JP2014211223A - チェーン - Google Patents

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Abstract

【課題】1対の連結ピン部分が、該1対の連結ピン部分を連結している1対のプレート部分に対し、チェーン張力を引張り力として作用させることで、プレート部分の疲労強度の向上により耐久性が向上すると共に、スプロケットおよびチェーンの噛合い状態時に、スプロケット歯およびプレート部分との擦合いを回避または抑制することにより、プレート部分の耐久性、静粛性能および動力伝達性能が向上するチェーンを提供する。
【解決手段】チェーン100において、1対のリンクプレート150が屈曲可能に連結される1つのリンクユニット101は、1対の連結ピン部分110と1対のプレート部分120とが一体不離に接合されて形成される。プレート部分120の内側面121において、スプロケット側Riでは、後退面124が、幅中心面Pwに対して、幅方向で中心交差部122よりも遠方に後退している面形状である。
【選択図】図4

Description

本発明は、複数のリンクユニットおよび複数組の1対のリンクプレートが、1つのリンクユニットおよび1対のリンクプレート毎に、長手方向に交互に屈曲可能に連結されて形成され、スプロケットに巻き掛けられるチェーンに関する。
該チェーンは、例えば伝動用チェーンとして使用される。
スプロケットに巻き掛けられるチェーンは、一般的に、1対の内リンクプレートに1対のブシュが圧入される複数の内リンクと、1対の外リンクプレートに1対の連結ピンが圧入される複数の外リンクとが、1つの内リンクおよび1つの外リンク毎に、ブシュに遊嵌される連結ピンにより、チェーンの長手方向に交互に、かつ屈曲可能に連結されて形成されている。
また、内リンクを構成する1対の内リンクプレートおよび1対のブシュが一体成形により一体化されたチェーンが知られている(例えば、特許文献1参照)。
従来のチェーンの内リンクにおいて、1対のブシュは、長手方向で対向する側である1対の対向部とは反対側の1対の非対向部で、各内リンクプレートに対し、チェーン張力を押圧力として作用させる。このため、内リンクプレートにおいては、各ブシュを囲む部位の、長手方向での1対の対向部の間の対向領域と長手方向での1対の非対向部の間の非対向領域との境界を中心とする境界部に、応力集中による引張り応力(以下、「集中引張り応力」という。)が発生する。そして、チェーン張力の変動により繰り返し発生する該集中引張り応力は、内リンクプレートの疲労強度を低下させて、チェーンの耐久性を低下させる。
そこで、本出願人は、1対の連結ピン部分および1対のプレート部分が接合部で一体に接合されているリンクユニットと、前記連結ピン部分に屈曲中心線を中心に屈曲可能に連結される1対のリンクプレートとが、長手方向に交互に連結されているチェーンを、特願2012−183460により提案した。
この提案されたチェーンによれば、1対の連結ピン部分は、長手方向での対向部に位置する前記接合部を通じて、各プレート部分に対し、チェーン張力を引張り力として作用させるので、従来のチェーンにおける前記集中引張り応力の発生が防止されて、プレート部分の疲労強度が向上し、チェーンの耐久性を向上させることができる。
実公平2−10848号公報(第2〜4欄、全図)
ところで、図5を参照すると、従来、ローラ505を回転可能に支持するブシュ502により連結される1対の内リンクプレート501と、連結ピン504により連結される1対の外リンクプレート503とが、ブシュ502を回動可能に支持する連結ピン504により屈曲可能に連結されているチェーン500において、幅方向でのチェーン500の振れなどに起因して、チェーン500の幅方向中心位置Pcおよびスプロケットのスプロケット歯511の幅方向中心位置Psがずれる状態(以下、「幅方向位置ズレ」という。)が発生することがある。
この幅方向位置ズレが発生すると、1対の内リンクプレート501の間にスプロケット歯511が位置する噛合い状態で、図示されるように、内リンクプレート501の内側面511aとスプロケット歯511の歯側面511aとが干渉して、その干渉領域Eにおいて互いに擦れ合うことがある。このような擦合いが発生すると、内側面501aが摩耗して、内リンクプレート501の強度の低下を招来し、内リンクプレート501の耐久性、ひいてはチェーン500の耐久性が低下する問題、接触騒音が発生する問題、および、スプロケット歯511と内リンクプレート501との間の摩擦により、スプロケットとチェーン500との間での動力損失が大きくなり、チェーン500の動力伝達性能が低下する問題があった。
そして、この事情は、特許文献1のチェーンにおいても同様である。
本発明は、前述の課題を解決するものであり、その目的は、1対の連結ピン部分が、長手方向での対向部で、該1対の連結ピン部分を連結している1対のプレート部分に対し、チェーン張力を引張り力として作用させることで、プレート部分の疲労強度の向上により耐久性が向上すると共に、スプロケットおよびチェーンの噛合い状態時に、スプロケット歯およびプレート部分との擦合いを回避または抑制することにより、プレート部分の耐久性、静粛性能および動力伝達性能が向上するチェーンを提供することである。
請求項1に係る発明は、複数のリンクユニットおよび複数組の1対のリンクプレートが、1つのリンクユニットおよび1対のリンクプレート毎に、長手方向に交互に屈曲中心線を中心に屈曲可能に連結されることにより形成されて、スプロケットに巻き掛けられるチェーンであって、前記リンクユニットが、長手方向で離間している1対の連結ピン部分と、前記1対の連結ピン部分を連結していると共に幅方向で離間している1対のプレート部分とから構成され、前記プレート部分が、前記1対の連結ピン部分と前記プレート部分とが一体不離に接合している1対の接合部で、前記1対の連結ピン部分を連結しており、前記1対の連結ピン部分が、長手方向で対向する側の1対の対向部と、長手方向で前記1対の対向部とは反対側の1対の非対向部とを有し、前記連結ピン部分が、チェーン張力を、前記1対の対向部にそれぞれ位置している前記1対の接合部を通じて前記プレート部分に作用させ、前記1対のリンクプレートが、幅方向で前記1対のプレート部分を挟んで、前記連結ピン部分の1対の支持部に屈曲可能にそれぞれ連結され、前記リンクユニットの前記1対の連結ピン部分および前記1対のプレート部分により囲繞された第1噛合い空間と、長手方向で隣り合う前記リンクユニット同士の連結ピン部分および前記1対のリンクプレートにより囲繞された第2噛合い空間とが、長手方向に交互に形成され、前記スプロケットの複数のスプロケット歯が、前記第1噛合い空間および前記第2噛合い空間のそれぞれに対して1つずつ、順次、進入可能であり、前記プレート部分が、高さ方向に面する1対の縁部と、高さ方向で前記1対の縁部の間に前記第1噛合い空間に面する内側面とを有し、前記内側面が、高さ中心面と交わる中心交差部と、前記高さ中心面に対してスプロケット側に位置すると共に前記スプロケット側の前記縁部に連なる後退面とを有し、前記後退面が、前記幅中心面に対して、幅方向で前記中心交差部よりも遠方に後退している面形状であることにより、前述の課題を解決したものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の構成に加えて、前記スプロケット側での前記プレート部分のプレート高さが、前記スプロケット側での前記リンクプレートのプレート高さよりも小さいことにより、前述の課題を解決したものである。
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に係る発明の構成に加えて、前記後退面の幅方向断面形状が、幅方向で前記幅中心面に向かって凸状で、かつ、高さ方向で前記高さ中心面から前記スプロケット側の前記縁部に近づくにつれて前記幅中心面からの幅方向距離が連続的に増加する円弧状であることにより、前述の課題を解決したものである。
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれか1つに係る発明の構成に加えて、前記内側面が、前記中心交差部を含むと共に高さ方向で前記後退面に連なる平面形状の中央側面を有し、前記中央側面でのプレート厚さが、前記後退面でのプレート厚さよりも大きいことにより、前述の課題を解決したものである。
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4のいずれか1つに係る発明の構成に加えて、前記後退面が、長手方向で長手中心面から前記連結ピン部分に近づくにつれて、前記幅中心面からの幅方向距離が連続的に増加する曲面形状であることにより、前述の課題を解決したものである。
本発明に関連して、長手方向、幅方向および高さ方向は、それぞれ、チェーンにおける長手方向、幅方向および高さ方向である。また、高さ中心面は、リンクユニットの1対の連結ピン部分での屈曲中心線を含む平面であり、幅中心面は、幅方向に直交すると共に1対のプレート部分の幅方向間隔を二等分する平面であり、長手中心面は、リンクユニットの1対の屈曲中心線の長手方向間隔を二等分すると共に長手方向に直交する平面である。
また、噛合い状態時とは、スプロケット歯がチェーンにより形成される第1,第2噛合い空間のそれぞれに進入してから退出するまでの、すなわちスプロケット歯が各噛合い空間内に位置しているときのスプロケット歯とチェーンとの状態を意味する。
本発明のチェーンは、複数のリンクユニットおよび複数組の1対のリンクプレートが、1つのリンクユニットおよび1対のリンクプレート毎に、長手方向に交互に屈曲中心線を中心に屈曲可能に連結されることにより形成されて、スプロケットに巻き掛けられることにより、スプロケットとの間で動力を伝達することができるばかりでなく、以下のような本発明に特有の効果を奏する。
すなわち、請求項1に係る本発明のチェーンによれば、リンクユニットが、長手方向で離間している1対の連結ピン部分と、1対の連結ピン部分を連結していると共に幅方向で離間している1対のプレート部分とから構成され、プレート部分が、1対の連結ピン部分とプレート部分とが一体不離に接合している1対の接合部で、1対の連結ピン部分を連結しており、1対の連結ピン部分が、長手方向で対向する側の1対の対向部と、長手方向で1対の対向部とは反対側の1対の非対向部とを有し、連結ピン部分が、チェーン張力を、1対の対向部にそれぞれ位置している1対の接合部を通じてプレート部分に作用させ、1対のリンクプレートが、幅方向で1対のプレート部分を挟んで、幅方向で離間して連結ピン部分に屈曲可能に連結されていることにより、連結ピン部分は、長手方向での1対の対向部の間の領域である対向領域で、接合部を通じて、プレート部分に対し、チェーン張力を引張り力として作用させるので、プレート部分において連結ピン部分を囲む部位で発生する引張り応力は、接合部に分散して発生し、対向領域と、長手方向での1対の非対向部の間の領域である非対向領域との境界を中心とする境界部での応力集中の発生が防止されるため、リンクユニットのプレート部分の疲労強度が向上して、リンクユニットの耐久性、ひいてはチェーンの耐久性を向上させることができる。
そして、チェーンの組立の際には、1対の連結ピン部分と1対のプレート部分とが一体化された単一の部品であるリンクユニットに対して、1対のリンクプレートを屈曲可能に連結すればよいので、1対の外リンクプレートに1対の連結ピンが圧入される従来のチェーンに比べて、チェーンの組立が簡単化されて組立性が向上するため、コストを削減することができる。しかも、プレート部分と一体の連結ピン部分にリンクプレートが連結されるので、リンクユニットと1対のリンクプレートとの連結にあたり、連結ピンおよびブシュが必要な従来のチェーンに比べて部品点数が削減されるため、この点でも、コストを削減することができる。
さらに、リンクユニットの1対の連結ピン部分および1対のプレート部分により囲繞された第1噛合い空間と、長手方向で隣り合うリンクユニット同士の連結ピン部分および1対のリンクプレートにより囲繞された第2噛合い空間とが、長手方向に交互に形成され、スプロケットの複数のスプロケット歯が、第1噛合い空間および第2噛合い空間のそれぞれに対して1つずつ、順次、進入可能であることにより、チェーンとスプロケットとの噛合い時に、スプロケットが回転することで、第1,第2噛合い空間にスプロケット歯が進入して、チェーンとスプロケットとの間での動力の伝達が行われる際に、スプロケット歯との間での動力の伝達は、チェーンにおいては、連結ピン部分およびプレート部分が一体不離に接合されていて、それら連結ピン部分とプレート部分との間での隙間の存在に起因する相対移動が生じないリンクユニットを通じて行われるので、前記相対移動に起因する騒音の発生が防止されて、チェーンの静粛性能を向上させることができる。
さらに、プレート部分が、高さ方向に面する1対の縁部と、高さ方向で1対の縁部の間に第1噛合い空間に面する内側面とを有し、内側面が、高さ中心面と交わる中心交差部と、高さ中心面に対してスプロケット側に位置すると共にスプロケット側の縁部に連なる後退面とを有し、後退面が、幅中心面に対して、幅方向で中心交差部よりも遠方に後退している面形状であることにより、第1噛合い空間でのスプロケットとチェーンとの噛合い状態時に、スプロケット歯とチェーンとの間に幅方向位置ズレが発生して、チェーンがスプロケット歯に対して幅方向で相対的に接近したとしても、プレート部分の内側面は、後退面において、幅中心面からの幅方向距離が中心交差部に比べて大きくなるように幅方向に後退しているので、スプロケット歯と内側面との擦合いが回避または抑制される(以下、このことを、単に、「擦合いが回避される」という。)。このため、該擦合いに起因するプレート部分の摩耗、接触騒音、そしてスプロケット歯とプレート部分と摩擦が、いずれも低減することから、摩耗によるプレート部分の強度低下の抑制により、プレート部分の耐久性、ひいてはチェーンの耐久性を向上させることができ、接触騒音の低減によりチェーンの静粛性能を向上させることができ、さらに、摩擦の低減により噛合い状態時の動力損失が低減して、チェーンによる動力伝達性能を向上させることができる。
また、噛合い状態でのスプロケット歯と内側面との擦合いを回避する構造が、後退面として内側面に設けられているので、スプロケット歯において、この擦合いを回避するための歯先部での先細の程度や形成範囲を減少させて、歯先部の歯幅を大きくすることが可能になるため、スプロケット歯の強度を向上させることができる。
請求項2に係る本発明のチェーンによれば、請求項1に係る発明が奏する効果に加えて、スプロケット側でのプレート部分のプレート高さが、スプロケット側でのリンクプレートのプレート高さよりも小さいことにより、プレート部分において後退面が連なる縁部により規定されるプレート高さが、リンクプレートのプレート高さよりも小さい分だけ、スプロケット歯と内側面との擦合いが回避されるので、プレート部分の摩耗、接触騒音、そしてスプロケット歯とプレート部分と摩擦を一層低減することができる。
請求項3に係る本発明のチェーンによれば、請求項1または請求項2に係る発明が奏する効果に加えて、後退面の幅方向断面形状が、幅方向で幅中心面に向かって凸状で、かつ、高さ方向で高さ中心面からスプロケット側の縁部に近づくにつれて幅中心面からの幅方向距離が連続的に増加する円弧状であることにより、スプロケット歯が後退面により案内されて幅方向に移動するときの、高さ方向移動量に対する幅方向移動量の割合は、後退面におけるスプロケット歯の接触部位が縁部に近づくほど大きくなる。このため、第1噛合い空間に進入したスプロケット歯の、後退面での前記接触部位が縁部に近いほど、幅方向位置ズレが早期に矯正されるので、後続するスプロケット歯が後続する第1噛合い空間に進入するときの内側面との擦合いの回避が促進されて、プレート部分の摩耗、接触騒音、そしてスプロケット歯とプレート部分と摩擦を低減することができる。
請求項4に係る本発明のチェーンによれば、請求項1から請求項3のいずれか1つに係る発明が奏する効果に加えて、内側面が、中心交差部を含むと共に高さ方向で後退面に連なる平面形状の中央側面を有し、中央側面でのプレート厚さが、後退面でのプレート厚さよりも大きいことにより、中央側面でのプレート厚さは、後退面でのプレート厚さよりも大きいうえ、平面形状であること、および、後退面は、幅中心面に向かって凸状の曲面形状になるので、後退面が高さ方向で傾斜している傾斜平面状である場合に比べて、後退面を有する部分のプレート厚さが大きくなることから、プレート部分の強度が向上して、プレート部分の耐久性を向上させることができる。
請求項5に係る本発明のチェーンによれば、請求項1から請求項4のいずれか1つに係る発明が奏する効果に加えて、後退面が、長手方向で長手中心面から連結ピン部分に近づくにつれて、幅中心面からの幅方向距離が連続的に増加する曲面形状であることにより、スプロケット歯が、長手方向で連結ピン部分寄りの位置で第1噛合い空間に進入する場合に、後退面は、長手方向で連結ピン部分に近い部位であるほど大きく後退しているので、第1噛合い空間への進入開始直後のスプロケット歯と後退面との擦合いの回避が促進されて、プレート部分の摩耗、接触騒音、そしてスプロケット歯とプレート部分と摩擦を低減することができる。
本発明の実施例を示し、チェーンの一部の分解斜視図。 図1のチェーンを高さ方向でスプロケット側から見たときの要部の図であり、一部が図3の2−2線断面図。 図1のチェーンがスプロケットに巻き掛けられた状態を示す要部の、図2の3−3線相当での断面図。 図3の4−4線断面図。 従来技術を示し、図4に相当する断面図。
本発明のチェーンは、複数のリンクユニットおよび複数組の1対のリンクプレートが、1つのリンクユニットおよび1対のリンクプレート毎に、長手方向に交互に屈曲中心線を中心に屈曲可能に連結されることにより形成されて、スプロケットに巻き掛けられ、リンクユニットが、長手方向で離間している1対の連結ピン部分と、1対の連結ピン部分を連結していると共に幅方向で離間している1対のプレート部分とから構成され、プレート部分が、1対の連結ピン部分とプレート部分とが一体不離に接合している1対の接合部で、1対の連結ピン部分を連結しており、1対の連結ピン部分が、長手方向で対向する側の1対の対向部と、長手方向で1対の対向部とは反対側の1対の非対向部とを有し、連結ピン部分が、チェーン張力を、1対の対向部にそれぞれ位置している1対の接合部を通じてプレート部分に作用させ、1対のリンクプレートが、幅方向で1対のプレート部分を挟んで、連結ピン部分の1対の支持部に屈曲可能にそれぞれ連結され、リンクユニットの1対の連結ピン部分および1対のプレート部分により囲繞された第1噛合い空間と、長手方向で隣り合うリンクユニット同士の連結ピン部分および1対のリンクプレートにより囲繞された第2噛合い空間とが、長手方向に交互に形成され、スプロケットの複数のスプロケット歯が、第1噛合い空間および第2噛合い空間のそれぞれに対して1つずつ、順次、進入可能であり、プレート部分が、高さ方向に面する1対の縁部と、高さ方向で1対の縁部の間に第1噛合い空間に面する内側面とを有し、内側面が、高さ中心面と交わる中心交差部と、高さ中心面に対してスプロケット側に位置すると共にスプロケット側の縁部に連なる後退面とを有し、後退面が、幅中心面に対して、幅方向で中心交差部よりも遠方に後退している面形状であることにより、1対の連結ピン部分が、長手方向での対向部で、該1対の連結ピン部分を連結している1対のプレート部分に対し、チェーン張力を引張り力として作用させることで、プレート部分の疲労強度の向上により耐久性が向上すると共に、スプロケットおよびチェーンの噛合い状態時に、スプロケット歯およびプレート部分との擦合いを回避または抑制することにより、プレート部分の耐久性、静粛性能および動力伝達性能が向上するものであれば、その具体的な態様はいかなるものであっても構わない。
例えば、本発明のチェーンのリンクユニットにおいて、連結ピン部分とプレート部分とを接合させる接合手段は、一体成形、融着(または、溶接)および接着のいずれであってもよい。
本発明のチェーンのリンクユニットの形成材料は、合成樹脂(以下、「樹脂」という。)、金属、または、樹脂および金属(例えば、樹脂と、該樹脂にインサートされた金属とで形成される場合。)であってもよい。
本発明のチェーンは、走行時にチェーン張力が発生するチェーンであり、例えば伝動用チェーン(例えば、タイミングチェーン)または搬送用チェーンとして使用され、機械として、例えば、車両の動力装置(エンジンを含む。)、搬送機械および産業機械のいずれに使用されてもよい。
以下、本発明の実施例を図1〜図4を参照して説明する。
図1〜図3を参照すると、本発明の実施例において、伝動用チェーンとしてのチェーン100は、複数のリンクユニット101と、複数組の1対のリンクプレート150とを備え、すべてのリンクユニット101およびすべての組の1対のリンクプレート150が、1つのリンクユニット101および1対のリンクプレート150毎に、リンクユニット101の連結ピン部分110(以下、「ピン部分110」という。)により、長手方向に交互に、かつピン部分110の屈曲中心線Cを中心に屈曲可能に連結されることで形成されている無端チェーンである。
チェーン100は、該チェーン100が巻き掛けられる複数のスプロケット10(そのうちの1つのスプロケット10の一部が、図3に示されている。)を有するスプロケット機構、および、長手方向に走行しているチェーン100を案内するチェーンガイド(図示されず)と共に、巻掛け伝動装置を構成する。
なお、幅方向は、リンクユニット101において、屈曲中心線Cに平行な方向であり、長手方向は、幅方向に直交すると共に高さ中心面Ph(図3)に平行な方向である。また、高さ方向は、高さ中心面Phに直交する方向である。
リンクユニット101は、長手方向で離間している1対のピン部分110と、それぞれが1対のピン部分110を連結していると共に幅方向で離間している1対のプレート部分120とから構成される単一の部品である。
1対のピン部分110および各プレート部分120は、接合手段としての一体成形により一体化されて、リンクユニット101を形成している。このため、リンクユニット101は、樹脂からなる単一の成形品である。そして、リンクユニット101は、高さ中心面Phおよび幅中心面Pwをそれぞれ対称面とした面対称な部材である。このため、1対のピン部分110は同一形状であり、1対のプレート部分120は同一形状である。
1対のピン部分110および各プレート部分120は、1対の接合部140において一体不離に接合しており、各プレート部分120は、1対の接合部140のみで、1対のピン部分110を連結している。
「一体不離に接合」とは、走行時のチェーン100にチェーン張力が作用している状態で、1対のピン部分110と各プレート部分120とが接合部140において離れることがなく、さらにピン部分110およびプレート部分120に作用する引張り力が、接合部140を通じて、両部分110,120間で伝達される結合を意味する。
接合部140は、リンクユニット101の外観上で、互いに一体不離に接合しているピン部分110とプレート部分120とで形成される枠状の接合境界部141により囲まれている領域である。そして、リンクユニット101が一体成形により形成されている本実施例では、接合部140は、接合境界部141を含む前記領域の全体である。なお、別の例として、接合部140は、前記領域の一部であってもよい。
ピン部分110は、外周面118を有する柱状、ここでは円柱状部材である。ピン部分110は、幅方向で1対のプレート部分120または1対のリンクプレート150の間の噛合い部113と、幅方向で1対のプレート部分120に対して噛合い部113とは反対側に突出する1対の突出部114とを有する。
噛合い部113は、スプロケット10が有する複数のスプロケット歯11(図3)と噛合い可能であり、スプロケット歯11との間で動力の直接的な伝達を行う。突出部114は、幅方向でプレート部分120寄りの支持部115と、ピン端面117を有するピン端部116とを有する。支持部115には、リンクプレート150が屈曲中心線Cを中心に屈曲可能に支持される。
図リンクユニット101において、1対のピン部分110は、長手方向で対向する側の1対の対向部111と、長手方向で該対向部111とは反対側の1対の非対向部112とを有する。
対向部111および非対向部112は、ピン部分110の、幅方向での任意の位置における長手方向断面で、スプロケット側Riおよび反スプロケット側Roのピン高さH1(すなわち、外周面118における高さ方向での高さ中心面Phからの距離の最大値)を規定する2つの部位118a,118bを通る直線L(図3)により、ピン部分110が二分されるときの2つの部分である。
本実施例では、両ピン高さH1は等しく、直線Lは屈曲中心線Cを通り高さ方向に平行な直線である。ピン部分110は、幅方向で全長に亘って一定の外径を有する。
ここで、長手方向断面は、幅方向に直交する平面での断面である。また、スプロケット側Riは、高さ中心面Phに対してスプロケット10の回転中心線(図示されず)が位置する側であり、反スプロケット側Roは、高さ中心面Phに対してスプロケット側Riとは反対側である。
各リンクユニット101の1対のピン部分110において、1対の対向部111は、長手方向で1対の対向部111の間の領域、すなわち1対の対向部111を長手方向での境界とする領域である対向領域を規定する。
また、長手方向で隣り合うリンクユニット101同士の1対のピン部分110において、1対の非対向部112は、長手方向で該1対の非対向部112の間の領域、すなわち1対の非対向部112を長手方向での境界とする領域である非対向領域を規定する。
1対のピン部分110およびプレート部分120は、対向部111および非対向部112のうちの対向部111のみで、一体不離に接合している。
したがって、各ピン部分110において、接合部140は、対向部111のみに、幅方向でプレート部分120の範囲で、周方向で対向部111の少なくとも一部に、本実施例では、周方向で対向部111の全体に亘って、存在(または、位置)している一方で、非対向部112には存在(または、位置)していない。
スプロケット側Riおよび反スプロケット側Roで、高さ方向での接合部140の形成範囲である接合高さH4は、ピン高さH1の最大値以下に設定され、ここでは、ピン高さH1の最大値に等しい。これにより、接合部140での合領域が大きくなるので、プレート部分120に発生する引張り応力が小さくなって、リンクユニット101の耐久性が向上する。
なお、径方向および周方向は、それぞれ、屈曲中心線Cを中心とする径方向および周方向である。
リンクユニット101において、1対のプレート部分120は、長手方向で1対の対向部111の間(すなわち、対向領域内)のみに設けられている。すなわち、プレート部分120の全体は、長手方向で、対向領域の範囲内に位置していて、該範囲に等しい長さで、長手方向に延びている。
そして、非対向部112および非対向領域には、プレート部分120に連続している部分であって、かつ外周面118から長手方向および径方向外方に突出している部分が存在しない。このため、噛合い状態で、後述する第2噛合い空間S2においてスプロケット歯11がプレート部分120と干渉することはないので、噛合い状態時の動力損失を低減することができる。また、プレート部分120が非対向領域に存在しない分、プレート部分120がチェーン長手方向で小型化されるので、プレート部分120を軽量化、ひいてはチェーン100を軽量化することができる。
図1〜図4を参照すると、各プレート部分120は、高さ方向に面する1対の縁部129と、高さ方向で1対の縁部129の間に位置していて後述する第1噛合い空間S1に幅方向で面する内側面121と、幅方向で内側面121とは反対側の外側面126とを有する。本実施例では、各内側面121および各外側面126は、高さ中心面Phに関して面対称である。
内側面121は、高さ中心面Phと交わる交線部分である中心交差部122を含む内側中央側面123(以下、「中央側面123」という。)と、中央側面123に連なると共に高さ中心面Phに対してスプロケット側Riおよび反スプロケット側Roにそれぞれ位置する1対の後退面124とを有する。
プレート部分120は、中央側面123を有する中央部133と、中央部133に連なると共に後退面124を有する1対の後退部134とを有する。中央部133は、中央側面123と、外側面126の一部である外側中央側面127とを有する。高さ方向でのプレート部分120の両端部としての両後退部134のそれぞれは、後退面124と、外側面126の、外側中央側面127以外の部分である外側非中央側面128と、後退面124および外側非中央側面128に連なる縁部129とを有する。
したがって、後退面124は、スプロケット側Riおよび反スプロケット側Roのそれぞれで、中央側面123および縁部129に連なる。
後退面124は、幅中心面Pwに対して、幅方向で中心交差部122および中央側面123よりも遠方に後退している面形状である。具体的には、後退面124は、高さ方向で高さ中心面Ph(または、中心交差部122)から縁部129に近づくにつれて幅中心面Pwからの幅方向距離が大きくなる。
後退面124の幅方向断面形状(図4)は、スプロケット側Riおよび反スプロケット側Roにおいて、任意の長手方向位置において、幅方向で幅中心面Pwに向かって凸状で、かつ高さ方向で中央側面123から縁部129に近づくにつれて幅中心面Pwからの幅方向距離が連続的に増加する凸状の円弧状である。このため、後退面124は、幅中心面Pwに向かって凸状の曲面形状である。
ここで、幅方向断面とは、長手方向に直交する平面での断面である。円弧状とは、1つの曲率半径の単一円弧、または、異なる曲率半径の複数の円弧から構成される複合円弧を意味する。
また、後退面124は、長手方向で長手中心面Pnからピン部分110に近づくにつれて、幅中心面Pwからの幅方向距離が連続的に増加するように、幅中心面Pwに向かって凸状の曲面形状であり、かつ長手中心面Pnを対称面とする面対称の形状である。
そして、後退面124の平断面形状は、任意の高さ方向位置において、長手中心面Pnから長手方向でピン部分110に近づくにつれて幅中心面Pwからの幅方向距離が連続的に増加する凸状の円弧状である。長手中心面Pnは、後退面124において、幅方向で最も近接している部位と交わる平面でもある。なお、平断面とは、高さ方向に直交する平面での断面である。
中央側面123は、後退面124に滑らかに連なると共に、外側面126に平行で、幅方向に直交する平面形状である。このため、中央側面123および外側面126の幅方向断面形状は、後退面124との境界における該後退面124の接線であり、高さ方向に沿って平行に延びている直線状である。中央側面123の高さ方向幅W3(図3)は、各後退面124の高さ方向幅W4よりも大きく、該高さ方向幅W4の2倍以上であり、ピン高さH1以上である。
図1,図2を参照すると、後退部134のプレート厚さt4(図4)は、任意の高さ位置において、長手方向でピン部分110から長手中心面Pnに向かうにつれて連続的に増加する。このため、プレート厚さt4は、長手方向でピン部分110寄りの領域よりも長手中心面Pn寄りの領域で大きい。
一方、中央部133でのプレート厚さt3(図4)は、長手方向および幅方向での全体に亘って実質的に一定であり、その全体でプレート厚さt4よりも大きい。
図1〜図4を参照すると、各縁部129は、ここでは高さ方向での端面であり、プレート部分120のプレート高さH2(図3)を規定する。すなわち、プレート高さH2は、プレート部分120の縁部129の、高さ中心面Phからの高さ方向での距離である。
1対の縁部129は、長手方向でその全長に亘って、しかもその全体で、ピン部分110の外周面118において高さ中心面に平行な1対の接平面P1上にそれぞれ位置する平面である。このため、プレート部分120は、高さ方向での両方向でピン部分110よりも突出していないので、プレート部120を、高さ方向で小型化することができ、軽量化することができる。
同一形状の1対のリンクプレート150は、幅方向で離間して各ピン部分110に屈曲可能に連結されている。1対のリンクプレート150は幅方向で1対のプレート部分120を挟んで配置されている。
形成材料としての金属により形成されているリンクプレート150には、長手方向で離間している1対のピン孔155が設けられている。リンクプレート150は、ピン孔155において支持部115まで挿入されることで、該支持部115に遊嵌された(つまり、隙間嵌めされた)状態で、ピン部分110に屈曲可能に連結される。
図3を参照すると、プレート部分120のプレート高さH2は、ピン高さH1以下であり、かつ、リンクプレート150のプレート高さH5よりも小さい。なお、リンクプレート150のプレート高さH5は、リンクプレート150の縁部159の、高さ中心面Phからの高さ方向距離である。
具体的には、プレート部分120のプレート高さH2は、長手方向での第1噛合い空間S1の全体に亘って、または、長手方向でのプレート部分120の全長に亘って、同じ値であり、この実施例ではピン高さH1に等しい。また、図3に示されるように、プレート高さH2は、リンクプレート150の、非対向領域における部分、および、対向領域において、幅方向から見たときに、両プレート部分120と重ならない部分で、プレート高さH5よりも小さい。
図2,図3を参照すると、各リンクユニット101には、1対の対向部111および1対のプレート部分120のみにより囲繞されて、スプロケット歯11が進退可能(すなわち、進入および退出可能)な第1噛合い空間S1が形成される。また、長手方向で隣り合うリンクユニット101同士の1対の非対向部112および1対のリンクプレート150のみにより囲繞されて、スプロケット歯11が進退可能な第2噛合い空間S2が形成される。
チェーン100において、長手方向で交互に配置されている第1,第2噛合い空間S1,S2のそれぞれに対して、スプロケット10の回転により、チェーン100がスプロケット10と噛み合うときに、スプロケット歯11が、1つずつ順次、進入し、チェーン100がスプロケット10から噛み外れるときに、スプロケット歯11が、1つずつ順次、退出する。
図4を参照すると、スプロケット歯11は、スプロケット10のディスク状の本体の外周部に連なる基部12と、歯先部13とを有する。スプロケット10の回転中心線とチェーン100の幅方向とが平行である状態において、基部12の1対の歯側面12aは幅中心面Pwに平行な平面形状であり、歯先部13の1対の歯側面13aは、歯先部13が幅方向で先細状となる面形状、ここでは曲面形状である。したがって、歯先部13の歯幅W13(すなわち、幅方向での幅)は、基部12の歯幅W12よりも小さい。
図1,図2,図4を参照すると、チェーン100は、リンクプレート150との当接により、ピン部分110からのリンクプレート150の抜止めをするための抜止め部としての複数のキャップ103を備える。
キャップ103は、両支持部115にそれぞれ支持されている1対のリンクプレート150に対して、1対のピン端部116に設けられる。キャップ103は、ピン端面117を覆って、固定手段としての圧入によりピン端部116に固定されている。
図1を参照すると、チェーン100の組立の際には、先ず、リンクユニット101のピン部分110の各支持部115がピン孔155に挿入されるようにして、各リンクプレート150が支持部115に遊嵌される。次いで、各ピン端部116にキャップ103が取り付けられて、リンクプレート150の抜止めが行われる。
以下、同様の組付工程を経て、リンクユニット101および1対のリンクプレート150が長手方向に交互に連結されたチェーン100が組み立てられる。
チェーン100にチェーン張力が発生すると、ピン部分110は、チェーン張力を、各接合部140のみを通じて、対向領域においてプレート部分120に作用させる。このとき、接合部140には引張り応力が発生する。
一方、ピン部分110は、対向領域で、リンクプレート150に対してチェーン張力を押付力として作用させる。
次に、前述のように構成された実施例の効果について説明する。
チェーン100は、1つのリンクユニット101と1対のリンクプレート150とを長手方向に交互に屈曲可能に連結することにより形成されて、スプロケット機構を構成する複数のスプロケット10に巻き掛けられることにより、複数のスプロケット10との間で動力を伝達することができる。
リンクユニット101は、1対のピン部分110と1対のプレート部分120とから構成され、プレート部分120が、1対の接合部140で1対のピン部分110を連結しており、ピン部分110が、チェーン張力を、対向部111に位置している接合部140を通じてプレート部分120に引張り力として作用させ、1対のリンクプレート150は、幅方向で前記1対のプレート部分120を挟んでピン部分110に屈曲可能に連結されている。
これにより、ピン部分110は、対向領域で、接合部140を通じて、プレート部分120に対し、チェーン張力を引張り力として作用させるので、プレート部分120においてピン部分110を囲む部位で発生する引張り応力は、接合部140に分散して発生し、対向領域と非対向領域との境界B(図4)を中心とする境界部A(図4)での応力集中の発生が防止される。このため、リンクユニット101のプレート部分120の疲労強度が向上して、リンクユニット101の耐久性、ひいてはチェーン100の耐久性を向上させることができる。
また、チェーン100の組立の際には、1対のピン部分110と1対のプレート部分120とが一体化された単一の部品であるリンクユニット101に対して、1対のリンクプレート150を屈曲可能に連結すればよいので、1対の外リンクプレートに1対の連結ピンが圧入される従来のチェーンに比べて、チェーン100の組立が簡単化されて組立性が向上するため、コストを削減することができる。しかも、プレート部分120と一体のピン部分110にリンクプレート150が連結されるので、リンクユニット101と1対のリンクプレート150との連結にあたり、連結ピンおよびブシュが必要な従来のチェーンに比べて部品点数が削減されて、この点でも、コストを削減することができる。
リンクユニット101の1対の大径部120および1対のプレート部分120により囲繞された第1噛合い空間S1と、長手方向で隣り合うリンクユニット101同士の大径部120および1対のリンクプレート150により囲繞された第2噛合い空間S2とが、長手方向に交互に形成され、スプロケット10の複数のスプロケット歯11が、第1,第2噛合い空間S1,S2のそれぞれに対して1つずつ、順次、進入可能である。
これにより、チェーン100とスプロケット10との噛合い時に、スプロケット10が回転することで、第1,第2噛合い空間S1,S2にスプロケット歯11が進入して、スプロケット10とチェーン100との間での動力の伝達が行われる際に、スプロケット歯11との間での動力の伝達は、チェーン100においては、ピン部分110およびプレート部分120が一体不離に接合されていて、ピン部分110およびプレート部分120に関して、それらピン部分110とプレート部分120との間での隙間の存在に起因する相対移動が生じないリンクユニット101を通じて行われるので、前記相対移動に起因する騒音の発生が防止されて、チェーン100の静粛性能を向上させることができる。
プレート部分120が、長手方向で1対の対向部111の間のみに位置し、接合部140が、ピン部分110において、大径部120の1対の対向部111のみに位置している。これにより、プレート部分120は、長手方向で1対の対向部111の外側の領域である非対向領域または第2噛合い空間S2には存在しないので、チェーン張力に起因するピン部分110の湾曲が発生したとしても、プレート部分120が非対向領域に存在する場合に発生し得る、プレート部分120とスプロケット歯11と接触が回避されるため、接触騒音、摩耗および摩擦抵抗が減少して、チェーン100の静粛性能、耐久性および動力伝達性能を向上させることができる。そして、プレート部分120が非対向領域に存在しない分、プレート部分120が長手方向で小型化されるので、プレート部分120を軽量化、ひいてはチェーン100を軽量化することができる。
プレート部分120の内側面121において、スプロケット側Riでは、後退面124が、幅中心面Pwに対して、幅方向で中心交差部122よりも遠方に後退している面形状であることにより、第1噛合い空間S1でのスプロケット10とチェーン100との噛合い状態時に、スプロケット歯11とチェーン100との間に幅方向位置ズレ、すなわちチェーン100の幅方向中心位置Pcとスプロケット歯511の幅方向中心位置Ps(図4)とが幅方向にずれる状態が発生して、チェーン100がスプロケット歯11に対して幅方向で相対的に接近したとしても、プレート部分120の内側面121は、後退面124において、幅中心面Pwからの幅方向距離が中心交差部122に比べて大きくなるように幅方向に後退しているので、スプロケット歯11と内側面121との擦合いが回避される。このため、該擦合いに起因するプレート部分120の摩耗、接触騒音、そしてスプロケット歯11とプレート部分120と摩擦が、いずれも低減することから、摩耗によるプレート部分120の強度低下の抑制により、プレート部分120の耐久性、ひいてはチェーン100の耐久性を向上させることができ、接触騒音の低減によりチェーン100の静粛性能を向上させることができ、さらに、摩擦の低減により噛合い状態時の動力損失が低減して、チェーン100による動力伝達性能を向上させることができる。
また、噛合い状態でのスプロケット歯11と内側面121との擦合いを回避する構造が、後退面124として内側面121に設けられているので、スプロケット歯11において、この擦合いを回避するための歯先部13での先細(または幅狭)の程度や形成範囲を減少させて、歯先部13の歯幅W13を大きくすることが可能になるため、スプロケット歯11の強度を向上させることができる。
スプロケット側Riでのプレート部分120のプレート高さH2が、スプロケット側Riでのリンクプレート150のプレート高さH5よりも小さいことにより、プレート部分120において後退面124が連なる縁部129により規定されるプレート高さH2が、リンクプレート150のプレート高さH5よりも小さい分だけ、スプロケット歯11と内側面121との擦合いが回避されるので、プレート部分120の摩耗、接触騒音、そしてスプロケット歯11とプレート部分120と摩擦を一層低減することができる。
後退面124の幅方向断面形状が、幅方向で幅中心面Pwに向かって凸状で、かつ、高さ方向で高さ中心面Phからスプロケット側Riの縁部129に近づくにつれて幅中心面Pwからの幅方向距離が連続的に増加する円弧状である。
これにより、後退面124の幅方向断面形状は、高さ方向で中央側面123からスプロケット側Riの縁部129に近づくにつれて幅中心面Pwからの幅方向距離が連続的に増加する円弧状であるので、スプロケット歯11が後退面124により案内されて幅方向に移動するときの、高さ方向移動量に対する幅方向移動量の割合は、後退面124におけるスプロケット歯11の接触部位が縁部129に近づくほど大きくなる。このため、第1噛合い空間S1に進入したスプロケット歯11の、後退面124での前記接触部位が縁部129に近いほど、幅方向位置ズレが早期に矯正されるので、後続するスプロケット歯11が後続する第1噛合い空間S1に進入するときの内側面121との擦合いの回避が促進されて、プレート部分120の摩耗、接触騒音、そしてスプロケット歯11とプレート部分120と摩擦を低減することができる。
内側面121が、中心交差部122を含むと共に高さ方向で後退面124に連なる平面形状の中央側面123を有し、中央側面123でのプレート厚さt3が、後退面124でのプレート厚さt4よりも大きい。これにより、中央側面123を有する中央部133のプレート厚さt3は、後退面124を有する後退部134のプレート厚さt4よりも大きいうえ、平面形状であること、および、後退面124は、幅中心面Pwに向かって凸状の曲面形状になるので、後退面124が高さ方向で傾斜している傾斜平面状である場合に比べて、後退面124を有する部分のプレート厚さt4が大きくなることから、プレート部分120の強度が向上して、プレート部分120の耐久性を向上させることができる。
後退面124が、長手方向で長手中心面Pnからピン部分110に近づくにつれて、幅中心面Pwからの幅方向距離が連続的に増加する曲面形状であることにより、スプロケット歯11が、長手方向でピン部分110寄りの位置で第1噛合い空間S1に進入する場合に、後退面124は、長手方向でピン部分110に近い部位であるほど大きく後退しているので、第1噛合い空間S1への進入開始直後のスプロケット歯11と後退面124との擦合いの回避が促進されて、プレート部分120の摩耗、接触騒音、そしてスプロケット歯11とプレート部分120と摩擦を低減することができる。
以下、前述した実施例の一部の構成を変更した実施例について、変更した構成に関して説明する。
後退面は、曲面形状以外に、単一の傾斜面形状または傾斜が異なる複数の傾斜面形状であってもよい。
プレート部分120または内側面の形状は、高さ中心面Phに関して非面対称であり、スプロケット側Riと反スプロケット側Roとで異なっていてもよい。
後退面124の高さ方向幅W4は、中央側面123の高さ方向幅W3以上であってもよい。
リンクユニット101が有するプレート部分120は3以上であってもよい。
100・・・チェーン
101・・・リンクユニット
110・・・連結ピン部分
111・・・対向部
112・・・非対向部
120・・・プレート部分
121・・・内側面
122・・・中心交差部
123・・・内側中央側面
124・・・後退面
129・・・縁部
140・・・接合部
141・・・接合境界部、
150・・・リンクプレート
A ・・・境界部
B ・・・境界
H1 ・・・ピン高さ
H2,H5・・・プレート高さ
H4 ・・・接合高さ
Ph ・・・高さ中心面
Pw ・・・幅中心面
Pn ・・・長手中心面
Pc,Ps・・・幅方向中心位置
Ri ・・・スプロケット側
Ro ・・・反スプロケット側
S1,S2・・・噛合い空間
t3,t4・・・プレート厚さ

Claims (5)

  1. 複数のリンクユニットおよび複数組の1対のリンクプレートが、1つのリンクユニットおよび1対のリンクプレート毎に、長手方向に交互に屈曲中心線を中心に屈曲可能に連結されることにより形成されて、スプロケットに巻き掛けられるチェーンであって、
    前記リンクユニットが、長手方向で離間している1対の連結ピン部分と、前記1対の連結ピン部分を連結していると共に幅方向で離間している1対のプレート部分とから構成され、
    前記プレート部分が、前記1対の連結ピン部分と前記プレート部分とが一体不離に接合している1対の接合部で、前記1対の連結ピン部分を連結しており、
    前記1対の連結ピン部分が、長手方向で対向する側の1対の対向部と、長手方向で前記1対の対向部とは反対側の1対の非対向部とを有し、
    前記連結ピン部分が、チェーン張力を、前記1対の対向部にそれぞれ位置している前記1対の接合部を通じて前記プレート部分に作用させ、
    前記1対のリンクプレートが、幅方向で前記1対のプレート部分を挟んで、前記連結ピン部分の1対の支持部に屈曲可能にそれぞれ連結され、
    前記リンクユニットの前記1対の連結ピン部分および前記1対のプレート部分により囲繞された第1噛合い空間と、長手方向で隣り合う前記リンクユニット同士の連結ピン部分および前記1対のリンクプレートにより囲繞された第2噛合い空間とが、長手方向に交互に形成され、
    前記スプロケットの複数のスプロケット歯が、前記第1噛合い空間および前記第2噛合い空間のそれぞれに対して1つずつ、順次、進入可能であり、
    前記プレート部分が、高さ方向に面する1対の縁部と、高さ方向で前記1対の縁部の間に前記第1噛合い空間に面する内側面とを有し、
    前記内側面が、高さ中心面と交わる中心交差部と、前記高さ中心面に対してスプロケット側に位置すると共に前記スプロケット側の前記縁部に連なる後退面とを有し、
    前記後退面が、前記幅中心面に対して、幅方向で前記中心交差部よりも遠方に後退している面形状であることを特徴とするチェーン。
  2. 前記スプロケット側での前記プレート部分のプレート高さが、前記スプロケット側での前記リンクプレートのプレート高さよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のチェーン。
  3. 前記後退面の幅方向断面形状が、幅方向で前記幅中心面に向かって凸状で、かつ、高さ方向で前記高さ中心面から前記スプロケット側の前記縁部に近づくにつれて前記幅中心面からの幅方向距離が連続的に増加する円弧状であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のチェーン。
  4. 前記内側面が、前記中心交差部を含むと共に高さ方向で前記後退面に連なる平面形状の中央側面を有し、
    前記中央側面でのプレート厚さが、前記後退面でのプレート厚さよりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載のチェーン。
  5. 前記後退面が、長手方向で長手中心面から前記連結ピン部分に近づくにつれて、前記幅中心面からの幅方向距離が連続的に増加する曲面形状であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載のチェーン。
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