JP2014202965A - トナー処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】流動性向上、帯電性向上の為に小径外添剤を添加しても凝集した小径外添剤が細かく解砕され、画像上に外添剤凝集物由来の粒子像が発生することを抑制する。【解決手段】回転体30は、回転体本体31と、回転体30の回転により被処理物に衝突して該被処理物を処理する処理面33であって、回転体本体31の外周面31aから径方向の外向きに延び、かつ、処理面33のうち回転体本体31から離れた領域の方が、該領域より回転体本体31に近い領域よりも、回転体30の回転方向下流側に位置するように形成された処理面33を有する処理部32と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、及び静電印刷法等において静電潜像を現像するために用いられるトナー(以下、単に「トナー」と称することがある。)の処理装置に関する。
従来、一般的な電子写真法におけるトナーは、トナー粒子表面を流動性向上剤(外添剤)で処理し、所望の流動性や帯電特性を制御している。この外添剤として、一般的に広く使用されているものは、無機物あるいは有機物から成る微粒子である。
かかる外添剤としては、従来から金属酸化物や樹脂粒子及びこれらの表面処理物などが広く利用されてきた。その中で、トナーの流動化剤、帯電付与剤としての機能を有し、主に現像性(感光体への飛翔)の向上を目的に添加される、一次粒子の個数平均粒径が10nm以上80nm以下程度のシリカ粒子などの金属酸化物からなる外添剤がある。かかる外添剤には、流動性向上、帯電性を制御する機能に加えて、湿度の影響を受けないように疎水化処理されたシリカ粒子があり、多くのトナー用外添剤として利用されている。
しかし、上述した一次粒子の個数平均粒径が10nm以上80nm以下程度のシリカ粒子は、一般的に50μmから100μm程度の凝集物を多く含有している。
これまで、前記凝集物を取り除くために、金属メッシュにより取り除く操作を行っていたが、凝集物の解砕レベルによりシリカの含有量が生産ロット毎に振れてしまい、その結果、トナーの物性が振れてしまう原因になっていた。
また、上記課題をクリアするために、トナー粒子と混合する前に、シリカの凝集物を事前に解砕処理を行うことも行われてきた。しかし、前記解砕処理には、別の装置を用いることで、処理工程が増えたり、処理コストが高くなる等の弊害があった。さらに、前記解砕処理を行っても、解砕したシリカが、時間の経過により再凝集してしまうことも知られている。
そこで、トナー粒子と外添剤を混合処理と同時に、外添剤の解砕処理も行える装置が求められている。これまでに、外添剤とトナー粒子の混合を短時間で行う方法として、次のような装置がある。それは、撹拌槽、回転駆動軸及び撹拌翼を有し、攪拌槽の底壁を貫通する回転駆動軸に固定した撹拌翼を該撹拌槽の底部に配置し、撹拌翼の両端部に図18に示したライザー部材(図18の符号101,102)を備えた装置(例えば特許文献1)である。
特開2003−175325号公報
しかしながら、上記のような従来技術の場合には、以下のような問題が生じることが懸念される。
上記装置はトナー粒子とシリカ粒子の混合性には十分効果を発揮するものの、シリカの凝集物(50〜100μm程度)を十分解砕することができない。このため、開口75μmの金属メッシュを通過させたトナーでは、外添剤の凝集物が含まれてしまう。その場合には、ベタ画像を現像した際、トナーと共に前記凝集物が現像され、定着後も紙上に凝集した状態で存在するため、画像上に外添剤凝集物由来の粒子像が残ってしまう。その結果、画像品位を損ねてしまうことが懸念される。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、流動性向上、帯電性向上の為に小径外添剤を添加しても凝集した小径外添剤が細かく解砕され、画像上に外添剤凝集物由来の粒子像が発生することを抑制することを目的とする。ここで、小径外添剤とは、一次粒子の個数平均粒径が10nm以上80nm以下のシリカ粒子をいう。
上記目的を達成するために本発明のトナー処理装置にあっては、
トナー粒子と外添剤とを含む被処理物が収容される処理室と、
前記処理室内で駆動軸を中心に回転可能に設けられた回転体と、
を備え、
前記回転体は、
回転体本体と、
前記回転体の回転により被処理物に衝突して該被処理物を処理する処理面であって、前記回転体本体の外周面から径方向の外向きに延び、かつ、前記処理面のうち前記回転体本体から離れた領域の方が、該領域より前記回転体本体に近い領域よりも、前記回転体の回転方向下流側に位置するように形成された処理面を有する処理部と、
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、流動性向上、帯電性向上の為に小径外添剤を添加しても凝集した小径外添剤が細かく解砕され、画像上に外添剤凝集物由来の粒子像が発生することを抑制することが可能となる。
実施形態の回転体を示す概略図 本発明を適用可能なトナー処理装置を示す概略図 実施形態の処理室を示す概略図 実施形態の撹拌羽根を示す概略図 実施形態の回転体を示す概略図 処理面の機能について説明するための図 処理面の機能について説明するための図 実施例5の回転体を示す概略図 実施例6の回転体を示す概略図 実施例7の回転体を示す概略図 実施例14の回転体を示す概略図 実施例15の撹拌羽根を示す概略図 比較例1の回転体を示す概略図 比較例2の回転体を示す概略図 処理部の他の形態を示す概略図 処理部の他の形態を示す概略図 処理部の他の形態を示す概略図 従来技術を説明するための図
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
以下、本発明を適用可能なトナー処理装置の実施形態について詳細に説明する。
[トナー処理装置]
図2に本発明を適用可能なトナー処理装置1の概略図を示す。
トナー処理装置1は、処理室(処理槽)10、舞上げ手段としての撹拌羽根20、回転体30、駆動モータ50、及び制御部60で構成されている。ここで、処理室10は、トナー粒子及び外添剤を含む被処理物を収容するためのものである。そして、撹拌羽根20は、処理室内における回転体30の下方となる処理室10の底部に回転可能に設けられている。また、回転体30は、撹拌羽根20よりも上方で回転可能に設けられている。
[処理室]
図3に処理室10の概略図を示す。図3では、説明の便宜上、処理室10の内周面(内壁)10aを一部切断した状態を示している。
本実施形態において処理室10は略平らな底部を持った円筒形の容器であり、底部の略中心に撹拌羽根20や回転体30を取り付けるための駆動軸11を備えている。
処理室10は強度の観点から鉄、SUS等の金属製が好ましく、内面は導電性の材質を用いるか内面の表面を導電加工するのが好ましい。
[舞上げ手段]
図4に舞上げ手段としての撹拌羽根20の概略図を示す。図4(a)に上面図、図4(b)に側面図を示している。
本実施形態において、撹拌羽根20は、回転することで、トナー粒子及び外添剤を含む被処理物を処理室10内で舞上げ可能に構成されている。
撹拌羽根20は、回転中心から外側(径方向の外向き(外径方向)、外径側)に向かって伸びる羽根部21を有し、羽根部21の先端が被処理物を舞上げるように跳ねあげ形状をしている。
羽根部21の形状は、トナー処理装置1の大きさや運転条件、被処理物の充填量、比重によって適宜設計可能である。
撹拌羽根20は、強度の観点から鉄、SUS等の金属製が好ましく、必要に応じて耐摩耗用にメッキ、コーティングを施してもよい。
撹拌羽根20は、処理室10の底部の駆動軸11に固定され、上方から見て(図4(a)に示す状態で)時計方向に回転する。図では、駆動軸11の回転方向を矢印Rで示している。
撹拌羽根20の回転により、被処理物は処理室10内で撹拌羽根20と同じ方向に回転しながら上昇し、やがて重力によって下降してくる。このようにして被処理物は均一に混合される。
[回転体]
図1,5に回転体30の概略図を示す。図1(a)は処理室10内に設置された回転体30を示す上面図、図1(b)は回転体30の要部を示す斜視図、図1(c)は図1(b)のA−A断面を示す図である。図5(a)は回転体30の上面図、図5(b)は側面図である。
本実施形態において回転体30は、処理室10内で撹拌羽根20よりも上方にあって、撹拌羽根20と同じ駆動軸11に固定され、撹拌羽根20と同じ方向(矢印R方向)に回転する。
回転体30は、回転体本体31と、回転体30の回転により被処理物に衝突して該被処理物を処理する処理面33を備えた処理部32で構成されている。処理面33は、回転体本体31の外周面31aから外径方向に延び、かつ、処理面33のうち回転体本体31から離れた領域の方が、該領域より回転体本体31に近い領域より、回転体30の回転方向下流側に位置するように形成されている。
回転体30の回転により、被処理物と処理面33が衝突することによって外添剤凝集物の解砕処理が行われる。
ここで、処理面33の面積においては、面積が大き過ぎると被処理物の舞上げに影響を与え、駆動トルクの上昇や被処理物の昇温の恐れがあり、面積が小さ過ぎると所望の処理能力が得られないことが懸念される。
従って、処理面33の面積は、トナー処理装置1の大きさや運転条件、被処理物の充填量、比重によって適宜設計(設定)される。
以下、本実施形態について更に詳細に説明する。
[処理面と解砕処理]
図6,7は、処理面33の機能について説明するための図である。そして、処理面33において、後述する角度θの大きさが、θ<90度となる従来の場合を図6(a)に示し、θ>90度とした本実施形態の場合を図6(b)に示し、θ>130度の場合を図6(c)に示している。また、後述する処理面33の外径端の長さrが、処理室10の内周面10aの半径の80%の長さ(0.8L)未満の場合を図7(a)に示し、内周面10aの半径の80%の長さ以上の場合を図7(b)に示している。なお、説明の便宜上、従来例や比較例を示す図においても、本実施形態と同様の構成部材には、本実施形態と同じ符号を付している。
本実施形態では、撹拌羽根20により舞上げられたトナー粒子と凝集物を含む外添剤が回転体30に備えられた処理面33と衝突することにより、外添剤凝集物(被処理物)が、細かく解砕され、本発明特有の効果を得ることができる。
まず、トナー粒子及び外添剤を含む被処理物は、撹拌羽根20によって巻き上げられ、処理室10の外周部で撹拌羽根20の回転方向に旋回しながら上昇し、回転している処理面33と衝突する。
本実施形態の処理面33は、上述のように、回転体本体31から離れた領域の方が、該領域より回転体本体31に近い領域よりも、回転体30の回転方向Rの下流側に位置するように形成されている。
このような構成により、図6(b)に示すように、旋回している被処理物を処理面33で一度処理した後に、該被処理物を処理面33の進行方向に打ち返す(処理面33で処理すると共に打ち返す)ことができると考えられる。被処理物が処理面33の進行方向に打ち返されれば、回転体30の回転時における処理面33の通過領域内に被処理物を位置させる(留めておく)ことができ、回転移動する処理面33は、被処理物を繰り返し処理することができる。
このとき、処理面33は、回転体本体31の外周面31aから外径方向に延びるように設けられているので、図6(b)に矢印で示す被処理物Tの軌跡のように、被処理物を処理面33と外周面31aとの間に巻き込む(流れ込ませる)ことができる。これにより、被処理物が処理面33の内径側から逃げてしまうようなことなく、被処理物を処理面33の進行方向に打ち返さすことができる。したがって、より確実に、処理面33で被処理物を繰り返し処理することができるようになる。
一方、従来の処理面33では、図6(a)に示すように、回転体本体31から離れた領域の方が、該領域より回転体本体31に近い領域よりも、回転体30の回転方向Rの上流側(回転方向上流側)に位置している。このため、旋回している被処理物は、処理面33で一度処理された後、又は、処理面33で処理されることなく、処理面33と処理面33の外径側にある処理室10の内周面10aとの間をすり抜けてしまうと考えられる。このため、本実施形態の場合よりも、処理効率が低下すると考えられる。
本実施形態のトナー処理装置1を用いることで、上述の流動性向上、帯電性向上の為に
添加した小径外添剤の凝集物を解砕することができ、凝集物由来の粒子像による画像弊害を抑制することが可能となる。ここで、小径外添剤は、一次粒子の個数平均粒径が10nm以上80nm以下のシリカ粒子である。
本実施形態のトナー処理装置1の効果を確認する手法として、本発明者らは、外添剤メッシュ通過率を用いて評価を行った。
本実施形態のトナー処理装置1を用いると、凝集した外添剤のほとんどが短時間で解砕されるため、メッシュ通過率が高く、外添剤凝集物由来の粒子像による画像弊害は発生しない。
一方、外添剤の凝集物が多く残存するトナーの場合は、メッシュ通過率が低く、即ち外添剤凝集物由来の粒子像による画像弊害が発生してしまうことが懸念される。
ここで、処理面33は上述のように、回転体本体31の外周面31aから外径方向に延び、回転体本体31から離れた領域の方が、該領域より回転体本体31に近い領域よりも、回転体30の回転方向下流側に位置するように形成されている。
このとき、処理面33は、回転体本体31から外径側に離れるに従い(外径側に離れるほど)、回転体30の回転方向Rの下流側に位置するものであるとよいが、これに限るものではない。回転体本体31の外周面31aから外径方向に延びた処理面33の一部の領域の位置が、該領域より回転体本体31に近い領域の位置よりも、回転体30の回転方向Rの下流側に位置するように構成されるものであればよい。このような構成により、旋回している被処理物を、処理面33で一度処理した後に、該被処理物を処理面33の進行方向に打ち返したりすることができると考えられる。
以下に、本実施形態の好ましい構成についてさらに説明する。
まず、本実施形態の処理面33の径方向の長さについて説明する。
ここで、処理面33における、駆動軸11の回転中心(回転軸心、図1(a)に示すO)から、処理面33のうち回転体本体31から最も離れた端部までの径方向の長さを、処理面33の外径端の長さといい、この長さをrで示す。
処理面33の外径端の長さrは、処理面33が処理室10の内周面10aに接触しない長さであって、内周面10aの半径の80%以上の長さであることが好ましい。さらに長さrは、内周面10aの半径の90%以上であると、より好ましく、95%以上が最も好ましい。
本実施形態では、図7(b)に示すように、r<0.8Lの処理面(図7(a))に比べ処理面33が外径方向に長くなる(r≧0.8L)ように構成されている。このため、処理面33の高さ(駆動軸11の回転軸方向の長さ)が同じ(トナー処理装置のサイズが同じ)場合、処理面積が大きくなるため、旋回している被処理物を数多く処理することができる。また、処理面33は回転運動していることから、処理面33が、処理室10の内周面10aに近づくほど、処理面33の先端(外径側の端部、外径端)部分の周速が速くなる。
処理面33の周速が速くなると、被処理物への衝突力が大きくなるため、被処理物を解砕する効果が大きくなると考えられる。
一方、図7(a)に示す構成の場合、処理面33の外径方向の長さが図7(b)に示す構成よりも短いため、被処理物に衝突する確率が低くなると考えられる。また、処理室10の内周面10a近く(図7(a)の領域c)に処理面33が存在しないため、回転している処理面33の先端部分の周速は、図7(b)に示す構成の場合の周速と比べて遅くなるため、被処理物を解砕する効果が小さくなると考えられる。
さらに、処理面33は、次に示す(a)且つ(b)のように構成されると、より好ましい。
(a)図1に示すように、処理面33の外径端の長さは、処理面33が処理室10の内周面10aに接触しない長さであって、内周面10aの半径の80%以上の長さとなるように構成されるとよい。
(b)駆動軸11に直交する面で処理面33を切断したと仮定したときの断面をとる。このとき、処理面33のうち回転体本体31に最も近い第1部位33aと、駆動軸11の中心からの長さが内周面10aの半径の80%(0.8L)となる位置に位置する第2部位33bとを結ぶ線を線aとする。また、駆動軸11を中心とし第2部位33bを通る円の第2部位33bにおける接線を線bとする。このときの線aと線bとのなす角のうち回転方向Rの下流側の角の大きさ(以下、角度θ)が、90度より大きく130度以下となるように構成されるとよい。
角度θは、95度以上121度以下であると、より好ましい。ここで、第2部位33bは、処理面33のうち回転体本体31から離れた領域に位置し、第1部位33aは、該領域(回転体本体31から離れた領域)より回転体本体31に近い領域に位置している。
ここで、角度θが130度より大きい場合、被処理物と処理面33の衝突機会が小さくなるため、被処理物の解砕が進みにくくなる場合がある。これは、以下のような理由からと考えている。
被処理物が回転体30の回転と同心円の円周方向に旋回しているとすれば、被処理物の流れ方向は回転体30の回転と同心円の接線方向と考えられる。被処理物と処理面33とが衝突する角度は、駆動軸11を中心とした、ある半径における円の接線方向と、処理面33との角度と考えられる。
角度θが90度より小さい場合には、図6(a)に示したように、被処理物は、処理面33に衝突した後、処理面33の外側に逃げてしまうと考えられる。
また、角度θが90度より大きい場合には、図6(b)に示したように、被処理物は、処理面33に繰り返し衝突すると考えられる。
そして、角度θが130度を超える場合には、図6(c)に示したように、被処理物は、処理面33に衝突した後、処理面33の内径側に入り込みやすく(処理面33と外周面31aとの間に巻き込まれやすく)なり、繰り返し処理される。しかし、繰り返し処理される処理面33上での位置が、径方向の内側(回転体30の回転中心側)になる。回転体30の回転中心に近づく程、処理される位置での処理面33の速度(周速)が低くなるため、結果として衝突力が若干小さくなると考えられる。
次に、図1を用いて本実施形態の回転体30の、より好ましい構成について説明する。
図1に示す構成では、処理面33の外径端の長さrを、図1(a)に示すように、内周面10aの半径(1.00L)の95%(0.95L)としている。また、処理面33は、図1(b),(c)に示すように、回転体本体31の外周面31aから外径方向に略直線状に延びている。
処理面33の長さとしては、内周面10aの半径の80%以上の長さがより好ましい理由は上述した通りである。
処理室10としては、駆動軸11を中心とする内周面10aを有し、処理面33の外径端の長さrは、処理面33が内周面10aに接触しない長さであって、内周面10aの半径の90%以上の長さであることがより好ましい。
上述したように、処理面33は回転運動していることから、処理面33が処理室10の内周面10aに近づくほど、即ち処理室10内で、より外径側に存在するほど、処理面33の先端部分の周速が早くなる。
処理面33の先端部の周速が早くなると、被処理物への衝突力が大きくなるため、被処理物を解砕する効果がより大きくなると考えられる。
本実施形態では、トナー処理装置1を製作する際の公差を鑑み、処理面33の外径端の長さrの上限は内周面10aの半径に対して98%と考えている。
更に本実施形態によれば、処理面33は、回転体本体31の外周面から外径方向に直線状に延びている構成であることがより好ましい。
図1(b),(c)に示すように、本実施形態において、処理面33は、略長方形の平面とされ、図3に示す駆動軸11に対して略平行に形成されている。
処理面33が、回転体本体31の外周面31aから外径方向に直線状に延びていることで、被処理物と効果的に衝突し、解砕処理が進むと考えられる。
処理部32の好適な形態としては、図1に示したものの他に、次に示す形態のものを例示することができる。
図15〜17は、処理部32の他の形態を示す概略図である。図15(a)には図1(b)と同じ図を示しているが、このA−A断面の形状は、図15(b)〜(f)に示すような形状であってもよい。また、処理部32の形状は、図16,17に示すような形状で構成されるものであってもよい。
ここで、図15〜図17に示す形態についてそれぞれ説明する。
図15(b)には、A−A断面で、処理面33における駆動軸11の軸方向の両端部に面取り(丸み面取り)が施された構成を示している。
図15(c),(d)には、処理面33が駆動軸11に対して角度を持つように形成された構成を示している。
図15(e)には、処理面33における駆動軸11の軸方向の中央部分が、回転体30の回転方向Rの下流側に凸となる湾曲形状をなしている構成を示している。
図15(f)には、処理面33における駆動軸11の軸方向の中央部分が、回転体30の回転方向Rの上流側に凹となる湾曲形状をなしている構成を示している。
図16(a)には、駆動軸11の軸方向から見たときに、処理面33が回転体30の回転方向Rの上流側に凹となる湾曲形状をなす構成を示している。図16(b)には、図16(a)に示す処理面33を回転体30の回転方向Rの下流側から見た図を示している。
図16(c)には、駆動軸11の軸方向から見たときに、処理面33が回転体30の回転方向Rの下流側に凸となる湾曲形状をなす構成を示している。図16(d)には、図16(c)に示す処理面33を回転体30の回転方向Rの下流側から見た図を示している。
図17には、駆動軸11の軸方向から見たときに、処理面33が、処理面33の第1部位33a、第2部位33bを結ぶ線aに沿った凹凸形状をなす構成を示している。
これらの構成は、可能な限り組み合わせて採用することができる。
[トナーの製造]
次に、本実施形態のトナー処理装置を用いた、外添工程を含むトナーの製造方法の一例について説明する。
トナーの製造方法については、特に限定されず、従来公知の製造方法を用いることができる。ここでは、粉砕法を用いたトナーの製造手順について説明する。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、結着樹脂、着色剤、及びワックス、並びに必要に応じて、荷電制御剤等の他の成分を所定量秤量して配合し、混合する。
混合装置の一例としては、スーパーミキサー(株式会社カワタ製)、ヘンシェルミキサー、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)、ナウターミキサー(ホソカワミクロン株式会社製)等が挙げられる。
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中にワックス等を分散させる。その溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーの如きバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができる。
連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。例えば、KTK型2軸押出機(株式会社神戸製鋼所製)、TEM型2軸押出機(東芝機械株式会社製)、
PCM混練機(株式会社池貝製)、ニーデックス(日本コークス工業株式会社製)が挙げられる。更に、溶融混練することによって得られる樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。
次いで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。
粉砕工程では、クラッシャー、ハンマーミル、の如き粉砕機で粗粉砕した後、更に、クリプトロンシステム(株式会社アーステクニカ製)、ターボ・ミル(フロイント・ターボ株式会社製)等による微粉砕機で微粉砕する。その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボジェット(日鉄鉱業株式会社製)、遠心力分級方式のTSPセパレータ、TTSPセパレータ、ファカルティ(ホソカワミクロン株式会社製)の如き分級機や篩分機を用いて分級し、トナー粒子を得る。
このようにして得られたトナー粒子の表面に前記小径の外添剤を解砕させる装置として、図2に示す本実施形態のトナー処理装置1を用いる。処理方法は以下の通りである。
まず、図2に示すトナー処理装置1の回転体30の回転速度を後述する所定の範囲内で設定する。
次に、処理室10の上蓋を開け、予め計量しておいたトナー粒子及び外添剤を含む被処理物を投入する。被処理物の投入後、上蓋を閉め、以下に記載する回転速度で、回転体30を回転させる。
更に、回転体30の回転中、冷水発生手段からの冷水を冷水ジャッケット(図示しない)に供給することで、処理室10内の材料温度を、トナーに含有される樹脂成分のガラス転移点(Tg)以下に調整する。
所望の時間、処理を行った後、排出弁(図示しない)を開き、処理室10からトナーを取り出す。その後、35μmから75μm開口程度のメッシュに通し、粗大粒子を除去し、トナーを得る。
回転体30の回転周速や、混合時間は、処理中の材料温度がトナーに含有される樹脂成分のガラス転移点(Tg)以下となる範囲に調整することが好ましい。具体的には、回転体30の回転速度は1000rpm以上、5000rpm以下であることが好ましい。また、混合時間は0.5分以上、60分以下の範囲で調整することが好ましい。
トナー粒子の表面に外添剤を固着させる工程は、1段階で行っても、2段階以上の多段階で行ってもよく、それぞれの段階で用いる混合条件及びトナー粒子の配合等は、同一であっても異なっていても良い。
次に、本実施形態に用いられるトナーに関して説明する。本実施形態に用いられるトナーとしては、公知のものが使用でき、粉砕法、重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法等のいずれの方法で製造されたものであってもよい。
[結着樹脂]
トナーを構成する結着樹脂としては、通常、トナーに用いられる樹脂を使用することができ、以下のようなものが挙げられる。
すなわち、本実施形態に好適に用いられるトナーにおいて、結着樹脂としては、ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体が挙げられる。更に、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体が挙げられる。更に、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体が挙げられる。更に、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の如きスチ
レン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂が挙げられる。更に、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂及び石油系樹脂が挙げられる。
トナーの物性のうち、結着樹脂に起因するものとしては、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定される分子量分布は以下のものが好ましい。即ち、分子量2,000以上50,000以下の領域に少なくとも一つのピークを有し、分子量1,000以上30,000以下の成分が50%以上90%以下、存在する場合がより好ましい。
結着樹脂のガラス転移点(Tg)は30℃以上60℃以下であることが好ましく、40℃以上60℃以下であることがより好ましい。
本実施形態に好適に用いられるトナーにおいては、定着時の定着部材からの離型性の向上、定着性の向上の点から、次のようなワックスがトナー粒子の材料として用いられるとよい。そのワックスとしては、パラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス及びその誘導体が挙げられる。これらのワックスの誘導体として、酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。その他のワックスとして、アルコール、脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックス、鉱物系ワックス、ペトロラクタムが挙げられる。
[荷電制御剤]
本実施形態に好適に用いられるトナーにおいては、トナー粒子の帯電量及び帯電量分布の制御のために、荷電制御剤をトナー粒子に配合(内添)、又はトナー粒子と混合(外添)して用いることが好ましい。
トナーを負荷電性に制御するための負荷電制御剤としては、有機金属錯体、キレート化合物が挙げられる。有機金属錯体としては、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸金属錯体、芳香族ジカルボン酸金属錯体が挙げられる。更に、負荷電制御剤としては、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸及びその金属塩;芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸の無水物が挙げられる。更に、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸のエステル化合物、ビスフェノールの如きフェノール誘導体が挙げられる。
トナーを正荷電性に制御するための正荷電制御剤としては、ニグロシン及び脂肪酸金属塩によるニグロシンの変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩が挙げられる。更に、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き四級アンモニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリブチルベンジルホスホニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩が挙げられる。更に、テトラブチルホスホニウムテトラフルオロボレートの如きホスホニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、燐タングステン酸が挙げられる。更に、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等);高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。
これらの荷電制御剤は、単独で又は二種類以上を組み合わせて用いることができる。また、電荷制御樹脂も用いることができ、上記の電荷制御剤と併用することも出来る。上記
した荷電制御剤は微粒子状で用いることが好ましい。これらの荷電制御剤をトナー粒子に内添する場合は、結着樹脂100.0質量部に対して0.1質量部以上20.0質量部以下をトナー粒子に添加することが好ましい。
[着色剤]
本実施形態に好適に用いられるトナーにおいては、トナー粒子の材料として、従来知られている種々の着色剤を用いることが出来る。以下、本実施形態に用いられる着色剤について説明する。
黒色着色剤としては、マグネタイト、カーボンブラック、以下に示すイエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤の如き有彩色着色剤によって黒色に調色されるように組み合わせたものが用いられる。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111が挙げられる。更に、120、127、128、129、147、155、162、168、174、176、180、181、185、191が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、31、48;2、48;3、48;4、57;1、81;1、122が挙げられる。更に、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、238、254が挙げられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が挙げられる。これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることが出来る。
本実施形態において、着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性を考慮して選択される。
これらの有彩色の非磁性の着色剤は、結着樹脂100質量部に対し総量で1.0質量部以上20.0質量部以下がトナー粒子中に含有される。
また、磁性の着色剤は、結着樹脂100質量部に対し総量で20質量部以上60質量部以下がトナー粒子中に含有される。
[外添剤]
本実施形態に好適に用いられるトナーにおいては、流動性の向上、帯電性向上の為に、一次粒子の個数平均粒径が10nm以上80nm以下程度の外添剤が添加されてなる。外添剤の例としては従来公知のものを用いることができるが、現像性、流動性のためシリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子、酸化ジルコニウム微粒子、酸化マグネシウム微粒子、或いはそれらの複合微粒子からなるグループより選ばれることが好ましい。
シリカとしては、硅素ハロゲン化物やアルコキシドの蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式法シリカ、及びアルコキシド、水ガラスから製造される湿式シリカの両方が使用可能である。しかし、表面及び微粉体内部にあるシラノール基が少なく、また、製造残査の少ない乾式シリカの方が好ましい。
外添剤は、疎水性を高め、湿度による性能の変動を抑える目的でシランカップリング処理、シリコーンオイル処理やアルミナ被膜を形成する表面処理が施されていても良い。具体的には、シランカップリング剤としてはヘキサメチルジシラザン又は下記式1に示されるものが挙げられる。
RmSiYn ・・・(式1)
R:アルコキシ基または塩素原子
m:1〜3の整数
Y:アルキル基またはビニル基、グルシドキシ基またはメタクリル基を含む炭化水素基
n:1〜3の整数
上記式(1)で示される化合物としては、例えばジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルクロルシラン、ジメチルビニルクロルシラン等を挙げることが出来る。
シランカップリング剤処理の方法としては、例えばシリカ粒子を撹拌によってクラウド状としたものに気化したシランカップリング剤を反応させる乾式法、又はシリカ粒子を溶媒中に分散させシランカップリング剤を滴下反応させる湿式法の何れでも処理出来る。
シリコーンオイルによる処理には、次の式で示されるものが挙げられる。
Figure 2014202965

〔式中、RはC1〜3のアルキル基を示し、R’はC1〜3のアルキル基、ハロゲン変
性アルキル基、フェニル基、C1〜3のアルキル基フェニル基、或いは、ハロゲン変性フェニル基を示し、R”はC1〜3のアルキル基又はアルコオキシ基を示す。〕
例えば、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルが挙げられる。上記シリコーンオイルは、25℃における粘度が50〜100mm/sのものが用いられる。
上記シリカ粒子のオイルによる処理量としては、シリカ粒子母体100質量部に対し3〜35質量部であるものが多く用いられる。
外添剤の疎水化処理としては、シランカップリング剤、或いは、シリコーンオイルによる処理が好ましいが、その両者によって処理されていてもかまわない。
アルミナ被膜を形成させる方法としては、次のような方法が挙げられる。
それは、水溶液中又は溶媒中で塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム等を添加し、微粒子を浸漬、乾燥する方法である。また、それは、含水アルミナ、含水アルミナ−シリカ、含水アルミナ−酸化チタン、含水アルミナ−酸化チタン−シリカ、又は含水アルミナ−酸化チタン−シリカ−酸化亜鉛を添加し、その水溶液に微粒子を浸漬、
乾燥する方法である。
上記外添剤には、シリカ、酸化チタン、及びアルミナ等いずれかの粒子を用いることができる。
[外添剤の添加量]
外添剤のトナー中における含有量は、0.1質量%以上8.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上6.0質量%以下であることがより好ましい。また外添剤は、複数種の微粒子の組み合わせでもよい。
[トナー・キャリア二成分系現像剤]
本実施形態の磁性キャリアとトナーを混合して二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2質量%以上15質量%以下、好ましくは4質量%以上13質量%以下にすると、通常、良好な結果が得られる。
以下、本実施形態におけるトナー等の各種物性の測定法について説明する。
[トナーの重量平均粒径(D4)の測定方法]
トナーの重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する。
測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。
測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター
Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行う。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。
「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに該電解水溶液200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。
そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに該電解水溶液30mlを入れる。
この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。
超音波分散器の水槽内に3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを
2ml添加する。
(4)上記(2)のビーカーを超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)上記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー10mgを少量ずつ電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。
尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した上記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した上記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
[外添剤の一次粒子の個数平均粒径の測定]
外添剤の個数平均一次粒径は、次のようにして求めた。
まず、外添剤の10万倍の電子顕微鏡写真を50枚撮影した。そして、その写真を画像処理解析装置(ニレコ社製、商品名:ルーゼックスIID)により、フレーム面積に対する粒子の面積率:最大2%、トータル処理粒子数:500個の条件で粒子の投影面積に対応する円相当径を算出し、その算術平均の値を求めた。
[外添剤のメッシュ通過率の測定]
本実施形態において、外添剤の解砕性はメッシュ通過率により評価される。
本実施形態のメッシュ通過率とは、ホソカワミクロン社製のパウダーテスタ PT−Xを用い、金属メッシュを通過する外添剤の比率を意味する。
装置 :ホソカワミクロン社製のパウダーテスタ PT−X
測定環境 :常温常湿(23℃、50%RH)の環境
測定前に24時間、常温常湿(23℃、50%RH)の環境に測定するトナーを調温・調湿させる。
金属メッシュ:#200(開口幅75μm)
トナー量 :5g
振幅 :0.5mm
振動時間 :120秒
上記条件で篩い処理したトナーと処理前トナー各々の珪素(シリカ由来)の蛍光X線強度の比率(百分率)を計算した。
金属メッシュ通過率(%)=(A)/(B)×100
A:金属メッシュ通過トナーの蛍光X線ネット強度
B:金属メッシュ処理前トナーの蛍光X線ネット強度
蛍光X線を用いた分析方法を以下に示す。
篩い処理したトナー、及び、篩い処理前のトナーを塩ビリングに約1g載せ、プレス機にて100kgf(980N)で圧縮しサンプルを作成する。得られたサンプルを蛍光X線分析装置:スペクトリス株式会社製 Axiosで測定し、外添剤由来の珪素(シリカの場合)のネット強度を得る。
X線管球のアノードとしてはRhを用い、測定雰囲気は真空、測定径(コリメーターマスク径)は10mm、測定時間300秒とする。また、軽元素を測定する場合にはプロポーショナルカウンタ(PC)、重元素を測定する場合にはシンチレーションカウンタ(SC
)で検出する。
珪素(シリカ粒子)のメッシュ通過率は、トナー中に含まれる金属元素のKα線ネット強度(KCPS)を測定して求められる。
[トナーのBET比表面積の測定]
トナーのBET比表面積の測定は、JIS Z8830(2001年)に準じて行う。具体的な測定方法は、以下の通りである。
測定装置としては、定容法によるガス吸着法を測定方式として採用している「自動比表面積・細孔分布測定装置 TriStar3000(島津製作所社製)」を用いる。測定条件の設定および測定データの解析は、本装置に付属の専用ソフト「TriStar3000 Version4.00」を用いて行い、また装置には真空ポンプ、窒素ガス配管、ヘリウムガス配管が接続される。窒素ガスを吸着ガスとして用い、BET多点法により算出した値を本実施形態におけるBET比表面積とする。
尚、BET比表面積は以下のようにして算出する。
まず、トナーに窒素ガスを吸着させ、その時の試料セル内の平衡圧力P(Pa)とトナーの窒素吸着量Va(モル・g−1)を測定する。そして、試料セル内の平衡圧力P(Pa)を窒素の飽和蒸気圧Po(Pa)で除した値である相対圧Prを横軸とし、窒素吸着量Va(モル・g−1)を縦軸とした吸着等温線を得る。
次いで、トナーの表面に単分子層を形成するのに必要な吸着量である単分子層吸着量Vm(モル・g−1)を、下記のBET式を適用して求める。
Pr/Va(1−Pr)=1/(Vm×C)+(C−1)×Pr/(Vm×C)
(ここで、CはBETパラメーターであり、測定サンプル種、吸着ガス種、吸着温度により変動する変数である。)
BET式は、X軸をPr、Y軸をPr/Va(1−Pr)とすると、傾きが(C−1)/(Vm×C)、切片が1/(Vm×C)の直線と解釈できる(この直線をBETプロットという)。
直線の傾き=(C−1)/(Vm×C)
直線の切片=1/(Vm×C)
Prの実測値とPr/Va(1−Pr)の実測値をグラフ上にプロットして最小二乗法により直線を引くと、その直線の傾きと切片の値が算出できる。これらの値を用いて上記の傾きと切片の連立方程式を解くと、VmとCが算出できる。
さらに、上記で算出したVmと窒素分子の分子占有断面積(0.162nm)から、下記の式に基づいて、トナーのBET比表面積S(m・g−1)を算出する。
S=Vm×N×0.162×10−18
(ここで、Nはアボガドロ数(モル−1)である。)
本装置を用いた測定は、装置に付属の「TriStar3000 取扱説明書V4.0」に従うが、具体的には、以下の手順で測定する。
充分に洗浄、乾燥した専用のガラス製試料セル(ステム直径3/8インチ、容積約5ml)の風袋を精秤する。そして、ロートを使ってこの試料セルの中に約1.5gのトナーを入れる。
トナーを入れた試料セルを真空ポンプと窒素ガス配管を接続した「前処理装置 バキュプレップ061(島津製作所社製)」にセットし、23℃にて真空脱気を約10時間継続する。尚、真空脱気の際には、トナーが真空ポンプに吸引されないよう、バルブを調整しながら徐々に脱気する。セル内の圧力は脱気とともに徐々に下がり、最終的には約0.4Pa(約3ミリトール)となる。真空脱気終了後、窒素ガスを徐々に注入して試料セル内を大気圧に戻し、試料セルを前処理装置から取り外す。そして、この試料セルの質量を精秤し、風袋との差からトナーの正確な質量を算出する。尚、この際に、試料セル内のトナー
が大気中の水分等で汚染されないように、秤量中はゴム栓で試料セルに蓋をしておく。
次に、トナーが入った試料セルのステム部に専用の「等温ジャケット」を取り付ける。そして、この試料セル内に専用のフィラーロッドを挿入し、前記装置の分析ポートに試料セルをセットする。尚、等温ジャケットとは、毛細管現象により液体窒素を一定レベルまで吸い上げることが可能な、内面が多孔性材料、外面が不浸透性材料で構成された筒状の部材である。
続いて、接続器具を含む試料セルのフリースペースの測定を行なう。フリースペースは、23℃においてヘリウムガスを用いて試料セルの容積を測定し、続いて液体窒素で試料セルを冷却した後の試料セルの容積を同様にヘリウムガスを用いて測定して、これらの容積の差から換算して算出する。また、窒素の飽和蒸気圧Po(Pa)は、装置に内蔵されたPoチューブを使用して、別途に自動で測定される。
次に、試料セル内の真空脱気を行った後、真空脱気を継続しながら試料セルを液体窒素で冷却する。その後、窒素ガスを試料セル内に段階的に導入してトナーに窒素分子を吸着させる。この際、平衡圧力P(Pa)を随時計測することにより前記した吸着等温線が得られるので、この吸着等温線をBETプロットに変換する。尚、データを収集する相対圧Prのポイントは、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30の合計6ポイントに設定する。得られた測定データに対して最小二乗法により直線を引き、その直線の傾きと切片からVmを算出する。さらに、このVmの値を用いて、前記したようにトナーのBET比表面積を算出する。
[トナーに含有される樹脂成分のガラス転移点(Tg)測定]
トナーに含有される樹脂成分のガラス転移点(Tg)は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、トナーを約10mg精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定範囲30乃至200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。
この昇温過程で、温度40℃乃至100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後の、ベースラインの中間点の線と、示差熱曲線との交点を、トナーに含有される樹脂成分のガラス転移温度Tgとする。
[実施例]
以下、具体的なトナー処理装置及びトナーの製造方法について実施例及び比較例をもって本発明を更に具体的に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。なお、各実施例及び各比較例において、上述した実施形態と同様の構成部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
[トナー粒子の製造例]
・不飽和ポリエステル樹脂:100質量部
(ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン/ポリオキシエチレン(2,2)−2,2ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン/テレフタル酸/無水トリメリット酸/フマル酸からなる不飽和ポリエステル樹脂,Mw:15000、Mw/Mn:4.5、Tg:58℃)
・カーボンブラック(黒色顔料):5質量部
・パラフィンワックス(最大吸熱ピーク73℃):4.5質量部
・荷電制御剤(サリチル酸アルミ錯体):0.5質量部
上記の材料をヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製FM10型)でよく混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機(株式会社池貝社製PCM15型)にて混練した。得られた混練物を冷却後粗粉砕し、粗砕物を得た。
得られた粗砕物を、機械式粉砕機(ターボ工業株式会社製T250RS型)を用いて粉砕した。
次に、得られた微粉砕物を、表面改質装置(ホソカワミクロン社製ファカルティーF300)を用いて、微粉砕物の分級を行い、重量平均径(D4)が5.8μmのトナー粒子を得た。
[外添剤の製造例]
一次粒子の個数平均粒径が18nm、BET比表面積200m/gの気相法シリカ粉を反応槽に入れて窒素雰囲気下で撹拌しながら、このシリカ粉100gに対して、ヘキサメチルシラザン5gをスプレーし、200℃の雰囲気温度で、30分間撹拌した。撹拌後、さらに、ジメチルシリコーンオイル15gをスプレーし、200℃で60分加熱撹拌した後に25℃まで冷却して表面処理シリカ粒子を調製した。
[実施例1]
実施例1における、トナー処理装置1の具体的な構成について、上述した図2を用いて、より詳細に説明する。
処理室10は、図2に示すような内寸高さが250mm、内径がφ230mmで有効容量が10lの円筒形状の容器で平らな底部の中心に駆動軸11を備えている。駆動モータ50の駆動は駆動ベルトを介して駆動軸11に伝達されている。制御部60は、電源スイッチ、駆動ONスイッチ、駆動停止スイッチ、回転数調整ボリューム、回転数表示部、品温表示部等を備え、トナー処理装置1の動作を制御している。
上述したように、処理室10内部には、被処理物を処理室10の底部から上方に舞上げる撹拌羽根20が駆動軸11に取り付けられている。撹拌羽根20には、S字形状でかつ先端が跳ねあげ形状のものが使用されている。さらに、撹拌羽根20の上方には、同じ駆動軸11に、図5示す回転体30が取り付けられている。回転体30には、円環状の回転体本体31の外周面31aから外径方向に突き出した処理部32が2か所設けられている。
このように図2に示すトナー処理装置1においては、トナー粒子及び表面処理シリカ粒子を含む被処理物を収容するための図3に示す処理室10の有効容量が10lとなっている。そして、被処理物を処理室10の底部から上方に舞上げさせる舞上げ手段として、図4に示す撹拌羽根20が設置されている。
更に、処理面33は、図7(b)に示すように、角度θ=100度、処理面33の外径端の長さrが、処理室10の内周面10aの半径の95%、処理面33は回転体本体31の外周面31aから外径方向に直線状に延びている構成である。
上記構成のトナー処理装置1に対し、トナー粒子100質量部を処理室10の有効容量の10%分導入する。さらに、表面処理シリカ粒子1.0質量部を導入する。
次いで、撹拌羽根20(回転体本体31)の回転速度が4000rpmとなるように制御して3分間運転して外添処理を行い、トナーを得た。その結果、トナー処理中の品温は28℃、外添剤のメッシュ通過率は88%であった。
[二成分系現像剤]
このトナー5質量部に対し、フェライトキャリア95質量部を混合し、現像剤とした。
本実施例に使用するフェライトキャリアは、日本画像学会、標準キャリア(負帯電極性トナー用標準キャリア N−01)を用いた。前記現像剤は、95質量部の磁性キャリア
に対し、5質量部の黒トナーを加え、常温常湿(23℃、50%RH)の環境において、V型混合機(株式会社徳寿工作所製)により混合し作製した。この現像剤を用いてキヤノン株式会社製フルカラー複合機iR−ADV C5051(以下、複合機)を使用して画像評価を行った。
<画像評価:外添剤凝集物由来の粒子像個数>
評価環境 :常温常湿(23℃、50%RH)
現像条件 :感光体上に載り量が0.6mg/cmになるように複合機本体を調整しテストパターンを出力する。
画像チャート :全面ベタ画像
評価用紙 :王子製紙社製 OKトップコート+(プラス) 157.0g/m
A4サイズ
評価枚数 :10枚
粒子像カウント方法:出力画像をキヤノン株式会社製スキャナーCS900F(9600dpi)にて画像データを作成する。アドビシステムズ株式会社製Photoshop CS6を用いて、画像の二値化処理を行い、30μm以上の凝集物由来の粒子像をカウントした。
10枚あたりの凝集物由来の粒子像の個数を表1に示す。
[実施例2]
実施例2においては、実施例1に対して、処理面33の外径端の長さrを処理室10の内周面10aの半径の90%にしたことが異なる。それ以外は実施例1と同様の構成、運転条件としてトナーを制作し、外添剤のメッシュ通過率、及び画像評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例3]
本実施例においては、実施例1に対して、処理面33の外径端の長さrを処理室10の内周面10aの半径の80%にしたことが異なる。それ以外は実施例1と同様の構成、運転条件としてトナーを制作し、外添剤のメッシュ通過率、及び画像評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例4においては、実施例1に対して、処理面33の外径端の長さrを処理室10の内周面10aの半径の98%にしたことが異なる。それ以外は実施例1と同様の構成、運転条件としてトナーを制作し、外添剤のメッシュ通過率、及び画像評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例5]
図8は、実施例5の回転体を示す概略図である。図8(a)は処理室10内に設置された回転体30を示す上面図、図8(b)は回転体30の要部を示す斜視図、図8(c)は図8(b)のB−B断面を示す図である。
本実施例においては、実施例1に対して、処理面33の角度θを図8に示すように91度とし、さらに、処理面33の外径端の長さrを処理室10の内周面10aの半径の90%にしたことが異なる。それ以外は実施例1と同様の構成、運転条件としてトナーを制作し、外添剤のメッシュ通過率、及び画像評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例6]
図9は、実施例6の回転体を示す概略図である。図9(a)は処理室10内に設置された回転体30を示す上面図、図9(b)は図9(a)のC−C断面を示す図である。
本実施例においては、実施例5に対して、処理面33の角度θを図9に示すように121度としたことが異なる。それ以外は実施例5と同様の構成、運転条件としてトナーを制作し、外添剤のメッシュ通過率、及び画像評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例7]
図10は、実施例7の回転体を示す概略図である。図10(a)は処理室10内に設置された回転体30を示す上面図、図10(b)は図10(a)のD−D断面を示す図である。
本実施例においては、実施例5に対して、処理面33の角度θを図10に示すように130度としたことが異なる。それ以外は実施例5と同様の構成、運転条件としてトナーを制作し、外添剤のメッシュ通過率、及び画像評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例8]
実施例8においては、実施例5に対して、処理面33の外径端の長さrを処理室10の内周面10aの半径の80%にしたことが異なる。それ以外は実施例5と同様の構成、運転条件としてトナーを制作し、外添剤のメッシュ通過率、及び画像評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例9]
実施例9においては、実施例1に対して、処理面33の角度θを図9に示すように121度とし、さらに、処理面33の外径端の長さrを処理室10の内周面10aの半径の80%にしたことが異なる。それ以外は実施例1と同様の構成、運転条件としてトナーを制作し、外添剤のメッシュ通過率、及び画像評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例10]
本実施例においては、実施例9に対して、処理面33の角度θを130度としたことが異なる。それ以外は実施例9と同様の構成、運転条件としてトナーを制作し、外添剤のメッシュ通過率、及び画像評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例11]
本実施例においては、実施例8に対して、処理面33の外径端の長さrを処理室10の内周面10aの半径の70%にしたことが異なる。それ以外は実施例8と同様の構成、運転条件としてトナーを制作し、外添剤のメッシュ通過率、及び画像評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例12]
本実施例においては、実施例1に対して、処理面33の外径端の長さrを処理室10の内周面10aの半径の70%にしたことが異なる。それ以外は実施例1と同様の構成、運転条件としてトナーを制作し、外添剤のメッシュ通過率、及び画像評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例13]
本実施例においては、実施例7に対して、処理面33の外径端の長さrを処理室10の内周面10aの半径の70%にしたことが異なる。それ以外は実施例7と同様の構成、運転条件としてトナーを制作し、外添剤のメッシュ通過率、及び画像評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例14]
図11は、実施例14の回転体を示す概略図である。図11(a)は処理室10内に設置された回転体30を示す上面図、図11(b)は図11(a)のE−E断面を示す図である。
本実施例においては、実施例2に対して、処理面33の角度θを図11に示すように136度としたことが異なる。それ以外は実施例2と同様の構成、運転条件としてトナーを制作し、外添剤のメッシュ通過率、及び画像評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例15]
図12は、実施例15の撹拌羽根を示す概略図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。
本実施例においては、実施例1に対して、舞上げ手段として、図12に示した撹拌羽根
22を用いたことが異なる。それ以外は実施例1と同様の構成、運転条件としてトナーを制作し、外添剤のメッシュ通過率、および画像評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例16]
実施例16においては、実施例1に対して、処理面33の表面形状を、図17に示したような、処理面33における第1部位33a、第2部位33bを結ぶ線aに対して凹凸が形成された構成にしたことが異なる。それ以外は実施例1と同様の構成、運転条件としてトナーを制作し、外添剤のメッシュ通過率、および画像評価を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
図13は、比較例1の回転体を示す概略図である。図13(a)は処理室10内に設置された回転体30を示す上面図、図13(b)は図13(a)のF−F断面を示す図である。
本比較例においては、実施例1に対して、処理面33の角度θを図13に示すように85度としたことが異なる。それ以外は実施例1と同様の構成、運転条件としてトナーを制作し、外添剤のメッシュ通過率、および画像評価を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
図14は、比較例2の回転体を示す概略図である。図14(a)は処理室10内に設置された回転体30を示す上面図、図14(b)は図14(a)のG−G断面を示す図である。
本比較例においては、実施例1で用いた材料を、図14に示すヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製FM10型)に導入して外添混合を行った以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。評価結果を表1に示す。なお、図14に示すヘンシェルミキサーの処理面33の角度θは76度であった。
Figure 2014202965
1…トナー処理装置、10…処理室、11…駆動軸、30…回転体、31…回転体本体、31a…外周面、32…処理部、33…処理面、T…被処理物

Claims (9)

  1. トナー粒子と外添剤とを含む被処理物が収容される処理室と、
    前記処理室内で駆動軸を中心に回転可能に設けられた回転体と、
    を備え、
    前記回転体は、
    回転体本体と、
    前記回転体の回転により被処理物に衝突して該被処理物を処理する処理面であって、前記回転体本体の外周面から径方向の外向きに延び、かつ、前記処理面のうち前記回転体本体から離れた領域の方が、該領域より前記回転体本体に近い領域よりも、前記回転体の回転方向下流側に位置するように形成された処理面を有する処理部と、
    を備えることを特徴とするトナー処理装置。
  2. 前記処理室は、前記駆動軸を中心とする内周面を有し、
    前記駆動軸から、前記処理面のうち前記回転体本体から最も離れた端部までの前記径方向の長さは、前記処理面が前記内周面に接触しない長さであって、前記内周面の半径の80%以上の長さであり、且つ、
    前記駆動軸に直交する面で前記処理面を切断したと仮定したときの断面において、前記処理面のうち前記回転体本体に最も近い第1部位と、前記駆動軸からの長さが前記内周面の半径の80%となる位置に位置する第2部位とを結ぶ線を線aとし、前記駆動軸を中心とし前記第2部位を通る円の前記第2部位における接線を線bとしたとき、前記線aと前記線bとのなす角のうち前記回転方向下流側の角の大きさが、90度より大きく130度以下であることを特徴とする請求項1に記載のトナー処理装置。
  3. 前記処理室は、前記駆動軸を中心とする内周面を有し、
    前記駆動軸から、前記処理面のうち前記回転体本体から最も離れた端部までの前記径方向の長さは、前記処理面が前記内周面に接触しない長さであって、前記内周面の半径の90%以上の長さであることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー処理装置。
  4. 前記処理室内における前記回転体の下方には、前記被処理物を舞上げる舞上げ手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトナー処理装置。
  5. 前記処理面は、前記回転体本体の外周面から前記径方向の外向きに直線状に延びていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトナー処理装置。
  6. 前記処理面は、前記回転体の回転軸方向から見たときに前記回転方向上流側に凹となる湾曲形状をなすように、前記回転体本体の外周面から前記径方向の外向きに延びていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトナー処理装置。
  7. 前記処理面は、前記回転体の回転軸方向から見たときに前記回転方向下流側に凸となる湾曲形状をなすように、前記回転体本体の外周面から前記径方向の外向きに延びていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトナー処理装置。
  8. 前記処理面は、前記処理面における前記回転体の回転軸方向の中央部分が前記回転方向上流側に凹となる湾曲形状をなしていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のトナー処理装置。
  9. 前記処理面は、前記処理面における前記回転体の回転軸方向の中央部分が前記回転方向下流側に凸となる湾曲形状をなしていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のトナー処理装置。
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