JP2014205466A - 車両用電源制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】デューティ比出力の変化量を、ランプのちらつき及び実効電圧の上限超過等が発生しないように調節できる車両用電源制御装置の提供。【解決手段】車載電源1,Bの電圧値に、所定の演算周期で時定数を含む演算処理を施し、電圧値の変動速度を低減した電圧値を出力する演算処理手段4を備え、その出力した電圧値に基づき、車載電源1,Bの電圧を所定電圧値にPWM制御し、PWM制御した電圧を負荷へ与える車両用電源制御装置。PWM制御のデューティ比の所定時間当たりの変化量を検出する手段8a,8b,8cと、その検出した変化量が所定範囲に含まれるか否かを判定する手段9a,9b,9cと、所定範囲に含まれないと判定したときに、デューティ比の変化量が所定範囲に含まれるように、演算処理手段4の時定数を変更する時定数変更手段9a,9b,9cとを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、検出した車載電源の電圧値に、変動速度を低くする為の演算処理を施し出力する演算処理手段を備え、演算処理手段が出力した電源電圧値に基づき、車載電源の電圧を所定電圧値にPWM(Pulse Width Modulation)制御し、PWM制御した電圧を負荷へ与える車両用電源制御装置に関するものである。
車両に搭載される機器(負荷)は、定格が12V前後のものが多く、12V前後でその性能を最適に発揮する。しかし、車載バッテリは、残容量により出力電圧値が変動するので、残容量が比較的大きい場合は、その出力電圧値は12V前後より高くなっている。また、オルタネータ(車載発電機)の出力電圧値は、車載バッテリを充電する為に、それ以上(13〜16V)に設定されている。
その為、近時、省エネルギー(省電力)及び過電圧による機器の寿命短縮防止等の観点から、車載バッテリ及びオルタネータからの電源電圧を12V前後にPWM制御して機器に供給する車両用電源制御装置が普及しつつある。
このような車両用電源制御装置では、車両特有の電源電圧変動、PWM周波数による電圧変動等により、過敏なデューティ比変動、発振現象が発生しないように、電源電圧をフィルタ回路を通じて検出し、検出しA/D(アナログ/ディジタル)変換した電圧値に対して、ディジタルフィルタ処理を施している。ディジタルフィルタとしては、IIR(無限インパルス応答)フィルタ等が使用されている。
特許文献1には、電源ラインに対して分岐接続された2つのランプを点灯制御し、ランプのちらつきを極力抑え、かつ電源ラインに発生するノイズを抑えることが可能なランプ点灯制御回路が開示されている。
特許文献2には、電源が急変動しても点灯装置の出力を略一定に保持して、放電灯のちらつきや立消え等の不具合を防止する放電灯点灯装置が開示されている。
特開2009−46086号公報 特開平9−92481号公報
上述した車両用電源制御装置では、電源電圧の変動状態が一定でないことに加え、フィルタ(ハード、ソフト)及びPWM制御に関連する各部のパラメータ設定によっては、デューティ比出力(実効電圧)の変化量及び状態が変わり、負荷のランプのちらつき、実効電圧の上限超過等が発生するという問題がある。
例えば、デューティ比の単位時間当たりの変化量が過大な場合、ランプではちらつき、モータでは回転ムラの原因となり、デューティ比の単位時間当たりの変化量が過小な場合は、PWM制御の応答遅れとなって、実効電圧の上限超過が発生し、省エネルギー及び機器の寿命短縮防止の妨げとなる。
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、フィルタ及びPWM制御関連各部のパラメータを変更することにより、デューティ比出力の変化量を、ランプのちらつき、実効電圧の上限超過及びモータの回転ムラ等が発生しないように調節できる車両用電源制御装置を提供することを目的とする。
第1発明に係る車両用電源制御装置は、検出した車載電源の電圧値に、所定の演算周期、及び該電圧値の所定の初期値で時定数を含む演算処理を施し、前記電圧値の変動速度を低減した電圧値を出力する演算処理手段を備え、該演算処理手段が出力した電圧値に基づき、前記車載電源の電圧を所定電圧値にPWM制御し、PWM制御した電圧を負荷へ与える車両用電源制御装置において、前記PWM制御のデューティ比の所定時間当たりの変化量を検出する手段と、該手段が検出した変化量が所定範囲に含まれるか否かを判定する手段と、該手段が所定範囲に含まれないと判定したときに、前記変化量が所定範囲に含まれるように、前記時定数を変更する時定数変更手段とを備えることを特徴とする。
この車両用電源制御装置では、検出した車載電源の電圧値に、所定の演算周期、及び車載電源の電圧値の所定の初期値で時定数を含む演算処理を施して、変動速度を低減する。次いで、変動速度を低減した電圧値に基づき、車載電源の電圧を所定電圧値にPWM制御し、PWM制御した電圧を負荷へ与える。PWM制御のデューティ比の所定時間当たりの変化量を検出し、検出した変化量が所定範囲に含まれるか否かを判定する。所定範囲に含まれないと判定したときに、デューティ比の所定時間当たりの変化量が所定範囲に含まれるように、変動速度を低減する演算処理の時定数を変更する。
第2発明に係る車両用電源制御装置は、前記時定数変更手段に代えて、前記演算周期を変更する手段を備えることを特徴とする。
この車両用電源制御装置では、PWM制御のデューティ比の所定時間当たりの変化量を検出し、検出した変化量が所定範囲に含まれるか否かを判定する。所定範囲に含まれないと判定したときに、デューティ比の所定時間当たりの変化量が所定範囲に含まれるように、変動速度を低減する演算処理の演算周期を変更する。
第3発明に係る車両用電源制御装置は、前記時定数変更手段に代えて、前記初期値を変更する手段を備えることを特徴とする。
この車両用電源制御装置では、PWM制御のデューティ比の所定時間当たりの変化量を検出し、検出した変化量が所定範囲に含まれるか否かを判定する。所定範囲に含まれないと判定したときに、デューティ比の所定時間当たりの変化量が所定範囲に含まれるように、変動速度を低減する演算処理における車載電源の電圧値の初期値を変更する。
第4発明に係る車両用電源制御装置は、所定の検出周期及び分解能で車載電源の電圧値を検出する手段と、該手段が検出した電圧値に演算処理を施し、前記電圧値の変動速度を低減した電圧値を出力する演算処理手段とを備え、該演算処理手段が出力した電圧値に基づき、前記車載電源の電圧を所定電圧値にPWM制御し、PWM制御した電圧を負荷へ与える車両用電源制御装置において、前記PWM制御のデューティ比の所定時間当たりの変化量を検出する手段と、該手段が検出した変化量が所定範囲に含まれるか否かを判定する手段と、該手段が所定範囲に含まれないと判定したときに、前記変化量が所定範囲に含まれるように、前記検出周期を変更する検出周期変更手段とを備えることを特徴とする。
この車両用電源制御装置では、所定の検出周期及び分解能で車載電源の電圧値を検出し、検出した電圧値に演算処理を施して変動速度を低減する。次いで、変動速度を低減した電圧値に基づき、車載電源の電圧を所定電圧値にPWM制御し、PWM制御した電圧を負荷へ与える。PWM制御のデューティ比の所定時間当たりの変化量を検出し、検出した変化量が所定範囲に含まれるか否かを判定する。所定範囲に含まれないと判定したときに、所定時間当たりの変化量が所定範囲に含まれるように、車載電源の電圧値の検出周期を変更する。
第5発明に係る車両用電源制御装置は、前記検出周期変更手段に代えて、前記分解能を変更する手段を備えることを特徴とする。
この車両用電源制御装置では、PWM制御のデューティ比の所定時間当たりの変化量を検出し、検出した変化量が所定範囲に含まれるか否かを判定する。所定範囲に含まれないと判定したときに、デューティ比の所定時間当たりの変化量が所定範囲に含まれるように、車載電源の電圧値を検出する為の分解能を変更する。
第6発明に係る車両用電源制御装置は、検出した車載電源の電圧値に演算処理を施し、前記電圧値の変動速度を低減した電圧値を出力する演算処理手段と、該演算処理手段が出力した電圧値に基づき、所定の量子化ビット数でデューティ比を演算する手段と、該手段が演算したデューティ比で前記車載電源の電圧を所定電圧値にPWM制御する手段とを備え、該手段がPWM制御した電圧を負荷へ与える車両用電源制御装置において、前記PWM制御のデューティ比の所定時間当たりの変化量を検出する手段と、該手段が検出した変化量が所定範囲に含まれるか否かを判定する手段と、該手段が所定範囲に含まれないと判定したときに、前記変化量が所定範囲に含まれるように、前記量子化ビット数を変更する手段とを備えることを特徴とする。
この車両用電源制御装置では、検出した車載電源の電圧値に演算処理を施して変動速度を低減し、変動速度を低減した電圧値に基づき、所定の量子化ビット数でデューティ比を演算する。次いで、演算したデューティ比で車載電源の電圧を所定電圧値にPWM制御し、PWM制御した電圧を負荷へ与える。PWM制御のデューティ比の所定時間当たりの変化量を検出し、検出した変化量が所定範囲に含まれるか否かを判定する。所定範囲に含まれないと判定したときに、デューティ比の所定時間当たりの変化量が所定範囲に含まれるように、デューティ比演算における量子化ビット数を変更する。
第7発明に係る車両用電源制御装置は、検出した車載電源の電圧値に演算処理を施し、前記電圧値の変動速度を低減した電源電圧値Vsを出力する演算処理手段と、該演算処理手段が出力した電源電圧値Vsに基づき、前記車載電源の電圧を所定電圧値VcにPWM制御する為のデューティ比を、演算式(Vc/Vs)2 ×100の近似式で算出する手段とを備え、該手段が算出したデューティ比によりPWM制御した電圧を負荷へ与える車両用電源制御装置において、前記デューティ比の所定時間当たりの変化量を検出する手段と、該手段が検出した変化量が所定範囲に含まれるか否かを判定する手段と、該手段が所定範囲に含まれないと判定したときに、前記変化量が所定範囲に含まれるように、前記近似式の1又は複数の係数を変えることにより、前記近似式の演算誤差を変更する手段とを備えることを特徴とする。
この車両用電源制御装置では、検出した車載電源の電圧値に演算処理を施して変動速度を低減し、変動速度を低減した電源電圧値Vsに基づき、車載電源の電圧を所定電圧値VcにPWM制御する為のデューティ比を、演算式(Vc/Vs)2 ×100の近似式で算出する。次いで、算出したデューティ比によりPWM制御した電圧を負荷へ与える。デューティ比の所定時間当たりの変化量を検出し、検出した変化量が所定範囲に含まれるか否かを判定する。所定範囲に含まれないと判定したときに、デューティ比の所定時間当たりの変化量が所定範囲に含まれるように、近似式の1又は複数の係数を変えることにより、近似式の演算誤差を変更する。
第8発明に係る車両用電源制御装置は、検出した車載電源の電圧値に演算処理を施し、前記電圧値の変動速度を低減した電源電圧値を出力する演算処理手段と、該演算処理手段が出力した電源電圧値に基づき、前記車載電源の電圧を所定電圧値にPWM制御する為のデューティ比を算出する手段とを備え、該手段が算出し所定の周期で更新したデューティ比によりPWM制御した電圧を負荷へ与える車両用電源制御装置において、前記デューティ比の所定時間当たりの変化量を検出する手段と、該手段が検出した変化量が所定範囲に含まれるか否かを判定する手段と、該手段が所定範囲に含まれないと判定したときに、前記変化量が所定範囲に含まれるように、前記周期を変更する手段とを備えることを特徴とする。
この車両用電源制御装置では、検出した車載電源の電圧値に演算処理を施して変動速度を低減し、変動速度を低減した電源電圧値に基づき、車載電源の電圧を所定電圧値にPWM制御する為のデューティ比を算出し、算出し所定の周期で更新したデューティ比によりPWM制御した電圧を負荷へ与える。デューティ比の所定時間当たりの変化量を検出し、検出した変化量が所定範囲に含まれるか否かを判定する。所定範囲に含まれないと判定したときに、デューティ比の所定時間当たりの変化量が所定範囲に含まれるように、デューティ比を更新する為の周期を変更する。
第9発明に係る車両用電源制御装置は、車載電源の電圧を該電圧の変動速度を低減して出力する変動抑制回路と、該変動抑制回路が出力した電圧を検出する手段と、該手段が検出した電圧値に演算処理を施し、前記電圧値の変動速度を低減した電圧値を出力する演算処理手段とを備え、該演算処理手段が出力した電圧値に基づき、前記車載電源の電圧を所定電圧値にPWM制御し、PWM制御した電圧を負荷へ与える車両用電源制御装置において、前記PWM制御のデューティ比の所定時間当たりの変化量を検出する手段と、該手段が検出した変化量が所定範囲に含まれるか否かを判定する手段と、該手段が所定範囲に含まれないと判定したときに、前記変化量が所定範囲に含まれるように、前記変動抑制回路の時定数を変更する手段とを備えることを特徴とする。
この車両用電源制御装置では、変動抑制回路が、車載電源の電圧を変動速度を低減して出力し、変動抑制回路が出力した電圧が検出される。演算処理手段が、検出された電圧値に演算処理を施し、変動速度を更に低減した電圧値を出力する。演算処理手段が出力した電圧値に基づき、車載電源の電圧を所定電圧値にPWM制御し、PWM制御した電圧を負荷へ与える。PWM制御のデューティ比の所定時間当たりの変化量を検出し、検出した変化量が所定範囲に含まれるか否かを判定する。所定範囲に含まれないと判定したときは、デューティ比の所定時間当たりの変化量が所定範囲に含まれるように、変動抑制回路の回路素子を切替えて時定数を変更する。
本発明に係る車両用電源制御装置によれば、フィルタ及びPWM制御関連各部のパラメータを変更することにより、デューティ比出力の変化量を、ランプのちらつき、実効電圧の上限超過及びモータの回転ムラ等が発生しないように調節できる車両用電源制御装置を実現することができる。
本発明に係る車両用電源制御装置の実施の形態の概略構成を示すブロック図である。 テーブルの内容のイメージを示す特性図である。 本発明に係る車両用電源制御装置の実施の形態の動作を示すフローチャートである。 テーブルの内容のイメージを示す特性図である。 テーブルの内容のイメージを示す特性図である。 本発明に係る車両用電源制御装置の実施の形態の概略構成を示すブロック図である。 テーブルの内容のイメージを示す特性図である。 テーブルの内容のイメージを示す特性図である。 本発明に係る車両用電源制御装置の実施の形態の概略構成を示すブロック図である。 テーブルの内容のイメージを示す特性図である。 テーブルの内容のイメージを示す特性図である。 本発明に係る車両用電源制御装置の実施の形態の概略構成を示すブロック図である。 テーブルの内容のイメージを示す特性図である。 本発明に係る車両用電源制御装置の実施の形態の概略構成を示すブロック図である。 テーブルの内容のイメージを示す特性図である。
以下に、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明に係る車両用電源制御装置の実施の形態1の概略構成を示すブロック図である。
この車両用電源制御装置は、オルタネータ(車載発電機、交流発電機)1が発電し整流した電力が、バッテリBに充電されると共に、それぞれのスイッチング回路10,11,12を通じて、ランプである負荷13,14,15に給電される。バッテリBが充電されないときは、バッテリBからの放電電力が、スイッチング回路10,11,12を通じて、負荷13,14,15に給電される。
オルタネータ1及びバッテリBが出力する電源電圧値は、電源入力回路(フィルタ、変動抑制回路)2を通じて電圧計測手段3により検出されA/D変換されて出力される。電圧計測手段3でA/D変換され出力された電源電圧値は、フィルタ演算手段(演算処理手段)4により負荷13,14,15毎に所定のサンプリング周期(演算周期)で読込まれる。
フィルタ演算手段4は、読込んだ電源電圧値に、例えばIIRフィルタでディジタルフィルタ処理を施す。このディジタルフィルタ処理は、負荷13,14,15毎に(1)式を演算することにより施される。
(1−α)×(1周期前に出力した電圧値)
+α×(検出した電圧値)=電圧値(但し、1≧α>0) (1)
負荷13,14,15毎に、(1)式によりディジタルフィルタ処理が施された電源電圧値は、デューティ比演算手段5に与えられる。デューティ比演算手段5は、与えられたそれぞれの電源電圧値及び所定電圧値(ここでは13.2Vとするが、負荷毎に異なっても良い)を用いて、(2)式
(13.2/電源電圧値)2 ×100 (%) (2)
により、デューティ比を演算し、デューティ比出力手段6へ与える。
デューティ比出力手段6は、それぞれ与えられたデューティ比により、スイッチング回路10,11,12をPWM制御し、PWM制御された電源電圧がそれぞれ負荷13,14,15に与えられる。
出力監視回路7は、スイッチング回路10,11,12によりPWM制御された電力の電圧値及び電流値(実効値)をそれぞれ電圧値に変換し、デューティ比演算手段5に与える。
デューティ比演算手段5が演算した各デューティ比は、また、それぞれ所定時間毎にデューティ比変化量検出手段8a,8b,8cに読込まれ、デューティ比変化量検出手段8a,8b,8cは、それぞれ所定時間毎に読込んだデューティ比により単位時間当たりのデューティ比変化量を算出する。
デューティ比変化量検出手段8a,8b,8cが算出した各デューティ比変化量は、それぞれフィルタパラメータ設定変更手段9a,9b,9cに与えられ、フィルタパラメータ設定変更手段9a,9b,9cは、与えられた各デューティ比変化量に基づき、内蔵するテーブル16a,16b,16cを参照する。
図2は、テーブル16a,16b,16cの内容のイメージを示す特性図である。
テーブル16a,16b,16cの内容は、単位時間当たりのデューティ比変化量とフィルタ演算手段4が有するソフトフィルタ時定数(時定数)との特性を示している。ソフトフィルタ時定数は、例えば、(1)式におけるα(なまし係数)であり、この場合は、ソフトフィルタ時定数αが大きくなる程、単位時間当たりのデューティ比変化量は小さくなる。
デューティ比の単位時間当たりの変化量が過大な場合、ランプではちらつきの原因となり(ちらつき領域)、過小な場合は、PWM制御の応答遅れとなって(応答遅れ領域)、実効電圧の上限超過が発生するので、ソフトフィルタ時定数αは、デューティ比の単位時間当たりの変化量が過大又は過小にならない範囲内にあることが望ましい。
フィルタパラメータ設定変更手段9a,9b,9cは、与えられた各デューティ比変化量に基づき、内蔵するテーブル16a,16b,16cを参照し、デューティ比変化量が、上述した過大又は過小範囲にあれば、デューティ比変化量が、過大又は過小範囲でない中間範囲内になるように、ソフトフィルタ時定数αを変更する。変更されたソフトフィルタ時定数αは、それぞれフィルタ演算手段4に与えられ、(1)式におけるαがそれぞれ設定変更される。フィルタ演算手段4は、設定変更されたαにより、負荷13,14,15毎に(1)式を演算する。(1)式により演算された負荷13,14,15毎の電源電圧値は、デューティ比演算手段5に与えられる。
上述した電圧計測手段3、フィルタ演算手段4、デューティ比演算手段5、デューティ比出力手段6、デューティ比変化量検出手段8a,8b,8c及びフィルタパラメータ設定変更手段9a,9b,9cは、マイクロコンピュータを備えた電源制御部25に含まれている。電源制御部25は、車両側から負荷13,14,15毎の起動/停止信号を与えられる。
以下に、このような構成の車両用電源制御装置の動作を、デューティ比変化量検出手段8a,8b,8c及びフィルタパラメータ設定変更手段9a,9b,9cの動作を示す図3のフローチャートを参照しながら説明する。尚、この車両用電源制御装置では、負荷13,14,15について、並行して作動するが、ここでは、負荷13について説明する。
電源制御部25は、起動信号を与えられると、電圧計測手段3によりA/D変換された電源電圧値を読込み、フィルタ演算手段4に与える。フィルタ演算手段4は、与えられた電源電圧値を使用して(1)式のフィルタ演算処理を開始する。
フィルタ演算手段4は、フィルタ演算処理した電源電圧値をデューティ比演算手段5に与え、デューティ比演算手段5は、与えられた電源電圧値を使用して(2)式を演算し、デューティ比Dを算出する。
デューティ比演算手段5は、算出したデューティ比Dを、デューティ比出力手段6から出力し、スイッチング回路10をPWM制御する。
デューティ比演算手段5が演算したデューティ比Dは、また、所定時間毎にデューティ比変化量検出手段8aに読込まれ(図3S1)、デューティ比変化量検出手段8aは、所定時間毎に読込んだデューティ比Dにより単位時間当たりのデューティ比変化量(率)△Dを算出する(S3)。
フィルタパラメータ設定変更手段9aは、テーブル16aを参照することにより、デューティ比変化量検出手段8aが算出したデューティ比変化量△Dが、△D1<△D<△D2の範囲(所定範囲)内にあるか否かを判定し(S5)、範囲内にあれば、デューティ比変化量検出手段8aが所定時間毎にデューティ比Dを読込む(S1)。
尚、デューティ比変化量△D1以下は、図2に示す応答遅れ領域に対応する範囲であり、デューティ比変化量△D2以上は、図2に示すちらつき領域に対応する範囲である。△D1<△D<△D2の範囲内であれば、負荷13に応答遅れ及びちらつきが発生しない。
フィルタパラメータ設定変更手段9aは、デューティ比変化量△Dが、△D1<△D<△D2の範囲(所定範囲)内でなければ(S5)、テーブル16aを参照することにより、△D1<△D<△D2となるソフトフィルタ時定数(パラメータ)αを選択する(S7)。
フィルタパラメータ設定変更手段9aは、次いで、選択したソフトフィルタ時定数αをフィルタ演算手段4に変更設定し(S9)、その後、デューティ比変化量検出手段8aが所定時間毎にデューティ比Dを読込む(S1)。
フィルタ演算手段4は、変更設定されたソフトフィルタ時定数αにより、(1)式のフィルタ演算処理を実行する。
尚、本実施の形態1では、負荷13,14,15がランプである場合を説明したが、負荷13,14,15がモータである場合、及び負荷13,14,15がヒータである場合でも同様に実施することは可能である。負荷13,14,15がモータである場合は、モータの回転ムラ及び急激な回転変化を抑制することができる。
(実施の形態2)
図4は、本発明に係る車両用電源制御装置の実施の形態2におけるテーブル16a,16b,16cの内容のイメージを示す特性図である。
この車両用電源制御装置のフィルタパラメータ設定変更手段9a,9b,9cが内蔵するテーブル16a,16b,16cの内容は、単位時間当たりのデューティ比変化量とフィルタ演算手段4が有するソフトフィルタの演算周期との特性を示している。ソフトフィルタの演算周期が長くなる程、単位時間当たりのデューティ比変化量は大きくなる。
デューティ比の単位時間当たりの変化量が過大な場合、ランプではちらつきの原因となり(ちらつき領域)、過小な場合は、PWM制御の応答遅れとなって(応答遅れ領域)、実効電圧の上限超過が発生するので、ソフトフィルタの演算周期は、デューティ比の単位時間当たりの変化量が過大又は過小にならない範囲内にあることが望ましい。
フィルタパラメータ設定変更手段9a,9b,9cは、与えられた各デューティ比変化量に基づき、内蔵するテーブル16a,16b,16cを参照し、デューティ比変化量が、上述した過大又は過小範囲にあれば、デューティ比変化量が、過大又は過小範囲でない中間範囲内になるように、ソフトフィルタの演算周期を変更する。変更されたソフトフィルタの演算周期は、それぞれフィルタ演算手段4に与えられ設定変更される。
フィルタ演算手段4は、設定変更されたソフトフィルタの演算周期により、負荷13,14,15毎に(1)式を演算する。(1)式により演算された負荷13,14,15毎の電源電圧値は、デューティ比演算手段5に与えられる。
その他の構成及び動作は、実施の形態1で説明した構成及び動作と同様であるので(但し、ソフトフィルタ時定数αをソフトフィルタの演算周期に読替える)、説明を省略する。
(実施の形態3)
図5は、本発明に係る車両用電源制御装置の実施の形態3におけるテーブル16a,16b,16cの内容のイメージを示す特性図である。
この車両用電源制御装置のフィルタパラメータ設定変更手段9a,9b,9cが内蔵するテーブル16a,16b,16cの内容は、単位時間当たりのデューティ比変化量とフィルタ演算手段4が演算を開始する際の(1)式における(1周期前に出力した電圧値)の初期値(ソフトフィルタ演算開始電圧値)との特性を示している。ソフトフィルタ演算開始電圧が高くなる程、単位時間当たりのデューティ比変化量は小さくなる。
デューティ比の単位時間当たりの変化量が過大な場合、ランプではちらつきの原因となり(ちらつき領域)、過小な場合は、PWM制御の応答遅れとなって(応答遅れ領域)、実効電圧の上限超過が発生するので、フィルタ演算手段4のソフトフィルタ演算開始電圧値は、デューティ比の単位時間当たりの変化量が過大又は過小にならない範囲内にあることが望ましい。
フィルタパラメータ設定変更手段9a,9b,9cは、与えられた各デューティ比変化量に基づき、内蔵するテーブル16a,16b,16cを参照し、デューティ比変化量が、上述した過大又は過小範囲にあれば、デューティ比変化量が、過大又は過小範囲でない中間範囲内になるように、フィルタ演算手段4のソフトフィルタ演算開始電圧値を変更する。変更されたソフトフィルタ演算開始電圧値は、それぞれフィルタ演算手段4に与えられ設定変更される。
フィルタ演算手段4は、読取った電源電圧値を用いてそれぞれ(1)式によりフィルタ演算を実行して、ディジタルフィルタ処理を施し、ディジタルフィルタ処理を施した負荷13,14,15毎の電源電圧値を、デューティ比演算手段5に与える。
フィルタ演算手段4は、その際、運転開始時又はエンジン始動時等で演算を開始し、初回のフィルタ演算を実行するのであれば、設定されているソフトフィルタ演算開始電圧値を(1周期前に出力した電圧値)の初期値として(1)式を演算する。
その他の構成及び動作は、実施の形態1で説明した構成及び動作と同様であるので(但し、ソフトフィルタ時定数αをソフトフィルタ演算開始電圧値に読替える)、説明を省略する。
(実施の形態4)
図6は、本発明に係る車両用電源制御装置の実施の形態4の概略構成を示すブロック図である。
この車両用電源制御装置は、オルタネータ1及びバッテリBが出力する電源電圧値が、電源入力回路(変動抑制回路)2を通じて,負荷13,14,15毎に電圧計測手段3aにより検出されA/D変換されて出力される。電圧計測手段3aでA/D変換され出力された電源電圧値は、フィルタ演算手段(演算処理手段)4aにより負荷13,14,15毎に所定のサンプリング周期(演算周期)で読込まれる。
デューティ比演算手段5が演算した負荷13,14,15毎の各デューティ比は、それぞれ所定時間毎にデューティ比変化量検出手段8a,8b,8cに読込まれ、デューティ比変化量検出手段8a,8b,8cは、それぞれ所定時間毎に読込んだデューティ比により単位時間当たりのデューティ比変化量を算出する。
デューティ比変化量検出手段8a,8b,8cが算出した各デューティ比変化量は、それぞれA/D変換パラメータ設定変更手段17a,17b,17cに与えられ、A/D変換パラメータ設定変更手段17a,17b,17cは、与えられた各デューティ比変化量に基づき、内蔵するテーブル18a,18b,18cを参照する。
図7は、テーブル18a,18b,18cの内容のイメージを示す特性図である。
テーブル18a,18b,18cの内容は、単位時間当たりのデューティ比変化量と電圧計測手段3aにおけるA/D変換のサンプリング周期(検出周期)との特性を示している。A/D変換のサンプリング周期が長くなる程、単位時間当たりのデューティ比変化量は大きくなる。
デューティ比の単位時間当たりの変化量が過大な場合、ランプではちらつきの原因となり(ちらつき領域)、過小な場合は、PWM制御の応答遅れとなって(応答遅れ領域)、実効電圧の上限超過が発生するので、A/D変換のサンプリング周期は、デューティ比の単位時間当たりの変化量が過大又は過小にならない範囲内にあることが望ましい。
A/D変換パラメータ設定変更手段17a,17b,17cは、与えられた各デューティ比変化量に基づき、内蔵するテーブル18a,18b,18cを参照し、デューティ比変化量が、上述した過大又は過小範囲にあれば、デューティ比変化量が、過大又は過小範囲でない中間範囲内になるように、A/D変換のサンプリング周期を変更する。変更されたA/D変換の各サンプリング周期は、それぞれ電圧計測手段3aに与えられ、電圧計測手段3aは、負荷13,14,15毎にA/D変換のサンプリング周期を設定変更する。
電圧計測手段3aは、電源入力回路2を通じて検出した電源電圧値を、設定変更されたサンプリング周期で、負荷13,14,15毎にA/D変換し、A/D変換した各電源電圧値を、フィルタ演算手段4aに与える。フィルタ演算手段4aは、与えられた電源電圧値により、負荷13,14,15毎に(1)式を演算する。(1)式により演算された負荷13,14,15毎の電源電圧値は、デューティ比演算手段5に与えられる。
上述した電圧計測手段3a、フィルタ演算手段4a、デューティ比演算手段5、デューティ比出力手段6、デューティ比変化量検出手段8a,8b,8c及びA/D変換パラメータ設定変更手段17a,17b,17cは、マイクロコンピュータを備えた電源制御部25aに含まれている。電源制御部25aは、車両側から負荷13,14,15毎の起動/停止信号を与えられる。
その他の構成は、実施の形態1で説明した構成(図1)と同様であるので、説明を省略する。
以下に、このような構成の車両用電源制御装置の動作を、デューティ比変化量検出手段8a,8b,8c及びA/D変換パラメータ設定変更手段17a,17b,17cの動作を示す図3のフローチャートを参照しながら説明する。尚、この車両用電源制御装置では、負荷13,14,15について、並行して作動するが、ここでは、負荷13について説明する。
電源制御部25aは、起動信号を与えられると、電圧計測手段3aによりA/D変換された負荷13,14,15毎の電源電圧値を読込み、フィルタ演算手段4aに与える。フィルタ演算手段4aは、与えられた電源電圧値を使用して(1)式のフィルタ演算処理を開始する。
フィルタ演算手段4aは、フィルタ演算処理した電源電圧値を、デューティ比演算手段5に与え、デューティ比演算手段5は、与えられた電源電圧値を使用して(2)式を演算し、デューティ比Dを算出する。
デューティ比演算手段5は、算出したデューティ比Dを、デューティ比出力手段6から出力し、スイッチング回路10をPWM制御する。
デューティ比演算手段5が演算したデューティ比Dは、また、所定時間毎にデューティ比変化量検出手段8aに読込まれ(図3S1)、デューティ比変化量検出手段8aは、所定時間毎に読込んだデューティ比Dにより単位時間当たりのデューティ比変化量△Dを算出する(S3)。
A/D変換パラメータ設定変更手段17aは、テーブル18aを参照することにより、デューティ比変化量検出手段8aが算出したデューティ比変化量△Dが、△D1<△D<△D2の範囲(所定範囲)内にあるか否かを判定し(S5)、範囲内にあれば、デューティ比変化量検出手段8aが所定時間毎にデューティ比Dを読込む(S1)。
尚、デューティ比変化量△D1以下は、ここでは、図7に示す応答遅れ領域に対応する範囲であり、デューティ比変化量△D2以上は、図7に示すちらつき領域に対応する範囲である。△D1<△D<△D2の範囲内であれば、負荷13に応答遅れ及びちらつきが発生しない。
A/D変換パラメータ設定変更手段17aは、デューティ比変化量△Dが、△D1<△D<△D2の範囲(所定範囲)内でなければ(S5)、テーブル18aを参照することにより、△D1<△D<△D2となるA/D変換のサンプリング周期(パラメータ)を選択する(S7)。
A/D変換パラメータ設定変更手段17aは、次いで、選択したA/D変換のサンプリング周期を電圧計測手段3aに変更設定し(S9)、その後、デューティ比変化量検出手段8aが所定時間毎にデューティ比Dを読込む(S1)。
電圧計測手段3aは、電源入力回路2を通じて検出した電源電圧値を、変更設定されたA/D変換のサンプリング周期によりA/D変換し、A/D変換した電源電圧値を、フィルタ演算手段4aに与える。フィルタ演算手段4aは、与えられた電源電圧値により、(1)式のフィルタ演算処理を実行する。
(実施の形態5)
図8は、本発明に係る車両用電源制御装置の実施の形態5におけるテーブル18a,18b,18cの内容のイメージを示す特性図である。
この車両用電源制御装置のA/D変換パラメータ設定変更手段17a,17b,17cが内蔵するテーブル18a,18b,18cの内容は、単位時間当たりのデューティ比変化量と電圧計測手段3aが電源電圧値をA/D変換する際のA/D変換分解能(分解能、(量子化)ビット数)との特性を示している。A/D変換分解能のビット数が大きくなる程、単位時間当たりのデューティ比変化量は小さくなる。
デューティ比の単位時間当たりの変化量が過大な場合、ランプではちらつきの原因となり(ちらつき領域)、過小な場合は、PWM制御の応答遅れとなって(応答遅れ領域)、実効電圧の上限超過が発生するので、電圧計測手段3aのA/D変換分解能は、デューティ比の単位時間当たりの変化量が過大又は過小にならない範囲内にあることが望ましい。
A/D変換パラメータ設定変更手段17a,17b,17cは、与えられた各デューティ比変化量に基づき、内蔵するテーブル18a,18b,18cを参照し、デューティ比変化量が、上述した過大又は過小範囲にあれば、デューティ比変化量が、過大又は過小範囲でない中間範囲内になるように、電圧計測手段3aのA/D変換分解能を変更する。変更されたA/D変換分解能は、それぞれ電圧計測手段3aに与えられ設定変更される。
電圧計測手段3aは、電源入力回路2を通じて検出した電源電圧値を、設定変更されたA/D変換分解能で、負荷13,14,15毎にA/D変換し、A/D変換した各電源電圧値を、フィルタ演算手段4aに与える。フィルタ演算手段4aは、与えられた電源電圧値により、負荷13,14,15毎に(1)式を演算する。(1)式により演算された負荷13,14,15毎の電源電圧値は、デューティ比演算手段5に与えられる。
その他の構成及び動作は、実施の形態4で説明した構成及び動作と同様であるので(但し、A/D変換のサンプリング周期をA/D変換分解能に読替える)、説明を省略する。
(実施の形態6)
図9は、本発明に係る車両用電源制御装置の実施の形態6の概略構成を示すブロック図である。
この車両用電源制御装置は、オルタネータ1及びバッテリBが出力する電源電圧値が、電源入力回路(変動抑制回路)2を通じて,電圧計測手段3により検出されA/D変換されて出力される。電圧計測手段3でA/D変換され出力された電源電圧値は、フィルタ演算手段(演算処理手段)4bにより読込まれる。
フィルタ演算手段4bは、読込んだ電源電圧値に、例えばIIRフィルタでディジタルフィルタ処理を施す。このディジタルフィルタ処理は、(1)式を演算することにより施される。
(1−α)×(1周期前に出力した電圧値)
+α×(検出した電圧値)=電圧値(但し、1≧α>0) (1)
(1)式によりディジタルフィルタ処理が施された電源電圧値は、デューティ比演算手段5aに与えられる。デューティ比演算手段5aは、与えられた電源電圧値及び所定電圧値(ここでは13.2Vとするが、負荷毎に異なっても良い)を用いて、負荷13,14,15毎に(2)式
(13.2/電源電圧値)2 ×100 (%) (2)
により、デューティ比を演算し、デューティ比出力手段6へ与える。
デューティ比演算手段5aが演算した負荷13,14,15毎の各デューティ比は、それぞれ所定時間毎にデューティ比変化量検出手段8a,8b,8cに読込まれ、デューティ比変化量検出手段8a,8b,8cは、それぞれ所定時間毎に読込んだデューティ比により単位時間当たりのデューティ比変化量を算出する。
デューティ比変化量検出手段8a,8b,8cが算出した各デューティ比変化量は、それぞれデューティ比演算パラメータ設定変更手段19a,19b,19cに与えられ、デューティ比演算パラメータ設定変更手段19a,19b,19cは、与えられた各デューティ比変化量に基づき、内蔵するテーブル20a,20b,20cを参照する。
図10は、テーブル20a,20b,20cの内容のイメージを示す特性図である。
テーブル20a,20b,20cの内容は、単位時間当たりのデューティ比変化量とデューティ比演算手段5aにおけるデューティ比分解能(デューティ比の刻み;1%,0.5%,0.1%・・・、量子化ビット数)との特性を示している。デューティ比分解能が粗くなる程(デューティ比の刻みが粗くなる程、量子化ビット数が小さくなる程)、単位時間当たりのデューティ比変化量は大きくなる。
デューティ比の単位時間当たりの変化量が過大な場合、ランプではちらつきの原因となり(ちらつき領域)、過小な場合は、PWM制御の応答遅れとなって(応答遅れ領域)、実効電圧の上限超過が発生するので、デューティ比分解能は、デューティ比の単位時間当たりの変化量が過大又は過小にならない範囲内にあることが望ましい。
デューティ比演算パラメータ設定変更手段19a,19b,19cは、与えられた各デューティ比変化量に基づき、内蔵するテーブル20a,20b,20cを参照し、デューティ比変化量が、上述した過大又は過小範囲にあれば、デューティ比変化量が、過大又は過小範囲でない中間範囲内になるように、デューティ比分解能を変更する。デューティ比分解能の変更は、デューティ比演算における量子化ビット数を変更することにより行われる。
変更されたデューティ比分解能は、それぞれデューティ比演算手段5aに与えられ、デューティ比演算手段5aは、負荷13,14,15毎にデューティ比分解能を設定変更し、設定変更したデューティ比分解能により、それぞれデューティ比を(2)式により演算する。
上述した電圧計測手段3、フィルタ演算手段4b、デューティ比演算手段5a、デューティ比出力手段6、デューティ比変化量検出手段8a,8b,8c及びデューティ比演算パラメータ設定変更手段19a,19b,19cは、マイクロコンピュータを備えた電源制御部25bに含まれている。電源制御部25bは、車両側から負荷13,14,15毎の起動/停止信号を与えられる。
その他の構成は、実施の形態1で説明した構成(図1)と同様であるので、説明を省略する。
以下に、このような構成の車両用電源制御装置の動作を、デューティ比変化量検出手段8a,8b,8c及びデューティ比演算パラメータ設定変更手段19a,19b,19cの動作を示す図3のフローチャートを参照しながら説明する。尚、この車両用電源制御装置では、負荷13,14,15について、並行して作動するが、ここでは、負荷13について説明する。
電源制御部25bは、起動信号を与えられると、電圧計測手段3によりA/D変換された電源電圧値を読込み、フィルタ演算手段4bに与える。フィルタ演算手段4bは、与えられた電源電圧値を使用して(1)式のフィルタ演算処理を開始する。
フィルタ演算手段4bは、フィルタ演算処理した電源電圧値を、デューティ比演算手段5aに与え、デューティ比演算手段5aは、与えられた電源電圧値を使用して(2)式を演算し、デューティ比Dを算出する。
デューティ比演算手段5aは、算出したデューティ比Dを、デューティ比出力手段6から出力し、スイッチング回路10をPWM制御する。
デューティ比演算手段5aが演算したデューティ比Dは、また、所定時間毎にデューティ比変化量検出手段8aに読込まれ(図3S1)、デューティ比変化量検出手段8aは、所定時間毎に読込んだデューティ比Dにより単位時間当たりのデューティ比変化量△Dを算出する(S3)。
デューティ比演算パラメータ設定変更手段19aは、テーブル20aを参照することにより、デューティ比変化量検出手段8aが算出したデューティ比変化量△Dが、△D1<△D<△D2の範囲(所定範囲)内にあるか否かを判定し(S5)、範囲内にあれば、デューティ比変化量検出手段8aが所定時間毎にデューティ比Dを読込む(S1)。
尚、デューティ比変化量△D1以下は、ここでは、図10に示す応答遅れ領域に対応する範囲であり、デューティ比変化量△D2以上は、図10に示すちらつき領域に対応する範囲である。△D1<△D<△D2の範囲内であれば、負荷13に応答遅れ及びちらつきが発生しない。
デューティ比演算パラメータ設定変更手段19aは、デューティ比変化量△Dが、△D1<△D<△D2の範囲(所定範囲)内でなければ(S5)、テーブル20aを参照することにより、△D1<△D<△D2となるデューティ比分解能(パラメータ)を選択する(S7)。
デューティ比演算パラメータ設定変更手段19aは、次いで、選択したデューティ比分解能をデューティ比演算手段5aに変更設定し(S9)、その後、デューティ比変化量検出手段8aが所定時間毎にデューティ比Dを読込む(S1)。デューティ比演算手段5aは、設定変更されたデューティ比分解能により負荷13のデューティ比を演算する。
(実施の形態7)
図11は、本発明に係る車両用電源制御装置の実施の形態7におけるテーブル20a,20b,20cの内容のイメージを示す特性図である。
この車両用電源制御装置では、デューティ比演算手段5aが、フィルタ演算手段4bから与えられた電源電圧値及び所定電圧値(ここでは13.2Vとするが、負荷毎に異なっても良い)を用いて、負荷13,14,15毎に(2)式
(13.2/電源電圧値)2 ×100 (%) (2)
の近似式により、デューティ比を演算し、デューティ比出力手段6へ与える。
デューティ比演算手段5aは、(2)式を近似式で演算することにより、演算量を軽減することができるが、演算誤差が発生する。
(2)式の近似式は、例えば、最小二乗法等により予め求めてある1次近似式、折線近似式又は2次多項式近似である。
(2)式の1次近似式
a×(電源電圧値)+b (%) (3)
(a,bは任意の実数)
により、デューティ比yを演算する場合、(3)式は、例えば、y=−8.976x+201.4となる。
(2)式の折線近似式
a×(電源電圧値)+b (%) (4)
(a,bは、所定の電圧区間毎に定められた任意の実数)
により、デューティ比を演算する場合、(4)式は、例えば、0.1V毎に係数a、bが定められた折線となる。
(2)式の2次多項式近似
a×(電源電圧値)2 +b×(電源電圧値)+c (%) (5)
(a,b,cは任意の実数)
により、デューティ比yを演算する場合、(5)式は、例えば、y=0.9062x2 −36.162x+402.49となる。
(3)(4)(5)式は、それぞれ係数a,b,cを変更することにより、演算誤差を増減することが可能である。
この車両用電源制御装置のデューティ比演算パラメータ設定変更手段19a,19b,19cが内蔵するテーブル20a,20b,20cの内容(図11)は、単位時間当たりのデューティ比変化量とデューティ比演算手段5aがデューティ比を演算する際の演算誤差との特性を示している。デューティ比を演算する際の演算誤差が大きくなる程、単位時間当たりのデューティ比変化量は大きくなる。
デューティ比の単位時間当たりの変化量が過大な場合、ランプではちらつきの原因となり(ちらつき領域)、過小な場合は、PWM制御の応答遅れとなって(応答遅れ領域)、実効電圧の上限超過が発生するので、デューティ比演算手段5aの演算誤差は、デューティ比の単位時間当たりの変化量が過大又は過小にならない範囲内にあることが望ましい。
デューティ比演算パラメータ設定変更手段19a,19b,19cは、与えられた各デューティ比変化量に基づき、内蔵するテーブル20a,20b,20cを参照する。その結果、デューティ比変化量が、上述した過大又は過小範囲にあれば、デューティ比変化量が、過大又は過小範囲でない中間範囲内になるように、デューティ比演算手段5aの近似式の係数を変更することにより、演算誤差を変更する。変更されたデューティ比演算手段5aの近似式の係数は、それぞれデューティ比演算手段5aに与えられ設定変更される。
デューティ比演算手段5aは、フィルタ演算手段4bから与えられた電源電圧値及び所定電圧値を用いて、負荷13,14,15毎に、係数が設定変更された(2)式の近似式により、デューティ比を演算し、デューティ比出力手段6へ与える。
その他の構成及び動作は、実施の形態6で説明した構成及び動作と同様であるので(但し、デューティ比分解能をデューティ比の演算誤差に読替える)、説明を省略する。
(実施の形態8)
図12は、本発明に係る車両用電源制御装置の実施の形態8の概略構成を示すブロック図である。
この車両用電源制御装置は、電圧計測手段3でA/D変換され出力された電源電圧値が、フィルタ演算手段(演算処理手段)4bにより読込まれる。
フィルタ演算手段4bは、読込んだ電源電圧値に、例えばIIRフィルタでディジタルフィルタ処理を施す。このディジタルフィルタ処理は、(1)式を演算することにより施される。
(1−α)×(1周期前に出力した電圧値)
+α×(検出した電圧値)=電圧値(但し、1≧α>0) (1)
(1)式によりディジタルフィルタ処理が施された電源電圧値は、デューティ比演算手段5bに与えられる。デューティ比演算手段5bは、与えられた電源電圧値及び所定電圧値(ここでは13.2Vとするが、負荷毎に異なっても良い)を用いて、負荷13,14,15毎に(2)式
(13.2/電源電圧値)2 ×100 (%) (2)
により、デューティ比を演算し、デューティ比出力手段6aへ与える。
デューティ比演算手段5bが演算した負荷13,14,15毎の各デューティ比は、デューティ比出力手段6aに与えられると共に、それぞれ所定時間毎にデューティ比変化量検出手段8a,8b,8cに読込まれる。デューティ比変化量検出手段8a,8b,8cは、それぞれ所定時間毎に読込んだデューティ比により単位時間当たりのデューティ比変化量を算出する。
デューティ比変化量検出手段8a,8b,8cが算出した各デューティ比変化量は、それぞれデューティ比更新周期設定変更手段23a,23b,23cに与えられ、デューティ比更新周期設定変更手段23a,23b,23cは、与えられた各デューティ比変化量に基づき、内蔵するテーブル24a,24b,24cを参照する。
図13は、テーブル24a,24b,24cの内容のイメージを示す特性図である。
テーブル24a,24b,24cの内容は、単位時間当たりのデューティ比変化量と、デューティ比出力手段6aがデューティ比を更新する周期との特性を示している。
デューティ比出力手段6aは、デューティ比演算手段5bが演算した負荷13,14,15毎の各デューティ比を、それぞれ所定の周期で更新し、更新した各デューティ比を出力する。従って、デューティ比出力手段6aが出力する各デューティ比は、デューティ比演算手段5bが演算した各デューティ比とは必ずしも一致しない。デューティ比の更新周期が長くなる程、単位時間当たりのデューティ比変化量は大きくなる。
デューティ比の単位時間当たりの変化量が過大な場合、ランプではちらつきの原因となり(ちらつき領域)、過小な場合は、PWM制御の応答遅れとなって(応答遅れ領域)、実効電圧の上限超過が発生するので、デューティ比の更新周期は、デューティ比の単位時間当たりの変化量が過大又は過小にならない範囲内にあることが望ましい。
デューティ比更新周期設定変更手段23a,23b,23cは、与えられた各デューティ比変化量に基づき、内蔵するテーブル24a,24b,24cを参照し、デューティ比変化量が、上述した過大又は過小範囲にあれば、デューティ比変化量が、過大又は過小範囲でない中間範囲内になるように、デューティ比の更新周期を変更する。変更されたデューティ比の更新周期は、それぞれデューティ比出力手段6aに与えられ、デューティ比出力手段6aは、負荷13,14,15毎にデューティ比の更新周期を設定変更し、設定変更した更新周期で更新したデューティ比を出力する。
上述した電圧計測手段3、フィルタ演算手段4b、デューティ比演算手段5b、デューティ比出力手段6a、デューティ比変化量検出手段8a,8b,8c及びデューティ比更新周期設定変更手段23a,23b,23cは、マイクロコンピュータを備えた電源制御部25cに含まれている。電源制御部25cは、車両側から負荷13,14,15毎の起動/停止信号を与えられる。
その他の構成は、実施の形態1で説明した構成(図1)と同様であるので、説明を省略する。
以下に、このような構成の車両用電源制御装置の動作を、デューティ比変化量検出手段8a,8b,8c及びデューティ比更新周期設定変更手段23a,23b,23cの動作を示す図3のフローチャートを参照しながら説明する。尚、この車両用電源制御装置では、負荷13,14,15について、並行して作動するが、ここでは、負荷13について説明する。
電源制御部25cは、起動信号を与えられると、電圧計測手段3によりA/D変換された電源電圧値を読込み、フィルタ演算手段4bに与える。フィルタ演算手段4bは、与えられた電源電圧値を使用して(1)式のフィルタ演算処理を開始する。
フィルタ演算手段4bは、フィルタ演算処理した電源電圧値を、デューティ比演算手段5bに与え、デューティ比演算手段5bは、与えられた電源電圧値を使用して(2)式を演算し、デューティ比Dを算出する。
デューティ比演算手段5bは、算出したデューティ比Dを、デューティ比出力手段6aに与える。デューティ比出力手段6aは、与えられたデューティ比Dを所定の周期で更新しながら出力し、スイッチング回路10をPWM制御する。
デューティ比演算手段5bが演算したデューティ比Dは、また、所定時間毎にデューティ比変化量検出手段8aに読込まれ(図3S1)、デューティ比変化量検出手段8aは、所定時間毎に読込んだデューティ比Dにより単位時間当たりのデューティ比変化量△Dを算出する(S3)。
デューティ比更新周期設定変更手段23aは、テーブル24aを参照することにより、デューティ比変化量検出手段8aが算出したデューティ比変化量△Dが、△D1<△D<△D2の範囲(所定範囲)内にあるか否かを判定し(S5)、範囲内にあれば、デューティ比変化量検出手段8aが所定時間毎にデューティ比Dを読込む(S1)。
尚、デューティ比変化量△D1以下は、ここでは、図13に示す応答遅れ領域に対応する範囲であり、デューティ比変化量△D2以上は、図13に示すちらつき領域に対応する範囲である。△D1<△D<△D2の範囲内であれば、負荷13に応答遅れ及びちらつきが発生しない。
デューティ比更新周期設定変更手段23aは、デューティ比変化量△Dが、△D1<△D<△D2の範囲(所定範囲)内でなければ(S5)、テーブル24aを参照することにより、△D1<△D<△D2となるデューティ比の更新周期(パラメータ)を選択する(S7)。
デューティ比更新周期設定変更手段23aは、次いで、選択したデューティ比の更新周期をデューティ比出力手段6aに変更設定し(S9)、その後、デューティ比変化量検出手段8aが所定時間毎にデューティ比Dを読込む(S1)。デューティ比出力手段6aは、変更設定されたデューティ比の更新周期により、負荷13のデューティ比を更新しながら出力する。
(実施の形態9)
図14は、本発明に係る車両用電源制御装置の実施の形態9の概略構成を示すブロック図である。
この車両用電源制御装置は、オルタネータ1及びバッテリBが出力する電源電圧値が、負荷13,14,15毎に電源入力回路(変動抑制回路、ハードフィルタ)2aを通じて、電圧計測手段3bにより検出されA/D変換されて出力される。電源入力回路2aは、負荷13,14,15毎に、コンデンサ等の複数の回路素子を切替え接続することにより時定数を変更設定することができる。
電圧計測手段3bでA/D変換され出力された電源電圧値は、フィルタ演算手段(演算処理手段)4aにより負荷13,14,15毎に読込まれる。
フィルタ演算手段4aは、読込んだ各電源電圧値に、例えばIIRフィルタでディジタルフィルタ処理を施す。このディジタルフィルタ処理は、負荷13,14,15毎に(1)式を演算することにより施される。
(1−α)×(1周期前に出力した電圧値)
+α×(検出した電圧値)=電圧値(但し、1≧α>0) (1)
負荷13,14,15毎に、(1)式によりディジタルフィルタ処理が施された電源電圧値は、デューティ比演算手段5に与えられる。デューティ比演算手段5は、与えられたそれぞれの電源電圧値及び所定電圧値(ここでは13.2Vとするが、負荷毎に異なっても良い)を用いて、(2)式
(13.2/電源電圧値)2 ×100 (%) (2)
により、デューティ比を演算し、デューティ比出力手段6へ与える。
デューティ比出力手段6は、それぞれ与えられたデューティ比により、スイッチング回路10,11,12をPWM制御し、PWM制御された電源電圧がそれぞれ負荷13,14,15に与えられる。
出力監視回路7は、スイッチング回路10,11,12によりPWM制御された電力の電圧値及び電流値(実効値)をそれぞれ電圧値に変換し、デューティ比演算手段5に与える。
デューティ比演算手段5が演算した各デューティ比は、また、それぞれ所定時間毎にデューティ比変化量検出手段8a,8b,8cに読込まれ、デューティ比変化量検出手段8a,8b,8cは、それぞれ所定時間毎に読込んだデューティ比により単位時間当たりのデューティ比変化量を算出する。
デューティ比変化量検出手段8a,8b,8cが算出した各デューティ比変化量は、それぞれハードフィルタパラメータ設定変更手段21a,21b,21cに与えられ、ハードフィルタパラメータ設定変更手段21a,21b,21cは、与えられた各デューティ比変化量に基づき、内蔵するテーブル22a,22b,22cを参照する。
図15は、テーブル22a,22b,22cの内容のイメージを示す特性図である。
テーブル22a,22b,22cの内容は、単位時間当たりのデューティ比変化量と電源入力回路(ハードフィルタ)2aが有するハードフィルタ時定数(時定数)との特性を示している。ハードフィルタ時定数は、例えば、複数の回路素子を切替え接続することにより変更設定が可能であり、この場合は、ハードフィルタ時定数(ms)が大きくなる程、単位時間当たりのデューティ比変化量は小さくなる。
デューティ比の単位時間当たりの変化量が過大な場合、ランプではちらつきの原因となり(ちらつき領域)、過小な場合は、PWM制御の応答遅れとなって(応答遅れ領域)、実効電圧の上限超過が発生するので、ハードフィルタ時定数は、デューティ比の単位時間当たりの変化量が過大又は過小にならない範囲内にあることが望ましい。
ハードフィルタパラメータ設定変更手段21a,21b,21cは、与えられた各デューティ比変化量に基づき、内蔵するテーブル22a,22b,22cを参照し、デューティ比変化量が、上述した過大又は過小範囲にあれば、デューティ比変化量が、過大又は過小範囲でない中間範囲内になるように、ハードフィルタ時定数を変更する。ハードフィルタ時定数の変更は、ハードフィルタパラメータ設定変更手段21a,21b,21cが、電源入力回路2a内の回路素子を切替え接続することにより行われる。
上述した電圧計測手段3b、フィルタ演算手段4a、デューティ比演算手段5、デューティ比出力手段6、デューティ比変化量検出手段8a,8b,8c及びハードフィルタパラメータ設定変更手段21a,21b,21cは、マイクロコンピュータを備えた電源制御部25dに含まれている。電源制御部25dは、車両側から負荷13,14,15毎の起動/停止信号を与えられる。
その他の構成は、実施の形態1で説明した構成(図1)と同様であるので、説明を省略する。
以下に、このような構成の車両用電源制御装置の動作を、デューティ比変化量検出手段8a,8b,8c及びハードフィルタパラメータ設定変更手段21a,21b,21cの動作を示す図3のフローチャートを参照しながら説明する。尚、この車両用電源制御装置では、負荷13,14,15について、並行して作動するが、ここでは、負荷13について説明する。
電源制御部25dは、起動信号を与えられると、電源入力回路2aを通じて、電圧計測手段3bによりA/D変換された電源電圧値を読込み、フィルタ演算手段4aに与える。フィルタ演算手段4aは、与えられた電源電圧値を使用して(1)式のフィルタ演算処理を開始する。
フィルタ演算手段4aは、フィルタ演算処理した電源電圧値をデューティ比演算手段5に与え、デューティ比演算手段5は、与えられた電源電圧値を使用して(2)式を演算し、デューティ比Dを算出する。
デューティ比演算手段5は、算出したデューティ比Dを、デューティ比出力手段6から出力し、スイッチング回路10をPWM制御する。
デューティ比演算手段5が演算したデューティ比Dは、また、所定時間毎にデューティ比変化量検出手段8aに読込まれ(図3S1)、デューティ比変化量検出手段8aは、所定時間毎に読込んだデューティ比Dにより単位時間当たりのデューティ比変化量△Dを算出する(S3)。
ハードフィルタパラメータ設定変更手段21aは、テーブル22aを参照することにより、デューティ比変化量検出手段8aが算出したデューティ比変化量△Dが、△D1<△D<△D2の範囲(所定範囲)内にあるか否かを判定し(S5)、範囲内にあれば、デューティ比変化量検出手段8aが所定時間毎にデューティ比Dを読込む(S1)。
尚、デューティ比変化量△D1以下は、図15に示す応答遅れ領域に対応する範囲であり、デューティ比変化量△D2以上は、図15に示すちらつき領域に対応する範囲である。△D1<△D<△D2の範囲内であれば、負荷13に応答遅れ及びちらつきが発生しない。
ハードフィルタパラメータ設定変更手段21aは、デューティ比変化量△Dが、△D1<△D<△D2の範囲(所定範囲)内でなければ(S5)、テーブル22aを参照することにより、△D1<△D<△D2となるハードフィルタ時定数(パラメータ)の範囲を選択する(S7)。
ハードフィルタパラメータ設定変更手段21aは、次いで、選択したハードフィルタ時定数の範囲に、電源入力回路2aのハードフィルタ時定数が含まれるように、電源入力回路2aの回路素子を切替え接続して、ハードフィルタ時定数を変更設定する(S9)。次いで、デューティ比変化量検出手段8aが所定時間毎にデューティ比Dを読込む(S1)。
電源入力回路2aは、回路素子が切替え接続され、変更設定されたハードフィルタ時定数により、電源電圧を入力し、入力された電源電圧値は、電圧計測手段3bにより検出されA/D変換されて、フィルタ演算手段に与えられる。
1 オルタネータ
2,2a 電源入力回路(変動抑制回路)
3,3a,3b 電圧計測手段
4,4a,4b フィルタ演算手段(演算処理手段)
5,5a,5b デューティ比演算手段
6,6a デューティ比出力手段
8a〜8c デューティ比変化量検出手段(変化量を検出する手段)
9a〜9c フィルタパラメータ設定変更手段(判定する手段、時定数変更手段、演算周期を変更する手段、初期値を変更する手段)
10〜12 スイッチング回路
13〜15 負荷
16a〜16c,18a〜18c,20a〜20c,22a〜22c,24a〜24c, テーブル
17a〜17c A/D変換パラメータ設定変更手段(判定する手段、検出周期変更手段、分解能を変更する手段)
19a〜19c デューティ比演算パラメータ設定変更手段(判定する手段、量子化ビット数を変更する手段、演算誤差を変更する手段)
21a〜21c ハードフィルタパラメータ設定変更手段(判定する手段、時定数を変更する手段)
23a〜23c デューティ比更新周期設定変更手段(判定する手段、周期を変更する手段)
25,25a,25b,25c.25d 電源制御部
B バッテリ

Claims (9)

  1. 検出した車載電源の電圧値に、所定の演算周期、及び該電圧値の所定の初期値で時定数を含む演算処理を施し、前記電圧値の変動速度を低減した電圧値を出力する演算処理手段を備え、該演算処理手段が出力した電圧値に基づき、前記車載電源の電圧を所定電圧値にPWM制御し、PWM制御した電圧を負荷へ与える車両用電源制御装置において、
    前記PWM制御のデューティ比の所定時間当たりの変化量を検出する手段と、該手段が検出した変化量が所定範囲に含まれるか否かを判定する手段と、該手段が所定範囲に含まれないと判定したときに、前記変化量が所定範囲に含まれるように、前記時定数を変更する時定数変更手段とを備えることを特徴とする車両用電源制御装置。
  2. 前記時定数変更手段に代えて、前記演算周期を変更する手段を備える請求項1記載の車両用電源制御装置。
  3. 前記時定数変更手段に代えて、前記初期値を変更する手段を備える請求項1記載の車両用電源制御装置。
  4. 所定の検出周期及び分解能で車載電源の電圧値を検出する手段と、該手段が検出した電圧値に演算処理を施し、前記電圧値の変動速度を低減した電圧値を出力する演算処理手段とを備え、該演算処理手段が出力した電圧値に基づき、前記車載電源の電圧を所定電圧値にPWM制御し、PWM制御した電圧を負荷へ与える車両用電源制御装置において、
    前記PWM制御のデューティ比の所定時間当たりの変化量を検出する手段と、該手段が検出した変化量が所定範囲に含まれるか否かを判定する手段と、該手段が所定範囲に含まれないと判定したときに、前記変化量が所定範囲に含まれるように、前記検出周期を変更する検出周期変更手段とを備えることを特徴とする車両用電源制御装置。
  5. 前記検出周期変更手段に代えて、前記分解能を変更する手段を備える請求項4記載の車両用電源制御装置。
  6. 検出した車載電源の電圧値に演算処理を施し、前記電圧値の変動速度を低減した電圧値を出力する演算処理手段と、該演算処理手段が出力した電圧値に基づき、所定の量子化ビット数でデューティ比を演算する手段と、該手段が演算したデューティ比で前記車載電源の電圧を所定電圧値にPWM制御する手段とを備え、該手段がPWM制御した電圧を負荷へ与える車両用電源制御装置において、
    前記PWM制御のデューティ比の所定時間当たりの変化量を検出する手段と、該手段が検出した変化量が所定範囲に含まれるか否かを判定する手段と、該手段が所定範囲に含まれないと判定したときに、前記変化量が所定範囲に含まれるように、前記量子化ビット数を変更する手段とを備えることを特徴とする車両用電源制御装置。
  7. 検出した車載電源の電圧値に演算処理を施し、前記電圧値の変動速度を低減した電源電圧値Vsを出力する演算処理手段と、該演算処理手段が出力した電源電圧値Vsに基づき、前記車載電源の電圧を所定電圧値VcにPWM制御する為のデューティ比を、演算式(Vc/Vs)2 ×100の近似式で算出する手段とを備え、該手段が算出したデューティ比によりPWM制御した電圧を負荷へ与える車両用電源制御装置において、
    前記デューティ比の所定時間当たりの変化量を検出する手段と、該手段が検出した変化量が所定範囲に含まれるか否かを判定する手段と、該手段が所定範囲に含まれないと判定したときに、前記変化量が所定範囲に含まれるように、前記近似式の1又は複数の係数を変えることにより、前記近似式の演算誤差を変更する手段とを備えることを特徴とする車両用電源制御装置。
  8. 検出した車載電源の電圧値に演算処理を施し、前記電圧値の変動速度を低減した電源電圧値を出力する演算処理手段と、該演算処理手段が出力した電源電圧値に基づき、前記車載電源の電圧を所定電圧値にPWM制御する為のデューティ比を算出する手段とを備え、該手段が算出し所定の周期で更新したデューティ比によりPWM制御した電圧を負荷へ与える車両用電源制御装置において、
    前記デューティ比の所定時間当たりの変化量を検出する手段と、該手段が検出した変化量が所定範囲に含まれるか否かを判定する手段と、該手段が所定範囲に含まれないと判定したときに、前記変化量が所定範囲に含まれるように、前記周期を変更する手段とを備えることを特徴とする車両用電源制御装置。
  9. 車載電源の電圧を該電圧の変動速度を低減して出力する変動抑制回路と、該変動抑制回路が出力した電圧を検出する手段と、該手段が検出した電圧値に演算処理を施し、前記電圧値の変動速度を低減した電圧値を出力する演算処理手段とを備え、該演算処理手段が出力した電圧値に基づき、前記車載電源の電圧を所定電圧値にPWM制御し、PWM制御した電圧を負荷へ与える車両用電源制御装置において、
    前記PWM制御のデューティ比の所定時間当たりの変化量を検出する手段と、該手段が検出した変化量が所定範囲に含まれるか否かを判定する手段と、該手段が所定範囲に含まれないと判定したときに、前記変化量が所定範囲に含まれるように、前記変動抑制回路の時定数を変更する手段とを備えることを特徴とする車両用電源制御装置。
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