JP2014212605A - 電気自動車の制動制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車輪速Vwが摩擦制動により実線図示のごとくに低下し、t1にVwが制動ロック判定値V0未満になると、アンチスキッド制御が開始される。従来は電動モータのモータ駆動力を0にしていたため、アンチスキッド制御が開始されても、低μ路故に路面摩擦力でモータ駆動車輪を制動ロック状態から回転復帰させるのに時間がかかり、t1以後も車輪速Vwが破線で示すごとく引き続き低下して、制動距離が伸びる。これに対しモータ駆動車輪の低μ路制動ロック判定時t1より、この車輪を速やかに回転復帰させるための駆動トルクTwsを実現するようモータトルク指令値Tmを指令するため、制動ロック車輪を低μ路制動ロック時と雖も速やかに回転復帰させることができ、制動距離を短縮可能である。
【選択図】図5
Description
この提案技術は、動力源としてエンジンおよび電動モータモータを搭載したハイブリッド車両を前提とし、車輪を制動ロック状態から回転復帰させるためのアンチスキッド制御が開始されたら、電動モータによる回生制動を停止してモータ駆動力を0にするというものである。
この着想を具体化して、車輪の制動ロック状態からの速やかな回転復帰を実現し、車輪の回転復帰遅れにより制動距離が伸びるという上記の問題を解消し得るようにした電気自動車の制動制御装置を提案することを目的とする。
先ず本発明の前提となる電気自動車を説明するに、これは、
個々の電動モータにより駆動される車輪を具え、該車輪を対応する電動モータの回生、または摩擦ブレーキ、或いはこれら双方により制動可能な電気自動車である。
前記車輪の制動ロック傾向を検出する制動ロック検出手段と、
該手段により前記車輪の制動ロック傾向が検出された時、該車輪に係わる前記電動モータを、該電動モータから対応車輪に駆動力が向かうよう制御する制動ロック時モータ制御手段とを設けた構成に特徴づけられる。
かかる駆動力の付与により、車輪の制動ロック状態からの速やかな回転復帰を実現し得て、低μ路上であっても車輪の制動ロック状態からの回転復帰遅れを生ずることがなく、制動距離が伸びるという前記の問題を解消することができる。
<実施例の構成>
図1は、本発明の一実施例になる制動制御装置を具えた電気自動車の制駆動系に係わる全体制御システムを示す概略系統図である。
電動モータ3RL,3RRはそれぞれ、発電機としても機能し得るモータ/ジェネレータで、上記の通りモータ駆動される左右後輪1RL,1RRを、所定の発電負荷に応動して回生制動し得るものとする。
これら左右前輪1FL,1FRおよび左右後輪1RL,1RRの摩擦制動は、上記のブレーキディスク4FL,4FR,4RL,4RRおよびキャリパ5FL,5FR,5RL,5RRを含む、以下のような液圧ブレーキ装置によりこれを行うものとする。
それ以外にもブレーキ液圧制御ユニット9は、必要に応じてブレーキ液圧Pwfl,Pwfr,Pwrl,Pwrrを個々に制限する。
車両コントローラ11は、車両の統合制御に必要な各種の情報を検出するセンサ群12からの検出値、例えばアクセル開度APOや、ブレーキペダル踏力Fbrや、車輪速(周速度)Vw(便宜上、全車輪1FL,1FR,1RL,1RRの車輪速を同じ符号Vwで示した)等を取得し、これら入力情報を基に後述の演算によって、一方ではモータ駆動力指令Tm(便宜上、両モータの制駆動力指令を同じ符号Tmで示した)により電動モータ3RL,3RRの駆動・回生制御を行い、他方ではブレーキ力指令Tbr(便宜上、全車輪1FL,1FR,1RL,1RRのブレーキ力指令を同じ符号Tbrで示した)によりブレーキ液圧制御ユニット9を介してブレーキ液圧Pwfl,Pwfr,Pwrl,Pwrrを個々に制御する。
強電バッテリ14からモータ駆動力指令Tmに対応した電力を電動モータ3RL,3RRに供給して電動モータ3RL,3RRを指令Tmが達成されるよう駆動したり、
電動モータ3RL,3RRを所定の発電負荷により指令Tmが達成されるよう回生させると共に回生により得られた発電力を強電バッテリ14に蓄電する。
以下、上記電気自動車において制動ロック車輪の回転復帰を高応答に行わせるための本実施例による制動制御装置を説明する。
この制動制御装置は、図2に概略を示すごとく、車輪制動ロック検知部20と、制動ロック車輪必要駆動トルク演算部30と、左右輪駆動力差制限部40と、加速防止制御部50とから成り、最終的に制動ロック車輪の回転復帰を高応答にするためのモータ駆動力(トルク)指令Tmを求めるものである。
前二者の車輪制動ロック検知部20および制動ロック車輪必要駆動トルク演算部30は、前記したブレーキ液圧による摩擦制動時である場合、電気自動車の走行準備完了時に実行開始される図3の制御プログラムに基づき以下のごとくに、車輪制動ロックを検知すると共に、この検知結果に応じて制動ロック車輪必要駆動トルクを演算する。
ステップS23においては、車輪1FL,1FR,1RL,1RRの車輪速Vwから、これら車輪の制動ロック傾向を個々に判定すると共に、走行路面が低μ路か否かを判定する。
つまりステップS23では、車輪1FL,1FR,1RL,1RRが低μ路上での制動ロック傾向か否かを個々に判定する。
μ={Tb+(dω/dt/It)}/R/Fz ・・・(1)
次のステップS25においては、当該制動ロックを生じた該当車輪(制動ロック車輪)以外の車輪(他輪)のブレーキ液圧を増圧するよう指令すると共に、
ステップS26において、該当車輪を速やかに回転復帰させるための制動ロック車輪必要駆動トルクTwsを、制動ロック状態に応じ決定する。
Tws=(dω0/dt+V0×S0/R/t)×I/G ・・・(2)
但し、
dω0/dt[rad/s]:制動ロック判定時車輪角加速度
V0[m/s]:制動ロック判定時車体速
S0[-]:制動ロック判定時車輪スリップ率(例えば-0.2)
R[m]:タイヤ動半径
t[s]:回転復帰(スリップ率)復帰時間
ヨー共振周期より充分短い値(例えば0.1s)
I[kgm2]:回転慣性(車輪およびモータ駆動系の回転慣性合計)
G:モータ駆動系の減速ギヤ比
かくして、制動ロック車輪が左右後輪1RLおよび/または1RRである場合、当該制動ロック車輪は対応するインホイールモータ5RLおよび/または5RRから指令値Tmに対応するモータトルクを与えられて駆動され、制動ロック状態から速やかに回転を復帰される。
次いで制御はステップS27に進むが、今回はステップS26を経由しないことから、制動ロック車輪必要駆動トルクTwsが存在せず、従って左右後輪1RL,1RRの上記回転復帰用駆動が無駄に行われることはない。
つまりステップS21において、マスターシリンダ液圧Pmを読み込み、ステップS22において、マスターシリンダ液圧Pmから運転者が要求している目標減速度tGxを演算する。
ステップS22およびステップS23間に追加したステップS31においては、ブレーキ液圧による摩擦制動との協調により目標減速度tGxを達成するのに必要なインホイールモータ3RL,3RRの回生制動トルクTwc(負値)を演算する。
次のステップS25においては、当該制動ロックを生じた制動ロック車輪以外の他輪のブレーキ液圧を増圧するよう指令して、制動ロック車輪での制動力低下を他輪のブレーキ液圧増により補う。
かくして、制動ロック車輪が左右後輪1RLおよび/または1RRである場合、当該制動ロック車輪は対応するインホイールモータ5RLおよび/または5RRから指令値Tmに対応するモータトルクにより駆動されるが、回生制動トルクをΔTwsだけ低下されたことにより、制動ロック状態から速やかに回転を復帰される。
上記した制動制御の効果を、図3の制御プログラムが実行された場合につき、図5を参照しつつ以下に説明する。
図5は、車輪速Vwが摩擦制動によって実線図示のごとくに低下し、瞬時t1に車輪速Vwが制動ロック判定値V0未満となって、低μ路制動ロック判定がなされた場合の動作タイムチャートである。
制動ロック車輪を、その車輪速Vwの制動ロック判定瞬時t1以後における実線で示す変化状態から明らかなように、速やかに回転復帰させることができる。
なお、本実施例のごとく個々の電動モータ3RL,3RRにより車輪1RL,1RRを駆動されて走行可能な電気自動車の場合、これら駆動車輪1RL,1RRの車輪速Vwを対応する電動モータ3RL,3RRの駆動制御用に不可欠な回転レゾルバで高精度に検出し得ることから、上記の効果が顕著なものとなる。
図1における電気自動車のアクセルペダル釈放状態でのコースト走行中における駆動力特性を図6に示す。
この図6は、横軸に車速Vを目盛り、この車速Vに対するコースト駆動力Tdの変化特性を示すもので、本実施例においては、車速Vが例えば10km/h程度の設定車速Vs未満である間、コースト駆動力Tdがクリープ駆動力Td_Lとなり、車速Vが設定車速Vs以上である間、コースト駆動力Tdがコースト回生力Td_Hになるものとする。
かように、制動ロック車輪必要駆動トルクTwsをクリープ駆動力Td_Lよりも小さな一定値とする場合、車両が制動中なのに加速される違和感をTws< Td_Lによりなくし得ると共に、Twsが小さな一定値であることによりアンチスキッド制御との動作干渉を防止することができる。
よって、ヨー共振周波数を励起しない高い周波数で車輪速Vw(スリップ率)が、制動ロック判定時以前の状態に復帰することとなり、旋回走行中にアンチスキッド制御が行われる場合においても、制動距離を短縮し得るという前記の効果を達成することができる。
図8は、本実施例における電気自動車のインホイールモータ駆動車輪(左右後輪)1RL,1RRに係わるサスペンション装置を示す。
左右後輪1RL,1RRは、それぞれのホイール内にインホイールモータ3RL,3RRを内蔵し、これらインホイールモータ3RL,3RRをアッパーアーム16Uとロアアーム16Lとにより車体17に対し上下方向ストローク可能に取り付けて懸架する。
車輪1RL,1RRの接地点で発生する制駆動力および横力の大半はロアアーム16Lを介して車体17のサブフレーム17bに入力され、このサブフレーム17bがソフトマウント18を介してメインフレーム17aに結合されていることから、車輪1RL,1RRへの制駆動力および横力がメインフレーム17a(車室)に達するのを緩和することができる。
図2における左右輪駆動力差制限部40について以下に説明する。
この左右輪駆動力差制限部40は、図9に示す制御プログラムを実行して以下のごとくにインホイールモータ駆動車輪である左右後輪1RL,1RR の駆動力差を制限する。
次のステップS42においては、先ずこれら左右後輪1RL,1RR のモータトルク指令値Tmから左右後輪駆動力差があるか否かを、次いでこの左右後輪駆動力差の継続時間がヨー共振周期の半分以上か否かにより、左右後輪駆動力差が継続中か否かを判定する。
従ってステップS42は、本発明における左右輪駆動力差演算手段に相当する。
かかる制限により同じになったモータトルク指令値TmをステップS43において図1のモータコントローラ13を介し左右後輪1RL,1RR へ出力することにより、車両にヨーモーメントが加わるのを防止する。
図10において、図9と同様な処理を行うステップは同一符号により示し、ステップS41では図3,4により演算した左右後輪1RL,1RRのモータトルク指令値Tmを読み込む。
次のステップS45においては、これら左右後輪1RL,1RR のモータトルク指令値Tmから左右後輪駆動力差を求めると共に、この左右後輪駆動力差をヨー共振周波数よりも高い周波数成分の通過が可能なハイパスフィルタに通してハイパスフィルタ処理する。
従ってステップS45は、本発明における左右輪駆動力差演算手段に相当する。
右後輪1RRの駆動力が左後輪1RLの駆動力以上であれば、ステップS47において、駆動力が小さい方の左後輪1RLの駆動力に、ステップS45で求めたフィルタ処理済左右輪駆動力差を加算して求めた値を右後輪1RRの駆動力指令値(モータトルク指令値Tm)とし、
右後輪1RRの駆動力が左後輪1RLの駆動力以上でなければ、つまり左後輪1RLの駆動力が右後輪1RRのそれより大きければ、ステップS48において、駆動力が小さい方の右後輪1RRの駆動力に、ステップS45で求めたフィルタ処理済左右輪駆動力差を加算して求めた値を左後輪1RLの駆動力指令値(モータトルク指令値Tm)とする。
図2における加速防止制御部50は上記の制動制御中に、車輪速Vwが急な路面状態変化(路面μ回復)などにより車体速Vを上回るようになった場合において、当該Vw> V状態を図11の動作タイムチャートに示すごとき要領で防止する。
加速防止制御部50は、車輪スリップ率(車輪速Vw)が瞬時t3に、制動ロック傾向を示す負値から駆動スリップ傾向を示す正値(車輪速Vw_H)になったのを(車輪速Vwが駆動スリップ判定車輪速V1以上になったのを)判定すると(本発明における高車輪速検出手段の作用)、
前記(2)式と同様な考え方に基づく演算により、瞬時t3からメンバ(バネ下構造物)の前後共振周期よりも短い周期ΔTM2が経過する瞬時t4までのうちに駆動スリップ車輪のスリップ率を0となすのに必要なモータ回生トルクTm_Lを演算し、これを図2のモータコントローラ13へ指令して駆動スリップ車輪のモータトルクTmを図11のごとく回生トルクTm_Lに対応した値に制御する。
また駆動スリップ判定車輪速V1も、制動ロック判定車輪速V0(スリップ率換算値で-0.2)より、スリップ率換算値で一層厳しい-0.02などに設定する。
上記した実施例の効果を、図12に基づき以下に説明する。
図12は上から順に、或る車輪の車輪速Vw、ブレーキ液圧Pb、および上記実施例による制動制御の結果になるモータトルクTmの時系列変化をそれぞれ示す。
一般的なアンチスキッド制御のみによると、車体速Vを基準に定めた制動ロック判定車輪速V0(スリップ率換算で-0.2)およびスリップ率復帰判定車輪速V2(スリップ率換算で-0.05)と、車輪速Vw(従来)との対比に基づき、車輪速Vw(従来)が制動ロック判定車輪速V0未満となる瞬時t1より、該当車輪のブレーキ液圧Pb(従来)を演算周期ごとに低下させる。
かかる保圧により車輪速Vw(従来)が復帰してスリップ率復帰判定車輪速V2に達した瞬時t3以後、ブレーキ液圧Pb(従来)を演算周期ごとに増大させ、この贈圧は、当該贈圧により車輪速Vw(従来)が制動ロック判定車輪速V0未満となる瞬時t4まで行われる。
瞬時t4以降は、瞬時t1〜t4におけると同様なアンチスキッド制御サイクルが繰り返される。
車輪速Vwは実線のVw(実施例)により示すごとく、制動ロック判定車輪速V0未満になる度に、モータトルクTm=Twsにより車体速Vへと速やかに復帰され、車体速Vおよび制動ロック判定車輪速V0間の範囲内に収まる。
よってブレーキ液圧Pbを、実線のPb(実施例)により示すごとく、アンチスキッド制御のみによるブレーキ液圧Pb(従来)よりも高く保つことができる。
なお、本実施例のごとく個々の電動モータ3RL,3RRにより車輪1RL,1RRを駆動されて走行可能な電気自動車の場合、これら駆動車輪1RL,1RRの車輪速Vwを対応する電動モータ3RL,3RRの駆動制御用に不可欠な回転レゾルバで高精度に検出し得ることから、上記の効果が顕著なものとなる。
車輪速Vwは図7に示すごとく、制動ロック判定時t1から短い周期ΔTM1の経過時t2には制動ロック判定車輪速V0に戻って、速やかに車体速Vへ復帰することとなる。
よって、ヨー共振周波数を励起しない高い周波数で車輪速Vw(スリップ率)が、制動ロック判定時以前の状態に復帰し、旋回走行中にアンチスキッド制御が行われる場合においても、制動距離を短縮し得るという上記の効果を達成することができる。
路面状態の急変などにより左右輪駆動力差が発生した場合でも、車両にヨーモーメントが発生するのを防止し得ると共に、左右輪駆動力差の発生時間をヨー共振周波数以上の周波数に抑えることでヨー挙動の発生を防止することができる。
路面状態の急変などにより車輪速Vwが車体速Vより高くなった場合でも、上記ばね下構造物またはサスペンションメンバの前後共振より高い周波数の回生制御により車輪駆動力が抑制されることとなり、バネ上構造物(車室)に加速感が及ぶのを回避することができる。
なお上記は、本発明による制動制御装置の一例を示すに過ぎず、車体速が制動開始時の車体速よりも上昇したのを検出する車体速上昇検出手段を設け、これによる車体速上昇検出時は、車輪の制動ロック傾向を即座に解消するのに必要な駆動力がヨー共振周波数よりも高い高周波数で制動ロック車輪へ瞬時に向かい、以後この駆動力が速やかに低下されるよう電動モータを制御するよう構成しても同様な効果を達成することができる。
1RL,1RR 左右後輪
3RL,3RR インホイールモータ(電動モータ)
4FL,4FR,4RL,4RR ブレーキディスク
5FL,5FR,5RL,5RR キャリパ
6 ブレーキペダル
7 ブレーキブースタ
8 タンデムマスターシリンダ
9 ブレーキ液圧制御ユニット
11 車両コントローラ
12 センサ群
13 モータコントローラ
14 強電バッテリ
15 ブレーキコントローラ
16U アッパーアーム
16L ロアアーム
17 車体
17a メインフレーム
17b サブフレーム
18 ソフトマウント
20 車輪制動ロック検知部
30 制動ロック車輪必要駆動トルク演算部
40 左右輪駆動力差制限部
50 加速防止制御部
Claims (7)
- 個々の電動モータにより駆動される車輪を具え、該車輪を対応する電動モータの回生、または摩擦ブレーキ、或いはこれら双方により制動可能な電気自動車に用いられる制動制御装置において、
前記車輪の制動ロック傾向を検出する制動ロック検出手段と、
該手段により前記車輪の制動ロック傾向が検出された時、該車輪に係わる前記電動モータを、該電動モータから対応車輪に駆動力が向かうよう制御する制動ロック時モータ制御手段と
を具備して成ることを特徴とする電気自動車の制動制御装置。 - 請求項1に記載された、電気自動車の制動制御装置において、
前記制動ロック時モータ制御手段は、前記電動モータを、該電動モータから対応車輪へ向かう駆動力がクリープ駆動力の範囲内の値となるよう制御するものであることを特徴とする電気自動車の制動制御装置。 - 請求項2に記載された、電気自動車の制動制御装置において、
前記制動ロック時モータ制御手段は、前記電動モータを、該電動モータから対応車輪へ向かう駆動力がクリープ駆動力の範囲内の一定値となるよう制御するものであることを特徴とする電気自動車の制動制御装置。 - 請求項3に記載された、電気自動車の制動制御装置において、
前記制動ロック時モータ制御手段は、前記一定の駆動力が電気自動車のヨー共振周波数よりも高い高周波数で前記対応車輪へ向かうよう前記電動モータを制御するものであることを特徴とする電気自動車の制動制御装置。 - 請求項4に記載された、電気自動車の制動制御装置において、
前記制動ロック時モータ制御手段は、車体速が前記制動の開始時における車体速よりも上昇したのを検出する車体速上昇検出手段を具え、該手段による車体速上昇検出時は、前記車輪の制動ロック傾向を即座に解消するのに必要な駆動力がヨー共振周波数よりも高い高周波数で前記対応車輪へ瞬時に向かい、以後この駆動力が速やかに低下されるよう前記電動モータを制御するものであることを特徴とする電気自動車の制動制御装置。 - 請求項5に記載された、電気自動車の制動制御装置において、
前記制動ロック時モータ制御手段は、前記対応車輪の車輪速が車体速よりも高いのを検出する高車輪速検出手段を具え、該手段による高車輪速検出時は、前記対応車輪の車輪速を車体速に一致させるのに必要な制動力が、サスペンションメンバの前後共振周波数および車輪バネ下構造物の前後共振周波数のうち低い前後共振周波数よりも高い高周波数で前記対応車輪に向かうよう前記電動モータを回生制御するものであることを特徴とする電気自動車の制動制御装置。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載された、電気自動車の制動制御装置において、
前記制動ロック時モータ制御手段は、前記電動モータにより制駆動される車輪への駆動力指令値から左右輪駆動力差を演算する左右輪駆動力差演算手段を具え、該手段で求められた左右輪駆動力差が、電気自動車のヨー共振周波数よりも低い周波数成分を含まなくなるよう、駆動力指令値の高い車輪への駆動力指令値を低下させるものであることを特徴とする電気自動車の制動制御装置。
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