを混合した他は、実施例1と同様にして実施例3の電極材料及びリチウムイオン電池を作製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
イオン伝導性物質としてリン酸コバルトリチウム(LiCoPO4)22.5gを混合した他は、実施例1と同様にして実施例4の電極材料及びリチウムイオン電池を作製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
イオン伝導性物質としてリン酸ニッケルリチウム(LiNiPO4)45.0gを混合した他は、実施例1と同様にして実施例5の電極材料及びリチウムイオン電池を作製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
(電極材料の作製)
水2L(リットル)に、4molの酢酸リチウム(LiCH3COO)、2molの硫酸鉄(II)(FeSO4)、2molのリン酸(H3PO4)を、全体量が4Lになるように混合し、均一なスラリー状の混合物を調製した。
次いで、この混合物を容量8Lの耐圧密閉容器に収容し、200℃にて1時間、水熱合成を行った。
次いで、得られた沈殿物を水洗し、ケーキ状の電極活物質の前駆体を得た。
次いで、得られた乾燥物を700℃の窒素雰囲気下にて1時間、焼成し、平均粒子径が6μmである実施例6の電極材料を得た。
また、この電極材料を用いて、実施例1と同様にして実施例6のリチウムイオン電池を作製し、評価を行った。これらの評価結果を表1に示す。
イオン伝導性物質としてマンガン酸リチウム(LiMn2O4)7.5gを混合した他は、実施例6と同様にして実施例7の電極材料及びリチウムイオン電池を作製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
イオン伝導性物質としてチタン酸リチウム(Li4Ti5O12)15.0gを混合した他は、実施例6と同様にして実施例8の電極材料及びリチウムイオン電池を作製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
イオン伝導性物質としてニッケル酸リチウム(LiNiO2)22.5gを混合した他は、実施例6と同様にして実施例9の電極材料及びリチウムイオン電池を作製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
イオン伝導性物質としてLi7P3S11 45gを混合した他は、実施例6と同様にして実施例10の電極材料及びリチウムイオン電池を作製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
(電極材料の作製)
水2L(リットル)に、4molの酢酸リチウム(LiCH3COO)、2molの硫酸鉄(II)(FeSO4)、2molのリン酸(H3PO4)を、全体量が4Lになるように混合し、均一なスラリー状の混合物を調製した。
次いで、この混合物を容量8Lの耐圧密閉容器に収容し、200℃にて1時間、水熱合成を行った。
次いで、得られた沈殿物を水洗し、ケーキ状の電極活物質の前駆体を得た。
次いで、得られた乾燥物を700℃の窒素雰囲気下にて1時間、焼成し、平均粒子径が6μmである実施例11の電極材料を得た。
また、この電極材料を用いて、実施例1と同様にして実施例11のリチウムイオン電池を作製し、評価を行った。これらの評価結果を表1に示す。
イオン伝導性物質としてLiPON 7.5gを混合した他は、実施例11と同様にして実施例12の電極材料及びリチウムイオン電池を作製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
イオン伝導性物質としてLi7La3Zr2O12 15.0gを混合した他は、実施例11と同様にして実施例13の電極材料及びリチウムイオン電池を作製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
イオン伝導性物質としてLa0.62Li0.16TiO3 22.5gを混合した他は、実施例11と同様にして実施例14の電極材料及びリチウムイオン電池を作製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
イオン伝導性物質としてLi10GeP2S12 45.0gを混合した他は、実施例11と同様にして実施例15の電極材料及びリチウムイオン電池を作製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
(電極材料の作製)
水2L(リットル)に、4molの酢酸リチウム(LiCH3COO)、2molの硫酸鉄(II)(FeSO4)、2molのリン酸(H3PO4)を、全体量が4Lになるように混合し、均一なスラリー状の混合物を調製した。
次いで、この混合物を容量8Lの耐圧密閉容器に収容し、200℃にて1時間、水熱合成を行った。
次いで、得られた沈殿物を水洗し、ケーキ状の電極活物質の前駆体を得た。
次いで、得られた乾燥物を700℃の窒素雰囲気下にて1時間、焼成し、平均粒子径が6μmである比較例1の電極材料を得た。
また、この電極材料を用いて、実施例1と同様にして実施例16のリチウムイオン電池を作製し、評価を行った。これらの評価結果を表1に示す。
イオン伝導性物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)40.0gと、有機化合物としてポリビニルアルコール(PVA)3.78gを水100gに溶解したポリビニルアルコール水溶液と、を混合してスラリーとした他は、実施例16と同様にして実施例17の電極材料及びリチウムイオン電池を作製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
イオン伝導性物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)0.075gと、有機化合物としてポリビニルアルコール(PVA)27.0gを水100gに溶解したポリビニルアルコール水溶液とを混合してスラリーとした他は、実施例16と同様にして実施例18の電極材料及びリチウムイオン電池を作製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
イオン伝導性物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)0.75gと、有機化合物としてポリビニルアルコール(PVA)4.25gを水100gに溶解したポリビニルアルコール水溶液と、を混合してスラリーとした他は、実施例16と同様にして比較例4の電極材料及びリチウムイオン電池を作製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
(電極材料の作製)
水2L(リットル)に、4molの酢酸リチウム(LiCH3COO)、2molの硫酸鉄(II)(FeSO4)、2molのリン酸(H3PO4)を、全体量が4Lになるように混合し、均一なスラリー状の混合物を調製した。
次いで、この混合物を容量8Lの耐圧密閉容器に収容し、200℃にて1時間、水熱合成を行った。
次いで、得られた沈殿物を水洗し、ケーキ状の電極活物質の前駆体を得た。
次いで、この電極活物質の前駆体150g(固形分換算)と有機化合物としてポリビニルアルコール(PVA)27.0gを水100gに溶解したポリビニルアルコール水溶液を混合してスラリーとし、このスラリーを、二流体式湿式ジェット粉砕機を用いて、スラリー中の電極活物質の前駆体粒子の粒度分布におけるD50が100nmとなるように、分散処理を行った。
次いで、得られた乾燥物を700℃の窒素雰囲気下にて1時間、焼成し、平均粒子径が6μmである比較例1の電極材料を得た。
また、この電極材料を用いて、実施例1と同様にして比較例1のリチウムイオン電池を作製し、評価を行った。これらの評価結果を表1に示す。
また、これらの電極材料は、内部抵抗が20.0Ωを下回ることから、実施例16〜19の電極材料と比べて内部抵抗が低く、リチウムイオン電池の電極材料として用いた場合に、内部抵抗を低下させることができることが分かった。
Claims (8)
- 電極活物質粒子の表面に、イオン伝導性物質を含有する炭素質被膜が形成され、前記イオン伝導性物質の表面の少なくとも一部が前記炭素質被膜に被覆されずに露出しているか、もしくは前記イオン伝導性物質が前記炭素質被膜に包含されていることを特徴とする電極材料。
- 前記イオン伝導性物質が、0.1質量%以上かつ30質量%以下の範囲で含有されていることを特徴とする請求項1に記載の電極材料。
- 前記電極活物質粒子の表面における前記炭素質被膜の被覆率が、50%以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電極材料。
- 前記炭素質被膜が、前記電極活物質粒子、前記イオン伝導性物質および炭素質被膜前駆体を混合して得られた混合物を加熱することにより形成されたことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電極材料。
- 前記電極活物質粒子と前記イオン伝導性物質とが接触しており、前記イオン伝導性物質の少なくとも一部の成分が、前記電極活物質粒子の中に固溶していることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の電極材料。
- 前記イオン伝導性物質が、Li、Fe、Mn、Co、Ni、Si、Oからなる元素群から選択される一つ以上の元素を構成要素とするリチウム化合物もしくはマンガン化合物であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の電極材料。
- 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の電極材料を含有することを特徴とする電極。
- 請求項7に記載の電極からなる正極を備えたことを特徴とするリチウムイオン電池。
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