JP2014205459A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ドライ路面上での良好な操縦安定性能を維持したまま、ウェット路面上でのブレーキ性能が向上し、タイヤの摩耗後においてもなお、ウェット路面上での良好なブレーキ性能を維持し得る空気入りタイヤを提案する。【解決手段】トレッド踏面の中央域に少なくとも一本の周方向主溝6を有し、該周方向主溝から少なくとも一方のトレッド端側へ、順に、少なくとも一本の周方向副溝7と、少なくとも一本の周方向サイプ8と、トレッド端から周方向サイプと交差して周方向副溝まで延びる複数本の第一の幅方向サイプ9とを設け、該第一の幅方向サイプの深さは、周方向サイプの深さd8よりも深く、かつ、周方向サイプ8との交差部10での深さd10が他の部分での深さd9よりも浅い。【選択図】図2

Description

本発明は空気入りタイヤに関し、特に、氷雪路やウェット路などのウェット条件下でのブレーキ性能とともに、一般的なドライ路などのドライ条件下での操縦安定性を、陸部剛性を損なうことなく向上した空気入りタイヤに関する。
一般に、トレッドに溝によりブロックが区画形成された乗用車用空気入りタイヤでは、ウェット路面上でのブレーキ性能を確保するために、ブロックにサイプを設けて、排水性を向上させている。一方で、ブロックに多数のサイプを設けると、今度はブロックの剛性が低下してしまい、操縦安定性が損なわれる可能性がある。このように、サイプを形成することによる排水性の確保とブロック剛性の確保は二律背反の関係にあることから、例えば特許文献1では、サイプを形成して排水性を確保しつつも、サイプの間に突条を設けることでブロックの倒れ込みを抑制して、ブロックの剛性を保つことが行われている。
特開2008−290521号公報
そして近年、空気入りタイヤにおいては、ウェット路面上でのブレーキ性能(以下、ウェットブレーキ性能と言う)のさらなる向上が求められており、タイヤの摩耗後においてもなおウェットブレーキ性能を確保すべく、ブロックに対して多数のサイプを設ける際に、これらのサイプをさらに深く設けることが行われている。しかし、サイプを深く設けるとブロックの剛性はさらに低下してしまい、その結果、ドライ路面上での操縦安定性(以下、ドライ操縦安定性と言う)はさらに悪化することになる。このように、良好なドライ操縦安定性を維持したまま、ウェットブレーキ性能を向上させることは困難であった。
従って本発明の目的は、ドライ路面上での良好な操縦安定性能を維持したまま、ウェット路面上でのブレーキ性能を向上した空気入りタイヤを提案すること、さらに、タイヤの摩耗後においてもなお、ウェット路面上での良好なブレーキ性能を維持し得る空気入りタイヤを提案することにある。
そこで発明者は、ウェットブレーキ性能の向上に寄与する排水性を確保するのに十分な数及び深さのサイプを設けても、ドライ路面上における操縦安定性の悪化をまねくことがなく、さらに、タイヤの摩耗後においても良好なウェットブレーキ性能を維持する空気入りタイヤを提供すべく、鋭意研究を重ねた。
その結果、排水性確保のためにサイプをさらに深くすると陸部の剛性が一層低下することから、サイプの深さに着眼し、このサイプの深さを調整すれば、陸部剛性の低下を抑制することができるとの知見を得た。そして、さらに検討を重ねた結果、陸部剛性の低下が、特に、これらサイプが相互に交差する部分において顕著であることが分かった。すなわち、サイプは通常、各々が一定の深さで延在するように形成されているため、サイプが密になる交差部分では局所的にサイプ密度が高くなって、他のサイプ形成部分と比較して剛性が低くなる傾向があり、かかる剛性の低下が操縦安定性の悪化につながっていることが分かった。
そこで発明者は、陸部の剛性の高低分布を考慮して、トレッド踏面に延在するサイプの深さを必要に応じて変化させて適切な深さを設定すれば、タイヤ全体の陸部剛性を維持できる上、摩耗後のウェット性能の維持も可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
1.タイヤのトレッド踏面の中央域にタイヤ赤道に沿って延びる少なくとも一本の周方向主溝を有し、該周方向主溝から少なくとも一方のトレッド端側へ、順に、該周方向主溝よりも幅狭でタイヤ赤道に沿って延びる少なくとも一本の周方向副溝と、該周方向副溝よりも幅狭でタイヤ赤道に沿って延びる少なくとも一本の周方向サイプとを設け、
さらに、前記トレッド端から、前記周方向サイプと交差して前記周方向副溝まで延びる複数本の第一の幅方向サイプを設け、
該第一の幅方向サイプの深さは、前記周方向サイプの深さよりも深く、かつ前記周方向サイプとの交差部での深さが他の部分での深さよりも浅い
ことを特徴とする空気入りタイヤ。
2.前記トレッド踏面に、前記周方向副溝から前記周方向主溝まで延びる複数本の第二の幅方向サイプを設け、
該第二の幅方向サイプの深さは、各溝側部での深さが、該溝側部間での深さよりも浅いことを特徴とする前記1に記載の空気入りタイヤ。
3.車両への装着の向きが定められる該車両装着時において、前記周方向主溝、前記周方向副溝、前記周方向サイプ、前記第一の幅方向サイプ、前記第二の幅方向サイプは、車両装着時内側に配されるトレッド半幅域内に在ることを特徴とする前記1又は2に記載の空気入りタイヤ。
4.前記トレッド踏面に、前記トレッド端から前記周方向サイプまで延びる複数本のラグ溝と、該ラグ溝から前記周方向副溝まで延びる第三の幅方向サイプを設け、
該第三の幅方向サイプは、前記第一の幅方向サイプの深さよりも浅いことを特徴とする前記1〜3に記載の空気入りタイヤ。
この発明によれば、ドライ路面上での良好な操縦安定性能を維持したまま、ウェット路面上でのブレーキ性能を向上した空気入りタイヤを提供すること、さらに、タイヤの摩耗後においてもなお、ウェット路面上での良好なブレーキ性能を維持し得る空気入りタイヤを提供することが可能となる。
本発明に従う空気入りタイヤのタイヤ径方向断面図である。 (a)は、本発明に従う空気入りタイヤのトレッド踏面の部分展開図である。(b)は、第一の幅方向サイプ及び第二の幅方向サイプの深さ変化を、断面方向から見た場合の図である。 本発明に従う空気入りタイヤのトレッド踏面の部分展開図であり、(a)は0%摩耗時、(b)は50%摩耗時、(c)は80%摩耗時の状態を示す図である。 (a)及び(b)は、本発明に従う空気入りタイヤのトレッド踏面の部分展開図の他の例である。 従来の空気入りタイヤのトレッド踏面の部分展開図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に従う空気入りタイヤを詳細に説明する。図1は、本発明に従う空気入りタイヤのタイヤ径方向断面図である。図2(a)は、本発明に従う空気入りタイヤのトレッド踏面の部分展開図であり、図2(b)は、第一の幅方向サイプ及び第二の幅方向サイプの深さ変化を、断面方向から見た場合の図である。図3は本発明に従う空気入りタイヤのトレッド踏面の部分展開図であり、(a)は0%摩耗時、(b)は50%摩耗時、(c)は80%摩耗時の状態を示す図である。図4(a)及び図4(b)は、本発明に従う空気入りタイヤのトレッド踏面の部分展開図の他の例である。図5は、従来の空気入りタイヤのトレッド踏面の部分展開図である。
図1に示すように、本発明に従う空気入りタイヤ1(以下、単に「タイヤ」と言う)は、ビードコア2、2を埋設した一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカス3を骨格として、このカーカス3のクラウン部3Cのタイヤ径方向外側にトレッド5を配置してなる。なお、ビード部やカーカスの構造は一例であり、本発明はこれに限定されることはない。例えば、カーカス3は2層以上のカーカスプライから構成してもよいし、カーカス3のタイヤ径方向外側にベルト4を配置してもよい。ベルト4のタイヤ径方向外側には、トレッド5が形成されている。
図2は、トレッド5の踏面の部分展開図を示す図である。
トレッド5の踏面の中央域には、タイヤ赤道Cに沿って延びる少なくとも一本の周方向主溝、ここでは一本の周方向主溝6がタイヤ赤道Cに隣接して設けられている。タイヤ赤道Cを境界とする、周方向主溝6が設けられるトレッド半幅域には、周方向主溝から少なくとも一方のトレッド端側へ、ここでは周方向主溝6の近い方のトレッド端TE側へ、順に、周方向主溝6の溝幅wよりも狭い幅wでタイヤ赤道Cに沿って延びる少なくとも一本の周方向副溝、ここでは一本の周方向副溝7、及び、周方向副溝7の溝幅wよりも狭い幅wでタイヤ赤道Cに沿って延びる少なくとも一本の周方向サイプ、ここでは一本の周方向サイプ8が、設けられている。
ここで、タイヤのトレッドの踏面とは、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格、例えばアメリカ合衆国ではThe Tire and Rim Association Inc.の“Year Book”、欧州ではThe European Tyre and Rim Technical Organisationの“Standard Manual”、日本では日本自動車協会の“JATMA Year Book”に記載の規格の適用サイズにおける標準リムにタイヤを組み付け、かかる規格の適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)及び最大荷重に対応する空気圧を適用した状態において、タイヤ表面が地面と接触する面のことである。また、トレッドの中央域に周方向主溝6を有するとは、該周方向主溝6の一部又は全部が、タイヤ赤道Cを中心とするトレッド接地幅の20%以内に含まれている、ということである。さらに、周方向主溝6の溝幅wは5〜12mmであり、周方向副溝7の溝幅wは1〜5mm(又は周方向主溝6の溝幅wの8〜100%)、周方向サイプ8の溝幅wは1〜3mm(又は周方向主溝6の溝幅wの8〜25%)であることが好ましい。
さらに、トレッド5の踏面には、一方のトレッド端TEから、周方向サイプ8と交差して周方向副溝7まで延びる複数本の第一の幅方向サイプ、ここでは三本の第一の幅方向サイプ9が設けられている。そして、周方向サイプ8と第一の幅方向サイプ9が交差することにより、図2に示すように、交差部10が形成されている。
そして本発明では、第一の幅方向サイプ9の深さは、周方向サイプ8の深さdよりも深く、且つ、第一の幅方向サイプ9と周方向サイプ8との交差部10での深さd10が、延在する他の部分での深さdよりも浅いことが肝要である。
ここで、周方向サイプ8の深さdとは、タイヤ全周に亘って周方向に延在するサイプ8の平均深さのことを言う。また、図2(b)は第一の幅方向サイプ9の深さ変化を断面方向に示した図であるが、ここで図示するように、第一の幅方向サイプ9の深さは延在方向に深さが変化しており、サイプ全長に亘って一定の深さではない。すなわち、トレッド端TEと周方向副溝7によって陸部11が形成されているが、第一の幅方向サイプ9は、この陸部11を幅方向に横断するにあたり、交差部10近傍で深さが部分的に浅くなるように形成されている。より具体的には、第一の幅方向サイプ9は、トレッド端TEから交差領域R(交差部10の幅方向中央を対称にして交差部の幅wの50〜200%の幅領域内)までの間、交差部10に向かって深さdで陸部11を横断しており、交差領域R内では、交差部10を頂点としてサイプ深さ平均がd10となるように、断面で見て山形を描きながら横断する。その後また、第一の幅方向サイプ9は、交差領域Rから周方向サイプ8に向かって、深さdで陸部11を横断する。
これらの深さd〜d10の関係をまとめると、d<d10<dである。具体的に、周方向サイプ8の深さdは1〜4mm、第一の幅方向サイプ9の深さdは2〜6.5mm(又は周方向サイプ8の深さdの200〜650%)、交差領域R内の第一の幅方向サイプ9の深さd10は1.5〜5mm(又は周方向サイプ8の深さdの150〜500%)である。
このように、陸部11に対して、周方向及び幅方向のサイプを複数本設けることにより、接地域内の水膜をサイプ内へ取り込んで、ここからの水を周方向サイプ及びトレッド接地面外へ掻き出して陸部上の水膜が除去されるため、排水性が向上する結果、ウェットブレーキ性能を向上させることができる。また、エッジ面及びエッジ数が増加することにより引っ掻き効果が増加するため、特に、氷雪路面上でのブレーキ性能及び加速性能を向上させることができる。
そしてこの際、第一の幅方向サイプ9を一定の深さで延在させるのではなく、周方向サイプ8と交差する領域で深さを浅く設計しているため、周方向サイプ8と第一の幅方向サイプ9が交差する領域内で陸部剛性が低下するのを抑制することができる。つまり、交差する領域外での第一の幅方向サイプ9の深さdは、周方向サイプ8の深さdよりも深いため、第一の幅方向サイプ9が一定の深さdで陸部11を横断した場合には、両サイプの交差部10の深さはdになる。そうすると、陸部11の他の部分に比べて交差部10でのサイプ体積が大きくなるため、当該部分における剛性が特に低下し易くなり、操縦安定性が悪化してしまう場合がある。そこで、幅方向サイプのうち剛性の低下し易い交差部10付近ではサイプ深さを比較的浅くして剛性を高め、一方、交差部10付近以外の幅方向サイプではサイプ深さを比較的深くして排水性能を向上させることにより、陸部剛性を維持したまま、十分な排水性を確保するようにした。すなわち、かかる構成を採用すれば、良好な操縦安定性を確保したまま、同時に、ウェットブレーキ性能を向上することができるのである。
また、このように深さd<d10<dとして、溝又はサイプの深さを変化させることによって、トレッドが摩耗した後であっても、深さの深い溝又はサイプを、トレッド内に部分的に残しておくことができる。その結果、摩耗後において、高い剛性だけでなく、適度な排水性も備えた空気入りタイヤを提供することが可能となる。
次に、図2に示すように、トレッド5の踏面には、周方向主溝6から周方向副溝7まで延びる複数本の第二の幅方向サイプ、図示例では六本の第二の幅方向サイプ13が設けられている。より具体的には、周方向主溝6及び周方向副溝7によって陸部12が形成されており、この陸部12内に、周方向主溝6及び周方向副溝7間に延びる複数本の第二の幅方向サイプが設けられている。
このように、陸部12に対して幅方向のサイプを複数本設けることにより、上記同様、ウェットブレーキ性能を向上させることができ、また特に、氷雪路面上でのブレーキ性能及び加速性能を向上させることができる。
そして、この第二の幅方向サイプ13の深さは、各溝側部での深さが該溝側部間での深さよりも浅いことが、ここでは溝側部13a、13aでの各深さd13aが、該溝側部13a、13a間13bでの深さd13bよりも浅いことが好ましい。
より具体的には、第二の幅方向サイプ13の深さ変化を断面方向に見た図2(b)に示すように、陸部12において、溝壁部13a、13aにおける第二の幅方向サイプ13の深さd13aは比較的浅く、溝壁部13a、13a間すなわち陸部12の中央部13bにおける第二の幅方向サイプ13の深さd13bは比較的深くなっている。ここで、溝壁部での比較的浅い深さd13aのサイプとは、各溝(ここでは周方向主溝6、周方向副溝7)から、それぞれ、陸部12の幅方向長さw12の20%の幅領域内における第二の幅方向サイプ13の平均深さのことを言う。第二の幅方向サイプ13の深さd13aは1〜4mm(又は周方向サイプ8の深さdの50〜100%)である。また、陸部の中央部の比較的深い深さd13bのサイプとは、陸部12の幅方向中央を対称軸にして、陸部12の幅方向長さの80%の領域内における第二の幅方向サイプ13の平均深さのことを言う。第二の幅方向サイプ13の深さd13bは3〜7mm(又は周方向サイプ8の深さdの300〜700%)である。
このように、第二の幅方向サイプ13を一定の深さで延在させるのではなく、周方向主溝及び周方向副溝との交差領域で深さを浅く設計しているため、該交差領域での陸部剛性の低下を抑制することができる。つまり、第二の幅方向サイプ13のうち剛性の低下し易い溝壁部13a付近ではサイプ深さを比較的浅くして剛性を高め、一方、溝壁部13a、13a間13b、すなわち陸部12の中央部ではサイプ深さを比較的深くして排水性能を向上させることにより、陸部12の剛性を維持したまま、十分な排水性を確保することができる。
以上のように、トレッド5の踏面内のサイプ及び溝の深さを変化させることによって、トレッドが摩耗した後であっても、排水性に寄与するサイプ及び溝を、トレッド内に部分的に残しておくこと可能となる。図3(a)〜(c)は、本発明のタイヤの新品時(a)、50%摩耗時(b)、80%摩耗時(c)のトレッドの状態例を示した図である。なお、ここで言う摩耗割合は、タイヤの新品時の溝深さを100%として、溝底の半径方向上側1.6mm(溝内にあるスリップサインであるレッドウェアーインジケーターの最大高さ位置)までの深さの割合のことを言う。この図からも分かるように、例えば、トレッドが50%摩耗した後であっても、第一の幅方向サイプ9及び第二の幅方向サイプ13、周方向主溝6、周方向副溝7が残っているため、これらのサイプ及び溝によって排水性が維持される。さらに、トレッドが80%摩耗した後であっても、第二の幅方向サイプ13及び周方向主溝6が残っているため、これらのサイプ及び溝が、トレッド上の排水を行うことができる。このように、摩耗後においても、高い剛性だけでなく、適度な排水性も同時に確保した空気入りタイヤを提供することが可能となる。
なお、図2では、トレッドに周方向主溝、周方向副溝、周方向サイプをそれぞれ一本ずつ設ける例を示したが、これらの溝及びサイプは、例えば周方向主溝の例を図4(a)、(b)に示すように、各々二本以上設けてもよい。この場合、第一の幅方向サイプは、トレッド端から、複数本の周方向サイプと交差して複数本の周方向副溝のいずれか一本まで延び、第二の幅方向サイプは、複数本の周方向副溝のいずれか一本から、複数本の周方向主溝のいずれか一本まで延びる。そして、第一の幅方向サイプと周方向サイプが交差する部分、第二の幅方向サイプと周方向主溝又は周方向副溝とが交差する部分において、幅方向サイプのサイプ深さが、他の部分のサイプ深さよりも浅く設けられている。
また、図2では、トレッドの半幅域内のみに周方向主溝、周方向副溝、周方向サイプの全てを設ける例を示したが、これらの溝及びサイプを例えば反対側の半幅域内のみに設けたり、トレッド全幅域に周方向溝及びサイプ、幅方向サイプを形成してもよい。
さらに、トレッド5の踏面には、図2(a)に示すように、トレッド端TEから周方向サイプ8まで延びる複数本のラグ溝、図示例では二本のラグ溝14と、該ラグ溝の各々から周方向副溝7まで延びる第三の幅方向サイプ15が設けられていることが好ましい。
このように、周方向副溝7からトレッド端TEよりも幅方向外側へ連通する溝を設けることにより、接地域内の水膜を、さらに効率的に排除することが可能となる。ラグ溝14の溝幅は、第一の幅方向サイプ9及び第三の幅方向サイプ15のサイプ幅よりも幅広であるため、より効率的に排水することができる。なお、第三の幅方向サイプ15の深さd15は、第一の幅方向サイプ9の深さdよりも浅いことが好ましい。
ここで、空気入りタイヤは、車両装着時において一般に、車両の装着内側と装着外側における、トレッドの路面への接地頻度やトレッド部への負荷が異なる。特に、直線走行時には、車両装着内側となるトレッドが路面に強く接地し、車両装着外側となるトレッドは、逆に路面から浮き上がる傾向にある。
このように、車両への装着向きが定められるタイヤである場合には、車両装着時において、周方向主溝6、周方向副溝7、周方向サイプ8、第一の幅方向サイプ9、第二の幅方向サイプ13の全てが、図2(a)に示すように、車両への装着時に車両内側となるトレッド半幅域内に在ることが好ましい。このとき、周方向主溝6は、タイヤ赤道Cに跨ることなく、一方のトレッド半幅域内に配置されることになる。そして、上記の通り、直線走行時には、主に車両内側のトレッドが路面と接地することになる。従って、路面との接地頻度が多い車両内側のトレッドでは、サイプ及び溝を多数設けることで排水性を確保する必要があるが、この際、上述の通りサイプ及び溝の深さを適宜変化させることで、剛性を低下させることなく良好な操縦安定性も維持することが可能となる。一方、路面との接地頻度が比較的少ない車両外側のトレッドでは、サイプ及び溝を車両内側程に設けることなく、陸部剛性を高く保って、良好な操縦安定性を維持することが可能となる。
次に、本発明に従う発明例タイヤ1、2と、従来技術に従う従来例タイヤをそれぞれ試作して、ウェットブレーキ性能及び操縦安定性についての性能評価を行った。
発明例タイヤ1は、サイズが155/70R19、適用リム19×5B、適用内圧250kPaの図4(a)に示したトレッドパターンを有する乗用車用ラジアルタイヤであり、各諸元は下記表1に示す通りである。
発明例タイヤ2は、図4(b)に示したトレッドパターンを有する乗用車用ラジアルタイヤであり、各諸元が下記表1に示す通りである以外は、発明例タイヤ1と同様
である。
一方、従来例タイヤは、図5に示すトレッドパターンを有する乗用車用ラジアルタイヤとした。
Figure 2014205459
これらの発明例タイヤ1、2及び従来例タイヤを、それぞれ、図面に示す矢印側が内側となるように車両(トヨタ RAV4)に装着した。すなわち、発明例タイヤ1、2では、第一の幅方向サイプ及び周方向サイプの交差部を設けた側が内側となるように、タイヤを車両に装着した。
ウェットブレーキ性能の評価は、運転者1名の試験荷重下にて、ウェット路面のテストコースを走行することにより行った。氷雪上ブレーキ性能は、氷雪路面のテストコースを速度40km/h〜フル制動したときの制動距離の計測値の指数を、氷雪上加速性能は、氷雪路面のテストコースを初速10km/h〜45km/hまで加速した際の区間タイムの計測値の指数を示している。また、操縦安定性の評価は、同様に運転者1名の試験荷重下にて、ドライ路面のテストコースを走行することにより行った。操縦安定性は、従来例タイヤで走行した際の総合フィーリングを指数100(基準)とした場合の実車官能試験の結果を示している。いずれも、数値が大きくなるほど、各性能が向上していることを示す。
結果を表2に示す。
Figure 2014205459
表2の結果から、発明例タイヤ1、2はいずれも、操縦安定性を維持したまま、ウェット路面上、特には氷雪路面上で良好なブレーキ性能及び加速性能を備えた空気入りタイヤを提供できることが分かった。
また、タイヤの摩耗後においても、ウェット路面上で良好なブレーキ性能及び加速性能を備えた空気入りタイヤを提供できることが分かった。
この発明によれば、ドライ路面上での良好な操縦安定性能を維持したまま、ウェット路面上でのブレーキ性能を向上した空気入りタイヤを提供すること、さらに、タイヤの摩耗後においてもなお、ウェット路面上での良好なブレーキ性能を維持し得る空気入りタイヤを提供することが可能となった。
1 空気入りタイヤ
2 ビードコア
3 カーカス
4 ベルト
5 トレッド
6 周方向主溝
7 周方向副溝
8 周方向サイプ
9 第一の幅方向サイプ
10 交差部
11、12 陸部
13 第二の幅方向サイプ
14 ラグ溝
15 第三の幅方向サイプ

Claims (4)

  1. タイヤのトレッド踏面の中央域にタイヤ赤道に沿って延びる少なくとも一本の周方向主溝を有し、該周方向主溝から少なくとも一方のトレッド端側へ、順に、該周方向主溝よりも幅狭でタイヤ赤道に沿って延びる少なくとも一本の周方向副溝と、該周方向副溝よりも幅狭でタイヤ赤道に沿って延びる少なくとも一本の周方向サイプとを設け、
    さらに、前記トレッド端から、前記周方向サイプと交差して前記周方向副溝まで延びる複数本の第一の幅方向サイプを設け、
    該第一の幅方向サイプの深さは、前記周方向サイプの深さよりも深く、かつ前記周方向サイプとの交差部での深さが他の部分での深さよりも浅い
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記トレッド踏面に、前記周方向副溝から前記周方向主溝まで延びる複数本の第二の幅方向サイプを設け、
    該第二の幅方向サイプの深さは、各溝側部での深さが、該溝側部間での深さよりも浅いことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 車両への装着の向きが定められる該車両装着時において、前記周方向主溝、前記周方向副溝、前記周方向サイプ、前記第一の幅方向サイプ、前記第二の幅方向サイプは、車両装着時内側に配されるトレッド半幅域内に在ることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記トレッド踏面に、前記トレッド端から前記周方向サイプまで延びる複数本のラグ溝と、該ラグ溝から前記周方向副溝まで延びる第三の幅方向サイプを設け、
    該第三の幅方向サイプは、前記第一の幅方向サイプの深さよりも浅いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
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