JP5336301B2 - パターン描画方法、パターン描画装置および描画データ生成方法 - Google Patents

パターン描画方法、パターン描画装置および描画データ生成方法 Download PDF

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Description

この発明は、描画ブロックに含まれる描画パターンを描画対象物上の下地パターンに重ね合わせながら描画データにしたがって前記描画ブロックを前記描画対象物に描画するパターン描画方法およびパターン描画装置、ならびに上記描画データの生成方法に関するものである。
近年、半導体基板(以下単に「基板」という)に形成されるLSI(Large Scale Integrated Circuit)の高集積化に伴い、電子ビームを照射してパターンを描画するパターン描画装置(電子ビーム露光装置とも呼ばれる。)が利用されている。このパターン描画装置では、基板に描画すべき描画パターンを含む描画ブロックがレイアウトCAD(Computer Aided Design)データにしたがって基板に描画される。すなわち、レイアウトCADデータはGDSIIと称される階層構造を有するセルデータ要素の集合として表現されたフォーマット形式を有している。そして、パターン描画装置は、レイアウトCADデータを描画データに変換し、当該描画データにしたがってレーザ光や放射光などのエネルギービームを基板(描画対象物)に照射して描画している(例えば、特許文献1参照)。
特許第4020248号公報
ところで、基板にLSIを形成するためには、上記のようにして描画パターンを基板上に既設の下地パターンに重ね合わせながら焼き付ける処理(いわゆる露光処理)が行われるのみならず、レジスト塗布処理、現像処理、エッチング処理および洗浄処理などが繰り返して行われる。したがって、描画パターンをレイアウトCADデータに従って所望位置(本発明の「初期描画位置」に相当)に描画したとしても、上記した処理を受けている間に基板の伸縮が発生してしまっているために下地パターンからずれて描画パターンが描画されてしまうことがあった。
そこで、上記した特許文献1に記載の発明では、レイアウトCADデータから変換した描画データ(ラスタデータ)を修正する、より具体的には描画ブロック間の間隔を変更することにより、描画位置を初期描画位置から修正し、これによって描画パターンを下地パターンに一致させて描画している。したがって、基板が均等に伸縮する場合には、描画を良好に行うことができ、優れた製品を製造することができる。
しかしながら、基板が非線形に歪んだ場合には、上記した特許文献1に記載の発明を用いたとしても描画パターンを下地パターンに一致させることは困難であった。
この発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、描画ブロックの描画位置を高精度に調整して描画パターンを下地パターンに一致させながら描画対象物に描画することができるパターン描画方法、パターン描画装置および描画データ生成方法を提供することを目的とする。
この発明にかかるパターン描画方法は、上記目的を達成するため、描画ブロックに含まれる描画パターンを描画対象物の初期描画位置に描画することを示す、レイアウト画像データに対して描画ブロックの周囲が非描画領域であることを示すデータを付加して拡張画像データを作成するデータ拡張工程と、拡張画像データを描画データに変換して拡張描画データを得るデータ変換工程と、描画対象物への描画パターンの描画前に描画対象物に対して形成された、下地パターンの初期描画位置からの位置ズレ量を検出する検出工程と、描画ブロックと同一サイズで、かつ位置ズレ量に対応して描画ブロックからずれたデータ領域内の描画データを拡張描画データから抽出するデータ抽出工程と、データ抽出工程で抽出された描画データに基づき描画パターンを描画対象物上の描画ブロック描画する描画工程とを備えたことを特徴としている。
また、この発明にかかるパターン描画装置は、描画対象物に形成された下地パターンに対して描画パターンを重ね合わせて描画するパターン描画装置であって、上記目的を達成するため、描画ブロックに含まれる描画パターンを描画対象物の初期描画位置に描画することを示す、レイアウト画像データに対して描画ブロックの周囲が非描画領域であることを示すデータを付加して拡張画像データを作成するデータ拡張部と、拡張画像データを描画データに変換して拡張描画データを得るデータ変換部と、描画対象物に形成された下地パターンの初期描画位置からの位置ズレ量を検出する検出部と、位置ズレ量に対応して描画ブロックからずれるとともに描画ブロックと同一サイズの描画データを拡張描画データから抽出するデータ抽出部と、データ抽出部で抽出された描画データに基づきエネルギービームを描画対象物に照射して描画ブロックを描画する照射部とを備えたことを特徴としている。
また、この発明にかかる描画データ生成方法は、描画ブロックに含まれる描画パターンを描画対象物の初期描画位置に描画することを示す、レイアウト画像データから描画データを生成する描画データ生成方法であって、レイアウト画像データに対して描画ブロックの周囲が非描画領域であることを示すデータを付加して拡張画像データを作成するデータ拡張工程と、拡張画像データを描画データに変換して拡張描画データを得るデータ変換工程と、描画対象物に形成されている下地パターンの初期描画位置からの位置ズレ量を検出する検出工程と、描画ブロックと同一サイズで、かつ位置ズレ量に対応して描画ブロックからずれたデータ領域内の描画データを拡張描画データから抽出して描画データを得るデータ抽出工程とを備えたことを特徴としている。
描画対象物に既に形成されている下地パターンが描画パターンの初期描画位置に対して位置ズレを生じている場合、レイアウト画像データにしたがって描画ブロックをそのまま描画すると、当該描画ブロックに含まれる描画パターンが下地パターンに重なり合わず、製品不良が生じる。そこで、本発明(パターン描画方法、パターン描画装置および描画データ生成方法)では、描画ブロックの周囲が非描画領域であることを示すデータがレイアウト画像データに対して付加されて拡張画像データが形成され、さらに描画データに変換されて拡張描画データが形成される。そして、上記位置ズレ量に対応して描画ブロックからずれるとともに描画ブロックと同一サイズの描画データが拡張描画データから抽出される。したがって、このようにして抽出された描画データに基づき描画ブロックが描画されると、当該描画ブロックに含まれる描画パターンが下地パターンと高精度に重なり合う。
ここで、初期描画位置からの下地パターンの位置ズレ量を所定の位置ズレ許容値以下としている場合、描画ブロックの外周から位置ズレ許容値だけ離れた範囲内を非描画領域とすることができる。これにより拡張描画データから所望の描画データを抽出することができる。
また、位置ズレ量については次のようにして求めることができる。つまり、レイアウト画像データに含まれる第1基準マークに対応して描画対象物に形成された第2基準マークの位置を取得し、第1基準マークの位置と第2基準マークの位置から位置ズレ量を求めることができる。こうして位置ズレ量を高精度に求めることができる。
また、描画対象物は周辺環境(温度や湿度など)に応じて伸縮することがある。そこで、光ビームを描画対象物に向けて出射する照射部に対して描画対象物を相対的に移動させることによって描画ブロックを描画する際、変倍率に応じて描画対象物の相対移動を調整してもよい。これにより変倍に伴う寸法変動に対して効果的に補正することができる。描画対象物が非線形に歪んだ場合には、単なる移動調整のみでは高精度に描画パターンを下地パターンに位置合せすることは難しいが、上記発明を組み合わせることで描画ブロックの描画位置を高精度に調整して描画パターンを下地パターンに一致させながら描画対象物に描画することができる。なお、このように変倍率に応じて描画対象物の相対移動を調整した場合には、変倍率に基づき第2基準マークの位置を補正し、その補正された第2基準マークの位置と第1基準マークの位置から位置ズレ量を求める必要がある。
また、描画対象物に形成される下地パターンは1個の場合もあるが、複数個形成されており、各下地パターンに対して描画ブロックの描画パターンを重ね合わせて描画することがある。この場合、拡張画像データ全体を描画データに変換して拡張描画データを得てもよいが、次のようにして拡張描画データを得てもよい。すなわち、拡張画像データに含まれる複数の描画ブロックのうち1つを変換対象ブロックとし、この変換対象ブロックの周囲に位置する非描画領域と変換対象ブロックを含む画像データを描画データに変換して得られた描画データと、複数の描画ブロックの配置情報に基づき拡張描画データを求めてもよい。この場合、拡張画像データを拡張描画データに変換するために要する処理時間を短縮することができ、拡張画像データに含まれる描画パターン数が増大するにしたがって上記作用効果は顕著なものとなる。
なお、上記のように拡張描画データから複数の描画データを抽出した場合、それらの描画データを合成して合成描画データを作成し、当該合成描画データにしたがって描画対象物に複数の描画ブロックを描画してもよい。
この発明によれば、描画ブロックの周囲が非描画領域であることを示すデータをレイアウト画像データに対して付加してなる拡張画像データを描画データに変換されて拡張描画データを形成するとともに、初期描画位置からの下地パターンの位置ズレ量に応じて描画データを拡張描画データから抽出しているので、描画パターンを下地パターンに高精度に重ね合わせることができる。
本発明にかかるパターン描画装置の一実施形態を示す斜視図である。 図1に示すパターン描画装置の側面図である。 図1のパターン描画装置の電気的構成を示すブロック図である。 図1のパターン描画装置の動作概要を示す模式図である。 図1のパターン描画装置の動作を示すフローチャートである。 歪み補正量の導出を示すフローチャートである。 レチクルCADデータおよびレイアウトCADデータを模式的に示す図である。 図1の装置で実行されるデータ処理の内容を模式的に示す図である。 参照アライメントマーク座標と基板上マーク座標の関係を模式的に示す図である。 本発明にかかるパターン描画装置の他の実施形態での歪み補正量の導出動作を示すフローチャートである。 変倍率の算出方法を示す模式図である。 本発明にかかる別の実施形態で実行される歪み補正量の導出を示すフローチャートである。 本発明にかかるさらに別の実施形態で実行される歪み補正量の導出を示すフローチャートである。
図1は本発明にかかるパターン描画装置の一実施形態を示す斜視図であり、図2は図1に示すパターン描画装置の側面図であり、図3は図1のパターン描画装置の電気的構成を示すブロック図である。このパターン描画装置1では、基台2の一方端側領域(図1および図2の左手側領域)が基板Wの受け渡しを行う基板受渡領域となっているのに対し、他方端側領域(図1および図2の右手側領域)が基板Wへのパターン描画を行うパターン描画領域となっている。この基台2上では、基板受渡領域とパターン描画領域の境界位置にヘッド支持部21が設けられている。このヘッド支持部21では、基台2から上方に2本の脚部材211、212が立設されるとともに、それらの脚部材211、212の頂部を橋渡しするように梁部材213が横設されている。そして、このように構成されたヘッド支持部21のパターン描画領域側で光学ヘッド3が上下方向Zに移動自在に取り付けられており、露光制御部41からの動作指令に応じてヘッド移動機構30が作動することで後述するステージ5に保持される基板Wと光学ヘッド3との距離を高精度に調整可能となっている。
この光学ヘッド3は本発明の「照射部」に相当するものであり、光源31から出射した光ビームを後述するラスターデータに基づき変調する。そして、光学ヘッド3は変調光ビームを基板Wに対して照射して露光する。これによって、この露光処理に先立って実行されたプロセスにより基板Wに形成されている下地パターンに対して描画パターンが重ねて描画される。なお、光学ヘッド3としては、特許文献1に記載された露光ヘッドをはじめとし、光ビームを変調しながら基板Wの表面に照射する光学ユニット全般を用いることができる。
また、基台2の基板受渡領域では、パターン描画領域と反対側の端部に2本の脚部材221、222が立設されている。そして、脚部材221、222の頂部と梁部材213の上面を橋渡しするように光学ヘッド3の照明光学系を収納したボックスが設けられている。また、図2に示すように、梁部材213の基板受渡領域側側面にカメラ(撮像部)6が固定されてステージ5に保持された基板Wの表面(被描画面、被露光面)を撮像可能となっている。
この基板受渡領域の近傍には、基板収納カセットCS、プリアライメント部PAおよび基板搬送ロボット7が配置されている。この基板搬送ロボット7はウエハなどの基板Wをハンドリングするハンド71および当該ハンド71を移動させるハンド移動機構72などを有している。そして、露光制御部41からの指令に応じてハンド移動機構72が作動することで基板Wが基板収納用のカセットCS、プリアライメント部PAおよび基板受渡領域に位置するステージ5の間で搬送される。すなわち、基板WはカセットCSからプリアライメント部PAに搬送されて、いわゆるプリアライメント処理を受ける。その後、基板搬送ロボット7によりプリアライメント部PAからステージ5に搬送される。また、後述するようにしてパターン描画領域でパターン描画された基板Wはステージ5とともに基板受渡領域に移動され、基板搬送ロボット7によりカセットCSに搬入される。なお、この実施形態では、カセットCSに収納されている露光処理前の基板Wはいくつかのプロセス処理を受けて基板表面に下地パターンが既に形成されるとともに、レジスト膜が塗布されている。
このステージ5は基台2上でステージ移動機構51によりX方向、Y方向ならびにθ方向に移動される。すなわち、ステージ移動機構51は基台2の上面にY軸駆動部(図示省略)、X軸駆動部(図示省略)およびθ軸駆動部(図示省略)をこの順序で積層配置したものであり、ステージ5を水平面内で2次元的に移動させて位置決めする。また、ステージ5をθ軸(鉛直軸)回りに回転させて後述する光学ヘッド3に対する相対角度を調整して位置決めする。なお、このようなステージ移動機構51としては、従来より多用されているX−Y−θ軸移動機構を用いることができる。
上記のように構成されたパターン描画装置1は装置全体を制御するためにコンピュータ8を有している。このコンピュータ8はCPUやメモリ81等を有しており、露光制御部41とともに電装ラック(図示省略)内に配置されている。また、コンピュータ8内のCPUが所定のプログラムに従って演算処理することにより、レイアウト作成部82、拡張処理部83、ラスタライズ部84、補正量算出部85、データ修正部86およびデータ生成部87が実現される。
これらのうちレイアウト作成部82に対し、例えば1つのLSIに相当する画像のデータがデータ入力部88を介して入力される。このデータは外部のCAD等により生成されたデータであり、本実施形態ではレチクルを製造するときに使用するレチクルCADデータを用いている。このレチクルCADデータは半導体業界で一般的に使用されているGDSデータであり、描画パターンを含む描画ブロックを示すCADデータである。そして、レチクルCADデータを受け取ったレイアウト作成部82はLSIを複数個(この実施形態では後述するように5個)予め指定された配置位置(本発明の「初期描画位置」)に配列したレイアウトCADデータ(GDSフォーマット)を作成可能となっている。このレイアウト作成部82で作成されたレイアウトCADデータ811が本発明の「レイアウト画像データ」に相当しており、メモリ81に記憶される。
また、メモリ81に対して拡張処理部83およびラスタライズ部84がそれぞれアクセス可能となっている。これらのうち拡張処理部83はレイアウトCADデータ811をメモリ81から読み出し。後述するようにレイアウトCADデータ811に対して描画ブロック周囲が非描画領域であることを示すデータを付加して拡張CADデータ812を作成する。この拡張CADデータ812が本発明の「拡張画像データ」に相当し、一時的にメモリ81に記憶される。一方、ラスタライズ部84はメモリ81から拡張CADデータ812を読み出し、拡張CADデータ812が示す単位領域を分割してラスタライズし、拡張ラスターデータ813を生成してメモリ81に保存する。
こうして形成される拡張ラスターデータ813が本発明の「拡張描画データ」に相当するが、この拡張ラスターデータ813の準備後、または、拡張ラスターデータ813の準備と並行して、上記のようにしてカセットCSに収納されている未処理の基板Wがロボット7により搬出され、プリアライメント部PAによるプリアライメント処理を受けた後にロボットによってステージ5に載置される。
その後、ステージ移動機構51によりステージ5がカメラ6の直下位置に移動して基板W上の各アライメントマーク(基準マーク)を順番にカメラ6の撮像可能位置に位置決めし、カメラ6によるマーク撮像が実行される。カメラ6から出力される画像信号は電装ラック内の画像処理回路(図3において図示省略)により処理され、レイアウトCADデータに含まれる参照アライメントマークに対応して基板W上に形成されるマーク(以下「基板上マーク」という)の位置が正確に求められる。このように、本実施形態では、参照アライメントマークが本発明の「第1基準マーク」に相当し、基板上マークが本発明の「第2基準マーク」に相当している。
図3に示す補正量算出部85は、画像処理回路にて求められた基板上マークの位置を求め、さらに参照アライメントマークの基板上マークからの位置ズレ量を求めた後、当該位置ズレ量から基板Wの歪みに伴う補正量を求める。そして、補正量算出部85は歪み補正量をデータ修正部86に与える。一方、この歪み補正量を受け取ったデータ修正部86は拡張ラスターデータ813をメモリ81から読み出し、さらに歪み補正量に基づき拡張ラスターデータ813からのデータ切出位置を調整して修正ラスターデータ814を作成し、修正ラスターデータ814をメモリ81に保存するとともに、データ生成部87に与える。このデータ生成部87では、変更後の分割領域に対応する描画データ、すなわち、1つのストライプに相当するデータが生成される。
こうして生成された描画データは、データ生成部87から露光制御部41へと送られ、露光制御部41が光学ヘッド3、ヘッド移動機構30およびステージ移動機構51の各部を制御することにより1ストライプ分の描画が行われる。また、1つのストライプに対する露光記録が終了すると、次の分割領域に対して同様の処理(データ生成部87による1ストライプ分のデータ生成および1ストライプの描画処理)が行われ、ストライプごとの描画が繰り返される。こうして、基板W上の全ストライプの描画が終了して基板Wの表面への所望パターンの記録が完了すると、ステージ5は記録済み基板Wを載置したまま基板受渡位置(図1および図2の左側領域)に移動した後、基板搬送ロボット7により基板WがカセットCSへと戻され、次の基板Wが取り出されて上記と同様の一連の処理が繰り返される。さらに、カセットCSに収納されている全ての基板Wに対するパターン描画が終了すると、カセットCSがパターン描画装置1から搬出される。
次に、上記のように構成された装置各部のうち、本実施形態の特徴部分となる、レイアウト作成部82、拡張処理部83、ラスタライズ部84、補正量算出部85およびデータ修正部86の動作について、動作概要と詳細動作に分けて以下に詳述する。
図4は図1のパターン描画装置の動作概要を示す模式図である。この実施形態では、基板Wの表面Wfに既に設けられている下地パターンPTNの各々に対してレイアウトCADデータ811で示される描画ブロック91が重ね合わせて描画される。ここで、基板Wは上記したように当該パターン描画装置1に送り込まれる前に種々のプロセス処理(レジスト塗布処理、現像処理、洗浄処理など)を受けており、その間に基板Wそのものに歪みが発生することがある。また、基板Wはその製造条件や環境条件などに起因して寸法変動が生じることがある。したがって、同図の1点鎖線(※図面を修正しました)で示すように、設計にしたがって作成されたレイアウトCADデータ811に基づき描画ブロック91を基板Wの初期描画位置に描画して露光した場合に、下地パターンPTNからずれてしまうことがある。
そこで、本実施形態では、レイアウトCADデータ811をそのままラスタライズして得られるラスターデータを用いて描画するのではなく、歪み量を考慮した修正ラスターデータ814を作成し、当該修正ラスターデータ814にしたがって描画ブロック91を基板Wに描画している。その結果、同図の2点鎖線で示すように、描画ブロック91に含まれる描画パターン92を下地パターンPTNに正確に重ね合わせることができる。以下、その動作の詳細について、図4〜図9を参照しつつ説明する。
図5は図1のパターン描画装置の動作を示すフローチャートである。また、図6は歪み補正量の導出を示すフローチャートである。また、図7はレチクルCADデータおよびレイアウトCADデータ811を模式的に示す図である。この実施形態では、上記したように、カセットCSに収納されている未処理の基板Wをステージ5に移載する前、またはそれと並行して、コンピュータ8に対してCADデータが入力され(ステップS1)、コンピュータ8がレイアウトCADデータ811の作成(ステップS2)および拡張CADデータの作成(ステップS3)を実行する。このCADデータは例えば図7に示す描画パターン92を含む描画ブロック91で構成されたレチクルCADデータであり、例えば半導体業界で一般的に使用されているGDSフォーマットのデータである。なお、同図中の三角印は描画パターン92中の特徴部位を模式的に示したものであり、参照アライメントマーク(第1基準データ)RM1〜RM4として機能する。一般的には描画ブロック91内に存在する形状計測に適した数十μm程度のパターンを選定することができる。また、各参照アライメントマークRM1〜RM4の位置、つまり参照アライメントマーク座標RM1(rx1、ry1)、RM2(rx2、ry2)、RM3(rx3、ry3)、RM4(rx4、ry4)が予め記憶されており、後述するように歪み補正量を求める際に利用される。また、同実施形態では参照アライメントマークを4個設定しているが、個数や形状はこれに限定されるものではない。
レチクルCADデータを受け取ったコンピュータ8は基板W上での描画ブロック91のショット位置(初期描画位置)に関する情報に基づきレイアウトCADデータ811を作成する。図7(b)では、5つの描画ブロック91を初期描画位置(bx1、by1)、…、(bx5、by5)に配置する旨を示すレイアウトCADデータ811がGDSフォーマットで作成される(ステップS2)。そして、コンピュータ8は上記レイアウトCADデータ811に対して隙間を挿入して拡張CADデータ812を作成し(ステップS3)、さらにRIP処理、切出処理および合成処理を実行する。ここでは、理解を容易なものとするため、一列に並ぶ3つの描画ブロック91に対するデータ拡張処理などを図8を参照しつつ説明するが、他の描画ブロック91も全く同様である。
図8は図1の装置で実行されるデータ処理の内容を模式的に示す図である。上記したように基板Wに対してプロセス処理を施すことで基板Wに歪みが生じるが、その歪み量はシミュレーションや実験などにより予め求めておくことができる。本実施形態では予め想定される基板Wの歪み量の範囲を求めておき、その範囲中の最大値Mだけ描画ブロック91の周囲に非描画領域であることを示すデータを付加して隙間93を入れておく。したがって、互いに隣接する2つの描画ブロック91の隙間93は2Mに設定される。現在実用化されているプロセス処理では、例えば1〜5μm程度の歪み量が生じるため、隙間量Mとしては5μm程度に設定することができる。なお本実施形態では、レイアウトCADデータ811の作成(ステップS2)と拡張CADデータ812の作成(ステップS3)をこの順序で実行しているが、両ステップS2、S3を同時に行ってもよい。
次に、コンピュータ8のラスタライズ部84が拡張CADデータ812に対してRIP(Raster image processor)処理を行って描画ブロック単位にラスターデータを得る(ステップS4)。このRIP処理は、ベクターデータである拡張CADデータ812を描画に必要な高解像度のラスターデータに変換する処理であり、従来より周知のRIP処理を用いることができる。なお、本明細書では、拡張CADデータ812をRIP処理して得られたラスターデータを「拡張ラスターデータ813」と称し、レイアウトCADデータをRIP処理して得られたラスターデータと区別する。
また、この実施形態では、拡張CADデータ812全体に対してRIP処理を施しているが、1つの描画ブロック91に対してRIP処理を行う一方、残りの描画ブロック91に関しては配置情報をオフセットし、RIP処理済みの描画ブロック91のラスターデータを参照するようにしてもよい。これは、半導体装置や液晶装置のパターンを形成するCADデータで採用されている、セル(GDSII規格ではSTRUCTUREに対応)と呼ばれる概念を用いたものであり、描画ブロック91をセルとし、描画ブロック91を定義する「STRUCTURE」と、それを配置(利用)する「SREF」とで表現することができる。つまり、描画ブロック91そのもののパターンを表現するSTRUCTURE
CHIPと、描画ブロック91の基板レイアウトを表現するSTRUCTURE
WAFERを用意する。そして、STRUCTURE CHIPには描画パターンを定義しておき、STRUCTURE WAFERには、
SREF bx1,by1 CHIP
SREF bx2,by2 CHIP
SREF bx3,by3 CHIP
SREF bx4,by4 CHIP
SREF bx5,by5 CHIP
と定義しておく。そして、実際のRIP処理では、まずSTRUCTURE
WAFERの中身を走査してSREFで参照されている他のSTRUCTUREのリストを作成する。次に、当該リストに記載されているSTRUCTURE単位にRIP処理を実行する。このようにして拡張ラスターデータ813を作成することで、拡張CADデータ812全体に対してRIP処理を施して拡張ラスターデータ813を得る場合よりも、RIP処理に要する時間を短縮することができる。
次のステップS5では、コンピュータ8の補正量算出部85が各描画ブロック91について歪み補正量を求める。すなわち、図6に示すように、最初の描画ブロック91について参照アライメントマーク座標RM1(rx1、ry1)、RM2(rx2、ry2)、RM3(rx3、ry3)、RM4(rx4、ry4)をレイアウトCADデータから選定する(ステップS51)。そして、各参照アライメントマークRM1、RM2、RM3、RM4に対応して基板Wに形成されているマーク(以下「基板上マーク」という)MK1、MK2、MK3、MK4をそれぞれ撮像して最初の描画ブロック91に対応する基板上マーク座標MK1(mx1、my1)、MK2(mx2、my2)、MK3(mx3、my3)、MK4(mx4、my4)を求める(ステップS52)。この実施形態では、各基板上マークMK1、MK2、MK3、MK4が本発明の「第2基準マーク」に相当している。
それに続いて、以下の演算、つまり
dx1=mx1−rx1、dy1=my1−ry1、
dx2=mx2−rx2、dy2=my2−ry2、
dx3=mx3−rx3、dy3=my3−ry3、
dx4=mx4−rx4、dy4=my4−ry4
が実行されて両マークの差分(dx1、dy1)、(dx2、dy2)、(dx3、dy3)、(dx4、dy4)が算出される(ステップS53)。こうして得られた差分(dx1、dy1)、(dx2、dy2)、(dx3、dy3)、(dx4、dy4)が下地パターンPTNとの位置ズレ量に相当する。このステップS53が本発明の「検出工程」に相当する。
次のステップS54では、コンピュータ8の補正量算出部85が描画ブロック91について、差分(dx1、dy1)、(dx2、dy2)、(dx3、dy3)、(dx4、dy4)から当該描画ブロック91の歪み補正量を求める。なお、この実施形態では、図9に示すように。投影変換による補正を用いている。
図9は参照アライメントマーク座標と基板上マーク座標の関係を模式的に示す図である。同図中の符号Trans(x,y)は参照アライメントマーク座標RM1(rx1、ry1)、RM2(rx2、ry2)、RM3(rx3、ry3)、RM4(rx4、ry4)を基板上マーク座標MK1(mx1、my1)、MK2(mx2、my2)、MK3(mx3、my3)、MK4(mx4、my4)に投影する変換関数を表している。この実施形態では、変換関数Trans(x,y)は、参照アライメントマーク座標RM1(rx1、ry1)、RM2(rx2、ry2)、RM3(rx3、ry3)を基板上マーク座標MK1(mx1、my1)、MK2(mx2、my2)、MK3(mx3、my3)に投影するアフィン変換で表される。もちろん、参照アライメントマーク座標RM1(rx1、ry1)、RM3(rx3、ry3)、RM4(rx4、ry4)を基板上マーク座標MK1(mx1、my1)、MK3(mx3、my3)、MK4(mx4、my4)に投影するアフィン変換でもよいし、または参照アライメントマーク座標RM1(rx1、ry1)、RM2(rx2、ry2)、RM3(rx3、ry3)、RM4(rx4、ry4)を基板上マーク座標MK1(mx1、my1)、MK2(mx2、my2)、MK3(mx3、my3)、MK4(mx4、my4)に投影する斜影変換であってもよい。
コンピュータ8の補正量算出部85は上記したように参照アライメントマーク座標(設定値)と基板上マーク座標(計測値)に基づき変換関数Trans(x,y)を求める。また、各描画ブロック91の初期描画位置(bx1,by1)…(bx5,by5)を変換関数Trans(x,y)により基板W上の位置(wbx1,wby1)…(wbx5,wby5)にそれぞれ変換し、初期描画位置との差分を次式、
bdx1=wbx1−bx1、bdy1=wby1−by1、
bdx2=wbx2−bx2、bdy2=wby2−by2、
bdx3=wbx3−bx3、bdy3=wby3−by3、
bdx4=wbx4−bx4、bdy4=wby4−by4
にしたがって求める。さらに、補正量算出部85はこれらの差分bdx1、bdy1、bdx2、bdy2、bdx3、bdy3、bdx4、bdy4をRIP処理の解像度で割り、その商を歪み補正量として求める。
こうした歪み補正量の算出処理(ステップS51〜S54)については、全ての描画ブロック91について実行されるまで繰り返して実行される。つまり、ステップS55で未処理の描画ブロック91が残っていると判断される間、ステップS51に戻り、上記したステップS51〜S54の処理が繰り返される。
図5に戻ってパターン描画装置の動作説明を続ける。上記のようにして各描画ブロック91について歪み補正量が求まると、コンピュータ8のデータ修正部86がメモリ81から拡張ラスターデータ813を読み出し、元の描画ブロック91の初期描画位置(bxi,byi)から歪み補正量だけシフトさせた位置のデータを切り出す(データ抽出工程:ステップS6)。例えば図8中の「(d)切出処理」の欄に示すように、元の描画ブロック91は細破線位置であるが、基板Wの歪みに応じた各描画ブロック91の歪み補正量だけずれた太破線位置のブロック94が修正後の描画ブロック91Aとして切り出される。したがって、ブロックサイズについては元の描画ブロック91と切出描画ブロック91Aとは一致するものの、当該ブロック内での描画パターン92は歪み補正量だけシフトしている。
そして、データ修正部86はこのように切出された描画ブロック91Aを合成して修正ラスターデータ814を作成し、メモリ81に記憶させるとともに、修正ラスターデータ814をデータ生成部87に送る。このデータ生成部87は修正ラスターデータ814に基づき1走査分の描画データを生成し、露光制御部41に送り、1走査分の描画が行われる。このような描画を繰り返して基板W全体に5個分の描画パターン92を描画する(ステップS8)。
以上のように、本実施形態によれば、非描画領域であることを示すデータが描画ブロック91の周囲に付加された拡張ラスターデータ813を形成するとともに、下地パターンPTNとの位置ズレを考慮しながら拡張ラスターデータ813から描画ブロック91Aを抽出し、当該描画ブロック91Aを描画している。これによって、描画パターン92を下地パターンと高精度に重なり合わせながら基板Wに描画パターン92を描画することが可能となっている。
ところで、基板Wはその製造条件や環境条件などに起因して寸法変動が生じるが、その際、基板Wの寸法が伸縮するような態様で変動することがある。この場合、例えば特開2001−264654号公報に記載の発明と同様に、ステージ移動機構51によるステージ5の移動量を当該基板Wの伸縮に応じて制御することで、その影響を抑制することができる。本発明にかかるパターン描画装置の他の実施形態ではそれを用いているが、この場合、変倍成分はステージ5の移動調整により補正されるので、図10に示すように、歪み補正量を算出する際に変倍成分を考慮する必要がある。以下、図10および図11を参照しつつ本発明にかかるパターン描画装置の他の実施形態について、先の実施形態と大きく相違する点を中心に説明する。
図10は本発明にかかるパターン描画装置の他の実施形態での歪み補正量の導出動作を示すフローチャートである。また、図11は変倍率の算出方法を示す模式図である。この実施形態では、歪み補正量を算出する際、まず最初の描画ブロック91について参照アライメントマーク座標RM1(rx1、ry1)、RM2(rx2、ry2)、RM3(rx3、ry3)、RM4(rx4、ry4)をレイアウトCADデータから選定し(ステップS51)、さらに各参照アライメントマークRM1、RM2、RM3、RM4に対応する基板上マークMK1、MK2、MK3、MK4をそれぞれ撮像して最初の描画ブロック91に対応する基板上マーク座標MK1(mx1、my1)、MK2(mx2、my2)、MK3(mx3、my3)、MK4(mx4、my4)を求める(ステップS52)。
この後、先の実施形態ではそのまま両マークの差分(dx1、dy1)、(dx2、dy2)、(dx3、dy3)、(dx4、dy4)を算出している(ステップS53)のに対し、本実施形態ではX、Y方向の変倍率を求め(ステップS56)、当該変倍率に基づき基板上マーク座標を補正した(ステップS57)上で、当該補正済マーク座標と参照アライメントマーク座標との位置ズレ量を算出している(検出工程:ステップS58)。これは、上記したように基板Wの伸縮による影響をステージ5の移動調整によってメカ的に補正しているの対応したものであり、各ステップS56〜S58の詳しい処理内容は以下の通りである。
ステップS56では、X方向の変倍率mag_xについては、X方向に最も離れた2点(この実施形態では、図11に示すように基板上マークMK1、MK3のX座標値mx1、mx3)に基づき求めている。つまり、
mag_x=(rx3−rx1)/(mx3−mx1)
ただし、mx3>mx1
にしたがってX方向の変倍率mag_xを算出している。
一方、Y方向の変倍率mag_yについては、Y方向に最も離れた2点(この実施形態では、図11に示すように基板上マークMK2、MK4のY座標値my2、my4)に基づき求めている。つまり、
mag_y=(ry4−ry2)/(my4−my2)
ただし、my4>my2
にしたがってY方向の変倍率mag_yを算出している。
こうして求めた変倍率mag_x、mag_yを計測して求めた基板上マーク座標MK1(mx1、my1)、MK2(mx2、my2)、MK3(mx3、my3)、MK4(mx4、my4)に掛けて補正する(ステップS57)。そして、以下の式
dx1=(mag_x)*mx1−rx1、
dy1=(mag_y)*my1−ry1、
dx2=(mag_x)*mx2−rx2、
dy2=(mag_y)*my2−ry2、
dx3=(mag_x)*mx3−rx3、
dy3=(mag_y)*my3−ry3、
dx4=(mag_x)*mx4−rx4、
dy4=(mag_y)*my4−ry4
に基づき補正済のマーク座標と参照アライメントマーク座標(設計値)の差分(dx1、dy1)、(dx2、dy2)、(dx3、dy3)、(dx4、dy4)を算出する(ステップS58)。
その後は、先の実施形態と同様に、コンピュータ8の補正量算出部85が描画ブロック91について、差分(dx1、dy1)、(dx2、dy2)、(dx3、dy3)、(dx4、dy4)から当該描画ブロック91の歪み補正量を求める。そして、全描画ブロック91について歪み補正量の算出が完了すると、歪み補正量に基づく拡張ラスターデータ813からのブロックの切出処理(ステップS6)、切出された描画ブロック91Aの合成・修正ラスターデータ814の作成(ステップS7)、修正ラスターデータ814に基づくパターンの描画(ステップS8)をこの順序で実行する。
ところで、上記実施形態では、各描画ブロックについて参照アライメントマークの選定、基板上マークの撮像および差分算出を行っているため、歪み補正量を高精度に算出することができるが、1つの基板に描画すべき描画ブロックの個数が増大するにつれて処理時間が長くなる。そこで、例えば図12に示すように、参照アライメントマークの選定、基板上マークの撮像および差分算出を1回だけ行い、それにより得られたズレ量に基づき各描画ブロックの歪み補正量を算出するように構成してもよい。この場合、描画パターン92を下地パターンと重なり合わせながら短時間で基板Wに描画パターン92を描画することができる。
図12は本発明にかかる別の実施形態で実行される歪み補正量の導出を示すフローチャートである。この実施形態では、レイアウトCADデータに含まれる全参照アライメントマーク座標から任意の4つが選定される(ステップS51A)。そして、図6に示す実施形態と同様に、各参照アライメントマークに対応して基板Wに形成されている基板上マークをそれぞれ撮像して基板上マーク座標を求める(ステップS52)。それに続いて、上記した式で示す演算が実行されて両マークの差分が算出される(ステップS53)。こうして得られた差分が下地パターンPTNとの位置ズレ量に相当する。そこで、コンピュータ8の補正量算出部85が描画ブロック91について、上記差分から各描画ブロック91の歪み補正量を求める。このように、参照アライメントマークの選定から差分算出までの処理を1回で完了させるように構成することでパターン描画に要する時間を短縮することができる。なお、この点については、図6に示す実施形態のみならず、図10で示す実施形態にも適用可能である。
図13は本発明にかかるさらに別の実施形態で実行される歪み補正量の導出を示すフローチャートである。図10と図13とを対比することで明らかなように、描画ブロックごとに参照レイアウトマーク座標を選定する(ステップS51)代わりに、全参照アライメントマーク座標から任意の4つを選定し(ステップS51A)、さらに、それらの参照アライメントマーク座標から全描画ブロックに基づく描画ブロックの歪み補正量を算出してもよい。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記実施形態では、投影変換による補正を用いているが、投影変換以外の方法を用いてよい。例えば上記実施形態では参照アライメントマーク座標RM1(rx1、ry1)、RM2(rx2、ry2)、RM3(rx3、ry3)を基板上マーク座標MK1(mx1、my1)、MK2(mx2、my2)、MK3(mx3、my3)に投影するアフィン変換を用いているが、この場合、2つの三角形の境界付近では位置ズレが大きくなる傾向にあり、異なる可能性が生じる。これを回避する方法として、例えばブロック配置位置に最も近い座標を求め、それらの座標に対応する基板上の座標との位置ズレに基づき歪み補正量を求めてもよい。
また、最近点変換による補正を採用してもよい。つまり、各描画ブロック91において、描画ブロック91の配置位置から参照アライメントマーク座標RM1(rx1、ry1)、…、RM4(rx4、ry4)までの距離をそれぞれ求め、最も近い点に対応する位置ズレ量に基づき歪み補正量を求めてもよい。例えば、描画ブロック91の初期描画位置(bx1、by1)が参照アライメントマーク座標RM1(rx1、ry1)に最も近い場合、
bdx1=rx1−mx1
bdy1=ry1−my1
となる。また、初期描画位置(bx1、by1)から各参照アライメントマーク座標RM1〜RM4までの距離に応じて重み付けを行ってもよい。つまり、初期描画位置(bx1、by1)から各参照アライメントマークRM1〜RM4までの距離を、それぞれW1〜W4としたとき、
bdx1=(rx1−mx1)*W1+(rx2−mx2)*W2
+(rx3−mx3)*W3+(rx4−mx4)*W4
bdy1=(ry1−my1)*W1+(ry2−my2)*W2
+(ry3−my3)*W3+(ry4−my4)*W4
で位置ズレ量を求めてもよい(検出工程)。
これらの最近点変換を用いた場合、参照アライメントマークの点数は2点でも、4点以上でも同じアルゴリズムで適用することができる。これに対し、投影変換では、4点以上になった場合には、投影平面を構成する頂点データの選択の仕方により、補正結果が異なってくるため、参照アライメントマークの点数が多くなるにしたがって最近点変換の方が投影変換よりも有利であると言える。
また、参照アライメントマークの点数が多くなると、描画ブロックから配置位置(bxi、byi)から各参照アライメントマークまでの距離計算に要する時間が増大するが、この場合ボロノイ図を利用してもよい。というのも、ボロノイ図を用いることで、複数の参照アライメントマークがある平面に任意の点を配置し、どの参照点が最も近いかを高速に求めることができるからである。
また、本発明の適用対象はウエハなどの半導体基板Wを本発明の「描画対象物」として当該基板に対して光を照射して描画する装置に限定されるものではなく、描画パターン92を有する描画ブロック91が描画されるプリント配線基板等の描画対象物に利用することができる。
1…パターン描画装置
3…光学ヘッド(照射部)
8…コンピュータ
83…拡張処理部
85…補正量算出部(検出部、データ抽出部)
91…描画ブロック
92…描画パターン
93…切出描画ブロック
813…拡張ラスターデータ
814…修正ラスターデータ
PTN…下地パターン
W…基板(描画対象物)

Claims (9)

  1. 描画ブロックに含まれる描画パターンを描画対象物の初期描画位置に描画することを示す、レイアウト画像データに対して前記描画ブロックの周囲が非描画領域であることを示すデータを付加して拡張画像データを作成するデータ拡張工程と、
    前記拡張画像データを描画データに変換して拡張描画データを得るデータ変換工程と、
    前記描画対象物への前記描画パターンの描画前に前記描画対象物に対して形成された、下地パターンの前記初期描画位置からの位置ズレ量を検出する検出工程と、
    前記描画ブロックと同一サイズで、かつ前記位置ズレ量に対応して前記描画ブロックからずれたデータ領域内の描画データを前記拡張描画データから抽出するデータ抽出工程と、
    前記データ抽出工程で抽出された描画データに基づき描画パターンを前記描画対象物上の前記描画ブロック描画する描画工程と
    を備えたことを特徴とするパターン描画方法。
  2. 前記初期描画位置からの前記下地パターンの位置ズレ量は所定の位置ズレ許容値以下であり、
    前記データ拡張工程は、前記描画ブロックの外周から前記位置ズレ許容値だけ離れた範囲内を前記非描画領域とする工程である請求項1に記載のパターン描画方法。
  3. 前記検出工程は、
    前記レイアウト画像データに含まれる第1基準マークに対応する前記描画対象物に形成された第2基準マークの位置を取得する工程と、
    前記第1基準マークの位置と前記第2基準マークの位置から前記位置ズレ量を求める工程と
    を有する請求項1または2に記載のパターン描画方法。
  4. 前記検出工程は、前記レイアウト画像データに含まれる第1基準マークに対応する前記描画対象物に形成された第2基準マークの位置を取得する工程と、前記描画対象物の伸縮量を示す変倍率を前記第1基準マークの位置と前記第2基準マークの位置に基づき求める工程と、前記変倍率に基づき前記第2基準マークの位置を補正する工程と、補正された前記第2基準マークの位置と前記第1基準マークの位置から前記位置ズレ量を求める工程とを有し、
    前記描画工程は、光ビームを前記描画対象物に向けて出射する照射部に対して前記描画対象物を相対的に移動させることによって前記前記描画ブロックを描画する工程であり、前記検出工程で求められた前記変倍率に応じて前記描画対象物の相対移動を調整する請求項1または2に記載のパターン描画方法。
  5. 前記描画対象物に前記下地パターンが複数個形成され、前記複数の下地パターンの各々に対して前記描画ブロックの前記描画パターンを重ね合わせて描画する請求項1ないし4のいずれか一項に記載のパターン描画方法。
  6. 前記複数の描画ブロックのうち1つを変換対象ブロックとし、
    前記データ変換工程は、前記変換対象ブロックの周囲に位置する非描画領域と前記変換対象ブロックを含む画像データを描画データに変換して得られる描画データと、前記複数の描画ブロックの配置情報に基づき前記拡張描画データを得る請求項5に記載のパターン描画方法。
  7. 前記描画工程は、前記データ抽出工程で抽出された前記複数の描画データを合成して合成描画データを作成し、前記合成描画データにしたがって前記描画対象物に前記複数の描画ブロックを描画する工程である請求項5または6に記載のパターン描画方法。
  8. 描画対象物に形成された下地パターンに対して描画パターンを重ね合わせて描画するパターン描画装置であって、
    描画ブロックに含まれる前記描画パターンを前記描画対象物の初期描画位置に描画することを示す、レイアウト画像データに対して前記描画ブロックの周囲が非描画領域であることを示すデータを付加して拡張画像データを作成するデータ拡張部と、
    前記拡張画像データを描画データに変換して拡張描画データを得るデータ変換部と、
    前記描画対象物に形成された下地パターンの前記初期描画位置からの位置ズレ量を検出する検出部と、
    前記位置ズレ量に対応して前記描画ブロックからずれるとともに前記描画ブロックと同一サイズの描画データを前記拡張描画データから抽出するデータ抽出部と、
    前記データ抽出部で抽出された描画データに基づきエネルギービームを前記描画対象物に照射して前記描画ブロックを描画する照射部と
    を備えたことを特徴とするパターン描画装置。
  9. 描画ブロックに含まれる描画パターンを描画対象物の初期描画位置に描画することを示す、レイアウト画像データから描画データを生成する描画データ生成方法であって、
    前記レイアウト画像データに対して前記描画ブロックの周囲が非描画領域であることを示すデータを付加して拡張画像データを作成するデータ拡張工程と、
    前記拡張画像データを描画データに変換して拡張描画データを得るデータ変換工程と、
    前記描画対象物に形成されている下地パターンの前記初期描画位置からの位置ズレ量を検出する検出工程と、
    前記描画ブロックと同一サイズで、かつ前記位置ズレ量に対応して前記描画ブロックからずれたデータ領域内の描画データを前記拡張描画データから抽出して前記描画データを得るデータ抽出工程と
    を備えたことを特徴とする描画データ生成方法。
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