JP2014206648A - 描画装置、露光描画装置、プログラム及び描画方法 - Google Patents

描画装置、露光描画装置、プログラム及び描画方法 Download PDF

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Abstract

【課題】描画パターンの変形を抑制しつつ、電子部品を保障された精度で実装することのできる基板を得ることができる描画装置、露光描画装置、プログラム及び描画方法を提供する。【解決手段】基準マークの設計上の第1の位置、第1の位置を基準として定められた被露光基板に描画する描画パターン、及び基準マークの実際の第2の位置を取得し、基準マーク毎に、第1の位置及び第2の位置のずれに対する第1の補正量を導出し(S113)、第1の補正量が予め定められた第1閾値以下である場合に第1の補正量を第2の補正量とし第1閾値より多い場合に第1閾値を第2の補正量とする第1の算出、及び第1の補正量の各々から歪みの大きさを示す物理量が大きくなるほど小さな量を低減させた値を第2の補正量とする第2の算出(S114、S119)の何れか一方を実行して第2の補正量を導出し、第2の補正量に基づいて描画パターンを補正する(S127)。【選択図】図12

Description

本発明は、描画装置、露光描画装置、プログラム及び描画方法に係り、特に、基板に対して描画パターンを描画する描画装置、基板に対して描画パターンを露光により描画する露光描画装置、上記描画装置により実行されるプログラム、及び、基板に対して描画パターンを描画する描画方法に関する。
従来、ガラス布に対して含浸処理を行い乾燥させたプリプレグや、剛性機能の優れた金属板等をコア基板とし、これらのコア基板上に樹脂層と配線層とを多層に積み重ねた多層配線構造を有する多層配線基板が知られている。また、近年、この多層配線基板に対して薄型化及び省スペース化が要求されていることから、コア層を有さない薄型の多層配線基板が提案されている。
これらの多層配線基板では、化学処理によって基板が反ってしまったり、強度不足により基板が変形してしまったりすることにより、各層に描画される描画パターン(配線パターン)の層間の位置合わせが困難になる場合がある。それにも関わらず、描画パターンの高密度化によって描画パターンにおけるランド径及び穴径が微細化されているため、高精度な層間の位置合わせが要求されている。
この要求を満たすために、基板の反り及び変形によって発生する基板の歪みに応じて描画パターンを変形させた上で基板に描画する技術が提案されてきた。この技術によると、層間の位置合わせの精度は向上するが、層を重ねるごとに歪みが蓄積するため、上位層に描画される描画パターンの形状が設計上の描画パターンの形状から乖離し、基板上への電子部品の実装が困難になることが懸念される。
また、描画パターンを示す画像を複数の領域に分割し、基板の歪みに応じて分割領域毎に上記画像を回転移動させる技術も提案されている。この技術によると、各分割領域において、設計上の描画パターンの形状と実際に描画される描画パターンの形状とのずれ量が低減される。しかし、この技術では、画像処理が複雑になるという課題、及び描画パターンを層間で接続するための位置決め孔を各分割領域に対して形成する機構が必要となるという課題があった。
これらの課題を解決するための技術として、特許文献1及び特許文献2には、画像処理が複雑になることなく、描画される描画パターンの設計上の描画パターンからのずれを抑制することができる描画装置が開示されている。
すなわち、上記特許文献1の描画装置は、基板の変形情報を予め取得しておき、当該変形情報に基づいて、変形後の基板に記録された描画パターンがラスターデータによって示される描画パターンと同一形状となるように当該ラスターデータを変換する。そして、変換されたラスターデータに基づいて変形前の基板に描画パターンを記録する。
また、上記特許文献2の描画装置は、描画対象とする領域を規定する位置座標と、上記領域に設けられた基準点の位置とを有する描画データを用いて、基板の位置座標の変位態様に基づいて基準点の位置を補正する。そして、補正した基準点の位置に基づいて上記領域の形状を維持したまま当該領域内の各座標を補正する。
特開2005−157326号公報 特開2011−95742号公報
上記特許文献1に開示されている技術では、予め取得した変形情報に基づいて描画パターンを大きく変形させるため、最終的に得られる基板への電子部品の実装の精度は改善されるが、下層との位置合わせの精度が悪化する可能性がある、という課題があった。
また、上記特許文献2に開示されている技術でも、描画対象とする領域の大きさが補正前の領域の大きさから変化することにより、最終的に得られる基板への電子部品の実装が困難になってしまう可能性がある、という課題があった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、描画パターンの変形を抑制しつつ、電子部品を保障された精度で実装することのできる基板を得ることができる描画装置、露光描画装置、プログラム及び描画方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る描画装置は、被露光基板に設けられた複数の基準マークの設計上の位置である第1の位置を示す座標データ、上記第1の位置を基準として定められた上記被露光基板に描画する描画パターンを示す座標データ、及び上記複数の基準マークの各々の実際の位置である第2の位置を示す座標データを取得する取得部と、上記複数の基準マークの各々毎に、上記第1の位置及び上記第2の位置のずれに対する第1の補正量を導出する第1の導出部と、上記第1の導出部で導出された上記第1の補正量が予め定められた第1閾値以下である場合に当該第1の補正量を第2の補正量とし上記第1閾値より多い場合に上記第1閾値を上記第2の補正量とする第1の算出、及び上記第1の補正量の各々から上記第1の位置及び上記第2の位置に基づく上記被露光基板の歪みの大きさを示す物理量が大きくなるほど小さな量を低減させた値を上記第2の補正量とする第2の算出の何れか一方を実行して上記第2の補正量を導出する第2の導出部と、上記第2の位置を基準として上記被露光基板に上記描画パターンを描画する場合、上記第2の補正量に基づいて上記描画パターンを示す座標データを補正する補正部と、を備えている。
本発明に係る描画装置によれば、取得部により、被露光基板に設けられた複数の基準マークの設計上の位置である第1の位置を示す座標データ、上記第1の位置を基準として定められた上記被露光基板に描画する描画パターンを示す座標データ、及び上記複数の基準マークの各々の実際の位置である第2の位置を示す座標データが取得され、第1の導出部により、上記複数の基準マークの各々毎に、上記第1の位置及び上記第2の位置のずれに対する第1の補正量が導出される。
ここで、本発明に係る描画装置では、第2の導出部により、上記第1の導出部で導出された上記第1の補正量が予め定められた第1閾値以下である場合に当該第1の補正量を第2の補正量とし上記第1閾値より多い場合に上記第1閾値を上記第2の補正量とする第1の算出、及び上記第1の補正量の各々から上記第1の位置及び上記第2の位置に基づく上記被露光基板の歪みの大きさを示す物理量が大きくなるほど小さな量を低減させた値を上記第2の補正量とする第2の算出の何れか一方が実行されて上記第2の補正量が導出される。
また、本発明に係る描画装置では、補正部により、上記第2の位置を基準として上記被露光基板に上記描画パターンを描画する場合、上記第2の補正量に基づいて上記描画パターンを示す座標データが補正される。
すなわち、本発明に係る描画装置は、導出した第1の補正量が予め定められた第1閾値以下である場合に当該第1の補正量を第2の補正量とし第1閾値より多い場合に第1閾値を上記第2の補正量とし、第2の補正量に基づいて上記描画パターンを示す座標データを補正する。または、本発明に係る描画装置は、基準マークの設計上の位置と実際の位置とのずれ量から導出した補正量の各々から、上記物理量が大きくなるほど少ない量を低減させた値を第2の補正量とし、第2の補正量に基づいて上記描画パターンを示す座標データを補正する。
このように、本発明に係る描画装置によれば、被露光基板の歪みの大きさが大きくなるほど補正が抑制される結果、本発明を適用しない場合と比較して、描画パターンの変形を抑制しつつ、電子部品を保障された精度で実装することのできる基板を得ることができる。
なお、本発明に係る描画装置は、上記第2の導出部が、上記第2の算出を実行して上記第2の補正量を導出した場合で、かつ当該第2の補正量の何れかが上記第1閾値より多い場合、上記第1閾値を第2の補正量とする上記第3の算出を実行して上記第2の補正量を導出するようにしても良い。これにより、電子部品をより保障された精度で実装することのできる基板を得ることができる。
なお、本発明に係る描画装置は、上記第2の導出部が、上記第2の算出を実行して上記第2の補正量を導出する場合、上記物理量として、上記複数の基準マークの各々毎の上記第1の位置及び上記第2の位置のずれ量の最大値、上記ずれ量の各々の平均値、及び上記ずれ量の各々の積算値の少なくとも1つを導出するようにしても良い。また、本発明に係る描画装置は、上記第2の導出部が、上記第2の算出を実行して上記第2の補正量を導出する場合、上記物理量として、上記第1の位置に基づいて得られる上記複数の基準マークの相互間の距離と、対応する上記第2の位置に基づいて得られる上記複数の基準マークの相互間の距離との差分の最大値、上記差分の各々の平均値、及び上記差分の各々の積算値の少なくとも1つを導出するようにしても良い。最大値を用いることにより、より確実に補正を行うことができる。また、平均値を用いることにより、特異なずれに起因する誤補正の発生を抑制することができる。更に、積算値を用いることにより、全てのずれ量を反映した補正を行うことができる。
また、本発明に係る描画装置は、上記第2の導出部が、上記第2の算出を実行して上記第2の補正量を導出する場合、上記第1の導出部で導出された第1の補正量の各々に、上記物理量が大きくなるほど小さい1未満の正の値を乗算すること、上記物理量が大きくなるほど大きい1を超える値で除算すること、及び上記物理量が大きくなるほど大きくかつ当該第1の補正量より小さい正の値を減算することの少なくとも1つを行うことにより、上記第1の補正量の各々から上記物理量が大きくなるほど少ない量を低減させた値を上記第2の補正量とするようにしても良い。これにより、簡易な演算により補正量を低減させることができる。
また、本発明に係る描画装置は、上記第1の導出部が、上記第1の位置及び上記第2の位置のずれ量から、上記被露光基板の平行移動によるずれ、回転によるずれ、及び伸縮によるずれの少なくとも1つを減算したずれ量に基づいて上記第2の補正量を導出するようにしても良い。これにより、電子部品を基板上へより保障された精度で実装することのできる基板を得るができる。
また、本発明に係る描画装置は、上記物理量、及び上記第1の補正量の低減率が対応付けられた低減情報の入力を受け付ける受付部を更に備え、上記第2の導出部が、上記第2の算出を実行して上記第2の補正量を導出する場合、上記受付部で受け付けられた低減情報において上記物理量に対応付けられた低減率を用いて、上記物理量が大きくなるほど少ない量を低減させた値を上記第2の補正量とするようにしても良い。これにより、補正量の低減の度合いを容易に設定することができる結果、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
一方、上記目的を達成するために、本発明に係る露光描画装置は、本発明に係る描画装置と、上記描画装置の上記補正手段で補正された座標データに基づいて上記被露光基板に上記描画パターンを露光して描画する露光手段と、を備えている。
従って、本発明に係る露光描画装置によれば、本発明に係る描画装置と同様に作用するので、当該描画装置と同様に、描画パターンの変形を抑制しつつ、電子部品を保障された精度で実装することのできる基板を得ることができる。
なお、本発明に係る露光描画装置は、上記被露光基板に複数の層の描画パターンを積層させて描画する場合に、上記取得部、上記第1の導出部、上記第2の導出部、上記補正部、及び上記露光部を制御し、上記複数の層の各々毎に、上記取得部による取得、上記第1の導出部による導出、上記第2の導出部による導出、上記補正部による補正、及び上記露光部による露光の各々を行う制御部を更に備えるようにしても良い。これにより、複数の描画パターンを積層させて描画する場合であっても、描画パターンの変形を抑制しつつ、電子部品を保障された精度で実装することのできる基板を得ることができる。
また、本発明に係る露光描画装置は、上記被露光基板の歪みの大きさとして許容される上限である上記物理量の最大許容量を示す許容量情報を記憶する記憶部を更に備え、上記制御部が、上記物理量が上記許容量情報によって示される最大許容量より大きい場合、上記被露光基板に対する上記露光部による露光を禁止するようにしても良い。これにより、無駄な露光の実施を回避することができる。
また、本発明に係る露光描画装置は、上記制御部が、上記複数の基準マークの各々毎に、上記第2の導出部で導出された第2の補正量に基づいて上記第1の位置を補正して得られる第3の位置を算出し、上記第3の位置と上記第2の位置のずれ量を導出し、上記ずれ量が予め定められた第2閾値より大きい場合に露光を禁止するようにしても良い。これにより、不良基板を検出することができ、かつオペレーションミスによる不良基板の製造を回避することができる。
一方、上記目的を達成するために、本発明に係るプログラムは、コンピュータを、被露光基板に設けられた複数の基準マークの設計上の位置である第1の位置を示す座標データ、上記第1の位置を基準として定められた上記被露光基板に描画する描画パターンを示す座標データ、及び上記複数の基準マークの各々の実際の位置である第2の位置を示す座標データを取得する取得部と、上記複数の基準マークの各々毎に、上記第1の位置及び上記第2の位置のずれに対する第1の補正量を導出する第1の導出部と、上記第1の導出部で導出された上記第1の補正量が予め定められた第1閾値以下である場合に当該第1の補正量を第2の補正量とし上記第1閾値より多い場合に上記第1閾値を上記第2の補正量とする第1の算出、及び上記第1の補正量の各々から上記第1の位置及び上記第2の位置に基づく上記被露光基板の歪みの大きさを示す物理量が大きくなるほど小さな量を低減させた値を上記第2の補正量とする第2の算出の何れか一方を実行して上記第2の補正量を導出する第2の導出部と、上記第2の位置を基準として上記被露光基板に上記描画パターンを描画する場合、上記第2の補正量に基づいて上記描画パターンを示す座標データを補正する補正部と、として機能させる。
従って、本発明に係るプログラムによれば、コンピュータを本発明に係る描画装置と同様に作用させることができるので、当該描画装置と同様に、描画パターンの変形を抑制しつつ、電子部品を保障された精度で実装することのできる基板を得ることができる。
さらに、上記目的を達成するために、本発明に係る描画方法は、被露光基板に設けられた複数の基準マークの設計上の位置である第1の位置を示す座標データ、上記第1の位置を基準として定められた上記被露光基板に描画する描画パターンを示す座標データ、及び上記複数の基準マークの各々の実際の位置である第2の位置を示す座標データを取得する取得ステップと、上記複数の基準マークの各々毎に、上記第1の位置及び上記第2の位置のずれに対する第1の補正量を導出する第1の導出ステップと、上記第1の導出ステップで導出された上記第1の補正量が予め定められた第1閾値以下である場合に当該第1の補正量を第2の補正量とし上記第1閾値より多い場合に上記第1閾値を上記第2の補正量とする第1の算出、及び上記第1の補正量の各々から上記第1の位置及び上記第2の位置に基づく上記被露光基板の歪みの大きさを示す物理量が大きくなるほど小さな量を低減させた値を上記第2の補正量とする第2の算出の何れか一方を実行して上記第2の補正量を導出する第2の導出ステップと、上記第2の位置を基準として上記被露光基板に上記描画パターンを描画する場合、上記第2の補正量に基づいて上記描画パターンを示す座標データを補正する補正ステップと、を備えている。
従って、本発明に係る描画方法によれば、本発明に係る描画装置と同様に作用するので、当該描画装置と同様に、描画パターンの変形を抑制しつつ、電子部品保障された精度で実装することのできる基板を得ることができる。
本発明によれば、描画パターンの変形を抑制しつつ、電子部品を保障された精度で実装することのできる基板を得ることができる、という効果を奏する。
実施形態に係る露光描画装置の外観を示す斜視図である。 実施形態に係る露光描画装置の主要部の構成を示す斜視図である。 実施形態に係る露光描画装置の露光ヘッドの構成を示す斜視図である。 実施形態に係る露光描画装置において被露光基板に形成される露光済み領域を示す平面図である。 実施形態に係る露光描画装置の電気系の構成を示すブロック図である。 歪みが発生していない被露光基板の一例を示す平面図である。 歪みが発生している被露光基板の一例を示す平面図である。 実施形態に係る露光制御処理における歪み量の導出方法の説明に供する平面図である。 実施形態に係る露光制御処理における歪み量の導出方法の別例の説明に供する平面図である。 実施形態に係る低減情報の一例を示す模式図である。 実施形態に係る露光制御処理における被露光基板の歪みの大きさを示す物理量と低減率との関係の一例を示すグラフである。 実施形態に係る露光描画装置において、被露光基板の歪みに応じた座標変換の対象とされる領域の一例を示す平面図である。 実施形態に係る露光描画装置において、被露光基板の歪みに応じた座標変換の対象とされる領域の別例を示す平面図である。 実施形態に係る露光描画装置において、被露光基板の歪みに応じた座標変換の対象とされる領域の別例を示す平面図である。 第1実施形態に係る露光制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 実施形態に係る露光制御処理における被露光基板の歪みに応じた座標変換の方法の説明に供する平面図である。 第1実施形態に係る露光描画装置において、被露光基板の歪みに応じた座標変換を行っていない場合の対象画像の一例を示す平面図である。 第1実施形態に係る露光描画装置において、被露光基板の歪みに応じた座標変換を、補正量を低減させつつ行った場合の座標変換後の対象画像の一例を示す平面図である。 第1実施形態に係る露光描画装置において被露光基板に多層に描画パターンを描画した場合の被露光基板の一例を示す断面図である。 第1実施形態に係る露光描画装置において被露光基板に多層に描画パターンを描画した場合の各層に描画される画像の一例を示す平面図である。 第2実施形態に係る露光制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態に係る露光描画装置において、被露光基板の歪みに応じた座標変換を、低減補正量を制限せずに行った場合の座標変換後の画像の一例(左図)、及び低減補正量を制限しつつ行った場合の座標変換後の画像の一例(右図)を示す平面図である。 第3実施形態に係る露光制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
〔第1実施形態〕
以下、実施形態に係る露光描画装置について添付図面を用いて詳細に説明する。本実施形態では、本発明を、被露光基板(後述する被露光基板C)に光ビームを露光して回路パターン、ソルダーレジスト層の部品実装用の開口穴を示すソルダーレジストパターン等の描画パターンを描画する露光描画装置に適用した場合を例に挙げて説明する。なお、被露光基板としては、プリント配線基板、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板等の平板基板が例示される。また、本実施形態に係る露光描画装置では、露光描画の対象とする被露光基板が矩形状の形状を呈したものとされている。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る露光描画装置10は、被露光基板Cを固定するための平板状のステージ12を備えている。ステージ12の上面には、空気を吸入する複数の吸入孔(図示省略)が設けられている。これにより、ステージ12の上面に被露光基板Cが載置された際に、被露光基板C及びステージ12間の空気が吸入されることで被露光基板Cがステージ12に真空吸着される。
本実施形態に係るステージ12は、卓状の基体14の上面に移動可能に設けられた平板状の基台16に支持されている。すなわち、基体14の上面には、1本または複数本(本実施形態では、2本)のガイドレール18が設けられている。基台16は、ガイドレール18に沿って自在に移動できるようにガイドレール18に支持されており、モータ、油圧ポンプ等により構成された駆動機構(後述するステージ駆動部42)により駆動されて移動する。したがって、ステージ12は、基台16の移動に連動してガイドレール18に沿って移動する。
なお、図2に示すように、以下では、ステージ12が移動する方向をY方向と定め、このY方向に対して水平面内で直交する方向をX方向と定め、Y方向に鉛直面内で直交する方向をZ方向と定める。
基体14の上面には、2本のガイドレール18を跨ぐように立設された門型のゲート20が設けられている。ステージ12に載置された被露光基板Cは、ゲート20の開口部をガイドレール18に沿って出入りするようにして移動する。ゲート20の開口部の上部には、当該開口部に向けて光ビームを露光する露光部22が取り付けられている。この露光部22により、ステージ12がガイドレール18に沿って移動して上記開口部に位置している場合に、ステージ12に載置された被露光基板Cの上面に光ビームが露光される。
本実施形態に係る露光部22は、複数個(本実施形態では、10個)の露光ヘッド22aを含んで構成されている。また、露光部22には、後述する光源ユニット24から引き出された光ファイバ26と、後述する画像処理ユニット28から引き出された信号ケーブル30とがそれぞれ接続されている。
露光ヘッド22aの各々は、反射型の空間光変調素子としてのデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を有している。一方、露光描画装置10は、露光ヘッド22aに対して光ビームを出射する光源ユニット24、及び、露光ヘッド22aに対して画像情報を出力する画像処理ユニット28を備えている。露光ヘッド22aは、画像処理ユニット28から入力した画像情報に基づいてDMDを制御することで光源ユニット24からの光ビームを変調する。露光描画装置10は、この変調した光ビームを被露光基板Cに照射することにより被露光基板Cに対する露光を行う。なお、空間光変調素子は反射型に限定されず、液晶等の透過型の空間光変調素子であっても良い。
基体14の上面には、さらに、2本のガイドレール18を跨ぐように立設された門型のゲート32が設けられている。ステージ12に載置された被露光基板Cは、ゲート32の開口部をガイドレール18に沿って出入りするようにして移動する。
ゲート32の開口部の上部には、当該開口部を撮影するための1個または複数個(本実施形態では、2個)の撮影部34が取り付けられている。撮影部34は、1回の発光時間が極めて短いストロボを内蔵したCCDカメラ等である。また、ゲート32の開口部の上部には、ステージ12の移動方向(Y方向)に対して水平面内において垂直な方向(X方向)に沿ってレール34aが設けられ、撮影部34の各々はレール34aに案内されて移動可能に設けられている。この撮影部34により、ステージ12がガイドレール18に沿って移動して上記開口部に位置している場合に、ステージ12に載置された被露光基板Cの上面が撮影される。
次に、本実施形態に係る露光ヘッド22aによる露光処理について説明する。
図3に示すように、本実施形態に係る露光ヘッド22aで露光される領域である画像領域22bは、一方の辺が、ステージ12の移動方向(Y方向)に対して予め定められた傾斜角で傾斜した矩形状である。また、ステージ12がゲート20の開口部を移動している際に露光ヘッド22aにより光ビームが露光されると、ステージ12の移動に伴って被露光基板Cに露光ヘッド22a毎に帯状の露光済み領域22cが形成される。
また、図2及び図3に示すように、露光ヘッド22aの各々は、露光部22にマトリクス状に配列され、図4に示すように、X方向に、画像領域22bの長辺の長さを自然数倍(本実施形態では、1倍)した距離ずつずらして配置されている。そして、露光済み領域22cの各々は、隣接する露光済み領域22cと部分的に重ねられて形成される。
次に、本実施形態に係る露光描画装置10の電気系の構成について説明する。
図5に示すように、露光描画装置10には、装置各部にそれぞれ電気的に接続されるシステム制御部40が設けられており、このシステム制御部40により露光描画装置10の各部が統括的に制御される。また、露光描画装置10は、ステージ駆動部42、操作装置44、撮影駆動部46、及び外部入出力部48を有している。
システム制御部40は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びHDD(Hard Disk Drive)40Aを有している。また、システム制御部40は、上記CPUにより、光源ユニット24から光ビームを出射させると共に、ステージ12の移動に応じたタイミングで対応する画像情報を画像処理ユニット28により出力させることで、被露光基板Cに対する光ビームの露光を制御する。
ステージ駆動部42は、上述したように、モータ、油圧ポンプ等により構成された駆動機構を有しており、システム制御部40の制御によってステージ12を移動させる。
操作装置44は、システム制御部40の制御により各種情報を表示する表示部と、ユーザ操作により各種情報を入力する入力部とを有している。
撮影駆動部46は、モータ、油圧ポンプ等により構成された駆動機構を有しており、システム制御部40の制御によって撮影部34を移動させる。
外部入出力部48は、露光描画装置10に接続されたパーソナルコンピュータ等の情報処理装置との間で各種情報の入出力を行う。
ところで、図2に示すように、本実施形態に係る被露光基板Cには、画像が描画される際の位置決めの基準とされる複数(本実施形態では、4つ)のアライメントマーク(以下、「基準マーク」という。)Mが設けられている。一例として図6Aに示すように、本実施形態に係る露光描画装置10では、被露光基板Cの角部の各々に基準マークM1乃至M4(以下、4つをまとめて「基準マークM」ともいう。)が設けられている。具体的には、被露光基板Cの図6Aの正面視左上の位置に基準マークM1、右上の位置に基準マークM2、左下の位置に基準マークM3、及び右下の位置に基準マークM4が各々設けられている。
本実施形態に係る露光描画装置10は、被露光基板Cに、基準マークMの各々に対して予め定められた相対位置に画像情報によって示される描画パターン等の画像(以下、「対象画像」という。)62を描画する。本実施形態に係る露光描画装置10では、対象画像62の外郭形状が矩形状であるが、これに限定されず、楕円形状、星型形状等、任意の形状であっても良い。
露光描画装置10は、対象画像62を描画する際、被露光基板Cに対して光ビームを露光する前に、撮影部34によって基準マークMの各々を撮影し、撮影画像から基準マークMの各々の位置を計測する。そして露光描画装置10は、計測した基準マークMの各々の位置に基づいて対象画像62を描画させる領域を決定し、決定した領域に対象画像62を描画する。
また、一例として図6Bに示すように、従来の露光描画装置10には、被露光基板Cに対象画像62を描画する前に、基準マークMの各々の位置から被露光基板Cの歪み量を導出するものがあった。そして、この従来の露光描画装置10では、導出した歪みの大きさに応じて対象画像62の形状を補正する。
この際、本実施形態に係る露光描画装置10は、設計上の対象画像62の形状と描画される対象画像62の形状とが乖離することによって電子部品の実装の精度が低下することを回避するため、対象画像62の被露光基板Cの歪みに対する補正量を低減する。このとき、本実施形態に係る露光描画装置10は、基準マークMの各々のずれ量に対応する補正量(以下、「純補正量」という。)から、被露光基板Cの歪みの大きさを示す物理量が大きくなるほど少ない量を低減する。これにより、電子部品の実装の精度の低下が更に抑制される。そして、本実施形態に係る露光描画装置10は、低減した基準マークMの各々の補正量(以下、「低減補正量」という。)に応じて対象画像62を変形させる。
なお、一例として図7に示すように、本実施形態に係る露光描画装置10は、上記物理量として、基準マークMの各々毎の設計上の位置と計測で得られた位置(実際の位置)とのずれ量deの最大値を用いる。図7では、設計上の基準マークMの各々の位置を実線で接続して示し、計測で得られた基準マークMの各々の位置を点線で接続して示している。また、図7の正面視左右方向をx方向、正面視上下方向をy方向とし、x方向に対するずれ量をずれ量dx、y方向に対するずれ量をずれ量dyとすると、ずれ量deは、下記の(1)式で表される。
このように、本実施形態に係る露光描画装置10では、上記ずれ量の最大値を上記物理量として用いるが、これに限定されず、当該ずれ量の各々の平均値、または当該ずれ量の各々の積算値を上記物理量として用いても良い。また、上記最大値、上記平均値、上記積算値の複数の組み合わせを上記物理量として用いても良い。
あるいは、一例として図8に示すように、基準マークM1乃至M4の相互間の設計上の距離Pa1乃至Pa6と計測で得られた距離Pb1乃至Pb6との対応する距離同士の差分の最大値を上記物理量として用いても良い。なお、図8では、図7と同様に、設計上の基準マークMの各々の位置を実線で接続して示し、計測で得られた基準マークMの各々の位置を点線で接続して示している。なお、上記差分の各々の平均値、または上記差分の各々の積算値を上記物理量として用いても良い。更に、上記最大値、上記平均値、及び上記積算値の複数の組み合わせを上記物理量として用いても良い。
一方、本実施形態に係る露光描画装置10は、低減補正量を導出するために、設計上の基準マークMの各々の位置が座標データで表された位置情報と、低減情報50とを、システム制御部40のHDD40Aの所定領域に予め記憶している。
一例として図9に示すように、本実施形態に係る低減情報50は、上記物理量を示す物理量情報と、純補正量を低減させる際の低減率を示す低減率情報と、被露光基板Cに対する処理内容を示す処理内容情報とが各々対応付づけられた情報である。なお、同図に示すように、上記低減率情報において、低減率が範囲で示されている場合には、低減率が当該範囲内で直線的または曲線的に大きくなることを示している。
また、本実施形態に係る低減情報50では、上記処理内容情報として、被露光基板Cに対象画像62を描画する露光描画処理、及び被露光基板Cに対象画像62を描画せずに被露光基板Cを排出するエラー処理の何れか一方を記憶する。露光描画装置10は、低減情報50において上記物理量に対応付けられた処理内容情報によって示される処理内容が露光描画処理であった場合、当該物理量に対応付けられた低減率情報によって示される低減率で純補正量を低減させた上で、露光描画処理を実行する。一方、露光描画装置10は、低減情報50において上記物理量に対応付けられた処理内容情報によって示される処理内容がエラー処理であった場合、露光描画処理を行うことなく被露光基板Cを露光描画装置10から排出する。ただし、エラー処理の処理内容はこれに限定されず、被露光基板Cに対する低減率を固定値とし、露光描画処理を行った上で、エラーが発生したことを示す情報を被露光基板Cに描画しても良い。なお、本実施形態に係る露光描画装置10では、図9に示すように、低減情報50において、上記物理量が100μm以上である場合の処理内容がエラー処理とされている。
ここで、一例として図9及び図10に示すように、本実施形態に係る露光描画装置10では、低減情報50において、上記物理量が大きくなる程、上記低減率を小さくしている。これは、上記物理量が大きくなる程、純補正量に対する低減量が少なくなる、すなわち低減補正量が多くなることを意味する。この場合、対象画像62が、低減補正量を用いない場合に比較して、被露光基板Cの実際の形状より対象画像62の設計上の形状に近い形状に変形される。これにより、対象画像62の変形が抑制され、電子部品を保障された精度で実装できる被露光基板Cが得られる。
なお、本実施形態に係る露光描画装置10では、図10に示すように、上記物理量が大きくなる程、低減率を階段状に少なくしていくが、低減率を少なくする方法はこれに限定されない。例えば、上記物理量が大きくなる程、低減率を直線状に少なくしていっても良い。また、上記物理量が大きくなる程、低減率の減少量が多くなる曲線状、または上記物理量が大きくなる程、低減率の減少量が少なくなる曲線状に各々少なくしていっても良い。
本実施形態に係る露光描画装置10は、上記物理量と低減情報50とを用いて低減率を決定し、純補正量と低減率とから低減補正量を導出する。そして、露光描画装置10は、導出した低減補正量に応じて基準マークMの各々の位置を補正し、補正した基準マークMの各々の位置に基づいて対象画像62を変形させ、変形させた対象画像62を被露光基板Cに描画する。
なお、本実施形態に係る露光描画装置10では、ユーザにより操作装置44の入力部を介して低減情報50の入力を受け付け、これに限らず、例えば、受け付けた低減情報50をシステム制御部40のHDD40Aに記憶する。しかし、低減情報50における各情報を固定値として、システム制御部40のHDD40Aに予め記憶しておいても良い。
また、本実施形態に係る露光描画装置10では、対象画像62を変形させる際に、一例として図11Aに示すように、対象画像62の領域全体を、座標変換の対象である対象領域(図11A及び図11Bにおいてドット模様で示す領域)64とする。しかし、対象領域64はこれに限定されず、一例として図11Bに示すように、4つの基準マークM1乃至M4の重心の位置を角点とした矩形状の領域を対象領域64としても良い。または、一例として図11Cに示すように、被露光基板Cの露光対象とする面の全体を対象領域64としても良く、あるいは、対象画像62の一部の領域を対象領域64としても良い。
また、被露光基板Cの端部等に、被露光基板Cの識別番号等の回路パターン以外の画像を描画する場合があるが、この場合には、当該画像の描画領域については座標変換を行わずに回路パターンの描画領域のみ座標変換を行うようにすると良い。これは、被露光基板Cの識別番号等の文字列を示す画像は、被露光基板Cに歪みの状況に依らず、変形させない方が描画内容を確認しやすいからである
次に、図12を参照して、本実施形態に係る露光描画装置10の作用を説明する。なお、図12は、操作装置44の入力部を介して実行指示が入力された際に露光描画装置10のシステム制御部40によって実行される露光制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。当該プログラムは、システム制御部40に上記ROMの所定領域に予め記憶されている。
また、錯綜を回避するために、対象画像62を示す座標データ(本実施形態では、ベクトルデータ)である画像情報が、システム制御部40のHDD40Aに記憶されている場合を例に挙げて説明する。なお、本実施形態に係る露光描画装置10では、上記画像情報が描画パターンを示すベクトルデータであるが、これに限定されず、ラスターデータであっても良い。
まず、ステップS101では、描画する対象画像62を示す座標データである画像情報を、HDD40Aから読み出すことにより取得する。しかし、システム制御部40は、外部入出力部48を介して外部から画像情報を入力することにより、画像情報を取得しても良い。
次のステップS103では、上述した、設計上の基準マークMの各々の位置が座標データで表された位置情報を、HDD40Aから読み出すことにより取得する。
このように、本実施形態に係る露光描画装置10では、システム制御部40は、上記位置情報をHDD40Aから読み出すことにより取得するが、取得方法はこれに限らず、外部入出力部48を介して外部から位置情報を入力する方法であっても良い。
次のステップS105では、基準マークMの各々が撮影部34の撮影領域に含まれる位置を被露光基板Cが通過するように、ステージ12を移動させる。
次のステップS107では、実際の基準マークMの各々の位置を計測する。この際、システム制御部40は、撮影部34による撮影画像から基準マークMの各々に対応する領域を抽出し、抽出した領域の重心座標を基準マークMの各々の位置座標として導出する。このように、本実施形態に係る露光描画装置10では、上記撮影画像を用いて基準マークMの各々の位置を計測するが、これに限定されず、当該計測を外部装置で行い、計測結果を示す情報を外部入出力部48を介して外部から入力しても良い。
次のステップS109では、ステップS103の処理で取得した設計上の基準マークMの各々の位置とステップS107の処理で計測した基準マークMの各々の位置とのずれ量から、被露光基板Cの回転量、オフセット量、伸縮倍率の各々を導出する。なお、ここでいう上記回転量は、予め定められた直交座標系(本実施の形態では、一例として図9に示すx−y座標系)における設計上の基準マークMの位置から対応する実際の基準マークMの位置に至る回転角度である。また、ここでいう上記オフセット量は、上記直交座標系における設計上の基準マークMの位置から対応する実際の基準マークMの位置に至る平行移動量である。さらに、ここでいう上記伸縮倍率は、上記直交座標系における設計上の基準マークMの位置から対応する実際の基準マークMの位置に至る拡大倍率または縮小倍率である。
システム制御部40は、基準マークMの各々の位置座標を用いた最小二乗法により、x方向のオフセット量ofsx、y方向のオフセット量ofsy、x方向の伸縮倍率kx、y方向の伸縮倍率ky、及び回転量θの各パラメータを被露光基板Cの各々毎に導出する。
すなわち、上記各パラメータを導出する際、被露光基板Cの歪みを考えず、設計上の基準マークMの各々の位置と、計測した基準マークMの各々の位置とが、上記各パラメータを含んで一義的な関係にあると仮定する。そして、上記各パラメータの平均的な偏差が最小になるように上記各パラメータを決定する(一例として特開昭61−44429号公報等を参照)。この上記各パラメータを決定する方法は、アフィン変換等で用いられる既知の方法であるため、これ以上のここでの説明を省略する。
次のステップS111では、ステップS107の処理で計測した基準マークMの各々の位置座標を、上記ステップS109の処理で導出した回転量、オフセット量、及び伸縮倍率に基づいて変換する。これにより、被露光基板Cをステージ12に配置する際の配置位置のずれによる基準マークMの各々の位置のずれ量が打ち消される。
このように、本実施形態に係る露光描画装置10では、ステップS107の処理で計測した基準マークMの各々の位置座標を、被露光基板Cの回転量、オフセット量、及び伸縮倍率の各々に基づいて変換するが、これに限らない。例えば、被露光基板Cの回転量、オフセット量、及び伸縮倍率の何れか1つに基づいて変換しても良く、複数の組み合わせに基づいて変換しても良い。
次のステップS113では、上記ステップS111の処理で座標変換された基準マークMの各々の位置座標に基づいて純補正量を導出する。以下、基準マークM1、M2、M3、M4の各々の純補正量をそれぞれ(dx0,dy0)、(dx1,dy1)、(dx2,dy2)、(dx3,dy3)と表す。
次のステップS114では、上記ステップS103で取得した上記位置情報、及び上記ステップS111の処理で座標変換された基準マークMの各々の位置座標に基づいて、上記物理量(本実施形態では、基準マークMの各々のずれ量の最大値)を導出する。
次のステップS115では、低減情報50をシステム制御部40のHDD40Aから読み出す。
次のステップS117では、読み出した低減情報50において、上記ステップS114の処理で導出した物理量を示す物理量情報に対応付けられた処理内容情報によって示される処理内容が、露光描画処理であるか否かを判定する。
ステップS117で肯定判定となった場合はステップS119に移行する。一方、ステップS117で否定判定となった場合はステップS135に移行し、エラー処理として、被露光基板Cがステージ12から取り外される位置までステージ12を移動させて、本露光制御処理プログラムの実行を終了する。この場合、被露光基板Cは、露光描画処理が行われることなくステージ12から取り外され、露光描画装置10の外部に排出される。
一方、ステップS119では、読み出した低減情報50において、上記ステップS114の処理で導出した物理量を示す物理量情報に対応付けられた低減率情報によって示される低減率Nを用いて純補正量を低減することにより、低減補正量を導出する。以下、基準マークM1、M2、M3、M4の各々の低減補正量をそれぞれ(dx0’,dy0’)、(dx1’,dy1’)、(dx2’,dy2’)、(dx3’,dy3’)と表す。
本実施形態に係る露光描画装置10では、低減補正量(dx0’,dy0’)乃至(dx3’,dy3’)は、下記の(2)式で表される。
次のステップS127では、ステップS119の処理により得られた低減補正量(dx’,dy’)を用いて、対象画像62の対象領域64内の各座標の座標変換を行う。
ここで、本実施形態に係る露光描画装置10における対象画像62の対象領域64内の各座標の座標変換の方法について説明する。まず、システム制御部40は、一例として図13に示すように、座標変換の対象とされる座標に基づいて、対象画像62を複数(本実施形態では、4つ)の領域に分割し、各分割領域の面積SA0乃至SA3を導出する。この際、同図に示すように、対象画像62の内部に、各辺に対して平行となりかつ変換対象とされる座標を通る直線を引くことにより、対象画像62を4つの領域に分割する。
なお、各分割領域の各々について、基準マークM1に対抗する領域(すなわち基準マークM4を含む領域)である図10の正面視右下の領域の面積をSA0と表す。また、基準マークM2に対抗する領域(すなわち基準マークM3を含む領域)である左下の領域の面積をSA1と表す。また、基準マークM3に対抗する領域(すなわち基準マークM2を含む領域)である右上の領域の面積をSA2と表す。更に、基準マークM4に対抗する領域(すなわち基準マークM1を含む領域)である左上の領域の面積をSA3と表す。
また、システム制御部40は、このようにして得られた分割領域SA0乃至SA3の面積と、ステップS115の処理により得られた低減補正量(dx0’,dy0’)乃至(dx3’,dy3’)とを、下記の(3)式に代入する。これにより得られる値が、上記座標変換の対象とされる座標の、被露光基板Cの歪みに対する補正量(ddx,ddy)となる。
例えば、同図に示すように、dx0’=1,dx1’=2,dx2’=5,dx3’=10,SA0=3,SA1=9,SA2=3,SA3=1,SS=16であった場合には、ddx=(3×1+9×2+3×5+1×10)/16≒2.9となる。
なお、被露光基板Cの歪みに対する補正量(ddx,ddy)の導出方法はこれに限定されない。すなわち、座標変換前の対象画像62の所定位置である位置A(x、y)から対象画像62の各辺に対して垂線を引くことにより、対象画像62の各辺を内分する。これにより、位置Aに対する対象画像62の各辺の内分比が求められる。座標変換後の対象画像62においてその内分比に対応する位置Bを定め、位置Aと位置Bとのずれ量を補正量(ddx,ddy)として定めても良い。
さらに、システム制御部40は、対象画像62における各座標の補正量(ddx,ddy)と、x方向のオフセット量ofsx、y方向のオフセット量ofsy、x方向の伸縮倍率kx、y方向の伸縮倍率ky、回転量θを次の(4)式に代入する。この(4)式により、座標変換の対象とされる各座標(xl,yl)についての座標変換後の座標(xm,ym)が求められる。
次のステップS129では、露光部22から出射される光ビームによって被露光基板Cの上面が露光される位置まで、ステージ12を移動させるようにステージ駆動部42を制御する。
次のステップS131では、座標変換後の座標(xm,ym)を用いて被露光基板Cに対象画像62を描画させるように光源ユニット24及び画像処理ユニット28を介して露光ヘッド22aを制御する。この際、システム制御部40は、ステージ12を予め定められた速度で移動させるようにステージ駆動部42を制御することにより被露光基板Cを移動させつつ、被露光基板Cに対象画像62を描画させるように露光ヘッド22aを制御する。
次のステップS133では、被露光基板Cがステージ12から取り外される位置まで、ステージ12を移動させて、本露光制御処理プログラムの実行を終了する。
このように、本実施形態に係る露光描画装置10では、一例として図14Aに示すように、上記低減率が0%であった場合(N=0)、システム制御部40は、被露光基板Cの歪みに対する補正量を低減させずに対象画像62を描画する。
一方、一例として図14Bに示すように、上記低減率が0%より大きい場合(N>0)、システム制御部40は、被露光基板Cの歪みに対する補正量を低減率に応じて低減させた上で対象画像62を変形させて描画する。
一般的な露光描画装置では、例えば、図15に示すように、被露光基板Cに複数の層(例えば4層)の描画パターン62A乃至62Dを下位側から順に積層させて描画する場合、各層における描画が終了する毎に現像、エッチング、剥離等の化学処理を行う。また、一般的な露光描画装置では、さらにレイヤを重ねるために、プリプレグ層の積層、導通ビアの加工、フィルドビアメッキ、粗化処理、DFR(Dry Film photoResist)のラミネーション等が行われる。そのため、図16に示すように、1層目の描画パターン62A、2層目の描画パターン62B、3層目の描画パターン62C、4層目の描画パターン62Dと、層を重ねる毎に被露光基板Cの歪みが大きくなっていくことが想定される。
しかし、本実施形態に係る露光描画装置10では、描画パターンを描画する際に、層毎に、上記物理量が大きくなる程、低減量を多くしつつ、被露光基板Cの歪みに対する補正量を低減させる。これにより、電子部品を保障された精度で実装することのできる被露光基板Cが得られる。
また、本実施形態に係る露光描画装置10では、基準マークMの各々の補正量に対して1より小さい正の値(低減率)を乗算することにより、純補正量を低減させるが、これに限定されない。すなわち、純補正量を1を超える値で除算すること、または純補正量から正の値を減算することにより、純補正量を低減させても良い。あるいは、上記乗算、除算、減算を複数組み合わせて純補正量を低減させても良い。
さらに、被露光基板Cに描画パターンを複数積層させて描画する場合で、かつ被露光基板Cの最下位の層に描画パターンを描画する場合、被露光基板Cの歪みの補正を行わなくても良い。
そして、本実施形態に係る露光描画装置10では、本発明を、被露光基板Cに光ビームを露光して描画パターンを描画する露光描画装置10に適用する場合について説明したが、これに限定されない。すなわち、本発明を、被描画体に設けられた基準マークMの位置に基づいて、描画対象とされる画像を描画する任意の描画装置に適用することができる。また、本発明を、描画パターンを描画する各層の層間を電気的に接続する導通ビア等を形成するレーザ加工装置及びドリル加工装置に適用しても良い。また、基板の描画パターンを保護するためのソルダーレジスト層における部品実装用穴を形成するための露光描画装置及び加工装置に適用しても良い。これにより、保障された精度に電子部品を実装することのできる被露光基板Cが得られる。
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態に係る露光描画装置10について説明する。
第2実施形態に係る露光描画装置10は、第1実施形態に係る露光描画装置10と同様の構成を有するため、各構成の説明を省略する。
第2実施形態に係る露光描画装置10は、被露光基板Cの歪みに対して補正を行う際に、被露光基板Cに対する歪みに対する低減補正量に制限値(本実施形態では、60μm)を設けている。これにより、被露光基板Cの歪みが大きい場合に、対象画像62の設計上の形状からの変形が抑制される。なお、本実施形態に係る露光描画装置10では、当該制限値を示す情報が操作装置44の入力部を介して入力され、システム制御部40のHDD40Aに予め記憶されている。
次に、図17を参照して、本実施形態に係る露光描画装置10の作用を説明する。なお、図17は、操作装置44を介して実行指示が入力された際に第2実施形態に係る露光描画装置10のシステム制御部40によって実行される露光制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。当該プログラムは、システム制御部40の上記ROMの所定領域に予め記憶されている。また、図18における図12と同一の処理を行うステップには図12と同一のステップ番号を付して、その説明を極力省略する。
本第2実施形態に係る露光描画装置10では、上記ステップS119の処理を行った後、ステップS122に移行し、制限値情報をシステム制御部40のHDD40Aから読み出し、ステップS123に移行する。なお、本実施形態に係る露光描画装置10では、制限値情報をHDD40Aから読み出すが、制限値情報の取得方法はこれに限らない。例えば、当該ステップS123で、システム制御部30の表示部に制限値情報の入力を促す情報を表示させ、この表示に応じて操作装置44の入力部を介して入力された情報を取得しても良い。
また、ステップS123の処理で肯定判定となった場合はステップS126に移行する一方、否定判定となった場合は上記ステップS127に移行する。
ステップS126では、低減補正量(dx0’,dy0’)乃至(dx3’,dy3’)を、読み出した制限値情報によって示される制限値Kによって制限し、上記ステップS127に移行する。この際、本実施形態に係る露光描画装置10では、基準マークMのうち、低減補正量(dx0’,dy0’)乃至(dx3’,dy3’)が最大となる基準マークMの低減補正量を上記制限値Kとする。すなわち、本実施形態に係る露光描画装置10では、低減補正量(dx0’,dy0’)乃至(dx3’,dy3’)を下記の(5)式に代入することにより、制限値Kにより制限して得られる補正量(dx0”,dy0”)乃至(dx3”,dy3”)を導出する。なお、ずれ量de”は、制限値Kにより制限して得られる補正量である。
また、本実施形態に係る露光描画装置10では、基準マークMの各々の低減補正量(dx0’,dy0’)乃至(dx3’,dy3’)の比が維持されるように他の基準マークMの低減補正量を低減する。しかし、他の基準マークMのうちのずれ量de”が制限値K以下である基準マークMについての低減補正量の低減は必ずしも行わなくても良い。
このように、本実施形態に係る露光描画装置10では、基準マークMのうち、低減補正量(dx0’,dy0’)乃至(dx3’,dy3’)が最大となる基準マークMの低減補正量を制限値Kとする補正を行うが、低減補正量(dx0’,dy0’)乃至(dx3’,dy3’)を制限する方法は、これに限らない。例えば、基準マークMの各々の低減補正量(dx0’,dy0’)乃至(dx3’,dy3’)を制限値Kとしても良い。また、基準マークMの全ての低減補正量(dx0’,dy0’)乃至(dx3’,dy3’)が制限値K以下となる最大量を基準マークMの各々の低減補正量(dx0’,dy0’)乃至(dx3’,dy3’)から減算しても良い。
なお、本実施形態に係る露光描画装置10では、ステップS127に処理において、ステップS126で低減補正量が制限された場合には、制限値Kにより制限して得られる低減補正量を用いて、対象画像62の対象領域64内の各座標の座標変換を行う。一方、低減補正量が制限されていない場合にはステップS119で導出した低減補正量を用いて、対象画像62の対象領域64内の各座標の座標変換を行う。また、補正後に予想される基準マークMと描画パターンとの残差が指定された閾値を超える場合には露光を禁止しても良い。
一例として図18の左図に示すように、基準マークM2の補正量が制限値Kである60μmを超えた100μmとする。この場合、図18の右図に示すように、基準マークM2の補正量が60μmとなるように基準マークMの各々の補正量を低減することによって、対象画像62の設計上の形状からの変形が抑制される。また、補正後に予想される基準マークMと描画パターンとの残差40μmが指定された閾値内であるか否かを検査することで、位置合わせの精度を保障することができる。これにより、電子部品を保障された精度に実装することのできる被露光基板Cが得られる。
〔第3実施形態〕
以下、本発明の第3実施形態に係る露光描画装置10について説明する。
第3実施形態に係る露光描画装置10は、第1実施形態及び第2実施形態に係る露光描画装置10と同様の構成を有するため、各構成の説明を省略する。
第3実施形態に係る露光描画装置10は、被露光基板Cの歪みに対して補正を行う際に、純補正量に基づいて対象画像62の各座標の座標変換を行い、この際、純補正量に制限値(本実施形態では、60μm)を設けている。これにより、被露光基板Cの歪みが大きい場合に、対象画像62の設計上の形状からの変形が抑制される。なお、本実施形態に係る露光描画装置10では、当該制限値を示す情報が操作装置44の入力部を介して入力され、システム制御部40のHDD40Aに予め記憶されている。
次に、図19を参照して、本実施形態に係る露光描画装置10の作用を説明する。なお、図19は、操作装置44を介して実行指示が入力された際に第2実施形態に係る露光描画装置10のシステム制御部40によって実行される露光制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。当該プログラムは、システム制御部40の上記ROMの所定領域に予め記憶されている。また、図18における図12と同一の処理を行うステップには図12と同一のステップ番号を付して、その説明を極力省略する。
本第2実施形態に係る露光描画装置10では、上記ステップS113の処理を行った後、ステップS122に移行する。また、ステップS122の処理を行った後、ステップS1231に移行する。
ステップS1231では、純補正量が制限値情報によって示される制限値Kより大きいか否かを判定する。ステップS1231で肯定判定となった場合はステップS124に移行する。一方、ステップS1231で否定判定となった場合は上記ステップS127に移行する。
ステップS124では、純補正量(dx0,dy0)乃至(dx3,dy3)の全てが制限値K以下となるように純補正量(dx0,dy0)乃至(dx3,dy3)を補正し、上記ステップS127に移行する。この際、本実施形態に係る露光描画装置10では、基準マークMのうち、純補正量(dx0,dy0)乃至(dx3,dy3)が最大となる基準マークMの純補正量を上記制限値Kとする。すなわち、本実施形態に係る露光描画装置10では、純補正量(dx0,dy0)乃至(dx3,dy3)を下記の(6)式に代入することにより、制限値Kにより制限して得られる補正量(dx0”,dy0”)乃至(dx3”,dy3”)を導出する。なお、ずれ量de”は、制限値Kにより制限して得られる補正量である。
また、本実施形態に係る露光描画装置10では、基準マークMの各々の純補正量(dx0,dy0)乃至(dx3,dy3)の比が維持されるように他の基準マークMの純補正量を制限する。しかし、他の基準マークMのうちのずれ量de’が制限値K以下である基準マークMについての純補正量の低減は必ずしも行わなくても良い。
このように、本実施形態に係る露光描画装置10では、基準マークMのうち、純補正量(dx0,dy0)乃至(dx3,dy3)が最大となる基準マークMの低減補正量を制限値Kとする補正を行うが、純補正量(dx0,dy0)乃至(dx3,dy3)を制限する方法は、これに限らない。例えば、制限値Kを超えている基準マークMのみの各々の純補正量(dx0,dy0)乃至(dx3,dy3)を制限値Kとしても良く、全ての基準マークMの各々の純補正量(dx0,dy0)乃至(dx3,dy3)を制限値Kとしても良い。また、基準マークMの全ての純補正量(dx0,dy0)乃至(dx3,dy3)が制限値K以下となる最大量を基準マークMの各々の純補正量(dx0,dy0)乃至(dx3,dy3)から減算しても良い。
なお、本実施形態に係る露光描画装置10では、ステップS127に処理において、ステップS124で純補正量が制限された場合には、制限値Kにより制限して得られる純補正量を用いて、対象画像62の対象領域64内の各座標の座標変換を行う。一方、純補正量が制限されていない場合にはステップS113で導出した純補正量を用いて、対象画像62の対象領域64内の各座標の座標変換を行う。
以上のように構成された露光描画装置10による露光制御処理を実現するための各種処理は、プログラムを実行することにより、コンピュータを利用してソフトウェア構成により実現してもよい。ただし、ソフトウェア構成による実現に限られるものではなく、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成の組み合わせによって実現してもよいことは言うまでもない。
10 露光描画装置
12 ステージ
22 露光部
22a 露光ヘッド
34 撮影部
40 システム制御部
40A HDD
62 対象画像
C 被露光基板
M、M1乃至M4 基準マーク

Claims (13)

  1. 被露光基板に設けられた複数の基準マークの設計上の位置である第1の位置を示す座標データ、前記第1の位置を基準として定められた前記被露光基板に描画する描画パターンを示す座標データ、及び前記複数の基準マークの各々の実際の位置である第2の位置を示す座標データを取得する取得部と、
    前記複数の基準マークの各々毎に、前記第1の位置及び前記第2の位置のずれに対する第1の補正量を導出する第1の導出部と、
    前記第1の導出部で導出された前記第1の補正量が予め定められた第1閾値以下である場合に当該第1の補正量を第2の補正量とし前記第1閾値より多い場合に前記第1閾値を前記第2の補正量とする第1の算出、及び前記第1の補正量の各々から前記第1の位置及び前記第2の位置に基づく前記被露光基板の歪みの大きさを示す物理量が大きくなるほど小さな量を低減させた値を前記第2の補正量とする第2の算出の何れか一方を実行して前記第2の補正量を導出する第2の導出部と、
    前記第2の位置を基準として前記被露光基板に前記描画パターンを描画する場合、前記第2の補正量に基づいて前記描画パターンを示す座標データを補正する補正部と、
    を備えた描画装置。
  2. 前記第2の導出部は、前記第2の算出を実行して前記第2の補正量を導出した場合で、かつ当該第2の補正量の何れかが前記第1閾値より多い場合、前記第1閾値を第2の補正量とする前記第3の算出を実行して前記第2の補正量を導出する
    請求項1記載の描画装置。
  3. 前記第2の導出部は、前記第2の算出を実行して前記第2の補正量を導出する場合、前記物理量として、前記複数の基準マークの各々毎の前記第1の位置及び前記第2の位置のずれ量の最大値、前記ずれ量の各々の平均値、及び前記ずれ量の各々の積算値の少なくとも1つを導出する
    請求項1または2記載の描画装置。
  4. 前記第2の導出部は、前記第2の算出を実行して前記第2の補正量を導出する場合、前記物理量として、前記第1の位置に基づいて得られる前記複数の基準マークの相互間の距離と、対応する前記第2の位置に基づいて得られる前記複数の基準マークの相互間の距離との差分の最大値、前記差分の各々の平均値、及び前記差分の各々の積算値の少なくとも1つを導出する
    請求項1または2記載の描画装置。
  5. 前記第2の導出部は、前記第2の算出を実行して前記第2の補正量を導出する場合、前記第1の導出部で導出された第1の補正量の各々に、前記物理量が大きくなるほど小さい1未満の正の値を乗算すること、前記物理量が大きくなるほど大きい1を超える値で除算すること、及び前記物理量が大きくなるほど大きくかつ当該第1の補正量より小さい正の値を減算することの少なくとも1つを行うことにより、前記第1の補正量の各々から前記物理量が大きくなるほど少ない量を低減させた値を前記第2の補正量とする
    請求項1乃至4の何れか1項記載の描画装置。
  6. 前記第1の導出部は、前記第1の位置及び前記第2の位置のずれ量から、前記被露光基板の平行移動によるずれ、回転によるずれ、及び伸縮によるずれの少なくとも1つを減算したずれ量に基づいて前記第2の補正量を導出する
    請求項1乃至5の何れか1項記載の描画装置。
  7. 前記物理量、及び前記第1の補正量の低減率が対応付けられた低減情報の入力を受け付ける受付部を更に備え、
    前記第2の導出部は、前記第2の算出を実行して前記第2の補正量を導出する場合、前記受付部で受け付けられた低減情報において前記物理量に対応付けられた低減率を用いて、前記物理量が大きくなるほど少ない量を低減させた値を前記第2の補正量とする
    請求項1乃至6の何れか1項記載の描画装置。
  8. 請求項1乃至7の何れか1項記載の描画装置と、
    前記描画装置の前記補正部で補正された座標データに基づいて前記被露光基板に前記描画パターンを露光して描画する露光部と、
    を備えた露光描画装置。
  9. 前記被露光基板に複数の層の描画パターンを積層させて描画する場合に、前記取得部、前記第1の導出部、前記第2の導出部、前記補正部、及び前記露光部を制御し、前記複数の層の各々毎に、前記取得部による取得、前記第1の導出部による導出、前記第2の導出部による導出、前記補正部による補正、及び前記露光部による露光の各々を行う制御部を更に備えた
    請求項8記載の露光描画装置。
  10. 前記物理量の最大許容量を示す許容量情報を記憶する記憶部を更に備え、
    前記制御部は、前記物理量が上記許容量情報によって示される最大許容量より大きい場合、前記被露光基板に対する前記露光部による露光を禁止する
    請求項9記載の露光描画装置。
  11. 前記制御部は、前記複数の基準マークの各々毎に、前記第2の導出部で導出された第2の補正量に基づいて前記第1の位置を補正して得られる第3の位置を算出し、前記第3の位置と前記第2の位置のずれ量を導出し、前記ずれ量が予め定められた第2閾値より大きい場合に露光を禁止する
    請求項9記載の露光描画装置。
  12. コンピュータを、
    被露光基板に設けられた複数の基準マークの設計上の位置である第1の位置を示す座標データ、前記第1の位置を基準として定められた前記被露光基板に描画する描画パターンを示す座標データ、及び前記複数の基準マークの各々の実際の位置である第2の位置を示す座標データを取得する取得部と、
    前記複数の基準マークの各々毎に、前記第1の位置及び前記第2の位置のずれに対する第1の補正量を導出する第1の導出部と、
    前記第1の導出部で導出された前記第1の補正量が予め定められた第1閾値以下である場合に当該第1の補正量を第2の補正量とし前記第1閾値より多い場合に前記第1閾値を前記第2の補正量とする第1の算出、及び前記第1の補正量の各々から前記第1の位置及び前記第2の位置に基づく前記被露光基板の歪みの大きさを示す物理量が大きくなるほど小さな量を低減させた値を前記第2の補正量とする第2の算出の何れか一方を実行して前記第2の補正量を導出する第2の導出部と、
    前記第2の位置を基準として前記被露光基板に前記描画パターンを描画する場合、前記第2の補正量に基づいて前記描画パターンを示す座標データを補正する補正部と、
    として機能させるためのプログラム。
  13. 被露光基板に設けられた複数の基準マークの設計上の位置である第1の位置を示す座標データ、前記第1の位置を基準として定められた前記被露光基板に描画する描画パターンを示す座標データ、及び前記複数の基準マークの各々の実際の位置である第2の位置を示す座標データを取得する取得ステップと、
    前記複数の基準マークの各々毎に、前記第1の位置及び前記第2の位置のずれに対する第1の補正量を導出する第1の導出ステップと、
    前記第1の導出ステップで導出された前記第1の補正量が予め定められた第1閾値以下である場合に当該第1の補正量を第2の補正量とし前記第1閾値より多い場合に前記第1閾値を前記第2の補正量とする第1の算出、及び前記第1の補正量の各々から前記第1の位置及び前記第2の位置に基づく前記被露光基板の歪みの大きさを示す物理量が大きくなるほど小さな量を低減させた値を前記第2の補正量とする第2の算出の何れか一方を実行して前記第2の補正量を導出する第2の導出ステップと、
    前記第2の位置を基準として前記被露光基板に前記描画パターンを描画する場合、前記第2の補正量に基づいて前記描画パターンを示す座標データを補正する補正ステップと、
    を備えた描画方法。
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