JP2014207744A - 回転機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ステータから磁気ギャップ及びロータを通過して流れる磁束量を調整することができ、何れの回転領域でも高い効率を実現可能な三相交流の回転機を提供する。【解決手段】リング状のステータコア11の対向位置に設けたメイン界磁巻線14及び磁束発生部15と、等ピッチで設けた6本のステータ極12のうち対向するステータ極12にそれぞれ巻回したステータ巻線13同士を同相に設定したステータ1と、等ピッチで設けた2本のロータ極22を有するロータ2との組を連結用磁石41、42を介して複数連結し、界磁巻線無励磁状態においてロータ極22とステータ極12との磁気ギャップに漏れずにステータ1内部を通過する連結用磁石41、42の磁束を、界磁巻線励磁状態においてメイン界磁巻線15の磁束及び磁束発生部の磁束によって磁気ギャップ及びロータ2を通過する磁束に変化可能に構成した。【選択図】図1

Description

本発明は、ステータに対してロータを回転させる回転機に関するものである。
従来より、ステータと、このステータとの間に磁気的なギャップ(エアギャップとも称される狭い隙間であり、以下では「磁気ギャップ」と称す)を空けて配置されるロータとを備えた回転機(例えばPMモータ)が知られている。回転機のステータには、周方向に等ピッチで並ぶ複数のステータ極が設けられ、隣り合うステータ極間に形成された各スロットに巻線(ステータ巻線)が配置されている。そして、ステータ巻線に電力を供給することによってステータに磁界が発生し、この磁界とロータに付帯させた永久磁石の磁束との相互作用によってロータが回転するように構成されている(例えば特許文献1)。
ところで、近時では自動車用駆動モータなどをはじめとした負荷変動が大きい用途で使用される回転機も多く、このような回転機に対しては、出力領域の拡大と高効率化が要求されている。
ロータに永久磁石を付帯させた従来の回転機では、永久磁石の磁束が磁気ギャップを通過して、ステータ鉄心とステータ極に巻回されたステータ巻線に鎖交し、誘起電圧が発生する。ここで、回転する際に発生する磁界である界磁の磁束量と回転数で決定される誘起電圧は、ロータの回転数に比例して増加するが、出力領域の拡大を実現すべく、低速域で大きな出力(大トルク)を得るために高い誘起電圧を確保できるように設定すれば、高速域では電圧制限により(電源の供給電圧を超過して)駆動できず、一方、高速域まで駆動できるようにすれば、低速域では誘起電圧が低くなり、必要な高い出力(大トルク)を確保できない。
そこで、従来の永久磁石同期回転機では、ロータの回転速度を上げて高速域で運転する場合に、コントローラの端子電圧よりも誘起電圧が超えないよう回転機の電気設計(電圧制限を超えない程度の誘起電圧を確保可能な電気設計)を行いつつ、ステータに鎖交する永久磁石の磁束が多過ぎて誘起電圧が高過ぎる状態になる高速域では、ステータ電力で弱め界磁制御することで誘起電圧を抑えるように構成されている。
このように従来の回転機では、永久磁石の磁束を積極的に弱める弱め界磁制御を行うことで運転範囲の拡大を図っていた。
特開2012−080715号公報
しかしながら、弱め界磁制御が過剰になると永久磁石のクニック点を越えて、永久磁石が不可逆減磁してしまう。
したがって、従来の回転機では、ロータに付帯させた永久磁石の磁束が常にステータ鉄心及びステータ巻線に鎖交して界磁磁束として作用し得る状態にあり、永久磁石が不可逆減磁しない程度まで永久磁石の磁束密度を減少させて磁力を弱めることができても、磁力をゼロ、つまり界磁磁束として作用し得る永久磁石の磁束をゼロにするのは困難であった。そして、界磁磁束として作用し得る永久磁石の磁束がロータから磁気ギャップに漏れてステータに常に流れるため、その分だけ回転時にロスが生じていた。
また、永久磁石をロータに付帯させる態様であれば、ロータの高速回転時に永久磁石が飛散する事態が想定される。このような事態を回避するために、例えば非磁性体の飛散防止リングを永久磁石のうちステータ極に近い側の面を被覆するように取り付ける構成も考えられるが、この場合、回転機の小型軽量化に反するだけでなく、飛散防止リングの厚み分だけ磁気ギャップが拡大してしまい、高効率化の妨げとなり得る。
さらには、ロータをステータの内側に配置してモータを組み立てる工程において、ロータの永久磁石がステータ極に吸引されてしまい、組立作業を効率良く行うことができないという不具合もあった。
このような問題点の主要因は、ロータに永久磁石を付帯させた回転機において永久磁石の磁束を調整することができないことにある。
本発明は、このような検討結果に基づき、回転数の変動や運転状況に応じて界磁の磁束量を調整することができ、高効率化を実現可能な三相構造の回転機を提供することを主たる目的とするものである。
すなわち本発明は、ステータと、ステータと同軸上に配置され且つステータとの間に磁気ギャップを形成するロータとの組を、連結部材を介してロータの回転軸方向に連結した回転機に関するものである。
ここで、本発明に係る回転機は、回転軸の径方向においてロータをステータの内周側に配置したインナー可動型、及び回転軸の径方向においてロータをステータの外周側に配置したアウター可動型の何れをも包含するものである。また、本発明における「ステータと同軸上」の軸は、シャフトを有する構成であればシャフトであり、シャフトを設けない構成であれば、ロータの回転中心を規定する仮想上の軸である。
本発明に係る回転機は、ステータとして、リング状のステータ鉄心と、ステータ鉄心の所定箇所に巻回され且つ回転軸周りの方向である周方向(以下、単に「周方向」と称す)に磁束を発生するメイン界磁巻線と、ステータ鉄心のうちメイン界磁巻線の巻回位置と対向する位置に配置され且つメイン界磁巻線の磁束と反対方向の磁束を発生する磁束発生部と、ステータ鉄心のうちメイン界磁巻線と磁束発生部との間においてロータに向かって突出し且つ周方向に等ピッチで設けた6n(nはゼロを除く正の整数)本のステータ極と、これら各ステータ極に巻回したステータ巻線とを備え、対向するステータ極にそれぞれ巻回したステータ巻線同士を同相に設定したものを適用するとともに、ロータとして、リング状のロータ鉄心と、ロータ鉄心からステータに向かって突出し且つ周方向に等ピッチで設けた2m(mはゼロ及び3の倍数を除く正の整数)本のロータ極とを備えたものを適用する。そして、本発明に係る回転機は、連結部材として、各組のステータ鉄心同士の間に介在し且つロータの回転軸方向に磁性を持たせた連結用永久磁石を適用し、各組のメイン界磁巻線に通電していない状態においてステータ極とロータ極の磁気ギャップを通過すること無く各組のステータ内部を通過する連結用永久磁石の磁束を、少なくとも各組のメイン界磁巻線に所定方向に通電することで生じるメイン界磁巻線の磁束によって磁気ギャップ及びロータを通過する磁束に変化可能に構成し、且つステータ巻線をU、V、Wの三相に分けて、メイン界磁巻線を励磁することによって誘起電圧が生じ、各相のステータ巻線単位で120度ずつ位相のずれた三相交流電流を励磁することによって各組のロータを回転させるトルクが生じるように構成していることを特徴としている。
このような本発明の回転機では、各組のステータ鉄心同士の間に介在させた連結用磁石の磁性を、ロータの回転軸方向、換言すれば各組のステータ鉄心が向き合う方向に持たせているため、各組のステータのメイン界磁巻線に電流を流していない状態(界磁巻線無励磁状態)であれば、連結用永久磁石の磁束は、各組のステータ鉄心を経由して戻る短絡磁束になる。したがって、抵抗の低い部分を通る連結用永久磁石の磁束は、各組のメイン界磁巻線の起磁力がゼロの場合に、磁気ギャップを通過してロータに到達することはなく、ステータ内を流れる。
一方、各組のメイン界磁巻線に所定方向の電流を流した場合(界磁巻線励磁状態)、メイン界磁巻線の磁束が、磁束発生部の磁束と反対方向の磁束として発生する。したがって、各組のステータ内においてメイン界磁巻線の磁束と磁束発生部の磁束がぶつかり、これら各磁束はそれぞれ各組のステータ鉄心を経由して戻る短絡磁束にはならない。このような界磁巻線励磁状態では、各組のステータ鉄心内を流れる連結用永久磁石の磁束が、ステータ鉄心内においてメイン界磁巻線の磁束や磁束発生部の磁束とぶつかり、各組のステータのうちメイン界磁巻線を巻回した部分及び磁束発生部を配置した部分に到達することなく、各組のステータのステータ極を通り、そのステータ極と対向し得るロータの部分(ロータ極又はロータ鉄心)との磁気ギャップを通過し、ロータ内を通過して、ステータ極との磁気ギャップ、ステータ極、ステータ鉄心をこの順で流れて連結用永久磁石に至る。
また、界磁巻線励磁状態において各組の磁束発生部の磁束は、各組のステータ鉄心内において及び各組のメイン界磁巻線の磁束とぶつかり、ステータ鉄心のうちメイン界磁巻線の配置部分に到達することなく、各組のステータ極を通り、そのステータ極と対向し得るロータの部分(ロータ極又はロータ鉄心)との磁気ギャップを通過し、ロータ内を通過して、ステータ極との磁気ギャップ、ステータ極、ステータ鉄心をこの順で流れて磁束発生部の配置箇所に至る。
本発明の回転機では、6n(nはゼロを除く正の整数)本のステータ極を有するステータと、2m(mはゼロ及び3の倍数を除く正の整数)本のロータ極を有するロータとを備えたものであり、界磁巻線励磁状態において、6n(nはゼロを除く正の整数)本のステータ極のうち、メイン界磁巻線の配置箇所に近い位置にあるステータ極に磁気ギャップを介して対面するロータの部分(ロータ極、ロータ鉄心)には、メイン界磁巻線の磁束がメイン界磁巻線の磁束よりも相対的に多く流れ、磁束発生部の配置箇所に近い位置にあるステータ極に磁気ギャップを介して対面するロータの部分(ロータ極、ロータ鉄心)には、磁束発生部の磁束がメイン界磁巻線の磁束よりも相対的に多く流れ、メイン界磁巻線の磁束と磁束発生部の磁束がぶつかる箇所に近い位置にあるステータ極に磁気ギャップを介して対面するロータの部分(ロータ極、ロータ鉄心)には、メイン界磁巻線の磁束と磁束発生部の磁束が同じ程度の割合で流れる。
このように、本発明の回転機であれば、メイン界磁巻線に所定方向の電流を流していない状態(界磁巻線無励磁状態)ではロータに流れない状態または流れ難い状態にあって短絡している連結用永久磁石の磁束を、メイン界磁巻線に所定方向の電流を流すこと(界磁巻線無励磁状態)でメイン界磁巻線の磁束及び磁束発生部の磁束に誘導されて磁気ギャップを通過してロータに流れる磁束に変化させることができ、メイン界磁巻線に流す電流量の大きさにより、磁気ギャップに漏れてロータを通過する磁束量を調整する「界磁調整」を簡単に行うことができる。ここで、界磁調整時に磁気ギャップに漏れてロータを通過する磁束量は、少なくともメイン界磁巻線に流す電流の大きさに比例する。ここで、この界磁巻線に流す電流は、例えばロータの回転数(速度)の変動に応じて調整することができ、ステータの各ステータ巻線に電流を流していない場合であっても、ステータの各ステータ巻線に電流を流している場合であっても調整することができる。
そして、本発明の回転機は、界磁巻線励磁状態にして界磁調整を行うことによって誘起電圧が生じ、界磁調整を行った状態で、U、V、Wの三相に分けた各相のステータ巻線単位で120度ずつ位相のずれた三相交流電流を励磁することによって、連結用永久磁石の磁束、メイン界磁巻線の磁束及び磁束発生部の磁束が、ステータ巻線に鎖交する界磁磁束として作用し、各組のロータを回転させるトルクが生じるように構成している。ステータの各ステータ巻線(U,V,W相)に流す電流は、例えばトルク(出力)が変動する場合に調整するものであり、運転状態によっては、界磁巻線に流す電流の調整及び各ステータ巻線に流す電流の調整を何れも行う場合がある。
このように、本発明に係る回転機は、各組のメイン界磁巻線に所定方向の電流を流していない状態(界磁巻線無励磁状態)であれば各組のロータに連結用永久磁石の磁束が流れない状態または流れ難い状態を確保することができる。したがって、本発明に係る回転機では、各組のメイン界磁巻線に所定方向に通電していない状態において誘起電圧が発生せず、コギングトルクやロストルクがゼロまたは略ゼロとなり、高効率化を図ることができる。
また、各組のメイン界磁巻線に所定方向の電流を流した状態(界磁巻線励磁状態)では、連結用永久磁石の磁束を各組のメイン界磁巻線の磁束及び各組の磁束発生部の磁束によって各組のロータに通過させることができ、この状態で各相のステータ巻線単位で120度ずつ位相のずれた三相交流電流を励磁する(励磁巻線励磁状態)ことによって、連結用永久磁石の磁束、メイン界磁巻線の磁束及び磁束発生部の磁束が、ステータ巻線に鎖交する界磁磁束として作用し、各組のロータを回転させるトルクが生じる。特に、本発明であれば、各組のステータ鉄心同士を連結用永久磁石によって連結した構成であるため、ステータの一部にのみ永久磁石を付帯させる構成と比較して、回転機全体に占める永久磁石の体積を増加させることが可能であり、磁気装荷と電気装荷のバランスが取れて、高効率化に資する。
さらに、本発明の回転機では、各組におけるステータ極とロータ極の数を相互に異なる数に設定しているため、各組のロータが回転不能なロック状態に陥る事態を回避することができるとともに、正弦波励磁が利用可能であり、汎用のインバータを利用することができる。また、本発明の回転機では、正弦波励磁が利用可能であることから、ステータ極とロータ極の数が同数の場合に使用するパルス電源で駆動することができる。
そして、本発明の回転機であれば、要求される回転数(出力)やトルクに応じて各組のメイン界磁巻線に流す電流量を調節することで、各組のロータを通過する磁束量(連結用永久磁石の磁束にメイン界磁巻線の磁束及び磁束発生部の磁束を重畳した磁束量であり、これら連結用永久磁石の磁束、メイン界磁巻線の磁束及び磁束発生部の磁束の総和である磁束量)を増減することができ、ひいては、ステータ巻線に鎖交する界磁磁束量を増減することができる。この際、例えば連結用永久磁石の界磁を弱める弱め界磁制御は不要であるため、連結部材として用いる連結用永久磁石の減磁現象を防止することができるとともに、例えば弱め界磁制御と強め界磁制御を選択して行う態様と比較して、メイン界磁巻線に流す電流方向は一定方向のみであるため、メイン界磁巻線に流す電流方向を切り替える処理が不要である。
また、本発明の回転機は、ロータに永久磁石を付帯させる構成ではないため、ロータの高速回転中に永久磁石が飛散する事態を回避することができる。さらに、ロータに永久磁石を付帯させた回転機であれば永久磁石の飛散を防止するために設ける飛散防止部材が、本発明の回転機では不要であり、この点において、部品点数の削減と、永久磁石のうちステータに対向する面に飛散防止部材を取り付けることによる磁気ギャップの拡大化を回避することが可能であり、高効率化にも貢献する。
本発明の回転機は、ロータを磁性体材料のみから形成することが可能である点においても有利である。
さらに、本発明では、ステータ鉄心として、少なくともメイン界磁巻線を巻回する部分で周方向に分断され且つメイン界磁巻線の配置箇所となる凹部を有する複数の第1単位ステータ鉄心を備えたものを適用することができる。この場合、複数の第1単位ステータ鉄心を相互に組み付ける前の時点において、第1単位ステータ鉄心の凹部に、メイン界磁巻線を巻回することが可能になり、リング状又は略リング状に形成したステータ鉄心の所定部分にメイン界磁巻線を巻回する態様と比較して、巻線処理の効果が向上し、より多くの巻線を巻回することも期待できる。また、第1単位ステータ鉄心の凹部に、予め巻回成型されたメイン界磁巻線を嵌込可能に設定すれば、メイン界磁巻線として所定の形状で所定の巻回量を有するものを予め準備しておき、その巻回成型されたメイン界磁巻線を第1単位ステータ鉄心同士を組み付ける直前で、第1単位ステータ鉄心の凹部に嵌め込むことが可能になり、メイン界磁巻線をステータ鉄心の所定箇所に配置する処理効率の向上に役立つ。
本発明における各組のステータ鉄心として、複数の第1単位ステータ鉄心と、凹部を有しない複数の第2単位ステータ鉄心と、磁束発生部を配置可能な第3単位ステータ鉄心とを用いて構成したものを適用すれば、最小限の種類で用意した単位ステータ鉄心を使用して、メイン界磁巻線及び磁束発生部を所定箇所に配置したステータ鉄心を形成することができる。ここで、磁束発生部として、第1単位ステータ鉄心の凹部に配置可能なものを用いた場合には、第3単位ステータ鉄心と第1単位ステータ鉄心を共用することができ、各組のステータ鉄心を、複数の第1単位ステータ鉄心と、凹部を有しない複数の第2単位ステータ鉄心の2種類の単位ステータ鉄心で形成することが可能になる。
また、本発明における磁束発生部としては、永久磁石又はサブ界磁巻線を例示することができる。組毎で磁束発生部を永久磁石又はサブ界磁巻線の何れかに変更することも可能である。サブ界磁巻線を磁束発生部として用いる場合、各組のメイン界磁巻線に所定方向の電流を流した状態(界磁巻線励磁状態)では、サブ界磁巻線にも所定方向に通電する一方、各組のメイン界磁巻線に通電していない状態(界磁巻線励磁状態)では、サブ界磁巻線にも通電しなければよい。ここで、磁束発生部としてサブ界磁巻線を用いた場合、界磁調整時に磁気ギャップに漏れてロータを通過する磁束量は、メイン界磁巻線及びサブ界磁巻線に流す電流の大きさに比例する。
本発明によれば、ステータとロータの組同士を連結用永久磁石によって連結した回転機を構成することによって永久磁石の体積を有効に増大させつつ、界磁巻線無励磁状態では磁気ギャップに漏れないか漏れ難くしてステータ内を流れるように磁気短絡させた連結用永久磁石の磁束を、各組のメイン界磁巻線に電流を流すことで磁気ギャップ及びロータに流れて、界磁磁束として作用し得る磁束に変化可能に構成しているため、回転数の変動や運転状況に応じて界磁の磁束量を調整することができ、広範な運転領域に対応する何れの回転領域でも高効率で作動する三相構造の回転機を提供することができる。
本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る回転機の全体斜視図。 図1のf方向(図4、図5のP−P線方向)矢視図。 同実施形態における第2組のステータ及びロータを図4、図5のQ−Q線方向から見た図。 図1のg方向矢視図。 図1のh方向矢視図。 同実施形態におけるメイン界磁巻線への電流供給を示す回路図。 同実施形態におけるステータ巻線への電流供給を示す回路図。 同実施形態に係る回転機のシステム構成図。 界磁巻線無励磁状態における連結用磁石磁束の流れを図2に対応させて模式的に示す図。 界磁巻線無励磁状態における連結用磁石磁束の流れを図3に対応させて模式的に示す図。 界磁巻線無励磁状態における連結用磁石磁束の流れを図4に対応させて模式的に示す図。 界磁巻線無励磁状態における連結用磁石磁束の流れを図5に対応させて模式的に示す図。 界磁調整時における連結用磁石磁束、メイン界磁巻線の磁束及び磁束発生部の磁束の流れを図2に対応させて模式的に示す図。 界磁調整時における連結用磁石磁束、メイン界磁巻線の磁束及び磁束発生部の磁束の流れを図3に対応させて模式的に示す図。 界磁調整時における連結用磁石磁束、メイン界磁巻線の磁束及び磁束発生部の磁束の流れを図4に対応させて模式的に示す図。 界磁調整時における連結用磁石磁束、メイン界磁巻線の磁束及び磁束発生部の磁束の流れを図5に対応させて模式的に示す図。 ロータ回転駆動時における磁束の流れを図2に対応させて模式的に示す図。 ロータ回転駆動時における磁束の流れを図3に対応させて模式的に示す図。 本発明の第2実施形態に係る回転機の全体斜視図。 図19のf方向(図22、図23のP−P線方向)矢視図。 同実施形態における第2組のステータ及びロータを図22、図23のQ−Q線方向から見た図。 図19のg方向矢視図。 図19のh方向矢視図。 界磁巻線無励磁状態におけるメイン磁石磁束の流れを図20に対応させて模式的に示す図。 界磁巻線無励磁状態におけるメイン磁石磁束の流れを図21に対応させて模式的に示す図。 界磁巻線無励磁状態におけるメイン磁石磁束の流れを図22に対応させて模式的に示す図。 界磁巻線無励磁状態におけるメイン磁石磁束の流れを図23に対応させて模式的に示す図。 界磁調整時におけるメイン磁石磁束及びメイン界磁巻線の磁束流れを図20に対応させて模式的に示す図。 界磁調整時におけるメイン磁石磁束及びメイン界磁巻線の磁束流れを図21に対応させて模式的に示す図。 界磁調整時におけるメイン磁石磁束及びメイン界磁巻線の磁束流れを図22に対応させて模式的に示す図。 界磁調整時におけるメイン磁石磁束及びメイン界磁巻線の磁束流れを図23に対応させて模式的に示す図。 ロータ回転駆動時における磁束の流れを図20に対応させて模式的に示す図。 ロータ回転駆動時における磁束の流れを図21に対応させて模式的に示す図。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る回転機Xは、例えば図示しない航空機の電動のエンジンスタータと発電機を兼ねたスタータジェネレータとして適用可能なものである。
回転機Xは、図1乃至図5(図1は本変形例に係る回転機Xの全体斜視図であり、図21は図1のf方向(図4、図5のP−P線方向から見た図)矢視図、図3は後述する第2組を構成するステータS1及びロータS2を図4、図5のQ−Q線方向から見た図、図4は図2のg方向矢視図、図5は図2のh方向矢視図である)に示すように、ステータ1と、ステータ1と同軸上に配置され且つステータ1との間に磁気ギャップを形成するロータ2との組(図示では2組)を連結部材4によってロータ2の回転軸方向(後述するシャフト3の長手方向)に連結したものである。
以下では、回転機Xのうち、図1における紙面手前左側の組を第1組、同図における紙面奥方右側の組を第2組とし、第2組のステータS1及びロータS2を構成する部分にはそれぞれ頭文字に「S」を付して説明する。
本実施形態に係る回転機Xは、ロータ2をステータ1よりも回転軸の径方向内側に配置したインナー可動型の回転機Xである。この回転機Xは、各組のロータ2,S2を対応するステータ1,S1に対して回転可能に支持するロータ支持部3,S3を備えている。本実施形態では、ロータ支持部として、ロータ2,S2の回転軸そのものとして機能するシャフト3,S3を適用している。すなわち、シャフト3,S3及びロータ2,S2は一体回転可能に構成されている。各組のロータ2,S2及びそれら各2,S2を回転可能に支持するロータ支持部としてのシャフト3,S3は、各組毎に個別に構成したものであってもよいが、本実施形態では、各組のロータ2,S2及びシャフト3,S3を連続する共通の部品によって構成している。
ステータ1,S1は、ステータコア11,S11(本発明のステータ鉄心に相当)と、ステータコア11,S11からロータ2,S2側に向かって突出し且つ周方向Aに等ピッチで配列された複数のステータティース12,S12(本発明のステータ極に相当)と、各ステータティース12,S12に巻回されたステータ巻線13,S13と、ステータコア11,S11に連続する位置に配置したメイン界磁巻線14,S14と、各ステータコア11,S11のうちメイン界磁磁束14,S14と対向する位置に配置した磁束発生部15,S15とを有するものである。
本実施形態の回転機Xでは、磁束発生部として、各ステータコア11,S11のうちメイン界磁磁束14,S14と対向する位置に配置したサブ界磁巻線15,S15を適用している。メイン界磁巻線14,S14及びサブ界磁巻線の15,S15は同一形状のものを適用することができるが、通電時に流れる磁束の向きが各組におけるメイン界磁巻線14とサブ界磁巻線15(メイン界磁巻線S14とサブ界磁巻線S15)とで相互に逆向きとなるように設定している。また、通電時に流れる第1組のメイン界磁巻線14の磁束の向きが、第2組のメイン界磁巻線15の磁束の向きと反対方向になるとともに、第1組のサブ界磁巻線15の磁束の向きが、第2組のサブ界磁巻線S15の磁束の向きと反対方向になるように設定している(後述する図13及び図14参照)。
本実施形態では、各組のメイン界磁巻線14,S14及びサブ界磁巻線15,S15に対して、図6に示すように、直流電流を流すように設定し、メイン界磁巻線14,S14及びサブ界磁巻線15,S15に直流電流を流すことで、メイン永久磁石14の磁束と反対方向の磁束が生じるように設定している。これらメイン界磁巻線14,S14及びサブ界磁巻線15,S15には、ロータ2,S2の回転位置に関係なく直流電流を流すため、基本的にはスイッチSのONとOFFのタイミングを切り替える制御(微少時間でON・OFFを繰り返し、単位時間あたりにおけるONの時間を調整する制御も含む)になり、例えばPWM(Pulse Width Modulation)制御を採用することができる。
ステータコア11,S11は、シャフト3,S3の軸方向に直交する断面形状がリング状をなす磁性体である。各ステータコア11,S11は、周方向Aに分割していないものであってもよいが、本実施形態では、周方向Aに分割した複数の単位ステータコア11a,S11a、11b,S11bを適宜の手段で一体的に接合したステータコア11,S11を適用している。
ここで、本実施形態の回転機Xは、各組のステータコア11,S11をそれぞれ2種類の単位ステータコア11a,S11a、11b,S11bを用いて形成している。第1単位ステータコア11a,S11aは、メイン界磁巻線14,S14を配置する部分で周方向Aに分断され且つメイン界磁巻線14,S14の配置箇所となる凹部11c,S11cを有するものである。凹部11c,S11cは、図2及び図3に示すように、ステータコア11,S11を厚み方向(シャフト3,S3の径方向)に所定寸法窪ませたものである。そして、各組におけるステータコア11a,S11aを形成する際には、複数の第1単位ステータコア11a同士(第2組であれば複数の第1単位ステータコアS11a同士)を接合する時に、予め巻回成型したメイン界磁巻線14(第2組であればメイン界磁巻線S14)を各第1単位ステータ11aの凹部11c(第2組であれば第1単位ステータS11aの凹部S11c)に嵌め込む。その結果、メイン界磁巻線14,S14を所定の位置に配置したステータコア11a,S11aを形成することができる。
また、本実施形態の回転機Xは、サブ界磁巻線15,S15としてメイン界磁巻線14,S14と同一形状のものを適用しているため、サブ界磁巻線15,S15の配置部分を第1単位ステータコア11a,S11aによって形成し、メイン界磁巻線14,S14と同様に、第1単位ステータコア11a,S11aの凹部11c,S11cに嵌込可能に構成している。本実施形態では、ステータコア11,S11の外向き面と、メイン界磁巻線14,S14の外向き面及びサブ界磁巻線15,S15がそれぞれ大きな段差なく略面一となるように設定している。
第2単位ステータコア11b,S11bには、凹部11c,S11cを形成していない。本実施形態では、図2及び図3に示すように、リング状のステータコア11,S11を周方向Aにそれぞれ6等分し、その6等分した部分のうちメイン界磁巻線14,S14を配置する部分とサブ界磁巻線15,S15を配置する部分は、それぞれ2つの第1単位ステータコア11a,S11aによって形成し、それ以外の部分(メイン界磁巻線14,S14、サブ界磁巻線15,S15を配置しない部分)はそれぞれ1つの第2単位ステータコア11b,S11bによって形成している。すなわち、各組のステータコア11,S11は、4つの第1単位ステータコア11a,S11aと4つの第2単位ステータコア11b,S11bを用いて形成したものである。本発明の回転機は、「メイン界磁巻線の配置箇所である凹部を有する複数の第1単位ステータコアと、凹部を有しない複数の第2単位ステータコアと、磁束発生部を配置可能な第3単位ステータコアとを用いて各組のステータ鉄心を構成した」ものであることが好ましく、本実施形態では、特に、磁束発生部として凹部11c,S11cに配置可能なサブ界磁巻線15,S15を適用しているため、「磁束発生部を配置可能な第3単位ステータコア」と「メイン界磁巻線の配置箇所である凹部を有する複数の第1単位ステータコア」とを同じ種類の単位ステータコアで実現することができる。
ステータティース12,S12は、ステータコア11,S11の内向き面からロータ2,S2側(シャフト3,S3の径方向内側)に向かって突出するものである。本実施形態の回転機Xは、ステータコア11,S11の内向き面において等角ピッチとなる箇所から突出する計6n(nはゼロを除く正の整数であり、本実施形態であればnは1である)本のステータティース12,S12を有し、各ステータティース12,S12にステータ巻線13,S13を巻回している。何れのステータティース12,S12も、ステータコア11,S11のうちメイン界磁巻線14,S14を配置した箇所及びサブ界磁巻線15,S15を巻回した箇所と一致しないように設定している。本実施形態では、リング状のステータコア11,S11のうち、メイン界磁巻線14,S14を配置した箇所とサブ界磁巻線15,S15を配置した箇所の間、すなわちステータコア11,S11を周方向に略2等分した各領域(ステータコア11,S11を周方向Aに略半分にした領域であり、以下では「半周領域」と称する場合がある)に、各組のステータティース12,S12の総数(6n)の半分(つまり6nを2で割った本数)のステータティース12,S12を周方向Aに等角ピッチで設けている。nが1である本実施形態では、各組のステータ1,S1の各半周領域に3本のステータティース12,S12をそれぞれ設けている。
本実施形態では、ステータティース12,S12を各単位ステータコア(第1単位ステータコア11a,S11a及び第2単位ステータコア11b,S11b)に一体に形成している。
ここで、第2単位ステータコア11b,S11bの周方向A両端には、ステータティース12,S12を2分割した形状の内向き突出片を形成し、周方向Aに第2単位ステータコア11b同士(S11b同士)を接合した場合に、周方向Aに接触する突出片同士によって1本のステータティース12,S12を形成できるように設定している。また、第1単位ステータコア11a,S11aの周方向A両端のうち一端には、第2単位ステータコア11bと同様の突出片を形成し、他端に上述の凹部11c,S11cを形成している。そして、メイン界磁巻線14,S14を配置する部分は、凹部11c,S11c同士が連続するように2つの第1単位ステータコア11a、S11aを周方向Aに接合して形成し、第1単位ステータコア11a,S11aの他端に形成した突出片は、第2単位ステータコア11b,S11bの端部に形成した突出片と周方向Aに連続させることによってステータティース12,S12を形成している。
また、本実施形態の回転機Xでは、ロータ2,S2の回転軸であるシャフト3,S3の軸心を通る直線上で対向するステータティース12,S12にそれぞれ巻回して設けたステータ巻線13,S13同士を同相に設定し、周方向Aに並ぶ各ステータ巻線13,S13をU、V、Wの三相に分けている。各図において符号「13」又は「S13」に続く括弧内のローマ字表記U、V、Wは、各ステータ巻線13,S13の相を示している。
本実施形態では、ステータコア11,S11を周方向Aに2分割したそれぞれの領域(半周領域)に等ピッチで3本のステータティース12,S12を設け、各半周領域において1本のステータティース12,S12の配置箇所が、半周領域の中間部分と一致するように設定している。そして、ステータコア11,S11の各半周領域における中間部分からロータ2,S2に向かって突出し、相互に対向する一対のステータティース12,S12に巻回したステータ巻線13をV相に設定している。また、一方の半周領域においてその中間部分よりもメイン界磁巻線14,S14の配置箇所に近い箇所に設けたステータティース12,S12と、このステータティース12,S12にロータ2,S2を介して対向するステータティース12(他方の半周領域においてその中間部分よりもサブ界磁巻線15,S15の配置箇所に近い箇所に設けたステータティース12,S12)にそれぞれ巻回したステータ巻線をW相に設定するとともに、一方の半周領域においてその中間部分よりもサブ界磁巻線15,S15の配置箇所に近い箇所に設けたステータティース12,S12と、このステータティース12,S12にロータ2,S2を介して対向するステータティース12,S12(他方の半周領域においてその中間部分よりもメイン界磁巻線14,S14の配置箇所に近い箇所に設けたステータティース12,S12)にそれぞれ巻回したステータ巻線13,S13をU相に設定している。
そして、本実施形態の回転機Xでは、図7に示すように、同相のステータ巻線13,S13同士を直列で接続し、三相各相のステータ巻線13,S13同士を中性点Nで一括して接続する結線(いわゆるY結線またはスター結線と称される結線)を採用し、各相のステータ巻線13,S13に120度ずつ位相のずれた三相交流電流を励磁(通電)可能に構成している。これらステータ巻線13,S13には、ロータ2,S2の位置(回転角度)に応じて交流電流を流す必要がある。本実施形態では、回転センサによってロータ2,S2の位置(シャフト3,S3の回転角度)を検出し、図8に示すように、ロータ2,S2の位置(シャフト3,S3の回転角度)を示す回転信号に基づいて励磁用インバータIから各相のステータ巻線13,S13に交流電流を励磁するように構成している。なお、インダクタンスの変化などによってロータ2,S2の位置を検出可能(センサレス)に構成してもよい。図示しないスイッチのON・OFFに切り替えるタイミングに応じて各相のステータ巻線13,S13に交流電流が流れるタイミングを制御することができる。
本実施形態では、図8に示すように、共通の励磁用インバータIからメイン界磁巻線14,S14に流す界磁電流(直流)と、ステータ巻線13,S13に流す励磁電流(交流)を供給するように構成している。この励磁用インバータIには、外部電源又はコンバータが接続されている。
各組のロータ2,S2は、図1乃至図5に示すように、リング状のロータコア21,S21(本発明のロータ鉄心に相当)と、ロータコア21,S21からステータ1,S1側(シャフト3,S3の径方向外側)に向かって突出するロータティース22,S22(本発明のロータ極に相当)とを有する磁性体である。本実施形態のロータ2,S2は、ロータコア21,S21及びロータティース22,S22を一体に形成している。なお、本実施形態では、周方向Aに複数に分割(例えば4分割など)した単位ロータコアを適宜の手段で一体的に接合したロータコア21を適用しているが、周方向Aに分割していないロータコアであってもよい。また、ロータコア21,S21の中心部に形成したシャフト挿通孔に挿通したシャフト3,S3をロータ2,S2と一体回転可能に構成したり、あるいはロータコア21,S21とシャフト3,S3を一体に形成したものを適用することで、シャフト3,S3及びロータ2,S2を一体回転可能に構成することができる。
図1等に示す本実施形態の回転機Xは、円筒状をなすロータコア21,S21のうち、ステータ1,S1に対向する面(本実施形態では外向き面(外周面))から2m(mはゼロ及び3の倍数を除く正の整数であり、本実施形態であればmは1)本のロータティース22,S22を放射状に突出させたものである。ここで、本実施形態の回転機Xでは、リング状をなすステータコア11,S11の内向き面に等角ピッチで設けたステータティース12,S12と、リング状をなすロータコア21,S21の外向き面に等角ピッチで設けたロータティース22,S22との数を相互に異ならせている。本実施形態では、上述したように、各組におけるステータティース12,S12の本数を6に設定し、ロータティース22,S22の本数を2に設定し、これら2本のロータティース22,S22が、6本のステータティース12,S12のうち少なくとも4本のステータティース12,S12に磁気ギャップを介して対面し得るように、各ロータティース22,S22の周方向Aの寸法を設定している。
そして、本実施形態の回転機Xは、各組におけるステータ1,S1とロータ2,S2の間に周方向Aに周回する磁気ギャップを形成している。本実施形態では、各ステータティース12,S12の内向き面(突出端面)をシャフト3,S3の軸中心を中心とする同一円弧上に一致する部分円弧面に設定するとともに、各ロータティース22,S22の外向き面(突出端面)を各ステータティース12,S12の内向き面と同心円であって各ステータティース12,S12の内向き面よりも径を僅かに小さく設定した円弧上に一致する部分円弧面に設定することで、ステータティース12,S12とロータティース22,S22の間に所定の磁気キャップを形成している。
本実施形態の回転機Xは、各組のステータ2,S2同士を連結する連結部材4として連結用永久磁石41,42を適用している。本実施形態では、外向き面(外周面)がステータコア11,S11の外向き面(外周面)と段差無く連続する部分円弧状の連結用永久磁石41,42を2つ用いており、各連結用永久磁石41,42を、各組のステータコア11,S11のうちメイン界磁巻線14,S14の配置箇所とサブ界磁巻線15,S15の配置箇所とによって仕切られる領域である半周領域にそれぞれ配置し、各組のステータコア11,S11同士が対向する方向に磁性を持たせた各連結用永久磁石41,42の磁束の流れが相互に逆向きとなるように設定している。具体的には、図1及び図4等に示すように、各組のステータコア11,S11に接触する面をS極又はN極に着磁した各連結用永久磁石41,42のうち、一方の連結用永久磁石41は、第1組のステータコア11に接触する面をS極に、第2組のステータコアS11に接触する面をN極に着磁したものであり、他方の連結用永久磁石42は、第1組のステータコア11に接触する面をN極に、第2組のステータコアS11に接触する面をS極に着磁したものである。なお、各連結用永久磁石41,42は、メイン界磁巻線14,S14及びサブ界磁巻線15,S15に接触しないように配置されている。
このような本実施形態に係る回転機Xでは、各組のメイン界磁巻線14,S14及びサブ界磁巻線15,S15に電流を流していない状態(界磁巻線無励磁状態)において、連結用永久磁石41,42の磁束(以下、「連結用磁石磁束」と称する場合がある)は、図9乃至図12において相対的に太い矢印でその流れを示すように、一対の連結用永久磁石41,42のうち何れか一方の連結用永久磁石(例えば連結用永久磁石41)のうちN極に着磁された面(N極着磁面)を始点として捉えると、このN極着磁面から、このN極着磁面に接触している何れか一方の組に属するステータ(図示例では第1組のステータ1)内を流れて、他方の連結用永久磁石(図示例では連結用永久磁石42)のS極着磁面に至り、その連結用永久磁石42のS極着磁面からN極着磁面を通過し、このN極着磁面に接触している他方の組に属するステータ(図示例では第2組のステータS1)内を流れて一方の連結用永久磁石(例えば連結用永久磁石41)のS極着磁面に戻る短絡磁束となる。すなわち、磁束の経路(磁路)は、常に全体の磁気抵抗が最も小さくなる磁路が必然的に選ばれるため、界磁巻線無励磁状態における連結用永久磁石41、42の磁束は、ロータ2,S2とステータ1,S1の磁気ギャップを避けて流れることになる。この界磁巻線無励磁状態における連結用永久磁石41、42の磁束を以下では「無励磁状態連結用磁石磁束」と称す。このように、界磁巻線無励磁状態では、連結用磁石磁束は各組の磁気ギャップに漏れず、ロータ2,S2に流れない。したがって、誘起電圧が発生せず、安全な状態であるといえる。なお、連結用永久磁石41、42の磁束量は常に一定である。
そして、このような回転機Xにおいて、ステータ巻線13に電流を流さずに、各組のメイン界磁巻線14,S14及びサブ界磁巻線15,S15にのみ所定値以上の電流(大電流)を流した場合(界磁巻線励磁状態)に、図13乃至図16に示すように、各組のステータコア11,S11内においてメイン界磁巻線14,S14の磁束(図13乃至図16において一点鎖線で示す)とサブ界磁巻線15,S15の磁束(図13乃至図16において二点鎖線で示す)とが相互にぶつかり、各組のステータコア11,S11のうちメイン界磁巻線14,S14及びサブ界磁巻線15,S15を配置した領域及びその近傍領域が磁気飽和になる。なお、図15及び図16では、各組のメイン界磁巻線14,S14及びサブ界磁巻線15,S15を流れる電流の向きを相対的に細い実線で模式的に示している。
その結果、各組のメイン界磁巻線14,S14の磁束は、サブ界磁巻線15,S15を配置した領域及びその近傍領域には流れず、各組の磁気ギャップに漏れて、各組のロータ2,S2に流れる。より具体的に、界磁巻線励磁状態において各組のメイン界磁巻線14,S14の磁束は、各組のステータ1,S1内においてサブ界磁巻線15,S15の磁束とぶつかり、各組のステータ1,S1のうちメイン界磁巻線14,S14を配置した部分に到達することなく、各組のステータ1,S1内においてサブ界磁巻線15,S15とぶつかる箇所よりもメイン界磁巻線14,S14を配置した箇所に近い位置に存在するステータティース12,S12を通り、そのステータティース12,S12と対向し得るロータ2,S2の部分(ロータティース22,S22又はロータコア21,S21)との磁気ギャップを通過し、ロータ2,S2内を流れて、ステータティース12,S12から通過してきた部分とは異なるロータ2,S2の部分(他のロータティース22,S22又はロータコア21,S21の他の部分)から、このロータ2,S2の部分(他のロータティース22,S22又はロータコア21,S21の他の部分)と対向し得るステータティース12,S12との磁気ギャップ、ステータティース12,S12、ステータコア11,S11をこの順で流れて各組のステータ1,S1におけるメイン界磁巻線14,S14の配置箇所に到達する。なお、第1組のメイン界磁巻線14の磁束の向きと第2組のメイン界磁巻線S14の向きが、軸方向正面(図1のf方向、図4、図5のP−P線方向、Q−Q線方向)から見て相互に反対方向となるように設定している(図13及び図14参照)。
また、界磁巻線励磁状態において各組のサブ界磁巻線15,S15の磁束は、メイン界磁巻線14,S14を配置した領域及びその近傍領域には流れず、各組の磁気ギャップに漏れて、各組のロータ2,S2に流れる。より具体的に、界磁巻線励磁状態において各組のサブ界磁巻線15,S15の磁束は、各組のステータ1,S1内においてメイン界磁巻線14,S14の磁束とぶつかり、各組のステータ1,S1のうちサブ界磁巻線15,S15を配置した部分に到達することなく、各組のステータ1,S1内においてメイン界磁巻線14,S14とぶつかる箇所よりもサブ界磁巻線15,S15を配置した箇所に近い位置に存在するステータティース12,S12を通り、そのステータティース12,S12と対向し得るロータ2,S2の部分(ロータティース22,S22又はロータコア21,S21)との磁気ギャップを通過し、ロータ2,S2内を流れて、ステータティース12,S12から通過してきた部分とは異なるロータ2,S2の部分(他のロータティース22,S22又はロータコア21,S21の他の部分)から、このロータ2,S2の部分(他のロータティース22,S22又はロータコア21,S21の他の部分)と対向し得るステータティース12,S12との磁気ギャップ、ステータティース12,S12、ステータコア11,S11をこの順で流れて各組のステータ1,S1におけるサブ界磁巻線15,S15の配置箇所に到達する。
ここで、界磁巻線励磁状態において各組の各ステータティース12,S12を流れるメイン界磁巻線14,S14の磁束及びサブ界磁巻線15,S15の磁束に着目すると、各組のステータコア11,S11の各半周領域における中間部分からロータ2,S2に向かって突出するステータティース12,S12に、メイン界磁巻線14,S14の磁束及びサブ界磁巻線15,S15の磁束が通過し、各組のステータコア11,S11の各半周領域においてその中間部分よりもメイン界磁巻線14,S14の配置箇所に近い箇所に設けたステータティース12,S12には、サブ界磁巻線15,S15の磁束はほとんど流れず、主にメイン界磁巻線14,S14の磁束が通過し、各組のステータコア11,S11の各半周領域においてその中間部分よりもサブ界磁巻線15,S15の配置箇所に近い箇所に設けたステータティース12,S12には、メイン界磁巻線14,S14の磁束はほとんど流れず、主にサブ界磁巻線15,S15の磁束が通過する(図13及び図14参照)。
このような各組のメイン界磁巻線14,S14の磁束及びサブ界磁巻線15,S15の磁束によって、界磁巻線無励磁状態では各組の磁気ギャップに漏れることのなかった連結用磁石磁束が、図13乃至図16において相対的に太い実線の矢印で示すように、各組におけるステータコア11,S11のうちメイン界磁巻線14,S14及びサブ界磁巻線15,S15を配置した領域及びその近傍領域に流れず、全部または略全部の連結用磁石磁束が各組の磁気ギャップに漏れて、各組のロータ2,S2に流れる。
したがって、本実施形態の回転機Xは、各組のメイン界磁巻線14,S14及びサブ界磁巻線15,S15に流す電流量の増大に伴って、各組のロータ2,S2を通過する総磁束量(メイン界磁巻線14,S14の磁束、サブ界磁巻線15,S15の磁束、及び連結用磁石磁束の総和)を増大させることができる。つまり、各組のメイン界磁巻線14,S14及びサブ界磁巻線15,S15に流す直流電流を大きくすれば、磁気ギャップに漏れることなく短絡していた連結用磁石磁束が各組のステータ1,S1を経由して周回するように流れることができなくなり、界磁磁束として磁気ギャップに流れる。この磁気ギャップに流れる界磁磁束の大きさは、界磁電流(各組のメイン界磁巻線14,S14及びサブ界磁巻線15,S15に流す直流電流)の大きさに比例する。
このように、本実施形態に係る回転機Xは、各組のメイン界磁巻線14,S14及びサブ界磁巻線15,S15に所定方向の電流を流していない状態(界磁巻線無励磁状態)ではロータ2に流れない状態または流れ難い状態にあって短絡している連結用永久磁石41、42の磁束を、各組のメイン界磁巻線14,S14及びサブ界磁巻線15,S15に所定方向の電流を流すこと(界磁巻線無励磁状態)でこれらメイン界磁巻線14,S14及びサブ界磁巻線15,S15の磁束に誘導されて磁気ギャップを通過してロータ2に流れる磁束に変化させることができ、各組のメイン界磁巻線14,S14及びサブ界磁巻線15,S15に流す電流量の大きさにより、磁気ギャップを通過する磁束量(界磁磁束量)を調整する「界磁調整」を行うことができる。各組のメイン界磁巻線14,S14及びサブ界磁巻線15,S15に流す電流の大きさは、例えばこれらメイン界磁巻線14,S14及びサブ界磁巻線15,S15に直列接続しているスイッチS(図6参照)の単位時間あたりにおけるON/OFFの時間を長さによって調整することができる。この界磁調整時には、各組のステータ巻線13に電流を流していない。
本実施形態に係る回転機Xでは、界磁巻線励磁状態にして界磁調整することで誘起電圧が生じ、この状態で、各組においてU、V、Wの三相に分けた各相のステータ巻線13,S13単位で120度ずつ位相のずれた三相交流電流を励磁することによって、図17及び図18(図17は、ロータ回転駆動時の磁束の流れを図2に対応させて模式的に示す図であり、図18は、ロータ回転駆動時の磁束の流れを図3に対応させて模式的に示す図である)連結用永久磁石41、42の磁束と、各組のメイン界磁巻線14,S14及びサブ界磁巻線15,S15の磁束が、ステータ巻線13,S13に鎖交する界磁磁束として作用し、各組のロータ2,S2を同一方向へ回転させるトルクが生じるように構成している。図17及び図18では、各図右下に示す適宜のタイミングTの時点(適宜の電気角)における磁束の流れを相対的に太い矢印で示し、ロータ2,S2の回転方向を相対的に細い実線の矢印tで示している。これら各図のタイミングTでは、U相のステータ巻線13,S13に流れる電流I(A)及びU相のステータ巻線13,S13の鎖交磁束数φを基準値とすると、V相のステータ巻線13,S13及びW相のステータ巻線13,S13に流れる電流I(A)及び鎖交磁束数φはそれぞれ基準値の二分の一(I/2(A),φ/2)になる。
このように、本実施形態に係る回転機Xによれば、連結用永久磁石41、42の磁束と、各組のメイン界磁巻線14,S14及びサブ界磁巻線15,S15の磁束が磁気ギャップを通過してロータ2,S2に流れる界磁巻線励磁状態(界磁調整した状態)で、各相のステータ巻線13,S13単位で120度ずつ位相のずれた三相交流電流を励磁する(通電)ことによって、各組のロータ2,S2を回転させるトルクが生じ、ロータ2,S2を回転させることができ、要求される回転数(出力)やトルクに応じてメイン界磁巻線14,S14及びサブ界磁巻線15,S15に流す電流量(界磁電力)を調節することで、各組のロータ2,S2を流れる総磁束量を増減することができる。
このような回転機Xを航空機のスタータジェネレータとして適用した場合、始動時を含む低速域では、各組におけるステータ1,S1のコイル(ステータ巻線13,S13)に通電するとともに、各組のメイン界磁巻線14,S14及びサブ界磁巻線15,S15に所定方向の直流電流を流して界磁巻線無励磁状態から界磁巻線励磁状態に切り替えることで励磁された各組のロータ2,S2が回転駆動する。
本実施形態に係る回転機Xは、大トルクが要求される低速域において、各組のメイン界磁巻線14,S14及びサブ界磁巻線15,S15に流す電流量を上げる(界磁電力を大きくする)ことによって、その界磁電力に応じた大きいメイン界磁巻線14,S14の磁束及びサブ界磁巻線15,S15の磁束と、これらメイン界磁巻線14,S14の磁束及びサブ界磁巻線15,S15の磁束に誘導される連結用永久磁石41、42の磁束を各組のロータ2,S2に通過させることができ、ロータ2,S2を流れてステータ巻線13,S13に鎖交する界磁の磁束量を増大させる(界磁磁束密度を高める)ことができる。したがって、例えばステータ巻線13,S13に流す電流を大きくすることに依らずとも、メイン界磁巻線14,S14及びサブ界磁巻線15,S15にそれぞれ所定方向の電流を流す界磁制御を行うことで大トルクを得ることができ、界磁制御を行わない場合に比べて誘起電圧を高くすることができる。
また、本実施形態の回転機Xは、中速域において、界磁巻線励磁状態で運転しつつ、低速域時よりも界磁電力を少なくすることで誘起電圧を一定に保ち、トルクを必要としない領域に到達した時点で界磁電力をさらに少なくすることで各組のロータ2,S2を通過してステータ巻線13,S13に鎖交する磁束量(界磁磁束量)を低速域よりも減少させて、各組のロータ2,S2における磁束密度を抑えることができる。そして、本実施形態の回転機Xでは、各組のロータ2,S2の磁束密度を抑えることによって、鉄損を低減することができる。
また、本実施形態に係る回転機Xは、高速域では、界磁電力をゼロに近付けることで、リラクタンストルクのみで回転させることができる。すなわち、界磁電力をゼロに近付けることによって、メイン界磁巻線14,S14の磁束量及びサブ界磁巻線15,S15の磁束量がゼロに近付き、ロータ2,S2を通過してステータ巻線13,S13に鎖交する磁束量が中速域よりも減少し、各組のロータ2,S2における磁束密度をさらに抑えることができる。また、界磁電力をゼロに近付けることで低速域や中速域と比較してメイン界磁巻線14,S14及びサブ界磁巻線15,S15の銅損も減少するとともに、高速域では磁束密度の低減に伴って鉄損を低減できることから、本実施形態に係る回転機Xでは、高速回転領域で誘起電圧が低い(磁束密度が低い)ため、鉄損を低減することができる。
以上に述べたように、本実施形態の回転機Xは、界磁巻線無励磁状態において連結用永久磁石41、42の磁束が各組のロータ2,S2を通過しない又は殆ど通過しないように構成しているため、ロータ2,S2を経由してステータ巻線13,S13に鎖交する磁束をゼロまたは略ゼロにすることができ、コギングトルクをゼロまたは略ゼロにすることが可能である。また、この界磁巻線無励磁状態では誘起電圧が発生せず、安全な状態を確保することができ、制御機器(電源、インバータIなど)が停止したときには自ずと誘起電圧が発生しない状態を確保することができ、制御機器の破損防止に役立つ。また、本実施形態の回転機Xでは、メイン界磁巻線14,S14及びサブ界磁巻線15,S15にそれぞれ直流電流を流した場合に、メイン界磁巻線14,S14の磁束及びサブ界磁巻線15,S15の磁束と共に連結用永久磁石41、42の磁束が、磁気ギャップ及びロータ2,S2内を通過してステータ巻線13,S13に鎖交する状態となり、誘起電圧を発生させてロータ2,S2を回転させることができ、要求される回転数(出力)やトルクに応じてメイン界磁巻線15,S15に流す電流量を調節することで、ロータ2,S2を経由してステータ巻線13,S13に鎖交する磁束量を増減することができる。この際、連結用永久磁石41,42の界磁を弱める弱め界磁は不要であるため、連結部材4を構成する連結用永久磁石41,42の減磁現象を防止することができる。そして、本実施形態に係る回転機Xは、弱め界磁制御実行時に生じ得る界磁銅損の発生を防止・抑制することができ、弱め界磁制御と強め界磁制御を選択して行う態様と比較して、メイン界磁巻線14,S14及びサブ界磁巻線15,S15に流す電流方向は一定方向のみであるため、メイン界磁巻線14,S14及びサブ界磁巻線15,S15に流す電流方向を切り替える処理が不要であり、高速域において、弱め界磁制御であれば必要な「トルクに寄与しないステータ電力」が不要となり、ステータ銅損を低減させることができる。
特に、本実施形態に係る回転機Xでは、ステータ1,S1とロータ2,S2の組を回転軸方向に連結する連結部材4として連結用永久磁石41,42を適用し、連結用永久磁石41,42介して各組のステータ1,S1同士を連結しているため、ステータとロータの組を1組だけ備えた回転機と比較して、ロータ2,S2の回転軸を中心とする径寸法の大型化を招来することなく回転機X全体に占める永久磁石の体積(永久磁石量)を増大させることができ、出力を発生させる際の磁気装荷と電気装荷のバランスが良好になり、高効率化及び高出力化を実現することができる。また、このような磁石体積を増大させた回転機Xでは、磁石体積の少ない回転機と比較して、各界磁巻線(メイン界磁巻線14,S14及びサブ界磁巻線15,S15)に流す電流量当たりの出力比を大きくすることができ、界磁巻線に対して過度の電流を流すことによるモータ効率の低下という不具合を回避することができる。
そして、本実施形態の回転機Xであれば、各界磁巻線(メイン界磁巻線14,S14及びサブ界磁巻線15,S15)の起磁力がゼロの場合には各組のロータ2,S2を通過しない連結用永久磁石41,42の磁束を、各界磁巻線(メイン界磁巻線14,S14及びサブ界磁巻線15,S15)に電流を流すことによってこれら各界磁巻線の磁束に重畳させて、ロータ2,S2を通過してステータ巻線13,S13に鎖交する磁束(界磁磁束)に変えることが可能であり、界磁調整をした状態で各ステータ巻線13,S13に励磁電流を流すことによって得られるトルクによりロータ2,S2を回転させ、ロータ2,S2が回転力を得ている状態でメイン界磁巻線14,S14及びサブ界磁巻線15,S15に流す電流量を調整することで、低速・高トルクの状態から高速・低トルクの状態に亘る広範な運転領域に対応する何れの回転領域でも高い効率を実現できる。
しかも、本実施形態に係る回転機Xは、各組のステータティース12,S12の数を6n(nはゼロを除く正の整数)に設定するとともに、各組のロータティース22,S22の数を2m(mはゼロ及び3の倍数を除く正の整数)に設定し、各ステータティース12,S12に巻回したステータ巻線13,S13をU、V、Wの三相に分けて、各相のステータ巻線13,S13単位で120度ずつ位相のずれた三相交流電流を励磁するように構成して、上述した作用効果を奏する三相同期回転機として機能する。
また、本実施形態の回転機Xは、各組のロータ2,S2に永久磁石を付帯させる構成ではないため、ロータ2,S2の高速回転中に永久磁石が飛散する事態を回避することができる。さらにまた、本実施形態の回転機Xは、ロータ2,S2に永久磁石を付帯させた構成であれば永久磁石の飛散を防止するために設ける飛散防止部材が不要であり、この点において、部品点数の削減と、飛散防止部材の存在による磁気ギャップの拡大化防止を実現することができる。
特に、本実施形態の回転機Xは、ロータ2,S2を磁性体材料のみから形成することが可能である点においても有利である。
さらに、本実施形態の回転機Xでは、各組のステータティース12,S12とロータティース22,S22の数を異ならせているため、正弦波励磁が利用可能であり、汎用のインバータを利用することができる。また、本実施形態の回転機Xでは、正弦波励磁が利用可能であることから、各組におけるステータティース12,S12とロータティース22,S22の数が同数の場合に使用するパルス電源で駆動することができ、実用性及び汎用性に富む。
また、本実施形態に係る回転機Xは、各組のステータコア11,S11として、メイン界磁巻線14,S14を巻回する部分で周方向に分断され且つメイン界磁巻線14,S14の配置箇所となる凹部11c,S11cを有する複数の第1単位ステータコア11a,S11aを少なくとも備えたものを適用しているため、複数の第1単位ステータコア11a,S11aを周方向Aに相互に組み付ける前の時点において、第1単位ステータコア11a,S11aの凹部11c,S11cに、メイン界磁巻線14,S14を巻回することが可能になり、リング状又は略リング状に形成したステータコアの所定部分に界磁巻線を巻回する態様と比較して、巻線処理の効果が向上し、より多くの巻線を巻回することも可能である。さらに、第1単位ステータコア11a,S11aの凹部11c,S11cに、予め巻回成型されたメイン界磁巻線14,S14を嵌め込むように設定しているため、メイン界磁巻線14,S14として所定の形状で所定の巻回量を有するものを予め準備しておき、その巻回成型されたメイン界磁巻線14,S14を第1単位ステータコア11a,S11a同士を組み付ける直前で、第1単位ステータコア11a,S11aの凹部11c,S11cに嵌め込むことが可能であり、メイン界磁巻線14,S14をステータコア11,S11の所定箇所に配置する処理効率の向上に資する。
また、本実施形態の回転機Xは、各組のステータコア11,S11を周方向Aに分割した複数の単位ステータコアから形成しており、具体的には、メイン界磁巻線14,S14の配置部分及びサブ界磁巻線15,S15の配置部分である凹部11c,S11cを有する第1単位ステータコア11a,S11aと、凹部11c,S11cを有しない複数の第2単位ステータコア11b,S11bとを用いて構成しているため、最小限の種類で用意した単位ステータコア11a,S11a、11b,S11bを使用して、メイン界磁巻線14,S14及び磁束発生部15,S15を所定箇所に配置したステータコア11,S11を形成することができる。特に、磁束発生部として、メイン界磁巻線14,S14と同一形状のサブ界磁巻線15,S15を適用しているため、メイン界磁巻線14,S14の配置部分及びサブ界磁巻線15,S15の配置部分をそれぞれ同一形状の第1単位ステータコア11a,S11aによって形成することができ、単位ステータコアの種類は、凹部11c,S11cを有するものと、凹部11c,S11cを有しない2種類のみで足り、好適である。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、図19乃至図23(図19は本変形例に係る回転機Xの全体斜視図であり、図20は図19のf方向(図22、図23のP−P線方向)矢視図、図21は第2組を構成するステータS1及びロータS2を図22、図23のQ−Q線方向から見た図、図22は図19のg方向矢視図、図23は図19のh方向矢視図である)に示すように、各組の磁束発生部として、ステータコア11,S11のうちメイン界磁巻線14,S14の巻回位置と対向する位置に配置され且つメイン界磁巻線14,S14の磁束と反対方向の磁束を発生する永久磁石(以下ではメイン永久磁石16,S16と称する)を適用することができる。
なお、図19以降の各図では、上述の実施形態に対応する部分や箇所には同じ符号を付している。以下では、この変形例に係る回転機Xを第2実施形態に係る回転機Xとし、上述の回転機Xを第1実施形態に係る回転機Xとして説明する。
第2実施形態に係る回転機Xは、各組においてメイン界磁巻線14,S14の巻回位置と対向する位置にそれぞれ周方向Aに磁性を持たせたメイン永久磁石16,S16を配置し、各メイン永久磁石16,S16の磁束の向きを軸方向正面(図22、23のP−P線方向、Q−Q線方向)から見て相互に反対方向となるように設定している。なお、メイン永久磁石16,S16の磁束量は常に一定である。
図19等に示す回転機Xでは、第1組のステータ1に設けたメイン永久磁石16の磁束が、図24(同図は、界磁巻線無励磁状態におけるメイン永久磁石16の磁束の流れを図20に対応させて模式的に示したものである)において相対的に太い実線の矢印でその流れを示すように、メイン界磁巻線14の無励磁状態に軸方向正面(図19のf方向であって、図22、図23のP−P線方向)から見て時計回りにステータ1内を周回する短絡磁束となるように設定する一方で、第2組のステータS1に設けたメイン永久磁石S16の磁束が、図25(同図は、界磁巻線無励磁状態におけるメイン永久磁石16の磁束の流れを図21に対応させて模式的に示したものである)において相対的に太い実線の矢印でその流れを示すように、メイン界磁巻線S14の無励磁状態に図22、図23のQ−Q線方向から見て反時計回りにステータS1内を周回する短絡磁束となるように設定している。
ここで、各ステータコア11,S11の一部には、メイン永久磁石16,S16を配置する空洞部11s,S11sを形成している。この空洞部11s,S11sは、ステータコア11,S11sを厚み方向に所定領分だけ窪ませたもの(図示省略)であってもよいし、図20及び図21に示すように、ステータコア11,S11sを厚み方向(シャフト3,S3の径方向)に貫通するものであってもよい。本実施形態では、空洞部11s,S11sに配置したメイン永久磁石16,S16の外向き面が、ステータコア11,S11の外向き面と大きな段差なく略面一となるように設定している。
本実施形態では、図20及び図21に示すように、ステータコア11,S11のうち、メイン永久磁石16,S16を配置する部分を第3単位ステータコア11d,S11dによって形成している。すなわち、空洞部11s,S11sを第3単位ステータコア11d,S11dを利用して形成している。空洞部11s,S11sをステータ1,S1とロータ2,S2が対向する方向に貫通する空間に設定している本実施形態では、各組におけるそれぞれ一対の第3単位ステータコア11d,S11dの間にメイン永久磁石16,S16が嵌合可能な隙間を形成している。
より具体的に第2実施形態に係る回転機Xは、図20及び図21に示すように、リング状のステータコア11,S11を周方向Aにそれぞれ6等分し、その6等分した部分のうち、メイン界磁巻線14,S14を配置する部分を配置する部分は、それぞれ2つの第1単位ステータコア11a,S11aによって形成し、メイン永久磁石16,S16を配置する部分を配置する部分は、それぞれ2つの第3単位ステータコア11d,S11dによって形成し、それ以外の部分(メイン界磁巻線14,S14、メイン永久磁石16,S16を配置しない部分)は、それぞれ1つの第2単位ステータコア11d,S11dによって形成している。つまり、各組のステータコア11,S11は、2つの第1単位ステータコア11a,S11aと、2つの第3単位ステータコア11d,S11dと、4つの第2単位ステータコア11b,S11bを用いて形成したものである。本実施形態では、各組における2つの第3単位ステータコア11d,S11d同士の隙間にメイン永久磁石16,S16を周方向Aに隙間無く密着させた状態で配置している。
そして、第2実施形態に係る回転機Xでは、各組のメイン界磁巻線14,S14に所定値以上の電流(大電流)を流した場合(界磁巻線励磁状態)に、各組のステータコア11,S11のうちメイン界磁巻線14,S14を配置した領域及びその近傍領域が磁気飽和になる。その結果、各組のメイン永久磁石16,S16の磁束(以下、「メイン磁石磁束」と称す)は、図28乃至図31(これら各図は、界磁巻線励磁状態におけるメイン磁石磁束の流れ(相対的に太い実線の矢印)及びメイン界磁巻線14,S14の磁束の流れ(点線の矢印)をそれぞれ図20乃至図23に対応させて模式的に示したものである)に示すように、ステータコア11,S11のうちメイン界磁巻線15,S15を配置した領域及びその近傍領域にメイン磁石磁束は流れず、全部または略全部のメイン磁石磁束が各組の磁気ギャップに漏れて、各組のロータ2,S2に流れるメイン磁石磁束の量が多くなる。
また、界磁巻線励磁状態において各組のメイン界磁巻線14,S14の磁束は、図28乃至図31に示すように、各組のステータ1,S1内においてメイン磁石磁束とぶつかり、各組のステータ1,S1のうちメイン永久磁石16,S16を配置した部分に到達することなく、各組のステータ1,S1内においてメイン磁石磁束とぶつかる箇所よりもメイン界磁巻線14,S14を配置した箇所に近い位置に存在するステータティース12,S12を通り、そのステータティース12,S12と対向し得るロータ2,S2の部分(ロータティース22,S22又はロータコア21,S21)との磁気ギャップを通過し、ロータ2,S2内を流れて、ステータティース12,S12から通過してきた部分とは異なるロータ2,S2の部分(他のロータティース22,S22又はロータコア21,S21の他の部分)から、このロータ2,S2の部分(他のロータティース22,S22又はロータコア21,S21の他の部分)と対向し得るステータティース12,S12との磁気ギャップ、ステータティース12,S12、ステータコア11,S11をこの順で流れて各組のステータ1,S1におけるメイン界磁巻線14,S14の配置箇所に到達する。したがって、各組のメイン界磁巻線14,S14に流す電流量の増大に伴って、各組のロータ2,S2を通過するメイン界磁巻線14,S14の磁束量も増大する。つまり、メイン界磁巻線14,S14に流す直流電流を大きくすれば、メイン界磁巻線14,S14の磁束及び短絡していたメイン磁石磁束が何れもステータ1,S2内を周回するように流れることができなくなり、界磁磁束として磁気ギャップに流れる。この磁気ギャップに流れる界磁磁束の大きさは、界磁電流(メイン界磁巻線14,S14に流す直流電流)の大きさに比例する。
本実施形態の回転機Xは、界磁巻線励磁状態において、このようなメイン磁石磁束及びメイン界磁巻線14,S14の磁束に誘導されて、連結用永久磁石41、42の磁束も各組のロータ2,S2を通過し、各組のメイン界磁巻線14,S14に流す電流量の増大に伴って、各組のロータ2,S2を通過する総磁束量(メイン界磁巻線14,S14の磁束、メイン磁石磁束、及び連結用磁石磁束の総和)を増大させることができる。
そして、この第2実施形態に係る回転機Xは、界磁巻線励磁状態にして界磁調整することで誘起電圧が生じ、この状態で、各組においてU、V、Wの三相に分けた各相のステータ巻線13,S13単位で120度ずつ位相のずれた三相交流電流を励磁することによって、図32及び図33(図32は、ロータ回転駆動時の磁束の流れを図20(図22、23のP−P線方向から見た状態)に対応させて模式的に示す図であり、図33は、ロータ回転駆動時の磁束の流れを図21(図22、23のQ−Q線方向から見た状態)に対応させて模式的に示す図である)連結用永久磁石41、42の磁束と、各組のメイン界磁巻線14,S14及びメイン永久磁石16,S16の磁束が、ステータ巻線13,S13に鎖交する界磁磁束として作用し、各組のロータ2,S2を同一方向へ回転させるトルクが生じるように構成している。図32及び図33では、各図右下に示す適宜のタイミングTの時点(適宜の電気角)における磁束の流れを相対的に太い矢印で示し、ロータ2,S2の回転方向を相対的に細い実線の矢印tで示している。これら各図のタイミングTでは、U相のステータ巻線13,S13に流れる電流I(A)及びU相のステータ巻線13,S13の鎖交磁束数φを基準値とすると、V相のステータ巻線13,S13及びW相のステータ巻線13,S13に流れる電流I(A)及び鎖交磁束数φはそれぞれ基準値の二分の一(I/2(A),φ/2)になる。
このように、第2実施形態に係る回転機Xでは、メイン界磁巻線14,S14に所定方向の電流を流していない状態(界磁巻線無励磁状態)ではロータ2,S2に流れない状態または流れ難い状態にあって短絡している連結用永久磁石41、42の磁束を、メイン界磁巻線14,S14に所定方向の電流を流すこと(界磁巻線無励磁状態)でメイン界磁巻線14,S14の磁束に誘導されて磁気ギャップを通過してロータ2,S2に流れる磁束に変化させることができ、メイン界磁巻線14,S14に流す電流量の大きさにより、磁気ギャップを通過する磁束量(界磁磁束量)を調整する「界磁調整」を行うことができる。メイン界磁巻線14,S14に流す電流の大きさは、例えばメイン界磁巻線14,S14に直列接続しているスイッチの単位時間あたりにおけるON/OFFの時間を長さによって調整することができる。この界磁調整時には、各組のステータ巻線13,S13に電流を流していない。
そして、本実施形態に係る回転機Xは、界磁巻線励磁状態にして界磁調整することで誘起電圧が生じ、この状態において、各相のステータ巻線13,S13単位で120度ずつ位相のずれた三相交流電流を励磁する(通電)ことによって、ロータ2,S2を回転させるトルクが生じ、ロータ2,S2を回転させることができ、要求される回転数(出力)やトルクに応じてメイン界磁巻線14,S14に流す電流量(界磁電力)を調節することで、ロータ2,S2を流れる総磁束量(連結用磁石磁束、メイン磁石磁束及びメイン界磁巻線14,S14の磁束の総和である磁束量)を増減することができるなど、第1実施形態に係る回転機Xが奏する種々の作用効果と同様の作用効果を奏する。
特に、第2実施形態に係る回転機Xでは、各組の磁束発生部として永久磁石16,S16を適用しているため、第1実施形態に係る回転機Xと比較して、ロータ2,S2の回転軸を中心とする径寸法の大型化を招来することなく回転機X全体に占める永久磁石の体積(永久磁石量)を増大させることができ、出力を発生させる際の磁気装荷と電気装荷のバランスがより一層良好になり、更なる高効率化及び高出力化を実現することができるとともに、メイン界磁巻線14,S14に対して過度の電流を流すことによるモータ効率の低下という不具合を回避することができる。
第2実施形態に係る回転機Xは、第1実施形態に係る回転機と比較して、各組のステータコア11,S11を周方向Aに分割した複数の単位ステータコアから形成している点では同じであるが、磁束発生部として永久磁石16,S16を適用したことにより、メイン界磁巻線14,S14の配置部分である凹部11c,S11cを有する第1単位ステータコア11a,S11aによってメイン界磁巻線16,S16の配置部分を形成することはできない。しかしながら、第2実施形態では、各組のステータコア11,S11を、メイン界磁巻線14,S14の配置部分である凹部11c,S11cを有する第1単位ステータコア11a,S11aと、磁束発生部である永久磁束16,S16の配置箇所である空洞部11s,S11sを形成する第3単位ステータコア11d,S11dと、凹部11c,S11cを有しない第2単位ステータコア11b,S11b、これら3種類の単位ステータコアを使用して、メイン界磁巻線14,S14及び磁束発生部16,S16を所定箇所に配置したステータコア11,S11を形成することができる。
なお、第2実施形態に係る回転機Xにおいて、磁束発生部である永久磁石16,S16の配置箇所である空洞部として、ステータコア11,S11sを厚み方向に所定領分だけ窪ませたものを適用する場合には、周方向A中央部部に所定領域分だけ厚み方向に窪ませた形状を有する単一の第3単位ステータコアによって、磁束発生部である永久磁石の配置箇所を形成したり、或いは、周方向Aの一端部に所定領域分だけ厚み方向に窪ませた形状を有する一対の第3単位ステータコアをその一端部同士を接合することによって磁束発生部である永久磁石の配置箇所を形成することが可能である。
また、第1実施形態及び第2実施形態で例示した以外の構成を適用した回転機として、例えば3組以上のステータとロータの組を連結用永久磁石によって連結した回転機を構成することも可能である。
本発明の三相構造の回転機では、ステータ極(ステータティース)の数を6以外の6の倍数(例えば12、24等)に設定したステータや、ロータ極(ロータティース)の数を2以外の2の倍数であって3の倍数ではない数(例えば8、10、14、16等)に設定したロータを適用することができる。ステータ極やロータ極の数に応じて回転軸の周方向に隣り合うステータ極同士のピッチやロータ極同士のピッチは適宜変更することができる。
また、ステータ鉄心やロータ鉄心は、磁性を有する板状部材を積層して形成した積層体であってもよいし、全体として1つのブロックである塊状体であってもよい。
ステータ鉄心の外縁形状(径方向外向き面の形状)や内縁形状(径方向内向き面の形状)は、上述の実施形態で示した形状に限らず、四角形や、四角形以外の多角形状であってもよく、径方向外向き面の形状と径方向内向き面の形状が相互に異なるものであっても構わない。
また、回転軸の径方向においてロータをステータの内周側に配置したインナー可動型回転機に限らず、回転軸の径方向においてロータをステータの外周側に配置したアウター可動型回転機を構成することも可能である。
本発明の回転機では、「ロータ支持部」として、インナー可動型の場合であれば、回転軸(シャフト)そのものや、シャフトを設けない構成においてロータのうち回転軸の軸方向両端部又は一方の端部を回転可能に保持する回転支持体を採用することができる。また、アウター可動型の場合であれば、ロータよりも回転軸の径方向外側に配置されるフレームを「ロータ支持部」として採用することができる。
また、連結部材として用いる連結用永久磁石の形状や数は適宜変更することができる。さらに、回転機全体に占める磁石体積を増大させて、より一層の省電力化及び高出力化を実現するために、各組のステータとして、ステータ鉄心を周回する方向(周方向)にステータ鉄心と連続するように配置され且つメイン永久磁石と同一方向に磁性を持たせたサブ永久磁石を備え、単一又は複数のサブ永久磁石を周方向に隣り合うステータ極同士の間に配置したものを適用することができる。
また、本発明の回転機を、航空機のスタータジェネレータ(航空機)以外の用途、例示すれば、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)等の車両用駆動モータ、或いはハイブリッド車や電気自動車などに搭載されるモータの負荷試験を行う試験装置の負荷装置や、VSCF(Variable Speed Constant Frequencyの略で可変速・定周波定電圧電源装置)、風力発電機、大型発電機、或いは建設機械向け旋回用電動機等、速度や出力変動が激しい各種負荷装置、発電機や電動機として用いることができる。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1,S1…ステータ
11,S11…ステータ鉄心(ステータコア)
12,S12…ステータ極(ステータティース)
13,S13…ステータ巻線
14,S14…メイン界磁巻線
15,S15…磁束発生部、サブ界磁巻線
16,S16…磁束発生部、メイン永久磁石
2,S2…ロータ
21,S21…ロータ鉄心(ロータコア)
22,S22…ロータ極(ロータティース)
3,S3…ロータ支持部(シャフト)
X…回転機

Claims (4)

  1. ステータと、前記ステータと同軸上に配置され且つ前記ステータとの間に磁気ギャップを形成するロータとの組を連結部材を介して前記ロータの回転軸方向に連結した回転機であり、
    前記各組の前記ステータは、
    リング状又は略リング状をなすステータ鉄心と、前記ステータ鉄心の所定箇所に巻回され且つ前記回転軸周りの方向である周方向に磁束を発生するメイン界磁巻線と、前記ステータ鉄心のうち前記メイン界磁巻線の巻回位置と対向する位置に配置され且つ前記メイン界磁巻線の磁束と反対方向の磁束を発生する磁束発生部と、前記ステータ鉄心のうち前記メイン界磁巻線と前記磁束発生部との間において前記ロータに向かって突出し且つ前記周方向に等ピッチで設けた6n(nはゼロを除く正の整数)本のステータ極と、これら各ステータ極に巻回したステータ巻線とを備え、対向する前記ステータ極にそれぞれ巻回したステータ巻線同士を同相に設定したものであり、
    前記ロータは、
    リング状のロータ鉄心と、前記ロータ鉄心から前記ステータに向かって突出し且つ前記周方向に等ピッチで設けた2m(mはゼロ及び3の倍数を除く正の整数)本のロータ極とを備えたものであり、
    前記連結部材は、前記各組の前記ステータ鉄心同士の間に介在し且つ前記ロータの回転軸方向に磁性を持たせた連結用永久磁石であり、
    前記各組の前記メイン界磁巻線に通電していない状態において前記各組における前記磁気ギャップを通過すること無く前記各組の前記ステータ内部を通過する前記連結用永久磁石の磁束を、少なくとも前記各組の前記メイン界磁巻線に所定方向に通電することで生じる前記メイン界磁巻線の磁束によって前記各組の前記磁気ギャップ及び前記ロータを通過する磁束に変化可能に構成し、且つ前記各組の前記ステータ巻線をU、V、Wの三相に分けて、前記メイン界磁巻線を励磁することによって誘起電圧が生じ、各相の前記ステータ巻線単位で120度ずつ位相のずれた三相交流電流を励磁することによって前記各組の前記ロータを回転させるトルクが生じるように構成していることを特徴とする回転機。
  2. 前記ステータ鉄心は、少なくとも前記メイン界磁巻線を配置する部分で前記周方向に分断され且つ前記メイン界磁巻線の配置箇所となる凹部を有する複数の第1単位ステータ鉄心を備えたものである請求項1に記載の回転機。
  3. 前記ステータ鉄心が、複数の前記第1単位ステータ鉄心と、前記凹部を有しない複数の第2単位ステータ鉄心と、前記磁束発生部を配置可能な第3単位ステータ鉄心とを用いて構成したものである請求項2に記載の回転機。
  4. 前記磁束発生部を、永久磁石又はサブ界磁巻線によって構成している請求項1乃至3の何れかに記載の回転機。
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